(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-18
(45)【発行日】2023-08-28
(54)【発明の名称】パルスタンパク質を含むクリーム代替物
(51)【国際特許分類】
A23L 9/20 20160101AFI20230821BHJP
A23G 9/00 20060101ALI20230821BHJP
A23C 9/13 20060101ALN20230821BHJP
【FI】
A23L9/20
A23G9/00 101
A23C9/13
(21)【出願番号】P 2020529140
(86)(22)【出願日】2018-11-28
(86)【国際出願番号】 EP2018082761
(87)【国際公開番号】W WO2019105961
(87)【国際公開日】2019-06-06
【審査請求日】2021-10-05
(32)【優先日】2017-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】517393695
【氏名又は名称】コスクラ グルーペ ヴァルコアン エス.アー.
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(72)【発明者】
【氏名】ゴーティエ、ガエル
(72)【発明者】
【氏名】ベガン、ポーリン
(72)【発明者】
【氏名】フェルヴァーク、クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ピエン、ジュリー
【審査官】厚田 一拓
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04411926(US,A)
【文献】国際公開第2017/129921(WO,A1)
【文献】特表2010-507597(JP,A)
【文献】特表2012-519011(JP,A)
【文献】国際公開第2017/132707(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/048804(WO,A1)
【文献】特表2012-519012(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0104556(US,A1)
【文献】A.S.M. Chan et al.,A Non-Dairy Frozen Dessert Utilizing Pea Protein Isolate and Hydrogenated Canola Oil,FOOD TECHNOLOGY,1992年,Vol.46, No.1,p.88-92
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 2/00 - 35/00
A23G 9/00 - 9/52
A23C 1/00 - 23/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非加水分解パルスタンパク質および可溶性繊維を含むクリーム代替物であって、非加水分解パルスタンパク質をクリーム代替物の総重量に対して0.5重量%から10重量%の量で含み、パルスタンパク質がエンドウマメまたはソラマメタンパク質であり、可溶性繊維をクリーム代替物の総重量に対して0.5重量%から5重量%の量で含み、前記可溶性繊維が、油性植物もしくはタンパク質産生植物由来の、イヌリン、グルコオリゴ糖(GOS)、イソマルトオリゴ糖(IMO)、ガラクトオリゴ糖(TOS)、ピロデキストリン、ポリデキストロース、分枝状マルトデキストリン、難消化性デキストリン、および可溶性オリゴ糖類から選択される、またはそれらの組み合わせであり、パルスタンパク質の加水分解度は5%未満であり、
前記クリーム代替物が、アイスクリーム、ホイップクリーム、料理用(culinary)クリーム、またはミルクデザート代替物から選択され、および前記クリーム代替物はクリーム代替物の総重量に対して、1重量%未満の乳製品由来成分を含む、クリーム代替物。
【請求項2】
パルスタンパク質がクリーム代替物中に存在する主要タンパク質であり、前記クリーム代替物はカゼイネート、カゼイン、ホエー、大豆、オーツ麦、ココナッツ、米、グルテン、ナッツ、小麦およびアーモンドから選択される他のタンパク質を含んでもよく、非パルスタンパク質の総量は、パルスタンパク質の量よりも低い、請求項1に記載のクリーム代替物。
【請求項3】
パルスタンパク質が唯一の植物性タンパク質源である、請求項1または2に記載のクリーム代替物。
【請求項4】
パルスタンパク質が唯一のタンパク質源である、請求項1~3のいずれか1項に記載のクリーム代替物。
【請求項5】
パルスタンパク質が、エンドウマメタンパク質単離物である、請求項1~4のいずれか1項に記載のクリーム代替物。
【請求項6】
パルスタンパク質が、ソラマメタンパク質単離物である、請求項1~4のいずれか1項に記載のクリーム代替物。
【請求項7】
前記ミルクデザート代替物が、乳酸菌なしで作られるミルクデザート代替物である、請求項1~6のいずれか1項に記載のクリーム代替物。
【請求項8】
-0.5重量%から10重量%の間の量の非加水分解パルスタンパク質、ここでパルスタンパク質がエンドウマメまたはソラマメタンパク質であり、パルスタンパク質の加水分解度は5%未満、
-0.5重量%から5重量%の間の量の可溶性繊維、前記可溶性繊維が、油性植物もしくはタンパク質産生植物由来の、イヌリン、グルコオリゴ糖(GOS)、イソマルトオリゴ糖(IMO)、ガラクトオリゴ糖(TOS)、ピロデキストリン、ポリデキストロース、分枝状マルトデキストリン、難消化性デキストリン、および可溶性オリゴ糖類から選択される、またはそれらの組み合わせであり、および
-さらにカゼイネート、カゼイン、ホエー、大豆、オーツ麦、ココナッツ、米、グルテン、ナッツ、小麦およびアーモンドから選択される少なくともひとつのタンパク質、ここで、パルスタンパク質以外のタンパク質の総量はパルスタンパク質よりも低い:
を含むクリーム代替物であって、
前記クリーム代替物は、1重量%未満の乳製品由来成分を含み、前記重量%はクリーム代替物の総重量に対して計算される、クリーム代替物。
【請求項9】
-0.5重量%から10重量%の間に含まれる量の非加水分解パルスタンパク質、ここでパルスタンパク質がエンドウマメまたはソラマメタンパク質であり、パルスタンパク質の加水分解度は5%未満、
-0.5重量%から5重量%の間に含まれる量の可溶性繊維、前記可溶性繊維が、油性植物もしくはタンパク質産生植物由来のイヌリン、グルコオリゴ糖(GOS)、イソマルトオリゴ糖(IMO)、ガラクトオリゴ糖(TOS)、ピロデキストリン、ポリデキストロース、分枝状マルトデキストリン、難消化性デキストリン、および可溶性オリゴ糖類から選択される、またはそれらの組み合わせであり、
-0重量%から20重量%の量の糖、
-1.5重量%から5重量%の量の植物性脂肪、
を含むアイスクリームであり、
前記重量%は、アイスクリームの総重量に対して計算される、請求項
1~6のいずれか1項に記載のアイスクリーム。
【請求項10】
非加水分解パルスタンパク質の量が、1.0重量%から5.0重量%である、請求項
9に記載のアイスクリーム。
【請求項11】
0.05重量%から10重量%の量の、香料、着色剤、安定化剤、増粘剤、ゲル化剤、乳化剤、増量剤から選択される添加物を含む、請求項
9または
10に記載のアイスクリーム。
【請求項12】
糖が、グルコースおよび/またはデキストロースおよび/またはフルクトースである、請求項
9~
11のいずれか1項に記載のアイスクリーム。
【請求項13】
-0.5重量%から10重量%の間の量の非加水分解パルスタンパク質、ここでパルスタンパク質がエンドウマメまたはソラマメタンパク質であり、パルスタンパク質の加水分解度は5%未満、
-0.5重量%から5重量%の量の可溶性繊維、前記可溶性繊維が、油性植物もしくはタンパク質産生植物由来のイヌリン、グルコオリゴ糖(GOS)、イソマルトオリゴ糖(IMO)、ガラクトオリゴ糖(TOS)、ピロデキストリン、ポリデキストロース、分枝状マルトデキストリン、難消化性デキストリン、および可溶性オリゴ糖類から選択される、またはそれらの組み合わせである、
-0重量%から4重量%の量のフルクトースおよび/またはグルコースおよび/またはサッカロース、
-0重量%から20重量%の量の植物油、
を含む料理用クリームであり、
前記重量%は料理用クリームの総重量に対して計算される、請求項
1~6のいずれか1項に記載の料理用クリーム。
【請求項14】
非加水分解パルスタンパク質の量が、1.0重量%から5.0重量%の間である、請求項
13に記載の料理用クリーム。
【請求項15】
0.05重量%から10重量%の量の、香料、着色剤、安定化剤、増粘剤、ゲル化剤、乳化剤、増量剤から選択される添加物を含む、請求項
13または
14に記載の料理用クリーム。
【請求項16】
-0.5重量%から10重量%の量の非加水分解パルスタンパク質、ここでパルスタンパク質がエンドウマメまたはソラマメタンパク質であり、パルスタンパク質の加水分解度が5%未満、
-0.5重量%から5重量%の量の可溶性繊維、前記可溶性繊維が、油性植物もしくはタンパク質産生植物由来のイヌリン、グルコオリゴ糖(GOS)、イソマルトオリゴ糖(IMO)、ガラクトオリゴ糖(TOS)、ピロデキストリン、ポリデキストロース、分枝状マルトデキストリン、難消化性デキストリン、および可溶性オリゴ糖類から選択される、またはそれらの組み合わせである、
-7重量%から15重量%の量の糖、
-0重量%から5重量%の量のデンプン、
-0重量%から5重量%の量の植物性脂肪、
を含むミルクデザート
代替物であって、
前記重量%はミルクデザート
代替物の総重量に対して計算される、請求項
1~6のいずれか1項に記載のミルクデザート
代替物。
【請求項17】
非加水分解パルスタンパク質の量が、1.0重量%から5.0重量%の間である、請求項
16に記載のミルクデザート
代替物。
【請求項18】
0.05重量%から5重量%の量の、香料、着色剤、安定化剤、増粘剤、ゲル化剤、乳化剤、甘味料、増量剤から選択される添加物を含む、請求項
16または
17に記載の
ミルクデザート代替物。
【請求項19】
-0.5重量%から10重量%の間に含まれる量の非加水分解パルスタンパク質、ここでパルスタンパク質がエンドウマメまたはソラマメタンパク質であり、パルスタンパク質の加水分解度が5%未満、
