IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ・ボーイング・カンパニーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-17
(45)【発行日】2023-08-25
(54)【発明の名称】複合部品製造のためのツールアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B29C 70/46 20060101AFI20230818BHJP
   B29C 70/06 20060101ALI20230818BHJP
   B64C 1/00 20060101ALI20230818BHJP
   B64F 5/10 20170101ALI20230818BHJP
【FI】
B29C70/46
B29C70/06
B64C1/00 A
B64F5/10
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019109256
(22)【出願日】2019-06-12
(65)【公開番号】P2020023163
(43)【公開日】2020-02-13
【審査請求日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】16/009,062
(32)【優先日】2018-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】マトラック, マイケル ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ポラス, ディラン イー.
【審査官】北澤 健一
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02927508(EP,A1)
【文献】米国特許第05266137(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 70/00-70/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面(136a)及び少なくとも1つの第1の連結面(132)を含む第1の接合部分(122)を有する第1の部品(112)と、
前記第1の接合部分(122)と連結するように構成された第2の接合部分(124)を有する第2の部品(114)であって、前記第2の接合部分(124)が、上面(136b)、及び前記第1の連結面(132)と相補的な少なくとも1つの第2の連結面(134)を含む、第2の部品(114)と、
前記第1及び第2の接合部分(122、124)を通って延びるファスナ(118、702、802、902、904)と
を備え、
前記第1の接合部分(122)の前記第1の連結面(132)及び前記上面(136a)が鈍角コーナー(552)を形成し、前記第2の接合部分(124)の前記第2の連結面(134)及び前記上面(136b)が鋭角コーナー(572)を形成し、
前記第1の連結面(132)が、前記第2の連結面(134)に接触して、ツールアセンブリ(102)の長手方向軸(254)に沿った前記第1の部品(112)と前記第2の部品(114)との間の相対運動を防止するように構成され
前記第1の部品(112)が第3の連結面(516)及び第1の中間面(514)を更に含み、前記第1の中間面(514)及び前記第1の連結面(132)が鈍角コーナー(554)を形成し、前記第1の中間面(514)及び前記第3の連結面(516)が鈍角コーナー(556)を形成する、ツールアセンブリ(102)。
【請求項2】
前記ファスナ(118、904)が、前記第1及び第2の接合部分(122、124)のタング(582、584)を通って延びる、請求項1に記載のツールアセンブリ(102)。
【請求項3】
前記第1の部品(112)を前記第2の部品(114)に結合するように構成された1つ又は複数の第2のファスナ(702、802)を更に備える、請求項1又は2に記載のツールアセンブリ(102)。
【請求項4】
前記ファスナ(118、904)が、前記ツールアセンブリ(102)の熱膨張を可能にするよう構成されたばね荷重式デバイス又はブラインドファスナを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のツールアセンブリ(102)。
【請求項5】
前記鈍角コーナー(552)が135度であり、前記鋭角コーナー(572)が45度である、請求項1から4のいずれか一項に記載のツールアセンブリ(102)。
【請求項6】
前記第1の部品(112)が、異方性の熱膨張率を有する材料を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のツールアセンブリ(102)。
【請求項7】
前記第1及び第2の接合部分(122、124)によって形成された接合部が、前記第1及び第2の接合部分(122、124)の表面によって画定された1つ又は複数の間隙(602、604、606)を含み、前記1つ又は複数の間隙(602、604、606)に配置された接着材料(612)であって、前記接合部の真空の完全性を維持するように構成された接着材料(612)を更に含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のツールアセンブリ(102)。
【請求項8】
上面(136a)、及び少なくとも1つの第1の連結面(132)を含む第1の接合部分(122)を有する第1の部品(112)と、
前記第1の接合部分(122)と連結するように構成された第2の接合部分(124)であって、上面(136b)、及び前記第1の連結面(132)と相補的な少なくとも1つの第2の連結面(134)を含む第2の接合部分(124)を有する第2の部品(114)と
を備え、
前記第1の部品(112)の前記第1の連結面(132)及び前記上面(136a)が鈍角コーナー(552)を形成し、前記第2の接合部分(124)の前記第2の連結面(134)及び上面(136b)が鋭角コーナー(572)を形成し、
前記第1の連結面(132)が、前記第2の連結面(134)に接触して、ツールアセンブリ(102)の長手方向軸(254)に沿った前記第1の部品(112)と前記第2の部品(114)との間の相対運動を防止するように構成され
前記第1の部品(112)が第3の連結面(516)及び第1の中間面(514)を更に含み、前記第1の中間面(514)及び前記第1の連結面(132)が鈍角コーナー(554)を形成し、前記第1の中間面(514)及び前記第3の連結面(516)が鈍角コーナー(556)を形成する、ツールアセンブリ(102)。
【請求項9】
前記第1の部品(112)が、熱可塑性ポリマー材料、熱硬化性ポリマー材料、又は別のポリマー材料を含む、請求項8に記載のツールアセンブリ(102)。
【請求項10】
前記鋭角コーナー(572)、前記鈍角コーナー(552)、又はその両方が、フィレットコーナー又は面取りコーナーを含む、請求項8又は9に記載のツールアセンブリ(102)。
【請求項11】
前記第2の部品(114)が、前記第1の接合部分(122)又は前記第2の接合部分(124)に類似した形状を有し、かつ前記ツールアセンブリ(102)の第3の部品(202)の第4の接合部分(424)と接合するように構成された、第3の接合部分(422)を更に含む、請求項8から10のいずれか一項に記載のツールアセンブリ(102)。
【請求項12】
前記第1の部品(112)を前記第2の部品(114)に接着する接着材料(612)、前記第1の連結面(132)と前記第2の連結面(134)との間に配置された環状リングシール(1002)、又はそれらの組み合わせを更に含む、請求項8から11のいずれか一項に記載のツールアセンブリ(102)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
政府ライセンス権利
本発明は、米国国防総省により授与された契約番号FA8650-17-C-5715下で政府支援により行われた。政府は、本発明に一定の権利を有する。
【0002】
本開示は、一般に、複合部品製造のためのツールアセンブリ及びその接合部に関する。
【背景技術】
【0003】
複合航空機部品(例えば、翼、胴体セクションなど)などの大型複合部品(作業構成要素とも呼ばれる)を形成するには、大型ツールが必要になりうる。このようなツールには、ドレーピングツール、支持ツール、レイアップ面ツール(一般に金型又はマンドレルと呼ばれる)などがある。これらのツールは、ハンドレイアップ、自動レイアップ、ドレーピング、ホットドレーピング、自動繊維配置、自動テープ敷設、硬化、及びトリミングといった、様々な複合部品形成プロセスで使用される。これらのツールには、複合部品を形成する又はその形成を支持するために使用される表面(例えば、レイアップ面)が含まれる。レイアップ面は、設計仕様に適合し、形成されている複合部品に相補的な形状、輪郭、及び/又は幾何学的形状を含みうる。
【0004】
そのようなツールは、一般に金属で作られており、モノリシックな部品(つまり、溶接又は接着接合部などによって、複数の永久的に接合された部品で構成される単一の構造)である。加えて、これらのツールは、正確な輪郭の表面(例えば、許容誤差内)を備えており、複合部品の重量と複合部品の形成の厳密さに耐えることができなければならない。例えば、特定のツールは、複合材の形成及び硬化中に真空条件(例えば、真空圧)及び高温条件にさらされることがある。ツールが変形して以前の使用から許容範囲外になった場合、真空条件を維持できない場合、又は加熱、重量、真空条件で許容誤差を維持できない場合、ツールは部品を作成できず、新しいツールを作成する必要がある。新しいツールが利用可能になるまで、部品の生産は停止されることがある。また、設計プロセス中に、複数のツール設計(プロトタイプツール又はツールの反復など)が生成され、部品の形成プロセスが改善される。そのようなものとして、現在のツールは、高い製造コストを有し、及び/又は長い製造サイクル時間を有しうる。
【発明の概要】
【0005】
特定の実施態様では、ツールアセンブリは、上面及び少なくとも1つの第1の連結面を含む第1の接合部分を有する第1の部品を含む。ツールアセンブリはまた、第1の接合部分と連結するように構成された第2の接合部分を有する第2の部品であって、第2の接合部分が、上面、及び第1の連結面と相補的な少なくとも1つの第2の連結面を含む、第2の部品を含む。ツールアセンブリは、第1及び第2の接合部分を通って延びるファスナを更に含む。第1の接合部分の第1の連結面と上面は、鈍角コーナーを形成し、第2の接合部分の第2の連結面と上面は、鋭角コーナーを形成する。第1の連結面は、第2の連結面に接触して、ツールアセンブリの長手方向軸に沿った第1の部品と第2の部品との間の相対運動を防止するように構成される。
【0006】
別の特定の実施態様では、ツールアセンブリは、上面、及び少なくとも1つの第1の連結面を含む第1の接合部分を有する第1の部品を含む。ツールアセンブリはまた、第1の接合部分と連結するように構成された第2の接合部分を有する第2の部品であって、第2の接合部分が、上面、及び第1の連結面と相補的な少なくとも1つの第2の連結面を含む、第2の部品を含む。ツールアセンブリは、第1及び第2の接合部分を通って延びるファスナを更に含む。第1の部品の第1の連結面と上面は、鈍角コーナーを形成し、第2の接合部分の第2の連結面と上面は、鋭角コーナーを形成する。第1の連結面は、第2の連結面に接触して、ツールアセンブリの長手方向軸に沿った第1の部品と第2の部品との間の相対運動を防止するように構成される。
【0007】
特定の実施において、ツールアセンブリを加熱する方法は、第1の接合部分及び第2の接合部分を介して、ツールアセンブリの第1の部品をツールアセンブリの第2の部品と接合することを含む。この方法はまた、ツールアセンブリの第1及び第2の接合部分を通してファスナを挿入することを含む。この方法は、ツールアセンブリに熱を加えること更に含み、加熱すると、第1及び第2の接合部分の連結面が締め付けられる。
【0008】
別の特定の実施態様では、複合材料をツールアセンブリに塗布する方法は、第1の接合部分及び第2の接合部分を介して、ツールアセンブリの第1の部品を、レイアップ面を含むツールアセンブリの第2の部品と接合することを含む。方法は、複合材料をレイアップ面に塗布することを更に含む。レイアップ面は、複合部品の形成を支持するように構成され、複合部品の形状に相補的な形状を有する。
【0009】
