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特許7334143端部領域検査モジュールおよび現場ギャップ検査ロボットシステムのための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-18
(45)【発行日】2023-08-28
(54)【発明の名称】端部領域検査モジュールおよび現場ギャップ検査ロボットシステムのための方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/88 20060101AFI20230821BHJP
   F16L 55/30 20060101ALI20230821BHJP
   G01N 21/954 20060101ALN20230821BHJP
【FI】
G01N21/88 Z
F16L55/30
G01N21/954
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020502386
(86)(22)【出願日】2018-06-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-24
(86)【国際出願番号】 US2018038453
(87)【国際公開番号】W WO2019018096
(87)【国際公開日】2019-01-24
【審査請求日】2021-06-11
(31)【優先権主張番号】15/652,771
(32)【優先日】2017-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(72)【発明者】
【氏名】アキン、セリム
(72)【発明者】
【氏名】ベツィンガー、トーマス、ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】ダ シルバ、エアトン、ローザ
(72)【発明者】
【氏名】イチリ、ハイダー セラミ
(72)【発明者】
【氏名】マークマン、クリストファー、ポール
(72)【発明者】
【氏名】デベネスト、パウロ、シーザー
(72)【発明者】
【氏名】グァルネリ、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルセッキ、ジョルジオ
(72)【発明者】
【氏名】広瀬 茂男
【審査官】三宅 克馬
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-001501(JP,A)
【文献】特開平09-254780(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0087112(US,A1)
【文献】特開平11-318056(JP,A)
【文献】特開2002-209363(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84 - G01N 21/958
G01N 29/00 - G01N 29/52
G01B 11/00 - G01B 11/30
H02K 11/00 - H02K 11/40
H02K 15/00 - H02K 15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の牽引モジュール(242,660,662,664)を使用して機械(502)の環状ギャップ(220,520,2102)内をナビゲートするように構成されたロボットクローラ(110,210,510,600,2110)と、
前記ロボットクローラ(110,210,510,600,2110)に接続される視覚検査モジュール(900)であって、延長部材(930,984)及び前記延長部材(930,984)の遠位端部にある少なくとも1つのカメラ(922,974,988)を含む視覚検査モジュール(900)と、
前記ロボットクローラ(110,210,510,600,2110)と通信し、前記少なくとも1つのカメラ(922,974,988)からの視覚検査データを表示するように構成された視覚ディスプレイと
を備えるシステム(100)であって、
前記視覚検査モジュール(900)が、前記機械(502)の表面と係合し、前記延長部材(930,984)を位置決めするように構成された少なくとも1つの磁気摺動パッドを含む、システム(100)。
【請求項2】
前記機械(502)が、前記複数の牽引モジュール(242,660,662,664)ではアクセスできない端部領域を含み、前記延長部材(930,984)が、前記環状ギャップ(220,520,2102)のクローラ位置から前記端部領域に延びるように構成される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項3】
前記視覚検査モジュール(900)が、前記ロボットクローラ(110,210,510,600,2110)に対して前記延長部材(930,984)の位置を調整するように構成された少なくとも1つの位置決め可能なジョイント(938,942)をさらに備える、請求項1又は請求項2に記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記延長部材(930,984)が、前記ロボットクローラ(110,210,510,600,2110)からの前記延長部材(930,984)の長さを調整するように構成された入れ子式部分(936,938)を含む、請求項に記載のシステム(100)。
【請求項5】
前記視覚検査モジュール(900)が、センサインターフェースハウジング(2140)と、前記環状ギャップ(2102)を画成する対向する表面(2104,2106)間の所望の高さで前記センサインターフェースハウジング(2140)を位置決めする平行リフトとをさらに含む、請求項1又は請求項2に記載のシステム(100)。
【請求項6】
前記複数の牽引モジュール(242,660,662,664)が、前記環状ギャップ(220,520,2102)内で軸方向及び半径方向に前記ロボットクローラ(110,210,510,600,2110)を位置決めするように構成された複数の多方向牽引モジュール(242,660,662,664)を含む、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のシステム(100)。
【請求項7】
前記機械(502)が、前記複数の多方向牽引モジュール(242,660,662,664)ではアクセスできない端部領域を含み、前記延長部材(930,984)が、前記環状ギャップ(220,520,2102)のクローラ位置から前記端部領域に延びるように構成され、前記少なくとも1つの磁気摺動パッドが、前記端部領域内の表面と係合するために前記延長部材(930,984)から横方向に延びる複数の磁気摺動パッド(944,946,948,950)を含む、請求項に記載のシステム(100)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの磁気摺動パッドが、前記延長部材(930,984)から横方向に延びる可撓性部材(956,958,960,962)によって支持される、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のシステム(100)。
【請求項9】
前記視覚検査モジュール(900)が、前記少なくとも1つのカメラ(922,974,988)を所望の位置に制御可能に回転させる前記視覚ディスプレイと通信する電動位置コントローラをさらに含む、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のシステム(100)。
【請求項10】
前記機械(502)が、発電機、電気モータ又はターボ機械から選択され、前記機械(502)の第1の端部を前記機械(502)から取り外したときにアクセス可能な入口ギャップ(222,522,2102)と、前記第1の端部の反対側の前記機械(502)の第2の端部の端部領域とを含み、前記ロボットクローラ(110,210,510,600,2110)が、前記入口ギャップ(222,522,2102)を通して前記環状ギャップ(220,520,2102)に挿入されて、前記環状ギャップ(220,520,2102)を前記第2の端部に隣接するクローラ位置にナビゲートするように構成され、前記延長部材(930,984)が、前記少なくとも1つのカメラ(922,974,988)を使用して前記端部領域を検査するために、前記環状ギャップ(220,520,2102)の前記クローラ位置から前記端部領域に延びるように構成される、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のシステム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、機械の検査に関し、より具体的には、発電機、電気モータ、またはターボ発電機を含むターボ機械のエアギャップなどの環状ギャップ空間に挿入されたロボットを使用する検査に関する。
【背景技術】
【0002】
