(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-17
(45)【発行日】2023-08-25
(54)【発明の名称】プログラム、端末装置、サーバおよび情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/28 20120101AFI20230818BHJP
【FI】
G06Q20/28
(21)【出願番号】P 2022194565
(22)【出願日】2022-12-06
(62)【分割の表示】P 2022106756の分割
【原出願日】2022-07-01
【審査請求日】2022-12-06
(31)【優先権主張番号】P 2021110613
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.ウェブサイトの掲載日 令和3年6月14日 2.ウェブサイトのアドレス https://b43.jp/pair/ 3.公開者 株式会社スマートバンク 4.公開された発明の内容 株式会社スマートバンクが、上記アドレスのウェブサイトにおいて、プリペイドカードの共有口座を開設するための端末装置について公開した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520434950
【氏名又は名称】株式会社スマートバンク
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹渓 潤
(72)【発明者】
【氏名】森口 貴之
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-039660(JP,A)
【文献】特開2019-053623(JP,A)
【文献】特開2017-224039(JP,A)
【文献】特開2021-072108(JP,A)
【文献】特開2018-116519(JP,A)
【文献】特開2020-013496(JP,A)
【文献】特表2013-535035(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
第1のユーザが使用する第1の端末から、プリペイドカード用の共有口座の開設要求を取得し、前記第1の端末が共有口座開設用の招待情報を生成するための基本情報を、前記第1の端末に送信する処理と、
第2のユーザが使用する第2の端末から、前記招待情報に基づいたアクセスを受ける処理と、
前記第1のユーザの識別情報と前記第2のユーザの識別情報と、前記共有口座の識別情報を紐づけて記憶し、前記第1のユーザおよび前記第2のユーザが共有して使用する前記共有口座を開設する処理と
を実行するサーバとして機能させるプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータを、さらに、
前記第2の端末から前記招待情報に基づいたアクセスを受けた場合、前記第1の端末に、共有口座開設の承認確認画面を表示させるための表示制御情報を送信する処理と、
前記承認確認画面が表示された前記第1の端末から共有口座開設を承認することを示す承認情報を取得すると、前記共有口座を開設する処理と、
を実行する前記サーバとして機能させる請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記基本情報は、前記招待情報として前記第1の端末に表示されるコード画像を前記第1の端末に生成させるためのものであり、かつ、前記第2の端末が前記コード画像を読み取ることで、前記第2の端末を前記サーバにアクセスさせるためのものである、
請求項1または請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記基本情報は、前記第1の端末から前記第2の端末に送信される前記招待情報を前記第1の端末に生成させるためものであり、かつ、前記第2の端末で前記招待情報を読み取ることで、前記第2の端末を前記サーバにアクセスさせるためのものである、
請求項1または請求項2に記載のプログラム。
【請求項5】
コンピュータを、
第1のユーザが使用する第1の端末から、前記第1のユーザおよび前記第1のユーザとは異なる第2のユーザが使用するための、プリペイドカード用の共有口座の開設要求を取得し、前記共有口座の開設を行う処理と、
前記第1の端末に、前記第2のユーザが使用する前記共有口座用の前記プリペイドカードの有効化の承認確認画面を表示させるための表示制御情報を送信する処理と、
前記承認確認画面が表示された前記第1の端末から有効化を承認することを示す承認情報を取得すると、前記第2のユーザが使用する前記共有口座用の前記プリペイドカードの有効化を可能とする処理と、
を実行するサーバとして機能させるプログラム。
【請求項6】
サーバから、共有口座開設用の招待情報を生成するための基本情報を取得する基本情報取得部と、
前記基本情報を用いて前記招待情報を生成する招待情報生成部と、
前記招待情報を外部端末で使用可能な形態で出力する出力部と、
前記サーバから、共有口座開設の承認確認画面を表示するための表示制御情報を取得する表示制御情報取得部と、
前記表示制御情報に基づき前記承認確認画面を表示する承認確認画面表示部と、
前記承認確認画面に対して行われた操作に基づき、前記サーバに、前記共有口座開設を承認するか否かを示す情報を送信する承認確認結果送信部と、を備えた
ことを特徴とする端末装置。
【請求項7】
請求項1に記載のプログラムを実行するサーバ。
【請求項8】
請求項5に記載のプログラムを実行するサーバ。
【請求項9】
プリペイドカード用口座の開設処理を行うサーバと、第1のユーザが使用する第1の端末と、第2のユーザが使用する第2の端末とを備える情報処理システムであって、
前記第1の端末は、プリペイドカード用の共有口座の開設要求を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記第1の端末が共有口座開設用の招待情報を生成するための基本情報を、前記第1の端末に送信し、
前記第2の端末は、前記招待情報に基づいて、前記サーバにアクセスし、
前記サーバは、前記第1のユーザの識別情報と前記第2のユーザの識別情報と、前記共有口座の識別情報を紐づけて記憶し、前記第1のユーザおよび前記第2のユーザが共有して使用する前記共有口座を開設する
情報処理システム。
【請求項10】
プリペイドカード用口座の開設処理を行うサーバと、第1のユーザが使用する第1の端末と、第2のユーザが使用する第2の端末とを備える情報処理システムであって、
前記第1の端末は、前記第1のユーザおよび前記第2のユーザが使用するための、プリペイドカード用の共有口座の開設要求を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記共有口座の開設を行い、
前記サーバは、前記第1の端末に、前記第2のユーザが使用する前記共有口座用の前記プリペイドカードの有効化の承認確認画面を表示させるための表示制御情報を送信し、
前記第1の端末は、前記承認確認画面に対する操作に基づき、前記プリペイドカードの有効化を承認することを示す承認情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記承認情報を取得すると、前記第2のユーザが使用する前記共有口座用の前記プリペイドカードの有効化を可能とする
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、端末装置、サーバおよび情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリペイドカード用の口座の形態として、1つの口座を複数のユーザが共有して使用できるものがある。以下、このようなプリペイドカード用の口座を「共有口座」という。複数のユーザは、それぞれのユーザに対して発行された共有口座用のプリペイドカードを有することができる。各ユーザが自身の共有口座用のプリペイドカードを利用して商取引を行うと、共有口座から決済がなされる。各ユーザは、共有口座へのチャージ等を行うこともできる。
【0003】
ところで、特許文献1には、第1のユーザが利用するプリペイドカード等の第1の決済手段に紐付けて、第2のユーザが利用する第2の決済手段を発行する技術が記載されている。第2のユーザが第2の決済手段を店舗等において利用すると、第1の決済手段からの決済がなされる。第1のユーザは、情報処理装置に第1のユーザ自身の情報および第1の決済手段に関する情報を登録するとともに第2のユーザの情報等を登録することにより、第2の決済手段を発行し、第2のユーザに第2の決済手段を利用させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
共有口座は、家族間だけでなく、友人または知人同士等の間でも共有されることがある。したがって、共有口座を開設しようとする各ユーザにとっては、意図しない第三者との間での共有口座の開設を防ぐため、開設手続に関わっている相手が本来の意図どおりの相手であることが保証できる手続が提供されることが望ましい。
これに対し、例えば、特許文献1に記載されたような従来の技術は、第1のユーザが第2の決済手段を発行して第2のユーザに利用させる場合に、第1のユーザが情報処理装置に各種情報を登録するのみであり、両ユーザに、互いの相手が意図どおりの相手であることを保証できる手続を提供するものではない。したがって、共有口座の開設手続に従来の技術を採用したとしても、共有口座を共有しようとする相手が本来の意図どおりの相手であることを保証する手続を提供できるものとはならない。
また、共有口座の開設手続中において、このような保証の手続を導入する場合、その手続が煩雑なものであると、共有口座の開設を断念するユーザが増える可能性があるという問題もある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するものであり、本来の意図どおりのユーザ同士が簡便に共有口座を開設できる手続を提供するためのプログラム、端末装置、サーバおよび情報処理システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るプログラムは、コンピュータを、第1のユーザが使用する第1の端末から、プリペイドカード用の共有口座の開設要求を取得し、第1の端末が共有口座開設用の招待情報を生成するための基本情報を、第1の端末に送信する処理と、第2のユーザが使用する第2の端末から、招待情報に基づいたアクセスを受ける処理と、第1のユーザの識別情報と第2のユーザの識別情報と、共有口座の識別情報を紐づけて記憶し、第1のユーザおよび第2のユーザが共有して使用する共有口座を開設する処理とを実行するサーバとして機能させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明のプログラムにより、第1のユーザが使用する第1の端末からプリペイドカード用の共有口座の開設要求を取得し、第1の端末が共有口座開設用の招待情報を生成するための基本情報が第1の端末に送信され、第2のユーザが使用する第2の端末から招待情報に基づいたアクセスを受け、第1のユーザの識別情報と第2のユーザの識別情報と共有口座の識別情報を紐づけて記憶し、第1のユーザおよび第2のユーザが共有して使用する共有口座が開設される。したがって、本発明のプログラムは、本来の意図どおりのユーザ同士が簡便に共有口座を開設する手続を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】実施の形態1に係るクライアント端末の構成を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態1に係るサーバの構成を示すブロック図である。
【
図4】クライアント端末またはサーバの機能を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】実施の形態1に係るプリペイドカードの共有口座開設を示すタイミングチャートである。
【
図6】管理画面に対する操作の概要を示す画面図である。
【
図7】招待情報の読み取りの概要を示す画面図である。
【
図8】共有口座開設の承認処理の概要を示す画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る情報処理システム1の構成を示すブロック図である。
図1において、情報処理システム1は、クライアント端末2A1、クライアント端末2A2、サーバ3および店舗端末4が、ネットワーク5を介して接続されるシステムである。情報処理システム1は、ユーザA1がプリペイドカードB1を用いて行う商取引の決済に利用され、ユーザA2がプリペイドカードB2を用いて行う商取引の決済に利用される。
【0011】
ネットワーク5には、既存の電気通信回線を利用できる。ネットワーク5は、例えば、インターネットである。クライアント端末2A1および2A2は、ネットワーク5を介してサーバ3と通信可能な端末装置であり、例えば、スマートフォン、タブレット端末またはPC(Personal Computer)である。以下では、クライアント端末2A1および2A2がスマートフォンであるものとする。
【0012】
サーバ3は、プリペイドカード用口座の開設処理を行う。サーバ3は、例えば、プリペイドカードによる決済サービスを提供する決済事業者により所有または使用される。
サーバ3が開設処理を行う口座には、個人口座と共有口座とがある。個人口座は、1人のユーザのみが使用できる口座である。共有口座は、複数のユーザが共有して使用できる口座である。個人口座と共有口座は、いずれも、本人確認済のユーザのみが使用可能である。
【0013】
サーバ3に対する新規の個人口座の開設要求は、個人口座を有していない任意のユーザが行うことができる。例えば、本人確認済でないユーザA1が個人口座を開設しようとする場合、ユーザA1は、いわゆるeKCY(electronic Know Your Customer)による手続を通じて、自身に関する本人確認用情報をサーバ3に送信することができる。サーバ3は、ユーザA1に関する本人確認用情報を取得すると、ユーザA1の個人口座の開設処理を行う。なお、ユーザA1は、自身の本人確認が可能な事項が記載された紙媒体としての本人確認書類を決済事業者に郵送等により送付することもできる。
