IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社三菱東京UFJ銀行の特許一覧

特許7334061文書作成システム、文書作成方法及びサーバ装置
<>
  • 特許-文書作成システム、文書作成方法及びサーバ装置 図1
  • 特許-文書作成システム、文書作成方法及びサーバ装置 図2
  • 特許-文書作成システム、文書作成方法及びサーバ装置 図3
  • 特許-文書作成システム、文書作成方法及びサーバ装置 図4
  • 特許-文書作成システム、文書作成方法及びサーバ装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-18
(45)【発行日】2023-08-28
(54)【発明の名称】文書作成システム、文書作成方法及びサーバ装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20230821BHJP
   H04L 67/02 20220101ALI20230821BHJP
   G06Q 40/02 20230101ALI20230821BHJP
【FI】
G06Q10/10
H04L67/02
G06Q40/02
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019092058
(22)【出願日】2019-05-15
(65)【公開番号】P2020187570
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】598049322
【氏名又は名称】株式会社三菱UFJ銀行
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】本間 一誠
(72)【発明者】
【氏名】大口 健一
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-016263(JP,A)
【文献】特開平11-353376(JP,A)
【文献】特開2017-168042(JP,A)
【文献】特開2008-046733(JP,A)
【文献】特開2004-326442(JP,A)
【文献】特開平11-175617(JP,A)
【文献】特開2009-193392(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
H04L 67/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが操作するユーザ端末と、
ネットワークを介し前記ユーザに第1のサービスを提供するサーバ装置と、
前記サーバ装置に通信接続され、第2のサービスに関する文書を作成する文書作成装置と、
を有し、
前記サーバ装置は、
前記ユーザに関するユーザ情報を記憶する記憶部と、
前記ユーザ端末から前記第2のサービスに対する手続要求を受信する要求受信部と、
前記手続要求を受信すると、前記第2のサービスに関する資源位置識別子により指示されるアドレスに前記ユーザ端末の交信先を変更する変更部と、
前記ユーザ情報のうち前記第2のサービスの手続に必要な第1のユーザ情報を特定し、前記資源位置識別子により特定される前記文書作成装置に送信する情報提供部と、を有し、
前記文書作成装置は、
前記ユーザから前記第2のサービスの手続に必要な情報のうち前記第1のユーザ情報に含まれない第2のユーザ情報を取得する情報取得部と、
前記第1のユーザ情報と前記第2のユーザ情報とを前記文書の電子フォーマットに入力することで、前記文書を作成する文書作成部と、
を有する文書作成システム。
【請求項2】
ネットワークを介しユーザに第1のサービスを提供するサーバ装置が、前記ユーザが操作するユーザ端末から第2のサービスに対する手続要求を受信するステップと、
前記サーバ装置が、前記手続要求を受信すると、前記第2のサービスに関する資源位置識別子により指示されるアドレスに前記ユーザ端末の交信先を変更するステップと、
前記サーバ装置が、前記ユーザに関するユーザ情報のうち前記第2のサービスの手続に必要な第1のユーザ情報を特定し、前記資源位置識別子により特定される文書作成装置に送信するステップと、
前記文書作成装置が、前記ユーザから前記第2のサービスの手続に必要な情報のうち前記第1のユーザ情報に含まれない第2のユーザ情報を取得するステップと、
前記文書作成装置が、前記第1のユーザ情報と前記第2のユーザ情報とを前記第2のサービスに関する文書の電子フォーマットに入力することで、前記文書を作成するステップと、
を有する文書作成方法。
【請求項3】
ネットワークを介しユーザに第1のサービスを提供するサーバ装置であって、
前記サーバ装置は、
前記ユーザに関するユーザ情報を記憶する記憶部と、
前記ユーザが操作するユーザ端末から第2のサービスに対する手続要求を受信する要求受信部と、
前記手続要求を受信すると、前記第2のサービスに関する資源位置識別子により指示されるアドレスに前記ユーザ端末の交信先を変更する変更部と、
前記ユーザ情報のうち前記第2のサービスの手続に必要な第1のユーザ情報を特定し、前記資源位置識別子により特定される文書作成装置に送信する情報提供部と、
を有し、
前記文書作成装置は、
