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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-18
(45)【発行日】2023-08-28
(54)【発明の名称】磁気装身具
(51)【国際特許分類】
   A44C 25/00 20060101AFI20230821BHJP
【FI】
A44C25/00 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019198150
(22)【出願日】2019-10-31
(65)【公開番号】P2021069683
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000112299
【氏名又は名称】ピップ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591115279
【氏名又は名称】株式会社アイリス
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北村 等
(72)【発明者】
【氏名】河内 法子
(72)【発明者】
【氏名】大隅 洋
(72)【発明者】
【氏名】矢田 幸司
(72)【発明者】
【氏名】星野 千秋
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】実開昭51-116773(JP,U)
【文献】特開2016-041106(JP,A)
【文献】特開2005-033931(JP,A)
【文献】特開平10-165211(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 5/00-27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体に装着されて使用される磁気装身具であって、
前記磁気装身具は、可撓性を有する長尺体と、前記長尺体に埋設された磁性体とを備え、
前記磁気装身具は、前記長尺体の一端側と前記長尺体の他端側とを互いにオーバーラップするように接続することで、環状に形成することができるように構成され、
前記長尺体の一端側に、前記長尺体の一端から前記長尺体の長さ方向の所定の長さに亘って、前記長尺体の他端側とオーバーラップして接続可能な接続部が設けられ、
前記長尺体の他端側に、前記長尺体の他端から前記長尺体の長さ方向の所定の長さに亘って、前記接続部とオーバーラップして接続可能な被接続部が設けられ、
前記接続部および前記被接続部は、互いにオーバーラップするオーバーラップ領域の長さを調節することができるように、互いに接続され、
前記被接続部には、前記オーバーラップ領域にある前記接続部の長さ方向の全体を収容可能な収容部が設けられ
前記接続部は、前記被接続部と係合可能な複数の係合部を備え、
前記複数の係合部のそれぞれは、前記接続部の長さ方向に沿って互いに離間して設けられ、
前記被接続部は、前記係合部と係合可能な被係合部を備え、
前記複数の係合部のそれぞれが、前記接続部の長さ方向に対して略垂直方向に突出する突部として構成され、
前記収容部が、前記被接続部の長さ方向に対して略垂直方向に向かって開口する開口部を有して前記被接続部の内部に凹んだ凹部として構成され、
前記凹部は、前記凹部に前記接続部が収容された状態で、前記接続部の突部が前記凹部の開口部から前記凹部の外に突出するように形成されている、
磁気装身具。
【請求項2】
前記凹部が、前記開口部に対向する底部と、前記底部の両端から立設する一対の側部との内側に形成され、
前記凹部の上部には、前記開口部の一部を塞ぐように前記一対の側部の間に延びる架橋部が設けられ、
前記底部と、前記一対の側部と、前記架橋部とにより囲繞される空間が、前記接続部が摺動して挿通可能な挿通部を構成し、
前記被係合部が、前記架橋部により構成される、
請求項記載の磁気装身具。
【請求項3】
前記被接続部の長さ方向における前記架橋部の長さは、前記接続部の長さ方向で隣り合う前記係合部の間の間隔と略一致する、
請求項記載の磁気装身具。
【請求項4】
前記複数の係合部が、前記磁気装身具が環状に形成された状態で環が形成する平面に対して略垂直方向の一方側に形成され、
前記凹部が、前記磁気装身具が環状に形成された際に環が形成する平面に対して略垂直方向の一方側に前記凹部の開口部が向くように配置される、
請求項のいずれか1項に記載の磁気装身具。
【請求項5】
前記長尺体が、第1長尺部材と、第2長尺部材と、前記第1長尺部材および前記第2長尺部材を互いに分離可能に連結する連結部とを備え、
前記連結部が、前記接続部および前記被接続部とは別に設けられている、
請求項1~のいずれか1項に記載の磁気装身具。
【請求項6】
前記連結部による連結を解除するのに必要な力が、前記接続部と前記被接続部との間のオーバーラップ領域の長さを変更するのに必要な力よりも大きい、
請求項記載の磁気装身具。
【請求項7】
前記磁気装身具が、環状に形成された状態で、環の半分の長さの領域が、環の他の半分の長さの領域よりも大きな重量を有するように形成される、
請求項1~のいずれか1項に記載の磁気装身具。
【請求項8】
前記磁性体が、粒状に形成され、
前記磁性体が、前記長尺体の長さ方向に延びる中心軸から、前記磁気装身具が環状に形成された状態で環が形成する平面に対して略垂直方向の一方側に偏心して、前記長尺体に埋設されている、
