(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-16
(45)【発行日】2023-08-24
(54)【発明の名称】有機電界発光素子{ORGANICELECTROLUMINESCENTDEVICE}
(51)【国際特許分類】
H10K 50/12 20230101AFI20230817BHJP
C09K 11/06 20060101ALI20230817BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20230817BHJP
H10K 85/60 20230101ALI20230817BHJP
【FI】
H10K50/12
C09K11/06 660
C09K11/06 690
H05B33/14 B
H10K85/60
(21)【出願番号】P 2019087867
(22)【出願日】2019-05-07
【審査請求日】2022-04-26
(31)【優先権主張番号】10-2018-0051955
(32)【優先日】2018-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518196550
【氏名又は名称】マテリアル サイエンス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】MATERIAL SCIENCE CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スンチャン、イ
(72)【発明者】
【氏名】チェホ、チョン
(72)【発明者】
【氏名】ヒョンピン、カン
(72)【発明者】
【氏名】カンソク、ト
(72)【発明者】
【氏名】チンソン、キム
(72)【発明者】
【氏名】テホ、カク
【審査官】渡邊 吉喜
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/188111(WO,A1)
【文献】特開2007-077094(JP,A)
【文献】国際公開第2009/069537(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 50/10
C09K 11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と、
第2電極、及び
前記第1電極と第2電極との間に少なくとも一層の有機膜を含む有機電界発光素子であって、
前記有機膜は発光層を含み、
前記発光層は下記化学式1で表される化合物及び下記化学式2で表される化合物を含む有機電界発光素子。
【化1】
ここで、
Yは
Bであり、
X
1及びX
2は互いに同一か異なり、それぞれ独立し
てN(R
12)及びN(R
13)からなる群から選択されて、
R
1ないしR
13は互いに同一か異なり、それぞれ独立して水素
、ハロゲン基
、置換または非置換された炭素数1ないし30のアルキル基、置換または非置換された炭素数
3ないし20のシクロアルキル基
、置換または非置換された炭素数6ないし30のアリール基、置換または非置換された核原子数5ないし60のヘテロアリール基
、置換または非置換された炭素数1ないし30のアルキルアミノ基、置換または非置換された炭素数6ないし30のアリールアミノ基からなる群から選択され、隣接する基と互いに結合して置換または非置換された環を形成してもよく、
【化2】
ここで、
XはOまたはSであり、
nは0ないし4の整数であり、
mは0ないし3の整数であり、
L
1及びL
2は互いに同一か異なり、それぞれ独立して単一結合、置換または非置換の炭素数6ないし30のアリーレン
基からなる群から選択され、
Ar
1は置換または非置換の炭素数6ないし30のアリール基から選択されて、
R
14ないしR
23
は水素
であり、
前記R
1ないしR
13
、L
1ないしL
2及びAr
1はそれぞれ独立して
、重水素、シアノ基
、ハロゲン基
、置換または非置換の炭素数1ないし30のアルキル基、置換または非置換の炭素数3ないし30のシクロアルキル基
、置換または非置換の炭素数6ないし30のアリール基、置換または炭素数2ないし30のヘテロアリール基
、置換または非置換の炭素数1ないし30のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数1ないし30のアルキルアミノ基、置換または非置換の炭素数6ないし30のアリールアミノ基
、置換または非置換の炭素数1ないし30のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素数6ないし30のアリールシリル
基からなる群から選択される1以上の置換基で置換されてもよく、前記置換基が複数の場合、これらは互いに同一か異なる。
【請求項2】
前記発光層は、下記化学式2で表される化合物を含む、請求項1に記載の有機電界発光素子。
【化3】
L
1は置換または非置換の
炭素数6ないし30のアリーレン基であり、
L
2は単一結合、置換または非置換の炭素数6ないし30のアリーレン
基からなる群から選択されて、
X、R
14ないしR
23及びAr
1は請求項1で定義したものと同一である。
【請求項3】
前記化学式2で、
XはOであり、
Ar
1は置換または非置換の炭素数6ないし30のアリール
基であり、
L
2は単一結合である、請求項
2に記載の有機電界発光素子。
【請求項4】
前記化学式1で表される化合物は下記化合物からなる群から選択される、請求項1に記載の有機電界発光素子。
【化4】
【請求項5】
前記化学式2で表される化合物は下記化合物からなる群から選択される、請求項1に記載の有機電界発光素子。
【化5】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機電界発光素子に関し、より具体的には、有機電界発光素子に含まれる1以上の有機層に新規のボロン系有機化合物及びアントラセン系有機化合物を含む有機電界発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機電界発光素子(OLED)は既存の液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)及び電界放出ディスプレイ(FED)などの他の平板表示素子に比べて構造が簡単で、製造工程上、多様な長所があり、高い輝度及び視野角特性に優れ、応答速度が速く、駆動電圧が低いため壁掛けTVなどの平板ディスプレイまたはディスプレイのバックライト、照明、広告板などの光源として使用されるように活発に開発及び製品化されている。
【0003】
有機電界発光素子はイーストマンコダック社のタン(C.W.Tang)などによって最初の有機EL素子が報告(C.W.Tang,S.A.Vanslyke,Applied Physics Letters,51巻913頁,1987年)され、この発光原理は一般的に、電圧を印加した時、陽極から注入された正孔と陰極から注入された電子が再結合して電子-正孔対のエキシトンを形成して、このエキシトンのエネルギーを発光材料に伝達することによって光に変換されることを基礎とする。
【0004】
