(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-18
(45)【発行日】2023-08-28
(54)【発明の名称】点滴監視装置、点滴監視システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61M 5/168 20060101AFI20230821BHJP
A61M 5/172 20060101ALI20230821BHJP
【FI】
A61M5/168 534
A61M5/168 514E
A61M5/168 550
A61M5/172
(21)【出願番号】P 2019103576
(22)【出願日】2019-06-03
【審査請求日】2019-06-03
【審判番号】
【審判請求日】2021-07-02
(32)【優先日】2018-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(32)【優先日】2018-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】518264882
【氏名又は名称】永磐科技股▲ふん▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】518264893
【氏名又は名称】楊 清文
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】楊 清文
【合議体】
【審判長】佐々木 正章
【審判官】村上 聡
【審判官】井上 哲男
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0346013(US,A1)
【文献】特表2009-535715(JP,A)
【文献】特表2007-521849(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
点滴監視システムであって、
異なる点滴の設定情報を記憶する第1サーバーと、
前記第1サーバーと通信する点滴監視装置であって、
プロセッサーと、
前記プロセッサーに電気的に接続され、点滴の重量情報を検出して、前記重量情報を前記プロセッサーに送信するための重量センサーと、
前記プロセッサー及び前記第1サーバーと電気的に通信され、点滴監視情報を前記第1サーバーに送信し、且つ前記第1サーバーからの前記点滴の設定情報及び制御信号を受信するための通信モジュールであって、前記設定情報は、前記点滴の空の点滴バッグの重さ、前記点滴の重量の第1閾値である警報値、点滴初期重量、薬剤タイプ、薬剤ブランド及びドロッパータイプを含む設定情報、及び前記重量情報を含み、前記点滴監視情報は、前記重量情報を含む、前記通信モジュールと、
前記プロセッサーに電気的に接続され、警報を前記第1サーバーへ送信するための警報モジュールと、
を含む前記点滴監視装置と、
を備え、
前記プロセッサーは前記重量情報が前記点滴の前記設定情報における前記警報値以下であるかを判断することに用いられ、「はい」と判断すると、前記プロセッサーは、前記警報モジュールが前記点滴を検査することを注意させる前記警報を送信するように制御し、前記プロセッサーは、更に、
電子装置からの制御情報に基づいて前記第1サーバーにより生成される前記制御信号であって、前記警報モジュールを有効または無効にすることを指示する前記制御信号を受信した場合、前記制御信号に従って前記警報モジュールを有効又は無効にす
る、点滴監視システム。
【請求項2】
前記プロセッサー、前記重量センサー、前記通信モジュール及び前記警報モジュールに電気的に接続され、前記プロセッサー、前記重量センサー、前記通信モジュール及び前記警報モジュールの必要な電力を提供するための給電モジュールを更に備える請求項1に記載の点滴監視システム。
【請求項3】
前記プロセッサー及び前記給電モジュールに電気的に接続され、前記点滴監視情報及び前記設定情報を表示するための表示モジュールを更に備える請求項2に記載の点滴監視システム。
【請求項4】
前記プロセッサーは、更に、前記給電モジュールの電力を検出して、前記通信モジュールによって電力情報を前記第1サーバーに送信することに用いられる請求項2に記載の点滴監視システム。
【請求項5】
前記点滴監視システムは、さらに、
前記第1サーバーに通信接続され、前記第1サーバーの送信した点滴情報を受信するための電子装置、
を含み、
前記点滴情報は前記点滴監視情報、前記