【0014】
サーバ3によって、ユーザA1の個人口座が開設されると、ユーザA1には個人口座用のプリペイドカードが発行される。発行されるプリペイドカードは、リアルカード、もしくは、アプリケーションプログラムとしてクライアント端末にインストールされるバーチャルカードのいずれか、またはその両方である。サーバ3は、ユーザA1を特定できる識別情報、個人口座用のプリペイドカードのカード番号および個人口座の識別情報を対応付けて記憶する。これにより、個人口座を開設したユーザA1は、サーバ3によって本人確認用情報が管理された本人確認済のユーザとなる。
【0015】
なお、本人確認済でないユーザA1が、後述する共有口座の開設手順に従って、他のユーザから共有口座の開設への招待を受けたことを契機に、本人確認手続を行い、当該他のユーザと共有で使用する共有口座のみを有する場合もある。この場合も、ユーザA1は、サーバ3によって本人確認用情報が管理された本人確認済のユーザとなる。
【0016】
サーバ3に対する新規の個人口座の開設要求は、個人口座を有していない任意のユーザが行うことができるのに対し、サーバ3に対する新規の共有口座の開設要求は、既に個人口座または共有口座の少なくとも一方を有するユーザ、つまり、本人確認済のユーザのみが行うことができる。
【0017】
例えば、ユーザA1は、既に個人口座を有しており、知人であるユーザA2と共有して使用できる共有口座を新規に開設しようとしているものとする。本人確認済であるユーザA1は、サーバ3に対して共有口座の開設要求を行うことができる第1のユーザであり、クライアント端末2A1は、個人口座の管理および共有口座の開設手続のために第1のユーザが使用することができる第1の端末である。ユーザA2は、第1のユーザが共有口座の共有を意図する第2のユーザであり、クライアント端末2A2は、第2のユーザが使用することができる第2の端末である。
【0018】
ユーザA1は、ユーザA2と共有口座を開設しようとする場合、クライアント端末2A1を用いて共有口座の開設要求をサーバ3に送信する。この際、クライアント端末2A1が備える表示部2D(後述)には、ユーザA1が使用する口座を管理するための管理アプリケーションが提供する管理画面が表示されている。管理アプリケーションは、例えば、クライアント端末2A1に予めインストールされ、クライアント端末2A1において実行されるアプリケーションである。または、管理アプリケーションは、例えば、ネットワーク5を通じてクライアント端末2A1に口座の管理機能を提供するために、サーバ3において実行される管理アプリケーションである。ユーザA1は、クライアント端末2A1の画面に表示された管理画面を操作することで、共有口座の開設要求をサーバ3に送信する。サーバ3は、管理画面が表示されたクライアント端末2A1から共有口座の開設要求を取得すると、共有口座開設用の招待情報を生成するための基本情報を、クライアント端末2A1に送信する。基本情報は、ユーザA1によって共有口座の開設要求がされていることを示す情報が含まれる。基本情報は、例えば、所定の文字列からなる、いわゆるトークンとしてサーバ3により生成され、クライアント端末に送信される。基本情報として生成されるトークンは、共有口座の開設要求ごとに発行される固有のものであり、同一のユーザからの開設要求だったとしてもその都度個別の文字列からなるトークンが生成される。
【0019】
クライアント端末2A1は、サーバ3から受信した基本情報を用いて、共有口座開設用の招待情報を生成する。招待情報には、サーバ3の提供する特定のURLにアクセスするための情報が含まれる。招待情報は、QRコード(登録商標)等の二次元バーコードもしくは一次元バーコードといったコード画像、または、文字列で表されたコードの形態で生成される。クライアント端末2A2は、クライアント端末2A1によって生成された招待情報に基づきサーバ3にアクセスする。
【0020】
サーバ3は、共有口座開設用の招待情報に基づきクライアント端末2A2からアクセスされた場合に、ユーザA2が本人確認済であることを示す情報をクライアント端末2A2から取得したか否かに応じて、ユーザA2が本人確認済か否かを判定する。サーバ3は、ユーザA2が本人確認済であると判定した場合、クライアント端末2A1および2A2に表示制御情報を送信する。この場合の表示制御情報は、クライアント端末2A1および2A2がそれぞれ備える表示部2D(後述)に共有口座開設の承認確認画面を表示させるための制御情報である。
【0021】
クライアント端末2A1および2A2は、表示制御情報に基づき、それぞれの表示部2D(後述)に承認確認画面を表示する。ユーザA1が使用するクライアント端末2A1に表示される承認確認画面には、少なくともユーザA2に関する情報が含まれ、これにより、ユーザA1は、ユーザA2と共有口座を開設しようとしていることが分かる。ユーザA1は、承認確認画面に表示された情報に基づきユーザA2との共有口座開設を承認するか否かを判断する。ユーザA2が使用するクライアント端末2A2に表示される承認確認画面には、少なくともユーザA1に関する情報が含まれ、これにより、ユーザA1は、ユーザA2と共有口座を開設しようとしていることが分かる。なお、ユーザA1に関する情報には、ユーザA1が本人確認の際に確認された個人名を含めることが望ましく、ユーザA2に関する情報についても同様である。ユーザA2は、承認確認画面に表示された情報に基づきユーザA1との共有口座開設を承認するか否かを判断する。共有口座開設を承認したユーザA1は、クライアント端末2A1を用いて、共有口座開設を承認することを示す承認情報をサーバ3に送信する。同様に、共有口座開設を承認したユーザA2は、クライアント端末2A2を用いて承認情報をサーバ3に送信する。各承認確認画面には、例えば、承認ボタン(後述する
図8の「カードの発行へ」欄S7参照)および不承認ボタン(後述する
図8の「共有口座開設を中止」欄S6参照)が含まれており、ユーザA1およびA2は、それぞれ、これらのボタンを利用して、承認情報または不承認情報をサーバ3に送信することができる。
【0022】
サーバ3は、クライアント端末2A1および2A2の両方から承認情報を取得すると、ユーザA1およびA2が共有して使用する共有口座の開設処理を行う。サーバ3によって、ユーザA1およびA2が共有して使用する共有口座が開設されると、ユーザA1には共有口座用のプリペイドカードB1が発行され、ユーザA2には共有口座用のプリペイドカードB2が発行される。発行されるプリペイドカードは、リアルカード、もしくは、アプリケーションプログラムとしてクライアント端末にインストールされるバーチャルカードのいずれか、またはその両方である。例えば、サーバ3は、ユーザA1の識別情報、ユーザA2の識別情報、プリペイドカードB1のカード番号、プリペイドカードB2のカード番号および共有口座の識別情報を対応付けて記憶する。このようにして、サーバ3は、ユーザA1およびA2が共有して使用する共有口座を開設する。新たに開設されるこの共有口座は、ユーザA1が使用する既存の個人口座および既存の共有口座、ならびに、ユーザA2が使用する既存の個人口座および既存の共有口座のいずれとも異なる口座である。そして、共有口座用のプリペイドカードB1およびB2は、いずれも上記のような既存の口座用のプリペイドカードとは独立したカードであり、プリペイドカードB1およびB2のカード番号は、いずれも既存の口座用のプリペイドカードのカード番号とは異なる番号で発行される。さらに、共有口座用のプリペイドカードB1のカード番号と共有口座用のプリペイドカードB2のカード番号も異なる番号として発行されるが、互いに対応付けて発行され、1つの共有口座から支払いがされていく。
【0023】
店舗端末4は、プリペイドカードを使用した決済が可能な加盟店の店舗に設置された端末装置である。例えば、プリペイドカードB1およびB2が、上記のように、ユーザA1およびA2が共有して使用する共有口座用に発行されたプリペイドカードであるものとする。また、サーバ3は、口座を開設する機能に加え、プリペイドカードを使用した商取引の決済を管理する機能を有するものとする。店舗においてユーザA1がプリペイドカードB1を使用した商取引の決済を行う場合、店舗端末4は、プリペイドカードB1に記憶されたカード情報を読み取り、ネットワーク5を介して決済情報をサーバ3に送信する。決済情報には、決済が行われた加盟店の識別情報、決済額およびカード情報が含まれる。カード情報には、プリペイドカードB1のカード番号が含まれる。
【0024】
サーバ3は、店舗端末4から送信された決済情報を受信すると、カード番号に対応するプリペイドカードB1の共有口座を特定する。次に、サーバ3は、決済額が示す金額を、特定した共有口座の残高から加盟店側に支払う処理を行う。その際、サーバ3は、例えば、サーバ3が加盟店への支払い処理を行った日時を記憶するとともに、支払い処理後の共有口座の残高を計算して前記日時と合わせて記憶する。
【0025】
なお、店舗端末4が、ネットワーク5を介してサーバ3に決済情報を送信する際に、サーバ3以外の1つまたは複数の他のサーバ(
図1において不図示)を経由してもよい。他のサーバは、例えば、クレジットカード会社が提供するサーバである。
また、プリペイドカードB1およびB2を使用した商取引は、ここまで店舗が実店舗である場合の商取引として示したが、クライアント端末2A1または2A2を操作して行うインターネット上の店舗との商取引でもよい。
【0026】
情報処理システム1において、本人確認済のユーザA1が、クライアント端末2A1を用いて、サーバ3に対する共有口座の開設要求、招待情報の生成、および共有口座開設の承認を行い、本人確認済のユーザA2が、クライアント端末2A2を用いて、招待情報に基づくサーバへのアクセスおよび共有口座開設の承認を行うことで、ユーザA1およびユーザA2の共有口座が開設される。したがって、サーバ3は、本来の意図どおりのユーザ同士が簡便に共有口座を開設する手続を提供できる。
【0027】
図2は、クライアント端末2A1および2A2の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、クライアント端末2A1および2A2は、通信部2B、演算部2C、表示部2D、操作部2Eおよび撮影部2Fを備える。通信部2Bは、他の機器との通信を行うための通信インタフェースである。通信部2Bは、例えば、例えば、通信部2Bは、LTE、3G、4Gまたは5Gなどの通信方式によるモバイル通信が可能な通信装置であり、ネットワーク5を介して、ネットワーク5に接続されたサーバ3等の他の機器(
図2では、サーバ3のみを示す)との通信を行う。また、通信部2Bは、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信手段を備えていてもよい。演算部2Cは、クライアント端末2A1および2A2の全体動作を制御する。また、演算部2Cは、例えば、管理アプリケーションがクライアント端末2A1または2A2にインストールされている場合、プリペイドカード用の口座を管理するための管理アプリケーションを実行することにより各種の機能を実現する。また、演算部2Cは、例えば、管理アプリケーションがサーバ3において実行されるものである場合、サーバ3からの指示を受けることで、各種の機能を実現する。
【0028】
表示部2Dは、クライアント端末2A1および2A2がそれぞれ備える表示装置である。表示部2Dは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)または有機EL(Electroluminescence)表示装置である。操作部2Eは、クライアント端末2A1および2A2の表示部2Dの画面表示に対する操作を受け付ける入力装置である。例えば、クライアント端末2A1および2A2がスマートフォンまたはタブレット端末である場合、操作部2Eは、表示部2Dの画面と一体に設けられたタッチパネルである。また、クライアント端末2A1および2A2がPCである場合は、操作部2Eは、例えば、マウスまたはキーボードである。
【0029】
撮影部2Fは、クライアント端末2A1および2A2がそれぞれ備える撮影装置である。クライアント端末2A1および2A2がスマートフォンである場合、撮影部2Fは、スマートフォンに標準的に搭載されている、イメージセンサを有した撮影装置である。また、例えば、クライアント端末2A1および2A2が、タブレット端末またはラップトップPCである場合、撮影部2Fは、タブレット端末またはラップトップPCに標準的に搭載されている、イメージセンサを有した撮影装置である。また、クライアント端末2A1および2A2が、例えば、撮影装置を標準装備していないデスクトップPC等である場合には、撮影部2Fは、デスクトップPC等に付加的に接続されている、イメージセンサを有した撮影装置である。イメージセンサには、CMOSイメージセンサまたはCCDイメージセンサを用いることができる。
【0030】
演算部2Cは、管理画面表示部20、開設要求送信部21、基本情報取得部22、招待情報生成部23、出力部24、表示制御情報取得部25、承認確認画面表示部26、承認確認結果送信部27、読取機能起動部28、および本人確認済情報送信部29を備える。演算部2Cが、例えば、プリペイドカード用の口座を管理するための上記管理アプリケーションを実行することにより、管理画面表示部20、開設要求送信部21、基本情報取得部22、招待情報生成部23、出力部24、表示制御情報取得部25、承認確認画面表示部26、承認確認結果送信部27、読取機能起動部28および本人確認済情報送信部29の各機能が実現される。
【0031】
