(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-17
(45)【発行日】2023-08-25
(54)【発明の名称】通話品質情報を提供する方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04M 11/00 20060101AFI20230818BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20230818BHJP
G10L 19/02 20130101ALI20230818BHJP
【FI】
H04M11/00 302
H04M1/00 H
G10L19/02 150
(21)【出願番号】P 2019162802
(22)【出願日】2019-09-06
【審査請求日】2022-08-24
(31)【優先権主張番号】10-2018-0109732
(32)【優先日】2018-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516014409
【氏名又は名称】ライン プラス コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LINE Plus Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】カン インギュ
(72)【発明者】
【氏名】ハ ホングァン
(72)【発明者】
【氏名】ソ サンヒョク
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0372708(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0141925(US,A1)
【文献】特開2005-045739(JP,A)
【文献】特開2005-094046(JP,A)
【文献】特開2007-081715(JP,A)
【文献】特開2010-169925(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0170767(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10L13/00-13/10
19/00-99/00
H04L51/00-51/58
67/00-67/75
H04M1/00
1/24-3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信側端末が通話品質情報を提供する方法であって、
エンコードされた通話信号および前記通話信号に対する帯域幅情報を送信側端末から受信する段階と、
受信した前記通話信号を第1基準サンプリングレートによってデコードする段階と、
デコードされた前記通話信号を、前記受信側端末に含まれるまたは接続されている出力部がサポートするサンプリングレートによってリサンプリングする段階と、
前記帯域幅情報と前記第1基準サンプリングレートと前記出力部がサポートする前記サンプリングレートとのうちの少なくとも1つに基づいて通話品質を示す情報を生成する段階と、
を含み、
前記受信する段階は、前記送信側端末に含まれるまたは接続されている入力部に入力された入力信号が第2基準サンプリングレートによってサンプリングされ、サンプリングされた前記入力信号がエンコードされることによって生成された信号である前記通話信号と、前記第2基準サンプリングレートおよび前記入力部がサポートするサンプリングレートに基づいて決定された前記帯域幅情報と、を受信する
、方法。
【請求項2】
受信側端末が通話品質情報を提供する方法であって、
エンコードされた通話信号および前記通話信号に対する帯域幅情報を送信側端末から受信する段階と、
受信した前記通話信号を第1基準サンプリングレートによってデコードする段階と、
デコードされた前記通話信号を、前記受信側端末に含まれるまたは接続されている出力部がサポートするサンプリングレートによってリサンプリングする段階と、
前記帯域幅情報と前記第1基準サンプリングレートと前記出力部がサポートする前記サンプリングレートとのうちの少なくとも1つに基づいて通話品質を示す情報を生成する段階と、
を含み、
前記受信する段階は、前記送信側端末に予め記録されているまたは外部コンテンツ提供者から前記送信側端末に提供されたコンテンツがデコードされた後に第2基準サンプリングレートによってサンプリングされ、サンプリングされた前記コンテンツがエンコードされることによって生成された信号である前記通話信号と、前記第2基準サンプリングレートおよび前記コンテンツがデコードされたサンプリングレートに基づいて決定された前記帯域幅情報と、を受信する
、方法。
【請求項3】
前記帯域幅情報は、前記第2基準サンプリングレートが示す帯域幅および前記入力部がサポートする前記サンプリングレートが示す帯域幅のうち、狭い方の帯域幅を示す情報を含む、
請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
前記帯域幅情報は、広帯域、超広帯域、または全帯域の帯域幅を示す、
請求項1~
3のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
受信側端末が通話品質情報を提供する方法であって、
エンコードされた通話信号および前記通話信号に対する帯域幅情報を送信側端末から受信する段階と、
受信した前記通話信号を第1基準サンプリングレートによってデコードする段階と、
デコードされた前記通話信号を、前記受信側端末に含まれるまたは接続されている出力部がサポートするサンプリングレートによってリサンプリングする段階と、
前記帯域幅情報と前記第1基準サンプリングレートと前記出力部がサポートする前記サンプリングレートとのうちの少なくとも1つに基づいて通話品質を示す情報を生成する段階と、
を含み、
前記出力部がサポートする前記サンプリングレートが前記第1基準サンプリングレートと異なる場合、前記通話品質を示す前記情報は、前記帯域幅情報が示す第1帯域幅、前記第1基準サンプリングレートが示す第2帯域幅、および前記出力部がサポートする前記サンプリングレートが示す第3帯域幅のうち、最も狭い帯域幅を示す情報を含み、
前記出力部がサポートする前記サンプリングレートが前記第1基準サンプリングレートと同じである場合、前記通話品質を示す前記情報は、前記第1帯域幅および前記第2帯域幅のうち、狭い方の帯域幅を示す情報を含む
、方法。
【請求項6】
リサンプリングされた前記通話信号を前記出力部から出力する段階と、
前記通話品質を示す前記情報を表示する段階と、
をさらに含み、
表示される前記通話品質を示す前記情報は、前記送信側端末と前記受信側端末との間の通話で使用される帯域幅と関連する通話品質を示す情報を含む、
請求項1~
5のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
受信側端末が通話品質情報を提供する方法であって、
エンコードされた通話信号および前記通話信号に対する帯域幅情報を送信側端末から受信する段階と、
受信した前記通話信号を第1基準サンプリングレートによってデコードする段階と、
デコードされた前記通話信号を、前記受信側端末に含まれるまたは接続されている出力部がサポートするサンプリングレートによってリサンプリングする段階と、
前記帯域幅情報と前記第1基準サンプリングレートと前記出力部がサポートする前記サンプリングレートとのうちの少なくとも1つに基づいて通話品質を示す情報を生成する段階と、
を含み、
前記リサンプリングは、前記出力部がサポートする前記サンプリングレートが前記第1基準サンプリングレートと異なると判断されたときに実行される
、方法。
【請求項8】
前記第1基準サンプリングレートは、前記受信側端末の性能と、前記送信側端末と前記受信側端末との間の通話を提供するサービス提供者による設定と、のうちの少なくとも1つに基づいて決定される、
請求項1~
7のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1~
8のうちのいずれか一項に記載の方法を端末に実行させるプログラム。
【請求項10】
通話品質情報を提供する電子装置であって、
エンコードされた通話信号および前記通話信号に対する帯域幅情報を送信側端末から受信し、受信した前記通話信号を第1基準サンプリングレートによってデコードするデコーダと、
デコードされた前記通話信号を、前記電子装置と関連する出力部がサポートするサンプリングレートによってリサンプリングするリサンプラと、
前記帯域幅情報と前記第1基準サンプリングレートと前記出力部がサポートする前記サンプリングレートとのうちの少なくとも1つに基づいて通話品質を示す情報を生成する通話品質情報生成部と、
を備え、
受信した、エンコードされた前記通話信号は、前記送信側端末に含まれるまたは接続されている入力部に入力された入力信号が第2基準サンプリングレートによってサンプリングされ、サンプリングされた前記入力信号がエンコードされることによって生成された信号であり、
前記帯域幅情報は、前記第2基準サンプリングレートおよび前記入力部がサポートするサンプリングレートに基づいて決定された情報である
、電子装置。
【請求項11】
通話品質情報を提供する電子装置であって、
エンコードされた通話信号および前記通話信号に対する帯域幅情報を送信側端末から受信し、受信した前記通話信号を第1基準サンプリングレートによってデコードするデコーダと、
デコードされた前記通話信号を、前記電子装置と関連する出力部がサポートするサンプリングレートによってリサンプリングするリサンプラと、
