(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-18
(45)【発行日】2023-08-28
(54)【発明の名称】ロケーション情報に少なくとも部分的に基づいてビーム基準信号を測定するための技法および装置
(51)【国際特許分類】
H04W 16/28 20090101AFI20230821BHJP
H04W 64/00 20090101ALI20230821BHJP
H04W 88/02 20090101ALI20230821BHJP
H04W 48/16 20090101ALI20230821BHJP
H04B 7/06 20060101ALI20230821BHJP
H04B 7/08 20060101ALI20230821BHJP
【FI】
H04W16/28
H04W64/00 171
H04W64/00 120
H04W88/02 140
H04W48/16 110
H04B7/06 984
H04B7/08 802
(21)【出願番号】P 2020537779
(86)(22)【出願日】2019-01-23
(86)【国際出願番号】 US2019014805
(87)【国際公開番号】W WO2019147711
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2022-01-05
(32)【優先日】2018-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】フアン・シュ
(72)【発明者】
【氏名】シャン・キン
(72)【発明者】
【氏名】クマラブヒジート・シン
(72)【発明者】
【氏名】チェタン・チャクラヴァルティ
(72)【発明者】
【氏名】アルヴィンダハン・クマール
(72)【発明者】
【氏名】パルタサラティ・クリシュナムールティ
【審査官】吉村 真治▲郎▼
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/184190(WO,A1)
【文献】特表2015-527026(JP,A)
【文献】特表2017-532811(JP,A)
【文献】特開2018-011295(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
H04B 7/06
H04B 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)によって実行されるワイヤレス通信の方法であって、
前記UEに関するロケーション情報を判定するステップと、
前記UEによって実行される測定に少なくとも部分的に基づいてマッピング情報を判定または更新するステップと、
前記ロケーション情報に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの基地局の少なくとも1つの送信ビームに関連付けられた、少なくとも1つのシンボルにおける前記UEの受信ビームをアクティブ化し、前記少なくとも1つのシンボル以外の1つまたは複数のシンボルにおける前記UEの前記受信ビームを非アクティブ化するステップであって、前記UEが、前記マッピング情報に少なくとも部分的に基づいて前記受信ビームをアクティブ化するように構成され、前記マッピング情報が、前記受信ビームが前記ロケーション情報に関連付けられることを示し、前記マッピング情報は、複数の基地局の複数の異なる送信ビームに関し、前記複数の異なる送信ビームは、前記少なくとも1つの送信ビームを含み、前記複数の基地局は、前記少なくとも1つの基地局を含み、前記受信ビームは、
前記ロケーション情報に基づいて前記UEが移動することが予想されるロケーションに少なくとも部分的に基づいて
前記UEによってアクティブ化される、ステップとを含む方法。
【請求項2】
前記ロケーション情報は、
全地球測位システム情報、
ジャイロスコープ情報、
前記UEの速さもしくは速度を特定する情報、または
前記UEの地理的位置を特定する情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ロケーション情報に少なくとも部分的に基づいて前記UEの複数の受信ビームをアクティブ化するステップであって、前記複数の受信ビームが、前記複数の異なる送信ビームに関連付けられる、ステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記マッピング情報の前記複数の異なる送信ビームは、前記複数の基地局のベンダーまたはタイプに少なくとも部分的に基づいて
