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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-16
(45)【発行日】2023-08-24
(54)【発明の名称】半導体辺縁処理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/306 20060101AFI20230817BHJP
【FI】
H01L21/306 J
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022534865
(86)(22)【出願日】2021-09-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-16
(86)【国際出願番号】 CN2021118238
(87)【国際公開番号】W WO2022057790
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2022-06-08
(31)【優先権主張番号】202010970751.1
(32)【優先日】2020-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516206071
【氏名又は名称】无錫華瑛微電子技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAYING RESEARCH CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】A-1 Floor,Cetus Building No.18 Zhenze Road,New District Wuxi,Jiangsu 214135(CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】温 子瑛
【審査官】船越 亮
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/048306(WO,A1)
【文献】特開平11-330031(JP,A)
【文献】特開2014-112652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304-21/3063
H01L 21/308
H01L 21/465-21/467
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一支持区域を具備している下部キャビティと、第二支持区域を具備している上部キャビティと、第一支持区域または第二支持区域の辺縁区域で構成される第一通路とを含み、
上部キャビティと下部キャビティを結合させるとき、ウエハーは第一支持区域と第二支持区域との間に搭載され、
第一通路により第一空間が構成され、一種または多種の化学的流体が第一空間内で流動することによりウエハーの辺縁区域を腐食させ、
上部キャビティは凸部を含み、凸部がウエハーの辺縁に当接することによりウエハーの中心軸と第二支持区域の中心軸は重畳することを特徴とする半導体処理装置。
【請求項2】
前記上部キャビティの凸部は第二支持区域に隣接しかつ下部キャビティに向く方向に延伸し、ウエハーの中心軸はウエハーの上表面に垂直であり、第二支持区域の中心軸は上部キャビティの下表面に垂直であり、ウエハーの上表面は第二支持区域の下表面に平行であることを特徴とする請求項1に記載の半導体処理装置。
【請求項3】
前記凸部はウエハーの外周を包囲する環状に形成される湾曲部分を含み、前記凸部がウエハーの辺縁区域に均等に当接することによりウエハーの中心軸と第二支持区域の中心軸は重畳することを特徴とする請求項1に記載の半導体処理装置。
【請求項4】
前記凸部は複数の突出部を含み、複数の突出部はウエハーの周囲に環状に配列されかつウエハーの辺縁区域に均等に当接することを特徴とする請求項1に記載の半導体処理装置。
【請求項5】
前記凸部は前記第二支持区域の中心軸と所定の角度を形成するように傾斜に配置される内表面を含み、前記内表面はウエハーの辺縁区域に均等に当接することを特徴とする請求項2に記載の半導体処理装置。
【請求項6】
前記凸部は前記第二支持区域の中心軸と対向する内角を含み、前記内角はウエハーの辺縁区域に均等に当接することを特徴とする請求項2に記載の半導体処理装置。
【請求項7】
第一槽は下部キャビティの辺縁区域に位置し、前記第一槽により一種または多種の化学的流体が流動する第一槽空間が形成され、上部キャビティと下部キャビティとの間には通路が形成され、前記通路が第一空間と第一槽空間を連結することにより一種または多種の化学的流体は前記通路により第一空間から第一槽空間に流動することを特徴とする請求項1に記載の半導体処理装置。
【請求項8】
第二槽は上部キャビティの辺縁区域に形成されかつ第一槽の上方に位置することを特徴とする請求項7に記載の半導体処理装置。
【請求項9】
第一槽と第二槽との間には弾性部品が取り付けられ、前記弾性部品により一種または多種の化学的流体が第一空間から第一槽空間に流動することを阻止することを特徴とする請求項8に記載の半導体処理装置。
【請求項10】
前記弾性部品はO型リングであることを特徴とする請求項9に記載の半導体処理装置。
【請求項11】
第二支持区域の辺縁区域には第一通路が形成され、一種または多種の化学的流体は上部キャビティの第一貫通孔により第一空間と半導体処理装置の外部との間で流動することを特徴とする請求項1に記載の半導体処理装置。
【請求項12】
第一支持区域の辺縁区域には第二通路が形成され、一種または多種の化学的流体は第二通路が形成した第二空間において流動することによりウエハーの辺縁区域を腐食させることを特徴とする請求項11に記載の半導体処理装置。
【請求項13】
下部キャビティに第二貫通孔が形成されることにより一種または多種の化学的流体は下部キャビティの第二空間と半導体処理装置の外部との間で流動することを特徴とする請求項12に記載の半導体処理装置。
【請求項14】
第一支持区域の辺縁区域は第一通路を構成し、下部キャビティは第一貫通孔を含み、一種または多種の化学的流体は下部キャビティの第一貫通孔により第一空間と半導体処理装置の外部との間で流動することを特徴とする請求項1に記載の半導体処理装置。
【請求項15】
半導体処理装置と材料貯蔵装置を含み、
前記半導体処理装置は、ウエハーを支持する第一支持区域が形成されている下部キャビティと、第二支持区域を具備している上部キャビティと、第一支持区域または第二支持区域の辺縁区域に形成される第一通路とを含み、
上部キャビティと下部キャビティを結合させるとき、ウエハーは第一支持区域と第二支持区域との間に搭載され、
第一支持区域または第二支持区域の辺縁区域には第一通路が形成され、一種または多種の化学的流体は第一通路が形成した第一空間において流動することよりウエハーの辺縁区域を腐食させ、
上部キャビティは凸部を含み、凸部がウエハーの辺縁に当接することによりウエハーの中心軸と第二支持区域の中心軸は重畳し、
前記材料貯蔵装置は前記半導体処理装置に連結され、前記材料貯蔵装置は一種または多種の化学的流体を貯蔵するとともに一種または多種の化学的流体を半導体処理装置と材料貯蔵装置との間で流動させることを特徴とする半導体処理システム。
【請求項16】
前記凸部は第二支持区域に隣接しかつ下部キャビティに向く方向に延伸し、ウエハーの中心軸はウエハーの上表面に垂直であり、第二支持区域の中心軸は上部キャビティの下表面に垂直であり、ウエハーの上表面は第二支持区域の下表面に平行であり、
凸部はウエハーの辺縁区域を包囲する閉ループを含み、凸部がウエハーの辺縁区域に均等に当接することによりウエハーの中心軸と第二支持区域の中心軸は重畳することを特徴とする請求項15に記載の半導体処理システム。
【請求項17】
前記凸部は第二支持区域に隣接しかつ下部キャビティに向く方向に延伸し、ウエハーの中心軸はウエハーの上表面に垂直であり、第二支持区域の中心軸は上部キャビティの下表面に垂直であり、ウエハーの上表面は第二支持区域の下表面に平行であり、
凸部は複数の突出部を含み、複数の突出部はウエハーの周囲に環状に配列されかつウエハーの辺縁区域に均等に当接することを特徴とする請求項15に記載の半導体処理システム。
【請求項18】
第一槽は下部キャビティの辺縁区域に位置し、前記第一槽により一種または多種の化学的流体が流動する第一槽空間が形成され、上部キャビティと下部キャビティとの間には通路が形成され、前記通路が第一空間と第一槽空間を連結することにより一種または多種の化学的流体は前記通路により第一空間から第一槽空間に流動し、
第二槽は上部キャビティの辺縁区域に形成されかつ第一槽の上方に位置し、
第一槽と第二槽との間には弾性部品が取り付けられ、前記弾性部品により一種または多種の化学的流体が第一空間から第一槽空間に流動することを阻止することを特徴とする請求項15に記載の半導体処理システム。
【請求項19】
ウエハーを半導体処理装置の下部キャビティの第一支持区域上に搭載するステップと、
半導体処理装置の上部キャビティと下部キャビティを結合させることによりウエハーを第一支持区域と第二支持区域との間に固定させるステップと、
第一支持区域または第二支持区域の辺縁区域に第一通路を形成し、かつ第一通路により第一空間を形成するステップと、
凸部をウエハーの辺縁区域に当接させることによりウエハーの中心軸と第二支持区域の中心軸を重畳させるステップと、
