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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-18
(45)【発行日】2023-08-28
(54)【発明の名称】異形ディスプレイ及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/302 20060101AFI20230821BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20230821BHJP
   G09F 9/313 20060101ALI20230821BHJP
   G09F 9/35 20060101ALI20230821BHJP
【FI】
G09F9/302 C
G09F9/30 308A
G09F9/30 365
G09F9/313
G09F9/35
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019568405
(86)(22)【出願日】2018-05-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-06
(86)【国際出願番号】 CN2018089088
(87)【国際公開番号】W WO2019085454
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2019-12-11
【審判番号】
【審判請求日】2022-05-24
(31)【優先権主張番号】201711048708.4
(32)【優先日】2017-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516189213
【氏名又は名称】クンシャン ゴー-ビシオノクス オプト-エレクトロニクス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Kunshan Go-Visionox Opto-Electronics Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Building 4, No. 1, Longteng Road, Development Zone, Kunshan, Jiangsu 215300, China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ティンティン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ルー
(72)【発明者】
【氏名】ハン ジェンジェン
(72)【発明者】
【氏名】フー シミン
【合議体】
【審判長】濱野 隆
【審判官】中塚 直樹
【審判官】濱本 禎広
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/057342(WO,A1)
【文献】特開2015-18239(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/30-9/46
H01L 27/32
H05B 33/00-33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効表示領域の範囲を画定する輪郭線を有し、
複数の副画素を有して繰り返して配列されている複数の第1の発光ユニットと、複数の副画素を有して繰り返して配列されている複数の第2の発光ユニットと、を含み、
前記第1の発光ユニットに含まれる副画素の数は前記第2の発光ユニットに含まれる副画素の数と等しく、
前記第2の発光ユニットは、一つの第1の副画素、一つの第2の副画素、及び一つの第3の副画素を含み、前記第2の発光ユニットにおける第2の副画素及び第3の副画素は第1の副画素の同一側に位置し、前記第2の発光ユニットにおける一つの第1の副画素、一つの第2の副画素及び一つの第3の副画素は三角形を成すように配置され、前記第1の発光ユニット及び前記第2の発光ユニットにおける第1の副画素、第2の副画素及び第3の副画素の配置が第1の方向において鏡像対称であり、前記第1の発光ユニット及び前記第2の発光ユニットにおける第1の副画素の発光面積は第2の副画素及び第3の副画素の発光面積と異なり、