請求項1~のいずれか1項に記載の磁気装身具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気装身具に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば特許文献1には、ゴム磁石から構成された長尺体を備える磁気装身具が開示されている。この磁気装身具は、両端のそれぞれに長尺体を挟み込むための挟み込み部材が設けられている。磁気装身具の一端側と他端側とは、挟み込み部材のそれぞれが長尺体を挟み込むことにより、互いにオーバーラップするように接続される。この磁気装身具は、一端側と他端側とが互いに接続されることで環状に形成されて、人体の首などに装着することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-5440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の磁気装身具では、長尺体に対して挟み込み部材をスライドさせることで、環の長さを調節することができる。ところが、互いにオーバーラップした一端側と他端側のそれぞれの挟み込み部材以外の部分が互いに対して離間しているため、長さ調節が完了して磁気装身具が装着されている状態で、その部分に指などが引っ掛かって外力を受けると、挟み込み部材がスライドして環の長さが変化してしまう可能性がある。そうすると、使用者は、再度その長さを調節する必要がある。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みなされたもので、人体への装着時に環の長さが変化することが抑制される磁気装身具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の磁気装身具は、人体に装着されて使用される磁気装身具であって、前記磁気装身具は、可撓性を有する長尺体と、前記長尺体に埋設された磁性体とを備え、前記磁気装身具は、前記長尺体の一端側と前記長尺体の他端側とを互いにオーバーラップするように接続することで、環状に形成することができるように構成され、前記長尺体の一端側に、前記長尺体の一端から前記長尺体の長さ方向の所定の長さに亘って、前記長尺体の他端側とオーバーラップして接続可能な接続部が設けられ、前記長尺体の他端側に、前記長尺体の他端から前記長尺体の長さ方向の所定の長さに亘って、前記接続部とオーバーラップして接続可能な被接続部が設けられ、前記接続部および前記被接続部は、互いにオーバーラップするオーバーラップ領域の長さを調節することができるように、互いに接続され、前記被接続部には、前記オーバーラップ領域にある前記接続部の長さ方向の全体を収容可能な収容部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
また、前記接続部は、前記被接続部と係合可能な複数の係合部を備え、前記複数の係合部のそれぞれは、前記接続部の長さ方向に沿って互いに離間して設けられ、前記被接続部は、前記係合部と係合可能な被係合部を備えることが好ましい。
【0008】
また、前記複数の係合部のそれぞれが、前記接続部の長さ方向に対して略垂直方向に突出する突部として構成され、前記収容部が、前記被接続部の長さ方向に対して略垂直方向に向かって開口する開口部を有して前記被接続部の内部に凹んだ凹部として構成され、前記凹部は、前記凹部に前記接続部が収容された状態で、前記接続部の突部が前記凹部の開口部から前記凹部の外に突出するように形成されていることが好ましい。
【0009】
また、前記凹部が、前記開口部に対向する底部と、前記底部の両端から立設する一対の側部との内側に形成され、前記凹部の上部には、前記開口部の一部を塞ぐように前記一対の側部の間に延びる架橋部が設けられ、前記底部と、前記一対の側部と、前記架橋部とにより囲繞される空間が、前記接続部が摺動して挿通可能な挿通部を構成し、前記被係合部が、前記架橋部により構成されることが好ましい。
【0010】
また、前記被接続部の長さ方向における前記架橋部の長さは、前記接続部の長さ方向で隣り合う前記係合部の間の間隔と略一致することが好ましい。
【0011】
また、前記複数の係合部が、前記磁気装身具が環状に形成された状態で環が形成する平面に対して略垂直方向の一方側に形成され、前記凹部が、前記磁気装身具が環状に形成された際に環が形成する平面に対して略垂直方向の一方側に前記凹部の開口部が向くように配置されることが好ましい。
【0012】
また、前記長尺体が、第1長尺部材と、第2長尺部材と、前記第1長尺部材および前記第2長尺部材を互いに分離可能に連結する連結部とを備え、前記連結部が、前記接続部および前記被接続部とは別に設けられていることが好ましい。
【0013】
また、前記連結部による連結を解除するのに必要な力が、前記接続部と前記被接続部との間のオーバーラップ領域の長さを変更するのに必要な力よりも大きいことが好ましい。
【0014】
また、前記磁気装身具が、環状に形成された状態で、環の半分の長さの領域が、環の他の半分の長さの領域よりも大きな重量を有するように形成されることが好ましい。
【0015】
また、前記磁性体が、粒状に形成され、前記磁性体が、前記長尺体の長さ方向に延びる中心軸から、前記磁気装身具が環状に形成された状態で環が形成する平面に対して略垂直方向の一方側に偏心して、前記長尺体に埋設されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、人体への装着時に環の長さが変化することが抑制される磁気装身具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る磁気装身具の上面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る磁気装身具の下面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る磁気装身具の分解下面図である。
図4図2のIV-IV線断面図である。