管理画面表示部20は、既存のプリペイドカード用口座を管理するための管理画面を、表示部2Dに表示する。上記管理画面は、プリペイドカード用口座を管理するための管理アプリケーションにより提供される。例えば、ユーザA1が、管理アプリケーションをクライアント端末2A1にインストールする場合、ユーザA1のクライアント端末2A1に対する操作によって、アプリケーションの購入ストアから管理アプリケーションがダウンロードされ、クライアント端末2A1にインストールされる。クライアント端末2A1に管理アプリケーションがインストールされると、ユーザA1は、管理アプリケーションが提供する機能を用いて、情報処理システム1が提供するプリペイドカードサービスにユーザ登録することができる。さらに、ユーザA1が、管理アプリケーションにログインし、管理アプリケーションが提供する機能を用いて、サーバ3に対して、本人確認用情報を送信すると、サーバ3は、ユーザA1が使用するプリペイドカード用口座を開設し、ユーザA1に対してはその口座用のプリペイドカードが発行される。ユーザA1が使用する口座が開設され、発行されたプリペイドカードを特定する番号をクライアント端末2A1にインストールされた管理アプリケーションに入力すると、プリペイドカードが有効化されるとともに、管理アプリケーションは、ユーザA1がプリペイドカード用口座を管理するための管理画面を提供できるようになる。つまり、管理アプリケーションの実行により実現される管理画面表示部20は、口座を管理するための管理画面を表示部2Dに表示できるようになる。例えば、管理画面には、共有口座の開設要求を受け付けるアイコンが含まれる。ユーザA1が操作部2Eを用いて管理画面におけるアイコンに対する操作を行うことにより、開設要求送信部21が起動する。
【0032】
開設要求送信部21は、管理画面に対して行われた操作に基づき、プリペイドカード用口座の開設処理を行うサーバ3に、共有口座の開設要求を送信する。例えば、開設要求送信部21は、管理画面に対して行われた操作に基づき起動すると、共有口座の開設要求を生成し、生成した開設要求を、通信部2Bによって、ネットワーク5を介してサーバ3に送信する。例えば、ユーザA1が使用するプリペイドカード用口座を管理するための管理アプリケーションが提供する管理画面が表示されたクライアント端末2A1からの開設要求(以下「ユーザA1からの共有口座の開設要求」という。)である場合に、共有口座の開設要求には、要求元のユーザA1の識別情報が含まれる。
【0033】
基本情報取得部22は、共有口座開設用の招待情報を生成するための基本情報を、サーバ3から取得する。サーバ3は、ユーザA1からの共有口座の開設要求を受信した場合、開設要求に含まれるユーザA1の識別情報を用いて、共有口座開設用の招待情報の生成に利用されるトークンを生成し、生成したトークンをクライアント端末2A1に送信する。基本情報取得部22は、通信部2Bによって受信された上記トークンを取得し、取得したトークンを招待情報生成部23に出力する。
【0034】
招待情報生成部23は、管理画面に対して行われた操作に基づき、基本情報を用いて招待情報を生成する。招待情報には、サーバ3にアクセスするための情報が含まれる。サーバにアクセスするための情報は、例えば、サーバ3が提供する、ユーザA1との共有口座開設専用のサービスにアクセスするための、パラメータ付URL(Uniform Resource Locator)であり、そのパラメータとして通信部2Bにより受信されたトークンが含まれるものである。また、サーバにアクセスするための情報は、例えば、トークン自体、つまり、基本情報自体であってもよい。招待情報生成部23は、招待情報をコード画像または文字列の態様で生成する。例えば、招待情報生成部23は、招待情報を示すコード画像である、QRコードを生成する。また、例えば、招待情報生成部23は、招待情報を示す一次元バーコードを生成してもよいし、招待情報を示す文字列を生成してもよい。
【0035】
出力部24は、招待情報を、クライアント端末2A2などの外部端末で使用可能な形態で出力する。例えば、クライアント端末2A1の招待情報生成部23が生成した招待情報がQRコードなどのコード画像である場合に、クライアント端末2A1の出力部24は、招待情報を、クライアント端末2A1の表示部2Dに表示することで出力を行う。招待情報がクライアント端末2A1の表示部2Dに表示されたコード画像である場合に、クライアント端末2A2は、クライアント端末2A2の撮影部Fを利用して、クライアント端末2A1の表示部2Dに表示されたコード画像を読み取ることができる。
【0036】
また、出力部24は、招待情報を外部端末に送信してもよい。例えば、ユーザA1による共有口座開設の招待情報がコード画像または文字列の態様である場合、クライアント端末2A1の出力部24は、通信部2Bを用いて、招待情報を外部端末であるクライアント端末2A2に送信する。クライアント端末2A1の出力部24は、例えば、ネットワーク5を介して、電子メール、または、チャット等により、招待情報をクライアント端末2A2に送信することができる。また、クライアント端末2A1の通信部2Bは、Bluetoothなどの近距離無線通信を使用して、招待情報をクライアント端末2A2に送信してもよい。クライアント端末2A1から送信された招待情報を取得したクライアント端末2A2は、クライアント端末2A2の表示部2Dに表示されたコード画像または文字列としての招待情報を、公知の読取技術を利用して読み取ることができる。
【0037】
表示制御情報取得部25は、サーバ3から、共有口座開設の承認確認画面を表示するための表示制御情報を取得する。サーバ3は、ユーザA1およびA2の共有口座の開設手続の過程において、ユーザA2が本人確認済であると判定すると、クライアント端末2A1および2A2に対して表示制御情報を送信する。この場合の表示制御情報は、クライアント端末2A1および2A2がそれぞれ備える表示部2Dに、共有口座開設の承認確認画面を表示させるための制御情報である。
【0038】
クライアント端末2A1および2A2のそれぞれの承認確認画面表示部26は、表示制御情報に基づき、それぞれの表示部2Dに承認確認画面を表示する。ユーザA1が使用するクライアント端末2A1に表示される承認確認画面には、少なくとも共有口座開設の招待先であるユーザA2に関する情報が含まれる。また、ユーザA2が使用するクライアント端末2A2に表示される承認確認画面には、少なくとも共有口座開設の招待元であるユーザA1に関する情報が含まれる。例えば、ユーザA1に関する情報には、ユーザA1の名前を示すテキスト情報が含まれ、ユーザA2に関する情報には、ユーザA2の名前を示すテキスト情報が含まれる。ユーザA1は、承認確認画面におけるユーザA2を示す情報を参照し、操作部2Eを用いてユーザA2との共有口座開設を承認するか否かを判断する。同様に、ユーザA2は、承認確認画面におけるユーザA1を示す情報を参照し、操作部2Eを用いてユーザA1との共有口座開設を承認するか否かを判断する。
【0039】
承認確認結果送信部27は、承認確認画面に対して行われた操作に基づき、共有口座開設を承認するか否かを示す情報をサーバ3に送信する。クライアント端末2A1および2A2のそれぞれの表示部2Dに表示される承認確認画面には、例えば、承認ボタン(後述する
図8の「カードの発行へ」欄S7参照)および不承認ボタン(後述する
図8の「共有口座開設を中止」欄S6参照)が含まれており、ユーザA1およびA2は、それぞれ、これらのボタンを選択する操作を行い、承認情報または不承認情報をサーバ3に送信することができる。例えば、ユーザA1がユーザA2との共有口座開設を承認すると、クライアント端末2A1の承認確認結果送信部27は、通信部2Bによって承認情報をサーバ3に送信する。同様に、ユーザA2がユーザA1との共有口座開設を承認すると、クライアント端末2A2の承認確認結果送信部27は、通信部2Bによって承認情報をサーバ3に送信する。
【0040】
読取機能起動部28は、管理画面に対して行われた操作に基づき、招待情報を読み取るための読取機能を起動する。読取機能起動部28により起動される読取機能は、例えば、撮影部2Fを利用したコード画像の読取機能である。例えば、クライアント端末2A2が、クライアント端末2A1の表示部2Dに表示されたQRコードとしての招待情報を読み取る場合、クライアント端末2A2の読取機能起動部28が、操作部2Eを用いて管理画面に対して行われた読取操作に基づき撮影部2Fを起動し、撮影部2FにQRコードを読み取らせる。また、読取機能起動部28により起動される読取機能は、例えば、クライアント端末の表示部に表示されたコード画像または文字列の読取機能(以下「表示画面読取機能」という。)である。例えば、クライアント端末2A2が、クライアント端末2A1の表示部2Dに表示されたQRコードとしての招待情報を読み取る場合、クライアント端末2A2の読取機能起動部28が、操作部2Eを用いて管理画面に対して行われた読取操作に基づき表示画面読取機能を起動し、クライアント端末2A2の表示部2Dに表示されたQRコードを読み取らせる。
【0041】
本人確認済情報送信部29は、読取機能起動部28が起動した読取機能を用いて招待情報が読み取られた場合、既存のプリペイドカードを使用するユーザが本人確認済であることを示す情報を、サーバ3に送信する。
上述のように、読取機能起動部28は、管理画面に対して行われた操作により、読取機能を起動する。そして、例えば、クライアント端末2A2が管理画面を表示できている場合、それは、クライアント端末2A2を使用するユーザA2が、その管理画面を用いて管理される既存のプリペイドカード用口座を使用するユーザでもあることを意味している。つまり、この場合、「既存のプリペイドカードを使用する」ユーザとは、ユーザA2であり、また、ユーザA2は本人確認済である。そして、管理アプリケーションは、現在ログインしているユーザがユーザA2であることは認識できる。したがって、クライアント端末2A2の本人確認済情報送信部29は、ユーザA2が本人確認済であることを示すトークンを、サーバ3に送信することができる。
【0042】
このように、例えば、クライアント端末2A2の撮影部2FがQRコードとしての招待情報を読み取ると、クライアント端末2A2は、読み取った情報に基づきサーバ3にアクセスし、クライアント端末2A2の本人確認済情報送信部29が、通信部2Bを用いて、ユーザA2が本人確認済であることを示す情報を、サーバ3に送信する。本人確認済であることを示す情報は、例えば、トークンの形態で送信される。
【0043】
なお、クライアント端末2A2が招待情報に基づいてサーバ3にアクセスする方法としては、ここまで説明したとおり、クライアント端末2A2が、コード画像または文字列としての招待情報を読み取る方法がある他、招待情報に含まれるサーバ3にアクセスするための情報が、上述のようにサーバ3から送付された基本情報自体、つまり、トークン自体である場合には、例えば、ユーザA2が、クライアント端末2A2の表示部2Dに表示された専用画面にそのトークンが示す文字情報を入力することで、サーバ3にアクセスする方法もある。
【0044】
図3は、サーバ3の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、サーバ3は、通信部3A、演算部3Bおよび記憶部3Cを備える。通信部3Aは、ネットワーク5を介して、クライアント端末2A1、クライアント端末2A2または店舗端末4と通信を行う(
図3では店舗端末は示していない)。例えば、通信部3Aは、LTE、3G、4Gまたは5Gなどの通信方式によるモバイル通信が可能な通信装置である通信部2Bを有するクライアント端末2A1または2A2との間で、ネットワーク5を介して通信可能である。演算部3Bは、サーバ3の全体動作を制御する。演算部3Bは、プリペイドカード用の口座を開設するための口座開設用アプリケーションを実行することにより、各種の機能を実現する。
【0045】
記憶部3Cは、口座開設用アプリケーションを記憶し、演算部3Bの演算処理に用いるデータを記憶する。また、記憶部3Cには、ユーザA1の識別情報、ユーザA2の識別情報、共有口座でユーザA1が使用するプリペイドカードB1のカード番号、共有口座でユーザA2が使用するプリペイドカードB2のカード番号、および共有口座の識別情報が対応付けて記憶されている。また、ネットワーク5を通じてクライアント端末2A1および2A2に口座の管理機能を提供するために、サーバ3が管理アプリケーションを実行する場合、記憶部3Cには、管理アプリケーションも記憶される。
【0046】
演算部3Bは、基本情報送信部31、判定部32、表示制御情報送信部33および口座開設部34を備える。演算部3Bが、口座開設用アプリケーションを実行することにより、基本情報送信部31、判定部32、表示制御情報送信部33および口座開設部34の各機能が実現される。口座開設用アプリケーションは、サーバ3による口座の開設要求の取得に応じて起動する。
【0047】
基本情報送信部31は、ユーザが使用する口座を管理するための管理アプリケーションが提供する管理画面が表示されたクライアント端末から、共有口座の開設要求を取得し、共有口座開設用の招待情報を生成するための基本情報を、クライアント端末に送信する。例えば、クライアント端末2A1が、ユーザA1が使用する口座を管理するための管理画面を表示できている場合、それは、クライアント端末2A1を使用するユーザA1が、その管理画面を用いて管理される口座を既に使用しているユーザであることを意味している。この場合、ユーザA1は、本人確認済のユーザである。例えば、この本人確認済のユーザA1がクライアント端末2A1を用いて共有口座の開設要求を行った場合、基本情報送信部31は、クライアント端末2A1からの共有口座の開設要求を取得すると、共有口座開設用の招待情報を生成するためのトークンを、通信部3Aによってクライアント端末2A1に送信する。
【0048】
判定部32は、クライアント端末が招待情報に基づきサーバ3にアクセスした場合に、そのクライアント端末のユーザが本人確認済であることを示す情報を取得したか否かに応じて、そのユーザが本人確認済か否かを判定する。例えば、クライアント端末2A2が招待情報に基づいてサーバ3にアクセスした場合、判定部32は、通信部3Aによって、クライアント端末2A2から、ユーザA2が本人確認済であることを示すトークンが受信されたか否かに応じて、ユーザA2が本人確認済か否かを判定する。判定部32は、上記トークンが受信された場合に、ユーザA2が本人確認済と判定し、上記トークンが受信されなければ、ユーザA2が本人確認されていないと判定する。
