IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ドルコ・カンパニー・リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-16
(45)【発行日】2023-08-24
(54)【発明の名称】カミソリ
(51)【国際特許分類】
   B26B 21/14 20060101AFI20230817BHJP
   B26B 21/22 20060101ALI20230817BHJP
   B26B 21/40 20060101ALI20230817BHJP
【FI】
B26B21/14 A
B26B21/22 Z
B26B21/40 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019106388
(22)【出願日】2019-06-06
(65)【公開番号】P2019209150
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2022-05-31
(31)【優先権主張番号】10-2018-0065428
(32)【優先日】2018-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】505116747
【氏名又は名称】ドルコ・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Dorco Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヨン ホ パク
(72)【発明者】
【氏名】ジェ ジョーン リー
(72)【発明者】
【氏名】スン ヒー ソン
【審査官】城野 祐希
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-506896(JP,A)
【文献】米国特許第01298802(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 21/14
B26B 21/22
B26B 21/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーによって把持されるハンドルと、
前記ハンドルの端部と結合し、一つ以上のブレードを収容するブレードハウジングと、
前記ハンドルに装着されて動力を生成する動力生成部と、
前記動力生成部で生成された動力によって駆動する駆動伝達部と、
前記一つ以上のブレードのうちの最前方ブレードの前方に配置され、前記駆動伝達部の駆動によって前記最前方ブレードに近づくように、または、遠ざかるように摺動によって揺動する揺動部材と、を含み、
前記揺動部材は、前記摺動で前記揺動部材と前記一つ以上のブレードのうちの前記最前方ブレードとの間の空間に流入した体毛を前記最前方ブレードに近づくように押し込むように構成される、カミソリ。
【請求項2】
前記揺動部材の前方に形成されたガードをさらに含み、
前記揺動部材は前記ガードと前記一つ以上のブレードのうちの前記最前方ブレードとの間の空間で移動する請求項1に記載のカミソリ。
【請求項3】
前記揺動部材は、
前記最前方ブレードに隣接し、前記ブレードに近づくように、または、遠ざかるように摺動するガードバーと、
前記ガードバーと前記駆動伝達部との間に備えられ、前記駆動伝達部の回転に応じて前記ガードバーを線形運動させる摺動バーと、を含む請求項に記載のカミソリ。
【請求項4】
前記ガードバーは、前記ブレードと対面する第1の面を有し、前記第1の面は斜めに形成される請求項に記載のカミソリ。
【請求項5】
前記ガードバーの少なくとも一端には突起部が形成され、
前記ブレードハウジングには、前記突起部に対応するレール部が形成され、
前記突起部が前記レール部に沿って移動することで、前記ガードバーが前記ブレードハウジングにて線形運動する請求項に記載のカミソリ。
【請求項6】
前記摺動バーの底面には、前記駆動伝達部が収容され、前記駆動伝達部が回転するための回動締結空間が形成される請求項に記載のカミソリ。
【請求項7】
前記駆動伝達部は、
偏心カムボディと、
前記偏心カムボディの一端に備えられ、外面の全体または一部が曲面で形成され、前記回動締結空間に収容される偏心カムヘッドと、を含む請求項に記載のカミソリ。
【請求項8】
前記ブレードハウジングと前記ハンドルをつなぎ、前記駆動伝達部が安着され、前記ブレードハウジングがピボットを行うことができるようにピボット軸を提供するカートリッジコネクタをさらに含む請求項1に記載のカミソリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カミソリに関し、より詳しくは、体毛の切断時に体毛をブレード側に押し込んで体毛のカット面が滑らかな切断を容易にするカミソリに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、カミソリは、ユーザーが手で握って使用するハンドル、身体の体毛を切断するカートリッジで構成する。
【0003】
特許文献1には、カートリッジ30が切断方向に往復運動をして体毛の切断効率を増大させる技術が開示されている。
【0004】