点滴の残り時間及び前記点滴
の流速を含む、請求項1に記載の点滴監視システム。
【請求項6】
前記第1サーバーに通信接続され、前記第1サーバーの提供し
た点滴情報を受信するための第2サーバーと、
前記第1サーバーに通信接続され、前記第1サーバーの提供した前記点滴情報を受信して、監視情報を前記第1サーバーに送信するための第3サーバーと、
を更に含む請求項1に記載の点滴監視システム。
【請求項7】
前記電子装置と前記第1サーバーとの接続が中断する場合、前記電子装置は前記残り時間を持続的に算出する請求項5に記載の点滴監視システム。
【請求項8】
前記点滴監視装置は識別バーコードを更に備え、前記電子装置は前記識別バーコードに従って前記点滴情報及
び電力情報を調べることに用いられる請求項5に記載の点滴監視システム。
【請求項9】
点滴監視方法であって、
点滴監視装置によって点滴の点滴監視情報を検出して、前記点滴監視情報を第1サーバーに送信する工程であって、前記第1サーバーは異なる点滴の設定情報を記憶しており、前記設定情報は前記異なる点滴の警報値を含む、工程と、
前記点滴監視情報は前記点滴の重量情報を含み、前記設定情報は、前記点滴の空の点滴バッグの重さ、前記点滴の重量の第1閾値である前記警報値、前記点滴の点滴初期重量、前記点滴の薬剤タイプ、前記点滴の薬剤ブランド及び前記点滴のドロッパータイプを含み、前記点滴の残り時間及び前記点滴の流速を算出するように、前記第1サーバーによって前記点滴監視情報に含まれる前記重量情報と前記点滴の前記設定情報に含まれる前記点滴初期重量を比較する工程と、
前記点滴の点滴監視情報、前記残り時間及び前記点滴の前記流速を含む点滴情報を前記第1サーバーによって電子装置に送信する工程と、
前記第1サーバーによっ
て前記点滴の前記設定情報を前記点滴監視装置に送信する工程
と、
前記点滴監視装置
によって、警報モジュールが前記第1サーバーへ送信する警報を生成するかを決定するために、前記点滴の重量情報を前記点滴の前記設定情報における前記警報値と比較する、工程と、
を含み、
前記点滴監視装置は、更に、前記電子装置からの制御情報に基づいて前記第1サーバーにより生成される制御信号であって、前記警報モジュールを有効または無効にすることを指示する前記制御信号を受信した場合、前記制御信号に従って前記警報モジュールを有効又は無効にする、点滴監視方法。
【請求項10】
前記第1サーバーによって前記点滴情報を第2サーバー及び第3サーバーに送信する工程と、
前記第1サーバーによって第3サーバーの送信した監視情報を受信する工程と、
を更に含む請求項9に記載の点滴監視方法。
【請求項11】
前記電子装置と前記第1サーバーとの接続が中断する場合、前記電子装置は前記残り時間を持続的に算出する請求項9に記載の点滴監視方法。
【請求項12】
前記点滴監視装置の通信モジュールによって前記第1サーバーの送信した前記制御信号及び前記点滴の前記設定情報を受信する工程と、
前記点滴監視装置の重量センサーによって前記点滴の前記重量情報を感知する工程と、
前記点滴監視装置のプロセッサーによって前記重量情報が前記点滴の前記設定情報における前記警報値以下であるかを判断し、「はい」と判断すると、前記警報を第1サーバーに送信することに用いられる工程と、を更に含み、
前記設定情報は前記点滴の空の点滴バッグの重さ、前記点滴の点滴初期重量、前記点滴の薬剤タイプ、前記点滴の薬剤ブランド及び前記点滴のドロッパータイプを含む請求項9に記載の点滴監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、即時モニタリング技術に関し、特に、点滴監視装置、点滴監視システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療用輸液は、ほとんど重力点滴であり、つまり液体バッグ又は液体ボトルを固定された支えにぶら下がって、液体が自然重力によって滴下して血液内に入る。現在、点滴過程の監視形態としては、相変わらず手動モニタリングを使用する。点滴が終わって又は点滴過程が異常であると発見する場合、手動で警報ボタンを押すか、医療スタッフに対処するように通知する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
