(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-17
(45)【発行日】2023-08-25
(54)【発明の名称】封止したアノード構造を備える、ハイブリッド型固体電池
(51)【国際特許分類】
H01M 10/0585 20100101AFI20230818BHJP
H01M 4/13 20100101ALI20230818BHJP
H01M 4/62 20060101ALI20230818BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20230818BHJP
H01M 10/0562 20100101ALI20230818BHJP
【FI】
H01M10/0585
H01M4/13
H01M4/62 Z
H01M10/04 Z
H01M10/0562
(21)【出願番号】P 2020541529
(86)(22)【出願日】2019-01-30
(86)【国際出願番号】 US2019015869
(87)【国際公開番号】W WO2019152531
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2022-01-12
(32)【優先日】2018-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520272949
【氏名又は名称】サクウ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ログレン フィリップ イー.
【審査官】結城 佐織
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-226666(JP,A)
【文献】米国特許第08304115(US,B1)
【文献】特表2016-517146(JP,A)
【文献】国際公開第2012/020699(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0019493(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/0585
H01M 4/62
H01M 4/13
H01M 10/04
H01M 10/0562
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アノード受容空間、カソード受容空間、アノード受容空間とカソード受容空間の間のセパレータ、及び複数の集積電子伝導回路をそれぞれが含む、少なくとも2つの電気化学サブセルハウジング
を備える、一体型セラミック電気化学セルハウジングであって、
前記複数の集積電子伝導回路のうちの第1の集積電子伝導回路が、前記アノード受容空間の中のアノード集電体として構成されており、前記複数の集積電子伝導回路のうちの第2の集積電子伝導回路が、前記カソード受容空間の中のカソード集電体として配置されて
おり、かつ
カソード層が、カソード液(catholyte)を含むように構成された充填開孔を含み、前記充填開孔が、封止部を含む、
前記セルハウジング。
【請求項2】
前記アノード受容空間が、固体電解質で部分的に満たされた密閉封止容積として構成されている、請求項1に記載の一体型セラミック電気化学セルハウジング。
【請求項3】
前記固体電解質が、高密度セラミックを含む、請求項2に記載の一体型セラミック電気化学セルハウジング。
【請求項4】
前記高密度セラミックが、ホウ化物、炭化物、窒化物、リン化物、酸化物、セレン化物、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項3に記載の一体型セラミック電気化学セルハウジング。
【請求項5】
前記固体電解質が、前記セパレータと前記アノード集電体の間の連続イオン伝導率のネットワークを形成する、請求項2に記載の一体型セラミック電気化学セルハウジング。
【請求項6】
前記固体電解質が、前記アノード受容空間の20%~80%の容積を占有する、請求項5に記載の一体型セラミック電気化学セルハウジング。
【請求項7】
前記アノード集電体が、前記少なくとも1つの電気化学サブセルハウジングの前記アノード受容空間のための、及び前記少なくとも2つの電気化学サブセルハウジングの前記第2の電気化学サブセルハウジングの第2のアノード受容空間のための集電体として機能する、請求項1に記載の一体型セラミック電気化学セルハウジング。
【請求項8】
前記カソード受容空間が、1%~60%の容積のセラミック材料のストランドで部分的に満たされている、請求項1に記載の一体型セラミック電気化学セルハウジング。
【請求項9】
前記少なくとも2つの電気化学サブセルハウジングのそれぞれの間に絶縁材料を更に含む、請求項1に記載の一体型セラミック電気化学セルハウジング。
【請求項10】
前記封止部が、前記カソード液を分離して前記カソード受容空間からの圧力除去を提供するように構成されている、請求項
