(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-18
(45)【発行日】2023-08-28
(54)【発明の名称】x線データ獲得の動作パラメータを入手する方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/14 20060101AFI20230821BHJP
A61B 6/03 20060101ALI20230821BHJP
【FI】
A61B6/14 311
A61B6/03 331
(21)【出願番号】P 2020518543
(86)(22)【出願日】2018-09-26
(86)【国際出願番号】 EP2018076173
(87)【国際公開番号】W WO2019063640
(87)【国際公開日】2019-04-04
【審査請求日】2021-09-21
(32)【優先日】2017-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508143775
【氏名又は名称】トロフィー エスアーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ロウストウニュー,ヴィンセント
(72)【発明者】
【氏名】ネスメ,オリビエ
(72)【発明者】
【氏名】アブドゥル カリメ コンパレッティ,クロエ
(72)【発明者】
【氏名】モーリー,コロンブ
【審査官】下村 一石
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-135765(JP,A)
【文献】国際公開第2009/133937(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の顎顔面領域のx線イメージングに関する動作パラメータを入手する方法であって、前記方法は:
-患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)を識別するステップ;、
-前記患者が咬合位置にあるか、患者位置決めアクセサリを咬む時に、前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)の水平面の高さを判定する、事前判定フェーズのステップであって、前記水平面は、歯および顎の骨を通過する、ステップ; -前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)の水平面の高さを判定した場合に、x線CBCTイメージングおよび第1のx線線量を使用して、スリット形状のコリメータ・ウィンドウを介して、前記水平面を含む前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)に対する相対的なデータの第1のセットを獲得するステップであって、データの前記第1のセットは、CBCTスライスを生成するのに適する、ステップ;
-前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)に対する相対的なデータの前記第1のセットに基づいて前記水平面を含む前記CBCTスライスを再構成するステップ;
-第2のx線線量を使用する患者の顎顔面第2関心領域(ROI2)のデータの第2のセットの獲得を考慮して、前記再構成されたCBCTスライスに基づいてx線イメージング装置の動作パラメータを入手するステップであって、当該ステップは、前記再構成されたCBCTスライス上の前記患者の顎顔面第1領域骨密度によるx線減衰の測定に基づいて、前記x線源のx線線量を調整するステップを含み、前記第1のx線線量は、前記第2のx線線量の20%を超えない、ステップ、
を含む方法。
【請求項2】
前記患者の前記水平面の高さを判定するステップは、事前に、
-前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)を含む横x線スカウト・ビューを獲得するステップ;
-ランドマークを含む前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)を含む光学画像を獲得するステップ;
-患者位置決めデバイスを使用して前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)に対する物理測定を実行するステップ、
のうちの1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記再構成されたCBCTスライスに基づいて、前記患者の顎顔面第1領域形態に対するまたは前記患者の顎顔面第1領域内のx線患者減衰に対する、前記患者の顎顔面第1領域の歯列弓の幅、奥行き、および形状のうちの少なくとも1つを含む特徴を判定するステップを含み、動作パラメータの前記入手は、前記判定された特徴に基づく、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記患者の顎顔面第1領域の前記歯列弓の前記幅は、前記患者の下顎枝の2つの端の間の幅を判定することによって判定される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記患者の顎顔面第1領域形態に対する相対的な前記判定された特徴は、歯列弓に関する前記歯の相対位置を含む、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記患者の形態は、前記顎顔面第1領域の幅と、異なる患者の形態の所定のモデルまたは所定の異なる患者の形態特性とのこの幅の比較との両方に基づいて判定される、請求項3から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記患者の形態は、切歯の位置に対する相対的な前記患者の下顎枝の奥行きに基づいても判定される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記所定の異なる患者の形態特性は、U形状、V形状、および正方形形状を含む歯列弓形状の所定のセットを含む、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記再構成されたCBCTスライスに基づいてx線源および少なくとも1つのx線センサを含むx線イメージング装置の動作パラメータを入手するステップは、前記患者の形態に基づいて、線源と前記x線センサとの両方の軌跡を調整するステップを含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記再構成されたCBCTスライスに基づいてx線源および少なくとも1つのx線センサを含むx線イメージング装置の動作パラメータを入手するステップは、前記患者の形態に基づいて前記x線源のx線線量を調整するステップを含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
x線イメージング装置の動作パラメータを入手するステップは、
-動作パラメータの所定のセットを選択するステップ、
-所定のモデルに基づいて動作パラメータを判定するステップ
のうちの1つを含む、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
患者の顎顔面領域のx線イメージングに関する動作パラメータを入手するためのx線CBCT(Cone Beam Computed Tomography)イメージングシステムであって、
-患者が咬合位置にあるか患者位置決めアクセサリを咬む時に前記患者の顎顔面第1関心領域に対する相対的なデータの第1のセットを獲得するために、第1のx線線量から形成されるスリット形状のx線ビームを用いて前記患者の顎顔面第1関心領域を照射する間に前記患者の顎顔面第1関心領域の周囲を移動するように構成されたx線源および少なくとも1つのx線センサであって、前記患者の顎顔面第1関心領域は、歯および顎の骨を通過する水平面を含み、データの前記第1のセットは、CBCTスライスを生成するのに適する、x線源および少なくとも1つのx線センサと、