発電機、電気モータ、またはターボ機械の視覚的、機械的、および/または電気的検査および試験は、定期的に実施される必要がある。例えば、発電機は、固定子のウェッジ固定力、視覚的な表面の異常、電磁コアの欠陥などについて、現場で定期的に検査および試験される場合がある。発電機/固定子の検査および試験手順では、ユニットで検査または試験が実施され得る前に、固定子の完全な分解および固定子からの発電機回転子の取り外しが必要となることがある。回転子の分解および取り外しのコスト、このプロセスにかかる時間、および回転子の取り外しの危険性は、そのような検査の頻度に影響を与える可能性がある。
【0003】
発電機の現場検査は、ポール、トロリー、スコープ、および回転子旋回技術を用いて実施されている。これらの手順では、完全な、タイムリーな、または安全な方法で検査タスクを達成することができない場合がある。
【0004】
鉄心と保持リングとの間の半径方向エアギャップへの挿入が可能なロボットクローラを使用すると、回転子および固定子のコアの現場検査が可能になる。クローラは、折り畳み位置でギャップに挿入され、スプリングリターン式の空気圧ラムによってエアギャップの幅まで拡張され得る。クローラは、技術者によって遠隔制御することができ、クローラが選択された場所に駆動されると、エアギャップ内で発電機の回転子および固定子の検査を実施するためのビデオカメラおよび他の検査ツールを提供する。クローラは、ナビゲーションと視覚検査の両方のためにビデオを使用して、エアギャップ内で技術者によって操縦され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許出願公開第2014-0022374号明細書
【発明の概要】
【0006】
本開示の第1の態様は、現場ギャップ検査ロボットを使用する端部領域検査のためのシステムを提供する。ロボットクローラは、機械の環状ギャップ内をナビゲートするように構成される。視覚検査モジュールは、ロボットクローラに接続され、延長部材および少なくとも1つのカメラを含む。視覚ディスプレイは、ロボットクローラと通信し、少なくとも1つのカメラからの視覚検査データをユーザに表示するように構成される。
【0007】
本開示の第2の態様は、現場ギャップ検査ロボットを使用する端部領域検査のための方法を提供する。発電機、電気モータ、またはターボ機械から選択される機械の第1の端部にある第1の端部部分は、取り外されて機械の環状ギャップへの入口ギャップを露出させる。ロボットクローラは、入口ギャップを通して機械の環状ギャップに挿入される。環状ギャップは、ロボットクローラによって、第1の端部の反対側の第2の端部にある機械の第2の端部部分に隣接するクローラ位置まで横断される。機械の第2の端部部分の視覚検査は、ロボットクローラに接続され、延長部材および少なくとも1つのカメラを含む視覚検査モジュールを使用して実施される。
【0008】
本開示の第3の態様は、現場ギャップ検査で使用されるロボットクローラのための視覚検査モジュールを提供する。クローラインターフェースは、ロボットクローラへの取り外し可能な取り付けのために構成される。延長部材は、クローラインターフェースから延び、機械の環状ギャップに位置決めされたロボットクローラから延びるように構成される。少なくとも1つのカメラは、延長部材の遠位端部に配置され、機械の端部部分から視覚データを収集するように位置決め可能である。少なくとも1つの通信チャネルは、視覚検査モジュールへの制御信号を受容し、視覚データを視覚ディスプレイに提供するように構成される。
【0009】
本開示の例示的な態様は、本明細書に記載された問題および/または論じられていない他の問題を解決するように構成される。
【0010】
本開示のこれらおよび他の特徴は、本開示の様々な実施形態を示す添付の図面と併せて、本開示の様々な態様の以下の詳細な説明からより容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の様々な実施形態による、現場ギャップ検査のための例示的なシステムの図である。
図2】機械へのロボットクローラのギャップ挿入の側面断面図である。
図3】機械の環状ギャップ内の拡張されたロボットクローラの側面断面図である。
図4】機械の環状ギャップ内の拡張されたロボットクローラの斜視切断図である。
図5】機械の環状ギャップ内のロボットクローラの例示的な検査経路を示す図である。
図6】本開示の様々な実施形態による、その拡張状態のロボットクローラの斜視図である。
図7】その折り畳み状態の図6のロボットクローラの上面図である。
図8】その折り畳み状態の図6のロボットクローラの端面図である。
図9】本開示の様々な実施形態による、例示的な端部領域視覚センサモジュールの上面斜視図である。
図10図9の端部領域視覚センサモジュールのコネクタアセンブリの拡大上面斜視図である。
図11図9の端部領域視覚センサモジュールの延長部材の拡大上面斜視図である。
図12】本開示の様々な実施形態による、端部領域視覚センサモジュールと共に使用するための例示的なセンサヘッドアセンブリの拡大上面斜視図である。
図13】機械の環状ギャップ内の端部領域視覚センサモジュールの例示的な展開の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の図面は、必ずしも原寸に比例しないことに留意されたい。図面は、本開示の典型的な態様だけを示すことを目的としており、したがって、本開示の範囲を限定するものと考えるべきではない。図面では、図面間で類似する符号は、類似する要素を表す。
【0013】
以下の説明では、説明の一部を成す添付の図面を参照し、図面には、本教示が実施され得る特定の例示的な実施形態が例として示されている。これらの実施形態は、当業者が本教示を実施できるように十分に詳細に記載されており、本教示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を使用してもよく、また変更が行われてもよいことを理解されたい。したがって、以下の説明は、単なる例示である。
【0014】
ある要素または層が別の要素または層に対して「上に」、「係合される」、「係合解除される」、「接続される」または「結合される」と言及される場合には、他の要素または層に対して直接上に、係合され、接続され、または結合されてもよいし、あるいは介在する要素または層が存在してもよい。逆に、ある要素が別の要素または層に対して「直接上に」、「直接係合される」、「直接接続される」または「直接結合される」と言及される場合には、介在する要素または層は存在しなくてもよい。要素間の関係について説明するために使用される他の語も、同様に解釈されるべきである(例えば、「~の間に」に対して「直接~の間に」、「~に隣接して」に対して「直接~に隣接して」など)。本明細書で使用する場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のいずれかおよび1つまたは複数のすべての組合せを含む。
【0015】
図1を参照すると、現場ギャップ検査のための例示的なシステム100が示されている。システム100は、ロボットクローラ110と、テザーリール130と、制御ユニット150とを含むことができる。ロボットクローラ110は、機械の自律的または半自律的な検査を行うために、入口ギャップを通して機械の環状ギャップに挿入されるように構成され得る。例えば、ロボットクローラ110は、折り畳みまたは拡張状態で動作することができ、その折り畳み状態で狭い入口ギャップを通して挿入され、より広いギャップ幅に拡張されて環状ギャップの対向する表面に係合し得る折り畳み可能なロボットであってもよい。ロボットクローラ110は、図1にその拡張状態で示されている。環状ギャップに入ると、ロボットクローラ110は、環状ギャップをナビゲートし、1つまたは複数のセンサモジュールを使用して、その移動中または環状ギャップの様々な所望のクローラ位置で様々な検査試験を行うことができる。ロボットクローラ110は、軸方向の前方および後方移動、ならびに半径方向の双方向の側方移動を含む多方向移動のために構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ロボットクローラ110は、軸方向および半径方向に加えて、軸方向と半径方向との間の任意の配向の双方向移動を含む全方向移動のために構成されてもよい。例えば、ロボットクローラ110は、360度の弧の任意の方向に移動し、その進行方向を、軸方向と半径方向との間の角度が付けられた複数の方向を含む360度の弧の任意の配向に自由に変更するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ロボットクローラ110は、ロボットクローラ110に接続され、動作中に機械の外に延びるテザー132を含むことができる。例えば、テザー132は、ロボットクローラ110に接続されたケーブルであり、ロボットクローラ110がそれ自体の力で環状ギャップの外にナビゲートすることができない場合にロボットクローラ110の後退を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、テザー132は、試験システムまたはロボット動作を支持するために、有線通信チャネルおよび/または遠隔電源および/または空気圧もしくは油圧ラインのための、ロボットクローラ110からの物理的接続を提供し得る。