前記UEによって判定される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記受信ビームは、前記UEをカバーするかまたは前記UEの予想されるロケーションをカバーする前記少なくとも1つの送信ビームに少なくとも部分的に基づいてアクティブ化される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記基地局に関連付けられたセルについてのセル再選択を実行するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記UEの移動方向を特定するステップと、
前記UEの前記移動方向に少なくとも部分的に基づいて前記少なくとも1つの送信ビームを特定するステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ロケーション情報に少なくとも部分的に基づいて複数の候補送信ビームを特定するステップであって、前記複数の候補送信ビームが前記複数の異なる送信ビームを含む、ステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ロケーション情報に少なくとも部分的に基づいて複数の候補送信ビームを特定するステップと、
前記複数の候補送信ビームのうちの1つまたは複数に関する測定機会をスケジュールするステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ワイヤレス通信のための命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令が、
ユーザ機器(UE)の1つまたは複数のプロセッサによって実行されたときに、前記1つまたは複数のプロセッサに、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法を実行させる、1つまたは複数の命令を含む、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項11】
ワイヤレス通信のための装置であって、
前記装置に関するロケーション情報を判定するための手段と、
前記装置によって実行される測定に少なくとも部分的に基づいてマッピング情報を判定または更新するための手段と、
前記ロケーション情報に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの基地局の少なくとも1つの送信ビームに関連付けられた、少なくとも1つのシンボルにおける前記装置の受信ビームをアクティブ化し、前記少なくとも1つのシンボル以外の1つまたは複数のシンボルにおける前記装置の前記受信ビームを非アクティブ化するための手段であって、前記装置が、前記マッピング情報に少なくとも部分的に基づいて前記受信ビームをアクティブ化するように構成され、前記マッピング情報が、前記受信ビームが前記ロケーション情報に関連付けられることを示し、前記マッピング情報は、複数の基地局の複数の異なる送信ビームに関し、前記複数の異なる送信ビームは、前記少なくとも1つの送信ビームを含み、前記複数の基地局は、前記少なくとも1つの基地局を含み、前記受信ビームは、
前記ロケーション情報に基づいて前記装置が移動することが予想されるロケーションに少なくとも部分的に基づいて
前記装置によってアクティブ化される、手段とを備える装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つのシンボル以外の1つまたは複数のシンボルにおける前記装置の前記受信ビームを非アクティブ化するための手段をさらに備える、請求項11に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その全体が参照により本明細書に明確に組み込まれる、「TECHNIQUES AND APPARATUSES FOR MEASURING BEAM REFERENCE SIGNALS BASED AT LEAST IN PART ON LOCATION INFORMATION」と題する2018年1月25日に出願された米国特許出願第15/880,269号の利益を主張する。
【0002】
本開示の態様は、一般に、ワイヤレス通信に関し、より詳細には、ロケーション情報に少なくとも部分的に基づいてビーム基準信号(BRS)を測定するための技法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレス通信システムは、電話、ビデオ、データ、メッセージング、およびブロードキャストなど、様々な電気通信サービスを提供するために広く展開されている。典型的なワイヤレス通信システムは、利用可能なシステムリソース(たとえば、帯域幅、送信電力など)を共有することによって複数のユーザとの通信をサポートできる、多元接続技術を採用することがある。そのような多元接続技術の例は、符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA)システム、時分割同期符号分割多元接続(TD-SCDMA)システム、ロングタームエボリューション(LTE)を含む。LTE/LTE-Advancedは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって公表されたユニバーサルモバイル電気通信システム(UMTS)モバイル標準規格に対する拡張規格のセットである。