具体的には、特許文献1によるカミソリ50は、カミソリカートリッジ30に偏心カムによる上下往復移動(X方向)に振動力を提供し、二つの真空ガード33、34をヘッド部ハウジング210、212の位置に備えることで、圧縮/膨張運動を提供して体毛を切断させる経済的で便利なカミソリである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】韓国登録特許第1068271号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、体毛を切断するブレードが装着されたカミソリにおいて、切断するためにブレードに流入する体毛を切断が容易になるようにブレード側に押し込み、体毛の切断時に体毛が引っ張られながら切断されることを防止し、体毛のシェービング時に、皮膚のひりひり感や引き攣りのようなユーザーの不快感が発生することを低減するカミソリを提供することにある。
【0007】
本発明の課題は、以上で言及した課題に制限されず、取り上げていないまた別の課題は、以下の記載から当業者に明確に理解できるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための本発明の実施例に係るカミソリは、ユーザーによって把持されるハンドルと、前記ハンドルに装着されて動力を生成する動力生成部と、前記動力生成部で生成された動力によって駆動する駆動伝達部と、一つ以上のブレードを収容し、前記ハンドルの端部と結合するブレードハウジングと、前記一つ以上のブレードのうちの最前方ブレードの前方に配置され、前記駆動伝達部の駆動によって前記一つ以上のブレードに近づくように、または、遠ざかるように揺動する揺動部材と、を含む。
【0009】
また、カミソリは前記揺動部材の前方に形成されたガードをさらに含み、前記揺動部材は前記ガードと前記一つ以上のブレードのうちの前記最前方ブレードとの間の空間にて移動する。
【0010】
また、前記揺動部材は、前記一つ以上のブレードのうちの前記最前方ブレードの前方で摺動によって揺動する。
【0011】
また、前記揺動部材の摺動で前記揺動部材と前記一つ以上のブレードのうちの前記最前方ブレードとの間の空間に流入した体毛を前記最前方ブレードに近づくように押し込む。
【0012】
また、前記揺動部材は、前記最前方ブレードに隣接して前記ブレードに近づくように、または、遠ざかるように摺動するガードバーと、前記ガードバーと駆動伝達部との間に備えられ、前記駆動伝達部の回転によって前記ガードバーを線形運動させる摺動バーと、を含む。
【0013】
また、前記ガードバーは、前記ブレードと対面する第1の面を有し、前記第1の面は斜めに形成される。
【0014】
また、前記ガードバーの少なくとも一端には突起部が形成され、前記ブレードハウジングには、前記突起部に対応するレール部が形成され、前記突起部が前記レール部に沿って移動することで、前記ガードバーが前記ブレードハウジングで線形運動する。
【0015】
また、前記摺動バーの底面には、前記駆動伝達部が収容され、前記駆動伝達部の回転のための回動締結空間が形成される。
【0016】
また、前記駆動伝達部は、偏心カムボディと、前記偏心カムボディの一端に備えられ、外面の全体または一部が曲面で形成され、前記回動締結空間に収容される偏心カムヘッドと、を含む。
【0017】
また、カミソリは、前記ブレードハウジングと前記ハンドルをつなぎ、前記駆動伝達部が安着され、前記ブレードハウジングがピボットできるように、ピボット軸を提供するカートリッジコネクタをさらに含む。
【0018】
本発明の他の具体的な事項は詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0019】
本発明の実施例に係ると、少なくとも次のような効果がある。
【0020】
カミソリを使用して体毛を切断するとき、揺動部材の揺動でブレードに流入する体毛をブレードに近づくように押し込み、体毛の切断時に体毛の切断断面を減少させ、体毛がブレード側に連れて行かれ、ブレードによって引っ張られることを防ぎ、肌の引き攣りを制限し、剃毛時や後でユーザーに発生するひりひり感や不快感を最小限に抑えることができる利点がある。
【0021】
本発明による効果は、以上で例示された内容によって制限されず、更に様々な効果が本明細書中に開示される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施例に係るハンドルを含むカミソリの概略的な斜視図である。
図2a】本発明の一実施例に係るコネクタを除くカミソリの一方向の斜視図である。
図2b】本発明の一実施例に係るコネクタを除くカミソリの他方向の斜視図である。
図3a】本発明の一実施例に係るカミソリの一方向の分離斜視図である。
図3b】本発明の一実施例に係るカミソリの他方向の分離斜視図である。
図4】本発明の一実施例に係るカミソリの概略的な断面図を示す図である。
図5a】本発明の一実施例に係るカミソリにて、ブレードハウジングに収容された揺動部材が最前段ブレードに最も近く位置した状態を概略的に示す斜視図である。
図5b】本発明の一実施例に係るカミソリにて、ブレードハウジングに収容された揺動部材が最前段ブレードから最も遠く位置した状態を概略的に示す斜視図である。
図6】本発明の一実施例に係るカミソリにて、ブレードハウジングに収容された揺動部材を下面方向から概略的に示す斜視図である。
図7】本発明の一実施例に係るカミソリにて、揺動部材とブレード、そして駆動伝達部が結合した状態を概略的に示す斜視図である。
