(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-16
(45)【発行日】2023-08-24
(54)【発明の名称】小児科用プログラム、ユーザ端末および小児科用情報共有システム
(51)【国際特許分類】
G16H 80/00 20180101AFI20230817BHJP
G16H 40/67 20180101ALI20230817BHJP
【FI】
G16H80/00
G16H40/67
(21)【出願番号】P 2019151657
(22)【出願日】2019-08-22
【審査請求日】2022-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】519059384
【氏名又は名称】株式会社CRAMBERS
(74)【代理人】
【識別番号】100110766
【氏名又は名称】佐川 慎悟
(74)【代理人】
【識別番号】100165515
【氏名又は名称】太田 清子
(74)【代理人】
【識別番号】100169340
【氏名又は名称】川野 陽輔
(74)【代理人】
【識別番号】100195682
【氏名又は名称】江部 陽子
(74)【代理人】
【識別番号】100206623
【氏名又は名称】大窪 智行
(72)【発明者】
【氏名】山崎 雄吉
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-169238(JP,A)
【文献】特開2007-188243(JP,A)
【文献】特開2016-057717(JP,A)
【文献】特開2019-109763(JP,A)
【文献】特開2005-250605(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0337350(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理サーバを介して小児科医療機関の医療機関端末と情報を共有可能なユーザ端末としてコンピュータを機能させる、小児科用プログラムであって、
前記ユーザ端末の表示画面に表示されるカレンダーの日付に対応付けて、少なくとも子供の病状に関する画像を含む記録データを前記管理サーバに保存させ、
前記カレンダー上で選択された日付に対応する前記記録データの一覧を前記管理サーバから取得して前記表示画面に表示するとともに、前記一覧から選択された前記記録データを前記管理サーバから取得して前記表示画面に表示するユーザ端末としてコンピュータを機能させる、小児科用プログラム。
【請求項2】
前記記録データとして、前記画像とともにユーザによるコメントを前記管理サーバに保存させるとともに前記表示画面に表示させ、または、
前記記録データとして、子供の身長および体重を前記管理サーバに保存させるとともに前記表示画面に表示させる、請求項1に記載の小児科用プログラム。
【請求項3】
前記子供の身長および体重に基づいて作成された成長曲線グラフを前記ユーザ端末または前記管理サーバから取得して前記表示画面に表示させる、請求項2に記載の小児科用プログラム。
【請求項4】
管理サーバを介して小児科医療機関の医療機関端末と情報を共有可能なユーザ端末であって、
前記ユーザ端末の表示画面に表示されるカレンダーの日付に対応付けて、少なくとも子供の病状に関する画像を含む記録データを前記管理サーバに保存させ、
前記カレンダー上で選択された日付に対応する前記記録データの一覧を前記管理サーバから取得して前記表示画面に表示するとともに、前記一覧から選択された前記記録データを前記管理サーバから取得して前記表示画面に表示する、ユーザ端末。
【請求項5】
請求項4に記載のユーザ端末と、前記医療機関端末と、前記ユーザ端末と前記医療機関端末との間で情報の共有を可能とする管理サーバと、を有する小児科用情報共有システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小児科クリニック等の医療機関にかかる子供の保護者が使用するのに好適な小児科用プログラム、ユーザ端末および小児科用情報共有システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、小児科クリニック等の医療機関では、子供の保護者が口頭や問診票によって子供の病状や様子を医療従事者に説明している。例えば、特開2002-245176号公報には、受診者ごとに発行されたカードから受診者情報を読み込み、初診の場合には質問項目を記入できるように表示させ、再診の場合には前回に回答した項目をあらかじめ記入された状態で表示させ、受診者の各回答を集計した問診情報をカードに記憶させる問診方法が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された発明を含め、従来の方法では、医療従事者に対して子供の病状や様子を正確に伝えることは困難である。