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特許7333555接続継手及び接続継手を用いた排水配管の補修方法
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  • 特許-接続継手及び接続継手を用いた排水配管の補修方法 図1
  • 特許-接続継手及び接続継手を用いた排水配管の補修方法 図2
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  • 特許-接続継手及び接続継手を用いた排水配管の補修方法 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-17
(45)【発行日】2023-08-25
(54)【発明の名称】接続継手及び接続継手を用いた排水配管の補修方法
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/12 20060101AFI20230818BHJP
   E03C 1/232 20060101ALI20230818BHJP
   E03C 1/22 20060101ALI20230818BHJP
   E03C 1/182 20060101ALI20230818BHJP
【FI】
E03C1/12 E
E03C1/232
E03C1/22 A
E03C1/182
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019107286
(22)【出願日】2019-06-07
(65)【公開番号】P2020200624
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2022-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000157212
【氏名又は名称】丸一株式会社
(72)【発明者】
【氏名】福井 一徳
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-105521(JP,A)
【文献】実開昭56-041773(JP,U)
【文献】実開昭62-038976(JP,U)
【文献】実開昭49-115233(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/12-1/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の排水口及び第二の排水口を有する槽体と、
前記第一の排水口から連続する第一の排水流路と、
前記第二の排水口から連続し、前記第一の排水流路に形成された合流部へと合流される第二の排水流路を備える排水配管の補修に使用される接続継手であって、
少なくとも前記第二の排水流路の一部は既設の排水配管が使用され、
前記接続継手は可撓性を有し、一端が前記合流部に接続されるとともに、他端が前記既設の排水配管に接続されることを特徴とする接続継手。
【請求項2】
前記第二の排水口が、前記槽体の側面に形成されたオーバーフロー排水口であることを特徴とする請求項1に記載の接続継手。
【請求項3】
前記第二の排水口が、他の槽体に形成された排水口であることを特徴とする請求項1に記載の接続継手。
【請求項4】
前記合流部は、
前記既設の排水配管と交換された排水配管に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の接続継手。
【請求項5】
前記接続継手は前記合流部と前記既設の排水配管に接続された状態で、別の箇所に固定される固定部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1つに記載の接続継手。
【請求項6】
前記排水流路は、内部に封水を貯留する排水トラップを備えるとともに、
前記合流部は前記排水トラップの上流側に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1つに記載の接続継手。
【請求項7】
第一の排水口及び第二の排水口を有する槽体と、
前記第一の排水口から連続する第一の排水流路と、
前記第二の排水口から連続し、前記第一の排水流路に形成された合流部へと合流される第二の排水流路を備える排水配管の補修に使用される接続継手を用いた排水配管の補修方法であって、
少なくとも前記第二の排水流路の一部は既設の排水配管が使用され、
前記既設の排水配管と前記合流部の接続を解除した後、
前記接続継手の一端を前記合流部に接続するとともに、他端を前記既設の排水配管に接続することを特徴とする接続継手を用いた排水配管の補修方法。
【請求項8】
少なくとも前記合流部を有する前記既設の排水配管を取り換える工程と、