1に記載の一体型セラミック電気化学セルハウジング。
【請求項11】
前記アノード受容空間が、最初の充電段階の間にアノード活物質で満たされる、請求項
1に記載の一体型セラミック電気化学セルハウジング。
【請求項12】
前記アノード受容空間が封止されており、前記カソード受容空間が部分的に封止されている、請求項
1に記載の一体型セラミック電気化学セルハウジング。
【請求項13】
複数のアノードサブセル集電体と接続するアノード電気接触部、及び複数のカソードサブセル集電体と接続するカソード電気接触部を更に含む、請求項1に記載の一体型セラミック電気化学セルハウジング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年1月31日出願の「HYBRID SOLID-STATE CELL」と題する、米国仮特許出願第62/624,476号の優先権を主張し、その内容はその全体が参照により組み込まれる。本出願は、2019年1月30日出願の米国特許出願第16/262,058号の優先権も主張する。
【0002】
本出願は、2018年1月30日出願の「CERAMIC LITHIUM RETENTION DEVICE」と題する、米国特許出願第15/883,698号とも関連し、その開示全体が本明細書に参照により組み込まれる。
【0003】
発明の分野
本発明は、一体型セラミック電気化学セルハウジング、及び関連する製造方法に関する。
【背景技術】
【0004】
背景
リチウムイオン電池(LIB)は、それに先行するNiCad及びリチウム水素電池と比較して、ワット時当たりのエネルギー密度及びコストの著しい改善を提供する。にもかかわらず、LIBを作製する製造コストは、電気自動車で大変な費用がかかる。更に、低エネルギー密度は、我々の電子機器を望ましいものより大きくかつ嵩高にする。当分野での最近の改善は、固体電池の密度を増加させることによって、これらの欠点に対処することが試みられてきた。
【0005】
金属リチウムアノードを備える電池が優れたエネルギー密度を提供する一方で、充電式電池は、充電サイクルの間のデンドライト形成のリスクがあるため、金属リチウムアノードで構成することができない。充電サイクルの間のデンドライト形成は、液体電解質の点火の間の爆発及び燃焼を引き起こす短絡になる。液体電解質は、易燃性の有機溶媒であり、アノードとカソードの間のデンドライト成長を防止する。その結果、LIBは通常、インターカレーションアノードから構成され、それによって、リチウムイオンが、集電体上にめっきされる代わりに、結晶構造に挿入されるのが可能になる。リチウムイオンを結晶構造の中に挿入することは、アノードの有効なエネルギー貯蔵容量をリチウム金属の理論容量の10%未満に下げる。
【0006】
液体電解質は、電池の最大電圧も制限する。一般的な液体電解質は、アノードとカソードの間の4ボルトより高い差で分解して、それは、LIBの最高開路電圧を約3.8ボルトに効果的に制限する。リチウムアノードに対して6ボルトを生じ得るカソード材料は実際的であるが、液体電解質を備える電池では使用可能とはみなされない。このような高電圧カソードを使用する能力は、電池のエネルギー密度を50%増加させることができる。
【0007】
明らかな解決策は、デンドライト形成を阻止して、6ボルトを上回る電位に影響を受けず、液体電解質に等しいまたはそれに近づくイオン伝導率を有する、不燃性電解質を使用することである。高いリチウムイオン伝導率を備えるセラミックがその要件を満たす一方で、それは、実際的な実現を妨げる物理的及び化学的特性も有する。例えば、セラミック材料は通常、堅くてもろい。更に、実用電池は積み重ねたサブセルから構成され、それぞれは、電気化学電池の基本要素の非常に薄い層を含む。一般的な方法は、シートの薄層(セパレータ用<40μm)を作製することによって電池を構築することと、それらを順序正しく組み立てることと、を含む。しかし、薄層はもろくて、おおよそ平坦でなく、接触面全体で個別層の間の不連続な接触を引き起こす。積み重ねた層に圧力を加えることは、接触を改善する傾向があるが、容認できないほど層を破断させる危険性を増加させる。
【0008】
そのうえ、積み重ねた層に圧力を加えることは、層の間の統合した接触を作成することができず、それどころか、2つの表面の間に圧力接触を作成する。通常の電池材料は、周囲環境に反応する接触を引き起こす、化学的な活性がある。言い換えると、表面接触は、類似材料の間であっても、接触点で増加したイオン及び/または電気抵抗に影響されやすい。
【0009】
