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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-18
(45)【発行日】2023-08-28
(54)【発明の名称】リフト装置
(51)【国際特許分類】
   A61H 33/00 20060101AFI20230821BHJP
【FI】
A61H33/00 310M
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019155474
(22)【出願日】2019-08-28
(65)【公開番号】P2021029835
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】523099987
【氏名又は名称】アジア技術開発株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(72)【発明者】
【氏名】田中 英昭
(72)【発明者】
【氏名】亀山 英明
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-279103(JP,A)
【文献】特開2008-086632(JP,A)
【文献】実公昭48-033518(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱部に対して昇降可能に設けられた昇降部と、
前記昇降部に連結しており、座部を支持する座支持部と、
前記昇降部内に伸縮可能に設けられ、伸縮することで前記昇降部を前記支柱部に対して昇降させる伸縮部と、
前記支柱部内の第1流路を介して前記伸縮部に水を供給する水供給部と、
前記支柱部内の第2流路を介して前記伸縮部に空気を供給する空気供給部と、
前記水供給部に前記水を供給させると共に、前記空気供給部に前記空気を供給させて、前記昇降部を上昇させる制御部と、
を備えるリフト装置。
【請求項2】
前記昇降部は、円筒状に形成されており、前記支柱部に対して軸方向に摺動しながら昇降し、
前記伸縮部は、前記支柱部の上端と前記昇降部の上内壁とに接した状態で設けられており、
前記昇降部は、前記伸縮部が伸びた状態で周方向に回動可能である、
請求項1に記載のリフト装置。
【請求項3】
前記伸縮部は、
前記昇降部内に軸方向に沿って設けられ、内部に前記空気が供給される第1伸縮部材と、
前記第1伸縮部材を囲むように設けられ、前記第1伸縮部材との間に前記水が供給される第2伸縮部材と、を有する、
請求項1又は2に記載のリフト装置。
【請求項4】
前記第1伸縮部材と前記第2伸縮部材は、先端側で連結されており、
前記水供給部による前記水の供給、及び前記空気供給部による前記空気の供給の少なくともいずれか一方で行われる際に、前記第1伸縮部材及び前記第2伸縮部材は、前記軸方向において同じ量だけ伸縮する、
請求項3に記載のリフト装置。
【請求項5】
前記第1伸縮部材は、互いに前記軸方向に摺動可能に重なった状態で設けられた複数の円筒部材であり、
前記第2伸縮部材は、前記複数の円筒部材を囲んでいる蛇腹状の部材である、
請求項3又は4に記載のリフト装置。
【請求項6】
前記第1伸縮部材及び前記第2伸縮部材は、金属製である、
請求項3から5のいずれか1項に記載のリフト装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記水供給部による前記水の供給を開始させた後に、前記空気供給部による前記空気の供給を開始させる、
請求項1から6のいずれか1項に記載のリフト装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記水供給部による前記水の供給と前記空気供給部による前記空気の供給とを停止させて、前記昇降部を下降させる、
請求項1から7のいずれか1項に記載のリフト装置。
【請求項9】
前記座支持部に作用する重さを検出する重さ検出部を更に備え、
前記制御部は、前記重さ検出部が検出した重さに応じて、前記水及び前記空気の供給量を制御する、
請求項1から8のいずれか1項に記載のリフト装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入浴介護用のリフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
