(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-16
(45)【発行日】2023-08-24
(54)【発明の名称】光センサ
(51)【国際特許分類】
H01L 31/12 20060101AFI20230817BHJP
【FI】
H01L31/12 E
(21)【出願番号】P 2019115109
(22)【出願日】2019-06-21
【審査請求日】2022-06-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成31年3月24日、https://www.transducers-eurosensors2019.org/program/Transducers2019_PreliminaryProgram.pdf 令和1年年 6月14日、https://www.transducers-eurosensors2019.org/cgi-bin/download.cgi
(73)【特許権者】
【識別番号】593006630
【氏名又は名称】学校法人立命館
(74)【代理人】
【識別番号】100111567
【氏名又は名称】坂本 寛
(72)【発明者】
【氏名】小林 大造
【審査官】桂城 厚
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-110358(JP,A)
【文献】特開2016-131229(JP,A)
【文献】特開2007-081203(JP,A)
【文献】特開昭61-204506(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0057130(US,A1)
【文献】特開2013-073965(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/12-31/20
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面及び前記第1面の反対面である第2面を有する透光性基板と、
前記第2面側からの光を受光するように前記第1面側に配置された少なくとも1つの受光素子と、
前記第1面側において光を前記受光素子近傍へガイド
する導波路と、
前記受光素子を覆うように設けられ、前記受光素子
の周辺から、前記光を前記第2面側に投光する
投光部と、を備える光学系と、
を備える光センサ。
【請求項2】
前記透光性基板は、フィルム状である
請求項1に記載の光センサ。
【請求項3】
前記透光性基板は、フレキシブル性を有する
請求項1又は2に記載の光センサ。
【請求項4】
前記光学系は、フレキシブル性を有する
請求項3に記載の光センサ。
【請求項5】
前記光学系は、前記第1面側においてガイドされた光を前記第2面側に投光するように前記第2面側に設けられたミラー、微細凹凸、及びプリズムのいずれか一つを備える
請求項1から4のいずれか1項に記載の光センサ。
【請求項6】
前記受光素子は、薄膜状素子である
請求項1から5のいずれか1項に記載の光センサ。
【請求項7】
前記受光素子は、カルコゲン半導体又はカルコゲン化合物半導体を有する
請求項1から6のいずれか1項に記載の光センサ。
【請求項8】
前記光学系から投光された光の反射光が前記受光素子によって受光される前に透過するように設けられたカラーフィルターを更に備える
請求項1から7のいずれか1項に記載の光センサ。
【請求項9】
少なくとも一つの前記受光素子は、複数の前記受光素子である
請求項1から8のいずれか1項に記載の光センサ。
【請求項10】
前記受光素子は、前記投光部側からの光を遮蔽する遮蔽部を備える
請求項
1から9のいずれか1項に記載の光センサ。
【請求項11】
前記遮蔽部は、前記受光素子が備える電極によって構成されている
請求項
10に記載の光センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光センサに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、発光素子と受光素子とを含む反射型光センサを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
光の反射を利用した光センサでは、受光素子の近傍に発光素子を設ける必要がある。受光素子の近傍に発光素子を設けると、光センサが大型化する。このため、光センサを小型化するための技術が望まれる。
【0005】
開示の光センサは、第1面及び前記第1面の反対面である第2面を有する透光性基板と、前記第2面側からの光を受光するように前記第1面側に配置された少なくとも1つの受光素子と、前記第1面側において光を前記受光素子近傍へガイドし、前記受光素子近傍において前記光を前記第2面側に投光する光学系と、を備える。