前記第1の方向において、前記第1の発光ユニット及び前記第2の発光ユニットはそれぞれ連続的に配置されており、前記第1の方向と交差する第2の方向において、前記第1の発光ユニットと前記第2の発光ユニットとは交互に配置されており、
前記第1の発光ユニットと前記第2の発光ユニットとが、前記輪郭線の形状に適合するように互いに組み合わされて交互に配置されていることを特徴とする、異形ディスプレイ。
【請求項2】
前記第1の発光ユニット及び前記第2の発光ユニットにおける第1の副画素の発光面積は第2の副画素及び第3の副画素の発光面積よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の異形ディスプレイ。
【請求項3】
請求項1に記載の異形ディスプレイと、
前記異形ディスプレイに給電する電源モジュールと、
メディア情報を記憶する記憶モジュールと、
前記異形ディスプレイ、前記電源モジュール及び前記記憶モジュールと電気的に接続されて、前記電源モジュールの給電を制御し、且つメディア情報を前記異形ディスプレイに表示させる処理モジュールと、を備えることを特徴とする、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願とのクロスリファレンス
本願は、「異形ディスプレイ及び表示装置」を主題とした中国特許出願第201711048708.4号(出願日2017年10月31日)を優先権の基礎とし、同出願の全記載内容を引用し本書に組み込む。
【0002】
本発明は表示分野に関し、特に異形ディスプレイ及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の技術では、ディスプレイは、少なくとも緑色副画素、青色副画素、赤色副画素からなる画素ユニットを含む。複数の画素ユニットにより、画素アレイが構成され画像が表示される。ディスプレイの多様な用途の開発に伴い、ディスプレイの形状が具体的な用途に応じて調整される必要がある。即ち、従来の方形板状のディスプレイとは異なる「異形ディスプレイ」、例えば、球状ディスプレイ、多面体状ディスプレイ等の設計が必要となる。
【0004】
発明者は、従来の技術を実現する際に下記のような問題を発見した。
画素ユニットは一定の空間寸法を有し、言い換えれば、微視的構造では、画素ユニットは所定の径方向寸法を有する点又は粒子と見なされることができる。異形ディスプレイの輪郭線は平面上の滑らかな曲線又は空間内の滑らかな曲線であり、且つ、微視的に観察すると、異形ディスプレイの輪郭線に沿って分布する画素ユニットは、ギザギザ感又は粒状感が目立つため、表示品質が劣化してしまう。
【発明の概要】
【0005】
本発明で開示される各実施例により、異形ディスプレイが提供される。前記異形ディスプレイは、有効表示領域の範囲を画定する輪郭線を有し、繰り返して配列されている複数の第1の発光ユニットと、繰り返して配列されている複数の第2の発光ユニットとを含み、前記複数の第1の発光ユニットはそれぞれ、一又は複数の副画素を有し、また、前記複数の第2の発光ユニットはそれぞれ、一又は複数の副画素を有し、前記第1の発光ユニットに含まれる副画素の数が前記第2の発光ユニットに含まれる副画素の数以上である。
【0006】
一実施例において、前記第1の発光ユニットは連続的に配置され前記有効表示領域においてメイン表示領域を形成し、少なくとも一つの前記第2の発光ユニットは孤立状態で配置され前記有効表示領域においてエッジ表示領域を形成する。
【0007】
一実施例において、前記第1の発光ユニットは、二つの第1の副画素、二つの第2の副画素、及び二つの第3の副画素を含む。
【0008】
一実施例において、前記第2の発光ユニットは、一つの第1の副画素、一つの第2の副画素、及び一つの第3の副画素を含む。
【0009】
一実施例において、前記第2の発光ユニットに属する一つの第1の副画素、一つの第2の副画素、及び一つの第3の副画素は三角形を成すように配置され、又は直線に沿って配置されている。
【0010】
一実施例において、前記第2の発光ユニットは、二つの第1の副画素、二つの第2の副画素、一つの第3の副画素を含み、又は二つの第1の副画素、一つの第2の副画素、一つの第3の副画素を含み、又は一つの第1の副画素、一つの第2の副画素、及び一つの第3の副画素のうちいずれか二つの副画素を含み、又は、一つの第1の副画素、一つの第2の副画素、及び一つの第3の副画素のうちいずれか一つの副画素を含む。
【0011】
一実施例において、前記第1の発光ユニットは、二つの第1の副画素、二つの第2の副画素、及び一つの第3の副画素を含み、又は二つの第1の副画素、一つの第2の副画素、及び一つの第3の副画素を含み、又は一つの第1の副画素、一つの第2の副画素、及び一つの第3の副画素を含む。