【0049】
表示制御情報送信部33は、判定部32によってユーザA2が本人確認済と判定された場合、クライアント端末2A1およびクライアント端末2A2に、共有口座開設の承認確認画面を表示させるための表示制御情報を送信する。例えば、記憶部3Cには、本人確認済のユーザに関する情報が記憶されている。したがって、上述のようにユーザA1およびA2が本人確認済の場合、記憶部3Cには、ユーザA1およびA2のそれぞれに関する情報が記憶されている。表示制御情報送信部33は、ユーザA2が本人確認済と判定された場合、記憶部3Cから読み出したユーザA1に関する情報およびユーザA2に関する情報を用いて表示制御情報を生成し、生成した表示制御情報を、通信部3Aによって、クライアント端末2A1および2A2に送信する。
【0050】
口座開設部34は、ユーザA1に関する本人確認用情報を取得し、ユーザA1が使用する口座の開設処理を行う。また、口座開設部34は、承認確認画面が表示されたクライアント端末2A1およびクライアント端末2A2の両方から、共有口座開設を承認することを示す承認情報を取得すると、ユーザA1およびユーザA2が共有して使用する共有口座の開設処理を行う。例えば、口座開設部34は、ユーザA1およびユーザA2が共有して使用する共有口座を開設すると、ユーザA1の識別情報、ユーザA2の識別情報、共有口座でユーザA1が使用するプリペイドカードB1のカード番号、共有口座でユーザA2が使用するプリペイドカードB2のカード番号、および、共有口座の識別情報を対応付けて記憶部3Cに記憶する。
【0051】
図4は、クライアント端末2A1およびクライアント端末2A2またはサーバ3の機能を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。例えば、クライアント端末2A1およびクライアント端末2A2の機能は、演算部2Cにより実現される。演算部2Cは、ハードウェア構成として、通信インタフェース100、入出力インタフェース101、プロセッサ102およびメモリ103を有する。演算部2Cが備える管理画面表示部20、開設要求送信部21、基本情報取得部22、招待情報生成部23、出力部24、表示制御情報取得部25、承認確認画面表示部26、承認確認結果送信部27、読取機能起動部28および本人確認済情報送信部29の各機能は、これらのハードウェア構成により実現される。
【0052】
通信インタフェース100は、通信部2Bによって、ネットワーク5を介してサーバ3から受信されたデータをプロセッサ102へ出力し、プロセッサ102が生成したデータを、ネットワーク5を介してサーバ3へ送信する。プロセッサ102は、入出力インタフェース101を介して表示部2Dの表示を制御し、操作部2Eから操作情報を取得する。
【0053】
管理アプリケーションがクライアント端末2A1または2A2にインストールされている場合、管理画面表示部20、開設要求送信部21、基本情報取得部22、招待情報生成部23、出力部24、表示制御情報取得部25、承認確認画面表示部26、承認確認結果送信部27、読取機能起動部28および本人確認済情報送信部29の各機能を実現するためのアプリケーションプログラム(管理アプリケーション)は、メモリ103に記憶されている。メモリ103は、例えば、スマートフォンに搭載された半導体メモリである。
【0054】
管理アプリケーションがクライアント端末2A1または2A2にインストールされている場合、プロセッサ102は、入出力インタフェース101を介してメモリ103にロードしたプログラムを実行する。これにより、プロセッサ102は、管理画面表示部20、開設要求送信部21、基本情報取得部22、招待情報生成部23、出力部24、表示制御情報取得部25、承認確認画面表示部26、承認確認結果送信部27、読取機能起動部28および本人確認済情報送信部29の各機能を実現する。メモリ103は、例えば、RAM(Random Access Memory)である。
【0055】
また、サーバ3の機能は、演算部3Bにより実現される。演算部3Bは、演算部2Cと同様に、ハードウェア構成として、通信インタフェース100、入出力インタフェース101、プロセッサ102およびメモリ103を有する。演算部3Bが備える基本情報送信部31、判定部32、表示制御情報送信部33および口座開設部34の各機能は、これらのハードウェア構成によって実現される。
【0056】
通信インタフェース100は、通信部3Aによって、ネットワーク5を介してクライアント端末2A1またはクライアント端末2A2から受信されたデータをプロセッサ102へ出力し、プロセッサ102が生成したデータを、ネットワーク5を介してクライアント端末2A1またはクライアント端末2A2へ送信する。プロセッサ102は、入出力インタフェース101を介して、記憶部3Cに対するデータの読み書きを制御する。
【0057】
基本情報送信部31、判定部32、表示制御情報送信部33、および口座開設部34の各機能を実現するためのアプリケーションプログラム(口座開設用アプリケーション)は、メモリ103に記憶されている。メモリ103は、例えば、サーバ3として機能するコンピュータが備える半導体メモリである。プロセッサ102は、入出力インタフェース101を介して記憶部3Cからメモリ103にロードしたプログラムを実行する。これにより、プロセッサ102は、基本情報送信部31、判定部32、表示制御情報送信部33および口座開設部34の各機能を実現する。
【0058】
図5は、実施の形態1に係るプリペイドカード共有口座開設を示すタイミングチャートである。
図5における第1の端末はクライアント端末2A1であり、
図5における第2の端末はクライアント端末2A2であり、
図5におけるサーバはサーバ3である。さらに、ユーザA1が、ユーザA2を共有口座の開設に招待する招待元のユーザであり、ユーザA2が、ユーザA1から共有口座の開設に招待された招待先のユーザであるものとする。
【0059】
クライアント端末2A1において、開設要求送信部21が、操作部2Eを用いて管理画面に対して行われた操作に基づき、通信部2Bを用いて共有口座の開設要求をサーバ3に送信する(ステップST1)。
図6は、クライアント端末2A1の管理画面2D1に対する操作の概要を示す画面図である。クライアント端末2A1の管理画面表示部20は、管理画面2D1を表示部2Dに表示する。管理画面2D1は、プリペイドカード用の口座を管理するための様々な設定を受け付ける画面である。例えば、ユーザA1が、操作部2Eを用いて、管理画面2D1の「共有口座の開設」欄S1を選択操作することで、開設要求送信部21が、通信部2Bを用いて共有口座の開設要求をサーバ3に送信する。
【0060】
サーバ3は、ユーザA1からの共有口座の開設要求を受信すると、開設要求に含まれるユーザA1の識別情報を用いて、共有口座開設用の招待情報の生成に利用されるトークンを、クライアント端末2A1に送信する(ステップST2)。クライアント端末2A1において、基本情報取得部22は、通信部2Bを用いてサーバ3から取得したトークンを招待情報生成部23に出力する。管理画面表示部20は、開設要求送信部21が共有口座の開設要求を行うと、管理画面2D2を、表示部2Dに表示する。
【0061】
管理画面2D2は、共有口座の開設に関する操作を受け付ける画面であり、例えば、「あなたのQRコードを表示」欄S3が設けられている。例えば、ユーザA1が、クライアント端末2A1の操作部2Eを用いて、管理画面2D2の「あなたのQRコードを表示」欄S3を操作することにより、招待情報生成部23は、サーバ3から取得されたトークンを用いて、共有口座開設用の招待情報を示すQRコードを生成する。
【0062】
クライアント端末2A1の出力部24は、招待情報生成部23が生成した招待情報を出力する(ステップST3)。例えば、
図6に示すように、クライアント端末2A1の出力部24は、クライアント端末2A1の表示部2Dにおいて、招待情報を示すQRコードCを含む小画面2D3を管理画面2D2に表示する。
【0063】
また、小画面2D3には、招待情報を示すQRコードCに加えて、「QRコードを画像で送る」欄S4が設けられている。ユーザA1が、操作部2Eを用いて、小画面2D3の「QRコードを画像で送る」欄S4を操作することにより、図示しないクライアント端末2A2を特定して送信するのに必要な情報を入力する画面を経て、出力部24は、通信部2Bを用いて、QRコードCを含む画像を、クライアント端末2A2に送信する。クライアント端末2A2の通信部2Bが、クライアント端末2A1からQRコードCを含む画像を受信すると、クライアント端末2A2は、管理画面2D2を表示部2Dに表示する。
【0064】
以下では、上記「QRコードを画像で送る」欄S4の操作は行われておらず、クライアント端末2A1の表示部2Dにおいて、招待情報を示すQRコードCを含む小画面2D3を管理画面2D2に表示されているものとする。
次に、ユーザA2が、操作部2Eを用いて自身のクライアント端末2A2に表示された管理画面2D1の「QRコードの読み取り」欄S2を操作すると、クライアント端末2A2の読取機能起動部28は、撮影部2Fを起動してQRコードCの読み取り状態になる。
【0065】
図7は、招待情報の読み取りの概要を示す画面図であり、クライアント端末2A2が、クライアント端末2A1に表示されたQRコードCを、直接読み取る場合を示している。クライアント端末2A2の表示部2Dには、撮影部2Fのイメージセンサによって処理された画像2D4が表示され、画像2D4には、枠S5が重畳表示されている。撮影部2Fは、QRコードCが枠S5の内側になる位置に合わせられるとQRコードCを直接読み取る。
【0066】
クライアント端末2A2の本人確認済情報送信部29は、取得した招待情報に基づき、通信部2Bを用いてサーバ3にアクセスして、ユーザA2が本人確認済であることを示す情報をサーバ3に送信する(ステップST4)。例えば、クライアント端末2A2において、管理アプリケーションが提供する読取機能が、招待情報を示すQRコードを読み取ると、すなわち、管理画面2D1の「QRコードの読み取り」欄S2を操作することで起動された読取機能がQRコードを読み取ると、本人確認済情報送信部29が起動する。本人確認済情報送信部29は、招待情報に含まれるURLに基づいて、通信部2Bを用いてサーバ3にアクセスし、ユーザA2が本人確認済であることを示す情報をサーバ3に送信する。例えば、本人確認済情報送信部29は、ユーザA2が本人確認済であることを示すトークンを、サーバ3に送信する。
【0067】
ここで、読取機能起動部28は、本人確認済みである場合にだけ、管理画面に対して行われた操作により、読取機能を起動できるようになっている。つまり、クライアント端末2A2が管理アプリケーションの提供する管理画面を表示できている場合、それは、クライアント端末2A2を使用するユーザA2が、その管理画面を用いて管理されるプリペイドカード用口座を既に使用しているユーザでもあることを意味している。つまり、この場合、ユーザA2は本人確認済である。また、管理アプリケーションは、ログインしているユーザがユーザA2であることは認識できている。したがって、クライアント端末2A2の本人確認済情報送信部29は、ユーザA2が本人確認済であることを示すトークンを、サーバ3に送信することができる。
【0068】
なお、上記「QRコードを画像で送る」欄S4の操作が行われて、通信部2Bを用いてクライアント端末2A2に招待情報を送信すると、クライアント端末2A2の通信部2Bが、当該招待情報を受信する。この場合も、管理画面に対して行われた操作により、読取機能が起動されて、招待情報が読み取られると、クライアント端末2A2の本人確認済情報送信部29は、招待情報に含まれるURLに基づいて、通信部2Bを用いてサーバ3にアクセスし、ユーザA2が本人確認済であることを示す情報をサーバ3に送信することができる。
【0069】
一方、クライアント端末2A2は、管理アプリケーション以外のアプリケーションが提供する撮影部2Fを用いた撮影機能を利用して、クライアント端末2A1から出力されたQRコード等の招待情報を読み取ることは可能である。この場合、管理アプリケーションが提供する機能が利用されていることに基づく、本人確認済情報送信部29によるユーザA2が本人確認済であることを示す情報の送信は、直ちには行われない。
【0070】
上記のように、管理アプリケーション以外のアプリケーションが提供する撮影部2Fを用いた撮影機能を利用して招待情報の読み取りがされた場合、クライアント端末2A2が、招待情報が示すURLにアクセスしようとすると、クライアント端末2A2が、当該URLをディープリンクに変換して連携することにより、同クライアント端末2A2において管理アプリケーションがインストール済か否かに応じて、その後のクライアント端末2A2上の挙動を変えさせることができる。なお、ディープリンク自体は公知の技術であるため、当該技術の詳細な説明は省略する。
【0071】
具体的な挙動としては、例えば、クライアント端末2A2に管理アプリケーションがインストールされていないと判断された場合、クライアント端末2A2は、アプリケーションの購入ストアを管理するサーバ(
図1において不図示)にアクセスし、プリペイドカードの管理アプリケーションのダウンロード画面を表示される。これにより、ユーザA2は、管理アプリケーションのダウンロードから本人確認手続までを行うよう誘導される。
そして、ユーザA2が誘導に従いクライアント端末2A2に管理アプリケーションをダウンロードしてインストールし、情報処理システム1が提供するプリペイドカードサービスにユーザ登録し、本人確認手続までを行うと、
図5のステップST5以降のユーザA1との共有口座の開設手続に戻ることができる。
【0072】