さらに具体的には、有機電界発光素子は陰極(電子注入電極)と陽極(正孔注入電極)、及び前記二つの電極間に1以上の有機層を含む構造を有する。この時、有機電界発光素子は陽極から正孔注入層(HIL,hole injection layer)、正孔輸送層(HTL,hole transport layer)、発光層(EML,light emitting layer)、電子輸送層(ETL,electron transport layer)または電子注入層(EIL,electron injection layer)の順に積層されて、発光層の効率を高めるために電子遮断層(EBL,electron blocking layer)または正孔遮断層(HBL,hole blocking layer)をそれぞれ発光層の前後に追加で含み得る。
【0005】
このような有機電界発光素子の有機層のうち、発光層有機物質としては酸化と還元状態でともに安定した形態を有する物質が好ましく、エキシトンが形成された時これを光に転換する発光効率の高い物質が好ましい。さらに具体的には、発光層はホスト(host)とドーパント(dopant)の二つの物質で構成されて、ドーパントは量子効率が高くなければならず、ホスト物質はドーパント物質よりもエネルギーギャップが大きいため、ドーパントへのエネルギー移動が容易に起きるようにすることが好ましい。
【0006】
一般的に、有機電界発光素子に使用される発光層有機物は薄膜であり、成膜時に非晶質膜で形成され易いが、分子形状または分子極性によって非等方性の配列で成膜される傾向を示す材料も存在する。かかる非等方性の配列は分子の形状が線形に近く、その軸によって分子内の双極子を形成する基を含む場合、基板に水平方向へ配列する性向が大きくなり、これを通じて垂直への電荷伝送度及び光取出効率が大きく向上することが知られている(Ref.J.Mater.Chem.,2011,21,19187)。
【0007】
これによって、素子の駆動電圧及び光効率を高めるためには、既存に主に使用される多環芳香族(polyarmatic)のみで構成された青色ホストよりは、ジベンゾフラン(dibenzofuran)、ジベンゾチオフェン(dibenzothiophene)などのように極性がある誘導体を置換することが重要である。
【0008】
その理由はジベンゾフラン(Dibenzofuran)に含まれている酸素分子またはジベンゾチオフェン(dibenzothiophene)に含まれている硫黄分子によって分極率(Polarizability)及び双極子モーメント(Dipole Moment)が増加して成膜時に水平方向の分子配列が増加し、電荷移動度及び光取出が増加して素子駆動電圧及び効率を改善させることができるためである。
【0009】
しかし、ホスト材料の極性が増加する場合、ドーパントの励起状態と基底状態のエネルギーがこれを取り囲んでいるホストの極性に影響を受けて発光スペクトラムが長波長に移動する傾向を示し、最終的に色特性の低下現象を引き起こす。
【0010】
既存の青色ドーパントに使用される物質はペリレン(Perylene)、クマリン(Coumarine)、アントラセン(Anthracene)、ピレン(Pyrene)などの蛍光分子の活用が多くの比重を占めたが、ドーパントの発光スペクトラムの半値幅(Full width half the maximum)が~40nm水準と広く、濃青色(Deep Blue)を具現し難く、前面発光素子で光学的共振を通じて一定の波長区間を増幅させる時にも光学的損失が発生する。
【0011】
特に、前記駆動電圧及び効率改善のために極性があるホストの使用時、ドーパントの色特性の低下効果がより大きく現われるようになる問題点がある。したがって、本発明の発明者らは極性が高いホスト材料の使用時、半値幅が相対的に狭いドーパント材料を使用して同一発光スペクトラムの最大波長で色特性の低下を最小化しながら、ホスト材料による駆動及び効率の向上効果を向上させようとした。
【0012】
しかし、半値幅が狭いドーパントを使用してもホストの高い極性によって素子の寿命が減少するというまた別の問題点が提起された。国際公開公報第2017-188111号の有機電界発光素子もジベンゾフラン(dibenzofuran)またはジベンゾチオフェン(dibenzothiophene)置換基を有するアントラセン系化合物と半値幅が小さなドーパントを使用しているが、依然として寿命減少問題が解決されなかった。そこで、本発明の発明者らは極性が高いホスト材料の使用時、半値幅が相対的に狭いドーパント材料を使用して、同一発光スペクトラムの最大波長で色特性の低下を最小化すると同時に、ホスト材料による駆動及び効率向上を向上させて寿命減少問題も一緒に解決しようとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】韓国公開特許 第10-2013-0010633号
【非特許文献】
【0014】
【文献】Krebs,Frederik C.,et al.“Synthesis,Structure,and Properties of 4,8,12-Trioxa-12c-phospha-4,8,12,12 ctetrahydrodibenzo[cd,mn]pyrene,a Molecular Pyroelectric.”Journal of the American Chemical Society 119.6(1997):1208-1216.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は素子の効率、色特性、寿命を向上させることができる有機電界発光素子を提供することを目的とする。
【0016】
特に、本発明は高い極性を有するにもかかわらず特定の構造式を有するホスト物質を使用して色特性の低下防止、低い駆動電圧、高い発光効率及び長寿命などの特性を有する有機電界発光素子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本明細書で使用された用語は特定の実施例を説明するために使用されて、本発明を制限するためのものではない。
【0018】
本明細書で使用されたように、単数形態は文脈上、他の場合を明確に指摘するものでなければ、複数の形態を含み得る。また、本明細書で使用される場合“含む(comprise)”及び/または“含む(comprising)”は言及した形状、数字、段階、動作、部材、要素及び/またはこれらグループの存在を特定のするものであり、1以上の他の形状、数字、動作、部材、要素及び/またはグループの存在または付加を排除するものではない。
【0019】
本明細書で使用されたように、用語“及び/または”は当該列挙された項目のうちいずれか1及び1以上のすべての組み合わせを含む。
【0020】
本発明で“アルキル”は炭素数1ないし40個の直鎖または側鎖の飽和炭化水素から由来される1価の置換基を意味する。この例としてはメチル、エチル、プロピル、イソブチル、sec-ブチル、ペンチル、iso-アミル、ヘキシルなどを挙げることができるが、これに限定されない。
【0021】
本発明で“アルケニル(alkenyl)”は炭素-炭素二重結合を1個以上有する炭素数2ないし40個の直鎖または側鎖の不飽和炭化水素から由来される1価の置換基を意味する。この例としてはビニル(vinyl)、アリル(allyl)、イソプロペニル(isopropenyl)、2-ブテニル(2-butenyl)などを挙げることができるが、これに限定されない。
【0022】
本発明で“アルキニル(alkynyl)”は炭素-炭素三重結合を1個以上有する炭素数2ないし40個の直鎖または側鎖の不飽和炭化水素から由来される1価の置換基を意味する。この例としてはエチニル(ethynyl)、2-プロピニル(2-propynyl)などを挙げることができるが、これに限定されない。
【0023】
本発明で“アリール”は単独環または2以上の環が組み合わされた炭素数6ないし60個の芳香族炭化水素から由来された1価の置換基を意味する。
