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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-16
(45)【発行日】2023-08-24
(54)【発明の名称】気泡発生装置、及び、気泡発生方法
(51)【国際特許分類】
   A47K 3/00 20060101AFI20230817BHJP
   B01F 21/00 20220101ALI20230817BHJP
   B01F 23/20 20220101ALI20230817BHJP
   B01F 25/40 20220101ALI20230817BHJP
   F24H 15/196 20220101ALI20230817BHJP
【FI】
A47K3/00 G
B01F21/00
B01F23/20
B01F25/40
F24H15/196 301K
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019227992
(22)【出願日】2019-12-18
(65)【公開番号】P2021094236
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】島津 智行
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-120711(JP,A)
【文献】特開2009-018118(JP,A)
【文献】特開2019-181460(JP,A)
【文献】特開2008-284109(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/00
B01F 21/00
B01F 23/20
B01F 25/40
F24H 15/196
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクに気体を導入する気体導入路を開閉する気体導入弁と、
前記タンクに供給湯水を導入する湯水導入路を開閉する湯水導入弁と、
前記タンクから浴槽に気体溶解水を導出する湯水導出路と、
前記タンクに残存している残存湯水が排出される排出水路と、
前記湯水導入路から前記供給湯水を前記タンクへ送る第1のポンプと、
前記タンクから前記残存湯水を前記排出水路へ送る第2のポンプと、
前記気体導入弁及び前記湯水導入弁の開閉、並びに、前記第1のポンプ及び前記第2のポンプの駆動及び停止を制御する制御装置とを備え、
前記浴槽に導入された前記気体溶解水によって、前記浴槽に貯留されている浴槽湯水に気泡を発生させて、前記浴槽湯水を白濁化させる気泡発生装置であって、
前記制御装置は、
前記気体導入弁を開状態にすることと、前記湯水導入弁を閉状態にすることと、前記第1のポンプを停止することと、前記第2のポンプを駆動することとによって、前記タンクから前記残存湯水を排出するとともに、前記タンクに前記気体を導入する給気運転を実行し、
前記気体導入弁を閉状態にすることと、前記湯水導入弁を開状態にすることと、前記第1のポンプを駆動することとによって、前記タンクに前記供給湯水を導入しつつ、導入された前記供給湯水に前記給気運転で導入された前記気体を溶解させて前記気体溶解水を生成するとともに、生成された前記気体溶解水を前記浴槽に導出する給水運転を実行し、
前記給気運転の実行後、前記給水運転の実行前に、前記気体導入弁を開状態にすることと、前記気体導入弁を開状態にしてから所定時間の経過後に閉状態にすることとによって、前記タンクの内部の圧力を調整する圧力調整運転を実行することを特徴とする気泡発生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の気泡発生装置において、
前記排出水路に介装された切換弁を備え、
前記排出水路は、前記湯水導入路の少なくとも一部を用いて構成され、
前記切換弁は、前記給気運転で、前記排出水路を介して、前記タンクに残存している前記残存湯水が排出される第1の状態と、前記給水運転で、前記湯水導入路を介して、前記タンクに前記供給湯水が導入される第2の状態とを切り換え自在であり、
前記制御装置は、前記切換弁を前記第1の状態から前記第2の状態に切り換える際に、前記圧力調整運転を実行することを特徴とする気泡発生装置。
【請求項3】
タンクに気体を導入する気体導入路を開閉する気体導入弁と、
前記タンクに供給湯水を導入する湯水導入路を開閉する湯水導入弁と、
前記タンクから浴槽に気体溶解水を導出する湯水導出路と、
前記タンクに残存している残存湯水が排出される排出水路と、
前記湯水導入路から前記供給湯水を前記タンクへ送る第1のポンプと、
前記タンクから前記残存湯水を前記排出水路へ送る第2のポンプと、
前記気体導入弁及び前記湯水導入弁の開閉、並びに、前記第1のポンプ及び前記第2のポンプの駆動及び停止を制御する制御装置とを備え、
前記浴槽に導入された前記気体溶解水によって、前記浴槽に貯留されている浴槽湯水に気泡を発生させて、前記浴槽湯水を白濁化させる気泡発生装置であって、
前記制御装置は、
前記気体導入弁を開状態にすることと、前記湯水導入弁を閉状態にすることと、前記第1のポンプを停止することと、前記第2のポンプを駆動することとによって、前記タンクから前記残存湯水を排出するとともに、前記タンクに前記気体を導入する給気運転を実行し、
前記気体導入弁を閉状態にすることと、前記湯水導入弁を開状態にすることと、前記第1のポンプを駆動することとによって、前記タンクに前記供給湯水を導入しつつ、導入された前記供給湯水に前記給気運転で導入された前記気体を溶解させて前記気体溶解水を生成するとともに、生成された前記気体溶解水を前記浴槽に導出する給水運転を実行し、
前記給気運転の実行直後に、前記気体導入弁を開状態にしたまま前記第2のポンプを停止することと、前記第2のポンプを停止してから所定時間の経過後に、前記気体導入弁を閉状態にすることとによって、前記タンクの内部の圧力を調整する圧力調整運転を実行することを特徴とする気泡発生装置。
【請求項4】
タンクに気体を導入する気体導入路を開閉する気体導入弁と、
前記タンクに供給湯水を導入する湯水導入路を開閉する湯水導入弁と、
前記タンクから浴槽に気体溶解水を導出する湯水導出路と、
前記タンクに残存している残存湯水が排出される排出水路と、
前記排出水路を開閉する閉止弁と、
前記湯水導入路から前記供給湯水を前記タンクへ送る第1のポンプと、
前記タンクから前記残存湯水を前記排出水路へ送る第2のポンプと、
前記気体導入弁及び前記湯水導入弁の開閉、並びに、前記第1のポンプ及び前記第2のポンプの駆動及び停止を制御する制御装置とを備え、
前記浴槽に導入された前記気体溶解水によって、前記浴槽に貯留されている浴槽湯水に気泡を発生させて、前記浴槽湯水を白濁化させる気泡発生装置であって、
前記制御装置は、
前記気体導入弁を開状態にすることと、前記湯水導入弁を閉状態にすることと、前記閉止弁を開状態にすることと、前記第1のポンプを停止することと、前記第2のポンプを駆動することとによって、前記タンクから前記残存湯水を排出するとともに、前記タンクに前記気体を導入する給気運転を実行し、
前記気体導入弁を閉状態にすることと、前記湯水導入弁を開状態にすることと、前記閉止弁を開状態にすることと、前記第1のポンプを駆動することとによって、前記タンクに前記供給湯水を導入しつつ、導入された前記供給湯水に前記給気運転で導入された前記気体を溶解させて前記気体溶解水を生成するとともに、生成された前記気体溶解水を前記浴槽に導出する給水運転を実行し、
前記給気運転の実行直後に、前記気体導入弁の開状態を維持しつつ、前記閉止弁を閉状態にすることと、前記閉止弁の閉状態にしてから所定時間の経過後に、前記気体導入弁を閉状態にすることとによって、前記タンクの内部の圧力を調整する圧力調整運転を実行することを特徴とする気泡発生装置。
【請求項5】
気体溶解水を浴槽に導入して、前記浴槽の内部に貯留されている浴槽湯水に気泡を発生させる気泡発生方法であって、
