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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-18
(45)【発行日】2023-08-28
(54)【発明の名称】皮膚粘着シート
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/02 20060101AFI20230821BHJP
【FI】
A61F13/02 310J
A61F13/02 355
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022199529
(22)【出願日】2022-12-14
【審査請求日】2023-01-06
(31)【優先権主張番号】P 2022093999
(32)【優先日】2022-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520449758
【氏名又は名称】株式会社東京メディカルテープ
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】力久 裕子
【審査官】須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3217946(JP,U)
【文献】特開2010-213691(JP,A)
【文献】実開昭57-191329(JP,U)
【文献】実開昭54-157985(JP,U)
【文献】特開2008-295568(JP,A)
【文献】実開昭62-050623(JP,U)
【文献】特開2000-175960(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/00-13/02
C09J7/40
A61K9/70
A61M5/158
A61B5/257
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、前記基材の一側の面に設けられて対象物に粘着可能な粘着剤と、前記粘着剤に剥離可能に取り付けられる剥離紙とを備える皮膚粘着シートであって、
前記皮膚粘着シートは、前記剥離紙を剥がすことによって前記粘着剤が露出して前記対象物に対して粘着可能な粘着領域と、前記対象物に対して粘着しない非粘着領域とを備え、
前記非粘着領域は、前記粘着剤を介して前記基材に対して取り付けられる被覆紙によって構成され、
前記基材は、第一端辺と第二端辺とから構成される基材角部を有し、
前記被覆紙は、前記基材の前記第一端辺に沿う第一辺と、前記基材の前記第二端辺に沿う第二辺と、前記第一辺と前記第二辺とから構成されて前記基材角部に重なる被覆紙第一角部と、前記第一辺の前記被覆紙第一角部とは反対側に位置する被覆紙第二角部とを有し、
前記被覆紙第二角部は、湾曲しており、
前記被覆紙第二角部と前記基材の前記第一端辺との間には、前記粘着領域の一部である緩衝部が設けられ、
前記剥離紙を剥がすことによって前記粘着剤を露出させて、露出させた前記粘着剤を用いて前記非粘着領域を備えた状態で前記対象物への前記基材の粘着が完了し、
前記被覆紙は、前記剥離紙を剥がして前記皮膚粘着シートを前記対象物に対して貼り付ける際に、前記基材から剥がされず、
粘着が完了後に前記粘着領域の粘着力が前記非粘着領域の粘着力よりも高く、
前記非粘着領域を指でつまんで前記基材を前記対象物から剥離可能であり、
前記緩衝部は、前記対象物に貼り付けた際に前記被覆紙第二角部による前記対象物への刺激を緩衝する
ことを特徴とする皮膚粘着シート。
【請求項2】
請求項1に記載の皮膚粘着シートであって、
前記非粘着領域を備えた状態で前記対象物へ前記基材を粘着させることによって、所定の物品を前記対象物に対して固定し、
前記非粘着領域を指でつまんで前記基材を前記対象物から剥離することによって、前記所定の物品を前記対象物から取り外し可能である
ことを特徴とする皮膚粘着シート。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の皮膚粘着シートであって、
前記非粘着領域は、前記基材の外縁に沿う位置に設けられる
ことを特徴とする皮膚粘着シート。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の皮膚粘着シートであって、
前記皮膚粘着シートが長方形または短冊形状であって、
前記皮膚粘着シートの第一の長辺の中央の第一中点と第二の長辺の中央の第二中点とを結ぶ中央線を含む中央領域に前記非粘着領域がない
ことを特徴とする皮膚粘着シート。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の皮膚粘着シートであって、
前記被覆紙第二角部の曲率半径は、0.1mm以上5.0mm以下である
ことを特徴とする皮膚粘着シート。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載の皮膚粘着シートであって、
前記被覆紙の形状は、三角形状であり、
前記被覆紙は、前記第二辺の前記被覆紙第一角部とは反対側に位置する被覆紙第三角部を有し、
前記被覆紙第三角部の曲率半径は、0.1mm以上5.0mm以下であり、
前記被覆紙第三角部と前記基材の前記第二端辺との間には、前記粘着領域の一部である第2の緩衝部が設けられ、
前記第2の緩衝部は、前記対象物に貼り付けた際に前記被覆紙第三角部による前記対象物への刺激を緩衝する
ことを特徴とする皮膚粘着シート。
【請求項7】
請求項1又は請求項2に記載の皮膚粘着シートであって、
前記基材は、前記第一端辺の対辺となる第三端辺を有し、
前記被覆紙の形状は、四角形状であり、
前記被覆紙は、前記基材の前記第三端辺に沿う第三辺と、前記第三辺に連続する位置に設けられて前記被覆紙第一角部の対角に位置する被覆紙第三角部と、を有し、
前記被覆紙第三角部の曲率半径は、0.1mm以上5.0mm以下であり、
前記被覆紙第三角部と前記基材の前記第三端辺との間には、前記粘着領域の一部である第2の緩衝部が設けられ、
前記第2の緩衝部は、前記対象物に貼り付けた際に前記被覆紙第三角部による前記対象物への刺激を緩衝する
ことを特徴とする皮膚粘着シート。
【請求項8】
請求項1又は請求項2に記載の皮膚粘着シートであって、
前記被覆紙のうち前記剥離紙の辺に対向する辺は、凹部又は凸部を有する
ことを特徴とする皮膚粘着シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、人の身体に物品を固定するための皮膚粘着シート(本願明細書ではシート状及びテープ状のものを含めて「皮膚粘着シート」という)に関する。物品の種類は特に限定されないが、一例としては、人の身体に取り付け使用される医療機器、チューブ、あるいは心電図測定用の電極が挙げられる。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、心電図測定用の電極を人の皮膚上に固定するための皮膚粘着シートが知られている(特許文献1、特許文献2)。電極が皮膚から離脱すると正確な心筋細胞の電気活動の測定が困難になるため、心電図測定用の電極の固定には、強い粘着力の皮膚粘着シートが用いられてきた。