【0024】
また、2以上の環が互いに単純付着(pendant)されたり縮合された形態も含まれることができる。かかるアリールの例としてはフェニル、ナフチル、フェナントリル、アントリル、ジメチルフルオレニルなどを挙げることができるが、これに限定されない。
【0025】
本発明で“ヘテロアリール”は核原子数5ないし60個のモノヘテロサイクリックまたはポリヘテロサイクリック芳香族炭化水素から由来された1価の置換基を意味する。この時、環中の1以上の炭素、好ましくは1ないし3個の炭素がN、O、SまたはSeのようなヘテロ原子で置換される。また、2以上の環が互いに単純付着(pendant)されたり縮合された形態が含まれてもよく、ひいてはアリール基との縮合された形態を含んでもよい。かかるヘテロアリールの例としてはピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニルのような6-員モノサイクリック環、フェノキサチエニル(phenoxathienyl)、インドルリジニル(indolizinyl)、インドリル(indolyl)、プリニル(purinyl)、キノリル(quinolyl)、ベンゾチアゾール(benzothiazole)、カバゾルリル(carbazolyl)のようなポリサイクリック環及び2-フラニル、N-イミダゾリル、2-イソオキサゾリル、2-ピリジニル、2-ピリミジニルなどを挙げることができるが、これに限定されない。
【0026】
本発明で“アリールオキシ”はRO-で表される1価の置換基として、前記Rは炭素数6ないし60個のアリールを意味する。かかるアリールオキシの例としてはフェニルオキシ、ナフチルオキシ、ジフェニルオキシなどを挙げることができるが、これに限定されない。
【0027】
本発明で“アルキルオキシ”はR’O-で表される1価の置換基として、前記R’は炭素数1ないし40個のアルキルを意味し、直鎖(linear)、側鎖(branched)またはサイクリック(cyclic)構造を含み得る。アルキルオキシの例としてはメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、1-プロポキシ、t-ブトキシ、n-ブトキシ、ペントキシなどを挙げることができるが、これに限定されない。
【0028】
本発明で“アリールアミン”は炭素数6ないし60個のアリールで置換されたアミンを意味する。
【0029】
本発明で“シクロアルキル”は炭素数3ないし40個のモノサイクリックまたはポリサイクリック非-芳香族炭化水素から由来された1価の置換基を意味する。かかるシクロアルキルの例としてはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボニル(norbornyl)、アダマンティン(adamantine)などを挙げることができるが、これに限定されない。
【0030】
本発明で“ヘテロシクロアルキル”は核原子数3ないし40個の非-芳香族炭化水素から由来された1価の置換基を意味し、環中の1以上の炭素、好ましくは1ないし3個の炭素がN、O、SまたはSeのようなヘテロ原子で置換される。かかるヘテロシクロアルキルの例としてはモルホリン、ピペラジンなどを挙げることができるが、これに限定されない。
【0031】
本発明で“アルキルシリル”は炭素数1ないし40個のアルキルで置換されたシリルであり、“アリルシリル”は炭素数6ないし60個のアリールで置換されたシリルを意味する。
【0032】
本発明で“縮合環”は縮合脂肪族環、縮合芳香族環、縮合ヘテロ脂肪族環、縮合ヘテロ芳香族環またはこれらの組み合わされた形態を意味する。
【0033】
本発明で“アリーレン基”はアリール基に結合位置が二つあるもの、即ち2価基を意味する。これらはそれぞれ2価基のものを除き前述したアリール基の説明が適用され得る。一例として、フェニレン(phenylene)、ビフェニレン(biphenylene)、ナフタレン(naphthylene)、アントラセニレン(anthracenylene)またはフルオレニレン(fluorenylene)であり得る。
【0034】
本発明で“ヘテロアリーレン”はヘテロアリール基に結合位置が二つあるもの、即ち2価基を意味する。これらはそれぞれ2価基のものを除き前述したヘテロアリール基の説明が適用され得る。前記目的を達成するために、第1電極と、第2電極、及び前記第1電極と第2電極との間に少なくとも一層の有機膜を含む有機電界発光素子であって、前記有機膜は発光層を含み、前記発光層は下記化学式1で表される化合物及び下記化学式2で表される化合物を含む有機電界発光素子を提供する。
【化1】
【0035】
前記化学式1で、
X1及びX2は互いに同一か異なり、それぞれ独立してO、S、Se、N(R12)及びN(R13)からなる群から選択されて、
R1ないしR13は互いに同一か異なり、それぞれ独立して水素、重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、置換または非置換された炭素数1ないし4のアルキルチオ基、置換または非置換された炭素数1ないし30のアルキル基、置換または非置換された炭素数1ないし20のシクロアルキル基、置換または非置換された炭素数2ないし30のアルケニル基、置換または非置換された炭素数2ないし24のアルキニル基、置換または非置換された炭素数7ないし30のアラルキル基、置換または非置換された炭素数6ないし30のアリール基、置換または非置換された核原子数5ないし60のヘテロアリール基、置換または非置換された炭素数6ないし30のヘテロアリールアルキル基、置換または非置換された炭素数1ないし30のアルコキシ基、置換または非置換された炭素数1ないし30のアルキルアミノ基、置換または非置換された炭素数6ないし30のアリールアミノ基、置換または非置換された炭素数6ないし30のアラキルアミノ基、置換または非置換された炭素数2ないし24のヘテロアリールアミノ基、置換または非置換された炭素数1ないし30のアルキルシリル基、置換または非置換された炭素数6ないし30のアリールシリル基及び置換または非置換された炭素数6ないし30のアリールオキシ基からなる群から選択され、隣接する基と互いに結合して置換または非置換された環を形成してもよい。
【0036】
前記化学式2で、
XはOまたはSであり、
nは0ないし4の整数であり、
mは0ないし3の整数であり、
L1及びL2は互いに同一か異なり、それぞれ独立して単一結合、置換または非置換の炭素数6ないし30のアリーレン基、置換または非置換の核原子数6ないし30個のヘテロアリーレン基、置換または非置換の炭素数2ないし10のアルキレン基、置換または非置換の炭素数2ないし10のシクロアルキレン基、置換または非置換の炭素数2ないし10のアルケニレン基、置換または非置換の炭素数2ないし10のシクロアルケニレン基、置換または非置換の炭素数2ないし10のヘテロアルキレン基、置換または非置換の炭素数2ないし10のヘテロシクロアルキレン基、置換または非置換の炭素数2ないし10のヘテロアルケニレン基及び置換または非置換の炭素数2ないし10のヘテロシクロアルケニレン基からなる群から選択され、
Ar1は置換または非置換の炭素数6ないし30のアリール基、置換または非置換の炭素数3ないし30個のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素数1ないし20個のアルキル基、置換または非置換の炭素数1ないし20個のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素数1ないし20個のヘテロアルキル基、置換または非置換の炭素数1ないし20個のヘテロシクロアルキル基、置換または非置換の炭素数1ないし20個のアルケニル基、置換または非置換の炭素数1ないし20個のシクロアルケニル基及び置換または非置換の炭素数1ないし20個のヘテロアルケニル基からなる群から選択されて、
