(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-17
(45)【発行日】2023-08-25
(54)【発明の名称】カップリングおよびカップリングの組み立て方法
(51)【国際特許分類】
F16L 37/091 20060101AFI20230818BHJP
【FI】
F16L37/091
(21)【出願番号】P 2022513383
(86)(22)【出願日】2019-10-02
(86)【国際出願番号】 EP2019076742
(87)【国際公開番号】W WO2021063499
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】513253869
【氏名又は名称】セイン アーベー
【氏名又は名称原語表記】CEJN AB
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100225060
【氏名又は名称】屋代 直樹
(72)【発明者】
【氏名】マルクス ロンハイム
(72)【発明者】
【氏名】パール-マグヌス ビューレク
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-049594(JP,A)
【文献】特表2018-501449(JP,A)
【文献】米国特許第04842309(US,A)
【文献】特開平09-089178(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 37/091
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体100と、
前記本体100内の流体用の開口部110と、を備え、前記開口部110は円筒形である、
ニップル用のカップリングであって、
前記開口部110に配置されたホルダー130であって、前記ニップルを前記カップリングにロックするための複数のロック要素140を保持し、かつ、前記ホルダー130および前記複数のロック要素140は分離している、ホルダー130と、
前記開口部110内に前記ホルダー130を維持する維持要素150であって、前記複数のロック要素140に係合する、維持要素150と、をさらに備え
、
前記維持要素150が、前記複数のロック要素140に係合するためのロック要素の溝152を備えることを特徴とする、カップリング。
【請求項2】
各ロック要素140が、前記ニップルの軸方向に平行な2つの側面148を有し、各側面は、前記ホルダー130によって支持されている、請求項1に記載のカップリング。
【請求項3】
前記ホルダー130が、前記カップリングの軸方向に延在する複数の延在部134を備え、各延在部134は前記カップリングの軸方向に平行な2つの側面を有し、各側面は各々、ロック要素140の側面と接触している、請求項1または2に記載のカップリング。
【請求項4】
前記ホルダー130が、各ロック要素140を内向きに付勢する分離した弾性要素132を備える、請求項1~
3のいずれか一項に記載のカップリング。
【請求項5】
各ロック要素140が、分離した要素であり、一方の丸い端部142および溝146を有する反対側の端部144を備えた実質的な長方形である、請求項1~
4のいずれか一項に記載のカップリング。
【請求項6】
前記ホルダー130が、肩部126と前記維持要素150との間に配置され、前記肩部126は前記開口部110および第2の開口部120によって形成されている、請求項1~
5のいずれか一項に記載のカップリング。
【請求項7】
封止要素160が、前記ニップルに対して封止するために、前記本体100上、および/または前記ホルダー130上に配置されている、請求項1~
6のいずれか一項に記載のカップリング。
【請求項8】
前記ホルダー130が、止め具128と前記維持要素150との間に配置され、前記止め具128は前記開口部110に配置されている、請求項1~
7のいずれか一項に記載のカップリング。
【請求項9】
前記ホルダー130がプラスチックで作製される、請求項1~
8のいずれか一項に記載のカップリング。
【請求項10】
前記ホルダー130が、2、3、4、5、6、7、8、または9つのロック要素140を保持する、請求項1~
9のいずれか一項に記載のカップリング。
【請求項11】
プッシュ-プル式のカップリング、またはクリック接続式のカップリングである、請求項1~
10のいずれか一項に記載のカップリング。
【請求項12】
前記維持要素150が、ねじ山114で前記本体100に係合する、請求項1~
11のいずれか一項に記載のカップリング。
【請求項13】
前記ホルダー130、前記複数のロック要素140、および前記維持要素150が、1つの円筒形ケージ300として一体的に形成され、前記ケージ300は前記維持要素150として複数の外向きに突出する突起を有する、請求項1に記載のカップリング。
【請求項14】
請求項1~
13のいずれか一項に記載のカップリングの組み立て方法であって、
ロック手段140を備えたホルダー130を本体100に挿入するステップと、