なお、点滴の設定は、異なる薬剤、異なるブランドによって点滴の重量が異なるため、点滴の重量を監視するには、異なる点滴に対して調整する必要があり、使用者は使いにくい。効率的な監視方法がない場合、医療スタッフの作業負荷も増加する。そのため、上記の問題を解決するように、点滴即時監視システムを如何に設計するかは、業界において解決する必要のある問題となる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様は、プロセッサーと、点滴の重量情報を検出して、重量情報をプロセッサーに送信するための重量センサーと、点滴監視情報を第1サーバーに送信して、且つ第1サーバーの送信した警報値及び制御情報を受信するための通信モジュールと、警告信号を送信するための警報モジュールと、を含み、プロセッサーは重量センサー、通信モジュール及び警報モジュールに電気的に接続され、重量情報は警報値以下であるかを判断することに用いられ、「はい」と判断すると、警報モジュールが警告信号を送信するように制御し、プロセッサーは、更に、制御情報によって警報モジュールを有効又は無効にすることに用いられる点滴監視装置を提供する。
【0005】
本発明の他の態様は、第1サーバーと、第1サーバーに通信接続され、点滴監視情報を検出して、点滴監視情報を第1サーバーに送信するための点滴監視装置と、第1サーバーに通信接続され、第1サーバーの送信した点滴情報を受信するための電子装置と、を含み、第1サーバーは、更に、点滴監視装置の送信した点滴監視情報を受信して、残り時間及び点滴流速を算出するように、点滴監視情報と設定情報を比較することに用いられ、第1サーバーは更に制御情報を点滴監視装置に送信することに用いられ、点滴情報は点滴監視情報、残り時間及び点滴流速を含む点滴監視システムを提供する。
【0006】
本発明の他の態様は、点滴監視装置によって点滴監視情報を検出して、点滴監視情報を第1サーバーに送信する工程と、残り時間及び点滴流速を算出するように、第1サーバーによって点滴監視情報と設定情報を比較する工程と、第1サーバーによって点滴情報を電子装置に送信し、点滴情報は点滴監視情報、残り時間及び点滴流速を含む工程と、第1サーバーによって制御情報を点滴監視装置に送信する工程と、を含む点滴監視方法を提供する。
【0007】
本発明による点滴監視装置、点滴監視システム及び方法は、主に、従来の監視点滴過程の手動モニタリングによる形態を改善し、点滴監視装置によって点滴の重量を即時的に感知し、点滴の重量が閾値以下である場合に警報音を送信して介護者に点滴を交換する必要があると注意させ、且つ点滴の設定情報を第1サーバーから監視装置に送信し、点滴を即時的に監視して且つ設定しやすい効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明のある実施例による点滴監視システムを示す模式図である。
【
図2A】本発明のある実施例による点滴
監視装置を示す模式図である。
【
図2B】本発明のある実施例による点滴
監視装置を示す模式図である。
【
図3】本発明のある実施例による点滴監視方法を示すフローチャートである。
【
図4】本発明のある実施例による工程S310を示すフローチャートである。
【
図5】本発明のある実施例による工程S320を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下で、本発明の異なる特徴を実施するための数多くの異なる実施例又は例を開示して提供する。特別な例における素子及び配置は以下の検討で本開示を簡単化することに用いられる。検討された何れの例は説明のみを目的として使用され、何らかの方法で本発明又はその例の範囲及び意味を制限することではない。なお、本開示は異なる例において数字記号及び/又は文字を繰り返して引用する可能性があり、これらの繰り返しは何れも簡単化及び説明のためのものであり、そのものは以下の検討における異なる実施例及び/又は配置の間の関係を指定しない。
【0010】
全部の明細書と請求項の範囲に使用された用語(terms)は、特記のない限り、一般的に各用語をこの領域において、ここで開示した内容の中の特別な内容に使用される普通の意味を有する。当業者のために本開示に関する説明上での追加のガイドを提供するように、本開示を説明するためのある用語を以下又はこの明細書の他のところで検討する。
【0011】
本文に使用される「結合」又は「接続」とは、2つ又は複数の素子が互いに直接的に実体又は電気的に接触し、又は互いに間接的に実体又は電気的に接触してもよく、「結合」又は「接続」は更に2つ又は複数の素子が互いに操作し又は動作してもよい。
【0012】
