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特許7333683情報提供システム、情報提供方法及びコンピュータープログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-17
(45)【発行日】2023-08-25
(54)【発明の名称】情報提供システム、情報提供方法及びコンピュータープログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/33 20190101AFI20230818BHJP
   G06F 16/903 20190101ALI20230818BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230818BHJP
【FI】
G06F16/33
G06F16/903
G06Q50/10
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018055154
(22)【出願日】2018-03-22
(65)【公開番号】P2019168848
(43)【公開日】2019-10-03
【審査請求日】2020-08-31
【審判番号】
【審判請求日】2022-09-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 開催日:平成29年11月6日 集会名:COTOHA/AI活用コンテスト、開催場所:東京都港区芝浦3丁目4-1 田町グランパーク プラザ棟 田町グランパークカンファレンス 301大会議室
(73)【特許権者】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504126835
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂入 雄毅
(72)【発明者】
【氏名】造酒 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】奥井 颯平
【合議体】
【審判長】須田 勝巳
【審判官】山澤 宏
【審判官】山崎 慎一
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-333498(JP,A)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーが所望する撮影に関して、ユーザー端末から送信された画像であってユーザーが欲している画像に類似するとユーザーが認識している画像である希望画像の特徴を示す要求特徴情報を生成する特徴情報生成部と、
画像を撮影するための情報である撮影情報と、前記撮影情報にしたがって撮影され画像そのものの特徴を示す検索特徴情報と、を対応づけて記憶する検索データベースから、前記要求特徴情報に類似する検索特徴情報と対応づけられている撮影情報を取得し、前記ユーザー端末へ提供する検索部と、
を備え
前記特徴情報生成部は、前記ユーザー端末から採点対象の画像として送信された採点対象画像の特徴を示す採点特徴情報をさらに生成し、
画像に対する評価を示すスコアと、前記スコアが得られた画像の特徴を示すスコアリング特徴情報と、を対応づけて記憶するスコアリングデータベースから、前記採点特徴情報に類似するスコアリング特徴情報と対応づけられているスコアを取得し、前記ユーザー端末へ提供する採点部をさらに備える、情報提供システム。
【請求項2】
ユーザーが所望する撮影に関して、ユーザー端末から送信された画像であってユーザーが欲している画像に類似するとユーザーが認識している画像である希望画像の特徴を示す要求特徴情報を生成する特徴情報生成ステップと、
画像を撮影するための情報である撮影情報と、前記撮影情報にしたがって撮影され画像そのものの特徴を示す検索特徴情報と、を対応づけて記憶する検索データベースから、前記要求特徴情報に類似する検索特徴情報と対応づけられている撮影情報を取得し、前記ユーザー端末へ提供する検索ステップと、
を有し、
前記特徴情報生成ステップにおいて、前記ユーザー端末から採点対象の画像として送信された採点対象画像の特徴を示す採点特徴情報をさらに生成し、
画像に対する評価を示すスコアと、前記スコアが得られた画像の特徴を示すスコアリング特徴情報と、を対応づけて記憶するスコアリングデータベースから、前記採点特徴情報に類似するスコアリング特徴情報と対応づけられているスコアを取得し、前記ユーザー端末へ提供する採点ステップをさらに備える、情報提供方法。
【請求項3】