維持手段150を備えた本体100にホルダー130を維持するステップと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カップリングに関する。より具体的には、本開示は、ニップル用のカップリング、およびそのようなカップリングの組み立て方法、好ましくは、プッシュ式の接続(connect)カップリングおよびプッシュ-プル式の切断(disconnect)カップリングといったクイック接続カップリングに関する。
【背景技術】
【0002】
カップリング、例えば流体用のクイック接続カップリングは、しばしばカップリングおよびニップルを有する。ニップルはオス部分と呼ばれ得、カップリングはメス部分と呼ばれ得る。かかるカップリングは、流体を接続するために用いられる。
【0003】
カップリングは、EP0870148およびWO88/09459から知られている。これらは、クイック接続カップリング、プッシュ式の接続カップリングおよびプッシュ-プル式の切断カップリングである。ニップルをカップリングに接続するには、ニップルをカップリングに押し込む。切断するには、ニップルを最初にカップリングに押し込み、次いで引き出す。望まない切断を防ぐために、取り付けラッチにより、ニップルがカップリングに押し込まれるのを防ぐ。したがって、切断を行う前に、取り付けラッチが取り外されなければならない。これらのカップリングは、一度接続すると、力づくでまたは偶発的にカップリングからニップルを取り外すことが基本的に不可能であるため、非常に安全である。ただし、これらのカップリングの構造はいくつかの問題を引き起こす。それらは組み立てが非常に複雑である。それらはカップリングの内部で組み立てられなければならない多くの小部品を要する。したがって、これらの問題を克服し、カップリングを改善することが望ましい。
【0004】
製造が安価で、製造が容易で、組み立てが容易で、かつ頑丈なカップリングを提供することもまた望まれる。カップリングは、さまざまなサイズで製造可能でなければならない。さらに重要な考慮事項は、改善されたカップリングが既存のニップルと接続可能でなければならないということである。本開示は、上記の1つ以上の問題を克服することを目的としている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ニップル用のカップリング、およびそのようなカップリングの組み立て方法を提供することである。本目的は、独立クレームによって定義された特徴によって達成され得る。さらなる拡張は、従属クレームによって特徴付けられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態によれば、ニップル用のカップリングが提供される。カップリングは、本体100と、該本体100内の流体用の開口部110と、を備え、該開口部110は円筒形である。カップリングは、開口部110に配置されたホルダー130であって、ニップルをカップリングにロックするための複数のロック要素140を保持し、かつ、該ホルダー130および該複数のロック要素140は分離している、ホルダー130と、開口部110内にホルダー130を維持する維持要素150であって、複数のロック要素140に係合する、維持要素150と、をさらに備える。ホルダー130、複数のロック要素140、および維持要素150は、互いに分離し独立した、すなわち一体化していない部品であり得る。
【0007】
一実施形態によれば、ホルダー130は、カップリングの軸方向に延在する複数の延在部134を備え得る。各延在部134は、ホルダーがカップリング内にある場合、カップリングの軸方向に平行な2つの側面を有し得る。延在部134の各側面は、各々、ロック要素140の側面と接触している。延在部134の数は、ロック要素140の数と同じであり得る。
【0008】
一実施形態によれば、維持要素150は、複数のロック要素140に係合し、かつこれらを支持するための、ロック要素の溝152を備え得る。
【0009】
一実施形態によれば、ホルダー130は、各ロック要素140を内向きに付勢する分離した弾性要素132を備え得る。ホルダー130、弾性要素132、複数のロック要素140、および維持要素150は、互いに分離し独立した、すなわち一体化していない部品であり得る。
【0010】
一実施形態によれば、各ロック要素140は分離した要素であり、一方の丸い端部142および溝146を有する反対側の端部144を備えた実質的な長方形である。一実施形態によれば、各ロック要素140は、実質的に長方形であり得、湾曲し得る。一実施形態によれば、各ロック要素140は、カップリングの軸方向に平行な2つの側面148を有し得、各側面は、ホルダー130によって支持され、かつこれと接触している。
【0011】