-0.5重量%から5重量%の量の可溶性繊維、前記可溶性繊維が、油性植物もしくはタンパク質産生植物由来のイヌリン、グルコオリゴ糖(GOS)、イソマルトオリゴ糖(IMO)、ガラクトオリゴ糖(TOS)、ピロデキストリン、ポリデキストロース、分枝状マルトデキストリン、難消化性デキストリン、および可溶性オリゴ糖類から選択される、またはそれらの組み合わせである、
-0重量%から15重量%の量の糖、
-15重量%から30重量%の量の植物油:
を含むホイップクリームであって、
前記重量%はホイップクリームの総重量に対して計算される、請求項
1~6のいずれか1項に記載のホイップクリーム。
【請求項20】
非加水分解パルスタンパク質の量が、1.0重量%から5.0重量%の間である、請求項
19に記載のホイップクリーム。
【請求項21】
0.05重量%から2重量%の量の、香料、着色剤、安定化剤、増粘剤、ゲル化剤、乳化剤、増量剤、甘味料から選択される添加物を含む、請求項
19または
20に記載のホイップクリーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品技術の分野に位置する。本発明は、より具体的には、乳または乳製品由来成分、例えば、乳タンパク質成分が無処置のパルスタンパク質に置き換えられているクリーム代替物に関する。本発明はさらに、ホイップクリーム、料理用(culinary)クリーム、アイスクリームおよびミルクデザートなどのクリーム代替製品、ならびにこれらの製造方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
クリームは牛乳の脂肪分であり、脂肪分はホモジナイズしない限り液体を放置すると表面に上がる。多くの国で、クリームは総乳脂肪含有量に応じていくつかのグレードで販売されている。クリームは乾燥させて粉末にし、遠方の市場に発送することができる。クリームは飽和脂肪のレベルが高い。クリームは、そのままでアイスクリーム、ホイップクリーム、ミルクデザートなどの多くの食品、多くのソース、スープ、シチュー、プリンおよび何らかのカスタードベースにおいて材料として使用され、またケーキの製造にも使用される。未加工生クリーム、フレレットクリーム、ダブルクリーム、ハーフクリームまたはコーヒークリーム、ホールクリーム、液体の生クリーム、液体の生ライトクリーム、液体の滅菌クリーム、またはUHTクリームなど、さまざまな種類のクリームが存在する。
【0003】
「ホイップクリーム」は空気を入れてホイップする。ホイップクリームは、一般に、液体クリーム、または脂肪分35%のフレレットクリームで作られ、UHTまたは滅菌されている。ホイップクリームには75%のクリームまたはライトクリームが含まれており、甘いのもあり(組成物の最大15%の糖)、乳酸菌発酵物、天然香料、安定化剤、または乳タンパク質が含まれている場合がある。したがって、シャンティリークリームは、少なくとも30%の脂肪を含み、少なくとも15%の砂糖まで甘くする必要がある、一種の(乳酸菌無の)「ホイップクリーム」である。ホイップクリームは、例えば、アイスクリームサンデー、ミルクセーキ、ラッシー、エッグノッグおよびスイートパイのトッピングとして使用される。
【0004】
ミルクデザートは、甘い、または風味付けされたミルクからなり、乳酸菌を含んでもよい。以下にいくつかの例を示す:フレーバーガムミルク、ホイップクリームを詰めたガムミルク、デザートクリーム、フォームなど、クレームブリュレ、フローティングアイランド、餅、セモリナケーキ、ミルク入り卵、卵のフラン、キャラメルクリーム、ライスプディング、卵クリームおよびヨーグルト。
【0005】
アイスクリームは、牛乳の成分、甘味料、安定化剤、乳化剤、香料の組み合わせの冷凍混合物である。卵製品、着色料およびでんぷん加水分解物などの他の成分も加えることができる。この混合物(ミックスと呼ぶ)は、凍結前に低温殺菌及びホモジナイズされる。検討に値するいくつかの特性は、コスト、取り扱い特性(ミックスの粘度、凝固点およびミックスのオーバーランなど)、香料、ボディとテクスチャー、食品の価値、色、および完成品の一般的な嗜好性である。
【0006】
牛乳は、最も一般的な食物アレルゲンのひとつである。牛乳にアレルギーがある人は、羊や山羊など、他の動物の牛乳にもアレルギーがある可能性がある。牛乳または乳タンパク質を摂取してから短期間内に、下記症状を経験するかもしれない:じんましん、胃の不調、嘔吐、血便、特に乳児、および極端な場合にはまれに、呼吸を損ない身体にショックを与えうる生命を脅かす可能性のある反応であるアナフィラキシー。
【0007】
アーモンドベース、ココナッツベース、米ベース、オーツ麦ベース、大豆ベースの製品のように、いくつかの牛乳の代替品はすでに存在するが、これらの代替品のいくつかは一般的なアレルゲンとしてリストされているか、それらの栄養価は必ずしも満足のいくものではない。
【0008】
すでに市場に出ている乳製品および代替乳製品の消費に関連する健康、経済、環境および栄養レベルでのすべての不利な点を考慮すると、乳製品ベースの代わりの好ましいクリームの代替物を見つける必要がある。
【発明の概要】
【0009】
料理用クリーム、ホイップクリーム、アイスクリーム、およびミルクデザート代替物として使用可能なクリーム代替物中の乳タンパク質を意外にもかつ有利にパルスタンパク質、好ましくはエンドウマメタンパク質に置き換えることができ、同時に官能的特性を維持し、特に、クリームの主要タンパク質として乳タンパク質または他の植物性非パルスタンパク質で作られたものと少なくとも同等またはそれ以上の味覚、嗅覚、視覚、および触覚特性を得ることを見出したことが、出願人のメリットである。パルスタンパク質の特定の利点は、それらがアレルギー性ではなく、乳タンパク質や他の植物性タンパク質と比較して低コストである点である。
【0010】
本発明の主な実施形態によれば、主要タンパク質成分としてパルスタンパク質を含むクリーム代替物が記載される。
【0011】
特に、本発明は、以下に番号が付けられた特定の態様のひとつ以上の任意のひとつまたは任意の組み合わせによってさらに表現される。
【0012】
1.非加水分解パルスタンパク質を含むクリーム代替物であって、非加水分解パルスタンパク質をクリーム代替物の総重量に対して0.5重量%から10重量%の間、好ましくは1重量%から8重量%の間、例えば1重量%から5重量%の間、より好ましくは1.2重量%から4.5重量%の間の量で含み、パルスタンパク質の加水分解度が5%未満、好ましくは4%未満、より好ましくは3%未満であり、前記クリーム代替物はクリーム代替物の総重量に対して、1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満の乳製品由来成分を含む、クリーム代替物。
【0013】
2.レンズマメ、ビーン(bean)、例えばソラマメ、エンドウマメ、ヒヨコマメおよびそれらの組み合わせを含む群から選択されるパルス由来のパルスタンパク質を含む、態様1に記載のクリーム代替物。
【0014】
3.さらに可溶性繊維をクリーム代替物の総重量に対して0.5重量%から5重量%の間、好ましく2重量%から4重量%の間の量で含み、前記可溶性繊維が、油性植物もしくはタンパク質産生植物由来の、イヌリン、グルコオリゴ糖(GOS)、イソマルトオリゴ糖(IMO)、ガラクトオリゴ糖(TOS)、ピロデキストリン、ポリデキストロース、分枝状マルトデキストリン、難消化性デキストリンおよび可溶性オリゴ糖類、またはそれらの組み合わせから選択される、態様1または2に記載のクリーム代替物。
【0015】
4.パルスタンパク質がクリーム代替物中に存在する主要タンパク質であり、前記クリーム代替物はカゼイネート、カゼイン、ホエー、大豆、オーツ麦、ココナッツ、米、グルテン、ナッツ、小麦およびアーモンドから選択される他のタンパク質を含んでもよく、非パルスタンパク質の総量は、パルスタンパク質の量よりも低い、態様1~3のいずれかに記載のクリーム代替物。
【0016】
5.パルスタンパク質が唯一の植物性タンパク質源であり、好ましくは、パルスタンパク質は唯一のタンパク質源である、態様1~3のいずれかひとつに記載のクリーム代替物。
【0017】
6.パルスタンパク質が、エンドウマメタンパク質であり、より好ましくはエンドウマメタンパク質単離物である、態様1~5のいずれかひとつに記載のクリーム代替物。
【0018】
7.パルスタンパク質が、ソラマメタンパク質であり、より好ましくはソラマメタンパク質単離物である、態様1~5のいずれかひとつに記載のクリーム代替物。
【0019】
8.クリーム代替物が、アイスクリーム、ホイップクリーム、料理用(culinary)クリーム、もしくはミルクデザート製品、好ましくは乳酸菌なしで作られるミルクデザート製品から選択される、態様1~7のいずれかひとつに記載のクリーム代替物。
【0020】
9.-0.5重量%から10重量%の間、好ましくは1重量%から8重量%の間、例えば1重量%から5重量%の間、より好ましくは1.2重量%から4.5重量%の間に含まれる量の非加水分解パルスタンパク質、ここでパルスタンパク質の加水分解度は5%未満、好ましく4%未満、より好ましくは3%未満である、
-0.5重量%から5重量%の間に含まれる量の可溶性繊維、および
-さらにカゼイネート、カゼイン、ホエー、大豆、オーツ麦、ココナッツ、米、グルテン、ナッツ、小麦およびアーモンドから選択される少なくともひとつのタンパク質、ここで、パルスタンパク質以外のタンパク質の総量はパルスタンパク質よりも低い:
を含むクリーム代替物であって、
前記クリーム代替物は、1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満の乳製品由来成分を含み、前記重量%はクリーム代替物の総重量に対して計算される、クリーム代替物。
【0021】
10.-0.5重量%から10重量%の間、好ましくは1重量%から8重量%の間、例えば1重量%から5重量%の間、より好ましくは1.2重量%から4.5重量%の間に含まれる量の非加水分解パルスタンパク質、ここでパルスタンパク質の加水分解度は5%未満、好ましく4%未満、より好ましくは3%未満、
-0.5重量%から5重量%の間、好ましくは2重量%から4重量%の間に含まれる量の可溶性繊維、
-0重量%から20重量%の量の糖、
-0重量%から20重量%の量のグルコースおよび/またはデキストロースおよび/またはフルクトース、
-1.5重量%から5重量%の量の植物性脂肪、および任意で