また、子供の病状や様子は日々変化するため、その時系列的な変化も本来、医療従事者にとっては重要な情報である。しかしながら、従来、そのような情報を医療従事者に伝えたり共有することができていないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、子供の病状に関する画像を含む時系列の記録データを医療従事者と共有するとともに、医療従事者に対して子供の病状や様子を正確に伝達でき、保護者の安心をサポートすることができる小児科用プログラム、ユーザ端末および小児科用情報共有システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る小児科用プログラムは、子供の病状に関する画像を含む時系列の記録データを医療従事者と共有するとともに、医療従事者に対して子供の病状や様子を正確に伝達でき、保護者の安心をサポートするという課題を解決するために、管理サーバを介して小児科医療機関の医療機関端末と情報を共有可能なユーザ端末としてコンピュータを機能させる、小児科用プログラムであって、前記ユーザ端末の表示画面に表示されるカレンダーの日付に対応付けて、少なくとも子供の病状に関する画像を含む記録データを前記管理サーバに保存させ、前記カレンダー上で選択された日付に対応する前記記録データの一覧を前記管理サーバから取得して前記表示画面に表示するとともに、前記一覧から選択された前記記録データを前記管理サーバから取得して前記表示画面に表示するユーザ端末としてコンピュータを機能させる。
【0007】
また、本発明の一態様として、記録データを子供の成長記録としても利用するという課題を解決するために、前記記録データとして、前記画像とともにユーザによるコメントを前記管理サーバに保存させるとともに前記表示画面に表示させ、または、前記記録データとして、子供の身長および体重を前記管理サーバに保存させるとともに前記表示画面に表示させてもよい。
【0008】
さらに、本発明の一態様として、子供の身体的発達の程度を簡単に把握するという課題を解決するために、前記子供の身長および体重に基づいて作成された成長曲線グラフを前記ユーザ端末または前記管理サーバから取得して前記表示画面に表示させてもよい。
【0009】
本発明に係るユーザ端末は、子供の病状に関する画像を含む時系列の記録データを医療従事者と共有するとともに、医療従事者に対して子供の病状や様子を正確に伝達でき、保護者の安心をサポートするという課題を解決するために、管理サーバを介して小児科医療機関の医療機関端末と情報を共有可能なユーザ端末であって、前記ユーザ端末の表示画面に表示されるカレンダーの日付に対応付けて、少なくとも子供の病状に関する画像を含む記録データを前記管理サーバに保存させ、前記カレンダー上で選択された日付に対応する前記記録データの一覧を前記管理サーバから取得して前記表示画面に表示するとともに、前記一覧から選択された前記記録データを前記管理サーバから取得して前記表示画面に表示する。
【0010】
本発明に係る小児科用情報共有システムは、子供の病状に関する画像を含む時系列の記録データを医療従事者と共有するとともに、医療従事者に対して子供の病状や様子を正確に伝達でき、保護者の安心をサポートするという課題を解決するために、請求項4に記載のユーザ端末と、前記医療機関端末と、前記ユーザ端末と前記医療機関端末との間で情報の共有を可能とする管理サーバと、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、子供の病状に関する画像を含む時系列の記録データを医療従事者と共有するとともに、医療従事者に対して子供の病状や様子を正確に伝達でき、保護者の安心をサポートすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係る小児科用プログラム、ユーザ端末および小児科用情報共有システムの一実施形態を示す図である。
【
図2】本実施形態の小児科用プログラム、ユーザ端末および小児科用情報共有システムを用いて、記録データを管理サーバへ保存する際の処理を示すフローチャートである。
【
図3】本実施形態におけるホーム画面の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態における新規記録画面の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態の小児科用プログラム、ユーザ端末および小児科用情報共有システムを用いて、ユーザ端末に記録データを表示する際の処理を示すフローチャートである。