金属リチウムアノードを備える電池と関連する他の欠点は、アノード空間の周囲に本当の密閉封止を得る難しさを含む。アノード空間内のいかなる酸素または水の侵入もリチウムの酸化を引き起こすので、非密閉封止は電気容量を低減させ、電池の中への酸素または水漏れとして最終的に電池を破壊する。液体電解質が大きな欠点を提示することは明らかだが、液体電解質は、リチウム原子がリチウムイオンに酸化した任意のオープンスペースの中に流入することができ、セパレータ上をカソードへと移動して、電池全体にわたってイオン伝導率を維持する。セラミック電解質は、この能力を備えていない。結果として、セラミック電解質を使用する従来の方法は、金属リチウムとセラミックカソードの間に平面界面を作成することである。このようにして、セラミック電解質に近いリチウムの薄層だけが酸化することができ、電解質内へ移動できる。その結果は、アノードのエネルギー貯蔵容量への非常に大きな制限になる。金属リチウムアノードの使用できる厚さが堆積した金属の一部だけなので、薄膜固体電池は典型的にこの欠点を示す。
【0010】
現在の固体電池の開発努力の短所に取り組む必要性がある。
【発明の概要】
【0011】
概要
一体型セラミック電気化学セルハウジングを提供する。前記ハウジングは、2つ以上の電気化学サブセルハウジングを含む。電気化学サブセルハウジングのそれぞれは、アノード受容空間、カソード受容空間、アノード受容空間とカソード受容空間の間のセパレータ、及び集積電子伝導回路を含む。第1の集積電子伝導回路は、アノード受容空間の中のアノード集電体として構成される。第2の集積電子伝導回路は、カソード受容空間の中のカソード集電体として配置される。
【0012】
いくつかの実施形態で、アノード受容空間は、固体電解質材料のストランドで部分的に満たされた密閉封止容積として構成される。固体電解質材料は、高密度セラミックを含む。高密度セラミックは、ホウ化物、炭化物、窒化物、リン化物、酸化物、セレン化物、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、またはそれらの組み合わせからなる群から選択されることができる。固体電解質のストランドは、セパレータとアノード集電体の間の連続イオン伝導率のネットワークを形成できる。
【0013】
電解質のストランドは、アノード受容空間の20%~80%を占有できる。アノード集電体は、電気化学サブセルハウジングのアノード受容空間、及び第2の隣接する電気化学サブセルハウジングの第2のアノード受容空間のための集電体として役立つことができる。
【0014】
カソード受容空間は、1%~60%の容積のセラミック材料のストランドで部分的に満たすことができる。別の実施形態で、カソード受容空間は、セラミック電解質材料がない場合がある。一体型セラミック電気化学セルハウジングは、各電気化学サブセルハウジングの間に絶縁材料を含むこともできる。
【0015】
カソード層は、カソード液(catholyte)を含むように構成された充填開孔の封止構造を含むことができる。封止構造は、カソード液を分離して、カソード受容空間からの圧力除去を提供するように構成されることができる。アノード受容空間は、最初の充電段階の間にアノード活物質で満たされることができる。
【0016】
アノード受容空間は封止されることができ、カソード受容空間は部分的に封止されることができる。一体型セラミック電気化学セルハウジングは、アノードサブセル集電体と接続するアノード電気接触部、及びカソードサブセル集電体と接続するカソード電気接触部も含むことができる。
【0017】
一体型セラミック電気化学セルハウジングを組み立てるための製造方法も、提供される。前記方法は、多層構造を形成するために前駆体材料を可撓性形態で堆積させる工程を含むことができる。前記方法は、堆積層間の物理的界面のない1つの一体構造へと前駆体を変換するために多層構造を加熱する工程も含むことができる。いくつかの実施形態で、形態は、ペースト、流動性を有する粉末及びグリーンテープからなる群から選択される流体である。いくつかの実施形態では、前駆体は、追加の製造技術を使用して堆積する。
[本発明1001]
アノード受容空間、カソード受容空間、アノード受容空間とカソード受容空間の間のセパレータ、及び複数の集積電子伝導回路をそれぞれが含む、少なくとも2つの電気化学サブセルハウジング
を備える、一体型セラミック電気化学セルハウジングであって、
前記複数の集積電子伝導回路のうちの第1の集積電子伝導回路が、前記アノード受容空間の中のアノード集電体として構成されており、前記複数の集積電子伝導回路のうちの第2の集積電子伝導回路が、前記カソード受容空間の中のカソード集電体として配置されている、
前記セルハウジング。
[本発明1002]
前記アノード受容空間が、固体電解質で部分的に満たされた密閉封止容積として構成されている、本発明1001の一体型セラミック電気化学セルハウジング。
[本発明1003]
前記固体電解質が、高密度セラミックを含む、本発明1002の一体型セラミック電気化学セルハウジング。
[本発明1004]
前記高密度セラミックが、ホウ化物、炭化物、窒化物、リン化物、酸化物、セレン化物、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、本発明1003の一体型セラミック電気化学セルハウジング。
[本発明1005]
前記固体電解質が、前記セパレータと前記アノード集電体の間の連続イオン伝導率のネットワークを形成する、本発明1002の一体型セラミック電気化学セルハウジング。
