(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-18
(45)【発行日】2023-08-28
(54)【発明の名称】情報処理システムおよびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20230821BHJP
G01S 5/02 20100101ALN20230821BHJP
【FI】
G06Q10/06
G01S5/02
(21)【出願番号】P 2019020841
(22)【出願日】2019-02-07
【審査請求日】2022-02-04
(73)【特許権者】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100118876
【氏名又は名称】鈴木 順生
(72)【発明者】
【氏名】久坂 祐介
(72)【発明者】
【氏名】中村 基裕
(72)【発明者】
【氏名】伊東 一樹
【審査官】樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-165097(JP,A)
【文献】特開2008-287641(JP,A)
【文献】国際公開第2008/102799(WO,A1)
【文献】特開2009-217347(JP,A)
【文献】特開2009-098967(JP,A)
【文献】特開2009-093614(JP,A)
【文献】特開2012-234420(JP,A)
【文献】特開2016-115006(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G01S 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザが所属する組織に関する情報と、
前記ユーザが参加するイベントのスケジュール情報、及び前記ユーザの位置の履歴情報の少なくとも一方と、
前記複数のユーザの座席位置の情報と、
を保持するデータベース
と、
前記データベースに基づき、前記複数のユーザの中から任意のユーザである第1ユーザと第2ユーザを選択し、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザ間の関係の強さを算出する評価
部と、
を備え、
前記評価部は、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザの少なくとも一方が離席しており、かつ、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザが同じ場所に存在する間、前記第1ユーザと前記第2ユーザが交流していると判断する
情報処理システム。
【請求項2】
前記評価
部は、
前記第1ユーザ及び前記第2ユーザが交流している時間を表す交流時間、
及び
前記第1ユーザ及び前記第2ユーザが交流している回数を表す交流回数
の少なくとも一方を算出し、
前記交流時間及び前記交流回数の少なくとも一方に基づき、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザ間の関係の強さを算出する
請求項1に記載の
情報処理システム。
【請求項3】
前記評価
部は、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザが同じ場所に一定時間以上連続して存在する間、前記第1ユーザと前記第2ユーザが交流していると判断する
請求項
1又は2に記載の
情報処理システム。
【請求項4】
前記評価
部は、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザ間の距離が第1距離以下である場合に、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザが同じ場所にいると判断する
請求項
1~3のいずれか一項に記載の
情報処理システム。
【請求項5】
前記評価
部は、前記第1ユーザと前記第2ユーザが同じイベントに参加しているかを判断し、前記第1ユーザと前記第2ユーザが前記同じイベントに参加している場合、前記第1ユーザと前記第2ユーザが交流していると判断する
請求項2に記載の
情報処理システム。
【請求項6】
前記スケジュール情報は、前記イベントの参加者リストを含み、
前記評価
部は、前記参加者リストに含まれるユーザを、前記同じイベントに参加しているユーザと判断する
請求項
5に記載の
情報処理システム。
【請求項7】
前記スケジュール情報は、前記イベントが行われる時間及び場所の情報を含み、
前記評価
部は、前記イベントの前記時間に前記位置が前記場所に存在するユーザ、もしくは、前記イベントの前記時間に離席しているユーザを、前記イベントに参加しているユーザと判断する
請求項
5又は6に記載の
情報処理システム。
【請求項8】
前記評価
部は
、組織単位で座席配置がなされている場合に、互いに異なる組織に所属しているユーザを、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザとして選択する
請求項1~
7のいずれか一項に記載の
情報処理システム。
【請求項9】
前記データベースは、2つ以上の前記組織から選出されたユーザにより構成される複数のチームの情報を保持しており、
前記評価
部は、前記チーム単位で座席配置がなされている場合に、同じ組織に所属し、かつ異なるチームに参加しているユーザを前記第1ユーザ及び前記第2ユーザとして選択する
請求項1~7のいずれか一項に記載の
情報処理システム。
【請求項10】
前記データベースは、使用する座席が固定されないフリーアドレス環境において前記ユーザが選択した座席位置の情報を保持しており、
前記評価
部は、前記フリーアドレス環境において、同じ組織に所属しているユーザを、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザとして選択する
請求項1~
7のいずれか一項に記載の
情報処理システム。
【請求項11】
前記ユーザが保持している移動端末と通信する基地局から前記ユーザの位置の情報を取得し、取得された情報に基づき、前記ユーザの前記位置を前記データベースに格納する
データベース管理部
を
さらに備えた請求項1~
10のいずれか一項に記載の
情報処理システム。
【請求項12】
前記評価
部は、
前記複数のユーザから前記第1ユーザと、2人以上の前記第2ユーザを選択し、
前記第1ユーザと2人以上の前記第2ユーザとの関係の強さを評価し、
前記第1ユーザに対する前記関係の強さの順に応じて、前記第2ユーザの情報を配置した出力情報を生成し、前記出力情報を出力する出力処理
部をさらに備えた
請求項1~
11のいずれか一項に記載の
情報処理システム。
【請求項13】
前記複数のユーザのうちの一人のユーザの指定を操作者から受ける
入力インタフェースを備え、
前記評価
部は、
前記入力インタフェースで指定された
前記ユーザを前記第1ユーザとする
請求項
12に記載の
情報処理システム。
【請求項14】
前記評価
部は、
複数の組織のうちの1つの前記組織を第1組織とし、前記第1組織以外の組織に所属する任意のユーザを前記第2ユーザとし、前記第1組織に属する各ユーザを前記第1ユーザとし、
前記第2ユーザと複数の前記第1ユーザとの関係の強さを算出し、算出した前記関係の強さに基づき、前記第2ユーザと前記第1組織との関係の強さを算出する
請求項1~
13のいずれか一項に記載の
情報処理システム。
【請求項15】
前記複数の組織から1つの組織の指定を操作者から受ける入力
インタフェースを備え、
前記評価
部は、
前記
入力インタフェースで指定された組織を前記第1組織とし、
複数の前記第2ユーザについて前記第1組織との関係の強さを算出し、
前記第1組織との関係の強さの順に応じて、複数の前記第2ユーザの情報を配置した出力情報を生成し、前記出力情報を出力する出力処理
部をさらに備えた
請求項
14に記載の
情報処理システム。
【請求項16】
コンピュータを、
複数のユーザが所属する組織に関する情報と、
前記ユーザが参加予定のイベントのスケジュール情報、及び前記ユーザの位置の履歴情報の少なくとも一方と
を保持するデータベースにアクセスする
第1手段と、
前記データベースに基づき、前記複数のユーザの中から任意のユーザである第1ユーザと第2ユーザを選択し、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザ間の関係の強さを算出する
第2手段と、
して機能させ、
前記第2手段は、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザの少なくとも一方が離席しており、かつ、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザが同じ場所に存在する間、前記第1ユーザと前記第2ユーザが交流していると判断する
コンピュータプログラム。
【請求項17】
複数のユーザが所属する組織に関する情報と、
前記ユーザが参加するイベントのスケジュール情報、及び前記ユーザの位置の履歴情報の少なくとも一方と、
を保持するデータベースと、
前記データベースに基づき、前記複数のユーザの中から任意のユーザである第1ユーザと第2ユーザを選択し、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザ間の関係の強さを算出する評価部と、を備え、
前記評価部は、
複数の組織のうちの1つの前記組織を第1組織とし、前記第1組織以外の組織に所属する任意のユーザを前記第2ユーザとし、前記第1組織に属する各ユーザを前記第1ユーザとし、
前記第2ユーザと複数の前記第1ユーザとの関係の強さを算出し、算出した前記関係の強さに基づき、前記第2ユーザと前記第1組織との関係の強さを算出する
情報処理システム。
【請求項18】
コンピュータを、
複数のユーザが所属する組織に関する情報と、
前記ユーザが参加するイベントのスケジュール情報、及び前記ユーザの位置の履歴情報の少なくとも一方と、
を保持するデータベースにアクセスする第1手段と、
前記データベースに基づき、前記複数のユーザの中から任意のユーザである第1ユーザと第2ユーザを選択し、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザ間の関係の強さを算出する第2手段として機能させ、
前記第2手段は、
複数の組織のうちの1つの前記組織を第1組織とし、前記第1組織以外の組織に所属する任意のユーザを前記第2ユーザとし、前記第1組織に属する各ユーザを前記第1ユーザとし、