一実施形態によれば、ホルダー130は、肩部126と維持要素150との間に配置され得、肩部126は、開口部110および第2の開口部120によって形成され得る。開口部110は、第1の直径112を有し得、さらに、第2の開口部120は、本体100内にあり得、第2の開口部120は、円筒形であり得、第2の直径122を有し、第1の開口部110と同軸であり得、および第2の直径122は、第1の直径112よりも大きくなり得る。ホルダー130は、第2の開口部120に配置され得る。
【0012】
一実施形態によれば、封止要素160が、ニップルに対して封止するために、本体100上、および/またはホルダー130上に配置され得る。
【0013】
一実施形態によれば、ホルダー130は、止め具(stop)128と維持要素150との間に配置され得、止め具128は、開口部110に配置され得る。止め具128は、ホルダー130を保持し、捕捉し、および開口部110に対するホルダー130の軸方向の動きを防止する分離した要素であり得る。
【0014】
一実施形態によれば、ホルダー130はプラスチックで作製され得る。ロック要素140は、金属、例えば鋼で作製され得、維持要素150は、金属、例えば鋼で作製され得る。
【0015】
一実施形態によれば、ホルダー130は、2、3、4、5、6、7、8、または9つのロック要素140を保持し得る。好ましくは、ホルダー130は、3つまたは4つのロック要素140を保持する。
【0016】
一実施形態によれば、カップリングは、プッシュ-プル式のカップリング、またはクリック接続式(click-to-connect)のカップリングである。カップリングは、例えばプッシュ式の接続カップリングおよびプッシュ-プル式の切断カップリングといったクイック接続カップリングであり得る。カップリングはWEOカップリングであり得る。
【0017】
一実施形態によれば、維持要素150は、ねじ山114で本体100に係合する。
【0018】
一実施形態によれば、ホルダー130、複数のロック要素140、および維持要素150は、1つの円筒形ケージ300として一体的に形成され得、ケージ300は、維持要素150として複数の外向きに突出する突起を有し得る。一実施形態によれば、弾性要素132もまた、円筒形ケージ300と一体的な部分であってもよい。
【0019】
一実施形態によれば、前述した実施形態のいずれか1つに係るカップリングの組み立て方法が開示される。該方法は:ロック手段140を備えたホルダー130を本体100に挿入するステップと;維持手段150を備えた本体100にホルダー130を維持するステップと、を含む。好ましくは、上記ステップは順番に行われる。追加のステップは、第1または第2のステップとして、封止手段160を本体100またはホルダー130に挿入することであり得る。
【0020】
本明細書に開示される1つ以上の実施形態は、ニップル用のカップリング、およびカップリングの組み立て方法を提供する。少なくとも1つの実施形態は、既存のニップルと接続するカップリングを提供する。少なくとも1つの実施形態は、製造が安価で、製造が容易で、組み立てが容易で、かつ頑丈であるカップリングを提供する。少なくとも1つの実施形態は、安全であり、様々な用途および実施形態に対してスケーリングでき、および容易に適合させることができるカップリングを提供する。
【0021】
上記の実施形態のうちの少なくとも1つは、背景技術に関する問題および不利な点に対する1つ以上の解決策を提供する。本開示の他の技術的利点は、以下の説明および特許請求の範囲から当業者には容易に明らかになるであろう。本出願の様々な実施形態は、記載された利点のサブセットのみを得る。いかなる利点も実施形態に対して批判するものではない。明細書に開示される請求された実施形態のいずれも、本明細書に開示される他の請求された実施形態と技術的に組み合わされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
添付の図面は、本開示の現在例示的な実施形態を示しており、上記の一般的な説明および以下に示す実施形態の詳細な説明とともに、例として、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0023】
【
図1】本開示に係るカップリングの例示的な実施形態、およびニップルの概略図である。
【
図2】本開示に係るカップリングの例示的な実施形態の概略図である。
【
図3】本開示に係るカップリングの例示的な実施形態の概略図である。
【
図4】本開示に係るロック要素の例示的な実施形態の概略図である。
【
図5】本開示に係るロック要素の例示的な実施形態の概略図である。
【
図6】本開示に係るカップリングの例示的な実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1~
図6は、例示的な実施形態の概略図である。
図1は、カップリングおよびニップルを示している。
図2、
図3および
図6は、カップリングのみを示し、
図4および
図5は、カップリングから、例示的な要素である、ロック要素140を示している。
図3は、カップリングの例示的な実施形態の軸方向の図を示しており、ホルダー130がロック要素140をどのように保持するかを図示している。
【0025】