-0.05重量%から10重量%の量の香料、着色剤、安定化剤、増粘剤、ゲル化剤、乳化剤、増量剤から選択される添加物:
を含むアイスクリームであり、前記重量%は、アイスクリームの総重量に対して計算される、態様8に記載のアイスクリーム。
【0022】
11.非加水分解パルスタンパク質の量が、1.0重量%から5.0重量%の間、例えば0.8重量%から4.5重量%の間である、態様10に記載のアイスクリーム。
【0023】
12.-0.5重量%から10重量%の間、好ましくは1重量%から8重量%の間、例えば1重量%から5重量%の間、より好ましくは1.2重量%から4.5重量%の間に含まれる量の非加水分解パルスタンパク質、ここでパルスタンパク質の加水分解度は5%未満、好ましく4%未満、より好ましくは3%未満、
-0重量%から4重量%の量のフルクトースおよび/またはグルコースおよび/またはサッカロース、
-0重量%から20重量%の量の植物油、および任意で
-0.05重量%から10重量%の量の、香料、着色剤、安定化剤、増粘剤、ゲル化剤、乳化剤、増量剤から選択される添加物:
を含む料理用クリームであり、
前記重量%は料理用クリームの総重量に対して計算される、態様8に記載の料理用クリーム。
【0024】
13.非加水分解パルスタンパク質の量が、1.0重量%から5.0重量%の間、例えば0.84重量%から4.5重量%の間である、態様12に記載の料理用クリーム。
【0025】
14.-0.5重量%から10重量%の間、好ましくは1重量%から8重量%の間、例えば1重量%から5重量%の間、より好ましくは1.2重量%から4.5重量%の間に含まれる量の非加水分解パルスタンパク質、ここでパルスタンパク質の加水分解度は5%未満、好ましく4%未満、より好ましくは3%未満、
-7重量%から15重量%の量の糖、
-0重量%から5重量%の量のデンプン、
-0重量%から5重量%の量の植物性脂肪、及び任意で
-0.05重量%から5重量%の量の、香料、着色剤、安定化剤、増粘剤、ゲル化剤、乳化剤、甘味料、増量剤から選択される添加物、
を含むミルクデザート製品であって、
前記重量%はミルクデザートの総重量に対して計算される、態様8に記載のミルクデザート製品。
【0026】
15.非加水分解パルスタンパク質の量が、1.0重量%から10.0重量%の間、例えば3.28重量%から9重量%の間、または1.0重量%から5.0重量%の間である、態様14に記載のミルクデザート製品。
【0027】
16.-0.5重量%から10重量%の間、好ましくは1重量%から8重量%の間、例えば1重量%から5重量%の間、より好ましくは1.2重量%から4.5重量%の間に含まれる量の非加水分解パルスタンパク質、ここでパルスタンパク質の加水分解度は5%未満、好ましく4%未満、より好ましくは3%未満、
-0重量%から15重量%の量の糖、
-15重量%から30重量%の量の植物油、および任意で
-0.05重量%から2重量%の量の香料、着色剤、安定化剤、増粘剤、ゲル化剤、乳化剤、増量剤、甘味料から選択される添加物:
を含むホイップクリームであって、
前記重量%はホイップクリームの総重量に対して計算される、態様8に記載のホイップクリーム。
【0028】
17.非加水分解パルスタンパク質の量が、1.0重量%から5.0重量%の間、例えば0.84重量%から2.7重量%の間である、態様16に記載のホイップクリーム。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、Pisane(商標)C9を1%、2%、2.5%、3%、4%および5%含む、または含まない液体クリームの粘度を示す。
【
図2】
図2は、Pisane(商標)C9を1%、2%、2.5%、3%、4%および5%含む、または含まない液体クリームの安定性を示す。
【
図4】
図4は、Pisane(商標)C9を1%、2%、2.5%、3%、4%および5%含む、または含まないホイップ液体クリームのオーバーランを示す。
【
図5】
図5は、Pisane(商標)C9を1%、2%、2.5%、3%、4%および5%含む、または含まないホイップクリームの泡の硬度を示す。
【
図6】
図6は、2.5%Pisane(商標)C9;1%、2.5%および5%のNutralys(登録商標)S85F;ならびに1%、2.5%、5%のソラマメタンパク質を含む液体クリームの粘度を示す。
【
図7】
図7は、2.5%Pisane(商標)C9;1%、2.5%および5%のNutralys(登録商標)S85F;ならびに1%、2.5%、5%のソラマメタンパク質を含む液体クリームの安定性を示す。
【
図9】
図9は、2.5%Pisane(商標)C9;1%、2.5%および5%のNutralys(登録商標)S85F;ならびに1%、2.5%および5%のソラマメタンパク質を含むホイップクリームのオーバーランを示す。
【
図10】
図10は、2.5%Pisane(商標)C9;1%、2.5%および5%のNutralys(登録商標)S85F;ならびに1%、2.5%、5%のソラマメタンパク質を含むホイップクリームの泡の硬度を示す。
【
図11】
図11は、イヌリンがある場合とない場合の液体クリームの安定性を示す。
【
図12】
図12は、イヌリンがある場合とない場合のホイップクリームのオーバーランを示す。
【
図13】
図13は、イヌリンがある場合とない場合のホイップクリームの泡の硬度を示す。
【
図14】
図14は、さまざまなPisane(商標)C9濃度での硬度を深さの関数として示す。
【
図15】
図15は、さまざまなタンパク質濃度での深さの関数としての冷凍デザートの硬度を示している。
【
図16】
図16は、さまざまなイヌリン濃度での深さの関数としてのアイスクリームの硬度を示す。
【
図17】
図17は、さまざまなイヌリン濃度でのアイスクリームの融解速度を示す。
【0030】
詳細な説明
本発明の方法を説明する前に、本発明は記載された特定の方法、成分、製品または組合せは、当然のことながら変更してもよいので、これらの方法、成分、製品及び組み合わせに限定されないことを理解すべきである。また、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書で使用される専門用語が限定的であることを意図するものでないことも理解すべきである。
【0031】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明らかに反対のことを示さない限り、単数及び複数の両方の指示対象を含む。
本明細書で使用される用語「含む(comprising)」、「含む(comprise)」及び「でなる(comprised of)」は、「含む(including)」、「含む(include)」または「含有する(containing)」、「含有する(contain)」と同義語であり、記述されていないさらなる要素または方法工程を含むか、またはオープンエンドであり、これらを排除するものではない。本明細書で使用する用語「含む(comprising)」、「含む(comprise)」及び「でなる(comprised of)」は、「からなる(consisting of)」、「なる(consist)」及び「からなる(consist of)」という用語を包含し、さらに「から実質的になる(consisting essentially of)」、「実質的になる(consist essentially)」及び「から実質的になる(consist essentially of)」という用語も包含する。
【0032】
エンドポイントによる数値範囲の記述には、それぞれの範囲に組み込まれたすべての数及び分数、さらに述べられたエンドポイントも含まれる。
【0033】
パラメータ、量、持続時間など 測定可能な値に適用される場合、本明細書で使用される「約」または「およそ」という用語は、本発明の実施に適切である限り、指定された値に対して±20%以下、好ましくは±10%以下、より好ましくは±5%以下、さらにより好ましくは±1%以下程度の変動が包含されることを意味する。修飾語句「約」または「およそ」が示す値は、それ自体も具体的かつ好ましく記載されていると理解すべきである。
【0034】
「1または複数の」または「少なくともひとつの」という用語、例えば一群の要素の1もしくは複数の要素、または少なくともひとつの要素は、更なる例証によってそれ自体が明らかであるが、この用語は、とりわけ前記要素のいずれかひとつ、または前記要素のいずれか2つ以上、例えば前記要素の3以上、4以上、5以上、6以上または7以上など、および最大前記要素全てに対する参照を包含する。
【0035】
本明細書に引用される全ての参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。特に、本明細書において具体的に言及されたすべての参考文献の教示は、参照により組み込まれる。
【0036】
他に定義されない限り、技術用語及び科学用語など本発明の開示に使用される全ての用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解される意味を有する。さらなるガイダンスとして、用語の定義は、本発明の教示をより明確に理解するために含まれる。
【0037】
本発明のさまざまな態様は、以下の項においてより詳細に定義される。このように定義された各態様は、明確に反対のことが指摘されない限り、任意の他の態様と組み合わせてもよい。特に、好ましいまたは有利であることが示される任意の特徴は、好ましいまたは有利であることが示される別のまたは他の特徴と組み合わせてもよい。
【0038】
本明細書を通して「一実施形態(one embodiment)」または「一実施形態(an embodiment)」に対する言及は、実施形態に関して説明した特定の特徴、構造または特性が本発明の少なくともひとつの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書のさまざまな箇所における「一実施形態において(in one embodiment)」または「一実施形態において(in an embodiment)」という語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すとは限らないが、その変形として前に述べたいくつかの実施形態に関連してもよい。さらに、特定の特徴、構造または特性は、1または複数の実施形態において、本開示から当業者には明らかであるように、任意の適切な様式で組み合わせてもよい。さらに、本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、他の実施形態に含まれるいくつかの特徴を含むが、他の特徴は含まず、さまざまな実施形態の特徴の組み合わせは、本発明の範囲内であり、当業者により理解されるさまざまな実施形態を形成する。例えば、添付の特許請求の範囲において、特許請求される実施形態のいずれかを任意の組み合わせで使用することができる。