前記第2ユーザと複数の前記第1ユーザとの関係の強さを算出し、算出した前記関係の強さに基づき、前記第2ユーザと前記第1組織との関係の強さを算出する
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法、情報処理装置およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
会社やオフィスなどの企業では、一般的に複数の部署が存在する。企業で働く各人は通常いずれかの部署に属し、1人が複数の部署を兼務する場合もある。職場の業務効率を高めたり、部署間の連携を円滑にしたりするために、職場内の人間間の関係の強さを把握したい場合がある。例えばある部署の責任者が、同じ部署の部下が他の部署の誰と強い関係があるのかを把握したい場合がある。しかしながら、そのような要求に応える有効なツールは存在しなかった。
【0003】
下記特許文献1には、GPS(Global Positioning System)測位ができない場所において、ユーザ端末の位置を特定する位置情報検出システムが開示されている。
【0004】
下記特許文献2には、電波発信機が発する電波を受信することで、携帯端末機の現在位置、及び携帯端末機が向いている方位角等を算出する位置情報取得システムが開示されている。
【0005】
下記特許文献3には、画像認識技術を用いて、事業所などの監視対象エリア内における人の移動を追尾する監視システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2015-200504号公報
【文献】特開2015-152483号公報
【文献】特許第5979415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1~特許文献3に開示された技術を用いても、職場内における人の位置の検出や、人の移動の追尾はできるかもしれないが、職場内の人間間の関係の強さを分析することはできない。
【0008】
本開示は、ユーザ間の関係の強さを評価できる情報処理装置、情報処理方法およびコンピュータプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態に係る情報処理方法は、複数のユーザが所属する組織に関する情報と、前記ユーザが参加するイベントのスケジュール情報、及び前記ユーザの位置の履歴情報の少なくとも一方とを保持するデータベースにアクセスするアクセスステップと、前記データベースに基づき、前記複数のユーザの中から任意のユーザである第1ユーザと第2ユーザを選択し、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザ間の関係の強さを算出する評価ステップと、をコンピュータが実行する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1の実施形態に係る情報処理システムの全体構成を示す図。
【
図2】第1の実施形態に係る情報処理装の機能ブロック図。
【
図3】第1の実施形態に係るユーザ属性テーブルの一例を示す図。
【
図4】第1の実施形態に係るレイアウト情報におけるレイアウトテーブルの一例を示す図。
【
図5】第1の実施形態に係るレイアウト情報におけるレイアウトデータの例を示す図。
【
図6】第1の実施形態に係る位置履歴テーブルの例を示す図。
【
図7】第1の実施形態に係るスケジュールテーブルの一例を示す図。
【
図8】第1の実施形態に係るイベント設定画面の例を示す図。
【
図9】第1の実施形態に係るイベント調整画面の例を示す図。
【
図10】第1の実施形態に係る複数のユーザが同じ場所に存在する例を示す図。
【
図11】第1の実施形態に係る評価条件入力画面の例を示す図。
【
図12】第1の実施形態に係るユーザ関係リストの例を示す図。
【
図13】第1の実施形態に係るユーザ関係リストの他の例を示す図。
【
図14】第1の実施形態に係る情報処理装置の動作の一例のフローチャート。
【
図15】第2の実施形態に係る部署関係リストの例を示す。
【
図16】第3の実施形態に係る複数のチームを構成する例を示す図。
【
図17】チーム単位で座席配置を行う場合のレイアウトデータの例を示す図。
【
図18】第3の実施形態に係るユーザ関係リストとユーザ関係テーブルの例を示す図。
【
図19】第4の実施形態に係るフリーアドレス環境の場合のレイアウトデータの例を示す図。
【
図20】第4の実施形態に係るユーザ関係リストとユーザ関係テーブルの例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この技術的思想の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。本開示において示される1以上の実施形態において、各実施形態が含む要素を互いに組み合わせることができ、かつ、当該組み合わせられた結果物も本開示が示す実施形態の一部をなすものとする。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの全体構成を示す。
図1の情報処理システムは、情報処理装置100、アクセスポイント(AP)120、中継局130、及びユーザ端末140を備えている。情報処理装置100は、ネットワーク110を介して、AP120及び中継局130と接続されている。
【0013】
情報処理装置100は、コンピュータにより構成される。コンピュータは、ハードウェア構成として、プロセッサ102と、メモリ104と、入出力インタフェース106と、通信インタフェース108とを備える。これらの要素は、図示しないバスによって接続されている。
【0014】
メモリ104には、オペレーティング・システムと、情報処理プログラムと、情報処理に使用される各種のデータとが格納されている。オペレーティング・システムは、情報処理装置100の全体的な動作を制御するためのコンピュータプログラムである。情報処理プログラムは、情報処理装置100が本実施形態に係る情報処理の各機能を実現するためのコンピュータプログラム(アプリケーション)である。メモリ104は、情報処理装置100の動作によって生成されるデータを一時的又は永続的に記憶することができる。メモリ104の具体例は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク、フラッシュメモリ、光ディスク等である。
【0015】
プロセッサ102は、メモリ104に格納されているコンピュータプログラムを読み出して、それに従った処理を実行するように構成される。プロセッサ102がメモリ104に格納されている情報処理プログラムを読み出して実行することによって、本実施形態に係る情報処理の各機能が実現される。プロセッサ102は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0016】
入出力インタフェース106は、情報処理装置100のオペレータから情報処理装置100を操作するための入力を受ける。また、入出力インタフェース106は、オペレータに対して、画像表示、メッセージ送信、または印刷等の出力を行う。入出力インタフェース106の具体例は、キーボード、タッチパッド、マウス、ディスプレイ、メーラ、プリンタ等である。オペレータは、一例として、ユーザ端末140を操作するユーザである。オペレータは、ユーザ端末140を操作端末として用いて、情報処理装置100を操作する。ただし、情報処理装置100に操作用のデバイスを接続し、当該デバイスを用いて操作を行ってもよい。
【0017】
通信インタフェース108は、ネットワーク110を介して、ユーザ端末140と通信するためのネットワーク・インタフェースである。
【0018】
ネットワーク110は、有線ネットワーク、無線ネットワーク、これらの混合ネットワーク等の通信ネットワークである。ネットワーク110は、例えばインターネットのようなワイドエリアネットワーク(Wide Area Network)でもよい。
【0019】
ユーザ端末140は、ユーザが操作する端末である。ユーザ端末140は、例えば、デスクトップ型PC(Personal Computer)、ノート型PC、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話等の端末である。ユーザは、会社やオフィスなどの企業や非営利団体(国、地方公共団体、NPO(Non Profit Organization)、NGO(Non Governmental Organization))に従事する人間(従業員及び社員等)である。本実施形態では企業の場合を想定する。ユーザ端末140は、AP120又は中継局130を介して、情報処理装置100及び他のユーザ端末140と通信できる。ユーザ端末140は、プロセッサ、メモリ、入力部、及び表示部等の構成要素を備えたコンピュータである。入力部は、マウス、キーボード又はタッチパネル等の指示又はデータを入力する手段である。表示部は、液晶表示パネル又は有機EL表示パネルなど、データを表示する手段である。
【0020】
AP120は、無線LAN(Local Area Network)の基地局である。AP120は、ユーザが従事する企業の施設内(例えばビルのフロアなど)に1つ又は複数、配置されている。AP120は、ユーザ端末140と無線接続し、ユーザ端末140の通信を中継する。AP120は、ユーザ端末140と無線接続するに際しては、例えばユーザアカウント及びパスワードを用いた認証を行ってもよい。AP120に無線接続したユーザ端末140はAP120を介して、情報処理装置100や、他のユーザ端末140(AP120に接続している他のユーザ端末、中継局130に接続しているユーザ端末)と通信できる。ユーザ端末140間の通信は、電子メールの送受信及びファイルの交換などの任意のデータ通信や、音声通信などを含む。なお、電子メールの送受信に必要なメールサーバ等の図示は省略している。
【0021】
中継局130は、携帯電話会社等の通信会社、または当該通信会社と契約を結んだ会社(以下、通信会社等)により設置された基地局である。中継局130は、ユーザ端末140と無線接続し、ユーザ端末140の通信を中継する。中継局130に無線接続したユーザ端末140は、中継局130を介して、情報処理装置100や、他のユーザ端末140(中継局130に接続しているユーザ端末、AP120に接続している他のユーザ端末)と通信できる。
【0022】