一種または多種の化学的流体を第一空間に注入することによりウエハーの辺縁区域を腐食させるステップと、を含む半導体辺縁処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハーまたは類似の部品の表面を処理する技術分野に属し、特に半導体辺縁処理装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体の製造過程において、半導体ウエハーに対していろいろな工程を実施することにより半導体の要求を満たすことができる。半導体ウエハーの製造工程において、ウエハーの辺縁が、均等であり、平坦であり、損傷がなく、滑らかであることが求められる。ウエハーの辺縁が均等であり、ウエハーの辺縁を正確に腐食させることが求められるので、半導体ウエハーの製造工程を改良する必要がある。
【0003】
図1aは半導体ウエハー100の構造を示す平面図である。半導体ウエハー100はアンダーレイヤー101とアンダーレイヤー101の上表面に積層される薄膜層102を含む。図1bは図1aのA-A断面を示す断面図である。図1a中の測定点1~8は半導体ウエハーの所定の数値を測定する位置である。図1bに示すとおり、腐食幅(Corrosion width)はアンダーレイヤー101の半径と薄膜層102の半径の差異を指す。測定点1~8に位置している各腐食幅はほぼ同じである。腐食幅の最大値と最小値の差異値が小さければ小さいほど、腐食の均等性がよりよいことを意味する。例えば、辺縁の幅を0.7mmに設計するとき、腐食の最大幅と腐食の最小幅の差異が0.1mm以下になることが求められ、それを満たさなければ、辺縁の幅が不均等になるおそれがある。腐食の最大幅と腐食の最小幅の差異が0.1mmを上回ると、後の加工に影響を与えるおそれがある。それにより、集積回路チップの性能に影響を与え、チップの製造良品率が低下するおそれがある。
【0004】
半導体ウエハーのウエット処理方法は、原理が簡単であり、工程の変通性がよく、コストが多くかからない利点を有している。従来の半導体ウエハー表面の辺縁を処理するウエット腐食方法は、半導体ウエハーの辺縁区域をポリッシングする方法、半導体ウエハーを回転させる方法、機械的摩擦手段と化学的腐食方法によりアンダーレイヤー上の一層の薄膜層を除去する方法等を含む。ポリッシング方法を採用するとき、残された薄膜層とダーレイヤーが破損されるおそれがあるので、ポリッシング方法を通常、精度の要求が低い半導体ウエハーの製造に用いする。半導体ウエハーの辺縁が破損されることにより加工中のウエハーが移動し、それによりウエハーが廃棄されるおそれがある。常用の方法は真空で半導体ウエハーを吸着させる方法が更にある。真空吸着方法において真空吸着部でウエハーを吸着させる。真空吸着部でウエハーを吸着させるとき、除去の必要がない薄膜の所定の部分を真空吸着部で覆い、除去の必要がある薄膜の所定の部分を真空吸着部の外部に露出させる。つぎに、真空吸着部とウエハーを化学的腐食液体に一緒に浸すことにより、真空吸着部の外部に露出している薄膜の所定の部分を除去する。しかしながら、真空吸着方法を採用するとき、薄膜層を滑らかに除去できず、腐食の幅が不均等になるおそれがある。常用の方法は薄膜接着方法が更にある。薄膜接着方法において、高純度防腐性のPTFE、PE等のプラスチップで除去の必要がある薄膜の所定の部分を保護する。つぎに、それらを化学的腐食気体に送入するか或いは化学的腐食液体に浸すことにより露出している部分を腐食させる。薄膜接着方法を採用するとき、カットされた薄膜の中心とウエハーのアンダーの中心を容易に重畳させることができない。それにより腐食の幅が不均等になるおそれがある。薄膜接着方法は、ステップが多く、多い装置、例えば薄膜接着装置、ウエット腐食装置、洗浄装置及び薄膜除去装置を使用する必要がある。それらを解決するため噴霧方法が提案された。噴霧方法は、所定のノズルで腐食用液体を回転中のウエハーの辺縁区域に精確に噴射することにより、腐食を正確に、均等に、平坦に、損傷なしに実施することができる。噴霧方法により腐食の効果を向上させることができるが、装置の設計及び部品に対する要求が非常に高いことにより装置のコストが多くかかり、かつ工程に対する要求が非常に高いことにより工程のコストも多くかかる。
【0005】
したがって、前記問題を解決できる半導体ウエハーの辺縁を処理する装置を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、新型の半導体処理装置、半導体処理システム及び半導体辺縁処理方法を提供することにより、従来の技術の問題を解決し、半導体ウエハーの辺縁を適当に処理することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施例に係る半導体処理装置は第一通路を具備し、第一通路により第一空間が形成され、一種または多種の化学的流体が第一空間内で流動することによりウエハーの辺縁区域を腐食させる。前記半導体処理装置は凸部を更に含み、凸部がウエハーの辺縁に当接することによりウエハーの中心軸と第二支持区域の中心軸は重畳する。
【0008】
本発明の実施例に係る半導体処理システムはウエハー辺縁処理装置と材料貯蔵装置を含む。
【0009】
本発明の実施例に係る半導体辺縁処理方法は、ウエハーの辺縁区域に第一通路を形成し、第一通路により一種または多種の化学的流体を供給する空間を形成し、凸部をウエハーの辺縁に当接させることによりウエハーの中心軸と第二支持区域の中心軸を重畳させることを含む。
【0010】
本発明の実施例を半導体ウエハーの加工に用いることにより半導体ウエハーの表面を均等に正確に腐食させることができる。
【0011】
従来の技術と比較してみると、本発明の実施例によりいろいろな発明の効果を獲得することができる。本発明の半導体辺縁処理方法において、凸部(をウエハーの辺縁に当接させること)によりウエハーの辺縁を腐食させる精確性と均等性を向上させることができる。また、腐食に用いられる適当な化学的流体を選択し、かつ化学的流体の流速及びウエハーの辺縁と化学的流体が接触する時間を制御することにより、ウエハーのアンダーレイヤーの平坦な表面を獲得し、ウエハーの後の加工を確保し、かつ処理に関するコストを低減することができる。本発明の半導体辺縁処理方法により、ウエハーの辺縁の所定の部位を処理し、ウエハーの辺縁区域を正確に制御することができる。
【0012】
本発明は、下記実施例を含むが、下記実施例にのみ限定されない。
【0013】
本発明の実施例に係る半導体処理装置は、第一支持区域を具備している下部キャビティと、第二支持区域を具備している上部キャビティと、第一支持区域または第二支持区域の辺縁区域で構成される第一通路とを含む。上部キャビティと下部キャビティを結合させるとき、ウエハーは第一支持区域と第二支持区域との間に搭載される。第一通路により第一空間が構成され、一種または多種の化学的流体が第一空間内で流動することによりウエハーの辺縁区域を腐食させる。上部キャビティは凸部を含み、凸部がウエハーの辺縁に当接することによりウエハーの中心軸と第二支持区域の中心軸は重畳する。
【0014】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置において、前記凸部は第二支持区域に隣接しかつ下部キャビティに向く方向に延伸し、ウエハーの中心軸はウエハーの上表面に垂直であり、第二支持区域の中心軸は上部キャビティの下表面に垂直であり、ウエハーの上表面は第二支持区域の下表面に平行である。
【0015】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置において、前記凸部はウエハーの辺縁区域を包囲する閉ループを含み、凸部がウエハーの辺縁区域に均等に当接することによりウエハーの中心軸と第二支持区域の中心軸は重畳する。
【0016】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置において、前記凸部は複数の突出部を含み、複数の突出部はウエハーの周囲に環状に配列されかつウエハーの辺縁区域に均等に当接する。
【0017】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置において、前記凸部は前記第二支持区域の中心軸と所定の角度を形成するように傾斜に配置される内表面を含み、前記内表面はウエハーの辺縁区域に均等に当接する。
【0018】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置において、前記凸部は前記第二支持区域の中心軸と対向するコーナー(corner)を含み、前記コーナーはウエハーの辺縁区域に均等に当接する。
【0019】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置において、第一槽は下部キャビティの辺縁区域に位置し、前記第一槽により一種または多種の化学的流体が流動する第一槽空間が形成され、上部キャビティと下部キャビティとの間には通路が形成され、前記通路が第一空間と第一槽空間を連結することにより一種または多種の化学的流体は前記通路により第一空間から第一槽空間に流動する。
【0020】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置において、第二槽は上部キャビティの辺縁区域に形成されかつ第一槽の上方に位置する。
【0021】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置において、第一槽と第二槽との間には弾性部品が取り付けられ、前記弾性部品により一種または多種の化学的流体が第一空間から第一槽空間に流動することを阻止する。