【0006】
更なる詳細は、後述の実施形態として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る光センサの平面図である。
【
図4】
図4は、第2実施形態に係る光センサの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<1.光センサの概要>
【0009】
(1)実施形態に係る光センサは、基板と、少なくとも1つの受光素子と、光学系と、を有する。前記基板は、第1面及び前記第1面の反対面である第2面を有する透光性基板である。少なくとも1つの前記受光素子は、前記第2面側からの光を受光するように前記第1面側に配置されている。前記光学系は、前記第1面側において光を前記受光素子近傍へガイドし、前記受光素子近傍において前記光を前記第2面側に投光する。光学系は、光を受光素子近傍に光をガイドするため、受光素子近傍に発光素子を設ける必要がなく、光センサの小型化が可能になる。
【0010】
(2)前記透光性基板は、フィルム状であるのが好ましい。この場合、光センサを薄型化できる。
【0011】
(3)前記透光性基板は、フレキシブル性を有するのが好ましい。この場合、基板の曲げが可能になる。
【0012】
(4)前記光学系は、フレキシブル性を有するのが好ましい。この場合、基板とともに光学系を曲げることができる。
【0013】
(5)前記光学系は、前記第1面側においてガイドされた光を前記第2面側に投光するように前記第2面側に設けられたミラー、微細凹凸、及びプリズムのいずれか一つを備えるのが好ましい。
【0014】
(6)前記受光素子は、薄膜状素子であるのが好ましい。この場合、光センサの薄型化に寄与する。
【0015】
(7)前記受光素子は、カルコゲン半導体又はカルコゲン化合物半導体を有するのが好ましい。カルコゲン半導体又はカルコゲン化合物半導体は、光吸収係数が大きいため、薄型化した場合であっても、感度を確保できる。
【0016】
(8)開示の光センサは、前記光学系から投光された光の反射光が前記受光素子によって受光される前に透過するように設けられたカラーフィルターを更に備えることができる。この場合、光センサは、色を検知できる。
【0017】
(9)少なくとも一つの前記受光素子は、複数の前記受光素子であるのが好ましい。
【0018】
(10)前記光学系は、前記第1面側において光を前記受光素子近傍へガイドする導波路と、前記受光素子近傍において前記光を前記第2面側に投光する投光部と、を備えることができる。
【0019】
(11)前記投光部は、前記受光素子を覆うように設けられ、前記受光素子の周辺から、前記第2面側に光を投光するよう構成されているのが好ましい。この場合、投光位置と受光位置とを近づけることができる。
【0020】
(12)前記受光素子は、前記投光部側からの光を遮蔽する遮蔽部を備えるのが好ましい。この場合、投光部側からの光が受光素子に進入するのを防止できる。
【0021】
(13)前記遮蔽部は、前記受光素子が備える電極によって構成されているのが好ましい。
【0022】
<2.光センサの例>
【0023】
<2.1 第1実施形態>
【0024】
図1から
図3は、第1実施形態に係る光センサ10を示している。光センサ10は、反射光により物体を検知するフォトインタラプタとして機能する。光センサ10は、フィルム状の基板20に設けられており、薄型化が図られている。基板20は、透光性基板であり、より好ましくは、透明基板である。基板20が透光性であることで、センシング用の光が基板20を透過できる。
【0025】
フィルム状の基板20の厚さは、下限が1μm以上であり、上限が200μm以下であるのが好ましい。基板20の厚さの上限は、より好ましくは100μm以下であり、さらに好ましくは50μm以下である。基板20の厚さの下限は、より好ましくは10μm以上であり、さらに好ましくは、20μm以上である。基板20が薄いため、光センサ10の軽量化も図られている。
【0026】
基板20の材料は、高分子、例えば透明ポリイミド又は耐熱性シリコーン、である。透明ポリイミド又は耐熱性シリコーンなどの高分子材料性のフィルムは、フレキシブル性を有する。すなわち、基板20は、フレキシブル基板である。基板20が、フレキシブル性を有することで、基板20の曲げが可能となる。基板20が曲げ可能であることで、光センサ10を湾曲面等又は可動部に設置することが可能になる。
【0027】
図2に示すように、基板20は、受光素子30が配置される第1面21と、第1面21の反対面である第2面22と、を有する。