【0003】
ここで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染が全世界に広まっている。そのため、医療現場では、厳密な感染症対策が取られるようになり、これまで手袋を着用せずに行われていた医療行為でも、手袋を着用しながら行うようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平7-136143号公報
【文献】特開平10-272110号公報
【非特許文献】
【0005】
【文献】Bryan Laulicht,Robert Langer,and Jeffrey M. Karp,“Quick-release medical tape”,PNAS,vol. 109,No. 46,18803-18808 (2012)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、手袋を外さずに行う作業が増えた結果、これまでにない新しい問題として、手袋を着用したままで、皮膚に貼り付けた皮膚粘着シートを取り剥がす際に、皮膚粘着シートの粘着面が手袋に触れて、皮膚粘着シートが手袋に付くという問題が生じている。さらに、張り付いた皮膚粘着シートから、その手袋を外そうとするときに、その手袋が破れて、医療従事者を感染症から守ることができなくなるという問題が生じている。特に、皮膚粘着シートを皮膚に貼り付けることを完了して、皮膚粘着シートを利用後に、皮膚から皮膚粘着シートを剥がすときに、皮膚粘着シートが手袋につくという問題が生じている。
【0007】
そこで、本願発明では、手袋を着用したままで、粘着面に触れることなく、皮膚や医療機器から剥がせる皮膚粘着シートを提供することを目的とする。特に、皮膚粘着シートを皮膚に貼り付けることを完了して、皮膚粘着シートを利用後に、皮膚から皮膚粘着シートを剥がすときに、手袋を着用したままで、粘着面に触れることなく、皮膚や医療機器から剥がせる皮膚粘着シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、基材と、前記基材の一側の面に設けられて対象物に粘着可能な粘着剤と、前記粘着剤に剥離可能に取り付けられる剥離紙とを備える皮膚粘着シートであって、前記皮膚粘着シートは、前記剥離紙を剥がすことによって前記粘着剤が露出して前記対象物に対して粘着可能な粘着領域と、前記対象物に対して粘着しない非粘着領域とを備え、前記剥離紙を剥がすことによって前記粘着剤を露出させて、露出させた前記粘着剤を用いて前記非粘着領域を備えた状態で前記対象物への前記基材の粘着が完了し、粘着が完了後に前記粘着領域の粘着力が前記非粘着領域の粘着力よりも高く、前記非粘着領域を指でつまんで前記基材を前記対象物から剥離可能である。
【0009】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様の皮膚粘着シートであって、前記非粘着領域を備えた状態で前記対象物へ前記基材を粘着させることによって、所定の物品を前記対象物に対して固定し、前記非粘着領域を指でつまんで前記基材を前記対象物から剥離することによって、前記所定の物品を前記対象物から取り外し可能である。
【0010】
本発明の第3の態様は、上記第1の態様又は上記第2の態様の皮膚粘着シートであって、前記非粘着領域は、前記基材の外縁に沿う位置に設けられる。
【0011】
本発明の第4の態様は、上記第1の態様又は上記第2の態様の皮膚粘着シートであって、前記非粘着領域は、前記粘着剤を介して前記基材に対して取り付けられる被覆紙によって構成され、前記被覆紙は、前記剥離紙を剥がして前記皮膚粘着シートを前記対象物に対して貼り付ける際に、前記基材から剥がされない。
【0012】
本発明の第5の態様は、上記第1の態様又は上記第2の態様の皮膚粘着シートであって、前記皮膚粘着シートが長方形、該長方形、短冊形状または該短冊形状であって、前記皮膚粘着シートの第一の長辺の中央の第一中点と第二の長辺の中央の第二中点とを結ぶ中央線を含む中央領域に前記非粘着領域がない。
【0013】
本発明の第6の態様は、上記第1の態様又は上記第2の態様の皮膚粘着シートであって、前記皮膚粘着シートが楕円、または該楕円であって、前記皮膚粘着シートの短軸を含む中央領域に前記非粘着領域がない。
【0014】
本発明の第7の態様は、上記第4の態様の皮膚粘着シートであって、前記基材は、第一端辺と第二端辺とから構成される基材角部を有し、前記被覆紙は、前記基材の前記第一端辺に沿う第一辺と、前記基材の前記第二端辺に沿う第二辺と、前記第一辺と前記第二辺とから構成されて前記基材角部に重なる被覆第一紙角部と、前記第一辺の前記被覆紙第一角部とは反対側に位置する被覆紙第二角部とを有し、前記被覆紙第二角部と前記基材の前記第一端辺との間には、前記粘着領域の一部である緩衝部が設けられ、前記緩衝部は、対象物に貼り付けた際に前記被覆紙第二角部による前記対象物への刺激を緩衝する。
【0015】
本発明の第8の態様は、上記第7の態様の皮膚粘着シートであって、前記被覆紙第二角部は、湾曲している。
【0016】
本発明の第9の態様は、上記第8の態様の皮膚粘着シートであって、前記被覆紙第二角部の曲率半径は、0.1mm以上5.0mm以下である。
【0017】
本発明の第10の態様は、上記第7の態様の皮膚粘着シートであって、前記被覆紙の形状は、三角形状であり、前記被覆紙は、前記第二辺の前記被覆紙第一角部とは反対側に位置する被覆紙第三角部を有し、前記被覆紙第三角部の曲率半径は、0.1mm以上5.0mm以下であり、前記被覆紙第三角部と前記基材の前記第二端辺との間には、前記粘着領域の一部である第2の緩衝部が設けられ、前記第2の緩衝部は、前記対象物に貼り付けた際に前記被覆紙第三角部による前記対象物への刺激を緩衝する。
【0018】
本発明の第11の態様は、上記第7の態様の皮膚粘着シートであって、前記基材は、前記第一端辺の対辺となる第三端辺を有し、前記被覆紙の形状は、四角形状であり、前記被覆紙は、前記基材の前記第三端辺に沿う第三辺と、前記第三辺に連続する位置に設けられて前記被覆紙第一角部の対角に位置する被覆紙第三角部と、を有し、前記被覆紙第三角部の曲率半径は、0.1mm以上5.0mm以下であり、前記被覆紙第三角部と前記基材の前記第三端辺との間には、前記粘着領域の一部である第2の緩衝部が設けられ、前記第2の緩衝部は、前記対象物に貼り付けた際に前記被覆紙第三角部による前記対象物への刺激を緩衝する。
【0019】