請求項1に記載の情報提供システムとしてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーに対しカメラを用いた撮影に関する情報を提供するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラが普及している。オート撮影のみでは満足しないユーザーは、様々な情報媒体を用いて撮影時のカメラの設定や工夫やコツに関する情報を収集している。情報媒体の一例として、書籍、雑誌、Web又はSNS等がある。また、ユーザーに対して有益な情報を推薦する技術も提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-299370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、WebやSNSにおいて適切な情報を取得しようとすると、ある程度の知識を有していることを前提として適切且つ専門的なキーワードを選択する必要があった。そのため、ユーザーにとって自身が思い描く理想とする画像があったとしても、そのような画像を撮影するために必要な情報がどこに存在しているのか判断することが難しかった。
上記事情に鑑み、本発明は、ユーザーが潜在的又は顕在的に欲している画像に近い画像を撮影することを可能とする情報を提供する技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、ユーザーが所望する撮影に関して、ユーザー端末から送信されたユーザーの発言情報又は画像の特徴を示す要求特徴情報を生成する特徴情報生成部と、画像を撮影するための情報である撮影情報と、前記撮影情報にしたがって撮影される画像に関連する文字列又は画像そのものの特徴を示す検索特徴情報と、を対応づけて記憶する検索データベースから、前記要求特徴情報に類似する検索特徴情報と対応づけられている撮影情報を取得し、前記ユーザー端末へ提供する検索部と、を備える情報提供システムである。
【0006】
本発明の一態様は、上記の情報提供システムであって、前記特徴情報生成部は、前記ユーザー端末から採点対象の画像として送信された採点対象画像の特徴を示す採点特徴情報をさらに生成し、画像に対する評価を示すスコアと、前記スコアが得られた画像の特徴を示すスコアリング特徴情報と、を対応づけて記憶するスコアリングデータベースから、前記採点特徴情報に類似するスコアリング特徴情報と対応づけられているスコアを取得し、前記ユーザー端末へ提供する採点部をさらに備える。
【0007】
本発明の一態様は、ユーザーが所望する撮影に関して、ユーザー端末から送信されたユーザーの発言情報又は画像の特徴を示す要求特徴情報を生成する特徴情報生成ステップと、画像を撮影するための情報である撮影情報と、前記撮影情報にしたがって撮影される画像に関連する文字列又は画像そのものの特徴を示す検索特徴情報と、を対応づけて記憶する検索データベースから、前記要求特徴情報に類似する検索特徴情報と対応づけられている撮影情報を取得し、前記ユーザー端末へ提供する検索ステップと、を有する情報提供方法である。
【0008】
本発明の一態様は、上記の情報提供システムとしてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、ユーザーが潜在的又は顕在的に欲している画像に近い画像を撮影することを可能とする情報を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の情報提供システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。
図2】提供装置30の機能構成を示す概略ブロック図である。
図3】検索テーブルの具体例を示す図である。
図4】数値ベクトルとして表される検索特徴情報の具体例を示す図である。
図5】スコアリングテーブルの具体例を示す図である。
図6】検索ベクトル及び要求ベクトルの具体例を示す図である。
図7】情報提供システム100の情報提供処理の動作の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
図8】発言情報に基づいて撮影情報が提示される場合のユーザー端末10の表示画面11の具体例を示す図である。
図9】希望画像に基づいて撮影情報が提示される場合のユーザー端末10の表示画面11の具体例を示す図である。
図10】情報提供システム100の採点処理の動作の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の具体的な構成例について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の情報提供システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。情報提供システム100には、ユーザー端末10がネットワーク200を介して通信可能に接続される。ネットワーク200は、インターネット等の通信網である。ネットワーク200は、1又は複数のネットワークが接続されることによって構成されてもよい。
【0012】
