(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-16
(45)【発行日】2023-08-24
(54)【発明の名称】接合ヘッドのためのアクチュエータ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/52 20060101AFI20230817BHJP
H05K 13/04 20060101ALI20230817BHJP
【FI】
H01L21/52 C
H01L21/52 F
H05K13/04 B
(21)【出願番号】P 2021520478
(86)(22)【出願日】2019-06-23
(86)【国際出願番号】 IB2019055284
(87)【国際公開番号】W WO2019244136
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2022-06-21
(31)【優先権主張番号】102018115144.6
(32)【優先日】2018-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】520503359
【氏名又は名称】ベシ スウィツァランド エージー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】アエビシェール,マルクス
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第98/014041(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0156244(US,A1)
【文献】特開2000-101294(JP,A)
【文献】特開平10-209223(JP,A)
【文献】米国特許第08387851(US,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0069973(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/52
H01L 21/58
H05K 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板位置(165)に提供された基板基部(190)上の基板(160)上に部品(150)を取り付ける方法(200)であって、前記方法が、
・前記基板(160)に対して第1の移動軸(170)および第2の移動軸(175)に沿って変位可能な接合ヘッド(110)を提供する(210)ことであって、前記第2の移動軸(175)が、前記第1の移動軸(170)に実質的に直角である、接合ヘッドを提供することと、
・接触面(185)を有するピックアップ部材(180)を提供する(220)ことであって、前記ピックアップ部材(180)が、前記接合ヘッド(110)上に配設され、前記接触面(185)が、部品(150)に解放可能に装着可能であるように構成および配置され、前記接触面(185)が、前記第2の移動軸(175)の周りを回転可能であるようにさらに構成および配置されている、ピックアップ部材を提供することと、
・前記
接触面(185)が前記第2の移動軸(175)の周りを回転するように、第3の移動軸(177)に沿って前記接合ヘッド(110)に力を加えるように構成および配置された、前記接合ヘッド(110)上に配設された第1の係合部材(120、121、121a、122)を提供する(230)ことであって、前記第3の移動軸(177)が前記第1の移動軸(170)に実質的に直角であり、前記第2の移動軸(175)に実質的に直角である、第1の係合部材(120)を提供する(230)ことと、
・前記第1の係合部材(120、121、121a、122)との堅固な係合のために、第1の調整位置(132)に第1の調整部材(130、131、133、133a)を提供する(240)ことと、
・前記接合ヘッド(110)を前記第1の調整位置(132)に移動させる(250)ことと、
・前記第1の係合部材(120、121、121a、122)を前記第1の調整部材(130、131、133、133a)と堅固に係合する(260)ことと、
・前記接合ヘッド(110)を前記第1の移動軸(170)に沿って前記第1の調整部材(130、131、133、133a)に対して移動させる(270)ことにより、前記第3の移動軸(177)に沿って力が加えられて、前記接触面(185)を前記第2の移動軸(175)の周りを回転させることと、
・前記第1の調整部材(130、131、133、133a)から前記第1の係合部材(120、121、121a、122)を解放すること(280)と、
・前記接合ヘッド(110)を前記基板位置(165)に向けて移動させる(290)ことであって、前記接合ヘッド(110)が、前記第2の移動軸(175)の周りでの前記接触面(185)の前記回転を維持する(203)、変位させる(290)ことと、を含む、方法。
【請求項2】
前記方法が、
・前記接合ヘッド(110)を、前記基板(160)に対して前記第3の移動軸(177)に沿って変位可能であるように構成および配置することであって、
・前記接触面(185)を、前記第3の移動軸(177)の周りを回転可能であるように構成および配置することと、
・前記
接触面(185)が前記第3の移動軸(177)の周りを回転するように、前記第2の移動軸(175)に沿って力を前記接合ヘッド(110)に加えるように構成および配置された、前記接合ヘッド(110)上に配設された第2の係合部材(121b)を提供することと、
・第2の調整位置(137)で第2の調整部材(133b)を提供することであって、前記第2の調整部材(133b)が、前記第2の係合部材(121b)と堅固に係合するように構成および配置されている、第2の調整部材(133b)を提供することと、
・前記接合ヘッド(110)を前記第2の調整位置(137)に移動させることと、
・前記第2の係合部材(121b)を前記第2の調整部材(133b)と堅固に係合することと、
・前記接合ヘッド(110)を前記第1の移動軸(170)に沿って前記第2の調整部材(133b)に対して移動させる(270)ことにより、前記第2の移動軸(175)に沿って力が加えられて、前記接触面(185)を前記第3の移動軸(177)の周りを回転させることと、
・前記第2の係合部材(121b)を前記第2の調整部材(133b)から解放することと、
・前記接合ヘッド(110)を前記基板位置(165)に移動させる(290)ことであって、前記接合ヘッド(110)が、前記第3の移動軸(177)の周りでの前記接触面(185)の前記回転を維持する、移動させる(290)ことと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記接合ヘッド(110)が、弾性部材(119)、ばね部材(119)、磁気部材、電気部材、電磁部材、真空部材、ガス動力部材、摩擦部材、油圧部材、誘導部材、またはこれらの任意の組み合わせを使用して、前記接触面(185)の回転を維持する(203)ように構成および配置されている、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法が、
・前記第1の移動軸(170)および/または第2の移動軸(175)および/または第3の移動軸(177)の周りでの前記接触面(185)の前記回転を測定するように構成および配置された傾斜センサを提供することと、
・前記第1の移動軸(170)に沿った変位の程度を決定し、前記第1の移動軸(170)および/または第2の移動軸(175)および/または第3の移動軸(177)の周りでの所望の回転を得るように構成および配置されたプロセッサを提供することと、
・前記プロセッサを、前記接触面(185)の前記所望の
回転に到達したときに、前記第1の移動軸(170)に沿った変位を停止するようにさらに構成および配置することと、をさらに含む(200)、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記方法が、
・前記基板(160)の傾斜を測定するように構成および配置された傾斜センサを提供することと、
・前記基板(160)の前記測定された傾斜を使用して前記第1の移動軸(170)に沿った前記変位の程度を決定し、前記第1の移動軸(170)および/または第2の移動軸(175)および/または第3の移動軸(177)の周りでの所望の回転を得るように構成および配置されたプロセッサを提供することと、をさらに含む(200)、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法が、
・接合ヘッド支持キャリア(101)および/または接合ヘッド取り付け具(102)および/または前記接合ヘッド(110
)および/または前記接触面(185)の温度および/または相対温度を測定するように構成および配置された温度センサを提供することと、