本文では、様々な素子、モジュール、領域、層及び/又はブロックを説明するための第1、第2及び第3等の語彙を使用するのは理解されることができる。しかし、これらの素子、モジュール、領域、層及び/又はブロックはこれらの用語によって制限されるべきではない。これらの詞彙は単一の素子、モジュール、領域、層及び/又はブロックを区別することに用いられることのみに限られる。そのため、下記の第1素子、モジュール、領域、層及び/又はブロックは第2素子、モジュール、領域、層及び/又はブロックとも呼ばれることができ、本発明の主旨を離脱しない。本文に使用されるように、語彙「及び/又は」は挙げられた関連プロジェクトにおける1つ又は複数の任意の組み合わせを含む。本発明の書類に言及した「及び/又は」とは挙げられた素子の任意の1つ、全部又は少なくとも1つの任意の組み合わせを指す。
【0013】
図1を参照されたい。
図1は本発明のある実施例による点滴監視システム100を示す模式図である。
図1に示すように、点滴監視システム100は、第1サーバー110、第2サーバー120、第3サーバー130、点滴
監視装置140及び電子装置150を備え、第1サーバー110はそれぞれ第2サーバー120、第3サーバー130、点滴
監視装置140及び電子装置150に通信接続される。点滴
監視装置140は、点滴監視情報を検出して、点滴監視情報を第1サーバー110に送信することに用いられる。第1サーバー110は、点滴情報を第2サーバー120、第3サーバー130及び電子装置150に送信する。第3サーバー130は、監視情報を第1サーバー110に送信することに用いられる。第1サーバー110は、残り時間及び点滴流速を算出するように、点滴監視情報と設定情報を比較することに用いられ、点滴情報は点滴監視情報、残り時間及び点滴流速を含む。電子装置150は、制御情報を第1サーバー110に送信することに用いられ、第1サーバー110は制御情報を点滴
監視装置140に送信する。
【0014】
この実施例において、第2サーバー120は病院内のサーバーとして実施されることができ、第3サーバー130はその他の業者の医療用クラウドサーバーとして実施されることができ、電子装置150は患者、家族、医療スタッフに使用されるスマートフォン、タブレット、又はウェアラブルデバイスとして実施されてよい。
【0015】
図2Aを参照されたい。
図2Aは本発明のある実施例による点滴
監視装置140を示す模式図である。
図2Aに示すように、点滴
監視装置140は、プロセッサー141、重量センサー142、通信モジュール143、警報モジュール144及び給電モジュール145を備える。プロセッサー141は、重量センサー142、通信モジュール143、警報モジュール144及び給電モジュール145に電気的に接続され、給電モジュール145は、プロセッサー141、重量センサー142、通信モジュール143、警報モジュール144に電気的に接続される。プロセッサー141は、有線で第1サーバー110に接続されてもよいし、通信モジュール143によって無線伝送で第1サーバー110に接続されてもよい。
【0016】
以上のように、重量センサー142は、点滴の重量情報を検出して、重量情報をプロセッサー141に送信することに用いられる。通信モジュール143は第1サーバー110の送信した制御情報及び警報値を受信することに用いられ、警報モジュール144は警告信号を送信することに用いられ、給電モジュール145はプロセッサー141、重量センサー142、通信モジュール143及び警報モジュール144の必要な電力を提供することに用いられる。プロセッサー141は重量情報が警報値以下であるかを判断することに用いられ、「はい」と判断すると、警報モジュール144が警告信号を送信するように制御し、プロセッサー141は更に、制御情報に従って警報モジュール144を有効又は無効にすることに用いられる。
【0017】
一実施例において、プロセッサー141は、例えばマイクロコントローラ(microcontroller)、マイクロプロセッサー(microprocessor)、デジタル信号プロセッサー(digital signal processor)、特殊用途集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、論理回路のような集積回路又は他の類似の素子又は上記素子の組合せとして実施されてよい。通信モジュール143は、グローバル移動通信システム(global system for mobile communication;GSM(登録商標))、パーソナルハンディホンシステム(personal handy-phone system;PHS)、ロングタームエヴォリューション(long