ユーザー端末10は、ユーザーによって操作される情報処理装置である。ユーザー端末10は、例えばスマートフォン、携帯電話機、パーソナルコンピューター、ウェアラブルコンピューター、ゲーム機、テレビ受像器、デジタルカメラ等の情報処理機能及び通信機能を備えた機器である。ユーザー端末10は、ユーザーによって操作されることによって、ユーザーの発言内容を示す文字(発言情報)や、ユーザーが所望する画像の入力を受け付ける。文字の入力は、タッチパネルやマウスやキーボード等の入力装置を用いて行われる。画像の入力は、ユーザー端末10に備えられたカメラが撮影を行うことによって行われてもよいし、他の装置から出力された画像データを取得することによって行われてもよい。画像データの取得は、例えばUSBメモリ等の記録媒体がユーザー端末10に接続されることによって行われてもよいし、Bluetooth(登録商標)や無線LANや有線LAN等の通信を用いて行われてもよい。
【0013】
ユーザー端末10は、ユーザーによって入力された文字や画像のデータを情報提供システム100に送信する。ユーザー端末10は、情報提供システム100から送信された文字や画像のデータを受信すると、出力装置においてデータを出力する。文字のデータは、画面への表示やスピーカーによる音声出力によって出力されてもよい。画像のデータは、画面への表示によって出力されてもよい。
【0014】
例えば、ユーザーは、ユーザー端末10を操作することによって、情報提供システム100との間で、自身が行う撮影に関する対話を行う。情報提供システム100は、対話の内容や、ユーザーから提示された具体的な画像に基づいて、ユーザーが潜在的又は顕在的に欲している画像に近い画像の撮影情報を判断して提供する。撮影情報とは、ユーザーが撮影を行うにあたって必要となる情報である。撮影情報は、例えば撮影対象の基本情報、位置情報及び撮影手法情報のいずれか一つ又は複数を含む。基本情報は、撮影される画像のジャンル(例えば、風景、人物、乗物など)や、撮影対象の名称(例えば、建築物の名称、物体の名称など)を示す。位置情報は、ユーザーが撮影するための場所を示す情報である。位置情報は、例えば住所や緯度経度を示してもよい。撮影手法は、カメラの設定を示す情報(例えば、焦点距離、ISO感度、F値、シャッタースピード等)、撮影に適したタイミング(季節、時間帯、天候条件など)、撮影時の留意事項(三脚の必要性、レンズフィルターの必要性など)を示す情報である。ユーザーは、情報提供システム100によって提供された撮影情報にしたがって撮影を行うことによって、自身が潜在的又は顕在的に欲している画像に近い画像をより容易に撮影することができる。
【0015】
情報提供システム100は、対話装置20及び提供装置30を含む。
対話装置20は、パーソナルコンピューターやサーバー装置等の情報処理装置を用いて構成される。対話装置20は、予め定められたシナリオ情報に基づいてユーザーとの対話を行う。対話装置20は、ユーザー端末10からユーザーの発言情報を受信すると、ユーザーの発言情報に対し自然言語処理を実行することによって、ユーザーの発言に対して望ましい応答文を示す応答情報を生成する。望ましい応答文とは、例えばユーザーから、ユーザーが潜在的又は顕在的に欲している画像に関する発言を引き出すための問いかけであってもよい。望ましい応答文とは、例えばユーザーから、ユーザーが顕在的に欲している画像に類似するとユーザーが認識している画像(以下「希望画像」という。)をユーザーに送信させることを促す問いかけであってもよい。望ましい応答文は、予め対話について機械学習を行うことによって得られた学習結果に基づいて決定されてもよい。
【0016】
対話装置20は、ユーザーとの対話によって1又は複数の発言情報や希望画像のデータをユーザー端末10から受信すると、要求情報を生成する。要求情報は、提供装置30に対して撮影情報の提供を要求することを示す情報である。要求情報には、ユーザー端末10から受信された発言情報や希望画像のデータが含まれる。対話装置20は、要求情報を提供装置30に送信する。対話装置20は、提供装置30から、発言情報や希望画像に応じた撮影情報を受信すると、受信された撮影情報に基づいて応答情報を生成する。対話装置20は、生成された応答情報をユーザー端末10に送信する。
【0017】
提供装置30は、パーソナルコンピューターやサーバー装置等の情報処理装置を用いて構成される。図2は、提供装置30の機能構成を示す概略ブロック図である。提供装置30は、通信部31、検索データベース32、スコアリングデータベース33及び制御部34を備える。
【0018】
通信部31は、ネットワークインターフェースである。通信部31は、他の装置との間でネットワーク200を介してデータ通信する。
【0019】
検索データベース32は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。検索データベース32は、検索テーブルを記憶する。図3は、検索テーブルの具体例を示す図である。検索テーブルは、検索特徴情報と撮影情報とを対応づけて有する。検索特徴情報は、要求情報に含まれる発言情報及び希望画像との類似度の判定に用いられる情報である。類似度は、特徴情報同士が類似している度合いを示す。類似度は、特徴情報がベクトルとして表される場合には、ベクトルの距離の近さとして表されてもよい。検索特徴情報は、例えば発言情報と比較可能な特徴情報(以下「対話特徴情報」という。)と、希望画像と比較可能な特徴情報(以下「画像特徴情報」という。)と、を組み合わせることによって構成されてもよい。
