(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-16
(45)【発行日】2023-08-24
(54)【発明の名称】多目的移動装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20230817BHJP
B62D 61/10 20060101ALI20230817BHJP
B60B 19/00 20060101ALI20230817BHJP
【FI】
G05D1/02 H
G05D1/02 X
B62D61/10
B60B19/00 H
(21)【出願番号】P 2019129879
(22)【出願日】2019-07-12
【審査請求日】2022-04-26
(31)【優先権主張番号】10-2018-0157487
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 南 均
(72)【発明者】
【氏名】徐 在 錫
(72)【発明者】
【氏名】任 洪 均
(72)【発明者】
【氏名】兪 周 善
(72)【発明者】
【氏名】鄭 玲 ア
(72)【発明者】
【氏名】徐 庸 ウク
(72)【発明者】
【氏名】劉 キョン 虎
【審査官】大古 健一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0288334(US,A1)
【文献】特開2006-229583(JP,A)
【文献】特開2017-165399(JP,A)
【文献】特開2004-148439(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/00 - 1/12
B62D 61/10
B60B 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
球状の駆動ホイールと、
前記駆動ホイールに回転力を加えるように前記駆動ホイールの内部に設けられ、円周方向に等間隔をおいて配置された4つのオムニホイール、および各オムニホイールに駆動力を提供する駆動モータを備えた駆動装置と、
前記駆動ホイールの上部に配置され、前記駆動ホイールの内部に設けられ
た第2マウンティングプレートに連結された第1マウンティングプレート上に装着されて磁力を発生させるドッキング部と、
前記ドッキング部の磁力によって前記
ドッキング部に付着可能で、物品
(オブジェクト)を搭載でき、搭載された
前記オブジェクトを識別する識別素子を備えた搭載部と
、を含む多目的移動装置の制御方法において、
前記多目的移動装置の制御モードを判断するために、前記ドッキング部に
磁力によってドッキングされた
前記搭載部に搭載された前記オブジェクトと前記ドッキング部および前記駆動装置をモニタリングし、
前記搭載部に搭載された
前記オブジェクトを前記識別素子を介して識別し、
前記識別に成功すると、前記搭載部へのカメラ搭載の有無を判断し、
前記カメラ搭載の有無の判断の結果、カメラが搭載され
ている場合、オブジェクト追従モードか否かを判断し、
前記オブジェクト追従モード
である場合
、追従オブジェクト
の認識
を実行し、
前記追従オブジェクトの認識に成功すれば、
前記
追従オブジェクトとの距離および方向を判断し、
前記
追従オブジェクトとの距離および方向の判断に応じて前記駆動装置を介した駆動制御と姿勢制御を実行
し、
前記オブジェクト追従モードでない場合、前記搭載部に搭載された前記オブジェクトによる駆動力制限および姿勢制御敏感度を決定し、操縦入力情報を無線通信を介してアップデートした後に、前記駆動装置を介した駆動制御と姿勢制御を実行し、
前記カメラ搭載の有無の判断の結果、カメラが搭載されていない場合、前記搭載部に搭載された前記オブジェクトによる駆動力制限および姿勢制御敏感度を決定し、操縦入力情報を無線通信を介してアップデートした後に、前記駆動装置を介した駆動制御と姿勢制御を実行することを特徴とする多目的移動装置の制御方法。
【請求項2】
前記駆動ホイールに設けられた各種センサ情報をアップデートし、
前記モニタリング、前記アップデート
、および前記識別素子を介した