前記帯域幅情報と前記第1基準サンプリングレートと前記出力部がサポートする前記サンプリングレートとのうちの少なくとも1つに基づいて通話品質を示す情報を生成する通話品質情報生成部と、
を備え、
受信した、エンコードされた前記通話信号は、前記送信側端末に予め記録されているまたは外部コンテンツ提供者から前記送信側端末に提供されたコンテンツがデコードされた後に第2基準サンプリングレートによってサンプリングされ、サンプリングされた前記コンテンツがエンコードされることによって生成された信号であり、
前記帯域幅情報は、前記第2基準サンプリングレートおよび前記コンテンツがデコードされたサンプリングレートに基づいて決定された情報である
、電子装置。
【請求項12】
前記出力部は、リサンプリングされた前記通話信号を出力し、
前記電子装置は、前記通話品質を示す前記情報を表示する表示部
をさらに備え、
表示される前記通話品質を示す前記情報は、前記送信側端末と前記電子装置との間の通話で使用される帯域幅と関連する通話品質を示す情報を含む、
請求項
10または11に記載の電子装置。
【請求項13】
通話品質情報を提供する電子装置であって、
エンコードされた通話信号および前記通話信号に対する帯域幅情報を送信側端末から受信し、受信した前記通話信号を第1基準サンプリングレートによってデコードするデコーダと、
デコードされた前記通話信号を、前記電子装置と関連する出力部がサポートするサンプリングレートによってリサンプリングするリサンプラと、
前記帯域幅情報と前記第1基準サンプリングレートと前記出力部がサポートする前記サンプリングレートとのうちの少なくとも1つに基づいて通話品質を示す情報を生成する通話品質情報生成部と、
を備え、
前記出力部がサポートする前記サンプリングレートが前記第1基準サンプリングレートと異なる場合、前記通話品質情報生成部は、前記通話品質を示す前記情報として、前記帯域幅情報が示す第1帯域幅、前記第1基準サンプリングレートが示す第2帯域幅、および前記出力部がサポートする前記サンプリングレートが示す第3帯域幅のうち、最も狭い帯域幅を示す情報を生成し、
前記出力部がサポートする前記サンプリングレートが前記第1基準サンプリングレートと同じである場合、前記通話品質情報生成部は、前記通話品質を示す前記情報として、前記第1帯域幅および前記第2帯域幅のうち、狭い方の帯域幅を示す情報を生成する
、電子装置。
【請求項14】
前記第1基準サンプリングレートは、前記電子装置の性能と、前記送信側端末と前記電子装置との間の通話を提供するサービス提供者による設定と、のうちの少なくとも1つに基づいて決定される、
請求項
10~
13のうちのいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項15】
送信側端末における、通話品質情報を提供するための方法であって、
入力信号を受信する段階であって、前記入力信号は、前記送信側端末に含まれるまたは接続されている入力部を経て受信され、前記入力部がサポートするサンプリングレートによってサンプリングされたものである、または、前記送信側端末に予め記録されているまたは外部コンテンツ提供者から前記送信側端末に提供されたコンテンツがデコードされたものである、段階と、
前記入力信号を基準サンプリングレートによってリサンプリングする段階と、
リサンプリングされた前記入力信号をエンコードする段階と、
エンコードされた前記入力信号と、前記基準サンプリングレートおよび前記入力部がサポートする前記サンプリングレートまたは前記コンテンツがデコードされたサンプリングレートに基づいて決定された帯域幅情報と、を受信側端末に送信する段階と、
を含み、
前記受信側端末に送信された、エンコードされた前記入力信号および前記帯域幅情報は、前記受信側端末において、前記送信側端末と前記受信側端末との間の通話で使用される帯域幅と関連する通話品質を示す情報を生成するために使用される、
方法。
【請求項16】
前記帯域幅情報は、前記基準サンプリングレートが示す帯域幅と、前記入力部がサポートする前記サンプリングレートまたは前記コンテンツがデコードされた前記サンプリングレートが示す帯域幅と、のうち、狭い方の帯域幅を示す情報を含む、
請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
受信側端末における、通話品質情報を提供する方法であって、
エンコードされた通話信号および前記通話信号に対する帯域幅情報を送信側端末から受信する段階と、
受信した前記通話信号を第1基準サンプリングレートによってデコードする段階と、
前記受信側端末に含まれるまたは接続されている出力部がサポートするサンプリングレートと前記第1基準サンプリングレートとを比較する段階と、
前記出力部がサポートする前記サンプリングレートが前記第1基準サンプリングレートと異なる場合、デコードされた前記通話信号を、前記出力部がサポートする前記サンプリングレートによってリサンプリングし、前記帯域幅情報、前記第1基準サンプリングレート、および前記出力部がサポートする前記サンプリングレートに基づいて通話品質を示す情報を生成する段階と、
前記出力部がサポートする前記サンプリングレートが前記第1基準サンプリングレートと同じである場合、前記帯域幅情報および前記第1基準サンプリングレートに基づいて通話品質を示す情報を生成する段階と、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、通話品質情報を提供する方法に関し、より詳細には、受信側端末と送信側端末との間の通話において、通話品質を正確に示す通話品質情報を受信側端末および送信側端末に提供する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年は、VoIP(Voice over Internet Protocol)のような通話機能を提供する多様な端末が登場している。このような端末では、音声通話はもちろん、映像通話もサポートされているが、端末のユーザは、このような通話機能を利用して他のユーザと通信したり、コンテンツや情報をやり取りしたりすることができる。このとき、通話機能は、端末にインストールされたアプリケーションによって提供される。
【0003】
特許文献1(登録日2006年1月18日)は、移動通信手段を利用した通話品質を測定する方法およびそのシステムに関するものであって、所定の時間間隔で移動通信網を介した各通話の通話時間の長さに関する情報を含む通話内訳情報の入力を受け、通話内訳情報に含まれる所定の時間間隔における各通話の通話時間の長さに関する情報を利用して通話時間を代表するデータを算出し、これを予め記録されているデータと比較し、その結果を出力することによって通話音質を測定する方法に関する技術を開示している。
【0004】
上述した情報は、理解を助けるためのものに過ぎず、従来技術の一部を形成しない内容を含むこともあるし、従来技術が当業者に提示することのできる内容を含まないこともある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【0006】
一側面において、受信側端末が通話品質情報を提供する方法であって、エンコードされた通話信号および前記通話信号に対する帯域幅情報を送信側端末から受信する段階と、受信した前記通話信号を第1基準サンプリングレートによってデコードする段階と、デコードされた前記通話信号を、前記受信側端末に含まれるまたは接続されている出力部がサポートするサンプリングレートによってリサンプリング(resampling)する段階と、前記帯域幅情報と前記第1基準サンプリングレートと前記出力部がサポートする前記サンプリングレートとのうちの少なくとも1つに基づいて通話品質を示す情報を生成する段階と、を含む、方法を提供する。
【0007】
また他の側面によると、前記受信する段階は、前記送信側端末に含まれるまたは接続されている入力部に入力された入力信号が第2基準サンプリングレートによってサンプリングされ、サンプリングされた前記入力信号がエンコードされることによって生成された信号である前記通話信号と、前記第2基準サンプリングレートおよび前記入力部がサポートするサンプリングレートに基づいて決定された前記帯域幅情報と、を受信してよい。
【0008】
また他の側面によると、前記受信する段階は、前記送信側端末に予め記録されているまたは外部コンテンツ提供者から前記送信側端末に提供されたコンテンツがデコードされた後に第2基準サンプリングレートによってサンプリングされ、サンプリングされた前記コンテンツがエンコードされることによって生成された信号である前記通話信号と、前記第2基準サンプリングレートおよび前記コンテンツがデコードされたサンプリングレートに基づいて決定された前記帯域幅情報と、を受信してよい。
【0009】
また他の側面によると、前記帯域幅情報は、前記第2基準サンプリングレートが示す帯域幅および前記入力部がサポートする前記サンプリングレートが示す帯域幅のうち、狭い方の帯域幅を示す情報を含んでよい。
【0010】
また他の側面によると、前記帯域幅情報は、広帯域、超広帯域、または全帯域の帯域幅を示してよい。
【0011】
また他の側面によると、前記出力部がサポートする前記サンプリングレートが前記第1基準サンプリングレートと異なる場合、前記通話品質を示す前記情報は、前記帯域幅情報が示す第1帯域幅、前記第1基準サンプリングレートが示す第2帯域幅、および前記出力部がサポートする前記サンプリングレートが示す第3帯域幅のうち、最も狭い帯域幅を示す情報を含んでよい。
【0012】
また他の側面によると、前記出力部がサポートする前記サンプリングレートが前記第1基準サンプリングレートと同じである場合、前記通話品質を示す前記情報は、前記第1帯域幅および前記第2帯域幅のうち、狭い方の帯域幅を示す情報を含んでよい。