更に別の特定の実施態様では、ツールアセンブリを作成する方法は、付加製造プロセスを使用してツールアセンブリの第1の部品の第1の接合部分を形成することを含む。第1の接合部分は、上面と少なくとも1つの第1の連結面とを含む。方法は、付加製造プロセスを使用して、ツールアセンブリの第2の部品の第2の接合部分を形成することを更に含む。第2の接合部分は、上面と、第1の連結面に相補的な少なくとも1つの第2の連結面とを含む。
【0010】
ツールアセンブリ(例えば、マルチピースツール)を利用することにより、ワンピースツールと比較して、複合部品をより迅速かつ低コストで形成することができる。加えて、接合部分と連結面を備えたツールアセンブリを利用することにより、航空機の翼や胴体セクションなどの大型複合部品の形成を支持するようにツールアセンブリを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】複合部品製造システムの例を示すブロック図である。
図2図1のシステムで使用するためのツールアセンブリの例の等角図を示す図である。
図3】その接合部を示す図2のツールアセンブリの断面の等角図を示す図である。
図4】その接合部を示す図3のツールアセンブリの断面の拡大等角図を示す別の図である。
図5図2のツールアセンブリの接合部分の分解正面図を示す図である。
図6】特定の接合を示す図2のツールアセンブリの断面の正面図を示す図である。
図7】ファスナを含むツールアセンブリの別の例の断面を示す図である。
図8】第2のファスナを含む図6のツールアセンブリの断面を示す図である。
図9A-F】ツールアセンブリの他の例の接合部分の例を示す図である。
図9G-L】ツールアセンブリの他の例の接合部分の例を示す図である。
図9M-O】ツールアセンブリの他の例の接合部分の例を示す図である。
図10】Oリングを含むツールアセンブリの部品の例を示す図である。
図11】Oリング及び支持板を含むツールアセンブリの例を示す図である。
図12】Oリング及びテープを含むツールアセンブリの部品の特定の例を示す図である。
図13】Oリング及びテープを含むツールアセンブリの部品の別の例を示す図である。
図14】ツールアセンブリを加熱する方法の例のフローチャートである。
図15】複合材料をツールアセンブリに塗布する方法の別の例のフローチャートである。
図16】複合部品製造システムを動作させる方法の例のフローチャートである。
図17】ツールアセンブリを使用して形成された複合部品を含む移動体の例示的な実装のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書で開示される実施態様は、ツールアセンブリ(すなわち、マルチピースツール)を使用して複合部品の形成(例えば、大型複合部品の硬化)を可能にする。航空機の観点からの大型複合部品の例は、前縁、フラップ、又は翼の他の部品などの翼構成要素、及び航空機の胴体構成要素である。大型複合部品の他の例には、ロケット胴体と安定板、船体又は外板が含まれる。ツールアセンブリの部品は、接合部分によって接合され、接合部を形成する。接合部分は、自己接合し、加熱すると熱膨張に耐えることができ、真空シールと真空の完全性を維持することができる1つ又は複数の連結面を含む。例えば、ツールアセンブリの部品の熱膨張により、連結面同士の間の真空シールが締められる。接合部分は、ツールアセンブリのレイアップ面が設計公差内にあるように(すなわち、設計公差又は所望の公差から外れた形状に変形しないように)連結される。加えて、接合部分分は、ツールアセンブリの取り扱いを可能にするのに十分な強さである。いくつかの実施態様では、ツールアセンブリは、1つ又は複数のファスナを含み、熱膨張を可能にし、接合強度を高めて、ツール及び/又は接着材料(例えば、接着フィルム又はペースト)の取り扱いを可能にし、ツールアセンブリを更に固定し、真空シール及び真空の完全性を維持する。本明細書では「接着材料(adhesive material)」について説明するが、構成要素を永久的又は一時的に接着又は結合する任意の適切な種類の材料を使用することができる。
【0013】
いくつかの実施態様では、ツールアセンブリは、融合堆積モデリング(FDM)、プラスチックジェット印刷(PJP)、三次元(3-D)印刷、粉末床処理、選択的熱焼結(SHS)、ステレオリソグラフィ(SLA)、選択的レーザ溶融(SLM)、選択的レーザ焼結(SLS)などといった、融合フィラメント製造(FFF)によって作成された部品などの、1つ又は複数の付加製造された部品を含む。ツールアセンブリの付加製造されたツール部品は、通常、一般に化学的に不活性な材料から作られるため、付加製造されたツール部品同士の間の結合された接合部又は接合突合せ接合部は、形成するのが難しいことがある。更に、ツールアセンブリの付加製造ツール部品は、通常、熱膨張率が異方性である(つまり、ツール部品が異なる方向に異なるように膨張する)材料で作られる。この異方性の熱膨張により、加熱されたツールの使用環境(複合部品の製造など)で真空の完全性を維持するツールアセンブリの能力が低下する可能性がある。本明細書に記載の連結面を備えた接合部分を使用することにより、ツールアセンブリは、1つ又は複数の付加製造された部品を含むことができ、大型複合部品の形成を支持することができる。
【0014】
本明細書に記載のツールアセンブリなどのマルチピースツールアセンブリは、モノリシック金属ツールと比較して、低コストでツール製造サイクル時間を短縮することがすることができる。更に、モノリシック金属ツール又は金属ツールアセンブリと比較して、付加製造された部品を備えたマルチピースツールアセンブリは、コストを削減し、ツールの製造サイクル時間を短縮することができる。付加製造された部品を有するツールアセンブリのコスト削減及び製造サイクル時間の短縮により、複合部品(大型複合部品など)及び複合部品を含むシステムの製造に関連するコストと製造サイクル時間を削減することができる。
【0015】
図1は、ツールアセンブリ102、レイアップデバイス104、真空システム106、硬化デバイス108、及びコントローラ110を含む複合部品製造システム100の例を示す。複合部品製造システム100は、複合部品190などの複合部品の形成を可能にする。複合部品製造システム100は、ハンドレイアップ製造システム、自動レイアップ製造システム、ドレーピングシステム、ホットドレーピングシステム、自動繊維配置システム、自動テープ敷設システム、複合部品トリミングシステム、又はそれらの組み合わせを含むか、それらに対応しうる。
【0016】
ツールアセンブリ102は、2つ以上の部品112、114を含む。図1に示される実施態様に示されるように、ツールアセンブリは、第1の部品112及び第2の部品114を含む。いくつかの実施態様では、第1の部品112及び第2の部品114は、例えば、連結によって互いに接合されて、レイアップ面116を形成する。他の実施態様では、2つ以上の部品112、114の特定の部品がレイアップ面116を含むか、ツールアセンブリ102の2つ以上の部品112、114の部品のサブセットがレイアップ面116を含む。ツールアセンブリ102の2つ以上の部品112、114はそれぞれ、1つ又は複数の接合部分122、124を含む。図1に示される実施態様に示されるように、第1の部品112は第1の接合部分122を含み、第2の部品114は第2の接合部分124を含む。第2の接合部分124は、第1の接合部分122と連結するように構成される。各接合部分122、124は、1つ又は複数の連結面132、134を含む。図1に示す実施態様に示されるように、第1の接合部分122は第1の連結面132を含み、第2の接合部分124は第2の連結面134を含む。加えて、各接合部分122、124は、対応する上面136を含む。特定の接合部及び連結面の配置(例えば、連結されるように構成された2つの連結面)は、図3~6及び図9A~9Oを参照して更に説明される。
【0017】
第1及び第2の連結面132、134は、相補的な連結面又は連結している面である。例えば、第1及び第2の連結面132、134は、特定の基準面又は表面に対して相補的な角度で配置される。第1及び第2の連結面132、134は、互いに連結し、真空シールを形成するか、又は真空の完全性を維持するように構成される。例示するために、第1の連結面132は、第2の連結面134に接触して、第1の部品112と第2の部品114との間の相対運動を防止するように構成される。連結面132、134は、特定の方向又は軸に沿った、又は特定の平面内での第1の部品112と第2の部品114との間の相対運動を防止しうる。図2に示されるように、連結面132、134は、長手方向軸254に沿った第1の部品112と第2の部品114との間の相対運動を防止する。他の実施態様では、連結面132、134は、図2の横断軸256に沿った第1の部品112と第2の部品114との間の相対運動を防止する。
【0018】
第1及び第2の連結面132、134はまた、熱膨張及び取り扱いからの応力及びひずみを緩和するように構成される。いくつかの実施態様では、第1及び第2の連結面132、134は、高温条件及び/又は真空条件下で「締める(tighten)」(例えば、他に対して押し付けることにより、及び/又は互いに押し付けられることにより、より密なシールを形成する)ように構成される。例えば、接合部分122、124の温度を上昇させると、接合部分122、124に熱膨張が生じ、これにより、第1及び第2の連結面132、134上の力及び圧力が増大し、第1及び第2の連結面132、134は、微視的なレベルで変形して互いにより大きな程度に係合する(例えば、第1及び第2の連結面132、134のより大きな部分は、熱膨張の前に、連結面132、134間の接触と比較して微視的なレベルで互いに接触する)。この変形により、より気密なシールが可能になり、及び/又はより多くの摩擦(つまり、運動に対するより大きな抵抗)が発生する可能性がある。
【0019】
レイアップ面116は、共に接合されたときのツールアセンブリ102の部品112、114の1つ又は複数の表面(例えば、上面136)によって画定される。特定の例では、部品112、114の任意の表面は、レイアップ面116であるか、それを画定することができる。レイアップ面116は、複合部品190の形成を支持するように構成される。例えば、レイアップ面116は、レイアップデバイス104及び複合材料142の形態、型、又はマンドレルとして機能する。例示するために、ツールアセンブリ102のレイアップ面116の形状は、複合部品190の形状に類似する又は相補的である。複合材料142(例えば、樹脂マトリックスに埋め込まれた繊維材料のプライ)は、熱及び/又は圧力下でツールアセンブリ102のレイアップ面116の形状に適合して、複合部品190を形成する。
【0020】
レイアップデバイス104は、ツールアセンブリ102のレイアップ面116上に複合材料142を配置又は堆積するように構成される。レイアップデバイス104は、自動レイアップ機、自動テープ敷設機、又は自動繊維配置機を含むか、それらに対応する。複合材料142は、トウ、テープ、プライなどの形態でありうる。複合材料142は、ハニカムパネル、繊維、樹脂など、個々の材料特性とは異なる材料特性を持つ材料を作成するために組み合わされた2つ以上の構成材料である。いくつかの例では、布地又は繊維(繊維ガラス、炭素、金属炭素繊維、KEVLAR(登録商標)、アラミド、アルミ化繊維ガラスなど)と樹脂(エポキシ、ビス-マレイミド(BMI)、ビニルエステル、ポリエステルなど)との組み合わせである複合材料142から部品を作成するために、本明細書に記載のツールアセンブリ102を使用することができる。
【0021】
他の実施態様では、複合部品製造システム100は、レイアップデバイス104を含まない。そのような実施態様では、レイアップデバイス104は、複合部品製造システム100から分離されているか、レイアップは手動で行われる。
【0022】
真空システム106は、真空条件(例えば、周囲圧力よりも低い圧力である真空圧、又は真空シール)を生成及び維持するように構成された1つ又は複数の構成要素を含む。例えば、真空システム106は、ポンプ172、真空プレート174、及び複合材料142とツールアセンブリ102の間又はその周囲に真空条件を生成及び維持するように構成されたブラダー176を含む。別の例として、真空システム106は、ポンプ172及び真空バッグ178を含む。真空システム106は、複合部品190の製造プロセスの少なくとも一部の間、真空条件を生成及び維持する。
【0023】