図5図2のV-V線断面図である。
図6図2のVI-VI線断面図である。
図7】本発明の一実施形態に係る磁気装身具において、接続部が被接続部の挿通孔に挿通された状態を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係る磁気装身具において、図7に示される状態から、オーバーラップ領域の長さが長くなるように接続部が被接続部に対して相対移動された状態を示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係る磁気装身具において、図8に示される状態から、接続部が被接続部の収容部に収容された状態を示す図である。
図10】本発明の一実施形態に係る磁気装身具において、図9に示される状態から、オーバーラップ領域の長さが短くなるように接続部が被接続部に対して相対移動された状態を示す図である。
図11】本発明の一実施形態に係る磁気装身具が人体の首に装着された状態で、人体を正面から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照し、本発明の一実施形態に係る磁気装身具を説明する。ただし、以下に示す実施形態はあくまで一例にすぎず、本発明の磁気装身具は、以下の実施形態に限定されることはない。
【0019】
本実施形態の磁気装身具1は、図11に示されるように、人体に装着されて使用される。磁気装身具1は、後述するように、磁性体3を備えているので、人体に装着されることで磁気治療器として使用することができる。磁気装身具1は、人体に装着されることで、磁性体3を人体に近接して配置することができるので、人体の体内に磁場を印加し、配置される部位およびその周辺の血行を促進したり、代謝を向上したりするなどの磁気治療効果をもたらすことができる。ただし、磁気装身具1は、磁気治療器としての用途だけでなく、装飾用など他の用途としても使用可能である。また、磁気装身具1は、たとえば図11に示されるように人体の首Nに装着可能であるが、他の部位に装着することもできる。
【0020】
磁気装身具1は、図1図3に示されるように、可撓性を有する長尺体2と、長尺体2に埋設された磁性体3とを備えている。磁気装身具1は、長尺体2の一端2a側と長尺体2の他端2b側とを互いにオーバーラップするように接続することで、環状に形成することができるように構成されている。それにより、磁気装身具1は、図11に示されるように、人体の首Nなどの装着部位に巻き付けて使用することができる。なお、長尺体2の一端2a側と他端2b側とは、本実施形態では取り外し可能に接続されるが、取り外し不能に接続されてもよい。
【0021】
長尺体2は、可撓性を有し、長さ方向Lに沿って延びる長尺(細長)状の部材である。長尺体2は、本実施形態では、図1図3に示されるように、第1長尺部材21と、第2長尺部材22と、第1長尺部材21および第2長尺部材22を互いに分離可能に連結する連結部23とを備えている。長尺体2は、連結部23により第1長尺部材21および第2長尺部材22を互いに連結することで、1つの部材として構成され、連結部23による連結を解除することで、第1長尺部材21と第2長尺部材22との間で分割することができる。したがって、たとえば磁気装身具1が環状に形成された状態でも、連結部23による連結を一旦解除して長尺体2を分割することで、人体の首Nなどの装着部位に容易に巻き付けて装着することができる。
【0022】
第1長尺部材21および第2長尺部材22のそれぞれは、可撓性を有する長尺(細長)状の部材であり、長尺体2の長さ方向Lの一部を構成する。本実施形態では、図2および図3に示されるように、第1長尺部材21は、長尺体2の一端2aと、長尺体2の一端2aとは反対側の端部21aまで延びる部材である。また、第2長尺部材22は、長尺体2の他端2bと、長尺体2の他端2bとは反対側の端部22aまで延びる部材である。第1長尺部材21は、後述する接続部24を備え、第2長尺部材22は、後述する被接続部25を備える。第1長尺部材21および第2長尺部材22は、第1長尺部材21の端部21aと第2長尺部材22の端部22aとが連結部23を介して接続されて、互いに連結される。
【0023】
第1長尺部材21および第2長尺部材22のそれぞれは、長尺状に形成されていればよく、その形状は特に限定されることはない。本実施形態では、第1長尺部材21は、図1図5に示されるように、一方の端部(長尺体2の一端2a)から長さ方向Lの大部分(全体の65~90%)に亘って、長さ方向Lに対して垂直な断面が略円形に形成され、他方の端部21aまでの残りの部分に亘って、長さ方向Lに対して垂直な断面が略矩形に形成されている。また、第2長尺部材22は、一方の端部(長尺体2の他端2b)から他方の端部22aまでの略全長に亘って、長さ方向Lに対して垂直な断面が略矩形に形成されている。そして、第2長尺部材22の断面積は、第1長尺部材21の断面積よりも大きく、第2長尺部材22の長さ方向Lの単位長さ当たりの重量が、第1長尺部材21の長さ方向Lの単位長さ当たりの重量よりも大きい。それによって、以下で述べるように、磁気装身具1が環状に形成された時に、磁気装身具1に重さの偏りがもたらされる。
【0024】
第1長尺部材21および第2長尺部材22のそれぞれの長さは、特に限定されることはなく、必要とされる長尺体2の長さや長尺体2を分割する位置などに応じて適宜設定することができる。また、第1長尺部材21および第2長尺部材22は、少なくとも、互いに連結されて長尺体2を構成している状態で、その長尺体2が環状に湾曲できる程度の可撓性を有することができれば、特に限定されることはなく、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ポリウレタンゴムなどの軟質材料により形成することができる。シリコーンゴムは、肌への悪影響が比較的小さく、肌触りも比較的良好であるという点で、好適に採用される。なお、第1長尺部材21および第2長尺部材22は、ともに同じ材料により形成されてもよく、互いに異なる材料により形成されてもよい。