R14ないしR23は互いに同一か異なり、それぞれ独立して水素、重水素、置換または非置換の炭素数1ないし30のアルキル基、置換または非置換の炭素数3ないし30のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素数2ないし30のアルケニル基、置換または非置換の炭素数2ないし24のアルキニル基、置換または非置換の炭素数2ないし30のヘテロアルキル基、置換または非置換の炭素数7ないし30のアラルキル基、置換または非置換の炭素数6ないし30のアリール基、置換または非置換の炭素数2ないし30のヘテロアリール基、及び置換または非置換の炭素数3ないし30のヘテロアリールアルキル基からなる群から選択され、前記R22またはR23は互いに連結されて環を形成しない。
【0037】
前記化学式1及び2で、前記R1ないしR23、L1ないしL2及びAr1はそれぞれ独立して水素、重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、置換または非置換の炭素数1ないし30のアルキル基、置換または非置換の炭素数3ないし30のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素数2ないし30のアルケニル基、置換または非置換の炭素数2ないし24のアルキニル基、置換または非置換の炭素数2ないし30のヘテロアルキル基、置換または非置換の炭素数7ないし30のアラルキル基、置換または非置換の炭素数6ないし30のアリール基、置換または炭素数2ないし30のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素数3ないし30のヘテロアリールアルキル基、置換または非置換の炭素数1ないし30のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数1ないし30のアルキルアミノ基、置換または非置換の炭素数6ないし30のアリールアミノ基、置換または非置換の炭素数6ないし30のアラキルアミノ基、置換または非置換の炭素数2ないし24のヘテロアリールアミノ基、置換または非置換の炭素数1ないし30のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素数6ないし30のアリールシリル基及び置換または非置換の炭素数6ないし30のアリールオキシ基からなる群から選択される1以上の置換基で置換されてもよく、前記置換基が複数の場合、これらは互いに同一か異なる。
【0038】
【0039】
本発明の一実施形態で、前記化学式1のYはBであり、X1及びX2はそれぞれ独立してO及びN(R12)からなる群から選択されて、前記R1ないしR13は前記で定義したものと同一である。
【0040】
本発明の一実施形態で、前記化学式1のR1ないしR3は互いに同一か異なり、それぞれ独立して水素、重水素、シアノ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、置換または非置換された炭素数1ないし4のアルキルチオ基、置換または非置換された炭素数1ないし30のアルキル基、置換または非置換された炭素数1ないし20のシクロアルキル基、置換または非置換された炭素数2ないし30のアルケニル基、置換または非置換された炭素数2ないし24のアルキニル基、置換または非置換された炭素数6ないし30のアリール基、置換または非置換された核原子数5ないし60のヘテロアリール基及び置換または非置換された核原子数6ないし30のアリールアミノ基からなる群から選択されて、さらに好ましくはR1ないしR3はそれぞれ独立して水素、重水素、置換または非置換されたシクロプロピル基、置換または非置換されたシクロブチル基、置換または非置換されたシクロペンチル基、置換または非置換されたシクロヘキシル基、置換または非置換されたシクロヘプチル基及び置換または非置換されたアダマンチル基、置換または非置換されたフェニルアミノ基及び置換または非置換されたジフェニルアミノ基からなる群から選択される。
【0041】
【0042】
本発明の一実施形態で、前記化学式2のL1は置換または非置換のアリーレン基であり、好ましくは置換または非置換のナフタレン基または置換または非置換のフェニレン基であり、さらに好ましくは置換または非置換のフェニレン基である。L1がアリーレン基の場合、化学式2化合物のガラス転移温度(Tg)が優れて耐熱性が強く、低電圧の具現、ガラス転移温度(Tg)、効率及び寿命特性が優れた有機電界発光素子の提供が可能である。
【0043】
本発明の一実施形態で、前記化学式2のL2は単一結合、置換または非置換の炭素数6ないし30のアリーレン基または置換または非置換の核原子数6ないし30個のヘテロアリーレン基からなる群から選択されてもよく、さらに好ましくは単一結合である。
【0044】
本発明の一実施形態で、前記化学式2のXは好ましくOである。
【0045】
本発明の一実施形態で、前記化学式2のAr1は置換または非置換の炭素数6ないし30のアリール基または置換または非置換の炭素数3ないし30個のヘテロアリール基であり、さらに好ましくは置換または非置換されたフェニル、ビフェニル、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、トリフェニル基、ピレニル基、フェナレニル基、ペリレニル基、クリセニル基、フルオレニル基などのアリール基である。
【0046】
本発明の一実施形態で、前記化学式2のXはOであり、L1は置換または非置換のアリーレン基であり、L2は単一結合であり、Ar1は置換または非置換の炭素数6ないし30のアリール基である。
【0047】
本発明の一実施形態で、前記化学式1で表される化合物は下記化合物からなる群から選択される。
【化4】
【0048】
本発明の一実施形態で、前記化学式2で表される化合物は下記化合物からなる群から選択される。
【化5】
【発明の効果】
【0049】
本発明の有機電界発光素子は色純度が優れて、さらに濃青色(Deep Blue)を具現する青色ホスト/ドーパントシステムを提供して、これと共に低い駆動電圧、高い発光効率及び長寿命などの特性を有する効果を奏する。
【0050】
また、本発明のホスト/ドーパント化合物を含む有機電界発光素子は視野角の問題を改善する効果を発揮する。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本発明の実施例は当該技術分野で通常の知識を有する者に本発明をさらに完全に説明するために提供されるものであり、下記実施例は種々の他の形態に変形され得て、本発明の範囲が下記実施例に限定されるものではない。むしろこれら実施例は本開示をさらに充実かつ完全にして、当業者に本発明の思想を完全に伝達するために提供されるものである。
【0052】
以下で、前記化学式1及び2で表される化合物の合成方法を代表的な例を挙げて下記に説明する。
【0053】
しかし、本発明の化合物の合成方法が下記に例示された方法に限定されるものではなく、本発明の化合物は下記に例示された方法と本分野の公知の方法によって製造され得る。
【0054】
【0055】
