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特許7333100展開可能および折り畳み可能なシャフト配備機構
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-16
(45)【発行日】2023-08-24
(54)【発明の名称】展開可能および折り畳み可能なシャフト配備機構
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20230817BHJP
   A61B 10/02 20060101ALI20230817BHJP
   A61B 90/50 20160101ALN20230817BHJP
【FI】
A61B17/00
A61B10/02 110H
A61B10/02 110Z
A61B90/50
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021514541
(86)(22)【出願日】2019-09-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 US2019051728
(87)【国際公開番号】W WO2020112217
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-04-08
(31)【優先権主張番号】62/732,909
(32)【優先日】2018-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513093081
【氏名又は名称】ブリガム ヤング ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェフィールド、ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】シーモア、ケンダル、エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ハイアット、ランス
(72)【発明者】
【氏名】カニングトン、スコット
(72)【発明者】
【氏名】マグレビー、スペンサー、ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ハウエル、ラリー、エル.
(72)【発明者】
【氏名】ラング、ロバート
【審査官】野口 絢子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-110920(JP,A)
【文献】特表2007-532240(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0114138(US,A1)
【文献】米国特許第09157497(US,B1)
【文献】特表2007-511286(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 13/00-18/18
A61B 10/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空ロッド展開可能アクチュエータツールであって、
外円筒を構成する第1リンクであって、前記外円筒は、
第1アパーチャを有する第1端部、
第2アパーチャを有する第2端部、
前記第1端部と前記第2端部との間に延在し、中空ロッドの外周、および、前記第1端部から前記第2端部まで前記中空ロッドの中を通る中央通路を画定する第1壁、ならびに、
第1ジョイントが搭載された前記第1壁に配置された第1キャビティ
を含む、第1リンクと、
配備リングであって、
前記配備リングの第1部分を構成する第2リンクであって、前記第1部分は、
前記第1ジョイントで前記第1リンクの前記第1壁に旋回可能に連結される第1端部、
第2ジョイントを有する第2端部、および、
前記第1端部と前記第2端部との間に延在するボディ
を含む、第2リンク、ならびに、
前記配備リングの第2部分を構成する第3リンクであって、前記第2部分は、
前記第2ジョイントで前記第2リンクの前記ボディに旋回可能に連結された第1端部、
第3ジョイントに旋回可能に接続された第2端部、および、
前記第1端部と前記第2端部との間に延在するボディ
を含む、第3リンク
を有する配備リングと、
前記第1リンクの前記外円筒の前記中央通路の中に配置された内円筒を構成する第4リンクであって、前記内円筒は、
第1アパーチャを有する第1端部、
第2アパーチャを有する第2端部、
前記第1端部と前記第2端部との間に延在し、前記中空ロッドの内周、および、前記第1端部から前記第2端部まで前記中空ロッドの中を通る中央通路を画定する第2壁、ならびに、
前記第3リンクの前記ボディに旋回可能に連結される前記第3ジョイントを有する前記第2壁における第2キャビティ
を含む、第4リンクと
を備え、前記第1ジョイントおよび前記第3ジョイントが前記中空ロッド展開可能アクチュエータツールの周囲に沿って互いから離れるように移動するように、前記第4リンクの前記内円筒が前記第1リンクの前記外円筒に対して回転されるとき、前記中空ロッド展開可能アクチュエータツールは、前記配備リングが前記第1壁の前記第1キャビティおよび前記第2壁の前記第2キャビティの中にある第1状態から、前記配備リングが前記中空ロッド展開可能アクチュエータツールの前記外周の外側に延在する第2状態に遷移する、
中空ロッド展開可能アクチュエータツール。
【請求項2】
装置が前記配備リングに取り付けられる、請求項1に記載の中空ロッド展開可能アクチュエータツール。
【請求項3】
前記装置を前記配備リングに取り着けるためにマウントが設けられる、請求項2に記載の中空ロッド展開可能アクチュエータツール。
【請求項4】
前記第2リンクの前記ボディおよび前記第3リンクの前記ボディの少なくとも1つは、前記第1リンクの湾曲に合致するように湾曲し、前記中空ロッド展開可能アクチュエータツールが前記第1状態にあるとき前記第2リンクおよび前記第3リンクが前記外周と同一平面上になる、および/または
前記第1キャビティおよび前記第2キャビティは、前記第1リンクの前記第2端部、および、前記第4リンクの前記第2端部に近接して位置する、請求項1から3のいずれか一項に記載の中空ロッド展開可能アクチュエータツール。
【請求項5】
前記配備リングの前記第2リンクおよび前記第3リンクを接続する前記第2ジョイントはコンプライアントセグメントである、および/または、
前記第1ジョイントおよび前記第3ジョイントはコンプライアントセグメントである、請求項1から4のいずれか一項に記載の中空ロッド展開可能アクチュエータツール。
【請求項6】
前記中空ロッド展開可能アクチュエータツールは、第2配備リングを更に備え、前記第2配備リングは、
前記第2配備リングの第1部分を構成する第5リンクであって、前記第1部分は、
前記第1リンクにおける第3キャビティにおける第4ジョイントで前記第1リンクの前記第1壁に旋回可能に連結される第1端部、
第5ジョイントを有する第2端部、および、
前記第1端部と前記第2端部との間に延在するボディ
を含む、第5リンク、ならびに、
前記配備リングの第2部分を構成する第6リンクであって、前記第2部分は、
前記第5ジョイントで前記第5リンクのボディに旋回可能に連結される第1端部、
前記第4リンクにおける第4キャビティにおける第6ジョイントで前記第4リンクの前記第2壁に旋回可能に接続される第2端部、および、
前記第1端部と前記第2端部との間に延在するボディ
を含む、第6リンク
を有し、
前記第4ジョイントおよび前記第6ジョイントが前記中空ロッドの周囲に沿って互いから離れるように移動するように、前記第4リンクの前記内円筒が前記第1リンクの外円筒に対して回転されるとき、前記中空ロッド展開可能アクチュエータツールは、前記第2配備リングが前記第1壁の前記第1キャビティおよび前記第2壁の前記第2キャビティの中にある第1状態から、前記第2配備リングが前記中空ロッドの前記外周の外側に延在する第2状態に遷移する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の中空ロッド展開可能アクチュエータツール。
【請求項7】
装置が前記第2配備リングに取り付けられる、請求項6に記載の中空ロッド展開可能アクチュエータツール。
【請求項8】
前記装置を前記第2配備リングに取り着けるためにマウントが設けられる、請求項7に記載の中空ロッド展開可能アクチュエータツール。
【請求項9】
前記第5リンクの前記ボディ、および、前記第6リンクの前記ボディの少なくとも1つは、前記第1リンクの湾曲に合致するように湾曲し、前記中空ロッド展開可能アクチュエータツールが前記第1状態にあるとき前記第5リンクおよび前記第6リンクが前記外周と同一平面になる、および/または、