【0004】
ワイヤレス通信ネットワークは、いくつかのユーザ機器(UE:User Equipment)のための通信をサポートできるいくつかの基地局(BS:Base Station)を含んでもよい。ユーザ機器(UE)は、ダウンリンクおよびアップリンクを介して基地局(BS)と通信してもよい。ダウンリンク(または、順方向リンク)とは、BSからUEへの通信リンクを指し、アップリンク(または、逆方向リンク)とは、UEからBSへの通信リンクを指す。本明細書でより詳細に説明するように、BSは、ノードB、gNB、アクセスポイント(AP:Access Point)、ラジオヘッド、送信受信ポイント(TRP:Transmit Receive Point)、ニューラジオ(NR:New Radio)BS、5GノードBなどと呼ばれることがある。
【0005】
上記の多元接続技術は、異なるユーザ機器が都市、国家、地域、さらには地球規模で通信することを可能にする共通プロトコルを提供するために、様々な電気通信規格において採用されている。ニューラジオ(NR)は、5Gと呼ばれることもあり、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって公表されたLTEモバイル規格に対する拡張のセットである。NRは、スペクトル効率を改善すること、コストを削減すること、サービスを改善すること、新たなスペクトルを利用すること、ならびにダウンリンク(DL)上でサイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)付き直交周波数分割多重(OFDM)を使用し、アップリンク(UL)上でCP-OFDMおよび/または(たとえば、離散フーリエ変換拡散ODFM(DFT-s-OFDM:Discrete Fourier Transform spread ODFM)とも呼ばれる)SC-FDMを使用し、かつビームフォーミング、多入力多出力(MIMO)アンテナ技術、およびキャリアアグリゲーションをサポートする、他のオープン規格とより良好に統合することによって、モバイルブロードバンドインターネットアクセスをより良好にサポートするように設計されている。しかしながら、モバイルブロードバンドアクセスに対する需要が増大し続けるにつれて、LTE技術およびNR技術におけるさらなる改善が必要である。好ましくは、これらの改善は、他の多元接続技術、およびこれらの技術を採用する電気通信規格に適用可能であるべきである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの態様では、ユーザ機器(UE)によって実行されるワイヤレス通信の方法は、UEに関するロケーション情報を判定するステップと、ロケーション情報に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの基地局の少なくとも1つの送信ビームに関連付けられた、少なくとも1つのシンボルにおけるUEの受信ビームをアクティブ化するステップであって、UEが、マッピング情報に少なくとも部分的に基づいて受信ビームをアクティブ化するように構成され、マッピング情報が、UEによって少なくとも部分的に判定され、受信ビームがロケーション情報に関連付けられることを示す、ステップとを含んでもよい。
【0007】
いくつかの態様では、ワイヤレス通信用のUEは、メモリと、メモリに動作可能に結合された1つまたは複数のプロセッサとを含んでもよい。メモリおよび1つまたは複数のプロセッサは、UEに関するロケーション情報を判定することと、ロケーション情報に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの基地局の少なくとも1つの送信ビームに関連付けられた、少なくとも1つのシンボルにおけるUEの受信ビームをアクティブ化することであって、UEが、マッピング情報に少なくとも部分的に基づいて受信ビームをアクティブ化するように構成され、マッピング情報が、UEによって少なくとも部分的に判定され、受信ビームがロケーション情報に関連付けられることを示す、アクティブ化することとを行うように構成されてもよい。
【0008】
