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特許7333354契約管理装置、契約管理方法、および契約管理プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-16
(45)【発行日】2023-08-24
(54)【発明の名称】契約管理装置、契約管理方法、および契約管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20230817BHJP
   G06Q 40/12 20230101ALI20230817BHJP
【FI】
G06Q10/06
G06Q40/12
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021011071
(22)【出願日】2021-01-27
(65)【公開番号】P2022114683
(43)【公開日】2022-08-08
【審査請求日】2023-05-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉山 幹宏
(72)【発明者】
【氏名】牧野 香子
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-181343(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0410560(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0262126(US,A1)
【文献】特表2018-506804(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部および制御部を備え、複数の契約を結合管理する契約管理装置であって、
前記記憶部は、
業務実態の単位の契約からなる契約明細と前記契約明細を識別する契約明細番号とを対応付けた1または複数の契約明細情報が登録された契約明細テーブルを予め記憶し、
前記制御部は、
結合対象の、前記契約明細の基となった契約である1または複数の原契約の入力と、1または複数の前記契約明細の選択と、を受け付ける受付手段と、
受付けた1または複数の前記原契約と受付けた1または複数の前記契約明細とを結合した結合契約と、前記結合契約を識別する結合契約番号と、を対応付けて結合契約テーブルに登録し、前記結合契約番号と、受付けた前記原契約および該原契約を識別する原契約番号と、を対応付けて原契約テーブルへ登録し、前記結合契約番号と、受付けた前記契約明細を識別する前記契約明細番号と、を対応付けて結合契約紐付テーブルへ登録する、登録手段と、
を備えることを特徴とする契約管理装置。
【請求項2】
前記受付手段は、
登録画面を介して、結合対象の、1または複数の前記原契約の入力と、1または複数の前記契約明細の選択と、を受け付ける、
ことを特徴とする請求項1に記載の契約管理装置。
【請求項3】
前記結合契約テーブル、前記原契約テーブル、前記結合契約紐付テーブル、および前記契約明細テーブルに基づいて、前記結合契約番号に対応する前記原契約および前記契約明細、前記原契約番号に対応する前記結合契約および前記契約明細、および、前記契約明細番号に対応する前記結合契約および前記原契約、の少なくとも1つを出力する出力制御手段を備える、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の契約管理装置。
【請求項4】
前記業務実態の単位は、履行義務の単位である、ことを特徴とする請求項1~請求項3の何れか1項に記載の契約管理装置。
【請求項5】
制御部及び記憶部を備えた情報処理装置に実行させるための契約管理方法であって、
前記記憶部には、
業務実態の単位の契約からなる契約明細と前記契約明細を識別する契約明細番号とを対応付けた1または複数の契約明細情報が登録された契約明細テーブルが予め記憶され、
前記制御部で実行される、
結合対象の、前記契約明細の基となった契約である1または複数の原契約の入力と、1または複数の前記契約明細の選択と、を受け付ける受付ステップと、
受付けた1または複数の前記原契約と受付けた1または複数の前記契約明細とを結合した結合契約と、前記結合契約を識別する結合契約番号と、を対応付けて結合契約テーブルに登録し、前記結合契約番号と、受付けた前記原契約および該原契約を識別する原契約番号と、を対応付けて原契約テーブルへ登録し、前記結合契約番号と、受付けた前記契約明細を識別する前記契約明細番号と、を対応付けて結合契約紐付テーブルへ登録する、登録ステップと、
を含むことを特徴とする契約管理方法。
【請求項6】
制御部及び記憶部を備えた情報処理装置に実行させるための契約管理プログラムであって、
前記記憶部には、
業務実態の単位の契約からなる契約明細と前記契約明細を識別する契約明細番号とを対応付けた1または複数の契約明細情報が登録された契約明細テーブルが予め記憶され、
前記制御部において、
結合対象の、前記契約明細の基となった契約である1または複数の原契約の入力と、1または複数の前記契約明細の選択と、を受け付ける受付ステップと、
受付けた1または複数の前記原契約と受付けた1または複数の前記契約明細とを結合した結合契約と、前記結合契約を識別する結合契約番号と、を対応付けて結合契約テーブルに登録し、前記結合契約番号と、受付けた前記原契約および該原契約を識別する原契約番号と、を対応付けて原契約テーブルへ登録し、前記結合契約番号と、受付けた前記契約明細を識別する前記契約明細番号と、を対応付けて結合契約紐付テーブルへ登録する、登録ステップと、
を実行させるための契約管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、契約管理装置、契約管理方法、および契約管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業会計基準委員会により我が国における収益認識に関する包括的な会計基準である新収益認識基準が公表され、2021年4月から原則適用が開始される。新収益認識基準の基準第27項によれば、複数の契約を結合し単一の契約とみなして処理することが規定されている。複数の契約を管理するシステムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-240891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
