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特許7333454モールド成形プロセスに基づくパッケージ基板及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-16
(45)【発行日】2023-08-24
(54)【発明の名称】モールド成形プロセスに基づくパッケージ基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20230817BHJP
   H01L 23/36 20060101ALI20230817BHJP
   H01L 21/56 20060101ALI20230817BHJP
   H01L 23/29 20060101ALI20230817BHJP
   H01L 23/31 20060101ALI20230817BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20230817BHJP
   H05K 3/40 20060101ALI20230817BHJP
【FI】
H01L23/12 501P
H01L23/36 D
H01L21/56 T
H01L23/30 R
H01L21/304 631
H05K3/40 H
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2022139132
(22)【出願日】2022-09-01
(65)【公開番号】P2023044649
(43)【公開日】2023-03-30
【審査請求日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】202111093590.3
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521133551
【氏名又は名称】ズハイ アクセス セミコンダクター シーオー.,エルティーディー
【氏名又は名称原語表記】Zhuhai Access Semiconductor Co., Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【弁理士】
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【弁理士】
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100224786
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 卓之
(74)【代理人】
【識別番号】100225015
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 彩夏
(72)【発明者】
【氏名】チェン ケンメイ
(72)【発明者】
【氏名】フェン レイ
(72)【発明者】
【氏名】フアン ベンキア
(72)【発明者】
【氏名】ホン イージェ
【審査官】井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-295051(JP,A)
【文献】国際公開第2020/129808(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0297057(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第113196469(CN,A)
【文献】特開2013-258238(JP,A)
【文献】特開2018-056285(JP,A)
【文献】特開2006-019340(JP,A)
【文献】特開2019-016672(JP,A)
【文献】国際公開第2011/122228(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/086095(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H01L 23/36
H01L 21/56
H01L 23/29
H01L 21/304
H05K 3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮載置板を用意し、前記仮載置板の少なくとも片側に導通銅柱層を作製するステップ(a)と、
第1の基板を製造し、前記第1の基板は、支持フレーム、ベース、及び前記ベースにおける銅ボスを含み、前記支持フレームと前記ベースとの間に貫通したスルーホールが形成されるステップ(b)と、
前記ベースにデバイスを実装するステップ(c)と、
前記仮載置板及び前記第1の基板を同時に金型に組み立てて固定し、前記導通銅柱層は、前記貫通したスルーホール内に位置し、前記導通銅柱層の下端面は、前記銅ボスの端面と面一又は前記銅ボスの端面よりも高く、パッケージ層を印加して、前記第1の基板、前記デバイス、及び前記導通銅柱層をビニールコーティングするステップ(d)と、
前記金型を取り外すステップ(e)と、
前記仮載置板を取り除くステップ(f)と、
前記パッケージ層を薄くして前記導通銅柱層の端部及び前記銅ボスの端面を露出させるステップ(g)と、
デバイス端子ウィンドウを形成して前記デバイスの端子を露出させるステップ(h)と、
前記パッケージ層の上下面に第1の線路層及び第2の線路層をそれぞれ形成し、前記第2の線路層は、第2の導通線路及び放熱線路を含み、前記第1の線路層及び前記第2の導通線路は、前記導通銅柱層により導通して接続され、前記放熱線路は、前記銅ボス及び前記ベースにより前記デバイスの無効面に接続され、前記第1の線路層は、前記デバイスの端子に接続されるステップ(i)と、を含む、
モールド成形プロセスに基づくパッケージ基板の製造方法。
【請求項2】
前記仮載置板は、少なくとも一面に二層銅箔が被覆された銅張積層板を含み、そのうち前記銅張積層板は、コア層、前記コア層の表面における第1の銅層、及び前記第1の銅層における第2の銅層を含み、そのうち前記第1の銅層及び前記第2の銅層は、物理的に圧着して付着する、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
ステップ(a)は、
前記仮載置板の少なくとも片側に第1の金属シード層を形成するステップ(a1)と、
前記第1の金属シード層に第1のフォトレジスト層を印加し、露光現像して第1の特徴パターンを形成するステップ(a2)と、
前記第1の特徴パターンに導通銅柱層を電気めっき形成するステップ(a3)と、
前記第1のフォトレジスト層を取り除くステップ(a4)と、を含む、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