【0013】
また他の側面によると、前記方法は、リサンプリングされた前記通話信号を前記出力部から出力する段階と、前記通話品質を示す前記情報を表示する段階と、をさらに含んでよい。
【0014】
また他の側面によると、表示される前記通話品質を示す前記情報は、前記送信側端末と前記受信側端末との間の通話で使用される帯域幅と関連する通話品質を示す情報を含んでよい。
【0015】
また他の側面によると、前記リサンプリングは、前記出力部がサポートする前記サンプリングレートが前記第1基準サンプリングレートと異なると判断されたときに実行されてよい。
【0016】
また他の側面によると、前記第1基準サンプリングレートは、前記受信側端末の性能と、前記送信側端末と前記受信側端末との間の通話を提供するサービス提供者による設定と、のうちの少なくとも1つに基づいて決定されてよい。
【0017】
他の側面において、上述の方法を端末または電子装置に実行させるプログラムを提供する。また他の側面において、上述の方法を端末または電子装置に実行させるプログラムを記録している記録媒体を提供する。
【0018】
また他の側面において、通話品質情報を提供する電子装置であって、エンコードされた通話信号および前記通話信号に関する帯域幅情報を送信側端末から受信し、受信した前記通話信号を第1基準サンプリングレートによってデコードするデコーダと、デコードされた前記通話信号を、前記電子装置と関連する出力部がサポートするサンプリングレートによってリサンプリングするリサンプラと、前記帯域幅情報と前記第1基準サンプリングレートと前記出力部がサポートする前記サンプリングレートとのうちの少なくとも1つに基づいて通話品質を示す情報を生成する通話品質情報生成部と、を備える、電子装置が提供される。
【0019】
また他の側面において、送信側端末における、通話品質情報を提供するための方法であって、入力信号を受信する段階であって、前記入力信号は、前記送信側端末に含まれるまたは接続されている入力部を経て受信され、前記入力部がサポートするサンプリングレートによってサンプリングされたものである、または、前記送信側端末に予め記録されているまたは外部コンテンツ提供者から前記送信側端末に提供されたコンテンツがデコードされたものである、段階と、前記入力信号を基準サンプリングレートによってリサンプリングする段階と、リサンプリングされた前記入力信号をエンコードする段階と、エンコードされた前記入力信号と、前記基準サンプリングレートおよび前記入力部がサポートする前記サンプリングレートまたは前記コンテンツがデコードされたサンプリングレートに基づいて決定された帯域幅情報と、を受信側端末に送信する段階と、を含み、前記受信側端末に送信された、エンコードされた前記入力信号および前記帯域幅情報は、前記受信側端末において、前記送信側端末と前記受信側端末との間の通話で使用される帯域幅と関連する通話品質を示す情報を生成するために使用される、方法を提供する。
【0020】
また他の側面において、受信側端末における、通話品質情報を提供する方法であって、エンコードされた通話信号および前記通話信号に対する帯域幅情報を送信側端末から受信する段階と、受信した前記通話信号を第1基準サンプリングレートによってデコードする段階と、前記受信側端末に含まれるまたは接続されている出力部がサポートするサンプリングレートと前記第1基準サンプリングレートとを比較する段階と、前記出力部がサポートする前記サンプリングレートが前記第1基準サンプリングレートと異なる場合、デコードされた前記通話信号を、前記出力部がサポートする前記サンプリングレートによってリサンプリングし、前記帯域幅情報、前記第1基準サンプリングレート、および前記出力部がサポートする前記サンプリングレートに基づいて通話品質を示す情報を生成する段階と、前記出力部がサポートする前記サンプリングレートが前記第1基準サンプリングレートと同じである場合、前記帯域幅情報および前記第1基準サンプリングレートに基づいて通話品質を示す情報を生成する段階と、を含む、方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】一実施形態における、送信側端末と受信側端末との間の通話方法を示した図である。
【
図2】一実施形態における、通話を実行する送信側端末および受信側端末の構成を示した構造図である。
【
図3】一実施形態における、送信側端末における、通話品質情報を提供するための方法を示したフローチャートである。
【
図4】一実施形態における、受信側端末における、通話品質情報を提供する方法を示したフローチャートである。
【
図5】一実施形態における、受信側端末における、通話品質情報を提供する方法を示したフローチャートである。
【
図6a】一実施形態における、通話品質情報を提供する通話を実行するにあたっての、送信側端末の動作方法を示した図である。
【
図6b】一実施形態における、通話品質情報を提供する通話を実行するにあたっての、送信側端末の動作方法を示した図である。
【
図6c】一実施形態における、通話品質情報を提供する通話を実行するにあたっての、送信側端末の動作方法を示した図である。
【
図7a】一実施形態における、通話品質情報を提供する通話を実行するにあたっての、受信側端末の動作方法を示した図である。
【
図7b】一実施形態における、通話品質情報を提供する通話を実行するにあたっての、受信側端末の動作方法を示した図である。
【
図7c】一実施形態における、通話品質情報を提供する通話を実行するにあたっての、受信側端末の動作方法を示した図である。
【
図8】一実施形態における、通話を実行するユーザ端末に通話品質情報を表示する方法を示した図である。
【
図9】一実施形態における、送信側端末が出力する、エンコードされた通話信号が、送信側端末に対して予め記録されたコンテンツを使用して生成される方法を示した図である。
【
図10】一実施形態における、送信側端末が出力する、エンコードされた通話信号が、コンテンツ提供者によって提供されるコンテンツを使用して生成される方法を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
通話の品質は、通話がなされるネットワークの状態だけでなく、送信側端末に含まれるまたは接続されている、オーディオ信号のような通話信号の入力を受ける入力部の仕様または特性や、受信側端末に含まれるまたは接続されている、通話信号を出力する出力部の仕様または特性に応じて異なる。
【0023】
したがって、ネットワークの状態だけに基づいて受信側端末と送信側端末との間の通話に関する通話品質情報を提供するのではなく、受信側端末および送信側端末の特性を総合的に考慮することによって正確な通話品質が反映された通話品質情報を生成および提供する方法が求められている。
【0024】
以下、添付の図面を参照しながら、実施形態について詳細に説明する。各図面に提示された同じ参照符号は、同じ要素を示す。
【0025】
以下の詳細な説明において、電子装置(またはユーザ端末)や電子装置(またはユーザ端末)に含まれる構成によって実行される機能および/または動作は、説明の便宜上、該当の構成ではなく、該当の構成を含む上位の構成や電子装置(またはユーザ端末)自体によって実行されるものと記載されてよい。
【0026】
実施形態に係る通話品質情報を提供する方法は、以下で説明される電子装置(端末100、200)によって実現されてよく、このような電子装置によって実行されてよい。例えば、電子装置において、実施形態に係る方法を電子装置が実行するためのコンピュータプログラムとして実現されるアプリケーションがインストールされて実行されてよく、電子装置は、実行されるアプリケーションの制御にしたがって実施形態に係る通話品質情報を提供する方法を実行してよい。
【0027】
以下の詳細な説明において、サンプリングレートは、ナイキストサンプリングレート(Nyquist Sampling Rate)であってよい。通話信号(オーディオ信号)のサンプリングレートは、該当の通話信号の帯域幅と関連してよい。すなわち、通話信号に対するサンプリングレートによって帯域幅が決定されてよい。
【0028】
通話信号の帯域幅は、狭帯域(Narrow Band:NB)(ナローバンド、100-4000Hz)、広帯域(Wide Band:WB)(ワイドバンド、50-8000Hz)、超広帯域(Super Wide Band:SWB)(スーパーワイドバンド、50-16000Hz)、または全帯域(Full Band:FB)(フルバンド、50-20000Hz以上)であってよい。ここで、全帯域が最も高音質であり、狭帯域が最も低音質である。例えば、通話信号のサンプリングレートが16000サンプル/秒(以下、単位は省略)以下であるとき、該当の通話信号の帯域幅は広帯域となってよい。また、通話信号のサンプリングレートが16000よりも大きく32000以下であるとき、該当の通話信号の帯域幅は超広帯域となってよい。さらに、通話信号のサンプリングレートが32000よりも大きいとき、該当の通話信号の帯域幅は全帯域となってよい。
【0029】
図1は、一実施形態における、送信側端末と受信側端末との間の通話方法を示した図である。
【0030】
図1には、送信側端末100と受信側端末200との間の通話が、ネットワーク155を介してなされる方法が示されている。
【0031】
送信側端末100と受信側端末200との間の通話は、例えば、VoIPを基盤とした通話であってよい。送信側端末100と受信側端末200との間の通話は、オーディオ信号を互いにやり取りする音声通話であってよい。また、通話は、オーディオ信号に加え、映像信号をさらにやり取りする映像通話であってよい。さらに、送信側端末100および受信側端末200は、このような通話機能を利用することによって互いにコンテンツをやり取りしてよい。コンテンツは、例えば、イメージ、動画、テキスト、絵文字、およびスタンプのうちの少なくとも1つであってよい。