・前記接触面(185)の前記測定された温度を使用して前記第1の移動軸(170)に沿った前記変位の程度を決定し、前記第1の移動軸(170)および/または第2の移動軸(175)および/または第3の移動軸(177)の周りでの所望の回転を得るように構成および配置されたプロセッサを提供することと、をさらに含む(200)、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記方法が、
・前記基板(160)および/または基板基部の温度および/または相対温度を測定するように構成および配置された温度センサを提供することと、
・前記第1の移動軸(170)に沿った前記変位の程度を決定し、前記基板(160)の前記測定された温度を使用して、前記第1の移動軸(170)および/または第2の移動軸(175)および/または第3の移動軸(177)の周りでの所望の回転を得るように構成および配置されたプロセッサを提供することと、をさらに含む(200)、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記方法が
前記ピックアップ部材(180)の前記接触面(185)の前記回転を制御する方法を更に備え、
・前記基板(160)および/または前記接触面(185)および/または前記基板(160)に対して取り付けられた部品(150)に対する前記接合ヘッド(110)
の傾斜および/または回転を測定することであって、少なくとも前記接合ヘッドの前記位置が、基準マークによって光学的に検出可能である、測定することと、
・測定値からの前記傾斜および/または回転の第1及び第2の補償のための補償の程度を決定することと、
・前記接合ヘッド(110)を前記補償の程度で補償される
前記第1の
調整位置
(132)に移動させることと、
・前記第1の係合部材(120)を前記第1の調整部材(130)と堅固に係合する(260)ことと、
・前記第1の補償を適用することと、
・前記接合ヘッド(110)を前記補償の程度で補償される
前記第2の
調整位置
(137)に移動させることと、
・前記第2の係合部材(
121b)を前記第
2の調整部材(
130b)と堅固に係合することと、
・前記第2の補償を適用することと、を含み、
前記第1及び前記第2の補償の程度を決定するために前記基準マークが使用される、請求項
2に記載の方法。
【請求項9】
基板位置(165)上に提供された基板(160)上に部品(150)を取り付けるための装置(100)であって、前記装置(100)が、
・前記基板(160)に対して第1の移動軸(170)および第2の移動軸(175)に沿って変位可能な接合ヘッド(110)であって、前記第2の移動軸(175)が前記第1の移動軸(170)に実質的に直角である、接合ヘッド(110)と、
・接触面(185)を有するピックアップ部材(180)であって、前記ピックアップ部材(180)が、前記接合ヘッド(110)上に配設されており、前記接触面(185)が、部品(150)に解放可能に装着可能であるように構成および配置されており、前記接触面(185)が、前記第2の移動軸(175)の周りを回転可能であるようにさらに構成および配置されるように構成および配置されている、ピックアップ部材(180)と、
・前記接触面(185)が前記第2の移動軸(175)の周りを回転するように、第3の移動軸(177)に沿って前記接合ヘッド(110)に力を加えるように構成および配置された、前記接合ヘッド(110)上に配置された第1の係合部材(121、121a)であって、前記第3の移動軸(177)が前記第1の移動軸(170)に実質的に直角であり、前記第2の移動軸(175)に実質的に直角である、第1の係合部材(121、121a)と、
・前記第1の係合部材(121、121a)との堅固な係合のための、第1の調整位置(132)内の第1の調整部材(133、133a)と、を備え、
さらに、
・前記接合ヘッド(110)が、前記第1の調整位置(132)に変位可能であり、前記第1の係合部材(121、121a)が、前記第1の調整部材(133、133a)と堅固に係合されており、
・係合中、前記接合ヘッド(110)が、前記第1の移動軸(170)に沿って前記第1の
調整部材(133、133a)に対して変位可能であることにより、前記第3の移動軸(177)に沿って力が加えられて、前記接触面(185)を前記第2の移動軸(175)の周りを回転させ、
・前記第1の係合部材(121、121a)が、前記第1の調整部材(130)から取り外し可能または解放可能に取り外し可能であり、
・前記接合ヘッド(110)が、前記基板位置(165)に向かって変位可能であり、前記接触面(185)が、前記第2の移動軸(175)の周りでの回転を維持する(203)ように構成および配置されている、装置(100)。
【請求項10】
・前記接合ヘッド(110)が、前記基板(160)に対して前記第3の移動軸(177)に沿って変位可能であるようにさらに構成および配置されており、
・前記接触面(185)が、前記第3の移動軸(177)の周りを回転可能であるようにさらに配置されており、
前記装置(100)は、
・前記接触面(185)が前記第3の移動軸(177)の周りを回転するように、前記第2の移動軸(175)に沿って前記接合ヘッド(110)に力を加えるように構成および配置された、前記接合ヘッド(110)上に配設された第2の係合部材(121b)と、
・第2の調整位置(137)内の第2の調整部材(133b)であって、前記第2の調整部材(135)が、前記第2の係合部材(121b)と堅固に係合するように構成および配置されている、第2の調整部材(133b)と、をさらに備え、
さらに、
・前記接合ヘッド(110)が、前記第2の調整位置(137)に変位可能であり、前記第2の係合部材(122)が、前記第2の調整部材(133b)と堅固に係合されており、
・前記接合ヘッド(110)が、前記第1の移動軸(170)に沿って前記第2の調整部材(133b)に対して変位可能であることにより、前記第2の移動軸(175)に沿って力が加えられて、前記接触面(185)を前記第3の移動軸(177)の周りを回転させ、
・前記第2の係合部材(122)が、前記第2の調整部材(133b)から解放可能または再解放可能であり、
・前記接合ヘッド(110)が、前記第2の調整部材(133b)からの解放後に、前記第3の移動軸(177)の周りでの前記接触面(185)の回転(203)を維持する(203)ようにさらに構成および配置されている、請求項9に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の基板位置に設けられた基板上にデバイスを取り付ける方法および請求項9に記載の基板位置に提供された基板上にデバイスを取り付けるための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板上に部品を取り付けるための最先端の方法およびデバイスは、多種多様な用途のための部品を取り付けることを可能にするか、または簡略化するために、十分に幅広で、高さが高いことが知られている。
【0003】
特許請求の範囲で使用される「デバイス」という用語は、電子デバイスおよび/または光学デバイス、特に基板上の半導体チップ(ダイとも呼ばれる)を指す。
【0004】
半導体産業における部品の取り付けは、当業者には「ダイボンダ」またはピックアンドプレースマシンとして知られている半導体組み立て機械の助けを借りて行われる。デバイスは、多くの場合、所定の基板位置で異なる基板上に配置および接合することができる半導体チップである。
【0005】
部品は、クランプ把持具または吸引要素などのピックアップ部材によってピックアップされる。ピックアップ部材を基板上に移動させ、部品を基板上の所定の位置に配置する。ピックアップ部材は、その長手方向軸の周りを回転することができるように、接合ヘッドに取り付けられてもよい。接合ヘッドは、X、Y、およびZの3つの空間方向における必要な移動を可能にするピックアンドプレースシステムに取り付けられる。接合ヘッドは、特別な装着ブラケットによって接合ヘッドに取り付けられる。実際には、Z方向は垂直方向に対応し、XY平面は水平平面に対応する。XY平面における部品の非常に正確な位置決めに加えて、部品が平面的に平行に配置され、基板上に剪断力がないようにすることが非常に重要である。部品の傾斜した配置は、保持力の低減、電気接点の不備または欠損、部品と基板との間の不規則な熱伝達、または部品の損傷などの望ましくない特性をもたらし得る。剪断力は、半導体チップが滑る原因となり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ピックアップ部材の傾斜を制御するための多くの異なる構成が知られている。本発明の目的は、基板からの部品の配置中に改善された傾斜制御を可能にすることである。
【0007】