硬化デバイス108は、複合材料142を硬化させて複合部品190を形成するように構成される。硬化デバイス108は、加熱デバイス182、照明デバイス184、又はそれらの組み合わせを含むことができる。例えば、硬化デバイス108は、ヒータ、レーザ、オーブン、オートクレーブなどを含むか、それらに対応しうる。追加的に又は代替的には、硬化デバイス108は、紫外線光源を含むか、それに対応する。
【0024】
コントローラ110は、プロセッサ162とメモリ164を含む。メモリ164は、コンピュータ実行可能命令(例えば、1つ又は複数の命令のプログラム)を格納する。プロセッサ162は、メモリ164に格納されたコンピュータ実行可能命令を実行するように構成される。命令は、実行されると、複合製造システムの1つ又は複数の構成要素に、図14及び図15を参照して説明される方法の1つ又は複数の動作を実行させる。
【0025】
コントローラ110は、複合部品製造システム100の1つ又は複数の構成要素を制御するように構成される。例えば、コントローラ110は、レイアップデバイス104、真空システム106、硬化デバイス108、又はそれらの組み合わせの動作を制御又は調整しうる。説明のために、コントローラ110は、1つ又は複数のコマンドを生成し、複合部品製造システム100の1つ又は複数の構成要素に送信する。
【0026】
複合部品製造システム100の動作の前に、ツールアセンブリ102が組み立てられる。例えば、第1の部品112の第1の接合部分122は、第2の部品114の第2の接合部分124と嵌合して、ツールアセンブリ102及びそのレイアップ面116を形成する。第1及び第2の部品112、114は大型部品(例えば、5フィート×5フィート又は10フィート×10フィートのセクション)であるため、第1及び第2の部品112、114を動かし操作するために、機械(例えば、フォークリフト、電源ジャックなど)が使用されうる。
【0027】
複合部品製造システム100の動作中、レイアップデバイス104は、コントローラ110からのコマンドの受信に応じて、ツールアセンブリ102のレイアップ面116上に複合材料142を塗布又は堆積する。真空システム106は、真空条件(例えば、真空圧又は真空シール)を生成及び維持し、硬化デバイス108は、熱、光、又はその両方を加え、コントローラ110からのコマンドの受信に応じて、複合材料142を硬化させる。複合材料142は、熱、光、又はその両方の印加中に化学反応を受け、及び/又は変形して複合部品190を形成する。形成された複合部品190は、ツールアセンブリの輪郭形成された表面(例えば、レイアップ面116)と一致する輪郭形成された表面を有する。
【0028】
他の実施形態では、作業部品192は、レイアップデバイス104、機械、又は手によってツールアセンブリ102のレイアップ面116上に配置される。次に、作業部品192は、複合部品190にトリミングされる(例えば、切断、機械加工、曲げなど)。作業部品192は、複合部品190を作成する上で上述したプロセスの1つ又は複数のステップによって形成されてもよい。
【0029】
いくつかの実施態様では、ツールアセンブリ102の部品112、114は、熱可塑性ポリマー材料(例えば、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン(ABS)材料若しくは炭素充填ABS材料)、熱硬化性ポリマー材料、又は別のポリマー材料から製造される。ツールアセンブリ102の部品112、114は、溶融フィラメント製造、溶融堆積モデリング、プラスチックジェット印刷、3-D印刷、粉末床処理、選択的熱焼結、ステレオリソグラフィ、選択的レーザ融解、選択的レーザ焼結などの付加製造プロセスを使用して構築されうる。
【0030】
いくつかのそのような実施態様では、ツールアセンブリ102の部品112、114は、図6~8を参照して説明されるように、1つ又は複数のファスナ118、接着剤、又はそれらの組み合わせで接合される。接着剤は、真空の完全性を維持するのを助けるように構成され、ファスナ118は、ツールアセンブリ102の移動、ツールアセンブリ102の熱膨張及び/又は接着材料の設置を支持するように構成される。例示的な例として、ツールアセンブリ102は、第1及び第2の接合部分分122、124を通って延びるファスナ118を含む。
【0031】
したがって、複合部品製造システム100は、ツールアセンブリ102を使用して大型複合部品190の製造を可能にしうる。特に、複合部品製造システム100は、付加製造された部品112、114から形成されるツールアセンブリ102を使用して、大型複合部品190の製造を可能にしうる。ツールアセンブリ102がコストと製造時間を削減したため、複合部品の製造は、金属製のワンピースツールと比較して、コストと設計時間を削減した。更に、接合部分122、124を含むツールアセンブリ102を使用することにより、複合部品製造システム100は、より小さい複合部品を形成するために突合せ接合部により接合されたより小さいツールアセンブリを使用してする場合と比較して、より大型複合部品を形成することができる。
【0032】
図2は、ツールアセンブリ102の例の等角図を示す図である。図2の図は、垂直軸252、長手方向軸254、及び横断軸256のツールアセンブリ102を示す。図2に示すように、ツールアセンブリ102は、第1の部品112、第2の部品114、及び第3の部品202を含む。図2は、部品112、114、202が長手方向軸254に配置されている、長手方向に位置合わせされたツールアセンブリ102の図を示す。他の実施態様では、ツールアセンブリ102は、円の外周の少なくとも一部に沿って円の中心の周りに位置合わせされるなど、外周方向に位置合わせされてもよい。特定の実施態様において、ツールアセンブリ102は、1つ又は複数の外周方向に位置合わせされた部品、1つ又は複数の長手方向に位置合わせされた部品、又はそれらの組み合わせを含む。
【0033】
図2に示すように、レイアップ面116は、部品112、114、202の上面136によって形成されるか、又はそれらに対応する。他の実施態様では、レイアップ面116は、側面、底面、切り欠き表面(例えば切り欠き212の表面)、又はそれらの組み合わせなど、部品112、114、202の1つ又は複数の他の表面を含む。
【0034】
いくつかの実施態様では、部品112、114、202の1つ又は複数が、切り欠き212を含む。切り欠き212は、ツールアセンブリ102の重量及び体積を低減し、レイアップ面116の一部を提供し、複合部品190をトリミングし、又はそれらを組み合わせるように構成される。加えて、切り欠き212は、ツールアセンブリ102及びその部品112、114、202の輸送を可能にしうる。例えば、フォークリフトフォークを1つ又は複数の切り欠き212を通して挿入して、ツールアセンブリ102を持ち上げ、移動し、操作し、組み立てることができる。追加的に又は代替的には、ツールアセンブリ102の1つ又は複数の部品112、114、202は、ツールアセンブリ102又はその部品112、114、202の移動又は操作を可能にするリブ又は支持体(図示せず)を含む。例えば、リブ又は支持体は、別の移動装置のフォークリフト又はリフト手段のフォークのためのチャネル又はガイドを形成してもよい。
【0035】
部品112、114、202は、図3を参照して説明及び図示されるように、図1の接合部分122、124などの接合部分によって接合される。図2はまた、部品112、114、202を通過する長手方向軸254に沿って配向された断面線A-Aを示す。図9A~9Oは、部品112、114、202の図1の接合部分122、124などの接合部分の他の例を更に例示し説明する。
【0036】
図3は、図2のツールアセンブリ102の断面線A-Aの等角図を示す図であり、その接合部302、304を示す。図3は、ツールアセンブリ102の例示的な接合スキームを示す。図3に示すように、ツールアセンブリ102は、雌接合部分を有する第1の部品112、2つの雄接合部分を有する第2の部品114、及び雌接合部分を有する第3の部品202を含む。他の実施形態では、ツールアセンブリ102は、1つの雄接合部分、1つの雌接合部分、2つの雄接合部分、2つの雌接合部分、1つの雄及び雌接合部分、又はそれらの組み合わせを有する1つ又は複数の部品を含みうる。図4を参照して更に図示及び説明するように、第1の接合部302が第1及び第2の部品112、114によって形成され、第2の接合304が第2及び第3の部品114、202によって形成される。
【0037】
いくつかの実施態様では、接合部302、304は、部品112、114、202の幅に沿って横断軸256に延びる。他の実施態様では、部品112、114、202は、横断軸256に沿った接合部302、304の1つ又は複数のセクションを含む。例えば、部品112、114、202は、接合部302、304の1つ又は複数のセクションによって、及び横断軸256に沿って接合部302、304のセクション間に位置する1つ又は複数の他の接合(例えば、突合せ接合部)によって接合される。
【0038】
図4は、図3のツールアセンブリ102の断面の拡大等角図を示す別の図であり、その接合部302、304を示す。図4に示すように、第2の部品114は第3の接合部分422を含み、第3の部品202は第4の接合部分424を含む。第2の部品114の第3の接合部分442は、ツールアセンブリ102の第3の部品202の第4の接合部分424と接合するように構成される。したがって、図4は、第1及び第2の部品112、114の第1及び第2の接合部分122、124によって形成された第1の接合部302、並びに第2及び第3の部品114、202の第3及び第4の接合部分422、424によって形成された第2の接合304を示す。
【0039】
いくつかの実施態様では、第3の接合部分442は、第1の接合部分122又は第2の接合部分124と類似の形状を有する。図4に示される実施態様に示されるように、第3の接合部分442は、第2の接合部分124の形状に類似する形状(例えば、雄接合部分形状)を有し、第4の接合部分444は、第1の接合部分122の形状に類似した形状(例えば、雌接合部分形状)を有する。
【0040】
図4に示されるように、雄接合部分、すなわち第2及び第3の接合部分124、422は、雌接合部分、第1及び第4の接合部分122、424の凹部に嵌合するタブ402(例えば、突起)を含む。接合部分分122、124、422、424の表面は、図4及び5に示されるように、角度のある表面(例えば、図5の連結面132、134、516、536)を含みうる。角度のある面(例えば、図5の連結面132、134、516、536)は、水平面又は垂直面よりも、接合部302、304が部品112、114、202の熱膨張に上手く適応するのに役立ちうる。
【0041】
構成要素の熱膨張は、材料の組成、配列(木目や繊維配列などのミクロ配列)、サイズなどの、構成要素のいくつかの特性に基づくか、支配される。線形熱膨張(例えば、特定の軸に沿った熱膨張)の場合、構成要素の熱膨張は、特定の軸の構成要素の長さと特定の軸に沿った特定の熱膨張率に依存し、素材と配置に基づいている。例示するために、第1の部品112について、長手方向軸254に沿った熱膨張は、垂直軸252に沿った熱膨張よりもはるかに大きい(例えば、100倍大きい)が、これは、長手方向軸254における第1の部品112の長さが、垂直軸252における第1の部品112の厚さより大きく、かつ長手方向軸254に沿った熱膨張係数が、垂直軸252に沿った熱膨張係数よりも大きいからである。特定の実施態様では、材料の繊維が長手方向軸254に配向されているため、第1の部品112の材料は、垂直軸252と比較して、長手方向軸254で10倍の熱膨張率を有する。横断軸256に沿った熱膨張は、接合部302、304の配向に実質的に平行であり、したがって、横断軸256に沿った熱膨張は、接合部302、304に、垂直軸252又は長手方向軸254に沿った熱膨張よりも少ない量で影響する。
【0042】
従来の接合部の場合、軸252、254間の熱膨張のそのような差により、図1のレイアップ面116が変形する可能性がある。例えば、接合部分122、124は、垂直軸252に沿って(例えば、図4に示すように上方に)撓み、レイアップ面を変形させることがある。図4に示す実施態様では、タブ402の幾何学的形状により、タブ402は図4に示すように所定の位置に留まるか、又は下向きに撓み、したがって、レイアップ面116が保持される。加えて、ファスナ又は接着剤を追加して、タブ402を所定の位置に保持するか、垂直軸252のたわみに抵抗させることができ、レイアップ面116の幾何学的形状を保持する。
【0043】
図5は、図2のツールアセンブリ102の第1及び第2の部品112、114の接合部分122、124の分解図を示す図である。分解図は、第1及び第2の接合部分122、124の断面図である。
【0044】
