(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-16
(45)【発行日】2023-08-24
(54)【発明の名称】サイドエアバッグアセンブリ及び組み立て方法
(51)【国際特許分類】
B60R 21/207 20060101AFI20230817BHJP
B60R 21/201 20110101ALI20230817BHJP
B60N 2/42 20060101ALI20230817BHJP
【FI】
B60R21/207
B60R21/201
B60N2/42
(21)【出願番号】P 2022062387
(22)【出願日】2022-04-04
【審査請求日】2022-04-04
(32)【優先日】2021-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598122843
【氏名又は名称】オートリブ エー・エス・ピー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100098143
【氏名又は名称】飯塚 雄二
(72)【発明者】
【氏名】モリタ・ナオキ
【審査官】田邉 学
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第210212319(CN,U)
【文献】国際公開第2018/154979(WO,A1)
【文献】特開2017-087991(JP,A)
【文献】特開2014-227004(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/207
B60R 21/201
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアバッグアセンブリであって、
パッケージ化された膨張可能なエアバッグクッションと、
膨張ガスを供給して前記
エアバッグクッションを膨張させるために前記
エアバッグクッションと流体連通
し、前記エアバッグアセンブリを座席の側面に装着するための取り付けスタッドを備えるインフレータと、
前記インフレータ及び
前記エアバッグクッションの周りを包むように構成されたラッパーと、
前記ラッパーに結合されたキャップと
、を備え、
前記キャップは、
前記エアバッグクッションの第1の端部における硬さを増加させるために、前記第1の端部を封入するように構成されている、エアバッグアセンブリ。
【請求項2】
前記ラッパーは、
前記エアバッグクッションの周りを包むために、
第1の側方端部と、第2の側方端部とを含む実質的に長方形の形状を有し、
前記第1の側方端部は、前記第1の側方端部を前記取り付けスタッドにおいて固定するための第1の開口を含み、
前記第2の側方端部は、前記第2の
側方端部を前記取り付けスタッドにおいて固定するための第2の開口を含む、請求項1に記載のエアバッグアセンブリ。
【請求項3】
前記インフレータは、複数の取り付けスタッドを備え、前記複数の取り付けスタッドは離間し、
前記ラッパーは、実質的に長方形の形状を有し、前記ラッパーは、第1の側方端部と、第2の側方端部とを備え、前記第1の側方端部及び前記第2の側方端部のそれぞれは、離間する複数の開口のうちの1つ以上の開口を含み、前記1つ以上の開口のうちのそれぞれの開口は、前記インフレータの前記複数の取り付けスタッドのうちの1つを受容するように構成されている、請求項1に記載のエアバッグアセンブリ。
【請求項4】
前記エアバッグクッションは、車両の座席に取り付けられるサイドエアバッグクッションであり、
前記キャップは、前記座席のための発泡体パッドが前記座席のフレーム上の適所内に摺動したときに前記エアバッグアセンブリの上部が伸し掛かることを防止するために、所定の量の硬さを有する、請求項1に記載のエアバッグアセンブリ。
【請求項5】
前記エアバッグクッションは、車両の座席に取り付けられるサイドエアバッグクッションであり、
前記キャップは、前記キャップ上にかかる力に対抗するためにある程度の硬さを提供するように形成されており、これによって、前記キャップは、前記座席のための発泡体パッドが前記座席のフレーム上の適所内に摺動したときに前記エアバッグアセンブリの上部が伸し掛かることを防止する、請求項1に記載のエアバッグアセンブリ。
【請求項6】