【0039】
したがって、以下の詳細な説明は、限定的観念であると見なされることはなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0040】
パルスはマメ科植物の乾燥種子である。最も一般的な4つのパルスは、ビーン(Bean)、ヒヨコマメ(chickpea)、レンズマメ(lentil)およびエンドウマメ(pea)である。レンズマメは、レンズクリナリス(Lens Culinaris)として、ベルーガレンティル(Beluga Lentil)、ブラウンレンティル(Brown Lentil)、フレンチグリーンレンティル(French Green Lentil)、グリーンレンティル(Green Lentil)、レッドレンティル(Red Lentil)に代表される。ビーンは、Phaseolus vulgarisとして、アズキビーン(Adzuki Bean)、アナサジビーン(Anasazi Bean)、アパルーサビーン(Appaloosa Bean)、ベイビーリマビーン(Baby Lima Bean)、ブラックカリプソビーン(Black Calypso Bean)、ブラックタートルビーン(Black Turtle Bean)、ダークレッドキドニービーン(Dark Red Kidney Bean)、グレートノーザンビーン(Great Northern Bean)、ジェイコブズキャトルトラウトビーン(Jacob’s Cattle Trout Bean)、大ソラマメ(Large Faba bean)、ラージリマビーンズ(Large Lima Bean)、緑豆(Mung Bean)、ピンクビーン(Pink Bean)、ピントビーン(Pinto Bean)、ロマノビーン(Romano Bean)、スカーレットランナービーン(Scarlet Runner Bean)、タンオブファイア(Tongue of Fire)、ホワイトキドニービーン(White Kidney Bean)、ホワイトネイビービーンズ(White Navy Bean)に代表される。エンドウマメは、ブラックアイドピー(Black-Eyed Pea)、グリーンピース(Green Pea)、マローファットピー(Marrowfat Pea)、ピジョンピー(Pigeon Pea)、イエローピー(Yellow Pea)、イエローアイドピー(Yellow-Eyed Pea)に代表される。ヒヨコマメは、Cicer Arietinumとして、ヒヨコマメ(Chickpea)とカブリ(Kabuli)に代表される。
【0041】
好ましい実施形態では、エンドウマメタンパク質が使用される。乾燥したエンドウマメには、20~30%のリジンが豊富なタンパク質が含まれている。エンドウマメタンパク質は、アルブミンと2つのグロブリン、レグミンとビシリンで構成される主要な貯蔵タンパク質で、比較的容易に溶解して単離できる。さらに、これらのタンパク質はリジン含有量が高いことが特徴であり、植物起源の他の多くのタンパク質は不足している。エンドウマメタンパク質単離物の溶解度プロファイルは他のマメ科植物のタンパク質と同様であり、アルカリ性のpHでの高い溶解度、等電点での最小溶解度、酸性媒体中での適度な溶解度を特徴とする。それらは比較的良好な乳化活性を特徴とする。
【0042】
エンドウマメタンパク質は、エンドウマメ粉、エンドウマメタンパク質濃縮物およびエンドウマメタンパク質単離物の3つの形態で調製できる。エンドウマメ粉は、皮をむいたエンドウマメの乾式粉砕によって製造される。エンドウマメタンパク質濃縮物は、大豆タンパク質濃縮物の製造に従来から使用されている酸浸出手順で製造できるが、乾式分離法を使用する方がより経済的である。エンドウマメタンパク質単離物は、湿式処理法で製造される。
【0043】
エンドウマメなどの非油糧種子マメ科植物内のタンパク質とデンプンは、乾式粉砕とエアー分級によって効率的に分画できる。細かく粉砕すると、サイズと密度で区別された粒子の集団を含む粉ができる。そのような粉のエアー分級は、デンプン(粗い画分)からタンパク質(細かい画分)を分離する。この乾燥プロセスでは、丸ごとまたは皮を剥いたエンドウマメをピンミルで粉砕し非常に細かい粉にする。粉砕中、デンプン粒は比較的無処置のままで、タンパク質マトリックスは細かい粒子に分解される。デンプン粒への損傷を避けるために、粉砕には注意が必要である。粉は、らせん状のエアーの流れの中で、タンパク質全体の約75%を含むが全質量の25%のみの細かい画分:およびでんぷん粒の大部分を含む粗い画分に分級される。デンプンとタンパク質の画分は、質量とサイズの違いに基づいてエアー分級機で分離される。粗い画分は遠心分離により細かい画分から分離し、粗い画分ダクトに運ぶことができる。細かい画分はエアーと一緒にエアーサイクロンに運ばれる。粉砕後、一部のタンパク質本体はまだデンプン粒に付着し、一部のデンプンはタンパク質マトリックスに埋め込まれている。付着したタンパク質本体と凝集したデンプンとタンパク質のレベルは、繰り返しピンミリングとエアー分級を行うことで減らすことができる。このようなダブルパスプロセスでは、元のタンパク質含有量が約25%のエンドウマメに対して、総タンパク質画分33~35%(タンパク質含有量56%、乾燥基準、Nx6.25)の収率が得られた。
【0044】
エンドウマメからの高濃度のタンパク質画分(タンパク質単離物)とタンパク質濃縮物は、湿式処理によって調製できる。タンパク質の分離は、主にタンパク質の可溶化とその後の回収のための等電点沈殿に基づいている。
【0045】
タンパク質単離物製造のための等電点沈殿プロセスは、エンドウマメの粉砕を含み、続いてタンパク質を水、アルカリ、または酸に可溶化する;次に、遠心分離して不溶性成分を除去する。可溶化されたタンパク質は、その後等電点pHで沈殿させる。沈殿したタンパク質カードは、遠心分離またはふるい分けによって回収される。カードをそのまま乾燥させて等電点タンパク質単離物を得るか、または中和および乾燥してカチオン性タンパク質単離物を得る。
【0046】
タンパク質単離物の総タンパク質含量(N6.25で表される)は、乾燥物に基づいて、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、例えば70%から99%の間、好ましくは80%から95%の間、より好ましくは80%から90%の間である。好ましい実施において、エンドウマメタンパク質単離物が使用される。エンドウマメタンパク質単離物は市販されている。例えば、Pisane(商標)は、黄色エンドウマメから抽出された一連のエンドウマメタンパク質単離物であり、コスクラグルーペヴァルコアン(Cosucra Groupe Warcoing)(BE)から市販されている製品である。Pisane(商標)製品は、乾燥物ベース(DM)で約80~90%のエンドウマメタンパク質を含む。好ましい実施形態において、本発明で使用するためのエンドウマメタンパク質は、Cosucraから入手するPisane(商標)C9である。Pisane(商標)C9は、通常、単離物の乾燥重量に基づいてエンドウマメタンパク質を84~88%含む。単離物の乾燥物含有量が少なくとも93%とすれば、これは、一般的に認められている単離物の重量が約80から83重量%の量に近い、少なくとも78.12から少なくとも81.84重量パーセントの実際のエンドウマメタンパク質含有量に対応している。エンドウマメタンパク質単離物のもうひとつの供給源は、Roquette Freres(FR)から市販されているNutralys(登録商標)S85Fである。
【0047】
別の実施形態によれば、パルスタンパク質単離物の別の供給源、例えばソラマメタンパク質単離物に由来を使用することができる。
【0048】
本発明のひとつの好ましい実施形態によれば、クリーム代替物は、少なくともひとつの可溶性植物繊維を含む。
【0049】
好ましくは、前記植物起源の可溶性繊維は、油性植物もしくはタンパク質産生植物由来の、イヌリンなどのフルクタン、グルコオリゴ糖(GOS)、イソマルトオリゴ糖(IMO)、ガラクトオリゴ糖(TOS)、ピロデキストリン、ポリデキストロース、分岐状マルトデキストリン、難消化性デキストリンおよび可溶性オリゴ糖類からなる群から選択される。
【0050】
本明細書で使用される場合、「イヌリン」という用語は、末端グルコースを有し得るフルクトースのオリゴ糖および/または多糖の混合物を指す。イヌリンはフルクタンとして知られている繊維のクラスに属する。ひとつの実施形態において、イヌリンは、末端炭水化物単位に応じて、一般式GFnおよび/またはFmによって表すことができ、Gはグルコース単位を表し、Fはフルクトース単位を表し、nは末端グルコースに連結されたフルクトース単位の数を表す整数であり、mは炭水化物鎖において互いに結合したフルクトース単位の数を表す整数であり、好ましくはnは少なくとも2であり、mは少なくとも2である。本発明で使用するイヌリンは、末端グルコースを伴う、アルファ-D-グルコピラノシル-[ベータ-D-フルクトフラノシル](n-1)-D-フルクトフラノシドとも呼ばれるイヌリン、およびグルコースを伴わない、ベータ-D-フルクトピラノシル-[D-フルクトフラノシル](n1)-D-フルクトフラノシドとも呼ばれるイヌリンを包含する。本発明における使用のためのイヌリンはまた、分岐状イヌリンを包含し得る。本発明における使用のためのイヌリンはまた、フルクトオリゴ糖(FOS)(オリゴフルクトースとも呼ばれる)のようなイヌリンの加水分解生成物を包含し得、これは20以下のDPを有するフルクトースオリゴマーであり、それらはまた、スクロースから合成された3-5のDPを持つ末端グルコースで終わるフルクトオリゴ糖を包含しうる。好ましくは、前記フルクトオリゴ糖は、少なくとも3から最大7の数の平均DPを有する。本発明で使用するための植物起源のイヌリンの適切な糖鎖は、2~約100の範囲のDPを有することができる。イヌリンは、液体または粉末製品でありえる。
【0051】