【0012】
本発明はさらに、前記第1の発光ユニットに含まれる副画素の数と前記第2の発光ユニットに含まれる副画素の数とが等しい場合、第1の方向において、前記第1の発光ユニット及び前記第2の発光ユニットがそれぞれ連続的に配置されており、前記第1の方向と交差する第2の方向において、前記第1の発光ユニットと前記第2の発光ユニットとが交互に配置されている、異形ディスプレイを提供する。
【0013】
一実施例において、前記第2の発光ユニットにおける副画素の配置形態と前記第1の発光ユニットにける副画素の配置形態とは前記第1の方向において鏡像対称となっている。
【0014】
一実施例において、前記第2の発光ユニットは、一つの第1の副画素、一つの第2の副画素、及び一つの第3の副画素を含む。前記第2の発光ユニットに属する一つの第1の副画素、一つの第2の副画素及び一つの第3の副画素は三角形を成すように配置されている。
【0015】
一実施例において、前記三角形は鋭角三角形又は直角三角形である。
【0016】
一実施例において、前記第1の副画素、前記第2の副画素及び前記第3の副画素のうち一つの副画素の発光面積は残りの二つの副画素の発光面積と異なっている。
【0017】
本発明はさらに、有効表示領域の範囲を画定する輪郭線を有し、繰り返して配列されている複数の第1の発光ユニットと、繰り返して配列されている複数の第2の発光ユニットとを含み、前記第1の発光ユニットが配置されている表面の曲率半径が、前記第2の発光ユニットが配置されている表面の曲率半径よりも大きい、異形ディスプレイを提供している。
【0018】
一実施例において、前記第1の発光ユニットは連続的に配置され前記有効表示領域においてメイン表示領域を形成し、少なくとも一つの前記第2の発光ユニットは孤立状態で配置され前記有効表示領域においてエッジ表示領域を形成する。
【0019】
本発明で開示される各実施例により、表示装置が提供される。当該表示装置は、有効表示領域の範囲を画定する輪郭線を有し、繰り返して配列されている複数の第1の発光ユニットと、繰り返して配列されている複数の第2の発光ユニットとを含み、前記第1の発光ユニットに含まれる副画素の数が前記第2の発光ユニットに含まれる副画素の数以上であり、又は前記第1の発光ユニットが配置されている表面の曲率半径が、前記第2の発光ユニットが配置されている表面の曲率半径よりも大きい、異形ディスプレイと、前記ディスプレイに給電する電源モジュールと、メディア情報を記憶する記憶モジュールと、前記ディスプレイ、前記電源モジュール及前記記憶モジュールと電気的に接続されて、前記電源モジュールの給電を制御し、且つメディア情報を前記異形ディスプレイに表示させる処理モジュールと、を含む。
【0020】
一実施例において、前記第1の発光ユニットに含まれる副画素の数と前記第2の発光ユニットに含まれる副画素とが等しい場合、第1の方向において、前記第1の発光ユニット及び前記第2の発光ユニットはそれぞれ連続的に配置されており、前記第1の方向と交差する第2の方向において、前記第1の発光ユニットと前記第2の発光ユニットとは交互に配置されている。
【0021】
本発明は少なくとも以下の有益な効果を挙げている。異なる構成を有する第1の発光ユニットと第2の発光ユニットとは互いに組み合わされて異形ディスプレイの全体に配置されている。前記異なる構成とは、副画素の数が異なってもよく、発光ユニットの平面寸法の曲率半径が異なってもよく、鏡像構造等であってもよい。有効表示領域のメイン表示領域及びエッジ表示領域に、異なる構成を有する第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットを設けることにより、微視的に観察するときのエッジ表示領域のギザギザ感又は粒状感を目立たないように低減させて、異形ディスプレイの表示品質を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施例に係る異形ディスプレイの局所の微視的構造を示す模式図である。
図2】本発明の実施例に係る別の異形ディスプレイの局所の微視的構造を示す模式図である。
