(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-16
(45)【発行日】2023-08-24
(54)【発明の名称】表示装置、プログラム及び表示方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0481 20220101AFI20230817BHJP
G01N 33/48 20060101ALI20230817BHJP
G06F 3/04817 20220101ALI20230817BHJP
【FI】
G06F3/0481
G01N33/48 Z
G06F3/04817
(21)【出願番号】P 2019123071
(22)【出願日】2019-07-01
【審査請求日】2022-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】306008724
【氏名又は名称】富士レビオ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 孝
(72)【発明者】
【氏名】豊泉 大介
(72)【発明者】
【氏名】篠宮 伸和
(72)【発明者】
【氏名】岩本 正則
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-019682(JP,A)
【文献】特開平09-062476(JP,A)
【文献】特開2004-054134(JP,A)
【文献】特表2005-530225(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0481
G01N 33/48
G06F 3/04817
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体に含まれる検査対象物を検査する分析装置に係るデータを表示する表示装置において、
前記分析装置に係る複数のデータから2つ以上のデータの選択を受け付ける受付部と、
選択された各データを、表示画面上に重ならないように並べて設けられた複数の表示領域のそれぞれに表示する表示制御部と、
選択された各データに対して、前記複数の表示領域のそれぞれに表示される表示範囲の指定を受け付ける範囲受付部と
を備え、
前記表示制御部は、指定された表示範囲内のデータを前記複数の表示領域のそれぞれに表示し、
前記分析装置に係る複数のデータはそれぞれ、異なる条件下で得られた異なる種類のデータを含んでおり、
1つのデータを表示画面全体に表示する第1態様と、複数のデータを複数の表示領域のそれぞれに表示する第2態様との切替指示を受け付ける切替受付部を更に備え、
前記表示制御部は、前記第1態様で第1データに含まれる所定条件下で得られたデータを表示している状態で、前記第2態様で前記第1データ及び第2データを表示する切替指示を受け付けた場合、表示中の前記データと、前記第2データに含まれる、表示中の前記データと同じ条件下で得られたデータとを前記複数の表示領域のそれぞれに表示する
表示装置。
【請求項2】
前記複数の表示領域のそれぞれにおけるサイズの変更指示を受け付ける変更受付部を備え、
前記表示制御部は、変更指示されたサイズの前記複数の表示領域のそれぞれに、前記選択された各データにおける前記指定された表示範囲内のデータを表示する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記受付部は、前記分析装置に対して予め作成された検量線に関するデータ又は前記分析装置の動作に係る精度管理データを含む複数のデータから2つ以上のデータの選択を受け付ける
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、選択された各データを、上下方向に並べて設けられた複数の表示領域のそれぞれに表示する
請求項1から3までのいずれかひとつに記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示制御部が前記複数の表示領域のそれぞれに表示するデータに関する情報と、前記表示領域のそれぞれのサイズと、前記表示領域のそれぞれに表示される前記データの表示範囲と含む画面情報を記憶する記憶部
を備える請求項1から4までのいずれかひとつに記載の表示装置。
【請求項6】
前記記憶部に記憶してある画面情報に対応付けられたアイコンを表示するアイコン表示部と、
表示した前記アイコンの選択を受け付けるアイコン受付部とを備え、
前記表示制御部は、前記アイコンの選択を受け付けた場合、選択されたアイコンに対応する前記画面情報に基づいて、それぞれのサイズの表示領域に、それぞれ対応するデータにおける前記表示範囲内のデータを表示する
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記複数の表示領域のそれぞれに対応させて、前記表示領域のそれぞれに表示すべきデータを選択するためのメニューを表示する
請求項1から6までのいずれかひとつに記載の表示装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、異なる種類のデータを選択するための複数のタブを表示し、前記タブを介して選択されたデータを前記表示領域に表示する
請求項1から7までのいずれかひとつに記載の表示装置。
【請求項9】
複数のデータを複数の表示領域に表示する場合に、前記複数のデータのいずれかに対して高い優先度を設定する設定部を備え、
前記表示制御部は、前記第2態様で複数のデータを表示している状態で、前記第1態様への切替指示を受け付けた場合、高い優先度が設定されたデータを表示画面全体に表示する
請求項1から8までのいずれかひとつに記載の表示装置。
【請求項10】
検体に含まれる検査対象物を検査する分析装置に係るデータを表示装置に表示させるプログラムにおいて、
前記分析装置に係る複数のデータから2つ以上のデータの選択を受け付けた場合に、選択された各データを、前記表示装置の表示画面上に重ならないように並べて設けられた複数の表示領域のそれぞれに表示し、
選択された各データに対して、前記複数の表示領域のそれぞれに表示される表示範囲の指定を受け付けた場合に、指定された表示範囲内のデータを前記複数の表示領域のそれぞれに表示する処理であって、
前記分析装置に係る複数のデータはそれぞれ、異なる条件下で得られた異なる種類のデータを含んでおり、
1つのデータを表示画面全体に表示する第1態様と、複数のデータを複数の表示領域のそれぞれに表示する第2態様との切替指示を受け付け、
前記第1態様で第1データに含まれる所定条件下で得られたデータを表示している状態で、前記第2態様で前記第1データ及び第2データを表示する切替指示を受け付けた場合、表示中の前記データと、前記第2データに含まれる、表示中の前記データと同じ条件下で得られたデータとを前記複数の表示領域のそれぞれに表示する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項11】
検体に含まれる検査対象物を検査する分析装置に係るデータを表示する表示装置による表示方法において、
前記表示装置が、
前記分析装置に係る複数のデータから2つ以上のデータの選択を受け付け、
選択された各データを、表示画面上に重ならないように並べて設けられた複数の表示領域のそれぞれに表示し、
選択された各データに対して、前記複数の表示領域のそれぞれに表示される表示範囲の指定を受け付け、
指定された表示範囲内のデータを前記複数の表示領域のそれぞれに表示する処理であって、
前記分析装置に係る複数のデータはそれぞれ、異なる条件下で得られた異なる種類のデータを含んでおり、
1つのデータを表示画面全体に表示する第1態様と、複数のデータを複数の表示領域のそれぞれに表示する第2態様との切替指示を受け付け、
前記第1態様で第1データに含まれる所定条件下で得られたデータを表示している状態で、前記第2態様で前記第1データ及び第2データを表示する切替指示を受け付けた場合、表示中の前記データと、前記第2データに含まれる、表示中の前記データと同じ条件下で得られたデータとを前記複数の表示領域のそれぞれに表示する
処理を実行する表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置、プログラム及び表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
