(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-17
(45)【発行日】2023-08-25
(54)【発明の名称】リフトピン、半導体製造装置およびリフトピン製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20230818BHJP
【FI】
H01L21/68 N
(21)【出願番号】P 2022538113
(86)(22)【出願日】2021-02-01
(86)【国際出願番号】 JP2021003466
(87)【国際公開番号】W WO2022162928
(87)【国際公開日】2022-08-04
【審査請求日】2022-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】510052285
【氏名又は名称】株式会社 天谷製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000420
【氏名又は名称】弁理士法人MIP
(72)【発明者】
【氏名】松本 宗之
(72)【発明者】
【氏名】福井 宏和
【審査官】湯川 洋介
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0252229(US,A1)
【文献】特開2009-59867(JP,A)
【文献】実開平5-66989(JP,U)
【文献】中国実用新案第203434136(CN,U)
【文献】特開2003-218003(JP,A)
【文献】特開2001-267217(JP,A)
【文献】国際公開第2018/142788(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体製造装置において基板の搬送時に前記基板を持ち上げる昇降機構に取り付けられ、前記基板を支持するリフトピンであって、
前記基板の持ち上げ時に当該基板と当接する先端部分が丸みを有する第1の部材と、前記昇降機構と接続される第2の部材とから構成され、
前記第1の部材は、前記基板よりも硬度が低く、かつ、当該リフトピンの直径よりも長手方向の寸法が大きく、
前記第2の部材は、前記第1の部材よりも強度が高く、前記第2の部材の長手方向の全外面を長手方向に前記第1の部材が覆うか、又は前記第1の部材が前記第2の部材の内部を長手方向に全長にわたり延びることを特徴とする、
リフトピン。
【請求項8】
半導体製造装置において基板の搬送時に前記基板を持ち上げる昇降機構に取り付けられ、前記基板を支持するリフトピンの製造方法であって、
前記基板よりも硬度が低い材料を、凸型部分を有し、前記凸型部分の反対側の先端部分が丸みを有し、かつ、当該リフトピンの直径よりも長手方向の寸法が大きい第1の部材として加工する第1の工程と、
前記第1の部材よりも強度が高い材料を、凹型部分を有する第2の部材として加工する第2の工程と、
前記第1の部材と、前記第2の部材とを嵌合する工程と
を含み、
前記第1の部材が前記第2の部材の内部を長手方向に全長にわたり延びることを特徴とする、リフトピン製造方法。
【請求項9】
前記第1の工程は、前記凸型部分の長手方向の面を、凹凸形状に加工し、
前記第2の工程は、前記凹型部分の長手方向の面を、凹凸形状に加工する、
請求項8に記載のリフトピン製造方法。
【請求項10】
半導体製造装置において基板の搬送時に前記基板を持ち上げる昇降機構に取り付けられ、前記基板を支持するリフトピンの製造方法であって、
前記基板よりも硬度が低い材料を、凹型部分を有し、前記凹型部分の反対側の先端部分が丸みを有し、かつ、当該リフトピンの直径よりも長手方向の寸法が大きい第1の部材として加工する第1の工程と、
前記第1の部材よりも強度が高い材料を、凸型部分を有する第2の部材として加工する第2の工程と、
前記第1の部材と、前記第2の部材とを嵌合する工程と
を含み、
前記第2の部材の長手方向の全外面を長手方向に前記第1の部材が覆うことを特徴とする、リフトピン製造方法。
【請求項11】
前記第1の工程は、前記凹型部分の長手方向の面を、凹凸形状に加工し、
前記第2の工程は、前記凸型部分の長手方向の面を、凹凸形状に加工する、