前記ユーザから前記第2のサービスの手続に必要な情報のうち前記第1のユーザ情報に含まれない第2のユーザ情報を取得し、前記第1のユーザ情報と前記第2のユーザ情報とを前記第2のサービスに関する文書の電子フォーマットに入力することで、前記文書を作成する、
サーバ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書作成システム、文書作成方法及びサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等の普及によって、多くの利用者が店頭だけでなくネットワークを介し各種金融サービスを利用するようになってきている。例えば、利用者は、店頭やATMに出向くことなく、ネットバンキングを利用して振込等の各種金融取引を行うことができる。
【0003】
一方、高齢化社会の進展に伴って、国民年金等の従来の公的年金を補完する個人型確定拠出年金(Individual Defined Contribution Plan、略してiDeCo)等、公的機関が関与した私的年金が拡充されつつある。例えば、iDeCoでは、加入者は投資信託等の運用商品に一定の上限を有する掛金を拠出し、現状原則60歳まで積立をし続ける。この拠出に対して、利用者は掛金が全額所得控除になるなどの税制優遇措置を受けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-30053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
個人型確定拠出年金等の公的機関が関与する場合、利用者は書面による申込手続が必要とされる。しかしながら、利用者による書類記入に係る負担や記入ミス、記入漏れ等による手続受託機関の事務負担が懸念される。
【0006】
上記問題点に鑑み、本発明の課題は、利用者の利便性を向上させる手続支援技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、ネットワークを介しユーザにサービスを提供するサーバ装置と、
前記サーバ装置に通信接続され、文書を作成する文書作成装置と、
を有し、
前記サーバ装置は、
ユーザからサービスに対する手続要求を受信する要求受信部と、
前記サービスの手続に必要な第1のユーザ情報を前記文書作成装置に送信する情報提供部と、を有し、
前記文書作成装置は、
前記ユーザから前記サービスの手続に必要な第2のユーザ情報を取得する情報取得部と、
前記第1のユーザ情報と前記第2のユーザ情報とに基づき前記サービスのための手続書類を作成する文書作成部と、
を有する文書作成システムに関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、利用者による書類記入に係る負担や記入ミス、記入漏れ等による手続受託機関の事務負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施例による文書作成システムを示す概略図である。
図2】本発明の一実施例によるサーバ装置及び文書作成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施例によるサーバ装置の機能構成を示すブロック図である。
図4】本発明の一実施例による文書作成装置の機能構成を示すブロック図である。
図5】本発明の一実施例による文書作成処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
以下の実施例では、金融機関のネットバンキングシステム等に登録済みのユーザ情報を援用して、iDeCoなどの書面での手続が求められる各種サービスに対する文書作成処理を実現する文書作成システムが開示される。
【0012】
後述される実施例を概略すると、図1に示されるように、ユーザがパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどのユーザ端末50を介しネットバンキングシステムを提供するウェブサーバなどのサーバ装置100にログインした後、iDeCoなどの金融サービスに対する加入要求をサーバ装置100に送信すると、サーバ装置100は、ユーザの登録済みのユーザ情報(iDeCoの場合、氏名、生年月日、性別、住所、連絡先、引落口座情報、口座名義人など)を文書作成装置200に送信すると共に、文書作成装置200によって運営されるウェブサイトなどの画面に遷移させる。
【0013】
なお、ユーザ情報は、当該取引要求のみに限定されない当該ユーザの属性に関する情報であってもよい。
【0014】
また、利用者に関する情報を手続受託機関等に公衆回線を用いて送信する場合には、送信途中における情報の不正取得等による本人なりすましによる不正取引等も懸念される。このため、情報セキュリティを一層強固にした手続支援技術が所望される。このユーザ情報の送信は画面遷移と同時に行ってもよいが、それぞれを別に行うことで、中間者攻撃による本人なりすましのリスクを低減させ、より安全な文書作成が可能となる。これにより、公衆回線を用いて構成される文書作成システムにおいて、ユーザ端末から入力された情報に基づき文書を作成するに当たり、利用者にとって利便性が高く、より情報セキュリティ水準の高い文書作成システムを提供することができる。
【0015】