クリーム代替物における可溶性繊維の使用は、栄養価のために、または硬さ、安定性もしくはクリーミーなテクスチャーに関してクリーム代替物の品質を改善するために、繊維源として使用してもよい。
【0052】
クリーム代替物は、液体形態または粉末形態であり得る。クリーム代替物は、アイスクリーム、ホイップクリーム、料理用クリーム、またはミルクデザート代替物、好ましくは乳酸菌なしで作られたミルクデザート代替物の形態であり得る。
【0053】
その他の成分:
クリーム代替物は、少なくともひとつのタンパク質および少なくともひとつの脂肪および/またはひとつの炭水化物を含み得る。
【0054】
脂肪成分は、液体または固体の形態をとることができ、例えば、動物性脂肪(バター、ラード、獣脂、鶏脂および魚油)、カカオバターとカカオバターの代替品、ラウリン油(ココナッツ、パーム核)、オリーブ油、パーム油、菜種(キャノーラ)油、大豆油、ヒマワリ種子油、その他の植物油またはシングルセル油;水素添加または水素添加なし;およびそれらの組み合わせなどが挙げられる。
【0055】
炭水化物成分は、液体または固体の形態であり得、例えば、トウモロコシ、タピオカ、小麦またはエンドウマメからのデンプンおよびマルトデキストリン、グルコース、フルクトース、サッカロース、単糖および二糖であり得る。
【0056】
タンパク質成分、液体または固体の形態は、パルスタンパク質に加えて、例えば、カゼイン、カゼイネート、ホエー、大豆、オーツ麦、ココナッツ、米、グルテン、ナッツ、小麦およびアーモンドでもよい。
【0057】
香料、着色剤、安定化剤、増粘剤、ゲル化剤、乳化剤、増量剤および甘味料などの添加剤成分も、クリーム代替物中にあってもよい。
【0058】
本明細書で使用される場合、「非加水分解」タンパク質は「無処置」タンパク質と同等であり、タンパク質が加水分解プロセスにかけられていないことを意味する。しかしながら、少量の加水分解タンパク質が非加水分解タンパク質の供給源に存在するか、または例えばロイシン、イソロイシン、グルタミン、アルギニン、またはジペプチドなどの追加のアミノ酸などの製剤に添加されてもよい。
【0059】
別の実施形態によれば、無処置のタンパク質は、5%以下、好ましくは4%、3%、2%、1.9%、1.8%、1.7%、1.6%、1.5%、1.4%、1.3%、1.2%、1.1%、1%以下の加水分解度(DH)しか持たない可能性がある。別の実施形態によれば、パルスタンパク質の加水分解度は2%未満である。
【0060】
本明細書で使用する場合、「乳成分を含まない」という用語は、すべての乳製品由来成分を実質的に含まない製品を包含する。好ましくは、この用語は、加工または調製中に乳製品由来成分が積極的に添加されず、したがって、製品中に微量の乳製品由来成分が単に存在する製品を含む。
【0061】
典型的には、クリーム代替物は、約1重量%未満、例えば、0.9重量%、0.8重量%、0.7重量%、0.6重量%、0.5重量%、0.4重量%、0.3重量%、0.2重量%、0.1重量%以下の乳製品由来成分を含むだろう。
【0062】
本発明の第1の態様では、クリーム代替物は、無処置(非加水分解)のパルスタンパク質をクリーム代替物の総重量に対して、0.5重量%から10重量%、または0.42重量%から9重量%の間の量、少なくとも0.5重量%、少なくとも0.6重量%、少なくとも0.7重量%、少なくとも0.8重量%、少なくとも0.9重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.1重量%、少なくとも1.2重量%、少なくとも1.3重量%、少なくとも1.4重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも1.6重量%、少なくとも1.7重量%、少なくとも1.8重量%、少なくとも1.9重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.1重量%、少なくとも2.2重量%、少なくとも2.3重量%、少なくとも2.4重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも2.6重量%、少なくとも2.7重量%、少なくとも2.8重量%、少なくとも2.9重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.1重量%、少なくとも3.2重量%、少なくとも3.3重量%、少なくとも3.4重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも3.6重量%、少なくとも3.7重量%、少なくとも3.8重量%、少なくとも3.9重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.1重量%、少なくとも4.2重量%、少なくとも4.3重量%、少なくとも4.4重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも4.6重量%、少なくとも4.7重量%、少なくとも4.8重量%、少なくとも4.9重量%、少なくとも5.0重量%、および最大10重量%、最大9.9重量%、最大9.8重量%、最大9.7重量%、最大9.6重量%、最大9.5重量%、最大9.4重量%、最大9.3重量%、最大9.2重量%、最大9.1重量%、最大9.0重量%、最大8.9重量%、最大8.8重量%、最大8.7重量%、最大8.6重量%、最大8.5重量%、最大8.4重量%、最大8.3重量%、最大8.2重量%、最大8.1重量%、最大8.0重量%、最大7.9重量%、最大7.8重量%、最大7.7重量%、最大7.6重量%、最大7.5重量%、最大7.4重量%、最大7.3重量%、最大7.2重量%、最大7.1重量%、最大7.0重量%、最大6.9重量%、最大6.8重量%、最大6.7重量%、最大6.6重量%、最大6.5重量%、最大6.4重量%、最大6.3重量%、最大6.2重量%、最大6.1重量%、最大6.0重量%、好ましくは0.5重量%から7.5重量%、好ましくは0.84重量%から2.7重量%、好ましくは0.84重量%から4.5重量%、または0.7重量%から5.0重量%、またはより好ましくは2.1重量%から2.7重量%、0.84重量%から2.7重量%、もしくはより好ましくは3.28重量%から9重量%の間に含まれる量で含む。
【0063】
ひとつの実施形態において、クリーム代替物中の可溶性繊維の量は、0.5重量%から5.0重量%、好ましくは1.0重量%から4重量%の間、好ましく最大2.0重量%、最大3.0重量%、最大4.0重量%、最大5.0重量%および少なくとも0.5重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%で含まれる。
【0064】
ひとつの実施形態において、クリーム代替物のpHは、6から8、より好ましくは6.5から7.5の間に含まれる。
【0065】
好ましい実施形態において、クリーム代替物はアイスクリームである。アイスクリームの粘度は、100cpsから1000cps、好ましくは200cpsから800cps、より好ましくは300cpsから600cpsの間に含まれる。アイスクリームの粘度は、少なくとも100cps、少なくとも200cps、少なくとも300cps、少なくとも400cps、少なくとも500cps、少なくとも600cpsおよび最大1000cps、最大900cps、最大800cps、最大700cpsである。
【0066】
アイスクリームが完全に溶ける時間は、150分から360分、好ましくは170分から320分、より好ましくは200分から300分の間に含まれる。アイスクリームの完全に溶ける時間は、少なくとも150分、少なくとも160分、少なくとも170分、少なくとも180分、少なくとも190分、少なくとも200分、少なくとも210分、少なくとも220分、少なくとも230分、少なくとも240分、少なくとも250分、少なくとも260分、少なくとも270分、また最大で360分、最大で350分、最大で340分、最大で330分、最大で320分、最大で310分、最大で300分、最大で290分、最大で280分である。
【0067】
アイスクリームの硬度(15mmの深さで測定)は、200gから1000g、好ましくは300gから800g、より好ましくは400gから700gの間に含まれる。硬度(15mmの深さで測定)は、少なくとも200g、少なくとも250g、少なくとも300g、少なくとも400g、少なくとも450g、少なくとも500g、少なくとも550g、少なくとも600g、少なくとも650g、また最大で1000g、最大950g、最大900g、最大850g、最大800g、最大750g、最大700gである。
【0068】
好ましい実施形態において、クリーム代替物は、料理用クリームである。料理用クリームの粘度は、50cpsから1000cps、好ましくは150cpsから800cps、より好ましくは300cpsから600cpsの間に含まれる。料理用クリームの粘度は、少なくとも50cps、少なくとも100cps、少なくとも150cps、少なくとも200cps、少なくとも250cps、少なくとも300cps、少なくとも350cps、少なくとも400cps、少なくとも450cps、少なくとも500cps、少なくとも550cps、また最大1000cps、最大950cps、最大900cps、最大850cps、最大800cps、最大750cps、最大700cps、最大650cps、最大600cpsである。
【0069】
脂肪相の安定性は、少なくとも75%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは100%である。沈殿物は最大で5%、最大で3%、0%である。
【0070】
好ましい実施形態において、クリーム代替物は、ミルクデザート代替物である。ひとつの実施形態では、ミルクデザート代替物は、砂糖なしで、より好ましくは甘味料の存在下で作られる。
【0071】
ミルクデザート代替物の硬度は、25gから100g、好ましく35gから80g、より好ましくは40gから75gの間に含まれる。ミルクデザート代替物の硬度は、少なくとも25g、少なくとも30g、少なくとも35g、少なくとも40g、少なくとも45g、少なくとも50g、少なくとも55gおよび最大100g、最大95g、最大90g、最大85g、最大80g、最大75g、最大70g、最大65g、最大60gである。
【0072】
