(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-17
(45)【発行日】2023-08-25
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20230818BHJP
【FI】
G06Q10/10
(21)【出願番号】P 2020091719
(22)【出願日】2020-05-26
【審査請求日】2020-06-23
【審判番号】
【審判請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】500147023
【氏名又は名称】デジタルアーツ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】道具 登志夫
【合議体】
【審判長】伏本 正典
【審判官】後藤 亮治
【審判官】相崎 裕恒
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-065436(JP,A)
【文献】特開2005-141728(JP,A)
【文献】特開2014-044512(JP,A)
【文献】特開2009-088702(JP,A)
【文献】特開2016-110486(JP,A)
【文献】特開2019-168844(JP,A)
【文献】特開2001-331615(JP,A)
【文献】特開2018-032097(JP,A)
【文献】特開2006-031316(JP,A)
【文献】”Webアプリ進化論”、Linux100%、日本、株式会社晋遊舎、2009年4年1日、第7巻、第60~65頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザ端末間で会話情報を送受信させる情報処理装置を有するシステムであって、
前記情報処理装置は、
前記システムに参加するユーザ端末のそれぞれにおけるアプリケーションの動作状態を受信する通信制御部と、
前記動作状態に基づいて決定された、前記ユーザ端末のそれぞれに対応するユーザの業務情報を
前記システムに参加するすべての前記ユーザ端末
に配信する配信部と、を備えて、
前記ユーザ端末は、
前記会話情報を送受信するアプリケーションを含む複数のアプリケーションを統合して画面に表示し、受信した前記ユーザ端末のそれぞれの
、前記通信制御部がアプリケーションの前記動作状態を受信
した時の業務情報を、前記統合された画面に記載された前記システムに参加するユーザの名称に対応付けて表示するアプリ統合制御部を、
備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記ユーザのそれぞれについて、前記動作状態に基づいて決定された、前記ユーザ端末に対応するユーザの前記業務情報を記録する記録部と、
記録された前記業務情報に基づいてユーザそれぞれの勤務データを自動で作成する管理データ解析部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記ユーザのそれぞれに対応付けて、前記ユーザの属性情報を登録するユーザ情報データベースと、
前記通信制御部は、音声データまたは映像データを送受信する、ネットワーク上での会議にかかるアプリケーションが実行されている際、前記属性情報に基づいて会議に参加するユーザの名刺データを構成して表示させる、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記ユーザのそれぞれに対応付けて、前記ユーザの会議利用情報を登録するユーザ情報データベースと、
前記通信制御部は、音声データまたは映像データを送受信する、ネットワーク上での会議にかかるアプリケーションが実行されている際、前記ユーザの入力を受け付けて、前記会議利用情報を前記会議中に送信する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
複数のユーザ端末間で会話情報を送受信させる情報処理装置を用いた情報処理方法であって、
システムに参加するユーザ端末のそれぞれにおけるアプリケーションの動作状態を
通信制御部により受信するステップと、
前記動作状態に基づいて決定された、前記ユーザ端末のそれぞれに対応するユーザの業務情報を
前記システムに参加するすべての前記ユーザ端末
に配信するステップと、
前記会話情報を送受信するアプリケーションを含む複数のアプリケーションを統合して画面に表示し、受信した前記ユーザ端末のそれぞれの
、前記通信制御部がアプリケーションの前記動作状態を受信
した時の業務情報を、前記統合された画面に記載された前記システムに参加するユーザの名称に対応付けて表示するステップと、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