【0020】
対話特徴情報は、検索テーブルにおいて対応づけられている撮影情報に従って撮影することによって得られる画像の特徴を示す文字列から得られる特徴情報である。例えば、このような文字列を分散表現により数値ベクトル化することによって対話特徴情報が得られてもよい。数値ベクトル化することによって得られる対話特徴情報を対話ベクトルと呼ぶ。
【0021】
画像特徴情報は、検索テーブルにおいて対応づけられている撮影情報に従って撮影することによって得られる画像の特徴を示す特徴情報である。例えば、このような画像の特徴(色調、被写体など)を数値ベクトル化することによって画像特徴情報が得られてもよい。数値ベクトル化することによって得られる画像特徴情報を画像ベクトルと呼ぶ。
【0022】
図4は、数値ベクトルとして表される検索特徴情報(以下「検索ベクトル」という。)の具体例を示す図である。図4における検索ベクトルは、対話ベクトル及び画像ベクトルを連結することで構成される。対話ベクトルはM個(Mは1以上の整数)の成分で構成される。画像ベクトルは、N個(Nは1以上の整数)の成分で構成される。
【0023】
検索特徴情報及び撮影情報の対応付けは、例えば以下のような処理によって得られてもよい。まず、実際に撮影された画像と、その画像の撮影時に得られた撮影情報と、が取得される。撮影情報は、例えばExif(登録商標)に基づいて取得されてもよい。次に、その画像に対してSNS等の場面で投稿された発言やコメントが取得される。取得された発言やコメントについて自然言語処理を行うことによって、画像に関する文字列が抽出される。抽出される文字列の具体例として、画像を客観的に表現する文字列(例えば「夜景」、「木」、「海」のような撮影対象を示す文字列)や、画像を主観的に表現する文字列(例えば「明るい」、「感傷的」といった感想を示す文字列)がある。抽出された文字列が分散表現により数値ベクトル化されることによって、対話特徴情報が得られる。また、取得された画像の特徴(色調、被写体など)が数値ベクトル化されることによって、画像特徴情報が得られる。対話特徴情報と画像特徴情報とに基づいて検索特徴情報が得られる。そして、得られた検索特徴情報と、画像から得られた撮影情報とを対応づけることによって、検索テーブルの一つのレコードが生成される。なお、上述した具体例は一例にすぎない。他の手段によって検索特徴情報と撮影情報とが対応づけられてもよい。
【0024】
スコアリングデータベース33は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。スコアリングデータベース33は、スコアリングテーブルを記憶する。図5は、スコアリングテーブルの具体例を示す図である。スコアリングテーブルは、スコアリング特徴情報とスコアとを対応づけて有する。スコアリング特徴情報は、採点対象画像の特徴情報(以下「採点特徴情報」という。)と比較可能な特徴情報である。例えば、画像の特徴(色調、被写体など)を数値ベクトル化することによってスコアリング特徴情報が得られてもよい。スコアは、対応づけられているスコアリング特徴情報が示す特徴を有する画像の点数を示す。
【0025】
スコアリング特徴情報及びスコアの対応付けは、例えば以下のような処理によって得られてもよい。まず、実際に撮影された画像と、その画像に対してSNS等の場面でなされた評価を示す情報が取得される。評価を示す情報は、例えば“いいね”等のポジティブな評価を示す操作がなされた回数であってもよい。取得された評価を示す情報に基づいて、所定の基準にしたがってスコアが得られる。取得された画像の特徴(色調、被写体など)が数値ベクトル化されることによって、スコアリング特徴情報が得られる。スコアリング特徴情報とスコアとを対応づけることによって、スコアリングテーブルの一つのレコードが生成される。なお、上述した具体例は一例にすぎない。他の手段によってスコアリング特徴情報とスコアとが対応づけられてもよい。
【0026】
制御部34は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサとメモリとを用いて構成される。制御部34は、プロセッサがプログラムを実行することによって、特徴情報生成部341、検索部342及び採点部343として機能する。制御部34の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されても良い。
【0027】