term evolution;LTE)、マイクロ波による世界標準の通信方式(worldwide interoperability for microwave access;WiMAX)、無線LAN(wireless fidelity;Wi-Fi)等として実施されてよい。警報モジュール144は、ブザー、発光素子又はその組合せ等の警告音の送信又はフラッシュを行う装置として実施されてよい。給電モジュール145は電池又は電源供給ラインとして実施されてよい。電子装置150は、モバイル装置、ウェアラブル装置等、又はその他の信号を受信して且つプロンプトメッセージを送信可能な装置として実施されてよい。
【0018】
他の実施例において、
図2Bを参照されたい。
図2Bは本発明のある実施例による点滴
監視装置140を示す模式図である。
図2Bに示すように、
図2Bに示す実施例は、点滴
監視装置140は、プロセッサー141及び給電モジュール145に電気的に接続され、点滴監視情報及び設定情報を表示するための表示モジュール146を更に備えることに、
図2Aに示す実施例と異なっている。給電モジュール145は、更に、表示モジュール146の必要な電力を提供することに用いられる。表示モジュール146は、表示パネル又はタッチディスプレイパネルとして実施されてよい。
【0019】
以下で、
図1~
図3を組み合わせて、点滴監視システム100の運転形態を詳細的に説明する。
図3を参照されたい。
図3は本発明のある実施例による点滴監視方法300を示すフローチャートである。点滴監視方法300は、
図1の点滴監視システム100、及び
図2A又は
図2Bの点滴
監視装置140に適用されることができる。点滴即時監視方法300は、以下の工程を含む(理解すべきなのは、本実施形態に言及した工程は、特に順序の記述がない限り、実際の必要に応じてその前後順序を調整することができ、ひいては同時又は一部同時に実行することができる)。
【0020】
工程S310において、点滴
監視装置140によって点滴監視情報を検出して、点滴監視情報を第1サーバー110に送信する。工程S310は工程S311~S316を更に含み、
図4に合わせて参照されたい。
図4は本発明のある実施例による工程S310を示すフローチャートである。
図4に示す実施例のように、点滴監視方法300は、プロセッサー141が第1サーバー110の送信した設定情報を受信する工程S311を更に実行する。一実施例において、第1サーバー110に異なる点滴の設定情報がアクセスされる。設定情報が空の点滴バッグの重さ、警報値、点滴初期重量、薬剤タイプ、薬剤ブランド及びドロッパータイプ等の医者の指示に記載の情報を含むため、使用者は、点滴に点滴監視システム100をインストールする場合、プロセッサー141を使用してネットワークによって第1サーバー110に対応した点滴の設定情報をダウンロードし、次に、有線で重量センサー142に伝送してよい。
【0021】
工程S312及び工程S313において、重量センサー142によって点滴の重量を感知し、及びプロセッサー141によって点滴の重量を算出する。一実施例において、点滴に点滴監視システム100をインストールした後、重量センサー142は点滴の重量を感知し始め、且つ感知した点滴の重量値をプロセッサー141に送信し、プロセッサー141は重量センサー142の感知した点滴の重量値を持続的に算出する。
【0022】
工程S314及び工程S315において、プロセッサー141は点滴の重量が警報値より大きいかを判断する。警報値より大きくないと、プロセッサー141は警告情報を送信する。一実施例において、プロセッサー141は点滴の重量が設定情報における警報値以下であるかを持続的に検出し、一旦警報値以下になると、警告情報を警報モジュール144に送信する。
【0023】
工程S316において、プロセッサー141は点滴の重量を第1サーバー110に送信する。一実施例において、プロセッサー141は点滴監視情報を第1サーバー110に持続的に送信する。点滴監視情報は点滴の重量、警報モジュールの状態(例えば、監視状態又は警告状態)、点滴の識別ID、プロセッサー141の現在の電力等を含む。第1サーバー110は点滴監視情報をメモリに記憶する。
【0024】