また、例えば、クライアント端末2A2に管理アプリケーションがインストールされていると判断された場合、管理アプリケーションが起動される。ユーザA2がログインした状態で管理アプリケーションが起動されると、管理画面表示部20は管理画面を表示し、その後、管理アプリケーションは、ユーザA2が本人確認済であるかどうかを確認することができる。
【0073】
その確認の結果、本人確認済である場合は、本人確認済情報送信部29は、サーバ3にユーザA2が本人確認済であることを示す情報を送信する。
一方、上記確認の結果、本人確認済でない場合は、本人確認済情報送信部29は、クライアント端末2A2にインストールされた管理アプリケーションにログインしているユーザが本人確認済ではないことを示す情報を送信する。なお、この時点では、ユーザA2は本人確認済ではないため、サーバ3には、管理アプリケーションにログインしているユーザがユーザA2であるか否かの情報は送られない。以下では、管理アプリケーションにログインしているユーザがユーザA2であるものとして記載する。
【0074】
サーバ3の判定部32は、管理アプリケーションにログインしているユーザA2が本人確認済ではないことを示す情報を取得すると、ユーザA2が本人確認済ではないと判定する。表示制御情報送信部33は、判定部によって、ユーザA2が本人確認済ではないと判定された場合、クライアント端末2A2に、ユーザA2が本人確認手続を行うように誘導する誘導画面を表示させるための表示制御情報を送信する。なお、クライアント端末2A2は、本人確認済情報送信部29により、サーバ3に管理アプリケーションにログインしているユーザが本人確認済ではないことを示す情報を送るとともに、管理アプリケーション自体の機能により、上記誘導画面を表示するものであってもよい。この場合、サーバ3からは、誘導画面を表示させるための表示制御情報は送信されない。そして、その後、ユーザA2が誘導画面の誘導に従い、サーバ3に本人確認用情報を送信することにより、表示制御情報送信部33が、クライアント端末2A2からユーザA2に関する本人確認用情報を取得した場合、
図5のステップST5以降の処理に戻り、クライアント端末2A1および2A2に、共有口座開設の承認確認画面を表示させるための表示制御情報を送信する。
【0075】
上記のように、管理アプリケーションが起動されたが、ユーザA2がログインしていない状態で管理アプリケーションが起動されると、管理アプリケーションは、ログイン画面を表示する。その後、ユーザA2によりログインがなされると、上記のログインした状態で管理アプリケーションが起動された場合と同様の処理がなされることとなる。
なお、ここまで招待情報がQRコードの形態である場合の例を示したが、招待情報は、一次元バーコードまたは文字列の形態でもよい。クライアント端末2A1は、招待情報がいずれの形態であっても、上記と同様に、招待情報を、クライアント端末2A1の表示部2Dに表示して出力するか、または、クライアント端末2A2に送信して出力することができる。また、クライアント端末2A2は、招待情報の形態およびクライアント端末2A1による招待情報の出力の態様に合わせて、管理アプリケーションが提供する読取機能または管理アプリケーション以外のアプリケーションが提供する読取機能を利用して、当該招待情報を読み取ることが可能なものとすることができる。
【0076】
また、基本情報(例えば、トークン)が、サーバ3からクライアント端末2A1に送信された時点から一定時間が経過した後に、クライアント端末2A2がサーバ3にアクセスした場合、共有口座の開設処理が中止される。例えば、上記一定時間が1時間であって、サーバ3がクライアント端末2A1にトークンを送信してから1時間以上経過した後に、クライアント端末2A2が、トークンを用いて生成された招待情報に基づき、サーバ3にアクセスしても、ユーザA2が本人確認済であることを示す情報の送信以降の処理が中断される。招待情報が不正に流出した場合であっても、基本情報の有効期限が経過すると、共有口座の開設処理が中止されるので、招待情報が不正に利用されることを抑制できる。
上記の理由により共有口座の開設処理が中止された場合、サーバ3の表示制御情報送信部33は、クライアント端末2A1および2A2に、例えば、共有口座の開設処理の開始から一定時間が経過したために開設処理が中止されたことを示す画面を表示させるための表示制御情報を送信してもよい。
【0077】
次に、サーバ3の表示制御情報送信部33は、通信部3Aにより受信されたユーザA2が本人確認済であることを示す情報を取得すると、クライアント端末2A1および2A2に、共有口座開設の承認確認画面を表示させるための表示制御情報を送信する(ステップST5)。クライアント端末2A1は、表示制御情報に基づいて承認確認画面を表示部2Dに表示し(ステップST6-1)、クライアント端末2A2は、表示制御情報に基づいて承認確認画面を表示部2Dに表示する(ステップST6-2)。
【0078】
図8は、共有口座開設の承認確認画面2D5を用いた承認処理の概要を示す画面図である。クライアント端末2A1の承認確認画面表示部26は、表示制御情報に基づいて、例えば、
図8に示す承認確認画面2D5を、表示部2Dに表示する。承認確認画面2D5には、ユーザA1(Aさん)に対してユーザA2(Bさん)との共有口座の開設処理が行われていることを示す情報が記載され、「共有口座開設を中止」と記載された欄S6および「カードの発行へ」と記載された欄S7が設けられている。
【0079】
ユーザA1が、操作部2Eを用いて「共有口座開設を中止」欄S6を操作することで、承認確認画面表示部26は、承認確認画面2D5上に小画面P1を表示する。小画面P1は、口座開設を中止することを確認するための画面であり、「実行」ボタンS8および「キャンセル」ボタンS9が設けられている。続いて、ユーザA1が操作部2Eを用いて「実行」ボタンS8を操作すると、クライアント端末2A1の承認確認結果送信部27が、サーバ3に、共有口座開設を承認しないことを示す情報(以下「不承認情報」という。)を送信する。サーバ3は、クライアント端末の承認確認結果送信部27から、不承認情報を取得すると、共有口座の開設処理を中止し、サーバ3の表示制御情報送信部33は、クライアント端末2A1および2A2に、共有口座の開設処理を中止した旨を示す画面を表示させるための表示制御情報を送信する。この表示制御情報を取得したクライアント端末2A1は、例えば、小画面P2を含む画面2D6を、表示部2Dに表示する。小画面P2は、
図8に示すように、共有口座の開設が中止されたことを示す画面である。一方、上記の表示制御情報を取得したクライアント端末2A2も、共有口座の開設が中止されたことを示す画面として、例えば、「共有口座の開設が中止されました。相手によってキャンセルされました。」というメッセージを含む画面(不図示)を、表示部2Dに表示する。
【0080】
ユーザA1が操作部2Eを用いて承認確認画面2D5における「カードの発行へ」欄S7を操作するか、あるいは、小画面P1において「キャンセル」ボタンS9を操作しかつ承認確認画面2D5において「カードの発行へ」欄S7を操作すると、クライアント端末2A1の承認確認結果送信部27は、ユーザA1がユーザA2との共有口座開設を承認したことを示す承認情報を、サーバ3に送信する(ステップST7-1)。同様に、ユーザA2がユーザA2との共有口座開設を承認すると、クライアント端末2A2の承認確認結果送信部27は、ユーザA2がユーザA1との共有口座開設を承認したことを示す承認情報を、サーバ3に送信する(ステップST7-2)。
【0081】
サーバ3の口座開設部34は、クライアント端末2A1および2A2の両方から承認情報を取得すると、ユーザA1およびA2が共有して使用する共有口座の開設を行う(ステップST8)。例えば、口座開設部34は、ユーザA1およびA2の共有口座情報として、ユーザA1の識別情報、ユーザA2の識別情報、共有口座でユーザA1が使用するプリペイドカードB1のカード番号、共有口座でユーザA2が使用するプリペイドカードB2のカード番号、および、共有口座の識別情報を対応付けて記憶部3Cに記憶する。
【0082】
また、表示制御情報送信部33は、共有口座の開設が完了したことを示す画面を表示させるための表示制御情報を、クライアント端末2A1および2A2に送信する。クライアント端末2A1および2A2において、承認確認画面表示部26は、表示制御情報に基づき、共有口座の開設が完了したことを示す画面を、表示部2Dに表示する。
図9は、共有口座の開設完了を示す画面図である。例えば、クライアント端末2A1は、共有口座の開設が完了したことを示す画面2D7を、表示部2Dに表示する。画面2D7は、ユーザA1(Aさん)に対してユーザA2(Bさん)との共有口座の開設が完了したことを示すものである。
【0083】
サーバ3は、共有口座の開設処理において、ユーザA1およびA2のそれぞれに対して、共有口座で使用する新たなプリペイドカードを発行する。例えば、サーバ3は、承認情報を取得すると、クライアント端末2A1およびクライアント端末2A2に対し、配送先情報およびPIN(Personal Identification Number)設定を問い合わせ、プリペイドカードの発送日を通知する。
配送先情報は、プリペイドカードの配送先を示す情報であり、プリペイドカードのユーザの住所である。PINは、ユーザが個別に設定する4桁から8桁の番号であり、サーバ3によってプリペイドカードに対応付けられる。PINは、クライアント端末内での個人認証またはATMでプリペイドカードを使用する際などの個人認証に使用される。
共有口座のプリペイドカードB1およびB2がユーザA1およびA2にそれぞれ発送された後、クライアント端末2A1および2A2が実行する管理アプリケーションを用いてユーザA1およびA2が、それぞれのプリペイドカードを特定する番号を入力することによりプリペイドカードが有効化される。ここまでの処理が、プリペイドカードの発行処理である。
【0084】
また、共有口座で使用されるプリペイドカードは、リアルカード、もしくは、アプリケーションプログラムとしてクライアント端末2A1または2A2にインストールされたバーチャルカードのいずれか、またはその両方である。プリペイドカードがバーチャルカードの場合、サーバ3は、クライアント端末2A1および2A2の両方から承認情報を取得して共有口座を開設すると、即座にプリペイドカードを有効化してもよい。
【0085】
さらに、口座開設部34は、ユーザA1およびA2が共有して使用する共有口座の開設処理とユーザA2のみが使用する個人口座の開設処理の両方とを行うか、または、ユーザA1およびユーザA2が共有して使用する共有口座の開設処理のみを行ってもよい。
例えば、ユーザA1が共有口座の開設要求をした時点でユーザA2が個人口座を開設していなかった場合、表示制御情報送信部33が、承認確認画面を表示させるための表示制御情報に加えて、共有口座とともに個人口座を開設するか否かの選択画面を表示させるための表示制御情報を、クライアント端末2A2に送信する。
口座開設部34は、クライアント端末2A1およびクライアント端末2A2の両方から承認情報を取得し、クライアント端末2A2から、共有口座とともに個人口座を開設することを示す選択結果情報を取得すると、この選択結果情報に応じて、ユーザA1およびユーザA2が共有して使用する共有口座の開設処理とユーザA2のみが使用する個人口座の開設処理を行う。この場合、ユーザA2には、共有口座用のプリペイドカードB1と、ユーザA2のみが使用する個人口座用のプリペイドカードとの、両方が発行される。
また、口座開設部34は、クライアント端末2A2から、共有口座とともに個人口座を開設しないことを示す選択結果情報を取得すると、ユーザA1およびユーザA2が共有して使用する共有口座の開設処理のみを行う。
【0086】
図10は、共有口座の使用例を示す画面図であり、クライアント端末2A1の表示部2Dの表示画面が左側の画面から右側の画面に順に遷移する様子を示している。ユーザA1は、共有口座と個人口座の両方を開設しているものとする。
左側の画面2D8は、ユーザA1およびA2が共有して使用する共有口座に関する商取引履歴リストの画面である。画面2D8に示す商取引履歴リストには、商取引履歴ごとにその商取引履歴の決済に使用されたプリペイドカードの情報が表示され、ユーザA1のプリペイドカードによる商取引履歴とユーザA2のプリペイドカードによる商取引履歴とが区別可能に表示される。例えば、画面2D8には、商取引履歴ごとに、その商取引履歴の決済に使用されたプリペイドカードの情報として、プリペイドカードの所有者に関する情報である所有者を示すアイコンAP1またはAP2が表示されている。
【0087】
画面2D8には、例えばその上部にアイコンAPが表示される。アイコンAPは、商取引履歴リストが現在表示されている口座が共有口座であり、当該共有口座用のプリペイドカードのユーザが、アイコンAP1が示すユーザA1とアイコンAP2が示すユーザA2であることを示している。操作部2Eを用いてアイコンAPが操作されると、
図10に示すように、アカウント切り替え画面P3が画面2D8上に表示される。アカウント切り替え画面P3には、個人口座を示すアイコンP31と共有口座を示すアイコンP32が表示されている。
【0088】
例えば、操作部2Eを用いて個人口座を示すアイコンP31の操作が行われた場合に、
図10に示すように、個人口座における商取引履歴リストを示す画面2D9に切り替えられる。このとき、画面2D9の例えば上部には、アイコンAP1が表示される。アイコンAP1は、商取引履歴リストが現在表示されている口座が、アイコンAP1が示す所有者(ユーザA1)の個人口座であることを示している。
【0089】
これまで、ユーザA1およびユーザA2の共有口座を開設する場合を示したが、サーバ3は、3人以上のユーザの共有口座を開設してもよい。この場合においても、共有口座の開設を要求するユーザは、情報処理システム1が提供するプリペイドカードサービスに登録しており、本人確認済のユーザであるものとする。
【0090】