システムに参加するユーザ端末のそれぞれにおけるアプリケーションの動作状態を
通信制御部により受信する機能、
前記動作状態に基づいて決定された、前記ユーザ端末のそれぞれに対応するユーザの業務情報を
前記システムに参加するすべての前記ユーザ端末
に配信する機能、
会話情報を送受信するアプリケーションを含む複数のアプリケーションを統合して画面に表示し、受信した前記ユーザ端末のそれぞれの
、前記通信制御部がアプリケーションの前記動作状態を受信
した時の業務情報を、前記統合された画面に記載された前記システムに参加するユーザの名称に対応付けて表示する機能、
として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来までの働き方として、所属する会社や組織の所在地に社員が集合して働く方法が一般的であった。近年、働き方も多様化しており、在宅勤務、いわゆる「テレワーク」と呼ばれる勤務の形態が定着しつつあり、企業などの決められた場所での就業に限定されない働き方が進んでいる。
【0003】
これに応じて、在宅勤務での勤務者の勤務実態を把握しつつ、勤務者の業務をより効率的に実施する方法が提案されている。例えば、勤務者のPCに接続されたWebカメラによって勤務者の顔情報を取得して勤務者の存在を確認することで、就業状態を把握するなどの方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、Webカメラを介して勤務実態を管理する方法では、勤務者の存在を確認できるものの、常時Webカメラでの認証が必要となり、システムが複雑になる問題があった。
【0006】
また、職場に勤務者が集合して就業する勤務形態では、相手の勤務状況などを確認することが比較的に容易となるが、遠隔地において一人で勤務する在宅勤務の場合、相手の状況を把握することが困難となり、意思疎通が難しい場合がある。加えて、在宅勤務では正確な勤務状況の就業管理が必要となるが、自宅で業務を随時つけて記録していくことは作業負荷となる場合があった。
【0007】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、在宅勤務において勤務ユーザの業務管理を簡易な方法でより効率化することができる情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態に係る情報処理システムは、複数のユーザ端末間で会話情報を送受信させる情報処理装置を有するシステムであって、前記情報処理装置は、前記システムに参加するユーザ端末のそれぞれにおけるアプリケーションの動作状態を受信する通信制御部と、前記動作状態に基づいて決定された、前記ユーザ端末のそれぞれに対応するユーザの業務情報を前記システムに参加するすべての前記ユーザ端末に配信する配信部と、を備えて、前記ユーザ端末は、前記会話情報を送受信するアプリケーションを含む複数のアプリケーションを統合して画面に表示し、受信した前記ユーザ端末のそれぞれの、前記通信制御部がアプリケーションの前記動作状態を受信した時の業務情報を、前記統合された画面に記載された前記システムに参加するユーザの名称に対応付けて表示するアプリ統合制御部を、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態により、在宅勤務において勤務ユーザの業務管理を簡易な方法でより効率化することができる情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの全体構成の一例を示す構成図。
【
図2】ユーザ端末において、複数のアプリケーションが統合された画面の一例を示しており、配信されたユーザそれぞれの業務情報が表示された場合を示す図。
【
図3】情報処理装置に登録されているユーザ情報の一例を示す図。
【
図4】Web会議を実施するアプリケーションにおける表示画面の一例を示す図。
【
図5】ユーザ端末から受信した動作状態に基づいて決定された業務情報から自動で作成されるユーザの勤務データの一例を示す図。
【
図6】本実施形態に係る情報処理方法の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システム50の構成の一例を示す図である。
【0012】
まず、全体の構成について説明する。
実施形態に係る情報処理システム50は、ユーザ端末10と、情報処理装置20と、から構成されており、複数のユーザ端末10間において、情報処理装置20を介して会話情報を送受信するシステムである。ここで、会話情報とは、テキストデータ、音声データ、または映像データなどを含む端末間の会話にかかる情報を意味する。
【0013】