本発明の第12の態様は、上記第7の態様の皮膚粘着シートであって、前記被覆紙のうち前記剥離紙の辺に対向する辺は、凹部又は凸部を有する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、手袋を着用したままで、粘着面に触れることなく、皮膚や医療機器から剥がせる皮膚粘着シートが提供される。特に、皮膚粘着シートを皮膚に貼り付けることを完了して、皮膚粘着シートを利用後に、皮膚から皮膚粘着シートを剥がすときに、手袋を着用したままで、粘着面に触れることなく、皮膚や医療機器から剥がせる皮膚粘着シートが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1実施形態に係る皮膚粘着シートの構成を示す図であって、(a)が皮膚粘着シート全体を剥離紙側から見た時の上面図、(b)の左が基材及び被覆紙の上面図、(b)の右が剥離紙の上面図、(c)が(a)のIc-Ic矢視断面図である。
図2】皮膚粘着シートを対象物に貼り付けた状態を示す説明図であって、(a)は上方から視た状態を、(b)は(a)のIIb-IIb矢視断面をそれぞれ示す。
図3】本発明の第2実施形態に係る皮膚粘着シートの構成を示す図であって、(a)が皮膚粘着シート全体を剥離紙側から見た時の上面図、(b)の左が基材及び被覆紙の上面図、(b)の右が剥離紙の上面図、(c)が(a)のIIc-IIc矢視断面図である。
図4】本発明の第3実施形態に係る皮膚粘着シートの構成を示す図であって、(a)が皮膚粘着シート全体を剥離紙側から見た時の上面図、(b)の左が基材及び被覆紙の上面図、(b)の右が剥離紙の上面図、(c)が(a)のIIIc-IIIc矢視断面図である。
図5】本発明の第4実施形態に係る皮膚粘着シートの構成を示す図であって、(a)が皮膚粘着シート全体を剥離紙側から見た時の上面図、(b)の左が基材及び被覆紙の上面図、(b)の右が剥離紙の上面図、(c)が(a)のVc-Vc矢視断面図である。
図6図5の皮膚粘着シートを対象物に貼り付けた状態を示す説明図であって、(a)は上方から視た状態を、(b)は(a)のVIb-VIb矢視断面をそれぞれ示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本実施形態に係る皮膚粘着シートの構成と動作について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0023】
本開示に係る皮膚粘着シートは、例えば、患者等の皮膚にカテーテルの針刺部やチューブを固定するための皮膚粘着シートに適用される。
【0024】
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1は、本発明の第1実施形態に係る皮膚粘着シートの構成を示す図であって、(a)が皮膚粘着シート全体を剥離紙側から見た時の上面図、(b)の左が基材及び被覆紙の上面図、(b)の右が剥離紙の上面図、(c)が(a)のIc-Ic矢視断面図である。図2は、皮膚粘着シートを対象物に貼り付けた状態を示す説明図であって、(a)は上方から視た状態を、(b)は(a)のIIb-IIb矢視断面をそれぞれ示す。図1の被覆紙131は三角形または該三角形である。なお、該三角形とは、いずれかの角部が丸みを帯びており、角部につながる辺を延長した交点や丸みを帯びていない角部を線で結ぶと三角形が構成される図形である。例えば、丸みを持つ角部とは曲率が0.1mm以上の角部である。
【0026】
図1及び図2に示すように、本発明の第1実施形態に係る皮膚粘着シート1は、基材11と、基材11の一側(図1(c)における上側)の面に設けられて対象物Aに粘着可能な粘着剤12と、粘着剤12に剥離可能に取り付けられる剥離紙132とを備える。図1(b)及び図2に示すように、皮膚粘着シート1は、剥離紙132を剥がすことによって粘着剤12が露出して対象物A(例えば患者等の皮膚)に対して粘着可能な粘着領域171と、対象物Aに対して粘着しない非粘着領域172とを有する。なお、図2は、皮膚粘着シート1を使用してチューブ(所定の物品)Tを対象物Aである皮膚に対して固定した状態を図示している。
【0027】
皮膚粘着シート1は、図1(c)の断面図に示すように、基材11の上に粘着剤12を配設して、その粘着剤12の上に被覆紙131と剥離紙132を配設して構成される。
【0028】
一般に、作業者は、皮膚粘着シート1の利用直前に基材11から剥離紙132を剥離する。すなわち、作業者は、剥離紙132を基材11から剥がして、表面に粘着剤12を露出させて、その露出した粘着剤12を用いて、対象物Aである皮膚に基材11を貼り付ける。
【0029】
ここで、皮膚粘着シート1は、皮膚粘着シート1の利用中も基材11から剥がさない被覆紙131を備える。なお、剥離紙132は、皮膚粘着シート1の利用前に基材11から剥がす。
【0030】
すなわち、本実施形態の非粘着領域172は、粘着剤12を介して基材11に対して取り付けられる被覆紙131によって構成される。被覆紙131は、粘着剤12を被覆する紙であって、剥離紙132を剥がして皮膚粘着シート1を対象物Aに対して貼り付ける際にも、基材11から剥がされない。なお、被覆紙131は、剥離紙132と異なる材質の紙で形成してもよいし、或いは、剥離紙132と同じ紙から形成してもよい。例えば、1枚の剥離紙を、基材11に対して粘着剤12を介して取り付けた後、上記1枚の剥離紙を所定の位置で切断することによって、被覆紙131と剥離紙132とを同じ紙から形成してもよい。
【0031】
皮膚粘着シート1の基材11において、この被覆紙131のある部分では、皮膚粘着シート1の利用中に粘着剤12が表面に露出しない。そのため、被覆紙131のある非粘着領域172を、手袋をはめた指でつまんでも、手袋に皮膚粘着シート1が誤着することはない。また、剥離紙132は、皮膚粘着シートの利用前に基材11から剥離されるので、その部分(粘着領域171)では、粘着剤12が露出している。そのため、その露出した粘着剤12を用いて皮膚粘着シート1を皮膚に貼り付けることができる。
【0032】
上記のため、皮膚粘着シート1を用いると、被覆紙131のある非粘着領域172をつまむことで、皮膚粘着シート1の手袋への誤着を避けながら、皮膚粘着シート1を皮膚から剥がすことができる。すなわち、皮膚粘着シート1は、剥離紙132を剥がすことによって粘着剤12を露出させて、露出させた粘着剤12を用いて非粘着領域172を備えた状態で対象物への基材11の粘着が完了し、非粘着領域172を指でつまんで基材11を対象物から剥離可能である。また、図2(a)に示すように、皮膚粘着シート1は、非粘着領域172を備えた状態で対象物Aへ基材11を粘着させることによって、所定の物品T(例えばチューブ)を対象物Aに対して固定し、非粘着領域172を指でつまんで基材11を対象物Aから剥離することによって、上記所定の物品Tを対象物Aから取り外し可能である。なお、粘着領域171から剥離紙132を剥がして、対象物への基材11の粘着が完了してから、非粘着領域172を指でつまんで基材11を対象物から剥離するまでの間、非粘着領域172に被覆紙131がついており、その部分(非粘着領域172)では、粘着剤12が露出しない。
【0033】
図1(a)の上面図に示すように、皮膚粘着シート1の全体形状は、四つの角部を備えた短冊形状である。四つの角部は、それぞれ第一角部141、第二角部142、第三角部143および第四角部144である。また、基材11は、それぞれの角部につながる四辺を備えており、それぞれ第一端辺151、第二端辺152、第三端辺153および第四端辺154である。基材11は、第一端辺151と第二端辺152とから構成される基材角部111を有する。