図2に示す受光素子30は、フォトダイオードである。実施形態の受光素子30は、基板20に受光素子を構成する材料が薄膜状に形成された薄膜状素子である。換言すると、受光素子30は、基板20上にフォトダイオードを構成する材料が薄膜状に形成された薄膜フォトダイオードである。薄膜状素子は、蒸着等の薄膜形成プロセスによって、受光素子30を構成する材料を基板20に形成することで得られる。受光素子30が薄膜状であることで、基板20のフレキシブル性が損なわれない。
【0028】
図2に示すように、受光素子30は、基板20から遠い順に、第1電極(上面電極)31、p型光吸収層41、n型窓層42、及び第2電極(下面電極)32を備える多層膜構造である。
【0029】
第1電極31は、薄膜状に形成されており、例えば、金(Au)電極である。金電極は、光を透過させず、反射する。したがって、実施形態の受光素子30は、第1電極31側では光を検知しない。なお、第1電極31の厚さは、例えば、150nm程度である。
【0030】
第1電極31は、接続部51Aを介して、基板20の第1面21上に形成された第1配線51に接続されている。第1配線51は、受光素子30とは離れて設けられた、検知用の電子回路に接続される。検知用の電子回路は、例えば、受光素子30から出力された電流を増幅する増幅器等を含む。検知用の電子回路は、基板20上に設けられていてもよいし、基板20から離れた位置に設けられていてもよい。
【0031】
p型光吸収層41は、薄膜状に形成されており、例えば、p型半導体である結晶セレンである。すなわち、実施形態のp型光吸収層41は、薄膜セレンによって構成されている。セレンは、可視光の光吸収係数が高いため、光センサ10の高感度化に有利である。また、セレンを用いたフォトダイオードは、比較的低い逆バイアス電圧(-3V程度)の印加によりアバランシェ効果による光電流の増大がみられる。しかも、セレンは光吸収係数が高いため0.5~2μm程度のセレン薄膜でも、十分に光を吸収することができる。セレンを用いたフォトダイオードは、200℃以下の低温プロセスで形成可能であり、高分子製の基板20上への形成に適している。
【0032】
p型光吸収層41を構成する半導体材料は、セレンに限られず、セレン以外のカルコゲン半導体、例えば、硫黄(S)又はテルル(Te)であってもよいし、カルコゲン化合物半導体であってもよい。カルコゲン化合物半導体は、例えば、Cu(In1-x,Gax)Se2、セレン化モリブデン(MoSe2)、又は二硫化モリブデン(MoS2)である。カルコゲン半導体及びカルコゲン化合物半導体は、光吸収係数が高いため、薄膜化しても、十分に光を吸収することができる。
【0033】
n型窓層42は、薄膜状に形成されており、例えば、酸化ガリウム(Ga2O3)又は酸化チタン(TiO2)である。n型窓層42の厚さは、例えば、40nm以下である。
【0034】
第2電極32は、薄膜状に形成されており、例えば、ITO透明電極である。第2電極32の厚さは、例えば、200nm以下である。第2電極32は、透明であるため、第2面22から第1面21へ向かって基板20を透過した光を、n型窓層42側へ透過させることができる。したがって、実施形態の受光素子30は、第2電極32側において光を検知することができる。
【0035】
第2電極32は、基板20の第1面21上に形成された第2配線52に接続されている。第2配線52は、第1配線51とともに、検知用の電子回路に接続される。
【0036】
光センサ10は、発光素子90からの光を受光素子30近傍へガイドし、第2面側にある検知対象物体に向けて光を投光する光学系60を備える。光学系60は、薄く、フレキシブル性を有し、基板20とともに曲げ可能である。基板20と光学系60とがいずれも薄く、両者が一体化されているため、光センサ10全体の薄型化が図られている。
【0037】
実施形態の光学系60は、導波路70と、投光部80とを備える。なお、発光素子90は、基板20上に設けられていてもよいし、基板20から離れた位置に設けられていてもよい。発光素子90と基板20とが離れている場合、基板20に設けられた光学系60と発光素子90とを光ファイバー等によって接続すればよい。
【0038】
導波路70は、基板20の第1面21に設けられている。導波路70は、受光素子30から離れて設けられた発光素子90から出力された光を、受光素子30近傍へガイドする。導波路70は、第1面21側において、第1面21面に沿って、光をガイドする。導波路70は、例えば、フォトリソグラフィー法により、第1面21上に形成される。なお、
図1に示す導波路70は、第1配線51と第2配線52との間に設けられているが、第1配線51及び第2配線52と重なるように設けられていてもよい。
【0039】
導波路70は、薄膜状に形成されている。したがって、導波路70は、薄く、フレキシブル性を有する。すなわち、導波路70は、曲げ可能なフレキシブル導波路である。導波路70は、基板20とともに曲げ可能である。
