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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-18
(45)【発行日】2023-08-28
(54)【発明の名称】流体制御装置
(51)【国際特許分類】
   F16L 53/30 20180101AFI20230821BHJP
【FI】
F16L53/30
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019120135
(22)【出願日】2019-06-27
(65)【公開番号】P2021004669
(43)【公開日】2021-01-14
【審査請求日】2022-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】390033857
【氏名又は名称】株式会社フジキン
(74)【代理人】
【識別番号】100183380
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】船引 輝幸
(72)【発明者】
【氏名】高澤 竜平
【審査官】▲高▼藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/059043(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/079288(WO,A1)
【文献】韓国公開実用新案第20-2012-0001915(KR,U)
【文献】国際公開第2011/055430(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0238365(US,A1)
【文献】特開平06-216555(JP,A)
【文献】特開2011-013819(JP,A)
【文献】特開2003-065462(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 53/30-53/38
H01L 21/02
F16K 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属プレートと、
前記金属プレートを加熱するためのヒータと、
前記金属プレートの設置面に設けられ、所定の方向に沿って延び、流路が形成された第1継手ブロックおよび第2継手ブロックと、
前記第1継手ブロックと前記第2継手ブロックとの間を前記所定の方向に沿って延びる 第1配管と、
前記金属プレートの前記設置面に設けられた伝熱カバーと、
前記第1配管を跨いで、前記第1継手ブロックおよび前記第2継手ブロックに装着される第1流体制御機器と、を備え、
前記伝熱カバーは、横断面形状が矩形状をなし、前記所定の方向に延び、前記第1配管の外周に、互いに当接して装着される第1カバー部材および第2カバー部材を有し、
前記第1カバー部材は、前記第1配管の横断面における一部を覆い、前記金属プレートの前記設置面に当接する第1当接面を有し、
前記第2カバー部材は、前記第1配管の横断面における他部を覆い、前記第1流体制御機器に当接する第2当接面を有する流体制御装置。
【請求項2】
第2配管および第3配管と、
前記金属プレートの前記設置面に設けられ、所定の方向に沿って延び、流路が形成された第3継手ブロックおよび第4継手ブロックと、
第2流体制御機器と、をさらに備え、
前記第1継手ブロックには、前記第2配管が接続され、
前記第3継手ブロックは、前記第1配管における流体の流れの下流側の端部に接続され、
前記第2継手ブロックは、前記第1配管の前記金属プレート上の部分および前記第3継手ブロックに沿って延び、
前記第4継手ブロックは、前記第3継手ブロックの前記第2継手ブロック側に対する反対側に設けられ、
前記3配管は、前記第4継手ブロックに接続され、
前記第2流体制御機器は、前記第2継手ブロック、前記第3継手ブロック、および前記第4継手ブロックに接続されている、請求項1に記載の流体制御装置。
【請求項3】
前記第1カバー部材は、横断面において、前記第1配管の前記金属プレート側の部分を覆う第1部分と、前記第1部分の、前記設置面に平行かつ所定の方向に直交する方向における一方側の端部から前記第1流体制御機器まで延びる第2部分と、を有し、
前記第2カバー部材は、横断面において、前記第1配管の前記第1流体制御機器側の部分を覆い、前記第1部分の、前記設置面に平行かつ所定の方向に直交する方向における他方側の端部および前記第2部分に当接する、請求項2に記載の流体制御装置。