[本発明1006]
前記固体電解質が、前記アノード受容空間の20%~80%の容積を占有する、本発明1005の一体型セラミック電気化学セルハウジング。
[本発明1007]
前記アノード集電体が、前記少なくとも1つの電気化学サブセルハウジングの前記アノード受容空間のための、及び前記少なくとも2つの電気化学サブセルハウジングの前記第2の電気化学サブセルハウジングの第2のアノード受容空間のための集電体として機能する、本発明1001の一体型セラミック電気化学セルハウジング。
[本発明1008]
前記カソード受容空間が、1%~60%の容積のセラミック材料のストランドで部分的に満たされている、本発明1001の一体型セラミック電気化学セルハウジング。
[本発明1009]
前記少なくとも2つの電気化学サブセルハウジングのそれぞれの間に絶縁材料を更に含む、本発明1001の一体型セラミック電気化学セルハウジング。
[本発明1010]
カソード層が、カソード液(catholyte)を含むように構成された充填開孔を含み、前記充填開孔が、封止部を含む、本発明1001の一体型セラミック電気化学セルハウジング。
[本発明1011]
前記封止部が、前記カソード液を分離して前記カソード受容空間からの圧力除去を提供するように構成されている、本発明1010の一体型セラミック電気化学セルハウジング。
[本発明1012]
前記アノード受容空間が、最初の充電段階の間にアノード活物質で満たされる、本発明1011の一体型セラミック電気化学セルハウジング。
[本発明1013]
前記アノード受容空間が封止されており、前記カソード受容空間が部分的に封止されている、本発明1011の一体型セラミック電気化学セルハウジング。
[本発明1014]
複数のアノードサブセル集電体と接続するアノード電気接触部、及び複数のカソードサブセル集電体と接続するカソード電気接触部を更に含む、本発明1001の一体型セラミック電気化学セルハウジング。
[本発明1015]
多層構造を形成するために、前駆体材料を可撓性形態で堆積させる工程と、
堆積層間の物理的界面のない1つの一体構造へと前記前駆体を変換するために、前記多層構造を加熱する工程と
を含む、一体型セラミック電気化学セルハウジングを組み立てるための製造方法。
[本発明1016]
前記可撓性形態が、ペースト、流動性を有する粉末、及びグリーンテープからなる群から選択される流体である、本発明1015の製造方法。
[本発明1017]
前記前駆体材料を堆積させる工程が、3次元(3D)印刷及び積層テープ堆積の組み合わせを含む、本発明1015の製造方法。
[本発明1018]
前記前駆体材料を堆積させる工程が、追加的な製造プロセスを使用することを含む、本発明1015の製造方法。
[本発明1019]
前記追加的な製造プロセスが、前記一体型セラミック電気化学セルハウジングの各層の3次元(3D)印刷を含む、本発明1018の製造方法。
[本発明1020]
前記前駆体材料を堆積させる工程が、所望のパターンに調製されて設計順序に積み重ねられかつ一緒に積層されたグリーン(未焼成(unfired))テープの層を堆積させることを含む、本発明1015の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0018】
上述の開示、ならびにその利点及び特徴を得られ得る方法を記載するために、上述の原則の更に具体的な説明は、添付の図面に示す具体例を参照することで行われる。これらの図面は、本開示の例示の態様だけを表し、したがって、その範囲を制限するとみなされるべきではない。これらの原則は、以下の図面を用いて、更に具体的かつ詳細に記載されて説明される。
【
図1】本開示の実施形態による、代表的な固体電池を示す。
【
図2】本開示の実施形態による、
図1の代表的な固体電池の統合したフレーム構造を示す。
【
図3】本開示の実施形態による、サブセルハウジングを示す。
【
図4】本開示の実施形態による、サブセルハウジングを示す。
【
図5】本開示の実施形態による、サブセルハウジングを示す。
【
図6】本開示の実施形態による、サブセルハウジングの製造方法を示すフローチャートである。
【
図7】本開示の実施形態による、
図1の代表的な固体電池の代替の統合したフレーム構造を示す。
【
図8】本開示の実施形態による、
図1の代表的な固体電池のアノード層を示す。
【
図9】本開示の実施形態による、
図1の代表的な固体電池のカソード層を示す。
【
図10】本開示の実施形態による、
図1の代表的な固体電池のセルの概略図を示す。
【
図11】本開示の実施形態による、
図1の代表的な固体電池のセルの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
詳細な説明