被検者から採取した被検査物(検体)中の検査対象物を分析する分析装置が用いられている(例えば特許文献1参照)。このような分析装置では、例えば予め作成された検量線に関して、検量線カーブ、キャリブレータの測定結果、測定結果のトレンド(傾向)を示すグラフ等のデータを表示できるように構成されている。また、分析装置では、装置の測定精度を時系列で示す精度管理データを表示できるように構成されており、各種のデータを表示できる。各データはそれぞれ1画面で表示され、各画面を適宜切り替えることにより必要なデータを参照することができるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように画面を切り替えることにより各データを参照できる構成の分析装置では、複数のデータ(画面)を同時に参照できない場合がある。また、複数のデータを同時に表示できるように構成された分析装置もあるが、このような分析装置では、各データ(各画面)の表示領域が狭くなり、ユーザが参照したい箇所のデータを効率良く表示できない虞がある。
【0005】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数のデータを表示する際に各データを効率良く表示させることが可能な表示装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る表示装置は、検体に含まれる検査対象物を検査する分析装置に係るデータを表示する表示装置において、前記分析装置に係る複数のデータから2つ以上のデータの選択を受け付ける受付部と、選択された各データを、表示画面上に重ならないように並べて設けられた複数の表示領域のそれぞれに表示する表示制御部と、選択された各データに対して、前記複数の表示領域のそれぞれに表示される表示範囲の指定を受け付ける範囲受付部とを備え、前記表示制御部は、指定された表示範囲内のデータを前記複数の表示領域のそれぞれに表示し、前記分析装置に係る複数のデータはそれぞれ、異なる条件下で得られた異なる種類のデータを含んでおり、1つのデータを表示画面全体に表示する第1態様と、複数のデータを複数の表示領域のそれぞれに表示する第2態様との切替指示を受け付ける切替受付部を更に備え、前記表示制御部は、前記第1態様で第1データに含まれる所定条件下で得られたデータを表示している状態で、前記第2態様で前記第1データ及び第2データを表示する切替指示を受け付けた場合、表示中の前記データと、前記第2データに含まれる、表示中の前記データと同じ条件下で得られたデータとを前記複数の表示領域のそれぞれに表示する。
【発明の効果】
【0007】
本開示にあっては、分析装置に係る複数種類のデータを表示する際に、各データにおいて、ユーザが参照したい箇所を表示できるので、狭い表示領域であっても各データを効率良く表示させることができる。よって、効率良く表示された各データを参照することにより、分析装置のユーザの作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】画面情報DB及びショートカットDBの構成例を示す模式図である。
【
図3】分析装置によるデータ表示処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図4】分析装置によるデータ表示処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図10】分析装置によるデータ表示処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図13】実施形態4の表示システムの構成例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示の表示装置、プログラム及び表示方法について、その実施形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0010】
(実施形態1)
被検査物(検体)中の検査対象物を分析する分析装置について説明する。本実施形態の分析装置は、例えば被検者から採取した血液、尿、鼻水、唾液等の被検査物に対して、タンパク質(抗体やペプチド等)、各種のホルモン、ウイルス、細菌、アレルゲン等の検査対象物が含まれているか否か、又は検査対象物の含有量を測定する装置である。しかし、本実施形態の分析装置は、例えば食品の表面又は内部から採取した被検査物に対して、各種の成分(検査対象物)を分析する装置であってもよい。
【0011】
図1は、分析装置の構成例を示すブロック図である。分析装置10は、パーソナルコンピュータ又はサーバコンピュータ等を用いて構成されており、制御部11、記憶部12、通信部13、入力部14、表示部15、分析部16、読み取り部17等を含み、これらの各部はバスを介して相互に接続されている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)等の1又は複数のプロセッサを含む。制御部11は、記憶部12に記憶してある制御プログラム12Pを適宜実行することにより、本開示の表示装置が行うべき種々の情報処理、制御処理等を分析装置10に実行させる。
【0012】
記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等を含む。記憶部12は、制御部11が実行する制御プログラム12P及び制御プログラム12Pの実行に必要な各種のデータ等を予め記憶している。また記憶部12は、制御部11が制御プログラム12Pを実行する際に発生するデータ等を一時的に記憶する。また記憶部12は、検量線DB12a(データベース)、精度管理DB12b、画面情報DB12c及びショートカットDB12dを記憶する。検量線DB12aは、検査対象物の濃度と、各濃度に対応して分析装置10が出力する出力値との対応関係を規定する検量線カーブを記憶する。検量線カーブは、分析装置10によるキャリブレーション分析処理において各濃度のキャリブレータを分析装置10にて測定した測定値(出力値)を用いて作成される。検量線カーブは、分析装置10にて検体中の検査対象物を測定する際に、分析装置10からの出力値を、検体中の検査対象物の濃度値に変換するために用いられる。精度管理DB12bは、分析装置10の動作に関する精度管理データを記憶する。画面情報DB12c及びショートカットDB12dの構成については後述する。なお、検量線DB12a、精度管理DB12b、画面情報DB12c及びショートカットDB12dは、分析装置10に接続された外部記憶装置に記憶されてもよく、ネットワーク(図示せず)を介して分析装置10が通信可能な外部記憶装置に記憶されてもよい。また、分析装置10の記憶部12には、検量線DB12a及び精度管理DB12bのほかに分析装置10に関する各種のデータが記憶されていてもよい。
【0013】
通信部13は、有線通信又は無線通信によって、インターネット又はLAN(LocalArea Network)等のネットワークに接続するためのインタフェースであり、ネットワークを介して外部装置との間で情報の送受信を行う。入力部14は、分析装置10のユーザによる操作入力を受け付け、操作内容に対応した制御信号を制御部11へ送出する。表示部15は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等であり、制御部11からの指示に従って各種の情報を表示する。表示部15は、分析装置10に設けられる構成でもよく、ケーブルを介して分析装置10に接続される構成でもよい。また、入力部14及び表示部15は一体として構成されたタッチパネルであることが望ましく、本実施形態では、タッチパネルとして説明する。
【0014】
分析部16は、例えば被検査物(検体)中に含まれる検査対象物の濃度を測定する。分析部16は、例えば被検者から採取した検体及び試薬が収容された容器が保管される保管部、保管された容器に対して希釈液等の添加及び除去、並びに容器で反応等を行う処理部、処理後の検体から放出される光を検出する測光部等を有する。分析部16は、保管部に保管された容器内の検体に対して所定の処理を行い、処理後の検体が、検体中の検査対象物の濃度に応じて放出する光の強度を測定し、例えば制御部11が、測定された光の強度を検査対象物の濃度に変換する。これにより、分析装置10は検体中の検査対象物の濃度を測定できる。
【0015】