ステップ(a)は、さらに、
前記仮載置板の少なくとも片側にエッチングストップ層を印加するステップ(a0)を含む、
請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記エッチングストップ層は、ニッケル、チタン又はこれらの組み合わせを含む、
請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
ステップ(b)は、
銅板を用意するステップ(b1)と、
前記銅板の上下面に第2のフォトレジスト層及び第3のフォトレジスト層をそれぞれ印加し、前記第2のフォトレジスト層を露光現像して第2の特徴パターンを形成し、前記第3のフォトレジスト層を全面露光するステップ(b2)と、
前記第2の特徴パターンにおいて銅引きエッチングして前記ベースの頂面を形成し、前記第2のフォトレジスト層及び前記第3のフォトレジスト層を取り除くステップ(b3)と、
前記銅板の上下面に第4のフォトレジスト層及び第5のフォトレジスト層をそれぞれ印加し、前記第4のフォトレジスト層を全面露光し、前記第5のフォトレジスト層を露光現像して第5の特徴パターンを形成するステップ(b4)と、
前記第5の特徴パターンにおいて銅引きエッチングして前記銅ボスを形成し、前記銅ボスは、前記ベースの下面に位置し、前記第4のフォトレジスト層及び第5のフォトレジスト層を取り除くステップ(b5)と、
前記ベースの両側にドリリングかつミリング加工して貫通したスルーホール及び支持フレームを形成し、第1の基板を得るステップ(b6)と、を含む、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
ステップ(b)は、
銅板を用意するステップ(b1/)と、
前記銅板の上下面に第2のフォトレジスト層及び第3のフォトレジスト層をそれぞれ印加し、前記第2のフォトレジスト層を露光現像して第2の特徴パターンを形成し、前記第3のフォトレジスト層を全面露光するステップ(b2/)と、
前記第2の特徴パターンにおいて銅引きエッチングして前記ベースの頂面を形成し、前記第2のフォトレジスト層及び前記第3のフォトレジスト層を取り除くステップ(b3/)と、
前記銅板の上下面に第4のフォトレジスト層及び第5のフォトレジスト層をそれぞれ印加し、前記第4のフォトレジスト層を全面露光し、前記第5のフォトレジスト層を露光現像して第5の特徴パターンを形成するステップ(b4/)と、
前記第5の特徴パターンにおいて銅引きエッチングして前記銅ボスを形成し、前記銅ボスは、前記ベースの下面に位置し、前記第4のフォトレジスト層及び第5のフォトレジスト層を取り除くステップ(b5/)と、
前記ベースの両側に第8のフォトレジスト層及び第9のフォトレジスト層をそれぞれ印加し、それぞれ露光現像して第8の特徴パターン及び第9の特徴パターンを形成し、前記第8の特徴パターン及び第9の特徴パターンにおいて露出した銅板をエッチングして貫通したスルーホール及び支持フレームを形成し、第1の基板を得るステップ(b6/)と、を含む、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
ステップ(c)は、前記ベースに粘着性熱伝導材料を印加し、前記デバイスの裏面を前記粘着性熱伝導材料に実装し、前記ベースにデバイスを実装するステップを含む、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項9】
前記粘着性熱伝導材料は、熱伝導性接着剤、銀ペーストのうちの少なくとも1つから選択される、
請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
前記パッケージ層は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリエステルイミド樹脂のうちの少なくとも1つから選択される、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項11】
ステップ(f)は、前記第1の銅層及び前記第2の銅層を物理的に分離し、前記第2の銅層をエッチングすることで、前記仮載置板を取り除くステップを含む、
請求項2に記載の製造方法。
【請求項12】
ステップ(g)は、研削盤又はプラズマエッチングにより、前記パッケージ層を全体的に薄くして前記導通銅柱層の端部及び前記銅ボスの端面を露出させるステップを含む、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項13】
ステップ(g)は、レーザ又はドリルにより、前記パッケージ層を部分的に薄くして前記導通銅柱層の端部及び前記銅ボスの端面を露出させるステップを含む、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項14】
ステップ(h)は、レーザ、ドリル又はプラズマエッチングにより、前記デバイスの端子上方のパッケージ層を部分的に薄くしてデバイス端子ウィンドウを形成して前記デバイスの端子を露出させるステップを含む、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項15】
ステップ(i)は、
前記パッケージ層の上下面に第2の金属シード層及び第3の金属シード層をそれぞれ形成するステップ(i1)と、
前記第2の金属シード層及び前記第3の金属シード層に第6のフォトレジスト層及び第7のフォトレジスト層をそれぞれ印加し、露光現像して第6の特徴パターン及び第7の特徴パターンを形成するステップ(i2)と、
前記第6の特徴パターン及び前記第7の特徴パターンに第1の線路層及び第2の線路層をそれぞれ電気めっき形成するステップ(i3)と、
前記第6のフォトレジスト層及び前記第7のフォトレジスト層を取り除き、露出した前記第2の金属シード層及び前記第3の金属シード層をエッチングするステップ(i4)と、を含む、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項16】
ステップiの後、前記第1の線路層及び前記第2の線路層にソルダーレジスト材料をそれぞれ印加し、露出した金属に対して表面処理を行って金属表面処理層を形成するステップ(j)をさらに含む、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項17】
パッケージ層、前記パッケージ層内に位置する支持フレーム、ベース、前記ベースの上面に位置するデバイス、前記ベースの下面に位置する銅ボス及び高さ方向に沿って前記パッケージ層を貫通する導通銅柱層、前記パッケージ層の上下における第1の線路層及び第2の線路層を含み、前記第2の線路層は、第2の導通線路及び放熱線路を含み、前記第1の線路層及び前記第2の導通線路は、前記導通銅柱層により導通して接続され、前記放熱線路は、前記銅ボス及び前記ベースにより前記デバイスの片側に接続され、前記第1の線路層は、前記デバイスの他側に接続される、