新収益認識規準に則り、複数の契約を結合して管理する方法としては、複数の契約を業務実態などの単位ごとに分類し、契約明細として登録する運用が考えられる。しかし、従来技術では、契約明細の基となった原契約が管理されておらず、業務遂行の効率が低下する場合があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、複数の契約を結合管理する契約管理装置において、業務遂行の効率向上を図ることが可能な契約管理装置、契約管理方法、および契約管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る契約管理装置は、記憶部および制御部を備え、複数の契約を結合管理する契約管理装置であって、前記記憶部は、業務実態の単位の契約からなる契約明細と前記契約明細を識別する契約明細番号とを対応付けた1または複数の契約明細情報が登録された契約明細テーブルを予め記憶し、前記制御部は、結合対象の、前記契約明細の基となった契約である1または複数の原契約の入力と、1または複数の前記契約明細の選択と、を受け付ける受付手段と、受付けた1または複数の前記原契約と受付けた1または複数の前記契約明細とを結合した結合契約と、前記結合契約を識別する結合契約番号と、を対応付けて結合契約テーブルに登録し、前記結合契約番号と、受付けた前記原契約および該原契約を識別する原契約番号と、を対応付けて原契約テーブルへ登録し、前記結合契約番号と、受付けた前記契約明細を識別する前記契約明細番号と、を対応付けて結合契約紐付テーブルへ登録する、登録手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
なお、本発明に係る契約管理装置の前記受付手段は、登録画面を介して、結合対象の、1または複数の前記原契約の入力と、1または複数の前記契約明細の選択と、を受け付けることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る契約管理装置は、前記結合契約テーブル、前記原契約テーブル、前記結合契約紐付テーブル、および前記契約明細テーブルに基づいて、前記結合契約番号に対応する前記原契約および前記契約明細、前記原契約番号に対応する前記結合契約および前記契約明細、および、前記契約明細番号に対応する前記結合契約および前記原契約、の少なくとも1つを出力する出力制御手段を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る契約管理装置における前記業務実態の単位は、履行義務の単位であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る契約管理方法は、制御部及び記憶部を備えた情報処理装置に実行させるための契約管理方法であって、前記記憶部には、業務実態の単位の契約からなる契約明細と前記契約明細を識別する契約明細番号とを対応付けた1または複数の契約明細情報が登録された契約明細テーブルが予め記憶され、前記制御部で実行される、結合対象の、前記契約明細の基となった契約である1または複数の原契約の入力と、1または複数の前記契約明細の選択と、を受け付ける受付ステップと、受付けた1または複数の前記原契約と受付けた1または複数の前記契約明細とを結合した結合契約と、前記結合契約を識別する結合契約番号と、を対応付けて結合契約テーブルに登録し、前記結合契約番号と、受付けた前記原契約および該原契約を識別する原契約番号と、を対応付けて原契約テーブルへ登録し、前記結合契約番号と、受付けた前記契約明細を識別する前記契約明細番号と、を対応付けて結合契約紐付テーブルへ登録する、登録ステップと、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る契約管理プログラムは、制御部及び記憶部を備えた情報処理装置に実行させるための契約管理プログラムであって、前記記憶部には、業務実態の単位の契約からなる契約明細と前記契約明細を識別する契約明細番号とを対応付けた1または複数の契約明細情報が登録された契約明細テーブルが予め記憶され、前記制御部において、結合対象の、前記契約明細の基となった契約である1または複数の原契約の入力と、1または複数の前記契約明細の選択と、を受け付ける受付ステップと、受付けた1または複数の前記原契約と受付けた1または複数の前記契約明細とを結合した結合契約と、前記結合契約を識別する結合契約番号と、を対応付けて結合契約テーブルに登録し、前記結合契約番号と、受付けた前記原契約および該原契約を識別する原契約番号と、を対応付けて原契約テーブルへ登録し、前記結合契約番号と、受付けた前記契約明細を識別する前記契約明細番号と、を対応付けて結合契約紐付テーブルへ登録する、登録ステップと、を実行させるための契約管理プログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の契約を結合管理する契約管理装置において、業務遂行の効率向上を図ることが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本実施の形態に係る契約管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2A図2Aは、結合契約テーブルのデータ構成の一例を示す模式図である。
図2B図2Bは、原契約テーブルのデータ構成の一例を示す模式図である。
図2C図2Cは、結合契約紐付テーブルのデータ構成の一例を示す模式図である。
図2D図2Dは、契約明細テーブルのデータ構成の一例を示す模式図である。
図3図3は、本実施の形態における契約管理装置の全体の処理の一例を説明するためのフローを示す図である。
図4図4は、登録画面の一例の模式図である。
図5図5は、検索画面の一例の模式図である。
図6図6は、テーブル間の関連を表す説明図である。
図7A図7Aは、テーブルへの登録パターンの具体例の説明図である。
図7B図7Bは、テーブルへの登録パターンの具体例の説明図である。
図8A図8Aは、テーブルへの登録パターンの具体例の説明図である。