【請求項4】
前記第2カバー部材は、前記設置面に平行かつ所定の方向に直交する方向における他方側から、前記第2カバー部材を貫通する固定具により、前記第1カバー部材に対し固定されている、請求項3に記載の流体制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、流体制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流体が流れる配管に装着されるカバーが提案されている(例えば、特許文献1参照)。当該カバーは、一体化状態では円筒状をなす分割カバーにより構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-206464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のカバーは円筒状をなしているため、流体制御装置において、ヒータの熱を配管および流体制御機器に伝達するために当該カバーを使用した場合には、配管および流体制御機器にヒータの熱を伝達することができない。
【0005】
そこで本開示は、ヒータの熱を配管および流体制御機器に確実に伝達することができる流体制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を解決するために、本開示の一態様である流体制御装置は、金属プレートと、前記金属プレートを加熱するためのヒータと、前記金属プレートの設置面に設けられ、所定の方向に沿って延び、流路が形成された第1継手ブロックおよび第2継手ブロックと、前記第1継手ブロックと前記第2継手ブロックとの間を前記所定の方向に沿って延びる 第1配管と、前記金属プレートの前記設置面に設けられた伝熱カバーと、前記第1配管を跨いで、前記第1継手ブロックおよび前記第2継手ブロックに装着される第1流体制御機器と、を備え、前記伝熱カバーは、横断面形状が矩形状をなし、前記所定の方向に延び、前記第1配管の外周に、互いに当接して装着される第1カバー部材および第2カバー部材を有し、前記第1カバー部材は、前記第1配管の横断面における一部を覆い、前記金属プレートの前記設置面に当接する第1当接面を有し、前記第2カバー部材は、前記第1配管の横断面における他部を覆い、前記第1流体制御機器に当接する第2当接面を有する。
【0007】
第2配管および第3配管と、前記金属プレートの前記設置面に設けられ、所定の方向に沿って延び、流路が形成された第3継手ブロックおよび第4継手ブロックと、第2流体制御機器と、をさらに備え、前記第1継手ブロックには、前記第2配管が接続され、前記第3継手ブロックは、前記第1配管における流体の流れの下流側の端部に接続され、前記第2継手ブロックは、前記第1配管の前記金属プレート上の部分および前記第3継手ブロックに沿って延び、前記第4継手ブロックは、前記第3継手ブロックの前記第2継手ブロック側に対する反対側に設けられ、前記3配管は、前記第4継手ブロックに接続され、前記第2流体制御機器は、前記第2継手ブロック、前記第3継手ブロック、および前記第4継手ブロックに接続されていてもよい。
【0008】
前記第1カバー部材は、横断面において、前記第1配管の前記金属プレート側の部分を覆う第1部分と、前記第1部分の、前記設置面に平行かつ所定の方向に直交する方向における一方側の端部から前記第1流体制御機器まで延びる第2部分と、を有し、前記第2カバー部材は、横断面において、前記第1配管の前記第1流体制御機器側の部分を覆い、前記第1部分の、前記設置面に平行かつ所定の方向に直交する方向における他方側の端部および前記第2部分に当接してもよい。
【0009】
前記第2カバー部材は、前記設置面に平行かつ所定の方向に直交する方向における他方側から、前記第2カバー部材を貫通する固定具により、前記第1カバー部材に対し固定されていてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、ヒータの熱を配管および流体制御機器に確実に伝達することができる流体制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る流体制御装置の斜視図である。
図2】カバーを外した状態の流体制御装置の斜視図である。
図3】カバーおよび複数の流体制御機器を外した状態の流体制御装置1の斜視図である。
図4】(a)は、第1配管、伝熱カバー、および第3継手ブロックの斜視図であり、(b)は、伝熱カバーの正面図である。
図5】伝熱カバーの分解斜視図である。
図6】伝熱カバーの組立の説明図である。