いくつかの態様では、非一時的コンピュータ可読媒体は、ワイヤレス通信のための1つまたは複数の命令を記憶してもよい。1つまたは複数の命令は、UEの1つまたは複数のプロセッサによって実行されたときに、1つまたは複数のプロセッサに、UEに関するロケーション情報を判定することと、ロケーション情報に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの基地局の少なくとも1つの送信ビームに関連付けられた、少なくとも1つのシンボルにおけるUEの受信ビームをアクティブ化することであって、UEが、マッピング情報に少なくとも部分的に基づいて受信ビームをアクティブ化するように構成され、マッピング情報が、UEによって少なくとも部分的に判定され、受信ビームがロケーション情報に関連付けられることを示す、アクティブ化することとを行わせてもよい。
【0009】
いくつかの態様では、ワイヤレス通信用の装置は、装置に関するロケーション情報を判定するための手段と、ロケーション情報に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの基地局の少なくとも1つの送信ビームに関連付けられた、少なくとも1つのシンボルにおける装置の受信ビームをアクティブ化するための手段であって、装置が、マッピング情報に少なくとも部分的に基づいて受信ビームをアクティブ化するように構成され、マッピング情報が、装置によって少なくとも部分的に判定され、受信ビームがロケーション情報に関連付けられることを示す手段とを含んでもよい。
【0010】
態様は、概して、添付図面および本明細書を参照しながら実質的に本明細書で説明するような、および添付図面および本明細書によって示すような、方法、装置、システム、コンピュータプログラム製品、非一時的コンピュータ可読媒体、ユーザ機器、ワイヤレス通信デバイス、および処理システムを含む。
【0011】
上記では、以下の発明を実施するための形態がよりよく理解され得るように、本開示による例の特徴および技術的利点をかなり広範に概説している。以下で、追加の特徴および利点について説明する。開示する概念および具体例は、本開示の同じ目的を実行するために他の構造を変更または設計するための基礎として容易に利用される場合がある。そのような均等な構成は、添付の特許請求の範囲から逸脱しない。本明細書で開示する概念の特性、それらの編成と動作方法の両方が、関連する利点とともに、添付の図に関して検討されると以下の説明からよりよく理解されよう。図の各々は、例示および説明のために提供され、特許請求の範囲の限定の定義として提供されるものでない。
【0012】
上述した本開示の特徴が詳細に理解され得るように、そのいくつかが添付の図面に示される態様を参照することによって、上記で概略的に説明した形態について詳細に説明し得る。しかしながら、上記の説明は他の同様に効果的な態様を可能にする場合があるので、添付の図面が、本開示のいくつかの典型的な態様のみを示し、したがって、本開示の範囲を限定するものと見なされるべきではないことに留意されたい。異なる図面における同じ参照番号は、同じまたは同様の要素を識別することがある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示の様々な態様による、ワイヤレス通信ネットワークの一例を概念的に示すブロック図である。
【
図2】本開示の様々な態様による、ワイヤレス通信ネットワークにおいてユーザ機器(UE)と通信する基地局の一例を概念的に示すブロック図である。
【
図3A】本開示の様々な態様による、ワイヤレス通信ネットワークにおけるフレーム構造の一例を概念的に示すブロック図である。
【
図3B】本開示の様々な態様による、ワイヤレス通信ネットワークにおける例示的な同期通信階層を概念的に示すブロック図である。
【
図4】本開示の様々な態様による、ノーマルサイクリックプレフィックスを有する例示的なサブフレームフォーマットを概念的に示すブロック図である。
【
図5】本開示の様々な態様による、ワイヤレス通信ネットワークにおけるBRS用のフレーム構造の一例を示す図である。
【
図6A】本開示の様々な態様による、ロケーション情報に基づいて測定を実行するBRSを特定する例を示す図である。
【
図6B】本開示の様々な態様による、ロケーション情報に基づいて測定を実行するBRSを特定する例を示す図である。
【