加えて、本発明は、製造中に傾き制御の単純かつ安価な可能性を提供するタスクを有し、これは、単純な取り扱いを維持しながら、使用中の接合ヘッドのための可能な限り長く、ほぼ摩耗のない傾斜機構を有する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様では、基板上にデバイスを取り付けるためのプロセスが提供され、このプロセスは、基板位置において基板基部上に基板を提供する。手順は、以下のステップを含む:基板に対して第1の移動軸および第2の移動軸に沿って変位可能な接合ヘッドを提供することであって、第2の移動軸が、第1の移動軸に実質的に直角である、接合ヘッドを提供することと、接触面を有する受容要素としてのピックアップ部材を提供することであって、ピックアップ部材が、接合ヘッド上に配設され、接触面が、部品に解放可能に装着可能であるように構成および配置され、接触面が、第1の移動軸の周りを回転可能であるようにさらに構成および配置されている、ピックアップ部材を提供することと、接合ヘッド上に配設された第1の係合部材を提供することと、第1の係合部材との堅固な係合のために、第1の調整位置に第1の調整部材を提供することと、接合ヘッドを第1の調整位置に移動させることと、第1の係合部材を第1の調整部材と堅固に係合することと、接合ヘッドを、第1の移動軸に沿ってまたは第2の移動軸に沿って第1の調整部材に対して移動させることにより、接触面が第2の移動軸の周りを回転するようにすることと、第1の調整部材から第1の係合部材を解放することと、接合ヘッドを基板位置に向けて移動させることであって、接合ヘッドが、第2の移動軸の周りでの接触面の回転を維持する、移動させること。
【0009】
従来の駆動装置および/またはアクチュエータとの傾き補正、ならびにそれらのそれぞれの移動軸に沿った移動を提供することによって、部品の組み立てはかなり簡素化され得る。特に、接合ヘッド(およびそれに装着された任意のパーツまたは要素)の複雑さが低減され得る。
-このことは、具体的にはデバイス自体のコストを削減し得る。加えて、接合ヘッド(および接合ヘッドに装着された任意のパーツまたは要素)は、従来の装置で可能であるよりもはるかに速く移動できるように、重量を低減させてもよい。回転補正は、機械的原理に従ってのみ実行することができ、そのような受動的な実施形態は、高い程度の複雑さおよび/または重量の低減を確実にする。
【0010】
本発明のさらなる態様では、基板上にデバイスを取り付けるための方法が提供され、本方法は、以下の提供されたステップをさらに備える:接合ヘッドを、基板に対して第3の移動軸に沿って変位可能であるように構成および配置することであって、第3の移動軸が、第1の移動軸に実質的に直角であり、第2の移動軸に実質的に直角である、構成および配置することと、接触面を、第3の移動軸の周りを回転可能であるように構成および配置することと、接合ヘッドを、第1の移動軸に沿って、または第2の移動軸に沿って、または第3の移動軸に沿って、第1の調整部材に対して移動させることであって、接触面が第3の移動軸の周りを回転するようにする、移動させることと、第1の係合部材を第1の調整部材から解放した後に、接合ヘッドを基板位置に移動させることであって、接合ヘッドが、第3の移動軸の周りでの接触面の回転を維持する、移動させることと。
【0011】
位置決め後、部品は、好ましくは、2つの移動軸の周りに必要な回転の程度を提供することによって、基板位置において基板に平行な平面に取り付けられ、動作中の傾斜問題のリスクが大幅に低減される可能性がある。
【0012】
本発明のさらなる態様では、基板上にデバイスを取り付けるための方法が提供され、本方法は、以下の提供されたステップをさらに含む:接合ヘッドを、基板に対して第3の移動軸に沿って変位可能であるように構成および配置することであって、第3の移動軸が、第1の移動軸に実質的に直角であり、第2の移動軸に実質的に直角である、構成および配置することと、接触面を、第3の移動軸の周りを回転可能であるように構成および配置することと、接合ヘッド上に配設された第2の係合部材を提供することと、第2の調整位置に第2の調整部材を提供することであって、第2の調整部材が、第2の係合部材と堅固に係合するように構成および配置されている、第2の調整部材を提供することと、接合ヘッドを第2の調整位置に移動させること、第2の係合部材を第2の調整部材と堅固に係合させること、接合ヘッドを、第1の移動軸に沿って、または第2の移動軸に沿って、または第3の移動軸に沿って、第2の調整部材に対して移動させることであって、接触面が、第3の移動軸の周りを回転する、移動させることと、第2の係合部材を第2の調整部材から解放することと、接合ヘッドを基板位置に移動させることであって、接合ヘッドが、第3の移動軸の周りでの接触面の回転を維持する、移動させること。
【0013】
2つの係合部材、2つの調整部材、および2つの調整位置を提供することによって、本発明の好ましい実装形態は、第1の傾斜の設定から第2の傾斜の設定に移動するのに必要な時間さえ著しく短縮され得るような方法で達成することができる。
【0014】
これはまた、移動するより低い質量、すなわち、接合ヘッドにも起因し、このことは接合ヘッドにおける追加のサーボモータの回避から生じる。
【0015】
好ましい方法では、接合ヘッドは、弾性部材、ばね部材、磁気部材、電気部材、電磁部材、真空部材、ガス動力部材、摩擦部材、油圧部材、誘導部材、またはこれらの任意の組み合わせを使用して接触面の回転を維持するように構成および配置される。
【0016】
本発明の別の態様において、物品データを入力するための好ましい方法は、依然として、以下のステップを伴う:第1および/または第2の移動軸および/または第3の移動軸の周りでの接触面の回転を測定するように構成および配置された傾斜センサを提供することと、第1の移動軸に沿った変位の程度を決定して、第1および/または第2の移動軸および/または第3の移動軸の周りでの所望の回転を得るように構成および配置されたプロセッサを提供することと、接触面の所望の傾斜に到達したときに、第1の移動軸に沿った変位を停止するように、プロセッサをさらに構成および配置すること。
【0017】
本発明の別の態様では、物品データを入力するための好ましい方法は、なおも以下のステップを伴う:基板の傾斜を測定するように構成および配置された傾斜位置センサを提供することと、基板の測定された傾斜を使用して第1の移動軸に沿って変位の程度を決定し、第1の移動軸および/または第2の移動軸の周り、および/または第3の移動軸の周りでの所望の回転を得るようにように構成および配置されたプロセッサを提供すること。
【0018】
本発明の別の態様では、好ましい温度検知方法は、好ましくは機械環境においても、以下のステップを引き続き含む:接合ヘッドサポートキャリアおよび/または接合ヘッドサポートおよび/または接合ヘッドおよび/または傾斜センサおよび/または接触面の温度および/またはそれぞれの温度を測定するように構成および配置された温度センサを提供することと、接触面の測定された温度を使用して第1の移動軸に沿った変位の程度を決定し、第2の移動軸および/または第3の移動軸の周りでの所望の回転を得るように構成および配置されたプロセッサを提供すること。
【0019】
本発明の別の態様では、好ましい温度検知方法は、好ましくは機械環境においても、以下のステップを引き続き含む:基板(160)および/または基板基部の温度および/またはそれぞれの温度を測定するように構成および配置された温度センサを提供することと、基板の測定された温度を使用して第1の移動軸に沿った変位の程度を決定し、第1の移動軸および/または第2の移動軸および/または第3の移動軸の周りでの所望の回転を得るように構成および配置されたプロセッサを提供すること。
【0020】
本発明は、温度センサによる温度測定および/またはレーザー基部もしくは赤外線基部の温度測定などの放射線による非接触温度測定を伴う。
【0021】
本発明の別の態様において、ピックアップ部材の接触面の回転を制御するための好ましい方法は、提供される以下のステップを引き続き含む:基板に対する接合ヘッドおよび/または接触面および/または接合された部品の傾斜および/または回転を測定することであって、少なくとも接合ヘッドの位置は、基準マークによって光学的に検出され得る、測定することと、測定値からの傾斜および/または回転の補償のための第1及び第2の補償変数を決定することと、接合ヘッドを補償変数で補償される第1の位置に移動させることと、前記第1の係合部材を前記第1の調整部材と堅固に係合させることと、第1の補償を実施することと、接合ヘッドを補償サイズで補償される第2の位置に移動させることと、第2の係合部材を第1の調整部材と堅固に係合させることと、第2の補償を実施すること。
【0022】
加えて、基板の表面または基板ハンドラの表面に対する接合ヘッドの傾きを再測定し、追加の補償のためにそれを使用することが有利であり得る。
【0023】
傾き、すなわち、基板に対する接合ヘッドの傾斜および/または回転の測定は、好ましくは、光学画像認識方法で行われ、それによって、好ましくは、光学基準マーク、例えば、接合ヘッドに装着されたいわゆるフィデューシャルが、カメラによって検出され、参照のために使用される。このようにして、取り付け中の移動シーケンス中に有利な連続監視も可能である。したがって、例えば、機械的遊びまたは機械的偏差の単純な誤差伝播によって引き起こされる状況関連の補償が利用可能である。
【0024】
本発明の別の態様において、デバイスは、デバイスを基板上に取り付けるために提供される。本デバイスは、本明細書に記載される手順を実施するように構成および配置される。
【0025】