前記第2配備リングの前記第5リンクと前記第6リンクとを接続する前記第5ジョイントはコンプライアントセグメントである、請求項6から8のいずれか一項に記載の中空ロッド展開可能アクチュエータツール。
【請求項10】
前記第4ジョイントおよび前記第6ジョイントはコンプライアントセグメントである、請求項6から9のいずれか一項に記載の中空ロッド展開可能アクチュエータツール。
【請求項11】
中空ロッド展開可能アクチュエータツールの作動方法であって、
前記中空ロッド展開可能アクチュエータツールを提供する段階であって、前記中空ロッド展開可能アクチュエータツールは、
外円筒を構成する第1リンクであって、前記外円筒は、
第1アパーチャを有する第1端部、
第2アパーチャを有する第2端部、
前記第1端部と前記第2端部との間に延在し、中空ロッドの外周、および、前記第1端部から前記第2端部まで前記中空ロッドの中を通る 中央通路を画定する第1壁、ならびに、
第1ジョイントが搭載された前記第1壁に配置された第1キャビティ
を含む、第1リンクと、
配備リングであって、
前記配備リングの第1部分を構成する第2リンクであって、前記第1部分は、
前記第1ジョイントで前記第1リンクの前記第1壁に旋回可能に連結される第1端部、
第2ジョイントを有する第2端部、および、
前記第1端部と前記第2端部との間に延在するボディ
を含む、第2リンク、ならびに、
前記配備リングの第2部分を構成する第3リンクであって、前記第2部分は、
前記第2ジョイントで前記第2リンクの前記ボディに旋回可能に連結された第1端部、
第3ジョイントに旋回可能に接続された第2端部、および、
前記第1端部と前記第2端部との間に延在するボディ
を含む、第3リンク
を含む配備リングと、
前記第1リンクの前記外円筒の前記中央通路の中に配置された内円筒を構成する第4リンクであって、前記内円筒は、
第1アパーチャを有する第1端部、
第2アパーチャを有する第2端部、
前記第1端部と前記第2端部との間に延在し、前記中空ロッドの内周、および、前記第1端部から前記第2端部まで前記中空ロッドの中を通る中央通路を画定する第2壁、ならびに、
前記第3リンクの前記ボディに旋回可能に連結される前記第3ジョイントを有する前記第2壁における第2キャビティ
を含む、第4リンクと
を備え、前記第1ジョイントおよび前記第3ジョイントが前記中空ロッド展開可能アクチュエータツールの周囲に沿って互いから離れるように移動するように、前記第4リンクの前記内円筒が前記第1リンクの前記外円筒に対して回転されるとき、前記中空ロッド展開可能アクチュエータツールは、前記配備リングが前記第1壁の前記第1キャビティおよび前記第2壁の前記第2キャビティの中にある第1状態から、前記配備リングが前記中空ロッド展開可能アクチュエータツールの前記外周の外側に延在する第2状態に遷移する、段階と、
前記中空ロッド展開可能アクチュエータツールを前記第1状態から前記第2状態に遷移させるために、前記第1ジョイントおよび前記第3ジョイントが前記中空ロッド展開可能アクチュエータツールの周囲に沿って互いから離れるように移動するように、前記第1リンクの前記外円筒に対して前記第4リンクの前記内円筒を回転させることによって前記中空ロッド展開可能アクチュエータツール作動する段階と
を備える方法。
【請求項12】
前記中空ロッド展開可能アクチュエータツールを前記第2状態から前記第1状態に遷移させるために、前記第1ジョイントおよび前記第3ジョイントが前記中空ロッド展開可能アクチュエータツールの周囲に沿って互いに向かって移動するように、前記第1リンクの前記外円筒に対して前記第4リンクの前記内円筒を回転させる段階を更に備える、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2018年9月18日に出願された、同時係属の米国仮特許出願第62/732,909号の優先権と利益を、両方の出願に共通するすべての主題について主張するものである。上記仮特許出願の開示は、本明細書において、参照により全体が組み込まれる。
【0002】
[連邦政府資金による研究開発の記載]
本発明は、アメリカ国立科学財団によって助成されるNSF Award No.1663345の政府支援により行われた。政府には本発明における一定の権利がある。
【0003】
本発明はツールに関し、より具体的には、物体を中空ロッドの内側から外側へ配備するなどの作業を実行するのに好適な中空ロッド内に配置される作動機構に関する。
【背景技術】
【0004】
一般に、中空円筒シャフト、管、またはロッド内に配置された作動機構を有するツールの分野において、従来のツールは多くの場合、1つの機構、または、単一機能だけがロッドの端部で動作することを可能にする。これは特に、中空ロッドの内側の断面積が小さいときに当てはまる。これらは、円筒シャフトの端部への交換可能な付属品(例えば、ディファレンシャルビットを有するドライバー)として存在するが、手動で切り替えるためには、ツールを作業空間から格納する必要がある。任意の追加機能は一般に、追加の独立のツールを必要とする。
【発明の概要】
【0005】
小さい断面積を有する中空ロッド内に配置された複数の展開可能な作動機構を有する中空ロッド展開可能アクチュエータツールの必要性がある。本発明は、他の望ましい特性に加えて、この必要性に対処する更なる解決手段に関する。他の望ましい特性は、複数の装置を必要とする機能を実行するために装置の格納または追加ツールを必要としない多機能性を含む。
【0006】
本発明の実施形態によれば、中空ロッド展開可能アクチュエータツールが提供される。ツールは、外円筒を構成する第1リンクと、配備リングの第1部分を構成する第2リンクおよび配備リングの第2部分を構成する第3リンクを有する第1配備リングと、内円筒を構成する第4リンクとを備える。
【0007】
第1リンク上の外円筒は、第1アパーチャを有する第1端部、第2アパーチャを有する第2端部、第1端部および第2端部の間に延在し、中空ロッドの外周および第1端部から第2端部までそれを通る中央通路を画定する第1壁、ならびに、第1ジョイントが搭載された第1壁に配置された第1キャビティを含む。
【0008】
第1配備リングの第1部分を構成する第2リンクは、第1ジョイントで第1リンクの第1壁に旋回可能に連結される第1端部、第2ジョイントを有する第2端部、および、第1端部と第2端部との間に延在するボディを含む。
【0009】
第1配備リングの第2部分を構成する第3リンクは、第2ジョイントで第2リンクのボディに旋回可能に連結する第1端部、第3ジョイントに旋回可能に接続する第2端部、および、第1端部と第2端部との間に延在するボディを含む。
【0010】
第4リンクの内円筒は、第1リンクの外円筒の中央通路に配置され、第1アパーチャを有する第1端部、第2アパーチャを有する第2端部、第1端部と第2端部との間に延在し、中空ロッドの内周および第1端部から第2端部までそれを通る中央通路を画定する第2壁、ならびに、第3リンクのボディに旋回可能に連結される第3ジョイントを有する第2壁における第2キャビティを含む。
【0011】
第1ジョイントおよび第3ジョイントをツールの周囲に沿って互いから離して移動させるように第4リンクの内円筒が第1リンクの外円筒に対して回転されるとき、ツールは、配備リングが第1壁の第1キャビティおよび第2壁の第2キャビティの中にある第1状態から、配備リングがツールの外周の外側に延在する第2状態に遷移する。
【0012】
本発明の態様によれば、カメラまたは照明などの装置を配備リングに取り付けることができる。いくつかのそのような態様において、装置を配備リングに取り着けるためのマウントが提供される。
【0013】
本発明の態様によれば、第2リンクのボディおよび第3リンクのボディの少なくとも1つは、第1リンクの湾曲に合致するように湾曲し、アクチュエータツールが第1状態にあるとき第2リンクおよび第3リンクは外周と同一平面になる。
【0014】
本発明の態様によれば、第1キャビティおよび第2キャビティは、第1リンクの第2アパーチャおよび第4リンクの第4アパーチャと近接して位置する。
【0015】
本発明の態様によれば、第2リンクのボディは、中央通路に垂直な第1平面における第1ジョイントの周りを旋回し、第3リンクは、中央通路と垂直で第1平面からずれた第2平面における第3ジョイントの周りを旋回する。
【0016】
本発明の態様によれば、配備リングの第2リンクおよび第3リンクを接続する第2ジョイントはコンプライアントセグメントである。
【0017】
本発明の態様によれば、第1ジョイントおよび第3ジョイントはコンプライアントセグメントである。