制御装置が、タンクに気体を導入する気体導入路を開閉する気体導入弁を開状態にすることと、前記タンクに供給湯水を導入する湯水導入路を開閉する湯水導入弁を閉状態にすることと、前記湯水導入路から前記供給湯水を前記タンクへ送る第1のポンプを停止することとによって、前記タンクに残存している残存湯水を前記残存湯水が排出される排出水路へ送る第2のポンプを駆動することとによって、前記タンクから前記残存湯水を排出するとともに、前記タンクに前記気体を導入する給気運転を開始する工程と、
前記制御装置が、前記気体導入弁を閉状態にすることと、前記湯水導入弁を開状態にすることと、前記第1のポンプを駆動することとによって、前記タンクに前記供給湯水を導入しつつ、導入された前記供給湯水に前記給気運転で導入された前記気体を溶解させて前記気体溶解水を生成するとともに、生成された前記気体溶解水を前記浴槽に導出する給水運転を開始する工程と、
前記制御装置が、前記給気運転の実行後、前記給水運転の実行前に、前記気体導入弁を開状態にすることと、前記気体導入弁を開状態にしてから所定時間の経過後に、閉状態にすることとによって、前記タンクの内部の圧力を調整する圧力調整運転を開始する工程とを備えていることを特徴とする気泡発生方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体溶解水を浴槽に供給して、浴槽に貯留されている浴槽湯水に気泡を発生させて白濁化させる気泡発生装置、及び、気泡発生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、風呂給湯装置等に組み込まれる気泡発生装置としては、気体溶解水を浴槽に導出することによって、浴槽に貯留されている浴槽湯水に気泡を発生させて白濁化させるものがある。
【0003】
この種の気泡発生装置では、タンクに残存している残存湯水を排出するとともに、タンクに気体を導入する給気運転と、タンクの内部に供給湯水を導入しつつ、導入された供給湯水に給気運転で導入された気体を溶解させて気体溶解水を生成するとともに、生成された気体溶解水を浴槽に導出する給水運転とを、交互に繰り返して行う間欠式のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-284109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載の気泡発生装置では、給気運転でタンクに残存している残存湯水を排出する際に、加圧ポンプによって、その残存湯水をタンクから吸い出している。
【0006】
ここで、残存湯水の量によっては、残存湯水の排出が完了する前にタンクへの気体の導入が停止されてしまう場合がある。そのような場合に、そのまま残存湯水の排出を実行し続けると、タンクの内部の圧力が負圧になってしまう。その結果、残存湯水の排出が完了したときには、タンクの内部に十分な気体が存在していない状態になってしまう。
【0007】
そして、その状態のまま給水運転を開始すると、気体の量に応じて生成される気体溶解水の量も少なくなって、給水運転の実行時間が短くなってしまったり、気体溶解水に溶解されている気体の量が少なくなって、気体溶解水を浴槽に導入しても十分な白濁性が得られなくなってしまったりするおそれがあった。
【0008】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、給水運転を実行する際に、タンクの内部の圧力が負圧になりにくい気泡発生装置、及び、気泡発生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の気泡発生装置は、
タンクに気体を導入する気体導入路を開閉する気体導入弁と、
前記タンクに供給湯水を導入する湯水導入路を開閉する湯水導入弁と、
前記タンクから浴槽に気体溶解水を導出する湯水導出路と、
前記タンクに残存している残存湯水が排出される排出水路と、
前記湯水導入路から前記供給湯水を前記タンクへ送る第1のポンプと、
前記タンクから前記残存湯水を前記排出水路へ送る第2のポンプと、
前記気体導入弁及び前記湯水導入弁の開閉、並びに、前記第1のポンプ及び前記第2のポンプの駆動及び停止を制御する制御装置とを備え、
前記浴槽に導入された前記気体溶解水によって、前記浴槽に貯留されている浴槽湯水に気泡を発生させて、前記浴槽湯水を白濁化させる気泡発生装置であって、
前記制御装置は、
前記気体導入弁を開状態にすることと、前記湯水導入弁を閉状態にすることと、前記第1のポンプを停止することと、前記第2のポンプを駆動することとによって、前記タンクから前記残存湯水を排出するとともに、前記タンクに前記気体を導入する給気運転を実行し、
前記気体導入弁を閉状態にすることと、前記湯水導入弁を開状態にすることと、前記第1のポンプを駆動することとによって、前記タンクに前記供給湯水を導入しつつ、導入された前記供給湯水に前記給気運転で導入された前記気体を溶解させて前記気体溶解水を生成するとともに、生成された前記気体溶解水を前記浴槽に導出する給水運転を実行し、
前記給気運転の実行後、前記給水運転の実行前に、前記気体導入弁を開状態にすることと、前記気体導入弁を開状態にしてから所定時間の経過後に閉状態にすることとによって、前記タンクの内部の圧力を調整する圧力調整運転を実行することを特徴とする。
【0010】
このように、この気泡発生装置では、給気運転の実行後、給水運転の実行前に、タンクの内部の圧力を調整する圧力調整運転を実行している。具体的には、一度、気体導入弁を開状態にして、所定時間の経過後に閉状態にしている。
【0011】
これにより、給気運転が完了した後に残存湯水の排出が進んでタンクの内部の圧力が負圧になってしまったとしても、圧力調整運転を実行することによって、タンクの内部の圧力は導入された気体の圧力(例えば、大気圧)に近づくことになる。すなわち、給気運転が完了した後に、タンクの内部の気体の量が少なかったとしても、圧力調整運転を実行することによって、タンクの内部に気体が補給されることになる。
【0012】
したがって、この気泡発生装置によれば、給気運転の実行後にタンクの内部の気体の量が少なかった場合には、タンクの内部に気体が補給されるので、給水運転を実行する際に、タンクの内部の圧力が負圧になることを防止することができる。
【0013】
また、本発明の気泡発生装置においては、
前記排出水路に介装された切換弁を備え、
前記排出水路は、前記湯水導入路の少なくとも一部を用いて構成され、
前記切換弁は、前記給気運転で、前記排出水路を介して、前記タンクに残存している前記残存湯水が排出される第1の状態と、前記給水運転で、前記湯水導入路を介して、前記タンクに前記供給湯水が導入される第2の状態とを切り換え自在であり、
前記制御装置は、前記切換弁を前記第1の状態から前記第2の状態に切り換える際に、前記圧力調整運転を実行することが好ましい。
【0014】
一般に、切換弁の切り換えにはある程度の時間を要する。そこで、このように、第1の状態(すなわち、給気運転の状態)から第2の状態(すなわち、給水運転の状態)へと切換弁を切り換える際に圧力調整運転を実行すると、その切り換えのための時間を有効活用することができる。これにより、今回の給水運転から次回の給水運転までの時間を短くして、浴槽の白濁性を維持しやすくすることができる。
【0015】
また、本発明の気泡発生装置は、
タンクに気体を導入する気体導入路を開閉する気体導入弁と、
前記タンクに供給湯水を導入する湯水導入路を開閉する湯水導入弁と、
前記タンクから浴槽に気体溶解水を導出する湯水導出路と、
前記タンクに残存している残存湯水が排出される排出水路と、
前記湯水導入路から前記供給湯水を前記タンクへ送る第1のポンプと、
前記タンクから前記残存湯水を前記排出水路へ送る第2のポンプと、
前記気体導入弁及び前記湯水導入弁の開閉、並びに、前記第1のポンプ及び前記第2のポンプの駆動及び停止を制御する制御装置とを備え、
前記浴槽に導入された前記気体溶解水によって、前記浴槽に貯留されている浴槽湯水に気泡を発生させて、前記浴槽湯水を白濁化させる気泡発生装置であって、
前記制御装置は、
前記気体導入弁を開状態にすることと、前記湯水導入弁を閉状態にすることと、前記第1のポンプを停止することと、前記第2のポンプを駆動することとによって、前記タンクから前記残存湯水を排出するとともに、前記タンクに前記気体を導入する給気運転を実行し、