-前記患者の顎顔面第1関心領域に対する相対的なデータの前記第1のセットに基づいて前記水平面を含む前記CBCTスライスを再構成し、
第2のx線線量を使用する前記患者の顎顔面第2領域のデータの第2のセットの獲得を考慮して、前記再構成されたCBCTスライスに基づいて、x線イメージング装置の動作パラメータを入手し、前記再構成されたCBCTスライス上の前記患者の顎顔面第1領域骨密度によるx線減衰の測定に基づいて、前記x線源のx線線量を調整し、前記第1のx線線量は、前記第2のx線線量の20%を超えない
ように構成されたマイクロプロセッサと
を備えるシステム。
【請求項13】
コンピュータまたはマイクロプロセッサに請求項1から
11のいずれかに記載の方法を実行させる命令をその中に記憶されたコンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全般的には歯科x線イメージングの分野に関し、具体的にはx線CBCT(Cone Beam Computed Tomography)イメージングの分野に関する。より具体的には、本開示は、x線データ獲得を介して患者の顎顔面領域のx線画像を入手する方法、x線CBCTイメージング・インターフェース・システム、およびx線CBCTイメージグ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
x線イメージングを介して患者の顎顔面領域のx線画像を入手する従来の方法およびシステムは、患者形態に応じて、x線線量、x線線量への露出時間、その他など、使用されるx線イメージング装置の動作パラメータまたは獲得パラメータを調整することを必要とする。
【0003】
これに関して、開業医は、装置の動作パラメータが患者に適合されるようにするために、事前定義の患者の体格のセットの中の患者の体格、事前定義の患者の弓のセットの中の患者の弓の形状、骨密度、その他を、装置の動作を制御するプログラムのインターフェース内で手動で選択しなければならない。
【0004】
そのような方法およびシステムは、その特定の応用分野である程度の成功を達成した場合があるが、それでも、これらの方法およびシステムを改善する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本開示の目的は、患者をx線検査にかける前に、x線イメージング装置の動作パラメータまたは獲得パラメータを入手しまたは調整する新規の方法および装置を提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、x線検査を受ける時に患者の不必要なx線線量を回避することである。
【0007】
本開示のさらなる目的は、患者をx線検査にかける前に、x線イメージング装置の動作パラメータまたは獲得パラメータの調整を最適化することである。
【0008】
本開示のさらなる目的は、x線イメージング装置の動作パラメータまたは獲得パラメータを調整する時に、開業医の仕事を単純化することである
【0009】
これらの目的は、例示的な例としてのみ与えられ、そのような目的は、本発明の1つまたは複数の実施形態の例示とすることができる。本発明によって固有に達成可能な他の望ましい目的および利点は、当業者の心に浮かび、または当業者に明白になる可能性がある。本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0010】
本開示の一態様によれば、患者の顎顔面領域のx線イメージングに関する動作パラメータを入手する方法であって、
-患者の顎顔面第1関心領域ROI1を識別することと、
-患者が咬合位置にあるか、患者位置決めアセンブリを咬む時に、前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)の水平面の高さを判定することであって、前記水平面は、歯および顎の骨を通過する、判定することと、
-x線CBCTイメージングおよび第1のx線線量を使用して、スリット形状のコリメータ・ウィンドウを介して、前記水平面を含む前記患者の顎顔面第1関心領域ROI1に対する相対的なデータの第1のセットを獲得することであって、データの前記第1のセットは、CBCTスライスを生成するのに適する、獲得することと、
-患者の顎顔面第1関心領域ROI1に対する相対的なデータの第1のセットに基づいて水平面を含むCBCTスライスを再構成することと、
-第2のx線線量を使用する患者の顎顔面第2関心領域ROI2のデータの第2のセットの獲得を考慮して、再構成されたCBCTスライスに基づいてx線イメージング装置の動作パラメータを入手することであって、第1のx線線量は、第2のx線線量より低い、入手することと
を含む方法が提供される。
【0011】
本発明の実施形態による方法は、x線イメージング装置の動作パラメータがそこから入手される患者の顎顔面第1関心領域ROI1を含むCBCTスライスを入手し、再構成するために、第1のx線線量(低線量)を有する第1のx線「発射」を使用する新規の方法である。第1のx線線量は、CBCTスライスが多くの詳細を必要とせず、患者がx線にあまりに多く露出されてはならないので、入手されたパラメータと共に使用される第2の線量より低い。しかし、CBCTスライス情報は、動作パラメータの入手を可能にする形態情報を提供するのに十分でなければならない。CBCTスライスから抽出される情報が、患者に適当であるならば、この情報は、患者に特に適合された動作パラメータの入手を可能にする。CBCTスライスは、一般に、ROI1を含む薄いスライスである。
【0012】
可能な特徴または態様によれば、
-患者の水平面の高さを判定することは、事前に、
患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)を含む横x線スカウト・ビューを獲得することと、
ランドマークを含む患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)を含む光学画像を獲得することと、
患者位置決めデバイスを使用して患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)に対する物理測定を実行することと
のうちの1つを含み、
-この方法は、再構成されたCBCTスライスに基づいて、患者の顎顔面第1領域形態に対するまたは患者の顎顔面第1領域内のx線患者減衰に対する相対的な特徴を判定することを含み、動作パラメータの入手は、判定された特徴に基づき、
-患者の顎顔面第1領域形態に対する相対的な判定された特徴は、患者の顎顔面第1領域の歯列弓の幅、奥行き、および形状のうちの少なくとも1つを含み、
-患者の顎顔面第1領域の歯列弓の幅は、患者の下顎枝の2つの端の間の幅を判定することによって判定され、
-患者の顎顔面第1領域形態に対する相対的な判定された特徴は、歯列弓に関する歯の相対位置を含み、
-患者の形態は、顎顔面第1領域の幅と、異なる患者の形態の所定のモデルまたは所定の異なる患者の形態特性とのこの幅の比較との両方に基づいて判定され、
-患者の形態は、切歯の位置に対する相対的な患者の下顎枝の奥行きに基づいても判定され、
-所定の異なる患者の形態特性は、U形状、V形状、および正方形形状を含む歯列弓形状の所定のセットを含み、
-再構成されたCBCTスライスに基づいてx線源および少なくとも1つのx線センサを含むx線イメージング装置の動作パラメータを入手することは、形態データに基づいて、線源とx線センサとの両方の軌跡を調整することを含み、
-再構成されたCBCTスライスに基づいてx線源および少なくとも1つのx線センサを含むx線イメージング装置の動作パラメータを入手することは、形態データに基づいて、x線源のx線線量を調整することを含み、