【0022】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置において、前記弾性部品はO型リングである。
【0023】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置において、第二支持区域の辺縁区域には第一通路が形成され、第一通路により一種または多種の化学的流体が流動する第一空間が形成され、一種または多種の化学的流体は上部キャビティの第一貫通孔により第一空間と半導体処理装置の外部との間で流動する。
【0024】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置において、第一支持区域の辺縁区域には第二通路が形成され、一種または多種の化学的流体は第二通路が形成した第二空間において流動することによりウエハーの辺縁区域を腐食させる。
【0025】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置において、下部キャビティに第二貫通孔が形成されることにより一種または多種の化学的流体は第二空間と半導体処理装置の外部との間で流動する。
【0026】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置において、第一通路は第一支持区域の辺縁区域で構成され、下部キャビティは第一貫通孔を含み、一種または多種の化学的流体は下部キャビティの第一貫通孔により第一空間と半導体処理装置の外部との間で流動する。
【0027】
本発明の実施例に係る半導体処理システムは半導体処理装置と前記半導体処理装置に連結される材料貯蔵装置を含む。前記半導体処理装置は、ウエハーを支持する第一支持区域が形成されている下部キャビティと、第二支持区域を具備している上部キャビティと、第一支持区域または第二支持区域の辺縁区域に形成される第一通路とを含む。上部キャビティと下部キャビティを結合させるとき、ウエハーは第一支持区域と第二支持区域との間に搭載される。第一支持区域または第二支持区域の辺縁区域には第一通路が形成され、一種または多種の化学的流体は第一通路が形成した第一空間において流動することよりウエハーの辺縁区域を腐食させる。上部キャビティは凸部を含み、凸部がウエハーの辺縁に当接することによりウエハーの中心軸と第二支持区域の中心軸は重畳する。前記材料貯蔵装置は一種または多種の化学的流体を貯蔵するとともに一種または多種の化学的流体を半導体処理装置と材料貯蔵装置との間で流動させる。
【0028】
本発明の実施例に係る半導体辺縁処理方法は、ウエハーを半導体処理装置の下部キャビティの第一支持区域上に搭載するステップと、半導体処理装置の上部キャビティと下部キャビティを結合させることによりウエハーを第一支持区域と第二支持区域との間に固定させるステップと、第一支持区域または第二支持区域の辺縁区域に第一通路を形成し、かつ第一通路により第一空間を形成するステップと、凸部をウエハーの辺縁区域に当接させることによりウエハーの中心軸と第二支持区域の中心軸を重畳させるステップと、一種または多種の化学的流体を第一空間に注入することによりウエハーの辺縁区域を腐食させるステップと、を含む。
【0029】
本発明の下記実施例と図面を詳細に読むことにより、本発明の特徴、形態及び発明の効果を詳細に理解することができる。本発明が1つまたは複数の特徴または元素の組合せを含むという場合、1つまたは複数の特徴または元素の組合せが本発明の実施例に明確または隠蔽的に記載されるか或いは本発明の実施例に記載されなくても、本発明が1つまたは複数の特徴または元素の組合せを含むことは事実である。本発明の願書を総体として読む必要がある。本発明の実施例において分離可能な特徴または要素をそれぞれ説明するが、特別な説明がない限り、本発明の実施例はそれらの組合せで構成される。
【0030】
注意されたいことは、前記発明の概要を説明する目的は本発明の実施例の概要を説明することにより本発明の事項を基礎的に理解することにある。前記実施例は本発明の例示にしか過ぎないものであり、前記実施例により本発明の範囲または要旨を限定する意図はない。本発明の下記具体的な実施例及び図面により本発明の実施例に係る特徴、形態及び発明の効果を容易に理解することができる。すなわち、本発明の図面と実施例により本発明の原理を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
以下、図面により本発明を詳細に説明する。本発明を容易に理解してもらうため、同様の符号で同様の構造を示す。
図1a】半導体ウエハーの構造を示す底面図である。
図1b図1aのA-A断面を示す断面図である。
図2a】本発明の実施例に係る半導体処理装置200を示す断面図である。
図2b図2aのA部分を示す拡大図である。
図2c図2bのB部分を示す拡大図である。
図2d図2cのC部分を示す拡大図である。
図2e図2aの半導体処理装置200の上部キャビティ220を示す底面図である。
図2f図2aの半導体処理装置200の下部キャビティ210を示す平面図である。
図3a】本発明の実施例に係る半導体処理装置300を示す断面図である。
図3b図3aのD部分を示す拡大図である。
図3c】突出部342が付いている図3aのD部分を示す拡大図である。
図3d図3aの半導体処理装置300の上部キャビティ320を示す底面図である。
図3e図3aの半導体処理装置300の下部キャビティ310を示す平面図である。
図4a】本発明の実施例に係る半導体処理装置400を示す断面図である。
図4b図4aのE部分を示す拡大図である。
図4c図4bのF部分を示す拡大図である。
図4d図4aの半導体処理装置400の上部キャビティ420を示す平面図である。
図4e図4aの半導体処理装置400の下部キャビティ410を示す平面図である。
図5】本発明の実施例に係る半導体処理システム500が半導体処理装置と材料貯蔵装置を含むことを示す図である。
図6】本発明の実施例に係る半導体処理装置で半導体ウエハーの辺縁区域を処理する例示的方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の図面により本発明の好適な実施例を詳細に説明する。下記実施例は、本発明の一部の実施例にしか過ぎないものであり、本発明のすべての実施例を示すものでない。本発明の実施例は下記実施例だけでなく、いろいろな形態の実施例を更に含むことができる。すなわち、本発明は下記実施例にのみ限定されない。本発明の事項を詳細に理解するため下記実施例を提供する。当業者は下記実施例により本発明をより詳細に把握することができる。特別な説明がない限り、第一、第二等の用語で事項の順番を暗示する意図はない。ある部品が他の部品の上部にあると説明したが、(観察の方向が異なることにより)ある部品が他の部品の下部にある場合があり(特別な説明がある場合を除き)、逆の場合も同様である。また、ある部品が左側にあると説明したが、(観察の方向が異なることにより)その部品が右側にある場合があり、逆の場合も同様である。特別な説明がない限り、同一の符号は同一の部品を表す。
【0033】
図1a~図1bは半導体ウエハー100の構造を示す図である。図1aは半導体ウエハー100の構造を示す底面図であり、図1bは図1aのA-A断面を示す断面図である。図1a~図1bに示すとおり、半導体ウエハー100はアンダーレイヤー(underlayer)101とアンダーレイヤー101の上表面に積層される薄膜層102を含み、アンダーレイヤー101の一部は薄膜層102に覆われることができる。他の実施例において、アンダーレイヤー101全体は薄膜層102に覆われることができる。他の実施例において、アンダーレイヤー101の表面の両側は薄膜層102にそれぞれ覆われることができる。
【0034】
本実施例において、半導体ウエハーを処理することによりアンダーレイヤー101上の薄膜層102を除去する。図1a~図1bに示すとおり、薄膜層102の半径はアンダーレイヤー101の半径より小さく、腐食幅(Corrosion width)は薄膜層102の半径とアンダーレイヤー101の半径の差異を指す。図1a中の測定点1~8は半導体ウエハーの所定の数値を測定する位置である。測定点1~8に位置している各腐食幅はほぼ同じであり、腐食幅の最大値と最小値の差異値が小さければ小さいほど、腐食の均等性がよりよいことを意味する。例えば、辺縁の幅を0.7mmに設計するとき、腐食の最大幅と腐食の最小幅の差異が0.1mm以下であることを求める。本発明の実施例において、アンダーレイヤー101の表面の両側を覆う薄膜層102の一部または全部が除去される。アンダーレイヤー101の各側部の腐食幅は同じであるか或いは異なる。
【0035】
図2a~図2fを参照すると、それらは本発明の実施例に係る半導体処理装置200の構造を示す図である。図2aは半導体処理装置200を示す断面図であり、図2bは図2aのA部分を示す拡大図であり、図2cは図2b(貫通孔を省略)のB部分を示す拡大図であり、図2dは図2cのC部分を示す拡大図であり、図2eは図2aの半導体処理装置200の上部キャビティ220を示す底面図であり、図2fは図2aの半導体処理装置200の下部キャビティ210を示す平面図である。
【0036】