前記キャップは、単一の材料シートを含み、前記単一の材料シートは、前記単一の材料シート自体上に折り目に沿って折り返されて、第1のパネル及び第2のパネルを形成し、前記キャップの前記第1のパネルは、前記ラッパーの中央部分において結合されており、前記キャップの前記第2のパネルは、前記インフレータの前記取り付けスタッドに結合されている、請求項1に記載のエアバッグアセンブリ。
【請求項7】
前記第2のパネルは、前記インフレータの前記取り付けスタッドを受容するように構成された開口を備える、請求項6に記載のエアバッグアセンブリ。
【請求項8】
前記キャップは、前記キャップの第1の側方縁部から前記キャップの第2の側方縁部まで実質的に延びる水平ステッチシームを備える、請求項6に記載のエアバッグアセンブリ。
【請求項9】
前記水平ステッチシームは、前記折り目から所定の距離に配置されている、請求項8に記載のエアバッグアセンブリ。
【請求項10】
前記キャップは、前記キャップの第1の側方縁部及び前記キャップの第2の側方縁部に沿って延びる一対の側方ステッチシームを備え、前記一対の側方ステッチシームは、前記キャップの前記第1のパネルを前記キャップの前記第2のパネルに結合する、請求項6に記載のエアバッグアセンブリ。
【請求項11】
前記第2のパネルは、前記第1のパネルよりも大きい長さを有する、請求項6に記載のエアバッグアセンブリ。
【請求項12】
前記キャップの前記第1のパネルは、曲率半径を有し、前記曲率半径は、前記座席のための発泡体が前記座席のフレーム上の適所内に摺動したときに、前記エアバッグアセンブリの上部を屈曲させることなく、前記発泡体を案内するように構成されている、請求項6に記載のエアバッグアセンブリ。
【請求項13】
前記ラッパー及び前記キャップは、可撓性材料から製作されている、請求項1に記載のエアバッグアセンブリ。
【請求項14】
前記インフレータは、2つの取り付けスタッドを備え、前記2つの取り付けスタッドは、垂直に離間する、請求項1に記載のエアバッグアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、自動車保護システムの分野に関する。より具体的には、本開示は、衝突事象に応答して展開するように構成されたサイドエアバッグシステムに関する。
【図面の簡単な説明】
【0002】
本実施形態は、添付の図面と併せて、以下の説明及び添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになる。添付の図面は、典型的な実施形態のみを示し、したがって、本開示の範囲を限定すると考えられるべきでないことを考慮して、実施形態について、添付の図面を参照して、具体的かつ詳細に記載及び説明する。
【0003】
【
図1】パッケージ化された未展開状態にある、本開示の一実施形態によるサイドエアバッグアセンブリを有する車両の内部の側面図である。
【0004】
【
図2】車両衝撃事象中の展開状態にある
図1のエアバッグアセンブリの側面図である。
【0005】
【
図3】本開示の一実施形態によるサイドエアバッグアセンブリのインフレータの斜視図である。
【0006】
【
図4】本開示の一実施形態による、組み立てられていない構成にあるエアバッグアセンブリの背面図である。
【0007】
【
図5】組み立てられていない構成にある
図4のエアバッグアセンブリの正面図である。
【0008】
【
図6】キャップが本開示の一実施形態によるエアバックアセンブリの端部を依然として封入していない、巻かれた又はパッケージ化された構成にあるエアバッグアセンブリの斜視図である。
【0009】
【
図7】キャップがエアバックアセンブリの端部を封入する、
図6のエアバッグアセンブリの斜視図である。
【0010】
【
図8】
図7のパッケージ化された構成にあるエアバッグアセンブリを示す詳細な背面図である。
【0011】
【
図9】
図7のエアバッグアセンブリを示す詳細な側面図である。
【0012】
【
図10】本開示の一実施形態による、車両の座席のフレームに結合されたエアバッグアセンブリの斜視図である。
【0013】
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書に概して記載されており図に示されている実施形態の構成要素は、多種多様な異なる構成において配置及び設計され得ることが容易に理解されよう。よって、図に示されている様々な実施形態の以下のより詳細な説明は、特許請求されている本開示の範囲を限定することは意図されておらず、単に様々な実施形態を示す。実施形態の様々な態様が図面に示されているが、図面は、特段に示されていない限り、必ずしも縮尺どおりに示されていない。