前記搭載部に搭載された前記オブジェクトの識別がされなければ、フェイルセーフ制動のために駆動/姿勢制御を実行し終了することを特徴とする請求項1に記載の多目的移動装置の制御方法。
【請求項3】
前記操縦入力情報の
前記無線通信を介し
たアップデートが行われなければ、フェイルセーフ制動のために駆動/姿勢制御を実行し終了することを特徴とする請求項
1に記載の多目的移動装置の制御方法。
【請求項4】
前記追従オブジェクトの認識がされなければ、操縦モードに変更後、前記
搭載部に搭載された前記オブジェクトによる駆動力制限および姿勢制御敏感度を決定し、操縦入力情報を無線通信を介してアップデートした後に、前記駆動装置を介した駆動制御と姿勢制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の多目的移動装置の制御方法。
【請求項5】
前記駆動装置が隣接した2つのオムニホイールを時計方向に回転させ、他の2つのオムニホイールを反時計方向に回転させて、前記駆動ホイールを全方位に直線移動させることを特徴とする請求項1に記載の多目的移動装置の制御方法。
【請求項6】
前記駆動装置が4つの前記オムニホイールのうち180度に配置された2つのオムニホイールだけを回転させて、前記駆動ホイールを全方位に直線移動させることを特徴とする請求項1に記載の多目的移動装置の制御方法。
【請求項7】
前記駆動装置が4つの前記オムニホイールを同一方向に回転させながら各オムニホイールの駆動軸を可変制御して、前記駆動ホイールを曲線移動させたりその場回転させることを特徴とする請求項1に記載の多目的移動装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多目的移動装置の制御方法に係り、より詳しくは、スマート機器などを搭載して全方位(すべての方向)に自己推進して転がり移動できる多目的移動装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、ドローンのような飛行体を用いて物品を移送したり、あるいはカメラをドローンに搭載して映像を撮影するなど多方面への利用がなされているが、このようなドローンは飛行体であるので、地上では使用できず、その活用に制約があった。
そこで、地上で物品を適切に搭載して所望の場所に自由に移動させることができる自己推進移動装置が開発および提案されており、例えば、大韓民国特許公開10-2016-0016830号の「多目的自己推進装置」に開示がなされている。
前記技術は、球状ホイールの内部に自己推進駆動システムが内蔵されており、球状ホイールの内部に小型物品を搭載可能なペイロード空間が設けられているので、小型物品を球状ホイールの内部に搭載して自己推進駆動システムで物品を移送することができる。
【0003】
しかし、前記技術は、限定された球状ホイールの内部にペイロード空間が設けられているので、搭載可能な物品の種類が制限されることから、その活用範囲が広くなかった。
そこで、物品の大きさおよび種類に関係なく多様な種類の物品を搭載して移動させることができる、広範囲に活用可能な自己推進移動装置の開発が必要となった。
本出願人は大韓民国特許出願第10-2018-0038268号の多目的移動装置を出願しており、本発明は、前記多目的移動装置の効果的な制御方法を提供するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】韓国公開特許第10-2016-0016830号
【文献】韓国公開特許第10-2018-0038268号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が目的とするところは、地上で地形の形態に関係なく全方位に容易に移動可能であり、物品の大きさおよび種類に関係なく多様な種類の物品を搭載でき、スマートモビリティにも活用できるなどの汎用性を有する多目的移動装置の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、球状の駆動ホイールと、前記駆動ホイールに回転力を加えるように前記駆動ホイールの内部に設けられ、円周方向に等間隔をおいて配置された4つのオムニホイール、および各オムニホイールに駆動力を提供する駆動モータを備えた駆動装置と、前記駆動ホイールの内部に設けられて磁力を発生