また、これまで、サーバ3は、クライアント端末2A1および2A2の両方から承認情報を取得した後に、ユーザA1およびA2の共有口座用のプリペイドカードB1およびB2を発行する場合を示した。これに対し、サーバ3は、クライアント端末2A1から共有口座の開設要求を取得することで、少なくともユーザA1の共有口座用のプリペイドカードB1を発行するものであってもよい。以下、このような処理を行うサーバ3を含む情報処理システム1を「実施の形態1の変形例」という。
【0091】
実施の形態1の変形例の口座開設部34は、ユーザA1が使用するクライアント端末2A1から、ユーザA1およびユーザA2が使用するための共有口座の開設要求を取得し、共有口座の開設処理を行う。実施の形態1の変形例では、ユーザA1がクライアント端末2A1を用いて共有口座の開設要求をサーバ3に送信することで、サーバ3がクライアント端末2A1から開設要求を受けると、口座開設部34は、ユーザA1およびユーザA2の共有口座用のプリペイドカードB1およびB2の発行を含む、共有口座の開設処理を行う。口座開設部34により開設される共有口座は、ユーザA1が使用する既存の個人口座および既存の共有口座とは異なる口座である。
実施の形態1の変形例において、ユーザA1は、自身が既存の個人口座も既存の共有口座も有していない場合にでも、新規に共有口座のみを開設できるものとする。ユーザA1が既存の口座を有していない場合、ユーザA1は、本人確認済ではない状態である。本人確認済でないユーザA1が共有口座を開設しようとする場合、ユーザA1は、クライアント端末2A1を用いて、共有口座の開設要求とともに、例えば、eKYCによる手続きを通じて、ユーザA1に関する本人確認用情報をサーバ3に送信する。口座開設部34は、クライアント端末2A1から開設要求と本人確認用情報とを取得し、共有口座の開設処理を行う。
【0092】
口座開設部34は、クライアント端末2A1から、共有口座の開設要求とともに、ユーザA2を特定する特定情報を取得するものであってもよい。ユーザA1は、特定のユーザA2との共有口座を開設しようとする場合、クライアント端末2A1を用いてユーザA2を特定する特定情報をサーバ3に送信する。特定情報には、少なくともユーザA2の氏名が含まれる。
また、口座開設部34は、特定情報として、ユーザA2の氏名に加えて、ユーザA2が使用することとなる共有口座用のプリペイドカードB2の暗証番号を取得するものであってもよい。ユーザA1は、クライアント端末2A1を用いて、ユーザA2の氏名に加えて、プリペイドカードB2の暗証番号を指定して、サーバ3に送信する。この場合、特定情報には、ユーザA2の氏名と暗証番号が含まれる。
【0093】
口座開設部34によって共有口座の開設処理が開始されると、ユーザA1用として共有口座用のプリペイドカードB1が発行され、ユーザA2用として共有口座用のプリペイドカードB2が発行される。上述のように、発行されるプリペイドカードは、リアルカードもしくはバーチャルカードのいずれか、またはその両方であるが、実施の形態1の変形例では、少なくとも、プリペイドカードB2は、リアルカードである。ここでは、プリペイドカードB1およびB2は、いずれもリアルカードであるとする。プリペイドカードB1およびB2は、いずれもユーザA1に届けられる。プリペイドカードB1およびB2は、発行された時点では、有効化されていない。
【0094】
口座開設部34は、プリペイドカードB1およびB2に、それぞれのプリペイドカードを特定する番号として、固有のカード番号を付与する。付与されたカード番号は、それぞれのプリペイドカードの表面に記載される。例えば、カード番号は、プリペイドカードの種類を示すデザインが施された面とは反対の面に記載される。口座開設部34は、プリペイドカードB1のカード番号、ユーザA1の識別情報、プリペイドカードB2のカード番号、特定情報に含まれるユーザA2の氏名または特定情報に含まれるユーザA2の氏名および暗証番号、および、開設処理中の共有口座の識別情報を対応付けて、記憶部3Cに記憶させる。
【0095】
ユーザA1は、プリペイドカードB1およびB2が届くと、クライアント端末2A1を用いてユーザA1用のプリペイドカードB1を有効化することができる。また、ユーザA1は、プリペイドカードB2を、手渡し等の方法によって、ユーザA2に渡す。ユーザA1は、特定情報に暗証番号を含めた場合は、ユーザA2にカードを渡すとともに、暗証番号を任意の方法によって、ユーザA2に伝える。
ユーザA2は、ユーザA1からプリペイドカードB2を渡されると、プリペイドカードB2の有効化のために、クライアント端末2A2を用いて、サーバ3にアクセスする。クライアント端末2A2には、例えば、管理アプリケーションが予めインストールされており、クライアント端末2A2は、ユーザA2が管理アプリケーションを操作することで、サーバ3にアクセスすることができる。
【0096】
ユーザA2は、例えば、クライアント端末2A2にインストールされた管理アプリケーションが提供する有効化画面に、プリペイドカードB2を特定する番号としてカード番号を入力する。または、特定情報に暗証番号が含まれている場合、ユーザA2は、有効化画面に、カード番号および暗証番号を入力する。有効化画面は、有効化前のプリペイドカードを有効化するための操作画面である。また、有効化画面は、本人確認済でないユーザが管理アプリケーションを使用する場合にも、管理アプリケーションによって表示される。
クライアント端末2A2にプリペイドカードB2のカード番号、または、カード番号および暗証番号が入力されると、クライアント端末2A2は、サーバ3にアクセスする。また、クライアント端末2A2は、有効化画面にカード番号が入力されたことを示す情報(以下「番号入力情報」という。)をサーバ3に送信する。番号入力情報には、プリペイドカードB2のカード番号も含まれる。
【0097】
判定部32は、クライアント端末2A2がサーバ3にアクセスした場合、クライアント端末2A2からユーザA2が本人確認済であることを示す情報を取得したか否かに応じてユーザA2が本人確認済か否かを判定する。
判定部32は、クライアント端末2A2からユーザA2が本人確認済であることを示す情報を取得すると、ユーザA2が本人確認済であると判定する。一方、判定部32は、クライアント端末2A2からユーザA2が本人確認済ではないことを示す情報を取得すると、ユーザA2が本人確認済ではないと判定する。判定部32によってユーザA2が本人確認済ではないと判定されると、例えば、表示制御情報送信部33がクライアント端末2A2にユーザA2が本人確認手続を行うように誘導する誘導画面を表示させるための表示制御情報を送信し、ユーザA2は誘導画面の誘導に従い、サーバ3に本人確認用情報を送信する。判定部32は、クライアント端末2A2からサーバ3に本人確認用情報が送信されると、ユーザA2が本人確認済であると判定する。
【0098】
判定部32が、ユーザA2が本人確認済であると判定すると、表示制御情報送信部33は、クライアント端末2A1に、プリペイドカードB2の有効化の承認確認画面を表示させるための表示制御情報を送信する。サーバ3は、プリペイドカードB2のカード番号と対応付けて、ユーザA1の識別情報を記憶部3Cに記憶させているため、表示制御情報送信部33は、クライアント端末2A2から取得した番号入力情報に含まれるカード番号に基づいて、ユーザA1を特定することができる。
表示制御情報送信部33は、ユーザA2の名前等の、ユーザA2を示す情報を承認確認画面に含めて表示させるための表示制御情報をクライアント端末2A2に送信してもよい。ユーザA2が本人確認済である場合、例えばサーバ3の記憶部3Cには、ユーザA2の識別情報として、名前(氏名)等の情報が記憶されているため、表示制御情報送信部33は、ユーザA2を示す情報を、記憶部3Cから取得することができる。
【0099】
口座開設部34は、承認確認画面が表示されたクライアント端末2A1から有効化を承認することを示す承認情報を取得すると、ユーザA2が使用する共有口座用のプリペイドカードB2の有効化を可能とする。ここでは、口座開設部34は、承認情報を取得すると、プリペイドカードB2を有効化する。一方、口座開設部34は、承認確認画面が表示されたクライアント端末2A1から有効化を承認しないことを示す不承認情報を取得すると、プリペイドカードB2の有効化を不可とし、表示制御情報送信部33は、クライアント端末2A2に、有効化を行わない旨を示す画面を表示させるための表示制御情報を送信する。
【0100】
また、サーバ3は、クライアント端末2A2から番号入力情報を取得すると、クライアント端末2A1にプリペイドカードB2の有効化の承認確認画面を表示させるための表示制御情報を送信する前に、クライアント端末2A2に、プリペイドカードB2のカード番号と対応付けられた識別番号の共有口座の開設要求をしたユーザA1を示す情報を表示する表示制御情報を送信してもよい。ユーザA1を示す情報を表示する画面には、有効化継続ボタンと有効化中止ボタンが表示される。ユーザA2は、例えば、ユーザA1が意図する相手でなかった場合に、有効化中止ボタンを操作することで、有効化を中止することが可能である。一方、ユーザA2は、例えば、ユーザA1が意図する相手であった場合には、有効化継続ボタンを操作することで、有効化を継続することが可能である。クライアント端末2A2は、有効化継続ボタンまたは有効化中止ボタンが操作されたことを示す操作情報を、サーバ3に送信する。
なお、上述の実施の形態1の変形例において、口座開設部34によるユーザA2を特定する特定情報の取得は、必須ではない。
【0101】
上述の実施の形態1の変形例は、ユーザA2による有効化画面へのカード番号の入力後に、判定部32が本人確認済か否かの判定を行う態様であったが、これに代えて、判定部3は、有効化画面へのカード番号の入力前に、本人確認済か否かの判定を行うものであってもよい。
この場合、有効化画面は、例えば、本人確認済のユーザが管理アプリケーションを使用する場合にのみ、管理アプリケーションによって表示されるものとなっている。
判定部32は、クライアント端末2A2がサーバ3にアクセスすると、まず、クライアント端末2A2からユーザA2が本人確認済であることを示す情報を取得したか否かに応じてユーザA2が本人確認済か否かを判定する。判定部32による判定の手順は、上述の実施の形態1の変形例と同様である。
【0102】
サーバ3は、判定部32によってユーザA2が本人確認済であると判定されると、クライアント端末2A2の管理画面における有効化画面を利用可能とするための制御情報を、クライアント端末2A2に送信する。これにより、ユーザA2は、クライアント端末2A2の管理画面から有効化画面を利用することが可能となる。例えば、有効化画面を利用可能とするための制御情報を取得したクライアント端末2A2の管理画面には、「カード有効化」との表記を有するボタンが表示され、ユーザA2は、そのボタンを選択することで表示される有効化画面において、プリペイドカードB2を有効化するための操作を行うことができる。
【0103】
ユーザA2は、有効化画面に、プリペイドカードB2を特定する番号としてカード番号を入力する。または、特定情報に暗証番号が含まれている場合、ユーザA2は、有効化画面に、カード番号および暗証番号を入力する。クライアント端末2A2にプリペイドカードB2のカード番号、または、カード番号および暗証番号が入力されると、クライアント端末2A2は、番号入力情報をサーバ3に送信する。
サーバ3がクライアント端末2A2から番号入力情報を取得すると、表示制御情報送信部33は、クライアント端末2A1に、プリペイドカードB2の有効化の承認確認画面を表示させるための表示制御情報を送信する。
【0104】
口座開設部34は、承認確認画面が表示されたクライアント端末2A1から有効化を承認することを示す承認情報を取得すると、ユーザA2が使用する共有口座用のプリペイドカードB2の有効化を可能とする。ここでは、口座開設部34は、承認情報を取得すると、プリペイドカードB2を有効化する。一方、口座開設部34は、承認確認画面が表示されたクライアント端末2A1から有効化を承認しないことを示す不承認情報を取得すると、プリペイドカードB2の有効化を不可とし、表示制御情報送信部33は、クライアント端末2A2に、有効化を行わない旨を示す画面を表示させるための表示制御情報を送信する。
【0105】
また、サーバ3は、クライアント端末2A2から番号入力情報を取得すると、クライアント端末2A1にプリペイドカードB2の有効化の承認確認画面を表示させるための表示制御情報を送信する前に、クライアント端末2A2に、プリペイドカードB2のカード番号と対応付けられた識別番号の共有口座の開設要求をしたユーザA1を示す情報を表示する表示制御情報を送信してもよい。ユーザA1を示す情報を表示する画面には、有効化継続ボタンと有効化中止ボタンが表示される。ユーザA2は、例えば、ユーザA1が意図する相手でなかった場合に、有効化中止ボタンを操作することで、有効化を中止することが可能である。一方、ユーザA2は、例えば、ユーザA1が意図する相手であった場合には、有効化継続ボタンを操作することで、有効化を継続することが可能である。クライアント端末2A2は、有効化継続ボタンまたは有効化中止ボタンが操作されたことを示す操作情報を、サーバ3に送信する。
【0106】
さらに、これまでの実施の形態1の変形例は、ユーザA2による有効化画面へのプリペイドカードB2のカード番号の入力後に、表示制御情報送信部33がクライアント端末2A1にプリペイドカードB2の有効化の承認確認画面を表示させるための表示制御情報を送信する態様であったが、これに代えて、表示制御情報送信部33は、有効化画面へのプリペイドカードB2のカード番号の入力前に、クライアント端末2A1にプリペイドカードB2の有効化の承認確認画面を表示させるための表示制御情報を送信するものであってもよい。
この場合、有効化画面は、例えば、承認確認画面が表示されたクライアント端末2A1からプリペイドカードB2の有効化を承認することを示す承認情報をサーバ3が取得した後、サーバ3がクライアント端末2A2の管理画面における有効化画面を利用可能とするための制御情報をクライアント端末2A2に送信した場合にのみ、管理アプリケーションによって表示されるものとなっている。
【0107】