図1図2に示すとおり、本発明の実施例において、半導体処理装置200は第一支持区域212が形成されている下部キャビティ210を含む。図2aに示すとおり、第一支持区域212はウエハー100と対向する上表面を具備する。ウエハー100を第一支持区域212の上表面上に搭載することができる。本発明の実施例において、半導体処理装置200は第二支持区域222が形成されている上部キャビティ220を含む。図2aに示すとおり、第二支持区域222はウエハー100と対向する下表面を具備する。上部キャビティ220と下部キャビティ210を結合させるとき、ウエハー100は第一支持区域212と第二支持区域222との間に搭載される。上部キャビティ220は下部キャビティ210を原点として2つの位置の間で移動することができる。上部キャビティ220が第一位置に位置しているとき、ウエハー100を第一支持区域212に搭載するか或いは第一支持区域212から取り外すことができる。図2aに示すとおり、上部キャビティ220が第二位置に位置しているとき、上部キャビティ220と下部キャビティ210は結合され、ウエハー100は第一支持区域212の上表面と第二支持区域222の下表面との間に搭載されることによりウエハー100を処理することができる。
【0037】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せにおいて、図2a~図2cを参照すると、半導体処理装置200は第一支持区域212または第二支持区域222の辺縁区域で構成される第一通路230を含む。第一通路230により第一空間232が構成され、一種または多種の化学的流体を第一空間232に注入することによりウエハー100の辺縁区域を腐食させることができる。図2a~図2cを参照すると、第一通路230は上部キャビティ220の第二支持区域222の辺縁区域で構成される。第一通路230は上部キャビティ220の下表面上に形成され、第一通路230の一側の開口はウエハー100と対向する。本実施例において、第一通路230により第一空間232が構成され、一種または多種の化学的流体を第一空間232に注入することによりウエハー100の辺縁区域を腐食させることができる。図2a~図2cを参照すると、第一空間232は第一通路230とウエハー100の内表面で構成される。本実施例において、第一通路230は環状に形成されかつウエハー100の辺縁区域を包囲するように形成される。ウエハー100の辺縁区域全体は第一空間232内に収納される。他の実施例において、第一通路230を夾角が360°以下である円弧形に形成し、ウエハー100の辺縁区域は第一空間232の所定の区域に収納されることができる。一種または多種の化学的流体が第一空間232の円弧部位において流動することによりウエハー100の辺縁区域を腐食させることができる。
【0038】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置200において、図2a~図2cを参照すると、上部キャビティ220はウエハー100の辺縁に当接する凸部240を含む。凸部240はウエハー100の辺縁と直接接触するとともに当接することができる。図2aを参照すると、ウエハー100の中心軸X-Xはウエハー100の上表面に垂直であり、第二支持区域222の中心軸X’-X’は第二支持区域222の下表面に垂直であり、凸部240によりウエハー100の中心軸X-Xと第二支持区域222の中心軸X’-X’は重畳する。上部キャビティ220が第一位置に位置しているとき、ウエハー100は第一支持区域212上に搭載される。ウエハー100の中心軸X-Xと第二支持区域222の中心軸X’-X’が重畳しなくてもよい。上部キャビティ220が第一位置から第二位置に移動するとき、凸部240はウエハー100の辺縁と接触してからウエハー100の辺縁に当接することにより第一支持区域212の上表面上のウエハー100を移動させる。上部キャビティ220が第二位置に位置しているとき、ウエハー100は第一支持区域212の上表面上に固定され、ウエハー100の中心軸X-Xと第二支持区域222の中心軸X’-X’は平行に配列されるか或いはウエハー100の中心軸X-Xと第二支持区域222の中心軸X’-X’は重畳することができる。
【0039】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置200において、凸部240は第二支持区域222に隣接しかつ下部キャビティ210に向く方向に延伸している。図2aと図2bを参照すると、凸部240は第二支持区域222に連結される。上部キャビティ220が第二位置に位置しているとき、凸部240は下部キャビティ210まで延伸する。図2aと図2bを参照すると、本実施例において、凸部240は第一通路230のそばに位置している。図2aを参照すると、ウエハー100の中心軸X-Xはウエハー100の上表面に垂直であり、第二支持区域222の中心軸X’-X’は第二支持区域222の下表面に垂直であり、ウエハー100の上表面は第二支持区域222の下表面に平行である。本発明の実施例において、上部キャビティ220が第二位置に位置しているとき、ウエハー100の上表面の一部は第二支持区域222の下表面と重畳し、ウエハー100の中心軸X-Xは第二支持区域222の中心軸X’-X’と重畳する。
【0040】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置200において、凸部240はウエハー100を包囲する閉ループ(closed loop)であることができる。図2aを参照すると、凸部240は閉ループを含む。前記閉ループはウエハー100の辺縁区域を包囲する。凸部240がウエハー100の辺縁区域に当接することによりウエハー100の中心軸X-Xと第二支持区域222の中心軸X’-X’は重畳することができる。他の実施例において、閉ループは夾角が360°以下である円弧形であり、閉ループの所定の部位はウエハー100の辺縁区域に当接することができる。凸部240が形成されることによりウエハー100の中心軸X-Xと第二支持区域222の中心軸X’-X’は平行に配列されるか或いは重畳することができる。他の実施例において、凸部240は開ループ(open loop)であることもできる。
【0041】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置200において、凸部240は第二支持区域222の中心軸X’-X’と対向する内角を含む。図2cを参照すると、凸部240は内表面242を含み、内表面242と第一参考方向YーYとの間の夾角はαである。第一参考方向YーYは第二支持区域222の下表面と平行である。夾角αの範囲は20°~90°である。図2bと図2cに示すとおり、内角は凸部240の内表面242と第一通路230の内表面により形成されかつ第二支持区域222の中心軸X’-X’と対向する。本発明の実施例において、内角はウエハー100の辺縁区域に当接する。図2bに示すとおり、上部キャビティ220が第一位置から第二位置に移動するとき、凸部240の内角はウエハー100の辺縁と接触してからウエハー100の辺縁に当接することによりウエハー100を移動させる。上部キャビティ220が第二位置に位置しているとき、ウエハー100は第一支持区域212の上表面上に固定され、ウエハー100の中心軸X-Xと第二支持区域222の中心軸X’-X’は平行に配列されるか或いはウエハー100の中心軸X-Xと第二支持区域222の中心軸X’-X’は重畳する。
【0042】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置200において、第一槽250は下部キャビティ210の辺縁区域214で構成され、一種または多種の化学的流体は第一槽250により形成される第一槽空間252内において流動することができる。図2a、図2b及び図2fを参照すると、第一槽250は、下部キャビティ210の辺縁区域214で構成され、かつ下部キャビティ210の第一支持区域212に接近している。第一槽250により第一槽空間252が形成されているので、一種または多種の化学的流体は第一通路230の第一空間232から第一槽空間252に流動することができる。
【0043】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置200において、通路260は上部キャビティ220と下部キャビティ210との間に位置する。図2bと図2fを参照すると、下部キャビティ210は第一支持区域212と第一槽250との間に位置している第一上表面262を具備する。通路260は下部キャビティ210の第一上表面262と凸部240の内表面242との間に位置する。通路260が第一空間232と第一槽空間252を連結することにより、一種または多種の化学的流体は通路260により第一空間232から第一槽空間252に流動することができる。本発明の実施例において、凸部240で通路260を詰めることにより、一種または多種の化学的流体が第一空間232から第一槽空間252に流動することを阻止することができる。他の実施例において、第一支持区域212で通路260を詰めることにより、一種または多種の化学的流体が第一空間232から第一槽空間252に流動することを阻止することができる。
【0044】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置200において、図2a~図2cに示すとおり、第一通路230は第二支持区域222の辺縁区域に位置している。上部キャビティ220は第一貫通孔270を含み、一種または多種の化学的流体は第一貫通孔270により第一空間232と半導体処理装置200の外部との間で流動することができる。第一貫通孔270は、半導体処理装置200の外部から上部キャビティ220を貫通した後、第一空間232と連通状態に連結される。本発明の実施例において、一種または多種の化学的流体は第一貫通孔270により第一空間232と半導体処理装置200の外部との間で流動することができる。他の実施例において、上部キャビティ220は2つまたは複数の第一貫通孔270を含むことができる(例えば図2aと図2eの第一貫通孔272を含むことができる)。その場合、少なくとも1つの第一貫通孔(例えば第一貫通孔270)を入口として使用し、他の第一貫通孔(例えば第一貫通孔272)を出口として使用し、第一空間232は第一貫通孔270と第一貫通孔272により外部と連通状態に連結されることができる。本実施例において、一種または多種の化学的流体は、第一貫通孔270により半導体処理装置200の外部から第一通路230の第一空間232に流動し、かつ第一貫通孔272により第一空間232から半導体処理装置200の外部に流動することができる。