させるドッキング部と、前記ドッキング部の磁力によって前記駆動ホイールの表面に付着可能で、物品を搭載でき、搭載されたオブジェクトを識別する識別素子を備えた搭載部とを含む多目的移動装置の制御方法において、前記ドッキング部にドッキングされたドッキングオブジェクトと前記ドッキング部および前記駆動装置をモニタリングし、、搭載部に搭載されたオブジェクトを前記識別素子を介して識別し、、カメラ搭載の有無を判断し、、カメラが搭載された場合、オブジェクト追従モードか否かを判断し、、オブジェクト追従モードの場合に追従オブジェクトを認識し、、前記オブジェクトとの距離および方向を判断し、、前記オブジェクトとの距離および方向の判断に応じて前記駆動装置を介した駆動制御と姿勢制御を実行することを特徴とする。
【0007】
各種センサ情報をアップデートし、前記モニタリング、前記アップデートおよび前記識別素子を介したオブジェクトの識別がされなければ、フェイルセーフ制動のために駆動/姿勢制御を実行し終了することを特徴とする。
【0008】
前記カメラ搭載の有無の判断結果、カメラが搭載されていなければ、前記ドッキングオブジェクトによる駆動力制限および姿勢制御敏感度を決定し、操縦入力情報を無線通信を介してアップデートした後に、前記駆動装置を介した駆動制御と姿勢制御を実行することを特徴とする。
【0009】
前記操縦入力情報の無線通信を介してアップデートが行われなければ、フェイルセーフ制動のために駆動/姿勢制御を実行し終了することを特徴とする。
【0010】
前記オブジェクト追従モードでない場合、前記ドッキングオブジェクトによる駆動力制限および姿勢制御敏感度を決定し、操縦入力情報を無線通信を介してアップデートした後に、前記駆動装置を介した駆動制御と姿勢制御を実行することを特徴とする。
【0011】
前記追従オブジェクトの認識がされなければ、操縦モードに変更後、前記ドッキングオブジェクトによる駆動力制限および姿勢制御敏感度を決定し、操縦入力情報を無線通信を介してアップデートした後に、前記駆動装置を介した駆動制御と姿勢制御を実行することを特徴とする。
【0012】
前記操縦入力情報の無線通信を介してアップデートが行われなければ、フェイルセーフ制動のために駆動/姿勢制御を実行し終了することを特徴とする。
【0013】
前記駆動装置が隣接した2つのオムニホイールを時計方向に回転させ、他の2つのオムニホイールを反時計方向に回転させて、前記駆動ホイールを全方位に直線移動させることを特徴とする。
【0014】
前記駆動装置が4つの前記オムニホイールのうち180度に配置された2つのオムニホイールだけを回転させて、前記駆動ホイールを全方位に直線移動させることを特徴とする。
【0015】
前記駆動装置が4つの前記オムニホイールを同一方向に回転させながら各オムニホイールの駆動軸を可変制御して、前記駆動ホイールを曲線移動させ、あるいはその場回転させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の多目的移動装置によれば、複数のオムニホイールを駆動し球状の駆動ホイールを回転させて全方位に移動することができ、駆動ホイールの転がり運動による移動で地形の形態に関係なく容易に移動することができる。
また。駆動ホイールの外部で前記ドッキング部と磁力により脱着可能に結合される搭載部を介在させて、物品の大きさおよび種類に関係なく多様な種類の物品を搭載して移動させることができる。
また、前記搭載部に人が直接座ったり、あるいは椅子などの適切な着席手段を搭載して座ってから着座して移動可能なため、スマートモビリティにも活用でき、カメラやスマート機器を搭載して人が近づきにくい災難現場や救助現場を撮影できるだけでなく、救助器具や装備などを搭載して災難および救助現場に移動して災難および救助活動を直接行ったり役立てることができる。
さらに、個人のフィットネスやヘルスケアなどの運動にも活用でき、個人秘書ロボットなどの移動手段にも活用でき、乳児の遊びや教育などにも積極活用できるなどの広範囲に活用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施例による多目的移動装置の斜視図である。
【
図2】本発明の実施例による多目的移動装置の底面図である。