情報処理装置100は、AP120を介して、ユーザ端末140と通信が可能である。また、情報処理装置100は、中継局130を介して、ユーザ端末140と通信可能である。ユーザ端末140は、AP140と通信する機能と、中継局130と通信する機能とのうち少なくとも一方の機能を備えている。
【0023】
情報処理装置100は、単一のコンピュータにより構成されてもよいし、ネットワークを介して相互に接続された複数のコンピュータからなるシステムとして構成されてもよい。
【0024】
図2は、情報処理装置100の機能ブロック図である。
図1のコンピュータが実行するコンピュータプログラムによって、
図2の機能が実現される。情報処理装置100は、データ記憶部200、データベース管理部220、評価部240、出力処理部250、及び通信部260を備える。
【0025】
データ記憶部200は、メモリ装置、SSD又はハードディスク装置などの任意の記録媒体により構成される。データ記憶部200は、データベース210を備える。また、データ記憶部200は、出力処理部250により生成される出力情報215を格納する。データベース210は、ユーザ属性テーブル211、位置履歴テーブル212、レイアウト情報213及びスケジュールテーブル214を含む。
【0026】
データベース管理部220は、データベース210に対して、ユーザ属性テーブル211、位置履歴テーブル212、レイアウト情報213、及びスケジュールテーブル214の設定及び更新を行うことにより、データベース210の維持及び管理を行う。
【0027】
ユーザ属性テーブル211は、企業に従事する各ユーザの属性情報を保持している。
【0028】
図3は、ユーザ属性テーブル211の一例を示す。ユーザ属性テーブル211は、ユーザID、氏名、年齢、性別、メールアドレス、ユーザアカウント、ユーザの所属組織、ユーザの所属チーム、ユーザの座席IDに関する情報を含む。これらの項目の一部が存在しなくてもよいし、ここに存在しない項目(例えばパスワードなど)が追加されてもよい。ユーザ属性テーブル211の設定及び更新は、一例として権限を有する管理者がユーザ端末140を用いてデータベース管理部220を操作することで行う。管理者もユーザの一人である。データベース管理部220は、管理者の指示情報に従って、ユーザ属性テーブル211を更新する。
【0029】
ユーザIDは、企業がユーザに割り当てた固有のIDである。ユーザIDは一例として社員番号である。
【0030】
ユーザアカウントは、AP120を含む企業内ネットワークを利用するためにユーザに割り当てられた固有の情報である。ユーザは、AP120への接続時の認証にユーザアカウントを用いる。また、情報処理装置100は、各ユーザの識別を、ユーザアカウントに基づき行う。但し、ユーザIDにより、各ユーザを識別する構成でもかまわない。
【0031】
所属部署は、各ユーザが所属する部署であり、図の例ではアプリ開発部、デザイン部、営業部などが示されている。他の部署、例えば経理部や総務部などが存在してもよい。部署は組織の名称の一例であり、他の組織(例えば課)があってもよいし、組織が複数の階層で構成されてもよい。
【0032】
所属チームは、ユーザが所属するチームである。チームは、複数の部署から横断的に集められたユーザによって構成される。例えばアプリ開発部、デザイン部、営業部からそれぞれ1人以上集められたメンバーによって構成される。図の例では、第1コンテンツ、第2コンテンツ、第3コンテンツの3つのチームが示されている。チームは、例えば企業が電子ゲーム(スマートフォンゲームなど)を作製及び提供する会社であれば、開発する電子ゲームの種類ごとにプロジェクトとしてチームが結成される。なお、チームが存在しない場合は、所属チームの項目を除去すればよい。
【0033】
座席IDは、ユーザの座席を示すIDである。座席配置は、部署単位でブロック(島)を構成するように行われる場合、及びチーム単位でブロックを構成するように行われる場合がある。これらの場合、ユーザは、予め特定の座席を割り当てられ、割り当てられた座席を使用する。すなわちユーザが使用する座席は予め決まっている。一方、ユーザの使用する座席が予め決められておらず、ユーザが自由に座席を選択できるフリーアドレス環境の場合もある。
【0034】
本実施形態では、座席配置に関して、これらのいずれの場合も可能である。これらのうちの複数の種類の座席配置が混在していてもよい。例えばある部署では予め座席が定められているが、別の部署ではフリーアドレス環境が適用されてもよい。この場合、ユーザごとに、予め使用する座席が決まっているか、フリーアドレスかを識別するフラグをユーザ属性テーブルに保持してもよい。また、座席配置が部署単位かチーム単位かを識別する情報をユーザ属性テーブルに保持してもよい。
【0035】
ユーザの座席が予め決められている場合、座席IDは、ユーザに予め割り当てられた座席のIDを示す。フリーアドレス環境の場合、データベース管理部220が、ユーザが選択した座席を検出し、検出した座席のIDをデータベース管理部220が設定してもよい。ユーザの座席の検出は、ユーザの保持するユーザ端末140の位置に基づいて自動的に行ってもよいし、ユーザが、自分が選択した座席の情報を、ユーザ端末140を介して情報処理装置100に送信してもよい。
【0036】
レイアウト情報213は、レイアウトデータと、レイアウトテーブルとを含む。レイアウトデータは、企業の施設(例えばビル等)において企業が使用するフロアとフロアに配置されているオブジェクトとのレイアウトを表す。レイアウトテーブルは、当該フロアに配置されているオブジェクトの属性情報を保持する。
【0037】
図4及び
図5は、レイアウト情報213の一例を示す。具体的に、
図4は、レイアウトテーブルの一例を示す。
図5は、企業の施設内のレイアウトデータの例を示す。
【0038】
図5のレイアウトデータにおいて、企業が使用するフロアに、複数のオブジェクトが配置されている。紙面に沿って横方向をX軸、縦方向をY軸としている。企業が使用するフロアは、図示のフロア以外にも存在するが、図示を省略している。施設がビル等の場合、企業が使用するフロアは1つの階のフロアのみでもいし、複数の階のフロアでもよい。
【0039】
オブジェクトの例として、複数の座席、机501、複数の会議室(第1会議室、第2会議室、第3会議室)などが示されている。アルファベット又は「空」の文字が入った矩形が座席を表す。アルファベットはユーザ名に対応する。「空」はその座席が誰にも割り当てられていないことを示す。オブジェクトの他の例として、休憩スペース、待合室、本棚などがあってもよい。
【0040】
図5のレイアウトデータは、データベース管理部220が実行するレイアウト管理アプリケーションによって、管理者がユーザ端末140を介して編集できる。レイアウト管理アプリケーションは、管理者の指示情報に従って動作する。例えば、管理者はレイアウトデータをユーザ端末140の画面に表示して、レイアウトデータにオブジェクトを新たに追加したり、既存のオブジェクトのサイズ及び位置を変更したりできる。オブジェクトには、オブジェクトID、位置、名称等の属性が設定されている。
【0041】
図4のレイアウトテーブルは、レイアウトデータに含まれる各オブジェクトの属性を保持している。レイアウトデータにおいてオブジェクトが追加又は更新されると、レイアウトテーブルに当該オブジェクトの情報が追加され、又は当該オブジェクトの情報が更新されるように、レイアウト管理アプリケーションは動作する。レイアウトデータにおける位置と、施設内のフロアにおける位置とは予め対応付けがなされている。従って、レイアウトデータと施設のフロアとの間で、スケールが相互に変換可能であり、フロア上の距離をレイアウトデータ上の距離に変換することもできる。
【0042】
レイアウトテーブルにおけるオブジェクトIDは、オブジェクトに割り当てられた固有のIDである。レイアウトテーブルにおける位置は、オブジェクトが配置された位置を表す。レイアウトテーブルにおける名称はオブジェクトの名称である。オブジェクトの名称は、オブジェクトの種別と、識別子との組によって構成される。例えば「座席1」は、オブジェクトの種類を表す「座席」と、識別子である「1」との組によって構成される。
【0043】
オブジェクトの位置は、オブジェクトの形が矩形の場合は、矩形の4つの頂点のうち、互いに対向する2つの頂点の位置によって表される。例えば、座席を表す矩形の左上の頂点の座標と、右下の頂点の座標との組によって表す。具体的には、
図4の座席オブジェクトST001では、左上の頂点の座標(X096,Y116)と、右下の頂点の座標(X106,Y106)との組によって、座席の位置を表している。オブジェクトが非矩形の場合(例えば円などの場合)は、オブジェクトの外接矩形(オブジェクトを囲む最小の矩形)を定義し、外接矩形の4つの頂点のうち、互いに対向する2つの頂点の位置によって、オブジェクトの位置を表す。但し、ここで示した以外の方法でオブジェクトの位置を定義してもよい。例えば、オブジェクトの縦サイズ、横サイズ及び中心位置の組によって、オブジェクトの位置を定義してもよい。
【0044】
図2の位置履歴テーブル212は、一定時間ごとの各ユーザの位置の履歴情報を格納している。
【0045】
図6は、位置履歴テーブル212の例を示す。位置履歴テーブル212は各ユーザの位置履歴を含む。
図6にはユーザAとユーザDの位置履歴が示されているが、他のユーザの位置履歴も同様にして格納されている。この例では、1分間隔で各ユーザの位置が記録されている。但し、位置の時間間隔は1分間である必要はなく例えば、10秒、1分、2分、5分、10分、15分、30分、または1時間など任意の時間間隔でよい。ユーザの位置は、レイアウトデータと同じ座標系の位置として示しているが、これに限定されない。レイアウトデータにおける位置と、企業の施設内におけるユーザ端末140の位置とが相互に変換可能である。ユーザが企業の施設外にいるときは、GPS位置(経度及び緯度)などを格納すればよい。
【0046】
図の例では、ユーザAが10月1日13:11~13:14を含む時間の間、自分の座席に存在し、13:11~13:14を含む時間の間、第3会議室に存在している。ユーザDが10月1日13:11~13:14を含む時間の間、自分の座席に存在し、13:11~13:14を含む時間の間、ユーザAと同じ第3会議室に存在している。ユーザが施設内のどの場所に存在するかは、ユーザの位置と、レイアウトテーブルとに基づき判断できる。例えばユーザの位置が、レイアウトデータの会議室にあるときは、ユーザは会議室に存在すると判断できる。また、ユーザの位置(ユーザ端末140の位置)が、自分の座席の範囲内もしくは座席から一定距離内に存在するときは、自分の座席に存在すると判断できる。