図8B図8Bは、テーブルへの登録パターンの具体例の説明図である。
図9A図9Aは、出力受付画面の一例の模式図である。
図9B図9Bは、帳票イメージの一例である。
図10A図10Aは、出力受付画面の一例の模式図である。
図10B図10Bは、帳票イメージの一例である。
図11A図11Aは、出力受付画面の一例の模式図である。
図11B図11Bは、帳票イメージの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る契約管理装置、契約管理方法、および契約管理プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0015】
[1.概要]
企業会計基準委員会により、2018年3月30日に、我が国における収益認識に関する包括的な会計基準である新収益認識基準が公表され、2021年4月から原則適用が開始される。
【0016】
具体的には、本発明は、2021年4月から原則適用が開始される企業会計基準第29号(以下「新収益認識基準」と記載)の適用に関して、主に、建設工事業・IT業等向けの案件型販売管理システムにおいて効果を見込むものである。
【0017】
新収益認識基準について、以下の項が本発明に関係する内容となる。
【0018】
・基準第27項
同一の顧客(当該顧客の関連当事者を含む。)と同時又はほぼ同時に締結した複数の契約について、次の(1)から(3)のいずれかに該当する場合には、当該複数の契約を結合し、単一の契約とみなして処理する。
(1)当該複数の契約が同一の商業的目的を有するものとして交渉されたこと
(2)1つの契約において支払われる対価の額が、他の契約の価格又は履行により影響を受けること
(3)当該複数の契約において約束した財又はサービスが、第32項から第34項に従うと単一の履行義務となること
【0019】
上記規準第27項において本発明と関連するポイントは、実際の契約書上は別々である契約が、1つの契約に結合される点である。
【0020】
なお、本実施形態では、履行義務などの業務実態の単位の契約を、「契約明細」と称して説明する。また、契約明細の基となった契約を、「原契約」と称して説明する。原契約は、具体的には、実務上の契約書ベースの契約である。また、本実施形態では、原契約のデータを、単に、原契約、と称して説明する。同様に、契約明細のデータを契約明細と称し、結合契約のデータを結合契約と称して説明する。結合契約は単一の契約としてみなすように、複数の契約を結合したものである。
【0021】
ここで、契約の結合を行う従来の対応方法としては、以下の方法が挙げられる。例えば、契約内容を履行義務ごとに分類し、履行義務の単位の契約明細をシステムに登録する方法が考えられる。しかし、このような従来の対応方法では、原契約の情報がシステム上のどこにも存在せず、業務実態の契約と紐付けが出来なかった。また、紐付けが出来ないことから、実際の業務を原契約の契約書ベースで行った場合、ユーザは、システム上のどの契約明細を処理する必要があるか等の確認が行えず、業務遂行が困難となる場合があった。また、従来では、原契約と履行義務が多対多で複雑に関連することになり、効率の良い紐付け方法も確立されていなかった。すなわち、従来では、複数の契約の結合管理において、業務遂行の効率が低下する場合があった。
【0022】
そこで、本実施形態の契約管理装置では、上記課題を解消し、且つ、上記新収益規準に対応可能な機能を有する。
【0023】
[2.構成]
本実施形態に係る契約管理装置100の構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、契約管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0024】
契約管理装置100は、複数の契約を結合管理する装置である。契約管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、契約管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0025】
契約管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備える。契約管理装置100が備える各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0026】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、契約管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、契約管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に記憶されている各種のデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0027】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0028】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0029】
記憶部106は、例えば、結合契約テーブル106aと、原契約テーブル106bと、結合契約紐付テーブル106cと、契約明細テーブル106dと、を記憶する。
【0030】
これらのテーブルのデータ構成の一例を説明する。なお、本実施形態では、結合契約テーブル106a、原契約テーブル106b、結合契約紐付テーブル106c、および契約明細テーブル106dなどのテーブルの構造を簡略化して記載するものとする。実際のテーブルの構造は、より複雑であるが、本発明と直接関係のない部分については実際より簡略化して示した。
【0031】
図2Aは、結合契約テーブル106aのデータ構成の一例を示す模式図である。
【0032】
結合契約テーブル106aは、1または複数の結合契約情報を登録するためのテーブルである。なお、結合契約テーブル106aのデータ形式は、テーブルに限定されない。例えば、結合契約テーブル106aのデータ形式は、データベースであってもよい。
【0033】