【
図6】本実施形態におけるカレンダー画面の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態において、記録データの一覧を表示した画面の一例を示す図である。
【
図8】本実施形態において、記録データを表示した画面の一例を示す図である。
【
図9】本実施形態において、成長曲線グラフを表示した画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る小児科用プログラム、ユーザ端末および小児科用情報共有システムの一実施形態について図面を用いて説明する。
【0014】
本実施形態の小児科用情報共有システム10は、小児科クリニック等の小児科医療機関とその患者である子供の保護者との情報共有を実現するものであり、
図1に示すように、保護者によって用いられるユーザ端末1と、小児科医療機関で用いられる医療機関端末11と、ユーザ端末1と医療機関端末11との間で情報の共有を可能とする管理サーバ12とを有している。以下、各構成について詳細に説明する。
【0015】
ユーザ端末1は、スマートフォンやタブレット端末等の携帯型のコンピュータによって構成されており、
図1に示すように、主として、データの表示や入力を行う表示入力手段2と、子供の画像等を撮影する撮影手段3と、管理サーバ12との間でデータ通信を行う通信手段4と、本実施形態の小児科用プログラム1aや各種データを記憶する記憶手段5と、各種の演算処理を実行し後述する各構成部として機能する演算処理手段6とを有している。以下、ユーザ端末1の各構成手段について説明する。
【0016】
表示入力手段2は、タッチパネル等で構成されており、入力機能と表示機能とを兼ね備えたものである。本実施形態において、表示入力手段2は、ユーザからの入力や選択等を表示画面上のタッチ入力で受け付ける入力機能と、後述する記録データ等を表示画面に表示する表示機能とを有している。
【0017】
撮影手段3は、ユーザ端末1に内蔵されたカメラで構成されており、子供の病状に関する画像を撮影するものである。本実施形態において、画像とは、静止画像のみならず動画像を含むものである。また、子供の病状に関する画像とは、症状の出ている子供の顔や身体部分を撮影した画像のみならず、体温計の画像等のように子供の病気や症状を看取できる全てのものを含む。
【0018】
通信手段4は、ユーザ端末1に通信機能を実装するものである。本実施形態において、通信手段4は、第4世代移動通信ネットワーク(4G)等のキャリアネットワーク規格、Wi-Fi(登録商標)等の無線LAN規格、およびBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信規格に対応しており、いずれかの通信ネットワークを介して管理サーバ12に接続するようになっている。
【0019】
記憶手段5は、ハードディスク、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等で構成されており、各種データを記憶するとともに、演算処理手段6が各種の演算処理を実行する際のワーキングエリアとして機能するものである。本実施形態において、記憶手段5は、
図1に示すように、プログラム記憶部51と、画像記憶部52とを有している。
【0020】
プログラム記憶部51には、本実施形態の小児科用プログラム1aがインストールされている。そして、演算処理手段6が小児科用プログラム1aを実行することにより、スマートフォン等のコンピュータを本実施形態のユーザ端末1として機能させるようになっている。
【0021】
なお、小児科用プログラム1aの利用形態は、上記構成に限られるものではない。例えば、メモリーカード等のように、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体に小児科用プログラム1aを記憶させておき、当該記録媒体から直接読み出して実行してもよい。また、外部サーバ等からクラウドコンピューティング方式やASP(Application Service Provider)方式で利用してもよい。
【0022】
画像記憶部52は、子供の病状に関する画像を記憶するものである。本実施形態において、画像記憶部52には、撮影手段3によって撮影された画像や、通信手段4を介して他の端末等から取得した画像を保存するようになっている。
【0023】
演算処理手段6は、CPU(Central Processing Unit)等によって構成されており、プログラム記憶部51にインストールされた小児科用プログラム1aを実行することにより、