要介護者を着座シートに座らせた状態で入浴させる際に介護者をアシストするために、入浴介護用のリフト装置が利用されている。例えば、下記の特許文献1には、水道水の供給圧力を利用して、着座シートを昇降させるリフト装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3183602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術では、着座シートを昇降させるのに時間を要するため、要介護者を着座シートに長時間座らせる必要があり、寒い時期には要介護者に負担を強いらせることになる。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、昇降部が迅速に昇降可能なリフト装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の態様においては、支柱部に対して昇降可能に設けられた昇降部と、前記昇降部に連結しており、座部を支持する座支持部と、前記昇降部内に伸縮可能に設けられ、伸縮することで前記昇降部を前記支柱部に対して昇降させる伸縮部と、前記支柱部内の第1流路を介して前記伸縮部に水を供給する水供給部と、前記支柱部内の第2流路を介して前記伸縮部に空気を供給する空気供給部と、前記水供給部に前記水を供給させると共に、前記空気供給部に前記空気を供給させて、前記昇降部を上昇させる制御部と、を備えるリフト装置を提供する。
【0007】
また、前記昇降部は、円筒状に形成されており、前記支柱部に対して軸方向に摺動しながら昇降し、前記伸縮部は、前記支柱部の上端と前記昇降部の上内壁とに接した状態で設けられており、前記昇降部は、前記伸縮部が伸びた状態で周方向に回動可能であることとしてもよい。
【0008】
また、前記伸縮部は、前記昇降部内に軸方向に沿って設けられ、内部に前記空気が供給される第1伸縮部材と、前記第1伸縮部材を囲むように設けられ、前記第1伸縮部材との間に前記水が供給される第2伸縮部材と、を有することとしてもよい。
【0009】
また、前記第1伸縮部材と前記第2伸縮部材は、先端側で連結されており、前記水供給部による前記水の供給、及び前記空気供給部による前記空気の供給の少なくともいずれか一方で行われる際に、前記第1伸縮部材及び前記第2伸縮部材は、前記軸方向において同じ量だけ伸縮することとしてもよい。
【0010】
また、前記第1伸縮部材は、互いに前記軸方向に摺動可能に重なった状態で設けられた複数の円筒部材であり、前記第2伸縮部材は、前記複数の円筒部材を囲んでいる蛇腹状の部材であることとしてもよい。
【0011】
また、前記第1伸縮部材及び前記第2伸縮部材は、金属製であることとしてもよい。
【0012】
また、前記制御部は、前記水供給部による前記水の供給を開始させた後に、前記空気供給部による前記空気の供給を開始させることとしてもよい。
【0013】
また、前記制御部は、前記水供給部による前記水の供給と前記空気供給部による前記空気の供給とを停止させて、前記昇降部を下降させることとしてもよい。
【0014】
また、前記リフト装置は、前記座支持部に作用する重さを検出する重さ検出部を更に備え、前記制御部は、前記重さ検出部が検出した重さに応じて、前記水及び前記空気の供給量を制御することとしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、昇降部が迅速に昇降可能なリフト装置を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一の実施形態に係るリフト装置1の構成を説明するための模式図である。
図2】リフト装置1の構成を説明するためのブロック図である。
図3】昇降部20が上昇した際の状態を説明するための模式図である。
図4図1のA-A断面構成を説明するための図である。
図5図1のB-B断面構成を説明するための図である。
図6】リフト装置1の設置例を説明するための模式図である。
図7】リフト装置1の動作例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<リフト装置の構成>
本発明の一の実施形態に係るリフト装置の構成について、図1図5を参照しながら説明する。
【0018】
図1は、一の実施形態に係るリフト装置1の構成を説明するための模式図である。図2は、リフト装置1の構成を説明するためのブロック図である。図3は、昇降部20が上昇した際の状態を説明するための模式図である。図4は、図1のA-A断面構成を説明するための図である。図5は、図1のB-B断面構成を説明するための図である。