【0018】
本発明の態様によれば、中空ロッド展開可能アクチュエータツールは更に第2配備リングを含む。第2配備リングは、第2配備リングの第1セグメントを構成する第5リンク、および、第2配備リングの第2部分を構成する第6リンクを含む。
【0019】
本発明の態様によれば、第2配備リングの第1部分を含む第5リンクは、第1リンクにおける第3キャビティにおける第4ジョイントで、第1リンクの第1壁に旋回可能に連結される第1端部、第5ジョイントを有する第2端部、ならびに、第1端部および第2端部の間で延在するボディを含む。
【0020】
本発明の態様によれば、第6リンクは、第5ジョイントで第5リンクのボディに旋回可能に連結される第1端部を含む配備リングの第2部分、第4リンクにおける第4キャビティにおける第6ジョイントで第4リンクの第2壁に旋回可能に接続される第2端部、ならびに、第1端部と第2端部との間に延在するボディを含む。
【0021】
中空ロッドの周囲に沿って第4ジョイントおよび第6ジョイントを互いから離すように移動させるように、第4リンクの内円筒が第1リンクの外円筒に対して回転するとき、アクチュエータツールは第1状態(第2配備リングが、第1壁の第1キャビティおよび第2壁の第2キャビティ内にある)から第2状態(第2配備リングが中空ロッドの外周の外側に延在する)に遷移する。
【0022】
本発明の態様によれば、装置を第2配備リングに取り付けることができる。特定のそのような態様において、装置を第2配備リングに取り着けるためのマウントが提供される。
【0023】
本発明の態様によれば、アクチュエータツールが第1状態のとき、第5リンクのボディ、および、第6リンクのボディの少なくとも1つは、第1リンクの湾曲と合致するように湾曲し、第5リンクおよび第6リンクを外周と同一平面にする。
【0024】
本発明の態様によれば、第2配備リングの第5リンクおよび第6リンクを接続する第5ジョイントはコンプライアントセグメントである。
【0025】
本発明の態様によれば、第4ジョイントおよび第6ジョイントはコンプライアントセグメントである。
【0026】
本発明の実施形態によれば、中空ロッド展開可能アクチュエータツールを使用する方法が提供される。本方法は、中空ロッド展開可能アクチュエータツールを提供する段階と、ツールを作動させる段階とを備える。
【0027】
中空ロッド展開可能アクチュエータツールは、本明細書において説明されるツールであり、外円筒を構成する第1リンク、第2リンクおよび第3リンクを構成する配備リング、ならびに内円筒を構成する第4リンクを備える。
【0028】
ツールの作動は、第1ジョイントおよび第3ジョイントを互いから離すようにツールの周囲に沿って移動させるように、第1リンクの外円筒に対して第4リンクの内円筒を回転させ、ツールを第1状態から第2状態に遷移させることを伴う。
【0029】
特定の態様によれば、本方法は更に、ツールの配備リングを格納する段階を備え得る。これは、第1ジョイントおよび第3ジョイントを互いに近づけるようにツールの周囲に沿って移動させるように、第1リンクの外円筒に対して第4リンクの内円筒を回転させ、第2状態から第1状態にツールを遷移させることを伴う。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明のこれら、および、他の特性は、添付の図面と共に、以下の詳細な説明を参照することによって、より完全に理解される。
【0031】
図1】配備リング展開可能アクチュエータ機構を有する中空ロッド展開可能アクチュエータツールが、ロッド内に格納されている状態から、配備されたリングまでの異なる作動段階を遷移する一連の図を示す。
【0032】
図2】装置が配備リングに配置されている、配備された構成の中空ロッド展開可能アクチュエータツールの図である。
【0033】
図3】拡張器として機能する複数の配備リングを有する中空ロッド展開可能アクチュエータツールの模式図である。
【0034】
図4】2つの配備リングアクチュエータ機構を有する中空ロッド展開可能アクチュエータツールが、ロッド内に格納された状態から、部分的に配備された状態、完全に配備された状態へ異なる作動段階を遷移する一連の図を示す。
【0035】
図5】より長いシャフトに取り付けられた中空ロッド展開可能アクチュエータツールを示す。
【0036】
図6図1に示される機構のコンプライアントバージョンを示す。
【0037】
図7A】機構配備リングのコンプライアントバージョンの格納された構成を示す。
図7B】次に、機構配備リングのコンプライアントバージョンの完全に配備された構成を示す。配備リングはコンプライアントな構成なので、同一平面にあることに留意されたい。
【0038】
図8A】中空ロッドおよび双安定型配備リングコンポーネントを示す。
【0039】
図8B】双安定型配備リングアクチュエータ機構を有する中空ロッド展開可能アクチュエータツールが、ロッド内に格納された状態から、部分的に配備された状態、完全に配備された状態へ異なる作動段階を遷移する一連の図を示す。
【0040】
図8C】取り外し可能な配備リングを有する中空ロッド展開可能アクチュエータツールを示す。配備リングは取り外されている。
【0041】
図8D】配備リングが取り付けられている、図8Cの中空ロッド展開可能アクチュエータツールを示す。
【0042】
図9】本発明の中空ロッド展開可能アクチュエータツールを使用する方法を示すフロー図である。
【0043】
図10】配備リングが延在し、物体が中央通路に挿入された中空ロッド展開可能アクチュエータツールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明の例示的な実施形態は、中空ロッド多機能展開可能アクチュエータツールに関する。このツールは、中央が中空である管に隣接する配備リングを生成するように作動できる湾曲リンク(展開可能)四節回転機構を隠す円柱管を含む。機構が閉じられるとき、管は単純な円柱管に似ている。機構が配備状態で開いているとき、1または複数の配備リングが、円柱管を越えて外に延在し、全体の配備プロセス中に中央の管をなお中空にした状態で、任意の数のアクチュエータまたは装置などを支持するために使用できる。
【0045】
管に全長に沿って、多くの配備リングが含まれ得る。円柱管上の単一または複数の機構は、狭い入口から管が作業空間に入ることを可能にし、その後広がって、作業空間に複数の入り口を作ることなく、または、独立した追加のツールの必要なく、多くのツールまたは他の装置が作業空間に入り、次に保持され、方向付けられ、向きを決められ、作動され、利用されるなどを可能にできる。例えば、本発明を利用する最小限の侵襲性の手術用ツールは、腹部などの体腔に通じる小さい切れ目を通って入り、本発明の機構(図2を参照)を使用して円柱管から2つのカメラを配備し、次に、一対の鉗子などの第3ツールが元の中空ロッド円柱管を通って手術作業を実行し得る(このとき、デュアルカメラが作業空間における三次元(3D)映像を提供する)。照明、焼灼、レーザ、バキューム、ウォータージェット、電源などのための付属品など、多くの他の手術でない例としての用途が存在する。
【0046】
システムを双安定型または多安定型にするために、コンプライアントなコンポーネントをシステムに含めることができる。そのようなセグメントはまた、デュアルシステムを同一平面に置くために使用できる。
【0047】
中空ロッドに配置される複数の機構はまた、ステント、または、最小限の侵襲性の手術用拡張ツール(図3を参照)などの拡大/拡張動作を可能にし得る。これは、内円筒の作動に正比例する直径制御拡張を可能にする。これは、拡張が圧力に基づき、実際の拡張は患者ごとに変動し得る、従来のバルーンカテーテルまたはステントに対する優位性を提供する。
【0048】
図1から図10(全体を通して、同様の部分は同様の参照番号で示される)は、本発明による中空ロッド展開可能アクチュエータツールの1または複数の実施形態の例を示す。本発明は、図に示される1または複数の実施形態の例を参照して説明されるが、多くの代替的な形態が本発明を具現化できると理解されるべきである。当業者であれば、本発明の思想および範囲を逸脱しないような方式で、要素または材料のサイズ、形状、またはタイプなど、開示される実施形態のパラメータを変更する異なる方式を追加的に理解するであろう。
【0049】