図7】半導体製造装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の実施形態に係る流体制御装置1について、図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る流体制御装置1の斜視図である。
図2は、カバー3を外した状態の流体制御装置1の斜視図である。
図3は、カバー3および複数の流体制御機器40~44を外した状態の流体制御装置1の斜視図である。
図1~3において、左下側が一次側であり、右上側が二次側である。以下の説明における上下は、図1~3の上下とし、流体制御装置1において流体が一次側から二次側へ向かう方向を第1方向D1とし、設置面6Bに平行でかつ第1方向D1に直交する方向を第2方向D2とする。
【0014】
図1~3に示すように、流体制御装置1は、ベースプレート2と、カバー3と、複数の熱電対4、5と、金属プレート6と、カートリッジヒータ7と、サーモスタット8と、複数の継手ブロック10~18と、伝熱ブロック19と、複数の配管20~26と、複数の伝熱カバー30、30と、複数の流体制御機器40~44と、を備えている。
【0015】
ベースプレート2は、ステンレス鋼等の金属材料により構成され、一方の面が開口する平箱状をなしている。
【0016】
カバー3は、金属プレート6、カートリッジヒータ7、複数の継手ブロック10~19、複数の配管20~26の一部、複数の伝熱カバー30、30、および複数の流体制御機器40~44の一部を覆うように、ベースプレート2に装着されている。カバー3は、複数の継手ブロック10~19および複数の流体制御機器40~44の温度を所定の温度に維持するために設けられている。
【0017】
熱電対4、5は、流路および金属プレート6の温度を測定するために、三方弁43に装着されたブラケットと金属プレート6に固定されている。熱電対4の先端部は三方弁43のボディに挿入され、熱電対5の先端部は金属プレート6に挿入されている。
【0018】
金属プレート6は、例えばアルミニウム合金等により構成され、平板状をなし、装着治具6Aにより、ベースプレート2に装着されている。金属プレート6は、設置面6Bを有する。
【0019】
カートリッジヒータ7は、金属プレート6に挿入されており、電源ケーブル7Aが接続されている。カートリッジヒータ7によって、金属プレート6が例えば100~250℃に加熱される。
【0020】
サーモスタット8は、金属プレート6に装着され、複数の流体制御機器40~44が所定の温度を超えないようにカートリッジヒータ7を制御する。
【0021】
図2、3に示すように、複数の継手ブロック10~18は、第1~9継手ブロック10~18を有する。
【0022】
第1継手ブロック10は、図示せぬボルトにより、金属プレート6の設置面6Bの一次側に固定されている。第1継手ブロック10は、横断面が略矩形状をなし、所定の方向である第1方向D1に沿って延びている。第1継手ブロック10には、略L字状をなす流路10aが形成されている。流路10aの一端は、第1継手ブロック10の第1方向D1に沿った端部の側面10Bに開口している。流路10aの他端は、第1継手ブロック10の設置面6B側の面に対して反対側に位置する上面10Cに開口している。
【0023】
第3~6、8、9継手ブロック12~15、17、18は、第1継手ブロック10を同形状なしている。よって、第3~6、8、9継手ブロック12~15、17、18には、側面12B~15B、17B、18Bおよび上面12C~15C、17C、18Cに開口する流路12a~15a、17a、18aが形成されている。なお、第3、5、6、8継手ブロック12、14、15、17は、第1方向D1において、第1継手ブロック10が固定された向きと同じ向きに設置面6Bに固定されている。第4、9継手ブロック13、18は、第1方向D1において、第1継手ブロック10が固定された向きに対して反対向きに設置面6Bに固定されている。
【0024】
第2継手ブロック11は、第2方向D2において、第1継手ブロック10から間隔を空けて設置面6Bに固定されている。第2継手ブロック11は、平面視で略L字状をなし、その長手方向(第1方向D1)の長さは、第1継手ブロック10の第1方向D1の約2倍の長さを有する。第2継手ブロック11の一次側の部分の幅は、第1継手ブロック10の第2方向D2の約2倍の幅を有する。第2継手ブロック11の二次側の部分の幅は、第1継手ブロック10の第2方向D2の幅と同じである。第2継手ブロック11には、2つの流路11a、11bが形成されている。一方の流路11aは、第1方向D1に沿って形成され、両端が上面11Cに開口している。他方の流路11bは、第2方向D2に沿って形成され、両端が上面11Cに開口している。流路11a、11bの開口のうちの一方は共通しているので、流路11a、11bは、上面11Cの3か所で開口している。