-再構成されたCBCTスライスに基づいてx線源および少なくとも1つのx線センサを含むx線イメージング装置の動作パラメータを入手することは、再構成されたCBCTスライス上の患者の顎顔面第1領域骨密度によるx線減衰の測定に基づいて、x線源のx線線量を調整することを含み、
-x線イメージング装置の動作パラメータを入手することは、
動作パラメータの所定のセットを選択することと、
所定のモデルに基づいて動作パラメータを判定することと
のうちの1つを含み、
-第1のx戦線量は、第2のx線線量の20%を超えない。
【0013】
本開示のさらなる別の態様によれば、患者の顎顔面領域のx線イメージングに関する動作パラメータを入手するシステムであって、
-患者が咬合位置にあるか患者位置決めアクセサリを咬む時に患者の顎顔面第1関心領域に対する相対的なデータの第1のセットを獲得するために、第1のx線線量から形成されるスリット形状のx線ビームを用いて患者の顎顔面第1関心領域を照射する間に患者の顎顔面第1関心領域の周囲を移動するように構成されたx線源および少なくとも1つのx線センサであって、前記患者の顎顔面第1関心領域は、歯および顎の骨を通過する水平面を含み、データの前記第1のセットは、CBCTスライスを生成するのに適する、x線源および少なくとも1つのx線センサと、
-
患者の顎顔面第1関心領域に対する相対的なデータの第1のセットに基づいて水平面を含むCBCTスライスを再構成し、
第2のx線線量を使用する患者の顎顔面第2領域のデータの第2のセットの獲得を考慮して、再構成されたCBCTスライスに基づいて、x線イメージング装置の動作パラメータを入手し、第1のx線線量は、第2のx線線量より低い
ように構成されたマイクロプロセッサと
を含むシステムが提供される。
【0014】
また、このマイクロプロセッサは、上の方法のステップ、動作、特徴、または態様のいずれをも実行するように構成され得る。
【0015】
本開示のさらなる別の態様によれば、コンピュータまたはマイクロプロセッサに上で短く説明した方法を実行させる命令をその中に記憶されたコンピュータ記憶媒体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の前述および他の目的、特徴、および利点は、添付図面に示された本発明の実施形態の以下のより具体的な説明から明白になる。
【0017】
図面の要素は、必ずしもお互いに対して原寸通りではない。
【0018】
【
図1】本発明の実施形態によるx線イメージング装置を示す全体概略透視図である。
【
図2】本発明の実施形態によるx線イメージング・システムの主要な機能構成要素またはアセンブリを示す図である。
【
図3】本発明の実施形態による方法のアルゴリズムを示す図である。
【
図4B】
図3のステップS2を実行する異なるプロセスを示す図である。
【
図5A-D】
図4の第1のプロセスを示す図である。
【
図5E】データの第1のセットを獲得するための水平面L3の位置を示す図である。
【
図6A】ROI1とx線源との間の相対位置を示す図である。
【
図6B】再構成されたCBCTスライスの軸方向ビューを示す図である。
【
図7A-B】
図3のアルゴリズムのステップS6を実行する異なるプロセスを示す図である。
【
図8A-E】歯列弓の幅および奥行きを判定するプロセスを示す図である。
【
図9A】異なる患者の体格のモデルを示す図である。
【
図9B】入手されたパノラマ軌跡の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下は、好ましい実施形態の詳細な説明であり、図面が参照され、図面では、同一の符号が、複数の図面のそれぞれで構造の同一の要素を識別する。
【0020】
図1は、x線イメージング装置の実施形態、具体的には口外イメージング装置10を示す。装置10は、支柱とすることのできる支持フレーム12を含む支持構造を含む。
【0021】
支持構造は、垂直柱12によって支持されまたは保持され得る水平マウント14をも含む。水平マウント14は、垂直柱12から離れて延び、これに実質的に垂直とすることができる。水平マウント14は、垂直に垂直柱12に対して相対的に移動することができる。
【0022】
より具体的には、水平マウント14は、固定された垂直部分12bに滑動可能に取り付けられた垂直部分12aに固定して取り付けられる。たとえば、たとえば電気タイプの、垂直柱の背後に配置されたアクチュエータ(この図には図示せず)が、水平マウント14を制御された形で垂直移動に駆動するように指令され得る。
【0023】
水平マウント14は、ガントリ16を支持することができる。ガントリ16は、支持構造に対して、より具体的には水平マウント14に対して相対的に移動可能である。ガントリ16は、より具体的には、水平マウント14に対して相対的に回転可能とすることができる。ガントリ16は、イメージング・プロセスの動作中に静止しているものとすることができ、あるいは、選択されたイメージング・プロセスに従って複数の所定の軌跡の中の1つに従うことのできる、回転の垂直軸の回りで回転可能とすることができる。ガントリ16を所与の移動に駆動する、駆動する既知の機構(この図には図示せず)が、水平マウント14の内部に一体化される。たとえば、そのような駆動機構は、たとえば2つのステッピング・モーターなど、XY平面内での第1の移動を与えるモーターと、たとえばブラシレス・モーターなど、垂直軸zの回りでの回転移動を与えるモーターとを含む。
【0024】
ガントリ16は、x線源18と、x線源に対応して配置された少なくとも1つのx線センサ20との両方を支持する。x線源18および少なくとも1つのx線センサ20は、お互いに面して配置され得る。ガントリ16は、2つの対向する下向きに延びる腕すなわち、それに取り付けられたx線源18を支持する第1の腕16aと、それに取り付けられた少なくとも1つのx線センサ20を支持する第2の対向する腕16bとを含むことができる。x線源18は、従来のコリメータ(
図1には図示せず)を含む。垂直軸zに沿ったコリメータの位置およびスリット・コリメータ・ウィンドウの開口は、コリメートされたx線ビームが患者の頭部または患者の顎顔面領域の関心領域を照射するようになるように、調整され得る。
【0025】
アクティブ化された時に、x線源18は、コリメートされたx線ビームを放ち、このコリメートされたx線ビームは、ここでは、少なくとも1つのx線センサ20に衝突する前に、患者の顎顔面領域(または患者の顎顔面関心領域)のイメージング・エリアを照射する。
【0026】
この実施形態では、x線源18および少なくとも1つのx線センサ20は、患者の顎顔面領域のイメージング・エリアを照射しながら、所定の軌跡に沿って患者の顎顔面領域の周囲を移動するように構成される。
【0027】
この実施形態では、装置10は、後でわかるように、3D CBCTスライスを入手するためにx線CBCT動作モードで使用される。装置10は、ボリュメトリック・トモグラフィまたはコンピュータ断層撮影を実行し、3D画像を入手するx線CBCTイメージング装置と考えることができる。
【0028】
しかし、装置10は、パノラマ、頭蓋計測、その他など、1つまたは複数の他の動作モードまたはイメージング・プロセスに従って機能することもできる。
【0029】
装置10は、
図3の実施形態方法を介して入手される動作パラメータに基づいて、そのような異なる動作モードまたはそれらの動作モードの一部のみに従って、動作することができる。
【0030】
これに関して、別のセンサまたは他のセンサを使用することができ、x線は、それに従って、選択された動作モードおよび開業医の選択に応じて、特定の形状を有する患者の顎顔面領域(または患者の頭部全体)として患者の頭部の領域を照射するようにコリメートされ得る。
【0031】
少なくとも1つのx線センサ20は、装置の動作モードの1つに適合されたセンサを含む。たとえば、このセンサは、CBCTスキャンを実行するように適合されたセンサ、たとえばボリュメトリック・センサまたはコンピュータ化されたセンサ(たとえば、長方形、正方形形状)、または前のタイプの複数のセンサとすることができる。