【0015】
膨張可能なエアバッグアセンブリは、衝突事象中に乗員の損傷を低減する又は最小にするために広く使用されている。エアバッグモジュールは、車両内の様々な場所において設置されており、これらの場所は、ステアリングホイールにおいて、ダッシュボード及び/若しくは計器盤において、サイドドア又はサイドシート内、車両のルーフレールに隣接して、頭上位置において、又は膝若しくは脚位置においてを含むが、これらに限定されない。開示のエアバッグアセンブリ及びエアバッグ実施形態は、例えば、ダッシュボード内に典型的に収容された助手席エアバッグ、ステアリングホイール内に収容された運転席エアバッグ、ニーエアバッグ、及びサイドエアバッグなどの他のエアバッグの代わりに、又はこれらと組み合わせて使用され得る。更に、開示のエアバッグアセンブリは、自律車両において(例えば、ステアリングホイールを有さないことがある、及び/若しくは計器盤などの反応面が限られている又はないことがある車両において)使用され得る。
【0016】
本明細書で使用される場合、「ダッシュボード」及び「計器盤」という用語は、自動車乗員に面する車両の突出領域を指し、突出領域は、しばしば、乗客に面する突出領域の一部分においてグローブボックスを含み、突出領域のより中央領域において計器(例えば、ラジオ及び/又はクライメートコントロール)を含み得るが、このような計器が存在する必要はない。
【0017】
「反対」という用語は、別の関係する特徴又は構成要素に対応する位置における特定の特徴又は構成要素の配置を指すために本明細書で使用される関係用語であり、対応する特徴又は構成要素は、互いに位置的に並置されている。例として、人の右手は、人の左手の反対である。インボード構成要素は、アウトボード構成要素の反対に位置し得る。
【0018】
本明細書全体において、「に結合された」及び「と連通する」という語句は、機械的な、電気的な、磁気的な、電磁的な、流体的な、及び熱的な相互作用を含む、2つ以上のエンティティ間の相互作用のいずれかの形態を指す。2つの構成要素は、2つの構成要素が互いに直接接触していなくても、互いに結合され得る。
【0019】
本明細書で使用される場合、「インボード」とは、車両の中心線に向かう方向を指し、「アウトボード」とは、車両の中心線から離れる、車両から外への方向を指す。
【0020】
本開示で使用される「ライドダウン(ride down)」という語句は、膨張可能なエアバッグシステムに関係する語句の通常の意味を有する。すなわち、「ライドダウン」は、典型的には、乗員が、ある期間、膨張可能なエアバッグクッションに接触していることに関わり、当該ある期間中に、膨張可能なエアバッグクッションは、車両のある構造(複数可)/構成要素(複数可)との衝突(複数可)から、乗員をサポートすることができ、通常、ある程度保護することができ、当該ある期間中に、膨張可能なエアバッグクッションは、部分的に収縮して減速力を改善することができる。
【0021】
「流体連通」という語句は、この語句の通常の意味で使用され、要素が互いに流体連通するとき、流体(例えば、ガス又は液体)が1つの要素から別の要素に流れることができる配置を示すのに十分に広義である。
【0022】
「長手方向の」及び「長手方向に」という用語は、車両の前部と車両の後部との間に延びる又は広がる方向又は向きを指す。
【0023】
設置中に、開示のエアバッグは、典型的には、パッケージ化された状態(例えば、巻かれている、折り畳まれている、及び/又はそうでなければ、圧縮されている)、又はコンパクトな構成にあり、パッケージ化された状態にラッパーによって保持され得る。衝突事象中に、インフレータはトリガされ、これは、エアバッグを膨張ガスで急速に充填する。エアバッグは、パッケージ化された状態(例えば、コンパクトな構成)から、展開状態又は拡張構成へ急速に移行することができる。例えば、拡張するエアバッグは、ラッパーを引き裂き開くことができる。インフレータは、任意の好適なデバイス又はシステムによってトリガされ得、トリガは、1つ以上の車両センサへの応答であり得る、及び/又は1つ以上の車両センサによって影響され得る。
【0024】
図1は、パッケージ化された未展開状態にあるサイドエアバッグアセンブリ100を有する車両10の内部の側面図である。ダッシュボード(又は計器盤)11、フロントガラス12、ルーフ14、及びドア20が、参照のために図示されている。車両着座位置30がまた、図示されている。乗員50は、着座及び直立姿勢で車両着座位置30において図示されている。