本発明は、添付図面を参照して説明され、類似の参照番号は、図の全体にわたって類似または同等の要素を示すために使用される。図は縮尺して描かれておらず、それらは、単に本発明を例示するためだけに提供されている。本発明のいくつかの態様は、説明のための例示の用途を参照して後述される。多数の具体的な詳細、関係及び方法は、本発明を完全に理解するために記載されることを理解すべきである。しかし、関連技術分野の当業者であれば、本発明が、具体的な詳細のうちの1つ以上がなくても、または他の方法により実施され得ることを容易に認識するであろう。他の場合で、周知の構造または動作は、本発明を不明瞭にするのを避けるために詳細には示されない。いくらかの行為が異なる順番で及び/または他の行為または事象と並行して生じ得る際、本発明は、行為または事象の例示の順番で制限されない。更に、すべての例示した行為または事象が、本発明による方法を実施するために必要というわけではない。
【0020】
前述したことを考慮すると、本明細書で開示した実施形態は、一体型セラミック電気化学セルハウジングを作製する装置及び製造プロセスに関する。一体型セラミック電気化学セルハウジングは、現在のリチウムイオン電池(LIB)より低いワット当たりのコストで作製される。容積エネルギー密度は、現在のLIBより著しく高く、数ミリワット時からキロワット時の範囲の容量である。いくつかの実施形態で、マルチマテリアル付加プロセスは、最終材料の前駆体から電池を組み立てるために組み込まれて、組み立てが終了したとき、前駆体をその最終的な特性に変換する。これらのマルチマテリアル付加プロセスは、その最終的な特性で、セラミックシートから電池を組み立てる欠点を除去するために実施される。前駆体は、流体または可塑的に変形可能なシート状態であり得て、それは層状にされて、前駆体として一緒に結合されることができる。この状態の前駆体は、取り扱いやすく、所望の構成に形成するのも容易である。
【0021】
その結果、最終的な特性への変換の後、得られる構造は、隣接層が接合された識別可能な界面のない一体構造ブロックである。異なる前駆体材料の層の界面は、2つの最終材料の間の伝導率を最適化するように化学的かつ物理的に設計されている。具体的には、本物の化学結合は界面で形成されることができ、材料の間の環境または不完全な接触による制御されない反応の可能性を回避することは、界面の所望の特性を危うくする。いくつかの実施形態の前駆体の変換は、前駆体の有機材料成分を取り除き、残留する構成要素を最終的な所望の化学的性質に変換して、それらのそれぞれの密度目標に最終材料を焼結する、熱処理プロセスを含む。
【0022】
開示したマルチマテリアル付加プロセスは、充電状態を問わず、液体電解質が完全に電極空間全体のイオン伝導率を維持するのを可能にする、設計も作成する。例えば、電解質の多孔質構造はアノード空間全体に作製され得て、それは、固体電解質セパレータから電極の集電体までイオン導電材料の完全に相互に連結したウェブを形成する。イオン伝導性ウェブの隣接部分の間の距離が、イオンをイオン伝導性電解質に変え得る最大距離の2倍未満であるように、多孔質構造を構成できる。
【0023】
開示したマルチマテリアル付加プロセスは、類似の組成物を備えるカソードを、従来のリチウムイオン電池で使用される通常のカソードに組み込む、複合型電池設計、及びそれが密閉封止空間であるアノードの費用効果的な構成も提供する。具体的には、アノードは、片側を集電体に、反対側をセパレータに結合され得、イオン伝導性多孔質構造で満たされ、電池構造の製造直後の任意のインターカレーションホストまたは活性電荷移動イオンを欠き得る。活性電荷移動イオン(例えば、リチウム)は、電池の調節または最初の充電の間、カソードからアノード集電体までリチウムをめっきすることによって、アノード空間に導かれることができる。
【0024】
図1は、本開示の実施形態による、代表的な固体電池100を示す。固体電池100の一般的な構造は、
図2に示すように、一体化かつ高度に統合したフレーム構造102を含むことができる。統合したフレーム構造102は、1つから何千も積み重ねられたサブセルハウジング80を含むことができる。
【0025】
図2を参照すると、薄層を交互に配置した状態の各サブセルハウジング80は、アノード受容空間41及びカソード受容空間11を含むことができる。アノード受容空間41及びカソード受容空間11は、薄いセパレータ30で区切られることができ、それは、固体電解質から構成され得る。各アノード受容空間41は、固体電解質材料(
図3で32として示される)のストランドで部分的に満たされる密閉封止した所定の容積から構成され得る。
【0026】
図3を参照すると、固体電解質材料32のストランドで部分的に満たされる密閉封止した所定の容積は、制御した多孔質領域(本明細書では「間隙42」と称される)を形成する。固体電解質材料32は、高密度セラミックを含むことができる。この例のために、高密度セラミックは、ホウ化物、炭化物、窒化物、リン化物、酸化物、セレン化物、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、またはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。高密度セラミックは、特定の電池設計の意図する電荷移動イオンの室温伝導率を示す(1×10