図7】本開示の様々な態様による、たとえばユーザ機器によって実行される例示的なプロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付の図面を参照しながら本開示の様々な態様について以下でより十分に説明する。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本開示全体にわたって提示される任意の特定の構造または機能に限定されるものと解釈されるべきでない。むしろ、これらの態様は、本開示が周到で完全になり、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるために提供される。本明細書の教示に基づいて、本開示の範囲は、本開示の任意の他の態様とは無関係に実装されるにせよ、本開示の任意の他の態様と組み合わせて実装されるにせよ、本明細書で開示する本開示の任意の態様を包含するものであることを、当業者は諒解されたい。たとえば、本明細書に記載の任意の数の態様を使用して、装置が実装されてもよく、または方法が実践されてもよい。加えて、本開示の範囲は、本明細書に記載された本開示の様々な態様に加えて、またはそれらの態様以外に、他の構造、機能、または構造および機能を使用して実践されるそのような装置または方法を包含するものとする。本明細書で開示される本開示のいずれの態様も、請求項の1つまたは複数の要素によって具現化されてもよいことを理解されたい。
【0015】
次に、様々な装置および技法を参照しながら、電気通信システムのいくつかの態様を提示する。これらの装置および技法について、以下の詳細な説明において説明し、様々なブロック、モジュール、構成要素、回路、ステップ、プロセス、アルゴリズムなど(「要素」と総称される)によって添付の図面に示す。これらの要素は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せを使用して実装されてもよい。そのような要素がハードウェアとして実装されるか、ソフトウェアとして実装されるかは、特定の適用例および全体的なシステムに課される設計制約に依存する。
【0016】
本明細書では、3Gおよび/または4Gワイヤレス技術に一般的に関連する用語を使用して、態様について説明する場合があるが、本開示の態様は、NR技術を含む、5G以降など、他の世代ベースの通信システムにおいて適用される場合があることに留意されたい。
【0017】
図1は、本開示の態様が実践されてもよいネットワーク100を示す図である。ネットワーク100は、LTEネットワーク、または5GもしくはNRネットワークなどのいくつかの他のワイヤレスネットワークであってもよい。ワイヤレスネットワーク100は、いくつかのBS110(BS110a、BS110b、BS110c、およびBS110dとして図示される)、および他のネットワークエンティティを含んでもよい。BSとは、ユーザ機器(UE)と通信するエンティティであり、基地局、NR BS、ノードB、gNB、5GノードB(NB)、アクセスポイント、送受信ポイント(TRP)などと呼ばれることもある。各BSは、特定の地理的エリアについての通信カバレージを実現する場合がある。3GPPでは、「セル」という用語は、その用語が使用される状況に応じて、BSのカバレージエリア、および/またはこのカバレージエリアをサービスしているBSサブシステムを指すことができる。
【0018】
BSは、マクロセル、ピコセル、フェムトセル、および/または別のタイプのセルのための通信カバレージを実現する場合がある。マクロセルは、比較的大きい地理的エリア(たとえば、半径数キロメートル)をカバーする場合があり、サービスに加入しているUEによる無制限アクセスを可能にすることがある。ピコセルは、比較的小さい地理的エリアをカバーする場合があり、サービスに加入しているUEによる無制限アクセスを可能にすることがある。フェムトセルは、比較的小さい地理的エリア(たとえば、自宅)をカバーする場合があり、フェムトセルとの関連付けを有するUE(たとえば、限定加入者グループ(CSG:Closed Subscriber Group)の中のUE)による制限付きアクセスを可能にすることがある。マクロセル用のBSは、マクロBSと呼ばれることがある。ピコセル用のBSは、ピコBSと呼ばれることがある。フェムトセル用のBSは、フェムトBSまたはホームBSと呼ばれることがある。
図1に示す例では、BS110aは、マクロセル102aのためのマクロBSであってもよく、BS110bは、ピコセル102bのためのピコBSであってもよく、BS110cは、フェムトセル102cのためのフェムトBSであってもよい。BSは1つまたは複数(たとえば、3つ)のセルをサポートしてもよい。「eNB」、「基地局」、「NR BS」、「gNB」、「TRP」、「AP」、「ノードB」、「5G NB」、および「セル」という用語が、本明細書では互換的に使用される場合がある。
【0019】
いくつかの態様では、セルは、必ずしも静止しているとは限らないことがあり、セルの地理的エリアは、モバイルBSのロケーションに従って移動することがある。いくつかの態様では、BSは、任意の好適なトランスポートネットワークを使用して、直接物理接続、仮想ネットワークなどの、様々なタイプのバックホールインターフェースを通じて、アクセスネットワーク100の中で互いにかつ/または1つもしくは複数の他のBSもしくはネットワークノード(図示せず)に相互接続されてもよい。