前記気体導入弁を閉状態にすることと、前記湯水導入弁を開状態にすることと、前記第1のポンプを駆動することとによって、前記タンクに前記供給湯水を導入しつつ、導入された前記供給湯水に前記給気運転で導入された前記気体を溶解させて前記気体溶解水を生成するとともに、生成された前記気体溶解水を前記浴槽に導出する給水運転を実行し、
前記給気運転の実行直後に、前記気体導入弁を開状態にしたまま前記第2のポンプを停止することと、前記第2のポンプを停止してから所定時間の経過後に、前記気体導入弁を閉状態にすることとによって、前記タンクの内部の圧力を調整する圧力調整運転を実行することを特徴とする。
【0016】
このように、この気泡発生装置では、給気運転の実行直後に(すなわち、給気運転と連続して)、タンクの内部の圧力を調整する圧力調整運転を実行している。具体的には、残存湯水の排出を行う第2のポンプを停止した後、所定時間、気体導入弁を開状態で維持している。
【0017】
これにより、給気運転が完了した後に、タンクの内部に残存湯水が存在していたとしても、その残存湯水の量が変化しない状態になってから、気体の導入が停止される。すなわち、タンクが密閉されてから内容物の量が変化することが防止されている。
【0018】
したがって、この気泡発生装置によれば、タンクが密閉されてからその内容物の量が変化することが防止されているので、給水運転を実行する際に、タンクの内部の圧力が負圧になることを防止することができる。
【0019】
また、本発明の気泡発生装置は、
タンクに気体を導入する気体導入路を開閉する気体導入弁と、
前記タンクに供給湯水を導入する湯水導入路を開閉する湯水導入弁と、
前記タンクから浴槽に気体溶解水を導出する湯水導出路と、
前記タンクに残存している残存湯水が排出される排出水路と、
前記排出水路を開閉する閉止弁と、
前記湯水導入路から前記供給湯水を前記タンクへ送る第1のポンプと、
前記タンクから前記残存湯水を前記排出水路へ送る第2のポンプと、
前記気体導入弁及び前記湯水導入弁の開閉、並びに、前記第1のポンプ及び前記第2のポンプの駆動及び停止を制御する制御装置とを備え、
前記浴槽に導入された前記気体溶解水によって、前記浴槽に貯留されている浴槽湯水に気泡を発生させて、前記浴槽湯水を白濁化させる気泡発生装置であって、
前記制御装置は、
前記気体導入弁を開状態にすることと、前記湯水導入弁を閉状態にすることと、前記閉止弁を開状態にすることと、前記第1のポンプを停止することと、前記第2のポンプを駆動することとによって、前記タンクから前記残存湯水を排出するとともに、前記タンクに前記気体を導入する給気運転を実行し、
前記気体導入弁を閉状態にすることと、前記湯水導入弁を開状態にすることと、前記閉止弁を開状態にすることと、前記第1のポンプを駆動することとによって、前記タンクに前記供給湯水を導入しつつ、導入された前記供給湯水に前記給気運転で導入された前記気体を溶解させて前記気体溶解水を生成するとともに、生成された前記気体溶解水を前記浴槽に導出する給水運転を実行し、
前記給気運転の実行直後に、前記気体導入弁の開状態を維持しつつ、前記閉止弁を閉状態にすることと、前記閉止弁の閉状態にしてから所定時間の経過後に、前記気体導入弁を閉状態にすることとによって、前記タンクの内部の圧力を調整する圧力調整運転を実行することを特徴とする。
【0020】
このように、この気泡発生装置では、給気運転の実行直後に(すなわち、給気運転と連続して)、タンクの内部の圧力を調整する圧力調整運転を実行している。具体的には、残存湯水の排出を行う第2のポンプを停止するのではなく、残存湯水の排出を制限する閉止弁を閉状態にした後、所定時間、気体導入弁を開状態で維持している。
【0021】
これにより、給気運転が完了した後に、タンクの内部に残存湯水が存在していたとしても、その残存湯水の量が変化しない状態になってから、気体の導入が停止される。すなわち、タンクが密閉されてから内容物の量が変化することが防止されている。
【0022】
したがって、この気泡発生装置によれば、タンクが密閉されてからその内容物の量が変化することが防止されているので、給水運転を実行する際に、タンクの内部の圧力が負圧になることを防止することができる。
【0023】
また、本発明の気泡発生方法は、
気体溶解水を浴槽に導入して、前記浴槽の内部に貯留されている浴槽湯水に気泡を発生させる気泡発生方法であって、
制御装置が、タンクに気体を導入する気体導入路を開閉する気体導入弁を開状態にすることと、前記タンクに供給湯水を導入する湯水導入路を開閉する湯水導入弁を閉状態にすることと、前記湯水導入路から前記供給湯水を前記タンクへ送る第1のポンプを停止することとによって、前記タンクに残存している残存湯水を前記残存湯水が排出される排出水路へ送る第2のポンプを駆動することとによって、前記タンクから前記残存湯水を排出するとともに、前記タンクに前記気体を導入する給気運転を開始する工程と、
前記制御装置が、前記気体導入弁を閉状態にすることと、前記湯水導入弁を開状態にすることと、前記第1のポンプを駆動することとによって、前記タンクに前記供給湯水を導入しつつ、導入された前記供給湯水に前記給気運転で導入された前記気体を溶解させて前記気体溶解水を生成するとともに、生成された前記気体溶解水を前記浴槽に導出する給水運転を開始する工程と、
前記制御装置が、前記給気運転の実行後、前記給水運転の実行前に、前記気体導入弁を開状態にすることと、前記気体導入弁を開状態にしてから所定時間の経過後に、閉状態にすることとによって、前記タンクの内部の圧力を調整する圧力調整運転を開始する工程とを備えていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】第1実施形態に係る風呂給湯装置の系統図。
図2図1の風呂給湯装置が給気運転を実行する場合における系統図。
図3図1の風呂給湯装置が給水運転を実行する場合における系統図。
図4図1の風呂給湯装置が追い焚き運転を実行する場合における系統図。
図5図1の風呂給湯装置が圧力調整運転で気体を導入する際における系統図。
図6図1の風呂給湯装置が給気運転、圧力調整運転及び給水運転の際に行う処理を示すフローチャート。
図7】第2実施形態の風呂給湯装置が給気運転、圧力調整運転及び給水運転の際に行う処理を示すフローチャート。
図8】第3実施形態に係る風呂給湯装置の系統図。
図9図8の風呂給湯装置が給気運転、圧力調整運転及び給水運転の際に行う処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[第1実施形態]
以下、図1図6を参照して、第1実施形態に係る風呂給湯装置1Aについて説明する。
【0026】
この風呂給湯装置1Aは、浴室に設置された浴槽2への湯はりを行う湯はり運転(浴槽2への給湯を行う運転)、及び、浴槽2に足し湯を行う足し湯運転等に加え、浴槽2に貯留されている浴槽湯水を循環加熱する追い焚き運転を実行可能なものである。
【0027】
また、この風呂給湯装置1Aは、それらの運転に加え、湯水に気体を溶解させた気体溶解水を生成するために空気等の気体を取り込む給気運転、及び、生成した気体溶解水を浴槽2に導入して、浴槽2の浴槽湯水に気泡を発生させる給水運転を実行可能なものである。
【0028】
[風呂給湯装置の構成]
まず、図1図5を参照して、風呂給湯装置1Aの構成について説明する。なお、図2図5の系統図においては、理解を容易にするために、各状態において、風呂給湯装置1Aに含まれる水路のうち、気体又は湯水の流れる部分を実線で示し、気体又は湯水の流れない部分を破線で示している。
【0029】
図1に示すように、風呂給湯装置1Aは、気体溶解水を生成して、浴槽2に供給するための気泡発生装置3と、浴槽2の浴槽湯水を循環加熱するための熱源機4とを備えている。気泡発生装置3は、浴槽2及び熱源機4に接続されている。また、熱源機4は、気泡発生装置3に加え、浴槽2及び水道等の水供給源5に接続されている。気泡発生装置3は、独立したユニットとして構成されており、既存の風呂設備に追加可能となっている。
【0030】