当該取り替えた新規の排水配管の合流部に前記接続継手の一端を接続する工程を有することを特徴とする請求項に記載の排水配管の補修方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水配管の補修に用いられる接続継手、及び当該接続継手を用いた排水配管の補修方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の排水配管において、槽体は底面及び側面に開口を有し、底面に形成された開口には排水トラップが取り付けられることによって、第一の排水口が形成されている。一方、側面に形成された開口にはエルボ状のオーバーフロー部材が取り付けられることによって、第二の排水口が形成されている。上記第一の排水口には下水側へと繋がる第一の排水流路が連続しており、槽体内の湯水を排出するとともに、第二の排水口には連結管が接続されることによって、オーバーフロー部材と第一の排水流路を繋ぐ第二の排水流路が形成されている。
上記槽体内に吐出された湯水は第一の排水口へと流入し、第一の排水流路を通じて下水側へ排出される。一方、槽体内に湯水が貯留されると、余剰水がオーバーフロー部材へと流入し、第二の排水流路を通じて第一の排水流路と合流した後、下水側へと排出されることで槽体から湯水が溢れないように構成されている。
【0003】
特許文献2に記載の排水配管は、底面に開口が形成された2つの槽体を備えている。それぞれの槽体は底面の開口に排水トラップと排水口部材が取り付けられることによって、第一の排水口と第二の排水口が形成されている。尚、第一の排水口から連続する第一の排水流路と、第二の排水口から連続する第二の排水流路は合流部によって合流している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実公昭62-35731号公報
【文献】特開平8-170355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記排水配管は老朽化に伴う意匠性の低下、漏水、異臭等の理由から、部材の取り換えや修理を伴う補修を行うことがある。
ここで、一般的に槽体の底面に形成された開口は円形であり、その径はある程度共通化されている。従って、排水口周縁の補修を行う場合において、槽体底面に取り付けられた排水トラップ等の排水配管を取り換えることは比較的容易である。一方、槽体の側面に形成された開口は、矩形や楕円形等、槽体毎に大きく形状が相違し、専用の形状を有するオーバーフロー部材等の排水配管が取り付けられている場合が多い。そのため、オーバーフロー部材は取り換えるための新規な部材を用意しておくことが難しい。又、オーバーフロー部材及び連結管は槽体の裏面等の狭い隙間に配置されていることが多く、取り換えの作業を行うことが困難であった。
しかし、上記理由よりオーバーフロー部材及び連結管については既設の排水配管を利用し、その他の排水配管を取り換えることによって補修を行うと、合流部が補修前の排水配管と異なる位置に配置された場合に連結管が取り換えられた排水配管の合流部に接続ができないという問題があった。尚、連結管が可撓性を有する場合、ある程度位置の調整を行うことも可能であるが、内部に蓄積された汚れや経年劣化によって連結管が硬化している場合があり、連結管の長さが足りている場合であっても、排水配管の合流部に接続することが困難な場合があった。
【0006】
尚、先述したように、槽体側面に取り付けられたオーバーフロー部材等の排水配管の取り換えに比べ、槽体底面に取り付けられた排水トラップ等の排水配管を取り換えることは比較的容易であるが、槽体の底面に形成された開口の形状が非円形であったり、排水口部材自体が錆びてしまっていたりすることにより、槽体底面に取り付けられた排水配管を取り換えることが困難となる場合も存在する。従って、例えば特許文献2に記載の排水配管のように、各槽体の底面に取り付けられた排水配管について、第一の排水流路を形成する排水配管は取り換えにより補修できたが、第二の排水流路を形成する排水配管は錆等の理由によって既設の排水配管を使用しなければならないことがある。この時、既設の排水配管の長さが足りない、又は汚れや経年劣化によって硬化している等の理由により、第二の排水流路を第一の排水流路を合流させることができないという問題が生じていた。
【0007】
本発明は上記問題に鑑み、排水配管の補修について、確実に補修を行うことを可能とし、施工性を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための請求項1に記載の本発明は、第一の排水口及び第二の排水口を有する槽体と、
前記第一の排水口から連続する第一の排水流路と、
前記第二の排水口から連続し、前記第一の排水流路に形成された合流部へと合流される第二の排水流路を備える排水配管の補修に使用される接続継手であって、