請求項10に記載のリフトピン製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を支持するリフトピン、このリフトピンを備える半導体製造装置およびこのリフトピンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ステージ上に載置された基板上に半導体材料を結晶成長させて成膜し、半導体デバイスを製造する装置(以下、単に「半導体製造装置」として参照する)が開発されている。半導体デバイスを製造するプロセスにおいて半導体製造装置は、高温、高真空といった環境下で反応性ガスを使用するなど、特殊な条件が求められる。したがって、半導体デバイスの歩留まりを向上するために、半導体製造装置の内部は、高い清浄度が要求される。
【0003】
ところで、半導体製造装置において、ホルダ上の基板を搬送する場合には、基板をホルダから持ち上げ、アームを用いるのが一般的である。この際に、昇降機構と連結した支持体(以下、「リフトピン」として参照する)によって、基板の裏面の少なくとも3点を支持し、リフトピンを上昇させることで、基板を持ち上げることができる。
【0004】
リフトピンは基板裏面を支持することから、基板に傷を付けないようにするために、柔らかい材料で構成されていることが好ましい。この点につき、特開2016-225444号公報(特許文献1)では、リフトピンの少なくともその表層域が、基板を載置するサセプタよりも強度が低い材料で構成されたリフトピンを開示している。
【0005】
しかしながら、半導体製造装置の内部環境は、上述した通り特殊なものであり、リフトピンの寿命に影響を及ぼし得る。加えて、リフトピンは、基板の裏面のうちリフトピンと接触する部分を汚染させない材料を選択することが求められる。このようなリフトピンの耐久性能や基板の汚染などについては、特許文献1にでは考慮されておらず、リフトピンの構成に関して、さらなる技術開発が求められていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術における課題に鑑みてなされたものであり、強度を確保し、かつ、基板に影響を及ぼさないリフトピン、半導体製造装置およびリフトピン製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明によれば、
半導体製造装置において基板の搬送時に前記基板を持ち上げる昇降機構に取り付けられ、前記基板を支持するリフトピンであって、
前記基板の持ち上げ時に当該基板と当接する第1の部材と、前記昇降機構と接続される第2の部材とから構成され、
前記第1の部材は、前記基板よりも硬度が低く、
前記第2の部材は、前記第1の部材よりも強度が高いことを特徴とする、
リフトピンが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、強度を確保し、かつ、基板に影響を及ぼさないリフトピン、半導体製造装置およびリフトピン製造方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態の半導体製造装置の内部空間の概略構成を示す図。
【
図2】本実施形態の半導体製造装置において基板を搬送する際のリフトピンの動作例を示す図。
【
図3】本実施形態の半導体製造装置において基板を搬送する際のリフトピンの動作例を示す図。
【
図4】本実施形態のリフトピンの構造の例を示す断面図。
【
図5】本実施形態のリフトピンを製造する第1の製造方法を示す図。
【
図6】本実施形態のリフトピンを製造する第2の製造方法を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を、実施形態をもって説明するが、本発明は後述する実施形態に限定されるものではない。なお、以下に参照する各図においては、共通する要素について同じ符号を用い、適宜その説明を省略するものとする。
【0011】
なお、以下に説明する実施形態では、半導体製造装置1は、基板Wとガス状の前駆体材料とを反応させて、基板Wの表面に半導体材料を結晶成長させる、CVD(Chemical Vapor Deposition)法を採用した装置を例に説明するが、特に実施形態を限定するものではない。したがって、スパッタリング法、ALD(Atomic Layer Deposition)法やMBE(Molecular Beam Epitaxy)法など、種々の結晶成長を行う半導体製造装置1に対して、本実施形態を適用することができる。
【0012】
図1は、本実施形態の半導体製造装置1の内部空間の概略構成を示す図である。本実施形態の半導体製造装置1は、内部の空間の所定の位置において、基板Wと前駆体材料とを反応させて、基板Wの表面に半導体材料を結晶成長させる。そのため、基板Wは、半導体製造装置1内を随時搬送され、ホルダなどに載置される。