図1に示すように、表示制御部61と、ユーザ入力受付部62と、通信制御部63として機能するようになっている。以下、各構成部についてより詳細に説明する。
【0024】
表示制御部61は、表示入力手段2の表示内容を制御するものである。本実施形態において、表示制御部61は、ユーザ入力受付部62で受け付けられた入力や指示に基づいて、画像記憶部52に記憶されている画像や、通信制御部63によって受信された記録データ等を取得し、表示画面に表示するようになっている。
【0025】
なお、本実施形態において、記録データとは、少なくとも子供の病状に関する画像を含むものであり、その他、記録データのタイトル、記録した日時、ユーザによるコメント等を含んでいてもよい。また、本実施形態では、記録データとして、さらに子供の身長および体重を記録するようにしてもよい。
【0026】
ユーザ入力受付部62は、表示入力手段2を介して入力されたユーザの指示や選択等を受け付けるものである。本実施形態において、ユーザ入力受付部62は、ユーザが表示画面上でタッチしたタッチ位置を検知し、当該タッチ位置に対応する指示や選択を受け付けるようになっている。
【0027】
通信制御部63は、ユーザ端末1の通信を制御するものである。本実施形態において、通信制御部63は、ユーザ入力受付部62で受け付けられた入力や指示に基づいて、通信手段4を介して記録データ等を管理サーバ12へ送信し、保存させるようになっている。また、通信制御部63は、通信手段4を介して、ユーザ入力受付部62で受け付けられたユーザの要求を管理サーバ12へ送信し、記録データ等を管理サーバ12から受信するようになっている。
【0028】
医療機関端末11は、パーソナルコンピュータ等のコンピュータによって構成されており、小児科医療機関における医療従事者やスタッフによって使用されるものである。本実施形態において、医療機関端末11は、管理サーバ12に管理者権限でアクセスし、複数のユーザ端末1によって保存された全ての記録データを参照しうるようになっている。なお、医療機関端末11は、ユーザ端末1と同様、スマートフォン等の携帯型コンピュータでもよい。
【0029】
管理サーバ12は、データベースサーバ等のコンピュータによって構成されており、小児科クリニック等の小児科医療機関によって運営されるものである。本実施形態では、患者ごとに、管理サーバ12へログインするためのユーザIDとパスワードが発行されており、高いセキュリティ性が担保されている。また、管理サーバ12では、各患者のユーザIDに対応付けて、名前、性別、生年月日等からなる各種のユーザ情報が登録されているとともに、ユーザ端末1から送信された記録データを保存するようになっている。
【0030】
本実施形態において、管理サーバ12は、ユーザ端末1から記録データを受信すると、ユーザ端末1の表示画面に表示されるカレンダーの日付に対応付けて記録データを保存する。また、管理サーバ12は、ユーザ端末1からカレンダー上で選択された日付の指示を受け取ると、当該日付に対応付けて保存されている記録データの一覧をユーザ端末1へ送信する。さらに、管理サーバ12は、記録データの一覧から選択された記録データの指示をユーザ端末1から受け取ると、当該記録データをユーザ端末1へ送信するようになっている。
【0031】
つぎに、本実施形態の小児科用プログラム1a、ユーザ端末1および小児科用情報共有システム10の作用について、図面を参照しつつ説明する。
【0032】
まず、本実施形態の小児科用プログラム1a、ユーザ端末1および小児科用情報共有システム10を用いて、記録データを管理サーバ12へ保存する際の処理について説明する。
図2に示すように、ユーザ端末1から管理サーバ12にログインすると(ステップS1)、ユーザ端末1の表示画面には
図3に示すようなホーム画面が表示される(ステップS2)。
【0033】
つぎに、ホーム画面等において、ユーザ入力受付部62がユーザから新規記録の指示を受け付けると(ステップS3)、表示制御部61が
図4に示すような新規記録画面を表示する(ステップS4)。つづいて、この新規記録画面に表示される4つのカテゴリ(「症状」、「成長」、「メモ」、「身長・体重」)の中から、ユーザ入力受付部62がカテゴリの選択を受け付ける(ステップS5)。
【0034】
ユーザによって選択されたカテゴリが「症状」、「成長」、「メモ」のいずれかである場合(ステップS6:YES)、記録する画像を新たに撮影するか(カメラのアイコン)、ユーザ端末1に保存済みの画像を選択するか(ファイルのアイコン)を受け付ける(ステップS7)。これにより、記録データとして管理サーバ12へ送信する画像が撮影または選択される。また、本実施形態では、別途、記録データに関するタイトルやコメントの入力を受け付ける(ステップS8)。