本明細書において使用される「展開可能」という用語は、特定の意味を有する。展開可能面とは、壊れる、または、延びることなく、材料の薄いシートから作られ得る形状である。本明細書において使用される「展開可能機構」または「展開可能アクチュエータ」という用語は、相互交換可能な用語であり、展開可能面に適合する、または、それから作成される機構を説明する。展開可能機構は、飛行機の胴体および翼、潜水艦の船体、ロケットのコーン、および、最小限の侵襲性の手術用ツールなどの展開可能面に適合できる、または、それから飛び出すことができる。当該機構は、2つの同心円状の円筒から成る。
【0050】
また、本明細書において使用される場合、円柱管またはロッド内に含まれる本発明の機構は、配備されていない第1状態において、管壁内の内部のキャビティに入っており、ツールの外周内に含まれているとき、「閉じている」とみなされる。また、本発明の機構は、配備された第2状態において、ツールの外周の外側の管壁を越えてキャビティから外向きに広がっているとき、「開いている」とみなされる。
【0051】
図1は、動作中の中空ロッド展開可能アクチュエータツール100の一連の上面図を示す。図2は、第2配備リングおよび配備リングに取り付けられたマウントを有する中空ロッド展開可能アクチュエータツール100の斜視図である。図3は、複数の配備リングを有する中空ロッド展開可能ロッドアクチュエータの上面図である。図4は、動作中の中空ロッド展開可能アクチュエータツール100の一連の図を示す。図5は、延在するシャフトを有する中空ロッド展開可能アクチュエータツール100を示す。
【0052】
図1の実施形態において、ツール100の機構は、2つの同心円状の円筒を含む。四節回転機構、湾曲または適合されたクランクスライダーは、外円筒の直径および厚みに適合する。その結果、機構の個々のリンクは、外円筒と同じ湾曲を有する(ただし、これは動作の要件ではない)。四節回転機構を構成する要素は、外円筒を構成する第1リンク102、第2リンク106および第3リンク108を構成する第1配備リング104、ならびに、第1リンク102の中央通路118内に配置された内円筒を構成する第4リンク110を含む。
【0053】
第1リンク102の外円筒は、第1アパーチャを有する第1端部112、第2アパーチャを有する第2端部114、ならびに、第1端部112および第2端部114の間に延在し、中空ロッド展開可能アクチュエータツール100の外周および第1端部112から第2端部114までそれを通る中央通路118を画定する第1壁116を有する。第1キャビティ120は、第1ジョイント122が中に搭載された第1壁116に配置される。
【0054】
第1リンク102の第1壁116は、プラスチック、金属、または、展開可能面を形成するのに好適な任意の他の材料から形成され得る。好適な材料の例は、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、炭化タングステン、炭素鋼、アルミニウム、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、ポリ乳酸(PLA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびアクリルを含む。他の好適な材料は、本開示の利点を考慮することによって、当業者にとって明らかである。第1リンク102の外周、および、第1端部112と第2端部114との間の第1壁116の長さは、中空ロッド展開可能アクチュエータツール100の意図される使用または用途に応じて変動し得る。
【0055】
第1壁116における第1キャビティ120は、本装置の機構が閉位置にあるとき、第1配備リング104の少なくとも一部が第1キャビティ120に存在する、または、そうでなければ格納されることを可能にするサイズおよび寸法である、窪み、凹部、切れ込み、チャネル、通路、または窓などを含む。特定の実施形態において、第1ジョイント122は、第1壁116に埋め込まれた、第1キャビティ120にわたるピンである。他の好適なジョイント装置または機構が、本開示の利点を考慮することによって、当業者にとって明らかである。
【0056】
第2リンク106は、第1配備リング104の第1部分を構成する。第2リンク106は、第1ジョイント122で第1リンク102の第1壁116に旋回可能に連結された第1端部124、第2ジョイント128を有する第2端部126、および、第1端部124と第2端部126との間に延在するボディ130を有する。第2リンク106のボディ130は、プラスチック、金属、または、展開可能面を形成するために好適な任意の他の材料から形成され得る。好適な材料の例は、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、炭化タングステン、炭素鋼、アルミニウム、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、ポリ乳酸(PLA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびアクリルを含む。特定の実施形態において、ツール100が閉状態にあるとき、第2リンク106のボディ130が第1壁116の第1キャビティ120内に存在できるように、第2リンク106のボディ130は、第1リンク102の湾曲に適合して湾曲する。特定の実施形態において、第2リンク106の長さは、作動するとき、第1配備リング104の第1部分が、第1リンク102の外円筒からどれほど遠く離れて移動するかを部分的に決定する。特定の実施形態において、第2ジョイント128は、第2リンク106の第2端部126でボディ130に埋め込まれたピンである。
【0057】
第3リンク108は第1配備リング104の第2部分を構成する。第3リンク108は、第2ジョイント128で第2リンク106のボディ130に旋回可能に連結される第1端部132、第3ジョイント136を有する第2端部134、および、第1端部132と第2端部134との間に延在するボディ138を有する。第3リンク108のボディ138は、プラスチック、金属、または、展開可能面を形成するのに好適な任意の他の材料から形成され得る。好適な材料の例は、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、炭化タングステン、炭素鋼、アルミニウム、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、ポリ乳酸(PLA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびアクリルを含む。特定の実施形態において、機構が閉状態にあるとき、第3リンク108のボディ138が第1壁116の第1キャビティ120内に存在できるように、第3リンク108のボディ138は、第1リンク102の湾曲に適合して湾曲する。特定の実施形態において、第3リンク108は、作動するときに、第1配備リング104の各部分が第4リンク110の内円筒の外向きに(または、それから離れる向きに)移動することだけを可能にできる第1リンク102の外円筒の外周の半分の弧長を有し得る。ただし、これはやはり動作の要件ではない。
【0058】
第4リンク110の内円筒は、第1アパーチャを有する第1端部140、第2アパーチャを有する第2端部142、および、第1端部140と第2端部142との間に延在し、中空ロッドの内周および第1端部140から第2端部142までそれを通る中央通路118を画定する第2壁144を有する。第2キャビティ146は、第3ジョイント136が中に搭載された第2壁144に配置され、第3リンク108のボディ138の第2端部134に旋回可能に連結される。
【0059】
第4リンク110の第2壁144は、プラスチック、金属、または、展開可能面を形成するのに好適な任意の他の材料から形成され得る。好適な材料の例は、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、炭化タングステン、炭素鋼、アルミニウム、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、ポリ乳酸(PLA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびアクリルを含む。他の好適な材料は、本開示の利点を考慮することによって、当業者にとって明らかである。第4リンク110の内周、および、第1端部140と第2端部142との間の第2壁144の長さは、中空ロッド展開可能アクチュエータツール100の意図される使用または用途に応じて変動し得る。
【0060】