図1に注目すると、ニップル用のカップリングは:本体100と;本体100内の流体用の開口部110と;を備え、開口部110は円筒形である。カップリングは、開口部110に配置されたホルダー130であって、ニップルをカップリングにロックするための複数のロック要素140を保持し、かつ、該ホルダー130および該複数のロック要素140は分離している、ホルダー130と、開口部110内にホルダー130を維持する維持要素150であって、複数のロック要素140に係合する維持要素150と、をさらに備える。
【0026】
図1は、カップリングおよびニップル200を示している。初めにニップル200に注目すると、ニップル200は、該ニップル200がカップリング内にさらに押し込まれるのを防ぐ取り外し可能な止め具250を有する。ニップル200はまた、該ニップルの周囲に、スライド可能なリング212が配置された溝210も有する。リング212は、ロック要素をニップル200から持ち上げて外すのを補助する。
【0027】
カップリングは、流体用の開口部110を備えた本体100を有する。開口部110は、本体100を通る貫通穴であり得る。カップリングとニップルとの間に接続された流体の流れは、開口部110を通って流れ得る。開口部110は、ニップル200用であり得る。好ましくは、ホルダー130を開口部110内へ形をフィットさせ、および/またはスライドさせることによって、開口部110内に配置される。ホルダー130は、開口部110にフィットし得、したがって、容易に挿入および除去され得る。ホルダー130は、実質的に円筒形であり得、内側および外側を有する。ホルダー130は、ニップルをカップリングにロックするための分離した複数のロック要素140を保持し、支持する。ホルダー130および複数のロック要素140は、互いに分離している、すなわち、それらは一体的な部品ではない。一実施形態によれば、ホルダー130、弾性要素132、複数のロック要素140、および維持要素150は、互いに分離し独立した、すなわち一体化していない部品、要素である。
【0028】
維持要素150は、ホルダー130をニップルの本体100に維持する。一実施形態によれば、維持要素150の軸方向側面は、ホルダー130の軸方向側面に係合する。維持要素150は、複数のロック要素140に係合し、支持する。これにより、維持要素150は、カップリング内で、大きな、主に軸方向の力を取り込み得る。これらの力は、ロック要素140によってロックされているニップル、およびニップルをカップリングから押し出そうとしているカップリング内の流体圧力から生じ得る。これにより、ホルダー130は、カップリングおよびニップルを接続および切断するための正しい場所にロック要素を単に保持するだけでよいことになり、すなわち、ホルダー130は、大きな力を取り込む必要がなくなり得る。一実施形態によれば、維持要素150の軸方向側面は、ホルダー130の軸方向側面のみならず複数のロック要素140にも係合する。
【0029】
一実施形態によれば、ホルダー130は、各ロック要素140を内向きに付勢する分離した弾性要素132を備え得る。弾性要素132は、OリングまたはXリングであり得る。弾性要素132は、ホルダー130の内側に、かつ、該ホルダー130および各ロック要素140と接触して配置され、好ましくは、維持要素150から離れたロック要素140の側面のより近くに配置され得る。弾性要素132により、ロック要素140が外向きに曲がり、内向きに押されることができ、ニップルがロックまたはカップリングからロック解除されることを可能にし得る。各ロック要素140は、約45度未満、好ましくは30度未満、好ましくは20度未満の角度でスイングし得る。この程度のスイングは、ロック要素140が必要以上に動くことなく、かつ、維持要素150によって回転可能に支持されることを可能にする。
【0030】
図4および
図5に最もよく示されるように、一実施形態によれば、各ロック要素140は、分離した要素であり得、一方の丸い端部142および溝146を有する反対側の端部144を備えた実質的な長方形であり得る。丸い端部142は、半円、すなわち半円筒の形状であり得る。各ロック要素140は、
図4および
図5に示されるように直線状(すなわち、平坦)であり得るか、または
図3に示されるように湾曲であり得る。好ましくは、各ロック要素140は湾曲している。直線状および湾曲したロック要素の両方は、一端144に溝146を有し得、溝146は、ニップル200に係合するように構成され得る。溝146は、実質的に、端部144の中央、中心に存在し得る。丸い端部142は、端部144と対向しており、丸い端部142は、好ましくは維持要素150の溝内で維持要素150に係合するように構成され得る。ホルダー130は、各ロック要素140を支持し、かつこれに係合し得る。
【0031】
一実施形態によれば、各ロック要素140は、ロック要素140がカップリング内にある場合、ニップルの軸方向に平行な2つの側面148を有し得る。ロック要素140の各側面148は、ホルダー130に支持、係合、接触し得る。
【0032】