【
図3】本発明の実施例による多目的移動装置のドッキング部の斜視図である。
【
図4】本発明の実施例による多目的移動装置の駆動装置の分解斜視図である。
【
図5】本発明の実施例による多目的移動装置の搭載部の斜視図である。
【
図6】本発明の実施例による多目的移動装置の制御方法を説明する図である。
【
図7】本発明の実施例による多目的移動装置が車両内部に収納されて充電される状態を説明する図である。
【
図8】本発明の実施例による多目的移動装置の駆動装置を制御して全方位に直線移動させる説明図である。
【
図9】本発明の実施例による多目的移動装置の駆動装置を制御して全方位に曲線移動させる説明図である。
【
図10】本発明の実施例による多目的移動装置の駆動装置を制御してその場回転させる説明図である。
【
図11】本発明の実施例による多目的移動装置の制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明について図面を参照して詳細に説明する。
図1に示す通り、本発明の実施例による多目的移動装置100は、球状の駆動ホイール1を含む。駆動ホイール1は、好ましくは、非磁性体で形成され、駆動ホイール1の内部には所定の大きさの収納空間が形成される。
駆動ホイール1の内部収納空間の上部にはドッキング部2が配置され、下部には駆動装置3が配置される。
ドッキング部2は、略円板形状をした第1マウンティングプレート4上に装着され、駆動ホイール1の内部収納空間の略中央部位には円板形状の第2マウンティングプレート5が配置され、第1マウンティングプレート4は、第2マウンティングプレート5と複数のブリッジ42を介して連結され、ドッキング部2が第1マウンティングプレート4とブリッジ42を介して第2マウンティングプレート5上に支持される。
【0019】
図2に示す通り、第2マウンティングプレート5の円周方向に沿って複数の収容溝52が所定間隔をおいて形成され、各収容溝52にはボールキャスタ6が収容されている。
ボールキャスタ6は、駆動ホイール1が回転しながら転がり運動をする時に第2マウンティングプレート5との干渉を防止し、駆動ホイール1が第2マウンティングプレート5に対して相対回転可能に支持されるようにするためのものである。
第2マウンティングプレート5の下には第3マウンティングプレート7が配置され、第3マウンティングプレート7に駆動装置3が装着されて支持される。
また、第3マウンティングプレート7の下面中央部位にはバッテリパック8が装着され、バッテリパック8は、駆動装置3に電源を供給することができ、外部から充電が行われるようにする。
バッテリパック8は、駆動ホイール1の下部に位置し、重心をとる役割を有する。
【0020】
図3に示す通り、ドッキング部2は、ドッキングハウジング22と、このドッキングハウジング22の上部に装着された複数の磁石24と、前記ドッキングハウジング22を挟み支持する支持軸26と、支持軸26を弾力的に支持するための弾性体としてスプリング28とを含む。
支持軸26の下部は、円板形状の第4マウンティングプレート21に挟まれ、第4マウンティングプレート21は、第1マウンティングプレート4にボルトなどで組立てられる。
複数の磁石24は、永久磁石が好ましいが、必要に応じて電磁石に代替してもよく、円周方向に所定間隔をおいて3つの磁石24が配置された構造を有するが、2つあるいはそれ以上の個数で構成することができる。
【0021】
図4に示す通り、駆動装置3は、公知の複数のオムニホイール32と、オムニホイール32を駆動するためにオムニホイール32に結合された駆動モータ34とを含む。
オムニホイール32は、略円板形状をした2つのホイールハウジング322、323と、各ホイールハウジング322、323に回転可能に装着された複数の第1、第2ローラ324、325とをそれぞれ含む。
2つのホイールハウジング322、323は、軸方向に配置されて二重ハウジングを形成する。
第1ホイールハウジング322には複数の第1ローラ324が円周方向に所定間隔をおいて配置され、第2ホイールハウジング323には複数の第2ローラ325が円周方向に所定間隔をおいて配置される。
また、円周方向に複数の第1ローラ324の間に第2ローラ325がそれぞれ配置される構造を有する。