少なくとも前記第二の排水流路の一部は既設の排水配管が使用され、
前記接続継手は可撓性を有し、一端が前記合流部に接続されるとともに、他端が前記既設の排水配管に接続されることを特徴とする接続継手である。
【0009】
尚、第一の排水口及び第二の排水口は、同一の槽体が有していても良く、異なる槽体が有していても良い。
【0010】
請求項2に記載の本発明は、前記第二の排水口が、前記槽体の側面に形成されたオーバーフロー排水口であることを特徴とする請求項1に記載の接続継手である。
【0011】
請求項3に記載の本発明は、前記第二の排水口が、前記他の槽体に形成された排水口であることを特徴とする請求項1に記載の接続継手である。
【0012】
請求項4に記載の本発明は、前記合流部は、
前記既設の排水配管と交換された排水配管に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の接続継手である。
【0014】
請求項5に記載の本発明は、前記接続継手は前記合流部と前記既設の排水配管に接続された状態で、別の箇所に固定される固定部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1つに記載の接続継手である。
【0015】
請求項6に記載の本発明は、前記排水流路は、内部に封水を貯留する排水トラップを備えるとともに、
前記合流部は前記排水トラップの上流側に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1つに記載の接続継手である。
【0016】
請求項7に記載の本発明は、第一の排水口及び第二の排水口を有する槽体と、
前記第一の排水口から連続する第一の排水流路と、
前記第二の排水口から連続し、前記第一の排水流路に形成された合流部へと合流される第二の排水流路を備える排水配管の補修に使用される接続継手を用いた排水配管の補修方法であって、
少なくとも前記第二の排水流路の一部は既設の排水配管が使用され、
前記既設の排水配管と前記合流部の接続を解除した後、
前記接続継手の一端を前記合流部に接続するとともに、他端を前記既設の排水配管に接続することを特徴とする接続継手を用いた排水配管の補修方法である。
【0017】
請求項8に記載の本発明は、少なくとも前記合流部を有する前記既設の排水配管を取り換える工程と、
当該取り替えた新規の排水配管の合流部に前記接続継手の一端を接続する工程を有することを特徴とする請求項に記載の排水配管の補修方法である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、排水配管の補修に伴い、合流部が補修前の排水配管と異なる位置に配置された場合であっても、第二の排水流路を第一の排水流路に合流させることが可能となる。又、本発明は接続継手によって既設の排水配管と合流部を接続することから、既設の排水配管が硬化し、可撓性を失っている状態であっても、容易に排水配管の補修を行うことができる。又、接続継手は固定部を有することによって第二の排水流路内が逆勾配になることを防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】既設の排水配管を示す断面図である。
図2】補修に用いられる新規な排水配管を示す断面図である。
図3】接続継手を示す断面図である。
図4】補修が完了した状態を示す断面図である。
図5】第二実施形態に係る既設の排水配管を示す断面図である。
図6】補修が完了した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら排水配管及び接続継手を説明する。尚、以下に記載する発明は実施形態の理解を容易にするためのものであり、これによって発明が制限して理解されるものではない。
【0021】
図1を用いて既設の排水配管について説明する。
槽体B1は流し台であって、底面に形成された第一の排水口H1と、側面に形成された第二の排水口H2を有している。
第一の排水口H1は槽体B1の底面に形成された開口に排水トラップ3が取り付けられることによって形成された排水口である。排水トラップ3は内部に封水を形成し、下流側からの臭気や害虫の逆流を防ぐ部材であり、その下端には直管100が接続されているとともに、側面に形成された合流部81には連結管5が接続されている。
第二の排水口H2は槽体B1の側面に形成された開口にオーバーフロー部材4が取り付けられることによって形成されたオーバーフロー排水口であり、当該オーバーフロー部材4には連結管5が接続されている。尚、図示を省略するが、槽体B1の側面に形成された開口は、正面視において非円形形状を成し、取り付けられるオーバーフロー部材4は槽体B1にのみ使用される専用部材である。
【0022】