文書作成装置200は、要求された金融サービスの加入に必要な情報項目を確認し、サーバ装置100から取得したユーザ情報に加えて、追加で必要な情報項目(iDeCoの場合、基礎年金番号、被保険者の種別、掛金の納付方法、掛金額区分(毎月の掛金額)、企業型確定拠出年金の加入履歴など)を特定し、特定した情報項目をユーザに入力させるための画面をユーザ端末50に送信する。
【0016】
なお、この特定した情報項目は、当該取引要求に固有の情報であってもよい。
【0017】
ユーザによる情報項目の入力後、文書作成装置200は、サーバ装置100及びユーザ端末50から取得したユーザ情報の該当情報を申込書類の必要項目に入力し、入力済みの申込書類をプリントアウトする。印刷された申込書類は、他の必要書類と一緒に、例えば、外部委託先などを通じて関係機関(iDeCoの場合、国民年金基金連合会など)に送付される。
【0018】
このようにして、ユーザは、必要書類の各項目を手書きにより記入する必要なく、また、金融機関に登録済みのユーザ情報を援用することによって全ての項目を入力する必要なく、記入ミスや記入漏れのない書類を関係機関に提出することができ、受託機関の事務負担を軽減することができる。
【0019】
ここで、サーバ装置100及び文書作成装置200は、例えば、図2に示されるようなハードウェア構成を有してもよい。すなわち、サーバ装置100及び文書作成装置200は、バスBを介し相互接続されるドライブ装置101、補助記憶装置102、メモリ装置103、CPU(Central Processing Unit)104、インタフェース装置105及び通信装置106を有する。
【0020】
サーバ装置100及び文書作成装置200における後述される各種機能及び処理を実現するプログラムを含む各種コンピュータプログラムは、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory)などの記録媒体107によって提供されてもよい。プログラムを記憶した記録媒体107がドライブ装置101にセットされると、プログラムが記録媒体107からドライブ装置101を介して補助記憶装置102にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体107により行う必要はなく、ネットワークなどを介し何れかの外部装置からダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置102は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータなどを格納する。メモリ装置103は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置102からプログラムやデータを読み出して格納する。プロセッサとして機能するCPU104は、メモリ装置103に格納されたプログラムやプログラムを実行するのに必要なパラメータなどの各種データに従って、後述されるようなサーバ装置100及び文書作成装置200の各種機能及び処理を実行する。インタフェース装置105は、ネットワーク又は外部装置に接続するための通信インタフェースとして用いられる。通信装置106は、外部装置と通信するための各種通信処理を実行する。
【0021】
しかしながら、サーバ装置100及び文書作成装置200は、上述したハードウェア構成に限定されるものでなく、他の何れか適切なハードウェア構成により実現されてもよい。
【0022】
まず、図3を参照して、本発明の一実施例によるサーバ装置100を説明する。図3は、本発明の一実施例によるサーバ装置100の機能構成を示すブロック図である。
【0023】
図3に示されるように、サーバ装置100は、要求受信部110及び情報提供部120を有する。例えば、サーバ装置100は、ネットワークを介しユーザに金融サービスを提供し、典型的には、銀行等により提供されるネットバンキングシステムなど、各種金融機関により提供される顧客向けウェブシステムを実現する計算装置である。
【0024】
要求受信部110は、ユーザからサービスに対する手続要求を受信する。具体的には、要求受信部110は、顧客向けウェブシステムにログインしたユーザから、当該ウェブシステムを介し手続可能なサービスに対する手続要求を受信し、受信した手続要求を情報提供部120に送信する。例えば、顧客向けウェブシステムは、銀行等のネットバンキングシステムであり、ログインしたユーザは、メニュー画面等に表示された個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入手続アイコンをクリックすることによって、iDeCoの加入手続要求を要求受信部110に送信してもよい。
【0025】
また、要求受信部110は、文書作成装置200を運営する外部委託先に要求されたサービスに対する手続を委託することに関する同意をユーザから取得してもよい。例えば、iDeCoへの加入手続の場合、要求受信部110は、提携している外部委託先にiDeCo申込書類を印刷し、国民年金基金連合会に提出させることに係る同意を、顧客向けウェブシステム上の画面を介し受けるようにしてもよい。ユーザから提供されたID及びパスワードなどのログイン情報と当該同意によって、意思確認用の印鑑による押印を代用させてもよい。
【0026】