図8】本発明の一実施例に係るカミソリにおける揺動部材の断面図である。
図9a】従来のカミソリにて体毛を切断する駆動状態を示す図である。
図9b】従来のカミソリにて体毛を切断する駆動状態を示す図である。
図10a】本発明の一実施例に係るカミソリでの体毛切断の駆動状態を示す図である。
図10b】本発明の一実施例に係るカミソリでの体毛切断の駆動状態を示す図である。
図10c】本発明の一実施例に係るカミソリでの体毛切断の駆動状態を示す図である。
図11a】従来のカミソリによって切断された体毛の概略的な断面図である。
図11b】本発明の一実施例に係るカミソリを用いて切断された体毛の概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の様々な実施例が添付された図面を参照して述べる。
【0024】
しかし、これは本発明を特定の実施例について限定するものではなく、本発明の実施例の様々な変更(modification)、均等物(equivalent)、および/または代替(alternative)を含むものと理解すべきである。図面の説明に関連し、同様の構成要素については同様の参照符号を使用する。
【0025】
本明細書では、「有する」、「有し得る」、「含む」または「含み得る」などの表現は、その特徴(例えば、数値、機能、動作、または部品などの構成要素)の存在を指し、付加的な特徴の存在を排除しない。
【0026】
本明細書で使用する用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたものであり、他の実施例の範囲を限定しようとする意図はない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味がない限り、複数の表現を含む。技術的または科学的な用語を含めてここで使用するすべての用語は、本開示の技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解するのと同じ意味を有する。一般的に使用する辞典定義の用語は、関連技術の文脈上有する意味と同一又は類似の意味を有するものと解釈することができ、この文書で明らかに定義されない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。場合によって、本明細書で定義された用語であっても、本開示の実施例を排除するように解釈されない。
【0027】
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施例に係るカミソリを詳しく説明する。
【0028】
図1は、本発明の一実施例に係るハンドルを含むカミソリの概略的な斜視図である。図2aは、本発明の一実施例に係るコネクタを除くカミソリの一方向斜視図である。図2bは、本発明の一実施例に係るコネクタを除くカミソリの他方向の斜視図である。図3aは、本発明の一実施例に係るカミソリ1の一方向の分離斜視図である。図3bは、本発明の一実施例に係るカミソリ1の他方向の分離斜視図である。
【0029】
図1ないし図3bを参照すると、本発明の一実施例に係るカミソリ1は、ハンドル20と、ブレードハウジング11を有するカートリッジ10と、動力生成部32及び駆動伝達部31を有する動力部30と、揺動部材14と、カートリッジコネクタ40と、を含む。まず、以下で、本発明の一実施例に係るカミソリ1の説明の際に、本発明の説明の便宜のために、カートリッジ10の左右方向は長手方向またはX軸方向とX軸の反対方向、上下方向は幅方向またはY軸方向及びY軸の反対方向、前後方向はZ軸方向及びZ軸の反対方向と言う、または、定義する。しかし、前記定義のX、Y、Z軸は本発明についての説明の便宜のためであり、本発明の権利範囲を制限するものではない。
【0030】
本発明の一実施例に係るカートリッジ10は、ユーザーの皮膚と接触して体毛を切断するための構成要素を含む構成である。例えば、カートリッジ10は、体毛を切断するブレード12、ブレード12を支持するブレードハウジング11、潤滑バンド13、及びガード17などを含むことはもちろん、本発明の一実施例のように、切断時に体毛を、ブレード12に近づくように押し込むための揺動部材14を含む。
【0031】
一実施例に係るブレードハウジング11は、カートリッジ10の一つの構成要素として、体毛を切断する複数のブレード(12aないし12e、以下で12とも記す)、揺動部材14、潤滑バンド13などを実装し、肌側と接触する面を有する構成である。ブレードハウジング11には、複数のブレード12と揺動部材14などを収容できる安着空間11Sを形成する。複数のブレード12と揺動部材14は、ブレードハウジング11の安着空間11Sに収容し、長さ方向、すなわち、X軸方向に長く実装し、Y軸方向に互いに隣接して配置する。ブレードハウジング11の左右側面には、複数のブレード12を安着空間11Sに収容した状態で支持固定する一対のクリップ15を実装する。本発明の一実施例で、複数のブレード12をブレードハウジング11に固定するための構成として固定クリップ15を例に挙げたが、固定クリップ15以外の他の形態の固定装置を用いてもよい。
【0032】