【0019】
リフト装置1は、椅子の座部等を昇降させるリフトである。リフト装置1は、例えば、浴室内に設置され、要介護者を座部に座らせた状態で浴槽に入浴させる際に介護者をアシストするために利用される。リフト装置1は、図1及び図2に示すように、支柱部10と、昇降部20と、座支持部30と、水供給部40と、空気供給部50と、伸縮部60と、操作部70と、制御部80とを有する。
【0020】
支柱部10は、昇降部20を支えるための柱である。支柱部10は、一例として、浴室の床面に固定されている。支柱部10は、内部に空洞を有するパイプである。支柱部10は、水供給部40の蛇口42と接続されている。また、支柱部10は、空気供給部50とも接続されている。
【0021】
支柱部10は、図4に示すように、二重管構成となっている。支柱部10内には、水供給部40から供給された水が流れる水流路12と、空気供給部50から供給された空気が流れる空気流路14とが形成されている。空気流路14は、支柱部10内の中央側に形成され、水流路12は、空気流路14を囲むように形成されている。図3では、水の流れを破線の矢印で示し、空気の流れを一点鎖線の矢印で示している。なお、本実施形態では、水流路12が第1流路に該当し、空気流路14が第2流路に該当する。
【0022】
昇降部20は、支柱部10に対して昇降可能に設けられている。昇降部20は、図1に示す待機位置と、図3に示す上昇位置との間で昇降する。昇降部20は、水供給部40による水の供給と空気供給部50による空気の供給とが開始される前は、待機位置に位置する。水供給部40による水の供給と空気供給部50による空気の供給とが開始されると、待機位置に位置する昇降部20は、上昇位置へ移動する。
【0023】
昇降部20は、円筒状に形成されている。昇降部20の直径は、支柱部10の直径よりも大きい。昇降部20は、支柱部10に対して軸方向に摺動しながら昇降する。また、昇降部20は、支柱部10に対して周方向に回動可能である。例えば、昇降部20は、上昇位置に位置した状態で、周方向に回動可能である。昇降部20の回動は、例えば介護者が座支持部30を回転されることで行われる。
【0024】
座支持部30は、昇降部20に連結しており、座部を支持する。座支持部30は、昇降部20の外周面に固定されており、昇降部20と連動して上下動する。座支持部30は、昇降部20によって昇降中の座部を支持する。座支持部30は、連結部32と、フック34とを有する。
【0025】
連結部32は、昇降部20に連結されている部分である。連結部32は、例えば伸縮可能な一対のアームを有しており、アームが伸縮することで昇降部20からの座部の距離を調整できる。
【0026】
フック34は、連結部32の下方に設けられている。フック34は、座部が着脱可能に取り付けられる部分である。例えば、車椅子の座部が、車椅子の本体から分離してフック34に取り付けられる。
【0027】
水供給部40は、支柱部10内の水流路12を介して伸縮部60に水を供給する。水供給部40は、ここでは、水道管の蛇口42を含む。例えば介護者が操作部70を操作すると、水流路12のバルブ(供給側バルブ72)が開き、水供給部40からの水が伸縮部60に供給される。水供給部40は、例えば、所定の供給量だけ水を伸縮部60に供給する。
【0028】
空気供給部50は、支柱部10内の空気流路14を介して伸縮部60に空気を供給する。空気供給部50は、ここでは、空気を圧縮して送り出すコンプレッサを含む。例えば介護者が操作部70を操作すると、空気流路14のバルブ(供給側バルブ72)が開き、空気供給部50からの空気(具体的には、コンプレッサからの圧縮空気)が伸縮部60に供給される。空気供給部50は、例えば、所定の供給量だけ空気を伸縮部60に供給する。
【0029】
伸縮部60は、昇降部20内に伸縮可能に設けられている。具体的には、伸縮部60は、図1に示すように、支柱部10の上端16と昇降部20の上内壁22とに接した状態で設けられている。伸縮部60は、水供給部40からの水の供給状態と、空気供給部50からの空気の供給状態とに応じて、伸縮する。
【0030】
伸縮部60内には、図5に示すように、第1空洞61aと、第2空洞61bが形成されている。第1空洞61aは、支柱部10の上端16に形成された連通口を介して水流路12と接続されており、水供給部40から供給された水が充満する。第2空洞61bは、上端16に形成された連通口を介して空気流路14と接続されており、空気供給部50から供給された空気が充満する。