【0045】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置200において、第二通路280は第一支持区域212の辺縁区域で構成され、一種または多種の化学的流体を第二通路280の第二空間282に注入することによりウエハー100の辺縁区域を腐食させることができる。図2a~図2cを参照すると、第二通路280は下部キャビティ210の第一支持区域212の辺縁区域で構成される。図2a~図2cを参照すると、第二通路280は下部キャビティ210の上表面上に形成され、第二通路280の一側の開口はウエハー100と対向する。本実施例において、第二通路280により第二空間282が構成され、一種または多種の化学的流体を第二空間282に注入することによりウエハー100の辺縁区域を腐食させることができる。図2a~図2cを参照すると、第二空間282は第二通路280の内表面とウエハー100で構成されることができる。本発明の実施例において、第二通路280は環状に形成されかつウエハー100の辺縁区域を包囲するように形成される。他の実施例において、第二通路280を夾角が360°以下である円弧形に形成し、ウエハー100の辺縁区域は第二空間282の所定の区域に露出させることができる。その場合、一種または多種の化学的流体が第二空間282の円弧部位において流動することによりウエハー100の辺縁区域を腐食させることができる。本発明の実施例において、第二通路280の形状を第一通路230の形状と同様に設計することができる。第二通路280は第一上表面262に接近しかつ第一支持区域212と第一槽250との間に位置している。通路260は下部キャビティ210の第一上表面262と上部キャビティ220の内表面242との間に位置している。通路260を形成する場合、一種または多種の化学的流体は通路260により第二空間282から第一槽空間252に流動することができる。本発明の実施例において、凸部240で通路260を詰めることにより、一種または多種の化学的流体が第二空間282から第一槽空間252に流動することを阻止することができる。他の実施例において、第一支持区域212で通路260を詰めることにより、一種または多種の化学的流体が第二空間282から第一槽空間252に流動することを阻止することができる。
【0046】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置200において、下部キャビティ210に第二貫通孔290が形成されることにより、一種または多種の化学的流体は第二空間282と半導体処理装置200の外部との間で流動することができる。図2aと図2bを参照すると、第二貫通孔290は、半導体処理装置200の外部から下部キャビティ210を貫通した後、第二通路280の第二空間282と連通状態に連結される。本発明の実施例において、一種または多種の化学的流体は第二貫通孔290により第二空間282と半導体処理装置200の外部との間で流動することができる。他の実施例において、一種または多種の化学的流体は、第二貫通孔290により半導体処理装置200の外部から第二通路280の第二空間282に流動し、かつ通路260により第二通路280の第二空間282から第一槽250の第一槽空間252に流動することができる。他の実施例において、下部キャビティ210は2つまたは複数の第二貫通孔290を含むことができる(例えば図2aの第二貫通孔292を含むことができる)。その場合、少なくとも1つの第二貫通孔(例えば第二貫通孔290)を入口として使用し、他の第一貫通孔(例えば第二貫通孔292)を出口として使用し、第二空間282は第二貫通孔290と第二貫通孔292により外部と連通状態に連結されることができる。本実施例において、一種または多種の化学的流体は、第二貫通孔290により半導体処理装置200の外部から第二通路280の第二空間282に流動し、かつ第二貫通孔292により第二空間282から半導体処理装置200の外部に流動することができる。他の実施例において、一種または多種の化学的流体は、第二貫通孔290と第二貫通孔292により半導体処理装置200の外部から第二通路280の第二空間282に流動し、かつ通路260により第二通路280の第二空間282から第一槽250の第一槽空間252に流動することができる。
【0047】
図3a~図3eを参照すると、それらは本発明の実施例に係る半導体処理装置300の構造を示す図である。図3aは本発明の実施例に係る半導体処理装置300を示す断面図であり、図3bは図3aのD部分を示す拡大図であり、図3cは凸部342が付いている図3aのD部分を示す拡大図であり、図3dは図3aの半導体処理装置300の上部キャビティ320を示す底面図であり、図3eは図3aの半導体処理装置300の下部キャビティ310を示す平面図である。
【0048】
図3a~図3eを参照すると、本発明の実施例に係る半導体処理装置300は第一支持区域312が形成されている下部キャビティ310を含む。下部キャビティ310と第一支持区域312の構造は図2a~図2fに示されている下部キャビティ210と第一支持区域212の構造を参照することができる。半導体処理装置300は第二支持区域322が形成されている上部キャビティ320を含む。上部キャビティ320と第二支持区域322の構造は図2a~図2fに示されている上部キャビティ220と第二支持区域222の構造を参照することができる。上部キャビティ320と下部キャビティ310を結合させるとき、ウエハー100は第一支持区域312と第二支持区域322との間に固定される。半導体処理装置300は第一支持区域312または第二支持区域322の辺縁区域で構成される第一通路330を含む。第一通路330の構造は図2a~図2fに示されている第一通路230の構造を参照することができる。第一通路330は上部キャビティ320の第二支持区域322の辺縁区域で構成され、第一通路330により第一空間332が構成され、一種または多種の化学的流体を第一空間332に注入することによりウエハー100の辺縁区域を腐食させることができる。第一空間332の構造は図2a~図2fに示されている第一空間232の構造を参照することができる。本発明の実施例において、第一通路330の第一空間332は、第一通路330の内表面、下部キャビティ310及びウエハー100で構成されることができる。ウエハー100の辺縁区域全体または一部の辺縁区域が第一通路330の第一空間332内に露出しているので、一種または多種の化学的流体でそれを腐食させることができる。
【0049】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置300において、図3a~図3dに示すとおり、上部キャビティ320は凸部340を含み、凸部340がウエハー100の辺縁に当接することによりウエハー100の中心軸X-Xと第二支持区域322の中心軸X’-X’は重畳する。凸部340の構造は図2a~図2eに示されている凸部240の構造を参照することができる。本発明の実施例において、凸部340はウエハー100の周囲に均等に配列されかつウエハー100の辺縁区域に当接する複数の突出部342を含む。突出部342は凸部340から第一通路330の第一空間332内に延伸している。図3cと図3dに示すとおり、凸部340は4個の突出部(例えば突出部342a~342d)を含むことができる。各突出部342は内表面344を含み、内表面344と参考方向YーYとの間の夾角はβである。夾角βの範囲は20°~90°である。内表面344はウエハー100の辺縁に向いている。参考方向YーYはウエハー100の上表面に平行であるか或いは第二支持区域322の中心軸X’-X’に垂直である。例えば、図3cにおいて、突出部342aは内表面344aを含み、内表面344aと参考方向YーYとの間の夾角はβである。内表面344aがウエハー100の辺縁に当接することによりウエハー100の中心軸X-Xと第二支持区域322の中心軸X’-X’は重畳する。凸部340は複数の突出部342を含むことができる。例えば、本発明の実施例において凸部340は6個の突出部342を含むことができる。他の実施例において、凸部340は8個の突出部342または12個の突出部342を含むこともできる。
【0050】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置300において、図3aと図3cを参照すると、第一槽350は下部キャビティ310の辺縁区域314に形成され、一種または多種の化学的流体は第一槽350により形成される第一槽空間352内において流動することができる。第一槽350、下部キャビティ310の辺縁区域314及び第一槽350の第一槽空間352は、図2a~図2fに示されている第一槽250、下部キャビティ210の辺縁区域214及び第一槽250の第一槽空間252を参照することができる。本発明の実施例において、上部キャビティ320と下部キャビティ310との間には通路360が形成され、通路360が第一空間332と第一槽空間352を連結することにより、一種または多種の化学的流体は通路360により第一空間332から第一槽空間352に流動することができる。通路360の構造は図2a~図2fに示されている通路260の構造を参照することができる。本発明の実施例において、通路360は凸部340と下部キャビティ310の第一上表面362との間に位置する。図3a~図3cと図3eに示すとおり、第一上表面362は第一支持区域312に接近しかつ第一支持区域312と第一槽350との間に位置している。