複数のブレード12は、互いがそれぞれ平行であり、複数のブレード12のエッジ(Edge)部分が、ブレードハウジング11の前方、すなわちZ軸方向に対してY軸の反対方向に一定の角度で曲がっている。ただし、複数のブレード12のエッジ方向は、これに限定されず、例えば、複数のブレード12は、鋼帯刃または平刃などで備えられてもよい。また、図面に5つのブレードを図示したが、複数のブレード12の個数は、これに限定されない。
【0033】
また、ブレードハウジング11において複数のブレード12を中心に、ブレード12のY軸方向に上、下の部分にはガード17、潤滑バンド13、コームガード、ガードラバーなどが備えられ、複数のブレード12にて、最前段ブレード12a(最前方ブレード12aとも言う)に隣接した揺動部材14が備えられる。すなわち、本発明の一実施例に係るカミソリ1には、ブレード12とガード17との間に形成された安着空間11Sに揺動部材14が実装される。揺動部材14については、図4ないし図10を参照して具体的に説明できる。トリマー18は、ブレードハウジング11の他一面に備えられる。トリマー18は、別途の締結構造を介してブレードハウジング11に固定され、接着部材のような固定部材を介してブレードハウジング11に固定される。
【0034】
潤滑バンド13は、剃毛の過程でブレードハウジング11と接する皮膚に潤滑成分と肌鎮静成分を供給してブレードハウジング11が、肌面に密着した状態で滑らかに進行するようにすると同時に、皮膚を落ち着かせる役割を有する。そして、潤滑バンド13の位置に、潤滑バンド13でなく、弾性素材からなるガードラバーを備えてもよい。
【0035】
ガード17は、弾性部材やプラスチックのような材質からなり、ガード17は、ブレードハウジング11の前方または後方に付着したり結合するのが一般的であるが、これに限らず、ブレードハウジング11がガード17の部分に一体的に形成することもできる。ガード17は、コームガードで形成するか、ガードラバーで形成してもよく、ガード17のZ軸方向に前方部分にコームガードやガードラバーが追加的に装着される構造を有してもよい。後述するが、揺動部材14は、ガード17と隣接するように配置して備えられる。
【0036】
上で述べた、ガード17、トリマー18、ガードラバー、潤滑バンド13及びコームガードなどの構成は、上記の説明に限定されるものではない。例えば、潤滑バンド13、ガードラバーおよびコームガードは、ブレードハウジング11の上方または下方のどちらにも配置することができ、互いに入れ子にして配置してもよく、これとは異なって、ブレードハウジング11に配置しなくてもよい。すなわち、潤滑バンド13、ガードラバー、コームガード、トリマー18などの構成は、カミソリ1の種類、形状、使い道などによりいくらでも変更や変形が可能である。
【0037】
一実施例に係るハンドル20は、カートリッジ10の一面に結合することができ、ユーザーが手でつかんで把持できる部分である。一般的に、カミソリを使用している環境は、ほとんど湿った環境で使用され、ハンドル20は、湿気と多く接触しても腐食が容易に発生せず、ユーザーに安定したグリップ感を提供する材料、例えば合成ゴム、プラスチックなどで製造することが望ましいが、ハンドル20の材質はいくらでも変形や変更が可能である。
【0038】
一実施例に係るカートリッジコネクタ40は、カートリッジ10とハンドル20との間に備えられ、ハンドル20とカートリッジ10をつなぐように備えられる。カートリッジコネクタ40は、カートリッジコネクタ40の両側面に形成されたボス41をつなぐことで形成されるピボット軸PAを提供できる。カートリッジコネクタ40の内側空間に後述する動力部30の駆動伝達部31が安着する。駆動伝達部31は、カートリッジコネクタ40によってカバーされ、駆動伝達部31が外部にさらされるのを制限する。
【0039】
図4は、本発明の一実施例に係るカミソリ1の概略的な断面図を示す図である。
【0040】
図1ないし図3bはもちろん図4も一緒に参照すると、一実施例に係る動力部30は、ハンドル20の内部に備えられ、カートリッジ10は、具体的に後述する揺動部材14に駆動力を伝達するように備えられる。動力部30の駆動に応じて揺動部材14は、ブレード12側に近づいたり遠ざかる方向に摺動しながら揺動する。
【0041】
一実施例に係る動力部30は、ハンドル20の内部に安着し、後述する揺動部材14を駆動するための動力を伝達するように備えられる。動力部30は、動力生成部32及び駆動伝達部31を含む。
【0042】
一実施例に係る動力生成部32は、ハンドル20に装着され、揺動部材14を駆動させるための動力を生成するように備えられる。本発明の一実施例では、動力生成部32は、モータを例に挙げて説明する。しかし、動力生成部32は、回転運動をするモータ以外にも線形運動をするソレノイドなどの反復的な動きを生成できるさまざまなデバイスを含むことができ、揺動部材14を駆動するように駆動力を提供する構成であれば、いくらでも変形や変更が可能である。動力生成部32の一端には、モータの回転を駆動伝達部31に伝達する回転軸Aを形成するシャフト321が備えられる。モータは、外部電力の供給を受け、モータのシャフト321を回転させるように備えられる。シャフト321の回転軸Aは、モータの中心軸と同一である。
【0043】
一実施例に係る駆動伝達部31は、動力生成部32の一端で回転または/および線形的に駆動するように突出して備えられ、動力生成部32から生成された動力を揺動部材14に伝達するように備えられる。
【0044】