気泡発生装置3は、タンク30と、タンク30の上流側に接続されている第1水路31(湯水導入路)と、タンク30の下流側及び浴槽2に接続されている第2水路32と、第2水路32の中間部に接続されている第3水路33と、第1水路31のタンク30側とは反対側の端部、第3水路33の第2水路32側の端部とは反対側の端部及び浴槽2に接続されている第4水路34と、タンク30に接続されている気体導入路35とを備えている。
【0031】
また、気泡発生装置3は、電動式の三方弁によって構成された第1切換弁36及び第2切換弁37を備えている。第1切換弁36は、第1水路31の端部、第3水路33の端部及び第4水路34の端部に接続されている。第2切換弁37は、第2水路32の中間部に介装されており、第3水路33の第1切換弁36側の端部とは反対側の端部に接続されている。
【0032】
タンク30には、第1水路31を介して、浴槽2から引き込まれた浴槽湯水、水供給源5から供給された水等の供給湯水が導入され、気体導入路35を介して、空気等の気体が導入される。
【0033】
タンク30の内部では、導入されて貯留された供給湯水に気体を溶解させて気体溶解水が生成される。生成された気体溶解水は、第2水路32を介して、浴槽2に供給される(図3参照)、又は、後述する排出水路6を介して、浴槽2に排出される(図2参照)。
【0034】
タンク30は、その内部に、第1水路31から導入された湯水を噴射するための噴射ノズル30aと、タンク30の内部の湯水の水位を検知するための第1水位センサ30b及び第2水位センサ30cとを備えている。
【0035】
第1水位センサ30b及び第2水位センサ30cは、公知の電極式の水位センサである。第1水位センサ30bは、タンク30が満水となったときの水位である高水位を検知する。第2水位センサ30cは、高水位よりも低い低水位を検知する。低水位は、給水運転の際に要求される気体溶解水の生成能力、タンク30の容量、各水路の長さ、後述する各ポンプの性能、水供給源5の供給能力等に応じて、適宜設定される。
【0036】
なお、水位を検知するためのセンサは、このような構成に限定されるものではない。例えば、電極式の水位センサに代わり、他の公知のセンサ(例えば、圧力式のセンサ等)を用いてもよい。また、例えば、高水位として検出する水位は、必ずしもタンクが満水となる水位である必要はなく、低水位と同様に、給水運転の際に要求される気体溶解水の生成能力等に応じて設定してもよい。
【0037】
第1水路31は、一方の端部で、タンク30の上流端に接続されており、他方の端部で、第1切換弁36を介して、第3水路33の端部、及び、第4水路34の端部に接続されている。第1水路31には、熱源機4の循環水路40の下流端が接続されている。
【0038】
第1水路31には、循環水路40の接続部と第1水路31のタンク30側の端部との間で、上流側から順に、第1水路31を開閉するための電磁弁である第1閉止弁31aと、第1水路31の内部の湯水をタンク30に圧送するための加圧ポンプ31b(第1のポンプ)とが介装されている。
【0039】
第2水路32は、一方の端部で、タンク30の下流端に接続されており、他方の端部で、浴槽2の給湯口に設けられたアダプタ2aを介して、浴槽2に接続されている。第2水路32には、一方の端部側から順に、逆止弁32aと、第2切換弁37とが介装されている。第2水路32は、第2切換弁37を境にして、タンク30側の部分である第1部分32bと、浴槽2側の部分である第2部分32c(湯水導出路)とに分かれている。
【0040】
第3水路33は、一方の端部で、第1切換弁36に接続されており、他方の端部で、第2切換弁37に接続されている。第3水路33の中間部には、循環水路40の上流端が接続されている。
【0041】
第4水路34は、一方の端部で、第1切換弁36を介して、第1水路31のタンク30側の端部とは反対側の端部、及び、第3水路33の第2水路32側の端部とは反対側の端部に接続されており、他方の端部で、浴槽2の給湯口に設けられたアダプタ2aを介して、浴槽2に接続されている。
【0042】
アダプタ2aには、気泡発生ノズルであるノズル2bが設けられている。タンク30から導出された気体溶解水は、ノズル2bを介して、噴射されるようにして浴槽2の内部に供給される。この供給の際に、気体溶解水から気泡が発生し、浴槽2に貯留されている浴槽湯水が白濁化する。
【0043】
気体導入路35は、上流端で、気体供給源(不図示)に接続されており、下流端で、タンク30に接続されている。気体導入路35には、気体導入路35を開閉するための電磁弁である気体導入弁35aが介装されている。
【0044】
第1切換弁36は、第1水路31と、第3水路33と、第4水路34とに接続されている。
【0045】
この第1切換弁36を切り換えることによって、第1水路31から第4水路34に湯水が流れる状態(図2及び図4参照)と、第4水路34から第3水路33に湯水が流れる状態(図3参照)とが切り換えられる。
【0046】
第2切換弁37は、第2水路32の第1部分32bと、第2水路32の第2部分32cと、第3水路33とに接続されている。
【0047】
この第2切換弁37を切り換えることによって、図2に示すように、第2水路32の第1部分32bから第3水路33に湯水が流れる状態と、図3に示すように、第2水路32の第1部分32bから第2部分32cに湯水が流れる状態と、図4に示すように、第2水路32の第2部分32cから第3水路33に湯水が流れる状態とが切り換えられる。
【0048】
気泡発生装置3では、第1閉止弁31a(湯水導入弁)、第1切換弁36、及び、第2切換弁37によって、切換装置38が構成されている。
【0049】
この切換装置38によって、図2に示すように、後述する排出水路6を介してタンク30の内部の湯水を浴槽2に排出する給気状態と、図3に示すように、後述する気泡供給水路7に湯水を循環させる給水状態と、図4に示すように、後述する循環加熱水路8(循環水路)に浴槽湯水を循環させる循環加熱状態と、図5に示すように、タンク30の内部の圧力を調整する圧力調整状態とが切り換えられる。
【0050】
また、気泡発生装置3は、制御装置39を備えている。制御装置39は、実装されたハードウェア構成又はプログラムにより実現される機能(処理部)として、切換制御部39aと、タイマ39bと、ポンプ制御部39cとを有している。
【0051】
切換制御部39aは、ユーザからの指示を示す信号、第1水位センサ30b及び第2水位センサ30cの検知した水位、及び、タイマ39bの計測した時間に基づいて、切換装置38を構成する弁(すなわち、第1閉止弁31a、第1切換弁36、及び、第2切換弁37)の開閉を制御する。
【0052】
タイマ39bは、圧力調整運転の実行開始からの経過時間を測定する。具体的には、タイマ39bは、気体導入弁35aを開状態に切り換えが実行されてからの経過時間を測定する。
【0053】
ポンプ制御部39cは、ユーザからの指示を示す信号、第1水位センサ30b及び第2水位センサ30cの検知した水位、及び、タイマ39bの計測した時間に基づいて、加圧ポンプ31b及び後述する循環ポンプ40a(第2のポンプ)の駆動及び停止を制御する。
【0054】
熱源機4は、気泡発生装置3の第3水路33及び第1水路31に接続されている循環水路40と、水供給源5に接続されており、水供給源5からの水を風呂給湯装置1Aに供給するための注水路41とを備えている。
【0055】
循環水路40の上流端は、気泡発生装置3の第3水路33の中間部に接続されており、下流端は、第1水路31の第1閉止弁31aと第1切換弁36との間となる部分に接続されている。循環水路40の中間部には、注水路41の下流端が接続されている。
【0056】
循環水路40の注水路41の接続部と下流端との間には、循環水路40の内部の湯水を第1水路31に圧送するための循環ポンプ40aが介装されている。また、循環ポンプ40aの下流側には、循環水路40の内部の湯水を加熱するための第1熱源部40bが設けられている。
【0057】
注水路41の上流端は、水供給源5に接続されており、下流端は、循環水路40の上流端と循環ポンプ40aとの間となる部分に接続されている。
【0058】