【0032】
支持構造は、ここでは腕である患者位置決めアクセサリ支持部材22をも含むことができる。腕22は、支持フレーム、より具体的には垂直柱12に接続される。患者位置決め腕22は、支持フレームに対して相対的に移動可能である。より具体的には、腕22は、たとえば電気タイプの適当なアクチュエータ(1つまたは複数)を介して指令された時に上下に移動するために、垂直柱12に沿って滑動することができる。患者位置決め腕22は、固定された垂直部分12bに対して相対的に滑動可能に取り付けられた腕支持部22aから延びる。患者位置決め腕22は、水平マウント14の延びる方向に実質的に対応する方向に装置に沿って延びる。患者位置決め腕22は、ここでは、水平マウント14と実質的に平行の関係で装置に対して横向きに配置される。
【0033】
患者位置決め腕22は、患者を装置内の所与の位置に位置決めするように働く。
【0034】
患者位置決め腕22は、腕の自由端22bまたはそれに近接して全体的に配置された複数の患者位置決めアクセサリのうちの1つを含むことができる。これらのアクセサリは、やはりまたはその代わりに、保持システムと考えることができる。
【0035】
これらの患者位置決めアクセサリは、異なる方位に従って患者の頭部の解剖学的構造を位置決めし、可能なすべての移動を減らすために検査中に患者の頭部を固定することを可能にする。
【0036】
装置によって異なる動作モードに従って実行される特定の検査のタイプごとに、1つまたは複数のタイプの患者位置決めアクセサリが存在する。腕22は、一般に一時に1つずつ、異なるタイプのこれらの患者位置決めアクセサリのそれぞれに対処するように構成される。
【0037】
図1に示されているように、これらの患者位置決めアクセサリの、24と注記された1つは、それらが除去可能に取り付けられた腕22から上に延びる2つの一時保持部材を含む。1つの一時保持部材だけが表され、他方は、腕16bによって隠されている
【0038】
患者位置決めアクセサリ24は、それが除去可能に取り付けられる腕22から上向きに延びる顎当て26をも含むことができる。顎当て26は、パノラマ検査のために患者の頭部を位置決めするために2つの一時保持部材の間に配置される。標準的なバイト・ブロックを、顎当てにさらに追加することができる。代替案では、Frankfortガイド・バイト・ブロックをパノラマ検査に使用することができる。
【0039】
患者支持アクセサリの他の可能なタイプすなわち、開いた口および閉じた口での時間的下顎関節検査を行うための鼻部支持、3D検査(くつわタイプ)用の咬合支持、3D検査(額タイプ)用の額支持、咬合支持および額支持の組合せ、その他を考えることができる。
【0040】
図1に示されているように、ハンドル・アセンブリ34を、腕の自由端22bで、腕の下に、腕と平行の関係で位置決めすることができる。このハンドル・アセンブリ34は、動かないままになるためにイメージング・プロセスを受ける時に患者がつかむことのできる2つの垂直の別々のハンドル部分34a、34bを含む。
【0041】
全体的に、このハンドル・アセンブリ34は、水平ベース部分34cと、腕22に固定される2つの垂直の上向きに延びる分岐34a、34bとを含むU字形を有する。各分岐は、垂直ハンドル部分の役割を演じる。
【0042】
その代わりに、他のハンドル・アセンブリを腕22のハンドリングに使用することができる。
【0043】
患者位置決め腕22は、装置の開業医が、そこに表示された画像を見、それと対話し、装置のある種の機能を駆動することを可能にするモニタまたはディスプレイ・アセンブリ36をも支持することができる。
【0044】
図2は、この実施形態で使用されるシステム40の主要な機能構成要素またはアセンブリの概略図である。これらの構成要素またはアセンブリの一部またはすべてを、装置10の一部としてもしなくてもよい。
【0045】
この実施形態では、システム40は、装置10内に配置される。
【0046】
システム40は、
図1の装置のx線源およびx線センサを含む獲得アセンブリ42を含む。
【0047】
システム40は、獲得アセンブリ42に接続され、本発明の実施形態方法に従って獲得アセンブリ42の動作を制御するように構成された制御アセンブリ44を含む。
【0048】
制御アセンブリ44は、より従来の形での装置10およびその様々な構成要素/アセンブリの動作を可能にするのに、具体的には、CBCTスキャンを実行し、3D体積(3D x線画像データ)を再構成し、パノラマ、頭蓋計測などのデータ獲得を実行するのにも使用され得る。
【0049】
制御アセンブリ44は、具体的には、プロセッサと、おそらくは、本発明による1つまたは複数の実施形態方法を実践するようにシステム40を制御する命令を有するコンピュータ・プログラムを記憶する1つまたは複数の記憶媒体とを含む。マイクロプロセッサが、1つまたは複数の記憶媒体内に記憶されたコンピュータ・プログラムを実行する時に、マイクロプロセッサは、本発明による実施形態方法のステップまたは動作を実行するように構成されると考えられる。
【0050】
本発明の一態様は、1つまたは複数の記憶媒体を含むコンピュータ・プログラム製品をも対象とする。
【0051】
上記の1つまたは複数の記憶媒体は、たとえば、磁気ディスク(フロッピ・ディスクなど)または磁気テープなどの磁気記憶媒体か、光ディスク、光テープ、または機械可読バー・コードなどの光学記憶媒体か、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)または読取専用メモリ(ROM)などのソリッド・ステート電子記憶デバイスか、そのようなコンピュータ・プログラムを記憶するのに使用される任意の他の物理デバイスまたは媒体とすることができる。
【0052】
記憶されたコンピュータ・プログラム(1つまたは複数)または他の記憶されたコンピュータ・プログラム(1つまたは複数)は、3D体積を入手する方法などのより従来の方法を実践するように装置10を制御する命令をも有することができる。
【0053】
システム40は、ここではx線イメージング・プロセス、たとえばCBCTイメージング・プロセスの途中で装置によって再構成されたデータの異なる体積を記憶する、1つまたは複数の外部記憶媒体46をも含むことができる。1つまたは複数の外部記憶媒体46を、上で説明したものと同一のタイプとすることもできる。
【0054】
1つまたは複数の外部記憶媒体46は、制御アセンブリ44に固有の1つまたは複数の記憶媒体の代わりに、システム40を制御するための、および/またはより一般的に、装置10を制御するための、上記のコンピュータ・プログラム(1つまたは複数)を記憶することもできる。
【0055】
システム40は、
図1のディスプレイ・アセンブリ36に対応することのできる、ディスプレイ・アセンブリ48、ここでは1つまたは複数のモニタまたはスクリーンをさらに含む。ディスプレイ・アセンブリ48は、制御アセンブリ44に接続される。
【0056】
ディスプレイ・アセンブリ48は、装置10によって実行されたx線イメージング・プロセスから入手された患者の顎顔面領域の選択された画像を自動的にまたはオン・デマンドで表示することができる。
【0057】
ディスプレイ・アセンブリは、制御アセンブリ44の制御下にある。
【0058】
システム40は、ディスプレイ・アセンブリ48および制御アセンブリ44に接続されたユーザ・インターフェース・アセンブリ50をさらに含むことができる。ユーザ・インターフェース・アセンブリ50は、ユーザ、たとえば開業医または技師が、様々なタスクを実行するために、ディスプレイ・アセンブリ48およびおそらくは画像処理/アルゴリズムを実行する制御アセンブリ44と対話することを可能にする。
【0059】