モールド成形プロセスに基づくパッケージ基板。
【請求項18】
前記導通銅柱層の下端面は、前記銅ボスの端面と面一又は前記銅ボスの端面よりも高い、
請求項17に記載のモールド成形プロセスに基づくパッケージ基板。
【請求項19】
前記導通銅柱層の端部は、前記パッケージ層と面一又は前記パッケージ層よりも高く、前記導通銅柱層は、少なくとも1つの導通銅柱を含む、
請求項17に記載のモールド成形プロセスに基づくパッケージ基板。
【請求項20】
前記放熱線路は、前記銅ボス及び前記ベースにより前記デバイスの裏面に接続され、前記第1の線路層は、前記デバイスの端子に接続される、
請求項17に記載のモールド成形プロセスに基づくパッケージ基板。
【請求項21】
さらに、前記第1の線路層及び前記第2の線路層にそれぞれ形成された第1のソルダーレジスト層及び第2のソルダーレジスト層を含み、前記第1のソルダーレジスト層内に第1の金属表面処理層が設けられ、前記第2のソルダーレジスト層内に第2の金属表面処理層が設けられる、
請求項17に記載のモールド成形プロセスに基づくパッケージ基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイスのパッケージ構造に関し、具体的に、モールド成形プロセスに基づくパッケージ基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子技術の発展と進歩に伴い、電子製品は、短小軽薄の方向に向かって進化し、電子製品の機能需要がますます強くなり、電子製品のパッケージ構造が高集積化、小型化の方向に向かって発展することを促進し、チップなどの素子の埋め込みパッケージがそれに応じて出現するとともに、電子部品の応用も高周波高速の方向に発展し、単位面積の熱流密度が急速に増加するようになる。周知のように、周囲環境温度の上昇に伴い、電子部品の性能及び確実性は相対的に低下する。発生した熱をタイムリーに放散することができなければ、電子素子の継続的な昇温により製品性能の低下を引き起こし、時間が経つにつれて、電子製品の確実性も影響を受ける。従って、どのように埋め込みパッケージ基板、パッケージ体の設計を合理的に最適化し、埋め込みパッケージ構造の放熱性能を向上させることは、現在、重要な課題である。
【0003】
組み込みパッケージ基板とは、複数のステップの製造技術で、素子を基板に組み込むことである。シングルチップ、マルチチップ、又は受動素子は、いずれも並列式で有機マトリックスフレームに組み込むことができ、チップなどの素子の組み込みパッケージは、既に数年興っており、現在、依然として主流となる埋め込みパッケージ方式である。しかし、高周波高速製品の興りに伴い、組み込みパッケージ製品は、非常に高い低損失及び放熱要求を有し、有機マトリックスをフレームとする埋め込みパッケージ方法の発展応用は、ボトルネックに遭遇し、放熱性に優れた有機マトリックス材料であっても、放熱特性に限界性が存在し、高周波高速埋め込み製品の放熱問題を根本的に解決することが困難である。
【0004】
従来技術において、従来の埋め込みパッケージ方法は、チップなどの素子を予め設定されたキャビティのポリマーフレーム又はCore材に実装し、さらにビニールコーティング材料でパッケージする。特許番号CN105679682Aに開示されたプリセットキャビティの有機マトリックスフレームのように、プリセットキャビティに主受動部品を貼り付けた後、誘電体材料を圧着することでパッケージすることを実現し、特許番号CN104332414Aに開示されたパッケージ方法のように、当該方法は、高周波高速高出力製品の興りに伴い、組み込みパッケージ製品が極めて高い放熱要求を有し、放熱性に優れる有機マトリックス材料であっても、放熱特性に限界性が存在し、高周波高速高出力埋め込み製品の放熱問題を根本的に解決することができないという欠点が存在する。
【0005】
埋め込みパッケージ構造の放熱性能を向上させるために、最近、金属フレームを用いて素子を埋め込む解決手段が注目され、金属(例えば銅)板にキャビティを予め加工し、チップなどの素子をプリセットキャビティに実装し、さらに誘電体材料を圧着することでパッケージし、このパッケージ解決手段は、金属材料の優れた放熱性能を利用し、チップを補助して放熱し、高出力チップの放熱問題をある程度解決することができる。しかし、金属フレームを用いて素子を埋め込むことは、頂面と底面の線路間の導通の問題に直面する。現在、従来の方法は、金属フレームを加工する時に、スルーホールの位置を予め保留し、チップなどの素子をパッケージする時に、予め保留したスルーホールの位置に誘電体材料を充填し、続いて予め保留したスルーホールの位置にさらにスルーホールをドリリングし、金属化した後に頂面と底面の線路間の導通を実現する。埋め込みに必要な金属フレームの厚さが厚い応用(例えば200um以上)に対し、ドリルの加工能力に制限され、パッケージした後、ドリル孔径は、通常、200um以上であり、このような大きい孔径のスルーホールに対し、現在の電気めっき能力に制限され、電気めっきした後、通常、中空の導通スルーホールは、中実の導通柱を形成することができず、埋め込みパッケージ基板の電気的性能及び放熱性能が影響を受ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、上記の技術的課題を解決するために、モールド成形プロセスに基づくパッケージ基板及びその製造方法を提供する。本発明は、モールド成形の方法を埋め込みパッケージ基板に応用し、中実の導通銅柱層を有する仮載置板及びベースに既にデバイスが実装された第1の基板を金型に組み立てて固定し、続いてパッケージ材料でビニールコーティングしてパッケージ層を形成し、中実の導通銅柱層を用いてパッケージ層の上下面の線路を接続する。本発明の技術的解決手段は、デバイスを第1の基板に埋め込んでパッケージすることを実現することができ、パッケージ体積を縮小し、パッケージ体の小型化の発展要求に合致し、第1の基板及び外層で作製された放熱線路は、デバイスの裏面に接続され、金属材料の優れた放熱性能を利用し、パッケージ構造の放熱性能を向上させ、高周波高速高出力製品の高放熱の発展要求を満たし、仮載置板に中実の導通銅柱層を予め設け、パッケージ層の上下面の線路を導通するために用いられ、従来の金属フレームの埋め込みパッケージ方法において、導通孔が中実の導通柱に加工されにくいという問題を解決し、しかも、中実の導通銅柱層の良好な導電性能を利用し、パッケージ体の寄生容量、インダクタンス、損失を低減し、パッケージ体の電気的性能を向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、モールド成形プロセスに基づくパッケージ基板の製造方法に関し、