基板位置に設けられた基板上にデバイスを取り付けるためのデバイスの好ましい構成は、第1の移動軸および第2の移動軸に沿って基板に対して変位可能な接合ヘッドであって、第2の移動軸が、第1の移動軸に対して実質的に直角であり、第2の移動軸が、第1の移動軸に対して実質的に垂直である、接合ヘッドと、接触面を有するピックアップ部材であって、ピックアップ部材が、接合ヘッド上に配設され、接触面が、部品に解放可能にまたは再解放可能に装着可能であるように構成および配置され、接触面が、第1の移動軸の周りを回転可能であるようにさらに構成および配置されている、ピックアップ部材と、接合ヘッド上に配設された第1の係合部材と、第1の係合部材との堅固な係合のための第1の調整位置内の第1の調整部材と、を備える。
【0026】
加えて、基板上にデバイスを取り付けるためのデバイスの好ましい構成は、第1の変位位置に変位可能な接合ヘッドを含む、第1の係合部材は、第1の変位部材と堅固に係合され、係合中、接合ヘッドは、第1の移動軸に沿って、または第2の移動軸に沿って、第1の変位部材に対して変位可能であり、接触面は、第1の移動軸の周りを回転する。
【0027】
加えて、デバイスの好ましい実施形態は、第1の調整部材から解放可能または再解放可能である第1の係合部材を含む。
【0028】
加えて、デバイスの好ましい実行の形態は、基板位置に変位可能な接合ヘッドを含み、接触面は、第1の移動軸の周りでの回転を維持するように構成および配置される。
【0029】
基板上にデバイスを取り付けるためのデバイスの好ましい構成では、接合ヘッドは、第3の移動軸に沿って基板に対して変位可能であるようにさらに構成および配置され、第3の移動軸は、第1の移動軸に実質的に直角であり、第2の移動軸に実質的に直角である。
【0030】
基板上にデバイスを取り付けるためのデバイスの好ましい実施形態では、接触面は、第3の移動軸の周りを回転可能であるようにさらに構成および配置される。
【0031】
基板上にデバイスを取り付けるためのデバイスの好ましい構成では、第1の係合部材は、第1の移動軸に沿って、または第2の移動軸に沿って、または第3の移動軸に沿って第2の調整部材に対して接合ヘッドを摺動させるようにさらに構成および配置され、接触面は、第3の移動軸の周りを回転する。
【0032】
基板上にデバイスを取り付けるためのデバイスの好ましい実施形態では、接合ヘッドは、第1の調整部材からのリリース後に、第3の移動軸の周りでの接触面の回転を維持するようにさらに構成および配置される。
【0033】
基板上にデバイスを取り付けるためのデバイスの好ましい構成では、接合ヘッドは、第3の移動軸に沿って基板に対して変位可能であるようにさらに構成および配置され、第3の移動軸は、第1の移動軸に実質的に直角であり、第2の移動軸に実質的に直角である。
【0034】
基板上にデバイスを取り付けるためのデバイスの好ましい構成では、接触面は、第3の移動軸に沿って回転可能であるようにさらに配置され、デバイスは、接合ヘッド上に配設された第2の係合部材と、第2の調整位置内の第2の調整部材とをさらに備え、第2の調整部材は、第2の係合部材と堅固に係合するように構成および配置され、接合ヘッドは、第2の調整位置にさらに変位可能であり、第2の係合部材は、第2の調整部材と堅固に係合され、接合ヘッドは、第1の移動軸に沿って、または第2の移動軸に沿って、または第3の移動軸に沿って第2の調整部材に対して変位可能であり、接触面は、第3の移動軸の周りを回転し、第2の係合部材は、第2の調整部材から解放可能であり、接合ヘッドは、第2の調整部材からの解放後、第3の移動軸の周りでの接触面の回転を維持するようにさらに構成および配置される。
【0035】
取り付けるための好ましい方法のさらなる利点および特性
基板上のデバイス、および基板上のデバイスを取り付けるための好ましいデバイスが、以下の図に示される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明の意味における部品を取り付けるためのデバイスの実施形態を示す。
【
図2】第2の移動軸の周りを回転するように構成および配置された接合ヘッドの例を示す。
【
図3A-3D】基板上にデバイスを取り付けるための
図2からの構成および配置の使用を示す。
【
図4A-4B】
図2に示される実施形態の修正バージョンを表す。
【
図5】本発明の意味における基板上に部品を取り付ける方法を示す。
【
図6】係合および調整部材としてのラックおよびピニオンの組み合わせを有する傾斜調整のためのさらなる実施形態を示す。
【
図7】2つの調整位置における係合および調整部材としてのラックおよびピニオンの組み合わせとしての本発明の別のバージョンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、本発明による方法200を理解するために必要とされる、ダイボンダまたは組み立て機械などの組み立て装置100の形態で部品150を組み立てるための装置100の好ましい実施形態を示す。方法200は、電子部品または光学部品150(図示せず)、特に半導体チップを基板160上に取り付けるために使用される。組み立て装置100は、吸引素子またはクランプ把持具などの受容要素として、ピックアップ部材180が装着される移動可能な接合ヘッド110を備える。組み立て装置100はまた、基板160が置かれ、保持される基板基部190も含む。
【0038】
組み立て装置100は、接合ヘッド110および/またはピックアップ部材180が第1の移動軸170(ここでは実質的に垂直方向またはZ方向として表される)に沿って基板160に対して変位され得るように構成および配置される。典型的には、装置は、接合ヘッド110および/またはピックアップ部材180の長手方向軸140が実質的に垂直方向またはZ方向170と実質的に一致するように構成および配置される。
【0039】
組み立て装置100は、接合ヘッド110および/またはピックアップ部材180が第2の移動軸175(ここでは実質的に水平方向またはX方向として示される)に沿って基板160に対してシフトされ得るようにさらに構成および配置される。第2の移動軸175は、第1の移動軸170に実質的に直角である。
【0040】
組み立て装置100は、第3の移動軸177(ここでは実質的に水平方向またはY方向として示される)に沿って、接合ヘッド110および/またはピックアップ部材180が基板160に対してシフトできるようにさらに構成および配置される。第3の移動軸177は、第1の移動軸170にほぼ直角に延在し、
第2の移動軸175にも実質的に直角に延在する。示される装置100では、XY平面は、第2の移動軸175および第3の移動軸177によって広がっている。
【0041】
装置100の構成は、通常、運動のために電気的および/または空気的に駆動される軸を使用して相対運動を提供し、ここでピックアップ部材180および/または基板160は、1つ以上の移動軸170、175、177に沿って移動するように構成および配置される。相対運動が必要とされるため、運動は、基板基部190、ピックアップ部材180、接触面185、接合ヘッド110、残りの装置100への接合ヘッド110の取り付け点、またはおれらの任意の組み合わせのために構成されてもよい。
【0042】
そのような移動軸170、175、177は、ガイド(図示せず)および移動可能な部分、例えば、ガイド内で移動可能なキャリッジから構成されてもよい。キャリッジは、例えば、空気軸受または玉軸受けによって、異なる方法で支持されてもよい。ガイドと移動可能なスライドとの間に一定の弾性が存在する場合があり、これは典型的には、玉軸受けよりも空気軸受けでやや大きい。各移動軸に対して、1つ以上のガイドキャリッジの組み合わせは、装置100内の異なる点に提供されてもよい。各移動軸はまた、関連するガイドに沿って関連するスライドを移動させるための1つ以上の駆動装置(図示せず)から構成することもできる。
【0043】
受容要素としての接合ヘッド110とピックアップ部材180との間の相対変位はまた、1つ以上の移動軸170、175、177に提供することもできる。追加的または代替的に、装置100は、ピックアップ部材180と、その長手方向軸140の周りの接合ヘッド110との間の相対回転を可能にするように構成されてもよい。接合ヘッド110におけるピックアップ部材180の軸受けは、空気軸受けとして提供されてもよい。
【0044】
ピックアップ部材180は、基板位置165(図示せず)において基板160上に位置決めされる間、部品150への解放可能または再解放可能な装着のための接触面185(図示せず)から構成される。
【0045】
部品150が基板160上に位置決めされた(または配置された)後、接触領域185は、典型的には、1つ以上の接合動作中のデバイスの移動を制限するために使用される。基板160上の接触面185によって加えられる力は、通常、保持力と呼ばれる。典型的には、同じ接触領域185が、接合プロセスの各ステップに使用され、各ステップは、接合のタイプに応じて追加の接触領域185を使用する。
【0046】