本発明の一実施例にて、駆動伝達部31は、動力生成部32から受けた動力で回転し、回転軸Aが偏心的に形成するよう備えられる。これにより、駆動伝達部31は、動力生成部32から渡された回転および/または線形運動などによる動力を後述する揺動部材14に伝達し、揺動部材14が線形運動できるように備えられる。本発明の一実施例にて、駆動伝達部31が偏心することで、これにつながって駆動する揺動部材14が線形運動する構造を有することを例に挙げて説明するが、これに限定されるものではない。つまり、動力生成部32の駆動力の伝達を受け、揺動部材14をブレード12に近づけるか遠ざかる方向に線形運動するような構造であれば、駆動伝達部31は、偏心構造以外にも様々な変形や変更された構造を含むことができる。
【0045】
駆動伝達部31は、上述したように偏心した構造を有し、例えば、偏心カムの形状を有する。駆動伝達部31は、偏心カムヘッド311及び偏心カムボディ313を含み、偏心カムヘッド311と偏心カムボディ313をつなぐ偏心カムネック312を含む。
【0046】
偏心カムヘッド311は、動力生成部32、具体的にはモータから渡された動力で回転し、偏心カムヘッド311の中心軸ESは、モータ、具体的にはシャフト321の回転軸Aから所定間隔で離間して平行するように偏心が備えられる。偏心カムヘッド311の中心軸ESが、シャフト321の回転軸Aから所定の距離離れた偏心を有するように形成することによって偏心カムヘッド311が回転すると、偏心カムヘッド311は、後述する揺動部材14を線形運動させるように備えられる。また、本発明の一実施例では、偏心カムヘッド311の中心軸と回転軸Aの距離の差に応じて揺動部材14の線形運動の振幅を変えることができる。偏心カムヘッド311の一端は、偏心カムボディ313につながるように備えられ、偏心カムヘッド311の他一端は後述する揺動部材14、具体的に揺動部材14のうちの摺動バー142に接触するように備えられる。一実施例で、偏心カムヘッド311は、所定の曲率を有する球状に形成する。本発明の一実施例で、偏心カムヘッド311は、全体が一定の曲率を有する球状を有することを例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、偏心カムヘッド311が半球状に形成され、半球状の一端は、偏心カムボディ313につながるように備えられ、半球状の部分は、摺動バー142と接触するよう備えられる。このように、偏心カムヘッド311の形状は、摺動バー142と接触して摺動バー142を駆動するように、すなわち、揺動部材14を線形に移動させられるような形状であれば、偏心カムヘッド311の形状は、いくらでも変形や変更が可能である。
【0047】
偏心カムボディ313は、動力生成部32、具体的にモータの一端から突出したシャフト321につながれ、動力生成部32から伝達された動力を偏心カムヘッド311に伝達して偏心カムヘッド311を回転させるように備えられる。偏心カムボディ313の中心軸は、動力生成部32、具体的には、シャフト321の回転軸Aと一致するように備えられる。
【0048】
偏心カムネック312は、偏心カムボディ313と偏心カムヘッド311をつなぐように備えられる。一実施例では、偏心カムネック312は、偏心カムボディ313の一側につながれ、偏心カムボディ313にて偏心的につながる。すなわち、偏心カムネック312の中心軸EAは、偏心カムボディ313の回転軸Aから所定の距離で離間するように形成する。これにより、動力生成部32の駆動によって偏心カムネック312は、シャフト321の回転軸Aを中心に偏心回転する。
【0049】
本発明の一実施例にて、偏心カムボディ313と偏心カムヘッド311は、偏心カムネック312につながる構造を例に挙げて説明したが、偏心カムネック312を備えないで、偏心カムヘッド311と偏心カムボディ313が直接つながることもできるなど、様々な変形や変更が可能である。
【0050】
図5aは、本発明の一実施例に係るカミソリ1にて、ブレードハウジング11に収容された揺動部材14が最前段ブレードに最も近く位置した状態を概略的に示す斜視図である。図5bは、本発明の一実施例に係るカミソリ1にて、ブレードハウジング11に収容された揺動部材14が最前段ブレードから最も遠く位置した状態を概略的に示す斜視図である。図6は、本発明の一実施例に係るカミソリ1にて、ブレードハウジング11に収容された揺動部材14を下面方向から概略的に示す斜視図である。図7は、本発明の一実施例に係るカミソリ1にて、揺動部材14とブレード12、そして駆動伝達部31が結合された状態を概略的に示す斜視図である。
【0051】
図5a~図7はもちろん、図4も一緒に参照すると、本発明の一実施例に係る揺動部材14は、ブレードハウジング11の安着空間11Sに実装され、ブレード12、具体的には複数のブレード12のうちの最前段ブレード12a(最前方ブレード12a)の前方に配置されるように実装する。
【0052】
揺動部材14の一面、例えば、揺動部材14の上面は、皮膚面に接触したり、皮膚面に近接するように外部に露出され、体毛と接触して体毛をブレード12に近づくように押し込むための構造を有する。揺動部材14によってブレード12に近くなるように押し出された体毛のうちの一部は、皮膚に対してほぼ垂直方向になるように起立する。また、揺動部材14の他の一面、例えば、揺動部材14の下面は、動力部30、具体的には駆動伝達部31と結合するように備えられる。
【0053】