【0020】
ワイヤレスネットワーク100はまた、中継局を含んでもよい。中継局は、上流局(たとえば、BSまたはUE)からデータの送信を受信でき、そのデータの送信を下流局(たとえば、UEまたはBS)に送ることができるエンティティである。中継局はまた、他のUEのための送信を中継できるUEであってもよい。
図1に示す例では、中継局110dは、BS110aとUE120dとの間の通信を容易にするために、マクロBS110aおよびUE120dと通信してもよい。中継局は、中継BS、中継基地局、リレーなどと呼ばれることもある。
【0021】
ワイヤレスネットワーク100は、異なるタイプのBS、たとえば、マクロBS、ピコBS、フェムトBS、中継BSなどを含む、異種ネットワークであってもよい。これらの異なるタイプのBSは、ワイヤレスネットワーク100において、異なる送信電力レベル、異なるカバレージエリア、および干渉に対する異なる影響を有することがある。たとえば、マクロBSは、高い送信電力レベル(たとえば、5~40ワット)を有してよく、ピコBS、フェムトBS、および中継BSは、もっと低い送信電力レベル(たとえば、0.1~2ワット)を有してもよい。
【0022】
ネットワークコントローラ130は、BSのセットに結合してもよく、これらのBSのための協働および制御を行ってもよい。ネットワークコントローラ130は、バックホールを経由してBSと通信してもよい。BSはまた、たとえば、ワイヤレスまたはワイヤラインのバックホールを介して、直接または間接的に互いに通信してもよい。
【0023】
UE120(たとえば、120a、120b、120c)はワイヤレスネットワーク100全体にわたって分散されてもよく、各UEは固定またはモバイルであってもよい。UEは、アクセス端末、端末、移動局、加入者ユニット、局などと呼ばれることもある。UEは、セルラーフォン(たとえば、スマートフォン)、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレスモデム、ワイヤレス通信デバイス、ハンドヘルドデバイス、ラップトップコンピュータ、コードレス電話、ワイヤレスローカルループ(WLL)局、タブレット、カメラ、ゲームデバイス、ネットブック、スマートブック、ウルトラブック、医療デバイスもしくは医療機器、生体センサー/デバイス、ウェアラブルデバイス(スマートウォッチ、スマートクロージング、スマートグラス、スマートリストバンド、スマートジュエリー(たとえば、スマートリング、スマートブレスレット))、エンターテインメントデバイス(たとえば、音楽もしくはビデオデバイス、または衛星ラジオ)、車両構成要素もしくはセンサー、スマートメーター/センサー、産業用製造機器、全地球測位システムデバイス、または、ワイヤレスもしくはワイヤード媒体を介して通信するように構成される任意の他の好適なデバイスであってもよい。
【0024】
いくつかのUEは、マシンタイプ通信(MTC)UEまたは発展型または拡張マシンタイプ通信(eMTC:evolved or enhanced Machine-Type Communication)UEと見なされてもよい。MTC UEおよびeMTC UEは、たとえば、基地局、別のデバイス(たとえば、リモートデバイス)、またはいくつかの他のエンティティと通信する場合がある、ロボット、ドローン、センサー、メーター、モニタ、ロケーションタグなどのリモートデバイスなどを含む。ワイヤレスノードは、たとえば、有線通信リンクまたはワイヤレス通信リンクを介して、ネットワーク(たとえば、インターネットまたはセルラーネットワークなどのワイドエリアネットワーク)のための接続性、またはネットワークへの接続性を実現してもよい。いくつかのUEは、モノのインターネット(IoT)デバイスと見なされてもよく、ならびに/またはNB-IoT(狭帯域モノのインターネット)デバイスとして実現されてもよい。いくつかのUEは、顧客構内機器(CPE:Customer Premises Equipment)と見なされてもよい。UE120は、プロセッサ構成要素、メモリ構成要素などのUE120の構成要素を収容するハウジングの内部に含められてもよい。
【0025】
一般に、任意の数のワイヤレスネットワークが、所与の地理的エリアの中に展開されてもよい。各ワイヤレスネットワークは、特定のRATをサポートしてもよく、1つまたは複数の周波数上で動作してもよい。RATは、無線技術、エアインターフェースなどと呼ばれることもある。周波数は、キャリア、周波数チャネルなどと呼ばれることもある。各周波数は、異なるRATのワイヤレスネットワーク間の干渉を回避するために、所与の地理的エリアの中で単一のRATをサポートしてもよい。場合によっては、NR RATネットワークまたは5G RATネットワークが展開されてもよい。
【0026】