オーバーフロー部材4は槽体B1の側面に形成された開口に取り付けられた、断面視略L字状のエルボ部材であり、下流側端部において連結管5が接着されている。連結管5は可撓性を有する塩ビ製のホース管であり、下流側端部にはソケット6及びナット部材7が取り付けられている。尚、連結管5は、一端がオーバーフロー部材4の端部に接着されているとともに、他端がナット部材7によって排水トラップ3の側面に形成された合流部81に接続されている。
【0023】
上記既設の排水配管は第一の排水口H1から連続する第一の排水流路P1と、第二の排水口H2から連続し、合流部81において第一の排水流路P1へと合流する第二の排水流路P2が形成されている。
【0024】
次に、補修によって上記既設の排水配管と交換される新規の排水配管と、補修に使用される接続継手9について図2及び図3を用いて詳細に説明する。
【0025】
排水口部材1は上端に外フランジを有し、ナット部材と螺合されることによって槽体B1底面に形成された開口に取り付けられる。又、排水口部材1は槽体B1に取り付けられた状態において、槽体B1内の湯水を排出する排水口である第一の排水口H1を形成し、下流側端部にはエルボ管2が取り付けられている。
【0026】
エルボ管2は略水平に形成された横管部と、略垂直に形成された縦管部を備えており、縦管部下端に枝管部材8が接続されている。
【0027】
枝管部材8は合流部181が側面に形成された継手であり、上流側にはエルボ管2、下流側には排水トラップ13が接続可能となっているとともに、合流部181には接続継手9が接続可能となっている。尚、合流部181は略水平方向に突設された円筒状の枝管部であり、その外周にはナット部材17に対応する雄螺子が形成されている。
【0028】
排水トラップ13は管体を略S字状に屈曲させた管体であり、内部に封水を形成することによって臭気や害虫の逆流を防止することが可能となっている。又、排水トラップ13の下端は床下から延びる直管100に接続される。
【0029】
図3に示すように、接続継手9は可撓性を有するホース管であって、ホース91、ソケット92a、ソケット92b、ナット部材17から構成されている。ホース91は可撓性を有する塩ビ製であり、その一端にソケット92aが接着されているとともに、他端にはソケット92bが接着されている。ソケット92aは外周において、固定部93と雄螺子を有している。尚、雄螺子は既設の連結管5に取り付けられているナット部材7の雌螺子と螺合可能となっている。ソケット92bはナット部材17の抜脱を防ぐ鍔部が形成されている。
【0030】
次に、排水配管の補修方法について説明する。
【0031】
まず、既設の排水配管に対して、槽体B1よりオーバーフロー部材4及び連結管5を除く各部材を取り外す。
次に、槽体B1に対して排水口部材1、エルボ管2、枝管部材8、排水トラップ13を接続する。この時、エルボ管2の横管部及び縦管部、及び直管100を適宜切断するとともに、各部材の接続箇所を回転させることによって、排水トラップ13が直管100に接続できるように高さや位置合わせを行う。
次に、接続継手9に対し、ホース91の長さを適宜切断して長さを調整した後、ホース91の両端にソケット92a、ソケット92b、ナット部材17を取り付ける。そして、ソケット92aと既設の連結管5の端部に取り付けられたナット部材7を螺合させるとともに、ソケット92bと合流部181を螺合させることによって、既設の連結管5と合流部181を接続継手9を介して接続する。
最後に、固定部93にヒモ等の支持部材の一端を取り付け、槽体B1裏面に取り付けたフック120に支持部材の他端を取り付けることによって、連結管5又は接続継手9内部が逆勾配とならないように接続継手9を固定する。
【0032】
上記各工程により補修された排水配管は、図4に示すように、排水口部材1によって槽体B1の底面に形成された排水口である第一の排水口H1から連続する第一の排水流路P1と、オーバーフロー部材4によって槽体B1の側面に形成されたオーバーフロー排水口である第二の排水口H2から連続する第二の排水流路P2を備えており、第二の排水流路P2は合流部181において第一の排水流路P1と合流する。
従って、槽体B1内に排出された湯水は第一の排水口H1に流入し、エルボ管2、枝管部材8、排水トラップ13、直管100を通って下水側へと排出される。一方、第一の排水口H1に厨芥が詰まった場合や、栓蓋(図示せず)によって第一の排水口H1が閉塞されると、槽体B1内に湯水が貯留され、水位が上昇する。この時、水位がオーバーフロー部材4の下端よりも高くなると、余剰水が第二の排水口H2へと流入し、オーバーフロー部材4及び連結管5を通じて排水され、合流部181において第一の排水流路P1と合流する。
【0033】
本発明の第一実施形態は以上である。ここで、第一実施形態において、第一の排水口H1は槽体B1の底面に形成されており、第二の排水口H2は同一の槽体B1の側面に形成されたオーバーフロー排水口であったが、図5及び図6に示す第二実施形態のように、第二の排水口H2が、他の槽体B3に形成された排水口であっても良い。