接合ヘッド110およびピックアップ部材180は互いに接続され、ピックアップ部材180は接触面185を含むので、当業者には、接触面185の位置は、対応する変換ルールを有する接合ヘッド110および/またはピックアップ部材180の位置から導出されてもよく、またはその逆であってもよいことが明らかであろう。
【0047】
好ましくは、部品150は、それらのそれぞれの基板位置165において基板160に対して実質的に平行に位置決めされる。これは、部品150が、好ましくは、基板位置165が位置するXY平面に実質的に平行なXY平面内に位置決めされることを意味する。平行状態からの逸脱は、傾斜、傾き、またはねじれと呼ばれ、部品150の傾き、ねじれ、または傾斜した位置決めは、保持力の低減および/または保持力、電気接点の不備もしくは欠落、部品150と基板160との間の不規則な熱伝達、または部品150への損傷などの望ましくない特性をもたらし得る。剪断力は、部品150を滑らせることがあり、これは位置決め誤差につながり得る。極端な場合、部品が正常に機能しない、欠陥がある、または信頼性が低下している可能性がある。
【0048】
傾斜調整を可能にするために、装置100は、接合ヘッド110および/またはピックアップ部材180が、基板160に対して少なくとも1つの水平軸(第2の移動軸175および/または第3の移動軸177)の周りを回転することができるように、さらに構成および配置される。一般に、最も高い程度の制御は、多くの運動および回転の程度(自由の程度)によって達成されるが、これは通常、装置100の複雑さを増加させる。
【0049】
従来の配置機械では、接触面185の傾斜は、オペレータによって手動で調整される。つまり、問題、例えば、部品150および/または基板160の破損が検出された後に、デバイスの動作が中断され、傾斜は、例えば調整ネジで手動で調整される。
【0050】
適切な制御および/または測定により、この1つ以上の回転角度は、傾き誤差を最小化するために、基板160に対する接触面185の向きを制御するために使用されてもよい。各回転の程度には、1つ以上の駆動装置またはアクチュエータが必要である。加えて、必要な精度および制御を確保するために、1つ以上の測定機器などの測定システムが必要とされ得る。相対運動が必要とされるため、回転は、基板基部190、ピックアップ部材180、接合ヘッド110、接触面185、装置100の残りの部分に対する接合ヘッド110装着点、またはこれらの任意の組み合わせに対して構成されてもよい。
【0051】
このような追加の駆動装置および測定システムは、接合ヘッド110および/またはピックアップ部材180の重量を増大させ、これは、典型的にはUPH(1時間あたりの単位)で測定される最大速度を制限し得るか、または増大した慣性を補償するためにより強力な駆動装置を必要とし得る。接合ヘッド110および/またはピックアップ部材180のサイズはまた、要素が追加されるにつれて増大してもよい。
【0052】
例えば、米国特許第US8387851B1号は、接合ヘッドに直接取り付けられたアクティブアクチュエータによる傾斜調整を記載している。米国特許第8387851B1号の
図5に示されるように、傾斜調整は、いくつかのアクチュエータおよびエンコーダによって実装される。
【0053】
本発明に応じて、改良された傾き調整が装置100に提供され、これにより、接合ヘッド110および/またはピックアップ部材180の重量および/またはサイズの増大を同時に最小化する自動調整が可能になる。加えて、設定時間は短縮されてもよく、これにより装置100の動作時間が増加する。
【0054】
図2は、第2の移動軸175の周りを回転するように配置される接合ヘッド110の例を示す。
【0055】
図2の左図は、接合ヘッド110およびピックアップ部材180を概略的に示しており、それらの長手方向軸140も、可能な相対回転を示すように示されている。右側には、座標系が示され、第1の移動軸170(Z)は垂直方向に示され、第3の移動軸177(Y)は水平方向に示される。この例では、接合ヘッド110は、第2の移動軸175(X)に沿って見られ、すなわち、第2の移動軸175(X)はページ(紙平面)の中に入る。
【0056】
この例では、接合ヘッド110は、第2の移動軸175(X)の周りを回転するように構成および配置され、この例では、接合ヘッド110は、接合ヘッド装着具105を介して残りの装置100に枢動可能に接続され、枢動軸115の周りを回転することを可能にする。
【0057】
装置100は、接合ヘッド110に装着された第1の係合部材120と、第1の
係合部材120を堅固に係合するための第1の調整位置132(
図1に示される)における第1の調整部材130(
図1に示される)と、をさらに備える。
【0058】
第1の調整位置132は、接合ヘッド110が利用可能な移動軸または自由の程度で到達することができる任意の場所に位置していてもよい。
【0059】
装置100は、接合ヘッド110が第1の調整位置132に移動され得るようにさらに構成および配置され、第1の係合部材120は、第1の調整部材130と堅固に係合する。
【0060】
これは、接合ヘッド110が第1の調整位置132に移動されると、第1の係合部材120および第1の調整部材130は、それらが堅固にオンおよびオフに切り替えられるように構成および配置されることを意味する。第1の係合部材120および第1の調整部材130は、第1の対の係合部材を形成する。例えば、ラックおよびピニオンの対、ボールおよびソケット、フックおよびガイド、ボルトおよびナット、突起および凹部、ボルトおよび穴の対、北磁極および南磁極、または突起およびクランプの対として設計されてもよい。2対以上の係合部材を使用することもできる。
【0061】
任意選択で、各係合部材の対は、機械的原理のみを使用するように構成されてもよい。この受動的な実施形態は、電気もしくは空気圧供給装置および/または駆動装置に起因する追加の重量および複雑さを回避することができる。
【0062】
当業者であれば、係合対の部材が、その対の機能性に影響を与えることなく、それらの機械的構成を交換し得ることを認識するであろう。例えば、ラックは、調整部材としてピニオンと組み合わせて係合部材として含まれてもよく、ラックは、係合部材としてピニオンと組み合わせて調整部材として含まれてもよい。
【0063】
堅固な係合とは、係合が必要な傾き調整を実施するのに十分な堅固性および持続時間を有し、特に係合対のために選択された機械的構成、選択された傾き調整機構(以下を参照)、必要な調整速度、必要な調整精度、および接合ヘッド110の質量に依存することを意味する。
【0064】
図2に示される第1の係合部材120は、溝(図示せず)内と堅固に係合するように選択される円筒形ピンである。
【0065】
装置100は、係合中に、接合ヘッド110が、第1の移動軸170に沿って第1の調整位置に対して変位可能であり、接触面185が第2の移動軸175の周りを回転するようにさらに構成および配置され、第1の係合部材120が第1の調整部材130から解放されたときに、接合ヘッド110が基板位置165に変位可能であり、接触面185が第2の移動軸175の周りでの回転が維持されるように構成および配置されるように、さらに構成および配置される。
【0066】
図2の例に示されるように、傾き位置阻止部117は、第2の移動軸175の周りでの回転、すなわち、第2の移動軸175の周りでの傾き調整を維持するために提供される。傾き位置阻止部117はまた、第2の移動軸175の周りでの望ましくない傾き移動を阻止するとみなすことができる。
【0067】
摩擦ブレーキ、油圧ブレーキ、空気圧ブレーキ、ねじ山、電磁ブレーキ、電気ブレーキ、誘導ブレーキ、ドライバー、磁気ブレーキ、またはこれらの任意の組み合わせなど、任意の標準的な運動係止具が使用されてもよい。弾性部材を使用して、適切な予負荷を生成することもできる。
【0068】
任意選択で、傾き位置阻止部117は、機械的原理のみを使用するように構成されてもよい。この受動的な実施形態は、電気もしくは空気圧供給装置および/または駆動装置に起因する追加の重量および複雑さを回避することができる。
【0069】
図2の例では、装置100は、対応する力が第3の移動軸177に沿って第1の係合部材120の先端(遠位端)に印加されたときに、接合ヘッド110が枢動
軸115の周りを(および第2の移動軸175の周りを)回転できるように構成および配置される。
【0070】
本発明の場合、接触面185の傾斜は、部品150が基板160上に取り付けられる前に有利に調整され、その結果、接触面185の傾斜は、それぞれの基板位置165における基板160の傾斜と実質的に等しくなる。
図2の例は、接合ヘッド110の傾きを制御するための構成および配置を示すが、傾き設定および/または設定は、接触面185の必要な傾きを達成するように選択される。
図2は、接合ヘッド110の端部に装着され、基板160に最も近接して働くピックアップ部材180を示す。ピックアップ部材180は、接合ヘッド110から最も遠いピックアップ部材180の端部にある接触面185から構成される。したがって、当業者は、装置100の関連する寸法の知識から、接合ヘッド110の傾斜値が容易に変換され得、逆もまた同様であることを認識するであろう。代替的または追加的に、このような変換値は、好適な較正手順で測定されてもよい。