判定部32は、クライアント端末2A2がサーバ3にアクセスした場合、まず、クライアント端末2A2からユーザA2が本人確認済であることを示す情報を取得したか否かに応じてユーザA2が本人確認済か否かを判定する。判定部32による判定の手順は、上述の実施の形態1の変形例と同様である。
【0108】
例えば、サーバ3の表示制御情報送信部33は、判定部32によってユーザA2が本人確認済であると判定されると、クライアント端末2A1に、プリペイドカードB2の有効化の承認確認画面を表示させるための表示制御情報を送信する。
上述のように、記憶部3Cには、特定情報に含まれるユーザA2の氏名が、ユーザA1の識別情報、プリペイドカードB2のカード番号、および、開設処理中の共有口座の識別情報等と対応付けて記憶されている。したがって、サーバ3は、記憶部3Cにアクセスすることで、ユーザA2に関する本人確認用情報に含まれるユーザA2の氏名が、記憶部3Cに特定情報に含まれるユーザA2の氏名として記憶されているかを検索し、記憶部3CにユーザA2の氏名が記憶されていれば、そのユーザA2の氏名と対応付けて記憶されたユーザA1の識別情報を特定し、表示制御情報送信部33から、クライアント端末2A1に、プリペイドカードB2の有効化の承認確認画面を表示させるための表示制御情報を送信させることができる。
【0109】
口座開設部34は、承認確認画面が表示されたクライアント端末2A1から有効化を承認することを示す承認情報を取得すると、ユーザA2が使用する共有口座用のプリペイドカードB2の有効化を可能とする。ここでは、口座開設部34は、クライアント端末2A1から承認情報を取得すると、その承認情報をプリペイドカードB2のカード番号と対応付けて記憶部3Cに記憶させておく。また、口座開設部34が上述の承認情報を取得すると、サーバ3は、クライアント端末2A2の管理画面における有効化画面を利用可能とするための制御情報を、クライアント端末2A2に送信する。これにより、ユーザA2は、クライアント端末2A2の管理画面から有効化画面を利用することが可能となる。
【0110】
ユーザA2は、有効化画面に、プリペイドカードB2を特定する番号としてカード番号を入力する。または、特定情報に暗証番号が含まれている場合、ユーザA2は、有効化画面に、カード番号および暗証番号を入力する。クライアント端末2A2にプリペイドカードB2のカード番号、または、カード番号および暗証番号が入力されると、クライアント端末2A2は、番号入力情報をサーバ3に送信する。
サーバ3がクライアント端末2A2から番号入力情報を取得すると、口座開設部34は、番号入力情報が示すカード番号と、プリペイドカードB2のカード番号と対応付けて記憶部3Cに記憶された承認情報とに基づき、プリペイドカードB2の有効化を行う。
【0111】
また、サーバ3は、クライアント端末2A1から承認情報を取得すると、クライアント端末2A2の管理画面における有効化画面を利用可能とするための制御情報をクライアント端末2A2に送信する前に、または、送信するとともに、クライアント端末2A2に、プリペイドカードB2のカード番号と対応付けられた識別番号の共有口座の開設要求をしたユーザA1を示す情報を表示する表示制御情報を送信してもよい。ユーザA1を示す情報を表示する画面には、有効化継続ボタンと有効化中止ボタンが表示される。ユーザA2は、例えば、ユーザA1が意図する相手でなかった場合に、有効化中止ボタンを操作することで、有効化を中止することが可能である。一方、ユーザA2は、例えば、ユーザA1が意図する相手であった場合には、有効化継続ボタンを操作することで、有効化を継続することが可能である。クライアント端末2A2は、有効化継続ボタンまたは有効化中止ボタンが操作されたことを示す操作情報を、サーバ3に送信する。
【0112】
なお、実施の形態1の変形例では、サーバ3における基本情報送信部31は、必須ではなく、クライアント端末2A1における基本情報取得部22、招待情報生成部23および招待情報の出力部24は、必須ではない。
【0113】
上述の実施の形態1の変形例(以下「変形例1」という。)では、表示制御情報送信部33は、ユーザA2が本人確認済と判定された場合、クライアント端末2A1に、ユーザA2が使用する共有口座用のプリペイドカードB2の有効化の承認確認画面を表示させるための表示制御情報を送信するものであった。これに対し、サーバ3は、クライアント端末2A1に、上述の表示制御情報を送信しない構成であってもよい。以下、この場合の実施の形態1の変形例を「変形例2」という。
【0114】
変形例2において、口座開設部34は、ユーザA1が使用するクライアント端末2A1から、ユーザA1およびユーザA2が使用するための共有口座の開設要求と、ユーザA2を特定する特定情報とを取得し、ユーザA1およびユーザA2の共有口座用のプリペイドカードB1およびB2の発行を含む、共有口座の開設処理を行う。その後、変形例1と同様に、ユーザA1は、プリペイドカードB2をユーザA2に渡し、ユーザA2は、有効化画面にプリペイドカードB2のカード番号等を入力し、クライアント端末2A2を用いてサーバ3にアクセスし、クライアント端末2A2は、番号入力情報をサーバ3に送信する。
【0115】
ここで、変形例2において、判定部32は、クライアント端末2A2がサーバ3にアクセスした場合、クライアント端末2A2からユーザA2が本人確認済であることを示す情報を取得したか否かに応じてユーザA2が本人確認済か否かを判定するとともに、特定情報とユーザA2に関する本人確認用情報とを照合して、ユーザA2が使用する共有口座用のプリペイドカードB2を有効化可能とするか否かを判定する。
【0116】
サーバ3がクライアント端末2A2からアクセスされた場合に、変形例2の判定部32が、ユーザA2が本人確認済か否かを判定する手順は、変形例1と同様である。変形例2の判定部32は、ユーザA2が本人確認済か否かを判定するとともに、ユーザA2に関する特定情報と本人確認用情報とを照合し、例えば、特定情報に含まれるユーザA2の氏名と、本人確認用情報に含まれるユーザA2の氏名が一致していた場合に、第2カードを有効化可能とすると判定する。また、判定部32は、ユーザA2に関する特定情報と本人確認用情報とを照合し、例えば、特定情報に含まれるユーザA2の氏名と、本人確認用情報に含まれるユーザA2の氏名が一致していなかった場合は、第2カードを有効化可能としないと判定する
【0117】
口座開設部34は、ユーザA2が本人確認済と判定され、かつ、ユーザA2が使用する共有口座用の前記プリペイドカードB2を有効化可能とすると判定された場合、ユーザA2が使用する共有口座用のプリペイドカードB2の有効化を行う。
【0118】
なお、変形例2では、サーバ3における基本情報送信部31は、必須ではなく、また、クライアント端末2A1における基本情報取得部22、招待情報生成部23、招待情報の出力部24、表示制御情報取得部25、承認確認画面表示部26、および承認確認結果送信部27は、必須ではない。
【0119】
また、上述の変形例1では、口座開設部34は、共有口座の開設要求を取得すると、ユーザA1用として共有口座用のプリペイドカードB1を発行し、ユーザA2用として共有口座用のプリペイドカードB2を発行するものであった。これに対し、口座開設部34は、共有口座の開設要求を取得すると、まずは、ユーザA1用として共有口座用のプリペイドカードB1のみを発行するものであってもよい。口座開設部34は、その後の任意のタイミングでユーザA1から共有口座への追加ユーザとして招待された任意のユーザA2に対し、プリペイドカードB2を発行する。以下、この場合の実施の形態1の変形例を「変形例3」という。
【0120】
変形例3の口座開設部34は、ユーザA1が使用するクライアント端末2A1から、ユーザA1およびユーザA2が使用するための共有口座の開設要求を取得し、共有口座の開設処理を開始する。しかし、変形例3の口座開設部34は、変形例1または変形例2の口座開設部34とは異なり、クライアント端末2A1から、共有口座の開設要求とともに、ユーザA2を特定する特定情報を取得することはしない。つまり、共有口座の開設処理が開始される時点では、ユーザA2は特定されない。また、変形例3の口座開設部34は、共有口座の開設処理を開始すると、まず、ユーザA1のみに、共有口座からの決済が可能なプリペイドカードB1を発行する。
【0121】
変形例3において、クライアント端末2A1は、ユーザA1の操作を受け付けて、ユーザ追加要求をサーバ3に送信する機能を有する。ユーザA1は、共有口座の開設処理の開始後の任意のタイミングで、クライアント端末2A1の管理画面を用いてユーザ追加要求をサーバ3に送信することができる。そして、サーバ3は、クライアント端末2A1から、ユーザ追加要求を取得すると、招待情報を生成するための基本情報をクライアント端末2A1に送信する。この基本情報および招待情報は、変形例ではない上述の実施の形態1において、クライアント端末2A1から、共有口座の開設要求を取得した場合の基本情報および招待情報と同様な情報である。例えば、基本情報は、ユーザ追加要求ごとに発行される固有のものであり、基本情報には、ユーザA1により共有口座へのユーザ追加要求がなされていることを示す情報が含まれる。また、クライアント端末2A1により、基本情報を用いて生成される招待情報は、サーバ3の提供する特定のURLにアクセスするための情報が含まれ、コード画像または文字列で表されたコードの形態で生成される。
【0122】
クライアント端末2A2は、ユーザA2からの操作を受け付けて、招待情報に基づきサーバ3にアクセスする。サーバ3は、例えば、基本情報をクライアント端末2A1に送信した時点から一定時間経過後のアクセスに対しては、ユーザ追加処理を中止するものであってもよい。招待情報に基づいてクライアント端末2A2からアクセスされた後の、判定部32の処理は、変形例1と同様である。つまり、判定部32は、クライアント端末2A2からユーザA2が本人確認済であることを示す情報を取得すると、ユーザA2が本人確認済であると判定し、クライアント端末2A2からユーザA2が本人確認済ではないことを示す情報を取得すると、ユーザA2が本人確認済ではないと判定する。後者の場合、サーバ3は、クライアント端末2A2に誘導画面を表示させ、判定部32は、クライアント端末2A2からサーバ3に本人確認用情報が送信されると、ユーザA2が本人確認済であると判定する。
【0123】
表示制御情報送信部33は、判定部32によりユーザA2が本人確認済と判定された場合、クライアント端末2A1に、ユーザA2が使用する共有口座用のプリペイドカードB2の発行および有効化の承認確認画面を表示させるための表示制御情報を送信する。
【0124】
口座開設部34は、承認確認画面が表示されたクライアント端末2A1からプリペイドカードB2の発行および有効化を承認することを示す承認情報を取得すると、まず、ユーザA2が使用する共有口座用のプリペイドカードB2の発行を行う。
【0125】
例えば、プリペイドカードB2がリアルカードの場合は、サーバ3は、プリペイドカードB2の発行処理を行うとともに、クライアント端末2A1から取得した承認情報を、プリペイドカードB2に付与したカード番号と対応付けて記憶部3Cに記憶させておく。その後、ユーザA2が、ユーザA2に届いたプリペイドカードB2を有効化するために、クライアント端末2A2に表示される有効化画面にカード番号を入力し、サーバ3が番号入力情報を取得すると、口座開設部34は、番号入力情報が示すカード番号と対応付けて記憶部3Cに記憶された承認情報に基づき、プリペイドカードB2の有効化を行う。
また、例えば、プリペイドカードB2がバーチャルカードの場合は、口座開設部34は、クライアント端末2A1から取得した承認情報に基づき、クライアント端末2A2に対してバーチャルカードとしてのプリペイドカードB2を発行するとともに、即時に有効化を行う。
【0126】
口座開設部34は、承認確認画面が表示されたクライアント端末2A1から、プリペイドカードB2の発行および有効化を承認しないことを示す不承認情報を取得すると、プリペイドカードB2の発行および有効化を行わず、表示制御情報送信部33は、クライアント端末2A2に、プリペイドカードB2の発行および有効化を行わない旨を示す画面を表示させるための表示制御情報を送信する。
【0127】
また、サーバ3は、クライアント端末2A2から番号入力情報を取得すると、クライアント端末2A1にプリペイドカードB2の発行および有効化の承認確認画面を表示させるための表示制御情報を送信する前に、クライアント端末2A2に、ユーザ追加要求を行ったユーザA1を示す情報を表示する表示制御情報を送信してもよい。ユーザA1を示す情報を表示する画面には、プリペイドカードB2の発行および有効化の中止ボタンが表示される。ユーザA2は、例えば、ユーザA1が意図する相手でなかった場合に、中止ボタンを操作することで、プリペイドカードB2の発行および有効化を中止することが可能である。
【0128】
なお、変形例3の口座開設部34は、共有口座の開設処理が開始された後の任意のタイミングでユーザA1から共有口座への追加ユーザとして招待された任意のユーザA2に対し、プリペイドカードB2を発行することができるため、変形例3では、共有口座に追加されるユーザ数を2名以上の任意の数とすることが可能である。
また、変形例3では、クライアント端末2A1は、サーバ3にユーザ追加要求を送信するために、図示しない、ユーザ追加要求送信部が必要である。
【0129】