【0034】
図5に示すように、第二実施形態に係る既設の排水配管は、流し台である槽体B2と槽体B3の2つの隣接する槽体を備え、槽体B2の底面には第一の排水口H1が形成されており、槽体B3の底面には第二の排水口H2が形成されている。
第一の排水口H1は槽体B1の底面に形成された開口に排水トラップ3が取り付けられることによって形成された排水口である。排水トラップ3は内部に封水を形成し、下流側からの臭気や害虫の逆流を防ぐ部材であり、その下端には直管100が接続されているとともに、側面に形成された合流部81には連結管5が接続されている。
第二の排水口H2は槽体B3の底面に形成された開口に排水口部材11が取り付けられることによって形成された排水口であり、当該排水口部材11には可撓性を有するホース管である連結管5が接続されている。
【0035】
上記既設の排水配管は、第一の排水口H1から連続する第一の排水流路P1と、第二の排水口H2から連続し、合流部81において第一の排水流路P1へと合流する第二の排水流路P2が形成されている。
【0036】
次に、上記既設の排水配管の補修方法について説明する。尚、第二実施形態において、補修によって既設の排水配管と交換される新規の排水配管は、上記第一実施形態と同一であるため、同一の番号を付してその説明を省略する。
【0037】
まず、既設の排水配管に対して、槽体B2より排水口部材11及び連結管5を除く各部材を取り外す。
次に、槽体B2に対して排水口部材1、エルボ管2、枝管部材8、排水トラップ13を接続する。この時、エルボ管2の横管部及び縦管部、及び直管100を適宜切断するとともに、各部材の接続箇所を回転させることによって、排水トラップ13が直管100に接続できるように高さや位置合わせを行う。
次に、接続継手9に対し、ホース91の長さを適宜切断して長さを調整した後、ホース91の両端にソケット92a、ソケット92b、ナット部材17を取り付ける。そして、ソケット92aと既設の連結管5の端部に取り付けられたナット部材7を螺合させるとともに、ソケット92bと合流部181を螺合させることによって、既設の連結管5と合流部181を接続する。
最後に、固定部93にヒモ等の支持部材の一端を取り付け、槽体B1裏面に取り付けたフック120に支持部材の他端を取り付けることによって、連結管5又は接続継手9内部が逆勾配とならないように接続継手9を固定する。
【0038】
上記各工程により補修された排水配管は、図6に示すように、排水口部材1によって槽体B2の底面に形成された排水口である第一の排水口H1から連続する第一の排水流路P1と、排水口部材11によって槽体B3の底面に形成された排水口である第二の排水口H2から連続する第二の排水流路P2を備えており、第二の排水流路P2は合流部181において第一の排水流路P1と合流する。
従って、槽体B2内に排出された湯水は第一の排水口H1に流入し、エルボ管2、枝管部材8、排水トラップ13、直管100を通って下水側へと排出される。一方、槽体B3内に排出された湯水は第二の排水口H2へと流入し、排水口部材11及び連結管5を通じて排水され、合流部181において第一の排水流路P1と合流する。
【0039】
本発明によれば、排水配管の補修に伴い、合流部181が補修前の排水配管と異なる位置に配置された場合であっても、第二の排水流路P2を第一の排水流路P1に合流させることが可能となる。又、本発明は接続継手9によって既設の排水配管と合流部181を接続することから、既設の排水配管が硬化し、可撓性を失っている状態であっても、排水配管の補修を行うことができる。又、接続継手9は固定部93に支持部材が取り付けられることによって固定されており、第二の排水流路P2内が逆勾配になることを防ぐことが可能となる。
【0040】
本発明の実施形態は以上であるが、本発明は発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更を加えても良い。
例えば、槽体は流し台に限るものではなく、洗面台や浴槽であっても良い。
又、接続継手9は可撓性を有するホース管であったが、硬質の直管等を使用しても良い。この場合においても、作業者は現場において適宜接続継手の長さを調節し、合流部と既設の排水配管を接続することが可能となる。
【符号の説明】
【0041】
B1、B2、B3 槽体
H1 第一の排水口
H2 第二の排水口
P1 第一の排水流路
P2 第二の排水流路
1、11 排水口部材
2 エルボ管
3、13 排水トラップ
4 オーバーフロー部材
5 連結管
6 ソケット
7、17 ナット部材
8 枝管部材
81、181 合流部
9 接続継手
91 ホース
92a、92b ソケット
93 固定部
100 直管
120 フック
図1
図2
図3
図4
図5
図6