【0034】
図1(b)の上面図に示すように、被覆紙131は、直角三角形もしくは該直角三角形であって三辺を備えており、それぞれ第一辺1311、第二辺1312および第三辺1313である。該直角とは、第一辺1311と第二辺1312との角部(以下、「被覆紙第一角部」という。)1314の曲率が0.1mm以上であって、その被覆紙第一角部1314につながる2辺(第一辺1311及び第二辺1312)を直線として延長した場合に、それらの交点が直角となる角部のことである。
【0035】
皮膚粘着シート1では、皮膚粘着シート1の第一角部141で、基材11の一つの直角部もしくは該直角部である基材角部111と被覆紙131の一つの直角部もしくは該直角部である被覆紙第一角部1314とが、重なるように配置される。その結果、基材11の第一端辺151と被覆紙131の第一辺1311が面する(重なる)ように配置される。すなわち、本実施形態の非粘着領域172は、基材11の外縁(第一端辺151及び第二端辺152)に沿う位置に設けられる。
【0036】
被覆紙131は、第一辺1311と第二辺1312とから構成されて基材角部111に重なる被覆紙第一角部1314と、第一辺1311の被覆紙第一角部1314とは反対側に位置する被覆紙第二角部1315と、第二辺1312の被覆紙第一角部1314とは反対側に位置する被覆紙第三角部1316とを有する。被覆紙131の第一辺1311は、基材11の第一端辺151に沿うように配置され、被覆紙131の第二辺1312は、基材11の第二端辺152に沿うように配置される。本実施形態の被覆紙第二角部1315及び被覆紙第三角部1316は、湾曲している。
【0037】
皮膚粘着シート1では、基材11の第一端辺151と被覆紙131の被覆紙第二角部1315との間には、粘着領域171の一部である第一緩衝領域(緩衝部)161が配設される(図2(b)参照)。例えば、基材11の第一端辺151に対して被覆紙131の被覆紙第二角部1315を一定の角度を保って配設したり、直線状の第一端辺151に対して曲線状の被覆紙第二角部1315を配設したりすることで、第一緩衝領域161が構成される。結果として、この第一緩衝領域161は、基材11と粘着剤12のみで構成され、被覆紙131は配置されない。第一緩衝領域161は、皮膚粘着シート1を対象物Aである皮膚に貼り付けたときに、被覆紙第二角部1315を基材11の外部(基材11の第一端辺151よりも外側)へ露出させない(図2(b)参照)。第一緩衝領域161は、皮膚粘着シート1を対象物Aである皮膚に貼り付けたときに、被覆紙131の被覆紙第二角部1315と皮膚(皮膚粘着シート1の縁に隣接する皮膚)の間に配置される(図2(b)参照)。そのため、第一緩衝領域161は、被覆紙131の被覆紙第二角部1315が皮膚に当たったり、皮膚と擦れたりすることを抑制できる。結果として、第一緩衝領域161は、皮膚粘着シート1を対象物Aである皮膚に貼り付けた際に被覆紙第二角部1315による対象物Aへの刺激を緩衝する。
【0038】
また、本実施形態では、基材11の第二端辺152と被覆紙131の被覆紙第三角部1316との間にも、上記と同様に、粘着領域171の一部である第二緩衝領域(第2の緩衝部)162が配設される(図2(b)参照)。例えば、基材11の第二端辺152に対して被覆紙131の被覆紙第三角部1316を一定の角度を保って配設したり、直線状の第二端辺152に対して曲線状の被覆紙第三角部1316を配設したりすることで、第二緩衝領域162が構成される。結果として、この第二緩衝領域162は、基材11と粘着剤12のみで構成され、被覆紙131は配置されない。第二緩衝領域162は、皮膚粘着シート1を対象物Aである皮膚に貼り付けたときに、被覆紙第三角部1316を基材11の外部(基材11の第二端辺152よりも外側)へ露出させない(図2(b)参照)。第二緩衝領域162は、皮膚粘着シート1を対象物Aである皮膚に貼り付けたときに、被覆紙131の被覆紙第三角部1316と皮膚(皮膚粘着シート1の縁に隣接する皮膚)の間に配置される(図2(b)参照)。そのため、第二緩衝領域162は、被覆紙131の被覆紙第三角部1316が皮膚に当たったり、皮膚と擦れたりすることを抑制できる。結果として、第二緩衝領域162は、皮膚粘着シート1を対象物Aである皮膚に貼り付けた際に被覆紙第三角部1316による対象物Aへの刺激を緩衝する。
【0039】
被覆紙131の第一辺1311がつながる角部であって、第一緩衝領域161に面する被覆紙第二角部1315の曲率半径は、曲率半径は0.1mm以上5.0mm以下であることが望ましい。さらに望ましくは0.5mm以上5.0mm以下であることが望ましい。同様に、被覆紙131の第二辺1312がつながる角部であって、第二緩衝領域162に面する被覆紙第三角部1316の曲率半径は、曲率半径は0.1mm以上5.0mm以下であることが望ましい。さらに望ましくは0.5mm以上5.0mm以下であることが望ましい。ただし、被覆紙第二角部1315及び被覆紙第三角部1316の曲率半径が大きくなると、それにともなって、被覆紙131が大きくなるので、非粘着領域172の面積が大きくなる。結果として、粘着領域171の面積は小さくなる。粘着領域171の面積を適切に維持するために、被覆紙第二角部1315及び被覆紙第三角部1316の曲率半径は5.0mm以下が望ましい。
【0040】
なお、本実施形態では、被覆紙131の被覆紙第二角部1315及び被覆紙第三角部1316を湾曲させたが、これに限定されるものではなく、直線状の角部であってもよい。例えば、被覆紙131の被覆紙第二角部1315は、被覆紙131の第一辺1311と第三辺1313とを直線状に延ばした場合に生じる角を直線状に切り欠いた被覆紙第二角部1315であってもよいし、また、被覆紙131の被覆紙第三角部1316は、被覆紙131の第二辺1312と第三辺1313とを直線状に延ばした場合に生じる角を直線状に切り欠いた被覆紙第三角部1316であってもよい。すなわち、角部とは、角を意味するものではなく、被覆紙131の形状の角に相当する箇所に位置する部分を意味する。
【0041】
図1に示すように、皮膚粘着シート1には、上記の被覆紙131の他に、利用直前に皮膚粘着シート1から剥がす剥離紙132を備えていることが望ましい。この剥離紙132を用いることで、皮膚粘着シート1の利用前に、粘着剤12を保護できるためである。
【0042】
図1(a)及び図1(b)に示すように、剥離紙132は、基材11の第一端辺151、第二端辺152、第三端辺153、及び第四端辺154に沿う第一辺1321、第二辺1322、第三辺1323、及び第四辺1324に加えて、被覆紙131の被覆紙第二角部1315に隣接する第五辺1325と、被覆紙131の被覆紙第三角部1316に隣接する第六辺1326と、被覆紙131の第三辺1313に隣接する第七辺1327とを有する。剥離紙132の第一辺1321と第五辺1325とによって形成される角部1328の角度は、鋭角であってもよい。また、剥離紙132の第二辺1322と第六辺1326とによって形成される角部1329の角度は、鋭角であることが好ましい。ここで、皮膚粘着シート1が皮膚に貼り付けられる前に剥離紙132は剥がされるので、剥離紙132の尖った角部1328,1329は除かれる。結果として、被覆紙131の尖っていない被覆紙第二角部1315及び被覆紙第三角部1316が残り、尖った角部が皮膚に当たったり、皮膚と擦れたりする皮膚への刺激を抑えることができる。
