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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-18
(45)【発行日】2023-08-28
(54)【発明の名称】平行四辺形状薄型カードケース
(51)【国際特許分類】
   A63F 1/06 20060101AFI20230821BHJP
   B65D 83/08 20060101ALI20230821BHJP
【FI】
A63F1/06 B
B65D83/08 H
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019188578
(22)【出願日】2019-10-15
(65)【公開番号】P2021062039
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2020-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】519175031
【氏名又は名称】株式会社TOYGER
(74)【代理人】
【識別番号】719006711
【氏名又は名称】君嶋 哲弘
(72)【発明者】
【氏名】君嶋 哲弘
【審査官】森田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-240475(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0159515(US,A1)
【文献】特開2015-224084(JP,A)
【文献】登録実用新案第3178070(JP,U)
【文献】登録実用新案第3181827(JP,U)
【文献】登録実用新案第3138707(JP,U)
【文献】特開2007-275359(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 1/06
B65D 83/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状のカードが重ね合わされて収納される底面が長方形ではない平行四辺形状の四角柱状のカード収納部を備えており、
前記カード収納部は前記底面の対面が前記カードの取り出し口となる開口が設けられており、
前記矩形状のカードが重ね合わされて収納される際、カードの収納がしやすいよう、
前記カード収納部の四角柱の側面を形成する内角を変えることによって、前記長方形でない平行四辺形上の四角柱の前記カード収納部が、長方形の四角柱に変形する形態を有し、前記矩形状のカードが重ね合わされて収納した後に、前記カード収納部の四角柱の側面を形成する内角を変えることによって、前記矩形状のカードが収納された状態で、前記長方形ではない平行四辺形状の四角柱に変形する形態を有する、カードケース
【請求項3】
前記カードケースの前記蓋が前記カード収納部の前記取り出し口を閉じている略直方体箱状の時に、前記蓋の対面に位置する面が、前記カード収納部の前記取り出し口の対面と接触し、前記蓋と前記蓋の対面に位置する面が、前記取り出し口を開いた状態の時、1枚の途切れない平面となることができることを特徴とする、請求項1から2に記載のカードケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードゲームを興じるためのカードと、ゲームに関わる小物を収納するためのカードケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
カードゲームは、トランプやタロットカードのように古くから親しまれているものから、キャラクターを使った対戦形式のゲームのようなものまで様々なものが存在する。
カードゲームは、袋状の包装容器に収納された状態で販売されたり、箱状容器に収納された状態で販売されることもある。
例えば、特許文献1の「銭湯シミュレーションカードゲームユニット、戦闘シミュレーションゲーム装置およびコンピュータプログラム」には、カードが5枚単位で、両端部が熱圧着された袋状のパッケージに封入された形で頒布されることが記載されている。
特許文献1に記載されているカードを封入するパッケージでは、カードを取り出した後は、廃棄されるため、カードを持ち歩くときには、カードケースが別に必要となる。カードケースとしては、例えば、特許文献2、3に記載された堅牢な合成樹脂製によるカードケースが知られている。
また、カードの束に対しては、現在流通している主なカードケースの形状としては、例えば特許文献4に記載された略直方体箱状のものが主流である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-65937号公報
【文献】特開2006-187329号公報
【文献】特開2007-117187号公報
【文献】実用新案登録第3178360号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献4に記載されたような略直方体箱状のカードケースでは、厚さ、つまり短辺の長さを、最低でも、中に入れるカードの枚数分の厚さ、またはカード若しくはカードを入れたスリーブの短辺分の長さにしなければ、カードを収納することができない。
