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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-16
(45)【発行日】2023-08-24
(54)【発明の名称】歯間クリーナー
(51)【国際特許分類】
   A46B 9/02 20060101AFI20230817BHJP
   A46B 3/04 20060101ALI20230817BHJP
   A61C 15/02 20060101ALI20230817BHJP
【FI】
A46B9/02
A46B3/04
A61C15/02 502
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021525780
(86)(22)【出願日】2019-09-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(86)【国際出願番号】 EP2019000278
(87)【国際公開番号】W WO2020098966
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2022-09-21
(31)【優先権主張番号】102018008963.1
(32)【優先日】2018-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518375339
【氏名又は名称】サンスター スイス エス.アー.
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】弁理士法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】ブッツ,ユルゲン
【審査官】宮部 愛子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-89449(JP,A)
【文献】特表2016-521159(JP,A)
【文献】特表2005-526555(JP,A)
【文献】国際公開第2006/082799(WO,A1)
【文献】特表2017-506963(JP,A)
【文献】国際公開第2009/150964(WO,A1)
【文献】実開昭63-131638(JP,U)
【文献】特表2015-524320(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A46B 9/02-9/04
A61C 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック製の棒状の支持体(11)を備えた歯間クリーナー(10)であって、この支持体(11)はその後端領域に握り部(12)を有し、その反対側の前端領域に軟質弾性プラスチック製の被覆部(13)を支持しており、該被覆部(13)の外側に、この被覆部(13)と一体的に結合され半径方向に突き出た少なくとも一つの指状突起(14)が配置されている歯間クリーナーにおいて、該被覆部(13)の外側表面に凹部(15)が形成されていること、及び、前記指状突起(14)は半径方向内側の脚部(14a)で前記凹部(15)内に配置されていて、この凹部(15)の底部(17)で前記被覆部(13)と結合されていること、を特徴とする歯間クリーナー。
【請求項2】
前記指状突起(14)が、前記脚部(14a)で連続的にかつ角なしに前記被覆部(13)に移行することを特徴とする、請求項1に記載の歯間クリーナー。
【請求項3】
前記指状突起(14)の前記脚部(14a)が、完全に周回している環状溝(19)によって囲まれていることを特徴とする、請求項1または2に記載の歯間クリーナー。
【請求項4】
前記指状突起(14)の前記脚部(14a)が、それぞれが該指状突起(14)の周囲の1部分にわたって延びている複数の環状溝セグメント(20)によって囲まれていることを特徴とする、請求項1または2に記載の歯間クリーナー。
【請求項5】
前記凹部(15)内部に少なくとも1つのウェブ(16)が配置されており、前記ウェブ(16)が前記指状突起(14)の前記脚部(14a)を前記凹部(15)の側壁部(15a)と結合することを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の歯間クリーナー。
【請求項6】
前記ウェブ(16)が前記歯間クリーナー(10)の長手軸(L)に対して角度αで延びており、このαは30°~90°の範囲内にあることを特徴とする、請求項5に記載の歯間クリーナー。
【請求項7】
少なくとも2つのウェブ(16)が前記指状突起(14)の対向する側部に配置されていることを特徴とする、請求項5又は6に記載の歯間クリーナー。
【請求項8】
3個又は4個のウェブ(16)が前記指状突起(14)の周囲に分散して配置されていることを特徴とする、請求項7に記載の歯間クリーナー。
【請求項9】
前記指状突起(14)が、前記指状突起(14)の長さ(l)を前記脚部(14a)の直径(d)で割った比率(l/d)として定義される細長さを、有し、
前記細長さは、2から10の範囲内にあり、
前記直径(d)は、前記被覆部(13)の外側表面が存在する面で測定され、
前記長さ(l)は、前記面と前記指状突起(14)の半径方向外側の自由端の間の間隔である、