図1では、図示の車両着座位置30は、前部運転手場所であるが、本明細書の開示の実施形態は、助手席などの車両10内の他の車両着座位置30に好適であり得る。車両着座位置30は、乗員座席32、シートバック34、及び拘束ハーネス40を含むことができる。サイドエアバッグアセンブリ100は、シートバック34のアウトボード部分(
図1の視認面の近位)において装着されている。
【0025】
サイドエアバッグアセンブリ100は、サイドエアバッグアセンブリ100が実質的にシートバック34内に及び車両着座位置30の側方の位置においてあり得るように、シートバック34において結合し得る。シートバック34は、サイドエアバッグアセンブリ100の展開の際に破裂し開く破裂シームを備えてもよく、サイドエアバッグアセンブリ100は、破裂シームを通って展開する。いくつかの実施形態では、膨張可能なサイドエアバッグクッション120は、圧縮状態で、例えば折り畳まれてもよく、巻かれてもよい。
【0026】
図2は、サイドエアバッグアセンブリ100を有する車両10の内部の側面図であり、膨張可能なサイドエアバッグクッション120は、展開状態にあり、少なくとも部分的に膨張しており、乗員50は、直立姿勢で車両着座位置30において着座している。サイドエアバッグアセンブリ100は、インフレータ110と、膨張可能なサイドエアバッグクッション120と、ラッパー(図示せず、例えば、
図4の130を参照されたい)と、キャップ(図示せず、例えば、
図4の140を参照されたい)とを含み得る。いくつかの実施形態では、サイドエアバッグアセンブリ100は、シートバック34のインボード部分において結合し得る。
【0027】
衝突事象中に、インフレータ110は、トリガ又は起動され得、これは、膨張可能なサイドエアバッグクッション120を急速に充填して、膨張可能なサイドエアバッグクッション120を少なくとも部分的に膨張させる。膨張可能なサイドエアバッグクッション120は、シートバック34から破裂シームを通って乗員50のほぼ側方の位置に展開し得る。いくつかの実施形態では、膨張可能なサイドエアバッグクッション120は、乗員50のアウトボード側に展開する。
図2に示す実施形態では、膨張可能なサイドエアバッグクッション120は、単一のチャンバを備える。しかしながら、本開示は、このように限定されない。膨張可能なサイドエアバッグクッション120は、複数のチャンバを備え得る。
【0028】
膨張可能なサイドエアバッグクッション120が展開された状態では、膨張可能なサイドエアバッグクッション120は、乗員50が車両着座位置30から移動したときに乗員50の胴体56の少なくとも一部分を受容するように構成され得る。
図2の実施形態では、乗員50の肩部54は、膨張可能なサイドエアバッグクッション120の高さよりも上であり得る。
図2に示す構成のような構成は、膨張可能なカーテンを有する車両10における使用に特に好適であり得、これにより、膨張可能サイドエアバッグクッション120及び膨張可能なカーテンは、互いに干渉せず、むしろ互いに増強する。膨張可能なサイドエアバッグクッション120は、前面衝突、斜め衝突、及び/又は側面衝突に好適であり得る。
【0029】
図3は、本開示の一実施形態によるインフレータ110の斜視図を示す。インフレータ110は、膨張可能なサイドエアバッグクッション120を膨張させるための適切なエアバッグインフレータであり得る。インフレータ110は、ガスボンベ、薬品容器、又は膨張ガスの生成のための他の方法、並びに膨張ガスを膨張可能なサイドエアバッグクッション120に送達又は供給するための任意の導管(複数可)又は管路(配管)、並びに膨張ガスの生成及び送達に関する他の構成要素を含むことができる。換言すれば、インフレータ110は、膨張可能なサイドエアバッグクッション120と流体連通する。いくつかの実施形態では、インフレータ110は、膨張可能なサイドエアバッグクッション120内に配置されている。いくつかの実施形態では、インフレータは、膨張可能なサイドエアバッグクッション120内に部分的に配置されている。
【0030】
インフレータ110は、装着点を備え得る。装着点は、インフレータ110をシートバック34のフレームに取り付けるための取り付けスタッドを備え得る。