一実施形態によれば、ホルダー130は、カップリングの軸方向に延在する複数の延在部134を備え得る(
図1~
図3および
図6を参照されたい)。各延在部は、ホルダー130がカップリング内にある場合、カップリングの軸方向に平行な2つの側面を有し得る。各側面は、各々、ロック要素140の側面148と接触し得る。各側面は平坦であり得る。上記のようにして、ホルダー130は、ニップルをカップリング内にロックするための正しい位置で各ロック要素140を支持およびガイドし得る。延在部134は、突起の一形態であり得る。突起134は半径方向に湾曲し得る(
図3を参照されたい)。延在部は、各ロック要素140の間にあり得、すなわち、ロック要素140と共にホルダー130を見ると、2つのロック要素140の間に、1つの延在部134があり得る。これが、ロック要素140がホルダー130によって保持されることを可能にし得、すなわち、ロック要素140およびホルダー130は、1つのパッケージ、1つのユニット、1つのケージ300を形成する。延在部134の数は、ロック要素140の数と同じであり得る。
【0033】
一実施形態によれば、ホルダー130は、肩部126と維持要素150との間に配置され得る。肩部126は、開口部110および第2の開口部120によって形成され得る。一実施形態によれば、開口部110は、第1の直径112を有し得る。第2の開口部120は本体100内にあり得、第2の開口部120は円筒形であり得、第2の直径122を有する。第2の開口部120は、第1の開口部110と同軸であり得、第2の直径122は、第1の直径112よりも大きくなり得る。上記のようにして、肩部126が形成され得る。ホルダー130は、第2の開口部120に配置され得、ホルダー130は、肩部126と維持要素150との間にクランプされ得る。
【0034】
一実施形態によれば、封止要素160は、ニップルに対して封止するために、本体100上、および/またはホルダー130上に配置され得る。封止要素160は、開口部110内に配置され得る。封止要素160は、OリングまたはXリングであり得る。封止要素160は、本体100とホルダー130との両方によって配置され、それらの間に保持され得る(
図1を参照されたい)。ホルダー130は、封止要素160を保持するための溝を有し得る(
図2を参照されたい)。
【0035】
一実施形態によれば、ホルダー130は、止め具128と維持要素150との間に配置され得、止め具128は、開口部110内に配置され得る(
図2を参照されたい)。止め具128は、スリットを備えた円形の平坦なリングであり得る。止め具128は、本体100の開口部に配置され得る。本体100は、止め具を保持し得る。止め具128は、半径方向に内向きに突出し、ホルダー130に係合し、止めて、一方または両方の軸方向に移動し得る。止め具128は、ホルダー130を保持し、捕捉し、および開口部110に対するホルダー130の軸方向の動きを防止する分離した要素であり得る。
【0036】
一実施形態によれば、封止要素は、ホルダー130と本体100との間に配置され得る。
図2を参照されたい。封止要素は、OリングまたはXリングであり得る。
【0037】
一実施形態によれば、維持要素150は、複数のロック要素140に係合するためのロック要素の溝152を備え得る。ロック要素の溝152は、ホルダー130と対向する軸方向側面上にあり得、およびロック要素の溝152は、側面全体にわたって円形であり得る。ロック要素の溝152は、断面図では実質的に半円形であり得、各ロック要素140の丸い端部142がロック要素の溝152内にフィットすることを可能にする。これにより、ロック要素140は、ニップルをロックするために、維持要素150によって直接支持される。これにより、ホルダー130は、カップリング内において大きな軸方向の力を取り込むことから解放され、同時に、容易な組み立てが可能となる。
【0038】
一実施形態によれば、ホルダー130はプラスチックで作製され得る。一実施形態によれば、ロック要素140は、金属、例えば鋼で作製され得、維持要素150は、金属、例えば鋼で作製され得る。ホルダー130は、単にロック要素140を正しい位置に保持するだけであるが、ホルダー130は、ロック要素140に作用し得る大きな力を取り込む必要はない。ロック要素140にかかる大きな軸方向の力は、維持要素150に移行される。したがって、特により低い流体圧力の場合、ホルダー130はプラスチックで作製されてもよい。
【0039】
一実施形態によれば、ホルダー130は、2、3、4、5、6、7、8、または9つのロック要素140を保持し得る。好ましくは、ホルダー130は、3つのロック要素140を保持する。
図3を参照。好ましくは、ホルダー130は、4つのロック要素140を保持する。
【0040】
一実施形態によれば、カップリングは、プッシュ-プル式のカップリング、またはクリック接続式のカップリングである。カップリングは、例えば、プッシュ式の接続カップリングおよびプッシュ-プル式の切断カップリングといったクイック接続カップリングであり得る。好ましくは、カップリングは、そのオープン標準に従ったWEOニップル用の、クリック接続式のWEOプラグインカップリングである。