【0051】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置300において、図3a、図3b及び図3dに示すとおり、上部キャビティ320は第一貫通孔370を含み、一種または多種の化学的流体は第一貫通孔370により第一空間332と半導体処理装置300の外部との間で流動することができる。第一貫通孔370の構造は図2a~図2eに示されている第一貫通孔270の構造を参照することができる。本発明の実施例において、上部キャビティ320は第一貫通孔370と類似している1つまたは複数の第一貫通孔(例えば図3aと図3dの第一貫通孔372)を更に含むことができる。1つまたは複数の第一貫通孔の配列は図2aと図2eに示されている1つまたは複数の第一貫通孔の配列を参照することができる。
【0052】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置300において、図3a、図3b及び図3eを参照すると、下部キャビティ310は第二貫通孔380を含む。図3aと図3bに示すとおり、第二通路380が形成されることにより一種または多種の化学的流体は第一空間332と半導体処理装置300の外部との間で流動することができる。第二貫通孔380は、半導体処理装置300の外部から下部キャビティ310を貫通した後、第一空間332と連通状態に連結される。本発明の実施例において、一種または多種の化学的流体は、第二貫通孔380により半導体処理装置300の外部から第一空間332に流動し、かつ通路360により第一空間332から第一槽350の第一槽空間352に流動することができる。本発明の実施例において、一種または多種の化学的流体は、第一貫通孔370により半導体処理装置300の外部から第一通路330第一空間332に流動し、通路360により第一空間332から第一槽空間352に流動し、かつ第二貫通孔380により半導体処理装置300の外部に流動することができる。
【0053】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置300において、第二槽390は、上部キャビティ320の辺縁区域324で構成され、かつ第一槽350の上方に位置する。図3a~図3dを参照すると、第二槽390は、上部キャビティ320の辺縁区域324で構成され、かつ凸部340に接近している。一種または多種の化学的流体は第二槽390により形成される第二槽空間内において流動することができる。第二槽390の開口は下部キャビティ310に向いている。第二槽390が第一槽350の上方に位置することにより第一槽350の第一槽空間352と第二槽390の第二槽空間は連通状態に連結されることができる。第二槽390の構造を第一槽350の構造と同様に設計することができる。図3dと図3eに示すとおり、第一槽350と第二槽390は環状に形成されている。第一槽350と第二槽390を夾角が360°以下である円弧形に設計することもできる。
【0054】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置300において、図3a~図3cに示すとおり、第一槽350と第二槽390との間に弾性部品392を取り付けることができる。本発明の実施例において、弾性部品392を第一槽空間352または第二槽空間内に取り付けることができる。本発明の実施例において、弾性部品392を第一槽空間352と第二槽空間内に取り付けることもできる。本発明の実施例において、弾性部品392により一種または多種の化学的流体が第一空間332から第一槽空間352に流動することを阻止することができる。図3a~図3cに示すとおり、弾性部品392の幅は第一槽350と第二槽390の幅より大きい。第一槽350の内表面と/または第二槽390の内表面が弾性部品392に当接することにより、一種または多種の化学的流体が第一空間332から第一槽空間352に流動することを阻止することができる。
【0055】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置300において、弾性部品392はO型リングであることができる。
【0056】
図4a~図4eを参照すると、それらは本発明の実施例に係る半導体処理装置400の構造を示す図である。図4aは本発明の実施例に係る半導体処理装置400を示す断面図であり、図4bは図4aのE部分を示す拡大図であり、図4cは図4bのF部分を示す拡大図であり、図4dは図4aの半導体処理装置400の上部キャビティ420を示す平面図であり、図4eは図4aの半導体処理装置400の下部キャビティ410を示す平面図である。
【0057】
本発明の実施例において、図4a~図4eを参照すると、本発明の実施例に係る半導体処理装置400は第一支持区域412が形成されている下部キャビティ410を含む。下部キャビティ410と第一支持区域412の構造は図2a~図2fに示されている下部キャビティ210と第一支持区域212の構造を参照することができる。半導体処理装置400は第二支持区域422が形成されている上部キャビティ420を含む。上部キャビティ420と第二支持区域422の構造は図2a~図2fに示されている上部キャビティ220と第二支持区域222の構造を参照することができる。半導体処理装置400は第一支持区域412の辺縁区域で構成される第一通路430を含む。第一通路430の構造は図2a~図2fに示されている第一通路230の構造を参照することができる。図4a~図4c及び図4eを参照すると、第一通路430は下部キャビティ410の第一支持区域412の辺縁区域に形成され、一種または多種の化学的流体を第一通路430により形成された第一空間432に注入することによりウエハー100の辺縁区域を腐食させることができる。第一通路430の第一空間432も第一通路430の内表面とウエハー100で形成されることができる。ウエハー100の辺縁区域全体または一部の辺縁区域が第一通路430の第一空間432内に収納されているので、一種または多種の化学的流体でそれを腐食させることができる。
【0058】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置400において、図3a~図3dに示すとおり、上部キャビティ420は凸部440を含み、凸部440がウエハー100の辺縁に当接することによりウエハー100の中心軸X-Xと第二支持区域422の中心軸X’-X’は重畳する。凸部440の構造は図2a~図2eに示されている凸部240の構造を参照することができる。本発明の実施例において、凸部440は、下部キャビティ410と対向し、かつ第二支持区域422の下表面424の付近に位置している。本発明の実施例において、凸部440はウエハー100の周囲に均等に配列されかつウエハー100の辺縁区域に当接する複数の突出部を含む。突出部の構造は図3a~図3dに示されている突出部342の構造を参照することができる。
【0059】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置400において、凸部440は第二支持区域422の中心軸X’-X’に相対して傾斜に形成される内表面442を含み、内表面442はウエハー100の辺縁区域に当接する。図4a~図4dを参照すると、内表面442はウエハー100と対向するとともにウエハー100の辺縁区域に当接する。内表面442は参考軸Z-Zに相対して傾斜に形成され、内表面442と参考軸Z-Zとの間の夾角はγである。夾角γの範囲は20°~90°である。参考軸Z-Zは第二支持区域422の中心軸X’-X’に平行である。本発明の実施例において、凸部440の内表面442がウエハー100の辺縁区域と接触するとともにウエハー100の辺縁区域に当接することにより、ウエハー100の中心軸X-Xと第二支持区域422の中心軸X’-X’は重畳する。本発明の実施例において、凸部440の内表面442がウエハー100に当接することによりウエハー100を移動させ、ウエハー100の中心軸X-Xと第二支持区域422の中心軸X’-X’を重畳させることができる。
【0060】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置400において、図4a、図4b及び図4eを参照すると、第一槽450は下部キャビティ410の辺縁区域414で構成され、一種または多種の化学的流体は第一槽450により形成される第一槽空間452内において流動することができる。第一槽450、下部キャビティ410の辺縁区域414及び第一槽450の第一槽空間452は、図2a~図2fに示されている第一槽250、下部キャビティ210の辺縁区域214及び第一槽250の第一槽空間252を参照することができる。本発明の実施例において、通路460は上部キャビティ420と下部キャビティ410との間に位置している。通路460が第一空間432と第一槽空間452を連結することにより、一種または多種の化学的流体は通路460により第一空間432から第一槽空間452に流動することができる。通路460の構造は図2a~図2fに示されている通路260の構造を参照することができる。本発明の実施例において、図4cに示すとおり、通路460はウエハー100と下部キャビティ410の第一上表面462との間に位置する。図4cと図4eに示すとおり、第一上表面462は第一通路430と第一槽450との間に位置する。