特徴情報生成部341は、ユーザー端末10から送信された1又は複数の発言情報に対し自然言語処理を実行することによって、発言情報の文字列に応じた特徴情報を生成する。特徴情報は、例えば1又は複数の発言情報に含まれる文字列を分散表現により数値ベクトル化することによって得られてもよい。特徴情報生成部341は、ユーザー端末10から送信された希望画像のデータに対し画像認識処理を行うことによって、希望画像のデータに応じた特徴情報を生成する。特徴情報は、例えば希望画像の特徴(色調、被写体など)を数値ベクトル化することによって得られてもよい。特徴情報生成部341は、発言情報に基づいて得られた特徴情報と、希望画像に基づいて得られた特徴情報と、を連結することによって要求特徴情報を生成する。例えば、発言情報に基づいて得られた特徴情報と、希望画像に基づいて得られた特徴情報と、がそれぞれ数値ベクトルである場合には、これらを連結することによって要求ベクトルとして要求特徴情報が生成されてもよい。特徴情報生成部341は、数値ベクトル化する際に、ユーザー端末10から得られた発言情報及び希望画像に基づいて取得できないベクトル成分が存在する場合には、その成分の値として“値が得られなかったコトを示す値”を付与する。例えば、発言情報は得られたものの希望画像は送信されなかった場合、発言情報のみに基づいて要求ベクトルが生成される。この場合、本来は希望画像のデータに基づいて得られるベクトル成分の値には、“値が得られなかったことを示す値”が付与される。
【0028】
特徴情報生成部341は、ユーザー端末10から採点対象画像が送信されると、採点対象画像に応じた特徴情報である採点特徴情報を生成する。採点特徴情報は、例えば採点対象画像の特徴(色調、被写体など)を数値ベクトル化することによって得られてもよい。
【0029】
図6は、検索ベクトル及び要求ベクトルの具体例を示す図である。検索ベクトルは、対話ベクトルのベクトル成分数“M”と、画像ベクトルのベクトル成分数“N”と、を加算した“M+N”個のベクトル成分で構成される。一方、要求ベクトルでは、必ずしも全てのベクトル成分が得られるとは限らない。例えば、図6(A)の要求ベクトルに示されるように、値が得られなかったベクトル成分には、“値が得られなかったことを示す値”として空白を示すコードが与えられてもよい。図6(A)の例では、対話ベクトルの4つのベクトル成分のうち、2つ目の成分の値が得られていない。また、画像ベクトルについては全てのベクトル成分の値が得られていない。これらを連結することによって、“y_1”、“y_3”及び“y_4”の3つの成分が発言情報から生成され、残るベクトル成分には“値が得られなかったことを示す値”として空白が与えられている。
【0030】
検索部342は、特徴情報生成部341によって生成された要求特徴情報を用いて検索データベース32を検索することによって、要求特徴情報に最も近い検索特徴情報を判定する。そして、検索部342は、判定された検索特徴情報に対応づけて記憶されている撮影情報を取得する。検索部342は、取得された撮影情報をユーザー端末10に提供する。
【0031】
図6(B)は、検索部342が検索を行う際に行う検索ベクトル及び要求ベクトルの加工の具体例を示す図である。検索部342は、要求ベクトルにおいて“値が得られなかったことを示す値”が付与されたベクトル成分が存在する場合、そのベクトル成分を検索ベクトル及び要求ベクトルの双方において欠落させる。図6では、図(A)において空白が与えられていた2番目、5番目、6番目及び7番目のベクトル成分の値を欠落させることによって、図6(B)に示される検索ベクトル及び要求ベクトルが得られる。このような加工が行われることによって、要求ベクトルにおいて全てのベクトル成分の値が得られなかったとしても、最も近い特徴量を有する検索ベクトルを精度よく判定することができる。
【0032】
採点部343は、ユーザー端末10から採点対象画像が送信されると、特徴情報生成部341によって生成された採点特徴情報を用いてスコアリングデータベース33を検索することによって、採点特徴情報に最も近いスコアリング特徴情報を判定する。そして、採点部343は、判定されたスコアリング特徴情報に対応づけて記憶されているスコアを取得する。採点部343は、取得されたスコアを採点結果としてユーザー端末10に提供する。
【0033】
図7は、情報提供システム100の情報提供処理の動作の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。まず、ユーザーは、対話装置20にユーザー端末10を接続するように操作を行う。操作に応じて、ユーザー端末10は、接続要求を対話装置20に送信する(ステップS101)。対話装置20は、接続要求の送信元であるユーザー端末10に接続応答を送信する(ステップS102)。ユーザー端末10は、接続応答を受信すると、ユーザーの発言情報の入力の受け付けを開始する。ユーザーによって発言情報が入力されると(ステップS103)、ユーザー端末10は、入力された発言情報を対話装置20に送信する(ステップS104)。
【0034】