第1の部品112の第1の接合部分122は、上面136a、中間面514、518、垂直エッジ面520、底面522、第1の連結面132、及び第3の連結面516を含む。図5に示すように、第1の部品112の上面136aもレイアップ面116の一部である。いくつかの実施態様では、垂直エッジ面520はノッチ592を含む。いくつかのそのような実施態様では、図5に示すように、ノッチ592の下の垂直エッジ面520の部分といった、垂直エッジ面520の一部が第2の接合部分124に接触する。
【0045】
上面136a及び第1の連結面132は、鈍角コーナー552(例えば、鈍角エッジ)を形成する。第1の連結面132及び第1の中間面514は、鈍角コーナー554を形成する。第1の中間面514及び第3の連結面516は、鈍角コーナー556を形成する。第3の連結面516及び第2の中間面518は、別の鈍角コーナー558を形成する。第2の中間面518と垂直エッジ面520は、実質的に直角のコーナー560を形成する。垂直エッジ面520及び底面522は、実質的に直角のコーナーを形成する。
【0046】
第2部品114の第2の接合部分124は、上面136b、中間面534、538、垂直エッジ面540、底面542、第2の連結面134、及び第4の連結面536を含む。図5に示すように、第2の部品114の上面136bもレイアップ面116の一部である。
【0047】
上面136b及び第2の連結面134は、鈍角コーナー572を形成する。第2の連結面134及び第1の中間面534は、鈍角コーナー574を形成する。第2の中間面538及び第4の連結面536は、鈍角コーナー576を形成する。第4の連結面536及び第2の中間面538は、鈍角コーナー578を形成する。第2の中間面538と垂直エッジ面540は、実質的に直角のコーナー580を形成する。垂直エッジ面520及び底面522は、別の実質的に直角のコーナーを形成する。
【0048】
いくつかの実施態様では、連結面132、134、516、536は、図2の長手方向軸254に対して45度の角度で配向される。連結面132、134、516、536を対向する表面として45度の角度又は135度の角度で配向することにより、接合304はセルフロックになる。これらの45度又は135度の角度で対向する表面は、硬化中にツールアセンブリ102が遭遇する熱応力から生じる接合304の結合(例えば結合線)の亀裂を緩和するのに役立つ。結合線のこれらの亀裂を緩和することにより、ツールアセンブリ102は、図1の複合部品190の製造中に真空の完全性を維持する(例えば、加えられる真空圧を維持する)ことができる。
【0049】
いくつかの実施態様では、接合部分122、124の連結面132、134、516、536、上面136a、136b、中間面514、518、534、538、又は垂直エッジ面520、540のうちの1つ又は複数が、フィレットされた(例えば、Rが付けられた)又は面取りされたコーナー590を形成する。したがって、鋭角コーナー572又は鈍角コーナー552、554、556、574、576のうちの1つ又は複数は、フィレット又は面取りコーナー590である。図5に示されるように、鈍角コーナー554、556、574、576は、フィレット(例えば、Rが付けられた)コーナー590である。そのようなフィレット又は面取りされたコーナー590は、局所的な応力及び歪みの最大値、したがって、接合部分122、124の破損又は亀裂を低減することができる。例えば、鋭角(例えば、鋭角コーナー及び/又は非フィレット又は面取りコーナー)又は直角エッジ及びコーナーと比較して、フィレット(例えば、Rが付けられた)又は面取りコーナー及びエッジは、局所的な応力及び歪みの最大値、したがって破損又は亀裂を生じにくい。
【0050】
第1及び第2の接合部分122、124は、それぞれタング(凸部)582、584を更に含む。タング582、584は、互いに接触して接合部を形成するように構成される。例えば、タング582、584は、ノッチ592の下の垂直エッジ面520、540を介して互いに接触する。図6に示されるように、タング582、584は、接合されると台形を形成する。いくつかの実施態様では、タング582、584は、図7及び図8を参照して説明されるように、ファスナのための空間を提供する。
【0051】
図6は、接合部を示す図2のツールアセンブリ102の断面の正面図を示す図である。図6は、第1及び第2の部品112、114の接合部分122、124を嵌合させることによって形成された間隙602~606を示す。図6に示すように、連結面132、134と連結面516、536は接触しており、連結される。
【0052】
図6に示されるように、第1及び第2の接合部分122、124が接合(例えば、嵌合)されると、図5の表面514、534によって、第1の間隙602が形成され(例えば、それらの間に配置され、それらによって画定され)、第2の間隙604は、図5の表面518、538によって形成され(例えば、それらの間に配置され、それらによって画定され)、第3の間隙606は、図5の垂直エッジ面520、540によって形成される(例えば、それらの間に配置され、それらによって画定される)。図6に示すように、第3の間隙606はノッチ592で終了する。間隙606の端部及びノッチ592は、図6に破線の長方形で示すように、タング582、584の上部を画定しうる。
【0053】
図6では、第2の間隙604と第3の間隙606が結合される。他の実施態様では、又は熱膨張などの特定の条件下では、第2の間隙604と第3の間隙606は結合されない。例えば、図5のコーナー560、576に近い図5の表面518、520、538、540の1つ又は複数の部分は、図5の表面518、520、538、540の別の部分と接触している。図6は、第1の間隙602を通る断面線B-Bも示す。
【0054】
いくつかの実施態様では、接合部302は、接合部302の表面間に結合(例えば、結合線)を形成するように構成された接着材料612を含む。特定の実施態様では、接着材料612は、第1又は第2の接合部分122、124のうちの1つの少なくとも一部に塗布される。例えば、接着材料612は、間隙602~606に対応する第1及び第2の接合部分122、124の表面など、第1及び第2の接合部分122、124の特定の部分に塗布される。そのような実施態様では、間隙602~606は、第1及び第2の接合部分122、124の表面が接着材料612によって結合される領域である結合線を画定する。結合線は、接合部302が真空の完全性を維持できるのに役立つ。例えば、接合部302の間隙602~606は、接着材料612に空間を提供し、接着材料612の移動を防止して、接合部302の真空の完全性を維持する。加えて、間隙602~606は、ツールアセンブリ102の材料の熱膨張のための空間を提供する。
【0055】
接着材料612は、熱硬化性ポリイミド、ベンゾオキサジン樹脂、ビス-マレイミド、熱硬化性ポリウレタン、エポキシ、フェノール樹脂、又はビニルエステルを含みうる。接着材料612は、接着ペースト又は接着フィルムを含むか、又はそれに対応しうる。接着フィルムは、接着ペーストと比較して、耐熱性が高い場合がある(例えば、変形や接着強度を低下させることなく高温に耐えることができる)が、組み立てがより難しい場合がある。
【0056】
図7は、図1のファスナ118の第1の例を含むツールアセンブリ102の別の例の断面を示す図である。より具体的には、ファスナ118の第1の例は、ファスナアセンブリ702である。図7に示すように、ファスナアセンブリ702は、ボルト712、ワッシャー714、ばね716、及びナット718を含む。他の実施態様では、ばね716は、ばねワッシャー、ベルビューワッシャーなどの他の付勢部材に置き換えてもよい。
【0057】
ファスナアセンブリ702は、第1及び第2の接合部分122、124のタング582、584を通過するクリアランスホール(図示せず)内に少なくとも部分的に配置される。図7に示すように、ファスナアセンブリ702は、レイアップ面116と、第1及び第2の部品112、114の上面136a、136bと実質的に平行に配向される。図7では、ファスナアセンブリ702は、少なくとも部分的にカウンタボアホール(例えば、凹部)に配置される。図7に示すように、ファスナアセンブリ702は、第1及び第2の接合部分122、124のタング582、584を通って延びる。いくつかの実施態様では、複数のファスナアセンブリ702が、図2の横断軸256に沿って図5のタング582、584を介して配置され、第1及び第2の部品112、114を接合する。
【0058】
複合部品の硬化時や加熱時などの高温環境では、ばね716により、ファスナアセンブリ702は、第1と第2の部品112、114熱膨張を許容しつつ、第1と第2の部品112、114を接合する保持力を維持することができる。具体的には、ばね716は、ファスナアセンブリ702が熱膨張の様々な長さ又は段階で保持力を提供するように、変形(例えば、伸長及び圧縮)することができる。更に、ファスナアセンブリ702は、ツールアセンブリ102が移動又は取り扱われるときにツールアセンブリ102への応力及び歪みを緩和するように構成される。更に、ファスナアセンブリ702は、ツールアセンブリ102の真空の完全性を維持するのに役立つ。
【0059】
図8は、図1のファスナ118の第2の例を含む図6のツールアセンブリ102の断面を示す図である。より具体的には、ファスナ118の第2の例は、第2のファスナアセンブリ802である。図8に示すように、第2のファスナアセンブリ802は、ねじ812、ワッシャー714、及びばね716を含む。他の実施態様では、第2のファスナアセンブリ802は、ばね706の代わりに異なる付勢部材を含む。代替的には、第2のファスナアセンブリ802は、ブラインドファスナを含むか、それに対応する。そのような実施態様では、第2の部品114は、ねじ部又はブラインドナットを含む。
【0060】
第2のファスナアセンブリ802は、第1及び第2の部品112、114を接合するように構成される。図8に示すように、第1の部品112は、カウンタボアホール804を含み、第2のファスナアセンブリ802は、カウンタボアホール804に挿入される。ねじ812のシャンクは、ねじ812のねじ山822が第1の部品112と係合しない(すなわち接触しない)第1の部品112のクリアランスホール806を通過する。ワッシャー714の反対側のねじ812の遠位端のねじ山822及びねじ頭は、そのパイロット穴808内の第2の部品114と係合する(すなわち接触する)。図8では、ねじ812は完全にねじ込まれるように示されているが、他の実施態様では、ねじ812のシャンクの一部は、ねじ込まれていない(例えば、部分的にねじ込まれたねじ812又はシャンク)。他の実施態様では、第1の部品112は、カウンタボアホール804の代わりにカウンタシンクホール又は凹部を含む。
【0061】
第2のファスナアセンブリ802のねじ812が第2の部品114(例えば、接合部302の上部部品)に打ち込まれるため、第2のファスナアセンブリ802は、部品112、114を一緒に固定し(例えば、引っ張り)、接合部302を安定させる。ねじ812のねじ山822が第1の部品112のクリアランスホール806を通過するため、第2のファスナアセンブリ802により、ツールアセンブリ102の材料が高温環境で拡張可能となる(例えば、第1の部品112、第2の部品114、及び/又は間隙602が拡張及び収縮可能となる)。ばね716により、ツールアセンブリ102が熱膨張可能となり、ツールアセンブリ102の熱膨張による応力及びひずみの原因をねじ812自体に伝達することを防止できる。第2のファスナアセンブリ802は、ツールアセンブリ102の真空の完全性を維持するのに役立つ。いくつかの実施態様では、複数の第2のファスナアセンブリ802は、接合部302の中心線に沿って(例えば、第1及び第2の部品112、114の間の図2の横断軸256に沿って)配置される。
【0062】
図9A~9Oは、それぞれ、ツールアセンブリ102の他の接合部の接合部分の例を示す図である。図9A~9Oは、接合部の断面図を示す。図9A及び9Bは、重ね接合(例えば、ハーフ重ねスプライス接合)の例を示す。図9Aは、図1のファスナ118の第3の例、すなわち第3のファスナアセンブリ902を含むハーフ重ねスプライス接合部910の例示的な断面を示す。図9Aに示されるように、第3のファスナアセンブリ902は、ボルト712、2つのワッシャー714、及びナット718を含む。図9Bは、図1のファスナ118の第4の例、すなわち第4のファスナ904を含むハーフ重ねスプライス接合部910の別の例示的な断面を示す。図9Bに示されるように、第4のファスナ904は、図8のねじ812などのねじを含むか、それに対応する。