読み取り部17は、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM及びUSB(Universal Serial Bus)メモリを含む可搬型記憶媒体1aに記憶された情報を読み取る。記憶部12に記憶されるプログラム及びデータは、例えば制御部11が読み取り部17を介して可搬型記憶媒体1aから読み取って記憶部12に記憶してもよい。また、記憶部12に記憶されるプログラム及びデータは、制御部11が通信部13を介してネットワーク経由で外部装置からダウンロードして記憶部12に記憶してもよい。
【0016】
図2は、画面情報DB12c及びショートカットDB12dの構成例を示す模式図である。
図2Aは画面情報DB12cを示し、
図2BはショートカットDB12dを示す。画面情報DB12cは、分析装置10が表示部15に表示する各種のデータに関する情報を記憶する。
図2Aに示す画面情報DB12cは、データID列、ファイル名列、表示範囲情報列等を含む。データID列は、例えば記憶部12に記憶してあり、表示部15に表示可能なデータ毎に割り当てられた識別情報を記憶する。ファイル名列は、データIDに対応付けて、各データに付加されたファイル名を記憶する。表示範囲情報列は、データIDに対応付けて、各データに対して設定された優先的に表示すべき範囲を示す情報を記憶する。優先的に表示すべき範囲を示す情報は、例えばデータに含まれる項目を示す情報、グラフを示す情報等を用いることができる。画面情報DB12cに記憶される各情報は、データに対して優先的に表示すべき範囲が設定された場合に、制御部11によって記憶される。このとき、データIDは制御部11によって発行されて記憶される。画面情報DB12cの記憶内容は
図2Aに示す例に限定されず、データに関する各種の情報を記憶することができる。例えばデータが作成された年月日又は日時、作成者の情報等が画面情報DB12cに記憶されてもよい。
【0017】
ショートカットDB12dは、後述するように分析装置10が表示部15に各種のデータを表示する際の表示態様に関する情報を記憶する。
図2Bに示すショートカットDB12dは、ショートカットID列、名称列、第1画面のデータ情報列、第1画面のサイズ情報列、第2画面のデータ情報列、第2画面のサイズ情報列等を含む。ショートカットID列は、ショートカットDB12dに登録される各表示態様に対応付けられたショートカットキー毎に割り当てられた識別情報を記憶する。名称列は、ショートカットIDに対応付けて、各ショートカットキーに付されたキーの名称を記憶する。第1画面のデータ情報列は、ショートカットIDに対応付けて、ショートカットDB12dに登録される表示態様において第1画面に表示されるデータに関する情報(例えばデータのデータID又はファイル名、データに対して設定された表示範囲)を記憶し、第1画面のサイズ情報列は、ショートカットIDに対応付けて、第1画面のサイズに関する情報を記憶する。第2画面のデータ情報列は、ショートカットIDに対応付けて、ショートカットDB12dに登録される表示態様において第2画面に表示されるデータに関する情報を記憶し、第2画面のサイズ情報列は、ショートカットIDに対応付けて、第2画面のサイズに関する情報を記憶する。第1画面及び第2画面は例えば、表示部15の表示領域(表示画面全体)において上下方向に重ならないように並べて配置される第1表示領域及び第2表示領域を示し、第1画面及び第2画面のサイズは例えば、第1表示領域及び第2表示領域における上下方向のサイズ(長さ、画素数、表示画面全体に対する割合)を示す。なお、第1画面及び第2画面のサイズとして、第1表示領域及び第2表示領域における左右方向のサイズが記憶されていてもよい。ショートカットDB12dに記憶される各情報は、新たなショートカットの情報として制御部11が表示態様に関する各情報を取得した場合に、制御部11によって記憶される。なお、このとき、ショートカットIDは制御部11によって発行されて記憶される。また、ショートカットDB12dに記憶されるショートカットID以外の各情報は、既に登録されている情報に対する変更指示を制御部11が取得する都度、制御部11によって更新される。ショートカットDB12dの記憶内容は
図2Bに示す例に限定されず、ショートカットとして登録される表示態様に関する各種の情報を記憶することができる。例えば各ショートカット(表示態様)が登録された年月日又は日時、登録者の情報等がショートカットDB12dに記憶されてもよい。また各画面(第1画面、第2画面)に表示されるデータにおける表示範囲(表示される項目)がショートカットDB12dに記憶されてもよい。更に表示態様は、表示部15の表示領域において上下方向に2つの画面(表示領域)が表示される態様に限定されず、3つ以上の画面が表示される態様でもよい。この場合、ショートカットDB12dは、第3画面に表示されるデータに関する情報を記憶する第3画面のデータ情報列、及び第3画面のサイズに関する情報を記憶する第3画面のサイズ情報列等を含む。
【0018】
以下に、本実施形態の分析装置10が、ユーザからの操作に従って各種のデータを表示部15に表示する処理について説明する。
図3及び
図4は、分析装置10によるデータ表示処理手順の一例を示すフローチャート、
図5~
図9は画面例を示す模式図である。以下の処理は、分析装置10の記憶部12に記憶してある制御プログラム12Pに従って制御部11によって実行される。また、分析装置10において、検量線DB12a及び精度管理DB12bは既に記憶部12に記憶されているものとする。本実施形態では、以下の処理を制御部11が制御プログラム12Pを実行することにより実現するが、一部の処理を専用のハードウェア回路で実現してもよい。
【0019】
分析装置10が動作を開始した場合、制御部11は、例えば初期画面を表示部15に表示する(S11)。
図5Aは初期画面例を示しており、初期画面は例えば、画面を介して実行指示できる複数の処理項目(選択肢)を表示するメニューバー20を有する。メニューバー20は、例えば初期画面(予め設定してあるホーム画面)の表示指示を受け付けるためのホームボタン21、分析装置10に対して設定可能な各種条件の設定指示を受け付けるための設定ボタン22を有する。またメニューバー20は、例えば分析装置10におけるキャリブレーションに関する処理の実行指示を受け付けるためのキャリブレーションボタン24、分析装置10の精度管理に関する処理の実行指示を受け付けるための精度管理ボタン25を有する。メニューバー20に設けられる各ボタンは、これらのボタンに限定されず、分析装置10で実行できる各種の処理に対応するボタンを設けることができる。また初期画面は、ショートカットDB12dに登録された表示態様に従った各種のデータの表示指示を受け付けるためのショートカットキー31~37を表示する。更に初期画面は、表示部15の全表示領域に1つのデータを表示する1画面表示(第1態様)と、表示部15の表示領域を分割した複数の分割領域にそれぞれ異なるデータを表示する複数画面表示(第2態様)との切替指示を受け付けるための画面切替ボタン40を表示する。なお、画面切替ボタン40は、メニューバー20を含むデータの表示領域(表示画面)以外の領域に表示される。本実施形態では、画面切替ボタン40はデータの表示領域の上部に表示されているが、例えばショートカットキー31~37と同様にデータの表示領域の下部に表示されていてもよい。またショートカットキー31~37がデータの表示領域の上部に表示されていてもよい。以下では説明の簡略化のために、複数画面表示は、2つの分割領域にそれぞれ異なるデータを表示する2画面表示として説明する。初期画面は
図5Aに示す構成に限定されず、分析装置10における各種のメニュー及びボタンを表示するように構成することができる。
【0020】
制御部11は、初期画面において入力部14を介して表示すべきデータの選択を受け付けたか否かを判断する(S12)。なお、
図5Aに示す初期画面において、分析装置10のユーザは、キャリブレーションに関する処理を実行させたい場合、メニューバー20中のキャリブレーションボタン24を入力部14を介して操作する。キャリブレーションボタン24が操作された場合、制御部11は、キャリブレーションに関する処理の実行指示を受け付け、