【0031】
伸縮部60は、第1空洞61aに充満する水と、第2空洞61bに充満する空気とによって、軸方向に伸びた状態となる(図3参照)。すなわち、伸縮部60は、第1空洞61a及び第2空洞61bに充満する水や空気の圧力によって軸方向に伸びる。このため、伸縮部60の伸びは、水及び空気の供給量に応じて大きくなる。一方で、伸縮部60は、水や空気が供給されないと、縮んだ状態となる(図1参照)。
【0032】
伸縮部60は、伸縮することで昇降部20を支柱部10に対して昇降させる。例えば、伸縮部60が図1に示すように縮んだ状態では、昇降部20は待機位置に位置し、伸縮部60が図3に示すように伸びた状態では、昇降部20は上昇位置に位置する。
【0033】
伸縮部60は、上述した第1空洞61a及び第2空洞61bを形成するための伸縮部材を有する。具体的には、伸縮部60は、図1に示すように、第1伸縮部材62と、第2伸縮部材64とを有する。
【0034】
第1伸縮部材62は、昇降部20内に軸方向に沿って設けられている。第1伸縮部材62の内部には、空気供給部50から空気が供給される。すなわち、第1伸縮部材62の内部が、図5に示すように、第2空洞61bを形成する。第1伸縮部材62は、第2空洞61bに供給された空気の圧力を受けて、軸方向に伸びる。第2空洞61bに空気が供給されないと、第1伸縮部材62は、自重によって軸方向に縮む。
【0035】
第1伸縮部材62は、互いに軸方向に摺動可能に重なった状態で設けられた複数の円筒部材である。複数の円筒部材は、空気流路14と接続されており、空気流路14から円筒部材の内部に空気が流入する。複数の円筒部材が互いに軸方向に摺動することで、伸縮する。第1伸縮部材62は、金属製である。例えば、第1伸縮部材62は、アルミニウムから成り、錆び難い。
【0036】
第2伸縮部材64は、第1伸縮部材62を囲むように設けられている。第2伸縮部材64と第1伸縮部材62の間には、水供給部40から水が供給される。すなわち、第2伸縮部材64と第1伸縮部材62の間の空間が、図5に示すように、第1空洞61aを形成する。第2伸縮部材64は、第1空洞61aに供給された水の圧力を受けて、軸方向に伸びる。第1空洞61aに水が供給されないと、第2伸縮部材64は、自重によって軸方向に縮む。
【0037】
第2伸縮部材64は、第1伸縮部材62(具体的には、複数の円筒部材)を囲んでいる蛇腹状の部材である。例えば、第2伸縮部材64は、複数の円板部材の縁同士を接合して、蛇腹状に形成されている。第2伸縮部材64は、金属製である。例えば、第2伸縮部材64は、アルミニウムから成り、錆び難い。
【0038】
第1伸縮部材62と第2伸縮部材64は、先端側で連結(接合)されている。このため、第2伸縮部材64は、第1伸縮部材62と共に伸縮する。例えば、第2空洞61bに空気が充満していなくても、第1空洞61aに水が充満して第1伸縮部材62が伸びると、第2伸縮部材64も一緒に伸びる。すなわち、第1伸縮部材62と第2伸縮部材64は、水供給部40による水の供給、及び空気供給部50による空気の供給の少なくともいずれか一方で行われる際に、軸方向において同じ量だけ伸縮する。
【0039】
なお、図1等には図示していないが、リフト装置1は、伸縮部60内に供給された水及び空気を排出する排出路を有する。例えば、リフト装置1は、伸縮部60への水及び空気の供給を停止すると、排出路を介して伸縮部60内の水及び空気を排出させる。これにより、伸縮部60が縮み、昇降部20は、上昇位置から待機位置へ下降する。
【0040】
操作部70は、リフト装置1の動作のオン・オフを切り替えるための部分である。操作部70は、例えば、介護者等が操作する操作レバーを含む。操作部70が操作されると、制御部80に通知される。
【0041】
供給側バルブ72は、開閉可能なバルブであり、例えば水流路12及び空気流路14に設けられている。供給側バルブ72が開状態である際に、水供給部40による伸縮部60への水の供給と、空気供給部50による伸縮部60への空気の供給とが行われる。
排出側バルブ74は、開閉可能なバルブである。排出側バルブ74が開状態である際に、伸縮部60に供給された水及び空気を排出させる。
【0042】
制御部80は、リフト装置1の動作を制御する。本実施形態では、制御部80は、操作部70の操作に応じて、供給側バルブ72及び排出側バルブ74の開閉を行い、昇降部20の昇降を制御する。