【0040】
導波路70の厚さは、下限が1μm以上であり、上限が200μm以下であるのが好ましい。導波路70の厚さの上限は、より好ましくは100μm以下であり、さらに好ましくは50μm以下である。導波路70の厚さの下限は、より好ましくは10μm以上であり、さらに好ましくは、20μm以上である。
【0041】
導波路70は、第1面21に設けられた投光部80まで光をガイドする。投光部80は、導波路70によってガイドされた光を、第2面側に投光する。実施形態の投光部80は、第1面21側において、受光素子30を覆うように設けられている。すなわち、投光部80は、基板20の平面視において、受光素子30と重なる位置に配置されている。この場合、投光位置と受光位置とをほぼ一致させることができ好適である。なお、投光部80は、受光素子30の近傍において、受光素子30とは重ならない位置に配置されていてもよい。
【0042】
投光部80は、受光素子30の上方に位置する上面81と、上面81から基板20へ向かう傾斜面82,82と、を備える。投光部80は、導波路70と同じ材料によって形成されている。投光部80は、例えば、フォトリソグラフィー法によって、導波路70と一体的に形成される。なお、
図1では、導波路70は、投光部80よりも幅狭に形成されているが、投光部80と同じ幅に形成されてもよいし、投光部80よりも幅広に形成されていてもよい。
【0043】
投光部80は、薄膜状に形成されている。したがって、投光部80は、薄く、フレキシブル性を有する。すなわち、投光部80は、曲げ可能なフレキシブル投光部である。投光部80は、基板20とともに曲げ可能である。
【0044】
投光部80の厚さは、導波路70と同じであるのが好ましい。したがって、投光部80の厚さは、下限が1μm以上であり、上限が200μm以下であるのが好ましい。投光部80の厚さの上限は、より好ましくは100μm以下であり、さらに好ましくは50μm以下である。投光部80の厚さの下限は、より好ましくは10μm以上であり、さらに好ましくは、20μm以上である。
【0045】
実施形態の投光部80は、受光素子30を覆うように設けられているが、投光部80とp型光吸収層41との間には、光遮蔽部としても機能する第1電極31が設けられているため、投光部80内の光が、直接、p型光吸収層41に到達してしまうことが抑制されている。したがって、受光素子30は、第1電極31側からはほとんど受光せず、専ら、第2電極32側からの反射光を受光する。すなわち、受光素子30は、第1面21側に設けられていても、第1面21側においてガイドされた直接光はほとんど受光せず、第2面22側からの反射光を受光する。
【0046】
投光部80の傾斜面82,82には、光を第2面22側へ反射する投光ミラー83が設けられている。投光部80が投光ミラー83を備えることで、第1面21側においてガイドされた光を、第2面22側へ投光することができる。投光ミラー83は、受光素子30の周辺から、第2面22側へ光を投光するように配置されているため、投光位置と受光位置とをほぼ一致させることができる。
【0047】
なお、投光部80は、投光ミラー83によって光を、第2面22側へ投光するものに限られない。投光部80は、投光部80の表面に形成された微細凹凸による散乱によって、第1面21側においてガイドされた光を、第2面22側へ投光するように構成されていてもよい。また、投光部80は、微細プリズムによる配光制御によって、第1面21側においてガイドされた光を、第2面22側へ投光するように構成されていてもよい。
【0048】
投光部80により、光は、基板20を厚さ方向に透過し、第2面22側に存在する物体100に照射される。第2面22側に物体100が存在する場合、光は、物体100によって反射し、再び基板20側へ戻る。反射光は、透光性を有する基板20を透過し、受光素子30によって受光される。受光素子30による受光によって、物体100の存在が検知される。
【0049】
<2.2 第2実施形態>
【0050】
図4及び
図5は、第2実施形態に係る光センサ10を示している。第2実施形態の光センサ10は、複数の受光素子30A,30B,30Cを備える。なお、第2実施形態において特に説明をしない点については、第1実施形態と同様である。
【0051】
複数の受光素子30A,30B,30Cは、同一の基板20に設けられている。複数の受光素子30A,30B,30Cそれぞれの構造は、第1実施形態の受光素子30と同様である。なお、
図4及び
図5において、複数の受光素子30A,30B,30Cは、一次元状に配置されているが、2次元アレイ上に配置されていてもよい。
【0052】