図5Bに示すようにキャリブレーションに関する処理項目(選択肢)を表示するメニューバー24aを表示する。またユーザは、精度管理に関する処理を実行させたい場合、メニューバー20中の精度管理ボタン25を操作する。この場合、制御部11は、精度管理に関する処理の実行指示を受け付け、精度管理に関する処理項目(選択肢)を表示するメニューバー25a(
図7A参照)を表示する。
【0021】
図5Bに示す画面において、キャリブレーションのメニューバー24aは、キャリブレーション分析受付ボタン、キャリブレーション分析データボタン、キャリブレーションモニタ&トレースボタン等を有する。キャリブレーション分析受付ボタンは、キャリブレーション分析の実行指示を受け付けるためのボタンであり、キャリブレーション分析データボタンは、キャリブレーション分析の結果得られたデータ(キャリブレータの測定データ)の表示指示を受け付けるためボタンであり、キャリブレーションモニタ&トレースボタンは、キャリブレーション分析の結果得られたデータに基づく検量線カーブ及び測定データの傾向(時系列変化)の表示指示を受け付けるためのボタンである。このようにキャリブレーションのメニューバー24aには、それぞれ異なる種類のデータを選択するためのタブが複数設けられており、タブの選択を切り替えることにより、表示されるデータの切替を指示することができる。
図5Bに示す画面において、キャリブレーション分析受付ボタンが操作された場合、制御部11は、キャリブレーション分析を新たに行うための受付画面(図示せず)を表示する。受付画面は例えば、キャリブレーション分析に用いるキャリブレータ(標準物質)の指定、分析処理の結果得られるデータの記憶先のファイル名の指定等を受け付けるように構成されている。
図5Bに示す画面において、キャリブレーション分析データボタンが操作された場合、制御部11は、キャリブレーション分析によって得られた測定データ(図示せず)を表示する。例えば制御部11は、キャリブレータの各濃度と、各濃度に対して分析装置10が出力した測定値(出力値)との対応を表示する。
【0022】
図5Bに示す画面は、キャリブレーションモニタ&トレースボタンが操作された状態を示しており、キャリブレーションモニタ&トレースボタンが操作された場合、制御部11は、
図6Aに示すように、キャリブレーション分析によって得られた測定データに基づく検量線カーブ及び測定データの傾向(キャリブレーショントレース)を表示する。なお、キャリブレーション分析は例えば異なる条件の複数セットのキャリブレータ(複数のモジュール)を用いて行われており、キャリブレーションモニタ&トレースボタンが操作された場合、制御部11は、いずれかのモジュールに対する選択を受け付けるためのモジュール選択メニュー24bを表示する。モジュール選択メニュー24bは、表示可能(選択可能)な検量線カーブ及びキャリブレーショントレースに対応するモジュールの選択を受け付けるためのボタン(
図5BではModuleAボタン、ModuleBボタン、ModuleCボタン、ModuleDボタン)を有する。このようにモジュール選択メニュー24bにおいても、それぞれ異なる種類(モジュール)のデータを選択するためのタブが複数設けられており、タブの選択を切り替えることにより、表示されるデータの切替を指示することができる。よって、ユーザは、検量線カーブを確認したい場合、
図5Bに示す画面においてメニューバー24a中のキャリブレーションモニタ&トレースボタンを操作し、モジュール選択メニュー24b中の所望のモジュールボタンを操作する。これにより、制御部11は、モジュール選択メニュー24bを介して選択されたモジュールに対応する検量線カーブ及びキャリブレーショントレースの表示指示を受け付ける。即ち、制御部11は、初期画面を介して、表示すべきデータの選択を受け付けたと判断する(S12:YES)。なお、キャリブレーションのメニューバー24a中のキャリブレーション分析データボタンが操作された場合にも、制御部11は、モジュール選択メニュー24bと同様のメニューを表示する。そして制御部11は、表示したメニューを介して任意のモジュールの選択を受け付け、選択されたモジュールに対応するキャリブレーションの測定データの表示指示を受け付ける。この場合にも、制御部11は、表示すべきデータの選択を受け付けたと判断する(S12:YES)。
【0023】
制御部11は、表示すべきデータの選択を受け付けていないと判断した場合(S12:NO)、初期画面の表示を継続する(S11)。制御部11(受付部)は、表示すべきデータの選択を受け付けたと判断した場合(S12:YES)、選択されたデータを、表示部15の全表示領域を1画面として表示する(S13)。
図6Aに示す画面では、モジュールBについてキャリブレーション分析によって得られた測定データに基づく検量線カーブ及びキャリブレーショントレース等が表示されている。なお、制御部11は、検量線DB12aに記憶してある検量線データに基づいて、検量線カーブ及びキャリブレーショントレースを生成して表示する。
【0024】
図6Aに示すような1画面表示でデータを表示中の分析装置10において画面切替ボタン40が操作された場合、制御部11(切替受付部)は、2画面表示への切替指示を受け付ける。また、
図6Aに示す画面においてモジュール選択メニュー24bを介して任意のモジュールが選択された場合、制御部11は、選択されたモジュールに対応する検量線カーブ及びキャリブレーショントレースの表示指示を受け付ける。即ち、制御部11は、表示中のデータとは異なるデータの選択を受け付ける。また、
図6Aに示す画面においてキャリブレーションのメニューバー24aのキャリブレーション分析データボタンが操作された場合、制御部11は、モジュール選択メニュー(図示せず)を表示し、モジュール選択メニューを介して選択されたモジュールに対応するキャリブレーションの測定データの表示指示を受け付ける。即ち、制御部11は、キャリブレーション分析データについて、表示すべきデータの選択を受け付ける。更に、
図6Aに示す画面において精度管理ボタン25が操作された場合、制御部11は、精度管理に関するメニューバー25aを表示し、メニューバー25a及びモジュール選択メニュー25b(
図7A参照)を介して、精度管理について、表示すべきデータの選択を受け付ける。
【0025】
図6Aに示す画面を表示中の分析装置10において、制御部11は、2画面表示への切替指示を受け付けたか否かを判断する(S14)。即ち、制御部11は、
図6Aに示す画面において画面切替ボタン40が操作されたか否かを判断する。2画面表示への切替指示を受け付けていないと判断した場合(S14:NO)、制御部11は、表示中のデータとは異なるデータの選択を受け付けたか否かを判断する(S15)。異なるデータの選択を受け付けていないと判断した場合(S15:NO)、制御部11は、ステップS14の処理に戻り、2画面表示への切替指示を受け付けるか、異なるデータの選択を受け付けるまでステップS14~S15の処理を繰り返す。
【0026】
異なるデータの選択を受け付けたと判断した場合(S15:YES)、制御部11は、ステップS13の処理に戻り、表示中のデータの代わりに、選択されたデータを、表示部15の全表示領域を1画面として表示する(S13)。これにより、1画面表示の表示態様において、表示すべき新たなデータがユーザによって選択された場合、制御部11は、直前に表示していたデータの表示を終了し、新たに選択されたデータを表示する。これにより、1画面表示の表示態様では、適宜表示画面を切り替えることにより、ユーザによって選択された各データを表示させることができる。
【0027】
2画面表示への切替指示を受け付けたと判断した場合(S14:YES)、制御部11は、2画面(2つのデータ)をそれぞれ表示するための分割画面を設定する(S16)。例えば制御部11は、
図6Aに示すように1画面表示で表示部15の全表示領域に表示中であったモジュールBの検量線カーブ及びキャリブレーショントレースについて、このデータに設定してある優先的に表示すべき範囲を画面情報DB12cから読み出す。そして制御部11は、表示部15の表示領域(表示画面)を上下2つの表示領域に分割し、表示中であったモジュールBの検量線カーブ及びキャリブレーショントレースについて、優先的に表示すべき範囲内のデータのみを表示する上半分の上分割画面40aを設定し、残りの下半分の領域を下分割画面40bに設定する。これにより、表示部15の表示領域において上下方向に重ならないように並べられた2つの分割画面40a,40bを設定できる。また、表示中であったデータを狭い上分割画面40aに表示する場合であっても、重要な箇所(優先的に表示すべき範囲)が隠れることなく表示されるので、ユーザが見たい箇所を適切に表示しつつ2画面表示に切り替えられる。また制御部11は、下半分の下分割画面40bにメニューバー20を表示する。なお、1画面表示で表示部15の全表示領域に表示していたデータに対して優先的に表示すべき範囲が設定されていない場合、制御部11は、例えば同じ大きさの上分割画面40a及び下分割画面40bを設定し、1画面表示で表示されていたデータの最初から(上から)上分割画面40a内に表示できる範囲内のデータのみを表示させてもよい。