【0025】
第3継手ブロック12は、第2方向D2における第2継手ブロック11の隣であって金属プレート6の設置面6Bの二次側に固定されている。
【0026】
第4継手ブロック13は、第2方向D2における第3継手ブロック12の隣であって第1ブロック11の二次側に位置して、金属プレート6の設置面6Bに固定されている。
【0027】
第5継手ブロック14は、第2方向D2において、第2継手ブロック11から間隔を空けて金属プレート6の設置面6Bの一次側に固定されている。
【0028】
第6継手ブロック15は、第2方向D2において、第5継手ブロック14の隣に位置し、金属プレート6の設置面6Bに固定されている。
【0029】
第7継手ブロック16は、第2方向D2において、第6継手ブロック15から間隔を空けて金属プレート6の設置面6Bに固定されている。第7継手ブロック16は、その長手方向(第1方向D1)の長さは、第1継手ブロック10の第1方向D1の約2倍の長さを有する。第7継手ブロック16の第2方向D2の幅は、第1継手ブロック10の第2方向D2の幅と同じである。第7継手ブロック16には、第1方向D1に沿って流路16aが形成され、その両端は上面16Bに開口している。
【0030】
第8継手ブロック17は、第2方向D2における第7継手ブロック16の隣であって金属プレート6の設置面6Bの二次側に固定されている。
【0031】
第9継手ブロック18は、第2方向D2における第8継手ブロック17の隣であって第6継手ブロック15の二次側に位置して、金属プレート6の設置面6Bに固定されている。
【0032】
伝熱ブロック19は、第5継手ブロック14と第6継手ブロック15との間に位置し、金属プレート6の設置面6Bに固定されている。
【0033】
第1~9継手ブロック10~18の流路10a~18a、11bにおいて、一次側の開口は第2方向D2において略一直線に並び、二次側の開口は第2方向D2において略一直線に並んでいる。第1~9継手ブロック10~18の上面10C~15C、16B、17C、18Cおよび伝熱ブロック19の上面19Aは、面一に構成されている。
【0034】
複数の配管20~26は、第1~7配管20~26を有する。第1~5配管20~24は、一次側に位置して入口配管として機能する。第6、7配管25、26は、二次側に位置して出口配管として機能する。
【0035】
第1配管20は、第1継手ブロック10と第2継手ブロック11との間を第1方向D1に沿って延び、第3継手ブロック12に接続されている。第2継手ブロック11は、第1配管20の金属プレート6上の部分および第3継手ブロック12に沿って延びている。
【0036】
第2配管21は、略Z形状をなし、第1継手ブロック10に接続されている。第3配管22は、第5継手ブロック14に接続されている。第4配管23は、略Z形状をなし、第6継手ブロック15に接続されている。
【0037】
第5配管24は、第6継手ブロック15と第7継手ブロック16との間を第1方向D1に沿って延び、第8継手ブロック17に接続されている。
【0038】
第6配管25は、第4継手ブロック13に接続されている。第7配管26は、第9継手ブロック18に接続されている。
【0039】
複数の伝熱カバー30、30は、金属プレート6の設置面6Bに固定されている。一方の伝熱カバー30は、第1配管20の金属プレート6の設置面6B上に位置する部分の外周を覆っている。他方の伝熱カバー30は、第5配管24の金属プレート6の設置面6B上に位置する部分の外周を覆っている。伝熱カバー30、30の詳細な構成については後述する。
【0040】
複数の流体制御機器40~44は、一次側に位置する流体駆動式の二方弁40~42と、二次側に位置する流体駆動式の三方弁43、44とを有する。
【0041】
二方弁40~42は、第1、2、5~7継手ブロック10、11、14~16上にボルト45によりそれぞれ固定されている。各二方弁40~42のボディの流入路および流出路は、対応する第1、2、5~7継手ブロック10、11、14~16の流路10a、11a、11b、14a~16aに連通している。
【0042】
三方弁43、44は、第2~5、7~9継手ブロック11~13、16~18上にボルト45によりそれぞれ固定されている。各三方弁43、44のボディの流入路および流出路は、対応する第2~5、7~9継手ブロック11~13、16~18の流路11a~13a、16a~18aに連通している。