出発物質1を8.9g(20mmol)をtert-butylbenzene(250ml)に溶かした後0℃まで冷却した。窒素雰囲気下で1.7Mのtert-butyllithium溶液(inPentane)24.7ml(42mmol)を添加して60℃で2時間撹拌した。
その後、再び反応物を0℃まで冷却し、BBr34.0ml(42mmol)を添加した後、常温で0.5時間撹拌した。再び反応物を0℃まで冷却し、N,N-diisopropylethylamine7.3ml(42mmol)を添加した後、60℃で2時間撹拌した。
反応液を室温まで冷却させてEthyl acetateとWaterを利用して有機層を抽出した。抽出した有機層の溶媒を除去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM/Hexane)方法を利用して精製した。その後、DCM/Acetone混合溶媒で再結晶精製して、前記化合物1-1を20.2%収率で1.7g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:420[M]+
【0056】
【0057】
出発物質1-1の代わりに出発物質1-3を9.9g(20mmol)使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-3を23.0%収率で2.16g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:470[M]+
【0058】
【0059】
出発物質1-1の代わりに出発物質1-5を10.6g(20mmol)使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-5を23.2%収率で2.3g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:502[M]+
【0060】
【0061】
出発物質1-44の代わりに出発物質1-14を16.4g使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-14を12.2%収率で1.95g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:811[M]+
【0062】
【0063】
出発物質1-1の代わりに出発物質1-55を11.4g使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-55を15.0%収率で1.6g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:545[M]+
【0064】
【0065】
出発物質1-1の代わりに出発物質1-62を11.6g使用したことを除いては合成例1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-62を8.4%収率で0.9g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:552[M]+
【化12】
【0066】
出発物質1-1の代わりに出発物質1-63を12.2g(20mmol)使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-63を7.0%収率で0.82g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:586[M]+
【0067】
【0068】
出発物質1-1の代わりに出発物質1-64を14.3g(20mmol)使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-64を11.0%収率で1.52g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:689[M]+
【0069】
【0070】
出発物質1-1の代わりに出発物質1-104を13.4g使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-104を21.7%収率で2.7g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:644[M]+
【0071】
【0072】
出発物質1-1の代わりに出発物質1-126を15.3g使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-126を15.0%収率で2.29g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:739[M]+
【0073】
【0074】
出発物質1-1の代わりに出発物質1-127を12.8g使用したことを除いては合成例1-1と同一の法で実験を進行して前記化合物1-127を18.0%収率で2.21g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:615[M]+
【0075】
【0076】
出発物質1-1の代わりに出発物質1-129を15.5g使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-129を7.0%収率で1.05g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:752[M]+
【0077】
【0078】
出発物質1-1の代わりに出発物質1-130を15.5g使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-130を1.1%収率で0.15g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:752[M]+
【0079】
【0080】
出発物質1-1の代わりに出発物質1-146を15.1g使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-146を21.2%収率で3.1g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:726[M]+
【0081】
【0082】
出発物質1-1の代わりに出発物質1-148を10.4g使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-148を12.7%収率で1.3g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:492[M]+
【0083】
【0084】
出発物質1-1の代わりに出発物質1-151を12.4g使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-151を16.4%収率で1.9g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:592[M]+
【0085】
【0086】
出発物質1-1の代わりに出発物質1-166を13.9g使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-166を19.2%収率で2.6g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:670[M]+
【0087】
【0088】