注水路41には、注水路41を開閉するための電磁弁である注水弁41aが介装されている。また、注水弁41aの上流側には、注水路41の内部の湯水を加熱するための第2熱源部41bが設けられている。
【0059】
図2に示すように、このように構成されている風呂給湯装置1Aでは、気泡発生装置3の備えている水路と、熱源機4の備えている水路とによって、排出水路6が形成されている。
【0060】
具体的には、第2水路32の第1部分32bと、第3水路33の第2切換弁37と循環水路40の上流端の接続部との間の部分、循環水路40、第1水路31の循環水路40の下流端の接続部と第1切換弁36との間の部分、及び、第4水路34によって、排出水路6が形成されている。
【0061】
この排出水路6は、給気運転の際に、タンク30の内部に残存している残存湯水を浴槽2に排出するための水路である。
【0062】
また、図3に示すように、このように構成されている風呂給湯装置1Aでは、気泡発生装置3の備えている水路と、熱源機4の備えている水路とによって、気泡供給水路7が形成されている。
【0063】
具体的には、第1水路31の循環水路40の下流端の接続部とタンク30との間の部分、第2水路32、第4水路34、第3水路33の第1切換弁36と循環水路40の上流端の接続部との間の部分、及び、循環水路40によって、気泡供給水路7が形成されている。
【0064】
この気泡供給水路7は、給水運転の際に、タンク30を介して浴槽2の浴槽湯水を循環させて、その浴槽湯水から気体溶解水を生成し、生成した気体溶解水を浴槽2に供給するための水路である。
【0065】
また、図4に示すように、このように構成されている風呂給湯装置1Aでは、気泡発生装置3の備えている水路と、熱源機4の備えている水路とによって、循環加熱水路8が形成されている。
【0066】
具体的には、第2水路32の第2部分32c、第3水路33の第2切換弁37と循環水路40の上流端の接続部との間の部分、循環水路40、第1水路31の循環水路40の下流端の接続部と第1切換弁36との間の部分、及び、第4水路34によって、循環加熱水路8が形成されている。
【0067】
この循環加熱水路8は、追い焚き運転の際に、タンク30を介さずに浴槽2の浴槽湯水を循環させて、その浴槽湯水を加熱し、加熱した浴槽湯水を浴槽2に供給するための水路である。
【0068】
このように、排出水路6、気泡供給水路7、及び、循環加熱水路8は、互いにそれぞれの一部を共用して形成されているので、切換装置38の動作によって、選択的に切り換えられる。
【0069】
[運転時における動作及び処理]
次に、図2図6を参照して、風呂給湯装置1Aが給気運転、圧力調整運転及び給水運転の際に行う動作及び処理(気泡生成方法)について説明する。
【0070】
ここで、図2は、給気運転を実行する場合における系統図である。図3は、給水運転を実行する場合における系統図である。図4は、追い焚き運転を実行する場合における系統図である。図5は、圧力調整運転を実行する場合における系統図である。図6は、給気運転、圧力調整運転及び給水運転の際に制御装置39が実行する制御を示すフローチャートである。
【0071】
図6に示すように、風呂給湯装置1Aでは、タンク30に残存していた残存湯水を排出するとともに、タンク30に気体を導入する給気運転(図6/STEP100~STEP103)と、タンク30に供給湯水を導入しつつ、導入された供給湯水に給気運転で導入された気体を溶解させて気体溶解水を生成するとともに、生成された気体溶解水を浴槽2に導出する給水運転(図6/STEP104、STEP108~STEP112)とを実行可能に構成されている。
【0072】
そして、風呂給湯装置1A(すなわち、気泡発生装置3)は、給気運転におけるタンク30への気体の導入と給水運転における気体溶解水の生成及び供給とを交互に繰り返し実行する。すなわち、気泡発生装置3は、いわゆる間欠式の気泡発生装置として構成されている。
【0073】
また、風呂給湯装置1Aでは、給気運転の実行後(厳密には、給気運転におけるタンク30への気体の導入の完了後)、給水運転の実行前(厳密には、給水運転における気体溶解水の生成の開始前)に、タンク30の内部の圧力を調整する圧力調整運転(図6/STEP105~STEP107)を実行可能に構成されている。
【0074】
ここで、図2図5の系統図、並びに、図6のフローチャートを参照して、給気運転、圧力調整運転及び給水運転の際に制御装置39が行う処理(気泡発生方法)について説明する。
【0075】
前提として、以下の説明においては、給気運転、圧力調整運転及び給水運転の開始前の状態において、タンク30の内部には、湯水が満水となる高さまで貯まっている状態(すなわち、第1水位センサ30bによって高水位が検知されている状態)となっているとする。
【0076】
また、給気運転、圧力調整運手及び給水運転の開始前の状態において、風呂給湯装置1Aの水路は、循環加熱水路8に浴槽湯水が循環する状態(図4参照)となっているとする。このとき、風呂給湯装置1Aの備えている弁及びポンプは、以下の状態になっている。
【0077】
[給気運転の開始前の状態]
第1閉止弁31a:閉状態
加圧ポンプ31b:停止
気体導入弁35a:閉状態
第1切換弁36:第1水路31と第4水路34とを接続した状態
第2切換弁37:第2水路32の第2部分32cと第3水路33とを接続した状態
循環ポンプ40a:駆動
注水弁41a:閉状態
【0078】
そして、給気運転、圧力調整運転及び給水運転を実行するための処理においては、まず、浴槽2への気泡の供給を指示する旨の信号が認識されると、制御装置39は、給気運転を実行すべく、第2切換弁37を切り換えて、排出水路6を形成する(図6/STEP100)。
【0079】
次に、制御装置39は、気体導入弁35aを開状態に切り換える(図6/STEP101)。
【0080】
具体的には、STEP100~STEP101の処理によって、制御装置39は、風呂給湯装置1Aの備えている弁及びポンプを以下の状態(図2に示す状態)にする。
【0081】
[給気運転の実行中の状態]
第1閉止弁31a:閉状態
加圧ポンプ31b:停止
気体導入弁35a:開状態
第1切換弁36:第1水路31と第4水路34とを接続した状態
第2切換弁37:第2水路32の第1部分32bと第3水路33とを接続した状態
循環ポンプ40a:駆動
注水弁41a:閉状態
【0082】
これにより、図2に示すように、風呂給湯装置1Aの水路は、排出水路6となる。この状態では、タンク30の内部に残存している残存湯水(すなわち、生成された気体溶解水又は導入された供給湯水)が、浴槽2に排出される。その結果、タンク30の水位は、時間の経過とともに下降していく。
【0083】
次に、制御装置39は、第2水位センサ30cによってタンク30の内部の水位が低水位にまで下降したか否かを判定する(図6/STEP102)。
【0084】
タンク30の内部の水位が低水位にまで下降していないと判定された場合(STEP102でNOの場合)、制御装置39は、所定の制御間隔で同じ判定を繰り返す。
【0085】
一方、タンク30の内部の水位が低水位にまで下降したと判定された場合(STEP102でYESの場合)、制御装置39は、給気運転を終了すべく、気体導入弁35aを閉状態に切り換える(図6/STEP103)。
【0086】
次に、制御装置39は、給水運転の実行のために、第1切換弁36及び第2切換弁37を切り換えて気泡供給水路7の形成を開始する(図6/STEP104)。
【0087】
このとき、第1切換弁36及び第2切換弁37は、給気運転で、排出水路6を介して、タンク30に残存している残存湯水が排出される第1の状態から、給水運転で、第1水路31を介して、タンク30に供給湯水が導入される第2の状態へと切り換えが開始される。しかし、その切り換えが完了するまでにはある程度の時間が必要となる。そこで、風呂給湯装置1Aでは、その切り換えのための時間の間に、圧力調整運転を実行している。
【0088】
その圧力調整運転を実行するために、制御装置39は、気体導入弁35aを開状態に切り換える(図6/STEP105)。
【0089】
具体的には、STEP105の処理によって、制御装置39は、風呂給湯装置1Aの備えている弁及びポンプを以下の状態(図5に示す状態)にする。
【0090】