ことを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の歯間クリーナー。
【請求項10】
前記指状突起(14)の前記細長さが4.0から6.0の範囲内にあることを特徴とする、請求項9に記載の歯間クリーナー。
【請求項11】
前記凹部(15)の深さ(t)が0.02mmから0.20mmの範囲内にあることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載の歯間クリーナー。
【請求項12】
前記凹部(15)の前記深さ(t)が0.04mmから0.08mmの範囲内にあることを特徴とする、請求項11に記載の歯間クリーナー。
【請求項13】
前記凹部(14)が円形であり、0.20mmから0.60mmの範囲内にある直径を有することを特徴とする、請求項1から12のいずれか1項に記載の歯間クリーナー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプラスチック製の棒状の支持体を備えた歯間クリーナーに関し、この支持体はその後端領域に握り部を有し、その反対側の前端領域で軟質弾性プラスチック製の被覆部を支持しており、この被覆部の外側に、この被覆部と一体的に結合され半径方向に突き出た指状突起が少なくとも一つ配置されている。
【0002】
歯の隙間を清掃するために、通常は木製もしくはプラスチック製の爪楊枝が使用され、または、歯間ブラシも使用される。歯間ブラシのこれまでの構造は、平行に配置された2本の金属ワイヤから成っており、それらの間に前もって作られた多数のプラスチック毛が配置されている。これらの金属ワイヤはそれらの長手方向の軸の回りに撚り合わされており、それによって、複数の毛が金属ワイヤの間に挟み込まれ、金属ワイヤの周囲に渡って分布されている。適切な歯間ブラシにより、細い毛を使用して歯間の狭い隙間にも届くことが可能になり、この場合、これらの毛は高い柔軟性と非常に優れた再起能力とを併せ持っている。これらのいわゆるワイヤタイプ歯間ブラシの欠点は、一方では、複雑で高コストの製造であり、他方では、多くのユーザが口に入れたがらない金属ワイヤを使用していることである。
【0003】
上述の歯間ブラシを改良するために、プラスチック製の棒状の支持体を有するプラスチック製の歯間クリーナーが開発された。この棒状の支持体は、その後方端部に、一般的には平板状の、握り部を有している。この支持体の前方端部には軟質弾性プラスチック、例えば熱可塑性エラストマーまたはシリコーン、からなる被覆部が吹き付け塗布されている。清掃効果を向上させるために、この被覆部はその外側に半径方向に突き出た複数の指状突起を有し、これらの指状突起は被覆部と同じ材料から構成され、被覆部と一体的に形成されている。これらの指状突起は歯間クリーナーの使用時に上述の歯間ブラシの毛の機能を引き継がねばならない。これに対応する歯間ブラシは、例えば、特許文献1、特許文献2および特許文献3から公知である。
【0004】
歯間の狭い隙間にも届くためには、指状突起の断面寸法はできるだけ小さくなければならない。しかし、このことは、歯間クリーナー使用時に裂けたり折れたりしないように、指状突起が十分な柔軟性および安定性を有していなければならないという要求と対抗するものである。破損や折れを防止するために、指状突起をより大きな直径またはより大きな結合半径(指状突起の脚部の丸みを帯びた部分の半径)で形成すると、非常に狭い隙間または歯間空間に届いて清掃することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】独国特許出願公開第102012015664A1号明細書
【文献】米国特許出願公開第2018/0193119A1号明細書
【文献】国際公開第2014/167592A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、上記のタイプの歯間クリーナーであって、指状突起が破損したり折れたりする危険なしに小さい寸法を有することができる歯間クリーナーを得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明により、この課題は請求項1の特徴を有する歯間クリーナーによって解決される。この場合、被覆部の外側表面に凹部が形成されていること、および、指状突起はその半径方向内側の脚部でこの凹部内に配置されて凹部の底部にて被覆部と結合されていること、が企図されている。
【0008】
本発明の基本的な考えは、指状突起を単純に被覆部の外側表面に成形するのではなく、被覆部と指状突起との結合部を被覆部の外側表面から若干半径方向内側に、すなわち、歯間クリーナーの支持体の方向にずらすことにある。これにより、歯間クリーナー使用時に指状突起にかかる外部負荷が常に指状突起の脚部から離れたところで作用するので、その結果、指状突起は、破損したり折れたりせずに、この負荷を回避することができる。
【0009】
本明細書において「軸方向」という用語は、棒状の支持体の長手軸に沿った方向、すなわち、歯間クリーナーの長手軸に沿った方向、または、それに平行な方向を示す。用語「半径方向」は、歯間クリーナーの長手軸に垂直に延伸する方向を示す。
【0010】