出発物質1-1の代わりに出発物質1-167を14.5g使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-167を20.4%収率で2.8g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:696[M]+
【0089】
【0090】
出発物質1-1の代わりに出発物質1-169を14.5g使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-169を15.4%収率で2.1g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:696[M]+
【0091】
【0092】
出発物質1-1の代わりに出発物質1-170を13.3g使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-170を17.8%収率で2.3g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:640[M]+
【0093】
【0094】
出発物質1-1の代わりに出発物質1-171を15.5g使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-171を21.1%収率で3.2g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:748[M]+
【0095】
【0096】
出発物質1-1の代わりに出発物質1-179を16.1g(20mmol)使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-179を20.7%収率で3.2g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:778[M]+
【0097】
【0098】
出発物質1-181代わりに出発物質1-181を13.1g使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-181を9.9%収率で1.2g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:626[M]+
【0099】
【0100】
出発物質1-1の代わりに出発物質1-182を15.0g使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-182を19.1%収率で2.8g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:722[M]+
【0101】
【0102】
出発物質1-1の代わりに出発物質1-183を15.0g使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-183を18.0%収率で2.6g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:722[M]+
【0103】
【0104】
出発物質1-1の代わりに出発物質1-184を16.1g使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-184を15.2%収率で2.4g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:778[M]+
【0105】
【0106】
出発物質1-1の代わりに出発物質1-185を15.0g使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-185を18.8%収率で2.7g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:722[M]+
【0107】
【0108】
出発物質1-1の代わりに出発物質1-187を16.1g使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-187を18.3%収率で2.9g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:778[M]+
【0109】
【0110】
出発物質1-1の代わりに出発物質1-188を16.6g使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-188を17.8%収率で2.9g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:800[M]+
【0111】
【0112】
出発物質1-1の代わりに出発物質1-193を14.8g使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-193を21.2%収率で3.06g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:722[M]+
【0113】
【0114】
出発物質1の代わりに出発物質1-198を16.0g使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-198を23.4%収率で3.63g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:774[M]+
【0115】
【0116】
出発物質1の代わりに出発物質1-211を16.1g使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-211を25.4%収率で3.50g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:778[M]+
【0117】
【0118】
出発物質1の代わりに出発物質1-212を15.6g使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-212を20.1%収率で2.92g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:726[M]+
【0119】
【0120】
出発物質1の代わりに出発物質1-216を18.3g使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-216を11.2%収率で2.00g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:891[M]+
【0121】
【0122】
出発物質1の代わりに出発物質1-219を14.9g使用したことを除いては合成例1-1と同一の方法で実験を進行して前記化合物1-219を12.5%収率で1.81g得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:722[M]+
【0123】
【0124】
9-ブロモ-10-フェニルアントラセン(3.33g、10mmol)とジベンゾフラン-4-ボロン酸(2.33g、11mmol)、炭酸カリウム(2.76g、20mmol)、トルエン50mL、水10mL、エタノール10mLを入れる。テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.231g、0.20mmol)を投入して10時間還流する。その後、反応混合物を室温で冷却して生成した固体をトルエン、メタノール、水で洗浄した後トルエンで再結晶して化合物2-1を2.45g(63%)得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:420[M]+