【0035】
一方、ユーザによって選択されたカテゴリが「身長・体重」である場合(ステップS6:NO)、ユーザから子供の身長および体重の入力を受け付ける(ステップS9)。全ての入力を受け付けた後、「記録する」ボタンのタッチがユーザ入力受付部62によって検出されると、通信制御部63が通信手段4を介して記録データを管理サーバ12へ送信する(ステップS10)。これにより、管理サーバ12では、ユーザIDに対応付けて、受信した記録データが受信日時とともに時系列に保存される。
【0036】
つぎに、本実施形態の小児科用プログラム1a、ユーザ端末1および小児科用情報共有システム10を用いて、ユーザ端末1に記録データを表示する際の処理について説明する。
図5に示すように、ユーザ端末1から管理サーバ12にログインすると(ステップS11)、ユーザ端末1の表示画面には
図3に示すようなホーム画面が表示される(ステップS12)。
【0037】
つぎに、ホーム画面等において、ユーザ入力受付部62がユーザからカレンダー機能の指示を受け付けると(ステップS13)、表示制御部61が
図6に示すようなカレンダー画面を表示する(ステップS14)。つづいて、このカレンダー画面に表示される日付の中から、ユーザ入力受付部62が日付の選択を受け付ける(ステップS15)。このように、カレンダー上で日付を選択するため、曜日感覚に乏しいユーザであっても直感的かつ迅速に所望の日付を選択することが可能になる。
【0038】
ユーザによって日付が選択されると、通信制御部63が当該日付に対応する記録データの一覧を管理サーバ12へ要求する(ステップS16)。この要求に応じて管理サーバ12からユーザ端末1へ記録データの一覧が送信されるため、表示制御部61が
図7に示すような記録データの一覧を表示する(ステップS17)。これにより、選択した日付に対して、どのような記録データが保存されているがが一目で把握される。
【0039】
つづいて、記録データの一覧の中から、ユーザ入力受付部62が記録データの選択を受け付けると(ステップS18)、通信制御部63が当該記録データを管理サーバ12へ要求する(ステップS19)。この要求に応じて、管理サーバ12からユーザ端末1へ記録データが送信されるため、表示制御部61が
図8に示すような、子供の病状に関する画像を含む記録データを表示する(ステップS20)。このような記録データの表示画面を医療従事者に見せることにより、子供の病状や様子が正確に伝達される。
【0040】
また、本実施形態では、ユーザ端末1によって保存された時系列の記録データが医療従事者と共有される。このため、医療従事者は、患者に関する記録データを定期的あるいは診断時に時系列的に閲覧することで、患者の病状や様子をより正確に把握することが可能となる。
【0041】
以上のような本実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
1.子供の病状に関する画像を含む時系列の記録データを医療従事者と共有するとともに、医療従事者に対して子供の病状や様子を正確に伝達でき、保護者の安心をサポートすることができる。
2.子供の画像とともに、その時々の状況や気持ちをコメントとして記録することができ、子供の成長記録として利用することができる。
3.子供の元気な様子のみならず、具合が悪いときの画像やコメント等も時系列で記録されるため、より現実的な成長記録として残すことができ、後から見返す際の楽しさや懐かしさを倍増することができる。
【0042】
なお、本発明に係る小児科用プログラム1a、ユーザ端末1および小児科用情報共有システム10は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
【0043】
例えば、上述した本実施形態では、子供の病状に関する画像を含む記録データを選択した場合について説明した。しかしながら、子供の身長および体重に関する記録データを選択した場合には、
図9に示すように、子供の身長および体重に基づいてユーザ端末または管理サーバによって作成された成長曲線グラフをユーザ端末1または管理サーバ12から取得して表示画面に表示させてもよい。これにより、子供の身体的発達の程度を簡単に把握することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 ユーザ端末
1a 小児科用プログラム
2 表示入力手段
3 撮影手段
4 通信手段
5 記憶手段
6 演算処理手段
10 小児科用情報共有システム
11 医療機関端末
12 管理サーバ
51 プログラム記憶部
52 画像記憶部
61 表示制御部
62 ユーザ入力受付部
63 通信制御部