【0032】
送信側端末100および受信側端末200に通話を提供する通話機能は、送信側端末100および受信側端末200それぞれにインストールされたアプリケーション(またはプログラム)によって提供されてよい。アプリケーションは、例えば、VoIPを基盤として通話を提供するアプリケーション、または送信側端末100および受信側端末200にチャットまたはメッセンジャー送受信機能を提供するメッセンジャーアプリケーションであってよい。すなわち、アプリケーションによって提供される音声通話機能および/または映像通話機能により、送信側端末100のユーザおよび受信側端末200のユーザは、互いに通信することが可能となる。
【0033】
送信側端末100および受信側端末200はそれぞれ、例えば、スマートフォンのような同じ種類のユーザ端末であってよい。ネットワーク155は、例えば、インターネットであってよい。また、ネットワーク155は、PAN(personal area network)、LAN(local area network)、CAN(campus area network)、MAN(metropolitan area network)、WAN(wide area network)、BBN(broadband network)、インターネットなどのネットワークのうちの1つ以上のネットワークを含んでよい。
【0034】
図示されてはいないが、送信側端末100と受信側端末200との間の通話は、サーバと関連して(あるいは、サーバを経由して)実行されてよい。例えば、送信側端末100と受信側端末200との間の通話は、該当の通話機能を提供するサービス提供者のサーバ(一例として、メッセンジャーサービス提供サーバ、およびVoIPを基盤とした通話提供サーバ)と関連して実行されてよい。
【0035】
送信側端末100は、送信側端末100に接続されているまたは含まれる入力部105を経てユーザが入力した入力信号を受信してよい。入力信号は、例えば、ユーザが入力する音声のようなオーディオ信号であってよい。入力部105を通過する前の入力信号は、アナログ信号であってよい。入力部105は、一例として、マイク(マイクロフォン)であってよく、図示するものとは異なり送信側端末100に含まれる構成であってもよい。
【0036】
入力部105を経て送信側端末100に受信された入力信号は、入力部105がサポートするサンプリングレートによってサンプリングされたデジタル信号であってよい。送信側端末100は、受信した入力信号を所定の基準サンプリングレートによってリサンプリングしてよく(102)、リサンプリングされた入力信号をエンコードし(104)、ネットワーク155を介して出力してよい。出力された信号は、受信側端末200に送信されてよい。
【0037】
受信側端末200は、受信した、エンコードされた通話信号(送信側端末100によりエンコードされてネットワーク155を介して出力された信号)を所定の基準サンプリングレートによってデコードしてよく(202)、デコードされた通話信号は、受信側端末200に接続されているまたは含まれる出力部205がサポートするサンプリングレートによってリサンプリングされてよい(204)。出力部205は、一例としてスピーカであってよく、図示するものとは異なり受信側端末200に含まれる構成であってもよい。出力部205は、デコードされてリサンプリングされた通話信号を受信側端末200から受信して出力してよい。例えば、出力部205は、受信したデジタル通話信号をアナログ信号に変換して出力してよい。
【0038】
受信側端末200は、送信側端末100から受信した通話信号に対する帯域幅情報、基準サンプリングレート、および出力部205がサポートするサンプリングレートのうちの少なくとも1つを使用して、送信側端末100との通話の通話品質を示す情報を生成してよい。受信側端末200は、このように生成された通話品質を示す情報を表示してよい。例えば、通話品質を示す情報は、受信側端末200の通話画面ユーザインタフェース上に表示されてよい。
【0039】
通話品質を示す情報は、実行されている通話で使用している帯域幅に関する情報を含んでよい。したがって、実施形態によれば、単にネットワーク155の状態を基盤とする通話品質情報に比べ、受信側端末200と送信側端末100との間の通話状態および品質がより正確に判定された通話品質情報がユーザに提供されることが可能となる。
【0040】
通話は、送信側端末100と受信側端末200との間の通話信号の連続的な送受信によって実行されるものであるため、図示するものとは反対に、送信側端末100が受信側端末200から通話信号を受信する場合、送信側端末100は受信側端末200と同じように動作してよく、受信側端末200は送信側端末100と同じように動作してよい。このとき、送信側端末100は、上述した受信側端末200と同じように、通話品質を示す情報を生成してよく、生成された通話品質を示す情報を表示してよい。
【0041】
結果的に、実施形態に係る通話品質を示す情報は、送信側端末100および受信側端末200の両側で生成され、各端末で表示されてよい。
【0042】
送信側端末100および受信側端末200の具体的な機能および動作と、通話品質を示す情報を生成および提供するさらに具体的な方法と、については、
図2~8を参照しながらさらに詳しく説明する。
【0043】
図2は、一実施形態における、通話を実行する送信側端末および受信側端末の構成を示した構造図である。
【0044】
図1を参照しながら上述した送信側端末100および受信側端末200の具体的な構成と、構成におけるそれぞれの動作と、についてさらに詳しく説明する。送信側端末100および受信側端末200は電子装置であって、通話機能をサポートするスマートフォンやこのようなスマートフォンと類似の装置であってよい。また、このような電子装置は、PC(personal computer)、ノート型PC、ラップトップコンピュータ、タブレット、IoT(Internet Of Things)機器、またはウェアラブルコンピュータなどのユーザ端末であってよい。
【0045】
上述したように、送信側端末100および受信側端末200は、互いに同じ種類の電子装置であって、同一または類似の構成を含んでよく、通話において送信側端末および受信側端末の両方として機能することが可能である。以下では、受信側端末200を中心に構成の機能および動作について説明し、送信側端末100については重複する説明を省略する。
【0046】
端末200は、通信部210、制御部220、および表示部230を備えてよい。
【0047】
また、端末200は、入力部240および出力部250と接続されてもよいし、または、入力部240および出力部250を含んでもよい。
【0048】
端末200は、通話時に受信側端末として動作するとき、通話者からの入力信号を受信する入力部240を備えてよい。入力部240は、例えば、端末200のマイクであってよい。端末200は、複数の入力部240を備えてよい。一例として、端末200は、一般通話において使用されるマイク、およびスピーカフォン機能の実行時に使用されるマイクを備えてよい。また、図示するものとは異なり、入力部240は、端末200に備えられる構成ではなく、端末200に接続される構成であってもよい。例えば、入力部240は、端末200に接続されるマイクであってもよく、ヘッドセット、ハンズフリー、またはマイクを含むイヤフォンの一部であってもよい。
【0049】
また、端末200は、通話時に送信側端末として動作するとき、通話信号を出力する出力部250を備えてよい。出力部250は、例えば、端末200のスピーカであってよい。端末200は、複数の出力部250を備えてよい。一例として、端末200は、一般通話において使用されるスピーカ、およびスピーカフォン機能の実行時に使用されるスピーカを備えてよい。また、図示するものとは異なり、入力部250は、端末200に備えられる構成ではなく、端末200に接続される構成であってもよい。例えば、出力部250は、端末200に接続されるスピーカ、イヤフォン、またはヘッドフォンであってもよく、ヘッドセット、ハンズフリー、またはマイクを含むイヤフォンの一部であってもよい。
【0050】
通信部210は、端末200が他の電子装置(例えば端末100)やサーバと通信するための装置であってよい。すなわち、通信部210は、他の電子装置やサーバがデータおよび/または情報を送信/受信できるようにする端末200のネットワークインタフェースカード、ネットワークインタフェースチップ、およびネットワーキングインタフェースフォトなどのようなハードウェアモジュールであってもよいし、ネットワークデバイスドライバまたはネットワーキングプログラムのようなソフトウェアモジュールであってもよい。
【0051】
通信部210は、端末200が受信側端末として動作するときには、エンコードされた通話信号(該当の通話信号に対する帯域幅情報を含む)を送信側端末100から受信してよく、端末200が送信側端末として動作するときには、このようにエンコードされた通話信号を、ネットワークを介して出力してよい。
【0052】
制御部220は、端末200の構成要素を管理してよく、端末200が使用するプログラムまたはアプリケーションを実行してよい。例えば、電子装置100は、通話機能を提供するアプリケーションを実行し、サーバまたは他の電子装置から受信したデータを処理するように構成されてよい。
【0053】
また、制御部220は、プログラムまたはアプリケーションの実行およびデータの処理などに必要な演算を処理してよい。制御部220は、端末200の少なくとも1つのプロセッサまたはプロセッサ内の少なくとも1つのコアであってよい。