結合契約情報は、結合契約と、結合契約を識別する結合契約番号と、を対応付けた情報である。結合契約とは、複数の契約を結合した契約のデータである。詳細には、結合契約とは、ユーザによって指定された、1または複数の原契約と、1または複数の契約明細と、を結合し、単一の契約とみなしたものである。本実施形態では、例えば、結合契約は、結合契約名、登録日、営業担当者コード、営業担当部署コード、結合契約備考、などの情報を含む。結合契約番号は、対応する結合契約を識別する識別情報である。結合契約番号は、後述する制御部102によって自動的に一意の値が付与される。
【0034】
図2Bは、原契約テーブル106bのデータ構成の一例を示す模式図である。原契約テーブル106bは、1または複数の結合契約原契約情報を登録するためのテーブルである。なお、原契約テーブル106bのデータ形式は、テーブルに限定されない。例えば、原契約テーブル106bのデータ形式は、データベースであってもよい。
【0035】
結合契約原契約情報は、結合契約番号と、原契約情報と、を対応付けた情報である。原契約情報は、原契約と、原契約を識別するための原契約番号と、を含む。原契約とは、上述したように、実務上の契約書ベースの契約であり、契約明細の基となった契約である。例えば、原契約は、原契約番号、原契約名、原契約本体金額、備考、などの情報を含む。
【0036】
なお、結合契約原契約情報は、更に、行番号を含んでいてもよい。結合契約原契約情報に含まれる行番号は、1つの結合契約番号に対して紐付けられている原契約番号の各々に対して、連番となるように付与される。このため、結合契約原契約情報における、1つの結合契約番号に対応付けられている行番号の最大値は、該結合契約番号に対して、いくつの原契約番号が紐付けられているかを示す情報となる。
【0037】
図2Cは、結合契約紐付テーブル106cのデータ構成の一例を示す模式図である。結合契約紐付テーブル106cは、1または複数の紐付け情報を登録するためのテーブルである。なお、結合契約紐付テーブル106cのデータ形式は、テーブルに限定されない。例えば、結合契約紐付テーブル106cのデータ形式は、データベースであってもよい。
【0038】
紐付け情報は、結合契約番号と、契約明細番号と、を対応付けた情報である。契約明細番号は、契約明細の識別情報である。契約明細とは、上述したように、履行義務などの業務実態の単位の契約からなるデータである。履行義務などの業務実態の単位とは、ユーザなどによって予め定められた単位の一例である。
【0039】
なお、紐付け情報は、更に、行番号を含んでいてもよい。紐付け情報に含まれる行番号は、1つの結合契約番号に対して紐付けられている契約明細番号の各々に対して、連番となるように付与される。このため、紐付け情報における、1つの結合契約番号に対応付けられている行番号の最大値は、該結合契約番号に対して、いくつの契約明細番号が紐付けられているかを示す情報となる。
【0040】
図2Dは、契約明細テーブル106dのデータ構成の一例を示す模式図である。契約明細テーブル106dは、1または複数の契約明細情報を登録するためのテーブルである。なお、契約明細テーブル106dのデータ形式は、テーブルに限定されない。例えば、契約明細テーブル106dのデータ形式は、データベースであってもよい。
【0041】
契約明細情報は、契約明細と、契約明細を識別する契約明細番号と、を対応付けた情報である。契約明細とは、上述したように、履行義務などの業務実態の単位の契約である。本実施形態では、契約明細は、履行義務の単位の契約である。本実施形態では、契約明細は、契約明細名、受注金額、などを含む。
【0042】
なお、本実施形態では、上述した複数のテーブルの内、契約明細テーブル106dには、1または複数の契約明細情報が予め登録されているものとする。すなわち、本実施形態では、契約明細番号と契約明細とを対応付けた契約明細情報は、別のシステムや別のアプリケーションソフトウェアなどによって予め登録及び生成され、予め記憶部106へ記憶されているものとする。
【0043】
例えば、契約管理装置100では、システム起動時などに、別のシステムなどで生成された契約明細テーブル106dをサーバ200などから読み取り、記憶部106へ記憶してもよい。また、契約管理装置100は、契約明細テーブル106d登録用のアプリケーションソフトウェアを備えた構成であってもよい。この場合、ユーザが、アプリケーションソフトウェアを利用することで、1または複数の契約明細情報を予め契約明細テーブル106dに登録する構成とすればよい。
【0044】
一方、本実施形態では、上述した複数のテーブルの内、結合契約テーブル106a、原契約テーブル106b、および結合契約紐付テーブル106cについては、後述する制御部102の処理によって更新される。更新処理の詳細については後述する。
【0045】
図1に戻り説明を続ける。制御部102は、契約管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS(オペレーティング・システム)等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0046】
本実施形態では、制御部102は、受付部102aと、登録部102bと、出力制御部102cと、を備える。
【0047】
受付部102aは、結合対象の、1または複数の原契約の入力と、1または複数の契約明細の選択と、を受け付ける。結合対象とは、上記規準第27項に則り、結合して単一の契約とみなして処理する対象の契約、を意味する。
【0048】
例えば、受付部102aは、出力装置114に出力された登録画面を介して、結合対象の、1または複数の原契約の入力と、1または複数の契約明細の選択と、を受け付ける。
【0049】
登録部102bは、受付部102aで受付けた1または複数の原契約と、受付部102aで受付けた1または複数の契約明細と、を結合した結合契約と、この結合契約を識別する結合契約番号と、を対応付けて結合契約テーブル106aに登録する。詳細には、登録部102bは、結合契約と結合契約番号とを対応付けた結合契約情報を、結合契約テーブル106aへ登録する。
【0050】
また、登録部102bは、結合契約番号と、受付けた原契約および原契約を識別する原契約番号と、を対応付けて原契約テーブル106bへ登録する。詳細には、登録部102bは、結合契約番号と、原契約および原契約番号と、を対応付けた結合契約原契約情報を、原契約テーブル106bへ登録する。
【0051】