揺動部材14は、駆動伝達部31の偏心駆動に応じてブレードハウジング11の安着空間11Sにおいて、ブレード12、具体的には最前段ブレード12aとガード17との間で、最前段ブレード12aに近づいたり遠ざかる方向、すなわちY軸及びY軸の反対方向に摺動して揺動する。揺動部材14がY軸及びY軸の反対方向に摺動によって揺動しながら、ブレードハウジング11と皮膚面の接触によって体毛を押しこみながらブレード12側に寝かせて入ってくる体毛のうちの一部を皮膚に対してほぼ垂直方向になるように起立させることができる。すなわち、揺動部材14と、最前段ブレード12aとの間の空間で体毛は、揺動部材14のY軸方向及びY軸の反対方向への摺動に伴う揺動で最前段ブレード12aに体毛を押し込み、一部の体毛を皮膚に対してほぼ垂直な方向に起立した状態で流入する。
【0054】
本発明の一実施例に係る揺動部材14の振動によって揺動部材14は、体毛を最前段ブレード12a側に押し込み、安着空間11Sに流入した一部の体毛は、皮膚に対して垂直な方向により近い起立した状態で流入する。揺動部材14が最前段ブレード12aから離れて停止した状態であるとき、揺動部材14と最前段ブレード12aとの間のスパンは、0.4mm~2.0mmで備えられ、より好ましくは0.5mm~1.6mmで備えられる。そして、揺動部材14の移動時には、最前段ブレード12aのエッジと揺動部材14との間のスパンは、0mm~2.3mmで備えられる。しかし、揺動部材14と最前段ブレード12aとの間の前記スパンはこれに限定されず、揺動部材14の形状や形態によって可変することができ、最前段ブレード12aの形状、例えば、曲がるように形成したブレード12または鋼帯からなるブレード12などに応じて可変することはもちろんである。
【0055】
また、揺動部材14は揺動することによって体毛をブレード12に近づくように押しこむメインの機能だけでなく、追加機能を具現できるように備えられる。例えば、揺動部材14には、潤滑物質を提供するためのサブ潤滑部材が備えられるか、上面で体毛を整えるように、多数の突起や溝またはハッチ形状の突起や溝形状を有するサブコームガードまたは皮膚をより容易に押すためのガードラバーが備えられる。また、揺動部材14は、様々な材質、例えば、ブレードハウジングと同じ材質からなってもよく、他の材料からなってもよい。また、揺動部材14は、一部の体毛を起立させるだけでなく、体毛をブレード12側に移動させて切断時の切断の容易性のために所定の引っ張りの役割ができるようにラバー材質を含んでもよい。
【0056】
揺動部材14は、駆動伝達部31と結合して摺動のための下面部分と、体毛をブレード12の方向に押し込むために、摺動する上面部分が一体型で備えられるか、又は分離型で形成される。本発明の一実施例では、揺動部材14は、上面部分(以下で説明する「ガードバー141」)と下面部分(以下で説明する「摺動バー142」)が一体型で形成される構造を例に挙げて説明したが、揺動部材14の形状や製作方法、製作工程などにより分離型で形成してもよい。ここで、「一体型」という意味は、互いに分離せずに、別の結合部材や結合構造を持たずに、一つの形状を有する構成にするという意味である。揺動部材14が一体型の構成を有する場合、同一の材質で一つの形状を有することが望ましいが、これに限定されない。例えば異種材料を射出やダイカストを介して互いに分離せずに、一つの形状を有して一体型で備えられることもあるように、様々な変形や変更が可能なのはもちろんである。
【0057】
本発明の一実施例に係る揺動部材14は、一体型で形成され、ガードバー141と摺動バー142として機能を分けてもよい。
【0058】
ガードバー141は、安着空間11Sにて、ガード17と最前段ブレード12aとの間でX軸方向に長く形成されるとともに、揺動するように備えられる構成であり、ガードバー141の揺動に応じて体毛をブレード12の方向に押し込む役割をするように備えられる。
【0059】
摺動バー142は、ガードバー141の下部中央部分に配置してもよく、ガードバー141なしに、ブレードハウジング11の下部に配置してもよい。摺動バー142は、動力部30の駆動力の伝達を受け、ガードバー141を線形的に摺動させる。
【0060】
ガードバー141と摺動バー142は、一体型として、互いに同じ材質で備えるが、二重射出などを介して互いに異なる材質で一体型として備えるようにすることも可能である。例えば、ガードバー141と摺動バー142は、所定の弾性を有するラバー材質で備えてもよく、これとは異なり、ガードバー141は、ラバー材質で、摺動バー142はプラスチック材質を含むようにしてもよい。ガードバー141と摺動バー142の材質をラバー材質やプラスチック材質を例に挙げて説明したが、ガードバー141と摺動バー142の材質は、いくらでも変更や変形が可能である。
【0061】
図8は、本発明の一実施例に係るカミソリで揺動部材の断面図である。
【0062】
図8を参照すると、ガードバー141は、最前段ブレード12aに隣接するように配置することができ、ブレード12と同じ方向、すなわち、長さ方向に長く備えて安着空間11Sに収容する。ガードバー141は、摺動バー142によって最前段ブレード12aに近づいたり遠ざかる方向に線形的に摺動する。
【0063】