ユーザ端末10のそれぞれは、ネットワーク(例えばインターネット)を介してデータを送受信可能に情報処理装置20に接続されている。なお、ユーザ端末10は、情報処理装置20とデータを送受信可能な端末であればよく、PC、スマートフォン、タブレット端末が例示される。
【0014】
情報処理装置20は、会話情報をユーザ端末10間で送受信させることで端末間でのユーザの会話を実行可能とするサーバである。
【0015】
ユーザ端末10と情報処理装置20とがネットワークにより接続されていれば、ユーザ端末10のそれぞれの物理的な位置はいずれの場所にあってもよい。つまり、複数のユーザ端末10のそれぞれが物理的に離れた位置にあってもよい。なお、複数のユーザ端末10のそれぞれが、企業や団体の社内ネットワークに存在してもよい、一部が社外のネットワーク上に存在してもよいし、全ての端末が社外ネットワーク上に存在してもよい。
【0016】
なお、
図1では、ユーザ端末10a、10b、10cの3つで記載され、それぞれが情報処理装置20にデータを送受信可能に接続されているが、この構成に限定されるものではなく、さらに複数のユーザ端末10が情報処理装置20に接続されてもよいし、ユーザ端末10のそれぞれの物理的な位置は問わない。
【0017】
具体的な構成について説明する。
実施形態に係る情報処理システム50は、ユーザ端末10のそれぞれからアプリケーションの動作状態を受信して、当該動作状態に基づいて業務内容を決定して、各ユーザ端末に配信、記録するシステムである。
【0018】
ユーザ端末10は、アプリ統合制御部11と、アプリケーション状態送信部12と、配信情報受信部13と、を有している。
【0019】
アプリ統合制御部11は、会話情報を送受信するアプリケーションを含む複数のアプリケーションを統合して画面に表示させる。ユーザ端末10において画面に表示されるアプリケーションは、ユーザ端末10のユーザにより予め設定されてもよいし、情報処理装置20の管理者により設定されてもよい。
【0020】
図2は、ユーザ端末10において、複数のアプリケーションが統合された画面の一例を示している。
【0021】
図2に示すように、アプリ統合制御部11は、情報処理システム50に登録されているユーザ情報を情報処理装置20から受信してその一覧を表示し、業務に関するアプリケーションが統合して一つの画面に表示する。
【0022】
例えば、業務にかかるアプリケーションとして、テキストチャットアプリ100、Web会議アプリ101、文書作成アプリ102、メールアプリ103、表計算アプリ104、勤怠管理アプリ105がユーザ端末10に画面表示されている。テキストチャットアプリ100とは、ユーザ間でテキストデータを介して会話するためのソフトウェアを意味しており、Web会議アプリ101とは、ユーザ間で音声データまたは/および映像データを介して会話するためのソフトウェアを意味している。
【0023】
なお、
図2では、業務にかかるアプリケーションを例示しているが、ユーザ端末10に表示されるアプリケーションとして、登録されているユーザ間で遊興するようなアプリケーションであってもよい。
【0024】
アプリケーション状態送信部12は、ユーザ端末10での実行状態をモニターして、アプリケーションにおける動作状態を情報処理装置20に随時送信する。アプリケーションの動作状態の送信は、一定の時間間隔(例えば1分単位)でユーザ端末10におけるアプリケーションの動作状態を送信してもよいし、アプリケーションが起動、データ入力、終了など、動作が変化した場合に送信してもよい。
【0025】
配信情報受信部13は、ユーザ端末10の動作状態から決定されたユーザの業務情報を情報処理装置20から受信する。アプリ統合制御部11は、受信した業務情報を、画面上に表示されているユーザの名称に対応づけて表示する。なお、情報処理装置20から送信される業務情報の詳細については後述する。
【0026】
続いて、情報処理装置20の構成について説明する。
情報処理装置20は、通信制御部21と、配信部22と、状態記録部23と、管理データ解析部24と、ユーザ情報データベース25と、を有している。
【0027】
なお、情報処理装置20を構成する各ユニットの機能は、所定のプログラムコードを、プロセッサを用いて実行することによって実現しても良く、このようなソフトウェア処理に限らず、例えば、ASIC等を用いたハードウェア処理で実現してもよいし、ソフトウェア処理とハードウェア処理とをみ合わせて実現してもよい。
【0028】
通信制御部21は、ユーザ端末10間におけるテキストデータ、映像データなどの会話情報の送受信を制御するものである。そして、通信制御部21は、ユーザ端末10から送信されるアプリケーションの動作状態を随時受信する。
【0029】
配信部22は、受信した動作状態に基づいてユーザ端末10に対応するユーザの業務情報を決定する。具体的には、アプリケーションの動作状態に応じてユーザの業務情報(業務内容)を予め定義して設定しておき、受信した動作状態からユーザの業務情報を決定する。例えば、メールアプリ103(