さらに、詳しく図示しないものの、各オムニホイール32にはエンコーダが設けられ、オムニホイール32の回転速度を検知することができる。
【0022】
再び
図2に示す通り、複数のオムニホイール32は、円周方向に90度の角度をおいて4つ配置される。
各オムニホイール32が駆動モータ34を介して回転力を受けて回転すると、オムニホイール32の各ローラが回転し、各ローラと密着した駆動ホイール1は、各ローラを介して回転力を受けて回転して、転がり移動する。
各オムニホイール32の各駆動モータ34の動作を制御すれば、駆動ホイール1がその場で回転できるだけでなく、全方位に転がり移動が可能になる。
図5に示す通り、本発明の実施例による多目的移動装置は、前記ドッキング部2と着脱可能に結合可能な搭載部9をさらに含んでもよい。
搭載部9は、駆動ホイール1の表面に載せられ、磁力によりドッキング部2と結合するので、駆動ホイール1が転がり運動をしてもドッキング部2が本来の位置を維持する限り、常に駆動ホイール1の上部に位置できる。
【0023】
搭載部9は、略円盤を形成する搭載ハウジング92と、この搭載ハウジング92の内部に収納され、ドッキング部2の磁石24と相互作用をする複数の磁石94と、搭載ハウジング92の下面に装着され、駆動ホイール1が回転する時に搭載ハウジング92と摩擦しないようにするように前記駆動ホイール1の表面と接触する複数のボールキャスタ96とを含む。
複数の磁石94は、電磁石あるいは永久磁石を用いることができる。
搭載ハウジング92の上面を形成する平らな搭載板922に多様な物品を載せて搭載することができる。
例えば、スマートフォンあるいはナビゲーションなどのようなスマート機器を搭載して移動させることができ、カメラなどを搭載して周辺状況を撮影可能であり、様々な機器や装備などを搭載して移動させることができ、人が椅子などを搭載して座ったり、あるいは搭載部に直接座って個人移動手段として活用できるなどの多様な用途に広範囲に活用可能である。
【0024】
図6に示す通り、搭載部9には、搭載されたオブジェクトを識別するために識別素子が設けられる。識別素子としては、例えば、RFIDなどが活用される。識別素子を介して搭載されたオブジェクトを識別し、識別されたオブジェクト識別情報を送信するためにサブコントローラなどが搭載部9に内蔵される。
複数の磁石94を電磁石として用いる場合、前記サブコントローラは、前記複数の電磁石の磁力強度を制御して、前記搭載部9に搭載された物品の搭載磁石を制御することができる。
第2マウンティングプレート5にはメインコントローラが設けられる。メインコントローラは、識別素子あるいはサブコントローラと有無線通信モジュールを介して搭載されたオブジェクトの情報を受信して、搭載されたオブジェクトを識別することができる。(ドッキングオブジェクト判断)
【0025】
万一、駆動ホイールにカメラを搭載した場合には、駆動ホイール1の周辺状況をカメラ映像により判断し、この判断に基づいて駆動コントロール方向をリアルタイムに判断することができる。
また、メインコントローラは、バッテリパック8に連結され、駆動ホイール1の状態情報、例えば、バッテリパック8の充電状態を判断し診断することができる。
駆動装置3が装着される第3マウンティングプレート7には駆動コントローラが設けられる。
駆動コントローラは、駆動モータ34のモータドライバに連結され、駆動モータ34の駆動速度(PWM制御)および駆動方向(DIR制御)を制御することができる。この時、エンコーダを介して駆動モータ34の回転速度を判断してフィードバックすることができる。
また、駆動ホイール1には加速度センサおよびジャイロセンサなどを設けて、駆動コントローラが加速度センサを介して駆動ホイール1の転がり移動速度と回転速度などを判断して駆動モータを制御し、ジャイロセンサを介しロールレート信号を判断して駆動ホイールの姿勢が均衡を維持するように制御することができる。
【0026】
前記駆動コントローラは、有無線通信モジュールを介しメインコントローラと通信してリアルタイムに情報を共有させることができる。
バッテリパック8には無線充電モジュールを内蔵することができる。
また、バッテリパック8は、