第2壁144における第2キャビティ146は、ツール100が閉位置にあるとき、第1配備リング104の少なくとも一部が、第2キャビティ146に存在する、または、そうでなければ格納されることを可能にするサイズおよび寸法を有するように、窪み、凹部、切れ込み、チャネル、通路、窓などを含む。特定の実施形態において、第3ジョイント136は、第2壁144に埋め込まれた、第2キャビティ146にわたるピンである。第2キャビティ146のそのような実施形態は、第3リンク108が第3ジョイント136の周りを旋回することを可能にするサイズおよび寸法である。第1装置180またはマウント178が第1配備リング104に取り付けられる、他の実施形態において、第2キャビティ146は、ツール100が閉状態または格納状態にあるとき、中央通路118に存在するように、装置またはマウントが第2壁144を通過することを可能にするサイズおよび寸法である。他の好適な構成は、本開示の利点を考慮することによって、当業者にとって明らかである。
【0061】
第4リンク110は、機構を作動させるために、第1リンク102の外円筒に対して回転する四節回転機構(図に示されるような内円筒、または他の回転アクチュエータであり得る)のスライダーとして機能する。
【0062】
第2リンク106、第3リンク108および第4リンク110の第1リンク102上の深さ(または円筒の全長に沿った距離)は、機構の機能を変化させないが、より深いリンクは、延在する機構が、取り付けられたリングまたはアイレットよりも、取り付けられた円筒またはチャネルに似ることを助け得る。より深いリンクはまた、双安定型システムを作成するとき、追加のスプリングバック力を助け得る。第1リンク102は、ツール100の機構の残り部分の上および下に延在し得る完全な円筒であり得る。
【0063】
動作中、第4リンク110の内円筒は、矢印148で示されるように、第1ジョイント122および第3ジョイント136をツールの周囲に沿って互いから離して移動させるように、第1リンク102の外円筒に対して回転し、ツール100は、図1の左端の図において見られるように、配備リング104が第1壁116の第1キャビティ120内にある第1状態から、図1の右端の図において見られるように、第2リンク106および第3リンク108がツール100の外周の外側に延在して第1配備リング104を形成する第2状態に遷移する。
【0064】
特定の実施形態において、中空ロッド展開可能アクチュエータツール100は、複数の配備リングを含み得る。図2の実施形態において、ツール100は、第2配備リング150の第1部分を構成する第5リンク152および第2配備リング150の第2部分を構成する第6リンク154を含む第2配備リング150を備える。図2のツール100はまた、装置180、184を配備リング104、150に固定するための装置マウント178、182を含む。
【0065】
第5リンク152は、第2配備リング150の第1部分を構成する。第5リンク152は、第3キャビティ160における第4ジョイント158で第1リンク102の第1壁116に旋回可能に連結される第1端部156、第5ジョイント164を有する第2端部162、および、第1端部156と第2端部162との間に延在するボディ166を含む。第5リンク152のボディ166は、プラスチック、金属、または、展開可能面を形成するのに好適な任意の他の材料から形成され得る。好適な材料の例は、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、炭化タングステン、炭素鋼、アルミニウム、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、ポリ乳酸(PLA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびアクリルを含む。特定の実施形態において、第5リンク152のボディ166は、ツール100が閉状態にあるとき、第2リンク106のボディ166が第1壁116の第3キャビティ160内に存在できるように、第1リンク102の湾曲に適合して湾曲する。特定の実施形態において、第5リンク152の長さは、作動するときに、第2配備リング150の第1部分が第1リンク102の外円筒からどれほど遠く離れて移動するかを部分的に決定する。特定の実施形態において、第4ジョイント158は、第5リンク152の第2端部162でボディ166に埋め込まれたピンである。
【0066】
第6リンク154は、第2配備リング150の第2部分を構成する。第6リンク154は、第5ジョイント164で第5リンク152のボディ166に旋回可能に連結される第1端部168、第4リンク110における第4キャビティ174において第6ジョイント172を有する第2端部170、および、第1端部168と第2端部170との間に延在するボディ176を含む。第6リンク154のボディ176は、プラスチック、金属、または、展開可能面を形成するのに好適な任意の他の材料から形成され得る。好適な材料の例は、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、炭化タングステン、炭素鋼、アルミニウム、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、ポリ乳酸(PLA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびアクリルを含む。特定の実施形態において、第6リンク154のボディ176は、機構が閉状態にあるとき、第6リンク154のボディ176が第1壁116の第3キャビティ160内に存在できるように、第1リンク102の湾曲に適合して湾曲する。特定の実施形態において、第6リンク154は、作動するときに、第2配備リング150の各部分が第4リンク110の内円筒の外向きに(または、それから離れる向きに)移動することだけを可能にできる第1リンク102の外円筒の外周の半分の弧長を有し得る。ただし、これはやはり動作の要件ではない。
【0067】
第2配備リング150の配備および格納に対応するために、第1リンクには、中に第4ジョイント158が搭載された第3キャビティ160が設けられる。第1壁116における第3キャビティ160は、本装置の機構が閉位置にあるとき、第2配備リング150の少なくとも一部が第3キャビティ160に存在する、または、そうでなければ格納されることを可能にするサイズおよび寸法である窪み、凹部、切れ込み、チャネル、通路または窓などを含む。特定の実施形態において、第4ジョイント158は、第1壁116に埋め込まれ、第3キャビティ160にわたるピンである。第2配備リング150がツール100の全長に沿って第1配備リング104に隣接する位置にある図2の実施形態において、第3キャビティ160は第1キャビティ120から延在する。他の好適なジョイント装置または機構が、本開示の利点を考慮することによって、当業者にとって明らかである。
【0068】
同様に、第4リング110には、中に第6ジョイント172が搭載される第4キャビティ174が設けられる。第2壁144における第4キャビティ174は、ツール100が閉位置にあるとき、第2配備リング150の少なくとも一部が、第2キャビティ146に存在する、または、そうでなければ格納されることを可能にするサイズおよび寸法を有するように、窪み、凹部、切れ込み、チャネル、通路、窓などを含む。特定の実施形態において、第6ジョイント172は、第2壁144に埋め込まれ、第4キャビティ174にわたるピンである。そのような実施形態において、第4キャビティ174は、第6リンク154が第6ジョイント172の周りを旋回することを可能にするサイズおよび寸法である。第1装置180または搭載178が第2配備リング150に取り付けられる他の実施形態において、第4キャビティ174は、ツール100が閉状態または格納状態にあるとき、中央通路118の中に存在するように、第1装置180または搭載178が第2壁144を通過することを可能にするサイズおよび寸法である。第2配備リング150がツール100の全長に沿って第1配備リング104に隣接する位置にある図2の実施形態において、第4キャビティ174は第2キャビティ146から延在する。他の好適な構成は、本開示の利点を考慮することによって、当業者にとって明らかである。
【0069】
図2の実施形態において、第1配備リング104には、第1装置180を保持する、第2リンク106上の第1マウント178が設けられ、第2配備リング150には、第2装置184を保持する、第5リンク152上の第2マウント182が設けられる。装置180、184の種類は、ツール100が構成される使用に依存する。この実施形態において、第1装置180および第2装置184はカメラである。他の好適な装置180、184は、本開示の利点を参照することによって、当業者にとって明らかである。同様の方式で、マウント178、182は、必要に応じて、任意の数の装置180、184を保持する、または、それらと相互作用するよう構成され得る。特定の実施形態において、マウント178、182は、配備リング104、150のそれぞれの部分と同じ材料から形成される。他の実施形態において、マウント178、182は、異なる材料から形成され、配備リング104、150のぞれぞれに取り付けられる。