【0028】
2画面表示では上分割画面40aに表示されるデータと、下分割画面40bに表示されるデータとにおいて、一方のデータに対して他方のデータよりも高い優先度を設定できる。例えば、1画面表示から2画面表示に切り替えられた場合、1画面表示で表示されていたデータに対して高い優先度が自動的に設定されてもよい。なお、分割画面40a,40bにおいて、高い優先度が設定された画面(上分割画面40a又は下分割画面40b)にはピン41が付加される。
図6Bでは、上分割画面40aにピン41が付加されており、上分割画面40aに表示されているデータが下分割画面40bに表示されるデータよりも優先度が高いことを示している。
【0029】
図6Bに示す画面において、制御部11は、下分割画面40b中のメニューバー20を介して下分割画面40bに表示すべきデータの選択を受け付けたか否かを判断する(S17)。制御部11は、表示すべきデータの選択を受け付けていないと判断した場合(S17:NO)、受け付けるまで待機する。制御部11は、下分割画面40bに表示すべきデータの選択を受け付けたと判断した場合(S17:YES)、選択されたデータを下分割画面40bに表示する。このとき制御部11は、選択されたデータについて、優先的に表示すべき範囲を画面情報DB12cから読み出し、優先的に表示すべき範囲内のデータを下分割画面40bに表示する。これにより、制御部11(表示制御部)は、表示部15の表示領域に設けられた2つの分割画面40a,40b(2画面)に、それぞれ選択されたデータを表示する(S18)。
図7Aは、
図6Bに示す画面において、下分割画面40b中のメニューバー20において精度管理ボタン25が操作され、精度管理のメニューバー25a中の精度管理分析データボタンが操作された場合の画面例を示す。なお、
図7Aに示す画面では上分割画面40aにモジュールBの検量線カーブ及びキャリブレーショントレース(第1データ)が表示されているので、制御部11は、下分割画面40bに精度管理データを表示させる際に、同じ条件であるモジュールBの精度管理データ(第2データ)を表示させる。上述した処理により、本実施形態では、表示部15の全表示領域に1つのデータを表示させる1画面表示の表示態様から、表示部15の表示領域を2つの分割画面40a,40bに分割し、それぞれの分割画面40a,40bにそれぞれ選択されたデータを表示させる2画面表示の表示態様に切り替えることができる。よって、例えばキャリブレーション分析データ(検量線カーブ)と精度管理データとを同時に表示することができるので、2つのデータを比較しながら参照することができる。なお、人間の眼は、上下方向に動き易く、比較したい2つのものを左右方向に並べるよりも上下方向に並べた方が認識し易い傾向がある。よって、本実施形態では、2画面表示を行う際に2つのデータを上下方向に並べて表示するので、ユーザが参照し易い表示態様を提供できる。
【0030】
本実施形態では、2画面表示の表示態様において、上分割画面40aと下分割画面40bとの間にスプリットバー40cが設けられており、スプリットバー40cの上下方向への移動を指示するための調整部40dがスプリットバー40c上に設けられている。
図6B及び
図7Aに示す画面では、調整部40dはスプリットバー40cの中央部に設けられているが、スプリットバー40c上の任意の位置に設けることができる。2画面表示の表示態様において、入力部14を介して調整部40dを上方向又は下方向に移動させる操作が行われた場合、制御部11(変更受付部)は、上分割画面40a及び下分割画面40bの表示割合(上下方向の表示サイズ)の変更指示を受け付ける。例えばユーザは、
図7A中に上方向及び下方向の白抜き矢符で示すように、調整部40dを上方向又は下方向にドラッグ操作することにより、スプリットバー40cを上方向又は下方向に移動させる指示を行うことができる。調整部40dを介してスプリットバー40cを上方向に移動させる指示が行われた場合、制御部11は、上分割画面40aのサイズを小さくし、下分割画面40bのサイズを大きくする表示割合の変更指示を受け付ける。また、調整部40dを介してスプリットバー40cを下方向に移動させる指示が行われた場合、制御部11は、上分割画面40aのサイズを大きくし、下分割画面40bのサイズを小さくする表示割合の変更指示を受け付ける。なお、調整部40dを上方向又は下方向に移動させる指示を行うための操作は、ユーザの指を用いて調整部40dを所望位置まで移動させるドラッグ操作に限定されない。例えば、入力部14がマウスを有する場合、マウスを用いたドラッグ操作としてもよい。
【0031】
制御部11は、分割画面40a,40bの表示割合の変更指示を受け付けたか否かを判断しており(S19)、変更指示を受け付けたと判断した場合(S19:YES)、指示されたサイズに分割画面40a,40bの上下方向のサイズを変更する(S20)。
図7Bは、
図7Aに示す画面において、調整部40d(スプリットバー40c)を下方向に移動させる指示が行われ、上分割画面40aのサイズが大きく、下分割画面40bのサイズが小さく変更された状態の画面例である。このように各画面のサイズ(表示割合)を変更できることにより、不要なデータの表示領域を小さくすることができ、ユーザが参照したいデータを確実に表示することができる。表示割合の変更指示を受け付けていないと判断した場合(S19:NO)、制御部11はステップS20の処理をスキップする。
【0032】
また本実施形態では、2画面表示の表示態様において、各分割画面40a,40bに表示されるデータにおいて、各分割画面40a,40bに表示される範囲を変更(指定)できるように構成されている。例えば入力部14を介して各分割画面40a,40bの任意の箇所を上方向又は下方向に移動させる操作が行われた場合、制御部11(範囲受付部)は、各分割画面40a,40bに表示されるデータの表示範囲の変更指示を受け付ける。例えばユーザは、
図7B中に上方向及び下方向の白抜き矢符で示すように、各分割画面40a,40bの任意の箇所を上方向又は下方向にドラッグ操作することにより、各分割画面40a,40bに表示されるデータの表示範囲を下側又は上側にずらす指示を行うことができる。各分割画面40a,40bに表示されるデータの表示範囲を下側又は上側にずらす指示が行われた場合、制御部11は、分割画面40a,40bの表示範囲の変更指示を受け付ける。なお、各分割画面40a,40bに表示されるデータの表示範囲をずらす指示を行うための操作は、各分割画面40a,40bの任意の箇所を上方向又は下方向に移動させるドラッグ操作に限定されない。
【0033】
制御部11は、いずれかの分割画面40a,40bに表示されるデータの表示範囲の変更指示を受け付けたか否かを判断しており(S21)、変更指示を受け付けたと判断した場合(S21:YES)、分割画面40a,40bに表示される各データの表示範囲を、指示された表示範囲に変更する(S22)。即ち、分割画面40a,40bに表示されるデータの表示範囲を下側の範囲又は上側の範囲に変更する。
図8Aは
図7Bに示す画面において、下分割画面40bの中央部の箇所が上方向にドラッグ操作されることにより、表示中のデータの表示範囲が下側の範囲に変更された状態の画面例である。このように、各分割画面40a,40bに表示されるデータの表示範囲を変更できることにより、各分割画面40a,40bに表示される各データにおいて、不要なデータを表示させず、ユーザが参照したい範囲(項目)を確実に表示することができる。表示範囲の変更指示を受け付けていないと判断した場合(S21:NO)、制御部11はステップS22の処理をスキップする。なお、
図6Aに示す1画面表示の表示態様においても、例えば、表示画面中の任意の箇所を上方向又は下方向にドラッグ操作することにより、表示されるデータに対して表示範囲を変更できる。