図3】本発明の実施例に係るまた別の異形ディスプレイの局所の微視的構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の目的、技術案及び利点をより明確させるために、以下、本発明の具体的な実施例及び図面を参照して本発明の技術案を明確かつ完全に説明する。以下に説明される実施例が本発明の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例でないことは言うまでもない。当業者にとって、創造的努力を必要とせずに本明細書の実施例に基づいて得られる他の実施例も、本発明の保護範囲に含まれる。
【0024】
異形ディスプレイは、従来のディスプレイを基に発展してできた、特殊な形状を有するディスプレイである。異形ディスプレイの形状は矩形又は平板状等の従来のディスプレイの形状と異なっている。異形ディスプレイの空間構造は、大体、球体から切り取られた一部、又は円柱体から切り取られた一部、又は直方体から切り取られた一部に相当する。異形ディスプレイの表示面は、球体又は円柱体に対応する三次元空間曲面であり、又は少なくとも一部の曲線輪郭を有する二次元平面である。これに応じて、異形ディスプレイの表示面のエッジ輪郭線は空間曲線又は平面曲線である。
【0025】
図1は、本発明の一実施例に係る異形ディスプレイの局所の微視的構造を示している。
【0026】
異形ディスプレイは有効表示領域の範囲を画定する輪郭線101を有する。有効表示領域は、画像又は動的な画面を表示することができる。有効表示領域にはタッチセンサーが設けられている場合、操作者の操作を感知して応答することもできる。具体的な応用において、異形ディスプレイはテレビの曲面スクリーンであってもよく、又は携帯電話の曲面スクリーンであってもよい。
【0027】
異形ディスプレイは、繰り返して配列されている複数の第1の発光ユニット102と繰り返して配列されている複数の第2の発光ユニット103とを含む。
【0028】
第1の発光ユニット102に含まれる副画素の数は第2の発光ユニット103に含まれる副画素の数よりも多い。
【0029】
前記第1の発光ユニットは連続的に配置され前記有効表示領域においてメイン表示領域を形成する。
【0030】
少なくとも一つの前記第2の発光ユニットは孤立状態で配置され前記有効表示領域においてエッジ表示領域を形成する。
【0031】
前記第1の発光ユニット102は少なくとも一つの画素ユニットを含む。前記第2の発光ユニット103は少なくとも一つの副画素を含む。
【0032】
以下、第1の発光ユニット102が二つの画素ユニットを含み、第2の発光ユニット103が一つの画素ユニットを含むものを例として具体的に説明する。一つの画素ユニットは一つの赤色副画素、一つの緑色副画素及び一つの青色副画素を含む。図1に示すように、第1の発光ユニット102は、二つの第1の副画素、二つの第2の副画素、及び二つの第3の副画素を含む。
【0033】
第1の副画素、第2の副画素、第3の副画素はそれぞれ異なる色の光を発することができる。第1の副画素、第2の副画素、及び第3の副画素は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のうちいずれか一つの色の光を発することができるが、第1の副画素、第2の副画素、第3の副画素は同じ色の光を発することができない。第1の発光ユニット102で表示される色は該発光ユニットに含まれる第1の副画素、第2の副画素、第3の副画素の種類に依存する。
【0034】
構造については、三種類の副画素は二つずつ配置されて六種類の第1の発光ユニット102を構成することができる。本実施例において、そのうち一種を選択してよい。本願で選択された第1の発光ユニット102の画素の配置はB-R/R-G/G-Bである。横方向(図1の左右方向)において、1行目にある青色副画素の中心と赤色副画素の中心とを結ぶ線は水平線に対して傾斜している。2行目にある赤色副画素の中心と緑色副画素の中心とを結ぶ線は、1行目にある青色副画素の中心と赤色副画素の中心とを結ぶ線に平行する。3行目にある緑色副画素の中心と青色副画素の中心とを結ぶ線は、1行目にある青色副画素の中心と赤色副画素の中心とを結ぶ線に平行する。縦方向(図1の上下方向)において、1列目にあるB-R-G副画素の中心は同一直線上にあり、2列目にあるR-G-B副画素の中心も同一直線上にある。このように構成される第1の発光ユニット102の形状は異形ディスプレイの輪郭線101の形状に適合しやすい。
【0035】
第1の発光ユニット102の副画素は、他の形に配置されてもよく、例えば、二つの第1の副画素、二つの第2の副画素及び二つの第3の副画素は、二行三列又は三行二列等のように配置されてもよい。第1の発光ユニット102における副画素の配置方法は、上記に限定されず、ディスプレイの色彩表示の需要を満たせばよい。第2の発光ユニット103は一つの第1の副画素、一つの第2の副画素及び一つの第3の副画素を含む。