テザーリール130は、環状ギャップ内のロボットクローラ110の動作中にテザー132の張力および/またはたるみを調整するように自動化され、ユーザがテザーの位置を手動で管理することなく、ロボットクローラ110が様々なナビゲーション経路をナビゲートし、検査ルーチンを実施することを可能にし得る。制御ユニット150は、ロボットクローラ110と通信して制御信号をロボットクローラ110に提供し、ロボットクローラ110からセンサ、ナビゲーション、および/または他の動作データを受容することができる。いくつかの実施形態では、制御ユニット150は、テザー132に直接またはテザーリール130を通して電気的に接続することができ、電気接続は、電力チャネルおよび通信チャネルの一方または両方を含むことができる。制御ユニット150は、機械の環状ギャップ内の検査展開中、ロボットクローラ110を監視、評価、補足、および/または制御するためのユーザインターフェースをユーザに提供することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、ロボットクローラ110は、異なる検査タスクのために再構成され、個々のモジュールの効率的な保守、交換、および/またはアップグレードを可能にすることができるモジュール式ロボットである。ロボットクローラ110は、様々なモジュールを互いに対して受容し、位置決めし、かつ接続するための拡張可能な本体112などの本体フレームを含むことができる。いくつかの実施形態では、拡張可能な本体112は、複数の牽引モジュール114、116、118を収容する。例えば、ロボットクローラ110は、3つの牽引モジュール114、116、118、前部牽引モジュール114、中間牽引モジュール116、および後部牽引モジュール118を含むことができ、前部牽引モジュール114および後部牽引モジュール118は、環状ギャップ内の第1の表面と係合するように構成され、中間牽引モジュール116は、環状ギャップ内の対向する第2の表面と係合するように構成される。牽引モジュール114、116、118は、環状ギャップ内の軸方向と半径方向の両方の移動を含む複数の方向にロボットクローラ110を移動させることが可能な多方向牽引モジュールであってもよい。ロボットクローラ110は、ナビゲーションおよび/または視覚検査のための視覚センサなどの複数のセンサモジュール120、122をさらに含むことができる。例えば、センサモジュール120、122は、中間牽引モジュール116の前方および後部側のセンサインターフェースを介して取り付けられてもよく、前方と後部に面するナビゲーションカメラの両方、ならびに環状ギャップの隣接する表面を検査するための1つまたは複数の上方に面するカメラを提供し得る。ロボットクローラ110はまた、一般に適合性のある端部コネクタ134およびファスナ136、138と共に、テザー132を着脱可能に受容するための1つまたは複数のテザーコネクタ124、126を含み得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、テザーリール130は、ロボットクローラ110の動作中に必要に応じて張力を調整するためにテザー132を受容し、解放し、かつスプールすることができる自動化テザーリールである。例えば、テザーリール130は、サーボモータ142と、張力管理ロジック144とを含み得る。例えば、トルク/電流制御モードで動作するサーボモータ142は、テザーリール130に入るときにテザー132の張力の変化を検出することができ、張力管理ロジック144は、サーボモータ142を使用して許容可能な張力範囲を維持するためのアルゴリズムを提供し、閉ループ制御下でテザー132を巻き取るまたは巻き出すことができる。いくつかの実施形態では、テザー132はテザーリール130への固定接続146を有してもよく、別個のワイヤ148が制御ユニット150に接続してもよい。例えば、ワイヤ148は、ロボットクローラ110をつなぐのに望ましい機械的特性を提供することなく、通信および/または電力チャネルを提供してもよい。いくつかの実施形態では、テザーリール130は、制御ユニット150からテザーリール130の制御信号を受容するためのインターフェースを提供してもよい。例えば、制御ユニット150は、張力制御またはモータパラメータを調整することができ、かつ/またはテザーリール130の動作を手動で無効にすることができる。いくつかの実施形態では、ロボットクローラ110は、テザーなしで動作し、それ自体の力(例えば、バッテリー)を運び、かつ/または制御ユニット150との無線通信を使用し得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、制御ユニット150は、コンピューティングシステム152を含むことができる。コンピューティングシステム152は、ロボットクローラ110を動作させるための複数のプログラム制御およびユーザインターフェースを提供し得る。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム152は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、モバイルデバイス、または(汎用コンピューティング構成要素およびオペレーティングシステムを使用する)産業用制御システム内の組込みシステムなどの汎用コンピューティングデバイスである。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム152は、システム100の動作を制御するタスクのための特殊なデータ処理システムであってもよい。コンピューティングシステム152は、バスによって相互接続された少なくとも1つのメモリ154、プロセッサ156、および入力/出力(I/O)インターフェース158を含むことができる。さらに、コンピューティングシステム152は、ロボットクローラ110、テザーリール130、およびネットワークリソースなどの接続システムを含む外部I/Oデバイス/リソースおよび/またはストレージシステムとの通信を含むことができる。一般に、プロセッサ156は、メモリ154および/またはストレージシステムに記憶される検査制御モジュール160などのコンピュータプログラムコードを実行する。コンピュータプログラムコードを実行する間、プロセッサ156は、(I/Oインターフェース158を通じて)メモリ154、ストレージシステム、およびI/Oデバイスとの間でデータを読み書きすることができる。バスは、コンピューティングシステム152内の構成要素の各々の間の通信リンクを提供する。I/Oデバイスは、ユーザがコンピューティングシステム152と対話することを可能にする任意のデバイス(例えば、キーボード、ポインティングデバイス、ディスプレイなど)を備えることができる。コンピューティングシステム152は、ハードウェアおよびソフトウェアの様々な可能性のある組合せだけを表す。例えば、プロセッサは、単一の処理ユニットを備えてもよく、または1つまたは複数の場所、例えば、クライアントおよびサーバにおける1つまたは複数の処理ユニットにわたって分散されてもよい。同様に、メモリおよび/またはストレージシステムは、1つまたは複数の物理的場所に存在することができる。メモリおよび/またはストレージシステムは、磁気媒体、光学媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)などを含む様々な種類の非一時的コンピュータ可読記憶媒体の任意の組合せを備えることができる。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム152は、有線(シリアル、USB、イーサネット(登録商標)など)または無線(802.11、Bluetooth(登録商標)など)接続およびシステム100のために実行されるアプリケーションソフトウェアを介してロボットクローラ110と通信するラップトップコンピュータである。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム152の機能の一部またはすべては、1つまたは複数のユーザインターフェースおよび/またはリモートデータストレージへの無線通信を伴うまたは伴わない、オンボード制御モジュールなどの統合コンピューティングシステムを使用するオンボードロボットクローラ110であってもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム152は、ロボットクローラ110を制御するための1つまたは複数のアプリケーションプログラム、データソース、および/または機能モジュールを含むことができる。例えば、コンピューティングシステム152は、データソース162、164、166、168と連動して動作する検査制御モジュール160を含み、ロボットクローラ110に制御信号を提供し、ロボットクローラ110からデータを受容することができる。