-6秒/cmより大きい)、任意のセラミックを含むことができる。いくつかの実施形態で、電荷移動イオンはLi
+である。代替の実施形態で、電荷移動イオンは、Na
+、Mg
+2、K
+及びAl
+3のいずれかであり得る。
【0027】
固体電解質32のストランドは、セパレータ30とアノード集電体50の間の連続イオン伝導率のネットワークを形成できる。多孔性電解質構造は、セパレータ30と類似しているが制御構造を備える、固体電解質材料から作製され得る。電解質の連続ストランドは、間隙42で囲まれることができ、セパレータ30及び集電体50から伸びることができる。間隙42は、セパレータ30からアノード集電体50まで伸びることもできる。いくつかの実施形態で、空隙が残りの容積を占める一方で、電解質のストランドは、アノード受容空間41の容積の20%~80%を占有できる(
図2にも示される)。いくつかの実施形態で、電解質材料の隣接するストランドの間の平均距離が.000001mmと.040mmの間であり得るように、多孔質構造は設計される。
図2を再度参照すると、2つの隣接するサブセルハウジング98のアノード受容空間41を、集電体50によって分離して並置できる。集電体50は、2つの隣接するサブセルハウジング80の両方のアノード受容空間41の集電体として機能できる。
【0028】
各カソード受容空間11は、セラミック材料のストランドで部分的に満たされる所定の容積でもあり得る。いくつかの実施形態で、カソード受容空間11は、制御された多孔質領域を形成できる。他の実施形態に、カソード受容空間11は、いかなるセラミック材料も含まない所定の開放容積であり得る。いくつかの実施形態で、カソード受容空間11の電解質材料のストランドは、総量の0%~60%の容積を占めることができる。更に、電解質材料の隣接するストランドの間の平均距離が0.02mmと200mmの間にあり得るように、電解質材料のストランドを設計できる。
【0029】
セラミック材料のストランドは、アノード受容空間41の多孔質構造と類似のカソード空間の厚さ全体のイオン伝導率を提供する、固体電解質材料を含むことができる。あるいは、セラミックのストランドは、カソード受容空間11の正確な厚さを制御する機械的要素として提供されることができる。
【0030】
いくつかの実施形態で、1つのカソード受容空間が前記2つの隣接するサブセルハウジング80に役立つように、2つの隣接するサブセルハウジング80のカソード受容空間11を構成できる。
図2及び
図11のカソード集電体20を一瞬参照すること。2つの隣接するサブセルのそれぞれは、セパレータ30のカソード側に直接、電子伝導層で構成され得る。2つのサブセルハウジングのカソード受容空間11(
図11に示す)は、2つの隣接するセルハウジングのカソード集電体20によって両側で結合され得る。2つの隣接するサブセルハウジングのセパレータ30の間の距離は、2つの隣接するサブセルの設計パラメータを満たすカソード液の量を含む、カソード受容空間11の容積を作成するために算出され得る。
【0031】
図2を再度参照すると、カソード受容空間11は、セパレータ30の間に延在する少孔質セラミック壁46によって更に画定されて、セパレータ30の間の封止を作製することができる。セラミック壁(
図9に46として示される)は、カソード受容空間11の周囲の少なくともおよそ60%に広がることができる。少孔質セラミックは、固形電解質材料から構成され得る。
【0032】
図7を参照すると、いくつかの実施形態で、各サブセルハウジング80は、絶縁材料層25によって周囲のサブセルハウジング80から離されることができる。絶縁材料は、計算した距離で、隣接するサブセルハウジングのセパレータの間に配置されることができる。前記距離は、カソード液及び電荷移動イオンの量を含むための、カソード受容空間11容積及びアノード受容空間41容積を作成するために算出されることができる。カソード液及び電荷移動イオンの量は、サブセル80の設定パラメータを満たすように設計されている。これらの実施形態で、集電体は、絶縁材料層25の表面に、またはカソード受容空間11の中のどこかに配置されることができる。
【0033】
図3は、本開示の実施形態による、サブセルハウジング80を示す。各サブセルハウジング80は層状構造であり、それは、高密度電解質材料の交互層を有する固体電解質を含むことができる。サブセルハウジング80は、高度に制御された有孔性を備える層も含むことができる。層は、アノード層44、カソード層10及びセパレータ層30を含む。セパレータ層が高密度電解質から構成されることができると共に、アノード層及びカソード層は高度な多孔質から構成され得る。アノード層44は、アノード受容空間41、少孔性境界60(
図8に示す)及びアノード集電体50を含むことができる。カソード層10は、カソード受容空間11、少孔性境界46及び充填開孔49(