【0070】
図3は、複数の配備リングを有する中空ロッド展開可能作動ツール100の実施形態の上面図を示す。この実施形態において、ツール100は更に、第1配備リング104および第2配備リング150に加えて、第3配備リング186、第4配備リング188、第5配備リング190、第6配備リング192、第7配備リング194、および第8配備リング196を含む。配備リング186、188、190、192、194および196の各々は、第1および第2配備リング104、150のような構造を有し、第1部分が第1リンク102に旋回可能に接続され、第2部分が第1部分に旋回可能に接続され、第4リンク110は、配備リングのすべてが第1リンク102の外リングに対する第4リンク110の内円筒の回転によって作動されることを可能にする。ツール100上に配置された複数の配備リング104、150、186、188、190、192、194および196は、ステントまたは最小限の侵襲性手術用拡張ツールなど、拡大/拡張動作を可能にできる。
【0071】
図4は、2つの配備リング104、150を有する、ツール100の3D印刷された実装の一連の図を示す。左端の図は、閉状態または格納状態のツールであり、右端の図は、開配備状態のツールである。図4の例において、第4リンク110の内円筒は、ツール100の全長にわたって延在しない。第1配備リング104および第2配備リング150がツール100の全長にわたって搭載される第4壁端部の第2端部142。この例において、第1配備リング104および第2配備リング150の位置から第2端部114に延在する第1リンク102は、ツールの内周および外周の両方を画定する。この方式で、第1リンク102は、ツールの機構を囲むキャップとして機能する。ここで、第2キャビティ146および第4キャビティ174は、第1リンク102が第4リンク110の上部に置かれる間隔によって形成され、第1配備リング104および第2配備リング150はその間に位置する。図4のツール100は、リンク102の第1端部112、リンク110の第1端部140で第1リンク102の外円筒に対して第4リンク110の内円筒を回転することによって作動される。
【0072】
図5は、第1リンク102の外円筒および第4リンク110の内円筒が延在して、より長いシャフトを形成する中空ロッド展開可能アクチュエータツール100を示す。第1配備リング104および第2配備リング150はリンク102の第2端部114およびリンク110の第2端部142に近接する。図5のツール100は、ユーザに近接するリンク102の第1端部112、リンク110の第1端部140で、第1リンク102の外円筒に対して第4リンク110の内円筒を回転することによって作動される。
【0073】
コンプライアント機構の原理を適用することにより、ピンジョイントをコンプライアントセグメントに置き換えることができ、同じ動きを提供できる。図6は、図1に示される機構のコンプライアントバージョンを示す。リンクの形状を調節することにより、本発明の機構の2つの事例は、図7Aおよび図7Bに見られるように、同一平面を占め得る。これらのコンプライアント構成は、平面CNCルーティングおよびダイカッティングなどの、より多くの製造方法を可能にする。図8Aおよび図8Bは、コンポーネントおよび組み立てられた配備機構の双安定型構造を示す。
【0074】
図6の例において、ツール100の第1ジョイント122、第2ジョイント128、および第3ジョイント136のピンジョイントはコンプライアント機構で置き換えられる。コンプライアント機構は、ジョイントを形成する材料の柔軟な性質を利用して、材料が曲がることを可能にし、従来のピンジョイントによって提供される動作の自由度を再現する。コンプライアント機構を使用することにより、第1配備リング104の第2リンク106および第3リンク108、ならびに、第1ジョイント122、第2ジョイント128、および第3ジョイント136は、1つの材料のから形成され得る。これにより、第1配備リング104のすべての部分が、中央通路118に垂直な同一平面に存在することを可能にする。
【0075】
図7Aおよび図7Bの例において、第2ジョイント128および第5ジョイント164についてのコンプライアント機構と組み合わせた配備リング104、150の形状の変化は、第1配備リング104および第2配備リング150が、中央通路118に垂直な同一平面に存在し、干渉を受けることなく動作することを可能にする。この例において、第1ジョイント122および第3ジョイント136は、第1リンク102および第4リンク110における対応するソケットに受けられる第2リンク106の第1端部124および第3リンク108の第2端部134から延在するピンから成るピンジョイントである。同様に、第4ジョイント158および第6ジョイント172は、第1リンク102および第4リンク110における対応するソケットに受けられる第5リンク152の第1端部156および第6リンク154の第2端部170から延在するピンから成るピンジョイントである。第1配備リング104の第2ジョイント128および第2配備リング150の第5ジョイント164は、提供および位置ずれもするコンプライアント機構である。位置ずれおよびコンプライアントの性質は、第1配備リング104および第2配備リング150の両方が中央通路118に垂直な同一平面に存在しつつも、作動されるときに第1配備リング104および第2配備リング150が他に干渉することを防止する。
【0076】
図7Aは、第1配備リング104の第2リンク106および第3リンク108、ならびに、第2配備リング150の第5リンク152および第6リンク154、ならびに、マウント178、182がツール100の外周の中に格納されている第1閉状態または格納状態のツール100を示す。図7Bは、第1配備リング104の第2リンク106および第3リンク108、ならびに、第2配備リング150の第5リンク152および第6リンク154、ならびに、第2リンク106に取り付けられたマウント178、および第5リンク152に取り付けられたマウント182がツール100の外周の外側に延在する第2開状態または配備状態のツール100を示す。図7Aに見られる第1状態から図7Bに見られる第2状態へのツール100の作動は、第1リンク102の外円筒に対して第4リンク110の内円筒を回転させることによって達成される。
【0077】
図8Aおよび図8Bは、ピンジョイントおよびコンプライアント機構の両方を使用して、第1配備リング104を有するツール100を作るツール100の実施形態を示す。ここで、コンポーネントは双安定型であり、各コンポーネントは、中実の部品として形成されることが可能である。図8Aは、解体された第1リンク102、第1配備リング104、および第4リンク110を示す。
【0078】
第1リンク102の外円筒は、第1アパーチャを有する第1端部112、第2アパーチャを有する第2端部114、ならびに、第1端部112および第2端部114の間に延在し、中空ロッド展開可能アクチュエータツール100の外周および第1端部112から第2端部114までそれを通る中央通路118を画定する第1壁116を有する。第1キャビティ120は、中に形成されたソケット204を有する第1壁116に配置される。
【0079】
図8Aおよび図8Bの例において、第1リンク102の第1壁116はプラスチックから形成される。他の好適な材料は、本開示の利点を考慮することによって、当業者にとって明らかである。好適な材料の例は、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、炭化タングステン、炭素鋼、アルミニウム、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、ポリ乳酸(PLA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびアクリルを含む。
【0080】
第1壁116における第1キャビティ120は、本装置の機構が閉位置にあるとき、第1配備リング104の少なくとも一部が第1キャビティ120に存在する、または、そうでなければ格納されることが可能になるサイズおよび寸法である切れ込みを含む。図8Aおよび図8Bの例において、第1キャビティ120は、第1ジョイント122を構成するピン200を受けるための第1壁116におけるソケット204を含む。
【0081】