【0036】
同様に、第1の副画素、第2の副画素、第3の副画素は異なる色の光を発することができ、例えばそれぞれ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の三つの色の光を発することができる。三つの副画素によって発される光の色は互いに異なる。この三つの副画素からなる第2の発光ユニット103は第1の発光ユニット102の発色原理と同様であり、ここで説明を省略する。
【0037】
構造については、第2の発光ユニット103に属する一つの第1の副画素、一つの第2の副画素及び一つの第3の副画素は三角形を成すに配置されている。第2の発光ユニット103と第1の発光ユニット102とは互いに組み合わされることで異形ディスプレイの輪郭線101に適合することができる。
【0038】
第2の発光ユニット103に属する第1の副画素、第2の副画素、第3の副画素は他の形に配置されてもよく、例えば、第1の副画素、第2の副画素、第3の副画素の中心は同一直線上にあってもよい。前記副画素の配列順序は、上記に限定されず、ディスプレイの色彩表示の需要を満たせばよい。
【0039】
図3に示すように、第1の発光ユニット102は標準的なRGB配列に構成されている二つの画素ユニットからなるものである。具体的には、図3において、1行目にあるものは赤色(R)副画素、緑色(G)副画素、青色(B)副画素からなる一つの画素ユニットであり、第2行にあるものも赤色(R)副画素、緑色(G)副画素、青色(B)副画素からなる一つの画素ユニットである。二つの画素ユニットは、列方向(図3の上下方向)に積層設置されている。列方向に沿って見ると、赤色(R)副画素が一列を構成し、緑色(G)副画素が一列を構成し、青色(B)副画素が一列を構成する。ただし、ここでの列は行に変更してもよい。
【0040】
第2の発光ユニット103は、一行に配列される赤色(R)副画素、緑色(G)副画素、青色(B)副画素を含む。即ち、第1の副画素は赤色(R)副画素であり、第2の副画素は緑色(G)副画素であり、第3の副画素は青色(B)副画素である。ここでの第1の副画素、第2の副画素及び第3の副画素の配列順序は具体的な状況に応じて調整されてもよいことは言うまでもない。
【0041】
第2の発光ユニット103の副画素の数は他の数であってもよく、第2の発光ユニット103の副画素の数が第1の発光ユニット102の副画素の数よりも少なければ本発明の目的を達することができる。具体的には、第1の発光ユニット102が二つの第1の副画素、二つの第2の副画素及び二つの第3の副画素を含む場合、第2の発光ユニットは、二つの第1の副画素、二つの第2の副画素、一つの第3の副画素を含んでもよく、又は二つの第1の副画素、一つの第2の副画素、一つの第3の副画素を含んでもよく、又は一つの第1の副画素、一つの第2の副画素、一つの第3の副画素を含んでもよく、又は一つの第1の副画素、一つの第2の副画素、一つの第3の副画素のうちいずれか二つの副画素を含んでもよく、又は一つの第1の副画素、一つの第2の副画素及び一つの第3の副画素のうちいずれか一つの副画素を含んでもよい。
【0042】
これに応じて、第1の発光ユニット102に含まれる副画素の数が減少した場合、第2の発光ユニット103に含まれる副画素の数は従って減少してよい。例えば、第1の発光ユニット102は、二つの第1の副画素、二つの第2の副画素、一つの第3の副画素を含んでもよく、二つの第1の副画素、一つの第2の副画素、一つの第3の副画素を含んでもよく、一つの第1の副画素、一つの第2の副画素、一つの第3の副画素を含んでもよい。
【0043】
特に説明すべきであるが、ここで、第1の副画素は赤色(R)副画素であり、第2の副画素は緑色(G)副画素であり、第3の副画素は青色(B)副画素であるが、これは一例に過ぎなく、第1の副画素、第2の副画素、第3の副画素のうち少なくとも一つの副画素は赤、緑、青の三つの原色以外の色であってもよい。
【0044】
本発明の別の実施例に係る異形ディスプレイは、有効表示領域の範囲を画定する輪郭線を有する。
【0045】
前記異形ディスプレイは、繰り返して配列されている複数の第1の発光ユニットと、繰り返して配列されている複数の第2の発光ユニットと、を含む。
【0046】
前記第1の発光ユニットが配置されている表面の曲率半径は前記第2の発光ユニットが配置されている表面の曲率半径よりも大きい。