また、登録部102bは、結合契約番号と、受付けた契約明細を識別する契約明細番号と、を対応付けて結合契約紐付テーブル106cへ登録する。詳細には、登録部102bは、結合契約番号と、契約明細番号と、を対応付けた紐付け情報を、結合契約紐付テーブル106cへ登録する。
【0052】
このため、受付部102aが新たな結合契約に関する情報を受け付けるごとに、結合契約テーブル106a、原契約テーブル106b、および結合契約紐付テーブル106cが更新される。
【0053】
出力制御部102cは、結合契約テーブル106a、原契約テーブル106b、結合契約紐付テーブル106c、および契約明細テーブル106dに基づいて、結合契約番号に対応する原契約および契約明細、原契約番号に対応する結合契約および契約明細、および、契約明細番号に対応する結合契約および原契約、の少なくとも1つを出力する。
【0054】
[3.具体例]
図3図11を参照して、本実施の形態における契約管理装置100の処理の具体例を説明する。
【0055】
図3は、本実施の形態における契約管理装置100の全体の処理の一例を説明するためのフローを示す図である。
【0056】
制御部102では、契約の結合を実行するか否かを判断する(ステップS10)。例えば、ユーザは、契約の結合業務を遂行するときに、入力装置112を操作することで、契約の結合実行指示を入力する。制御部102では、入力装置112から、契約の結合実行指示を示す信号を受付けたか否かを判別することで、ステップS10の判断を実行する。契約の結合を実行すると判断した場合(ステップS10:Yes)、ステップS12へ進む。
【0057】
ステップS12では、出力制御部102cが、登録画面を出力装置114へ出力する。登録画面は、結合対象の原契約の入力および契約明細の選択時に、出力装置114に出力される画面である。
【0058】
図4は、登録画面50の一例の模式図である。登録画面50は、結合対象の原契約の入力および契約明細の選択時に、出力装置114に出力される画面である。言い換えると、登録画面50は、契約の結合を行った結果の、結合された結合契約をデータとして登録するときに出力される画面である。例えば、登録画面50は、結合契約番号の表示欄50A、結合契約の入力欄50B、原契約の入力欄50C、および、契約明細の選択欄50D、を含む。
【0059】
結合契約番号の表示欄50Aには、新たな結合契約を識別するための識別番号が表示される。出力制御部102cは、登録画面50を出力装置114へ出力するときに、記憶部106に記憶されていない一意の新たな結合契約番号を自動採番し、結合契約番号の表示欄50Aへ表示すればよい。
【0060】
結合契約の入力欄50Bは、結合契約の入力欄である。ユーザは、入力装置112を操作することで、結合契約の営業担当者、営業担当部署、登録日、結合契約名、結合契約備考、などを入力する。
【0061】
原契約の入力欄50Cは、結合対象の原契約に関するデータの入力を受付けるための入力欄である。ユーザは、入力装置112を操作することで、結合対象の原契約と、この原契約を識別する原契約番号と、を原契約の入力欄50Cへ入力する。例えば、ユーザは、原契約として、原契約名、原契約本体金額、備考、などを入力する。
【0062】
契約明細の選択欄50Dは、結合対象の契約明細の選択を受け付けるための入力欄である。契約明細の選択欄50Dは、例えば、入力欄50D1と、表示欄50D2と、を含む。
【0063】
ユーザは、入力装置112を操作することで、契約管理装置100の契約明細テーブル106dに登録されている複数の契約明細情報の中から、結合対象の契約明細の契約明細番号を入力欄50D1へ入力し、追加ボタンを操作する。これらの操作がなされることで、受付部102aは、結合対象の契約明細の選択を受け付ける。また、出力制御部102cは、受付けた契約明細番号に対応する契約明細を契約明細テーブル106dから検索し、該契約明細番号と契約明細とを含む契約明細情報を、選択受付済の契約明細情報として表示欄50D2へ表示する。これらの処理は、入力欄50D1へ契約明細番号が入力され、追加ボタンが操作されるたびに、繰り返し実行される。
【0064】
なお、契約明細番号の受付時には、出力制御部102cは、検索画面を更に出力してもよい。
【0065】
図5は、検索画面52の一例の模式図である。例えば、検索画面52は、検索ワードを入力するための入力欄52Aと、検索結果の表示欄52Bと、を含む。ユーザは、入力装置112を操作することで、入力欄52Aへ検索対象の契約明細の検索ワードを入力し、検索実行ボタンを操作する。出力制御部102cは、入力された検索ワードを含む契約明細情報を契約明細テーブル106dから検索し、表示欄52Bへ表示する。
【0066】
ユーザは、表示欄52Bへ表示された契約明細情報を確認することで、結合対象とする所望の契約明細の契約明細番号を確認することができる。そして、ユーザは、図4に示す登録画面50において、入力欄52C1へ契約明細番号を入力することで、結合対象の契約明細を契約明細テーブル106dから選択すればよい。
【0067】
図4に戻り説明を続ける。なお、登録画面50は、原契約本体金額合計、受注本体金額合計、差異金額、などの表示欄50Eを更に備えていてもよい。この場合、出力制御部102cは、登録画面50を介して新たな原契約や契約明細が入力または選択されるごとに、これらの金額を再計算し、表示欄50Eへ表示すればよい。これらの金額が表示されることで、ユーザは、操作時に金額などを確認しながら業務を遂行することができる。
【0068】
また、登録画面50は、実際の契約書のコピーなどの各種のファイルを証憑などとして添付するためのファイル添付ボタン50Fを備えていてもよい。ユーザは、入力装置112を操作することで、ファイル添付ボタン50Fを操作し、添付対象のファイルを選択する。これらの操作によって、結合契約に対して、選択されたファイルが紐付けられる。
【0069】
ユーザが、登録画面50における登録ボタンを操作することで、登録画面50を介して入力された情報が記憶部106の各テーブルに登録される。このため、登録画面50を介して操作がなされることで、結合契約を主軸とし、元となった原契約、および、契約明細の情報を登録することができる。
【0070】