【0063】
図9C~9Gは、実矧ぎ接合部(舌部及び溝部でなる接合部)920の例を示す。図9A及び9Bの重ね接合部910と比較すると、図9C~9Gの実矧ぎ接合部920は、図1のレイアップ面116と、接合部分122、124の図5の上面136a、136b又は図5の底面522、542との間に位置するインサート又はタン(舌部)922を有する。図9C~9Gに示されるように、タン922は、図1のレイアップ面116と、図2の垂直軸252の第1及び第2の部品の上面136a、136bの下又は真下に配置される。
【0064】
図9H~9Kは、スカーフ接合部930(例えば、先端付きスカーフ接合部)の例を示す。図9H~9Kのスカーフ接合部930は、連結面132、134及び先端934(例えば、嵌合部品の一致する肩部に係合する、尖っていない部分又は特徴部)を含む。連結面132、134は、上面136a、136bに対して角度が付けられている。
【0065】
図9I及び9Jは、第3のファスナアセンブリ902を備えた先端付きスカーフ接合部930の例を示す。図9Hの先端934と比較すると、図9Iの先端934aは、図2の垂直軸252においてより大きく又はより深い。図9H及び9Kは、第4のファスナ904を備えた先端付きスカーフ接合部930の例を示す。実質的に垂直な表面を有する図9H及び9Iの先端934、934aと比較して、図9J及び9Kの上面136a、136bに対応する先端934b(例えば、図9J及び9Kに示す上部先端934b)は、角度付き面936を有し、角度付き面936と鈍角コーナー937又は外側エッジ938を形成する。
【0066】
図9Lは、傾斜付き重ね接合部940(例えば、傾斜付き重ねスプライス接合)の例を示す。図9A及び9Bのハーフ重ねスプライス接合部910と比較して、傾斜付き重ねスプライス接合部940は、角度付き中間面942を有する。角度付き中間面942は、レイアップ面116に対してある角度で配置された一対の相補的な中間面を含む。
【0067】
図9Mは、組み合わせ接合部950(例えば、斜角付き重ねスカーフ接合部)の例を示す。組み合わせ接合部950は、先端934が傾斜付き重ね接合部940であるスカーフ接合部930を含む。図9Mに示すように、スカーフ接合部930は、傾斜付き重ね接合部940の一端から開始する。図9Lの傾斜付き重ね接合部940と比較して、図9Mの組み合わせ接合部950は、連結面132、134を含む角度付きスカーフ部分952を含む。図9Mに示すように、組み合わせ接合部950は、第2の部品114の第2の接合部分124のカウンタボアホール804に挿入された第4のファスナ904を含む。いくつかの実施態様では、第2の接合部分124は、クリアランスホール806を含み、第3のファスナアセンブリ902のねじ山822は、クリアランスホール806内の第2の接合部分124と接触しない。図9Mに示されるように、第4のファスナ904は、レイアップ面116と、第1及び第2の部品112、114の上面136a、136bとに対してある角度で配向される。第4のファスナ904は、角度付きスカーフ部分952に実質的に直交して配向され、第1及び第2の接合部分122、124のタング582、584を通過する。
【0068】
図9Nは、角度付きのテーブルスプライス接合部960(別名、フック付きスカーフ接合部)の例を示す。図9Nに示されるように、角度付きテーブルスプライス接合部960は、第1の接合部分122のカウンタボアホール804に挿入された第4ファスナ904を含む。いくつかの実施態様では、第1の接合部分122は、クリアランスホール806を含み、ねじ812のねじ山822は、クリアランスホール806内の第1の接合部分122と接触しない。
【0069】
図9Nに示すように、第4のファスナ904及びカウンタボアホール804は、角度のある中間面944に対して実質的に直交して配向され、図1のレイアップ面116、並びに第1及び第2の部品112、114の上面136a、136bに対して角度が付けられている。追加的又は代替的には、第4のファスナ904、及び/又はファスナ118、904の1つ又はファスナアセンブリ702、802、902の1つなどの1つ又は複数の追加のファスナは、図2の垂直軸252に沿って、かつ図1のレイアップ面116と、第1及び第2の部品112、114の上面136a、136bとに実質的に直交して配置されてもよい。レイアップ面116及びレイアップ面116に実質的に平行な中間面514、534に対してある角度で配置された連結面132、134、516、536を有する図5及び図6の接合部302と比較すると、図9Nの角度付きテーブルスプライス接合部960は、垂直連結面962、964及び角度付き中間面942、944を含む。垂直連結面962、964はそれぞれ、レイアップ面116に実質的に直交する一対の相補的な連結面(例えば、連結面132、134など)を含む。
【0070】
図9Oは、レイアップ面116に対してある角度で配置された連結面132、134、516、536を備えた角度付きテーブルスプライス接合部960の例を示す。図9Oに示すように、角度付きテーブルスプライス接合部960の第1の接合部分122は、カウンタボアホール804及びクリアランスホール806を含み、第2の接合部分124は、第4のファスナ904のようなファスナを受け入れるためのパイロット穴808を含む。代替的には、パイロット穴808は、第1及び第2の接合部分122、124がブラインドファスナと接合できるように、ブラインドファスナのねじ部(例えば、ブラインドナット)と交換することができるか、又はそのねじ部を受け入れるように構成することができる。図9Oに示すように、穴804~806は、図2の垂直軸252に沿って、かつ図1のレイアップ面116並びに第1及び第2の部品112、114の上面136a、136bに実質的に直交して配置される。追加的又は代替的には、ファスナ118、904のうちの1つ又はファスナアセンブリ702、802、902のうちの1つなどのファスナは、第2の角度付き中間面944に実質的に直交し、図1のレイアップ面116並びに第1及び第2の部品112、114の上面136a、136bに対して角度付けされうる。図5及び図6の接合部302と比較すると、図9Oの角度付きテーブルスプライス接合部960は、角度付き中間面942、944を含む。
【0071】
いくつかの実施態様では、図9Oに示されているように、角度付きテーブルスプライス接合部960は間隙602~606を含む。間隙602~606は、接着材料612、キー、又はウェッジを受け入れるように構成されてもよい。例えば、間隙604、606は、キー穴を含み、キー又はウェッジを受け入れるように構成されてもよい。キー又はウェッジを挿入すると、角度付きテーブルスプライス接合部960が締め付けられる。
【0072】
図9A~9Nは、第3のファスナアセンブリ902又は第4のファスナ904のうちの1つなどの特定の種類のファスナとともに示される。他の実施態様では、ファスナ118、904のうちの1つ又は複数、又はファスナアセンブリ702、802、902のうちの1つ又は複数といった、他の種類のファスナが、図9A~9Oに示す例で使用されてもよい。いくつかの実施態様では、図9A~9Oの接合部910~960は、1つ又は複数の追加のファスナを含む。例えば、例示的な接合部は、図示されるようなある種類の複数のファスナ及び/又は別の種類の1つ又は複数の追加のファスナを含みうる。追加的又は代替的には、図9A~9Oの接合部910~960は、図6の接着材料612を更に含む。いくつかの実施態様では、図9A~9Oの接合部のコーナー又はエッジは、フィレットコーナー又は面取りコーナーである。
【0073】
図10は、環状リングシール1002(例えば、管状シール又はOリングシール)を含むツールアセンブリ102の、第1の部品112などの部品の例を示す図である。いくつかの例では、環状リングシール1002は、入口と反対側の出口を備えた円筒形である。環状リングシール1002は、第1の連結面132と第2の連結面134(図10には図示せず)との間に配置される。環状リングシール1002は、連結面132、134の間に気密シールを作成又は維持するように構成される。例えば、第1及び第2の部品112、114の接合(例えば、その接合部分122、124)は、環状リングシール1002を圧縮し、真空シールを作成又は維持する。図10に示されるように、環状リングシール1002は、第1の連結面132の中央に配置され、横断軸256において第1の連結面132に沿って延びる。他の実施態様では、環状リングシール1002は、ツールアセンブリ102の上部(例えば、レイアップ面116)に近いか、又はそれから離れた第1の連結面132上に配置されうる。
【0074】
いくつかの実施態様では、連結面132、134の一方又は両方は、環状リングシール1002を収容するための凹部を含む。凹部は、ツールアセンブリ102が分解されるときに環状リングシール1002の挿入又は配置を可能にし、ツールアセンブリ102が組み立てられるときに環状リングシール1002の保持を可能にするように構成される。
【0075】
いくつかの実施態様では、図6の接着材料612の代わりに、環状リングシール1002が使用される。例えば、ツールアセンブリ102が著しい取り扱い(例えば、接着材料612又はそれから形成される接着結合が耐えることができるよりも大きい撓みを生じる負荷を引き起こす取り扱い条件)にさらされない場合である。
【0076】
他の実施態様では、環状リングシール1002は、図6の接着材料612とともに使用される。例えば、環状リングシール1002は、接着材料612により形成される接着結合の亀裂が真空の完全性の漏れ又は損失をもたらさないように、追加のシール又はバックアップシールを提供する。接着結合のそのような亀裂は、取り扱い又は繰り返される硬化プロセスへの暴露から、大型ツールで発生することがある。
【0077】
図10は、第1の部品112を第2の部品114に結合するための複数のファスナアセンブリ702を示す。図10に示されるツールアセンブリ102の例は、図8の第2のファスナアセンブリ802のような、垂直軸252の第1及び第2の部品112、114を通って延びるファスナを示していないが、他の実施態様では、ツールアセンブリ102は、図8を参照して説明したように、垂直軸252の第1及び第2の部品112、114を通って延びる1つ又は複数のファスナを含む。加えて、図10のツールアセンブリ102の部品112、114、202は、図2に示すように、横断軸256においてツールアセンブリ102の幅の一部のみに沿って延びる接合部分(例えば、接合部分122、124)を有してもよい。
【0078】
図11は、環状リングシール1002(例えば、管状シール又はOリングシール)及び支持板1102を含むツールアセンブリ102の例を示す図である。支持板1102は、2つの隣接する部品(例えば、第1及び第2の部品112、114)を固定するように構成され、図1のファスナ118などの1つ又は複数のファスナを使用して側面1012に固定される。図11に示すように、支持板1102は、各部品112、114に1つずつ、2つのねじ812を使用してツールアセンブリ102に結合される。いくつかの実施態様では、図11に示すように、支持板1102は、環状リングシール1002を覆う又は保護する。例示するために、支持板1102は、環状リングシール1002の入口、出口、両方(すなわち、「端部」)を覆い、保護する。そのような実施態様では、支持板1102は、環状リングシール1002と連結して真空シールを作成又は維持する。特定の実施において、環状リングシール1002は、ツールアセンブリ102の側面1012を越えて延び、支持板1102を部品112、114に固定することにより、環状リングシール1002を圧縮し、真空シールを生成又は維持する。
【0079】
図12は、環状リングシール1002及びテープ1202を含むツールアセンブリ102の部品の特定の例を示す図である。図12に示す例では、環状リングシール1002は、横断軸256内で第1の部品112の側面1012まで延びる。
【0080】
テープ1202(例えば、バッグテープ)は、硬化中に真空バッグをツールアセンブリ102に固定し、ツールアセンブリ102と真空バッグとの間にシールを作成するように構成される。真空バッグ(図示せず)は、ツールアセンブリ102の周りに巻き付けられ、真空圧を生成するためにそこから空気が除去されるポートを含む。
【0081】