【0047】
データベース管理部220は、ユーザ端末140と通信することで、ユーザの位置データを取得し、取得した位置データに基づき、位置履歴テーブル212を更新する。以下、データベース管理部220が位置データを取得する動作例を示す。
【0048】
データベース管理部220は、ネットワーク110を介して、AP120からユーザ端末140の位置データを取得する。位置データには、一例として、位置情報と、時刻(タイムスタンプ)及びユーザアカウント(又はユーザID)が含まれる。時刻は、ユーザ端末140で位置情報が取得された時刻であり、例えばユーザ端末140内の時計から取得できる。
【0049】
位置情報は、ユーザ端末140がGPS(Global Positioning System)を備えている場合に、GPSの情報が示す位置(経度、緯度)でもよい。この場合、ユーザ端末140が、位置情報と時刻とユーザアカウントとを含む位置データを生成し、AP120を介して、位置データを情報処理装置100に送信すればよい。
【0050】
あるいは、AP120が、ユーザ端末140の位置推定を行う機能を備えており、当該機能を用いてユーザ端末140の位置を推定してもよい。例えばAP120が複数のアンテナを用いてユーザ端末140の方向及び距離を推定し、推定した方向及び距離と、AP120の位置とからユーザ端末140の位置を推定する。あるいは、AP120が、他の2以上のAP120と連携して、三角測量の原理に基づき、ユーザ端末140の位置を推定してもよい。
【0051】
位置情報は、経度及び緯度によって特定されてもよいし、企業の施設内のフロアに基準となる座標系(基準座標系)を設定し、基準座標系の位置を位置情報としてもよい。GPSで計測した位置又は基準座標系の位置を、前述したレイアウトデータの座標系の位置に変換してもよい。または、基準座標系の領域又は地図(一例として企業が存在する地域、都道府県、日本全体などの地図)をメッシュに分割し、ユーザ端末が属するメッシュ位置を位置情報としてもよい。本実施形態では便宜上、施設内の位置として、レイアウトデータの座標系の位置(X座標、Y座標)を用いる。本実施形態では位置を、2次元で表すが、3次元で表してもよい。
【0052】
また、データベース管理部220は、ネットワーク110を介して、中継局130からユーザ端末140の位置データを取得し、位置データに基づき、位置履歴テーブル212を更新する。本実施形態では、ユーザ端末140の位置を、企業の施設外でも取得するため、中継局130を介してユーザ端末140の位置データを取得している。但し、位置データを取得する範囲を、企業の施設内に限定する場合は、中継局130を介した位置データの取得を省略してもよい。
【0053】
スケジュールテーブル214は、ユーザが参加を予定しているイベントのスケジュール情報を含む。スケジュール情報は、一例として、イベントの日時、イベントの場所、イベントのタイトル、イベントの参加が予定されている他のユーザ(メンバー)の情報を含む。
【0054】
図7は、スケジュールテーブル214の一例を示す。この例では、ユーザAとユーザDのスケジュール情報が示されているが、他のユーザのスケジュール情報も同様である。
【0055】
例えばユーザAのスケジュール情報では、ユーザAが10月18日13:00~15:00に第1会議室で開発会議に参加する予定があり、他のメンバーとして、ユーザD、Gの参加が予定されている。また、ユーザAが10月25日18:00~20:00にレストランHでの会食する予定があり、他のメンバーとして、ユーザC、E、F、Lの参加が予定されている。ユーザDのスケジュール情報でも、10月18日13:00~15:00に第1会議室で開発会議に参加する予定があり、他のメンバーとして、ユーザA、Gの参加が予定されている。ユーザDが10月19日10:00~12:00に第2会議室で開発会議に参加する予定であり、他のメンバーとして、ユーザJ、Kの参加が予定されている。
【0056】
スケジュールテーブル214の設定は、一例としてユーザが、データベース管理部220を介して、自分のスケジュール情報にアクセスし、直接、必要項目(日時、場所、タイトル、他のメンバー等)に入力することで行う。なお項目への入力はプルダウン等よる選択でもよい。別の方法として、ユーザが、データベース管理部220が実行するスケジュール管理アプリケーションを介して、イベントの設定を行ってもよい。この場合、スケジュール管理アプリケーションは、ユーザの操作に従って、イベントの設定に必要な動作を行う。以下、スケジュール管理アプリケーションを用いたイベントの設定例を示す。
【0057】
ユーザ(イベント設定者)がユーザ端末140を介してスケジュール管理アプリケーションにアクセスし、イベント設定のメニューを起動すると、イベント設定画面がユーザ端末140に表示される。
【0058】
図8は、イベント設定画面の一例を示す。イベント設定者が、自分の名前、通知先のユーザ(イベントの参加を要請する対象となるメンバー)、タイトル、コメント、複数の候補日時等をそれぞれの枠の中に入力する。イベント設定者が入力を完了し、リクエストボタン801を押下(タップ又はクリック等)すると、スケジュール管理アプリケーションが、通知先のユーザごとに、イベント調整画面を生成する。なお、イベント設定者は、イベントに参加するユーザの1人であるとするが、イベントに参加しない他のユーザ(例えば、イベントの設定を頼まれたユーザ)でもよい。
【0059】
イベント調整画面は、イベント設定者がイベント設定画面に入力した情報と、各候補日時に対する参加の可又は不可を選択するための選択ボタンとを含む。スケジュール管理アプリケーションは、通知先のユーザごとに、スケジュール情報(
図7参照)を確認し、当該ユーザに別の予約が入っているかを確認する。別の予約が入っている場合は、そのユーザについては、その候補日時を自動的に不可としたイベント調整画面を生成する。スケジュール管理アプリケーションは、通知先のユーザごとに生成したイベント調整画面を、各ユーザのユーザ端末140に送信する。ユーザ端末140にはイベント調整画面が表示される。
【0060】
具体例として、前述した
図8に示すように、ユーザAが、イベント設定画面においてユーザD、ユーザE、ユーザFを通知先として指定する。また、候補日時を、候補1:「2018年10月19日11:00~12:00」、候補2:「2018年10月19日16:00~17:00」、候補3:「2018年10月21日11:00~12:00」とし、その他の項目(タイトル、コメント等)を入力して、リクエストボタン801を押下する。スケジュール管理アプリケーションは、ユーザD、E、Fを通知先として検出する。スケジュール管理アプリケーションは、各ユーザのスケジュール情報に基づき、各ユーザのイベント調整画面を作成し、各ユーザにイベント調整画面を送信する。
【0061】
例えばユーザDの場合、スケジュール管理プログラムは、ユーザDのスケジュール情報(
図7参照)を参照すると、候補1~3のうち、候補1:「2018年10月19日11:00~12:00」は、ユーザDの別の予定と重なっているため、ユーザDは参加不可であるとスケジュール管理プログラムは判断する。このため参加不可のチェックボックスを自動的に選択済みにする。その他の候補日時にはユーザDの予定が入っていないため、可及び不可のいずれのチェックボックスも非選択(ブランク)にしておく。このようにして作成したイベント調整画面をユーザDのユーザ端末140に送信する。他のユーザについても同様にしてイベント調整画面を生成し、生成したイベント調整画面を他のユーザのユーザ端末140に送信する。
【0062】
図9は、ユーザDのユーザ端末140に表示されたイベント調整画面の例を示す。候補1に対して予め不可のチェックボックスが選択されている。候補2及び候補3に対しては、可及び不可のいずれのチェックボックスも選択されておらず、ユーザAが、タップ又はクリック等により、いずれかのチェックボックスを選択するようになっている。図の例では、「2018年10月19日16:00~17:00」に対しては可、「2018年10月21日11:00~12:00」に対しては不可を選択している。ここでは可と不可の2種類のチェックボックスのみ存在するが、まだユーザの参加の可否が不明な場合のために、「不明」などのチェックボックスを設けてもよい。ユーザDがOKボタン901を押下すると、ユーザAが入力した各候補日時の参加可否を含むレスポンス情報がスケジュール管理プログラムに送信される。スケジュール管理プログラムは、このレスポンス情報を、イベント設定者(ユーザA)のユーザ端末140に送信する。
【0063】
ユーザAのユーザ端末140は、ユーザD、E、Fのそれぞれのレスポンス情報を受信および表示し、ユーザAは、ユーザD、E、Fが共に参加可能な日時を特定し、イベントの日時を決定する。ユーザAは、スケジュール管理アプリケーションを用いて、決定した日時に利用可能な会議室を予約し、ユーザD、E、Fを参加者として設定する。スケジュール管理アプリケーションは、ユーザD、E、Fのスケジュール情報を、当該日時の予約の内容(例えば日時、場所、タイトル、他のメンバー)で自動的に更新する。スケジュール管理プログラムは、会議室ごとに、日時、タイトル及び参加メンバーを管理しており、会議室の予約も行う機能を備えている。
【0064】
イベントの場所が会議室の場合の例を示したが、イベントの場所は会議室である必要はない。イベントの場所は、企業の施設内の任意の場所(例えば、企業の施設内の共用スペース、ビルの屋上など)、又は企業の施設外の任意の場所(例えば、飲食店、運動施設、宿泊施設)でよい。イベントの内容(タイトル)も会議である必要はなく、会食、接待、クラブ活動など、何でもよい。
【0065】
図2の評価部240は、スケジュールテーブル214及び位置履歴テーブル212の少なくとも一方と、ユーザ属性テーブル211とに基づき、企業における複数のユーザの中から任意のユーザである第1ユーザと第2ユーザを選択し、第1ユーザ及び第2ユーザ間の関係の強さ(ユーザ関係度)を算出する。ユーザ関係度は、ユーザ同士の交流がどれくらい多いのかを表す。例えば、交流している時間が長い場合や、交流している回数が多い場合、交流が多いといえる。交流している例としては、例えば互いに話をすることや、同じイベント(例えば会議、会食、クラブ活動など)に参加していることがある。
【0066】