【0125】
【0126】
4-(10-ブロモアントラセン-9-イル)ジベンゾフラン(4.23g、10.0mmol)と(4-(ナフタリン-2-イル)フェニル)ボロン酸(2.18g、11.0mmol)、炭酸カリウム(5.16g、20mmol)、トルエン100mL、水20mL、エタノール100mL入れる。テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.231g、0.20mmol)を投入して10時間還流した。その後、反応混合物を室温で冷却して生成した固体をトルエン、メタノール、水で洗浄した後トルエンで再結晶して化合物2-2を2.38g(48%)得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:496[M]+
【0127】
【0128】
4-(10-ブロモアントラセン-9-イル)ジベンゾフラン(4.23g、10.0mmol)と[1,1’:4’,1’’-ターフェニル]-4-イル ボロン酸(3.01g、11.0mmol)、炭酸カリウム(5.16g、20mmol)、トルエン100mL、水20mL、エタノール100mL入れる。テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.231g、0.20mmol)を投入して10時間還流した。その後、反応混合物を室温で冷却して生成した固体をトルエン、メタノール、水で洗浄した後トルエンで再結晶して化合物2-5を3.08g(54%)得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:572[M]+
【0129】
【0130】
4-(10-ブロモアントラセン-9-イル)ジベンゾフラン(4.23g、10.0mmol)と(4-(ナフタリン-1-イル)フェニル)ボロン酸(2.72g、11.0mmol)、炭酸カリウム(5.16g、20mmol)、トルエン100mL、水20mL、エタノール100mL入れる。テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.231g、0.20mmol)を投入して10時間還流した。その後、反応混合物を室温で冷却して水を投入した後、層分離して有機層をMgSO4処理して水分を除去した。濾過した後、濾液を減圧下で濃縮し、ジクロロメタンとn-ヘプタンで再結晶して化合物2-6を1.85g(34%)得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:546[M]+
【0131】
【0132】
4-(10-ブロモアントラセン-9-イル)ジベンゾフラン(4.23g、10.0mmol)と(4-(ナフタリン-2-イル)フェニル)ボロン酸(2.72g、11.0mmol)、炭酸カリウム(5.16g、20mmol)、トルエン100mL、水20mL、エタノール100mL入れる。テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.231g、0.20mmol)を投入して10時間還流した。その後、反応混合物を室温で冷却して生成した固体をトルエン、メタノール、水で洗浄した後トルエンで再結晶して化合物2-7を3.06g(56%)得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:546[M]+
【0133】
【0134】
4-(10-ブロモアントラセン-9-イル)ジベンゾフラン(4.23g、10.0mmol)と(3-(ナフタリン-1-イル)フェニル)ボロン酸(2.72g、11.0mmol)、炭酸カリウム(5.16g、20mmol)、トルエン100mL、水20mL、エタノール100mL入れる。テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.231g、0.20mmol)を投入して10時間還流した。その後、反応混合物を室温で冷却して生成した固体をトルエン、メタノール、水で洗浄した後トルエンで再結晶して化合物2-8を2.67g(49%)得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:546[M]+
【0135】
【0136】
10-ブロモ-9-(ナフタリン-1’-イル)アントラセン(3.83g、10.0mmol)とジベンゾフラン-4-ボロン酸(2.34g、11mmol)、炭酸カリウム(5.16g、20mmol)、トルエン100mL、水20mL、エタノール100mL入れる。テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.231g(0.2mmol)を投入して10時間還流した。その後、反応混合物を室温で冷却して生成した固体をトルエン、メタノール、水で洗浄した後トルエンで再結晶して化合物2-11を3.20g(37%)得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:470[M]+
【0137】
【0138】
4-(10-ブロモアントラセン-9-イル)ジベンゾフラン(4.23g、10.0mmol)と(4-フェニルナフタレン-1-イル)ボロン酸(2.72g、11.0mmol)、炭酸カリウム(5.16g、20mmol)、トルエン100mL、水20mL、エタノール100mL入れる。テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.231g、0.20mmol)を投入して10時間還流した。その後、反応混合物を室温で冷却して生成した固体をトルエン、メタノール、水で洗浄した後トルエンで再結晶して化合物2-13を2.67g(49%)得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:546[M]+
【0139】
【0140】
4-(10-ブロモアントラセン-9-イル)ジベンゾフラン(4.23g、10.0mmol)と(6-フェニルナフタレン-2-イル)ボロン酸(2.72g、11.0mmol)、炭酸カリウム(5.16g、20mmol)、トルエン100mL、水20mL、エタノール100mL入れる。テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.231g、0.20mmol)を投入して10時間還流した。その後、反応混合物を室温で冷却して生成した固体をトルエン、メタノール、水で洗浄した後トルエンで再結晶して化合物2-14を3.06g(56%)得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:546[M]+
【0141】
【化50】
4-(10-ブロモアントラセン-9-イル)ジベンゾフラン(4.23g、10.0mmol)と(4-(フェナントレン-9-イル)フェニル)ボロン酸(3.27g、11.0mmol)、炭酸カリウム(5.16g、20mmol)、トルエン100mL、水20mL、エタノール100mL入れる。テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.231g、0.20mmol)を投入して10時間還流した。その後、反応混合物を室温で冷却して生成した固体をトルエン、メタノール、水で洗浄した後トルエンで再結晶して化合物2-34を3.16g(54%)得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:596[M]+