この場合、一定以上の枚数のカードが収納可能なカードケースであれば、薄く、つまり短辺を短くすることが困難になり、薄いビジネスバッグなどに入れて携行するのが不便である。
【0005】
そこで本発明は、一定以上の枚数のカードを収納しようとも、外寸が従来よりも薄いカードケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のカードケースは、矩形状のカードが重ね合わされて収納される四角柱状のカード収納部を備え、収納された前記カードの束の形と共に、前記カード収納部が変形することを特徴とする。
【0007】
また、本発明のカードケースは、前記カード収納部の底面が長方形でない平行四辺形状の形態を有し、前記カード収納部は前記底面の対面が前記カードの取り出し口となる開口が設けられ、前記底面が前記平行四辺形状の形態で、収納されている前記カードの束の形が、前記取り出し口から見て長方形でない平行四辺形状となってもよい。
【0008】
また、本発明のカードケースは、前記底面が長方形でない平行四辺形状に形成されている前記カード収納部の四角柱の側面を形成する平行四辺形の内角を変えることによって、長方形若しくは前記平行四辺形よりも鋭角が大きい平行四辺形に変形してもよい。
【0009】
また、本発明のカードケースは、いずれかの箇所に、一方の底面が取り出し口となっている三角柱状小物入れを備え、前記カードケースの取り出し口と前記三角柱の取り出し口をふさぐ蓋が設けられ、前記蓋を閉めた状態で略直方体箱状であってもよい。
【0010】
また、本発明のカードケースは、前記カードケースの前記蓋が前記カード収納部の前記取り出し口を閉じている略直方体箱状の時に、前記蓋の対面に位置する面が、前記カード収納部の前記取り出し口の対面と接触し、前記蓋と前記蓋の対面に位置する面が、取り出し口を開いた状態の時、1枚の途切れない平面となることができてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、カードケースに収納できるカードの枚数を多くしようとも、一定の薄さの平行四辺形に変形させることで、薄さを保つことが出来る。
そのため、厚いカードケースの携行が難しかったビジネスバッグ等への収納が容易であり、収納可能枚数が少ないカードケースを複数個携行したり、携行するための鞄を変更したりすることが不要になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態に係るカードケースの蓋部を閉じた状態で正面側から見た斜視図である。
図2図1に示すカードケースの蓋上面を開いた状態を正面側から見た斜視図である。
図3図1に示すカードケースの蓋上面と蓋側面を開いた状態の背面側から見た斜視図である。
図4図1に示すカードケースの蓋上面と蓋側面を開き、カード取り出し口を長方形に変形した状態を背面側から見た斜視図である。
図5図1に示カードケースの蓋上面と蓋側面を開き、カード取り出し口を長方形に変形し、図4の状態にした後、カードの束を挿入した状態を正面側から見た斜視図である。
図6図5の状態のカードの束を挿入したカードケースのカード取り出し口を長方形でない平行四辺形状に変形した状態を正面側から見た斜視図である。
図7図1に示すカードケースのカード取り出し口の外側にある、三角柱状小物入れを取り出した状態を背面側から見た斜視図である。
図8図1に示すカードケースの蓋上面と蓋側面を開き、カード取り出し口を長方形に変形し、図4の状態にした後、カード収納部11を横に倒し、底面と剥離させた状態を、背面側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態に係るカードケースを図面に基づいて説明する。
図1から図8に示す本発明の実施の形態に係るカードケースCCは、蓋上面10と蓋前面12を閉じた図1の状態で、管理や保管、販売、配布される。
【0014】
図1の状態のカードケースCCの蓋上面10と蓋前面12を開くと、図2の状態になる。
なお、蓋前面12とカード収納部11は、閉じている時は内蔵された磁石によって接着する。
【0015】
図2の状態のカードケースCCの蓋側面16を開くと、図3の状態になる。
尚、蓋側面16とカード収納部裏17は、閉じている時は内蔵された磁石によって接着する。
【0016】
図3の状態のカードケースCCのカード収納部11は変形し、カード取り出し口13が長方形でない平行四辺形状から長方形状になり、図4の状態になる。
【0017】
図4の状態のカードケースCCにカードCを、底面に対してカードCの束を、長辺または短辺いずれか一つが接触するように挿入すると、図5の状態になる。
【0018】
カードCを挿入した図5の状態のカード収納部11を、再び底面が長方形でない平行四辺形状になるように変形すると、図6の状態になる。
カードCを挿入されている事以外は図3と同じ状態である。
図3の状態に直接カードCを挿入するのは困難であるが、カード収納部11が変形をすることによって、図6のように、薄い状態でカードCを携行できるようになる。