【0054】
表示部230は、ユーザが入力した情報またはデータを出力する装置であって、ディスプレイを含んでよい。表示部230は、通話時に通話画面ユーザインタフェースを出力してよく、通話品質を示す情報を、このような通話画面ユーザインタフェース上に出力してよい。
【0055】
図示されてはいないが、電子装置100は、データまたは情報を記録するための装置として記録部を備えてよい。記録部は、いかなるメモリまたは記録装置を含んでもよい。記録部には、制御部220が実行したプログラムまたはアプリケーション、およびプログラムまたはアプリケーションと関連する情報や通話を実行するにあたって使用されるデータが記録されてよい。
【0056】
以下では、端末200の制御部220の構成222~228を参照しながら、端末200を利用した通話の実行および通話品質を示す情報を提供する方法について説明する。
【0057】
制御部220は、入力部240に入力された入力信号およびリサンプリングされた入力信号をエンコードするエンコーダ222、エンコードされた通話信号をデコードするデコーダ224、入力信号/通話信号を所定のサンプリングレートによってリサンプリングするリサンプラ226、および通話品質を示す情報を生成する通話品質情報生成部228を含んでよい。
【0058】
端末200が送信側端末として動作する場合、リサンプラ226は、入力部240を経て入力信号を受信してよい。入力信号は、入力部240がサポートするサンプリングレートによってサンプリングされたデジタル信号であってよい。リサンプラ226は、所定の基準サンプリングレートによって入力信号をリサンプリングしてよい。エンコーダ222は、リサンプリングされた入力信号をエンコードしてよい。エンコードされた入力信号、基準サンプリングレート、および入力部240がサポートするサンプリングレートに基づいて決定された帯域幅情報は、通信部210で出力されて受信側端末に送信されてよい。
【0059】
通話実行時の送信側端末の動作方法については、
図3を参照しながらさらに詳しく説明する。
【0060】
一方、端末200が受信側端末として動作する場合、デコーダ224は、送信側端末からエンコードされた通話信号および通話信号に対する帯域幅情報を、通信部210を経て受信し、受信した通話信号をデコードしてよい。デコーダ224は、所定の基準サンプリングレートによってデコードを実行してよい。リサンプラ226は、デコードされた通話信号を、出力部250がサポートするサンプリングレートによってリサンプリングしてよい。通話品質情報生成部228は、受信した帯域幅情報、基準サンプリングレート、および出力部250がサポートするサンプリングレートのうちの少なくとも1つに基づいて通話品質を示す情報を生成してよい。生成された通話品質を示す情報は、表示部250に出力されてよい。出力部250がサポートするサンプリングレートによってリサンプリングされた通話信号は、出力部250に伝達されて出力されてよい。
【0061】
通話実行時の受信側端末の動作方法については、
図4および
図5を参照しながらさらに詳しく説明する。
【0062】
上述した制御部220の構成222~228それぞれは、制御部220上で実現されるソフトウェアまたはハードウェアモジュールであってよい。構成222~228によって通話品質を示す情報を生成および提供する具体的な方法については、
図3~8を参照しながらさらに詳しく説明する。
【0063】
端末100およびその構成110~150については、端末200およびその構成210~250についての説明がそのまま適用可能であるため、重複する説明を省略し、
図1を参照しながら上述した技術的特徴についての説明も、
図2にそのまま適用可能であるため、重複する説明を省略する。
【0064】
図3は、一実施形態における、送信側端末における、通話品質情報を提供するための方法を示したフローチャートである。
【0065】
段階310において、送信側端末100(すなわち、制御部120)は、入力部140からの入力信号を受信してよい。入力信号は、入力部140がサポートするサンプリングレートによってサンプリングされたデジタル信号であってよい。すなわち、ユーザ(通話者)や外部から入力部140に入力された信号(例えば、オーディオ信号など)は、入力部140において、入力部140がサポートするサンプリングレートによってサンプリングされたデジタル信号に変換されてよい。また、入力信号は、
図9および
図10を参照しながら説明するように、送信側端末100に予め記録されているまたは外部コンテンツ提供者から送信側端末100に提供されたコンテンツがデコードされたものであってもよい。
【0066】
段階320において、リサンプラ126は、入力部140からの入力信号を所定の基準サンプリングレートによってリサンプリングしてよい。基準サンプリングレートは、端末100による設定と、通話サービスを提供するサービス提供者による設定と、のうちの少なくとも1つに基づいて決定されてよい。
【0067】
送信側端末100と受信側端末200との間の通話サービスが広帯域以上の帯域幅をサポートする場合、広帯域、超広帯域、または全帯域に対応する値が、基準サンプリングレートとして設定されてよい。このとき、広帯域、超広帯域、または全帯域に対応するサンプリングレート値は、サービス提供者によって設定されてもよいし、通話を実行する送信側端末100または受信側端末200のユーザ(例えば、先に通話をしようとした側のユーザ)によって設定されてもよい。
【0068】
また、基準サンプリングレートは、端末100の性能に応じて決定されてよい。例えば、通話サービスが全帯域の帯域幅をサポートしていたとしても端末100がこれをサポートしない場合、基準サンプリングレートは、端末100がサポートする最大帯域幅に対応するサンプリングレートとして決定されてよい。
【0069】
広帯域、超広帯域、または全帯域に対応する基準サンプリングレート値はそれぞれ、例えば、16000、32000、48000であってよい。通話サービスが全帯域のような広い帯域幅をサポートする場合、通話時に優れた音質を有するようになり、通話時の音声信号だけではなく、コンテンツを共に通信することが可能となる。
【0070】
段階320のリサンプリングは、入力部140がサポートするサンプリングレートが基準サンプリングレートと同じである場合には、実行されなくてもよい。
【0071】
段階330において、エンコーダ122は、段階320においてリサンプリングされた入力信号をエンコードしてよい。
【0072】
段階340において、エンコーダ122は、エンコードされた入力信号、基準サンプリングレート、および入力部140がサポートするサンプリングレートに基づいて決定された帯域幅情報を受信側端末200に送信してよい。
【0073】
エンコーダ122には、基準サンプリングレートまたは基準サンプリングレートが示す帯域幅(例えば、基準サンプリングレートによる最大帯域幅)の情報が設定されてよい。また、エンコーダ122には、入力部140がサポートするサンプリングレートまたは入力部140がサポートするサンプリングレートが示す帯域幅(例えば、該当のサンプリングレートによる最大帯域幅)の情報が設定されてよい。
【0074】
これにより、段階340において送信される帯域幅情報には、基準サンプリングレートおよび入力部140がサポートするサンプリングレートに基づいて決定された帯域幅に関する情報が含まれるようになる。例えば、帯域幅情報は、基準サンプリングレートが示す帯域幅および入力部140がサポートするサンプリングレートが示す帯域幅のうち、狭い方の帯域幅を示す情報を含んでよい。このような帯域幅情報は、エンコーダによって生成されるものであってよい。
【0075】
帯域幅情報は、広帯域、超広帯域、または全帯域の帯域幅を示してよい。
【0076】
エンコーダ122によってエンコードされた入力信号は、帯域幅情報が示す帯域幅と関連してよい。すなわち、エンコーダ122は、入力信号帯域幅情報が示す帯域幅を関連させて入力信号をエンコードしてよい。例えば、基準サンプリングレートと入力部140がサポートするサンプリングレートとが同じである場合、エンコーダ122によってエンコードされた入力信号は、基準サンプリングレートが示す帯域幅と関連してよい。また、基準サンプリングレートと入力部140がサポートするサンプリングレートとが異なる場合、エンコーダ122によってエンコードされた入力信号は、狭い方のサンプリングレートが示す帯域幅と関連してよい。
【0077】
受信側端末200に送信された、エンコードされた入力信号および帯域幅情報は、受信側端末200で通話信号を出力し、通話で実際に使用する帯域幅と関連する通話品質を示す情報を生成するために使用されてよい。
【0078】
通話実行時の受信側端末の動作方法と通話品質を示す情報を生成および提供する方法とについては、
図4および
図5を参照しながらさらに詳しく説明する。
【0079】
以上、
図1および
図2を参照しながら上述した技術的特徴についての説明は、
図3にもそのまま適用可能であるため、重複する説明を省略する。
【0080】
図4は、一実施形態における、受信側端末における、通話品質情報を提供する方法を示したフローチャートである。
【0081】
段階410において、受信側端末200は、通信部210により、エンコードされた通話信号および通話信号に対する帯域幅情報を送信側端末100から受信してよい。エンコードされた通話信号および帯域幅情報は、