一実施例において、介護者は点滴を交換した後、点滴監視装置140は点滴重量が前回の点滴重量と同様であるかを自動的に検出且つ判断し、同様であると、本回で交換した点滴の設定情報が前回と同様であることを示し、警報値を別途に設定する必要はなく、同様ではないと、本回で交換した点滴の設定情報が前回と同様ではないのを示し、警報値を改めて入力する必要がある。他の実施例において、違う設定情報を有する点滴を交換して、警報値を調整する必要があると、介護者は警報値を改めて設定することもできる。
【0025】
以上のように、プロセッサー141は、通信モジュール143によって点滴監視情報を第1サーバー110に送信することに用いられる。点滴監視情報は点滴監視装置の識別番号、点滴監視装置の名称、点滴監視装置の状態、警報値及び重量情報等の情報を含む。点滴監視装置の名称は、例えば「お父さんの点滴」のような使用者の設定した名称であってよい。点滴監視装置の状態は、例えば、監視中、警報中、一時停止中、待機中、クリーンアップ中等の状態のような点滴監視装置の現在の状態である。重量情報は、重量センサー142の感知した情報であり、前の段落で説明したように、ここで繰り返して説明しない。
【0026】
以上のように、点滴監視方法300は、点滴監視情報に従って残り時間及び点滴流速を算出する工程S320を更に実行する。工程S320は、工程S321~S324を更に含み、
図5に合わせて参照されたい。
図5は、本発明のある実施例による工程S320を示すフローチャートである。
図5に示す実施例のように、点滴監視方法300は、残り時間及び点滴流速を算出するように、第1サーバー110が点滴の重量と点滴の設定情報を比較する工程S321を更に実行する。一実施例において、プロセッサー141は、点滴の重量を受信した後で、点滴の重量を第1サーバー110に即時的に送信し、第1サーバー110は点滴の残り時間を算出し始め、設定情報における点滴初期重量と一定の時間の後の点滴の重量との比較によって、点滴時間を算出することができる。例えば、点滴初期重量は500gであり、1分間後490gが残り、点滴時間は50分であると推定することができる。
【0027】
以上のように、第1サーバー110は、更に点滴の重量に応じて点滴流速を算出することに用いられる。例えば、第1サーバー110は、一定の時間内で点滴の流速(重量情報/時間)を算出することができる。一定の時間は20秒間又は30秒間であってよく、本開示はこれに制限されない。上記から分かるように、点滴流速及び残り時間はサーバー110によって算出して得られた情報である。点滴情報は点滴監視装置140からの点滴監視情報、点滴流速及び残り時間を含む。
【0028】
工程S322において、第1サーバー110によって点滴流速及び残り時間を電子装置150に送信する。上記の実施例に続いて、残り時間を算出した後で、第1サーバー110が残り時間(50分)を電子装置150に送信するため、電子装置の使用者は点滴の完了にどのぐらいかかるかを調べることができる。一実施例において、電子装置150に通知メカニズムを設置してもよい。例えば、点滴が10分で完了する場合、電子装置150は、警告信号を送信して、使用者(ここでナース、看護又は介護者である可能性がある)に患者が点滴を交換するのを助けることを通知することができる。
【0029】
工程S323及び工程S324において、第1サーバー110は、点滴の重量が警報値より大きいかを判断し、警報値以下になると、警告情報を電子装置150に送信する。一実施例において、第1サーバー110は、点滴の重量が設定情報における点滴閾値以下であるかを持続的に検出し、一旦警報値以下になると、点滴の残り時間及び警告情報を電子装置150に送信する。第1サーバー110は、点滴情報における点滴の識別IDに従って、点滴の残り時間及び警告情報を点滴の識別IDにマッチする電子装置150に送信する。警告情報は、警報モジュールの状態又は点滴の交換を通知するメッセージであってよい。
【0030】
一実施例において、電子装置150と第1サーバー110との接続が中断する場合、電子装置150は、残り時間を持続的に算出する。例えば、介護者の携帯する電子装置150がネットワーク中断の状態にあり、第1サーバー110と接続を即時的に確立して、第1サーバーの送信した残り時間を受信することができない場合、電子装置150は、カウントダウンメカニズムを起動し始め、残り時間を算出し続き、第1サーバー110との接続を再度確立する場合、更に第1サーバー110の算出した残り時間に応じて電子装置150を改めて調整する。
【0031】