【0043】
図2に示すように、チューブ(所定の物品)Tを対象物Aである皮膚に対して固定するさいには、皮膚粘着シート1の長辺の中央付近を利用する。すなわち、図1(a)に示すように、皮膚粘着シート1の第一の長辺183の中央の第一中点1831と第二の長辺184の中央の第二中点1841とを結ぶ中央線181を含む中央領域182(図1(a)に示す二点鎖線間の領域)を粘着領域171として利用する。そのため、この中央領域182に非粘着領域172がないことが望ましい。非粘着領域172のない中央領域182の面積は、チューブ(所定の物品)Tを皮膚粘着シート1に固定するために、皮膚粘着シート1全体の面積の10分の1以上が望ましい。さらに望ましくは、チューブ(所定の物品)Tが固定された皮膚粘着シート1を対象物Aである皮膚に対して固定するために、10分の8以上が望ましい。
【0044】
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の皮膚粘着シート2は、剥離紙132及び被覆紙231の互いに向かい合う辺を、凹凸のある波形状にしている点で第1実施形態と相違する。なお、以下の説明では、第1実施形態と同様の構成についてはその詳細な説明を省略する。
【0045】
図3は、本発明の第2実施形態に係る皮膚粘着シートの構成を示す図であって、(a)が皮膚粘着シート全体を剥離紙側から見た時の上面図、(b)の左が基材及び被覆紙の上面図、(b)の右が剥離紙の上面図、(c)が(a)のIIc-IIc矢視断面図である。図2の被覆紙と剥離紙の向かい合う辺は、凹凸のある波形状となっている。
【0046】
図3に示すように、本発明の第2実施形態に係る皮膚粘着シート2は、基材21と粘着剤22と被覆紙231と剥離紙232とを備える。図3(b)に示すように、皮膚粘着シート2は、剥離紙232を剥がすことによって粘着剤22が露出して対象物(例えば患者等の皮膚)に対して粘着可能な粘着領域271と、対象物に対して粘着しない非粘着領域272とを有する。
【0047】
本実施形態に係る皮膚粘着シート2は、図3(c)の断面図に示すように、基材21の上に粘着剤22を配設して、その粘着剤22の上に被覆紙231と剥離紙232を配設して構成される。
【0048】
本実施形態の非粘着領域272は、粘着剤22を介して基材21に対して取り付けられる被覆紙231によって構成される。被覆紙231は、粘着剤22を被覆する紙であって、剥離紙232を剥がして皮膚粘着シート2を対象物に対して貼り付ける際にも、基材21から剥がされない。
【0049】
図3(a)の上面図に示すように、皮膚粘着シート2の全体形状は、四つの角部を備えた短冊形状である。四つの角部は、それぞれ第一角部241、第二角部242、第三角部243および第四角部244である。また、基材21は、それぞれの角部につながる四辺を備えており、それぞれ第一端辺251、第二端辺252、第三端辺253および第四端辺254である。基材21は、第一端辺251と第二端辺252とから構成される基材角部211を有する。
【0050】
また、図3(b)の上面図に示すように、被覆紙231は、直角三角形もしくは該直角三角形であって三辺を備えており、それぞれ第一辺2311、第二辺2312および第三辺2313である。該直角とは、第一辺2311と第二辺2312との角部(以下、「被覆紙第一角部」という。)2314の曲率が0.1mm以上であって、その被覆紙第一角部2314につながる2辺(第一辺2311及び第二辺2312)を直線として延長した場合に、それらの交点が直角となる角部のことである。
【0051】
皮膚粘着シート2では、皮膚粘着シート2の第一角部241で、基材21の基材角部211と被覆紙231の被覆紙第一角部2314とが、重なるように配置される。その結果、基材21の第一端辺251と被覆紙231の第一辺2311が面する(重なる)ように配置される。すなわち、本実施形態の非粘着領域272は、基材21の外縁(第一端辺251及び第二端辺252)に沿う位置に設けられる。
【0052】
被覆紙231は、第一辺2311と第二辺2312とから構成されて基材角部211に重なる被覆紙第一角部2314と、第一辺2311の被覆紙第一角部2314とは反対側に位置する被覆紙第二角部2315と、第二辺2312の被覆紙第一角部2314とは反対側に位置する被覆紙第三角部2316とを有する。被覆紙231の第一辺2311は、基材21の第一端辺251に沿うように配置され、被覆紙231の第二辺2312は、基材21の第二端辺252に沿うように配置される。本実施形態の被覆紙第二角部2315及び被覆紙第三角部2316は、湾曲している。
【0053】
皮膚粘着シート2では、基材21の第一端辺251と被覆紙231の被覆紙第二角部2315との間には、粘着領域271の一部である第一緩衝領域(緩衝部)261が配設される。第一緩衝領域261は、皮膚粘着シート2を対象物である皮膚に貼り付けたときに、被覆紙第二角部2315を基材21の外部(基材21の第一端辺251よりも外側)へ露出させない。これにより、第一緩衝領域261は、被覆紙231の被覆紙第二角部2315が皮膚に当たったり、皮膚と擦れたりすることを抑制できる。結果として、第一緩衝領域261は、皮膚粘着シート2を対象物である皮膚に貼り付けた際に被覆紙第二角部2315による対象物への刺激を緩衝する。
【0054】
また、基材21の第二端辺252と被覆紙231の被覆紙第三角部2316との間にも、上記と同様に第二緩衝領域(第2の緩衝部)262が配設される。第二緩衝領域262は、皮膚粘着シート2を対象物である皮膚に貼り付けたときに、被覆紙第三角部2316を基材21の外部(基材21の第二端辺252よりも外側)へ露出させない。これにより、第二緩衝領域262は、被覆紙231の被覆紙第三角部2316が皮膚に当たったり、皮膚と擦れたりすることを抑制できる。結果として、第二緩衝領域262は、皮膚粘着シート2を対象物である皮膚に貼り付けた際に被覆紙第三角部2316による対象物への刺激を緩衝する。
【0055】
図3に示すように、皮膚粘着シート2には、上記の被覆紙231の他に、利用直前に皮膚粘着シート2から剥がす剥離紙232を備えていることが望ましい。この剥離紙232を用いることで、皮膚粘着シート2の利用前に、粘着剤22を保護できるためである。
【0056】