【0034】
上述したように本実施形態では、各分割画面40a,40bに表示されるデータを任意に指定でき、各分割画面40a,40bのサイズを任意に指定でき、各分割画面40a,40bに表示されるデータの表示範囲を任意に指定できる。また、本実施形態では、ユーザからの指示に従って変更された表示態様を画面情報として登録できるように構成されている。
図8Aに示すように、未登録のショートカットキー(キーの名称が表示されていないショートカットキー)に対して入力部14を介して、例えば長押し操作が行われた場合、制御部11は、画面情報の登録指示を受け付ける。制御部11は、画面情報の登録指示を受け付けたか否かを判断しており(S23)、受け付けたと判断した場合(S23:YES)、例えば
図8Bに示すように画面情報の登録画面を表示する(S24)。登録画面は、ショートカットキーに付与するキー名称の入力欄30aと、画面情報の登録を指示するための登録ボタン、既に登録済みのショートカットキーの登録解除を指示するための登録解除ボタン、登録処理の終了を指示するためのキャンセルボタンを有する。また、登録画面は、現在表示中の画面において分割画面40a,40bの表示割合(表示サイズ)に加えて、各分割画面40a,40bに表示されているデータのモジュール及び項目(表示範囲)も登録するか否かを選択指示するための選択ボタン30b,30cを有する。選択ボタン30b,30cは、例えば入力部14を介してタップ操作又はスワイプ操作等を行うことにより、モジュール及び項目を登録する(ON)か、登録しない(OFF)かを選択できるように構成されている。
【0035】
制御部11は、登録画面において入力欄30aを介してショートカットキーに付与するキー名称を受け付け、選択ボタン30b,30cを介してモジュール及び項目の登録を行うか否かを受け付けることにより、画面情報を登録する際の登録内容を受け付ける。そして、登録画面において登録ボタンが操作された場合、制御部11は、登録画面を介して指定された内容での画面情報の登録指示を受け付け、キャンセルボタンが操作された場合、登録処理の終了指示を受け付ける。また登録画面において登録解除ボタンが操作された場合、制御部11は、既に登録済みのショートカットキーの登録解除指示を受け付ける。制御部11は、登録指示を受け付けたか否かを判断し(S25)、登録指示を受け付けていないと判断した場合(S25:NO)、登録画面の表示を継続する(S24)。なお、登録画面において登録解除指示を受け付けた場合、制御部11は、表示中の画面情報をショートカットDB12dから削除し、ショートカットの登録を解除する。また登録画面において終了指示を受け付けた場合、制御部11は、登録画面の表示を終了して登録処理を終了する。
【0036】
登録指示を受け付けたと判断した場合(S25:YES)、制御部11は、登録画面を介して受け付けた登録内容に従って、表示中の画面における表示態様を画面情報としてショートカットDB12dに登録する(S26)。具体的には、制御部11は、ショートカットID(01)に対応付けて、登録画面を介して指定されたキーの名称、上分割画面40aに表示されていたデータの情報及び表示範囲(データ中の表示される項目)、上分割画面40aのサイズの情報、下分割画面40bに表示されていたデータの情報及び表示範囲、下分割画面40bのサイズの情報をショートカットDB12dに記憶する。なお、画面情報を登録した場合、制御部11(アイコン表示部)は、
図9に示すように、登録したキー名称が表示されたアイコンをショートカットキー31として表示する。これにより、以降の処理において、ショートカットキー31が選択操作された場合、
図8Bに示す表示態様で各データが表示された状態の画面を再現できる。なお、ショートカットDB12dに登録される画面情報は、2画面表示での表示態様の画面情報のほかに、1画面表示での表示態様の画面情報であってもよい。制御部11は、画面情報の登録指示を受け付けていないと判断した場合(S23:NO)、ステップS24~S26の処理をスキップする。
【0037】
なお、画面切替ボタン40は、
図5Aに示すような初期画面を含み、
図5B及び
図6Aに示すような1画面表示では、2画面表示への切替指示を受け付けるためのボタンであり、2画面を示すアイコンが表示される。一方、
図6B~
図9に示すような2画面表示では、画面切替ボタン40は1画面表示への切替指示を受け付けるためのボタンであり、1画面を示すアイコンが表示される。よって、1画面表示でデータを表示中の分析装置10において、2画面を示すアイコンの画面切替ボタン40が操作された場合、制御部11は、
図6Bに示すような2画面表示に切り替えると共に、画面切替ボタン40のアイコンを、1画面表示を示すアイコンに変更する。また、2画面表示でデータを表示中の分析装置10において、1画面を示すアイコンの画面切替ボタン40が操作された場合、制御部11は、
図6Aに示すような1画面表示に切り替えると共に、画面切替ボタン40のアイコンを、2画面表示を示すアイコンに変更する。
【0038】
2画面表示で各データを表示中の分析装置10において、制御部11は、1画面表示への切替指示を受け付けたか否かを判断する(S27)。即ち、制御部11は、
図6B~
図9に示す画面において、画面切替ボタン40が操作されたか否かを判断する。1画面表示への切替指示を受け付けていないと判断した場合(S27:NO)、制御部11は、いずれかの分割画面40a,40bに対して、表示中のデータとは異なるデータの選択を受け付けたか否かを判断する(S28)。異なるデータの選択を受け付けていないと判断した場合(S28:NO)、制御部11は、ステップS19の処理に戻り、ステップS19~S27の処理を繰り返す。いずれかの分割画面40a,40bに対して、異なるデータの選択を受け付けたと判断した場合(S28:YES)、制御部11は、ステップS18の処理に戻り、表示データの変更が指示された分割画面40a又は40bにおいて、表示中のデータの代わりに選択されたデータを表示する。これにより、制御部11は、2つの分割画面40a,40bにそれぞれ選択されたデータを表示する(S18)。
【0039】
1画面表示への切替指示を受け付けたと判断した場合(S27:YES)、制御部11は、分割画面40a,40bの設定を解消し、表示部15の全表示領域を1画面として、ピン41が付加された分割画面(上分割画面40a又は下分割画面40b)に表示中のデータを表示する(S29)。その後、制御部11は、ステップS14の処理に戻り、上述した処理を繰り返す。2画面表示において、例えば
図7Bに示す画面では、上分割画面40aにピン41が付加されており、上分割画面40aに表示されているデータに高い優先度が設定されている。なお、
図7Bでは、上分割画面40a中のピン41は濃い色で表示されており、下分割画面40b中のピン41は薄い色で表示されており、上分割画面40aに表示中のデータに高い優先度が設定されていることを示している。この状態で下分割画面40bに表示されているデータに高い優先度を設定したい場合、例えば入力部14を介して下分割画面40b中のピン41を例えばタップ操作することにより優先度の変更指示を行うことができる。
図7Bに示す画面において、下分割画面40b中のピン41がタップ操作された場合、制御部11(設定部)は、下分割画面40bに表示されているデータに高い優先度を設定する。そして制御部11は、
図8Aに示すように、下分割画面40b中のピン41を濃い色で表示し、上分割画面40a中のピン41を薄い色で表示するように変更する。これにより、分割画面40a,40bに表示されるデータに対する優先度を変更することができる。なお、2画面表示から1画面表示に切り替えられた場合、高い優先度が設定されたデータの表示は維持され、高い優先度が設定されなかったデータの表示は終了される。即ち、高い優先度が設定されたデータ(ピン41が付加された分割画面に表示中のデータ)の表示状態が固定される。
【0040】
次に、本実施形態の分析装置10が、ショートカットキー31~37に対する操作が行われた場合にデータを表示部15に表示する処理について説明する。
図10は、分析装置10によるデータ表示処理手順の一例を示すフローチャートである。分析装置10の制御部11(アイコン受付部)は、例えば
図5Aに示す初期画面において、既に画面情報が登録されているショートカットキーのいずれかが入力部14を介して操作されたか否かを判断する(S41)。制御部11は、例えばいずれかのショートカットキーに対するタップ操作が行われたか否かを判断する。なお、