【0025】
連結部23は、第1長尺部材21および第2長尺部材22を互いに連結することができればよく、その構造は特に限定されない。本実施形態では、連結部23は、図1図3に示されるように、第1長尺部材21の端部21aと第2長尺部材22の端部22aとの間に介挿される介挿部材231と、第1長尺部材21および第2長尺部材22と係合する係合部材232とを備えている。
【0026】
介挿部材231は、図1図3に示されるように、第1長尺部材21の端部21aと第2長尺部材22の端部22aとの間に配置され、長尺体2の長さ方向Lの一部を構成する。介挿部材231は、長尺体2の長さ方向Lに沿って貫通して内部に挿通された係合部材232と係合した状態で係合部材232を保持する。介挿部材231は、第1長尺部材21の端部21a近傍および第2長尺部材22の端部22a近傍と略同一の断面形状および断面積を有している。介挿部材231は、係合部材232と係合した状態で係合部材232を保持する強度を有していれば、特に限定されることはなく、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ポリウレタンゴムなどの軟質材料により形成することができる。介挿部材231は、第1長尺部材21および第2長尺部材22と同じ材料により形成されてもよく、異なる材料により形成されてもよい。介挿部材231は、色や形状を工夫することにより、装飾機能を持たせることもできるし、ユーザが連結部分を認識しやすくすることもできる。
【0027】
係合部材232は、介挿部材231と係合することで介挿部材231に保持され、第1長尺部材21および第2長尺部材22と係脱可能に係合する。係合部材232は、介挿部材231を貫通して介挿部材231の内部に挿通される。係合部材232は、図3に示されるように、介挿部材231に挿通された状態で、介挿部材231から第1長尺部材21の端部21aの側に突出する第1係合部232aと、介挿部材231から第2長尺部材22の端部22aの側に突出する第2係合部232bと、第1係合部232aおよび第2係合部232bの間に位置し、介挿部材231と係合する第3係合部232cとを備えている。第1係合部232aは、第1長尺部材21の端部21aに隣接して設けられた第1長尺部材側被係合部21bと係脱可能に係合し、第2係合部232bは、第2長尺部材22の端部22aに隣接して設けられた第2長尺部材側被係合部22bと係脱可能に係合する。連結部23により互いに連結された第1長尺部材21および第2長尺部材22は、第1長尺部材21および第2長尺部材22を長さ方向Lに沿って互いに反対方向に所定の力(係合力)より大きな力で引っ張ることにより、第1長尺部材21と連結部23との間(第1長尺部材側被係合部21bと第1係合部232aとの間)、および/または、第2長尺部材22と連結部23との間(第2長尺部材側被係合部22bと第2係合部232bとの間)において、連結(係合)が解除される。
【0028】
係合部材232は、第1長尺部材21、第2長尺部材22および介挿部材231との係合および係合解除の際や磁気装身具1の使用時において変形が抑制される程度の強度を有していればよく、特に限定されることはないが、たとえばポリエチレン、硬質ポリ塩化ビニルなどの硬質樹脂や金属などの硬質材料または軟質樹脂などの軟質材料により形成することができる。
【0029】
長尺体2は、上述したように、本実施形態では、互いに分離可能な第1長尺部材21および第2長尺部材22の2つの部材を備えている。しかし、長尺体2は、本実施形態に限定されることはなく、分離不能な1つの部材により構成されていてもよい。長尺体2の長さは、特に限定されることはなく、装着される人体の部位の大きさに応じて適宜設定することができる。また、長尺体2は、環状に湾曲できる程度の可撓性を有していれば、特に限定されることはなく、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ポリウレタンゴムなどの軟質材料により形成することができる。
【0030】
長尺体2では、図2および図3に示されるように、長尺体2の一端2a側に、長尺体2の一端2aから長尺体2の長さ方向Lの所定の長さに亘って、長尺体2の他端2b側とオーバーラップして接続可能な接続部24が設けられ、長尺体2の他端2b側に、長尺体2の他端2bから長尺体2の長さ方向Lの所定の長さに亘って、接続部24とオーバーラップして接続可能な被接続部25が設けられている。磁気装身具1は、長尺体2の接続部24と被接続部25とを互いにオーバーラップするように接続することで、環状に形成することができる。また、接続部24および被接続部25は、後に詳しく述べるように、互いにオーバーラップするオーバーラップ領域OL(図2を参照)の長さ方向Lの長さを調節することができるように、互いに接続される。磁気装身具1は、オーバーラップ領域OLの長さを調節することにより環の長さ(または径)を調節することができる。
【0031】