例えば、制御部80は、供給側バルブ72を開状態にし、水供給部40に水を伸縮部60へ供給させると共に、空気供給部50に空気を伸縮部60へ供給させて、昇降部20を上昇させる。すなわち、制御部80は、水及び空気を伸縮部60に供給して伸縮部60を伸ばすことで、昇降部20を上昇位置へ上昇させる。この際、制御部80は、排出側バルブ74を閉状態にする。
【0043】
制御部80は、水供給部40による水の供給と空気供給部50による空気の供給とを停止させて、昇降部20を下降させる。具体的には、制御部80は、排出側バルブ74を開状態にし、伸縮部60内の水及び空気を排出させることで、昇降部20を待機位置へ下降させる。この際、制御部80は、供給側バルブ72を閉状態にする。
【0044】
制御部80は、水供給部40による水の供給を開始させた後に、空気供給部50による前記空気の供給を開始させてもよい。ただし、上記に限定されず、例えば、制御部80は、水の供給と空気の供給とを、同時に開始させてもよい。
【0045】
(変形例)
上記では、水供給部40及び空気供給部50は、昇降部20を上昇させるために、それぞれ所定の供給量だけ水及び空気を伸縮部60に供給することとしたが、これに限定されない。例えば、制御部80は、座支持部30に作用する重さに応じて、伸縮部60に供給する水及び空気の供給量を変化させてもよい。
【0046】
例えば、リフト装置1は、座支持部30に作用する重さを検出する重さ検出部を有してもよい。重さ検出部は、座部に座っている要介護者の体重を検出できる。制御部80は、重さ検出部が検出した重さに応じて、水及び空気の供給量を制御する。例えば、制御部80は、重さ検出部が検出した重さが大きいほど、水及び空気の供給量を多くする。これにより、体重が大きい要介護者が座部に座っている場合には、水及び空気の供給を多くすることで、昇降部20の上昇時間が長くなることを抑制できる。
【0047】
<リフト装置1の使用形態>
リフト装置1の使用形態について、図6及び図7を参照しながら説明する。
図6は、リフト装置1の設置例を説明するための模式図である。図7は、リフト装置1の動作例を説明するための模式図である。なお、図6及び図7では、説明の便宜上、座部110に座っている要介護者を省略している。
【0048】
リフト装置1は、図6に示すように、浴室の浴槽100の側に設置される。リフト装置1は、車椅子の本体から分離した座部110を支持している。この状態で、介護者が、操作部70(図2)を操作することで水及び空気の供給が開始されると、前述した伸縮部60が伸びる(図3)。これにより、座部110を支持する座支持部30が固定された昇降部20が、図7に示すように上昇位置へ上昇する。
【0049】
その後、介護者は、上昇位置に位置する昇降部20を図7に示す矢印の方向に回動させる。そして、介護者が操作部70を操作して水及び空気の供給を停止すると、昇降部20が下降する。これにより、座部110が浴槽100内に位置し、要介護者は浴槽100内のお湯につかる。要介護者の入浴が終わると、昇降部20を上昇させ図6に示す状態に戻す。
【0050】
<本実施形態における効果>
上述した本実施形態のリフト装置1は、支柱部10内の水流路12を介して伸縮部60に水を供給する水供給部40と、支柱部10内の空気流路14を介して伸縮部60に空気を供給する空気供給部50とを有する。そして、リフト装置1は、昇降部20内に設けられた伸縮部60に水及び空気を供給させて、昇降部20を上昇させる。
上記の構成の場合には、昇降部20は、伸縮部60に供給された水及び空気の圧力によって伸縮部60が伸びることで、上昇位置へ上昇する。すなわち、水の圧力だけでなく、空気の圧力も利用することで、昇降部20を上昇位置へ直ぐに上昇させやすくなる。特に、座部に座る要介護者の体重が重い場合でも、昇降部20を直ぐに上昇させやすくなるので、利便性が高まる。
【0051】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0052】
1 リフト装置
10 支柱部
12 水流路
14 空気流路
20 昇降部
30 座支持部
40 水供給部
50 空気供給部
60 伸縮部
62 第1伸縮部材
64 第2伸縮部材
70 重さ検出部
80 制御部
110 座部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7