ユーザ・インターフェース・アセンブリ50は、ポインティング・デバイス、たとえばコンピュータ・マウス・ジョイスティック、スタイレット、キーパッド、タッチパッドなどであるがこれに限定されない、ディスプレイ・アセンブリ48に接続された1つまたは複数の対話デバイスを含むことができる。
【0060】
タッチ・スクリーン、スクリーン上に表示されまたは指令時に表示され得るツール・アイコンなど、他のタイプの対話デバイスまたはツール(ユーザ・インターフェース・ツール)を、その代わりにまたはそれに加えて使用することができる。
【0061】
アセンブリ44、46、48、および50は、全体的にまたは部分的に、装置10の腕22内に配置され、あるいは、装置に対して相対的にリモートに(たとえば、同一室内または別々の室内または別の場所に)配置され得る。制御アセンブリ44が、装置10内に配置されない場合には、獲得アセンブリ42を制御するためおよび全般的な形で装置の動作を制御するために、別の制御アセンブリが装置内に存在することができる。しかし、この説明全体が、アセンブリの位置に関わりなく同等にあてはまる。
【0062】
上記は、アセンブリ42、44、46、48、および50が、別のタイプのx線イメージング装置に関する場合にもあてはまる。
【0063】
本発明による実施形態方法を、これから、対応するコンピュータ・プログラム(1つまたは複数)のアルゴリズムを示す
図3を参照して説明する。このアルゴリズムは、他の図に示され、同一のコンピュータ・プログラムの一部であっても他のコンピュータ・プログラムに対応してもよい、他のアルゴリズムを参照する。
【0064】
その動作に関して、実施形態方法は、
図1の装置10に関連して上で説明したものとすることのできる機能構成要素またはアセンブリを利用する。代替案では、この方法を実行するのに必要な機能構成要素またはアセンブリは、別のx線イメージング装置の機能構成要素またはアセンブリとすることができ、
図2の構成に従うものとすることができる(しかし、
図2のすべての構成要素が存在する必要はない)。
【0065】
患者は、まず、装置10の作業空間内で獲得アセンブリ42のx線源18とx線センサ20との間に、たとえば座位で位置決めされる。この方法は、ROI1と表される患者の顎顔面第1関心領域を識別する識別ステップS1から始まる。開業医は、患者の顎顔面領域の第2の関心領域ROI2に対して実行される検査のタイプ、第2の関心領域ROI2自体、その他などの所定の判断基準に基づいて、ROI1を識別する。
【0066】
たとえば、ROI1は、開業医の関心に応じて、上顎および下顎、両方の顎の一部、一方の顎だけ、単一の顎の一部などを含むことができる。後者は、下顎の顎または下顎の2つの上向きに延びる部分すなわち枝、具体的には、各枝の前端および/または後端などによって特に関心を持たれる可能性がある。
【0067】
図4Aは、患者の顎顔面領域の横ビュー上で開業医によって識別されたROI1を示す。このステップの結果を、
図4Aに示されているように
図2のディスプレイ・アセンブリ上で見ることができることに留意されたい。
【0068】
この方法は、高さ判定ステップS2をさらに含む。このステップの実行のために、患者は、咬合位置になることができる、すなわち、彼/彼女の上顎および下顎は、お互いと接触しなければならない。
【0069】
代替案では、患者は、患者位置決め部材または患者位置決めアクセサリ内で咬み、彼/彼女の歯は、その後、2~3ミリメートルだけ離される。そのような患者位置決め部材または患者位置決めアクセサリを、解放可能な形で腕22に取り付けることができる。そのような患者位置決め部材または患者位置決めアクセサリは、バイト・ブロック、たとえばパノラマ検査に使用されるFrankfurtガイド・バイト・ブロック、標準バイト・ブロック、咬まれた3D支持体などとすることができる。
【0070】
この実施形態では、患者は、咬合位置にあり、彼/彼女の頭部は、顎当て、顎当てを含む額支持などを介して定位置に維持され得る。識別されるROI1は、咬合平面を含む。
【0071】
このステップの目的は、ROI1内の水平面の高さを判定することである。この高さは、次に、第1のx線データ獲得に使用される。水平面は、方法の次のステップ中に有用な形態学データを抽出できるようにするために、歯および顎の骨を通過しなければならない。優先的に、水平面は、歯根および下顎の骨を通過しなければならない。別の実施形態では、水平面は、歯根および上顎の骨を通過しなければならない。
【0072】
この水平面は、ROI1の正中面またはROI1内の別の平面とすることができる。このステップの実行に関して、患者は、彼/彼女のカンペル平面またはフランクフルト平面が水平になるように位置決めされてもよい。
【0073】
【0074】
第1の形は、
図2の制御アセンブリ44の制御の下で操作される獲得アセンブリ42を介して患者のx線横スカウト・ビューを獲得すること(ステップS2.1)である。
【0075】
図5Aは、従来の形で獲得された患者のx線横スカウト・ビュー(元の画像)を示す。そのようなビューは、上顎、下顎、および開業医によって以前に識別されたROI1に関する情報を提供することができる。しかし、スカウト・ビューに依存して、1つの顎だけに関する情報が入手可能である場合がある。この実施形態では、スカウト・ビューが、
図4Aで識別されたROI1に対応するものとして選択されていることに留意されたい。患者の顎に対する相対的なスカウト・ビューの位置は、所定の平均値に基づいて以前に判定されたものとすることができる。
【0076】
変形実施形態では、スカウト・ビューが、以前に識別されたROI1(たとえば、この例の実施形態では
図4AのROI1)に対応しない場合に、スカウト・ビューは、所望のROIを入手するために患者の平均形態学データに関してさらにクロッピングされ得る。
【0077】
図5B~
図5Dは、ROI1内の関心を持たれている水平面およびその高さを判定するための、
図5Aの獲得されたx線横スカウト・ビューに基づくプロセスの少数のステップを示す。
【0078】
これらのステップは、
図5Aのグレイ画素値に補正係数を適用することと、そのように入手された補正された画素値の勾配を計算することと、所定のしきい値を介して後者を2値化することと(
図5B~
図5C)を含む畳み込み画像処理ステップである。
【0079】
その後、咬合平面が、畳み込みステップ、たとえば交差する直線のセットを見つけるためにハフ変換を使用することと、
図5D内で第1の直線L1によって表されるこれらの交差する直線の平均値を識別することとを介して判定される。
【0080】
この実施形態では、線L1は、下顎切歯の頂点を通過する。
【0081】
所与の患者(成人、小児など)の切歯の平均サイズ(高さ)は、既知であり、したがって、
図5DのROI1の水平面を高さ(z軸)にそって幾何学的に位置決めすることは、簡単な仕事である。ここで歯根および下顎の骨を通過するこの水平面の位置は、計算によって判定され(たとえば、ROI1が識別された後に開業医によって選択された後に)、または
図5D上で開業医によって直接に選択される。
【0082】
この実施形態では、水平であり、線L1から間隔を置かれ、ここでは線L1の下(たとえば、2~3ミリメートル下)の第2の線L2が、図示されている。この第2の線L2は、
図5Dの平面内のこの水平面の射影を表す。
【0083】
次に、ステップS2.2では、L2の高さが、従来の形で、使用される患者の位置決めアクセサリに対する相対的なスカウト・ビューの既知の位置と、x線装置、具体的には腕22に対する相対的な後者の既知の位置とに基づいて判定される。腕に対する相対的なx線源の位置も既知であることに留意されたい。
【0084】
変形実施形態では、データの第1のセットを獲得することを目指す水平面およびその高さが、咬合平面の判定による通過なしで判定され得る。
【0085】
図5Eは、そのような変形実施形態に従って判定され得る水平面L3の位置の例を示す。
【0086】
水平面の高さを判定する2つの他の形が、