なお、本実施形態では、接続部24および被接続部25は、上述した連結部23とは別に設けられている。これにより、磁気装身具1を人体に取り付けるために行なう連結部23による連結動作と、接続部24および被接続部25を介した環の長さの調節動作とを別個に行なうことができる。したがって、磁気装身具1を人体に取り付けるたびに長さ調節を行なう必要がないので、磁気装身具1の取り扱いが容易である。また、本実施形態の磁気装身具1は、連結部23による連結を解除するのに必要な力が、接続部24と被接続部25との間のオーバーラップ領域の長さ方向Lの長さを変更する(たとえば、短くする)のに必要な力よりも大きくなるように構成されている。これにより、環の長さが長くなる方向に長尺体2を引っ張って、連結部23と、接続部24および被接続部25との両方に同時に同じ力が加わったとしても、連結部23の連結が解除される前に、オーバーラップ領域OLの長さが短くなって、環の長さが長くなる。したがって、オーバーラップ領域OLの長さを短くして環の長さを長くしたい場合に、不意に連結部23の連結が解除されることが抑制されるので、容易に環の長さを調節することができる。
【0032】
また、磁気装身具1は、本実施形態では、図1および図2に示されるように、環状に形成された状態で、環の半分の長さの領域(図中、下側)が、環の他の半分の長さの領域(図中、上側)よりも大きな重量を有するように形成される。より具体的には、相対的に大きな重量を有する領域には、主として、断面が略矩形で、相対的に断面積が大きく、単位長さ当たりの重量が大きな領域(第1長尺部材21の一部および第2長尺部材22を含む)が含まれ、相対的に小さな重量を有する領域には、主として、断面が略円形で、相対的に断面積が小さく、単位長さ当たりの重量が小さな領域(第1長尺部材21の一部を含む)が含まれる。磁気装身具1は、環の半分の長さの領域を環の他の半分の領域よりも相対的に重くすることで、たとえば図11に示されるように、相対的に重い領域が下側に配置されるように首Nに装着した場合、重力に従って相対的に重い領域が下側に維持されて、首Nの周りで回転することが抑制される。それによって、磁性体3の首Nに対する位置が変化するのを抑制することができるので、所望の位置に継続して磁気治療効果を及ぼすことができる。本実施形態の磁気装身具1は、たとえば、使用者がスポーツをするなどして首Nに対して磁気装身具1が振動する場合であっても、磁気装身具1の首Nに対する回転が抑制されて、所望の磁気治療効果を発揮することができる。したがって、本実施形態の磁気装身具1は、スポーツ用としても好適に用いることができる。
【0033】
接続部24は、図2および図3に示されるように、長尺体2のうち、長尺体2の一端2aから長尺体2の長さ方向Lの所定の長さに亘る部分を構成している。接続部24は、被接続部25とオーバーラップし、そのオーバーラップ領域OLの長さを調節できるように、被接続部25と接続することができればよく、その構造は特に限定されない。本実施形態では、接続部24は、接続部24の長さ方向Lに沿って延びる接続部本体241と、被接続部25と係合可能な複数の係合部242とを備えている。
【0034】
接続部本体241は、接続部24の長さ方向Lに沿って、接続部24の長さ方向Lの全長に亘って延びる部位である。接続部本体241は、所定の摺動抵抗を有するように、長さ方向Lに沿って摺動可能に被接続部25(後述する被接続部本体251)と接続される。接続部24と被接続部25との間に、互いに対して長さ方向Lに沿って所定の摺動抵抗以下の力が加わった場合には、接続部24の被接続部25に対する摺動が抑制されて、互いに対する接続位置が維持され、オーバーラップ領域OLの長さが維持される。また、接続部24と被接続部25との間に、互いに対して長さ方向Lに沿って所定の摺動抵抗より大きな力が加わった場合には、接続部24が被接続部25に対して摺動し、互いに対する接続位置が変化し、オーバーラップ領域OLの長さが変化する。接続部24と被接続部25との間に、互いに対して長さ方向Lに沿って所定の摺動抵抗より大きな力を加えることで、オーバーラップ領域OLの長さを調節し、環の長さを調節することができる。
【0035】
接続部本体241は、本実施形態では、図2図4に示されるように、長さ方向Lに垂直な断面が略円形の細長状に形成される。接続部本体241は、被接続部25の後述する収容部252に、その長さ方向Lに亘って嵌合可能な大きさに形成される。
【0036】
係合部242は、接続部24および被接続部25の長さ方向Lでの互いに対する相対移動を抑制するように、長さ方向Lで被接続部25と係脱可能に係合する。係合部242が被接続部25(後述する被係合部253)と係合することで、接続部24と被接続部25との間の接続位置をより安定して維持し、オーバーラップ領域OLの長さをより安定して維持することができる。その一方で、接続部24と被接続部25との間に、互いに対して長さ方向Lに沿って、係合部242と被接続部25との間の係合力より大きな力を加えることで、係合部242と被接続部25との間の係合を解除することができる。
【0037】
複数の係合部242のそれぞれは、図2および図3に示されるように、接続部24の長さ方向Lに沿って互いに離間して設けられている。これにより、複数の係合部242のいずれかの位置で被接続部25と係合させることで、オーバーラップ領域OLの長さを調節することができ、オーバーラップ領域OLの長さを調節した位置で接続状態をより安定して維持することができる。本実施形態では、複数の係合部242のそれぞれは、接続部24の長さ方向Lに沿って互いに略等間隔で離間して配置されている。
【0038】
複数の係合部242は、被接続部25に対して、それぞれが同じ係合力で係合するように構成されていてもよいし、それぞれが異なる係合力で係合するように構成されていてもよい。本実施形態では、長尺体2の一端2aに隣接する係合部242が、長尺体2の一端2aから離間するその他の係合部242よりも高い係合力で、被接続部25と係合するように構成されている。より具体的には、図3においてよく分かるように、長尺体2の一端2aに隣接する係合部242の長さ方向Lの長さが、長尺体2の一端2aから離間するその他の係合部242の長さ方向Lの長さよりも長くなるように形成されることで、長尺体2の一端2aに隣接する係合部242は、その他の係合部242よりも、被接続部25との係合を解除し難くなっている(係合力が高くなっている)。これにより、オーバーラップ領域OLの長さが最も短くなった状態での係合力が最も高くなり、オーバーラップ領域OLの長さがそれ以上短くなる(接続部24と被接続部25との間の接続が解除される)のが最も抑制される。その一方で、オーバーラップ領域OLの長さがそれ以上長い状態では、その他の係合部242と被接続部25との間の係合を比較的解除しやすいので、オーバーラップ領域OLの長さを容易に調節することができる。