図3を参照しながら上述した段階340において送信されたものであってよい。すなわち、送信側端末100と関連する、入力部140を経て入力された入力信号は、所定の基準サンプリングレートによって(リ)サンプリングされた後にエンコードされることによって生成された信号である通話信号と、所定の基準サンプリングレートおよび入力部140がサポートするサンプリングレートに基づいて決定された帯域幅情報と、が、受信側端末200において受信されてよい。エンコードされた通話信号および帯域幅情報を区分して説明したが、初回に受信される情報であってよい。または、エンコードされた通話信号に帯域幅情報が含まれてもよい。
【0082】
段階420において、デコーダ224は、受信した通話信号を所定の基準サンプリングレートによってデコードしてよい。所定の基準サンプリングレートは、受信側端末200の性能と、送信側端末100と受信側端末200との間の通話を提供するサービス提供者による設定と、のうちの少なくとも1つに基づいて決定されてよい。すなわち、受信側端末200の基準サンプリングレートは、
図3を参照しながら説明した、受信側端末200の基準サンプリングレートと類似の方式によって設定されてよい。受信側端末200の基準サンプリングレートは、受信側端末200の基準サンプリングレートと同じ値であることもあるし、異なる値であることもある。このような基準サンプリングレートは、送信側端末100または受信側端末200に対して個別に設定または決定されてよい。
【0083】
段階430において、リサンプラ226は、デコードされた通話信号を、受信側端末200と関連する出力部250がサポートするサンプリングレートによってリサンプリングしてよい。段階430を実行することにより、通話信号は、出力部250で適切に出力されることが可能となる。
【0084】
段階430のリサンプリングは、出力部250がサポートするサンプリングレートが受信側端末200の基準サンプリングレートと異なると判断されたときに実行されてもよい。
【0085】
段階440において、通話品質情報生成部228は、受信した帯域幅情報、受信側端末200の基準サンプリングレート、および出力部250がサポートするサンプリングレートのうちの少なくとも1つに基づいて通話品質を示す情報を生成してよい。
【0086】
このとき、出力部250がサポートするサンプリングレートが受信側端末200の基準サンプリングレートと異なる場合、生成される通話品質を示す情報は、帯域幅情報が示す第1帯域幅、受信側端末200の第1基準サンプリングレートが示す第2帯域幅、および出力部250がサポートするサンプリングレートが示す第3帯域幅のうち、最も狭い帯域幅を示す情報を含んでよい。
【0087】
また、出力部250がサポートするサンプリングレートが受信側端末200の基準サンプリングレートと同じである場合、通話品質を示す情報は、第1帯域幅および第2帯域幅のうち、狭い方の帯域幅を示す情報を含んでよい。
【0088】
第1帯域幅は、上述したように、送信側端末100の基準サンプリングレートが示す帯域幅および入力部140がサポートするサンプリングレートが示す帯域幅のうち、狭い方の帯域幅であってよい。
【0089】
すなわち、通話で使用される帯域幅は、実質的に通話サービスがサポートする(最大)帯域幅、送信側端末100がサポートする(最大)帯域幅、および受信側端末200がサポートする(最大)帯域幅のうち、最小の帯域幅として決定されるようになるため、実施形態で生成される通話品質を示す情報は、通話で実際に使用される帯域幅の情報を明らかに示すことが可能となる。
【0090】
段階450において、出力部250がサポートするサンプリングレートによってリサンプリングされた通話信号は、出力部250に伝達され、出力部250から出力されてよい。これにより、受信側端末200のユーザは、スピーカのような出力部250から、送信側端末100のユーザからの音声を聞くことが可能となる。
【0091】
段階460において、表示部230は、段階440において生成された通話品質を示す情報を表示してよい。表示される通話品質を示す情報には、送信側端末100と受信側端末200との間の通話がなされる帯域幅と関連する通話品質を示す情報が含まれてよい。
【0092】
例えば、表示部230は、送信側端末100と受信側端末200との間の通話が、広帯域、超広帯域、または全帯域の帯域幅を使用してなされていることを表示してよい。また、表示部230は、通話機能が全帯域の帯域幅をサポートしているにもかかわらず(または、送信側端末100および受信側端末200の基準サンプリングレートが示す帯域幅が全帯域であるにもかかわらず)、送信側端末100または受信側端末200の性能/仕様や、その入力部または出力部の性能/仕様によって広帯域を使用して通話が実行されるという点を表示してよい。
【0093】
したがって、実施形態によれば、送信側端末100と受信側端末200との間で通話を実行するにあたり、各端末と各端末が通話に使用するマイク/スピーカの仕様および特性とを考慮することで、正確な通話品質を示す情報を通話者に提供することが可能となり、通話で使用される正確な帯域幅に関する情報を通話者に提供することが可能となり、通話品質の劣化の原因となる装置に関する情報も通話者に提供することが可能となる。これにより、通話者は、単にネットワークの状態を基盤とした通話品質を示す情報に比べ、より正確な通話品質を示す情報の案内を受けることが可能となる。
【0094】
通話品質を示す情報が表示されるより具体的な方法については、
図8を参照しながらさらに詳しく説明する。
【0095】
以上、
図1~3を参照しながら上述した技術的特徴についての説明は、
図4にもそのまま適用可能であるため、重複する説明を省略する。
【0096】
図5は、一実施形態における、受信側端末における、通話品質情報を提供する方法を示したフローチャートである。
【0097】
図5を参照しながら、受信側端末200の出力部250がサポートするサンプリングレートが受信側端末200の基準サンプリングレートと同じである場合には、リサンプリングを実行せずに通話品質を示す情報を生成する方法について説明する。
【0098】
段階510において、受信側端末200は、
図4を参照しながら説明した段階420のデコードが実行された後、出力部250がサポートするサンプリングレートと受信側端末200の基準サンプリングレートとを比較してよい。
【0099】
出力部250がサポートするサンプリングレートと受信側端末200の基準サンプリングレートとが異なる場合には、
図4を参照しながら説明したような、段階430のリサンプリングが実行されてよい。
【0100】
出力部250がサポートするサンプリングレートと受信側端末200の基準サンプリングレートとが同じである場合には、段階430のリサンプリングは実行されなくてもよく、通話品質情報生成部228は、送信側端末130から受信した帯域幅情報および受信側端末200の基準サンプリングレートに基づいて通話品質を示す情報を生成してよい(段階520)。すなわち、出力部250がサポートするサンプリングレートと受信側端末200の基準サンプリングレートとが同じである場合には、リサンプラ226による、出力部250がサポートするサンプリングレートによるリサンプリング過程は省略されてよい。
【0101】
以上、
図1~
図4を参照しながら上述した技術的特徴についての説明は、
図5にもそのまま適用可能であるため、重複する説明を省略する。
【0102】
図6a~
図6cは、一実施形態における、通話品質情報を提供する通話を実行するにあたっての、送信側端末の動作方法を示した図である。
【0103】
図6を参照しながら、送信側端末100の動作について具体的に説明する。
【0104】
図6aにおいて、
図3を参照しながら説明した送信側端末100の基準サンプリングレートは、Fssと表記されている。予め設定された基準サンプリングレート(Fss)は、リサンプラ126およびエンコーダ122に伝達されてよい。リサンプラ126は、入力部140から入力信号を受信したときに、基準サンプリングレート(Fss)によって入力信号をリサンプリングするように設定されてよい。エンコーダ122には、基準サンプリングレート(Fss)が示す帯域幅(BWs)の情報が設定されてよい。
【0105】
図6bは、入力部140がサポートするサンプリングレート(Fsa1)が送信側端末100の基準サンプリングレート(Fss)と同じである場合について説明するものである。リサンプラ126は、入力部140からの入力信号を基準サンプリングレート(Fss)によってリサンプリングしてよく、エンコーダ122は、基準サンプリングレート(Fss)によってリサンプリングされた信号をエンコードしてよい。これにより、エンコードされた通話信号および該当の通話信号に対する帯域幅情報は、受信側端末200に出力されてよい。このとき、送信側端末100から出力される、通話信号に対する帯域幅情報は、基準サンプリングレート(Fss)が示す帯域幅(BWs)の情報を含んでよい。
【0106】
一方、
図6cは、入力部140がA1からA2に変更され、入力部140がサポートするサンプリングレート(Fsa2)が送信側端末100の基準サンプリングレート(Fss)と異なるようになった場合について説明するものである。リサンプラ126は、入力部140からの(サンプリングレート(Fsa2)によってサンプリングされた)入力信号を基準サンプリングレート(Fss)によってリサンプリングしてよい。エンコーダ122には、サンプリングレート(Fsa2)が示す帯域幅(BWa2)(例えば、サンプリングレート(Fsa2)による最大帯域幅)の情報が設定されてよい。エンコーダ122は、基準サンプリングレート(Fss)によってリサンプリングされた信号をエンコードしてよい。これにより、エンコードされた通話信号および該当の通話信号に対する帯域幅情報は、受信側端末200に出力されてよい。このとき、送信側端末100から出力される、通話信号に対する帯域幅情報は、基準サンプリングレート(Fss)が示す帯域幅(BWs)およびサンプリングレート(Fsa2)が示す帯域幅(BWa2)のうち、狭い方の帯域幅(min(BWa2、BWs))の情報を含んでよい。