一実施例において、プロセッサー141は、更に、給電モジュール145の電力を検出して、通信モジュール143によって電力情報を第1サーバー110に送信することに用いられる。例えば、給電モジュール145が電池として実施される場合、プロセッサー141は、電池の残り電力を検出して、電力情報を点滴情報と共に第1サーバー110に送信することができる。電力情報は、電池電力が使用し終わる前に関連者に電池の交換を通知するように、患者又は介護者に点滴監視装置140の電池状態を通知することに用いられる。
【0032】
一実施例において、第1サーバー110は、更に、一定の時間内の重量情報を記録して、且つ現在の重量情報と前回の重量情報との重量差を算出し、重量差が閾値より大きいかを判断することに用いられる。例えば、点滴の初期重量は500gであり、点滴が3分間続く時に重量は480gであり、5分間続く時に重量は10gである。この時、プロセッサー141は、点滴の重量変化が-470gであると検出する。重量変化が閾値より大きいため、第1サーバー110は、この時の状況が点滴異常状況であると判定する。異常状況は、人が点滴監視装置140を引くことで、その重量変化が過大になる可能性があり、点滴管が塞がられ、一定の時間内で点滴の重量が変わらない可能性もある等の状況である。異常状況があると、第1サーバー110は、この異常状況が持続的に発生するかを検出することができ(重量変化が閾値を持続的に超える)、異常状況が解除されると、第1サーバー110はプロセッサー141に警報モジュール144が警告信号を送信しないように制御することを通知するが、異常状況が一定の時間内で解除されないと、第1サーバー110はプロセッサー141に警報モジュール144が警告信号を送信するように制御することを通知し、関連者に点滴監視装置140に異常状況が発生することを注意させる。
【0033】
以上のように、点滴監視方法300は、工程S330及び工程S340を更に実行する。第1サーバー110は、点滴情報を第2サーバー120、第3サーバー130及び電子装置150に送信し、また、第1サーバー110は第3サーバー130の送信した監視情報を受信する。一実施例において、第1サーバー110は、点滴情報を受信した後で点滴情報を第2サーバー120、第3サーバー130及び電子装置150に送信する。第3サーバー130も監視情報を第1サーバー110に送信する。監視情報は血圧情報、ハートビート情報、心拍数情報、及び体温情報等の生理情報であってよい。例としては、第1サーバー110と第3サーバー130とは、互いに情報を送信することができる。第3サーバー130は、ハートビート、血圧又は体温等の情報を収集して測定するクラウドサーバーであってよいため、第1サーバー110とデータを交換することができる。
【0034】
他の実施例において、第1サーバー110は点滴情報を第3サーバー130に送信し、第3サーバー130は点滴情報によって後の操作を行うことができる。例として、点滴情報を第3サーバー130がサービスするユーザーに提供する。第2サーバー120は、病院の内部のサーバーであり、患者の個人データの機密性によって、第2サーバー120が患者の個人情報を有するメッセージを第1サーバー110に送信することは必ずしも可能ではなく、第1サーバー110からの点滴情報のみを受信する。
【0035】
他の実施例において、患者又は介護者に点滴監視装置140の電池の現在の電力を注意させるように、第1サーバー110は、点滴情報を送信する時に電力情報を電子装置150に併せて送信することができる。
【0036】
一実施例において、第1サーバー110は、プロセッサーからの点滴監視情報を受信することだけでなく、点滴の設定情報を受信することもできる。例えば、点滴の設定情報は、薬量の更新、メーカーの交換又は医薬品証明書の有効期限が切れている原因で上場できない等によって変化することがあるため、点滴の設定情報が第1サーバー110におけるユーザーインターフェース(図示せず)によって更新することができる。
【0037】
続いて、点滴監視方法300は、工程S350及び工程S360を更に実行する。電子装置150の送信した制御情報を受信し、第1サーバー110は制御情報を点滴監視装置140に送信する。一実施例において、電子装置150は、制御情報を第1サーバー110に送信することに用いられ、第1サーバー110は制御情報を点滴監視装置140に送信し、次に、点滴監視装置140は制御情報に従って警報モジュール144を有効又は無効にすることに用いられる。例えば、第1サーバー110は、介護者に権限を開くことができ、介護者に電子装置150によって制御メッセージを第1サーバー110に送信させることで、点滴監視装置140が特定の時間で警報モジュール144を有効又は無効にするように制御するため、介護者が点滴監視装置140を設定する負荷を低減するように、複数台の点滴監視装置140を制御することができる。