【0039】
複数の係合部242のそれぞれは、図4に示されるように、接続部24の長さ方向Lに対して略垂直方向に(図中、上方に)接続部本体241から突出する突部として構成されている。係合部242は、接続部24が被接続部25と接続された状態で、被接続部25から突出するように構成されている。本実施形態では、複数の係合部242が、磁気装身具1が環状に形成された状態で環が形成する平面に対して略垂直方向の一方側(図2および図3の紙面表側、図4の上側)に形成されている。なお、係合部242は、本実施形態では接続部本体241から突出する突部として構成されているが、被接続部25と係合可能であれば、本実施形態に限定されることはなく、接続部本体241の表面から凹んだ凹部として構成されていてもよい。
【0040】
被接続部25は、図2および図3に示されるように、長尺体2のうち、長尺体2の他端2bから長尺体2の長さ方向Lの所定の長さに亘る部分を構成している。被接続部25は、接続部24とオーバーラップし、そのオーバーラップ領域OLの長さを調節できるように、接続部24と接続することができればよく、その構造は特に限定されることはない。本実施形態では、被接続部25には、オーバーラップ領域OLにある接続部24の長さ方向Lの全体を収容可能な収容部252が設けられている。オーバーラップ領域OLにある接続部24は、その長さ方向Lの全体が被接続部25から離間することなく被接続部25と接触して、収容部252に収容される。オーバーラップ領域OLにある接続部24の長さ方向Lの全体が収容部252に収容されることにより、オーバーラップ領域OLにおいて接続部24および被接続部25のいずれかまたは両方に指などが引っ掛かって外力が加えられることが抑制されて、人体への装着時に環の長さが変化することが抑制される。
【0041】
被接続部25は、本実施形態では、図2および図3に示されるように、被接続部25の長さ方向Lに沿って延びる被接続部本体251と、被接続部本体251に設けられた上述の収容部252と、接続部24の係合部242と係合可能な被係合部253とを備えている。
【0042】
被接続部本体251は、被接続部25の長さ方向Lに沿って、被接続部25の長さ方向Lの全長に亘って延びる部位である。被接続部本体251は、所定の摺動抵抗を有するように、長さ方向Lに沿って摺動可能に接続部24(接続部本体241)と接続される。被接続部本体251は、収容部252に収容された接続部24を保持する。被接続部本体251は、図4に示されるように、被接続部25の長さ方向Lに対して略垂直方向に向かって開口する開口部251aと、開口部251aに対向する底部251bと、(被接続部25の長さ方向Lに対して略垂直方向における)底部251bの両端から立設する一対の側部251c、251cとを備えている。開口部251a、底部251bおよび一対の側部251c、251cは、被接続部本体251の長さ方向Lの全長に亘って延びるように設けられている。
【0043】
被接続部本体251は、本実施形態では、図1図4に示されるように、全体として、長さ方向Lに垂直な断面が略矩形で、長さ方向Lに沿って延びる細長状に形成される。被接続部本体251は、その長さ方向Lに垂直な断面の断面積が、接続部本体241の長さ方向Lに垂直な断面の断面積よりも大きくなるように形成される。被接続部本体251は、磁気装身具1が環状に形成された際に環が形成する平面に対して略垂直方向の一方側(図2および図3の紙面表側、図4の上側)および他方側(図1の紙面表側、図4の下側)に矩形の対向する辺(辺が形成する面)が面するように配置される。たとえば図11に示されるように磁気装身具1が人体の首Nに装着された場合に、矩形の辺が形成する面が首Nの下側の皮膚に面するように配置されるので、首Nに対して装着位置がより安定して維持される。
【0044】
収容部252は、本実施形態では、図4に示されるように、被接続部25の長さ方向Lに対して略垂直方向に向かって開口する開口部251aを有して被接続部25(被接続部本体251)の内部に凹んだ凹部として構成されている。凹部252は、凹部252に接続部24が収容された状態で、接続部24の突部(係合部)242が凹部252の開口部251aから凹部252の外に突出するように形成されている。したがって、接続部24は、突部242が開口部251aから凹部252の外に突出するように凹部252に収容される。これにより、たとえば、磁気装身具1を、突出した突部242が人体側に向くようにして人体に装着すれば、突部242が人体の皮膚と直接または間接的に接触して係合することで、磁気装身具1が人体の装着部位に対して移動(特に回転)することが抑制される。たとえば、使用者がスポーツをするなどして装着部位に対して磁気装身具1が振動する場合であっても、磁気装身具1の装着部位に対する移動が抑制されるので、装着部位に対する磁性体3の位置が変化するのを抑制することができる。したがって、本実施形態の磁気装身具1は、スポーツ用としても好適に用いることができる。
【0045】