【0107】
図6の説明によれば、通話品質情報を提供するために使用される、エンコードされた通話信号および該当の通話信号に対する帯域幅情報は、送信側端末100から受信側端末200に送信されることが可能となる。
【0108】
以上、
図1~5を参照しながら上述した技術的特徴についての説明は、
図6にもそのまま適用可能であるため、重複する説明を省略する。
【0109】
図7a~
図7cは、一実施形態における、通話品質情報を提供する通話を実行するにあたっての、受信側端末の動作方法を示した図である。
【0110】
図7を参照しながら、受信側端末200の動作について具体的に説明する。
【0111】
図7aにおいて、
図4を参照しながら説明した受信側端末200の基準サンプリングレートは、Fsrと表記されている。予め設定された基準サンプリングレート(Fsr)は、リサンプラ226およびデコーダ224に伝達されてよい。デコーダ224は、送信側端末100からの通話信号をデコードしてよい。デコーダ224は、送信側端末100からの通話信号を基準サンプリングレート(Fsr)によってデコードしてよい。リサンプラ226は、デコードされた通話信号を、出力部250がサポートするサンプリングレートによってリサンプリングしてよい。
【0112】
図7bは、出力部250がサポートするサンプリングレート(Fsb1)が受信側端末200の基準サンプリングレート(Fsr)と同じである場合について説明するものである。デコーダ224は、送信側端末100からの通話信号を基準サンプリングレート(Fsr)によってデコードしてよい。リサンプラ126は、デコードされた通話信号を、出力部250がサポートするサンプリングレート(Fsb1)によってリサンプリングしてよい。リサンプリングされた通話信号は、出力部250に伝達され、出力部250から出力されてよい。リサンプリングされた通話信号は、出力部250でアナログ信号に変換されて出力されてよい。通話品質情報生成部228は、送信側端末100から受信した帯域幅情報(min(BWa2、BWs))と基準サンプリングレート(Fsr)が示す帯域幅(BWr)とを比較して通話品質を示す情報を生成してよい。すなわち、通話品質情報生成部228は、BWa2、BWs、およびBWrのうち、最小値(min(BWa1、BWs、BWr))を、通話で使用される帯域幅として決定して通話品質を示す情報を生成してよい。生成された通話品質を示す情報は、表示部230により、受信側端末200の通話画面ユーザインタフェース上に出力されてよい。
【0113】
一方、
図7cは、出力部250がB1からB2に変更され、出力部250がサポートするサンプリングレート(Fsb2)が受信側端末200の基準サンプリングレート(Fsr)と異なるようになった場合について説明するものである。このような場合、リサンプラ126は、デコードされた通話信号を、出力部250がサポートするサンプリングレート(Fsb2)によってリサンプリングしてよい。リサンプリングされた通話信号は、出力部250に伝達され、出力部250から出力されてよい。サンプリングレート(Fsb2)またはサンプリングレート(Fsb2)が示す帯域幅(BWb2)(例えば、サンプリングレート(Fsb2)による最大帯域幅)は、通話品質情報生成部228に伝達されてよい。通話品質情報生成部228は、送信側端末100から受信した帯域幅情報(min(BWa2、BWs))と基準サンプリングレート(Fsr)が示す帯域幅(BWr)とサンプリングレート(Fsb2)が示す帯域幅(BWb2)とを比較して通話品質を示す情報を生成してよい。すなわち、通話品質情報生成部228は、BWa2、BWs、BWr、およびBWb2のうち、最小値(min(Bwa2、BWs、BWr、BWb2))を、通話で使用される帯域幅として決定して通話品質を示す情報を生成してよい。生成された通話品質を示す情報は、表示部230により、受信側端末200の通話画面ユーザインタフェース上に表示されてよい。
【0114】
図7の説明によれば、通話品質を示す情報が生成され、表示されることが可能となる。
【0115】
上述した実施形態によれば、送信側端末100と受信側端末200との間で通話を実行するにあたり、各端末や各端末が通話に使用するマイク/スピーカの仕様および特性を考慮して検出された、通話に使用される実際の帯域幅に関する情報を、通話品質を示す情報として通話者に提供することが可能となる。また、通話中に送信側端末100や受信側端末200が一般通話をスピーカフォン通話に切り換えたり、スピーカフォン通話を一般通話に切り換えたりすることに伴い(すなわち、入力部140がA1からA2に変更されたり、出力部250がB1からB2に変更されたりすることに伴い)、通話中に使用する帯域幅の変更によって通話品質の劣化が発生する場合にも、このような通話品質の変化を示す情報を通話者に正確に伝達することが可能となる。
【0116】
以上、
図1~6を参照しながら上述した技術的特徴についての説明は、
図7にもそのまま適用可能であるため、重複する説明を省略する。
【0117】
図8は、一実施形態における、通話を実行するユーザ端末に通話品質情報を表示する方法を示した図である。
【0118】
図示される画面800-1および800-2は、上述した実施形態によって生成された通話品質を示す情報が、受信側端末200(または送信側端末100)の通話画面ユーザインタフェース上に表示された例を示している。
【0119】
画面1(800-1)は、相対的に狭い帯域幅で通話がなされている場合の通話画面ユーザインタフェースを示しており、画面2(800-2)は、相対的に広い帯域幅で通話がなされている場合の通話画面ユーザインタフェースを示している。
【0120】
通話が広い帯域幅(例えば、全帯域)を使用していると判定された場合、図に示されたFull HD Voice文字の色を変えたり、強調表示が適用されたりしてよい。すなわち、通話者は、表示されたFull HD Voice(810および820)のテキスト表示形態を比較することにより、通話が広い帯域幅を使用してなされているか、狭い帯域幅を使用してなされているかを識別することが可能となる。
【0121】
図示された例とは異なるように、通話時に使用されていると判定される帯域幅により、「全帯域(または超広帯域)を使用して通話が実行されています」のようなテキストがユーザインタフェース上に表示されてもよい。
【0122】
また、「ユーザ/相手のマイク/スピーカにより、全帯域(または超広帯域)を使用することができません」のように、通話品質の劣化原因が、通話品質を示す情報として、ユーザインタフェース上に表示されてもよい。
【0123】
以上、
図1~7を参照しながら上述した技術的特徴についての説明は、
図8にもそのまま適用可能であるため、重複する説明を省略する。
【0124】
図9は、一実施形態における、送信側端末が出力する、エンコードされた通話信号が、送信側端末に対して予め記録されたコンテンツを使用して生成される方法を示した図である。
図10は、一実施形態における、送信側端末が出力する、エンコードされた通話信号が、コンテンツ提供者によって提供されるコンテンツを使用して生成される方法を示した図である。
【0125】
図9および
図10によれば、上述した送信側端末100から出力される通話信号が、入力部140に入力された信号ではなく、送信側端末100に予め記録されているコンテンツや外部コンテンツ提供者によって送信側端末100に提供されたコンテンツを基盤とした実施形態について説明する。
【0126】
コンテンツは、例えば、オーディオコンテンツまたはビデオコンテンツを構成するファイルであってよい。一例として、コンテンツは、mp3、acc、wav、またはaviなどの拡張子を有するファイルであってよい。また、コンテンツは、オーディオストリーミングコンテンツまたはビデオストリーミングコンテンツであってよい。
【0127】
図9を参照しながら、送信側端末100が出力する、エンコードされた通話信号が送信側端末100に予め記録されたコンテンツを使用して生成される方法について詳しく説明する。
【0128】
図示された入力ファイル910は、送信側端末100に予め記録されたコンテンツであってよい。また、入力ファイル910は、送信側端末100と関連するクラウドサーバに予め記録されたコンテンツであってもよい。
【0129】
入力ファイル910は、デコーダ920によってデコードされてよい。デコーダ920は、所定のサンプリングレートによって入力ファイル910をデコードしてよい。所定のサンプリングレートは、デコーダ920の仕様または特性に応じて決定されてもよいし、送信側端末100のユーザによって設定されてもよい。また、所定のサンプリングレートは、デコードされる入力ファイル910がサポートするサンプリングレートとして決定されてよい。所定のサンプリングレートは、入力部140がサポートするサンプリングレート(Fsa1)と同じ参照符号で表記されているが、入力部140がサポートするサンプリングレートとは異なる値であってもよい。
【0130】
デコーダ920は、送信側端末100のデコーダ124であってもよいし、外部の装置やサーバに存在するデコーダであってもよい。
【0131】
リサンプラ126は、所定のサンプリングレート(Fsa1)によってデコードされた入力ファイル910を基準サンプリングレート(Fss)によってリサンプリングしてよい。エンコーダ122には、所定のサンプリングレート(Fsa1)が示す帯域幅(BWf1)(例えば、所定のサンプリングレート(Fsa1)による最大帯域幅)の情報が設定されてよい。エンコーダ122は、基準サンプリングレート(Fss)によってリサンプリングされたコンテンツ(入力ファイル910に対応するコンテンツ)をエンコードしてよい。