[圧力調整運転の実行中の状態]
第1閉止弁31a:閉状態
加圧ポンプ31b:停止
気体導入弁35a:開状態
第1切換弁36:第3水路33と第4水路34とを接続した状態
第2切換弁37:第2水路32の第1部分32bと第2部分32cとを接続した状態
循環ポンプ40a:駆動
注水弁41a:閉状態
【0091】
次に、制御装置39は、気体導入弁35aを開状態に切り換えてから、所定時間(例えば、3秒)が経過したか否かを判定する(図6/STEP106)。
【0092】
ここで、その所定時間は、タンク30の容量、タンク30の残存湯水を引き出すための循環ポンプ40aの性能、タンク30への気体の導入速度等に応じて定められたものである。
【0093】
所定時間が経過していないと判定された場合(STEP106でNOの場合)、制御装置39は、所定の制御間隔で同じ判定を繰り返す。
【0094】
一方、所定時間が経過したと判定された場合(STEP106でYESの場合)、制御装置39は、気体導入弁35aを閉状態に切り換える(図6/STEP107)。
【0095】
次に、制御装置39は、第1切換弁36及び第2切換弁37の切り換えを完了して、気泡供給水路7の形成を完了する(図6/STEP108)。
【0096】
なお、この第1切換弁36及び第2切換弁37の切り換えは、気体導入弁35aを閉状態に切り換える前に完了していてもよい。
【0097】
次に、制御装置39は、第1閉止弁31aを開状態に切り換える(図6/STEP109)。
【0098】
次に、制御装置39は、加圧ポンプ31bを駆動する(図6/STEP110)。
【0099】
具体的には、STEP104、STEP107~STEP110の処理によって、制御装置39は、風呂給湯装置1Aの備えている弁及びポンプを以下の状態(図3に示す状態)にする。
【0100】
[給水運転の実行中の状態]
第1閉止弁31a:開状態
加圧ポンプ31b:駆動
気体導入弁35a:閉状態
第1切換弁36:第3水路33と第4水路34とを接続した状態
第2切換弁37:第2水路32の第1部分32bと第2部分32cとを接続した状態
循環ポンプ40a:駆動
注水弁41a:閉状態
【0101】
これにより、図3に示すように、風呂給湯装置1Aの水路は、気泡供給水路7となる。この状態では、タンク30の内部で気体溶解水が生成されるとともに、生成した気体溶解水がタンク30から導出され、ノズル2bを介して浴槽2に供給される。
【0102】
ここで、タンク30に加圧された供給湯水が導入される速度は、タンク30から気体溶解水の導出される速度よりも大きい。その結果、タンク30の内部の水位は、時間の経過とともに上昇していく。
【0103】
次に、制御装置39は、第1水位センサ30bによってタンク30の内部の水位が高水位にまで上昇したか否かを判定する(図6/STEP111)。
【0104】
タンク30の内部の水位が高水位にまで上昇していないと判定された場合(STEP111でNOの場合)、制御装置39は、所定の制御間隔で同じ判定を繰り返す。
【0105】
一方、タンク30の内部の水位が高水位にまで上昇したと判定された場合(STEP111でYESの場合)、制御装置39は、加圧ポンプ31bを停止する(図6/STEP112)。
【0106】
次に、制御装置39は、停止を指示する旨の信号が有ったか否かを判定する(図6/STEP113)。
【0107】
停止を指示する旨の信号が有ったと判定されなかった場合(STEP113でNOの場合)、制御装置39は、STEP100に戻り、再度、給気運転、圧力調整運転及び給水運転を実行する。
【0108】
一方、停止を指示する旨の信号が有ったと判定された場合(STEP113でYESの場合)、制御装置39は、今回の処理を終了する。
【0109】
具体的には、例えば、制御装置39は、少なくとも、第1閉止弁31aを閉状態にすることと、加圧ポンプ31b及び循環ポンプ40aを停止することとによって、タンク30への供給湯水の導入、タンク30からの気体溶解水の導出を停止する。その後、切換制御部39aは、風呂給湯装置1Aの水路を、気泡供給水路7から循環加熱水路8に切り換える。
【0110】
以上説明したように、本実施形態の風呂給湯装置1Aに組み込まれている気泡発生装置3では、給気運転の実行後、給水運転の実行前に、タンク30の内部の圧力を調整する圧力調整運転を実行している。具体的には、一度、気体導入弁35aを開状態にして、所定時間の経過後に閉状態にしている(図6/STEP105~STEP107参照)。
【0111】
これにより、給気運転が完了した後に残存湯水の排出が進んでタンク30の内部の圧力が負圧になってしまったとしても、圧力調整運転を実行することによって、タンク30の内部の圧力は導入された気体の圧力(例えば、大気圧)に近づくことになる。すなわち、給気運転が完了した後に、タンク30の内部の気体の量が少なかったとしても、圧力調整運転を実行することによって、タンク30の内部に気体が補給されることになる。
【0112】
したがって、気泡発生装置3によれば、給気運転の実行後にタンク30の内部の気体の量が少なかった場合には、タンク30の内部に気体が補給されるので、給水運転を実行する際に、タンク30の内部の圧力が負圧になることを防止することができる。
【0113】
なお、気泡発生装置3では、第1切換弁36及び第2切換弁37は、給気運転で用いられる排出水路6を形成する状態(第1の状態)と、給水運転で用いられる気泡供給水路7を形成する状態(第2の状態)とを切り換え可能に構成されている。ただし、この切り換えにはある程度の時間を要する。
【0114】
そこで、気泡発生装置3では、その切り換えの際に(すなわち、切り換えを開始してから完了するまでの間に)、圧力調整運転を実行している。これにより、その切り換えのための時間を有効活用し、今回の給水運転から次回の給水運転までの時間を短くして、浴槽の白濁性を維持しやすくすることができるようになっている。
【0115】
しかし、本発明の気泡発生装置は、このような構成に限定されるものではなく、圧力調整運転は、給気運転の実行後、給水運転の実行前に、実行されるものであればよい。そのため、圧力調整運転は、必ずしも排出水路と気泡供給水路との切り換えとともに実行する必要はなく、その切り換えの前後に独立して行ってもよい。
【0116】
[第2実施形態]
以下、図1図5及び図7を参照して、第2実施形態に係る風呂給湯装置について説明する。
【0117】
なお、本実施形態の風呂給湯装置は、制御装置のタイマの機能、及び、制御装置が実行する処理を除き、第1実施形態の風呂給湯装置1Aと同様の構成を備えている。そのため、以下においては、第1実施形態の説明において図1図5を用いて説明した風呂給湯装置1Aに基づいて説明を行う。また、同一又は対応する構成については、詳細な説明は省略する。
【0118】
[風呂給湯装置の構成]
図1に示すように、制御装置39の有しているタイマ39bは、圧力調整運転の実行開始からの経過時間を測定する。具体的には、タイマ39bは、循環ポンプ40aの駆動が停止されてからの経過時間を測定する。
【0119】
[運転時における動作及び処理]
次に、図2図5及び図7を参照して、本実施形態の風呂給湯装置1Aが給気運転、圧力調整運転及び給水運転の際に行う動作及び処理(気泡生成方法)について説明する。ここで、図7は、本実施形態の風呂給湯装置1Aにおいて、給気運転、圧力調整運転及び給水運転の際に制御装置39が実行する制御を示すフローチャートである。
【0120】
図7に示すように、本実施形態の風呂給湯装置1Aでは、タンク30に残存していた残存湯水を排出するとともに、タンク30に気体を導入する給気運転(図7/STEP200~STEP202)と、タンク30に供給湯水を導入しつつ、導入された供給湯水に給気運転で導入された気体を溶解させて気体溶解水を生成するとともに、生成された気体溶解水を浴槽2に導出する給水運転(図7/STEP203、STEP207~STEP211)とを実行可能に構成されている。
【0121】
また、本実施形態の風呂給湯装置1Aでは、給気運転の実行直後(厳密には、給気運転におけるタンク30への気体の導入の完了直後)に、タンク30の内部の圧力を調整する圧力調整運転(図7/STEP204~STEP206)を実行可能に構成されている。