好適には、外側表面に半径方向に突き出た多数の指状突起が設けられており、その幾つか、好ましくは、全ては、それらの半径方向内側の脚部を備えて凹部内に上記の方法で一体的に形成されている。この場合、各指状突起に対して1つの固有の凹部が設けられていると好適である。以下では、例として、1本の指状突起だけについて説明する。
【0011】
被覆部におけるこの凹部は、その領域の被覆部の肉厚を減少させる。これにより、注入プロセス中に被覆部および指状突起のプラスチック材料が、指状突起を形成する部分金型内により速い流動速度で流れ込むことが可能になり、それは次に、それぞれの指状突起内部のプラスチック材料のマクロ分子のより強い縦方向配向をもたらす。プラスチック材料のマクロ分子のこの縦方向配向はこの指状突起の再起特性を向上させる。
【0012】
本発明の好ましい実施形態では、指状突起がその脚部領域で連続的にかつ角なしに被覆部へと移行することが企図されている。これは、例えば、指状突起の下端部すなわち脚部と、凹部の底部との間の移行部が、丸みを帯びた連続的な移行領域を介して結合されていることにより、達成することができる。このようにして、切欠き応力(応力集中部の最大応力)に至り得るエッジ、コーナーまたは他の不連続点が確実に回避されている。この丸みを帯びた移行部が完全に凹部内部にあると好適である。この方法では、被覆部の半径方向の厚さは移行部によって大きくはならない。
【0013】
支持体が、形状安定性プラスチック、特にポリプロピレン又はポリアミド、で構成されていると、及び/又は、これらの材料を主にもしくは混合物の形で含んでいると、有利であることが証明されている。代案として、支持体は、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレンから構成されてもまたはポリカーボネートもしくはポリスチレンのような耐衝撃性を有するように改質されたプラスチックから構成されてもよく、あるいは、前述の材料を主にもしくは混合物の形で含むこともできる。支持体のプラスチック材料はファイバーで強化されていてもよく、この目的のために、例えば、ガラスファイバー、及び/又は、天然素材ファイバー、及び/又は、カーボンファイバーを使用することができる。
【0014】
被覆部および指状突起は、完全に又は少なくとも主に、例えばショア硬度が20~80ショア、特にショア硬度が20~40ショアの熱可塑性エラストマーから構成されても、熱可塑性ポリウレタンから構成されても、もしくは、シリコーンから構成されてもよく、または、前述の材料を主にもしくは混合物の形で含んでいてもよい。必要に応じて、更なるプラスチック、特にポリプロピレン及び/又はポリエチレンが、部分的に使用されていてもよいし、又は、部分的に添加されていてもよい。
【0015】
本発明の可能な一実施形態においては、指状突起の脚部が、完全に周回している環状溝によって取り囲まれていることが企図され得る。したがって、指状突起の脚部は凹部の底部においてのみ被覆部と結合されているが、この指状突起の脚部は円周方向には自由である。このことは、せん断力および/または曲げモーメントの作用時に、指状突起が凹部内で曲がることができるという利点を有し、このことは、狭い歯間空間に歯間クリーナーを挿入する場合に特に役立つ。したがって、指状突起の脚部の結合領域ないし結合半径は、使用中の指状突起の機能性を妨げない。
【0016】
本発明の代替の実施形態では、指状突起の脚部が、それぞれが指状突起の周囲の1部分に渡って延びている複数の環状溝セグメントによって取り囲まれていることが企図され得る。したがって、この指状突起は凹部の底部上で完全には自由でなく、付加的に凹部の側壁部と結合されている。特に、これは、凹部内部に配置された少なくとも1つのウェブであって、指状突起の脚部を凹部の側壁部と結合するウェブが設けられていることにより、達成される。このウェブは被覆部および指状突起と同じ材料から構成され、これらと一体的に結合されている。
【0017】
この歯間クリーナーの使用時には、使用者はそれを握り部でつかみ、それを歯間クリーナーの長手方向で歯間に挿入する。したがって、好ましくは、歯間クリーナーの軸方向への或いは長手軸の方向への指状突起の曲がりが妨げられないようにすべきである。これに応じて、ウェブがその長さ方向の延伸部で歯間クリーナーの長手軸から大きくずれることが企図され得る。特に、ウェブが歯間クリーナーの長手軸に対して角度αで延び、このαが30°~90°の範囲内にあることが、企図されている。
【0018】
凹部内での又は被覆部での指状突起の支持特性は、1つまたは複数のウェブの数、および/または、方向、および/または、寸法により、変化させることができる。本発明の可能な一実施形態では、少なくとも2つのウェブが指状突起の対向する側部に配置されていることが、企図され得る。しかしながら、3つまたは4つのウェブが指状突起の周囲に渡って分布して配置されることも可能である。
【0019】
指状突起は、好ましくは、その自由端に向けて先細りの円錐形状を有する。凹部内部での指状突起の脚部の配置に基づき、指状突起は比較的細長く成形されていてもよい。この細長さは、自由に突き出た指状突起の長さを脚部の直径で割ったものとして、定義する。脚部の直径は指状突起の断面平面において測定され、この断面平面は被覆部の外側表面によって定義される面に存在する。指状突起の長さは、前述の断面平面から指状突起の自由端までで測定される。好ましくは、これに対応する指状突起の細長さは、2から10の範囲、特に4.0から6.0の範囲にある。