図5Aに示す初期画面において、登録済みのショートカットキー31には、
図9に示す画面のようにキー名称が表示されたアイコンが表示されており、キー名称が表示されているショートカットキーは選択操作を受け付けるように構成されている。制御部11は、ショートカットキーが操作されていないと判断した場合(S41:NO)、操作されるまで待機し、ショートカットキーが操作されたと判断した場合(S41:YES)、操作されたショートカットキーに対応する画面情報をショートカットDB12dから読み出す(S42)。
【0041】
制御部11は、読み出した画面情報が1画面表示の表示態様の情報であるか否かを判断し(S43)、1画面表示の表示態様の情報であると判断した場合(S43:YES)、画面情報に含まれるデータ情報に基づいて、表示すべきデータを読み出す(S44)。制御部11は、例えば検量線DB12a又は精度管理DB12bから表示すべきデータを読み出す。そして制御部11は、読み出したデータを、表示部15の全表示領域を1画面として表示する(S45)。このとき、制御部11は、画面情報(データ情報)に含まれるデータの表示範囲に基づいて、読み出したデータのうちの表示範囲内のデータを表示部15の全表示領域に表示する。即ち、読み出したデータが先頭から表示されるのではなく、設定された表示範囲が表示される。これにより、ショートカットキーに登録されていた1画面表示の表示態様の画面情報に基づいて、例えば
図6Aに示すような1画面表示での表示画面を再現できる。
【0042】
一方、1画面表示の表示態様の情報ではないと判断した場合(S43:NO)、即ち、2画面表示の表示態様の情報である場合、制御部11は、画面情報に含まれる各分割画面40a,40bのサイズ情報に基づいて、2つの分割画面40a,40bを設定する(S46)。そして制御部11は、画面情報に含まれるデータ情報に基づいて、各分割画面40a,40bに表示すべきデータを読み出し(S47)、各分割画面40a,40bにそれぞれ登録されていたデータを表示する(S48)。このとき、制御部11は、画面情報(データ情報)に含まれる各データの表示範囲に基づいて、読み出した各データのうちのそれぞれの表示範囲内のデータを、各分割画面40a,40bにそれぞれ表示する。即ち、各分割画面40a,40bにおいて、それぞれのデータが先頭から表示されるのではなく、設定された表示範囲が表示される。これにより、ショートカットキーに登録されていた2画面表示の表示態様の画面情報に基づいて、例えば
図7A~
図9に示すような2画面表示での表示画面を再現できる。
【0043】
本実施形態の分析装置10は、上述した処理により、1つのデータを参照したい場合には1画面表示の表示態様で表示することにより、広い表示領域にデータが表示されるので一度に参照できる範囲が広くなり、データを見易い状態で表示できる。また、2つのデータを比較して参照したい場合には2画面表示の表示態様で表示することにより、画面を切り替えることなく2つのデータを参照することができるので、例えば分析装置10に異常が発生した場合に原因を追究する際や対処する際に効率良くデータを参照できる。なお、2つのデータを、上下方向に並べて配置された分割画面40a,40bにそれぞれ表示することにより、2つのデータを見易い状態で表示できる。なお、本実施形態では、2画面表示の表示態様において、各分割画面40a,40bにメニューバー20が設けてあるので、それぞれの分割画面40a,40bをそれぞれのメニューバー20にて各別に操作できるので操作性が良い。また本実施形態では、各画面(1画面又は2画面)に表示されるデータにおいて、表示される範囲を指定できるので、各データにおいて、より重要な箇所(範囲、項目)を確実に表示することができる。更に本実施形態では、2画面表示において、各分割画面40a,40bの上下方向のサイズを変更できるので、より重要なデータを広い分割画面40a,40bに表示することができる。また、表示部15の表示領域を上下方向に並ぶ3つ以上の領域に分割して3つ以上の分割画面を設定してもよく、この場合、3つ以上のデータを上下方向に並べて表示することができる。なお、ショートカットキー31を操作することによって表示部15に表示(再現)された画面において、制御部11は、
図3及び
図4の処理を行うことにより、既にショートカットキーに登録してある画面情報に対する変更が可能である。よって、ユーザは、ショートカットキーに登録してある画面情報(データの表示態様)を随時カスタマイズすることができ、より最適な表示態様の登録が可能となる。
【0044】
本実施形態では、例えば2画面表示で表示すべきデータ、各データの表示サイズ(各分割画面のサイズ)、各データの表示範囲を任意に変更でき、変更された状態の表示態様(画面情報)を登録できる。分析装置10に係るデータについて、ユーザが対比して参照したいデータ及び各データの箇所は予め決まっている場合があり、また複数のユーザ間で共通である場合がある。よって、一度設定した表示態様を登録しておくことにより、次回からショートカットキーを操作することによって同じ表示態様で各データを表示させることができる。また、各データの表示態様についてはユーザ毎に好みがある場合がある。よって、ユーザ毎に表示態様を登録しておくことにより、ユーザ毎に参照し易い表示態様を再現できるので、処理効率を向上させることができる。
【0045】
本実施形態において、表示画面を介した操作は、上述した各操作に限定されず、タッチパネルに対して操作可能な各種の操作を用いることができる。例えば、
図6Aに示す画面において、右方向へのスワイプ操作が行われた場合に、キャリブレーションモニタ&トレースの表示画面から、キャリブレーション分析データの表示画面に切り替わるように構成してもよい。また、1画面表示と2画面表示とを切り替えるための操作に、画面切替ボタン40に対する操作の代わりに、所定方向へのスワイプ操作、所定回数のタップ操作等を用いてもよい。更に、2画面表示において、上分割画面40aに表示中のデータと、下分割画面40bに表示中のデータとを入れ替えるための操作に、例えば各分割画面40a,40bの所定箇所に対するドラッグ操作を用いてもよい。
【0046】
本実施形態において、ショートカットキーに登録される画面情報は、ユーザによって指定された画面情報に限定されず、例えば予め複数のユーザによって指定された画面情報から生成された最適な画面情報であってもよい。このような画面情報をショートカットキーに登録しておくことにより、使い易い可能性の高い画面情報(データの表示態様)が予め用意された分析装置10を提供できる。また、ショートカットキーに登録された画面情報は、登録したユーザが使用するだけでなく、部署内又は部門内のユーザ間で共有できる。更に、ネットワークに接続されたサーバが、ネットワーク経由で分析装置10からショートカットDB12dに登録された画面情報を取得し、他の分析装置に提供するように構成してもよく、この場合、分析装置10間においても画面情報(データの表示態様)を共有できる。例えば、ある部署内で各ユーザが使い易いと評価した画面情報がある場合に、この画面情報をお勧めの表示態様として他のユーザ又は他の分析装置に提供することもできる。
【0047】
本実施形態では、複数のデータを同時に表示させる際に、各データを表示する画面(分割画面)が上下方向に並べて表示される。よって、本実施形態の分析装置10では、表示部15に縦長のディスプレイを用いた場合、表示部15の表示領域を有効に利用して各分割画面を表示させることができる。本実施形態において、複数のデータを同時に表示させる際に、各データを表示する画面(分割画面)が左右方向に並べて表示されてもよい。また、各データを表示する画面を上下方向に並べて表示する上下表示態様と、左右方向に並べて表示する左右表示態様との切替が可能に構成されていてもよい。また、上下表示態様と左右表示態様との切替は、入力部14を介したユーザからの切替指示に従って行ってもよく、表示部15の表示領域が縦長の状態であるか横長の状態であるかに応じて自動的に行ってもよい。
【0048】
本実施形態では、分析装置10が各種の処理を行うことによって得られたデータを、分析装置10に設けられた表示部15に表示する構成であるが、例えばネットワーク経由で分析装置10と通信可能な外部の表示装置に表示する構成としてもよい。この場合、分析装置10は、各種の処理によって得られたデータを外部の表示装置へ送信し、外部の表示装置が、