図3に示す実施形態では、インフレータ110は、第1の取り付けスタッド112及び第2の取り付けスタッド114を備え、第1の取り付けスタッド112及び第2の取り付けスタッド114は離間する。しかしながら、本開示は、このように限定されず、インフレータ110は、3つ以上又は2つ未満の取り付けスタッドを備え得る。取り付けスタッド112及び取り付けスタッド114は、サイドエアバッグアセンブリ100を車両着座位置30のシートバック34のフレームに取り付けるために使用される。
【0031】
図4は、パッケージ化されていない構成にある、膨張可能なサイドエアバッグクッション120、ラッパー130、及びキャップ140の正面図を示す。
図5は、パッケージ化されていない構成にある、
図4の膨張可能なサイドエアバッグクッション120、ラッパー130、及びキャップ140の背面図を示す。
【0032】
膨張可能なサイドエアバッグクッション120は、実質的に楕円形の形状を有し得る。しかしながら、本開示は、このように限定されず、膨張可能なサイドエアバッグクッション120は、円形、三角形、多角形、及び/又は他の形状であり得る。膨張可能なサイドエアバッグクッション120は、第1の側方端部121、第2の側方端部122、上端部123、及び下端部124を備え得る。側方端部121及び側方端部122のうちの一方は、複数の開口125を備え得る。複数の開口125は、(例えば、車両座席において設置されたときに垂直に離間するように)離間してもよく、インフレータ110の複数の取り付けスタッド112及び114を受容するように構成されている。膨張可能なサイドエアバッグクッション120における開口125の数は、インフレータ110上の取り付けスタッド112及び取り付けスタッド114の数に対応し得る。開口125は、インフレータ110の取り付けスタッド112及び取り付けスタッド114が離間するのと同様の距離で離間する。図示の実施形態では、複数の開口125は、膨張可能なサイドエアバッグクッション120の第2の側方端部122上に配置されている。代替として、複数の開口125は、膨張可能なサイドエアバッグクッション120の第1の側方端部121上に配置され得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、インフレータ110は、膨張可能なサイドエアバッグクッション120内に配置されている。いくつかの実施形態では、インフレータ110は、膨張可能なサイドエアバッグクッション120の外側に配置されている。いくつかの実施形態では、インフレータ110は、膨張可能なサイドエアバッグクッション120内に及び膨張可能なサイドエアバッグクッション120の外側に部分的に配置されている。
【0034】
膨張可能なサイドエアバッグクッション120は、好適な材料の1つ以上のパネル126から形成され得、このような材料を切断する、折り畳む、屈曲させる、回転させる、又はそうでなければ成形することによって、及び適切な場所におけるシーム128の適用によって形成され得る。シーム128は、縫合、接着剤、テーピング、高周波(Radio Frequency、RF)溶接、又は任意の他の好適な手段によって形成され得る。シーム128は、必要に応じて、ガス不透過性、半透過性、又は透過性であり得る。膨張可能なサイドエアバッグクッション120は、インフレータ110(図示せず)から膨張ガスを受容して、膨張可能なサイドエアバッグクッション120をパッケージ化された状態から展開状態に拡張させるように構成され得る。膨張可能なサイドエアバッグクッション120は、膨張可能なサイドエアバッグクッション120のライドダウン中にガスを排気するための複数の通気穴129を更に備え得る。
【0035】
膨張可能なサイドエアバッグクッション120は、パッケージ化された状態に潰れるように構成されている。上記のように、膨張可能なサイドエアバッグクッション120は、例えば、折り畳まれてもよく、巻かれてもよい。一実施形態では、膨張可能なサイドエアバッグクッション120は、巻かれた構成を形成するために、第1の側方端部121から第2の側方端部122に向かって側方に巻かれてもよい。
【0036】