ミルクデザート代替物の弾性は、25%から60%、好ましくは30から55%、より好ましくは40%から50%の間に含まれる。
【0073】
好ましい実施形態では、クリーム代替物はホイップクリームである。ホイップクリームは、150%から250%、好ましくは175%から225%、より好ましくは185%および215%の間に含まれるオーバーランを有する。ホイップクリームの硬度は、25gから100g、好ましくは35gから85g、より好ましくは45gから75gの間に含まれる。ホイップクリームは、少なくとも25g、少なくとも30g、少なくとも35g、少なくとも40g、少なくとも45g、少なくとも50g、少なくとも55gおよび最大100g、最大95g、最大90g、最大85g、最大80g、最大75g、最大70g、最大65g、最大60gである。ホイップクリームの粘度は、50cpsから1000cps、好ましくは150cpsから800cps、より好ましくは300から600cpsの間に含まれる。ホイップクリームの粘度は、少なくとも50cps、少なくとも100cps、少なくとも150cps、少なくとも200cps、少なくとも250cps、少なくとも300cps、少なくとも350cps、少なくとも400cps、少なくとも450cps、少なくとも500cps、少なくとも550cpsおよび最大1000cps、最大950cps、最大900cps、最大850cps、最大800cps、最大750cps、最大700cps、最大650cps、最大600cpsである。
【0074】
本明細書は、特に、下記に提示する本明細書の後の実施形態もしくは実施形態の組み合わせを番号付き記述としてさらに表現する。
【0075】
1.無処置のパルスタンパク質をクリーム代替物の総重量に対して、0.5重量%から10重量%、より好ましくは0.5重量%から7.5重量%、さらにより好ましくは0.5重量%から5重量%の間に含まれる量で含むクリーム代替物。
【0076】
2.パルスタンパク質がクリーム代替物中に存在する主要タンパク質であり、前記クリーム代替物はカゼイネート、カゼイン、ホエー、大豆、オーツ麦、ココナッツ、米、グルテン、ナッツ、小麦およびアーモンドから選択されるタンパク質を含み得るが、パルスタンパク質よりも少ない量であり、またパルスタンパク質がクリーム代替物中に存在する主要タンパク質であり、他のタンパク質はカゼイネート、カゼイン、ホエー、大豆、オーツ麦、ココナッツ、米、グルテン、ナッツ、小麦およびアーモンドから選択される、記述1に記載のクリーム代替物。
【0077】
3.前記パルスタンパク質が加水分解プロセスに供されていない、記述1または2に記載のクリーム代替物。
【0078】
4.前記パルスタンパク質が5%以下、好ましくは4%以下、好ましくは3%以下の加水分解度を有する、記述1~3のいずれかひとつに記載のクリーム代替物。
【0079】
5.クリーム代替物が、レンズマメ、ビーン(Bean)、エンドウマメおよびヒヨコマメおよびそれらの組み合わせから選択されるパルスを含む、記述1~4のいずれかひとつに記載のクリーム代替物。
【0080】
6.クリーム代替物が、油性植物もしくはタンパク質産生植物由来の、イヌリン、グルコオリゴ糖(GOS)、イソマルトオリゴ糖(IMO)、ガラクトオリゴ糖(TOS)、ピロデキストリン、ポリデキストロース、分枝状マルトデキストリン、難消化性デキストリンおよび可溶性オリゴ糖類から選択される可溶性線維を含み、好ましくは可溶性繊維が、イヌリン、FOSから選択され、より好ましくは繊維の好ましい供給源がチコリ根由来である、記述1~5のいずれかひとつに記載のクリーム代替物。
【0081】
7.唯一の植物性タンパク質源としてパルスタンパク質を含み、好ましくはパルスタンパク質が唯一のタンパク質源である、記述1~6のいずれかひとつに記載のクリーム代替物。
【0082】
8.クリーム代替物は乳成分を含まない、すなわち、乳製品由来成分を実質的に含まず、好ましくは乳製品由来成分がクリーム代替物に添加されず、1重量%未満、例えば0.9重量%未満、0.8重量%、0.7重量%、0.6重量%、0.5重量%、0.4重量%、0.3重量%、0.2重量%、0.1重量%以下の乳製品由来成分が、クリーム代替物中に存在する、記述1~7のいずれかにひとつに記載のクリーム代替物。
【0083】
9.好ましいパルスタンパク質がエンドウマメタンパク質、より好ましくはエンドウマメタンパク質単離物である、記述1~8のいずれかひとつに記載のクリーム代替物。
【0084】
10.アイスクリーム、ホイップクリーム、料理用クリーム、またはミルクデザートの代替物、好ましくは、乳酸発酵なしで作られるミルクデザート代替品を製造するための、記述1から9のいずれかひとつに記載のクリーム代替物の使用。
【0085】
11.クリーム代替物の総重量に対して、0.5重量%から10重量%、より好ましくは0.6重量%から7.5重量%、さらにより好ましくは0.7重量%から5.0重量%の間に含まれる量の無処置パルスタンパク質(パルスタンパク質は、クリーム代替物中に存在する主要タンパク質)、カゼイネート、カゼイン、ホエー、大豆、オーツ麦、ココナッツ、米、グルテン、ナッツ、小麦およびアーモンドから選択される他のタンパク質;ならびに好ましくは0.5重量%および5.0重量%の間に含まれるの量の可溶性繊維、を含む、クリーム代替物、より具体的にはアイスクリーム。
【0086】
12.アイスクリームを製造するために使用される、記述1~9および11のいずれかひとつに記載のクリーム代替物。
【0087】
13.記述1~9のいずれかひとつに記載のクリーム代替物及び以下を含むアイスクリーム:
-0.5重量%から5重量%の間に含まれる量の可溶性繊維、
-0重量%から20重量%の量の糖、
-0重量%から20重量%の量のグルコースおよび/またはデキストロースおよび/またはフルクトース、
-1.5重量%から5重量%の量の植物性脂肪、および任意で
-0.05重量%から10重量%の量の香料、着色剤、安定化剤、増粘剤、ゲル化剤、乳化剤、増量剤から選択される添加物。
【0088】
14.粘度が100cpsから1000cpsの間;完全に溶ける時間が150分から360分の間;および/または硬度(15mmの深さで測定)が200gから1000gの間である。記述13に記載のアイスクリーム。
【0089】
15.料理用クリームを作るために使用される、記述1~9のいずれかひとつに記載のクリーム代替物。
【0090】
16.記述1から9のいずれかひとつに記載のクリーム代替物および以下を含む、料理用クリーム:
-0重量%から4重量%の量のフルクトースおよび/またはグルコースおよび/またはサッカロース、
-0重量%から20重量%の量の植物油、および任意で
-0.05重量%から10重量%の量の香料、着色剤、安定化剤、増粘剤、ゲル化剤、乳化剤、増量剤から選択される添加物。
【0091】
17.50cpsおよび1000cpsの間の粘度、75%を超える脂肪相;および/または5%未満の沈殿物相を有する、請求項16に記載の料理用クリーム。
【0092】
18.ミルクデザート代替物を作るために使用される、請求項1~9のいずれかに記載のクリーム代替物。
【0093】
19.記述1~9のいずれかひとつに記載のクリーム代替物、およびさらに以下を含む、ミルクデザート代替物:
-7重量%から15重量%の量の糖、
-0重量%から5重量%の量のデンプン、
-0重量%から5重量%の量の植物性脂肪、及び任意で
-0.05重量%から5重量%の量の香料、着色剤、安定化剤、増粘剤、ゲル化剤、乳化剤、甘味料、増量剤から選択される添加物。
【0094】
20.硬度が25gから100gの間;および/または25%から60%の間の弾性を有する、記述19に記載のミルクデザート代替物。
【0095】
21.ホイップクリームを作るために使用される、記述1~9のいずれかひとつに記載のクリーム代替物。
【0096】
22.記述1~9のいずれかひとつに記載のクリーム代替物、さらに以下を含むホイップクリーム:
-0重量%から15重量%の量の糖、
-15重量%から30重量%の量の植物油、および任意で
-0.05重量%から2重量%の量の香料、着色剤、安定化剤、増粘剤、ゲル化剤、乳化剤、増量剤、甘味料から選択される添加物。
【0097】
23.オーバーランが150%から250%の間;最高のオーバーランでの硬度が25gから100gの間;および/またはホイップされる前の粘度が50cpsから1000cpsの間に含まれる、記述22に記載のホイップクリーム。
【0098】
24.クリーム代替物中の乳タンパク質を置き換えるためのパルスタンパク質の使用。
【0099】
25.実質的にすべての乳タンパク質がパルスタンパク質に置き換えられている、記述24に記載の使用。
【実施例】
【0100】
下記実施例で使用されるプロトコル(特に指定されていない限り)
粘度
粘度は、粘度に応じてスピンドル1、2または3の速度50で、粘度計Brookfield RVTで測定した。
【0101】
粘度は、プローブを浸すのに十分な量の液体を入れた500mlのビーカーで測定する。粘度はセンチポアズ、cpsで表される。
【0102】
乳成分を含まない冷凍デザートの場合、粘度は冷蔵庫で一晩溶かした後、溶かした製品をスプーンでホモジナイズした後に測定する。
【0103】
液体または泡の安定性
30mlの遠心円柱チューブに25mlの料理用クリームを入れ、1800Gで10分間遠心分離する。
【0104】
安定性は、沈殿物の重量のパーセントまたは異なる相の高さのパーセントのいずれかによって評価される。定規で測定された個別の相は、パーセンテージで示される。
【0105】
味
味は訓練されたパネルの官能分析によって評価される。
【0106】
pH測定
クリーム代替物品のpHは、Knick Portavo装置を使用してMettler Toledo InLab Solids Pro-ISMプローブを用いて、室温で30mlのビーカー内で測定する。
【0107】
硬度
硬度は、テクスチャーアナライザーのロイドモデルTA1で測定する。
・ホイップクリームの硬度は、これらのパラメータで測定した:
-プローブ:35mmのグリッド、
-保持時間15mm(速度:3mm/秒)、30秒保持、ゼロ(2mm/秒)に戻る圧縮試験。
硬度はg単位の最大力である(15mmの圧縮後)。
・冷凍アイスクリームの硬度は、1、2、5、10および15秒後にこれらのパラメータを使用して測定した:
-5mmのプローブピックによる圧縮試験、
-1mm/秒の速度。