【0020】
凹部の深さ、すなわち、凹部の底部と該凹部を取り囲む被膜部の外側表面との間の距離は0.02mmから0.20mmの範囲、特に0.04mmから0.08mmの範囲にある。
【0021】
上述の断面平面における指状突起の直径は、0.10mmから0.30mmの範囲、特に0.15mmから0.25mmの範囲にある。
【0022】
上述の指状突起の長さは、例えば、0.5mmから2.0mmの範囲にあり、好ましくは0.8mmから1.2mmである。
【0023】
本発明の好ましい実施形態では、凹部は円形であり、その直径は0.20mmから0.60mmの範囲、特に0.35mmから0.45mmの範囲にある。
【0024】
本発明のさらなる詳細および特徴は、図面を参照しながら、複数の実施例の以下の説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明による歯間クリーナーの斜視図を示す。
図2】指状突起の領域における歯間クリーナーの拡大断面図を示す。
図3図2による指状突起のIIIから見た平面図を示す。
図4図3による構成の第1の変形例を示す。
図5図3による構成の第2の変形例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は本発明による歯間クリーナー10の斜視図を示しており、これは棒状の支持体11を有している。この支持体11は軸方向の長手軸線Lを有し、好適には硬質なまたは形状安定性のプラスチック材料から構成されている。
【0027】
図1の右側の端部領域において支持体11は平板状の握り部12を有し、この握り部12は支持体11と一体的に結合されている。使用者は握り部12で歯間クリーナー10をつかむことができる。
【0028】
これと反対側の、図1の左側の端部領域において、支持体11上に軟質プラスチック材料、特に熱可塑性エラストマー、からなるスリーブ状の被覆部13が配置されており、この被覆部13は、その外側表面に、半径方向で外側に向けて突き出ており、一体的に形成された複数の指状突起14を支持している。各指状突起14は、被覆部13の外側表面に形成された固有の凹部15内に配置されている。
【0029】
図2及び図3からは、指状突起14がそれぞれ被覆部13にどのように成形されているかが分かる。
【0030】
図3が示すように、凹部15はほぼ円形であり、周回しており好ましくは円錐状に成形された側壁部15a、および、底部17を有する。指状突起14は、半径方向外側の自由端に向かって円錐状に先細になっており、脚部14aにおいて凹部15の底部17で被覆部13と一体的に、すなわち、モノリシックに結合されている。指状突起14は凹部15内部で片持ち状に立っている。すなわち、指状突起14の脚部14aは、完全に周回している環状溝18によって取り囲まれている。
【0031】
指状突起14の細長さは、その自由に突き出た長さlと脚部直径dの商として定義される。図2から分かるように、対応する脚部直径dは、被覆部13の外側表面が存在する面内で測定される。指状突起14の長さlは、前述の面と指状突起14の半径方向外側の自由端との間の距離で与えられる。図示の実施形態では、指状突起は、約5の細長さを有している、すなわち、その長さlはその脚部の直径dよりも5倍大きい。
【0032】
指状突起14の脚部14aは、連続的に、且つ、角なしに凹部15の底部17ないし被覆部13へ移行し、指状突起の下端部には丸みを帯びた部分20が形成されている。
【0033】
図3が示すように、図示の実施形態では、指状突起14は凹部15の底部17に、中央に片持ち状に座しており、その結果、指状突起14の脚部は、完全に周回している連続した環状溝18によって取り囲まれており、この環状溝18は凹部15の残りの部分によって形成される。
【0034】
図4は前述の実施例の代替的な実施形態を示しており、前述の実施例と異なるのは、指状突起14の脚部14aが凹部15内部に配置された2つのウェブ16を介して凹部15の側壁部15aに結合されている点である。指状突起14及び被覆部13と同じ材料から構成され、それらに一体的に結合されているウェブ16は、指状突起14の脚部14aにおける指状突起14の剛性を高める、その結果、変形特性に影響を与えること及び調節することができる。
【0035】
図4に示す実施例では、2つのウェブ16が指状突起14の対向する側部に配置されており、これらの2つのウェブ16は互いに一列に並んで軸Sに沿って延びており、この軸Sはこの実施例では歯間クリーナーの長手軸Lに対して90°の角度αで延びている。したがって、これらのウェブ16は、歯間クリーナー10の長手軸Lの方向における指状突起14の変形特性に影響を与える。すなわち、歯間クリーナー10が適切に使用されている場合には影響を与えないか、非常に小さい程度にしか影響を与えないが、一方、これに垂直な、すなわち、軸Sの方向における変形特性はこれらのウェブ16に大きく影響される。
【0036】
図5図4による実施形態のさらなる発展を示しており、図4と異なるのは、ここでは指状突起14の円周上に均等に分散して配置された4つのウェブ16が設けられている点である。それぞれ2つのウェブ16が互いに対向して配置されており、共通の軸SまたはS上に存在する。2つの軸SおよびSは、互いに直交しており、歯間クリーナー10の長手軸Lに対して45°の角度αで延びている。

図1
図2
図3
図4
図5