凹部252は、図4に示されるように、被接続部本体251の開口部251aに対向する底部251bと、底部251bの両端から立設する一対の側部251c、251cとの内側に形成される。そして、凹部252は、凹部252に接続部24が収容された状態で、接続部24の接続部本体241が底部251bおよび一対の側部251c、251cと接触するような大きさに形成される。これにより、接続部24は、突部242が開口部251aから凹部252の外に突出し、接続部本体241が凹部252と嵌合した状態で、凹部252に収容される。そして、接続部24は、被接続部25の底部251bおよび一対の側部251c、251cと接触することで、所定の摺動抵抗を有して、被接続部25に摺動可能に接続される。
【0046】
また、凹部252は、図4に示されるように、開口部251aの幅W1が、一対の側部251c、251c間の間隔W2よりも小さくなるように形成される。これにより、一対の側部251c、251c間の間隔W2に対応した幅を有する接続部24は、凹部252から開口部251aを介して抜け出すのが抑制される。さらに、一対の側部251c、251cは、接続部24が長さ方向Lに沿った軸を中心として被接続部25に対して回転しようとすると、開口部251aから突出した突部242と当接するので、接続部24の長さ方向Lに沿った軸を中心とした相対回転を抑制し、接続部24の被接続部25に対する捻じれの無い長さ方向Lに沿った相対移動を案内する。
【0047】
凹部252は、図2図4に示されるように、磁気装身具1が環状に形成された際に環が形成する平面に対して略垂直方向の一方側(図2および図3の紙面表側、図4の上側)に凹部252の開口部251aが向くように配置される。つまり、凹部252の開口部251aは、接続部24の突部242が突出する方向と同じ方向に開口している。これにより、突部242と開口部251aとを互いに位置合わせすることで、接続部24が被接続部25に対して所定の角度から捩れて収容されることを抑制することができる。さらに、磁気装身具1が環状に形成された際に環が形成する平面に対して略垂直方向の一方側に突部242が突出することにより、たとえば図11に示されるように磁気装身具1を人体の首Nに装着する場合に、複数の係合部242が人体の首Nの下側の皮膚と直接または間接的に接触して係合するように装着することができるので、磁気装身具1が首Nの周りで回転するのが抑制される。
【0048】
凹部252の上部(開口部251aの底部251bとは反対側)には、図5に示されるように、開口部251aの長さ方向Lの一部を塞ぐように一対の側部251c、251cの間に延びる架橋部251dが設けられている。底部251bと、一対の側部251c、251cと、架橋部251dとにより囲繞される空間が、接続部24が摺動して挿通可能な挿通孔251eを構成している。凹部252の上部に架橋部251dが設けられることで、架橋部251dの下方の凹部252に収容される接続部24が開口部251aを介して凹部252の外に抜け出すのが抑制され、より確実に凹部252に接続部24が収容される。
【0049】
被係合部253は、接続部24の長さ方向Lでの被接続部25に対する相対移動を抑制するように、接続部24の係合部242と長さ方向Lで係合する。被係合部253は、図2および図3に示されるように、収容部(凹部)252の長さ方向Lの一部において収容部(凹部)252と並んで設けられている。被係合部253が収容部252と並設されることで、長さ方向Lでの被接続部25に対する相対移動を抑制しながら、より確実に収容部252に接続部24を収容することができる。また、被係合部253は、長尺体2の他端2bに隣接して(1つの係合部242の長さ方向Lの長さと同程度の長さだけ離間して)設けられている。これにより、長尺体2の他端2b近傍において接続部24と被接続部25とが係合することができるので、オーバーラップ領域OLの長さがより短い状態で接続部24と被接続部25との接続状態を維持することができる。
【0050】
被係合部253は、本実施形態では、架橋部251d(図5を参照)により構成される。被係合部253が架橋部251dにより構成されることで、長さ方向Lにおける同じ位置で、長さ方向Lおよび長さ方向Lに対して垂直方向の接続部24の相対移動を抑制することができ、接続部24の被接続部25に対する接続状態をより安定して維持することができる。
【0051】
被係合部253は、本実施形態では、オーバーラップ領域OLの長さが短くなるような接続部24の被接続部25に対する相対移動と、オーバーラップ領域OLの長さが長くなるような接続部24の被接続部25に対する相対移動との両方を抑制するように、接続部24の係合部242と係合するように構成される。より具体的には、図2に示されるように、被係合部253を構成する架橋部251dの一方側(長尺体2の一端2a側)の端部が、接続部24の隣り合う係合部242のうち一方側(長尺体2の一端2a側)の係合部242と係合することで、オーバーラップ領域OLの長さが短くなるような接続部24の被接続部25に対する相対移動が抑制される。そして、架橋部251dの他方側(長尺体2の他端2b側)の端部が、接続部24の隣り合う係合部242のうち他方側(長尺体2の他端2b側)の係合部242と係合することで、オーバーラップ領域OLの長さが長くなるような接続部24の被接続部25に対する相対移動が抑制される。本実施形態では、被接続部25の長さ方向Lにおける架橋部251dの長さは、接続部24の長さ方向Lで隣り合う係合部242の間の間隔と略一致する。したがって、被係合部253は、隣り合う係合部242の間に配置されることで、隣り合う係合部242の両方の係合部242と係合する。これにより、接続部24の長さ方向Lに沿った両方向の相対移動が抑制されて、オーバーラップ領域OLの長さをより安定して維持することができる。
【0052】