検査制御モジュール160は、視覚表示モジュール170を提供してもよい。例えば、ロボットクローラ110のカメラによって収集された視覚データは、1つまたは複数のビデオフィードのためのグラフィカルユーザインターフェースなどの視覚表示モジュール170によって表示され得る。いくつかの実施形態では、ロボットクローラ110からの視覚データは、視覚表示モジュール170による使用のための視覚データソース164および/または他のユーザもしくはシステムによる使用を含む後の使用のための視覚データの選択的、一時的、および/またはアーカイブストレージに記憶され得る。データ表示モジュール172は、視覚表示を含む、処理された視覚データおよび結果の計算または分析を含む他の試験データの表示を提供し得る。例えば、データ表示モジュール172は、ロボットクローラ110からのセンサおよびナビゲーションデータを使用する1つまたは複数の試験プロトコルからの試験結果のためのグラフィカルユーザインターフェースを含み得る。いくつかの実施形態では、ロボットクローラ110からの試験データは、データ表示モジュール172による使用のための試験データソース166および/または他のユーザもしくはシステムによる使用を含む後の使用のための試験データの選択的、一時的、および/またはアーカイブストレージに記憶され得る。データ表示モジュール172は、ロボットクローラ110によって収集される試験データのリアルタイム表示および/または試験データソース166からの試験データの閲覧、集約、分析、視覚化、選択、および/または報告のための1つまたは複数の機能を含み得る。自律ナビゲーションモジュール174は、機械の環状ギャップ内のロボットクローラ110のナビゲーションのためのプロトコルまたは一連のコマンドを提供し得る。いくつかの実施形態では、自律ナビゲーションモジュール174は、ユーザが検査経路データソース162に記憶された複数の検査経路から検査経路を選択することを可能にする。例えば、検査経路は、ロボットクローラ110が環状ギャップ内をたどり、環状ギャップ内の1つまたは複数の場所で1つまたは複数の検査タスクを完了するべき物理的経路として定義されてもよい。検査経路は、軸方向および半径方向の距離を定義する1つまたは複数の機械の物理的な概略図またはパラメータに基づいている場合がある。検査経路はまた、ナビゲーション(例えば、回避する表面特徴)または試験(例えば、特定の試験を行うための場所または対応するクローラ位置)のいずれかの対象となる特定の特徴に関連するパラメータおよび場所を含む場合もある。いくつかの実施形態では、検査経路は、クローラコマンドのシーケンスに関して記憶および定義され得る。自律ナビゲーションモジュール174は、自律動作が開始されると、ユーザの介入なしにクローラコマンドのシーケンスを受容および実行するロボットクローラ110による自律ナビゲーションを可能にし得る。いくつかの実施形態では、自律ナビゲーションモジュール174は、開始されるとユーザの介入を必要としない完全な自律検査ルーチンを有してもよく、または潜在的にナビゲーション、視覚、または試験データのフィードバックに基づいて、ユーザによって所望のシーケンスで開始される特定の移動パターン、位置変更、または試験プロトコルなどの複数の検査サブルーチンを含んでもよい。手動ナビゲーションモジュール176は、ロボットクローラ110を操作あるいは制御する能力をユーザに提供し得る。いくつかの実施形態では、手動ナビゲーションモジュール176は、自動化制御を開始するための初期位置を確立するために提供されてもよく、および/またはユーザが問題、例外、もしくは特定の試験プロトコル(さらなるデータ収集を必要とする初期試験結果など)に応じて自動化制御を無効にすることを可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、制御ユニット150は、ナビゲーション、センサの展開、および様々な試験プロトコルを行うために、ジョイスティックおよび他の触覚制御などのロボットクローラ110を手動で制御するための1つまたは複数のユーザI/Oインターフェースを含み得る。検査モジュール178は、1つまたは複数のセンサモジュールを使用して、様々な検査プロトコルのための複数のルーチンを提供してもよい。いくつかの実施形態では、検査モジュール178による使用のために、1つまたは複数のセンサプロトコルがセンサプロトコルデータソース168に記憶される。例えば、視覚検査プロトコルは、機械による場所情報への捕捉視覚データのマッピングを可能にするために、定義されたナビゲーション経路に沿ってロボットクローラ110の1つまたは複数のセンサモジュールから視覚データを起動および捕捉することを含み得る。いくつかの実施形態では、異なる向きの複数のカメラおよび/または位置決め可能なカメラが1つまたは複数のセンサモジュールに存在し得、視覚検査モジュールがロボットクローラ110およびその様々なカメラの選択的な起動および位置決めを含み得る。検査モジュール178によって実行される検査プロトコルは、ナビゲーション要素(ナビゲーション経路、自律位置決め、および/または手動位置決め)とセンサプロトコル(位置要件、展開、起動、タイミング/サンプリング、パラメータなど)の組合せを含み得る。いくつかの実施形態では、検査モジュール178は、視覚データソース164および試験データソース166における視覚データおよび試験データの記憶および/または視覚表示モジュール170による視覚データの表示、ならびにデータ表示モジュール172による試験データを定義し得る。クローラ構成モジュール180は、モジュールの構成、ならびにロボットクローラ110の任意の所与の構成の関連する能力およびプロトコルに関するデータを提供し得る。いくつかの実施形態では、クローラ構成モジュール180は、クローラ構成を機械仕様およびセンサプロトコルにマッピングし、ユーザが検査プロトコルを所与の試験展開に利用可能なリソースと一致させるのを支援することができる。例えば、センサモジュールの所与の構成は、ロボットクローラ110の試験能力を定義し、それらのセンサモジュールを利用するための特定の検査プロトコルを推奨する場合がある。いくつかの実施形態では、クローラ構成モジュール180は、センサモジュールおよび関連する能力のライブラリを含み、所望の検査プロトコル用のロボットクローラ110のユーザ再構成を支持し得る。クローラ構成モジュール180はまた、ロボットクローラ110を制御するために使用され得るクローラコマンド184のセットを定義し得る。クローラ調節モジュール182は、検査制御モジュール160が同時に複数のロボットクローラ110を制御することを可能にし得る。いくつかの実施形態では、クローラ調節モジュール182は、複数のロボットクローラとの制御信号およびデータ信号のための複数の通信チャネルを維持してもよい。例えば、クローラ調節モジュール182は、複数のロボットクローラの並列管理のために、視覚表示モジュール170、データ表示モジュール172、自律ナビゲーションモジュール174、手動ナビゲーションモジュール176、検査モジュール178、およびクローラ構成モジュール180の複数のインスタンスを管理し得る。いくつかの実施形態では、クローラ調節モジュール182は、現在のクローラ位置、ナビゲーション経路、ならびに様々な移動のタイミングおよびセンサプロトコルを追跡するための干渉保護を含み、環状ギャップ内の衝突または他の干渉を防ぐことができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、視覚表示モジュール170、データ表示モジュール172、自律ナビゲーションモジュール174、手動ナビゲーションモジュール176、および検査モジュール178は、1つまたは複数のクローラコマンド184をロボットクローラ110に発行し、それらの機能のいくつかの態様を完了させることを含み得る。次いで、クローラコマンド184は、制御ユニット150からロボットクローラ110へのメッセージまたは制御信号に変換され得る。いくつかの実施形態では、クローラ構成モジュール180は、ロボットクローラ110の構成に基づいて、他のモジュールが利用可能なクローラコマンドのセットを定義してもよい。例示的なクローラコマンド184のセットが提供されるが、ロボットクローラ110ならびに牽引モジュール、センサモジュール、および可能な本体フレーム機構の様々な構成を制御するために使用することができる可能なクローラコマンドは排他的でも網羅的でもないことが理解されよう。ロボットクローラ110は、本体の位置を駆動する1つまたは複数のモータへの制御信号など、折り畳み状態と1つまたは複数の拡張状態との間で拡張可能な本体112を拡張または収縮する拡張/収縮コマンド186を受容し得る。いくつかの実施形態では、拡張または収縮は、牽引モジュールが平面位置にあるとき(折り畳み状態の場合)、または環状ギャップ内の対向する表面に接触したとき(拡張状態の場合)のロボットクローラ110内のセンサからのフィードバックに基づいてもよい。