例えば職場の責任者は、職場の業務効率を高めたり、部署間の連携を円滑にしたりするために、ユーザ間の関係の強さ把握したい場合がある。例えば部署の責任者が、部下が他の部署の誰と強い関係があるのかを把握したい場合がある。
【0067】
このような要求に応えることを可能にする指標としてユーザ関係度を算出する。評価部240は、ユーザ関係度を算出するためのアプリケーション(評価アプリケーション)を実行する。評価アプリケーションの利用権限を有するユーザ(権限ユーザ)は、ユーザ端末140を用いて、評価部240で実行される評価アプリケーションにアクセスする。ユーザ端末140には評価条件入力画面が表示され、ユーザはユーザ関係度の算出条件を評価条件入力画面に入力する。
【0068】
評価部240が、ユーザ同士の交流を判断する基本的な手法の例として、ユーザ同士が同じ場所に存在する場合に、ユーザ同士の交流があると判断する。ユーザ同士が同じ場所に存在するとは、例えば、ユーザ同士の距離が一定値(第1距離)以下であることや、予めユーザ間の交流の場として用意された場所に一緒にいる(例えば共用スペースに同じ机の椅子に座っている)ことがある。ユーザ同士が同じ場所に存在すれば、会話しているなど、ユーザ同士の交流があると推定できる。ユーザ同士が同じ場所に存在する状態が一定時間以上継続することを、ユーザ同士に交流があると判断するための条件として追加してもよい。これは、単にユーザ同士が通路で違った場合など、一時的な事由で近い距離にいる場合を除外するためである。
【0069】
図10(A)にユーザ同士の距離が一定値以下の例を示す。同一時刻において各ユーザの位置履歴から特定されるユーザの位置間の距離を計算することで、ユーザ同士の距離を計算できる。例えば、一方のユーザの位置が(X1、Y1)、他方のユーザの位置が(X2、Y2)であれば、距離={(X2-X1)
2+(Y1-Y2)
2}
1/2により計算できる。位置の測定粒度(又は測定精度)が当該一定値より大きい場合には、位置履歴におけるユーザの位置が同じ場合に、ユーザ同士が同じ場所に存在すると判断できる。
【0070】
ユーザ同士が交流しているかを判断する別の手法の例として、ユーザ同士が同じイベントに参加している場合に、ユーザ同士の交流があると判断することもできる。
【0071】
図10(B)にユーザ同士が同じイベントに参加している例を示す。ここではユーザ同士が会議室で会議に参加している。図では、2人のユーザが示されるが、3人以上のユーザが同じイベントに参加してもよい。
【0072】
評価条件入力画面で入力するユーザ関係度の算出条件の例として、評価期間の条件、及び評価対象の条件がある。
【0073】
評価期間の条件は、ユーザ関係度を算出する期間の条件である。例えば、2018年の1年間を対象にユーザ関係度を算出したい場合は、評価期間の条件として、2018年を指定する。評価期間の指定は年単位である必要はなく、任意の期間の指定でよい。評価期間の指定方法は、開始日と終了日でもよいし(2018年1月15日~2018年3月15日など)、開始月と終了月でもよいし(例えば2018年3月~5月など)、年(2014~2019年など)でもよい。複数の年にわたって特定の期間を指定してもよい(例えば2011年~2018年の毎年4月~6月など)。また、特定の日を指定してもよい(例えば2019年2月4日など)。
【0074】
評価対象の条件は、例えば、ユーザ関係度を算出するユーザの条件である。第1ユーザについて、第2ユーザとの関係度を算出したい場合は、基準ユーザとして第1ユーザを指定し、対象ユーザとして第2ユーザを指定する。対象ユーザは、一人でも、複数人でもよい。対象ユーザは、基準ユーザと異なる部署の全ユーザ、基準ユーザと同じ部署内の他の全ユーザでもよい。第2ユーザの指定の方法は様々考えられる。
【0075】
図11は、権限ユーザのユーザ端末140に表示される評価条件入力画面の例を示す。評価期間の条件を開始日と終了日によって指定するようになっている。図示の例では、2018年の1年間の期間を、2018年1月1日~2018年12月31日によって指定している。また、評価対象の条件として、基準ユーザと対象ユーザとをそれぞれ少なくとも1人指定する。図示の例では、基準ユーザとしてユーザAの1人を指定している。対象ユーザとして、ユーザB、G、H、D、J、Kの複数人を指定している。
【0076】
具体例として、部署単位で座席配置がなされており、アプリ開発部に属するユーザAの上司(例えばユーザE)が、ユーザAと他の部署のユーザとの関係の強さを調べたいとする。この場合、ユーザAの上司は、評価条件入力画面において、例えば、評価期間として2018年の一年を指定し、基準ユーザとしてユーザA、対象ユーザとして、ユーザAと異なる部署に所属する全ユーザを指定する。この場合、対象ユーザはユーザB、G、H、D、J、Kである。上述した
図11の評価条件入力画面の例は、この場合に対応している。条件の入力が完了すると、評価開始ボタン1101を押下する。評価部240は、ユーザAに対して、各対象ユーザ(B、G、H、D、J、K)とのユーザ関係度の算出処理を開始する。なお、基準ユーザを複数人指定した場合は、基準ユーザごとに、各対象ユーザ(B、G、H、D、J、K)とのユーザ関連度を算出する。以下、具体例を第1~第6の例として説明する。
【0077】
(第1の例)評価部240が、スケジュールテーブル214を用いて、ユーザ関係度として交流回数を算出する。
【0078】
評価部240は、評価期間(例えば2018年間の1年間)において、ユーザAと、各対象ユーザ(ユーザB、G、H、D、J、K)とが共通に参加しているイベントを、ユーザAのスケジュール情報と、対象ユーザのスケジュール情報とを探索することにより検出し、検出したイベントの個数をカウントする。カウント値を、ユーザAと対象ユーザとが同じイベントに参加している回数(交流回数)とする。
【0079】
出力処理部250は、回数の大きい順に対象ユーザを配置することにより出力情報215を生成する。一例として、回数の大きい順に対象ユーザをリスト形式で配置したユーザ関係リストを生成する。
【0080】
図12に、ユーザ関係リストの例を示す。交流回数(関係度)の大きい順に対象ユーザが配置されている。また、各対象ユーザとの交流回数が配置されている。ここでは交流回数79のユーザBが最もユーザAとの関係度が高いことが分かる。2番目に関係度が高いのはユーザD、3番目に関係度が高いのはユーザJである。4番目以降も同様にして表示されている。ただし、上位から所定の順位までの対象ユーザのみを配置するようにしてもよい。ここでは1年間の交流回数の合計を配置したが、交流回数を12で除算して、1ヶ月あたりの平均の交流回数を配置してもよい。交流回数に基づく情報であれば、その他の形式で情報を配置してもよい。
【0081】
例えば交流回数をパラメータとする関数を用意しておき、関数の出力値をユーザ関係度とする。関数の出力値は、例えば値域が所定の範囲(0以上100以下など)になるようにし、ユーザが直感的に交流の強さが分かり易くなるようにしてもよい。例えば、過去の一定期間のスケジュール情報からユーザ間の交流回数の最大値と最小値を求め、最大値と最小値の範囲を複数の区間に分割する。交流回数が大きい区間ほど大きな出力値を割り当てるように各区間に出力値を割り当てる。例えば最大の区間には100、最小の区間には0を割り当てる。与えられた交流回数の値から属する区間を特定し、区間に対応する出力値を算出する関数を作成する。関数の作成は評価部240又は別の処理部が行ってもよいし、予め作成した関数を評価部240に与えてもよい。評価部240は、基準ユーザと対象ユーザの交流回数と、当該関数とから出力値を算出する。算出した出力値をユーザ関係度とする。
【0082】
出力処理部250は、ユーザ関係リストをユーザAの上司(ユーザ関係度の算出指示を行った権限ユーザ)のユーザ端末140に送信する。ユーザ端末140にはユーザ関係リストが表示される。ユーザAの上司は、表示されたユーザ関係リストを見ることで、ユーザAが他の部署の誰と関係が強いかを把握できる。
【0083】
(第2の例)評価部240が、位置履歴テーブル212を用いて、ユーザ関係度として交流回数を算出する。
【0084】
評価部240は、ユーザAの位置履歴と、対象ユーザの位置履歴に基づき、ユーザAと対象ユーザとが同じ場所に存在するかを、時刻毎に判断する。同じ場所に存在するとは、ここではユーザ間の距離が一定値以下であることを意味する(
図10(A)参照)。連続して一定時間以上(例えば1分、5分、又は10分以上など)、ユーザAと対象ユーザとが同じ場所に存在するときは、ユーザAと対象ユーザが交流していると判断する。ユーザAと対象ユーザとが同じ場所に連続して存在する時間が一定時間未満のときは、ユーザAと対象ユーザとは交流していないと判断する。ユーザAと対象ユーザとが交流していると判断した場合、同じ場所に存在し始めた時刻から、同じ場所に存在しなくなる時刻までを交流回数1としてカウントする。例えば、2018年の一年間を対象に、交流回数をカウントする。
【0085】
出力処理部250は、回数の大きい順に対象ユーザを配置することによりユーザ関係リストを生成する。ユーザ関係リストの生成方法、及びユーザ関係リストの利用方法は、上述した通りである。
【0086】
ここで、ユーザAと対象ユーザとが同じ場所に一定時間以上連続して存在することに加え、ユーザAと対象ユーザの少なくとも一方が離席していることを、ユーザAと対象ユーザが交流していることの条件として追加してもよい。例えばユーザAと対象ユーザが別の部署に所属していても、座席配置によってユーザAと対象ユーザの席が近接している場合もある。両者の席の距離が一定値以内であると、両者が着席しているだけで交流していると判断される。そこで、少なくとも一方が離席していることを条件として追加することでこの問題を解消する。この場合、ユーザAと対象ユーザの一方が離席し、着席している他方に近寄り話しかけている場合なども、両者が交流していると判断することができる。
【0087】
(第3の例)評価部240が、スケジュールテーブル214を用いて、ユーザ関係度として交流時間を算出する。
【0088】
評価部240は、評価期間(例えば2018年の1年間)において、ユーザAと、各対象ユーザ(ユーザB、G、H、D、J、K)とが共通に参加しているイベントを、ユーザAのスケジュール情報と、対象ユーザのスケジュール情報とを探索することにより全て検出する。評価部240は、検出したイベントの時間を合計する。これをユーザAと対象ユーザとの一年間の交流時間とする。
【0089】
出力処理部250は、交流時間の大きい順に対象ユーザを配置することにより、ユーザ関係リストを生成する。