【0013】
基板Wの搬送は、リフトピン10によってホルダから持ち上げられ、後述するアームなどによって行われうる。リフトピン10は、基板Wを裏面側から支持し、昇降機構によって上下方向に移動する部品である。本実施形態の半導体製造装置1は、基板Wを安定的に支持するために、
図1に示すように、少なくとも3のリフトピン10a、10b、10cを備える。
【0014】
次に、基板Wの搬送について、
図2および
図3を以て説明する。
図2および
図3は、本実施形態の半導体製造装置1において基板Wを搬送する際のリフトピン10の動作例を示す図である。なお、以下に説明する実施形態では、リフトピン10の数が3つである半導体製造装置1を例示しているが、特に実施形態を限定するものではない。
【0015】
まず、
図2について説明する。
図2は、本実施形態のリフトピン10の動作例の側面図であり、
図2(a)は基板Wがホルダ20に載置された状態を示し、
図2(b)は基板Wがホルダ20から持ち上げられた状態を示している。
【0016】
図2(a)に示すように、ホルダ20は、リフトピン10a~10cが通り抜ける穴が設けられており、昇降機構によってリフトピン10a~10cは、図中の矢印の方向に移動する。リフトピン10a~10cが上昇すると、各リフトピン10はホルダ20に載置された基板Wに当接し、さらに上昇することで、基板Wがホルダ20から持ち上がる。したがって、基板Wは
図2(b)に示すような状態となり、その後、アームなどによって搬送される。なお、ホルダ20は、基板Wの結晶成長プロセスにおいて加熱されることがあり、熱の均一性の観点から、リフトピン10が通る穴は小さいほうが好ましい。そのため、リフトピン10の形状も、一般に細いものとなる。
【0017】
次に、
図3について説明する。
図3は、本実施形態のリフトピン10の動作例の斜視図であり、
図3(a)は基板Wがホルダ20に載置された状態を示し、
図3(b)は基板Wがホルダ20から持ち上げられた状態を示している。すなわち、
図3(a)は
図2(a)に対応し、
図3(b)は
図2(b)に対応している。なお、
図3においては、図面の見やすさの観点から、
図2におけるホルダ20が省略されている点に留意されたい。
【0018】
図3(a)に示すように、リフトピン10a~10cが
図3(a)中の矢印の方向に上昇することで、基板Wに当接され、基板Wが持ち上げられる。このとき、
図3(b)に示すように基板Wは、アーム30に支持される高さまで持ち上げられる。その後、アーム30は、
図3(b)中の矢印の方向に移動し、基板Wの下方に挿入される。アーム30が基板Wの下方に挿入された後、リフトピン10a~10cが下降すると、基板Wがアーム30上に載置され、アーム30が移動することによって、基板Wが搬送される。
【0019】
ところで、基板Wの持ち上げ時のリフトピン10との接触によって基板Wに傷が付くと、半導体デバイスの歩留まりが低下する。したがって、リフトピン10の先端部分は、基板Wよりも柔らかい材料で構成されていることが好ましい。一方で、リフトピン10は細長い形状をしていることから、繰り返しの搬送プロセスに耐えうる強度を有していることが好ましい。また、半導体製造装置1の内部空間の清浄性を維持するために、リフトピン10の材料は、高温、高真空に耐え、かつ、前駆体材料に対して耐腐食性を有していることが求められる。そのため、リフトピン10は、以下に説明するような実施形態の構造とすることが好ましい。
【0020】
図4は、本実施形態のリフトピン10の構造の例を示す断面図である。本実施形態のリフトピン10は、
図4(a)~(f)に示すような種々の構造を採用することができる。本実施形態のリフトピン10は、リフトピン10の先端部分を構成する第1の部材11と、リフトピン10の下方の昇降機構と接続される第2の部材12とから構成される。リフトピン10は、第2の部材12と接続される昇降機構が駆動することによって垂直方向に移動することができ、第1の部材11は、基板Wの持ち上げ時に、基板Wの裏面と当接する。
【0021】