第2リンク106は、第1配備リング104の第1部分を構成する。第2リンク106は、第1ジョイント122で第1リンク102の第1壁116に旋回可能に連結された第1端部124、第2ジョイント128を有する第2端部126、および、第1端部124と第2端部126との間に延在するボディ130を有する。図8Aおよび図8Bの例において、第2リンク106のボディ130は、プラスチックから形成される。ツール100が閉状態にあるとき、第2リンク106のボディ130が第1壁116の第1キャビティ120内に存在できるように、第2リンク106のボディ130は、第1リンク102の湾曲に適合して湾曲する。この例において、第1リンク102上のソケット204と篏合して第1ジョイント122を構成するために、形成されたピン200がボディ130の第1端部124に提供される。第2ジョイント128は、第2ジョイント128で材料を薄くし、第2リンク106を第3リンク108に連結することによって形成されるコンプライアント機構を含む。
【0082】
第3リンク108は、第1配備リング104の第2部分を構成する。第3リンク108は、第2ジョイント128のコンプライアント機構を介して第2リンク106のボディ130に旋回可能に連結する第1端部132、形成されたピン202を有する第2端部134、および、第1端部132と第2端部134との間に延在するボディ138を有する。図8Aおよび図8Bの例において、第3リンク108のボディ138はプラスチックから形成される。機構が閉状態にあるとき、第3リンク108のボディ138が第1壁116の第1キャビティ120内に存在できるように、第3リンク108のボディ138は、第1リンク102の湾曲に適合して湾曲する。この例において、形成されたピン202は、第4リンク110上のソケット206と篏合して第3ジョイント136を構成するために、ボディ130の第2端部134で提供される。
【0083】
第2リンク106、第3リンク108、および、第2リンク106と第3リンク108とを連結する第2ジョイント128から構成される第1配備リング104はプラスチックから形成される。他の好適な材料は、本開示の利点を考慮することによって、当業者にとって明らかである。好適な材料の例は、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、炭化タングステン、炭素鋼、アルミニウム、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、ポリ乳酸(PLA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびアクリルを含む。
【0084】
第4リンク110の内円筒は、第1アパーチャを有する第1端部140、第2アパーチャを有する第2端部142、および、第1端部140と第2端部142との間に延在し、中空ロッドの内周および第1端部140から第2端部142までそれを通る中央通路118を画定する第2壁144を有する。第2キャビティ146は、中にソケット206が形成された第2壁144に配置される。
【0085】
図8Aおよび図8Bの例において、第4リンク110の第2壁144はプラスチックから形成される。他の好適な材料は、本開示の利点を考慮することによって、当業者にとって明らかである。好適な材料の例は、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、炭化タングステン、炭素鋼、アルミニウム、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、ポリ乳酸(PLA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびアクリルを含む。この例において、第4リンク110は更に、第4リンクの第1端部140から延在するリップ208を含む。リップ208はまた、第4リンク110の内円筒上に配置されるとき、第1リンク102の外円筒のための支持、または、保持機構として機能できる。特定の実施形態において、リップ208は、ツール100の作動を補助するためのタブ210を更に含み得る。
【0086】
第2壁144における第2キャビティ146は、ツール100が閉位置にあるとき、第1配備リング104の少なくとも一部が第2キャビティ146に存在する、または、そうでなければ格納されることを可能にするサイズおよび寸法の切れ込みを含む。図8Aおよび図8Bの例において、第2キャビティ146は、第3ジョイント136を構成するピン202を受けるためのソケット206を含む。
【0087】
図8Bは、動作中の組み立てられたツール100の一連の図を示す。左端の図は、第1閉状態または格納状態のツール100を示す。右端の図は、第2開状態または配備状態のツール100を示す。第1状態から第2状態へのツール100の作動は、第1リンク102の外円筒に対して第4リンク110の内円筒を回転させることによって達成される。リップ208および/またはタブ210が提供される特定の実施形態において、タブ210および/またはリップ208は、ツール100の作動において使用され得る。
【0088】
図8Cおよび図8Dは、ツール100の実施形態を示す。配備リング104を第1リンク102および第4リンク110に接続するジョイントのためにコンプライアント機構を利用し、配備リング104をツール100との間で容易に着脱することを可能にする。図8Cは、ツール100から取り外された配備リング104を示し、図8Dは、ツール100から取り外された配備リング104を示す。この実施形態において、ソケット204と篏合して第1ジョイント122を構成するために提供される形成されたピン200、および、ソケット206と篏合して第3ジョイント136を構成するために提供される形成されたピン202は、コンプライアント機構である。ここで、形成されたピン200、202のコンプライアント機構は、対応するソケット204、206内にクリップまたはスナップ式で固定できるスプリング・クリップ機構を提供する。形成されたピン200、202のためにコンプライアント機構を使用することによって、ツール100との間で配備リング104を容易に着脱することができる。これは、望ましい装置180または中に取り付けられた装置のためのマウント178を配備リング104に取り着けることによって、特定の用途に対するツール100の迅速な構成を可能にする。ツールは、配備リング104を取り外し、配備リング104を、望ましい装置180が搭載された別のものと交換することによって、望ましく再構成できる。他の構成および好適なコンプライアント機構は、本開示の利点を考慮することによって、当業者にとって明らかである。
【0089】
図9は、本発明の中空ロッド展開可能アクチュエータツール100を使用するための方法300を示す。最初に、本明細書に説明される中空ロッド展開可能アクチュエータツール100が提供される(段階302)。ツール100は、掘削現場または手術の環境など、中空ロッドアクチュエータツールが典型的に使用される特定の作業空間に配備できる。ツール100は次に、第1閉状態または格納状態から第2開状態または配備状態に遷移するために、作業空間で作動できる(段階304)。ツール100の1または複数の配備リング104、150がその中に搭載された装置を有する実施形態において、装置を使用できる(段階306)。特定の実施形態において、ツール100を解放するために、ツール100はまた、第2開状態から第1閉状態に再び遷移され得る(段階308)。ここで、ツール100は作業空間から撤退させることができる。
【0090】
ツール100の作動(段階304)は、図1図4、および図8Bの一連の図に示される。左から右の方向に移動し、左端の図が第1格納状態のツール100であり、右端の図が、配備された第2状態(1または複数の配備リング104、150がツール100の外周の外側に延在する)のツール100である。
【0091】
典型的には、ツール100の第1端部はユーザに近接し、1または複数の配備リング104、150が位置するツール100の遠位第2端部は作業空間内に挿入される。いくつかの実施形態において、1または複数の装置180、184を配備リング104、150に取り付けることができる。配備リング104、150は、ツール100の全長に沿ったどこにでも位置し得ること、また、第2配備リング150は、第1配備リング104と概して同じ位置にある必要が無いことが理解されるべきである。
【0092】
第1状態から第2状態へのツール100の作動(段階304)は、第1リンク102の外円筒に対して第4リンク110の内円筒を回転することによって達成される。リップ208および/またはタブ210が提供される特定の実施形態において、タブ210および/またはリップ208は、ツール100の作動に使用できる。