図13は、環状リングシール1002及びテープ1202を含むツールアセンブリ102の第1の部品112などの部品の別の例を示す図である。図12に示す例では、環状リングシール1002は、テープ1202の下の(例えば、テープ1202と上面136aとの間の)第1の部品112の上面136a(例えば、レイアップ面116)まで延びる。例えば、環状リングシール1002の入口又は出口は、上面136aに向かって配置される。図13に示す実施態様では、環状リングシール1002は、側面1012の近くの垂直軸252及び長手軸254に延びる。他の実施態様では、環状リングシール1002は、長手方向軸254に延びることなく上面136aまで延びる。例えば、図2に示すように、接合部分が横断軸256に沿ってツールアセンブリ102の幅全体に延びていないツールアセンブリ102では、環状リングシール1002は、垂直軸252及び横断軸256でツールアセンブリ102の端に向かって上方に湾曲する。別の例として、環状リングシール1002は、90度の曲線を有し、ツールアセンブリ102の端部近くの垂直軸252で上向きに延びる。
【0082】
図12に示す構成と比較すると、図13に示す構成は、テープ1202と環状リングシール1002との間の領域からの真空損失を低減する。代替的には、図12の構成は、環状リングシールのエッジからの真空損失を低減する(例えば、環状リングシール1002の端付近の真空漏れを低減する)。
【0083】
いくつかの実施態様では、図12及び図13のツールアセンブリ102は、図11の支持板1102などの支持板を更に含む。特定の実施態様では、支持板1102は、側面1012に結合され、環状リングシール1002は、上面136a及びテープ1202まで延びる(すなわち、支持板1102まで延びない)。別の特定の実施態様では、支持板1102は、上面136aに結合され、環状リングシール1002は、支持板1102まで延びる。
【0084】
図14は、ツールアセンブリ102などのツールアセンブリを加熱する方法1400の特定の例を示す。方法1400は、例示的な非限定的な例として、複合部品製造システム100、レイアップデバイス104、図1の硬化デバイス108、又はそれらの組み合わせによって実行されうる。ツールアセンブリ102は、図3図8及び図9A図9Oを参照して説明したように、1つ又は複数の接合部を含みうる。図14では、方法1400のオプションのステップが破線のボックスとして示される。
【0085】
いくつかの実施態様では、方法1400は、1402で、付加製造によってツールアセンブリの第1の部品、ツールアセンブリの第2の部品、又はその両方を形成することを含む。例えば、ツールアセンブリは、図1のツールアセンブリ102を含むか、又はそれに対応しうる。第1及び第2の部品はそれぞれ、図1の第1の部品112、第2の部品114、又は図2の第3の部品202を含むか、又はそれらに対応しうる。例示するために、ツールアセンブリ102の第1の部品112、第2の部品114、又は第3の部品202は、図1を参照して説明したように、付加製造プロセスによって形成又は製造されうる。例示的な付加製造プロセスには、溶融堆積モデリング、プラスチックジェット印刷、3-D印刷、粉末床処理、選択的熱焼結、ステレオリソグラフィ、選択的レーザ溶融、選択的レーザ焼結などの溶融フィラメント製造が含まれる。
【0086】
方法1400は、1404において、第1の接合部分及び第2の接合部分を介して、ツールアセンブリの第1の部品をツールアセンブリの第2の部品と接合することを含む。第1及び第2の接合部分はそれぞれ、図1の第1の接合部分122又は第2の接合部分124を含むか、又はそれに対応しうる。第1及び第2の接合部分122、124は、手又は機械によって接合されてもよい1404。別の例として、接合部分は、図3~8及び図9A~9Oの接合部分に対応しうる。
【0087】
方法1400は、1406において、ツールアセンブリの第1及び第2の接合部分を通してファスナを挿入することを含む。例えば、ファスナは、図1のファスナ118、図7のファスナアセンブリ702、図8の第2ファスナアセンブリ802、図9の第3ファスナアセンブリ902、又は図9の第4ファスナ904を含むか、又はそれらに対応しうる。ファスナ118、904又はファスナアセンブリ702、802、902を第1及び第2の接合部分122、124に挿入することにより、第1及び第2の接合部分122、124を一緒に固定することができ、第1及び第2の部品112、114が、単一のツールアセンブリ102として移動されるか、レイアップ表面116を形成するか、又はその両方である。加えて、第1及び第2の接合部分は、手又は機械によって接合され1404、同じ又は異なる種類の追加のファスナを挿入すること1406、接着材料612を塗布すること、又はその両方によって固定又は更に固定されうる。
【0088】
いくつかの実施態様では、方法1400は、1408で、ツールアセンブリのレイアップ面上に複合材料を塗布することを更に含む。レイアップ面は、複合部品の形成を支持するように構成され、複合部品の形状に相補的な形状を有する。例えば、レイアップデバイス104は、図1を参照して説明したように、コントローラ110からのコマンドの受信に応じて、ツールアセンブリ102のレイアップ面116上に複合材料142を塗布する1408。例示するために、複合材料142は、ツールアセンブリ102上に複合材料142を配置するための任意の適切な方法を使用して、レイアップ面116上に塗布されうる1408。例えば、複合材料142は、以下を行うことにより塗布することができる1408。(a)レイアップ面116に個人が手動で複合材料142を置くことを含むハンドレイアップ、(b)複合材料142をレイアップ面116上に配置するためのレイアップデバイス104として真空アシストエンドエフェクタを有するロボットを使用して、ロボット的に配置される(例えば、ピックアンドプレース)、(c)特に所定の幅の範囲内の幅を有する複合材料の場合、レイアップデバイス104として機能する機械がレイアップ面116に複合材料142を配置する自動繊維配置(AFP)を介して、(d)AFPに類似しているが、複合材料142がテープ材料である場合に使用される自動タップ敷設(ATL)、又は(e)(a)-(d)の2つ以上の任意の組み合わせによる。
【0089】
方法1400は、1410において、ツールアセンブリに熱を加えることを更に含み、加熱すると、第1及び第2の接合部分の連結面が互いに締め付けられる。例えば、硬化デバイス108は、図1を参照して説明したように、ツールアセンブリ102に熱を加えて1410、互いに更に接触するか、又は連結して連結面132、134を互いに締め付ける。好ましくは、複合材料142は、ツールアセンブリ102に熱を加える1410前に、レイアップ面116に塗布される1408。加熱状態のツールアセンブリ102は、真空の完全性を維持し、図1を参照して説明したように、複合部品190などの大型複合部品を硬化するために使用することができる。特定の実施態様では、熱を加えたとき又はその後1410、ツールアセンブリ102は、図2の長手方向軸254で長手方向に拡張し、タブ402は、垂直軸252で底面522に向かって(例えば下向きに)撓む。
【0090】
いくつかの実施態様では、方法1400は、1412で、複合材料とレイアップ面との間に真空圧を生成することを含む。例えば、真空システム106は、図1を参照して説明したように、コントローラ110からのコマンドの受信に応じて、複合材料142とツールアセンブリ102のレイアップ面116との間に真空圧又は真空条件を生成する。図14に示されるように、1410で熱が加えられた後、真空圧が生成される1412。他の実施態様では、1410でツールアセンブリに熱が加えられる前に、又は1410で熱がツールアセンブリに加えられるのと少なくとも部分的に同時に、真空圧が生成される1412。
【0091】
いくつかの実施態様では、1406で挿入されたファスナ118は、ファスナデバイスを含むか、それに対応する。ファスナデバイスは、第1及び第2の接合部分のタングを介して延び、ファスナデバイスは、ツールアセンブリ102が熱膨張を受けてもなお真空の完全性を維持できるように構成される。例えば、ファスナデバイスは、図7のファスナアセンブリ702又は図8の第2ファスナアセンブリ802を含むか、それに対応する。例示するために、ファスナアセンブリ702は、図7を参照して説明したように、図5のタング582、584を通って、図2の長手方向軸254に沿って延びる。特定の実施態様では、ファスナ118は、長手方向に位置合わせされた配置についてはレイアップ面116に実質的に平行であるか、又は外周方向に位置合わせされた配置についてはレイアップ面116の局所接線に実質的に平行である。他の実施態様では、ファスナ118は、長手方向に位置合わせされた配置についてはレイアップ面116に実質的に直交し、又は外周方向に位置合わせされた配置についてはレイアップ面116の局所接線に実質的に直交する。代替的には、ファスナ118は、ツールアセンブリ102の特定の連結面132、134又は中間面534、538に実質的に直交する。
【0092】
いくつかの実施態様では、第1及び第2の接合部分によって形成された接合部は、第1及び第2の接合部分の表面によって画定された1つ又は複数の間隙を含む。例えば、接合部302、304は、図6を参照して説明したように、間隙602~606を含む。いくつかのそのような実施態様では、接合部は、第1及び第2の接合部分の表面間の1つ又は複数の間隙に配置された接着材料を含む。接着材料は、接合部の真空の完全性を維持するように構成される。例えば、接合部302、304の間隙602~606の1つ又は複数は、図6を参照して説明されたように、その表面の1つの少なくとも一部に接着材料612を含む。
【0093】
いくつかの実施態様では、第1の部品と第2の部品を接合する前に、方法1400は、接着ペースト又は接着フィルムを第1の部品の第1の接合部分の少なくとも一部に塗布することを更に含む。例えば、図6の接着材料612は、図1及び図6を参照して説明したように、接合部分122、124の間隙602~606に対応する表面に、ペースト又はフィルムとして塗布されうる。
【0094】
特定の実施態様では、ファスナは、連結面又は角度付き連結面を通過しない。例えば、図7のファスナアセンブリ702及び図8の第2のファスナアセンブリ802は、図7及び8を参照して説明したように、連結面132、134、516、536のいずれも貫通しない。
【0095】
いくつかの実施態様では、ツールアセンブリは、第1の部品を第2の部品に結合するように構成された1つ又は複数の第2のファスナを更に含む。例えば、特定のツールアセンブリ102は、図8を参照して説明したように、ファスナアセンブリ702と1つ又は複数の第2のファスナアセンブリ802とを含む。いくつかのそのような実施態様では、ファスナ、1つ又は複数の第2のファスナ、又はそれらの組み合わせは、ツールアセンブリの熱膨張を可能にするように構成されたばね荷重式デバイス又はブラインドファスナを含むか、又はそれに対応する。例えば、ファスナは、図7のファスナアセンブリ702、及びばね716又は付勢部材を含む図8の第2ファスナアセンブリ802を含むか、又はそれに対応する。特定の実施態様では、1つ又は複数の第2のファスナは、ファスナに対して実質的に直交する。例えば、図7及び図8を参照して説明したように、ファスナアセンブリ702は、長手方向軸254とともに配向される又は長手方向軸254と平行であり、1つ又は複数の第2のファスナは、垂直軸252とともに配向される又は垂直軸252と平行である。
【0096】
接合部分122、124が図5の接合部分に対応し、鈍角コーナー552、554、556、574、576及び鋭角コーナー572を含むいくつかの実施態様では、鈍角コーナーは約135度であり、鋭角コーナーは約45度である。例えば、角度は、設計公差又は±5度以内で製造される。そのような実施態様では、コーナーの角度は、接合部302、304に対する垂直応力及びせん断応力を低減する。いくつかの実施態様では、コーナーは、フィレットコーナー、面取りコーナー、又はそれらの組み合わせを含むか、又はそれらに対応する。そのようなコーナーは、接合部302、304上の垂直応力及びせん断応力を低減する(例えば、応力の局所的最大値を防止又は低減する)。
【0097】
いくつかの実施態様では、第1の部品は、異方性の熱膨張率を有する材料を含む。例えば、第1の部品112は、1つの軸(例えば、長手方向軸254)において、別の軸(例えば、垂直軸252)よりも10倍大きい熱膨張率を有しうる。いくつかのそのような実施態様では、第1の部品は、熱可塑性ポリマー材料(例えば、ABS材料又はカーボン充填ABS材料)、熱硬化性ポリマー材料、又は別のポリマー材料を含む。
【0098】