図4Bに示されている。
【0087】
第2の形(ステップS2.3)は、ランドマークを含む患者の顎顔面第1関心領域ROI1を含む患者の少なくとも1つの光学画像(咬合位での)を獲得する準備をする。少なくとも1つの画像は、より具体的には、カメラによって撮影された顔画像であり、ランドマークは、解剖学的タイプ(たとえば口の角)のランドマークまたは患者の顔に追加されたランドマークとすることができる。カメラを、装置10上でたとえば腕22上で、または装置とは独立に位置決めすることができる。
図1では、カメラ52の例が、x線源18の隣に配置されている。代替案では、カメラの別の位置を選択することができる。
【0088】
代替案では、患者の横光学画像が、額画像より便利である場合がある。
【0089】
1つまたは複数のランドマークは、既知であるか歯根に対する相対的な計算によって簡単に知ることのできる幾何学的位置の代表である。
【0090】
その結果、第1のx線データ獲得に使用され得る歯根および下顎の骨を通過する水平面の高さは、したがって、1つまたは複数のランドマークの位置に基づく計算(ステップS2.2)によって判定され得る。
【0091】
第3の形(ステップS2.4)は、患者位置決めデバイスまたは患者位置決めアクセサリを使用して、患者の(咬合位での)、より具体的には患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)の物理的測定を実行する準備をする。
【0092】
図1の腕22に取り付けられた患者位置決めアクセサリ、たとえばバイト・ブロックまたは類似物を使用することができる。バイト・ブロックは、固定された位置で腕に取り付けられ、腕に対する相対的なバイト・ブロックの高さは、既知であるか測定され得る。所与の患者(成人、幼児など)の歯の平均サイズ(高さ)も既知であり、これは、歯根の位置、したがって歯の先端すなわちバイト・ブロックに対する相対的な歯根の位置を定めることを可能にする。
【0093】
その結果、腕に対する相対的なROI1の水平面の高さまたは位置を、上記に基づく測定および/または計算によって判定することができる。代替案では、バイト・ブロックまたは類似物内に配置されたセンサが、適当な測定データを提供することができ、腕に対する相対的な水平面の高さまたは位置が、次に、それから判定され得る。
【0094】
その後、第1のx線データ獲得に使用できる水平面の高さが、判定され得る(ステップS2.2)。
【0095】
この以前の判定フェーズは、ROI1に関するデータの第1のセットが獲得される高さの判定を目指すものである。
【0096】
水平面の高さが判定された後に、装置10は、
図3のステップS3によって供給されるデータの第1のセットの獲得を可能にする構成で、制御アセンブリ44によってそれに従ってセットされる。データの第1のセットは、ROI1全体またはその選択された部分に対応することができる。
【0097】
-第1に、x線源およびx線センサのセットが、x線源が獲得に適当な高さにあるようにするために判定された高さに移動するように制御アセンブリ44によって指令され、この配置は、x線線量を簡単に減らすことを可能にし、
-第2に、x線源が、同一の高度のままになり、x線コリメータが、平面の判定された高さに向かって上向きにx線ビームを方位付けるように移動される
という2つの形が、装置を獲得構成にセットするのに使用される。
【0098】
この第1のデータ獲得に関して、患者は、咬合位のままになるか、前のステップS2で提供されるバイト・サポートを咬む。患者は、彼/彼女のカンペル平面またはフランクフルト平面がステップS2に関して水平になるようにも位置決めされ得る。
【0099】
この第1のデータ獲得に関して、装置10は、制御アセンブリ44の制御の下で動作CBCTモードである。
【0100】
このモードによれば、x線コリメータ開口は、水平面を含む患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)に焦点を合わされたスリット形状のx線ビームを作るために、スリット形状のコリメータ・ウィンドウとして調整される。x線ビームが、ROI1全体に焦点を合わされるものとして説明されたが、ここおよびこの説明の残りでは、x線ビームがROI1の水平面を含む部分(たとえば、スライス)だけに焦点を合わされ得ることを理解されたい。
【0101】
ビームのこのスリット形状は、2つの枝を有し高さにおいて薄い体積を有する歯列弓全体を横にカバーするように調整される。ROI1の水平面は、コリメータ位置およびコリメータ・ウィンドウ開口での調整のおかげで狙われる。
【0102】
図6Aは、x線コリメータ19の異なる開口を伴う、x線源18とROI1と(ROI1は、その代わりにその一部によって置換され得、この説明の残りは同等にあてはまる)の間の2つの異なる相対位置を示す。図示されているように、x線源18は、センサ20の下端に整列され、源およびセンサからなるセットの回転軸Aも図示されている。CBCTスライスを取り込み、再構成するために、垂直方向のコリメータの開口は、源-センサ整列に対する相対的なコリメータの位置に依存する。最小の開口は、源-センサ軸がコリメータを通る時に得られる。言い換えると、コリメートされたx線ビームの正中面は、スライス再構成に必要な最小の開口をコリメータに関して入手するように調整される。
【0103】
優先的に、源-センサ軸は、コリメータ・ウィンドウの基礎およびROI1の下端または境界を通過する。
【0104】
x線源は、後続の第2のx線データ獲得に使用されるx線線量に関して低線量として定量化され得る第1のx線線量を用いて操作される。
【0105】
第1のx線線量は、患者のx線露出を最小にするように選択される。x線線量は、獲得されるデータの体積に依存する。体積は、第1のx線データ獲得に関して、できる限り小さく、高分解能である必要はない。というのは、この方法の残りに必要な有用な情報が、患者顎顔面領域の形態学的特性またはデータ(歯の位置、歯の形態、特性寸法など)に存するからである。そのような情報は、獲得されたデータ内の多数の詳細を必要としない。
【0106】
通常、第1のx線線量は、後続の第2のデータ獲得に使用される第2の線量の20%を超えない。
【0107】
優先的に、第1のx線線量は、第2の線量の10%を超えず、より優先的には第2の線量の5%を超えない。
【0108】
たとえば、第1のx線線量は、CBCTスライスの生成に関して4μSv程度とすることができる。
【0109】
図3に戻って、データの第1のセット(3D体積)を獲得する第3のステップS3は、上記のセッティングおよび調整に基づく。この第1の獲得を、後続の「発射」に使用される有用な情報を抽出するための「事前発射」と見なすことができる。この事前発射の露出時間は、どちらかといえば短く、たとえば5秒程度である。
【0110】
次のステップS4は、従来のCBCTデータ処理技法(たとえば、FDKアルゴリズム)を使用してデータの獲得された第1のセットに基づいてCBCTスライスを再構成する再構成ステップである。
【0111】
再構成されたCBCTスライスは、ROI1の水平面を含み、患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)に対する相対的なデータの獲得された第1のセットに基づく。
【0112】
第1の獲得されるデータの低分解能の例として、再構成されたCBCTスライス内の約500μmのボクセル・サイズを入手することができる。たとえば、スライスの厚さまたは高さは、10ボクセルと30ボクセルとの間にあり、これによって、1mmと15mmとの間の範囲に対応する。1mmと5mmとの間の範囲を、優先的に選択することができる。再構成されたCBCTスライスは、円筒の形状をとることができ(別の形状が便利である場合がある)、直径は120mm(小さい頭骨寸法に関する)と160mmとの間にある。そのような寸法は、歯列弓全体の獲得を可能にする。