仮載置板を用意し、前記仮載置板の少なくとも片側に導通銅柱層を作製するステップ(a)と、
第1の基板を製造し、前記第1の基板は、支持フレーム、ベース、及び前記ベースにおける銅ボスを含み、前記支持フレームと前記ベースとの間に貫通したスルーホールが形成されるステップ(b)と、
前記ベースにデバイスを実装するステップ(c)と、
前記仮載置板及び前記第1の基板を同時に金型に組み立てて固定し、前記導通銅柱層は、前記貫通したスルーホール内に位置し、前記導通銅柱層の下端面は、前記銅ボスの端面と面一又は前記銅ボスの端面よりも高く、パッケージ層を印加して、前記第1の基板、前記デバイス、及び前記導通銅柱層をビニールコーティングするステップ(d)と、
前記金型を取り外すステップ(e)と、
前記仮載置板を取り除くステップ(f)と、
前記パッケージ層を薄くして前記導通銅柱層の端部及び前記銅ボスの端面を露出させるステップ(g)と、
デバイス端子ウィンドウを形成して前記デバイスの端子を露出させるステップ(h)と、
前記パッケージ層の上下面に第1の線路層及び第2の線路層をそれぞれ形成し、前記第2の線路層は、第2の導通線路及び放熱線路を含み、前記第1の線路層及び前記第2の導通線路は、前記導通銅柱層により導通して接続され、前記放熱線路は、前記銅ボス及び前記ベースにより前記デバイスの無効面に接続され、前記第1の線路層は、前記デバイスの端子に接続されるステップ(i)と、を含む。
【0008】
いくつかの実施形態において、前記仮載置板は、少なくとも一面に二層銅箔が被覆された銅張積層板を含み、そのうち前記銅張積層板は、コア層、前記コア層の表面における第1の銅層、及び前記第1の銅層における第2の銅層を含み、そのうち前記第1の銅層及び前記第2の銅層は、物理的に圧着して付着する。
【0009】
好ましくは、前記コア層は、プリプレグを含み、前記第1の銅層の厚さは18μmであり、前記第2の銅層の厚さは3μmである。
【0010】
いくつかの実施形態において、ステップ(a)は、
前記仮載置板の少なくとも片側に第1の金属シード層を形成するステップ(a1)と、
前記第1の金属シード層に第1のフォトレジスト層を印加し、露光現像して第1の特徴パターンを形成するステップ(a2)と、
前記第1の特徴パターンに導通銅柱層を電気めっき形成するステップ(a3)と、
前記第1のフォトレジスト層を取り除くステップ(a4)と、を含む。
【0011】
好ましくは、無電解めっき又はスパッタリングにより前記第1の金属シード層を形成する。
【0012】
好ましくは、前記第1の金属シード層は、チタン、銅、チタンタングステン合金又はこれらの組み合わせを含む。
【0013】
いくつかの実施形態において、ステップ(a)は、さらに、
前記仮載置板の少なくとも片側にエッチングストップ層を印加するステップ(a0)を含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、前記エッチングストップ層は、ニッケル、チタン又はこれらの組み合わせを含む。
【0015】
いくつかの実施形態において、ステップ(b)は、
銅板を用意するステップ(b1)と、
前記銅板の上下面に第2のフォトレジスト層及び第3のフォトレジスト層をそれぞれ印加し、前記第2のフォトレジスト層を露光現像して第2の特徴パターンを形成し、前記第3のフォトレジスト層を全面露光するステップ(b2)と、
前記第2の特徴パターンにおいて銅引きエッチングして前記ベースの頂面を形成し、前記第2のフォトレジスト層及び前記第3のフォトレジスト層を取り除くステップ(b3)と、
前記銅板の上下面に第4のフォトレジスト層及び第5のフォトレジスト層をそれぞれ印加し、前記第4のフォトレジスト層を全面露光し、前記第5のフォトレジスト層を露光現像して第5の特徴パターンを形成するステップ(b4)と、
前記第5の特徴パターンにおいて銅引きエッチングして前記銅ボスを形成し、前記第4のフォトレジスト層及び第5のフォトレジスト層を取り除くステップ(b5)と、
前記ベースの両側にドリリングかつミリング加工して貫通したスルーホール及び支持フレームを形成するステップ(b6)と、を含む。
【0016】
いくつかの実施形態において、ステップ(b)は、
銅板を用意するステップ(b1/)と、
前記銅板の上下面に第2のフォトレジスト層及び第3のフォトレジスト層をそれぞれ印加し、前記第2のフォトレジスト層を露光現像して第2の特徴パターンを形成し、前記第3のフォトレジスト層を全面露光するステップ(b2/)と、
前記第2の特徴パターンにおいて銅引きエッチングして前記ベースの頂面を形成し、前記第2のフォトレジスト層及び前記第3のフォトレジスト層を取り除くステップ(b3/)と、
前記銅板の上下面に第4のフォトレジスト層及び第5のフォトレジスト層をそれぞれ印加し、前記第4のフォトレジスト層を全面露光し、前記第5のフォトレジスト層を露光現像して第5の特徴パターンを形成するステップ(b4/)と、
前記第5の特徴パターンにおいて銅引きエッチングして前記銅ボスを形成し、前記銅ボスは、前記ベースの下面に位置し、前記第4のフォトレジスト層及び第5のフォトレジスト層を取り除くステップ(b5/)と、
前記ベースの両側に第8のフォトレジスト層及び第9のフォトレジスト層をそれぞれ印加し、それぞれ露光現像して第8の特徴パターン及び第9の特徴パターンを形成し、前記第8の特徴パターン及び第9の特徴パターンにおいて露出した銅板をエッチングして貫通したスルーホール及び支持フレームを形成し、第1の基板を得るステップ(b6/)と、を含む。
【0017】
いくつかの実施形態において、ステップ(c)は、前記ベースに粘着性熱伝導材料を印加し、前記デバイスの裏面を前記粘着性熱伝導材料に実装し、前記ベースにデバイスを実装するステップを含む。
【0018】
いくつかの実施形態において、前記粘着性熱伝導材料は、熱伝導性接着剤、銀ペーストのうちの少なくとも1つから選択される。
【0019】
いくつかの実施形態において、前記パッケージ層は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリエステルイミド樹脂のうちの少なくとも1つから選択される。
【0020】
いくつかの実施形態において、ステップ(f)は、前記第1の銅層及び前記第2の銅層を物理的に分離し、前記第2の銅層をエッチングすることで、前記仮載置板を取り除くステップを含む。
【0021】
いくつかの実施形態において、ステップ(f)は、さらに、前記エッチングストップ層及び前記第1の金属シード層をエッチングするステップを含む。
【0022】
いくつかの実施形態において、ステップ(g)は、研削盤又はプラズマエッチングにより、前記パッケージ層を全体的に薄くして前記導通銅柱層の端部及び前記銅ボスの端面を露出させるステップを含む。