【0142】
【0143】
4-(10-ブロモアントラセン-9-イル)ジベンゾチオフェン(4.23g、10.0mmol)と(4-(ナフタリン-2-イル)フェニル)ボロン酸(2.72g、11.0mmol)、炭酸カリウム(5.16g、20mmol)、トルエン100mL、水20mL、エタノール100mL入れる。テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.231g、0.20mmol)を投入して10時間還流した。その後、反応混合物を室温で冷却して生成した固体をトルエン、メタノール、水で洗浄した後トルエンで再結晶して化合物2-42を2.97g(53%)得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:562[M]+
【0144】
【0145】
4-(10-ブロモアントラセン-9-イル)ジベンゾチオフェン(4.23g、10.0mmol)と(3-(ナフタリン-1-イル)フェニル)ボロン酸(2.72g、11.0mmol)、炭酸カリウム(5.16g、20mmol)、トルエン100mL、水20mL、エタノール100mL入れる。テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.231g、0.20mmol)を投入して10時間還流した。その後、反応混合物を室温で冷却して生成した固体をトルエン、メタノール、水で洗浄した後トルエンで再結晶して化合物2-46を2.31g(41%)得た。
MS(MALDI-TOF)m/z:562[M]+
【0146】
<実施例1:有機電界発光素子の製造>
有機電界発光素子の陽極であるITO(12nm)が順次積層された基板を露光(Photo-Lithograph)工程を通じて陰極と陽極領域、そして絶縁層で区分してパターニング(Patterning)し、その後、陽極(ITO)の仕事関数(work-function)増大と洗浄を目的にUV Ozone処理とO2:N2プラズマで表面処理した。
その上に正孔注入層(HIL)としてN4,N4,N4’,N4’-テトラ([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジアミンにp-dopantを3%比率で一緒に真空蒸着して100Å厚さで形成した。
続いて、前記正孔注入層上部に、N4,N4,N4’,N4’-テトラ([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-[1、1’-ビフェニル]-4,4’-ジアミンを真空蒸着して900Å厚さの正孔輸送層を形成した。前記正孔輸送層(HTL)上部に電子遮断層(EBL)としてN-フェニル-N-(4-(スピロ[ベンゾ[de]アントラセン-7,9’-フルオレン]-2’-イル)フェニル)ジベンゾ[b,d]フラン-4-アミンを100Å厚さで形成し、前記電子遮断層(EBL)上部に発光層のホストとして化合物2-5を蒸着させながら同時にドーパントとして化合物1-211をドーピングして200Å厚さで発光層(EML)を形成した。
その上に、2-(4-(9,10-ジ(ナフタリン-2-イル)アントラセン-2-イル)フェニル)-1-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾルとLiQを1:1の重量比で混合して260Å厚さで電子輸送層(ETL)を蒸着し、電子注入層(EIL)としてLiFを10Å厚さで形成した後、陰極としてアルミニウム(Al)を1000Å厚さで蒸着させた。
その後、UV硬化型接着剤でシールキャップ(seal cap)を合着して大気中のO2や水分から有機電界発光素子を保護することができるようにして有機電界発光素子を製造した。
【0147】
<実施例2ないし7:有機電界発光素子の製造>
ホストとして前記化合物2-5の代わりに下記表1に記載したような化合物を使用した点を除き、実施例1と同一の方法を利用して有機電界発光素子を製造した。
【0148】
<実施例8ないし21:有機電界発光素子の製造>
ホストとして前記化合物2-5の代わりに下記表1に記載したような化合物を使用し、ドーパントとして前記化合物1-211の代わりに下記表1に記載したような化合物を使用した点を除き、実施例1と同一の方法を利用して有機電界発光素子を製造した。
【0149】
<比較例1:有機電界発光素子の製造>
ドーパントとして前記化合物1-211の代わりに下記化合物1-Aを使用し、ホストとして前記化合物2-5の代わりに下記化合物2-Aを使用した点を除き、実施例1と同一の方法を利用して有機電界発光素子を製造した。
【0150】
【0151】
<比較例2:有機電界発光素子の製造>
ドーパントとして前記化合物1-1の代わりに下記化合物1-Aを使用した点を除き、実施例1と同一の方法を利用して有機電界発光素子を製造した。
【0152】
<比較例3ないし4:有機電界発光素子の製造>
ホストとして前記化合物2-5の代わりに下記化合物2-Aを使用し、ドーパントとして本発明の化合物211または1-14を使用した点を除き、実施例1と同一の方法を利用して有機電界発光素子を製造した。
【0153】
【0154】
<比較例5ないし12:有機電界発光素子の製造>
ホストとして前記化合物2-5の代わりに下記化合物2-Bないし2-Hのうちいずれか1つを使用した点を除き、実施例1と同一の方法を利用して有機電界発光素子を製造した。
【0155】
【0156】
<実験例1:有機電界発光素子の特性分析>
以下、実施例1ないし21及び比較例1ないし4で製造した有機電界発光素子を利用して10mA/cm2の電流駆動時の効率及び電圧特性と20mA/cm2の定電流駆動の初期輝度対比5%減少の寿命特性を比べてその結果を下記表1に示した。
【0157】
【0158】
実験の結果、比較例1ないし2から分かるように、従来のピレンドーパント(化合物1-A)と半値幅が広いドーパントに極性があるホストをともに使用した時、CIEy座標が増加して色特性の側面でパネル色具現区間が減少した。
【0159】
比較例3及び4は従来のピレンドーパント(化合物1-A)の代わりに半値幅が狭いドーパントとして本願発明の化学式1の構造を有する化合物1-211または化合物1-14を使用することで、比較例1及び2に比べてCIEy座標が減少し、色純度が向上した。しかし、比較例3及び4の寿命特性は依然として低かった。
【0160】
一方、本発明の実施例は化学式1のドーパントとともに化学式2の化合物を使用して、CIEy座標が減少し、寿命特性は増加する傾向を示した。実施例1~11のようにpeak波長が456nmと同一の場合、CIEy値が0.05~0.06と色純度が優れていることが確認されて、実施例12~21では他の実施例より長波長にもかかわらず、極性ホストを使用した比較例2と同等以上の色特性を示し、駆動電圧減少及び効率が増加した。
【0161】
表1の比較例5ないし12はドーパントとして化学式1で表される化合物を使用し、ホストとしてジベンゾフラン(dibenzofuran)の置換基を有する極性化合物を使用しているが、ジベンゾフランの結合位置が本願発明の化学式2と異なることによって実施例1ないし21に比べて寿命が著しく低下した。
【0162】
本願の実施例1ないし21は化学式1のドーパントと化学式2のホストを使用して色特性の低下を防ぎ、従来素子と同等以上の効率、低い電圧及び高い寿命を達成した。