【0071】
図2の実施例では、傾き調整および傾き阻止は、接合ヘッド110に実装され、というのも、このことは実際には、追加の部品のための十分なスペースを提供し、典型的には、堅牢で信頼性の高い実装を可能にするのに十分な質量を有するためである。
【0072】
代替的または追加的に、傾斜調整および傾斜係止は、ピックアップ部材180内で、またはさらには接触面185内で提供されてもよい。複数の傾き調整および傾き係止機能の使用も提供され、粗いおよび/または微細な調整を可能にする。
【0073】
図3は、本発明の方法200による、基板上の部品の組み立てのための
図2の構成および配置の使用を示す。手順の可能なステップも
図5に示される。
【0074】
図3Aは、
図2に示される接合ヘッド110と同じ座標系の同じ図を示す。
図3の明瞭性を向上させるために参照番号は含まれておらず、
図2に示される要素は同一である。
【0075】
図3Bでは、接合ヘッド110は、第1の調整位置132に移動される250。この時点で、第1の係合部材120および第1の調整部材130は一緒に近接している。
【0076】
次いで、第1の係合部材120は、第1の調整部材130と堅固に係合される。必要なアクションは、とりわけ、第1の係合部材120、130の対の構成および配置によって異なる。装置100は、接合ヘッド110を第1の調整位置132に移動させる直接的な結果として堅固に係合する260ように構成および配置されてもよい。
【0077】
代替的または追加的に、利用可能な移動軸170、175、177に沿った一連の移動は、第1の係合部材120、130の対が互いに近接するまで行われてもよい。例えば、
図3の実施形態は、調整部材130の溝を貫通するために
第1の係合部材120に含まれるピンを必要とする。示されるように、ピン120および溝130の両方は、第2の移動軸175に沿って紙平面内に延在する。したがって、係合は、接合ヘッド110を第1の調整位置132に移動させることによって行われてもよく、第1の調整位置132は、ピン120が溝130のちょうど上に位置決めされ、第1の移動軸170および第3の移動軸177に沿った移動の自由を可能にするように定義される。次に、接合ヘッド110は、第2の移動軸175に沿って紙の中に移動され、ピン120が溝130に入ることを可能にすることができる。したがって、堅固な係合260は、ピン120および溝130の機械的許容差を適切に選択し、傾き270が設定されるとき(以下を参照)、第2の移動軸175に沿った固定位置を維持することによって達成され得る。
【0078】
追加的または代替的に、クランプを使用して、係合の堅固性が十分であることを確実にすることができる。
【0079】
第1の係合部材120、130の対の配置は、YZ平面内の第1の移動軸170(Z)に対して約20度の角度で配置される溝130内のピン120である。この例では、第3の移動軸177は、Yとして定義される。第1の移動軸170に沿った接合ヘッド110の移動は、第3の移動軸177に沿った第1の係合部材120上に力を提供する。示されるように、上方への移動170は、左の177に力を提供し、下方への移動170は、右の177に力を提供する。より大きな角度、例えば30度~60度の溝を使用することもできる。
【0080】
装置100は、第3の移動軸177に沿った第1の係合部材120上の力が、接合ヘッド110を枢動軸115の周りを(第2の移動軸175の周りを)回転させるように構成および配置される。
【0081】
装置100は、枢動軸115の周りでの(第2の移動軸175の周りでの)接合ヘッド110の回転が、第2の移動軸175の周りでの接触面185の回転(または傾斜)を引き起こすように構成および配置される。
【0082】
本発明は、移動軸170、175、177に沿った接合ヘッドの変位のための既存の駆動装置およびアクチュエータとの接触面185の傾斜を提供することが有利である。この傾斜には追加の駆動装置および/またはアクチュエータは必要ない。
【0083】
図3Cは、接合ヘッド110を第1の
移動軸170に沿って
上方に移動270させることによって、接合ヘッド110の第2の
移動軸175の周りでの反時計回りの回転を示す。
【0084】
次いで、第1の係合部材120は、第1の調整部材130から切り離される。傾き(第2の移動軸175の周りでの回転)は、傾き位置阻止部117によって維持される。十分な摩擦を提供する摩擦ブレーキが使用される場合、接合ヘッド110は、第1の係合部材120に適切な力を加えることのみによって、傾き機構領域内の任意の傾き値に調整されてもよく、傾きを阻止するためにさらなるアクションは必要とされない。傾き位置阻止部117が複数の阻止の程度を提供する場合、接合ヘッド110の回転中により少ない阻止、ならびに第1の係合部材120および第1の調整部材130を解放する前により多くの阻止の程度を提供することが有利であり得る。代替的または追加的に、傾き位置阻止部117は、リリース280時の接合ヘッド110の各移動中に、より高い阻止度を有するように構成および配置されてもよい。
【0085】
リリース280の後、接合ヘッド110を基板160上のそれぞれの基板位置165に移動させる。
図3Dに示されるように、接合ヘッド110は、第2の移動軸175の周りでの回転、したがって、第2の移動軸175の周りでの接触面185の傾斜を維持している。接触面185がそれぞれの部品150が取り付けられる基板上の位置の真上にあるとき、接合ヘッド110はそれぞれの基板位置165に到達する。したがって、傾き設定に応じて、期待位置を補正することができる。
【0086】
図3Dに示されるように、部品150は接触面185に装着され、第2の移動軸175の周りでの部品は、第2の移動軸175の周りでの基板傾き160と実質的に等しい。
【0087】
傾斜調整後に部品150を取り出す必要はない(
図3Bおよび
図3C)。装置100は、部品150が接触面185に装着されている間に傾斜調整を実施するように構成されてもよい。
【0088】
次の2つの態様が実装される場合、この実施形態の多くの変形例が可能である。装置100が、
少なくとも1つの移動軸170、175、177に沿った変位が接触面185の傾斜をもたらすような方法で構成されている。
部品150が基板160上に取り付けられるとき、意図される傾斜が維持される。
【0089】
上記は、Zまたは実質的に垂直方向で表される第1の移動軸170に沿って接合ヘッド110の運動を使用して、Xまたは実質的に水平方向で表される第2の移動軸175を回転させることを説明する。
【0090】
本発明は、これらの
移動軸170、175、177のうちの少なくとも1つに沿った運動を可能にする既存の駆動装置および/またはアクチュエータで傾き補正が可能であるという知識に基づいている。一般に、装置100は、1つの移動軸に沿った運動を使用して、軸が互いに実質的に直角な状態で、別の移動軸についての回転を可能にするように構成および配置されていてもよい。
【表1】
【0091】
したがって、「第1の」、「第2の」、および「第3の」移動軸を解釈する場合、互いに実質的に直角である軸のすべての組み合わせが特許請求の範囲の保護範囲に該当し、明細書中にX、Y、およびZと記載されている例のみが特許請求の範囲の保護範囲に該当するものではない。
【0092】
特に、移動軸XおよびYは、機能的に交換されてもよい。
【0093】
装置100はまた、本発明による2つ以上の傾きを提供するように構成および配置されてもよい。
【0094】
図4は、
図2に示される実施形態の修正バージョンである、本発明の別のバージョンを示す。
【0095】
図4Aの左図は、接合ヘッド110およびピックアップ部材180を概略的に示す。右側には、座標系が示され、第1の移動軸170(Z)は垂直方向に示され、第3の移動軸177(Y)は水平方向に示される。この例では、接合ヘッド110は、第2の移動軸175(X)に沿って見られ、すなわち、第2の移動軸175(X)はページの中に入る。この観点から、
図2に示されるように装置100と接合ヘッド110が現れる。枢動軸115およびしたがって第2の移動軸175の周りでの回転性は、同じである。
【0096】
違いは次のとおりである。
さらなる接合ヘッド装着具106は、
図2に示されるものと比較して修正され、ここで、接合ヘッド110はまた、第3の移動軸の周りも回転可能である(以下の
図4Bを参照)。
第2の係合部材122は
図2と比較して、2つの軸の周りでの回転を可能にする堅固な係合を可能にするように修正される。この単純な例では、
第2の係合部材122は、その遠位端におけるボール(または部分的に球形状のもの)から構成される。
【0097】
関連する第3の調整部材131は、第1の調整位置132に提供され、例えば、適切に寸法設定されたソケット、凹部、または溝であり得る。ここでは、第3の移動軸177に沿って配置されたソケットを示す。堅固な係合は、ボールが第1の移動軸170および第2の移動軸175に沿って第2の係合部材122の遠位端に整列し、次いで第3の移動軸177に沿って変位し、枢動軸115の周りでの回転、およびそれによって第2の移動軸175の周りでの接触面185の回転(傾斜)を可能にするように、接合ヘッド110を第1の調整位置132に移動させることによって実現されてもよい。