ラッパー130は、巻かれた構成にある膨張可能なサイドエアバッグクッション120及びインフレータ110の周りを包むように構成されている。ラッパー130は、第1の側方端部131、第2の側方端部132、上端部133、及び底端部134を有する実質的に長方形の形状を含む。第1の側方端部131及び第2の側方端部132は両方、複数の開口135及び複数の開口136を備え得、複数の開口135及び複数の開口136は、垂直に離間する。第1の側方端部131上の開口135の数及び第2の側方端部132上の開口136の数は、インフレータ110上の取り付けスタッド112及び取り付けスタッド114の数に対応する。開口135及び開口136は、インフレータ110の取り付けスタッド112及び取り付けスタッド114を受容するように構成されている。開口135及び開口136は、インフレータ110の取り付けスタッド112及び取り付けスタッド114と同様の距離で垂直に離間する。
【0037】
いくつかの実施形態では、開口135及び開口136は、追加の材料及びステッチによって補強され得る。
図5に示すように、補強材料137は、複数の開口136と整列されており、ラッパー130にステッチ139を介して固定されている。補強材料137及びステッチ139は、膨張可能なサイドエアバッグクッション120の展開前に、インフレータ110の取り付けスタッド112及び取り付けスタッド114からの引き裂きから開口136を補強する。
【0038】
膨張可能なサイドエアバッグクッション120を包むために、ラッパー130の第1の側方端部131の開口135は、複数の取り付けスタッド112及び114上に配置されている。次いで、ラッパー130は、巻かれた又はパッケージ化された構成にある膨張可能なサイドエアバッグクッション120の周りを包み、第2の側方端部132の開口136は、複数の取り付けスタッド112及び114上に配置されている。したがって、膨張可能なサイドエアバッグクッション120は、膨張可能なサイドエアバッグクッション120の展開まで、巻かれた又はパッケージ化された構成においてラッパー130によって保持されている。ラッパー130は、膨張可能なサイドエアバッグクッション120の展開(及び拡張)中に破裂する又はそうでなければ破断するように構成されている。ラッパー130は、延性布材料などの好適な可撓性材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、材料は、複数のポリマー繊維を含み得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、巻かれた構成にある膨張可能なサイドエアバッグクッション120の上端部123及び下端部124は、
図6及び
図7に示すように、追加のラッパー138によって包まれ得る。追加のラッパー138は、上端部133の上を摺動し得、別のラッパーは、下端部134の上を摺動し得る。いくつかの実施形態では、上端部133のみが追加のラッパー138を有する、又は下端部134のみが追加のラッパー138を有する。追加のラッパー138は、展開するまで、膨張可能なサイドエアバッグクッション120を巻かれた構成において固定するように構成されている。追加のラッパー138は、展開中に破断して、膨張可能なサイドエアバッグクッション120が展開することを可能にするように構成されている。
【0040】
いくつかの実施形態では、追加のラッパー138は、上端部133及び下端部134の周りにテーピングされた接着剤である。追加のラッパー138は、展開中に破断して、膨張可能なサイドエアバッグクッション120が展開することを可能にするように構成されている。
【0041】
パッケージ化された構成において、パッケージ化された膨張可能なサイドエアバッグクッション120は、上端部123及び下端部124を備える。キャップ140は、膨張可能なサイドエアバッグクッション120の端部123及び端部124のうちの一方を封入するように構成されている。図示の実施形態では、キャップ140は、上端部123を封入する。キャップ140は、ラッパー130の上端部133に結合され得る。いくつかの実施形態では、キャップ140は、ラッパー130と一体である。キャップ140は、延性布材料などの好適な可撓性材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、材料は、複数のポリマー繊維を含み得る。キャップ140のための材料及びラッパー130のための材料は、同じ材料であり得る。
【0042】
キャップ140は、第1のパネル141及び第2のパネル142を備える。第1のパネル141は、ラッパー130の上端部133にラッパーの中央部分において結合され得る。第2のパネル142は、第1のパネル141よりも大きい長さ(例えば、垂直方向)を有し得る。いくつかの実施形態では、キャップ140は、単一の材料片又は材料シートを含み、単一の材料片又は材料シートは、単一の材料片又は材料シート自体上に折り目144に沿って折り返されて、第1のパネル141及び第2のパネル142を形成する。