硬度はg単位の最大力である(深さ1、2、5、10および15mm後)。
・ミルクデザート代替物の硬度は、これらのパラメータを使用して測定した:
-25mmのプローブシリンダーによる圧縮試験、
-0.5mm/秒の速度
-15mm後に停止。
測定には40ml(直径28mm、高さ70mm)のボトルを使用する。
硬度は、保持時間8及び30秒の間の平均力(g)である。
【0108】
色
色は、ChromaMeter MINOLTA CR-5、ペトリ皿モードで決定する。1は、参考とサンプルを有意に区別するための理論上の限界である。
ΔE*abは、L*a*b*色空間(L:明度、a:緑と赤の間の色範囲、b:黄と青の間の色範囲)の3つの点に従って2つのオブジェクト間の色差を表す。クロマメーターは、L、a、およびbの値を提供し、特定の式を使用して、ΔE*abが得られる。
【0109】
弾性
弾性は、テクスチャーアナライザーのロイドモデルTA1で測定した。
ミルクデザートの弾力は以下のように測定した:
-45℃のプローブコーンによる圧縮試験、
-30秒の保持時間、
-速度:1mm/秒(20mm)。
弾性は次のように計算される:(最大力/保持時間後の力)*100(%)。
【0110】
完全融解時間の決定
融解試験:
冷凍アイスクリーム(500ml)を室温でグリッド上に置く。次に、溶けているアイスクリームを融解が完了するまで、10分ごとに重量を測定する。
【0111】
融解の外観上の進展を評価する。完全融解時間を記録する。
【0112】
オーバーラン
オーバーランは、同じ体積の、泡立つ前のクリームの重量と泡立った後のクリームの重量の比率であり、パーセントで表される。
【0113】
ホイップクリームのオーバーランは次のように測定される:200mlのスナップキャップは風袋(P1はW1とも略称する)、次にクリームで完全に満たし、重量を記録する(P2はW2とも略称する)。次に、500mlのクリームをケンウッドフードプロセッサーのボウルに入れ、所望のテクスチャーが得られるまで泡立てる(オーバーランの測定は、泡立ての1、2、3、4、および5分後)。次に、スナップキャップにホイップクリームを完全に充填し、重量を記録する(P3はW3とも略称する)。
オーバーラン=(100*泡立て前の重量/泡立て後の重量)-100(%で表示)
オーバーラン=(100*(W2-W1)/(W3-W1))-100(%で表示)
【0114】
実施例1:クリーム代替物のいくつかの実施例
1.1.ホイップクリーム、製品A
成分を表1に示す。
【0115】
調製:
水をイノックスビーカーで計量する。すべての乾燥成分をブレンドし、標準的なヘリックスを使って水中に分散させる。次に油を加えて混ぜる。混合物を混合しながら60℃で加熱し、その後、速度4で1分間ウルトラタラックスを用いてホモジナイズする。次に、混合物を混合しながら90℃で加熱する。最後に、混合物を混合しながら20℃で冷却し、冷蔵庫で一晩保存する。
【0116】
【0117】
結果
結果を表2に示す。製品Aを、牛乳を含まない大豆で作られた市販品と比較した。
【0118】
【0119】
1.2.料理用クリーム、製品B
成分を表3に示す。
【0120】
調製:
すべての乾燥成分をブレンドし、水に分散させる。油を混合しながら加える。クエン酸溶液でpHを7.0に調整した。混合物をヒートプレート熱交換器で滅菌し、70~75℃で50/150バールでホモジナイズする。滅菌は140℃で5秒間行われる。最後に、混合物を20~25℃に冷却し、無菌状態でボトルに充填する。
【0121】
【0122】
結果
【0123】
【0124】
1.3.冷凍デザート、製品C
成分を表5に示す。
【0125】
調製:
すべての乾燥成分を一緒に混合してから、グルコースシロップと溶かした脂肪とともに45~50℃の水に加える。混合物を60℃、180バールでホモジナイズする。次に、混合物をヒートプレート熱交換器で85℃で30秒間低温殺菌する。次に、調製物を18時間混合しながら5℃で冷却する。最後に、混合物を連続冷凍庫で冷凍し-20℃で保存するために充填する。
【0126】
【0127】
結果
結果を表6に示す。
【0128】
【0129】
この製品を使用して、オーバーランと凍結の前に粘度を測定した。180分後にアイスクリームは融解し、融解物(すなわち溶けた生成物)は完全に液体で均質であった。
【0130】
1.4.デザートクリーム、製品D
すべての成分を表7に示す。
【0131】
調製:
エンドウマメタンパク質単離物は、アンチランプヘリックスで水に分散される。油を混合しながら加え、混合物を速度4で2分間ウルトラタラックス(Ultraturax)でホモジナイズする。混合物の脱気は、ステファンで行う(3000rpmで溶液を真空にする)。次に、ヘキサメタリン酸ナトリウムを加え、クエン酸溶液で混合物のpHを6.70に調整する。750rmで混合しながら、残りのすべての乾燥成分をブレンドし、混合物に分散させる。次に、混合物を80℃で加熱し、混合しながら80℃で10分間保持する。最後に、混合物を混合しながら25℃に冷却し、4℃で保存するためにポットに充填する。
【0132】
【0133】
結果
結果を表8に示す。製品Dを、牛乳を含まない大豆で作った市販品と比較した。
【0134】
【0135】
1.5.ヨーグルト、製品E
すべての成分を表9に示す。
【0136】
調製:
プロセスは3つの部分に分かれている:
-パート1:エンドウマメタンパク質単離物とカルシウムを水に分散させる。次に脂肪を加え、乳酸でpHを7.0に調整する。混合物を50/150バール、70~75℃でホモジナイズし、90℃で数秒間加熱する。最後に、混合物を冷却し、必要に応じて4℃で保存する。
-パート2:残りの成分(砂糖、ペクチン、塩)を分散させ、60℃に加熱する。次に、混合物をホモジナイズし、90℃で数秒間加熱する。最後に、混合物を45℃に冷却する。
-パート3:培養液(再活性化)を溶液に添加し、pH4.6に達するまで45℃でインキュベートする。次にヨーグルトを冷やし、香料と果物の調製品を加え、混合物をホモジナイズする。ポットに充填し、4℃で保存する。
【0137】
【0138】
結果:
ヨーグルトの硬度は55.30gである。
【0139】
実施例2:乳成分を含まないホイップクリーム
2.1.2.5%エンドウマメタンパク質単離物を含む参考クリーム
すべての成分を表10に示す。
【0140】
調製:
脂肪を50℃で溶かし、すべての乾燥成分で配合物を作る。水を50℃に加熱し、配合物を水中に分散させ(1200rpm)、90℃に加熱し(800rpm)、80℃に冷却する。ホモジナイズは150バール(50/100)で行い、その後10℃に冷却する。
【0141】
【0142】
プロトコル:
プロトコルは前述のとおりである。
【0143】
2.2.エンドウマメタンパク質Pisane(商標)C9をさまざまな濃度で含む液体クリーム
すべての成分を表11に示す(g)。
【0144】
【0145】
2.2.1.結果
液体クリームの分析
-一般的性質
【0146】
【0147】
-粘度
Pisane(商標)C9を1%、2%、2.5%、3%、4%および5%含む、または含まない液体クリームの粘度を
図1に示す。
【0148】
-安定性
Pisane(商標)C9を1%、2%、2.5%、3%、4%および5%含む、または含まない液体クリームの安定性を
図2に示す。破線は安定性の許容範囲の限界である。2%から4%の間の濃度のPisane(商標)C9は、クリームの安定性を向上させる。
【0149】
遠心分離後の外観上の特徴を
図3に示す。タンパク質がない場合、液体クリームの遠心分離後に水が遊離される。Pisane(商標)C9を添加すると、水は遊離されないが、少量の上部相が遊離される。安定性はPisane(商標)C9の濃度とともに増加する。
【0150】
ホイップクリームの分析
-オーバーラン
Pisane(商標)C9を1%、2%、2.5%、3%、4%および5%含む、または含まないホイップ液体クリームのオーバーランを
図4に示す。Pisane(商標)C9なしの試行が最大のオーバーランを有する(400%超え)。Pisane(商標)C9を伴う試行では、最大オーバーランは270%から229%の間である。最大オーバーランは、タンパク質の濃度とともにわずかに減少する。1から2%のPisane(商標)C9での試行では5分後に最大オーバーランに達するが、より高い濃度では2分後に最大値に達している。
【0151】
-泡の硬度
Pisane(商標)C9を1%、2%、2.5%、3%、4%および5%含む、または含まないホイップクリームの泡の硬度を
図5に示す。
【0152】
-味
【0153】
【0154】
結論
Pisane(商標)C9の最適濃度は、2.5重量%から3重量%の間である(すなわち、2.1重量%から2.7重量%の間の無処置のエンドウマメタンパク質に相当する)。Pisane(商標)C9の存在は、次の点で有利である:
-液体クリームの良好な乳化
-ホイップクリームの良好なテクスチャー(緻密で滑らか)
-液体クリームの良好な安定性
【0155】
2.3.異なる由来のパルスタンパク質の比較
すべての成分を表14に示す(g)。
【0156】
【0157】
使用した各パルスタンパク質のタンパク質含有量(乾燥ベース)を以下に示す:
【0158】
【0159】
2.3.1.結果
液体クリームの分析
-一般的性質
【0160】
【0161】
-粘度
2.5%Pisane(商標)C9;1%、2.5%および5%のNutralys(登録商標)S85F;ならびに1%、2.5%、5%のソラマメタンパク質を含む液体クリームの粘度を
図6に示す。液体クリームの粘度は、1%および2.5%のNutralys(登録商標)S85Fまたはソラマメタンパク質で許容される。到達した値は、Pisane(商標)C9を同じ濃度で使用したクリームの粘度に近い値である。Nutralys(登録商標)S85Fおよびソラマメタンパク質の粘度は5%で大幅に増加する。
【0162】
-安定性
2.5%Pisane(商標)C9;1%、2.5%および5%のNutralys(登録商標)S85F;ならびに1%、2.5%、5%のソラマメタンパク質を含む液体クリームの安定性を
図7に示す。破線は安定性の許容範囲の限界である。
【0163】
【0164】
ホイップクリームの分析
-オーバーラン
2.5%Pisane(商標)C9;1%、2.5%および5%のNutralys(登録商標)S85F;ならびに1%、2.5%および5%のソラマメタンパク質を含むホイップクリームのオーバーランを