図3(a)及び図3(b)に示すように、剥離紙232は、基材21の第一端辺251、第二端辺252、第三端辺253、及び第四端辺254に沿う第一辺2321、第二辺2322、第三辺2323、及び第四辺2324に加えて、被覆紙231の被覆紙第二角部2315に隣接する第五辺2325と、被覆紙231の被覆紙第三角部2316に隣接する第六辺2326と、被覆紙231の第三辺2313に隣接する第七辺2327とを有する。剥離紙232の第一辺2321と第五辺2325とによって形成される角部2328の角度は、鋭角であってもよい。また、剥離紙232の第二辺2322と第六辺2326とによって形成される角部2329の角度は、鋭角であってもよい。なぜなら、皮膚粘着シート1が皮膚に貼り付けられる前に剥離紙232は剥がされるので、剥離紙232の尖った角部2328,2329は除かれるためである。結果として、被覆紙231の尖っていない被覆紙第二角部2315及び被覆紙第三角部2316が残り、尖った角部が皮膚に当たったり、皮膚と擦れたりする皮膚への刺激を抑えることができる。
【0057】
本実施形態の皮膚粘着シート2は、図3に示すように、被覆紙231の第三辺2313に凹部2317があることが望ましい。すると、被覆紙231の第三辺2313に隣接する剥離紙232の第七辺2327に凸部2330を設けることができる。剥離紙232に凸部2330がある状態で、被覆紙231と剥離紙232の間の部分で皮膚粘着シート2を折り曲げると、剥離紙232の凸部2330が皮膚粘着シート2から剥がれる。その凸部2330を指でつまんで剥離紙232を皮膚粘着シート2から剥がすことができる。同様にして、剥離紙232をつまむことができるように、被覆紙231の第三辺2313に凸部、剥離紙232の第七辺2327に凹部を設けても良い。
【0058】
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の皮膚粘着シート3は、剥離紙332及び被覆紙331の形状が第1実施形態と相違する。なお、以下の説明では、第1実施形態と同様の構成についてはその詳細な説明を省略する。
【0059】
図4は、本発明の第3実施形態に係る皮膚粘着シートの構成を示す図であって、(a)が皮膚粘着シート全体を剥離紙側から見た時の上面図、(b)の左が基材及び被覆紙の上面図、(b)の右が剥離紙の上面図、(c)が(a)のIIIc-IIIc矢視断面図である。図4の被覆紙は四角形または該四角形である。該四角形とは、いずれかの角部が丸みを帯びており、角部につながる辺を延長した交点や丸みを帯びていない角部を線で結ぶと四角形が構成される図形である。例えば、丸みを持つ角部とは曲率が0.1mm以上の角部である。
【0060】
図4に示すように、本発明の第3実施形態に係る皮膚粘着シート3は、基材31と粘着剤32と被覆紙331と剥離紙332とを備える。図4(b)に示すように、皮膚粘着シート3は、剥離紙332を剥がすことによって粘着剤32が露出して対象物(例えば患者等の皮膚)に対して粘着可能な粘着領域371と、対象物に対して粘着しない非粘着領域372とを有する。
【0061】
本実施形態に係る皮膚粘着シート3は、図4(c)の断面図に示すように、基材31の上に粘着剤32を配設して、その粘着剤32の上に被覆紙331と剥離紙332を配設して構成される。
【0062】
本実施形態の非粘着領域372は、粘着剤32を介して基材31に対して取り付けられる被覆紙331によって構成される。被覆紙331は、粘着剤32を被覆する紙であって、剥離紙332を剥がして皮膚粘着シート3を対象物に対して貼り付ける際にも、基材31から剥がされない。
【0063】
図4(a)の上面図に示すように、皮膚粘着シート3の全体形状は、四つの角部を備えた短冊形状である。四つの角部は、それぞれ第一角部341、第二角部342、第三角部343および第四角部344である。また、基材31は、それぞれの角部につながる四辺を備えており、それぞれ第一端辺351、第二端辺352、第三端辺353および第四端辺354である。第一端辺351と第三端辺353とは対辺となっており、第二端辺352と第四端辺354とは対辺となっている。基材31は、第一端辺351と第二端辺352とから構成される基材角部311を有する。
【0064】
図4(b)の上面図に示すように、本実施形態の被覆紙331は、四角形状であって四辺を備えており、それぞれ第一辺3311、第二辺3312、第三辺3313および第四辺3314である。
【0065】
皮膚粘着シート3では、皮膚粘着シート3の第一角部341で、基材31の基材角部311と被覆紙331の被覆紙第一角部3315(第一辺3311と第二辺3312とから構成される角部)とが、重なるように配置される。その結果、基材31の第一端辺351と被覆紙331の第一辺3311が面する(重なる)ように配置される。また、皮膚粘着シート3の第二角部342で、基材31の角部312と被覆紙331の角部3316(第二辺3312と第三辺3313とから構成される角部)とが、重なるように配置される。すなわち、本実施形態の非粘着領域372は、基材31の外縁(第一端辺351、第二端辺352及び第三端辺353)に沿う位置に設けられる。被覆紙331の第四辺3314は、剥離紙332の第一辺3321に隣接する。
【0066】
被覆紙331は、上記被覆紙第一角部3315及び角部3316に加えて、第一辺3311の被覆紙第一角部3315とは反対側に位置する被覆紙第二角部3317と、第三辺3313の上記角部3316とは反対側に位置する被覆紙第三角部1318とを有する。すなわち、被覆紙第三角部1318は、第三辺3313に連続する位置に設けられて被覆紙第一角部3315の対角に位置する。被覆紙331の第一辺3311は、基材31の第一端辺351に沿うように配置され、被覆紙331の第二辺3312は、基材31の第二端辺352に沿うように配置され、被覆紙331の第三辺3313は、基材31の第三端辺353に沿うように配置される。本実施形態の被覆紙第二角部3317及び被覆紙第三角部3318は、湾曲している。
【0067】
皮膚粘着シート3では、基材31の第一端辺351と被覆紙331の被覆紙第二角部3317との間には、粘着領域371の一部である第一緩衝領域(緩衝部)361が配設される。第一緩衝領域361は、皮膚粘着シート3を対象物である皮膚に貼り付けたときに、被覆紙第二角部3317を基材31の外部(基材31の第一端辺351よりも外側)へ露出させない。これにより、第一緩衝領域361は、被覆紙331の被覆紙第二角部3317が皮膚に当たったり、皮膚と擦れたりすることを抑制できる。結果として、第一緩衝領域361は、皮膚粘着シート3を対象物である皮膚に貼り付けた際に被覆紙第二角部3317による対象物への刺激を緩衝する。
【0068】
また、基材31の第三端辺353と被覆紙331の被覆紙第三角部3318との間にも、上記と同様に第二緩衝領域(第2の緩衝部)362が配設される。第二緩衝領域362は、皮膚粘着シート3を対象物である皮膚に貼り付けたときに、被覆紙第三角部3318を基材31の外部(基材31の第三端辺353よりも外側)へ露出させない。これにより、第二緩衝領域362は、被覆紙331の被覆紙第三角部3318が皮膚に当たったり、皮膚と擦れたりすることを抑制できる。結果として、第二緩衝領域362は、皮膚粘着シート3を対象物である皮膚に貼り付けた際に被覆紙第三角部3318による対象物への刺激を緩衝する。
【0069】