【0090】
図13に、ユーザ関係リストの例を示す。交流時間(ユーザ関係度)の大きい順に対象ユーザが配置されている。また、各対象ユーザの1ヶ月あたりの平均交流時間が配置されている。平均交流時間は、交流時間を12で除算して得られる。ここでは1ヶ月あたりの平均交流時間509分のユーザBが、最もユーザAとの関係度が高いことが分かる。2番目に関係度が高いのはユーザD、3番目に関係度が高いのはユーザJである。4番目以降も同様にして表示されている。ここでは1ヶ月あたりの平均交流時間をリストに配置したが、1年間の合計交流時間、又は1営業日あたりの平均交流時間を配置してもよい。交流時間に基づく情報であれば、その他の形式で情報を配置してもよい。
【0091】
例えば交流時間をパラメータとする関数を用意しておき、関数の出力値をユーザ関係度とする。関数の出力値は、例えば値域が所定の範囲(0以上100以下など)になるようにし、ユーザが直感的に交流の強さが分かり易くなるようにしてもよい。例えば、過去の一定期間のスケジュール情報からユーザ間の交流時間の最大値と最小値を求め、最大値と最小値の範囲を複数の区間に分割する。交流時間が大きい区間ほど大きな出力値を割り当てるように各区間に出力値を割り当てる。例えば最大の区間には100、最小の区間には0を割り当てる。与えられた交流時間の値から属する区間を特定し、区間に対応する出力値を算出する関数を作成する。関数の作成は評価部240又は別の処理部が行ってもよいし、予め作成した関数を評価部240に与えてもよい。評価部240は、基準ユーザと対象ユーザの交流時間と、当該関数とから出力値を算出する。算出した出力値をユーザ関係度とする。
【0092】
出力処理部250は、ユーザ関係リストをユーザAの上司(ユーザ関係度の算出指示を行った権限ユーザ)のユーザ端末140に送信する。ユーザ端末140はユーザ関係リストを表示する。ユーザAの上司は、表示されたユーザ関係リストを見ることで、ユーザAが他の部署の誰と関係が強いかを把握できる。
【0093】
(第4の例)評価部240が、位置履歴テーブル212を用いて、ユーザ関係度として交流時間を算出する。
【0094】
評価部240は、ユーザAの位置履歴と、対象ユーザの位置履歴に基づき、ユーザAと対象ユーザとが同じ場所に存在するかを、時刻毎に判断する。連続して一定時間以上同じ場所に存在する場合、ユーザAと対象ユーザとの交流があると判断する。そして、この場合、同じ場所に存在し始めた時刻から、同じ場所に存在しなくなるまでの時間の長さを計数する。評価期間(例えば一年間)を対象に、計数した時間の長さを合計することにより、一年間の交流時間を計算する。
【0095】
出力処理部250は、交流時間の大きい順に対象ユーザを配置することによりユーザ関係リストを生成する。出力処理部250は、ユーザ関係リストをユーザAの上司(ユーザ関係度の算出指示を行った権限ユーザ)のユーザ端末140に送信する。ユーザ関係リストの生成方法、及びユーザ関係リストの利用方法は、第3の例と同様である。
【0096】
(第5の例)
第1~第4の例では、スケジュールテーブル214及び位置履歴テーブル212のいずれか一方を用いて、交流回数又は交流時間を計算したが、これらの両方を用いて、交流回数又は交流時間を計算してもよい。
【0097】
一例として、企業の施設外にいるユーザの位置情報を取得できない場合、ユーザが企業の施設外にいる時間についてはスケジュールテーブル214を用い、ユーザが企業の施設内にいる時間については位置履歴テーブル212を用いてもよい。
【0098】
企業の施設外のユーザの位置情報を取得できない例として、ユーザ端末140の電波環境が悪く、通信できない状況の場合、ユーザ端末140の電源が切れている場合、ユーザがユーザ端末140の所持を忘れている場合などがある。あるいは、情報処理装置100が中継局130を介したユーザ端末140の位置情報の取得を行わない構成を有する場合もある。
【0099】
他の例として、ユーザ同士が同じイベントに参加している間はスケジュールテーブル214を優先的に用い、それ以外の時間については位置履歴テーブル212を用いてもよい。
【0100】
(第6の例)
上述した第1、第3及び第5の例において、スケジュールテーブル214を用いる場合、実際にユーザが予定されたイベントに参加していない可能性もある。そこで、本例では、ユーザが実際にイベントに参加したかどうかを、位置履歴テーブル212を用いて判断する。ユーザが実際に当該イベントに参加していないと判断した場合は、ユーザはイベントに参加していないとして扱う。
【0101】
具体的には、評価部240は、イベントの時間におけるユーザの位置を確認し、ユーザが当該イベントの場所に存在すれば、ユーザがイベントに参加したと判断する。例えば、イベントの場所が会議室である場合に、ユーザの位置が会議室内であれば、ユーザは会議室に存在したと判断する。会議室の位置及び範囲は、レイアウトテーブル(
図4参照)から特定できる。
【0102】
別の判断方法として、評価部240が、イベントの時間の間、ユーザが自分の席を離席しているかを判断し、ユーザが離席している場合は、ユーザがイベントに参加したと判断してもよい。例えば、イベントの場所での電波環境が悪く、ユーザのユーザ端末140と通信できない場合もあり得る。そのような場合は、イベントの時間の間、ユーザが離席していれば、ユーザがイベントに参加していたとみなす。イベントの全時間ではなく、イベントの時間の一定割合(例えば8割)の間、ユーザが離席している場合は、ユーザがイベントに参加したと判断してもよい。その場合、ユーザがイベントに参加した時間は、イベントの全時間ではなく、イベントの全時間のうち、ユーザが離席している時間としてもよい。
【0103】
図14は、本実施形態に係る情報処理装置100の動作の一例のフローチャートである。
【0104】
ステップS1201において、評価部240は、評価アプリケーションの利用権限を有するユーザ(権限ユーザ)から、評価期間の条件、及び評価対象(基準ユーザ及び対象ユーザ)の条件の指定を受け付ける。権限ユーザは、ユーザ端末140を用いて評価部240の評価アプリケーションにアクセスし、ユーザ端末140に表示される評価条件入力画面から上記の条件の入力を行う。その他の条件を入力してもよい。例えば、ユーザ関係度の算出のために、ユーザの位置履歴、ユーザのスケジュール情報、あるいは、これらの両方を用いるかの指定を行ってもよい。当該指定がない場合、評価部240は、ユーザの位置履歴及びスケジュールのうち予め定められた一方又は両方を用いる。また、ユーザ関係度として、交流回数、交流時間、あるいは、これらの両方をベースとして算出するかの指定を権限ユーザが行ってもよい。当該指定がない場合、評価部240は、交流回数及び交流時間のうち予め定められた一方又は両方をベースに、ユーザ関係度を算出する。
【0105】
ステップS1202において、評価部240は、権限ユーザにより入力された条件に基づき、基準ユーザ及び対象ユーザを特定し、基準ユーザ及び対象ユーザについて、位置履歴及びスケジュール情報の少なくとも一方を、データベース210から読み出す。そして、評価部240は、読み出した情報に基づき、交流回数及び交流時間の少なくとも一方を計算する。
【0106】
ステップS1203において、評価部240は、計算した値に基づき、基準ユーザ及び対象ユーザ間のユーザ関係度を算出する。交流回数又は交流時間そのものをユーザ関係度としてもよいし、交流回数、交流時間又はこれらの両方、に基づき演算した結果をユーザ関係度としてもよい。演算の例として、交流回数又は交流時間をパラメータとする関数を用意しておき、関数の出力値をユーザ関係度とする。関数の出力値は、例えば値域が所定の範囲(0以上100以下など)になるようにし、直感的に交流の強さが分かり易くなるようにしてもよい。交流回数又は交流時間が大きいほど、関数の出力値が大きく(又は小さく)なるようにする。
【0107】
ステップS1204において、出力処理部250は、評価部240により算出されたユーザ関係度の順に、対象ユーザを配置することにより出力情報215を生成する。出力情報215の形式は、リスト形式又は表形式など、どのような形式でもよい。出力処理部250は、通信部260を介して、出力情報215を権限ユーザのユーザ端末140に送信し、ユーザ端末140に出力情報215を表示させる。
【0108】
図2の情報処理装置100の一部の機能をユーザ端末140に実装してもよい。例えば、評価部240及び出力処理部250をユーザ端末140に実装してもよい。この場合、情報処理装置100から評価部240及び出力処理部250を除去してもよい。ユーザ端末140への評価部240及び出力処理部250の実装は、評価部240及び出力処理部250の機能を実現するアプリケーションをユーザ端末140にインストールすることで行ってもよい。その他、データベース管理部220をユーザ端末140に実装してもよい。また、データベース210をユーザ端末140に実装することも排除されない。
【0109】
以上、本実施形態によれば、スケジュールテーブル214及び位置履歴テーブル212の少なくとも一方を用いて、基準ユーザと対象ユーザとのユーザ関係度を算出し、ユーザ関係度に応じて対象ユーザを配置した出力情報215を生成する。これにより、基準ユーザと関係度の強い対象ユーザを容易に把握できる。
【0110】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、基準ユーザについて対象ユーザとのユーザ関係度を算出したが、本第2の実施形態では、基準となる部署(基準部署)について、基準部署以外の他の部署のユーザ(対象ユーザ)との関係の強さを算出する。この関係の強さを部署関係度と称する。部署関係度は組織関係度の一例であり、組織が課であれば、課関係度などと称する。
【0111】
ある部署(例えばアプリ開発部)について、他の部署のユーザ(対象ユーザ)との部署関係度を算出したい場合は、基準部署(第1組織)としてアプリ開発部を指定し、対象ユーザ(第2ユーザ)としてアプリ開発部以外の部署のユーザを指定する。対象ユーザは、一人でも、複数人でもよいし、他の全部署の全ユーザでもよい。対象ユーザの指定の方法は様々考えられる。
【0112】
一例として、部署単位で座席配置がなされており、アプリ開発部の責任者(例えばユーザE)が、アプリ開発部と他の部署のユーザとの関係度を調べたいとする。この場合、上司は、例えば、評価期間として2018年の一年を指定し、基準部署としてアプリ開発部、対象ユーザとして、アプリ開発部以外の部署(デザイン部、営業部など)の全ユーザを指定する。