すなわち、サーバ装置100と文書作成装置200が相異なる主体により管理されており、文書作成装置200により作成される文書が有印文書である場合には、この代用により、文書作成装置200の管理主体は当該文書にユーザの印鑑による押印を求める必要がなく、ユーザの利便性はその限度で向上することになる。
【0027】
以下の実施例では、iDeCoに着目して説明するが、本発明によるサービスはこれに限定されず、書面による手続が必要とされる任意のサービスであってもよい。また、手続要求として加入手続に着目して説明するが、本発明による手続要求はこれに限定されず、変更、解約等の書面の提出を伴う何れか適切な手続であってもよい。
【0028】
情報提供部120は、サービスの手続に必要なユーザ情報を文書作成装置200に送信する。具体的には、情報提供部120は、要求受信部110からサービスに対する手続要求を受信すると、要求された手続に必要な情報項目を特定し、顧客向けウェブシステムに登録されている当該ユーザのユーザ情報から、特定された情報項目に一致するユーザ情報を決定し、ユーザからの手続要求と共に決定したユーザ情報を文書作成装置200に提供する。
【0029】
典型的には、顧客向けウェブシステムには、ユーザの氏名、生年月日、性別、住所、連絡先等の各種ユーザ情報が予め登録されており、情報提供部120は、要求されたサービスに対する手続に必要とされる情報項目に該当するユーザ情報を抽出し、抽出したユーザ情報を手続要求と一緒に文書作成装置200に送信する。さらに、情報提供部120は、文書作成装置200によって運営されるウェブサイトへの画面遷移を実行する。
【0030】
情報提供部120からユーザ情報及び手続要求を受信すると、文書作成装置200は、ユーザからサービスの手続に必要なユーザ情報を取得させ、情報提供部120から取得したユーザ情報と文書作成装置200によって取得されたユーザ情報とに基づきサービスのための手続書類を作成する。
【0031】
次に、図4を参照して、本発明の一実施例による文書作成装置200を説明する。図4は、本発明の一実施例による文書作成装置200の機能構成を示すブロック図である。
【0032】
図4に示されるように、文書作成装置200は、情報取得部210及び文書作成部220を有する。典型的には、文書作成装置200は、サーバ装置100を運営する金融機関以外の外部業者によって運営されるウェブシステムであり、サーバ装置100と連携して、ユーザにより要求されたサービスに対する手続を実行する。
【0033】
情報取得部210は、ユーザからサービスの手続に必要なユーザ情報を取得する。具体的には、情報取得部210は、サーバ装置100から手続要求及びユーザ情報を受信すると、当該手続のための手続書類の必要事項を特定し、サーバ装置100から取得したユーザ情報に加えて何れのユーザ情報が追加的に必要であるか決定する。そして、情報取得部210は、決定した追加的に必要なユーザ情報を入力するようユーザに要求する。ユーザがユーザ端末50上で要求されたユーザ情報を入力すると、情報取得部210は、入力されたユーザ情報を文書作成部220に送信する。
【0034】
例えば、iDeCoへの加入手続の場合、申込書類には、ユーザの氏名、生年月日、性別、住所、連絡先、掛金引落口座情報及び口座名義人に加えて、基礎年金番号、被保険者の種別、掛金の納付方法、掛金額区分(毎月の掛金額)及び企業型確定拠出年金の加入履歴の記入が求められている。このため、サーバ装置100から提供されるユーザの氏名、生年月日、性別、住所、連絡先、掛金引落口座情報及び口座名義人に加えて、情報取得部210は、基礎年金番号、被保険者の種別、掛金の納付方法、掛金額区分(毎月の掛金額)及び企業型確定拠出年金の加入履歴を入力するようユーザに要求してもよい。なお、情報取得部210によって取得されるユーザ情報の情報項目は、これらに限定されず、例えば、以降における制度改正や書式変更等によって適宜修正されうる。
【0035】
文書作成部220は、サーバ装置100から取得したユーザ情報と情報取得部210から取得したユーザ情報とに基づきサービスのための手続書類を作成する。具体的には、文書作成部220は、取得したユーザ情報を手続書類の電子フォーマットの該当項目に入力し、入力済みの手続書類をプリントアウトする。印刷された手続書類は、例えば、配送のための外部委託先に送付され、適宜不備チェックを受けた後、関係機関に送付される。
【0036】
例えば、iDeCoへの加入手続の場合、文書作成部220は、ユーザの氏名、生年月日、性別、住所、連絡先、掛金引落口座情報及び口座名義人、基礎年金番号、被保険者の種別、掛金の納付方法、掛金額区分(毎月の掛金額)及び企業型確定拠出年金の加入履歴に基づき、個人型年金加入申出書、預金口座振替依頼書兼自動払込申込書、及び事業者登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書を作成し、個人型年金加入申出書及び預金口座振替依頼書兼自動払込申込書を外部委託先に送付し、事業者登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書をユーザに送付する。
【0037】
外部委託先は、預金口座振替依頼書兼自動払込申込書を金融機関の口座振替センター等に送付すると共に、事業主による記入済みの事業者登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書をユーザから受信すると、個人型年金加入申出書と事業者登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書とを国民年金基金連合会に送付する。