【0023】
いくつかの実施形態において、ステップ(g)は、レーザ又はドリルにより、前記パッケージ層を部分的に薄くして前記導通銅柱層の端部及び前記銅ボスの端面を露出させるステップを含む。
【0024】
いくつかの実施形態において、ステップ(h)は、レーザ、ドリル又はプラズマエッチングにより、前記デバイスの端子上方のパッケージ層を部分的に薄くしてデバイス端子ウィンドウを形成して前記デバイスの端子を露出させるステップを含む。
【0025】
いくつかの実施形態において、ステップ(i)は、
前記パッケージ層の上下面に第2の金属シード層及び第3の金属シード層をそれぞれ形成するステップ(i1)と、
前記第2の金属シード層及び前記第3の金属シード層に第6のフォトレジスト層及び第7のフォトレジスト層をそれぞれ印加し、露光現像して第6の特徴パターン及び第7の特徴パターンを形成するステップ(i2)と、
前記第6の特徴パターン及び前記第7の特徴パターンに第1の線路層及び第2の線路層をそれぞれ電気めっき形成するステップ(i3)と、
前記第6のフォトレジスト層及び前記第7のフォトレジスト層を取り除き、露出した前記第2の金属シード層及び前記第3の金属シード層をエッチングするステップ(i4)と、を含む。
【0026】
好ましくは、無電解めっき又はスパッタリングにより、前記第2の金属シード層及び第3の金属シード層を形成する。
【0027】
好ましくは、前記第2の金属シード層及び前記第3の金属シード層は、それぞれ、チタン、銅、チタンタングステン合金又はこれらの組み合わせを含む。
【0028】
いくつかの実施形態において、
ステップiの後、前記第1の線路層及び前記第2の線路層にソルダーレジスト材料をそれぞれ印加し、露出した金属に対して表面処理を行って金属表面処理層を形成するステップ(j)をさらに含む。
【0029】
好ましくは、塗布、フィルム貼付又は印刷により前記第1の線路層及び前記第2の線路層にソルダーレジスト材料をそれぞれ印加し、金化、銀化、金めっき又は銀めっきにより、露出した金属に対して表面処理を行って金属表面処理層を形成する。
【0030】
本発明の第2の態様は、モールド成形プロセスに基づくパッケージ基板を提供し、パッケージ層、前記パッケージ層内に位置する支持フレーム、ベース、前記ベースの上面に位置するデバイス、前記ベースの下面に位置する銅ボス及び高さ方向に沿って前記パッケージ層を貫通する導通銅柱層、前記パッケージ層の上下における第1の線路層及び第2の線路層を含み、前記第2の線路層は、第2の導通線路及び放熱線路を含み、前記第1の線路層及び前記第2の導通線路は、前記導通銅柱層により導通して接続され、前記放熱線路は、前記銅ボス及び前記ベースにより前記デバイスに接続され、前記第1の線路層は、前記デバイスの端子に接続される。
【0031】
いくつかの実施形態において、前記導通銅柱層の下端面は、前記銅ボスの端面と面一又は前記銅ボスの端面よりも高い。
【0032】
いくつかの実施形態において、前記導通銅柱層の端部は、前記パッケージ層と面一又は前記パッケージ層よりも高く、前記導通銅柱層は、少なくとも1つの導通銅柱を含む。
【0033】
いくつかの実施形態において、前記放熱線路は、前記銅ボス及び前記ベースにより前記デバイスの裏面に接続され、前記第1の線路層は、前記デバイスの端子に接続される。
【0034】
いくつかの実施形態において、さらに、前記第1の線路層及び前記第2の線路層にそれぞれ形成された第1のソルダーレジスト層及び第2のソルダーレジスト層を含み、前記第1のソルダーレジスト層内に第1の金属表面処理層が設けられ、前記第2のソルダーレジスト層内に第2の金属表面処理層が設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本発明をよりよく理解して本発明の実施形態を示すために、以下、単に例により図面を参照する。
【0036】
図面を具体的に参照する際、特定の図は、例示的なものであり、本発明の好ましい実施形態を説明的に検討することのみを目的とし、本発明の原理及び概念的態様の説明に最も有用で、かつ、最も容易に理解されると考えられる図示を提供する理由に基づいて現れることを強調しなければならない。この点に関して、本発明の基本的な理解に必要な程度以上の詳細度で本発明の構造的詳細を図示することは意図しておらず、図面を参照する説明は、当業者に、本発明のいくつかの形態がどのように実際に具現化され得るかを認識させる。図面において、
図1】本発明の一実施形態によるモールド成形プロセスに基づくパッケージ基板の断面概略図である。
図2-1】図2(a):本発明の一実施形態のモールド成形プロセスに基づくパッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造の断面概略図である。図2(b):本発明の一実施形態のモールド成形プロセスに基づくパッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造の断面概略図である。図2(c):本発明の一実施形態のモールド成形プロセスに基づくパッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造の断面概略図である。
図2-2】図2(d):本発明の一実施形態のモールド成形プロセスに基づくパッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造の断面概略図である。図2(e):本発明の一実施形態のモールド成形プロセスに基づくパッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造の断面概略図である。図2(f):本発明の一実施形態のモールド成形プロセスに基づくパッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造の断面概略図である。図2(g):本発明の一実施形態のモールド成形プロセスに基づくパッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造の断面概略図である。
図2-3】図2(h):本発明の一実施形態のモールド成形プロセスに基づくパッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造の断面概略図である。図2(i):本発明の一実施形態のモールド成形プロセスに基づくパッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造の断面概略図である。図2(j):本発明の一実施形態のモールド成形プロセスに基づくパッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造の断面概略図である。図2(k):本発明の一実施形態のモールド成形プロセスに基づくパッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造の断面概略図である。