磁性体3は、磁場を生成し、特に、人体の部位に対して影響(たとえば磁気治療効果)を及ぼし得る磁場を生成する。磁性体3は、本実施形態では、図1図3に示されるように、粒状に形成され、長尺体2に埋設される。より具体的には、図6に示されるように、粒状に形成された磁性体3は、長尺体2の長さ方向Lに延びる中心軸Cから、磁気装身具1が環状に形成された状態で環が形成する平面に対して略垂直方向の一方側(図2および図3の紙面表側、図4の上側)に偏心して、長尺体2に埋設されている。したがって、磁気装身具1が環状に形成された状態で環が形成する平面に対して略垂直方向の一方側が人体の皮膚に面するように人体に装着された場合に、磁性体3が人体により近い側に配置されるため、人体に対してより大きな磁場を生成することができ、より高い磁気治療効果を発揮することができる。
【0053】
磁性体3は、本実施形態では、図1図3に示されるように、長尺体2(第1長尺部材21)の長さ方向Lに沿って互いの間の間隔が略等間隔になるように配置された複数(図示された例では6つ)の磁性体を含んでいる。しかし、磁性体3の数は、特に限定されることはなく、1つであってもよい。また、磁性体3は、粉末状に形成されて、長尺体2の内部に分散されてもよく、それによって、長尺体2が、ゴム磁石として構成されてもよい。また、磁性体3としては、磁場を生成するものであれば特に限定されることはなく、たとえばフェライト、ネオジウム、サマリウムコバルトなどの磁性体を用いることができる。
【0054】
つぎに、図7図10を参照して、本実施形態の磁気装身具1の環の長さ(または径)を調節する方法を説明する。ただし、本発明の磁気装身具は、以下の説明に限定されることはない。
【0055】
まず、磁気装身具1を環状に形成するために、図7に示されるように、長尺体2の一端2a側に設けられた接続部24を、長尺体2の他端2b側に設けられた被接続部25の挿通孔251eに、長尺体2の他端2b側から挿通して、被接続部25に接続する。このとき、被接続部25の被係合部253近傍に位置する接続部24の部位を、被接続部25の収容部252に収容されている状態とし、接続部24の先端(長尺体2の一端2a)側の部位を、収容部252から突出して収容部252に収容されていない状態とする。
【0056】
つぎに、図8に示されるように、接続部24を、接続部24の接続部本体241と被接続部25との間の摺動抵抗、および接続部24の係合部242と被接続部25の被係合部253との間の係合力に抗して、オーバーラップ領域OLの長さが長くなるように被接続部25に対して(図中、右から左へ)引っ張ることにより、被接続部25に対して相対移動させる。これにより、オーバーラップ領域OLの長さを長くして、磁気装身具1の環の長さを短くする(または、径を小さくする)ことができる。
【0057】
つぎに、オーバーラップ領域OLが必要の長さに達すると、図9に示されるように、オーバーラップ領域OLにある接続部24の長さ方向Lの全体を、被接続部25の収容部252に収容する。オーバーラップ領域OLにある接続部24の長さ方向Lの全体が収容部252に収容されることにより、オーバーラップ領域OLにおいて接続部24および被接続部25のいずれかまたは両方に指などが引っ掛かって外力が加えられることが抑制されて、人体への装着時に環の長さが変化することが抑制される。
【0058】
図9に示される状態から、オーバーラップ領域OLの長さを短くして、磁気装身具1の環の長さを長く(径を大きく)したい場合は、接続部24が収容部252に収容された状態で、上述した摺動抵抗と係合力に抗して、接続部24を被接続部25から離れる方向に(図中、左から右へ)引っ張ることで、図10に示される状態まで、接続部24を被接続部25に対して相対移動させる。これにより、オーバーラップ領域OLの長さを短くして、磁気装身具1の環の長さを長く(径を大きく)することができる。
【0059】
逆に、図10に示される状態から、オーバーラップ領域OLの長さを長くして、磁気装身具1の環の長さを短く(径を小さく)したい場合は、接続部24の先端(長尺体2の一端2a)側の部位を、被接続部25の収容部252から突出させて図7に示される状態として、接続部24を被接続部25に対して相対移動させて(図8を参照)、接続部24を収容部252に収容する(図9を参照)。これにより、オーバーラップ領域OLの長さを長くして、磁気装身具1の環の長さを短く(径を小さく)することができる。
【0060】
環状に形成された磁気装身具1を人体の首Nに装着する場合は、まず、第1長尺部材21と第2長尺部材22とを互いに離れる方向に引っ張って、連結部23による連結を解除することで、第1長尺部材21の端部21aと第2長尺部材22の端部22aとを分離する。そして、磁気装身具1を首Nに巻き付けた後、連結部23によって第1長尺部材21の端部21aと第2長尺部材22の端部22aとを再度連結して、磁気装身具1を環状に形成することで、磁気装身具1を首Nに装着することができる。
【符号の説明】
【0061】
1 磁気装身具
2 長尺体
21 第1長尺部材
21a 第1長尺部材の端部
21b 第1長尺部材側被係合部
22 第2長尺部材
22a 第2長尺部材の端部
22b 第2長尺部材側被係合部
23 連結部
231 介挿部材
232 係合部材
232a 第1係合部
232b 第2係合部
232c 第3係合部
24 接続部
241 接続部本体
242 係合部、突部
25 被接続部
251 被接続部本体
251a 開口部
251b 底部
251c 側部
251d 架橋部
251e 挿通孔
252 収容部、凹部
253 被係合部、架橋部
2a 長尺体の一端
2b 長尺体の他端
3 磁性体
C 中心軸
L 長さ方向
OL オーバーラップ領域
N 首
W1 開口部の幅
W2 一対の側部間の間隔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11