【0038】
一実施例では、情報取得部210は更に、iDeCoの運用商品をユーザに選択させてもよい。iDeCoでは、典型的には、元金が保証された定期預金、ローリスクローリターンの投資信託(短期金利投資信託、債券投資信託など)、ハイリスクハイリターンの投資信託(株式投資信託、不動産投資信託など)などの各種リスク・リターンの組み合わせの運用商品が提供されている。情報取得部210は、例えば、対象となる運用商品をユーザに提示し、何れの運用商品によって掛金を運用するかユーザに選択させてもよい。ここで、運用商品は、"積極型"又は"安定型"などのリスク・リターンの分類と共に表示されてもよい。
【0039】
次に、図5を参照して、本発明の一実施例による文書作成処理を説明する。図5は、本発明の一実施例による文書作成処理を示すシーケンス図である。当該文書作成処理は、サーバ装置100及び文書作成装置200によって実行され、例えば、当該文書作成処理を実現するためのプログラムをサーバ装置100及び文書作成装置200のプロセッサが実行することによって実現されてもよい。
【0040】
図5に示されるように、ステップS101において、サーバ装置100は、ユーザ端末50からサービスに対する手続要求を受信する。具体的には、サーバ装置100によって運営されるウェブサイトにログインしたユーザから、サーバ装置100は、ウェブサイト上でサービスに対する手続要求を取得する。
【0041】
ステップS102において、サーバ装置100は、当該手続に必要なユーザ情報をデータベースから取得する。例えば、サーバ装置100は、当該顧客向けウェブシステムに登録されているユーザの氏名、生年月日、性別、住所、連絡先、掛金引落口座情報及び口座名義人等をデータベースから取得する。
【0042】
なお、ステップS102において、サーバ装置100は、以降において追加で必要となるユーザ情報を予めユーザ端末50に通知してもよい。これにより、ユーザは、以降の処理に必要となる情報を予め準備することが可能である。また、当該情報が手元になく以降の処理ができない場合、ユーザは、当該時点で処理をキャンセルすることが可能となる。
【0043】
ステップS103において、サーバ装置100は、取得したユーザ情報を手続要求と共に文書作成装置200に送信し、文書作成装置200によって運営されるウェブサイトに画面遷移させてもよい。例えば、当該通信にはHTTPSなどのセキュリティ機能が備わった通信プロトコルが利用されてもよい。
【0044】
この送信に当たっては、上記ユーザ情報を特定するキー情報を当該ユーザ情報の中で予め定めておくか、又は、送信に先立ち生成して当該ユーザ情報に付与しておく必要がある。文書作成装置200は、このユーザ情報を受信した後に、データベース又はファイルに記憶する。そして、正常にデータベース又はファイルに記憶されたときには、その結果をサーバ装置100に応答する。
【0045】
また、画面遷移に当たっては、予め保持された文書作成装置200を特定する識別子を取得するか、又は画面遷移時に文書作成装置200を特定する識別子を生成して、キー情報を当該識別子に付加するか、又は画面遷移命令中の所定の位置に付与しておいてもよい。そして、この識別子又は画面遷移命令を送信することで、文書作成装置200において、キー情報に基づき、データベース又はファイルを検索してユーザ情報を取得し、編集して、ユーザに表示する。
【0046】
ステップS104において、文書作成装置200は、ステップS103において取得したユーザ情報に加えて、要求された手続に対して追加で必要なユーザ情報を特定する。例えば、iDeCoの場合、文書作成装置200は、基礎年金番号、被保険者の種別、掛金の納付方法、掛金額区分(毎月の掛金額)及び企業型確定拠出年金の加入履歴を追加で必要なユーザ情報として特定する。
【0047】
ステップS105において、文書作成装置200は、特定した追加で必要なユーザ情報に対する取得要求をユーザ端末50に送信する。例えば、文書作成装置200は、必要となるユーザ情報を入力するための画面をユーザ端末50に表示させてもよい。
【0048】
ステップS106において、文書作成装置200は、追加で必要なユーザ情報を取得する。例えば、ステップS105において表示された入力画面へのユーザによる入力後、文書作成装置200は、入力済みの画面をユーザ端末50から受信してもよい。
【0049】
ステップS107において、文書作成装置200は、ステップS103及びS107において取得したユーザ情報に基づき手続書類を作成及び印刷する。印刷された手続書類は、外部委託先などを介し関係機関に送付される。
【0050】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は上述した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0051】
10 文書作成システム
50 ユーザ端末
100 サーバ装置
110 要求受信部
120 情報提供部
200 文書作成装置
210 情報取得部
220 文書作成部
図1
図2
図3
図4
図5