【0047】
前記第1の発光ユニットは連続的に配置され前記有効表示領域においてメイン表示領域を形成する。
【0048】
少なくとも一つの前記第2の発光ユニットは孤立状態で配置され前記有効表示領域においてエッジ表示領域を形成する。
【0049】
前記メイン表示領域の第1の発光ユニットが配置されている表面の曲率半径が前記エッジ表示領域の第2の発光ユニットが配置されている表面の曲率半径よりも大きいため、エッジ表示領域の輝度はメイン表示領域の輝度よりも低くなり、これにより、微視的に観察するときにエッジ表示領域のギザギザ感又は粒状感が目立たないように低減させられ、異形ディスプレイの表示品質が向上する。
【0050】
さらに、本発明で提供される実施例において、第1の発光ユニット102は有効表示領域内に規則的に繰り返して配列されメイン表示領域104を構成する。第2の発光ユニット103は孤立状態で配置され有効表示領域内にエッジ表示領域105を形成する。
【0051】
エッジ表示領域105の第2の発光ユニット103は、第2の発光ユニット103の中心から輪郭線101までの法線上距離が予め設定される距離閾値を超えないという条件を満たす。予め設定される距離閾値は、某発光ユニットがエッジ表示領域105に位置するか否かを判定するために、統計データに基づいて設定されることができる。例えば、統計データによって、特定寸法の発光ユニットが輪郭線101から内側へ3mmずれればメイン表示領域104に入ってしまうと判った場合、当該3mmを予め設定される距離閾値としてよい。勿論、ここで、予め設定される距離閾値として3mmは一例に過ぎず、予め設定される具体的な距離閾値の範囲は輪郭線101の曲率及び発光ユニットの寸法によって異なる。
【0052】
第2の発光ユニット103に含まれる副画素の数が第1の発光ユニット102に含まれる副画素の数よりも少ないため、第2の発光ユニット103の発光面積は第1の発光ユニット102の発光面積よりも小さい。第2の発光ユニット103が異形ディスプレイの輪郭線101に近接するエッジ表示領域105に位置し、且つ異なる形状を有する第1の発光ユニット102と第2の発光ユニット103とが異形ディスプレイの輪郭線101に適合するように互いに組み合わされて配列されるため、微視的に観察するときの表示のギザギザ感が低減する。
【0053】
説明すべきであるが、第1の発光ユニットに含まれる副画素の数は第2の発光ユニットに含まれる副画素の数よりも多い。ここでの第1の発光ユニット102は二つの赤色(R)副画素、二つの緑色(G)副画素、二つの青色(B)副画素を含む。ここでの第1の発光ユニット102では、第1の発光ユニットに含まれる副画素の数が第2の発光ユニットに含まれる副画素の数よりも多ければよく、いずれかの副画素が共用される場合があってもよい。例えば、第1の発光ユニット102は一つの赤色(R)副画素、二つの緑色(G)副画素及び二つの青色(B)副画素を含み、うち、赤色(R)副画素が共用される。又は、第1の発光ユニット102は一つの赤色(R)副画素、一つの緑色(G)副画素及び二つの青色(B)副画素を含み、うち、赤色(R)副画素及び緑色(G)副画素が共用されてもよい。
【0054】
図2は、本発明の実施例に係る別の異形ディスプレイの局所の微視的構造を示している。
【0055】
当該異形ディスプレイは有効表示領域の範囲を画定する輪郭線201を有する。有効表示領域の作用は図1を参照して記載した実施例と同様であり、ここで説明を省略する。
【0056】
異形ディスプレイは、繰り返して配列されている複数の第1の発光ユニット202と繰り返して配列されている複数の第2の発光ユニット203とを含む。
【0057】
前記第1の発光ユニットに含まれる副画素の数と前記第2の発光ユニットに含まれる副画素の数とは等しい。
【0058】
第1の方向(図2の左右方向)において、前記第1の発光ユニット及び前記第2の発光ユニットはそれぞれ連続的に配置されている。
【0059】
第2の方向(図2の上下方向)において、前記第1の発光ユニットと前記第2の発光ユニットとは交互に配置されている。
【0060】
第1の発光ユニット202は、一つの第1の副画素、一つの第2の副画素、及び一つの第3の副画素を含む。三種類の副画素はそれぞれ異なる色の光を発することができる。本実施例において、三つの副画素によって発される光の色はそれぞれ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)であってよい。
【0061】