図3へ戻り説明を続ける。ステップS12で登録画面50が表示され、登録画面50を介して上記の各種の情報が入力されると、受付部102aが、結合対象を受け付ける(ステップS14)。具体的には、受付部102aは、登録画面50を介して入力または選択された、原契約情報、契約明細情報、結合契約情報、および、登録画面50に表示された結合契約番号、などを受け付ける。
【0071】
次に、登録部102bは、ステップS14で受け付けた情報を、記憶部106の結合契約テーブル106a、原契約テーブル106b、および結合契約紐付テーブル106cへ登録する(ステップS16)。そして、本ルーチンを終了する。
【0072】
具体的には、登録部102bは、受付けた1または複数の原契約情報の原契約と、受付けた1または複数の契約明細情報の契約明細と、を結合し、結合契約として特定する。そして、登録部102bは、特定した結合契約と、この結合契約の結合契約番号と、を対応付けた結合契約情報を、結合契約テーブル106aへ登録する。
【0073】
また、登録部102bは、受付けた結合契約番号と、原契約および該原契約を識別する原契約番号と、を対応付けた原契約情報を、原契約テーブル106bへ登録する。
【0074】
また、登録部102bは、受付けた結合契約番号と、受付けた契約明細を識別する契約明細番号と、を対応付けた紐付け情報を、結合契約紐付テーブル106cへ登録する。
【0075】
このため、これらの処理によって、結合契約テーブル106a、原契約テーブル106b、および結合契約紐付テーブル106cには、新たに登録された結合契約と、該結合契約によって結合された原契約および契約明細と、が紐付けられた状態となる(図2A図2D参照)。すなわち、これらのテーブルによって、結合契約、原契約、および契約明細が、結合契約番号、原契約番号、および契約明細番号によって紐付けられた状態となる。
【0076】
図6は、テーブル間の関連を表す説明図である。図6に示すように、契約明細テーブル106dに登録されている契約明細番号と、結合契約紐付テーブル106cに登録されている契約明細番号と、は、1対1の関係で紐付けられる。また、結合契約紐付テーブル106cに登録されている結合契約番号と、結合契約テーブル106aに登録されている結合契約番号とは、N対1の関係で紐付けられる。なお、Nは、1以上の整数である。また、結合契約テーブル106aに登録されている結合契約番号と、原契約テーブル106bに登録されている結合契約番号とが、1対Nの関係で紐付けされることとなる。
【0077】
また、原契約テーブル106bには、結合契約番号に対応付けて原契約番号が登録される。このため、記憶部106に記憶されているテーブルによって、契約明細と原契約とが、N対Mの関係で紐付けられる。なお、Mは、1以上の整数である。
【0078】
図7Aおよび図7Bは、テーブルへの登録パターンの具体例の説明図である。図7Aおよび図7Bは、契約明細を1個に対して原契約がN個対応付けられる例Aを示した。図7Bに示すように、例えば、契約書が、システムAの設計、システムAの開発、および、システムAのインフラ構築、の3工程で分かれている場合を想定する。すなわち、例Aには、3つの原契約である、原契約001、原契約002、および原契約003が含まれる。また、例Aでは、システムAは、設計、開発、およびインフラ構築、の3工程が揃って初めて1つの履行義務となる場合を想定する。
【0079】
この場合、図7Aに示すように、上記テーブルには、1つの契約明細Aに対して、1つの結合契約番号αが紐付けられ、該1つの結合契約番号αに対して、3個の原契約番号が紐付けられた状態となる。
【0080】
図8Aおよび図8Bは、テーブルへの登録パターンの具体例の説明図である。図8Aおよび図8Bは、契約明細をN個に対して原契約がM個対応付けられる例Bを示した。図8Bに示すように、例えば、契約書が、システムの設計、システムの開発、および、システムのインフラ構築、の3工程で分かれている場合を想定する。すなわち、例Aには、3つの原契約である、原契約001、原契約002、および原契約003が含まれる。また、例Aでは、システムAとシステムBとは、各々個別利用可能であり、且つ、各々別の履行義務となる場合を想定する。また、これらのシステムAとシステムBは、それぞれ、設計、開発、およびインフラ構築、の3工程が揃って初めて1つの履行義務を提供できる場合を想定する。
【0081】
この場合、図8Aに示すように、上記テーブルには、2つの契約明細である契約明細Aおよび契約明細Bの各々に対して、1つの結合契約番号αが紐付けられ、更に、該1つの結合契約番号αに対して、3個の原契約番号が紐付けられた状態となる。
【0082】
このため、結合契約テーブル106a、原契約テーブル106b、結合契約紐付テーブル106c、および契約明細テーブル106dによって、複数の原契約を1件の契約明細と紐付けして管理することが可能となる。また、本実施の形態の契約管理装置100では、これらのテーブルによって、1つの原契約を複数の契約明細と紐付けして管理することが可能となる。また、本実施形態の契約管理装置100では、これらのテーブルによって、契約明細と原契約とをM対Nの関係で紐付けして管理することが可能となる。
【0083】
図3戻り説明を続ける。ステップS10で否定判断すると、ステップS18へ進む。ステップS18では、制御部102は、リストを出力するか否かを判断する(ステップS18)。リストを出力するとは、登録画面50を介して登録された情報を帳票で出力することを意味する。例えば、ユーザは、結合契約確認などのために、登録された情報を帳票で出力することを所望する場合がある。この場合、ユーザは、入力装置112を操作することで、リストの出力指示を入力する。制御部102では、入力装置112から、リストの出力指示を示す信号を受付けたか否かを判別することで、ステップS18の判断を実行する。ステップS18で否定判断すると(ステップS18:No)、本ルーチンを終了する。一方、ステップS18で肯定判断すると(ステップS18:Yes)、ステップS20へ進む。
【0084】
ステップS20では、出力制御部102cは、出力受付画面を出力装置114へ表示する(ステップS20)。
【0085】
図9Aは、出力受付画面54の一例の模式図である。出力受付画面54は、登録画面50を介して登録された情報を帳票で出力するときに、出力装置114に出力される画面である。出力受付画面54は、上記ステップS20で出力装置114に表示される画面の一例である。