他の実施形態では、拡張または収縮は、時間(例えば、x秒の拡張または収縮の間モータを起動する)または距離(例えば、クローラ幅をyインチに設定する)に基づいてもよい。ロボットクローラ110は、(多方向牽引モジュールの場合の牽引モジュールの現在の整列に基づいて)その牽引モジュールを前方または後方に駆動する移動コマンド188を受容し得る。ロボットクローラ110は、方向変更コマンド190を受容し、その牽引モジュールおよび進行方向を再配向することができる。例えば、方向変更コマンド190は、多方向牽引モジュールを90度回転させ、軸方向の配向および進行方向から半径方向の配向および進行方向に変更することを可能にし得る。いくつかの実施形態では、方向変更コマンド190は、90度よりも大きいまたは小さい配向変更を含み、配向または牽引モジュールを確認し、配向を制御ユニット150に戻すためのフィードバック信号を含んでもよい。ロボットクローラ110は、牽引モードコマンド192を受容し、異なる牽引モードの牽引モジュールの構成の変更を駆動することができる。例えば、牽引モジュールは、ロボット挿入および/または低プロファイルならびに滑らかな表面進行のためのフラットモード、およびロボットクローラ110の本体と、クローラが障害物または不均一な表面に沿って移動するおよび/またはそれらを横断する表面との間にクリアランスを提供するクリアランスモードを含み得る。牽引モードコマンド192は、フラットモードからクリアランスモードに、またはクリアランスモードからフラットモードに変更するための制御信号を含むことができる。ロボットクローラ110は、展開および/または位置決め特徴を含むセンサモジュールのための位置センサコマンド194を受容し得る。例えば、いくつかのセンサモジュールは、データ収集の前、最中、または後にセンサモジュールの1つまたは複数の要素を延長、上昇、下降、回転、あるいは位置決めするための電気機械的特徴を含み得る。位置センサコマンド194は、ロボットクローラ110からセンサを延長あるいは再位置決めしてデータ収集のためにセンサを位置決めしたり、またはデータ収集中にクローラの位置を変更することなくセンサを(回転などによって)移動させたりするためにモータを起動する制御信号を含むことができる。ロボットクローラ110は、センサモジュールに存在するモダリティを使用して、そのセンサモジュールを通じてデータ収集を開始するためのデータ取得コマンド196を受容することができる。データ取得コマンド196は、視覚センサのカメラからのビデオフィードなどの連続データ収集モードの開始もしくは停止信号、または機械的なウェッジ固定力などのより個別のセンサ試験の特定の試験シーケンスを提供することができる。一部のロボットクローラおよび制御ユニットは、複数のコマンドを並行して、重複するシーケンスとして、またはシリアルコマンドシリーズとして通信および管理することができることが理解されよう。クローラ調節モジュール182は、制御ユニット150が複数のロボットクローラにコマンドを並行して発行し、そこからデータを取得することを可能にし得る。
【0021】
図2を参照すると、図1のロボットクローラ110などのロボットクローラ210が機械220に挿入されている現場ギャップ検査システム200が示されている。機械220は、入口ギャップ222を通してアクセス可能な環状ギャップ220を有する任意の機械、より具体的には、発電機、電気モータ、またはターボ機械の様々な機械構成であり得る。例えば、発電機は、鉄心と保持リングとの間の半径方向エアギャップへの挿入を可能にすることができ、回転子および固定子のコアの現場検査を可能にする。環状ギャップ220は、円筒中央部材226と、ほぼ相補的な曲率を有する周囲の円筒部材224との間に定義され得る。いくつかの実施形態では、環状ギャップ220は、一般に、(固定子の内径から回転子の外径を引いたもの)を2で除算することによって定義されるエアギャップであってもよい。環状ギャップ220は、円筒中央部材226の第1の端部から第2の端部までの軸方向長さと、円筒中央部材226の円周の周りで半径方向に測定された円周とを有する。環状ギャップ220は、円筒中央部材226の外側表面236から周囲の円筒部材224の最も近い反対側の表面(内側表面234)まで測定された環状ギャップ幅228を有する。いくつかの実施形態では、入口ギャップ222は、中央円筒部材226の端部のエアギャップであってもよく、環状ギャップ幅228と同じ入口幅を有してもよい。他の実施形態では、入口ギャップ222は、入口ギャップ222をさらに拘束し、環状ギャップ幅228よりも小さい入口ギャップ幅232を定義する保持部材230などの追加の特徴を含むことができる。いくつかの実施形態では、追加の特徴または障害物は、冷却空気流を誘導するために使用される入口バッフルなどの環状ギャップ幅228を減少させる場合がある。
【0022】
図2では、ロボットクローラ210は、その牽引モジュールが単一の平面に整列している折り畳み状態にある。ロボットクローラ210は、挿入前の入口ギャップ222の外側と、挿入後の環状ギャップ220の内側とで示されている。ロボットクローラ210は、折り畳まれたクローラ幅212を定義することができる。折り畳まれたクローラ幅212は、入口ギャップ幅232と環状ギャップ幅228の両方よりも小さくてもよい。折り畳み状態では、ロボットクローラ210は、環状ギャップ220の内側の中央円筒部材226の外側表面236のみと係合する。
【0023】
図3図4は、環状ギャップ220内で拡張状態にあるロボットクローラ210の2つの図を示す。ロボットクローラ210がその拡張状態にあるとき、対向する表面234、236と係合し得る。拡張状態では、ロボットクローラ210は、拡張クローラ幅214を定義することができる。拡張クローラ幅214は、折り畳まれたクローラ幅212および入口ギャップ幅232よりも大きく、かつ環状ギャップ幅228に等しくなり得、その結果、対向する表面234、236との表面接触を維持することができる。いくつかの実施形態では、ロボットクローラ210は、拡張可能な本体246に装着された複数の牽引モジュール240、242、244を備える。牽引モジュール240、244は、中央円筒部材226の外側表面236のみと係合してもよく、牽引モジュール242は、周囲の円筒部材236の内側表面234のみと係合してもよい。いくつかの実施形態では、牽引モジュール240、242、244の構成を逆にすることができ、牽引モジュール240、244は、周囲の円筒部材236の内側表面234のみと係合してもよく、牽引モジュール242は、中央円筒部材226の外側表面236のみと係合してもよい。牽引モジュール240、242、244は、ホイール、ボール、またはトラックを含むローラを含み、対向する表面234、236との移動表面接触に基づいて、ロボットクローラ210を環状ギャップ220を通して移動させることができる。牽引モジュール240、242、244は、環状ギャップ220を通る所望のナビゲーション経路上でロボットクローラ210を移動させることができる。
【0024】
図5を参照すると、機械500の環状ギャップ520にロボットクローラ510が示されており、ライン530は、環状ギャップ520を検査し、端部領域視覚検査モジュール(図示せず)を展開するための例示的なナビゲーション経路を示す。ロボットクローラ510は、機械502の入口端部部分524に隣接する入口ギャップ522のすぐ内側の開始クローラ位置にある拡張状態で示されている。ライン530に続いて、ロボットクローラ510は、環状ギャップ520のギャップ長さ526に沿って、入口端部部分524から発電機の端部巻線領域などの閉鎖端部部分528に前方軸方向に移動する。例えば、閉鎖端部部分528は機械500の駆動端部であり得、収集端部の入口ギャップ522から環状ギャップ520を通してアクセスすることにより、検査のために駆動端部を分解する必要をなくすことができる。いくつかの実施形態では、ロボットクローラ510は、環状ギャップ520のナビゲート可能なギャップ長さ526の端部を表す段差または他の障害物に達する場合がある。例えば、閉鎖端部部分528は、保持リングまたは他の特徴によって形成された段差を含むことができ、機械の囲まれた端部領域に別のエアギャップを含むことができる。本明細書で説明されるように、端部領域視覚検査モジュールは、検査のためにロボットクローラ510から閉鎖端部部分528に延びてもよい。ロボットクローラ510は、その進行方向を軸方向から半径方向に変更すると共に、軸方向を逆にして入口端部部分524で環状ギャップ520に戻り、かつ出ることを可能にする多方向牽引モジュールを含むことができる。ロボットクローラ510は、より複雑なナビゲーション経路をたどって他の検査または試験を行うことができ、閉鎖端部部分528に近接しているときに端部領域視覚検査モジュールを展開することができる。
【0025】