【0041】
一実施形態によれば、維持要素150は、ねじ山114で本体100に係合し得る。維持要素150は、本体100にねじ接続され得る。内向きのねじ山は本体100上にあり得、外向きの対応するねじ山は維持要素150上にあり得る。維持要素150は、ロック要素140を支持するために維持要素150を正しい軸方向の位置に位置付けるフランジを有し得る。フランジは外向きに突出し、カップリングの本体100に、好ましくは本体の端部に係合し得る。これにより、カップリングの迅速かつ正確な組み立てがなされる。
【0042】
一実施形態によれば、ホルダー130、複数のロック要素140、および維持要素150は、1つの円筒形ケージ300として一体的に形成され得、ケージ300は、維持要素150として複数の外向きに突出する突起を有し得る(
図6を参照されたい)。外向きに突出する突起は、本体100内にケージ300を保持する開口部よりも大きな直径を有する開口部の側面に係合し得る。この実施形態では、弾性要素132は、円筒形ケージ300の一体的な部分であり得るため、個別の弾性要素132の必要性がなくなり得る。好ましくは、ケージ300はプラスチック材料から作製される。これらの実施形態は、低圧、すなわち、200バール(2900PSI)未満、好ましくは150バール(2175Psi)未満、好ましくは100バール(1450PSI)未満の流体圧力用のカップリングに適し得る。ケージ300のロック要素140は、ニップルに係合するための半径方向に内向きに延在する突起を備え得る。これにより、ロック要素140は半径方向に曲がらない、すなわち、ロック要素140は、カップリングの軸方向に平行であり得る。突起は、ニップルが挿入されるときにロック要素140を外向きに曲げ得、ニップルが所定の位置にあるとき、ロック要素140の突起は、ニップルの溝210に落ちる。これにより、ロック要素140は、直線状かつ静止した位置で軸方向の力を取り込むことができる。ケージ300は、ニップルがカップリングに接続されたときに、ロック要素140の内側がニップルの外側と同一平面上にあるように寸法が決められ得る。これにより、ロック要素140がニップルから支持されることが可能となる。ケージ300を備えたこの実施形態では、封止要素160は、ケージ300の軸方向端部と本体100の開口部の軸方向側との間に保持され得る。これにより、カップリングの迅速かつ正確な組み立てが可能となる。
【0043】
一実施形態によれば、前述した実施形態のいずれか1つに係るカップリングの組み立て方法が開示される。該方法は:ロック手段140を備えたホルダー130を本体100に挿入するステップと;維持手段150を備えた本体100にホルダー130を維持するステップと、を含む。維持手段150は、ホルダー130を所定の位置に維持するために本体100に挿入される。好ましくは、ステップは順番に行われる。これにより、容易かつ迅速な組み立てが可能となり、高精度で高品質を実現する。一実施形態によれば、追加のステップは、第1または第2のステップとして、封止手段160を本体100またはホルダー130に挿入することであり得る。
【0044】
一実施形態によれば、開示されたカップリングおよび組み立て方法は、カップリング内の摩耗した特徴部分の容易かつ迅速な交換を可能にする。これにより、容易、迅速、かつ優れたメンテナンスが可能となる。
【0045】
本明細書に開示される少なくとも1つの実施形態によれば、ニップル用のカップリング、およびそのようなカップリングの組み立て方法が提供され、開示される。少なくとも1つの実施形態は、既存のニップルと接続するカップリングを提供する。少なくとも1つの実施形態は、製造が安価で、製造が容易で、組み立てが容易で、かつ頑丈であるカップリングを提供する。少なくとも1つの実施形態は、安全であり、様々な用途および実施形態に対してスケーリングでき、および容易に適合させることができるカップリングを提供する。少なくとも1つの実施形態は、迅速かつ容易な組み立てをもたらす方法を提供し、また、高精度で高品質を提供する。
【0046】
ニップル用のカップリングおよびそのようなカップリングの組み立て方法に様々な修正および変形を加え得ることが、当業者には明らかであろう。開示されたカップリングの仕様および実施を考慮すると、他の実施形態が当業者には明らかであろう。仕様および実施例は、例示としてのみ考慮されることが意図されており、真の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって示されている。
【0047】
[カップリング要素のリスト]
100 ハウジング
110 開口部
114 ねじ山
120 第2の開口部
126 肩部
128 止め具
130 ホルダー
132 弾性要素
134 延在部
140 ロック要素
142 丸い端部
144 端部
146 溝
148 側(面)
150 維持要素
152 ロック要素の溝
200 ニップル
250 止め具
210 溝
212 リング
300 ケージ