いくつかの実施態様では、第1の部品の第1の接合部分は、第3の連結面、第1の中間面、及び第2の中間面を更に含む。第1の中間面並びに第1及び第2の連結面のそれぞれは、鈍角コーナーを形成する。第2の中間面及び第2の連結面は、別の鈍角コーナーを形成する。例えば、図5を参照して説明したように、第1の中間面514と第1及び第3の連結面132、516のそれぞれは鈍角コーナー554、556を形成し、第2の中間面518及び第3の連結面516は別の鈍角コーナー558を形成する。特定の実施態様では、第2の中間面と垂直エッジ面は、実質的に直角のコーナーを形成する。例えば、第2の中間面518と垂直エッジ面520は、図5を参照して説明したように、実質的に直角のコーナー560を形成する。追加的に又は代替的には、第2の部品の第2の接合部分は、第4の連結面、第1の中間面、及び第2の中間面を更に含む。第1の中間面並びに第1及び第2の連結面のそれぞれは、鈍角コーナーを形成する。第2の中間面及び第2の連結面は、別の鈍角コーナーを形成する。例えば、図5を参照して説明したように、第1の中間面534と第2及び第4の連結面134、536のそれぞれは鈍角コーナー574、576を形成し、第2の中間面538及び第4の連結面536は別の鈍角コーナー578を形成する。
【0099】
いくつかの実施態様では、第2の部品は、第3の接合部分を更に含む。第3の接合部分は、第1の接合部分又は第2の接合部分に類似した形状を有し、ツールアセンブリの第3の部品の第4の接合部分と接合するように構成される。例えば、第2の部品114は、図3及び図4を参照して説明したように、第3の部品202の第4の接合部分424と連結する第3の接合部分422を含む。
【0100】
図15は、ツールアセンブリ102などのツールアセンブリに複合材料を塗布する方法1500の特定の例を示す。方法1500は、例示的な非限定的な例として、複合部品製造システム100、レイアップデバイス104、図1の硬化デバイス108、又はそれらの組み合わせによって実行されうる。ツールアセンブリ102は、図3図8及び図9A図9Oを参照して説明したように、1つ又は複数の接合部を含みうる。図15では、方法1500のオプションのステップが破線のボックスとして示される。
【0101】
いくつかの実施態様では、方法1500は、1402で、図14を参照して説明したように、付加製造によって、ツールアセンブリ102の第1の部品112、ツールアセンブリ102の第2の部品114、又はその両方を形成することを含む。特定の実施態様において、形成すること1402は、付加製造プロセスを使用して、ツールアセンブリ102の第1の部品112の第1の接合部分122を形成することを含む。第1の接合部分122は、上面136aと少なくとも1つの第1の連結面132とを含む。形成すること1402は、付加製造プロセスを使用して、ツールアセンブリ102の第2の部品114の第2の接合部分124を形成することを更に含む。第2の接合部分124は、上面136bと、第1の連結面132と相補的な少なくとも1つの第2の連結面134とを含む。
【0102】
いくつかの実施態様では、第1の接合部分122を形成すること1402は、付加製造プロセスを使用して、第1の連結面132と第1の接合部分122の上面136との間に鈍角コーナー552を形成することを含む。更に、第2の接合部分124を形成することは、付加製造プロセスを使用して、第2の連結面134と第2の接合部分124の上面136bとの間に鋭角コーナー572を形成することを含む。
【0103】
いくつかの実施態様では、形成すること1402は、付加製造プロセスを使用して第1及び第2の接合部分のタング582、584を形成することを更に含む。いくつかの実施態様では、付加製造プロセスを使用して第1及び第2の接合部分122、124を形成すること1402は、溶融フィラメント製作プロセス、プラスチックジェット印刷プロセス、3次元印刷プロセス、粉末床処理プロセス、選択的熱焼結プロセス、溶融堆積モデリングプロセス、ステレオリソグラフィプロセス、選択的レーザ焼結プロセス、又は選択的レーザ溶融プロセスのうちの少なくとも1つを使用して、第1及び第2の部品を形成することを含む。
【0104】
方法1500は、1404において、ツールアセンブリ102の第1の部品112を、第1の接合部分122及び第2の接合部分124を介してツールアセンブリ102の第2の部品114と接合することを含み、ツールアセンブリ102はレイアップ面116を含む。図1を参照して説明したように、第1及び第2の接合部分は、手又は機械によって接合され1404、ファスナ、接着剤、又はその両方を適用するとともに接合部分を使用して接合されうる。別の例として、接合部分は、図9A~9Oの接合部分に対応しうる。
【0105】
方法1500は、1408において、複合材料142をレイアップ面116に塗布することを含む。レイアップ面116は、複合部品190の形成を支持するように構成され、複合部品190の形状に相補的な形状を有する。いくつかの実施態様では、複合材料142をレイアップ面116に塗布することは、複合材料142を手動で又は自動化デバイスによって堆積又は配置することを含む。例えば、複合材料142は、図1を参照して説明したように、レイアップデバイス104によって堆積又は配置されて、複合部品190を形成しうる。代替的には、レイアップ面116上に堆積又は配置された複合材料142は、図1の作業部品192などの作業部品(例えば、まだ完成していない複合部品)を画定する又はそれに対応する。そのような実施態様では、方法1500は、1136aで、図1を参照して説明したように、作業部品192をトリミングして複合部品190を生成することを更に含む。
【0106】
いくつかの実施態様では、方法1500は、1412で、複合材料142とレイアップ面116との間に真空圧を生成することを更に含む。例えば、真空システム106は、図1を参照して説明したように、コントローラ110からのコマンドの受信に応じて、複合材料142とツールアセンブリ102のレイアップ面116との間に真空圧又は真空条件を生成する。
【0107】
いくつかの実施態様では、方法1500は、1410aで、熱及び/又は光を加えて複合材料142を硬化させ、複合部品190を形成することを更に含む。例えば、硬化デバイス108は、図1を参照して説明したように、熱及び/又は光を複合材料142に加え1410a、複合材料142を硬化させ、複合部品190を形成する。図15に示されるように、1412で真空圧がオプションで生成された後に、熱がツールアセンブリ102に加えられてもよい1410a。他の実施態様では、1412で真空圧が生成される前に、又は1412で真空圧が生成されるのと少なくとも部分的に同時に、1412で真空圧を生成せずに、熱及び/又は光がツールアセンブリに加えられる1410a。
【0108】
いくつかの実施態様では、ツールアセンブリ102は、第1の部品を第2の部品に接着する接着材料612を更に含む。例えば、図6を参照して説明したように、接着ペースト又は接着フィルムがツールアセンブリ102の中間面514、534に塗布される。
【0109】
いくつかの実施態様では、方法1400又は1500のツールアセンブリ102は、付加製造されるツールアセンブリであり、例えば、その部品112、114、202のうちの1つ又は複数は、融合フィラメント製造、例えば、融合堆積モデリング、プラスチックジェット印刷、3-D印刷、粉末床処理、選択的熱焼結、選択的レーザ焼結、ステレオリソグラフィ、選択的レーザ溶融といった、付加製造プロセスによって作られる。ツールアセンブリ102はコストと製造時間を削減したので、ツールアセンブリ102を使用して複合部品190を製造すると、金属ツールとツールアセンブリを使用した場合に比べてコストと製造時間が削減された。加えて、本明細書で説明する1つ又は複数の接合部を含むツールアセンブリ102を使用することにより、図1の複合部品製造システム100は、突合せ接合部で接合されたより小さなツールアセンブリを使用してより小さな複合部品を形成する場合と比較して、大型複合部品を形成することができる。
【0110】
図14の方法1400及び/又は図15の方法1500は、特定用途向け集積回路(ASIC)、中央処理装置(CPU)などの処理装置、コントローラ、別のハードウェアデバイス、ファームウェアデバイス、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)デバイス、又はそれらの任意の組み合わせによって開始又は制御されうる。一例として、図14の方法1400及び/又は図15の方法1500は、複合部品製造システム100のコントローラ110に含まれる又は結合される1つ又は複数のプロセッサといった、1つ又は複数のプロセッサによって開始又は制御することができる。いくつかの実施態様では、図14又は図15の方法の1つの1つ又は複数の動作は、図14又は図15の方法の他の1つ又は複数の動作と組み合わせてもよい。加えて、図14又は図15の方法を参照して説明される1つ又は複数の動作はオプションであり、図示又は説明とは異なる順序で実行され、又はその両方でありうる。更に、図14又は図15の方法を参照して説明される2つ以上の動作は、少なくとも部分的に同時に実行されうる。
【0111】
図16及び図17を参照すると、本開示の例は、図16のフローチャートによって示される移動体製造及び保守方法1600、並びに図17のブロック図によって示される移動体1702に照らして説明される。図17の移動体1702といった、図16の移動体製造及び保守方法1600によって製造された移動体は、例示的な非限定的な例として、航空機、飛行船、ロケット、衛星、潜水艦、船、自動車、又は別の移動体を含みうる。移動体1702は、有人又は無人(例えば、ドローン又は無人航空機(UAV))でありうる。
【0112】
図16を参照すると、複合部品の製造及び保守の方法の例示的な例のフローチャートが図示され指定される1600。製造前段階では、例示的な方法1600は、1602で、図17を参照して説明した移動体1702などの移動体の仕様及び設計を含む。移動体1702の仕様及び設計中に、方法1600は、図1の複合部品190などの複合部品の設計を指定することを含みうる。1604で、方法1600は材料調達を含む。例えば、方法1600は、移動体1702のための材料の調達(例えば、図1のツールアセンブリ102の設計及び製作)を含みうる。
【0113】
製造中、方法1600は、1606で、構成要素及びサブアセンブリの製造を含み、1608で、移動体1702のシステムインテグレーションを含む。方法1600は、移動体1702の構成要素及びサブアセンブリ製造(例えば、図1の複合部品190の製造)、並びにシステムインテグレーション(例えば、図1の複合部品190を移動体1702の1つ又は複数の構成要素に結合すること)を含みうる。例えば、1606で、図1のシステム100は、図14の方法1400及び/又は図15の方法1500を実施して、複合部品190を製造し、次に1608で複合部品190を組み立て、移動体1702を製造することができる。
【0114】
1610で、方法1600は、移動体1702の認可及び納品を含み、1612で、移動体1702を運航させることを含む。認可及び納品には、検査又は非破壊試験による図1の複合部品190の認定が含まれうる。顧客により運航される間に、移動体1702は、定期的な整備及び保守(改造、再構成、改修なども含みうる)が予定されうる。1614で、方法1600は、移動体1702の整備及び保守を実行することを含む。方法1600は、複合部品190の整備及び保守を実行することを含みうる。例えば、通信システムの整備及び保守は、複合部品190の交換又は複合部品190の表面の修理を含みうる。
【0115】
方法1600のプロセスの各々は、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータ(例えば、顧客)によって実行され、又は実施されうる。本明細書の目的のために、システムインテグレータとは、任意の数の航空機製造者及び主要システムの下請業者を含むがこれらに限定されず、第三者とは、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含むがこれらに限定されず、オペレータとは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などでありうる。
【0116】