【0043】
第1のパネル141は、ラッパー130の上端部133にステッチ又は接着剤などを介して結合され得る。いくつかの実施形態では、第1のパネル141は、ラッパー130と一体である。第2のパネル142は、インフレータ110の複数の取り付けスタッド112及び114のうちの1つに結合するように構成されている。例えば、第2のパネル142は、インフレータ110の取り付けスタッド112及び取り付けスタッド114のうちの1つを受容するように構成された開口143を備え得る。いくつかの実施形態では、第2のパネル142は、インフレータ110の複数の取り付けスタッド112及び114の対応する取り付けスタッドを受容するように構成された複数の開口を備え得る。第2のパネル142における開口の数は、インフレータ110の取り付けスタッドの数に対応し得る。
【0044】
キャップ140は、キャップ140の第1の側方縁部147から第2の側方縁部148まで実質的に延びる水平ステッチシーム146を備え得る。水平ステッチシーム146は、第1のパネル141を第2のパネル142に結合するように構成されている。水平ステッチシーム146は、折り目144から所定の距離に配置され得る。
【0045】
キャップ140は、第1の側方縁部147及び第2の側方縁部148において配置された一対の側方ステッチシーム149を更に備え得る。側方ステッチシーム149は、第1のパネル141の長さの大部分に延び得る。
【0046】
水平ステッチシーム146及び側方ステッチシーム149は、ある剛性をキャップ140に提供して、車両着座位置30のシートバック34の組み立て中にキャップ140が伸し掛かることを防止するのを助長する。例えば、キャップ140は、シートバック34の製造中にサイドエアバッグアセンブリ100の上端部が伸し掛かることを防止するために、所定の量の硬さを有し得る。硬さの程度は、下記のように座席のための発泡体が座席のフレーム上の適所内に摺動したときに、キャップ140上にかかる力に対抗する程度である。これによって、サイドエアバッグアセンブリ110の上端部123が伸し掛かることを防止する。
【0047】
図6は、部分的に組み立てられた構成にあるサイドエアバッグアセンブリ100を示す。キャップ140は、巻かれた構成にある膨張可能なサイドエアバッグクッション120の上端部123の上に被さっていない。
図7は、キャップ140が、巻かれた構成にある膨張可能なサイドエアバッグクッション120の上端部123を包含する、組み立てられた構成にあるサイドエアバッグアセンブリ100を示す。第2のパネル142の開口143は、インフレータ110の取り付けスタッド112の上に配置されている。
【0048】
いくつかの実施形態では、剛性部材150は、第1のパネル141と第2のパネル142との間、及び折り目144と水平ステッチシーム146との間に挿入され得る。剛性部材150は、水平ステッチシーム146によって適所内に固定され得る。剛性部材150は、第1のパネル141と第2のパネル142との間に見えないため、仮想線で図示されている。剛性部材150は、剛性をキャップ140に提供して、シートバック34の製造中にキャップ140が伸し掛かることを防止するのを助長する。剛性部材150は、キャップ140を強化するのに十分な硬さを提供する任意の好適な材料から製作され得る。
【0049】
図8は、組み立てられた構成にあるサイドエアバッグアセンブリ100の詳細な背面図を示し、キャップ140は、膨張可能なサイドエアバッグクッション120の上端部123の上に配置されている。
図9は、組み立てられた構成にあるサイドエアバッグアセンブリ100の詳細な側面図を示し、キャップ140は、膨張可能なサイドエアバッグクッション120の上端部123の上に配置されている。キャップの第2のパネル142は、曲線を含み得る。第2のパネル142の曲線は、
図9に示すように、曲率半径Rを有し得る。いくつかの実施形態では、曲線は、復号曲線であり得る。
【0050】
図10は、車両着座位置30のシートバック34のフレームに結合された、組み立てられた構成にあるサイドエアバッグアセンブリ100を示す。サイドエアバッグアセンブリ100の前側がシートバック34のフレームに結合されているため、サイドエアバッグアセンブリ100の背面図のみが見える。サイドエアバッグアセンブリ100は、フレームにインフレータ110の取り付けスタッド112及び取り付けスタッド114(