以上のように、実施の形態1に係るサーバ3が、クライアント端末2A1から共有口座の開設要求を取得し、クライアント端末2A1が共有口座開設用の招待情報を生成するための基本情報をクライアント端末2A1に送信し、クライアント端末2A2からユーザA2が本人確認済であることを示す情報を取得したか否かに応じてユーザA2が本人確認済か否かを判定し、ユーザA2が本人確認済と判定された場合、クライアント端末2A1および2A2に表示制御情報を送信し、表示制御情報に基づき承認確認画面が表示されたクライアント端末2A1および2A2の両方から承認情報を取得すると、ユーザA1およびA2の共有口座の開設処理を行う。このようなサーバ3により、本人確認済のユーザA1が、クライアント端末2A1を用いて、サーバ3に対する共有口座の開設要求、招待情報の生成、および共有口座開設の承認を行い、本人確認済のユーザA2が、クライアント端末2A2を用いて、招待情報に基づくサーバへのアクセスおよび共有口座開設の承認を行うことで、ユーザA1およびユーザA2の共有口座が開設される。これにより、各ユーザが承認画面で共有口座を開設する相手を確認する時点で、それぞれのユーザは本人確認済みとなっているので、画面上で相手を確認し承認することで、正しい相手であることが保証される。したがって、サーバ3は、本来の意図どおりのユーザ同士が簡便に共有口座を開設する手続を提供できる。
【0130】
実施の形態1に係るサーバ3において、口座開設部34は、共有口座の開設処理において、ユーザA1およびユーザA2のそれぞれに対し、共有口座を使用するためのプリペイドカードを発行する。したがって、サーバ3は、簡便な手続で開設された共有口座で使用可能なプリペイドカードを、共有口座を共有して使用する各ユーザに発行することができる。
【0131】
実施の形態1に係るサーバ3において、基本情報送信部31は、ユーザA1により共有口座の開設要求がなされていることを示す情報を含む基本情報を、クライアント端末2A1に送信する。したがって、サーバ3は、クライアント端末2A1にユーザA1との共有口座開設専用のサービスにアクセスするための招待情報を生成させることができるとともに、クライアント端末2A2に招待情報に基づき、当該サービスに適切にアクセスさせることができる。
【0132】
実施の形態1に係るサーバ3において、基本情報をクライアント端末2A1に送信した時点から一定時間が経過した後に、クライアント端末2A2からサーバ3にアクセスがなされた場合には、共有口座の開設処理を中止する。したがって、サーバ3は、招待情報が不正に流出した場合であっても、基本情報の有効期限が経過すると共有口座の開設処理が中止されるので、招待情報が不正に利用されることを抑制できる。
【0133】
実施の形態1に係るサーバ3において、口座開設部34は、ユーザA1が使用する口座およびユーザA2が使用する既存の口座とは異なる口座として、共有口座を開設する開設処理を行う。したがって、サーバ3は、既存の個人口座または共有口座を有した本人確認済みのユーザが使用する共有口座として、新規の共有口座を開設することができる。
【0134】
実施の形態1に係るサーバ3において、表示制御情報送信部33は、判定部32によって、ユーザA2が本人確認済ではないと判定された場合、クライアント端末2A2に、ユーザA2が本人確認手続を行うように誘導する誘導画面を表示させるための表示制御情報を送信し、その後、クライアント端末2A2からユーザA2に関する本人確認用情報を取得した場合、クライアント端末2A1および2A2に、共有口座開設の承認確認画面を表示させるための表示制御情報を送信する。したがって、サーバ3は、ユーザA2が本人確認済ではない場合でも、ユーザA2が本人確認手続を行うように誘導することができる。
【0135】
実施の形態1に係るサーバ3において、表示制御情報送信部33は、承認確認画面を表示させるための表示制御情報に加え、共有口座とともに個人口座を開設するか否かの選択画面を表示させるための表示制御情報を、クライアント端末2A2に送信する。口座開設部34は、クライアント端末2A1およびクライアント端末2A2の両方から承認情報を取得すると、共有口座とともに個人口座を開設するか否かの選択の結果を示す選択結果情報に応じて、ユーザA1およびユーザA2が共有して使用する共有口座の開設処理とユーザA2のみが使用する個人口座の開設処理とを行うか、または、ユーザA1およびユーザA2が共有して使用する共有口座の開設処理のみを行う。したがって、サーバ3は、ユーザA1およびユーザA2にとって不要なプリペイドカード用口座の開設および不要なプリペイドカードの発行を防止できる。
【0136】
実施の形態1に係るサーバ3において、表示制御情報送信部33は、ユーザA1を示す情報およびユーザA2を示す情報を承認確認画面に含めて表示させるための表示制御情報を送信する。したがって、サーバ3は、承認確認画面を参照してユーザA1およびユーザA2に承認処理を行わせることができる。
【0137】
実施の形態1に係るサーバ3において、口座開設部34は、承認確認画面が表示されたクライアント端末2A1およびクライアント端末2A2のいずれかから共有口座開設を承認しないことを示す不承認情報を取得すると、共有口座の開設処理を中止し、表示制御情報送信部33は、クライアント端末2A1および2A2に、共有口座の開設処理を中止した旨を示す画面を表示させるための表示制御情報を送信する。したがって、サーバ3は、共有者の少なくとも一方から開設が承認されなかった不要な口座の開設処理を中止することができ、中止した旨をユーザA1およびA2に知らせることができる。
【0138】
実施の形態1に係るクライアント端末2A1または2A2は、既存のプリペイドカード用口座を管理するための管理画面を表示する管理画面表示部20と、管理画面に対して行われた操作に基づき、プリペイドカード用口座の開設処理を行うサーバ3に、共有口座の開設要求を送信する開設要求送信部21と、サーバ3から、共有口座開設用の招待情報を生成するための基本情報を取得する基本情報取得部22と、管理画面に対して行われた操作に基づき、基本情報を用いて招待情報を生成する招待情報生成部23と、招待情報を外部端末で使用可能な形態で出力する出力部24と、サーバ3から、共有口座開設の承認確認画面を表示するための表示制御情報を取得する表示制御情報取得部25と、表示制御情報に基づき承認確認画面を表示する承認確認画面表示部26と、承認確認画面に対して行われた操作に基づき、サーバ3に、共有口座開設を承認するか否かを示す情報を送信する承認確認結果送信部27を備える。このようなクライアント端末2A1または2A2により、本人確認済のユーザが、クライアント端末を用いて、サーバ3に対する共有口座の開設要求、招待情報の生成、および共有口座開設の承認を行うことで、複数のユーザの共有口座が開設される。したがって、クライアント端末2A1または2A2は、本来の意図どおりのユーザ同士が簡便に共有口座を開設する手続を提供できる。
【0139】
実施の形態1に係るクライアント端末2A1または2A2において、出力部24は、招待情報を、クライアント端末2A1または2A2が有する画面(表示部2D)に表示することで出力を行う。したがって、クライアント端末2A1または2A2は、例えば、招待情報を、他のクライアント端末が撮影部を用いて読み取り可能なコード画像の形態で出力することができる。
【0140】
実施の形態1に係るクライアント端末2A1または2A2において、出力部24は、招待情報を、他のクライアント端末に送信する。したがって、招待先の端末装置であるクライアント端末は、招待元の端末装置であるクライアント端末が近傍に存在しなくても、招待情報を通信で取得することができる。
【0141】
実施の形態1に係るクライアント端末2A1または2A2において、招待情報生成部23は、招待情報を、コード画像または文字列の態様で生成する。これにより、クライアント端末2A1または2A2は、他のクライアント端末における招待情報の読取機能に応じた態様で、招待情報を生成することができる。
【0142】
実施の形態1に係るクライアント端末2A1または2A2は、管理画面に対して行われた操作に基づき、招待情報を読み取るための読取機能を起動する読取機能起動部28と、読取機能を用いて招待情報が読み取られた場合、既存のプリペイドカードを使用するユーザが本人確認済であることを示す情報を、サーバ3に送信する本人確認済情報送信部29を備える。したがって、クライアント端末2A1または2A2は、招待情報を読み取るための読取機能を使用することで、共有口座の開設に招待されたユーザが本人確認済であることが確認できる。このように、招待情報を読み取るだけの簡便な処理でユーザA2の本人確認済かどうかの確認を行うことが可能である。
【0143】
実施の形態1に係るクライアント端末2A1または2A2において、招待情報を読み取るための読取機能以外の読取機能を用いて招待情報が読み取られた場合、管理画面表示部20が管理画面を表示した後、本人確認済情報送信部29が、既存のプリペイドカードを使用するユーザA2が本人確認済であることを示す情報を、サーバ3に送信する。
例えば、クライアント端末2A2において、招待情報を読み取るための読取機能以外の読取機能を用いて招待情報が読み取られた場合、管理アプリケーションが提供する機能が利用されていることに基づく、本人確認済情報送信部29によるユーザA2が本人確認済であることを示す情報の送信は、直ちには行われない。しかし、上記の構成によれば、その後、管理画面表示部20が管理画面を表示部2Dに表示した場合、本人確認済情報送信部29は、ユーザA2が本人確認済であることを示す情報のサーバ3への送信を行うことができる。
【0144】
実施の形態1に係る情報処理システム1は、サーバ3、クライアント端末2A1およびクライアント端末2A2を備える。この情報処理システム1により、本人確認済のユーザA1が、クライアント端末2A1を用いて、サーバ3に対する共有口座の開設要求、招待情報の生成、および共有口座開設の承認を行い、本人確認済のユーザA2が、クライアント端末2A2を用いて、招待情報に基づくサーバへのアクセスおよび共有口座開設の承認を行うことで、ユーザA1およびユーザA2の共有口座が開設される。したがって、この情報処理システム1は、本来の意図どおりのユーザ同士が簡便に共有口座を開設する手続を提供できる。
【0145】
実施の形態1に係るプリペイドカードの共有口座開設方法は、クライアント端末2A1が招待情報を出力するステップと、クライアント端末2A2が、出力された招待情報に基づき、サーバ3にアクセスし、ユーザA2が本人確認済であることを示す情報を送信するステップと、サーバ3が、ユーザA2が本人確認済であることを示す情報を取得した場合、クライアント端末2A1およびクライアント端末2A2に、共有口座開設の承認確認画面を表示させるための表示制御情報を送信するステップと、クライアント端末2A1およびクライアント端末2A2が、表示制御情報に基づいて、承認確認画面を表示するステップと、クライアント端末2A1およびクライアント端末2A2が、承認確認画面に対して行われた操作に基づき、サーバ3に、共有口座開設を承認することを示す承認情報を送信するステップと、サーバ3が、クライアント端末2A1およびクライアント端末2A2の両方から承認情報を取得すると、ユーザA1およびユーザA2が共有して使用する共有口座の開設処理を行うステップと、を備える。この共有口座開設方法により、本人確認済のユーザA1が、クライアント端末2A1を用いて、サーバ3に対する共有口座の開設要求、招待情報の生成、および共有口座開設の承認を行い、本人確認済のユーザA2が、クライアント端末2A2を用いて、招待情報に基づくサーバへのアクセスおよび共有口座開設の承認を行うことで、ユーザA1およびユーザA2の共有口座が開設される。したがって、この方法は、本来の意図どおりのユーザ同士が簡便に共有口座を開設する手続を提供できる。
【0146】
実施の形態1の変形例に係るサーバ3が、クライアント端末2A1から、ユーザA1およびユーザA2が使用するための共有口座の開設要求を取得し、共有口座の開設処理を行い、クライアント端末2A2からユーザA2が本人確認済であることを示す情報を取得したか否かに応じてユーザA2が本人確認済か否かを判定し、ユーザA2が本人確認済と判定された場合、クライアント端末2A1に、ユーザA2が使用する共有口座用のプリペイドカードB2の有効化の承認確認画面を表示させるための表示制御情報を送信し、承認確認画面が表示されたクライアント端末2A1から有効化を承認することを示す承認情報を取得すると、プリペイドカードB2の有効化を可能とする。これにより、ユーザA1は、画面上で、共有口座を共有する相手であるユーザが意図どおりの相手(ユーザA2)であることが確認できる。したがって、サーバ3は、本来の意図どおりのユーザ同士が簡便に共有口座を開設する手続を提供できる。
【0147】
実施の形態1の変形例に係るサーバ3が、クライアント端末2A1から、ユーザA1およびユーザA2が使用するための共有口座の開設要求と、ユーザA2を特定する特定情報とを取得し、共有口座の開設処理を行い、クライアント端末2A2からユーザA2が本人確認済であることを示す情報を取得したか否かに応じてユーザA2が本人確認済か否かを判定するとともに、特定情報とユーザA2に関する本人確認用情報とを照合して、ユーザA2が使用する共有口座用のプリペイドカードB2を有効化可能とするか否かを判定し、ユーザA2が本人確認済と判定され、かつ、プリペイドカードB2を有効化可能とすると判定された場合、プリペイドカードB2の有効化を可能とする。これにより、ユーザA1には、特定情報で指定した相手が共有口座を共有する相手(ユーザA2)であることが保証される。したがって、サーバ3は、本来の意図どおりのユーザ同士が簡便に共有口座を開設する手続を提供できる。
【0148】
なお、実施の形態の任意の構成要素の変形もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0149】
1 情報処理システム、2A1,2A2 クライアント端末、2B,3A 通信部、2C,3B 演算部、2D 表示部、2D1,2D2 管理画面、2D3 小画面、2D4 画像、2D5 承認確認画面、2D6~2D9 画面、2E 操作部、2F 撮影部、3 サーバ、3C 記憶部、4 店舗端末、5 ネットワーク、20 管理画面表示部、21 開設要求送信部、22 基本情報取得部、23 招待情報生成部、24 出力部、25 表示制御情報取得部、26 承認確認画面表示部、27 承認確認結果送信部、28 読取機能起動部、29 本人確認済情報送信部、31 基本情報送信部、32 判定部、33 表示制御情報送信部、34 口座開設部、100 通信インタフェース、101 入出力インタフェース、102 プロセッサ、103 メモリ。