対話装置20は、発言情報を受信すると、受信された発言情報のログを記録する(ステップS105)。対話装置20は、受信された発言情報に対し自然言語処理を実行することによって、ユーザーの発言に対して望ましい応答文を示す応答情報を生成する。そして、対話装置20は、生成された応答情報をユーザー端末10に送信する(ステップS106)。ステップS103~ステップS106の処理が繰り返されることによって、ユーザーと対話装置20との間で会話が行われる。ユーザー端末10から所定の条件を満たす発言情報又は希望画像が受信されると、対話装置20は、要求情報を生成する(ステップS107)。対話装置20は、生成された要求情報を提供装置30に送信する(ステップS108)。
【0035】
提供装置30の特徴情報生成部341は、要求情報を受信すると、受信された要求情報に基づいて要求特徴情報を生成する(ステップS109)。次に、検索部342は、生成された要求特徴情報に基づいて検索データベース32に対し検索処理を行う(ステップS110)。検索処理の実行により、検索部342は、要求特徴情報に最も近い検索特徴情報に対応づけられた撮影情報を取得する。検索部342は、検索された撮影情報を対話装置20に送信する(ステップS111)。このように、提供装置30は、検索された撮影情報を対話装置20に送信することによって、ユーザー端末10に対する情報の提供を行う。対話装置20は、撮影情報を含む応答情報をユーザー端末10に送信する(ステップS112)。ユーザー端末10は、撮影情報を受信すると、受信された撮影情報をユーザーに対して提示する。例えば、ユーザー端末10は、会話の流れの一つの応答文として撮影情報を表示又は音声出力する。
【0036】
図8は、発言情報に基づいて撮影情報が提示される場合のユーザー端末10の表示画面11の具体例を示す図である。図8では、複数の吹き出しが表示されている。画面左から出ている吹き出し(111,113)は、ユーザーがユーザー端末10を操作することによって発言した発言情報を示す。画面右から出ている吹き出し(112,114,115)は、対話装置20が行った発言(応答情報)を示す。図8において、上から順に古い発言情報を示す吹き出しである。図8の例では、まず、ユーザーが“心が落ち着く写真を撮りたい”と要望を示す発言をしている(吹き出し111)。この発言に対し、対話装置20は、ユーザーの発言の解析結果や現在時刻に基づいて“もうすぐ日が暮れるので夜景はどうでしょう”と発言している(吹き出し112)。この応答に対し、ユーザーは“ドライブもしたいな”と発言をしている(吹き出し113)。対話装置20は、一つ前の応答情報にて“夜景”を提案したことや、ユーザーの“ドライブ”というキーワードに基づいて、車と景色との両立を図る提案として“車で行ける絶景の景色を紹介します”と発言している(吹き出し114)。加えて、対話装置20は、吹き出し113までに得られたユーザーの発言情報を含む要求情報を検索装置30に送信する。検索装置30は、ユーザーの発言情報に基づいて撮影情報を取得し、対話装置20に送信する。対話装置20は、検索装置30から受信された撮影情報に基づいて、場所、時刻及び撮影手法を示す情報を吹き出し115に表示している。
【0037】
図9は、希望画像に基づいて撮影情報が提示される場合のユーザー端末10の表示画面11の具体例を示す図である。図9における吹き出しの概念は図8と同様であるので説明を省略する。図9の例では、まず、対話装置20がユーザーに対し“どのような写真をお望みですか?”というように、撮影したい写真に関する情報を引き出すための問いかけをしている(吹き出し121)。この発言に対し、ユーザーは、希望画像を送信した。ユーザーによって希望画像が選択されてアップロードの指示がなされると、ユーザー端末10は指定された希望画像のデータを対話装置20に送信する。送信中の希望画像のデータ又は送信済みの希望画像のデータは、図9の吹き出し122のように、吹き出し中にサムネイル画像として表示されてもよい。対話装置20は、希望画像がユーザー端末10から送信されたことに基づいて、“このように撮影をなさってはいかがでしょうか”という発言をし(吹き出し123)、希望画像を含む要求情報を検索装置30に送信する。検索装置30は、希望画像に基づいて撮影情報を取得し、対話装置20に送信する。対話装置20は、検索装置30から受信された撮影情報に基づいて、場所、時刻及び撮影手法を示す情報を吹き出し124に表示している。
【0038】
図10は、情報提供システム100の採点処理の動作の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。まず、対話装置20は、撮影情報の提供を行った後に所定のタイミングで採点提案をする(ステップS201)。所定のタイミングとは、撮影情報の提供を行った後に所定の時間が経過したタイミングであってもよいし、デジタルカメラによって撮影された写真の画像がユーザー端末10に取り込まれたことを検知したタイミングであってもよいし、他のタイミングであってもよい。ユーザーは、ユーザー端末10に、自身が撮影した撮影画像を入力する(ステップS202)。ユーザーの操作に応じて、ユーザー端末10は撮影画像を採点対象画像として対話装置20に送信する(ステップS203)。対話装置20は、採点対象画像を受信すると、受信された採点対象画像を含む採点要求情報を生成する(ステップS204)。採点要求情報は、提供装置30に対して採点対象画像の採点を要求することを示す情報である。対話装置20は、生成された採点要求情報を提供装置30に送信する(ステップS205)。