被覆紙331のうち緩衝領域361に面する被覆紙第二角部3317の曲率半径は、0.1mm以上5.0mm以下であることが望ましい。さらに望ましくは0.5mm以上5.0mm以下であることが望ましい。同様に、被覆紙331のうち緩衝領域362に面する被覆紙第三角部3318の曲率半径は、0.1mm以上5.0mm以下であることが望ましい。さらに望ましくは0.5mm以上5.0mm以下であることが望ましい。ただし、被覆紙第二角部3317及び被覆紙第三角部3318の曲率半径が大きくなると、それにともなって、被覆紙331が大きくなるので、非粘着領域372の面積が大きくなる。結果として、粘着領域371の面積は小さくなる。粘着領域371の面積を適切に維持するために、被覆紙第二角部3317及び被覆紙第三角部3318の曲率半径は5mm以下であることが望ましい。十分な粘着力を得るために、粘着領域の371の面積に比較した非粘着領域372は、3分の1以下にすることが望ましい。さらに望ましくは、10分の1以下にすることが望ましい。
【0070】
次に、本発明の第4実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の皮膚粘着シート4は、その形状が第1実施形態と相違する。なお、以下の説明では、第1実施形態と同様の構成についてはその詳細な説明を省略する。
【0071】
図5は、本発明の第4実施形態に係る皮膚粘着シートの構成を示す図であって、(a)が皮膚粘着シート全体を剥離紙側から見た時の上面図、(b)の左が基材及び被覆紙の上面図、(b)の右が剥離紙の上面図、(c)が(a)のVc-Vc矢視断面図である。図6は、図5の皮膚粘着シートを対象物に貼り付けた状態を示す説明図であって、(a)は上方から視た状態を、(b)は(a)のVIb-VIb矢視断面をそれぞれ示す。
【0072】
図5に示すように、本発明の第4実施形態に係る皮膚粘着シート4は、楕円状の基材41と粘着剤42と楕円状の被覆紙431と剥離紙432とを備える。
【0073】
図5(b)に示すように、皮膚粘着シート4は、剥離紙432を剥がすことによって粘着剤42が露出して対象物(例えば患者等の皮膚)に対して粘着可能な粘着領域471と、対象物に対して粘着しない非粘着領域472とを有する。
【0074】
本実施形態に係る皮膚粘着シート4は、図5(c)の断面図に示すように、基材41の上に粘着剤42を配設して、その粘着剤42の上に被覆紙431と剥離紙432を配設して構成される。
【0075】
図5(a)及び図6に示すように、皮膚粘着シート4では、基材41の周縁451と被覆紙431の周縁4311のうち長軸方向の一側に位置する領域との間には、粘着領域471の一部である第一緩衝領域(緩衝部)461が配設される。第一緩衝領域461は、皮膚粘着シート4を対象物Aである皮膚に貼り付けたときに、被覆紙431の周縁4311のうち長軸方向の一側に位置する領域を基材41の外部(基材41の周縁451よりも外側)へ露出させない。これにより、第一緩衝領域461は、被覆紙431の周縁4311のうち長軸方向の一側に位置する領域が皮膚に当たったり、皮膚と擦れたりすることを抑制できる。結果として、第一緩衝領域461は、皮膚粘着シート4を対象物Aである皮膚に貼り付けた際に被覆紙431の周縁4311のうち長軸方向の一側に位置する領域による対象物Aへの刺激を緩衝する。
【0076】
また、基材41の周縁451と被覆紙431の周縁4311のうち長軸方向の他側に位置する領域との間にも、上記と同様に第二緩衝領域462が配設される。第二緩衝領域462は、皮膚粘着シート4を対象物Aである皮膚に貼り付けたときに、被覆紙431の周縁4311のうち長軸方向の他側に位置する領域を基材41の外部(基材41の周縁451よりも外側)へ露出させない。これにより、第二緩衝領域462は、被覆紙431の周縁4311のうち長軸方向の他側に位置する領域が皮膚に当たったり、皮膚と擦れたりすることを抑制できる。結果として、第二緩衝領域462は、皮膚粘着シート4を対象物Aである皮膚に貼り付けた際に被覆紙431の周縁4311のうち長軸方向の他側に位置する領域による対象物Aへの刺激を緩衝する。
【0077】
図6(a)に示すように、皮膚粘着シート4は、非粘着領域472を備えた状態で対象物Aへ基材41を粘着させることによって、所定の物品T(例えばチューブ)を対象物Aに対して固定し、非粘着領域472を指でつまんで基材41を対象物Aから剥離することによって、上記所定の物品Tを対象物Aから取り外し可能である。
【0078】
図5(a)に示すように、皮膚粘着シート4の形状が楕円もしくは該楕円の場合に、チュューブ(所定の物品)Tを対象物Aである皮膚に対して固定するさいには、皮膚粘着シート4の短軸481付近を利用する。すなわち、皮膚粘着シート4の短軸481付近を粘着領域471として利用する。そのため、短軸481を含む中央領域482(図5(a)に示す二点鎖線間の領域)に非粘着領域472がないことが望ましい。非粘着領域472のない中央領域482の面積は、チューブ(所定の物品)Tを皮膚粘着シート1に固定するために、皮膚粘着シート4全体の面積の10分の1以上が望ましい。さらに望ましくは、チューブ(所定の物品)Tが固定された皮膚粘着シート1を対象物Aである皮膚に対して固定するために、10分の8以上が望ましい。
【0079】
次に各部材の材料について説明する。
【0080】
基材の材料は、一般的にサージカルテープやドレッシング材に利用されている材料を利用できる。不織布や樹脂フィルムであって、医療機器に用いられる材料が望ましい。基材の厚みは、500μm以下が望ましい。さらに望ましくは100μm以下が望ましい。
【0081】
粘着剤の材料は、一般的にサージカルテープやドレッシング材に利用されている材料を利用できる。アクリル系やシリコーン系の材料であって、皮膚への刺激が少ない医療機器用の粘着剤が望ましい。粘着剤の厚みは、100μm以下が望ましい。さらに望ましくは50μm以下が望ましい。
【0082】
剥離紙の材料は、一般的にサージカルテープやドレッシング材に利用されている材料を利用できる。紙や不織布あるいは樹脂フィルムなどに医療機器用の離型剤を塗布した材料が利用できる。剥離紙の厚みは、500μm以下が望ましい。さらに望ましくは100μm以下が望ましい。被覆紙の材料及び厚みは、剥離紙の材料及び厚みと同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0083】
皮膚粘着シートの面積は、特に規定されないが、100平方センチメートル以下が望ましい。さらに望ましくは50平方センチメートル以下が望ましい。
【0084】
被覆紙の面積は、特に規定されないが、50平方センチメートル以下が望ましい。さらに望ましくは10平方センチメートル以下が望ましい。
【0085】
緩衝領域(緩衝部)の面積は、特に規定されないが、5平方センチメートル以下が望ましい。さらに望ましくは1平方センチメートル以下が望ましい。
【0086】