【0038】
以上のように、例えば、介護者は、電子装置150によって午前0時から午前6時までは休憩時間であると設定し、警報モジュール144を無効にする状態に維持することができる。そのため、点滴重量が警報値以下である場合、警報モジュール144は介護者に注意させるように声又は光を出すことはないが、介護者に点滴を検査するのを注意させるように、点滴監視装置140は依然として警示メッセージを電子装置150に送信する。
【0039】
以上のように、点滴監視装置140に識別バーコードを有してよい。電子装置150は、識別バーコードに従って点滴情報及び電力情報を調べることに用いられる。識別バーコードは、一次元バーコード又は二次元バーコードとして実施されてよいが、本開示はこれに制限されない。例えば、患者又は介護者は直接に電子装置150によって識別バーコードを走査した後で点滴監視装置140の点滴情報及び電力情報を調べて、関連者に点滴の現在の状態(点滴残り時間、点滴流速及び現在の重量等)を分からせることができる。介護者は、例えば警報値等の点滴監視装置140の点滴情報を修正することのようなより高い権利を有することができる。
【0040】
以上のように、電子装置150が識別バーコードによって点滴情報及び電力情報を調べた後で、第1サーバー110は、電子装置150の識別情報及び調べられた点滴監視装置140の点滴監視装置の識別番号を記録し、この点滴監視装置140の点滴情報及び電力情報を電子装置150に自動的に送信し、識別バーコードを改めて走査する必要はない。例として、介護者は介護を必要としている3人の患者があり、3人の患者の点滴はそれぞれ点滴監視装置A、点滴監視装置B及び点滴監視装置Cであり、介護者の電子装置150は点滴監視装置A、点滴監視装置B及び点滴監視装置Cに対応した識別バーコードを走査した後で、介護者の電子装置150は点滴監視装置A、点滴監視装置B及び点滴監視装置Cの点滴情報及び電力情報を自動的に受信することができる。
【0041】
一実施例において、第1サーバー110は患者の点滴の使用情報を記憶することに用いられてもよい。例えば、同じ症状に対応するが、年齢、性別、民族の違いにより異なる点滴量の注射を必要とし、例えば、20~30歳の白人男性と0~5歳の黄色い女性とは異なる点滴量を有し、第1サーバー110は上記の個人データを取り除いた情報を集め、且つ情報を医療機関又は医学部に提供して研究使用することができる。
【0042】
上記の本発明の実施形態から分かるように、主に従来の監視点滴過程の手動モニタリングによる形態を改善し、点滴監視装置によって点滴の重量を即時的に感知し、点滴の重量が閾値以下である場合に警報音を送信して介護者に点滴を交換する必要があると注意させ、同時に、点滴の重量を第1サーバーに送信し、第1サーバーは点滴の重量を残り時間に変換して更に看護者の携帯電話に送信し、看護者に点滴を即時交換することを注意させ、点滴の設定情報を第1サーバーから監視装置に送信し、点滴を即時的に監視して且つ設定しやすい効果を達成することができる。
【0043】
また、上記の例は、順序に従う範例工程であるが、これらの工程は示された順序に従って実行される必要はない。異なる順序に従ってこれらの工程を実行するのは本開示内容の考慮範囲に含まれる。本開示内容の実施例の精神及び範囲を逸脱しない限り、場合によって順序を増加、取り替え、変更して及び/又はこれらの工程を無視することができる。
【0044】
本発明を実施形態によって以上のように開示したが、本発明を制限することではなく、当業者なら誰でも、本発明の精神や範囲から逸脱しない限り、様々な変更や修正を行うことができるため、本発明の保護範囲は後に付いた特許請求の範囲を基準とすべきである。
【符号の説明】
【0045】
100 点滴監視システム
110 第1サーバー
120 第2サーバー
130 第3サーバー
140 点滴監視装置
150 電子装置
141 プロセッサー
142 重量センサー
143 通信モジュール
144 警報モジュール
145 給電モジュール
146 表示モジュール
300 点滴監視方法
S310~S360、S311~S316、S321~S324 工程