図4に示すように、本実施形態の各構造例のリフトピン10は、第1の部材11と、第2の部材12とで、異なる材料を用いる。特に、先端部分を構成する第1の部材11は、基板Wよりも硬度の低い材料を用いることで、搬送プロセスにおいて基板Wを傷つけることなく、基板Wを持ち上げることができる。一般的な半導体製造プロセスにおいては、例えばSi(シリコン)基板、Ge(ゲルマニウム)基板、SiC(シリコンカーバイド)基板、サファイア基板、GaN(窒化ガリウム)基板、GaP(リン化ガリウム)基板、GaAs(ヒ化ガリウム)基板、InP(リン化インジウム)基板などの各種材料の基板が用いられる。したがって、本実施形態における第1の部材11の材料は、これらの基板材料よりも硬度の低いものを選択し得る。第1の部材11の材料には、例えば、ポリイミド樹脂、テフロン(登録商標)、ゴム、カーボングラファイトなどを用いることができるが、特に実施形態を限定するものではない。
【0022】
一方で、リフトピン10の全体を第1の部材11のように柔らかい材料で構成すると、搬送プロセスにおけるリフトピン10の強度が十分に確保されにくくなる。そこで、第2の部材12は、第1の部材11よりも強度の高い材料を用いることで、繰り返しの搬送プロセスに耐えることができる。ここで、本実施形態の説明において用いられる「強度の高い材料」とは、リフトピン10としての十分な強度が確保できること、すなわち基板Wの昇降や搬送に耐え得る強度であること、また、結晶成長プロセスにおける加熱に耐え得ることを意味する。第2の部材12の材料には、例えば、タングステン、ジルコニア、各種セラミックス材料、各種金属材料などを用いることができるが、特に実施形態を限定するものではない。
【0023】
以下では、
図4(a)~(f)に示すリフトピン10の各構造の詳細について説明する。
【0024】
まず、
図4(a)について説明する。
図4(a)は、本実施形態のリフトピン10の構造の第1の例を示している。第1の例のリフトピン10は、
図4(a)に示すように、第1の部材11の下部に第2の部材12が配置された構造である。第1の例において、第1の部材11と、第2の部材12とは、接着剤などによって固定することができる。第1の例のリフトピンは、第1の部材11を柔らかい材料で構成し、第2の部材12を強度の高い材料で構成していることから、基板Wへの傷を抑制しつつ、リフトピン10の強度を向上することができる。
【0025】
次に、
図4(b)について説明する。
図4(b)は、本実施形態のリフトピン10の構造の第2の例を示している。第2の例のリフトピン10は、
図4(b)に示すように、第2の部材12の少なくとも先端部分が第1の部材11で覆われた構造である。すなわち、第2の例のリフトピン10は、第1の部材11の凹部に、第2の部材12が嵌合した構造である。
図4(b)に示した構造とすることで、第2の例のリフトピン10は、第1の部材11に第2の部材12が嵌め込まれ、かつ、各部材が接触する面積を大きくできるため、第1の例のリフトピン10よりも強度を向上することができる。
【0026】
次に、
図4(c)について説明する。
図4(c)は、本実施形態のリフトピン10の構造の第3の例を示している。第3の例のリフトピン10は、
図4(c)に示すように、円筒形状の第2の部材12の中空部分に、第1の部材11が嵌合した構造である。
図4(c)に示した構造とすることで、第3の例のリフトピン10は、第1の部材11が第2の部材12に嵌め込まれ、かつ、各部材が接触する面積を大きくできるため、第1の例のリフトピン10よりも強度を向上することができる。
【0027】
次に、
図4(d)について説明する。
図4(d)は、本実施形態のリフトピン10の構造の第4の例を示している。第4の例のリフトピン10は、
図4(d)に示すように、第1の部材11が窪み部分を有しており、第2の部材12の一部が、第1の部材11の窪み部分に嵌合した構造である。なお、第4の例のリフトピン10も、
図4(c)に示した第3の例のリフトピン10と同様に、第2の部材12が中空部分を有する形状とすることができる。すなわち、第4の例のリフトピン10は、第1の部材11と、第2の部材12とが、相互に嵌合している構造となる。
図4(d)に示した構造とすることで、第4の例のリフトピン10は、第1の部材11と第2の部材12とを相互に嵌め込んで固定することができ、かつ、各部材が接触する面積を大きくできるため、第3の例のリフトピン10よりも強度を向上することができる。
【0028】
次に、
図4(e)について説明する。
図4(e)は、本実施形態のリフトピン10の構造の第5の例を示している。第5の例のリフトピン10は、
図4(e)に示すように、
図4(b)に示したリフトピン10の構造において、第1の部材11と、第2の部材12とが長手方向において接触する面に凹凸形状を有した構造である。