図7に示すように、車両のトランクルーム20の内部に収納させて車両により移動可能であり、トランクルーム20に収納された状態で車両の無線充電パネルと無線通信してバッテリパック8を充電することができる。
図8に示す通り、複数のオムニホイール32が円周方向に90度の角度をおいて4つ配置された場合に、駆動コントローラが2つの隣接したオムニホイール32を時計方向に回転させ、他の2つのオムニホイール32を反時計方向に回転させて、多目的移動装置100を全方位に直線移動させることができる。
あるいは、4つのオムニホイール32のうち180度に位置した2つのオムニホイール32だけを互いに反対方向に回転させて、多目的移動装置100を全方位に直線移動させることができる。
【0027】
図9に示す通り、駆動コントローラが4つのオムニホイール32を時計方向あるいは反時計方向に回転させると、多目的移動装置100を曲線移動させることができることから、この時、各オムニホイール32の軸をリアルタイムに可変制御する。
図10に示す通り、駆動コントローラが4つのオムニホイール32を特定の同一方向に回転させると、多目的移動装置100がその場回転可能であり、多目的移動装置100を加減速あるいは制動する場合には、駆動コントローラがオムニホイール32の各軸をスロットル(throttle)制御する。
図11に示す通り、本発明の実施例による多目的移動装置の制御方法は、S10段階では、ドッキングオブジェクトとドッキング部2および駆動装置3をモニタリングし、S20段階では、各種センサ情報をアップデートし、S30段階では、搭載部9で搭載されたオブジェクトを識別する。
S10段階からS30段階の実行に成功すれば、S40段階でカメラの搭載の有無を判断するのに対し、S10段階からS30段階の実行に成功しなければ、S180段階に移って、フェイルセーフ制動のために駆動/姿勢制御を実行し終了する。
【0028】
S40段階でカメラ搭載の有無の判断結果、カメラが搭載されていれば、S60段階でオブジェクト追従モードであるかを判断する。カメラが搭載されていなければ、S130段階に移って、搭載部9にドッキングされたオブジェクトによる駆動力制限および姿勢制御敏感度を決定し、S140段階で操縦入力情報を無線通信を介してアップデートした後に、S150段階では、S140段階での情報受信に成功しているか否かを判断し、情報受信に成功していれば、S160段階で駆動力制御およびS170段階で姿勢制御を実行してから終了するのに対し、情報受信に失敗すれば、S180段階に移って、フェイルセーフ制動のために駆動/姿勢制御を実行し終了する。
前記S60段階でオブジェクト追従モードの判断結果、オブジェクト追従モードであれば、S70段階で追従オブジェクトを認識し、オブジェクト追従モードでなければ、S130段階からS180段階を実行し終了する。
【0029】
S70段階で追従オブジェクトの認識後に、S80段階でオブジェクト認識に成功すれば、S90段階でオブジェクトとの距離および方向を判断した後に、S160段階およびS170段階でそれぞれ駆動制御および姿勢制御を実行してから終了するのに対し、S80段階でオブジェクト認識に失敗すれば、S120段階で操縦モードに変更した後に、S130段階からS180段階を実行し終了する。
このような一連の制御方法は、メインコントローラにプログラムされて保存される。
【0030】
以上、本発明に関する好ましい実施例を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の属する技術分野を逸脱しない範囲での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0031】
1:駆動ホイール
2:ドッキング部
3:駆動装置
4:第1マウンティングプレート
5:第2マウンティングプレート
6:ボールキャスタ
7:第3マウンティングプレート
8:バッテリパック
9:搭載部
21 第4マウンティングプレート
22 ドッキングハウジング
24 磁石
26 支持軸
28 スプリング
32 オムニホイール
34 駆動モータ
42 ブリッジ
52 収容溝
92 搭載ハウジング
94 磁石
96 ボールキャスタ
100 多目的移動装置
322、323 ホイールハウジング
324 第1ローラ
325 第2ローラ
922 搭載板