第1の発光ユニット202に属する三つの副画素は三角形を成すように配列されている。三つの副画素が均等に発光する場合、第1の発光ユニット202はホワイトバランスに達する。
【0062】
さらに、本発明に係るまた別の実施例において、前記三角形は鋭角三角形又は直角三角形である。
【0063】
鋭角三角形の場合、隣接する二行又は二列の副画素間の距離は副画素の寸法の半分であり、このように、最大限度に異形ディスプレイの輪郭線に近似することができる。これにより、異形ディスプレイのギザギザ感又は粒状感が低減する。
【0064】
直角三角形の場合、副画素を積層させるとき、直角辺によって副画素を積層させることができ、これにより利便性を提供する。
【0065】
さらに、前記第1の副画素、前記第2の副画素及び前記第3の副画素のうち一つの副画素の発光面積は残りの二つの副画素の発光面積と異なっている。例えば、第1の副画素を赤色副画素とし、第2の副画素を緑色副画素とし、第3の副画素を青色副画素とし、青色光材料の発光効率が低いため、第3の副画素の発光面積を第1の副画素や第2の副画素の発光面積よりも大きいものとしてよい。勿論、これは一例に過ぎず、発光面積は他の関係にあってもよい。
【0066】
第1の発光ユニット202の構成は、これに限定されず、ディスプレイの色彩表示の需要を満たせば、三つの副画素の中心が同一直線上にある構成であってもよく、或いは他の数の副画素を含み、例えば二つ、四つ又は他の数の副画素を含む構成であってもよい。
【0067】
第2の発光ユニット203は一つの第1の副画素、一つの第2の副画素及び一つの第3の副画素を含む。三つの副画素はそれぞれ異なる色の光を発することができ、具体的に、例えば、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の光を発することができる。
【0068】
第2の発光ユニット203に属する三つの副画素は三角形を成すように配列されており、第2の発光ユニット203の構成は第1の発光ユニット202と鏡像対称にされている。
【0069】
第2の画素ユニットの構成は、これに限定されず、ディスプレイの色彩表示の需要を満たせば、三つの副画素の中心が同一直線上にある構成であってもよく、また、第2の発光ユニット203に含まれる副画素の数が他の数、例えば、二つ、四つ又は他の数である構成であってもよい。
【0070】
第1の方向即ち横方向において、第1の発光ユニット202は連続的に配置されており、第2の発光ユニット203も連続的に配置されている。第2の方向即ち縦方向において、第1の発光ユニット202と第2の発光ユニット203とは交互に配置されている。ディスプレイのエッジでは、異なる構成を有する第1の発光ユニット202と第2の発光ユニット203とは互いに組み合わされて交互に配置されており、これにより、異形ディスプレイの輪郭線201の形状に適合することができ、エッジで表示される画面は異形ディスプレイの輪郭線201にマッチしながら近接する。微視的に観察するときに表示のギザギザ感を低減できる。
【0071】
説明すべきであるが、ここでの第1の発光ユニット202は前例の第1の発光ユニット102と異なるものである。ここでの第1の発光ユニット202は三つの副画素を含むが、前例の第1の発光ユニット102は六つの副画素を含む。
【0072】
本発明の実施例に係る表示装置は、前記異形ディスプレイと、ディスプレイに給電する電源モジュールと、メディア情報を記憶する記憶モジュールと、異形ディスプレイ、電源モジュール及び記憶モジュールと電気的に接続されて、電源モジュールの給電を制御し、且つメディア情報を異形ディスプレイに表示させる処理モジュールと、を含む。
【0073】
異形ディスプレイは、入出力設備であり、送信設備を介して電子情報を画像としてスクリーンに表示させることができる。ディスプレイはLCD、CRT、PDP、OLED等であってよく、表示する色が多いほど表示する画像が複雑になり、画面のグラデーションもより繊細になる。
【0074】
電源モジュールは、プリント回路板に直接的に貼り付け可能な給電ステーションであり、異形ディスプレイの駆動回路、情報記憶モジュール、画像処理モジュールに給電する。電源モジュールは、商用電源の電圧220vを異形ディスプレイの作動電圧に変換する、商用電源に接続可能な電源アダプタ又は電圧変換装置であってもよい。
【0075】
記憶モジュールは副画素の駆動信号を記憶又はキャッシュするためのものである。コンピュータ分野では、各画素は24ビットで表され、三つの原色即ち赤、緑、青にはそれぞれ8ビットが割り当てられる。各原色の強度は8ビットの最高値の28によって256個の値に分けられる。