ガードバー141の上面には、体毛を、ブレード12の方向に押し込んだり、一部の体毛を起立させたり、ブレード12に流入する体毛を整えるために体毛を切断する方向、例えば、Y軸方向にコームガードのような形で複数の溝141dを形成する。また、ガードバー141には、X軸方向に沿って収容溝141cを形成し、収容溝141cには、の体毛を整えたり、潤滑物質を提供したり、体毛を引っ張るためのサブモジュール16が実装できる。例えば、サブモジュール16は、体毛を引っ張ったり、整えることができるサブラバーガードやサブコームガードである。または、これとは異なり、サブモジュール16には、サブ潤滑バンドが追加的に備えられてもよい。サブモジュール16は、ガードバー141と同じ材質で構成されたり、または異種材質で備えられてもよく、サブモジュール16の機能や役割に応じて多様に変更や変形が可能である。例えば、サブモジュール16は、ラバーやプラスチック材質のサブコームガードまたはサブガードである。本発明の一実施例で、ガードバー141には、収容溝141cが形成され、収容溝141cに、サブモジュール16を実装する構造を例に挙げて説明したが、サブモジュール16は、選択的に実装できるものであり、収容溝141cが形成されていないガードバー141でもよく、いくらでも変形や変更が可能である。
【0064】
本発明の一実施例では、ガードバー141が最前段ブレード12aと隣接して対向する第1の面141aは、垂直または所定の傾斜を有するように備えられる。例えば、第1の面141aは垂直に形成される。この場合、ブレードハウジング11と、皮膚面の接触によって剃毛方向に倒れて流入する体毛がガードバー141の上面と第1の面141aによりブレード12の方向に押されながら、肌面から垂直な方向に起立する。また、第1の面141aは所定の傾斜を有するように形成される。この場合、第1の面141aが垂直に形成される場合に比べて倒れている体毛の起立をより容易にする。本発明の一実施例で、第1の面141aは、傾斜することを例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、前記体毛の押しや起立、引っ張り及びブレード12側に流入する体毛切断の容易さのために、第1の面141aは、所定の曲率を有するように備えられるか、所定の曲率を有しながら斜めに形成されてもよい。
【0065】
ガードバー141の下面の両側端部には、ブレードハウジング11にかかって固定されるとともに、揺動部材14をブレードハウジング11にて摺動をガイドする突起部1411を備える。
【0066】
突起部1411は、ガードバー141の両側面にて幅方向、すなわちY軸方向に形成され、ブレードハウジング11側に向かって曲がって突出する固定リング1411aの構造を有する。ブレードハウジング11の下面の両側には固定リング1411aがかかるようにレール部11aがY軸方向に長く形成するように備えられる。一実施例で、レール部11aは、固定リング1411aがかかるとともにY軸方向及びY軸の反対方向への線形移動をガイドするように固定バーの形で形成する。また、固定バーには固定リング1411aの端部を掛け、固定された状態での移動を具現できるように、所定に引っ込んだ形態の係止溝(図示せず)を形成する。本発明の一実施例では、ブレードハウジング11側に曲がって突出した固定リング1411aがかかるように、ブレードハウジング11の下面両側に固定バーの形態のレール部11aを形成することを例えとして説明した。しかし、固定リング1411a及び固定バーの形状や構造及び個数は、これに限定されず、突起部1411がレール部11aにかかって固定され、突起部1411が、レール部11aで線形駆動可能にする形状や構成であれば、いくらでも変形や変更が可能である。例えば、突起部1411とレール部11aは、互いに噛み合うカンチレバーに形成する。また、突起部1411とレール部11aは、結合及び摺動の容易さのためにラバーや潤滑物質を含む材質からなってもよい。
【0067】
本発明の摺動バー142は、ガードバー141の中央下部部分にて、駆動伝達部31、具体的に偏心カムヘッド311と結合するように備える。
【0068】
本発明の一実施例に係る摺動バー142は、第1部材142aと第2部材142bを含む。摺動バー142は、ガードバー141の中央下部にて、ブレードハウジング11の後方、すなわちZ軸の反対方向に向かって突出するように形成する。第1部材142aと第2部材142bは、互いに対向して一定の間隔を有して並ぶように形成する。例えば、第1部材142aと第2部材142bは、平行に形成することができ、第1部材142aと第2部材142bの結合によって摺動バー142の底面には「コ」字状の回動締結空間142sを形成する。回動締結空間142sには、駆動伝達部31、具体的に偏心カムヘッド311が安着する。偏心カムヘッド311は、第1部材142aと第2部材142bに接触した状態で第1部材142aと第2部材142bとの間で駆動する。第1部材142aと第2部材142bは、それぞれY軸方向及びY軸の反対方向に移動自在に備える。つまり偏心カムヘッド311が回動締結空間142sに安着し、偏心カムの軸を中心に回転駆動すると、第1部材142a又は第2部材142bは、偏心カムヘッド311の接触によってY軸方向またはY軸の反対方向に押される。第1部材142a及び第2部材142bがY軸方向またはY軸の反対方向に押されながらガードバー141を線形的に摺動するようにする。
【0069】