図5の例では、対象ユーザはユーザB、G、H、D、J、Kである。評価部240が、アプリ開発部と対象ユーザとの部署関係度を算出する。以下、具体例を説明する。
【0113】
評価部240は、ユーザ属性テーブル211に基づき、アプリ開発部に属しているユーザ(ユーザA、F、C、L、E)を基準ユーザ(第1ユーザ)として特定する。対象ユーザ(B、G、H、D、J、K)のそれぞれについて、ユーザA、F、C、L、Eとのユーザ関係度(交流回数又は交流時間に基づく情報)を算出する。ユーザ関係度の算出方法は、第1~第6の例と同様である。計算したユーザ関係度を総和することにより、対象ユーザについてアプリ開発部との関係度(部署関係度)を算出する。例えばユーザ関係度が交流回数である場合、対象ユーザとユーザAとの交流回数、ユーザFとの交流回数、ユーザCとの交流回数、ユーザLとの交流回数、ユーザEとの交流回数を算出し、これらの交流回数を合計する。この合計交流回数を、アプリ開発部と対象ユーザとの部署関係度とする。
【0114】
出力処理部250は、合計交流回数の大きい順に対象ユーザを配置することにより、アプリ開発部と対象ユーザとの部署関係度を表した部署関係リスト(出力情報)を生成する。
【0115】
図15に、部署関係リストの例を示す。合計交流回数(部署関係度)の大きい順に対象ユーザが配置されている。また、各対象ユーザとの合計交流回数が配置されている。ここでは合計交流回数189のユーザKが、最もアプリ開発部との部署関係度が高いことが分かる。2番目に部署関係度が高いのはユーザJ、3番目に部署関係度が高いのはユーザHである。4番目以降も同様にして表示される。ただし、上位から所定の順位までのユーザのみを配置するようにしてもよい。合計交流回数を配置したが、合計交流回数を12で除算して、1ヶ月あたりの平均回数を配置してもよい。合計交流回数に基づく情報であれば、その他の形式で情報を配置してもよい。
【0116】
ここでは合計交流回数に基づき部署関係度を算出したが、アプリ開発部の各ユーザ(ユーザA、F、C、L、E)との交流時間を算出し、算出した交流時間を合計した合計交流時間に基づき、部署関係度を算出してもよい。その他、第1~第6の例で述べた各種のバリエーションが可能である。
【0117】
(第3の実施形態)
第1の実施形態では座席配置が部署単位で行われていたが、本第3の実施形態ではチーム単位で座席配置が行われている場合を扱う。
【0118】
図16は、複数の部署から横断的にユーザを選択して、3つのチームを構成する例を示している。第1コンテンツチームは、アプリ開発部から選択されたユーザA、C、デザイン部から選択されたユーザG、営業部から選択されたユーザKにより構成される。同様に、第2コンテンツチームは、アプリ開発部から選択されたユーザF、デザイン部から選択されたユーザH、営業部から選択されたユーザDにより構成される。第3コンテンツチームは、アプリ開発部から選択されたユーザL、E、デザイン部から選択されたユーザB、営業部から選択されたユーザJにより構成される。
【0119】
図17は、チーム単位で座席配置を行う場合のレイアウトデータの例を示している。第1コンテンツチーム、第2コンテンツチーム及び第3コンテンツチームの別に、座席のブロック(島)が構成されている。
【0120】
このような座席配置の場合、同じ部署内でもユーザ同士が離れていたり、同じ部署内の会議がなかったりすると、ほとんど交流のないユーザ同士も存在し得る。ある部署の責任者又は複数の部署の統括責任者などは、同じ部署内でどのユーザ同士の関係が強いのか、あるいは弱いのかを知りたい場合がある。異なるチームに属し、同じ部署内のユーザ同士の交流がなければ、積極的に交流をもつ機会を増やすことで、各チームで得た知見を同じ部署内で共有し、部署の知識・技術の蓄積を増やすことができる。
【0121】
一例として、アプリ開発部の責任者は、アプリ開発部内のユーザAについて、ユーザAと異なるチームに属し、かつ同じ部署内の他のユーザとどの程度強い関係があるのかを調べたいとする。この場合、アプリ開発部の責任者は、基準ユーザとしてアプリ開発部内のユーザAを指定し、対象ユーザとして、ユーザAと異なるチームに属し、かつ同じ部署内の他のユーザ(F、L、E)を指定する。第1の実施形態と同様にして、ユーザAと他のユーザ(F、L、E)とのユーザ関係度を算出する。ユーザ関係度の算出方法は、第1~第6の例と同様である。
【0122】
出力処理部250は、ユーザ関係度の大きい順に対象ユーザを配置することにより、ユーザAと、対象ユーザ(F、L、E)とのユーザ関係度を表したユーザ関係リストを生成する。
【0123】
図18(A)に、ユーザ関係リストの例を示す。ユーザ関係度としてユーザAとの交流回数の大きい順に対象ユーザが配置されている。また、各対象ユーザの交流回数が配置されている。ここでは交流回数82のユーザFが、最もアプリ開発部の中でユーザAとのユーザ関係度が高いことが分かる。
【0124】
ここでは交流回数に基づきユーザ関係度を算出したが、交流時間に基づき、ユーザ関係度を算出してもよい。その他、第1~第6の例で述べた各種のバリエーションが可能である。
【0125】
別の例として、アプリ開発部内で、異なるチームに属するユーザ間のユーザ関係度をすべて算出するよう指定してもよい。この場合、出力処理部250は、例えば、異なるチームに属するユーザ間のユーザ関係度を表したすべて配置したユーザ関係テーブル(出力情報)を生成する。
【0126】
図18(B)は、ユーザ関係テーブルの例を示す。アプリ開発部内で、異なるチームに属するユーザ間のユーザ関係度をまとめた表が示される。この表を参照することで、統括責任者は、異なるチームに属するユーザ間のユーザ関係度を一度に把握できる。なお、ユーザ関係テーブルではなく、基準ユーザごとに対象ユーザのリストを配置したリスト形式で、同様の内容の情報を生成してもよい。
【0127】
(第4の実施形態)
第1~第3の実施形態では各ユーザの座席は予め決められていたが、本第4の実施形態では、各ユーザが使用する座席が固定されないフリーアドレス環境を想定する。この環境では、各ユーザは自分が使用する座席を日ごとに自由に選択できる。なお、日ごとの選択ではなく、週単位又は月単位での選択など、様々な時間単位での選択が許容されてもよい。
【0128】
図19は、フリーアドレス環境の場合のレイアウトデータの例を示している。すべての座席が自由に選択できるようになっている。ただし、一部の座席のみ、特定のユーザが使用するよう決められ、残りの座席がフリーアドレス環境であってもよい。
【0129】
フリーアドレス環境の場合、各部署の責任者又は複数の部署の統括責任者は、各部署内のユーザ同士の交流関係が分からないことがある。部署単位で座席配置が行われていれば、部署内のユーザ同士の交流関係が把握しやすいが、フリーアドレス環境では各ユーザが自由に好きな座席を選択できるため、同じ部署内のユーザ同士の交流関係が把握しにくい。同じ部署内のユーザ同士の交流関係の強さを把握することができれば、業務効率の向上を図ったり、チームを編成する場合のメンバー選出を効率的に行ったりすることに役立てることができる。
【0130】
一例として、アプリ開発部の責任者(例えばユーザE)が、アプリ開発部内のユーザAが同じ部署内の他のユーザとどの程度強い関係があるのかを調べたいとする。この場合、アプリ開発部の責任者(例えばユーザE)は、基準ユーザとしてアプリ開発部内のユーザAを指定し、対象ユーザとして、同じ部署内の他のユーザ(C、F、L、E)を指定する。なお、アプリ開発部の責任者は、対象ユーザから自分(ユーザE)を除いても良い。評価部240は、第1又は第3の実施形態と同様にして、ユーザAと他のユーザ(C、F、L、E)とのユーザ関係度を算出する。ユーザ関係度の算出方法は、第1~第6の例と同様である。
【0131】
出力処理部250は、ユーザ関係度の大きい順に対象ユーザを配置することにより、ユーザAと、対象ユーザ(C、F、L、E)とのユーザ関係度を表したユーザ関係リストを生成する。
【0132】
図20(A)に、ユーザ関係リストの例を示す。ユーザ関係度としてユーザAとの交流回数の大きい順に対象ユーザが配置されている。また、各対象ユーザとの交流回数が配置されている。ここでは交流回数91のユーザFが、最もアプリ開発部の中でユーザAとのユーザ関係度が高いことが分かる。
【0133】
ここでは交流回数に基づきユーザ関係度を算出したが、交流時間に基づき、ユーザ関係度を算出してもよい。その他、第1~第6の例で述べた各種のバリエーションが可能である。
【0134】
別の例として、アプリ開発部の責任者が、アプリ開発部内のユーザ間のユーザ関係度をすべて算出するよう指定してもよい。この場合、出力処理部250は、例えば、アプリ開発部内のユーザ間のユーザ関係度を表したすべて配置したユーザ関係テーブルを生成する。
【0135】
図20(B)は、ユーザ関係テーブルの例を示す。アプリ開発部内でユーザ間のユーザ関係度をまとめた表が示される。この表を参照することで、アプリ開発部の責任者は、自部署におけるユーザ間のユーザ関係度を一度に把握できる。なお、ユーザ関係テーブルではなく、基準ユーザごとに対象ユーザのリストを配置したリスト形式で、同様の内容の情報を生成してもよい。
【0136】
(第1~第5の実施形態の変形例)
第1~第5の実施形態では、ユーザ関係度を算出するためにスケジュールテーブル214及び位置履歴テーブル212の少なくとも一方を用いたが、その他の形態も可能である。
【0137】
例えばユーザ間でユーザ端末140を用いて、電子メールやメッセージアプリで情報交換する場合がある。このときの電子メールやメッセージの交換を、ユーザ同士の交流としてもよい。例えば、電子メールやメッセージの1回の送信を、1回の交流とする。あるいは、電子メールやメッセージの送信と応答を含む一連の1つの流れを1回の交流とする。第1~第5の実施形態で算出した交流回数と、本変形例で算出する交流回数とを合計し、合計した値でユーザ関係度を算出してもよい。あるいは、両者を重み付け合計してユーザ関係度を算出してもよい。本変形例を実施する場合、データベース210に、例えば電子メール又はメッセージの交換履歴を、電子メール履歴又はメッセージ交換履歴として残しておけばよい。
【0138】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の構成要素を種々に具体化できる。また、上記実施形態における各構成要素を適宜、拡張し、変更し、削除し、または組み合わせて、本発明を形成することも可能である。また、別の構成要素を新たに追加して、本発明を形成することも可能である。