図4(e)に示した構造とすることで、第5の例のリフトピン10は、第1の部材11と第2の部材12とを摩擦によって固定することができるため、第2の例のリフトピン10よりも強度を向上することができる。
【0029】
次に、
図4(f)について説明する。
図4(f)は、本実施形態のリフトピン10の構造の第6の例を示している。第6の例のリフトピン10は、
図4(f)に示すように、
図4(c)に示したリフトピン10の構造において、第1の部材11と、第2の部材12とが長手方向において接触する面に凹凸形状を有した構造である。
図4(f)に示した構造とすることで、第6の例のリフトピン10は、第1の部材11と第2の部材12とを摩擦によって固定することができるため、第3の例のリフトピン10よりも強度を向上することができる。
【0030】
図4に説明した構造とすることによって、本実施形態のリフトピン10は、基板Wを傷つけず、かつ、搬送プロセスの繰り返しに耐える強度を有することができる。なお、
図4(b)~(f)のリフトピン10においても、第1の部材11と、第2の部材12とを、接着剤などで接着して固定することができる。
【0031】
次に、本実施形態のリフトピン10を製造する各種方法について、
図5および
図6を以て説明する。なお、本実施形態のリフトピン10は、
図5および
図6に示す以外の方法によっても製造することができ、以下の説明は、特に実施形態を限定するものではない。
【0032】
図5は、本実施形態のリフトピン10を製造する第1の製造方法を示す図である。なお、
図5に示す第1の製造方法は、特に
図4(c)や
図4(d)の構造のリフトピン10を製造するのに適している。
【0033】
第1の製造方法では、まず
図5(a)に示すように、第2の部材12を円筒形状に加工する工程を行う。なお、第2の部材12は、加工されたものを用意することで、
図5(a)の工程としてもよい。
【0034】
次に、
図5(b)のように、液状の第1の部材11を、第2の部材12の中空部分に注入する工程を行う。その後、
図5(c)では、注入された第1の部材11を硬化させる工程を行う。
【0035】
さらにその後、
図5(d)に示すように、硬化した第1の部材11を所定の形状に形成する工程を行う。以上の
図5(a)~(d)に示した工程を行うことで、
図4(b)に示したような本実施形態のリフトピン10を製造することができる。
【0036】
続いて、
図6について説明する。
図6は、本実施形態のリフトピン10を製造する第2の製造方法を示す図である。なお、
図6では、
図4(f)に示したリフトピン10を製造する方法を例に説明しているが特に実施形態を限定するものではなく、他の構造のリフトピン10を製造する場合であっても
図6の製造方法を採用することができる。
【0037】
第2の製造方法では、まず
図6(a)に示すように、第1の部材11と、第2の部材12とを所定の形状に加工する工程を行う。
図6(a)の例では、第1の部材11を凸型部分を有する形状に加工し、第2の部材12を凹型部分を有する形状に加工する。
【0038】
また、
図6(a)の工程では、第1の部材11の凸型部分や、第2の部材12の凹型部分の長手方向の面、すなわち対になる部材と接触する面が凹凸形状となるように加工してもよい。このようにして、凸型部分や凹型部分の側面を凹凸形状に加工することで、
図4(f)に示したようなリフトピン10を製造することができる。
【0039】
その後、第2の部材12の凹型部分に第1の部材11を嵌合させる工程を行うことで、
図6(b)に示すように、本実施形態のリフトピン10を製造することができる。なお、第2の製造方法における嵌合させる工程では、第1の部材11と第2の部材12とが接触する面に接着剤を塗布してもよく、これによって、リフトピン10の強度をさらに向上させることができる。
【0040】
以上、説明した本発明の実施形態によれば、強度を確保し、かつ、基板に影響を及ぼさないリフトピン、半導体製造装置およびリフトピン製造方法を提供することができる。
【0041】
以上、本発明について実施形態をもって説明してきたが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、当業者が推考しうる実施態様の範囲内において、本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0042】
1…半導体製造装置、
10…リフトピン、
11…第1の部材、
12…第2の部材、
20…ホルダ、
30…アーム、
W…基板
【先行技術文献】
【特許文献】
【0043】