【0098】
図4Bの左図は、接合ヘッド110およびピックアップ部材180を概略的に示す。右側には、座標系が示され、第1の移動軸170(Z)は垂直方向に示され、第3の移動軸175(Y)は水平方向に示される。この例では、接合ヘッド110は、第3の移動軸177(Y)に沿って見られる。言い換えると、第3の移動軸177(X)はページ(紙平面)から出てくる。この例では、接合ヘッド110はまた、第3の移動軸177(Y)の周りを回転するように構成および配置される。接合ヘッド110は、さらなる接合ヘッド装着具106を介して残りの装置100に枢動可能に接続され、これはまた、さらなる枢動軸116および第3の移動軸177の周りを回転することを容易にする。さらなる傾き位置阻止部118は、さらなる接合ヘッド装着具106と残りの装置100との間に取り付けられて、第3の移動軸177の周りでの回転、すなわち、第3の移動軸177の周りでの傾き調整を維持する。さらなる傾き位置阻止部118はまた、第3の移動軸177の周りでの望ましくない傾き移動を阻止するとみなすことができる。任意選択で、
さらなる傾き位置阻止部118はまた、機械的原理(受動的なバージョン)のみを使用するように構成されてもよい。第1の調整位置132において関連付けられた
第3の調整部材131は、第3の移動軸177に示され、ソケット131はここでは見えず、したがって破線でマークされる。堅固な係合は、
図4Aと同じ様式で実施される。つまり、ボール122が第1の移動軸170および第2の移動軸175に沿って整列され、続いて第3の177の移動軸に沿って移動し、第1の170および第3の177の移動軸に沿った実質的に一定の位置で第2の175の移動軸に沿った後続の移動が、さらなる枢動軸116の周りでの回転、したがって、第3の177の移動軸の周りでの接触面185の回転(傾斜)を促進するように、接合ヘッド110を移動させる。
【0099】
要約すると、
図4の実施例では、装置100は、接合ヘッド110が次のように回転できるように構成および配置されている。
対応する力が第3の移動軸177に沿ってさらなる係合部材121の先端(遠位端)に印加されるとき、枢動軸115の周りを(および第2の移動軸175の周りを)回転する。
対応する力が第2の移動軸175に沿ってさらなる係合部材121の先端(遠位端)に加えられるとき、さらなる枢動軸116の周りを(および第3の移動軸177の周りを)回転する。
【0100】
利点は、取り付けプロセスのための部品150は、好ましくは、基板位置165において基板160と平行であり、2つの移動軸による必要な傾斜は、装置100の動作を中断する傾斜問題のリスクを低減することである。
【0101】
同じ回転を確実にするために異なる構成および移動を使用することができることは、当業者には明らかである。
【0102】
例えば、
図4Aにおいて、接合ヘッド110の移動は、第3の移動軸177に沿ってソケット131にラッチした後、接触面185を第2の移動軸175の周りを回転させる。示される構成において、第3の移動軸177に沿ったソケット131からの移動は
リリースをもたらし得る。しかしながら、異なるタイプのメッシュ対、例えば、両方向に配設されたピニオンおよびラックを提供することによって、これらもまた提供され得る。
【0103】
単一の係合部材はまた、各々2つ以上の係合位置において2つ以上の調整部材と共に使用されてもよい。例えば、球面係合部材の場合、さらなる調整位置に追加のソケットが提供されてもよい。
【0104】
接合ヘッド110がこれらのラッチ位置間で移動されることから、堅固な係合を維持できない場合、調整位置は異なるとみなされ、
図4Aおよび
図4Bについては、調整位置は異なるとみなされない。装置100は、これらの異なる位置において、同じ移動軸の周りでの回転、同じ移動軸の周りでの異なる程度の回転、異なる
移動軸の周りでの回転、同じ移動軸の周りでの異なる回転方向、およびこれらの任意の組み合わせを提供するように構成されてもよい。
【0105】
単一の調整部材はまた、各々2つ以上の調整位置において2つ以上の係合部材と共に使用されてもよい。例えば、接合ヘッド110が2つの球面係合部材を備えている場合、ソケットが装置100に提供されてもよい。本発明は、接合ヘッド110が2つの調整位置の間で移動されることから、堅固な係合は不可能であるため、2つの調整位置を有する。装置100は、装置100が以下の異なる位置にあるように構成されてもよい。同じ移動軸の周りでの回転、同じ移動軸の周りでの異なる程度の回転、異なる移動軸の周りでの回転、同じ移動軸の周りでの異なる回転方向、およびこれらの任意の組み合わせ。
【0106】
1つ以上の係合部材はまた、1つ以上の
調整部材と共に使用されてもよく、これにより柔軟性を高めることができる。
【0107】
図5は、本発明による基板上に部品を取り付けるための方法200の概要を示す。手順には以下が含まれる。
-基板160に対して第1の移動軸170および第2の移動軸175に沿って変位可能な接合ヘッド110を提供する210ことであって、第2の移動軸175は、第1の移動軸170に実質的に直角である、接合ヘッドを提供することと、
-接触面185を有する受容要素としてピックアップ部材180を提供する220ことであって、ピックアップ部材180は接合ヘッド110に装着され、接触面185は、部品150に解放可能に装着可能または解放可能であるように構成および配置され、第2の移動軸175の周りを回転可能であるようにさらに構成および配置されている、ピックアップ部材を提供することと、
-230接合ヘッド110に装着された第1の係合部材120を提供することと、
-240第1の係合部材120との堅固な係合のために、第1の調整部材130を第1の調整位置132に提供することと、
-250接合ヘッド110を第1の調整位置132に移動させることと、
-260第1の係合部材120を第1の調整部材130と堅固に係合することと、
-270接合ヘッド110を第1の移動軸170に沿って第1の調整部材130に対して移動させることであって、接触面185が第2の移動軸175の周りを回転する、移動させることと、
-280第1の係合部材120を第1の調整部材130から解放することと、
-290接合ヘッド110を基板位置165に移動させることであって、接合ヘッド110が第2の移動軸175の周りでの接触面185の回転を維持する203、移動させること。
【0108】
図6は、本発明の実施形態のうちのいずれかで使用され得る対のラックおよびピニオン係合部材を有する代替の傾き調整実施形態を示す。接合ヘッド110は、
図2と同様に、第2の移動軸175の周りを回転するように配置される。
【0109】
図6の左図は、接合ヘッド110およびピックアップ部材180を概略的に示す。右側には、座標系が示され、第1の移動軸170(Z)は垂直方向に示され、第3の移動軸177(Y)は水平方向に示される。この例では、接合ヘッド110は、第2の移動軸175(X)に沿って見られ、すなわち、第2の移動軸175(X)はページの中に入る。
【0110】
接合ヘッド110は、それが枢動軸115の周りで旋回され得るように、接合ヘッド装着具105によって残りの装置100に装着される。
【0111】
さらなる係合部材121は、遠位端に配置されたピニオンから構成される。内部的に、従来の主軸ねじ駆動(図示せず)は、ピニオンの回転が主軸ねじ駆動の回転を引き起こすように、ピニオン121に装着される。主軸ねじ駆動装置はまた、主軸ねじ駆動装置の回転が、枢動軸115の周りおよび第2の移動軸の周りでの接合ヘッド110の回転を容易にするような方法で、接合ヘッド110にも装着される。これは、第2の移動軸175の周りでの接触面185の回転(傾き)をもたらす。傾き調整機構は、接合ヘッド110と接合ヘッド装着具105との間に取り付けられた弾性部材119からさらに構成される。これは、接合ヘッド110が主軸ねじ駆動装置に対して予め負荷が与えられるように、対応する予圧を提供する。これは、傾き位置を阻止するための代替の機構である。この例では、第2の移動軸175の周りでの回転は係止される。
【0112】
第1の調整位置132に提供されたさらなる調整部材は、ピニオン121の回転が可能になるように、ピニオン121と相互作用するように構成および配置されたラック133である。この例では、ラック133は、第1の移動軸170に沿って延在する。
【0113】
係合は、ピニオン121とラック133とが近接するように、ピニオンが第1の移動軸170、第2の移動軸175、および第3の移動軸177に沿ってピニオン121の遠位端において整列されるように、接合ヘッド110を第1の調整位置132に移動させることによって行われてもよい。ラック133への第2の移動軸175に沿った変位は、堅固な係合を確実にする。第2の移動軸175および第3の移動軸177に沿った実質的に一定の位置における第1の移動軸170に沿った後続の移動は、ピニオン121の回転を引き起こし、主軸ねじ駆動装置(図示せず)の回転および枢動軸115の周りでの接合ヘッド110の回転をもたらす。したがって、第2の軸175の周りでの接触面185の回転(傾斜)も提供される。