【0039】
提供装置30の特徴情報生成部341は、採点対象画像が受信されると、採点対象画像に基づいて採点特徴情報を生成する(ステップS206)。採点部343は、生成された採点特徴情報に基づいて採点処理を行う(ステップS207)。採点処理の実行により、採点部343は、採点特徴情報に最も近いスコアリング特徴情報に対応づけられたスコアを取得する。採点部343は、取得されたスコアを対話装置20に送信する(ステップS208)。対話装置20は、スコアを含む応答情報をユーザー端末10に送信する(ステップS209)。ユーザー端末10は、スコアを受信すると、受信されたスコアをユーザーに対して提示する。例えば、ユーザー端末10は、会話の流れの一つの応答文としてスコアを表示又は音声出力する。
【0040】
このように構成された情報提供システム100では、対話装置20によってユーザーとの間で対話が行われ、対話の中で得られたユーザーの1又は複数の発言情報が提供装置30に送信される。そして、その発言情報に含まれる文字列等に応じた特徴情報が生成され、特徴情報に応じた撮影情報がユーザーに提供される。そのため、ユーザーが対話において、自身の潜在的又は顕在的に欲している画像に応じた発言を行うことで、そのような画像を撮影するために必要な情報が提供される。その結果、提供された情報に基づいて撮影を行うことによって、ユーザーが潜在的又は顕在的に欲している画像に近い画像をより容易に撮影することが可能となる。
【0041】
上述したように、ユーザーは、カメラを用いた撮影に関する専門的なキーワードを知っていなくても、対話装置20との間で一般的な言葉を用いて対話することで、その対話の内容に応じて撮影情報を取得することができる。また、ユーザーはそもそも言葉を用いること無く、自身がそのような写真を撮影したいと考えている画像そのものを対話装置20に送信することによっても、撮影情報を取得することができる。そのため、ユーザーが撮影情報を得るためのハードルを低くすることができる。すなわち、初心者のユーザーであっても、自身の知る限りでの言葉で対話することによって、ユーザーが潜在的又は顕在的に欲している画像に近い画像を撮影することが可能となる。
【0042】
(変形例)
提供装置30は必ずしも1台の装置として構成される必要は無い。例えば、提供装置30が複数台の情報処理装置を用いて構成されてもよい。提供装置30を構成する複数台の情報処理装置は、ネットワーク200等の通信路を介して通信可能に接続され、クラスタマシンやクラウドなどのシステムとして構成されてもよい。
【0043】
提供装置30は、検索データベース32又はスコアリングデータベース33のいずれか一方又は両方を備えない装置として構成されてもよい。この場合、検索データベース32又はスコアリングデータベース33は、提供装置30と通信可能な他の情報処理装置に設けられてもよい。例えば、検索データベース32又はスコアリングデータベース33は、提供装置30と通信可能なファイルサーバーに構築されてもよい。
【0044】
提供装置30は、必ずしも採点部343を備える必要は無い。例えば、特徴情報生成部341及び検索部342を備える装置として提供装置30が構成されてもよい。
【0045】
ユーザー端末10から送信されるユーザーの発言情報は、必ずしも対話に応じた文章である必要は無く、列挙された1又は複数の単語で構成されてもよい。
提供装置30は、対話装置20と一体の装置として構成されてもよい。
提供装置30は、撮影情報又は採点情報を出力する際に、対話装置20を介すること無くユーザー端末10に直接送信することによって情報を提供してもよい。
【0046】
検索部342は、必ずしも要求特徴情報に最も近い検索特徴情報に対応づけられた撮影情報を取得するように構成される必要は無い。例えば、検索部342は、要求特徴情報に近いことを示す所定の閾値内の複数の検索特徴情報を判定し、各検索特徴情報に対応づけられた撮影情報を取得するように構成されてもよい。また、検索部342は、さらに他の条件に基づいて、複数の撮影情報の中から一つ又は複数の撮影情報を選択して、選択された撮影情報をユーザー端末10又は対話装置20に送信してもよい。
【0047】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0048】
100…情報提供システム, 10…ユーザー端末, 20…対話装置, 30…提供装置, 200…ネットワーク, 31…通信部, 32…検索データベース, 33…スコアリングデータベース, 34…制御部, 341…特徴情報生成部, 342…検索部, 343…採点部
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