図3及び
図4に示した処理を行うことにより、各種のデータを1画面表示又は2画面表示で表示することができる。
【0049】
(実施形態2)
2画面表示から1画面表示に切り替える際に、表示を終了させるデータ(画面)をユーザが指定できる分析装置について説明する。本実施形態の分析装置は、実施形態1の分析装置10と同様の構成を有するので、構成については説明を省略する。
図11は画面例を示す模式図である。
【0050】
本実施形態の分析装置10では、例えば
図6Aに示すような1画面表示でデータを表示している際に、画面切替ボタン40が操作された場合、制御部11は、2画面表示への切替指示を受け付ける。そして制御部11は、例えば
図11Aに示すように2画面表示への切替を確認する確認画面を表示する。確認画面は、2画面表示への切替を指示するための2画面表示ボタンと、確認画面の表示の終了を指示するための閉じるボタンとを有する。よって、確認画面を介して2画面表示ボタンが選択操作され、閉じるボタンが操作された場合、制御部11は、2画面表示への切替指示を受け付け、
図6Bに示すような2画面表示でのデータ表示に切り替える。なお、2画面表示に切り替える際に分析装置10が行う処理は実施形態1と同様であるが、本実施形態では、
図6Bに示す画面において上分割画面40a中にピン41が付加されない。
【0051】
また、例えば
図7Aに示すような2画面表示でデータを表示している際に、画面切替ボタン40が操作された場合、制御部11は、1画面表示への切替指示を受け付ける。そして制御部11は、例えば
図11Bに示すように1画面表示への切替を確認する確認画面を表示する。ここでの確認画面は、1画面表示への切替を指示するための1画面表示ボタンと、1画面表示に切り替える際に表示を終了するデータ(画面)を指示するための上画面ボタン及び下画面ボタンと、確認画面の表示の終了を指示するための閉じるボタンとを有する。よって、確認画面を介して1画面表示ボタンが選択操作され、上画面ボタン又は下画面が選択操作され、更に閉じるボタンが操作された場合、制御部11は、1画面表示への切替指示を受け付け、
図6Aに示すような1画面表示でのデータ表示に切り替える。なお、制御部11は、上画面ボタン又は下画面ボタンによって表示の終了が指示されたデータ(画面)の表示を終了し、表示の終了が指示されなかったデータを表示部15の全表示領域に表示する。これにより、制御部11は、1画面表示でのデータ表示を開始する。
【0052】
本実施形態では、2画面表示から1画面表示に切り替える際に、ユーザが、表示中の2つのデータにおいて画面を閉じるデータを指定できる。よって、2画面表示において一方の分割画面にピン41を付加する必要がなく、またいずれのデータに高い優先度が設定されているかを管理する必要がない。また本実施形態では、1画面表示から2画面表示に切り替える際に、確認画面を介してユーザの了承を得ることができ、不用意に画面切替が発生することを抑制できる。
【0053】
(実施形態3)
2画面表示において、1つのメニューバー20を2つの画面で共有(共用)する分析装置について説明する。本実施形態の分析装置は、実施形態1の分析装置10と同様の構成を有するので、構成については説明を省略する。
図12は画面例を示す模式図である。
【0054】
本実施形態の分析装置10では、例えば
図6Aに示すような1画面表示でデータを表示している際に、画面切替ボタン40が操作された場合、制御部11は、2画面表示への切替指示を受け付け、
図12Aに示すような2画面表示に切り替える。本実施形態の2画面表示では、1つのメニューバー20が表示され、上分割画面40aと下分割画面40bとにおいてメニューバー20が共有される。よって、制御部11は、2画面表示への切替指示を受け付けた場合、メニューバー20を含まない表示領域を2つに分割して上分割画面40a及び下分割画面40bを設定する。
図12Aに示す画面中のメニューバー20において、上分割画面40aに表示されるデータの種別としてキャリブレーションボタン24が選択操作されていることを示している。よって、上分割画面40aにはキャリブレーション分析に関するデータが表示されている。
【0055】
この状態で、下分割画面40bに表示すべきデータの種別としてメニューバー20の精度管理ボタン25が選択操作された場合、制御部11は、下分割画面40bに精度管理に関するデータを表示する。なお、例えば下分割画面40bをタップ操作することにより操作中の画面を下分割画面40bに切り替え、その後メニューバー20の精度管理ボタン25をタップ操作することにより、下分割画面40bに対して精度管理に関するデータの表示指示を行うように構成してもよい。下分割画面40bに対して精度管理に関するデータの表示指示が行われた場合、制御部11は、下分割画面40bに精度管理のメニューバー25aを表示し、精度管理のメニューバー25a及びモジュール選択メニュー25bを介して表示すべきデータの選択を受け付ける。そして制御部11は、表示すべきデータが選択された場合、例えば
図12Bに示すような2画面表示のデータ表示を行う。なお、メニューバー25aを分割画面40a,40bで共有すること以外は、2画面表示に切り替える際に分析装置10が行う処理は実施形態1と同様である。本実施形態においては、上分割画面40a又は下分割画面40bに表示中のデータに高い優先度が設定されていることを示すピン41が付加される。
図12Bに示す画面では、上分割画面40aに表示中のデータ(キャリブレーションに関するデータ)に高い優先度が設定されている。
【0056】
また、
図12Bに示す2画面表示でデータを表示している際に、画面切替ボタン40が操作された場合、制御部11は、1画面表示への切替指示を受け付け、ピン41が付加されていない下分割画面40bを閉じ(表示を終了し)、ピン41が付加されている上分割画面40aに表示中のデータを表示部15の全表示領域に表示させる。これにより、高い優先度が設定されていたデータが表示部15の全表示領域に表示される1画面表示でのデータ表示に切り替えられる。
【0057】
本実施形態では、2画面表示においてメニューバー20を2つの画面で共有できる。このような構成とした場合であっても、実施形態1と同様の処理を行うことができ、同様の効果が得られる。また、メニューバー20を1つしか表示しないことにより、データの表示領域(分割画面)を広げることができる。本実施形態においても、表示部15の表示領域を上下方向に並ぶ3つ以上の領域に分割して3つ以上の分割画面を設定してもよく、この場合、3つ以上の分割画面において1つのメニューバー20を共有するように構成できる。
【0058】
(実施形態4)
分析装置10が各種の処理を行うことによって得られたデータを外部の表示装置で表示する表示システムについて説明する。
図13は、実施形態4の表示システムの構成例を示す模式図である。本実施形態の分析システムは、上述した実施形態1~3のいずれかの分析装置10と、表示装置50とを含む。分析装置10及び表示装置50は、ネットワーク経由で又は直接通信できるように構成されており、情報の送受信を行う。なお、分析装置10及び表示装置50は例えばケーブルを介して有線通信を行うように構成されていてもよい。表示装置50は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等である。
【0059】
なお、本実施形態では、表示装置50が、
図3及び
図4に示した処理を行うように構成されている。よって、分析装置10が分析部16による各種の処理によって得られたデータ(例えば検量線DB12a及び精度管理DB12bに記憶してあるデータ)が表示装置50へ送信され、表示装置50で
図3及び
図4に示した処理が行われることにより、表示装置50において各種のデータを1画面表示又は2画面表示で表示することができる。この場合、分析装置10で分析部16による各種の処理を行い、各種の処理の結果得られたデータは表示装置50で閲覧できる。よって、分析装置10に係るデータを分析装置10の表示部15以外の表示装置50で確認することができるので、作業効率が向上する。
【0060】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0061】
10 分析装置
11 制御部
12 記憶部
14 入力部
15 表示部