図6図8を参照すると、ロボットクローラ600の追加の実施形態がいくつかの図で示されており、図6の拡張状態および図7図8の折り畳み状態を含む。いくつかの実施形態では、ロボットクローラ600は、取り外し可能なモジュールを収容するための複数のフレーム612、614、616を含む拡張可能な本体610を有するモジュール式ロボットである。取り外し可能なモジュールは、ホイール、トラック、もしくはボールなどのローラ、またはギャップ内の表面に沿ってロボットクローラ600を移動させるための別の形態の移動様式を提供する牽引モジュール660、662、664を含んでもよい。ロボットクローラ600はまた、ロボットクローラ600とセンサモジュールとの間に機械的および/または電気的/通信/制御を提供するセンサインターフェースを使用して、ナビゲーションセンサ、視覚検査センサ、構造試験センサ、または電気試験センサなどの複数のセンサモジュールを収容してもよい。例えば、1つまたは複数のモジュールフレームは、センサインターフェースおよび/または牽引モジュールを含むことができ、または他のセンサモジュールは、単一フレームから複数のモジュールをチェーン接続するためのセンサインターフェースを含むことができる。複数のセンサインターフェースは、ロボットクローラ600上のいくつかの位置に設けられ、様々なセンサに異なる動作位置を提供してもよい。例えば、牽引モジュール660、662、664の各々は、1つまたは複数のセンサインターフェースおよび関連するセンサ位置を含むことができる。いくつかの実施形態では、センサインターフェースの複数の構成があり得る。例えば、牽引モジュール660、662、664に取り付けるためのセンサインターフェースは、シリアルセンサインターフェース間のセンサインターフェースとは異なる場合がある。また、テザーコネクタモジュール602など、他の機能のために他のモジュールが提供されてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、拡張可能な本体610は、ほぼ長方形のベースフレームを含み、長方形の短辺を提供する前部フレーム612および後部フレーム616に接続された長方形の長辺に側方部材618、620を含む。側方部材618、620は、そのそれぞれの遠位端部に近接したフレームアタッチメント622、624、626、628を含むことができる。フレームアタッチメント622、624は、前部フレーム612に接続することができ、フレームアタッチメント626、628は、後部フレーム616に接続することができる。いくつかの実施形態では、中間フレーム614は、その拡張状態で拡張可能な本体610の幅を拡張するために、前部フレーム612および後部フレーム616の平面から変位するように構成されてもよい。中間フレーム614は、長方形のベースフレームに接続された延長リンク部材630、632に取り付けることができる。例えば、延長リンク部材630、632は、前部フレーム612および後部フレーム616を有する、または代替的に、その遠位端部に近接する側方部材618、620を有する旋回アタッチメント634、636、638、640を含んでもよい。延長リンク部材630、632は、中間フレーム614への旋回アタッチメント650、652を有する第1のリンク642、644および第2のリンク646、648を有する関節リンク部材であってもよい。旋回アタッチメント650、652は、延長リンク部材630、632の関節ジョイントとして作用し、長方形のベースフレームの平面に垂直に中間フレーム614を移動させることができる。拡張可能な本体610は、中間フレーム614を移動させるためのモータまたは他のアクチュエータを含んでもよい。例えば、側方部材618、620は、後部フレーム616に対して前部フレーム612を移動させ、側方部材618、620の長さおよび前部フレーム612と後部フレーム616との間の距離を変えるための線形アクチュエータ654、656を含むことができる。側方部材618、620がその完全に延長した位置にあるとき、前部フレーム612、中間フレーム614、および後部フレーム616は、同じ平面にあり得、拡張可能な本体610は、その最も狭いまたは折り畳み状態にある。側方部材618、620は、線形アクチュエータ654、656によって短縮され、後部フレーム616は、前部フレーム612に向かって移動し、延長リンク部材630、632は、旋回アタッチメント650、652で関節運動し、第1のリンク642、644、第2のリンク646、648、および側方部材618、620は、二等辺三角形を形成し、中間フレーム614が前部フレーム612と後部フレーム616との間の移動方向に垂直な方向に移動する。レバーアーム、シザージャッキ、入れ子式部材、または他の変位機構に装着された1つまたは複数のフレームなど、拡張可能な本体の他の構成が可能である。いくつかの実施形態では、拡張可能な本体610は、前部フレーム612と後部フレーム616と中間フレーム614との間に衝撃吸収体を組み込み、不均一なギャップ空間のナビゲートを支援してもよい。例えば、延長リンク部材630、632は、対向するギャップ表面での牽引を支援し、いくつかの障害物および/またはギャップ間隔の変化を補償するために、内部ばねを有する入れ子式リンクを組み込んでもよい。いくつかの実施形態では、側方部材618、620は、電力損失または線形アクチュエータ654、656の制御を防ぐ他の故障の場合に手動で側方部材618、620を係合解除するための緊急解放部627、629を含むことができる。例えば、フレームアタッチメント626、628は、側方部材618、620をフレームアタッチメント626、628に取り付ける機械的ファスナを組み込むことができ、これらの機械的ファスナは、ユーザが機械的ファスナを解放し、それによって側方部材618、620を係合解除して拡張可能な本体610をその折り畳み状態に折り畳ませることを可能にすることによる緊急解放部627、629として作用し得る。いくつかの実施形態では、緊急解放部627、629は、フレームアタッチメント626、628を通り、拡張可能な本体610を折り畳むために取り外すことができる側方部材618、620へのねじ、ボルト、またはピンであってもよい。いくつかの実施形態では、拡張可能な本体610は、フレーム612、614、616および側方部材618、620の構成に基づく弧である側面形状を有し、図8で最もよく見ることができる。拡張可能な本体610の弧は、ロボットクローラ600が動作することを意図されている環状ギャップの曲率を補完するように構成されてもよい。例えば、弧または曲率は、環状ギャップを定義する中央円筒部材の外側表面または周囲の円筒部材の内側表面の弧に類似していてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、フレーム612、614、616の各々は、牽引モジュール660、662、664を受容し、位置決めし、保持するように構成される。例えば、牽引モジュール660、662、664は各々、フレーム612、614、616に取り外し可能に取り付けられる固定外側フレーム666、668、670を有する多方向牽引モジュールであってもよい。牽引モジュール660、662、664は、ロボットクローラ600がローラ678、680、682の配向および移動方向を変更することを可能にする回転内側フレーム672、674、676を含むことができる。牽引モジュール660、662、664の各々はまた、センサモジュールまたは他の機能モジュールを直接または直列に取り付けるために使用することができる1つまたは複数のインターフェース684、686、688、690を含むことができる。例えば、牽引モジュール660は、インターフェース684を含むことができ、視覚センサモジュール692と共に示される。牽引モジュール662は、インターフェース686、688と、視覚センサモジュール694、696とを含み得る。牽引モジュール664は、インターフェース670と、視覚センサモジュール698と、テザーコネクタモジュール602とを含み得る。
【0028】
図9図11を参照すると、視覚検査センサの別の構成が端部領域検査モジュール900として示されている。端部領域検査モジュール900は、ロボットクローラがあるいは達することができず、ロボットクローラにとって狭すぎる検査ギャップを通してアクセス可能な、および/またはロボットクローラの牽引モジュール(または任意の他の形態の移動様式)にとってアクセス不可能な閉塞端部領域など、領域の視覚検査を可能にすることができない機械のその領域に延びるように構成され得る。
【0029】
端部領域検査モジュール900は、端部領域検査モジュール900をロボットクローラに取り外し可能に取り付けるために、装着インターフェース912を定義し、ファスナ914、916を収容するモジュールハウジング910を含むことができる。例えば、装着インターフェース912は、センサインターフェースを有する牽引モジュールを含む、モジュール装着フレームまたは以前に設置されたモジュールのセンサインターフェースなど、ロボットクローラのセンサインターフェースへの取り外し可能な取り付けのために構成され得る。いくつかの実施形態では、モジュールハウジング910は、電子機器、電源、通信チャネル、および/または端部領域検査モジュール900の他の試験構成要素を支持および/またはインターフェースする試験構成要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、装着インターフェース912は、端部領域検査モジュール900との間の制御および/またはデータ信号のための電力および/または通信チャネル用のコネクタ918、920を含み得る。いくつかの実施形態では、端部領域検査モジュール900は、モジュールハウジング910の上または中に装着された固定カメラ922および光源924、926、928を含むことができる。