図2参照)が起動されて、メールの入力動作が継続している動作状態を受信した場合に、業務情報として「メール作業」として決定する。例えば、Web会議アプリ101が起動されて、映像データなどの会話情報の送受信が継続されている場合には、業務情報として「Web会議」として決定する。この場合、Web会議アプリ101により通信している相手方のユーザを特定して記録してもよい。例えば、勤怠ソフトにおいて、外出が入力されている場合には、業務情報とし「外出」として決定する。この場合、ユーザから外出の詳細について入力ある場合には、その内容を記録してもよい。なお、複数の業務にかかるアプリケーションが同時に起動されている場合には、
アプリケーションの各動作状態に基づいてそれぞれの業務情報を決定してもよい。
【0030】
配信部22は、受信した動作状態に基づいて決定した業務情報を、ユーザ端末10のそれぞれに配信する。そして、ユーザ端末10のアプリ統合制御部11は、受信した業務情報を、統合システムの画面記載のシステム参加メンバーに表示されているユーザの名称(
図2参照)に対応付けて表示する。これにより、ユーザ間で業務状態を把握することができる。
【0031】
なお、配信部22は、情報処理装置20に登録されているユーザの職位レベルを予め保存しておき、下位の職位者には、同等以下のレベルの業務情報を配信して、上位の職位者の業務情報を配信しない構成としてもよい。これにより、上位の職位者は下位の職位者の業務情報を確認できる一方で、下位の職位者は上位の職位者の業務情報を確認できない。このようにすることで、上位の職位者が職務上秘匿する業務がある場合に、秘匿することができる。また、ユーザ端末10のアプリ統合制御部11は、ユーザの所属(部や課等のグループ)ごとに表示される業務情報を制御してもよい。例えば、同じグループのユーザに対してハイライトなどの強調表示をしてもよい。
【0032】
状態記録部23は、ユーザのそれぞれに対応付けて、動作状態に基づいて決定されたユーザの業務情報を記録する。ユーザのそれぞれに区別して、勤務に関する業務情報が蓄積されていく。なお、複数の業務にかかるアプリケーションが同時に起動されている場合には、アプリケーションの各動作状態に基づいて決定された各業務情報を記録してもよい。
【0033】
ユーザ情報データベース25は、情報処理システム50に参加可能なユーザを登録するデータベースである。ユーザのそれぞれは、使用するユーザ端末10の識別情報、ユーザ名により識別、登録されている。そして、ユーザのそれぞれに対応付けて、所属課、役職、連絡先等の属性情報が保存されている。属性情報は、企業や団体で勤務する勤務者の名刺情報(名刺に記載されている情報)を構成するものであってもよい。通信制御部21は、音声データまたは映像データを送受信するWeb会議にかかるアプリケーションが実行されている際、属性情報に基づいて会議内のユーザの名刺データを構成して表示させてもよい。
【0034】
また、ユーザ情報データベース25は、ユーザのそれぞれに対応付けて、ユーザの会議利用情報を登録してもよい。会議利用情報とは、ユーザがWeb会議時に利用するデータを意味しており、画像データや音声データなどを意味する。なお、会議利用情報は、ユーザ端末10から情報処理装置20に画像データや音声データなどを送信(アップロード)して、ユーザごとに任意に登録可能な構成としてもよい、また情報処理装置20に画像データや音声データなど予め保存しておき、ユーザがそれらの情報を選択して登録する構成としてもよい。
【0035】
また、ユーザ情報データベース25は、ユーザのそれぞれに対応付けて、実績情報(組織における個人評価や売り上げ等)の情報などを登録してもよい。
【0036】
なお、ユーザ情報データベース25にユーザのそれぞれに対して登録される属性情報などは、管理者により登録されてもよいし、情報処理システム50に参加するユーザ自らが登録してもよい。
【0037】
図3は、情報処理装置20に登録されているユーザ情報の一例を示す図である。
【0038】
情報処理システム50に登録されたユーザ端末10のユーザに対応付けて、端末のそれぞれを識別する端末識別子、ユーザ名が登録されている。また、ユーザの属性情報(例えば、会社名、所属課、連絡先など)が登録されている。そして、ユーザのそれぞれについて、ユーザがWeb会議時に利用する情報が登録されている。
【0039】
ここで、ユーザ情報データベース25に登録された、属性情報及びWeb会議時に利用する情報の使用例について説明する。
【0040】
図4は、本実施形態におけるWeb上での会議の画面の一例を示す図である。
【0041】
図4に示すように、通信制御部21は、Web会議に参加する「特許太郎」について、ユーザ情報データベース25に登録された属性情報を用いて「特許太郎」の名刺を画面上に構成して表示している。これにより、参加者の情報を確認しながら会議を進行させることができる。