【0061】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置400において、図4a~図4c及び図4eを参照すると、下部キャビティ410は第一貫通孔470を含み、一種または多種の化学的流体は第一貫通孔470により第一空間432と半導体処理装置400の外部との間で流動することができる。第一貫通孔470の構造は図2a~図2eに示されている第一貫通孔270の構造を参照することができる。本発明の実施例において、下部キャビティ410は第一貫通孔470と類似している1つまたは複数の第一貫通孔(例えば図4aと図4eの第一貫通孔472)を更に含むことができる。1つまたは複数の第一貫通孔の配列は図2aと図2eに示されている1つまたは複数の第一貫通孔の配列を参照することができる。
【0062】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置400において、図4a、図4b及び図4eを参照すると、第二通路480は第一支持区域412の辺縁区域に位置し、一種または多種の化学的流体を第二通路480の第二空間482に注入することによりウエハー100の辺縁区域を腐食させることができる。第二通路480の構造は図2b、図2c及び図2fに示されている第二通路280の構造を参照することができる。本発明の実施例において、第一通路430と第二通路480は通路484により連結されるので、一種または多種の化学的流体は第一通路430の第一空間432と第二通路480の第二空間482との間で流動することができる。図4bと図4cを参照すると、第一通路430と第二通路480を連結する通路484はウエハー100と下部キャビティ410の第一支持区域412で形成される。一種または多種の化学的流体は通路484により第一空間432と第二空間482との間で流動することができる。本発明の実施例において、一種または多種の化学的流体は、第二空間482から通路484、第一空間432及び通路460を通過した後、第一槽空間452内に流入する。
【0063】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理装置400において、図4a、図4b及び図4eを参照すると、下部キャビティ410に第二貫通孔490が形成されることにより、一種または多種の化学的流体は第二空間482と半導体処理装置400の外部との間で流動することができる。第二貫通孔490の構造は図2a~図2cに示されている第二貫通孔290の構造を参照することができる。本発明の実施例において、下部キャビティ410は第二貫通孔490と類似している1つまたは複数の第二貫通孔(例えば図4aと図4eの第二貫通孔492)を更に含むことができる。1つまたは複数の第二貫通孔の配列は図2aに示されている1つまたは複数の第二貫通孔の配列を参照することができる。
【0064】
図5は本発明の実施例に係る半導体処理システム500を示す図であり、その半導体処理システム500は半導体処理装置510と材料貯蔵装置520を含む。半導体処理装置510は、図2a~図2f、図3a~図3e及び図4a~図4eにそれぞれ示されている半導体処理装置200、半導体処理装置300及び半導体処理装置400のうちいずれか1つの装置を参照することができる。半導体処理装置510は、ウエハーを支持する第一支持区域が形成されている下部キャビティと、第二支持区域が形成されている上部キャビティとを含む。上部キャビティと下部キャビティが結合されることによりウエハーは第一支持区域と第二支持区域との間に固定される。第一通路は第一支持区域または第二支持区域の辺縁区域に位置し、一種または多種の化学的流体を第一空間に注入することによりウエハーの辺縁区域を腐食させることができる。本発明の実施例において、上部キャビティは凸部を含み、その凸部がウエハーの辺縁に当接することによりウエハーの中心軸と第二支持区域の中心軸は重畳する。材料貯蔵装置520は半導体処理装置510に連結される。材料貯蔵装置520は一種または多種の化学的流体を貯蔵するとともに一種または多種の化学的流体を半導体処理装置510と材料貯蔵装置520との間で流動させることができる。本発明の実施例において、一種または多種の化学的流体として、H3PO4、HF、HCl、HNO3、H2O2またはそれらの組合せを用いることができる。
【0065】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理システム500において、凸部は第二支持区域に隣接しかつ下部キャビティに向く方向に延伸している。ウエハーの中心軸はウエハーの上表面に垂直であり、第二支持区域の中心軸は上部キャビティの下表面に垂直であり、ウエハーの上表面は第二支持区域の下表面に平行である。本発明の実施例において、凸部はウエハーを包囲する閉ループを含み、凸部はウエハーの辺縁区域に均等に当接することによりウエハーの中心軸と第二支持区域の中心軸は重畳する。
【0066】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理システム500において、凸部は第二支持区域に隣接しかつ下部キャビティに向く方向に延伸している。ウエハーの中心軸はウエハーの上表面に垂直であり、第二支持区域の中心軸は上部キャビティの下表面に垂直であり、ウエハーの上表面は第二支持区域の下表面に平行である。本発明の実施例において、凸部はウエハーの周囲に環状に配列されている複数の突出部を含み、複数の突出部はウエハーの辺縁区域に均等に当接する。
【0067】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理システム500において、下部キャビティの辺縁区域には第一槽が形成され、一種または多種の化学的流体は第一槽により形成される第一槽空間内において流動することができる。本発明の実施例において、上部キャビティと下部キャビティとの間には通路が形成され、通路が第一空間と第一槽空間を連結することにより、一種または多種の化学的流体は通路により第一空間から第一槽空間に流動することができる。本発明の実施例において、上部キャビティの辺縁区域には第二槽が形成され、その第二槽は第一槽の上方に位置する。本発明の実施例において、第一槽と第二槽との間に弾性部品を取り付け、その弾性部品により一種または多種の化学的流体が第一空間から第一槽空間に流動することを阻止することができる。
【0068】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る半導体処理システム500において、その半導体処理システム500は制御装置530を含む。制御装置530は半導体処理装置510及び材料貯蔵装置520と通信をするとともにそれらを制御する。例えば、制御装置530は、上部キャビティが、ウエハーを搭載するか或いは取り外す第一位置と、上部キャビティと下部キャビティを結合させてウエハーを処理する第二位置との間で移動することを制御することができる。制御装置530は一種または多種の化学的流体の流動速度と流動方向を制御することもできる。制御装置530は、一種または多種の化学的流体の流動速度、流動方向、状態及び半導体処理装置510の故障を検出することができる。本発明の実施例において、制御装置は、PLC、制御ユニット、センサー、記憶装置(例えばメモリー、ハードディスクドライブ(hard disk drive)、SSD等)を含むことができる。
【0069】
図6は本発明の実施例に係る半導体処理装置で半導体ウエハー100の辺縁区域を処理する例示的方法600を示す図である。前記方法は、図2a~図2f、図3a~図3e、図4a~図4e及び図5にそれぞれ示されている半導体処理装置200、半導体処理装置300、半導体処理装置400または半導体処理装置500のうちいずれか1つの装置を用いることができる。
【0070】
本発明の実施例に係る半導体ウエハーの辺縁区域を処理する方法において、図6のステップ602において、半導体処理装置200(半導体処理装置300、半導体処理装置400または半導体処理装置500)は送入されたウエハーを下部キャビティの第一支持区域上に搭載する。ステップ604において、半導体処理装置は上部キャビティと下部キャビティを結合させることによりウエハーを上部キャビティの第一支持区域と第二支持区域との間に固定させる。ステップ606において、第一支持区域または第二支持区域の辺縁区域に第一通路を形成し、かつ第一通路により第一空間を形成する。ステップ608において、半導体処理装置は凸部をウエハーの辺縁区域に当接させることによりウエハーの中心軸と第二支持区域の中心軸を重畳させる。ステップ610において、半導体処理装置は一種または多種の化学的流体を第一空間に注入することによりウエハーの辺縁区域を腐食させる。
【0071】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る方法600のステップ602において、ウエハーはウエハー輸送装置により半導体処理装置200(半導体処理装置300、半導体処理装置400または半導体処理装置500)の下部キャビティの第一支持区域上に送入される。第一支持区域の上表面はウエハーと対向する。ウエハー輸送装置はウエハーを第一支持区域の上表面上に送入し、それによりウエハーの下表面の一部は第一支持区域の上表面を覆う。本発明の実施例において、半導体処理装置200(半導体処理装置300、半導体処理装置400または半導体処理装置500)の上部キャビティが第一位置に位置しているとき、ウエハーを第一支持区域に搭載するか或いは第一支持区域から取り外すことができる。すなわちウエハーはウエハー輸送装置から第一支持区域の上表面上に送入されることができる。