【0139】
以下に、本願明細書に開示された主題を付記する。
【0140】
[項目1]
企業における複数のユーザが所属する組織に関する情報と、
前記ユーザが参加するイベントのスケジュール情報、及び前記ユーザの位置の履歴情報の少なくとも一方と
を保持するデータベースにアクセスするアクセスステップと、
前記データベースに基づき、前記複数のユーザの中から任意のユーザである第1ユーザと第2ユーザを選択し、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザ間の関係の強さを算出する評価ステップと、
をコンピュータが実行する情報処理方法。
前記第1ユーザ及び前記第2ユーザ間の関係の強さを算出することで、第1及び第2ユーザ間の関係を評価できる。
【0141】
[項目2]
前記評価ステップは、
前記第1ユーザ及び前記第2ユーザが交流している時間を表す交流時間、
及び
前記第1ユーザ及び前記第2ユーザが交流している回数を表す交流回数
の少なくとも一方を算出し、
前記交流時間及び前記交流回数の少なくとも一方に基づき、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザ間の関係の強さを算出する
項目1に記載の情報処理方法。
交流時間及び前記交流回数の少なくとも一方に基づき、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザ間の関係の強さを算出することで、第1及び第2ユーザ間の関係を評価できる。
【0142】
[項目3]
前記評価ステップは、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザが同じ場所に存在する間、前記第1ユーザと前記第2ユーザが交流していると判断する
項目1又は2に記載の情報処理方法。
前記第1ユーザと前記第2ユーザが交流していることを高精度に検出できる。
【0143】
[項目4]
前記評価ステップは、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザが同じ場所に一定時間以上連続して存在する間、前記第1ユーザと前記第2ユーザが交流していると判断する
項目3に記載の情報処理方法。
前記第1ユーザと前記第2ユーザが交流していることを高精度に検出できる。
【0144】
[項目5]
前記データベースは、前記複数のユーザの座席位置の情報を保持しており、
前記評価ステップは、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザの少なくとも一方が離席しており、かつ、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザが同じ場所に存在する間、前記第1ユーザと前記第2ユーザが交流していると判断する
項目3又は4に記載の情報処理方法。
前記第1ユーザと前記第2ユーザが交流していることを高精度に検出できる。
【0145】
[項目6]
前記評価ステップは、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザ間の距離が第1距離以下である場合に、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザが同じ場所にいると判断する
項目3~5のいずれか一項に記載の情報処理方法。
前記第1ユーザと前記第2ユーザが交流していることを高精度に検出できる。
【0146】
[項目7]
前記評価ステップは、前記第1ユーザと前記第2ユーザが同じイベントに参加しているかを判断し、前記第1ユーザと前記第2ユーザが前記同じイベントに参加している場合、前記第1ユーザと前記第2ユーザが交流していると判断する
項目2に記載の情報処理方法。
前記第1ユーザと前記第2ユーザが交流していることを高精度に検出できる。
【0147】
[項目8]
前記スケジュール情報は、前記イベントの参加者リストを含み、
前記評価ステップは、前記参加者リストに含まれるユーザを、前記同じイベントに参加しているユーザと判断する
項目7に記載の情報処理方法。
交流しているユーザ同士を高精度に検出できる。
【0148】
[項目9]
前記スケジュール情報は、前記イベントが行われる時間及び場所の情報を含み、
前記評価ステップは、前記イベントの前記時間に前記位置が前記場所に存在するユーザ、もしくは、前記イベントの前記時間に離席しているユーザを、前記イベントに参加しているユーザと判断する
項目7又は8に記載の情報処理方法。
交流しているユーザ同士を高精度に検出できる。
【0149】
[項目10]
前記データベースは、前記複数のユーザの座席位置の情報を保持しており、
前記評価ステップは、前記組織単位で座席配置がなされている場合に、互いに異なる組織に所属しているユーザを、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザとして選択する
項目1~9のいずれか一項に記載の情報処理方法。
異なる組織に属しているユーザ同士の関係の強さを評価できる。
【0150】
[項目11]
前記データベースは、前記複数のユーザの座席位置の情報を保持しており、
前記データベースは、2つ以上の前記組織から選出されたユーザにより構成される複数のチームの情報を保持しており、
前記評価ステップは、前記チーム単位で座席配置がなされている場合に、同じ組織に所属し、かつ異なるチームに参加しているユーザを前記第1ユーザ及び前記第2ユーザとして選択する
項目1~9のいずれか一項に記載の情報処理方法。
異なるチームに属し、かつ同じ組織に属しているユーザ同士の関係の強さを評価できる。
【0151】
[項目12]
前記データベースは、使用する座席が固定されないフリーアドレス環境において前記ユーザが選択した座席位置の情報を保持しており、
前記評価ステップは、使用する座席が固定されないフリーアドレス環境において、同じ組織に所属しているユーザを、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザとして選択する
項目1~9のいずれか一項に記載の情報処理方法。
フリーアドレス環境の場合に、同じ組織に属しているユーザ同士の関係の強さを評価できる。
【0152】
[項目13]
前記ユーザが保持している移動端末と通信する基地局から前記ユーザの位置の情報を取得し、取得された情報に基づき、前記ユーザの前記位置を前記データベースに格納する取得ステップ
を前記コンピュータが実行する項目1~12のいずれか一項に記載の情報処理方法。
ユーザの位置を高精度の検出できる。
【0153】
[項目14]
前記評価ステップは、
前記複数のユーザから前記第1ユーザと、2人以上の前記第2ユーザを選択し、
前記第1ユーザと2人以上の前記第2ユーザとの関係の強さを評価し、
前記コンピュータは、
前記第1ユーザに対する前記関係の強さの順に応じて、前記第2ユーザの情報を配置した出力情報を生成し、前記出力情報を出力する出力処理ステップを実行する
項目1~13のいずれか一項に記載の情報処理方法。
第1ユーザと複数の第2ユーザとの関係の強さを一覧できる。
【0154】
[項目15]
前記複数のユーザのうちの一人のユーザの指定を操作者から受ける入力ステップを前記コンピュータが実行し、
前記評価ステップは、前記指定されたユーザを前記第1ユーザとする
項目14に記載の情報処理方法。
所望のユーザを第1ユーザとして指定できる。
【0155】
[項目16]
前記評価ステップは、
前記企業内における複数の組織のうちの1つの前記組織を第1組織とし、前記第1組織以外の組織に所属する任意のユーザを前記第2ユーザとし、前記第1組織に属する各ユーザを前記第1ユーザとし、
前記第2ユーザと複数の前記第1ユーザとの関係の強さを算出し、算出した前記関係の強さに基づき、前記第2ユーザと前記第1組織との関係の強さを算出する
項目1~15のいずれか一項に記載の情報処理方法。
第1組織と複数の第1ユーザとの関係の強さを一覧できる。
【0156】
[項目17]
前記複数の組織から1つの組織の指定を操作者から受ける入力ステップを前記コンピュータが実行し、
前記評価ステップは、
前記指定された組織を前記第1組織とし、
複数の前記第2ユーザについて前記第1組織との関係の強さを算出し、
前記コンピュータは、前記第1組織との関係の強さの順に応じて、複数の前記第2ユーザの情報を配置した出力情報を生成し、前記出力情報を出力する出力処理ステップを実行する
項目16に記載の情報処理方法。
所望の組織を第1組織として指定できる。
【0157】
[項目18]
企業における複数のユーザが所属する組織に関する情報と、
前記ユーザが参加予定のイベントのスケジュール情報、及び前記ユーザの位置の履歴情報の少なくとも一方と
を保持するデータベースと、
前記データベースに基づき、前記複数のユーザの中から任意のユーザである第1ユーザと第2ユーザを選択し、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザ間の関係の強さを算出する評価部と、
を備えた情報処理装置。
前記第1ユーザ及び前記第2ユーザ間の関係の強さを算出することで、第1及び第2ユーザ間の関係を評価できる。
【0158】
[項目19]
企業における複数のユーザが所属する組織に関する情報と、
前記ユーザが参加予定のイベントのスケジュール情報、及び前記ユーザの位置の履歴情報の少なくとも一方と
を保持するデータベースにアクセスするアクセスステップと、
前記データベースに基づき、前記複数のユーザの中から任意のユーザである第1ユーザと第2ユーザを選択し、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザ間の関係の強さを算出する評価ステップと、
をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
前記第1ユーザ及び前記第2ユーザ間の関係の強さを算出することで、第1及び第2ユーザ間の関係を評価できる。
【符号の説明】
【0159】
100:情報処理装置
102:プロセッサ
104:メモリ
106:入出力インタフェース
108:通信インタフェース
110:ネットワーク
120:アクセスポイント
130:中継局
140:ユーザ端末
200:データ記憶部
210:データベース
211:ユーザ属性テーブル
212:位置履歴テーブル
213:レイアウト情報
214:スケジュールテーブル
215:出力情報
220:データベース管理部
240:評価部
250:出力処理部
260:通信部