図2-4】図2(l):本発明の一実施形態のモールド成形プロセスに基づくパッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造の断面概略図である。図2(m):本発明の一実施形態のモールド成形プロセスに基づくパッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造の断面概略図である。図2(n):本発明の一実施形態のモールド成形プロセスに基づくパッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造の断面概略図である。
図2-5】図2(o):本発明の一実施形態のモールド成形プロセスに基づくパッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造の断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1を参照すると、モールド成形プロセスに基づくパッケージ基板100の断面概略図が示される。図1に示すように、パッケージ基板100は、パッケージ層301を含み、パッケージ層301は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリエステルイミド樹脂のうちの少なくとも1つから選択されることができる。
【0038】
パッケージ層301内に支持フレーム2019、ベース2014、ベース2014の上面に位置するデバイス3012、ベース2014の下面に位置する銅ボス2017、及び高さ方向に沿ってパッケージ層301を貫通する導通銅柱層1016が設けられる。導通銅柱層1016は、少なくとも1つの導通銅柱をIOチャネルとして含んでもよく、その断面寸法が同じであってもよく、異なってもよく、導通銅柱層1016の形状は、実際の要求に応じて設定することができ、例えば、方形、円形などであってもよく、具体的に限定されない。導通銅柱層1016の下端面は、銅ボス2017の端面と面一であってもよく、導通銅柱層1016の下端面は、銅ボス2017の端面よりも高くてもよく、導通銅柱層1016の端部は、パッケージ層301と面一であってもよく、パッケージ層301よりも高くてもよく、具体的に限定されない。
【0039】
パッケージ層301の上下面に第1の線路層3016及び第2の線路層がそれぞれ設けられ、第2の線路層は、第2の導通線路3017及び放熱線路3018を含み、第1の線路層3016及び第2の導通線路3017は、導通銅柱層1016により導通して接続され、放熱線路3018は、銅ボス2017及びベース2014によりデバイス3012の裏面に接続され、放熱を補助するために用いられることができ、第1の線路層3016は、デバイス3012の端子に接続される。
【0040】
パッケージ基板100は、さらに、第1の線路層3016及び第2の線路層にそれぞれ形成された第1のソルダーレジスト層402及び第2のソルダーレジスト層403を含み、第1のソルダーレジスト層402内に第1の金属表面処理層4021が設けられ、第2のソルダーレジスト層403内に第2の金属表面処理層4031が設けられる。
【0041】
図2(a)~2(o)を参照すると、本発明の一実施形態のモールド成形プロセスに基づくパッケージ基板の製造方法の各ステップの中間構造の断面概略図が示される。
【0042】
前記製造方法は、以下のステップを含む。図2(a)に示すように、仮載置板を用意し、仮載置板の少なくとも片側にエッチングストップ層1012を印加する-ステップ(a)。仮載置板は、コア層1011aを含み、コア層は、プリプレグであってもよく、コア層1011aは、外へ順にコア層1011aの表面に位置する第1の銅層1011b及び第1の銅層1011bの表面に位置する第2の銅層1011cであり、第1の銅層1011b及び第2の銅層1011cは、銅箔を物理的に圧着してなり、第1の銅層1011b及び第2の銅層1011cは、後続の工程で仮載置板を取り除きやすいために、物理的に分離することができ、第1の銅層1011b及び第2の銅層1011cの厚さは、実際の要求に応じて調整することができ、好ましくは、第1の銅層1011bの厚さは、18μmであり、第2の銅層1011cの厚さは、3μmである。通常、仮載置板の両側に同時にエッチングストップ層1012を印加することができ、本実施形態では、後続、仮載置板の片側の単一ユニットをプレゼンテーションするが、仮載置板の片側のみに後続操作を行うことに限定されない。仮載置板を取り除くという後続の工程において、板を分離した後に第1の銅層1011bをエッチングする時、エッチングストップ層1012は、基板の線路層及び銅柱層を保護し、オーバーエッチングすることを回避することができる。エッチングストップ層1012は、ニッケル、チタン又はこれらの組み合わせを含んでもよく、エッチングストップ層1012の厚さは、実際の要求に応じて調整することができ、好ましくは、エッチングストップ層1012の厚さは、3~10μmである。
【0043】
次に、図2(b)に示すように、エッチングストップ層1012に第1の金属シード層1013を形成し、第1の金属シード層1013に第1のフォトレジスト層1014を印加し、露光現像して第1の特徴パターンを形成する-ステップ(b)。通常、無電解めっき又はスパッタリングにより、エッチングストップ層1012に第1の金属シード層1013を形成することができ、第1の金属シード層1013は、チタン、銅、チタンタングステン合金又はこれらの組み合わせを含んでもよく、第1の金属シード層1013の厚さ範囲は、1~3μmであり、好ましくは、チタン及び銅をスパッタリングして第1の金属シード層1013を作製する。通常、フィルム貼付又は塗布により、第1の金属シード層1013に第1のフォトレジスト層1014を印加することができ、第1のフォトレジスト層1014の厚さは、要求に応じて調整することができる。第1の特徴パターンには導通銅柱ウィンドウ1015を有し、後続の工程において導通銅柱層を電気めっき形成するために用いられる。
【0044】