【0122】
具体的には、まず、本実施形態の風呂給湯装置1Aでは、給気運転の開始までの処理(図7/STEP200~STEP201)として、第1実施形態の風呂給湯装置1Aと同様の処理(図6/STEP100~STEP101参照)が実行される。このとき、各状態において、風呂給湯装置1Bの備えている弁及びポンプは、以下の状態になっている。
【0123】
[給気運転の開始前の状態]
第1閉止弁31a:閉状態
加圧ポンプ31b:停止
気体導入弁35a:閉状態
第1切換弁36:第1水路31と第4水路34とを接続した状態
第2切換弁37:第2水路32の第2部分32cと第3水路33とを接続した状態
循環ポンプ40a:駆動
注水弁41a:閉状態
【0124】
[給気運転の実行中の状態]
第1閉止弁31a:閉状態
加圧ポンプ31b:停止
気体導入弁35a:開状態
第1切換弁36:第1水路31と第4水路34とを接続した状態
第2切換弁37:第2水路32の第1部分32bと第3水路33とを接続した状態
循環ポンプ40a:駆動
注水弁41a:閉状態
【0125】
これにより、図2に示すように、風呂給湯装置1Aの水路は、排出水路6となる。この状態では、タンク30の内部に残存している残存湯水(すなわち、生成された気体溶解水又は導入された供給湯水)が、浴槽2に排出される。その結果、タンク30の水位は、時間の経過とともに下降していく。
【0126】
次に、制御装置39は、第2水位センサ30cによってタンク30の内部の水位が低水位にまで下降したか否かを判定する(図7/STEP202)。
【0127】
タンク30の内部の水位が低水位にまで下降していないと判定された場合(STEP202でNOの場合)、制御装置39は、所定の制御間隔で同じ判定を繰り返す。
【0128】
一方、タンク30の内部の水位が低水位にまで下降したと判定された場合(STEP202でYESの場合)、制御装置39は、給水運転の実行のために、第1切換弁36及び第2切換弁37を切り換えて気泡供給水路7の形成を開始する(図7/STEP203)。
【0129】
このとき、第1切換弁36及び第2切換弁37は、給気運転で、排出水路6を介して、タンク30に残存している残存湯水が排出される第1の状態から、給水運転で、第1水路31を介して、タンク30に供給湯水が導入される第2の状態へと切り換えが開始される。しかし、その切り換えが完了するまでにはある程度の時間が必要となる。そこで、風呂給湯装置1Aでは、その切り換えのための時間の間に、圧力調整運転を実行している。
【0130】
その圧力調整運転を実行するために、制御装置39は、循環ポンプ40aを停止する(図7/STEP204)。
【0131】
すなわち、第1実施形態における処理とは異なり、気体導入弁35aを閉状態にすることなく開状態で維持したまま、循環ポンプ40aを停止する。このSTEP204の処理によって、制御装置39は、風呂給湯装置1Aの備えている弁及びポンプを以下の状態(図5に示す状態)にする。
【0132】
[圧力調整運転の実行中の状態]
第1閉止弁31a:閉状態
加圧ポンプ31b:停止
気体導入弁35a:開状態
第1切換弁36:第3水路33と第4水路34とを接続した状態
第2切換弁37:第2水路32の第1部分32bと第2部分32cとを接続した状態
循環ポンプ40a:停止
注水弁41a:閉状態
【0133】
次に、制御装置39は、循環ポンプ40aを停止してから、所定時間(例えば、3秒)が経過したか否かを判定する(図7/STEP205)。
【0134】
ここで、その所定時間は、タンク30の容量、タンク30への気体の導入速度等に応じて定められたものである。
【0135】
所定時間が経過していないと判定された場合(STEP205でNOの場合)、制御装置39は、所定の制御間隔で同じ判定を繰り返す。
【0136】
一方、所定時間が経過したと判定された場合(STEP205でYESの場合)、制御装置39は、気体導入弁35aを閉状態に切り換える(図7/STEP206)。
【0137】
次に、制御装置39は、第1切換弁36及び第2切換弁37の切り換えを完了して、気泡供給水路7の形成を完了する(図7/STEP207)。
【0138】
なお、この第1切換弁36及び第2切換弁37の切り換えは、気体導入弁35aを閉状態に切り換える前に完了していてもよい。
【0139】
次に、制御装置39は、第1閉止弁31aを開状態に切り換える(図7/STEP208)。
【0140】
次に、制御装置39は、加圧ポンプ31b及び循環ポンプ40aを駆動する(図7/STEP209)。
【0141】
具体的には、STEP203、STEP206~STEP209の処理によって、制御装置39は、風呂給湯装置1Aの備えている弁及びポンプを以下の状態(図3に示す状態)にする。
【0142】
[給水運転の実行中の状態]
第1閉止弁31a:開状態
加圧ポンプ31b:駆動
気体導入弁35a:閉状態
第1切換弁36:第3水路33と第4水路34とを接続した状態
第2切換弁37:第2水路32の第1部分32bと第2部分32cとを接続した状態
循環ポンプ40a:駆動
注水弁41a:閉状態
【0143】
これにより、図3に示すように、風呂給湯装置1Aの水路は、気泡供給水路7となる。この状態では、タンク30の内部で気体溶解水が生成されるとともに、生成した気体溶解水がタンク30から導出され、ノズル2bを介して浴槽2に供給される。
【0144】
ここで、タンク30に加圧された供給湯水が導入される速度は、タンク30から気体溶解水の導出される速度よりも大きい。その結果、タンク30の内部の水位は、時間の経過とともに上昇していく。
【0145】
次に、制御装置39は、第1水位センサ30bによってタンク30の内部の水位が高水位にまで上昇したか否かを判定する(図7/STEP210)。
【0146】
タンク30の内部の水位が高水位にまで上昇していないと判定された場合(STEP210でNOの場合)、制御装置39は、所定の制御間隔で同じ判定を繰り返す。
【0147】
一方、タンク30の内部の水位が高水位にまで上昇したと判定された場合(STEP210でYESの場合)、制御装置39は、加圧ポンプ31bを停止する(図7/STEP211)。
【0148】
次に、本実施形態の風呂給湯装置1Aでは、給水運転の継続を判断する処理(図7/STEP211~STEP212)として、第1実施形態の風呂給湯装置1Aと同様の処理(図6/STEP112~STEP113参照)が実行される。
【0149】
以上説明したように、本実施形態の風呂給湯装置1Aに組み込まれている気泡発生装置3では、給気運転の実行直後に(すなわち、給気運転と連続して)、タンク30の内部の圧力を調整する圧力調整運転を実行している。具体的には、残存湯水の排出を行う循環ポンプ40aを停止した後、所定時間、気体導入弁35aを開状態で維持している。
【0150】
これにより、給気運転が完了した後に、タンク30の内部に残存湯水が存在していたとしても、その残存湯水の量が変化しない状態になってから、気体の導入が停止される。すなわち、タンク30が密閉されてから内容物の量が変化することが防止されている。
【0151】
したがって、気泡発生装置3によれば、タンク30が密閉されてからその内容物の量が変化することが防止されているので、給水運転を実行する際に、タンク30の内部の圧力が負圧になることを防止することができる。
【0152】
[第3実施形態]
以下、図8及び図9を参照して、第3実施形態に係る風呂給湯装置1Bについて説明する。
【0153】
なお、本実施形態の風呂給湯装置1Bは、第1実施形態及び第2実施形態の風呂給湯装置1Aにおける第2水路32の第1部分32bに、逆止弁32a(図1図5参照)に代わり、電磁弁である第2閉止弁32dを備えていることを除き、第1実施形態及び第2実施形態の風呂給湯装置1Aと同様の構成を備えている。そのため、以下の説明においては、同一又は対応する構成については、同一の符号を付すとともに、詳細な説明は省略する。
【0154】
[風呂給湯装置の構成]