【0132】
これにより、エンコードされた通話信号としてのエンコードされたコンテンツ、および該当の通話信号(すなわち、エンコードされたコンテンツ)に対する帯域幅情報が、受信側端末200に出力されてよい。このとき、送信側端末100から出力される帯域幅情報は、基準サンプリングレート(Fss)が示す帯域幅(BWs)および所定のサンプリングレート(Fsa1)が示す帯域幅(BWf1)のうち、狭い方の帯域幅(min(BWf1、BWs))の情報を含んでよい。
【0133】
図9で説明した実施形態によれば、送信側端末100のユーザは、自身が保有しているコンテンツを通話の相手である受信側端末200側に送信することが可能となり、通話の当事者は、このようなコンテンツ送信に伴う通話品質(および通話品質の変化)の案内をより正確に受けることが可能となる。
【0134】
一方、
図10を参照しながら、送信側端末100が出力する、エンコードされた通話信号が、外部コンテンツ提供者1010によって提供されたコンテンツに基づいて生成される方法について詳しく説明する。
【0135】
コンテンツ提供者1010は、オーディオストリーミングコンテンツおよび/またはビデオストリーミングコンテンツを提供するサービス提供者のサーバであってよい。また、送信側端末100と関連するクラウドサーバであってもよい。
【0136】
コンテンツ提供者1010は、ネットワークを介して送信側端末100にオーディオストリーミングコンテンツまたはビデオストリーミングコンテンツを提供してよい。
【0137】
コンテンツ提供者1010によって提供されたコンテンツは、デコーダ1020によってデコードされてよい。デコーダ1020は、所定のサンプリングレート(Fsstrm1)によってコンテンツをデコードしてよい。所定のサンプリングレート(Fsstrm1)は、デコーダ1020の仕様または特性に応じて決定されてもよいし、送信側端末100のユーザによって設定されてもよい。また、所定のサンプリングレートは、デコードされるコンテンツがサポートするサンプリングレートとして決定されてもよい。
【0138】
デコーダ1020は、送信側端末100のデコーダ124であってもよいし、コンテンツ提供者1010のデコーダであってもよい。
【0139】
リサンプラ126は、所定のサンプリングレート(Fsstrm1)によってデコードされたコンテンツを基準サンプリングレート(Fss)によってリサンプリングしてよい。エンコーダ122には、所定のサンプリングレート(Fsstrm1)が示す帯域幅(BWstrm1)(例えば、所定のサンプリングレート(Fsstrm1)による最大帯域幅)の情報が設定されてよい。エンコーダ122は、基準サンプリングレート(Fss)によってリサンプリングされたコンテンツをエンコードしてよい。
【0140】
これにより、エンコードされた通話信号としてのエンコードされたコンテンツ、および該当の通話信号(すなわち、エンコードされたコンテンツ)に対する帯域幅情報が、受信側端末200に出力されることが可能となる。このとき、送信側端末100から出力される帯域幅情報は、基準サンプリングレート(Fss)が示す帯域幅(BWs)および所定のサンプリングレート(Fsstrm1)が示す帯域幅(BWstrm1))のうち、狭い方の帯域幅(min(BWstrm1、BWs))の情報を含んでよい。
【0141】
図10で説明した実施形態によれば、送信側端末100のユーザは、自身がストリーミングしているコンテンツやお勧めしたいコンテンツのような外部コンテンツ提供者1010によって提供されるコンテンツを、通話の相手である受信側端末200側に送信してよく、通話の当事者は、このようなコンテンツ送信による通話品質(および通話品質の変化)の案内をより正確に受けることが可能となる。
【0142】
以上、
図1~8を参照しながら上述した技術的特徴についての説明は、
図9および
図10にもそのまま適用可能であるため、重複する説明を省略する。
【0143】
上述した実施形態において、端末100、200およびその構成によって実行される動作は、サーバによって実行されるものとして実現されてもよい。すなわち、クライアントである端末100、200によって実行される少なくとも一部の動作は、サーバ側で実行されてもよい。例えば、通話品質情報生成部128、228の機能および動作は、サーバ側で実現されてよい。
【0144】
これとは反対に、サーバ側で実行される少なくとも一部の動作も、クライアント側で実行されてよい。
【0145】
上述したシステムまたは装置は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、またはハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素との組み合わせによって実現されてよい。例えば、実施形態で説明された装置および構成要素は、例えば、プロセッサ、コントローラ、ALU(arithmetic logic unit)、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、FPGA(field programmable gate array)、PLU(programmable logic unit)、マイクロプロセッサ、または命令を実行して応答することができる様々な装置のように、1つ以上の汎用コンピュータまたは特殊目的コンピュータを利用して実現されてよい。処理装置は、オペレーティングシステム(OS)およびOS上で実行される1つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行してよい。また、処理装置は、ソフトウェアの実行に応答し、データにアクセスし、データを記録、操作、処理、および生成してもよい。理解の便宜のために、1つの処理装置が使用されるとして説明される場合もあるが、当業者は、処理装置が複数個の処理要素および/または複数種類の処理要素を含んでもよいことが理解できるであろう。例えば、処理装置は、複数個のプロセッサまたは1つのプロセッサおよび1つのコントローラを含んでよい。また、並列プロセッサのような、他の処理構成も可能である。
【0146】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム、コード、命令、またはこれらのうちの1つ以上の組み合わせを含んでもよく、思うままに動作するように処理装置を構成したり、独立的または集合的に処理装置に命令したりしてよい。ソフトウェアおよび/またはデータは、処理装置に基づいて解釈されたり、処理装置に命令またはデータを提供したりするために、いかなる種類の機械、コンポーネント、物理装置、仮想装置、コンピュータ記録媒体または装置に永続的または一時的に具現化されてよい。ソフトウェアは、ネットワークによって接続されたコンピュータシステム上に分散され、分散された状態で記録されても実行されてもよい。ソフトウェアおよびデータは、1つ以上のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてよい。
【0147】
実施形態に係る方法は、多様なコンピュータ手段によって実行可能なプログラム命令の形態で実現されてコンピュータ読み取り可能な媒体に記録されてよい。コンピュータ読み取り可能な媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独または組み合わせて含んでよい。媒体に記録されるプログラム命令は、実施形態のために特別に設計されて構成されたものであっても、コンピュータソフトウェアの当業者に公知されて使用可能なものであってもよい。コンピュータ読み取り可能な媒体の例には、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、および磁気テープのような磁気媒体、CD-ROMおよびDVDのような光媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような光磁気媒体、およびROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令が記録されて実行されるように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。プログラム命令の例には、コンパイラによって生成されるもののような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを使用してコンピュータによって実行されることのできる高級言語コードが含まれる。上述したハードウェア装置は、実施形態の動作を実行するために1つ以上のソフトウェアモジュールとして動作するように構成されてよく、その逆も同じである。
【0148】
以上、実施形態を、限定された実施形態および図面に基づいて説明したが、当業者であれば、上述した記載から多様な修正および変形が可能であろう。例えば、説明された技術が、説明された方法とは異なる順序で実行されたり、かつ/あるいは、説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が、説明された方法とは異なる形態で結合されたりまたは組み合わされたり、他の構成要素または均等物によって対置されたり置換されたとしても、適切な結果を達成することができる。
【0149】
したがって、異なる実施形態であっても、特許請求の範囲と均等なものであれば、添付される特許請求の範囲に属する。
【符号の説明】
【0150】
100:送信側端末
105:入力部
155:ネットワーク
200:受信側端末
205:出力部