続いて、図2(c)に示すように、第1の特徴パターンに導通銅柱層1016を電気めっき形成し、第1のフォトレジスト層1014を取り除く-ステップ(c)。通常、フィルム除去により、第1のフォトレジスト層1014を取り除くことができる。導通銅柱ウィンドウ1015において銅を電気めっきして導通銅柱層1016を形成し、導通銅柱層1016の厚さは、実際の要求に応じて設定することができ、通常、導通銅柱層1016の厚さは、第1のフォトレジスト層1014の厚さ以下であり、導通銅柱層1016が形成された後に導通銅柱層1016の表面に対してブラウン化処理を行うことができ、後続の工程において導通銅柱層1016とその外に被覆されたパッケージ層との結合力を増加させ、導通銅柱層1016は、少なくとも1つの導通銅柱を含んでもよく、導通銅柱層1016は、寸法が異なる導通銅柱を含んでもよく、導通銅柱層1016の形状は、実際の要求に応じて設定することができ、例えば、方形、円形などであってもよく、具体的に限定されず、好ましくは、導通銅柱層1016の上下寸法が均一であり、埋め込みパッケージ構造の放熱及び信号伝送の安定化により有利である。
【0045】
仮載置板に中実の導通銅柱層を予め設け、パッケージ層の上下面の線路を導通するために用いられ、従来の金属フレームの埋め込みパッケージ方法において、導通孔が中実の導通柱に加工されにくいという問題を解決し、しかも、中実の導通銅柱層の良好な導電性能を利用し、パッケージ体の寄生容量、インダクタンス、損失を低減し、パッケージ体の電気的性能を向上させる。
【0046】
次に、図2(d)に示すように、銅板2011を用意し、銅板2011の上下面に第2のフォトレジスト層2012及び第3のフォトレジスト層2013をそれぞれ印加し、第2のフォトレジスト層2012を露光現像して第2の特徴パターンを形成し、第3のフォトレジスト層2013を全面露光する-ステップ(d)。通常、塗布又はフィルム貼付により、第2のフォトレジスト層2012及び第3のフォトレジスト層2013を印加することができる。第2の特徴パターンにおいてベース領域を露出させることができ、第3のフォトレジスト層2013を全面露光することは、銅板2011の下面を全面的に遮蔽することができ、後続の銅引きエッチング工程において銅板2011の下面を保護し、オーバーエッチングすることを回避することができる。
【0047】
続いて、図2(e)に示すように、第2の特徴パターンにおいて銅引きエッチングしてベース2014の頂面2014aを形成し、第2のフォトレジスト層2012及び第3のフォトレジスト層2013を取り除く-ステップ(e)。通常、第2の特徴パターンが露出した領域において銅引きエッチングしてベース2014の頂面2014aを得ることができ、ベースと支持フレームとの高さの差に応じて銅引きエッチング量を設定することができる。フィルム除去により、第2のフォトレジスト層2012及び第3のフォトレジスト層2013を取り除くことができる。
【0048】
次に、図2(f)に示すように、銅板2011の上下面に第4のフォトレジスト層2015及び第5のフォトレジスト層2016をそれぞれ印加し、第4のフォトレジスト層2015を全面露光し、第5のフォトレジスト層2016を露光現像して第5の特徴パターンを形成する-ステップ(f)。通常、塗布又はフィルム貼付により、第4のフォトレジスト層2015及び第5のフォトレジスト層2016を印加することができ、第4のフォトレジスト層2015を全面露光することは、銅板2011の上面を全面的に遮蔽することができ、後続の銅引きエッチング工程において銅板2011の上面を保護し、オーバーエッチングすることを回避することができ、第5の特徴パターンは、銅ボス領域を遮蔽することができる。
【0049】
続いて、図2(g)に示すように、第5の特徴パターンにおいて銅引きエッチングして銅ボス2017を形成し、銅ボス2017は、ベース2014の下面に位置し、第4のフォトレジスト層2015及び第5のフォトレジスト層2016を取り除き、ベース2014の両側にドリリングかつミリング加工して貫通したスルーホール2018及び支持フレーム2019を形成し、第1の基板を得る-ステップ(g)。通常、第5の特徴パターンが露出した領域において銅引きエッチングして銅ボス2017を得ることができ、銅ボス2017の高さに応じて、銅引きエッチング量を設定することができ、フィルム除去により、第4のフォトレジスト層2015及び第5のフォトレジスト層2016を取り除くことができる。
【0050】
なお、銅引きエッチングして銅ボス2017を形成し、第4のフォトレジスト層2015及び第5のフォトレジスト層2016を取り除いた後、さらに、再びベース2014の両面に第8のフォトレジスト層及び第9のフォトレジスト層をそれぞれ印加することができ、特徴パターンをそれぞれ作製し、特徴パターンにおいて露出した銅板2011をエッチングして貫通したスルーホール2018及び支持フレーム2019を形成することができる。
【0051】
次に、図2(h)に示すように、ベース2014に粘着性熱伝導材料3011を印加し、デバイス3012の裏面を粘着性熱伝導材料3011に実装し、ベース2014にデバイス3012を実装する-ステップ(h)。通常、粘着性熱伝導材料3011は、熱伝導性接着剤、銀ペーストのうちの少なくとも1つから選択されることができ、塗布、印刷、ディスペンスにより、粘着性熱伝導材料3011を印加することができる。デバイス3012は、例えば、集積回路の駆動チップ(IC driver)、電界効果トランジスタ(FET)などのベアチップであってもよく、また、例えば、容量、抵抗又はインダクタンスなどの受動デバイスであってもよく、さらに、例えば、ボールグリッドアレイ(BGA)/ランドグリッドアレイ(LGA)などの予備パッケージされた単一パッケージ体であってもよく、又はそのうちの複数種類のデバイスの組み合わせであってもよく、デバイス3012は、片面に端子を有するデバイスであってもよく、両面にいずれも端子を有するデバイスであってもよく、例えば、本実施形態では、後続、デバイス3012が片面端子を有するチップのみにプレゼンテーションするが、片面端子を有するチップのみに後続操作を行うことに限定されない。
【0052】
通常、デバイス3012の裏面を粘着性熱伝導材料3011の上方に実装することができ、粘着性熱伝導材料3011でデバイス3012の裏面をベース2014の裏面に固定し、デバイス3012の正面が上向きであり、実際の要求に応じて複数のデバイスを設けることができ、しかも、同じ数のベースを設けて複数のデバイスを実装するために用いられる。デバイス3012を第1の基板に埋め込んでパッケージし、パッケージ体積を縮小し、パッケージ体の小型化の発展要求に合致する。
【0053】
続いて、図2(i)に示すように、仮載置板及び第1の基板を同時に金型401に組み立てて固定し、導通銅柱層1016は、貫通したスルーホール2018内に位置し、導通銅柱層1016の下端面は、銅ボス2017の端面と面一であり、パッケージ層301を印加して、第1の基板、デバイス3012及び導通銅柱層1016をビニールコーティングする-ステップ(i)。通常、パッケージ層301は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリエステルイミド樹脂のうちの少なくとも1つから選択されることができる。
【0054】