【0030】
端部領域検査モジュール900は、モジュールハウジング910に接続された延長部材930を含むことができる。例えば、延長部材930は、モジュールハウジング910への固定マウント932を有し、固定部分934、第1の入れ子式部分936、および固定部分934と第1の入れ子式部分936との間の摺動可能に位置決め可能なジョイント938を有する入れ子式部材を備えてもよい。いくつかの実施形態では、延長部材930は、第2の入れ子式部分940と、第1の入れ子式部分936と第2の入れ子式部分940との間に摺動可能に位置決め可能なジョイント942とを含み得る。図11は、第1の入れ子式部分936と第2の入れ子式部分940の両方が延長された延長構成の延長部材930を示す。いくつかの実施形態では、摺動可能に位置決め可能なジョイント938、942は、機械の環状ギャップへの展開前に延長部材930の長さを調整することができる手動トルククランプなどのトルククランプを含むことができる。いくつかの実施形態では、延長部材930は、所望の長さへの調整を容易にするために、延長部材930の表面にマークされた長さの増分を含むことができる。いくつかの実施形態では、延長部材930は、第1の入れ子式部分936および第2の入れ子式部分940を通って延び、ロボットクローラまたは制御ユニットと通信してギャップ内のロボットクローラの動作中に延長部材930の長さを調整するアクチュエータ(図示せず)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、摺動可能に位置決め可能なジョイント938、942はまた、第1の入れ子式部分936および第2の入れ子式部分940の位置決め可能な回転を含んでもよい。延長部材930はまた、モジュールハウジング910からの電力、制御、またはデータチャネルをセンサヘッドアセンブリ970に接続するための1つまたは複数のチャネル(図示せず)も含み得る。例えば、延長部材930は、延長部材930の長さにわたって延び、モジュールハウジング910からセンサヘッドアセンブリ970への1つまたは複数のワイヤまたは同様の接続を運ぶ、内部チューブまたはチェースなどの内部空間を含んでもよい。いくつかの実施形態では、延長部材930は、延長部材930の長さを調整するために延長部材930に組み立て、追加、または取り外し可能な所定の長さの複数の部材セクション(図示せず)を含むことができる。いくつかの実施形態では、これらの追加部材セクションは、1つまたは複数の入れ子式部材と組み合わせて使用されてもよく、他では入れ子式構成の代わりに使用されてもよい。
【0031】
延長部材930は、延長部材930の位置決めを支援する1つまたは複数の摺動可能な支持体を含み得る。例えば、延長部材930は、ブラケット952、954および可撓性部材956、958、960、962によって支持された横方向に隔置された対の摺動可能な磁気パッド944、946、948、950を含むことができる。摺動可能な磁気パッド944、946、948、950は、機械の1つまたは複数の磁気表面に取り付け力を提供するように構成された磁気コアと、磁気表面に沿って移動するように構成された非粘着パッド表面を組み合わせることができる。摺動可能な磁気パッド944、946、948、950は、ロボットクローラ、入れ子式部材、または別の位置決め要素の原動力の下で機械の表面上で摺動可能であり、そこから着脱可能であり得る。摺動可能な磁気パッド944、946、948、950は、可撓性部材956、958、960、962によって延長部材930から横方向に隔置され得る。可撓性部材956、958、960、962は、摺動可能な磁気パッド944、946、948、950をほぼ平坦な構成に保ちながら、それらが固着する環状ギャップ内の表面の曲率に向かって屈曲し、曲率に一致することを可能にし得る。例えば、可撓性部材956、958、960、962は、延長部材930から横方向に摺動可能な磁気パッド944、946、948、950を支持するのに十分剛性でありながら、摺動可能な磁気パッド944、946、948、950の磁力下で隣接する表面に向かって湾曲する1~5インチの屈曲を提供し得る。一実施形態では、一対の摺動可能な磁気パッド944、946は、ブラケット952によって固定部分932に取り付けられてもよく、もう一対の摺動可能な磁気パッド948、950は、ブラケット954によって第1の入れ子式部分936に取り付けられてもよい。この例では4つのパッドを有する構成を示しているが、任意の数のパッドを有する他の構成も実現可能であり得ることに留意されたい。摺動可能な磁気パッド944、946、948、950の係合は、延長部材930の偏向を制限し、延長部材930のセンサの展開および使用中の振動を最小限に抑えることができる。いくつかの実施形態では、可撓性部材956、958、960、962は、摺動可能な磁気パッド944、946、948、950が摺動可能に係合することを意図されている表面の曲率に一致した固定幾何学的形状を有する剛性部材に置き換えられてもよい。
【0032】
延長部材930は、延長部材930の遠位端部でセンサヘッドアセンブリ970に接続し、支持することができる。例示的な端部領域検査モジュール900はカメラを組み込んだ視覚検査センサモジュールに関して説明されているが、機械の到達困難な領域における他の検査または試験のために他の検査または試験モジュールを延長部材930と共に使用することができる。いくつかの実施形態では、センサヘッドアセンブリ970は、デジタルビデオカメラなどのカメラ974を有するセンサハウジング972と、拡散器を有するLEDなどの光源976とを含むことができる。いくつかの実施形態では、センサハウジング972は、障害物を通してセンサヘッドアセンブリ970を案内するのを支援するためのテーパ状端部973を含み得る。センサヘッドアセンブリ970は、電子機器モジュール978と、モータモジュール980とをさらに含むことができる。例えば、電子機器モジュール978は、カメラ974によって収集された視覚データを処理し、その視覚データを有線または無線ビデオストリーミングなどによってロボットクローラまたは制御ユニットに通信するための電子機器を含むことができ、モータモジュール980は、検査プロトコル中に回転ハウジング972、カメラ974、および光源976を制御可能に移動させるためのモータ、位置指標、および制御インターフェースを提供し得る。例えば、回転カメラ構成は、検査プロトコル中に延長部材930の軸の周りをパンすることを可能にし得る。
【0033】
図12を参照すると、延長部材930(図9図11)と同様の延長部材984に動作可能に取り付けられたセンサヘッドアセンブリ982の別の例示的な構成が示されている。センサヘッドアセンブリ982は、デジタルビデオカメラなどのカメラ988を有するセンサハウジング986と、拡散器を有するLEDなどの光源990とを含むことができる。いくつかの実施形態では、センサハウジング986は、固定カメラ配向を含んでもよい。センサハウジング986は、障害物を通してセンサヘッドアセンブリ982を案内するのを支援するためのテーパ状端部992を含み得る。センサヘッドアセンブリ982は、電子機器モジュール994をさらに含むことができる。例えば、電子機器モジュール994は、カメラ988によって収集された視覚データを処理し、その視覚データを有線または無線ビデオストリーミングなどによってロボットクローラまたは制御ユニットに通信するための電子機器を含むことができる。センサヘッドアセンブリ982は、前方シールド996と、後方シールド998とを含むことができる。例えば、前方シールド996および後方シールド998は各々、電子機器モジュール994の幅に向かってテーパ状になり、障害物を偏向させ、前方と後方の進行方向の両方で障害物を通してヘッドアセンブリを案内するのを支援し得る。
【0034】