【0113】
オプションで、この方法は、
図6Bに示された再構成された3D体積の軸スライスを表示するさらなる表示ステップS5を含む。
図6Bは、歯列弓、具体的には2つの枝および切歯を示す。このステップは、ROI1を見、その後に歯列弓の形状を制御することを可能にする。歯列弓に対して実行された測定に使用された点を見ることもできる。
【0114】
次のステップS6は、第2のx線線量を使用する患者の顎顔面第2関心領域(ROI2)のデータの第2のセットの獲得を考慮して、再構成されたCBCTスライスに基づいて、x線イメージング装置の動作パラメータの入手の準備をする。
【0115】
このステップを、
図7Aおよび
図7Bのアルゴリズムでさらに詳細に説明する。
【0116】
図7Aは、再構成されたCBCTスライス、具体的にはそれに固有の情報に基づいて、患者の顎顔面第1関心領域形態に関する特徴を判定するステップS6.1を含む。
【0117】
患者の顎顔面第1関心領域形態に関する特徴は、幅、奥行き、患者の顎顔面第1関心領域の歯列弓の形状、および歯列弓に関する歯の相対位置のうちの少なくとも1つを含む。
【0118】
この実施形態では、歯列弓の幅および奥行きは、再構成されたCBCTスライスに基づいて判定される。
【0119】
歯列弓の幅および奥行きは、
図8A~
図8Eに示されているように判定される。
【0120】
図8Aは、
図6Bと同様に再構成されたスライスの軸方向ビューを示す。
【0121】
図8Bは、データのグレイ値にしきい値を適用することと、脊椎エリアを除去することとによって
図8Aから入手される。
【0122】
図8Cは、
図8Bのしきい値化された画像の左半分を表す。このプロセスは、白画素をその中に有する最初の線を見つけるために画像の最下部から開始し、白画素は、骨の存在に対応する。これは、歯列弓限界のY値に対応する。同一のプロセスが、右半分の画像に対して行われる。
【0123】
その後、検出されたY値の前後の左半分画像の線が考慮される。このプロセスは、白画素をその中に有する最初の列を見つけるために左半分画像の左部分(頭骨の外部)から開始し、白画素は、骨の存在に対応する。これは、
図8Dに示されているように、歯列弓限界のX値に対応する。同一のプロセスが、右半分画像に対して行われる。
【0124】
図8Eは、
図6Bおよび
図8A内の再構成されたスライスの元の画像上に、2つの別々の円C1およびC2によって示された、検出された限界を示す。
【0125】
歯列弓の幅は、それぞれ2つの別々の円C1およびC2によって示された患者の下顎枝の2つの端の間の幅を判定することによって判定され得る。具体的には、ここで関心を持たれている両端は、枝の後端である。別の目的のために、枝の前端が関心を持たれる場合がある。この幅は、メモリ内に記憶された再構成されたスライスから計算によって判定される。
【0126】
歯列弓の奥行きは、切歯のY位置と患者の下顎枝の後端のうちの1つのY位置との間での、メモリ内に記憶された再構成されたスライス・データからの計算によって判定される。
【0127】
歯列弓に対する相対的な歯の位置は、高い正確さで源-センサ軌跡を入手するのに役立つ可能性がある。これは、たとえば、パノラマ画像の一部がぼけるのを防ぐために、軌跡が歯に垂直でり、したがって、特徴を表される必要がある、パノラマ検査に重要である。ぼけた画像の入手は、完全な全体獲得を必要とするはずであり、これは、患者のx線線量を増やすはずである。
【0128】
図7Aは、上で判定された特徴のうちの少なくとも一部、ここでは患者の歯列弓の幅および奥行きに基づいて患者の体格を判定する第2のステップS6.2を含む。
【0129】
このステップは、2つの異なるプロセスに従って実行され得る。
【0130】
第1のプロセスS6.2.1では、患者の体格は、幅および奥行きの判定された値を使用して、異なる患者の形態または体格の所定のモデルから判定される。そのようなモデルは、複数の患者に対して実行された複数の測定および経験的データから以前に着想された。
【0131】
図9Aは、値の連続体ならびに複数の患者の形態または体格を上から下までXS(極小)、S(小)、M(中)、およびL(大)として定義する複数の領域またはエリアを有するそのようなモデルを示す。
【0132】
幅(半分の幅)および奥行きの判定された値によって識別される点Pは、
図8A~
図8Eを参照して判定された弓限界に対応する。ここで、点Pは、M領域内に配置されている。したがって、患者の体格は、中として分類される。
【0133】
第2の代替のプロセスS6.2.2では、患者の体格は、幅および奥行きの判定された値を使用して、所定の特性のセットから判定される。
【0134】
図7Aは、上で判定された特徴の少なくとも一部、ここでは患者の歯列弓の幅および奥行きに基づいて、患者の歯列弓の形状を判定するさらなるステップS6.3を含む。
【0135】
このステップは、2つの異なるプロセスに従って実行され得る。
【0136】
第1のプロセスS6.3.1では、歯列弓形状が、幅および奥行きの判定された値を使用して、異なる患者の形態または歯列弓形状の所定のモデルから判定される。そのようなモデルは、複数の患者に対して実行された複数の測定および経験的データから以前に着想されたものであり、値の連続体を含む。
【0137】
歯列弓のモデルの使用が、源-センサ軌跡のより高い正確さにつながる可能性があり、これが、既に上で説明したように、パノラマ画像の一部がぼけるのを防ぐためにパノラマ検査にとって重要であることに留意されたい。
【0138】
第2の代替のプロセスS6.3.2では、患者の歯列弓形状が、幅および奥行きの判定された値を使用して、U形状、V形状、および正方形形状を含む所定の歯列弓のセットから判定される。
【0139】
さらなる代替のプロセスでは、歯列弓の形状は、メモリ内に記憶された再構成されたスライス・データから測定される。
【0140】
ステップS6.2およびS6.3を時間的に逆転でき、ステップS6.3をステップS6.2の前に実行できることに留意されたい。
【0141】
したがって、4つの体格および3つの歯列弓形状を考慮すると、患者に関して12個の組合せを入手することができる。
【0142】
各組合せは、使用されるx線線量、x線への露出時間、イメージング・プロセス(パノラマなど)中にx線源およびx線センサによってたどられる軌跡、その他など、使用される適当な動作パラメータによって特徴を表され得る。
【0143】
患者の形態(体格および歯列弓)のこれらの特性が、再構成されたCBCTスライスから判定された後に、動作パラメータを、それに従って入手することができる。
【0144】
次に、ステップS6.4は、前に判定された特徴または特性に基づく動作パラメータの入手または調整を提供する。
【0145】
実際には、x線線量にリンクされた以下のパラメータを調整することができる。
-x線源のx線管に現在印加されているピーク電圧(単位:kVp)は、x線光子の最大エネルギを決定し、
-x線管に現在印加されている電流(単位:mA)は、x線管内部の電子の生成をもたらし、電流の増加は、電子のより多くの生成をもたらし、これは、放射の量を増やし、したがってセンサに達する光子の量を増やし、したがってx線密度を高め、
-時間係数(単位:秒)は、x線管内の電子生成密度を表し、したがって、電流密度の印加の持続時間を示す。
【0146】
源-センサ・セットの軌跡を含む他の動作パラメータを調整することもできる。パノラマ検査に関して、軌跡は、上で見たように、ぼけた画像を回避するためにできる限り正確にしなければならない。
【0147】
図9Bは、方法実施形態の実行を介して、具体的には患者の歯列弓に対する相対的な歯の位置に基づいて入手され得る、大きい患者の体格のパノラマ軌跡の例を表す。
【0148】
歯列弓の形状は、a1とマークされている。
【0149】
x線源-x線セグメントの異なる瞬間の異なる連続する位置が、軌跡の半分のみ(軌跡の右部分のみ)に関してa2とマークされている。