【0043】
次に、伝熱カバー30、30の構成について図4図6を参照して説明する。本実施形態では、第1配管20に装着された伝熱カバー30と、第5配管24に装着された伝熱カバー30とがあるが、両者は同様の構成であるので、第1配管20に装着された伝熱カバー30についてのみ説明する。
【0044】
図4(a)は、第1配管20、伝熱カバー30、および第3継手ブロック12の斜視図であり、(b)は、伝熱カバー30の正面図である。
図5は、伝熱カバー30の分解斜視図である。
図6は、伝熱カバー30の組立の説明図である。
【0045】
図4、5に示すように、伝熱カバー30は、第1カバー部材31と第2カバー部材32と4本のボルト35を備え、横断面形状(正面視の形状)が矩形状をなし、第1方向D1に沿って延びている。第1カバー部材31と第2カバー部材32は、第1配管20の外周に互いに当接した状態で装着されている。第1カバー部材31と第2カバー部材32は、伝熱性に優れた金属材料または樹脂材料により構成され、例えばアルミニウム合金により構成されている。
【0046】
第1カバー部材31は、横断面において、第1配管20の金属プレート6側の部分を覆う第1部分33と、第1部分33における第1継手ブロック10側(第2方向D2における一方側)の端部から第1流体制御機器40まで延びる第2部分34とを有する。第1カバー部材31は、横断面において、略L字状をなしている。
【0047】
第1部分33は、金属プレート6の設置面6Bに当接する第1当接面33Aを有する。第1部分33は、第1配管20の外周に沿う第1内周面33Bと、第2継手ブロック11側(第2方向D2における他方側)に位置し第2カバー部材32に当接する第1端面33Cとを有する。第1部分33には、2箇所にボルト挿通孔33dが形成されている。第1カバー部材31は、ボルト35をボルト挿通孔33dに挿通させることによって、金属プレート6に固定される。
【0048】
第2部分34は、第1流体制御機器40に当接する第2端面34Aと、第2カバー部材32に当接する内側面34Bとを有する。第2部分34には、2箇所にボルト螺合孔34cが形成されている。
【0049】
第2カバー部材32は、横断面において、第1配管20の第1流体制御機器40側の部分を覆い、第1流体制御機器40に当接する第2当接面32Aを有する。本実施形態では、第2当接面32Aは、第2端面34Aと面一に構成されているが、第2当接面32Aが、第2端面34Aよりも第1流体制御機器40側へ出ていてもよい。第2カバー部材32は、第1配管20の外周に沿う第2内周面32Bと、第2継手ブロック11側に位置し第1端面33Cに当接する第3端面32Cと、内側面34Bに当接する第4端面32Dとを有する。
【0050】
第2カバー部材32には、第2継手ブロック11側から、第2カバー部材32を貫通するボルト挿通孔32eが2箇所に形成されている。第2カバー部材32は、ボルト35をボルト挿通孔32eに挿通させボルト螺合孔34cに螺合させることにより、第1カバー部材31に固定される。なお、第1カバー部材31および第2カバー部材32は、それらの内面の第2継手ブロック11側に段差部31A(第2カバー部材32は不図示)を有し、当該段差部31Aによって、第1カバー部材31および第2カバー部材32により形成される内部空間が拡張している。
【0051】
第1配管20、伝熱カバー30、および第3継手ブロック12の組立においては、まず、ボルト35をボルト挿通孔33dに、設置面6Bに直交する方向に挿通させることによって、第1カバー部材31を金属プレート6に固定する。
【0052】
次に、一体化された第1配管20および第3継手ブロック12のうち、第1配管20の一部が第1カバー部材31上に載せるとともに、第3継手ブロック12を金属プレート6に固定する。図6に示すように、ボルト35を、第2方向D2に沿って第2カバー部材32を貫通させることにより、第2カバー部材32を第1カバー部材31に固定する。このようにして、第1配管20、伝熱カバー30、および第3継手ブロック12が組み立てられる。
【0053】
なお、本実施形態では、図4(b)に示すように、第1カバー部材31と、第2カバー部材32と、配管20との間には、空間36が形成されているが、第2カバー部材32の一部と突出するように構成して、空間36を形成しないようにしてもよい。
【0054】