なお、導通銅柱層1016の下端面は、さらに銅ボス2017の端面よりも高くてもよく、銅ボス2017の端面とエッチングストップ層1012との間に隙間が存在してもよく、後続のパッケージ過程において、パッケージ層301は、当該隙間を充填することができる。
【0055】
次に、図2(j)に示すように、金型401を取り外し、第1の銅層1011b及び第2の銅層1011cを分離し、第2の銅層1011c、エッチングストップ層1012及び第1の金属シード層1013をエッチングする-ステップ(j)。通常、パッケージ層301がビニールコーティングされて硬化した後、金型401を取り外すことができる。特定の薬液でエッチングストップ層をエッチングして除去することができ、例えば、エッチングニッケル薬液でエッチングストップ層をエッチングして除去する。
【0056】
続いて、図2(k)に示すように、パッケージ層301を薄くして導通銅柱層1016の端部及び銅ボス2017の端面を露出させる-ステップ(k)。通常、研削盤又はプラズマエッチングにより、パッケージ層301を全体的に薄くして導通銅柱層1016の端部を露出させることができ、また、レーザ又はドリルにより、パッケージ層301を部分的に薄くして導通銅柱層1016の端部を露出させることができ、好ましくは、研削盤又はプラズマエッチングにより、パッケージ層301を全体的に薄くする。
【0057】
次に、図2(l)に示すように、デバイス3012の端子上方のパッケージ層301を部分的に薄くしてデバイス端子ウィンドウ3013を形成してデバイス3012の端子を露出させる-ステップ(l)。通常、レーザ、ドリル又はプラズマエッチングにより、デバイス3012の端子上方のパッケージ層301を部分的に薄くしてデバイス端子ウィンドウ3013を形成してデバイス3012の端子を露出させる。
【0058】
続いて、図2(m)に示すように、パッケージ層301の上下面に第2の金属シード層3014及び第3の金属シード層3015をそれぞれ形成する-ステップ(m)。通常、無電解めっき又はスパッタリングにより、パッケージ層301の上下面に第2の金属シード層3014及び第3の金属シード層3015をそれぞれ形成することができ、第2の金属シード層3014及び第3の金属シード層3015は、チタン、銅、チタンタングステン合金又はこれらの組み合わせをそれぞれ含んでもよく、好ましくは、チタン及び銅をスパッタリングして第2の金属シード層3014及び第3の金属シード層3015をそれぞれ作製する。
【0059】
次に、図2(n)に示すように、第2の金属シード層3014及び第3の金属シード層3015に第6のフォトレジスト層及び第7のフォトレジスト層をそれぞれ印加し、露光現像して第6の特徴パターン及び第7の特徴パターンを形成し、第6の特徴パターン及び第7の特徴パターンに第1の線路層3016及び第2の線路層をそれぞれ電気めっき形成し、第6のフォトレジスト層及び第7のフォトレジスト層を取り除き、露出した第2の金属シード層3014及び第3の金属シード層3015をエッチングする-ステップ(n)。通常、第1の線路層3016は、デバイス3012の端子に接続され、第2の線路層は、第2の導通線路3017及び放熱線路3018を含み、第1の線路層3016及び第2の導通線路3017は、導通銅柱層1016により導通して接続され、放熱線路3018は、銅ボス2017及びベース2014によりデバイス3012の裏面に接続され、放熱を補助する。実際の要求に応じて第1の線路層及び第2の線路層の厚さを設定することができ、通常、第1の線路層の厚さは、第6のフォトレジスト層の厚さよりも低く、第2の線路層の厚さは、第7のフォトレジスト層の厚さよりも低い。塗布又はフィルム貼付により、第6のフォトレジスト層及び第7のフォトレジスト層を印加することができ、フィルム除去により、第6のフォトレジスト層及び第7のフォトレジスト層を取り除くことができる。
【0060】
第1の基板及び外層で作製された放熱線路3018は、デバイス3012の裏面に接続され、金属材料の優れた放熱性能を利用し、パッケージ構造の放熱性能を向上させ、高周波高速高出力製品の高放熱の発展要求を満たす。
【0061】
本実施形態は、両面板のみを例としてプレゼンテーションし、実際の応用において実際の製品要求に応じて、ビルドアップを継続し、多層パッケージ基板を形成することができる。
【0062】
最後に、図2(o)に示すように、第1の線路層3016及び第2の線路層にソルダーレジスト材料をそれぞれ印加して第1のソルダーレジスト層402及び第2のソルダーレジスト層403を形成し、第1のソルダーレジスト層402内に露出した金属に対して表面処理を行って第1の金属表面処理層4021を形成し、第2のソルダーレジスト層403内に露出した金属に対して表面処理を行って第2の金属表面処理層4031を形成し、パッケージ基板100を得る-ステップ(o)。通常、塗布、フィルム貼付又は印刷により、ソルダーレジスト材料を印加し、露光現像してソルダーレジスト層を形成することができ、金化、銀化、金めっき又は銀めっきにより、露出した金属に対して表面処理を行うことができる。
【0063】
当業者であれば、本発明は、コンテキストにおける具体的な図示及び説明の内容に限定されないことを認識する。また、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲により限定され、上記の各技術的特徴の組み合わせ及びサブ組み合わせ、並びにそれらの変化及び改良を含み、当業者は、上記の説明を読むことで、そのような組み合わせ、変化及び改良を思いつく。
【0064】
特許請求の範囲において、用語「含む」及びその変形、例えば、「含み」「含有」などは、列挙されたコンポネーントを含み、ただし一般的にその他のコンポネーントを排除しないことを意味する。
【符号の説明】
【0065】
100:パッケージ基板
1011a:コア層
1011b:第1の銅層
1011c:第2の銅層
1012:エッチングストップ層
1013:第1の金属シード層
1014:第1のフォトレジスト層
1015:導通銅柱ウィンドウ
1016:導通銅柱層
2011:銅板
2012:第2のフォトレジスト層
2013:第3のフォトレジスト層
2014:ベース
2014a:頂面
2015:第4のフォトレジスト層
2016:第5のフォトレジスト層
2017:銅ボス
2019:支持フレーム
301:パッケージ層
3011:粘着性熱伝導材料
3012:デバイス
3013:デバイス端子ウィンドウ
3014:第2の金属シード層
3015:第3の金属シード層
3016:第1の線路層
3017:第2の導通線路
3018:放熱線路
401:金型
402:第1のソルダーレジスト層
403:第2のソルダーレジスト層
4031:第2の金属表面処理層
図1
図2-1】
図2-2】
図2-3】
図2-4】
図2-5】