図13を参照すると、様々な実施形態による機械的位置決めモジュール2100が示されている。機械的位置決めモジュール2100を使用して、センサモジュールをギャップ内で、ロボットクローラのクローラ位置に対して位置決めすることができる。例えば、機械的位置決めモジュールは、センサインターフェース(および取り付けられたセンサモジュール)を、ギャップを定義する機械表面の間の所望の高さに移動させるための1つまたは複数の位置決め可能なジョイントを含んでもよい。機械的位置決めモジュール2100は、第1の表面2104と第2の表面2106との間のギャップ2102に示されており、ロボットクローラ2110に取り付けられ、センサインターフェースハウジング2140を位置決めしてリップ2108をクリアする。いくつかの実施形態では、機械的位置決めモジュール2100は、ロボットクローラ2110のセンサインターフェースに接続する装着インターフェースハウジング2120と、一端で装着インターフェースハウジング2120に接続された機械的位置決めアセンブリ2130と、機械的位置決めアセンブリ2130の他端に接続されたセンサインターフェースハウジング2140とを含む。例えば、装着インターフェースハウジング2120は、センサモジュールについて上述したものと同様の装着インターフェースを含み、ロボットクローラ2110の1つまたは複数のセンサインターフェースと互換性があり得る。装着インターフェースハウジング2120は、制御信号を受容し、機械的位置決めアセンブリ2130の位置を制御するためのモータおよび他の構成要素を含み得る。機械的位置決めアセンブリ2130は、ロボットクローラ2110のベースに平行な平面上に維持しながらセンサインターフェースハウジング2140を上下させることが可能な平行リフトなど、所望の位置決め動作を実施するための様々な位置決め可能なジョイント、部材、およびアクチュエータを含み得る。センサインターフェースハウジング2140は、センサモジュールを受容し、位置決めし、かつ接続するための上述したものと同様のセンサインターフェースを提供することができる。いくつかの実施形態では、センサインターフェースハウジング2140は、位置決めアセンブリを有する統合センサモジュール用のセンサハウジングに置き換えられてもよい。
【0035】
本明細書で使用している専門用語は、単に特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、本開示を限定するものではない。本明細書で使用する場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「前記(the)」は、文脈がそのようでないことを明らかに示していない限り、複数形も含むように意図される。「備える(comprises)」および/または「備えている(comprising)」という用語は、本明細書で使用する場合、記載した特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を示すが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはこれらのグループの存在または追加を排除するものではないことがさらに理解されよう。
【0036】
以下の特許請求の範囲におけるミーンズプラスファンクションまたはステッププラスファンクションの要素すべての、対応する構造、材料、動作および均等物は、具体的に請求された他の請求要素と組み合わせてその機能を遂行するための、一切の構造、材料または動作を包含することを意図している。本開示の記述は、例示および説明の目的で提示されたもので、網羅的であることも、または本開示を開示した形態に限定することも意図していない。当業者には、本開示の範囲および趣旨から逸脱することなく多くの修正および変形が明らかであろう。本開示の原理および実際の応用を最良に説明し、想定される特定の用途に適するように様々な修正を伴う様々な実施形態の開示を他の当業者が理解できるようにするために、本実施形態を選択し、かつ説明した。
【0037】
本開示は、「現場ギャップ検査用モジュール式クローラロボット」と題された米国特許出願第15/652,730号(2017年7月18日に同日出願)に関連し、その全内容は参照により本明細書に組み込まれています。本開示は、「現場ギャップ検査ロボットシステムおよび方法」と題された米国特許出願第15/652,680号(2017年7月18日に同日出願)に関連し、その全内容は参照により本明細書に組み込まれています。本開示は、「ロボットのための全方向性牽引モジュール」と題された米国特許出願第15/652,859号(2017年7月18日に同日出願)に関連し、その全内容は参照により本明細書に組み込まれています。本開示は、「作動センサモジュールおよび現場ギャップ検査ロボットのための方法」と題された米国特許出願第15/652,805号(2017年7月18日に同日出願)に関連し、その全内容は参照により本明細書に組み込まれています。
【符号の説明】
【0038】
100 システム
110 ロボットクローラ
112 拡張可能な本体
114 前部牽引モジュール
116 中間牽引モジュール
118 後部牽引モジュール
120 センサモジュール
122 センサモジュール
124 テザーコネクタ
126 テザーコネクタ
130 テザーリール
132 テザー
134 端部コネクタ
136 ファスナ
138 ファスナ
142 サーボモータ
144 張力管理ロジック
146 固定接続
148 ワイヤ
150 制御ユニット
152 コンピューティングシステム
154 メモリ
156 プロセッサ
158 入力/出力(I/O)インターフェース
160 検査制御モジュール
162 検査経路データソース
164 視覚データソース
166 試験データソース
168 センサプロトコルデータソース
170 視覚表示モジュール
172 データ表示モジュール
174 自律ナビゲーションモジュール
176 手動ナビゲーションモジュール
178 検査モジュール
180 クローラ構成モジュール
182 クローラ調節モジュール
184 クローラコマンド
186 拡張/収縮コマンド
188 移動コマンド
190 方向変更コマンド
192 牽引モードコマンド
194 位置センサコマンド
196 データ取得コマンド
200 現場ギャップ検査システム
210 ロボットクローラ
212 折り畳まれたクローラ幅
214 拡張クローラ幅
220 機械、環状ギャップ
222 入口ギャップ
224 円筒部材
226 円筒中央部材、中央円筒部材
228 環状ギャップ幅
230 保持部材
232 入口ギャップ幅
234 対向する表面、内側表面
236 対向する表面、外側表面、周囲の円筒部材
240 牽引モジュール
242 牽引モジュール
244 牽引モジュール
246 拡張可能な本体
500 機械
502 機械
510 ロボットクローラ
520 環状ギャップ
522 入口ギャップ
524 入口端部部分
526 ギャップ長さ
528 閉鎖端部部分
530 ライン
600 ロボットクローラ
602 テザーコネクタモジュール
610 拡張可能な本体
612 前部フレーム
614 中間フレーム
616 後部フレーム
618 側方部材
620 側方部材
622 フレームアタッチメント
624 フレームアタッチメント
626 フレームアタッチメント
627 緊急解放部
628 フレームアタッチメント
629 緊急解放部
630 延長リンク部材
632 延長リンク部材
634 旋回アタッチメント
636 旋回アタッチメント
638 旋回アタッチメント
640 旋回アタッチメント
642 第1のリンク
644 第1のリンク
646 第2のリンク
648 第2のリンク
650 旋回アタッチメント
652 旋回アタッチメント
654 線形アクチュエータ
656 線形アクチュエータ
660 牽引モジュール
662 牽引モジュール
664 牽引モジュール
666 固定外側フレーム
668 固定外側フレーム
670 固定外側フレーム、インターフェース
672 回転内側フレーム
674 回転内側フレーム
676 回転内側フレーム
678 ローラ
680 ローラ
682 ローラ
684 インターフェース
686 インターフェース
688 インターフェース
690 インターフェース
692 視覚センサモジュール
694 視覚センサモジュール
696 視覚センサモジュール
698 視覚センサモジュール
900 端部領域検査モジュール
910 モジュールハウジング
912 装着インターフェース
914 ファスナ
916 ファスナ
918 コネクタ
920 コネクタ
922 固定カメラ
924 光源
926 光源
928 光源
930 延長部材
932 固定マウント、固定部分
934 固定部分
936 第1の入れ子式部分
938 位置決め可能なジョイント
940 第2の入れ子式部分
942 位置決め可能なジョイント
944 摺動可能な磁気パッド
946 摺動可能な磁気パッド
948 摺動可能な磁気パッド
950 摺動可能な磁気パッド
952 ブラケット
954 ブラケット
956 可撓性部材
958 可撓性部材
960 可撓性部材
962 可撓性部材
970 センサヘッドアセンブリ
972 センサハウジング、回転ハウジング
973 テーパ状端部
974 カメラ
976 光源
978 電子機器モジュール
980 モータモジュール
982 センサヘッドアセンブリ
984 延長部材
986 センサハウジング
988 カメラ
990 光源
992 テーパ状端部
994 電子機器モジュール
996 前方シールド
998 後方シールド
2100 機械的位置決めモジュール
2102 環状ギャップ、入口ギャップ
2104 第1の表面
2106 第2の表面
2108 リップ
2110 ロボットクローラ
2120 装着インターフェースハウジング
2130 機械的位置決めアセンブリ
2140 センサインターフェースハウジング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13