図8に示すように、第2水路32は、一方の端部で、タンク30の下流端に接続されており、他方の端部で、浴槽2に接続されている。第2水路32には、一方の端部側から順に、第1部分32b(すなわち、排出水路6)を開閉するための電磁弁である第2閉止弁32dと、第2切換弁37とが介装されている。
【0155】
また、制御装置39の有しているタイマ39bは、圧力調整運転の実行開始からの経過時間を測定する。具体的には、タイマ39bは、第2閉止弁32dが閉状態になってからの経過時間を測定する。
【0156】
[運転時における動作及び処理]
次に、図8及び図9を参照して、風呂給湯装置1Bが給気運転、圧力調整運転及び給水運転の際に行う動作及び処理(気泡生成方法)について説明する。ここで、図9は、風呂給湯装置1Bにおいて、給気運転、圧力調整運転及び給水運転の際に制御装置39が実行する制御を示すフローチャートである。
【0157】
図9に示すように、風呂給湯装置1Bでは、タンク30に残存していた残存湯水を排出するとともに、タンク30に気体を導入する給気運転(図9/STEP300~STEP302)と、タンク30に供給湯水を導入しつつ、導入された供給湯水に給気運転で導入された気体を溶解させて気体溶解水を生成するとともに、生成された気体溶解水を浴槽2に導出する給水運転(図9/STEP303、STEP308~STEP313)とを実行可能に構成されている。
【0158】
ところで、図8に示すように、風呂給湯装置1Bは、第2実施形態の風呂給湯装置1Aの逆止弁32aに代わり、電磁弁である第2閉止弁32dを備えている。風呂給湯装置1Bは、その第2閉止弁32dを切り換えることによって(図9/STEP305、STEP310)、タンク30の内部の圧力を調整する圧力調整運転(図9/STEP304~STEP307)を実行可能に構成されている。
【0159】
具体的には、まず、風呂給湯装置1Bでは、給気運転の開始及び終了、並びに、圧力調整運転の開始までの処理(図9/STEP300~STEP304)として、第2実施形態の風呂給湯装置1Aと同様の処理(図7/STEP200~STEP204参照)が実行される。このとき、各状態において、風呂給湯装置1Bの備えている弁及びポンプは、以下の状態になっている。
【0160】
[給気運転の開始前の状態]
第1閉止弁31a:閉状態
第2閉止弁32d:閉状態
加圧ポンプ31b:停止
気体導入弁35a:閉状態
第1切換弁36:第1水路31と第4水路34とを接続した状態
第2切換弁37:第2水路32の第2部分32cと第3水路33とを接続した状態
循環ポンプ40a:駆動
注水弁41a:閉状態
【0161】
[給気運転の実行中の状態]
第1閉止弁31a:閉状態
第2閉止弁32d:開状態
加圧ポンプ31b:停止
気体導入弁35a:開状態
第1切換弁36:第1水路31と第4水路34とを接続した状態
第2切換弁37:第2水路32の第1部分32bと第3水路33とを接続した状態
循環ポンプ40a:駆動
注水弁41a:閉状態
【0162】
次に、風呂給湯装置1Bでは、制御装置39は、第2閉止弁32dを閉状態にする(図9/STEP305)。
【0163】
すなわち、第2実施形態における処理とは異なり、気体導入弁35aを閉状態にすることなく開状態で維持したまま、第2閉止弁32dを閉状態にし、循環ポンプ40aを停止する。このSTEP304~STEP305の処理によって、制御装置39は、風呂給湯装置1Bの備えている弁及びポンプを以下の状態にする。
【0164】
[圧力調整運転の実行中の状態]
第1閉止弁31a:閉状態
第2閉止弁32d:閉状態
加圧ポンプ31b:停止
気体導入弁35a:開状態
第1切換弁36:第3水路33と第4水路34とを接続した状態
第2切換弁37:第2水路32の第1部分32bと第2部分32cとを接続した状態
循環ポンプ40a:停止
注水弁41a:閉状態
【0165】
次に、風呂給湯装置1Bでは、タンク30の内部における圧力の調整及び給水運転の実行準備の処理(図9/STEP306~STEP309)として、第2実施形態の風呂給湯装置1Aと同様の処理(図7/STEP205~STEP208参照)が実行される。
【0166】
次に、制御装置39は、第2閉止弁32dを開状態に切り換える(図9/STEP310)。
【0167】
次に、制御装置39は、加圧ポンプ31b及び循環ポンプ40aを駆動する(図9/STEP311)。
【0168】
具体的には、STEP303、STEP307~STEP311の処理によって、制御装置39は、風呂給湯装置1Bの備えている弁及びポンプを以下の状態にする。
【0169】
[給水運転の実行中の状態]
第1閉止弁31a:開状態
第2閉止弁32d:開状態
加圧ポンプ31b:駆動
気体導入弁35a:閉状態
第1切換弁36:第3水路33と第4水路34とを接続した状態
第2切換弁37:第2水路32の第1部分32bと第2部分32cとを接続した状態
循環ポンプ40a:駆動
注水弁41a:閉状態
【0170】
次に、風呂給湯装置1Bでは、給水運転の開始及び実行、並びに、その継続を判断する処理(図9/STEP311~STEP314)として、第2実施形態の風呂給湯装置1Aと同様の処理(図7/STEP209~STEP212参照)が実行される。
【0171】
以上説明したように、本実施形態の風呂給湯装置1Bに組み込まれている気泡発生装置3では、給気運転の実行直後に(すなわち、給気運転と連続して)、タンク30の内部の圧力を調整する圧力調整運転を実行している。具体的には、残存湯水の排出を制限する第2閉止弁32dを閉状態にした後、所定時間、気体導入弁を開状態で維持している。
【0172】
これにより、給気運転が完了した後に、タンク30の内部に残存湯水が存在していたとしても、その残存湯水の量が変化しない状態になってから、気体の導入が停止される。すなわち、タンク30が密閉されてから内容物の量が変化することが防止されている。
【0173】
したがって、気泡発生装置3によれば、タンク30が密閉されてからその内容物の量が変化することが防止されているので、給水運転を実行する際に、タンク30の内部の圧力が負圧になることを防止することができる。
【0174】
なお、風呂給湯装置1Bにおいては、第2閉止弁32dの開閉(図9/STEP305、STEP310)とともに、循環ポンプ40aの停止及び駆動(図9/STEP306、STEP311)が実行されている。しかし、循環ポンプ40aを停止させずに、駆動状態を維持するようにしてもよい。
【0175】
[その他の実施形態]
以上、図示の実施形態について説明したが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。
【0176】
例えば、上記実施形態においては、タンク30から残存湯水を排出水路6へ送る第2のポンプとして、熱源機4の備えている循環ポンプ40aを利用している。しかし、本発明の循環ポンプは、必ずしも熱源機に配置されているものを利用しなくてもよく、独立したポンプを採用してもよい。
【0177】
例えば、上記実施形態における風呂給湯装置1A及び風呂給湯装置1Bにおいて、第1水路31に介装されている加圧ポンプ31bを、同じく第1水路31に介装されている第1閉止弁31aよりも第1切換弁36側に配置して、その加圧ポンプ31bを、本発明における第2のポンプとして利用してもよい。
【符号の説明】
【0178】
1A,1B…風呂給湯装置、2…浴槽、2a…アダプタ、2b…ノズル、3…気泡発生装置、4…熱源機、6…排出水路、7…気泡供給水路、8…循環加熱水路、5…水供給源、30…タンク、30a…噴射ノズル、30b…第1水位センサ、30c…第2水位センサ、31…第1水路(湯水導入路)、31a…第1閉止弁(湯水導入弁)、31b…加圧ポンプ(第1のポンプ)、32…第2水路、32a…逆止弁、32b…第1部分、32c…第2部分(湯水導出路)、32d…第2閉止弁、33…第3水路、34…第4水路、35…気体導入路、35a…気体導入弁、36…第1切換弁、37…第2切換弁、38…切換装置、39…制御装置、39a…切換制御部、39b…タイマ、39c…ポンプ制御部、40…循環水路、40a…循環ポンプ(第2のポンプ)、40b…第1熱源部、41…注水路、41a…注水弁、41b…第2熱源部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9