【0150】
x線源-x線センサ・セットの回転中心の軌跡が、a3とマークされている。
【0151】
a4およびa5とマークされた2つの曲線は、その間に、軌跡に依存する焦点トラフ(focal trough)の幅または厚さを画定する。
【0152】
a6とマークされた線は、x線源-x線センサ・セットの最も遠い位置を表し、患者の歯列弓のの幅および奥行きに、したがって患者の体格に依存する。したがって、
図9Aに示された線は、それぞれ、異なる患者の体格に関する
図9Bに示されたa6線に対応する。
【0153】
上記のモデルおよび所定の特徴、特性、値、歯列弓形状、その他が、下顎に関して議論されたことに留意されたい。これらは、下顎(本体および枝)上で選択された基準点および水平面の高さに適合される。上記の議論は、上顎にもあてはまる。しかし、モデルおよび所定の特徴、特性、値、歯列弓形状、その他は、上顎に関して異なる。
【0154】
上記の動作パラメータは、所定の動作パラメータのセットから動作パラメータを選択すること、または動作パラメータの所定のモデルに基づいて動作パラメータを判定することのいずれかによって、簡単に入手され得る。
【0155】
この実施形態では、上で説明した方法は、後続のx線データ獲得に使用されるx線線量と比較して、どちらかといえば低いx線線量を用いて、患者に関して獲得されたデータの第1のセットから直接に患者の形態学的特徴または特性を判定することを可能にする。したがって、そのように判定された患者の形態学的特徴または特性は、複数の患者に対して以前に実行された平均測定に基づく平均データより信頼できる、より正確なデータである。その後、この方法は、そのような信頼でき正確な判定された患者の形態学的特徴または特性み基づいて動作パラメータを入手することを可能にする。したがって、入手された/調整されたパラメータは、過去よりも患者に適合され/最適化され、これは、これらのパラメータを使用する後続のx線データ獲得での患者のより高品質な画像およびより低いx線線量につながる。
【0156】
さらなる実施形態では、上で説明した方法が、自動的に実行され(すなわち、おそらくはROI1の識別を除く、この方法のすべてのステップが、コンピュータベースまたはプロセッサベースの装置によって実行され)、これは、開業医の対話なしで動作パラメータを入手することを可能にする。したがって、上で述べた利点に加えて、この方法は、人間の誤りをはるかに受けにくく、したがってはるかに信頼できる。
【0157】
たとえば、x線装置内で入手可能な事前定義の体格および弓の中での患者の体格および歯列弓の選択は、開業医にとって簡単な仕事ではない。この選択を介して誤りが発生する場合には、動作パラメータまたは獲得パラメータが、患者に適合されない可能性がある。その場合に、たとえば、患者が受け取るx線線量が、必要であったはずの線量より相対的に高すぎるか、その代わりに、低すぎ、患者が別のより高いx線線量に露出されることが必要になる可能性がある。
【0158】
これは、開業医によってなされる可能性がある解釈誤りを回避することのできる、開業医にとって単純化された方法を表す。
【0159】
図7Bは、
図3のステップS4の再構成されたCBCTスライスに基づいて、患者の顎顔面関心領域骨密度によるx線減衰に関する特徴の測定を介して動作パラメータを入手する別の実施形態方法を示す。
【0160】
第1のステップS6.10は、再構成されたCBCTスライスからx線患者の減衰に関する特徴を判定するステップである。
【0161】
x線患者の減衰に関する可能な特徴が、コントラスト・ノイズ比(CNR)である。そのような特徴は、照射ゾーン(患者の減衰)および空気を通るx線の伝搬に関して入手されたコントラストのレベルならびに第1のx線線量に関する雑音レベルを考慮に入れたものである。
【0162】
再構成されたスライスは、照射されたゾーンの厚さを用いることなく、x線センサ上で「患者の減衰」を直接に入手することを可能にする。
【0163】
図10は、x線線量の関数としてCNR値を示す図である。この図は、複数の患者に対して実行された測定に基づいて確立され、所定のCNR値-x線線量のモデルを表す。
【0164】
たとえば、第1の低線量1に関して、第1のx線データ獲得および再構成されたスライスを伴う第1のCNTが達成されている(CNR線量1患者A)。原点と達成されたCNRとを通過する直線のうちの1つに従い、獲得される後続画像に関して達成すべきCNR目標を考慮すると、これは、所与のx線線量すなわち患者AのCRN目標に関する線量A(矢印によって与えられる表示を参照されたい)につながる。
【0165】
したがって、これは、それに従ってx線線量として動作パラメータを入手することを可能にする(ステップS6.11)。
【0166】
上で既に説明したように、x線線量にリンクされた実用的な動作パラメータすなわち、ピーク電圧(単位:kVp)、電流(単位:mA)、および時間係数(単位:秒)を調整することができる。
【0167】
源-センサ・セットの軌跡を含む他の動作パラメータを調整することもできる。
【0168】
上記の動作パラメータは、所定の動作パラメータのセットから動作パラメータを選択すること、または動作パラメータの所定のモデルに基づいて動作パラメータを判定することのいずれかによって、判定された患者のx線減衰に基づいて簡単に入手され得る。
【0169】
ステップS6(
図7A~
図7Bの上の説明を参照されたい)で入手された動作パラメータまたは獲得パラメータは、第2のx線線量を使用して患者の顎顔面第2関心領域(ROI2)のデータの第2のセットを獲得する後続ステップS7の過程で使用され得る。この獲得ステップは、たとえば数時間、数日、数ヶ月など、第1のステップS1からS6までから時間的に分離され得る。その場合に、入手された動作パラメータまたは獲得パラメータは、使用されるのを待っている間に記憶され得る。
【0170】
患者が第1のデータ獲得に関するものと同一の位置を占める必要がないことに留意されたい。しかし、単純さのために、患者は同一位置に留まる。パノラマ検査に関して、同一の患者の位置が使用されることが好ましい。
【0171】
入手された動作パラメータまたは獲得パラメータを使用して、CBCT、パノラマ、頭蓋計測、その他、患者に関連するデータの獲得を考慮してx線イメージング装置(必ずしも装置10ではない)を調整することができる。
【0172】
この第2のデータ獲得に使用されるx線線量は、スライスの生成に関する第1のx線線量より高く、第1のx線線量は、第2のx線線量の20%以下である。
【0173】
たとえば、第1のx線線量は、4μSvであり、第2のx線線量は、
-パノラマ検査では20μSvと30μSvとの間、
-広い視野(17×13cm)の3D検査では200μSv、
-5×5cm視野の3D検査では20μSv
である。
【0174】
たとえば、第2のデータ獲得のx線の露出の持続時間は、第1のデータ獲得の約5秒持続時間と比較して、
-パノラマ検査では10秒と20秒との間、
-3D検査では5秒と20秒との間
である。
【0175】
たとえば、第2のデータ獲得を介して入手される画像(1つまたは複数)の解像度は、第1のデータ獲得の500μmボクセル・サイズと比較して、
-パノラマ検査では100μm画素サイズ
-3D検査では100μmボクセル・サイズ
によって画定される。
【0176】
本発明が、詳細に説明され、適切なまたは現在好ましい実施形態を具体的に参照して説明された場合があるが、本発明の趣旨および範囲内で変形形態および修正形態をもたらすことができることを理解されたい。したがって、現在開示されている実施形態は、すべての面で、例示的であって制限的ではないと考えられる。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示され、その同等物の意味および範囲に含まれるすべての変更は、添付の特許請求の範囲に包含されることが意図されている。