【0086】
出力受付画面54には、出力単位の選択欄54Aが含まれる。本実施形態では、出力単位として、結合契約番号単位、原契約番号単位、および、契約明細単位、の3種類の出力単位が選択可能に構成されている。
【0087】
結合契約番号単位とは、結合契約番号に対応する原契約および契約明細を出力することを意味する。言い換えると、結合契約単位とは、結合契約番号を軸とし、結合契約番号に紐付けられた、契約明細および原契約の一覧の帳票を出力することを意味する。
【0088】
原契約番号単位とは、原契約番号に対応する結合契約および契約明細を出力することを意味する。言い換えると、原契約番号単位とは、原契約番号を軸とし、原契約番号に紐付けられた、契約明細および結合契約の一覧の帳票を出力することを意味する。
【0089】
契約明細単位とは、契約明細番号に対応する結合契約および原契約を出力することを意味する。言い換えると、契約明細単位とは、契約明細を軸とし、契約明細番号に紐付けられた、原契約および結合契約の一覧の帳票を出力することを意味する。
【0090】
ユーザは、入力装置112を操作することで、結合契約番号単位、原契約番号単位、および、契約明細単位の何れかを選択する。この選択操作により、ユーザは、いずれの出力の単位を軸とした帳票を出力するかを選択することが出来る。
【0091】
図3に戻り説明を続ける。受付部102aは、結合契約番号単位の選択を受け付けたか否かを判断する(ステップS22)。結合契約番号単位の選択を受け付けたと判断した場合(ステップS22:Yes)、ステップS24へ進む。ステップS24では、出力制御部102cが、結合契約番号単位の帳票を出力装置114へ出力し(ステップS24)、本ルーチンを終了する。
【0092】
図9Aには、結合契約番号単位が選択された状態の出力受付画面54の一例を示した。ユーザは、出力受付画面54を確認しながら入力装置112を操作することで、出力対象の結合契約番号を入力し、実行ボタンを操作する。実行ボタンは、例えば、出力受付画面54における、プレビュー、PDF、CSVなどの表示領域である。プレビューが操作されることで、帳票イメージが出力装置114へ表示される。PDF(Portable Document Format)またはCSV(Comma Separated Value)が操作されることで、帳票がPDF形式またはCSV形式のデータとして記憶部106などに記憶される。
【0093】
図9Bは、結合契約番号単位の帳票イメージの一例である。結合契約番号単位が選択されると、出力制御部102cは、出力受付画面54を介して入力された結合契約番号に対応する、結合契約情報と、原契約の原契約情報と、契約明細の契約明細情報を検索する。出力制御部102cは、結合契約番号を検索キーとして、結合契約テーブル106a、原契約テーブル106b、結合契約紐付テーブル106c、および契約明細テーブル106dを検索する。この検索により、出力制御部102cは、結合契約番号に対応付けられた、結合契約情報、原契約情報、および契約明細情報を検索する。そして、出力制御部102cは、検索結果として、結合契約情報と、原契約情報と、契約明細情報を含む帳票を、結合契約番号単位の結合契約確認リスト56として出力装置114へ出力する。
【0094】
このため、ユーザは、結合契約番号を軸として、結合契約番号に紐付けられた原契約と契約明細を容易に確認することができる。また、ユーザは、登録された原契約と契約明細との紐付けを容易に確認することができる。
【0095】
図3に戻り説明を続ける。ステップS22で否定判断すると(ステップS22:No)、ステップS26へ進む。受付部102aは、原契約番号単位の選択を受け付けたか否かを判断する(ステップS26)。原契約番号単位の選択を受け付けたと判断した場合(ステップS26:Yes)、ステップS28へ進む。ステップS28では、出力制御部102cが、原契約番号単位の帳票を出力装置114へ出力し(ステップS28)、本ルーチンを終了する。
【0096】
図10Aには、原契約番号単位が選択された状態の出力受付画面58の一例を示した。ユーザは、出力受付画面58を確認しながら入力装置112を操作することで、出力対象の原契約番号を入力し、実行ボタンを操作する。実行ボタンは、例えば、出力受付画面58における、プレビュー、PDF、CSVなどの表示領域である。
【0097】
図10Bは、原契約番号単位の帳票イメージの一例である。原契約番号単位が選択されると、出力制御部102cは、出力受付画面54を介して入力された原契約番号に対応する、原契約の原契約情報と、結合契約情報と、契約明細の契約明細情報を検索する。出力制御部102cは、原契約番号を検索キーとして、結合契約テーブル106a、原契約テーブル106b、結合契約紐付テーブル106c、および契約明細テーブル106dを検索する。この検索により、出力制御部102cは、原契約番号に対応付けられた、原契約情報、結合契約情報、および契約明細情報を検索する。そして、出力制御部102cは、検索結果として、原契約情報と、結合契約情報と、契約明細情報を含む帳票を、原契約番号単位の結合契約確認リスト60として出力装置114へ出力する。
【0098】
このため、ユーザは、原契約番号を軸として、原契約番号に紐付けられた結合契約と契約明細を容易に確認することができる。また、ユーザは、登録された原契約と契約明細との紐付けを容易に確認することができる。
【0099】
図3に戻り説明を続ける。ステップS26で否定判断すると(ステップS26:No)、ステップS30へ進む。受付部102aは、契約明細番号単位の選択を受け付けたか否かを判断する(ステップS30)。ステップS30で否定判断すると(ステップS30:No)、本ルーチンを終了する。一方、契約明細番号単位の選択を受け付けたと判断した場合(ステップS30:Yes)、ステップS32へ進む。ステップS32では、出力制御部102cが、契約明細番号単位の帳票を出力装置114へ出力し(ステップS32)、本ルーチンを終了する。
【0100】
図11Aには、契約明細単位が選択された状態の出力受付画面62の一例を示した。ユーザは、出力受付画面62を確認しながら入力装置112を操作することで、出力対象の契約明細番号を入力し、実行ボタンを操作する。実行ボタンは、例えば、出力受付画面62における、プレビュー、PDF、CSVなどの表示領域である。