図17を参照すると、移動体1702の例示的な実施態様のブロック図は、図1のツールアセンブリ102などのツールアセンブリを使用して形成された複合部品を含む。説明のために、移動体1702は、例示的な非限定的例として、航空機を含みうる。移動体1702は、図16の方法1600の少なくとも一部によって製造されたものでありうる。図17に示されるように、移動体1702(例えば、航空機)は、機体1718、内装1722、複合部品190、及び複数のシステム1720を含みうる。他の実施態様では、機体1718は、複合部品190を含むか、それに対応する。例えば、複合部品190は、翼、翼の一部、胴体の一部、又は他の機体1718の構成要素を含むか、それらに対応しうる。複数のシステム1720は、推進システム1724、電気システム1726、環境システム1728、油圧システム1730又は通信システム1732のうちの1つ又は複数を含みうる。複合部品190は、ツールアセンブリ102を使用して形成又は製造される。複合部品190は、図1の複合部品製造システム100によって製造されてもよい。例えば、複合部品190は、図14及び図15の方法1400及び1500の1つ又は複数のステップによって、及び/又は図1を参照して説明したように製造されうる。
【0117】
本明細書に含まれる装置及び方法は、図16の方法1600の段階のうちの任意の1つ又は複数の段階中に使用されうる。例えば、製造プロセス1608に対応する構成要素又はサブアセンブリは、例えば、1612において、移動体1702の運航中に製造される構成要素又はサブアセンブリと同様の方法で製作又は製造されうるが、これに限定されない。また、1つ又は複数の装置の実装、方法の実装、又はこれらの組み合わせは、例えば、移動体1702の組立てを実質的に効率化するか、又は移動体1702のコストを低減することにより、製造段階(例えば、方法1600の段階1602~1610)で利用されうる。同様に、1612で、移動体1702が運航中に、装置の実装、方法の実装、又はそれらの組み合わせの1つ又は複数が、例えば、限定するものではないが、1614で整備及び保守に利用されることがある。
【0118】
本開示は、以下の非網羅的な列挙された例を更に含み、これらは特許請求されてもされなくてもよい。
【0119】
1. 上面136a及び少なくとも1つの第1の連結面132を含む第1の接合部分122を有する第1の部品112)と、
第1の接合部分122と連結するように構成された第2の接合部分124を有する第2の部品114であって、第2の接合部分124が、上面136b、及び第1の連結面132と相補的な少なくとも1つの第2の連結面134を含む、第2の部品114と、
第1及び第2の接合部分122、124を通って延びるファスナ118、702、802、902、904と
を備え、
第1の接合部分122の第1の連結面132及び上面136aが鈍角コーナー552を形成し、第2の接合部分124の第2の連結面134及び上面136bが鋭角コーナー572を形成し、
第1の連結面132が、第2の連結面134に接触して、ツールアセンブリ102の長手方向軸254に沿った第1の部品112と第2の部品114との間の相対運動を防止するように構成される、ツールアセンブリ102。
【0120】
2. ファスナ118、904が、第1及び第2の接合部分122、124のタング582、584を通って延びる、例1に記載のツールアセンブリ102。
【0121】
3. 第1の部品112を第2の部品114に結合するように構成された1つ又は複数の第2のファスナ702、802を更に備える、例1又は2に記載のツールアセンブリ102。
【0122】
4. ファスナ118、904が、ツールアセンブリ102の熱膨張を可能にするよう構成されたばね荷重式デバイス又はブラインドファスナを備える、例1から3のいずれかに記載のツールアセンブリ102。
【0123】
5. 鈍角コーナー552が約135度であり、鋭角コーナー572が約45度である、例1から4のいずれかに記載のツールアセンブリ102。
【0124】
6. 第1の部品112が、異方性の熱膨張率を有する材料を含む、例1から5のいずれかに記載のツールアセンブリ102。
【0125】
7. 第1及び第2の接合部分122、124によって形成された接合部が、第1及び第2の接合部分122、124の表面によって画定された1つ又は複数の間隙602、604、606を含み、1つ又は複数の間隙602、604、606に配置された接着材料612であって、接合部の真空の完全性を維持するように構成された接着材料612を更に含む、例1から6のいずれかに記載のツールアセンブリ102。
【0126】
8. 上面136a、及び少なくとも1つの第1の連結面132を含む第1の接合部分122を有する第1の部品112と、
第1の接合部分122と連結するように構成された第2の接合部分124を有する第2の部品114であって、第2の接合部分124が、上面136b、及び第1の連結面132と相補的な少なくとも1つの第2の連結面134を含む、第2の部品114と、
第1の部品112の第1の連結面132及び上面136aが鈍角コーナー552を形成し、第2の接合部分124の第2の連結面134及び上面136bが鋭角コーナー572を形成し、
第1の連結面132が、第2の連結面134に接触して、ツールアセンブリ102の長手方向軸254に沿った第1の部品112と第2の部品114との間の相対運動を防止するように構成される、ツールアセンブリ102。
【0127】
9. 第1の部品112が、熱可塑性ポリマー材料、熱硬化性ポリマー材料、又は別のポリマー材料を含む、例8に記載のツールアセンブリ102。
【0128】
10. 鋭角コーナー572、鈍角コーナー552、又はその両方が、フィレットコーナー又は面取りコーナーを含む、例8又は9に記載のツールアセンブリ102。
【0129】
11. 第1の部品112が第3の連結面516及び第1の中間面514を更に含み、第1の中間面514及び第1の連結面132が鈍角コーナー554を形成し、第1の中間面514及び第3の連結面516が鈍角コーナー556を形成する、例8から10のいずれかに記載のツールアセンブリ102。
【0130】
12. 第2の部品114が、第1の接合部分122又は第2の接合部分124に類似した形状を有し、かつツールアセンブリ102の第3の部品202の第4の接合部分424と接合するように構成された、第3の接合部分分422を更に含む、例8から11のいずれかに記載のツールアセンブリ102。
【0131】
13. 第1の部品112を第2の部品114に接着する接着材料612、第1の連結面132と第2の連結面134との間に配置された環状リングシール1002、又はそれらの組み合わせを更に含む、例8から12のいずれかに記載のツールアセンブリ102。
【0132】
14. ツールアセンブリ102を加熱する方法であって、
第1の接合部分122及び第2の接合部分124を介して、ツールアセンブリ102の第1の部品112をツールアセンブリ102の第2の部品114と接合することと、
ツールアセンブリ102の第1及び第2の接合部分122、124を通してファスナ118、904を挿入することと、
ツールアセンブリ102に熱を加えることと
を含み、加熱すると、第1及び第2の接合部分122、124の連結面が互いに締め付けられる、方法。
【0133】
15. ファスナ118、904を挿入することが、
第1及び第2の接合部分122、124のタング582、584を通してファスナ118、904を挿入することと、
ファスナ118、904を第1及び第2の接合部分122、124に固定することと
を含む、例14に記載の方法。
【0134】
16. ツールアセンブリ102に熱を加える前に、複合材料142を、複合部品190の形成を支持するように構成され、かつ複合部品190の形状を有する、ツールアセンブリ102のレイアップ面116に塗布することと、
複合材料142とレイアップ面116との間に真空圧を生成することと
を更に含む、例14又は15に記載の方法。
【0135】
17. 複合材料142をツールアセンブリ102に塗布する方法であって、
第1の接合部分122及び第2の接合部分124を介して、レイアップ面116を含むツールアセンブリ102の第1の部品112をツールアセンブリ102の第2の部品114と接合することと、
複合材料142を、複合部品190の形成を支持するように構成され、かつ複合部品190の形状に相補的な形状を有するレイアップ面116に塗布することと
を含む方法。
【0136】
18. 複合材料142とレイアップ面116との間に真空圧を生成することを更に含む、例17に記載の方法。
【0137】
19. 熱又は光を複合材料142に加え、複合材料142を硬化させることを更に含む、例17又は18に記載の方法。
【0138】
20. レイアップ面116に塗布された複合材料142が作業部192を画定し、作業部192をトリミングして複合部品190を生成することを更に含む、例17から19のいずれかに記載の方法。
【0139】
21. ツールアセンブリ102を作成する方法であって、
付加製造プロセスを使用して、上面136a及び少なくとも1つの第1の連結面132を含む、ツールアセンブリ102の第1の部品112の第1の接合部分122を形成することと、
付加製造プロセスを使用して、上面136b、及び第1の連結面132に相補的な少なくとも1つの第2の連結面134を含む、ツールアセンブリ102の第2の部品114の第2の接合部分124を形成することと
を含む方法。
【0140】
22. 第1の接合部分122を形成することが、付加製造プロセスを使用して、第1の連結面132と第1の接合部分122の上面136aとの間に鈍角コーナー552を形成することを含み、
第2の接合部分124を形成することが、付加製造プロセスを使用して、第2の連結面134と第2の接合部分124の上面136bとの間に鋭角コーナー572を形成することを含む、例21に記載の方法。
【0141】
23. 付加製造プロセスを使用して、第1および第2の接合部分122、124のタング582、584を形成することを更に含む、例21又は22に記載の方法。
【0142】
24. 付加製造プロセスを使用して第1及び第2の接合部分122、124を形成することが、溶融フィラメント製作プロセス、プラスチックジェット印刷プロセス、3次元印刷プロセス、粉末床処理プロセス、選択的熱焼結プロセス、溶融堆積モデリングプロセス、ステレオリソグラフィプロセス、選択的レーザ焼結プロセス、又は選択的レーザ溶融プロセスのうちの少なくとも1つを使用して、第1及び第2の部品を形成することを含む、例21から23のいずれかに記載の方法。
【0143】
本明細書に記載の例の図は、様々な実施態様の構造の概略的な理解をもたらすことを意図する。これらの図は、本明細書に記載された構造又は方法を利用する装置及びシステムのすべての要素及び特徴を網羅的に説明することを意図していない。本開示を精査することで、当業者には、他の多くの実施態様が明らかになりうる。本開示の範囲を逸脱することなく構造的及び論理的な置換及び変更を行うことができるように、他の実施態様を利用し、他の実施態様を本開示から引き出すことができる。例えば、方法動作を図に示す順序とは異なる順序で実行してもよく、或いは、1つ又は複数の方法動作を省略してもよい。したがって、本開示及び図は、限定的ではなく例示的なものと見なすべきである。
【0144】
更に、本明細書では具体的な例を例示し説明してきたが、同一又は類似の結果を実現するよう設計された任意の後続の構成を、図示した特定の実施態様と置き換えてもよいと理解すべきである。本開示は、様々な実施態様の後続する任意の又はすべての適用例又は変形例を含むことが意図される。上述の実施態様の組み合わせ、及び本明細書で特段に説明していない他の実施態様は、本明細書を精査することで当業者に明らかになろう。
【0145】
本開示の「要約」は、特許請求の範囲又は意味を解釈する又は限定するために使用されるものではないとの理解のもとに、提出される。加えて、上記の「発明を実施するための形態」においては、本開示を分かりやすくする目的で、様々な特徴が、グループ化されること、又は単一の実施態様において説明されることがある。上述の例は、本開示を例示するものであり、限定するものではない。本開示の原理にしたがって多数の修正例及び変形例が実現可能であることも理解すべきである。以下の特許請求の範囲に反映されるように、特許請求される主題は、開示されている例のいずれかの全ての特徴を対象としない場合がある。したがって、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲及びその均等物によって規定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A-F】
図9G-L】
図9M-O】
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17