図9に示す。
【0165】
-泡の硬度
2.5%Pisane(商標)C9;1%、2.5%および5%のNutralys(登録商標)S85F;ならびに1%、2.5%、5%のソラマメタンパク質を含むホイップクリームの泡の硬度を
図10に示す。
【0166】
-味
【0167】
【0168】
2.3.2.結論
本願では、Pisane(商標)C9、Nutralys(登録商標)S85Fおよびソラマメタンパク質を使用しうる。推奨投与量はすべてのタンパク質で同じ、つまり約2.5重量%である(Pisane(商標)C9の場合は約2.1重量%から2.25重量%の間の無処置エンドウマメタンパク質に相当、Nutralys(登録商標)S85Fの場合は最小2.1重量%のエンドウマメタンパク質に相当;ソラマメタンパク質単離物の場合は2.1重量%以上のエンドウマメタンパク質に相当)。その濃度では、オーバーランプロファイルと最適な安定性はすべてのタンパク質で同じである。また、味とテクスチャーにとって、約2.5重量%の濃度が、泡の密度、植物味およびテクスチャーの間のすべてのタンパク質の最良の妥協点である。
【0169】
2.4.別の乾物源としてイヌリン(可溶性繊維)を添加して、マルトデキストリンを置き換える
この実験では、マルトデキストリン(水溶性繊維ではなく消化性炭水化物)をイヌリン(植物繊維、例えばFibrulin(登録商標)Instant)に置き換えて、乾物を同じ割合で維持する。マルトデキストリンをイヌリン植物繊維で置き換えても製品は実質的に変化しないため、健康上の理由から興味深い代替手段となる。
【0170】
すべての成分を表18に示す(g)。
【0171】
【0172】
2.4.1.結果
液体クリームの分析
-一般的性質
【0173】
【0174】
イヌリンがある場合とない場合の液体クリームの安定性を
図11に示す。液体クリームは、マルトデキストリンまたはイヌリンのどちらでも安定である。イヌリンを含む液体クリームの粘度は低くなるが、許容範囲内である。イヌリンを含む液体クリームの安定性はわずかに低くなるが、まだ許容範囲である(沈殿物3%未満)。
【0175】
ホイップクリームの分析
-オーバーラン
イヌリンがある場合とない場合のホイップクリームのオーバーランを
図12に示す。オーバーランは、マルトデキストリンを含むホイップクリームとイヌリンを含むホイップクリームでは同等である。
【0176】
-泡の硬度
イヌリンがある場合とない場合のホイップクリームの泡の硬度を
図13に示す。
【0177】
-味
【0178】
【0179】
2.4.2.結論
マルトデキストリンとイヌリンの結果は非常によく似ている。
【0180】
Fibruline(登録商標)Instantは、本願ではデキストリンと置き換えることができる。クリームの粘度は低く、ホイップクリームのテクスチャーは低くなるが、植物味は減少する。
【0181】
実施例3:乳成分を含まない料理用クリーム
3.1 2.5%エンドウマメタンパク質単離物を含む参考料理用クリーム
すべての成分を表20に示す(g)。
【0182】
調製:
配合物はすべての乾燥成分で作られ、水に分散される。油を加えて再び混ぜる。クエン酸溶液でpHを7.0に調整する。配合物を混合しながら60℃で加熱し(ウルトラタラックス(Ultraturax)速度4で1分)、さらに90℃に加熱し、混合しながら30秒間保持する。生成物を混合しながら20-25℃に冷却し、無菌状態で無菌ボトルに注ぐ。
【0183】
【0184】
3.2 異なる濃度のエンドウマメタンパク質Pisane(商標)C9を含む料理用クリーム
すべての成分を表21に示す(g)。
【0185】
【0186】
プロトコル:
プロトコルは前述のとおりである。
【0187】
3.2.1結果
【0188】
【0189】
3.2.2 結論
料理用クリームの粘度は、Pisane(商標)C9の2.5重量%から3重量%の間が最適である(すなわち約2.1重量%から2.7重量%の間の無処置のエンドウマメタンパク質に相当)。
【0190】
Pisane(商標)C9の濃度は、25℃または72℃での安定性に影響を与えない。
【0191】
最適な味は2.5重量%のPisane(商標)C9で、植物味、テクスチャー、クリーミーさにおける妥協点が得られる。
【0192】
本願においては、Pisane(商標)C9を1重量%から3重量%の量で加えることができる(すなわち、約0.80重量%から約2.5重量%の間の無処置のエンドウマメタンパク質に相当)。
【0193】
3.3 異なる起源のパルスタンパク質を含む乳成分を含まない料理用クリーム
すべての成分を表23に示す(g)。
【0194】
【0195】
プロトコル:
プロトコルは前述のとおりである。
【0196】
3.3.1 結果
【0197】
【0198】
3.3.1 結論
本願では、Pisane(商標)C9、Nutralys(登録商標)S85Fおよびソラマメタンパク質を使用しうる。3つのタンパク質単離物の推奨投与量は同じ、つまり、2.5重量%である。
【0199】
実施例4: 乳成分を含まないデザートクリーム
4.1 3.9%エンドウマメタンパク質を含み、参考乳成分を含まないデザートクリーム
すべての成分を表25に示す。
【0200】
調製:
Pisane(商標)C9を、アンチランプヘリックスを使用して水中に分散させ、混合しながら油と添加する。ホモジナイズは、Ultaturraxを使用して速度4で2分間行う。溶液をステファン(Stephan)で脱気し(溶液を3000rpmで真空)、SHMPを加え、クエン酸(50%溶液)でpHを6.70に調整する。残りの乾燥成分で配合物を作る。配合物を750rpmで溶液に分散させ、80℃まで加熱する。混合しながら80℃で10分間配合物を維持し、その後25℃に冷却しながら(混合しながら)、ポットに注ぎ、4℃で保存する。
【0201】
【0202】
4.2 異なる濃度のエンドウマメタンパク質Pisane(商標)を含むデザートクリーム
すべての成分を表26に示す。
【0203】
【0204】
プロトコル:
プロトコルは前述のとおりである。
【0205】
4.2.1 結果
【0206】
【0207】
4.2.2 結論
本願では、製品の安定性のためにPisane(商標)C9が必要である。タンパク質の濃度は粘度と相関している。本願では、3.9%~10%のPisane(商標)C9を使用しうる(つまり、約3.00%から約9.0%の無処置のエンドウマメタンパク質に相当する)。
【0208】
4.3 異なる起源のパルスタンパク質を含む乳成分を含まないデザートクリーム
すべての成分を表28に示す。
【0209】
【0210】
プロトコル:
プロトコルは前述のとおりである。
【0211】
4.3.1 結果
【0212】
【0213】
4.3.2 結論
本願では、Pisane(商標)C9、Nutralys(登録商標)S85F、およびソラマメタンパク質を使用し得る。推奨用量は、Pisane(商標)C9およびNutralys(登録商標)S85Fの場合は3.9重量%から10重量%の間、ソラマメタンパク質の場合は5重量%から10重量%の間である。安定性はPisane(商標)C9より少し低い。味は3%から強い植物味である。ソラマメタンパク質は、より多くの植物のノートと不快なオフノートをもたらす。風味を付けることにより、味を改善しうる。
【0214】
4.4 イヌリンを含む乳成分を含まないデザートクリーム
すべての成分を表30に示す。
【0215】
【0216】
実施例5:乳成分を含まない冷凍デザート
5.1 2%エンドウマメタンパク質を含む参考乳成分を含まない冷凍デザート
すべての成分を表31に示す。
【0217】
調製:
乾燥成分を一緒にブレンドする。乾燥配合物、グルコースシロップ、溶かした脂肪を45~50℃の水に加える。すべてを60℃、180バールでホモジナイズし、プレート式熱交換器で85℃で30秒間低温殺菌し、その後5℃に冷却する。液体混合物を中程度攪拌しながら5℃で18時間熟成させ、その後連続冷凍庫で凍結させる。得られたアイスクリームをポットに入れ、-20℃で保存する。
【0218】
【0219】
5.2 異なる濃度のエンドウマメタンパク質Pisane(商標)C9を含み乳成分を含まない冷凍デザート
すべての成分を表32に示す。
【0220】
【0221】
プロトコル:
プロトコルは前述のとおりである。
【0222】
5.2.1 結果
【0223】
【0224】
-硬度
図14は、さまざまなPisane(商標)C9濃度での硬度を深さの関数として示す。
【0225】
5.2.2 結論
本願では、Pisane(商標)C9は、アイスクリームの融解の安定性とクリーミーさのために必要である。Pisane(商標)C9は、混合物の粘度と融解物の粘度、およびアイスクリームの硬度に影響を与える。本願では、1.2%から3%のPisaneを使用しうる。より高い濃度では、冷凍デザートの高粘度が技術的な課題になる可能性がある。
【0226】
5.3 異なる起源のパルスタンパク質を含み乳成分を含まない冷凍デザートの比較
すべての成分を表34に示す。
【0227】
【0228】
プロトコル:
プロトコルは前述のとおりである。
【0229】
5.3.1 結果
【0230】
【0231】
【0232】
-硬度
図15は、さまざまなタンパク質濃度での深さの関数としての冷凍デザートの硬度を示している。
【0233】
5.3.2 結論
本願では、Pisane(商標)C9、Nutralys(登録商標)S85Fおよびソラマメタンパク質Fenchemを使用しうる。推奨用量は1重量%よりも多く、5重量%まで増やすことができる(Pisane(商標)C9の場合無処置のエンドウマメタンパク質約0.8重量%から4.5重量%の間に相当)。ソラマメは、より多くの植物味とマジパンノートをもたらす。調合は、味(香料)に合わせて調整しうる。
【0234】
5.4 異なる濃度でのイヌリンの冷凍デザートへの添加
すべての成分を表36に示す。
【0235】
【0236】
5.4.1 結果
【0237】
【0238】
-硬度
図16は、さまざまなイヌリン濃度での深さの関数としてのアイスクリームの硬度を示す。
【0239】
-融解速度
図17は、さまざまなイヌリン濃度でのアイスクリームの融解速度を示す。
【0240】
5.4.2 結論
本願では、Fibruline(登録商標)Instantを使用しうる。それはアイスクリームの粘度が適度に増すに伴い、クリームの硬度を下げる。イヌリンはまたクリーミーさをもたらし、氷の結晶の形成を減らす。