【0019】
図2で示すように、カードケースCCには、三角柱状小物入れ14が2つ付属している。
【0020】
図2で示すように、三角柱状小物入れ14は、カード取り出し口13側から見て、直角三角形の長辺で、カード収納部11の一側と他側でそれぞれ接触するように、配置されている。
【0021】
三角柱状小物入れ14は、カード取り出し口13側から見て、直角三角形の長辺で、カード収納部11の一側と他側でそれぞれ接触するように、配置されている。
それにより、カード収納部11と三角柱状小物入れ14を合わせると、略直方体状となる。
【0022】
図7で示すように、三角柱状小物入れ14には、三角柱状内部小物入れ18が挿入されていて、切り欠き部15に指を入れることによって、容易に取り出すことが出来る。
三角柱状内部小物入れ18には、カードC以外の、カードゲームに使うカードゲーム具等を入れて携行できる。
【0023】
図8で示すように、カードケース底21は、カード収納部11及び三角柱状小物入れ18とは接着していない。
【0024】
カードケース底21と三角柱状小物入れ底面20は、カード収納部底面24が長方形の時と、カード収納部底面24が長方形でない平行四辺形状の時、それぞれ三角柱状小物入れ20とカードケース底21が軽く接着できるよう、2つの磁石を内蔵している。
これにより、カード収納部11が、必要以上に薄くなったり、長方形に変形する際、それ以上変形しすぎにくいようになる。
【0025】
本実施の形態では、カード収納部11の底面の形は平行四辺形であるが、台形でも良い。
【0026】
本実施の形態では、蓋部、即ち蓋側面16及び蓋上面10及び蓋前面12が、カード収納部11の底と一体となっているが、一体でなくても良い。
【0027】
本実施の形態では、三角柱状小物入れ14は2つ付属しているが、三角柱状小物入れの個数は幾つでも良いし、付属していなくても良い。
【0028】
本実施の形態では、三角柱状小物入れ14の内部に三角柱状内部小物入れ18が付属しているが、三角柱状小物入れが付属していたとしても、三角柱状内部小物入れは付属していなくても良い。
【0029】
本発明の「四角柱状」とは、厳密な四角柱だけでなく、内部が四角柱の構造であり、底面が塞がれているもの、塞がれていないものを含む。また、角などが丸みを帯びていたり、外部の表面が平坦でないものも含む。
「三角柱状」についても同様である。
【0030】
カードケースCCは、即ち、矩形状のカードCが重ね合わされて収納される四角柱状のカード収納部11を備え、収納されたカードCの束の形と共に、カード収納部11が変形することを特徴とする。
【0031】
カードケースCCは、即ち、カード収納部11の底面が長方形でない平行四辺形状の形態を有し、カード収納部11は前記底面の対面がカードCの取り出し口13となる開口が設けられ、底面が平行四辺形状の形態で、収納されているカードCの束の形が、カード取り出し口13から見て長方形でない平行四辺形状となってもよい。
【0032】
カードケースCCは、即ち、底面が長方形でない平行四辺形状に形成されているカード収納部11の四角柱の側面を形成する平行四辺形の内角を変えることによって、長方形若しくは前記平行四辺形よりも鋭角が大きい平行四辺形に変形してもよい。
【0033】
カードケースCCは、即ち、カードケースCCのいずれかの箇所に、一方の底面が取り出し口13となっている三角柱状小物入れ14を備え、カードケースCCの取り出し口13と三角柱上小物入れ14の取り出し口をふさぐ蓋上面10が設けられ、蓋上面10と蓋前面12を閉めた状態で略直方体箱状であってもよい。
【0034】
カードケースCCは、即ち、カードケースCCの蓋上面10がカード収納部11のカード取り出し口13を閉じている略直方体箱状の時に、蓋上面10の対面に位置するカードケース底21が、カード収納部11のカード取り出し口13の対面と接触し、蓋上面10とカードケース底21が、取り出し口を開いた状態の時、1枚の途切れない平面となることができてもよい。
【0035】
なお、本発明における底面とは、物理的な面だけでなく、カード収納部11の底面のように、開口のような仮想的なものも含む。
【0036】
本実施例では、カード収納部11の開口部を底面と呼んでいるが、底が格子状や網状のものなどの、変形を許す構造をしていてもよい。

【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、キャラクターを使用した対戦形式のカードゲームだけでなく、トランプや占いカード、名刺、その他矩形状の物においても好適である。
【符号の説明】
【0038】
CC カードケース
C カード
10 蓋上面
11 カード収納部
12 蓋前面
13 カード取り出し口
14 三角柱状小物入れ
15 切り欠き部
16 蓋側面
17 カード収納部裏
18 三角柱状内部小物入れ
19 三角柱状内部小物入れ取り出し口
20 三角柱状小物入れ底面
21 カードケース底
22 カードケース正面
23 カードケース背面
24 カード収納部底面

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8