【0042】
また、通信制御部21は、Web会議の参加者の要求を受け付けて、ユーザ情報データベース25に登録された会議利用情報(音声データA)を用いて会議内で音声を出力することもできる。例えば、音声データAは、会議を盛り上げるような音声である。
【0043】
Web上において大人数で会議を実施した場合に、自分の反応を相手に伝えることが難しい場合がある。Web会議参加者が、情報処理装置20に登録されている音声データや画像データをWeb会議中に表示や出力することで、自分の反応を相手に伝えることができ、会議の臨場感を高めることができる。
【0044】
また、通信制御部21は、Web会議上での音声をテキスト化して議事録として保存してもよい。この議事録は、Web会議タイトルに関連付けて保存されてもよい。
【0045】
図1に戻って説明を続ける。
管理データ解析部24は、ユーザそれぞれに対応づけて記録された業務情報に基づいて勤務データを自動で作成する。勤務データとは、業務情報の情報を時系列に整列したデータである。なお、勤務データは、当該データに対応するユーザにより編集可能としてもよい。
【0046】
図5は、動作状態に基づいて自動で作成されるユーザの勤務データの一例を示す図である。
【0047】
ユーザのそれぞれについて業務情報に基づいて勤務データが作成されている。例えば、ユーザ名が特許太郎について、9時から17時までの業務内容が、記録されている業務情報に基づいて整理されて勤務データが作成される。他のユーザについても同様に勤務データが作成される。なお、勤務データを作成する際に、同一時間帯に複数の業務情報が存在する場合には、重複して業務を記載して勤務データが作成してもよい。
【0048】
また、管理データ解析部24は、ユーザのそれぞれについて作成された勤務データと実際のユーザの実績(売り上げ等)との相関関係を解析して、実績の高いユーザにおける業務モデルを分析してもよい。
このように、自動で勤務データが作成されることにより、ユーザの業務がより正確に記録されるため社員などの業務管理が容易となる。
【0049】
図6は、本実施形態に係る情報処理方法のフローチャートである(適宜、
図1参照)。
【0050】
情報処理装置20の通信制御部21は、各ユーザ端末10から送信されるアプリケーションの動作状態を随時受信する(S10)。
【0051】
配信部22は、受信した動作状態に基づいて決定した業務情報を、ユーザ端末10のそれぞれに配信する(S11)。そして、アプリ統合制御部11は、受信した業務情報を、画面上に表示されているユーザの名称に対応づけてユーザの業務情報を表示する。
【0052】
状態記録部23は、取得した動作状態に業務情報として記録していく。
【0053】
管理データ解析部24は、ユーザそれぞれに対応づけて記録された業務情報に基づいて勤務データを自動で作成する(S12)。また、管理データ解析部24は、ユーザの業務内容ごとに、記録を作成してもよい。
【0054】
このように、本実施形態の情報処理システムによれば、ユーザ端末からアプリケーションの動作状態を受信して、当該動作状態に基づいて業務内容を決定して、各ユーザ端末に配信、記録することにより、勤務者が会社から遠隔地で勤務する在宅勤務において勤務ユーザの業務管理を簡易な方法で実現できる。
【0055】
加えて、自動で勤務データが作成されることにより、ユーザの業務がより正確に記録されるため社員などの業務管理を容易とし、ユーザの作成にかかる業務負荷は軽減することができる。
【0056】
なお、情報処理システム50で実行されるプログラムは、ROM等の記憶回路に予め組み込んで提供される。もしくは、このプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、メモリカード、DVD、フレキシブルディスク等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供するようにしてもよい。また、情報処理システム50で実行されるプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせて提供するようにしてもよい。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0058】
10…ユーザ端末、11…アプリ統合制御部、12…アプリケーション状態送信部、13…配信情報受信部、20…情報処理装置、21…通信制御部、22…配信部、23…状態記録部、24…管理データ解析部、25…ユーザ情報データベース、100…テキストチャットアプリ、101…Web会議アプリ、102…文書アプリ、103…メールアプリ、104…表計算アプリ、105…勤怠管理アプリ。