本実施形態の流体制御装置1では、二方弁40を開状態、二方弁41を閉状態、三方弁43を第2継手ブロック11の流路11aと第4流路ブロック13の流路13aが連通する状態にすることにより、第2配管21に流入する流体が第1、2、4継手ブロック10、11、13を介して、第6配管25へ流れる。二方弁40を閉状態、二方弁41を閉状態、三方弁43を第3継手ブロック12の流路12aと第4流路ブロック13の流路13aが連通する状態にすることにより、第1配管20に流入する流体が第3、4継手ブロック12、13を介して、第6配管25へ流れる。二方弁40を閉状態、二方弁41を開状態、三方弁43を第2継手ブロック11の流路11aと第4流路ブロック13の流路13aが連通する状態にすることにより、第3配管22に流入する流体が第5、2、4継手ブロック14、11、13を介して、第6配管25へ流れる。
【0055】
二方弁42を開状態、三方弁44を第7継手ブロック16の流路16aと第9流路ブロック18の流路18aが連通する状態にすることにより、第4配管23に流入する流体が第6、7、9継手ブロック16、17、19を介して、第7配管26へ流れる。二方弁42を閉状態、三方弁44を第8継手ブロック17の流路17aと第9流路ブロック18の流路18aが連通する状態にすることにより、第5配管24に流入する流体が第8、9継手ブロック17、18を介して、第7配管26へ流れる。
【0056】
上記の流体制御装置1によれば、伝熱カバー30は、横断面形状が矩形状をなし、第1方向D1に延び、第1配管20の外周に、互いに当接して装着される第1カバー部材31および第2カバー部材32を有し、第1カバー部材31は、第1配管20の横断面における一部を覆い、金属プレート6の設置面6Bに当接する第1当接面33Aを有し、第2カバー部材32は、第1配管20の横断面における他部を覆い、二方弁40に当接する第2当接面32Aを有する。かかる構成によれば、金属プレート6からの熱を第1配管20および二方弁40に対し確実に伝達することができる。よって、所定の温度の流体を二次側に提供することができる。
【0057】
第1カバー部材31は、横断面において、第1配管20の金属プレート6側の部分を覆う第1部分33と、第1部分33の、第2方向D2における一方側の端部から二方弁40まで延びる第2部分34と、を有し、第2カバー部材32は、横断面において、第1配管20の二方弁40側の部分を覆い、第1部分33の、設置面6Bに平行かつ所定の方向に直交する方向における他方側の端部および第2部分34に当接する。かかる構成によれば、第1配管20の外周を第1カバー部材31および第2カバー部材32により覆うことができるので、金属プレート6からの熱を第1配管20および二方弁40に対し確実に伝達することができる。
【0058】
第2カバー部材32は、第2方向D2における他方側から、第2カバー部材32を貫通するボルト35により、第1カバー部材31に対し固定されているので、伝熱カバー30の幅が狭くても、第1カバー部材31に第2カバー部材32を固定することができる。よって、流体制御装置1の小型化を図ることができる。
【0059】
図7は、本実施形態に係る流体制御装置としてのファイナルバルブ50を備える半導体製造装置100の概略図を示している。
【0060】
半導体製造装置100は、例えば、CVD装置であり、ガス供給手段60と、ファイナルバルブ50と、真空チャンバ70と、排気手段80とを有し、ウェハ上に不動態膜(酸化膜)を形成する装置である。
【0061】
ガス供給手段60は、ガス供給源61と、流体制御装置62とを備える。ファイナルバルブ50は、ガス供給手段60と真空チャンバ70との間に設けられている。好ましくは、ファイナルバルブ50は、真空チャンバ70近傍の筐体に装着される。ファイナルバルブ50を介して、ガス供給手段60からの流体が真空チャンバ70へ供給される。
【0062】
なお、本開示は、上述した実施形態に限定されない。当業者であれば、本開示の範囲内で、種々の追加や変更等を行うことができる。
【符号の説明】
【0063】
1:流体制御装置
6:金属プレート
6B:設置面
7:カートリッジヒータ
10:第1継手ブロック
11:第2継手ブロック
12:第3継手ブロック
13:第4継手ブロック
15:第6継手ブロック
16:第7継手ブロック
17:第8継手ブロック
18:第9継手ブロック
20:第1配管
21:第2配管
23:第4配管
24:第5配管
25:第6配管
26:第7配管
30:伝熱カバー
31:第1カバー部材
32:第2カバー部材
33A:第1当接面
32A:第2当接面
33:第1部分
34:第2部分
35:ボルト
40、42:二方弁
43、44:三方弁
D1:第1方向
D2:第2方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7