また、ガードバー141の下面の中央部で、摺動バー142の周囲には、突起部1411とともに、揺動部材14をブレードハウジング11にて摺動をガイドする結合部1412を追加的に備える(図6と一緒に参照)。ただし、結合部1412は、選択的な構成であり、揺動部材14の形状や構成に応じていくらでも変形や変更が可能である。
【0070】
結合部1412は、Y軸方向に形成することができ、その端部は外側方向に互いに離れる方向に曲がった一対のレッグ1412yを含むことができる。レッグ1412yは、互いに離れる方向に曲げられ、ブレードハウジング11に形成された係止バー11bにかかるリング状に形成する。
【0071】
本発明の一実施例では、突起部1411及びレール部11aに加えて、レッグ1412yと係止バー11bによってガードバー141がブレードハウジング11にて摺動をガイドする構造を有することを例に挙げて説明したが、これについて構造や構成及び個数は、いくらでも変形や変更が可能である。
【0072】
図9a及び図9bは、従来のカミソリにおける体毛切断駆動状態を示す図である。図10a、図10b及び図10cは、本発明の一実施例に係るカミソリにおける体毛切断駆動状態を示す図である。図11aは、従来のカミソリによって切断された体毛の概略的な断面図である。図11bは、本発明の一実施例に係るカミソリを使用して切断された体毛の概略的な断面図である。
【0073】
まず、図9a及び図9bを参照して従来の揺動部材がない構造のカミソリで体毛切断を見てみる。体毛切断のために、ブレードハウジング11の一面は皮膚と接触する。ブレードハウジング11によって体毛は力を受け、肌面に向かって押されて倒れた状態でブレード12側に移動する。以降カミソリ1が剃毛方向に移動し、皮膚面に倒れた体毛が引っ張られながら切断される。したがって、ブレード12によって体毛が鋭利に切断されず、切断された体毛の断面積が広くなるだけでなく、ブレード12によって、後で切断される体毛の端部部分は、引き伸ばされて汚く見える、いわゆるタジング(tugging)現象が発生する。
【0074】
しかし、図10aないし図10cを参照し、本発明の一実施例のように、揺動部材14がある構造のカミソリ1での体毛切断を見てみる。揺動部材14が備えられたカミソリ1を介して体毛切断を行う場合、揺動部材14が揺動することに従い、ブレードハウジング11によって皮膚面に倒れた体毛がブレード側に移動時、起立する。つまり、揺動部材14がガード17と最前段ブレード12aとの間で揺動するに応じてガード17側には、倒れて流入する体毛が最前段ブレード12aに移動しながら、揺動部材14の揺らぎと揺動部材14の第1の面141aによって皮膚面に対して垂直な方向に起立する。
【0075】
図11a及び図11bにより、従来の揺動部材がない状態での体毛の切断状態と、本発明のように揺動部材がある状態での体毛の切断状態を比較して見ることができる。
【0076】
体毛の最も理想的な切断方向は体毛の形成方向と略垂直方向である。しかし、図11aに示すように、従来は、皮膚面に向かって倒れた体毛が皮膚面に向かって倒れた状態で切断することによって体毛が形成された方向との角度の差が小さいほかない。また、ブレード12によって体毛が鋭利に切断するのではなく、ユーザーの強制的な力によって引っ張られながら切断される。したがって、切断された体毛の断面積は広くなり、ブレード12によって、後で切断する体毛の端部部分は、引き伸ばされて汚く見えるタジング(tugging)現象が発生することがわかる。
【0077】
これとは異なり図11bに示すように、本発明の揺動部材14は、体毛をブレード12の方向に押し込むとともに起立させ、最も理想的な方向で切断するように体毛をブレード12の刃先に位置させるものである。したがって、ブレード12に流入する体毛をブレード12の方向に垂直な方向に起立させることで、可能な限り理想的に体毛を切断する。
【0078】
本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形で実施することがあることが理解できるだろう。したがって、以上で記述した実施例は、すべての局面において例示的なものであり限定的ではないと理解しなければならない。本発明の範囲は、前記詳細な説明ではなく、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲そしてその均等概念から導き出せるすべての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈すべきである。
【符号の説明】
【0079】
1 カミソリ、10 カートリッジ、11 ブレードハウジング、12 ブレード、12a 最前段ブレード(最前方ブレード)、13 潤滑バンド、14 揺動部材、15 クリップ、16 サブモジュール、20 ハンドル、30 動力部、31 駆動伝達部、32 動力生成部、40 カートリッジコネクタ、141 ガードバー、141a 第1の面、141b 第2の面、141c 収容溝、141d 溝、142 摺動バー、142a 第1部材、142b 第2部材、142s 回動締結空間、311 偏心カムヘッド、312 偏心カムネック、313 偏心カムボディ、321 シャフト。
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図4
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9a
図9b
図10a
図10b
図10c
図11a
図11b