【0093】
1または複数の配備リング104、150が延在すると、配備リング104、150上に搭載された装置180、184がある場合、装置は、ツール100の外周の外側の環境で利用できる(段階306)。また、配備されると、品目は、ツールの中央通路118を通じて環境内に挿入できる。この例は図10に見ることができる。
【0094】
図10において、第1配備リング104および第2配備リング150がツール100の外周の外側に配備されたツール100の第2端部が示される。この例において、第1配備リング104に取り付けられた第1装置180は、内蔵光源を有するカメラである。第2配備リングに取り付けられた第2装置184も、内蔵光源を有するカメラである。
【0095】
配備リング104、150が延在している図10の例において、ツール100の中央通路118が、作業空間の環境への追加的な品目の挿入に使用するために利用可能である。この例において、鉗子310がツール100の中央通路118に挿入されている。使用中、配備リング104、150上に設けられるカメラ180、184は、環境の三次元表示を提供し、鉗子310を使用して操作するものをユーザが見ることを可能にする。特定の他の実施形態において、ユーザに環境の異なる表示を提供するために、カメラ180、184の1つは、逆方向を向いて搭載され得る。これは、異なる表示を得るために再配置される必要がある従来の内視鏡に対する優位性を提供する。
【0096】
再び図9に戻ると、同様の方式で、配備された第2状態から格納された第1状態にツール100を遷移させることによって、ツール100を解放することができる(段階308)。第2の開状態または配備状態から第1の閉状態または格納状態にツールを遷移させることは、第1の閉状態または格納状態から第2の開状態または配備状態にツール100を遷移させるために使用される回転方向と逆の回転方向に、第1リンク102の外円筒に対して第4リンク110の内円筒を回転させることを伴う。そのようなとき、ツール100を環境から撤退させることができる。
【0097】
リンクの形状は、機構の動きに対して任意であることに留意すべきである。ピン間の距離が同じであり、かつ、リンクが自己干渉しない限り、機構は同じ動きを有する。機構が閉じているときに、動くリンクを完全に隠すために、リンクは、作動する円筒の湾曲の半径、および、完全に折りたたまれたときの円筒の内部に適合する形状に制限される。
【0098】
従来の円筒シャフトまたは管ツールは、特に管が小さいとき、1つのツールだけがシャフトの端部で動作することを可能にすることが多い。本発明は、器具または機構が円柱管に含まれること、および、シャフト上で隠される他の器具と連携して、単一の入口を通って作業空間に入ることを可能にする。これにより、i)必要なツールの交換の回数を低減することによって、狭い/遠隔の作業空間における作業を実行するのに必要な時間を少なくし、ii)必要な入口の穴/地点の数を低減することによって、作業空間の境界に対する外傷/損傷を低減し、iii)ブレード/グリッパと相互作用する組織だけが円筒シャフトの内径の中に引き込まれるので、ブレード/グリッパと体組織との間の干渉を制限することによって、作業空間への外傷/損傷を低減し、iv)空間に入るために必要となるシャフトが少なくなるので、ツールのセットアップと連携して使用される制御システムの複雑性を低減し、v)装置がツール内に内蔵されるので、挿入/配備される必要がある装置の数を低減し、vi)ツールが再配置されるとき、ツールに取り付けられた装置がツールと共に移動するので、再配置に伴う複雑性を低減し、viii)プロシージャの費用を低減し、ix)個々のツールを安定化または操作するのに必要な作業の手の数を低減し、x)以前は単一のツールのための空間だけがあったが、照明、カメラ、および、ツールなどの、動作を完了するために必要な多くのツール/機器を提供することによって、狭い空間において作業するときの能力を増加させることができる。
【0099】
本発明の実施形態の例によれば、配備装置は、円筒シャフトが狭い空間にあり、追加の機能から利益を得られ得る場所で利用され得る。2つの重要な用途は、最小限の侵襲性の手術器具、および、ダウンホール掘削機器を含む。他の用途は、レーザ、フラッシュライト、カメラレンズ、モータ、スピーカ、充電ポートなど、円筒シャフトを有する電子機器を含む。
【0100】
充電装置は、必要になるまで隠され、その後充電または被充電のために広げられる接続要素を有し得る。スピーカ(例えば、Amazon Alexa(登録商標))の制御は、外観のためにボタンおよびポートを隠したままにして、汚染から保護できる。
【0101】
バッテリを交換するとき、または、装置内部の配線を修理しようとするとき、「内部」を外に広げることにより、容易に修理またはバッテリ交換を行い、その後円筒内に押し戻すことが可能となる。
【0102】
カメラレンズ上には、レンズがどのように機能するかを決定する複数のガラスディスクがある。そのディスクがレンズに沿った異なる箇所において単純に追加または除去できる場合、それは独立したレンズの大きな集合ではなく、本質的に単一の汎用レンズとなる。これは、焦点を調節することが望ましいことがあり得るすべてのものに適用され得る。これは特にモバイルカメラの変革に有用であり得る。
【0103】
例えば、カラーフィルタ、UVフィルタなど、レンズの端部に取り付けられる数百のレンズフィルタがある。これらすべてのフィルタがレンズに沿って取り付けられ、単純にスライドして出し入れされる場合、非常に便利であり、フィルタの運搬や交換が容易になる。
【0104】
本明細書において使用される限り、「含む」および「含み」という用語は、排他的ではなく、包括的なものとして解釈されることが意図される。本明細書において使用されるとき、「例示的」、「例えば」および「例」という用語は、「例、事例、または説明として機能する」ことを意味することが意図されており、他の構成に対して好ましい、または、優位な構成を示す、または、示さないものとして解釈されるべきでない。本明細書において使用される場合、「約」および「およそ」という用語は、特性、パラメータ、サイズおよび寸法の変動など、主観的または客観的な値の範囲の上限および下限に存在し得る変動を包含することが意図されている。1つの非限定的な例において、「約」および「およそ」という用語は、+10パーセント以下、または、-10パーセント以下を意味する。1つの非限定的な例において、「約」および「およそ」という用語は、当業者によって、含まれるとみなされるほど十分に近いことを意味する。本明細書において使用される場合、「実質的」という用語は、当業者によって理解されるように、動作、特性、性質、状態、構造、品目、または、結果の完全な、または、ほぼ完全な度合いまたは程度を指す。例えば、「実質的」に円形の物体は、数学的に決定可能な限度まで物体が完全な円である、または、当業者によって認識または理解されるような近似的な円であることを意味する。絶対的な完全性からの逸脱の厳密な許容可能な程度は、いくつかの事例において、特定の文脈に依存すし得る。しかしながら、一般に、完全性の近さは、あたかも絶対的および全体的な完全性が達成または取得された場合と同じような全体的な結果を有する程度である。「実質的」の使用は、当業者によって理解されるように、動作、特性、性質、状態、構造、品目、または結果の完全な、または、ほぼ完全な欠如を指すための否定的な意味で使用されるとき、等しく適用可能である。
【0105】
本発明の多くの修正および代替的実施形態は、上の説明を参照することにより、当業者にとって明らかである。したがって、本説明は、例示に過ぎず、本発明を実施するための最良の形態を当業者に教示することを目的としたものとして解釈される。本発明の思想から実質的に逸脱することなく、構造の詳細は変動し得、添付の請求項の範囲内に含まれるすべての修正の排他的使用が留保される。本明細書において、実施形態は、明確で簡潔な明細書が書かれることを可能にするように説明されたが、実施形態は、本発明を逸脱することなく、様々に組み合わされ得る、または、分離され得ることが意図されており、そのように理解されるべきである。本発明は、添付の請求項によって必要とされる程度および適用可能な法律のルールだけに限定されることが意図される。
【0106】
また、以下の請求項は、本明細書において説明される発明のすべての一般的および特定の特徴、ならびに、言語の問題としてその間に含まれると記され得る本発明の範囲の記述すべてを包含するものであると理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10