【0101】
図11Bは、契約明細単位の帳票イメージの一例である。契約明細単位が選択されると、出力制御部102cは、出力受付画面62を介して入力された契約明細番号に対応する、契約明細情報と、原契約の原契約情報と、結合契約情報と、を検索する。出力制御部102cは、契約明細番号を検索キーとして、結合契約テーブル106a、原契約テーブル106b、結合契約紐付テーブル106c、および契約明細テーブル106dを検索する。この検索により、出力制御部102cは、契約明細番号に対応付けられた、契約明細情報、原契約情報、および結合契約情報を検索する。そして、出力制御部102cは、検索結果として、契約明細情報と、原契約情報と、結合契約情報と、を含む帳票を、契約明細単位の結合契約確認リスト60として出力装置114へ出力する。
【0102】
このため、ユーザは、契約明細番号を軸として、契約明細番号に紐付けられた原契約と結合契約を容易に確認することができる。また、ユーザは、登録された原契約と契約明細との紐付けを容易に確認することができる。
【0103】
このように、本実施形態の契約管理装置100では、結合契約、原契約、および契約明細、のいずれの契約を主軸に出力を実行するかを、ユーザに対して選択可能に提供することができる。このため、本実施形態の契約管理装置100では、検索性を高めることができる。
【0104】
以上説明したように、本実施形態の契約管理装置100は、記憶部106と、制御部102と、を備え、複数の契約を結合管理する。記憶部106は、業務実態の単位の契約からなる契約明細と前記契約明細を識別する契約明細番号とを対応付けた1または複数の契約明細情報が登録された契約明細テーブル106dを予め記憶する。制御部102は、受付部102aと、登録部102bと、を備える。受付部102aは、結合対象の、契約明細の基となった契約である1または複数の原契約の入力と、1または複数の契約明細の選択と、を受け付ける。登録部102bは、受付けた1または複数の原契約と受付けた1または複数の契約明細とを結合した結合契約と、結合契約を識別する結合契約番号と、を対応付けて結合契約テーブル106aに登録する。また、登録部102bは、結合契約番号と、受付けた原契約および該原契約を識別する原契約番号と、を対応付けて原契約テーブル106bへ登録する。また、登録部102bは、結合契約番号と、受付けた契約明細を識別する契約明細番号と、を対応付けて結合契約紐付テーブル106cへ登録する。
【0105】
このため、本実施形態の契約管理装置100では、結合契約テーブル106a、原契約テーブル106b、結合契約紐付テーブル106c、および契約明細テーブル106dによって、結合契約と、原契約と、契約明細と、が紐付けられた状態となる。
【0106】
よって、これらの紐付けを用いることで、結合契約、原契約、および契約明細の各々について、何れの他の契約(契約明細、原契約、結合契約)が紐づけられているかを、容易に提供することが可能となる。
【0107】
従って、本実施形態の契約管理装置100では、複数の契約を結合管理する契約管理装置100において、業務遂行の効率向上を図ることができる。
【0108】
また、本実施形態の契約管理装置100では、原契約を、他の契約である契約明細および結合契約と紐付けて管理することができる。このため、ユーザが実際の業務を原契約の契約書ベースで行った場合であっても、ユーザは、システム上のどの契約明細を処理する必要があるか等の確認を容易に行うことができる。
【0109】
また、本実施形態の契約管理装置100では、原契約と契約明細とが多対多で複雑に関連する場合であっても、効率よく紐付けして管理することが出来る。
【0110】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8および9に貢献することが可能となる。
【0111】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13および15に貢献することが可能となる。
【0112】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0113】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0114】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0115】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0116】
また、契約管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0117】
例えば、契約管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて契約管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0118】
また、このコンピュータプログラムは、契約管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0119】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0120】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0121】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0122】
また、契約管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、契約管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0123】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0124】
100 契約管理装置
102a 受付部
102b 登録部
102c 出力制御部
106a 結合契約テーブル
106b 原契約テーブル
106c 結合契約紐付テーブル
106d 契約明細テーブル
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B