図9に示す)から構成され得る。少孔性境界46は、高密度セラミック材料で構成することができる。いくつかの実施形態では、高密度セラミック材料は、固体電解質を含むことができる。少孔性境界60は、アノード受容空間41を環境から完全かつ気密に封止する。少孔性境界46はまた、カソード受容空間11を部分的に取り囲み、カソード受容空間をサブセルハウジング内の他の層から物理的に隔離することができる。
【0034】
図3を再度参照すると、セパレータ30は、各サブセルハウジングのアノード受容空間41を各サブセルのカソード受容空間11から分離して、空間の間の接触を除去するように構成される。セパレータ層30は、正確な厚さで構成されて、それに開孔がないことを確実にすることができる。好ましい実施形態にて、セパレータ層の厚さは、0.00001mm~1.0mmの間の範囲であり得る。アノード受容空間41及びカソード受容空間11の厚さは、特定の材料の性能を最適化するように構成されることができる。開放容積及び固体電解質のストランドの構成も、特定の材料の性能を最適化するように設計されている。
【0035】
上述のように、カソード層10は、カソード液で部分的にまたは完全に満たされた、カソード受容空間11を含むことができる。少孔性セラミック壁は、カソード受容空間の中の少なくとも一部のカソード受容空間11及びカソード集電体20の周囲に配置されることができる。
カソード層10は、カソード液を含むように構成された充填開孔49(
図2及び
図9に示す)の封止構造も含むことができる。封止構造は、環境からカソード液を保護して、カソード受容空間11からの圧力除去を提供するように構成されることができる。セパレータ層30は、電気的に絶縁したセラミック材料を含むことができる。いくつかの実施形態で、電気的に絶縁したセラミック材料の少なくとも中心部は、サブセルの設計電荷移動イオンに適切な固体電解質を含む。少孔性セラミック壁は固体電解質材料も含むことができて、サブセルのための保護包装としても機能できる。
【0036】
好ましい実施形態にて、アノード受容空間41、カソード受容空間11、セパレータ30及び集電体50及び20の多層構造は、存在するカソード液またはアノード活物質なしで組み立てられることができる。カソード液材は、充填開孔49(
図2及び
図9に示される)を通して挿入されて、カソード層10の適所に封入されることができる。カソード液材は、カソード活物質、サブセルの電荷移動イオンのための電解質、及び電子伝導材料から構成され得る。電子伝導材料は、炭素、金属または電子伝導セラミックを含むことができる。カソード活物質は、電荷移動イオンに適したインターカレーションホスト材料から構成され得る。
【0037】
図5を特に参照すると、多孔質アノード受容空間41の間隙42は、電池の最初の充電の間にアノード活物質43で部分的に満たされることができる。いくつかの実施形態で、アノード活物質43は、金属リチウムを含むことができる。アノード活物質は、アノード集電体上へ電気めっきされて、アノード受容空間41の充填を開始できる。それから、アノード活物質は、アノード受容空間41がアノード活物質43で満たされるまで、以前にめっきしたアノード活物質上へ電気めっきされ得る。
【0038】
カソード液材は、カソード液材を流体に変換することと、真空力の下で流体材料を多孔質構造の中に引き入れることと、によってカソード受容空間10に挿入されることができる。いくつかの実施形態で、カソード液材を流体に変換することは、カソード液材を溶融させること、カソード液材を固体及び液体材の混合物に混合すること、溶媒にカソード液材を溶かすこと、またはカソード液材を微粉末に変換すること、を含むことができる。代替的実施形態で、カソード液材は、固体または半固体構造として構成されることができる。前記構造は、カソード受容空間に精密に適合するように成形され得る。この実施形態にて、カソード液材構造は、対応するカソード受容空間に直接挿入され、その中に固定され得る。
【0039】
サブセルは、残りの構造を損傷することなく、カソード受容空間の中へのカソード液材の導入を可能にするように構成されることができる。例えば、すべてのカソード受容空間が、少孔性セラミック壁46によって、容積のようなシートの端の少なくとも4分の3に沿って連続的に封止されるように、サブセルは構成されることができる。いくつかの実施形態で、カソード受容空間は、全周の1/1,000~1/2から開いている。いくつかの実施形態で、カソード受容空間は、積み重ねた電池層の第1の位置で開いている。第1の位置は、カソード受容空間の充填開孔が流体カソード液材の中に浸漬されるのを可能にする。いくつかの実施形態で、充填開孔は、流体カソード液材に完全に浸漬され得る。
【0040】
更に、サブセルは、アノードサブセル集電体のすべてと接続する、
図10及び
図11のアノード電気接触部92を含む。アノード電気接触部は、サブセルの外側上に電気接触を生じさせるための拡張を含む。サブセルは、カソードサブセル集電体のすべてと接続する、
図10及び
図11のカソード電気接触部94を含む。カソード電気接触部は、サブセルの外側上に電気接触を生じさせるのに都合がよい拡張を含む。