【0076】
画素ユニットの駆動信号は三つの原色の強度を指す。処理モジュールは異形ディスプレイ、電源モジュール及び記憶モジュールと電気的に接続されている。処理モジュールは、電源モジュールから他のモジュールへの給電を制御する。電源モジュールから給電されると、処理モジュールは画像データを即時処理し、画像データによって駆動信号を生成して異形ディスプレイに入力し、これにより、異形ディスプレイの副画素の発光を制御する。隣接する副画素によって発される光は混合されて、最終的に、人の目で認識される画像を表示する。
【0077】
本発明に係る異形ディスプレイ、及び当該異形ディスプレイを統合した表示装置では、異なる構成を有する第1の発光ユニットと第2の発光ユニットとを互いに組み合わせて異形ディスプレイの全体に配置する。前記異なる構成とは、副画素の数が異なってもよく、発光ユニットが配置される表面の曲率半径が異なってもよく、鏡像構造等であってもよい。有効表示領域のメイン表示領域及びエッジ表示領域に異なる構成を有する第1の発光ユニットと第2の発光ユニットを設けることにより、微視的に観察するときにエッジ表示領域のギザギザ感又は粒状感を目立たないように低減させて、異形ディスプレイの表示品質を向上させる。
【0078】
次に、本発明の具体的な応用を説明する。
【0079】
設計済の異形ディスプレイの構成については、異形ディスプレイの輪郭線は決まっている。曲面スクリーンを有するテレビ又は曲面スクリーンを有する携帯端末装置(例えば携帯電話)については、異形ディスプレイの機能を実現するために、画素ユニットを配置する必要がある。しかしながら、画素ユニットが所定寸法で所定形状を有する物理的実体であることを考慮すると、通常、輪郭線が滑らかな曲線であるため、画素ユニットは輪郭線に沿って配置されるときには完全に一致することでなく、ある程度のギザギザ感が出てくる。画素ユニットが輪郭線に適合するように配置されることによる表示時のギザギザ感を低減させるために、下記の方法が考えられる。
【0080】
本発明の一実施例において、六つの副画素を含む第1の発光ユニットと、三つの副画素を含む第2の発光ユニットとを使用する。第1の発光ユニットに含まれる副画素が多いため、局所のホワイトバランス性能に優れる。第1の発光ユニットと輪郭線との間に三つの副画素からなる第2の発光ユニットを配置することにより、表示時のギザギザ感を効果的に低減させることができる。
【0081】
三つの副画素について、第1の画素、第2の画素及び第3の画素は三角形を成すように配置されてもよく、直線に沿って配置されてもよい。
【0082】
本発明の別の実施例において、三つの副画素を有する第1の発光ユニットと、三つの副画素を有する他の構成による第2の発光ユニットとを使用する。第1の発光ユニットは第1の方向において連続的に配列されている。同様に、第2の発光ユニットも第1の方向に連続的に配列されている。第1の方向と交差する第2の方向においては、第1の発光ユニットと第2の発光ユニットとは交互に配列されている。第1の発光ユニットと第2の発光ユニットのこのような配置も、表示時のギザギザ感を効果的に低減させることができる。
【0083】
以上を纏めると、本発明では、表示時のギザギザ感を解消する手段として、一つの手段は、サイズの異なる発光ユニット同士を組み合わせ、即ち、面積の割合大きい発光ユニットによってディスプレイの大部分の領域(メイン表示領域)を構成し、面積の割合大きい発光ユニットを完全に収容することができない領域(エッジ表示領域)内には面積の割合小さい発光ユニットを配置する。もう一つの手段は、副画素の異なる配列により、面積の割合小さい発光ユニットを少なくとも二種類形成し、面積の割合小さい発光ユニットを互いにずれるように配列することでディスプレイの全発光領域を構成しても良い。
【0084】
以上、前記実施例は本発明のいくつかの実施形態を具体的且つ詳細に説明したものに過ぎないが、本発明の特許範囲を限定するものではない。当業者にとっては、本発明の精神を逸脱しないかぎり、いくつかの変形や改良も本発明の保護範囲に含まれる。よって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0085】
101 輪郭線、102 第1の発光ユニット、103 第2の発光ユニット、104 メイン表示領域、105 エッジ表示領域、201 輪郭線、202 第1の発光ユニット、203 第2の発光ユニット。
図1
図2
図3