光センサ10は、発光素子からの光を、複数の受光素子30A,30B,30Cへガイドする光学系60を備える。光学系60は、第1面21側に設けられた複数の導波路70A,70B,70Cを含む。複数の導波路70A,70B,70Cは、第1受光素子30Aの近傍へ光をガイドする第1導波路70Aと、第2受光素子30Bの近傍へ光をガイドする第2導波路70Bと、第3受光素子30Cの近傍へ光をガイドする第3導波路70Cとを含む。
【0053】
光学系60は、複数の投光部80A,80B,80Cを含む。複数の投光部80A,80B,80Cは、第1投光部80Aと、第2投光部80Bと、第3投光部80Cと、を含む。第1投光部80Aは、第1導波路70Aによってガイドされた光を、受光素子30Aの近傍において、第2面22側へ投光する。第2投光部80Bは、第2導波路70Bによってガイドされた光を、受光素子30Bの近傍において、光を第2面22側へ投光する。第3投光部80Cは、第3導波路70Cによってガイドされた光を、受光素子30Cの近傍において第2面22側へ投光する。
【0054】
なお、
図4及び
図5においては、複数の導波路70A,70B,70Cが設けられているが、単一の導波路によって、投光部80A,80B,80Cへ光をガイドしてもよい。
【0055】
図5に示すように、基板20の第2面22側には、複数のカラーフィルター95A,95B,95Cが設けられている。カラーフィルター95A,95B,95Cは、受光素子30A,30B,30Cにより受光される光の色の選択用である。複数のカラーフィルター95A,95B,95Cは、第1カラーフィルター95Aと、第2カラーフィルター95Bと、第3カラーフィルター95Cと、を含む。ここでは、第1カラーフィルター95Aは、赤色(R)の光を透過させる。第2カラーフィルター95Bは、緑色(G)の光を透過させる。第3カラーフィルター95Cは、青色(B)の光を透過させる。
【0056】
第1カラーフィルター95Aは、基板20の平面視において、第1受光素子30Aと重なる位置(第1受光素子30Aの背面側)に配置されている。したがって、第1投光部80Aから出力された光の反射光は、第1受光素子30Aによって受光される前に、第1カラーフィルター95Aを透過する。したがって、第1受光素子30Aは、赤色の反射光を受光する。
【0057】
第2カラーフィルター95Bは、基板20の平面視において、第2受光素子30Bと重なる位置(第2受光素子30Bの背面側)に配置されている。したがって、第2投光部80Bから出力された光の反射光は、第2受光素子30Bによって受光される前に、第2カラーフィルター95Bを透過する。したがって、第2受光素子30Bは、緑色の反射光を受光する。
【0058】
第3カラーフィルター95Cは、基板20の平面視において、第3受光素子30Cと重なる位置(第3受光素子30Cの背面側)に配置されている。したがって、第3投光部80Cから出力された光の反射光は、第3受光素子30Cによって受光される前に、第3カラーフィルター95Cを透過する。したがって、第3受光素子30Cは、青色の反射光を受光する。
【0059】
セレン薄膜フォトダイオードである受光素子30A,30B,30Cは、可視光(R+G+B)での高感度な光センシングが可能であるため、カラーフィルター95A,95B,95Cを用いることで、物体100の色の検知が可能である。
【0060】
受光素子30A,30B,30Cを2次元アレイ配列にし、それに合わせてカラーフィルター95A,95B,95Cも2次元アレイ配列にすることで、光センサ10は、2次元のカラー画像情報を取得可能になる。
【0061】
なお、カラーフィルター95A,95B,95Cは、第2面22側に設けられている必要はなく、第1面21側に設けられていてもよい。すなわち、カラーフィルター95A,95B,95Cは、反射光から受光素子によって受光される前に透過する位置に配置されていればよい。
【0062】
<3.付記>
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0063】
10 :光センサ
20 :基板
21 :第1面
22 :第2面
30 :受光素子
30A :第1受光素子
30B :第2受光素子
30C :第3受光素子
31 :第1電極
32 :第2電極
41 :p型光吸収層
42 :n型窓層
51 :第1配線
51A :接続部
52 :第2配線
60 :光学系
70 :導波路
70A :第1導波路
70B :第2導波路
70C :第3導波路
80 :投光部
80A :第1投光部
80B :第2投光部
80C :第3投光部
81 :上面
82 :傾斜面
83 :投光ミラー
90 :発光素子
95A :第1カラーフィルター
95B :第2カラーフィルター
95C :第3カラーフィルター
100 :物体