【0041】
いくつかの実施形態で、電解質構造は、固体電池100の基本的なフレーム構造及び外骨格である。連続電解質は、電子伝導部位へ/それからリチウムイオンを輸送するためにアノード領域の中に必要である。固体電解質は、電池への充電サイクルの間、十分に高密度化したセラミック構造がリチウムデンドライトの成長を防止する際、アノードとカソード領域の間のセパレータ30としても機能できる。アノード及びカソード領域にて、電解質は、液体電解質と匹敵する多孔質構造を形成でき、充電状態を問わず、3次元空間の全体にわたってイオン転送を可能にする。電解質構造は電極領域の端を封止でき、サブセル周囲で効果的にパッケージを完成する。その成果は、類似材料の層の界面で、見かけの不連続さのない電池全体にわたる連続構造として統合された、高密度及び多孔質層を交互に配置する構造である。化学的に異なる材料の界面で、このような界面の唯一の不連続さが接続している層の化学組成物中にあるように、異なる材料の特性は構成される。
【0042】
いくつかの実施形態で、固体電池構造の組み立ては、層または部分層の経時的な堆積により達成される。層または部分層の堆積は、所望の最終材料の前駆体として、個別層の機能のために適切にパターン化されることができる。前駆体は、熱処理の後に所望の高密度及び電気化学特性を形成する材料の混合物を含む。材料の混合物は、所定の構成の前駆体材料を結合するためにも機能できる。結合材料は、所望の端材料を形成するものとは別個の材料であり得る。この場合、結合材料は、熱処理プロセスの間に構造から除去される。他の実施形態に、結合材料は、所望の端材料を形成することができて、結合特性を有することができる。
【0043】
図6は、サブセルハウジングの製造プロセスを示すフローチャートである。工程601で、前駆体材料は、高度に可撓性だがもろくない形態で堆積する。例えば、前駆体材料は、シートの完全性を損なわずに容易に可塑的に変形するシートを含む、流体として堆積できる。流体は、ペースト、流動性を有する粉末及びグリーンテープを含むことができる。前駆体が、1つの形態または2つ以上の形態の組み合わせで堆積され得ることを理解すべきである。電池構造のすべての層が堆積した後、完成した構造は、工程602で前駆体を所望の物理及び電気化学特性に変換するために熱処理されることができる。更に、熱処理は、堆積層の間に物理的界面なしで単一の一体型構造を作製する。
【0044】
いくつかの実施形態で、前駆体は、追加の製造技術を使用して堆積する。例えば、前駆体は、コンピュータシステムを伴い、構造の各層のCADデータによって導かれる3次元(3D)プリンタを使用して堆積できる。代替的実施形態にて、前駆体は、所望のパターンに調製されて設計順序に積み重ねられかつ一緒に積層されたグリーン(未焼成(unfired))テープの層として堆積させることができる。代替的実施形態にて、3D印刷及び積層テープ堆積プロセスは、完全な構造を形成するために組み込まれることができる。
【0045】
カソードは有機液体電解質を含むが、固体電池の全体の液量は標準LIBの約10%である。この液体の低減は、標準LIBと比較して固体電池100の爆発及び火災の可能性を著しく減らす。
【0046】
いくつかの実施形態について示し記載したが、より広い態様で本発明から逸脱せずに変更及び修正が可能であることは、当業者には明らかだろう。したがって、添付の特許請求の範囲が目的とすることは、本発明の真の趣旨及び範囲に属する、このようなすべての変更及び修正を網羅することである。前述の記載及び添付の図面に掲げる事項は、単に例示的なものとして提供されており、限定するものではない。従来技術に基づいて適切な全体像を見るとき、本発明の実際の範囲は、以下の請求項に定められることを意図する。
【0047】
本明細書で使用する用語は、特定の実施形態を説明するだけのためのものであり、本発明を制限することは意図されない。本明細書で使用する場合、単数形「a」「an」及び「the」には、文脈で明らかにそうでないことを明示されない限り、複数形も同様に包含することを意図する。更に、「含んでいる(including)」「含む(includes)」「有している(having)」「有する(has)」「備える(with)」またはその変形の用語を詳細な説明及び/または特許請求の範囲のいずれかで使用する限りにおいて、このような用語は「備えている(comprising)」という用語と同様の方法で包括的であることを意図している。
【0048】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術及び科学用語を含む)は、本発明が属する当業者により一般的に理解されるものと同じ意味を有する。更に、用語(例えば、一般に使用される辞書で定義されるもの)は、関連技術の前後関係の意味と整合する意味を有するとして解釈されなければならず、本明細書ではっきりと定義されない限り、理想的なまたは過度に形式的な意味で解釈されない。