【0072】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る方法600のステップ604において、半導体処理装置200(半導体処理装置300、半導体処理装置400または半導体処理装置500)は上部キャビティと下部キャビティを結合させることによりウエハーを上部キャビティの第一支持区域と第二支持区域との間に固定させる。上部キャビティが第二位置に位置しているとき、上部キャビティと下部キャビティが結合されることによりウエハーは第一支持区域と第二支持区域との間に固定されるので、ウエハーの辺縁区域を処理することができる。上部キャビティはウエハーの下表面と対向する第二支持区域を含む。上部キャビティと下部キャビティを結合させることによりウエハーを第一支持区域と第二支持区域との間に固定させる。その場合、ウエハーを第一支持区域の下表面と第二支持区域の上表面との間に固定させることができる。
【0073】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る方法600のステップ606において、第一支持区域または第二支持区域の辺縁区域に第一通路を形成する。第一通路を上部キャビティの下表面上に形成することもできる。第一通路の開口はウエハーと対向する。本発明の実施例において、第一通路により第一空間が形成され、第一空間によりウエハーの辺縁区域を処理することができる。例えば、一種または多種の化学的流体を第一空間に注入することによりウエハーの辺縁区域を腐食させる。本発明の実施例において、第一通路を閉ループに設計することができる。本発明の実施例において、第一通路を円形に設計することもできる。半導体処理装置200(半導体処理装置300、半導体処理装置400または半導体処理装置500)またはウエハー輸送装置はウエハーの辺縁区域の全部または一部を第一空間に送入して処理することができる。本発明の実施例において、第一通路を夾角が360°以下である円弧形に形成することができる。半導体処理装置200(半導体処理装置300、半導体処理装置400または半導体処理装置500)またはウエハー輸送装置はウエハーの辺縁区域の一部を第一空間に送入して処理する。
【0074】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る方法600のステップ608において使用する半導体処理装置200(半導体処理装置300、半導体処理装置400または半導体処理装置500)の上部キャビティまたは下部キャビティには凸部が形成されている。半導体処理装置は凸部をウエハーの辺縁区域に当接させることができる。上部キャビティが第一位置から第二位置に移動するとき、凸部はウエハーの辺縁と接触する。その後、凸部がウエハー100の辺縁に当接することにより下部キャビティの第一支持区域の上表面上のウエハーを移動させる。上部キャビティと下部キャビティが結合されるとき、ウエハーは第一支持区域の上表面上に固定され、ウエハーの中心軸X-Xと第二支持区域の中心軸X’-X’は平行に配列される。ウエハーの中心軸X-Xと第二支持区域の中心軸X’-X’との間の距離は0mm~0.1mmである。本発明の実施例において、凸部は第二支持区域に隣接しかつ下部キャビティに向く方向に延伸している。本発明の実施例において、凸部は第一通路のそばに位置している。
【0075】
本発明の実施例において、凸部は第二支持区域の中心軸X’-X’と対向する内角を含む。内角は凸部の内表面と第一通路の内表面により形成されかつ第二支持区域の中心軸X’-X’と対向する。本発明の実施例において、内角はウエハーの辺縁区域に当接する。上部キャビティが第一位置から第二位置に移動するとき、凸部の内角はウエハーの辺縁と接触してからウエハーの辺縁に当接することによりウエハーを移動させる。他の実施例において、凸部の内表面はウエハーの辺縁と接触してからウエハーの辺縁に当接することによりウエハーを移動させる。
【0076】
本発明の1つの実施例または複数の実施例の組合せに係る方法600のステップ610において、半導体処理装置200(半導体処理装置300、半導体処理装置400または半導体処理装置500)は一種または多種の化学的流体を第一空間に注入することによりウエハーの辺縁区域を腐食させる。一種または多種の化学的流体は、第一空間においてウエハーの辺縁を回る方向に流動することにより、第一空間内に露出しているウエハーの辺縁区域を腐食させる。本発明の実施例において、半導体処理装置は第一空間と半導体処理装置の外部を連通状態に連結する貫通孔を含む。一種または多種の化学的流体は貫通孔により第一空間内に流入することができる。本発明の実施例において、一種または多種の化学的流体は貫通孔により第一空間から半導体処理装置の外部に流動することができる。他の実施例において、半導体処理装置は2つの貫通孔を含み、2つの貫通孔はそれぞれ第一空間及び半導体処理装置の外部と連通状態に連結されることができる。2つの貫通孔は所定の距離離れており、一種または多種の化学的流体は、1つの貫通孔により第一空間に流入し、他の貫通孔により第一空間から半導体処理装置の外部に流出することができる。
【0077】
本発明の実施例はコンピュータプログラム製品を含み、そのコンピュータプログラム製品は非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体(Non transient computer readable media)に記憶されている指令を含むことができる。前記指令を通用型処理装置または専用型処理装置のプログラミングに用いることにより所定の操作を実施することができる。コンピュータ読み取り可能な媒体は電子装置(例えばコンピュータ)に用いられるいろいろな事項(例えばソフトウェア、アプリケーション)を記憶するか或いは受発信することができるあらゆる媒体を含む。コンピュータ読み取り可能な媒体は、磁気記憶媒体(例えばソフトディスク)、光学記憶媒体(例えばCD-ROM)、磁気光学記憶媒体、読出し専用メモリー(ROM、Read Only Memory)、ランダムアクセスメモリー(RAM、Random Access Memory)、消去可能プログラム可能な記憶媒体(例えばEPROM、EEPROM)、フラッシュメモリーまたは電子指令を記憶できる他の媒体を含むことができるが、本発明はそれらにのみ限定されるものでない。コンピュータ読み取り可能な媒体を非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体ともいうことができる。
【0078】
以上、本発明の具体的な実施例を説明してきたが、前記実施例は、本発明を説明するものであり、本発明を限定しないものでない。前記具体的な実施例は本発明の例示にしか過ぎないものであるため、本発明は前記実施例にのみ限定されない。本発明の範囲は本願の特許請求の範囲及び特許請求の範囲のエキバレントにより定められる。
【0079】
この明細書において、「1つの実施形態(実施例)」または「実施形態(実施例)」とは前記実施例に係る特徴、構造または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれていることを指す。この明細書のいろいろな個所に「1つの実施例において」という用語がそれぞれ記載されている場合、それらは同一の実施例のみを指すものでなく、他の実施例を排除する唯一の実施例または所定の実施例のみを指すものでもない。本発明中の「多数」、「複数」という用語は2個または2個以上の事項を指す。本発明中の「と/或いは」という用語は「と」または「或いは」という関係を指す。本発明中の「第一」、「第二」、「第三」、「第四」等は異なっている複数の事項を区分するものであり、それらにより各事項の順番を限定する意図はない。本発明中の各用語は、所定の事項を説明するものであり、それらを限定するものでない。
【0080】
注意されたいことは、本発明の実施例において前記機能/ステップを図面の順番に実施しなくてもよい。例えば、前記機能/ステップは2つの図面において同時実施されるか或いは逆の順番に実施されることができる。
【0081】
以上、本発明の実施例に係る方法の操作を所定の順番に説明してきたが、2つの操作の間に他の操作を添加することもできる。前記操作を調節することにより操作の実施時間を変更し、前記操作をシステムの所定の部分に配置することができる。前記システムは係っていない複数のプログラムを同時実施することができる。
【0082】
この技術分野の技術者が本発明のいろいろな変更例と他の実施例の事項を実施するとき、その技術者がこの技術分野の一般の知識と一部の基礎データを把握していると仮定する。注意されたいことは、本発明は、説明してきた本発明の前記実施例にのみ限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内の他の実施例を更に含むことができる。以上、前記実施例と所定の図面により所定の実施例に係る素子、機能を説明してきたが、本願の特許請求の範囲に含まれている他の素子、機能があっても本発明に含まれることは当然である。本願の特許請求の範囲は、明確に記載される前記素子、事項だけでなく、それらと異なっている他の素子、事項及びそれらの組合せを更に含むことができる。この明細書において所定の用語を使用してきたが、それらは、本発明を説明するものであり、本発明を限定するものでない。
図1a
図1b
図2a
図2b
図2c
図2d
図2e
図2f
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図5
図6