図10に示さず)を介して結合されている。
【0051】
サイドエアバッグアセンブリ100がシートバック34のフレームに取り付けられた後、発泡体パッド36は、シートバック34に取り付けられ得る。
図11は、シートバック34に取り付けられた発泡体パッド36を示す。設置中に、発泡体パッド36は、典型的には、シートバック34のフレームの上で摺動する。キャップ140は、発泡体パッド36がシートバック34のフレーム上の適所内に摺動したときに、膨張可能なサイドエアバッグクッション120が伸し掛かることを防止するように設計されている。これは、サイドエアバッグアセンブリ100のいくつかの異なる特徴により達成される。例えば、キャップ140の硬さは、膨張可能なサイドエアバッグクッション120が伸し掛かることを防止する。加えて、キャップ140の曲率半径Rは、発泡体パッド36をフレーム上の適所内に案内する。
【0052】
本明細書全体において、「に結合された」及び「と連通する」という語句は、機械的な、電気的な、磁気的な、電磁的な、流体的な、及び熱的な相互作用を含む、2つ以上のエンティティ間の相互作用のいずれかの形態を指す。2つの構成要素は、2つの構成要素が互いに直接接触していなくても、互いに結合され得る。
【0053】
「a」及び「an」という用語は、1つとして記載され得るが、1つに限定されない。例えば、本開示は、「チャンバ(a chamber)」を有するエアバッグを記載し得るが、本開示はまた、エアバッグが2つ以上のチャンバを有することができることを企図する。
【0054】
本明細書で使用される場合、「前方」及び「後方」という用語は、関連する車両の前部及び背部を参照して使用される。例えば、後方方向に展開するエアバッグクッションは、車両の後部に向かって展開する。更に、「水平」などの他の参照用語は、異なる参照系が意図されていることが文脈から明らかでない限り、エアバッグアセンブリが設置されている車両に関係して使用される。よって、「水平」などの用語は、車両自体が水平に向けられている(例えば、平地上に直立して位置する)又は真の水平に対して傾いている(例えば、丘上に位置する)かどうかにかかわらず、車両に関係して使用される。
【0055】
別途記載しない限り、全ての範囲は、端点と、端点間の全ての数値との両方を含む。
【0056】
「車両着座位置」という語句は、乗員が車両の座席に着座しているときに概して位置する位置を指す。「乗員」という用語は、車両内の人又は衝突試験ダミーを指す。
【0057】
本明細書全体における「一実施形態(an embodiment)」又は「実施形態(the embodiment)」への言及は、当該実施形態に関連して記載されている特定の特徴、構造、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。よって、本明細書全体において記載されている語句、又は語句の変形は、必ずしも全てが同じ実施形態に言及してはいない。
【0058】
同様に、実施形態の上記の説明において、本開示を合理化するために、様々な特徴は、これらの特徴の単一の実施形態、図、又は説明に一緒にグループ化されていることがあることを理解されたい。しかしながら、開示のこの方法は、任意の請求項が当該請求項に明示的に記載された特徴よりも多くの特徴を必要とするという意図を反映すると解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の態様は、いずれの単一の前述の開示の実施形態の全ての特徴よりも少ない特徴の組み合わせにある。よって、この発明を実施するための形態に続く特許請求の範囲は、この発明を実施するための形態に明示的に組み込まれており、請求項のそれぞれは、別個の実施形態としてそれ自体で成立する。本開示は、独立請求項と独立請求項の従属請求項との全ての並べ替えを含む。
【0059】
特徴又は要素に関する「第1の」という用語の特許請求の範囲における記載は、第2の又は追加のこのような特徴又は要素の存在を必ずしも示唆しない。変更が、本発明の根本的な原理から逸脱することなく、上記の実施形態の詳細になされてもよいことが、当業者には明らかである。排他的な所有権又は特権が請求されている本発明の実施形態は、以下のように定義される。