【0114】
利用可能な旋回範囲は、第1の移動軸170におけるピニオン121の係合位置に依存する。ピニオンがラック133の端部に到達するために到達距離が不十分である場合、ピニオン121はリリースされ、ラック133の他の端部に移動され、再び堅固に係合され得る。
【0115】
第2の移動軸175の周りでの接触面185の回転(傾斜)は、弾性部材119による主軸ねじ駆動装置に対する接合ヘッド110の予負荷によって保持される。
【0116】
好適な弾性部材119は、例えば、ばね、ゴムベルト、ゴムバンドであってもよい。
【0117】
この例では、ラック133は、第1の移動軸170に沿って延在するが、当業者には、装置100は、第2の移動軸175に沿って延在するラック133を使用してピニオン121の回転を可能にするように構成され得ることが明らかである。
【0118】
図7は、本発明のさらなる実施形態を示す。第2の移動軸175の周りおよび第3の移動軸177の周りを回転できる接合ヘッド110が提供される。傾き調整および保持機構は
図6に示されるものと同様である。
【0119】
接合ヘッドは、2つのピニオン121で構成されている。1つは第2の移動軸175の周りを回転するように構成および配置され、もう1つは第3の移動軸177の周りを回転するように構成および配置されている。
【0120】
装置100は、2つのラック133を提供するように構成および配置され、1つは第1の調整位置132にあり、もう1つは第2の調整位置137にある。
【0121】
第1の調整位置132における堅固な係合は、ピニオン121の遠位端におけるピニオンが第1の移動軸170、第2の移動軸175、および第3の移動軸177に沿って整列されるように、接合ヘッド110を第1の調整位置132に移動させることによって達成され、ピニオン121およびラック133が一緒に近接する。ラック133への第1の移動軸170に沿った変位は、堅固な係合を確実にする。第1の移動軸170および第3の移動軸177に沿った実質的に一定の位置における第2の移動軸175に沿った後続の移動は、ピニオン121の回転を引き起こし、主軸ネジ駆動装置(図示せず)の回転および第2の移動軸175の周りでの接合ヘッド110の回転をもたらす。したがって、第2の移動軸175の周りでの接触面185(図示せず)の回転(傾斜)も提供される。
【0122】
第2の調整位置137における堅固な係合は、ピニオンが第1の移動軸170、第2の移動軸175、および第3の移動軸177に沿ってピニオン121の遠位端において整列されるように、接合ヘッド110を第2の調整位置137に移動させることによって達成され、ピニオン121およびラック133が一緒に近接する。ラック133への第1の移動軸170に沿った変位は、堅固な係合を確実にする。第1の移動軸170および第2の移動軸175に沿った実質的に一定の位置における第3の移動軸177に沿った後続の移動は、ピニオン121の回転を引き起こし、主軸ねじ駆動装置(図示せず)の回転および第3の移動軸177の周りでの接合ヘッド110の回転をもたらす。したがって、第3の移動軸177の周りでの接触面185(図示せず)の回転(傾斜)も提供される。
【0123】
第1の調整位置132内のラック133は、第2の移動軸175に沿って延在する。第2の調整位置137内のラック133は、第3の移動軸177に沿って延在する。
図6に関して上述したように、各ラック133の異なる向きが使用されてもよい。
【0124】
本発明の別の態様において、装置100は、同じ移動軸の周りでの回転(傾き)を可能にするために、移動軸に沿った運動を使用するように構成および配置されてもよい。
【表2】
【0125】
図7に示される構成において、装置100はまた、接合ヘッド110が、実質的に第1の移動軸170に沿った移動によって、第1の調整位置132と第2の調整位置137との間で移動され得るように構成される。両方の回転を調整して、部品150と基板との間の高い平面平行度を達成する必要があるため、調整位置が一緒に近接しているときに、傾斜調整の時間を短縮することができる。移動を1つの移動軸に制限することは、必要な時間をさらに短縮し得る。さらなる短縮は、1つの調整位置の
リリース方向が他の調整位置の係合方向に実質的に対応することを確実にすることによって達成することもできる。
【0126】
一般に、2つのタイプの傾斜誤差が生じ得る。装置100内の機械的および角度公差に起因する静的傾き、ならびに(特に)接合ヘッド110、ピックアップ部材180、および接触面185における機械的および角度公差に起因する静的傾きである。傾き誤差の他の原因は、熱膨張および機械パーツの摩耗などの動的因子である。従来の装置では、傾きは各160個の100~500個の基板の後にのみ確認される。本発明は、各基板の後または基板上での動作中に傾斜を確認および調整することを可能にする、比較的安価で比較的高速な調整オプションを提供する。
【0127】
加えて、接触面185の勾配のうちの1つ以上に対して測定および/または監視機構を提供することが有利である場合があり、というのも、これはいくつかの自動監視を可能にするためである。
【0128】
高度な自動化は、第1の移動軸170に沿った変位の程度を決定し、第2の移動軸175および/または第3の移動軸177の周りでの所望の回転を得るように構成および配置されたプロセッサを提供することと、接触面185の所望の傾斜に到達したときに第1の軸170に沿った変位を停止するように、プロセッサをさらに構成および配置することによって提供されてもよい。
【0129】
また、基板160の傾きを測定するように構成および配置された傾斜センサを提供し、プロセッサ(または既存のプロセッサをさらに構成する)を提供して、基板の測定された傾斜を使用して第1の軸170に沿った変位の程度を決定して、第2の移動軸175および/または第3の移動軸177の周りでの所望の回転を得ることも有益であり得る。基板160の傾斜を監視することによって、高い精度および信頼性を達成することができる。
【0130】
追加的または代替的に、動作中の接触面185上の1つ以上の力、特に基板160上の部品150の組み立ての測定は、発生し得る任意の傾斜問題に関する情報を提供してもよい。
【0131】
追加的または代替的に、部品150および/または基板160および/または接触領域185の温度を測定および/または監視することができる。測定された温度を使用して第2の移動軸175および/または第3の移動軸177の周りでの所望の回転を達成するために、第1の軸170に沿った変位の程度を決定するためのプロセッサ(または既存のプロセッサのさらなる構成)を提供することによって、動作中に発生する動的傾き誤差に対する高い程度の補償を達成することができる。
【0132】
要約すると、本発明は、基板上に部品を取り付けるための装置および方法を対象としていると言える。部品が基板に対して平行な取り付けのために提供されないので、動作中に処理が中断されることが多い。いくつかの場合において、これは、部品および基板の破断をもたらし得る。傾斜制御ソリューションは、接合ヘッド110のコスト、重量、および複雑さを増加させる。
【0133】
既存の駆動装置および/またはアクチュエータを使用して接触面185を傾けることによって、簡素化された傾き補正が可能になり、高いスループットおよび高い信頼性が提供される。傾き補正機構は、1つ以上の係合部材120と、1つ以上の調整部材130と、1つ以上の傾き位置阻止部117と、から構成される。いくつかの場合には、受動要素および機構が使用され得る。
【符号の説明】
【0134】
100……部品取り付け装置、101……接合ヘッド支持キャリア、102……接合ヘッドサポート、105……接合ヘッド装着具、106……さらなる接合ヘッド装着具、110……接合ヘッド、115……枢動軸、116……さらなる枢動軸、117……傾き位置阻止部、118……さらなる傾き位置阻止部、119……弾性部材、120……第1の係合部材(例えばピン)、121……さらなる係合部材(例えば、ピニオン)、122……第2の係合部材(例えばボール)、130……第1の調整部材(例えば溝)、131……第3の調整部材(例えばソケット)、132……第1の調整部材、133……さらなる調整部材(例えば、ラック)、137……第2の調整部材、140……ボンダヘッド及び/又はピックアップ部材の長手方向軸、150……部品、160……基板、170……第1の移動軸(例えば、z)、175……第2の移動軸(例えば、x又はy)、177……第3の移動軸(例えば、y)180……ピックアップ部材、185……接触面、190……基板基部、……200……部品を基板上に取り付けるための方法、203……第2の移動軸の周りでの接触面の回転の維持、210……接合ヘッドの提供、220……接触面を有するピックアップ要素の提供、230……第1の係合部材の提供、240……第1の調整部材の提供、250……接合ヘッドの第1の調整位置への変位、260……第1の係合部材の第1の調整部材との堅固な係合、270……第1の移動軸に沿った接合ヘッドの変位、275……接合ヘッドの第3の移動軸周りでの回転、280……第1の係合部材の係合解除、290……接合ヘッドの基板位置への移動