なお、上記第1実施形態~上記第3実施形態では、非粘着領域172,272,372を、粘着剤12,22,32を介して基材11,21,31に対して取り付けられる被覆紙131,231,331によって構成したが、これに限定されるものではなく、非粘着領域172,272,372は使用時に対象物に対して粘着しない領域であればよい。例えば、非粘着領域172,272,372は、粘着剤12,22,32を設けない領域であってもよい。
【0087】
次に、実施した2つの試験について説明する。
【0088】
第1の試験では、以下のようにして、上記第1実施形態に係る皮膚粘着シート1を作製した。まず、粘着剤のついた基材を長さ5cm、幅3cmの短冊状に切り出した。基材と粘着剤として、市販の皮膚粘着シートに利用される材料を利用した。具体的に、株式会社ニトムズ製の粘着包帯キノホワイトに用いられる不織布の基材とアクリル系の粘着剤を利用した。
【0089】
上記の短冊状の基材に、剥離紙及び被覆紙を付けた。剥離紙及び被覆紙の材質は、粘着包帯キノホワイトと同じ紙を用いた。まず、長さ5cm、幅3cmの短冊状の短冊剥離紙を用意した。次に上記の短冊剥離紙から、底辺2cm、高さ1cmの直角三角形の被覆紙を切り出した。直角以外の2つの角部の曲率半径は0.1mm以上(0.5mm)とした。また、短冊剥離紙から被覆紙を切り出した残りの部分を使用時に剥離する剥離紙とした。
【0090】
この被覆紙を、基材に貼り付けた。基材の第一角部に被覆紙の直角部が重なるように配設した。また、被覆紙に向かい合うように剥離紙を配設した。
【0091】
上記のように皮膚粘着シート1を作製すると、被覆紙の直角以外の2つの角部の傍に2つの緩衝部が配置された。すなわち、基材の第一角部を構成する第一端辺と第二端辺と被覆紙の直角以外の2つの角部との間に緩衝部が配置された。この緩衝部には、被覆紙はなく、粘着剤と基材から構成された。
【0092】
以下のようにして、比較サンプル1を作製した。上記皮膚粘着シート1と同様に基材を短冊形状としながら、剥離紙及び被覆紙を配設した。この被覆紙の形状について、底辺2cm、高さ1cmの直角三角形とした。ただし、直角以外の2つの角部を尖らせた状態とし、その曲率半径は0.1mm以下(0.01mm)とした。
【0093】
以下のようにして、比較サンプル2を作製した。上記皮膚粘着シート1と同様に基材を短冊形状として、上記皮膚粘着シート1と同様に直角三角形の被覆紙を配設した。ただし、上記皮膚粘着シート1で緩衝部に相当する比較サンプル2の部分には粘着剤を塗らずにおき、基材のみで構成した。
【0094】
上記皮膚粘着シート1を10枚、比較サンプル1を10枚、及び比較サンプル2を10枚ずつ用意して、10名の被験者の上腕に貼り付けて24時間後に皮膚状態を確認した。比較サンプル1では、5名で皮膚に赤みや痒みが発生した。また、比較サンプル2では、6名に皮膚の赤みや痒みが発生した。しかし、本発明の皮膚粘着シート1では、赤みや痒みが発生した被験者はいなかった。
【0095】
第2の試験では、以下のようにして、上記第2実施形態に係る皮膚粘着シート2を作製した。まず、粘着剤のついた基材を長さ5cm、幅3cmの短冊状に切り出した。基材と粘着剤は、市販の皮膚粘着シートに利用される材料を利用した。具体的に、株式会社ニトムズ製の粘着包帯キノホワイトと同様の不織布の基材とアクリル系の粘着剤を利用した。
【0096】
以下のようにして、被覆紙と剥離紙を作製した。剥離紙及び被覆紙の材質は、粘着包帯キノホワイトと同様とした。まず、長さ5cm、幅3cmの短冊状の短冊剥離紙を用意した。次に上記の短冊剥離紙から、底辺2cm、高さ1cmの該直角三角形の被覆紙を切り出した。直角以外の2つの角部の曲率半径は0.1mm以上(0.5mm)とした。さらに、斜辺を波形状とした。波形状とするために、斜辺に変曲点を3か所設けた。また、短冊剥離紙から被覆紙を切り出した残りの部分を使用時に剥離する剥離紙とした。被覆紙の斜辺が波形状であるため、剥離紙の被覆紙に面する辺も波形状となった。
【0097】
この被覆紙と剥離紙を、基材に貼り付けた。まず、基材の第一角部に被覆紙の直角部が重なるように配設した。次に、剥離紙を被覆紙に面するように配設した。
【0098】
上記皮膚粘着シート2では、被覆紙の斜辺と剥離紙の被覆紙に面する辺とが波形状となっている。そのため、被覆紙と剥離紙の間で皮膚粘着シートを折り曲げると、剥離紙の波の一部が皮膚粘着シートから剥がれるので、剥離紙を皮膚粘着シートから剥がすことが容易になる。
【0099】
上記皮膚粘着シート2を10枚用意して、10名の被験者の上腕に貼り付けて24時間後に皮膚状態を確認した。本発明の皮膚粘着シート2では赤みや痒みが発生した被験者はいなかった。
【0100】
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、例えば、医療機器などを患者の身体に固定する際に用いられる皮膚粘着シートなどに関する。従って、本発明は医療機器産業において好適に利用しうる。
【符号の説明】
【0102】
1,2,3:皮膚粘着シート
11,21,31,41:基材
111,211,311:基材角部
12,22,32,42:粘着剤
131,231,331,431:被覆紙
1311,2311,3311:被覆紙の第一辺
1312,2312,3312:被覆紙の第二辺
1314,2314,3315:被覆紙第一角部
1315,2315,3317:被覆紙第二角部
1316,2316,3318:被覆紙第三角部
132,232,332,432:剥離紙
151,251,351:基材の第一端辺
152,252,352:基材の第二端辺
153,253,353:基材の第三端辺
161,261,361,461:第一緩衝領域(緩衝部)
162,262,362:第二緩衝領域(第2の緩衝部)
171,271,371,471:粘着領域
172,272,372,472:非粘着領域
181:中央線
182:中央線を含む中央領域
183:第一の長辺
1831:第一中点
184:第二の長辺
1841:第二中点
2317:被覆紙の凹部
2330:剥離紙の凸部
3313:被覆紙の第三辺
4311:被覆紙の周縁
451:基材の周縁
481:短軸
482:短軸を含む中央領域
【要約】
【課題】従来の皮膚粘着シートでは、皮膚粘着シートを皮膚や医療機器に固定したり剥がしたりするときに、作業者の手袋が粘着面に触れ、手袋が破れるという問題があった。
【解決手段】本開示に係る皮膚粘着シート1は、基材11と、基材11の一側の面に設けられて対象物に粘着可能な粘着剤12と、粘着剤12に剥離可能に取り付けられる剥離紙132とを備え、皮膚粘着シート1は、剥離紙132を剥がすことによって粘着剤12が露出して対象物に対して粘着可能な粘着領域171と、対象物に対して粘着しない非粘着領域172とを備え、剥離紙132を剥がすことによって粘着剤12を露出させて、露出させた粘着剤12を用いて非粘着領域172を備えた状態で対象物への基材11の粘着が完了し、粘着が完了後に粘着領域171の粘着力が非粘着領域172の粘着力よりも高く、非粘着領域172を指でつまんで基材11を対象物から剥離可能である。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6