いくつかの態様では、2つ以上のUE120(たとえば、UE120aおよびUE120eとして示されている)が1つまたは複数のサイドリンクチャネルを使用して(たとえば、互いに通信するための媒介としてBS110を使用せずに)直接通信してもよい。たとえば、UE120は、ピアツーピア(P2P)通信、デバイス間(D2D)通信、(たとえば、車車間(V2V)プロトコル、路車間(V2I)プロトコルなどを含む場合がある)ビークルツーエブリシング(V2X:vehicle-to-everything)プロトコル、メッシュネットワークなどを使用して通信してもよい。この場合、UE120は、スケジューリング動作、リソース選択動作、および/または本明細書の他の箇所でBS110によって実行される動作として説明する動作を実行してもよい。
【0027】
上記のように、
図1は単に例として示されている。他の例が可能であり、
図1に関して説明したことと異なってもよい。
【0028】
図2は、
図1の基地局の1つである場合があるBS110および
図1のUEの1つである場合があるUE120の設計のブロック図を示している。BS110はT個のアンテナ234a~234tを備えてもよく、UE120はR個のアンテナ252a~252rを備えてもよく、ただし、一般にT≧1およびR≧1である。
【0029】
BS110において、送信プロセッサ220は、1つまたは複数のUEのためのデータをデータソース212から受け取ってもよく、UEから受信されたチャネル品質インジケータ(CQI:Channel Quality Indicator)に少なくとも部分的に基づいてUEごとに1つまたは複数の変調およびコーディング方式(MCS:Modulation and Coding Scheme)を選択してもよく、UEのために選択されたMCSに少なくとも部分的に基づいてUEごとにデータを処理(たとえば、符号化および変調)してもよく、データシンボルをすべてのUEに提供してもよい。送信プロセッサ220はまた、(たとえば、半静的リソース区分情報(SRPI:Semi-static Resource Partitioning Information)などのための)システム情報、および制御情報(たとえば、CQI要求、許可、上位レイヤシグナリングなど)を処理してもよく、オーバーヘッドシンボルおよび制御シンボルを提供してもよい。送信プロセッサ220はまた、基準信号(たとえば、セル固有基準信号(CRS:cell-specific reference signal))および同期信号(たとえば、1次同期信号(PSS:primary synchronization signal)および2次同期信号(SSS:secondary synchronization signal))のための基準シンボルを生成してもよい。送信(TX)多入力多出力(MIMO)プロセッサ230は、適用可能な場合、データシンボル、制御シンボル、オーバーヘッドシンボル、および/または基準シンボルに対して空間処理(たとえば、プリコーディング)を実行してもよく、T個の出力シンボルストリームをT個の変調器(MOD)232a~232tに与えてもよい。各変調器232は、(たとえば、OFDM用などに)それぞれの出力シンボルストリームを処理して出力サンプルストリームを取得してもよい。各変調器232は、出力サンプルストリームをさらに処理(たとえば、アナログに変換、増幅、フィルタ処理、およびアップコンバート)して、ダウンリンク信号を取得してもよい。変調器232a~232tからのT個のダウンリンク信号は、それぞれ、T個のアンテナ234a~234tを介して送信されてもよい
。以下でより詳細に説明するいくつかの態様によれば、同期信号は、追加情報を伝達するための位置符号化を用いて生成されてもよい。
【0030】
UE120において、アンテナ252a~252rは、BS110および/または他の基地局からダウンリンク信号を受信してもよく、それぞれ、受信信号を復調器(DEMOD)254a~254rに提供してもよい。各復調器254は、受信信号を調整(たとえば、フィルタ処理、増幅、ダウンコンバート、およびデジタル化)して入力サンプルを取得してもよい。各復調器254は、入力サンプルを(たとえば、OFDM用などに)さらに処理して受信シンボルを取得してもよい。MIMO検出器256は、すべてのR個の復調器254a~254rから受信シンボルを取得し、適用可能な場合、受信シンボルに対してMIMO検出を実行し、検出されたシンボルを提供してもよい。受信プロセッサ258は、検出されたシンボルを処理(たとえば、復調および復号)し、UE120のための復号データをデータシンク260に提供し、復号された制御情報およびシステム情報をコントローラ/プロセッサ280に提供してもよい。チャネルプロセッサは、基準信号受信電力(RSRP:Reference Signal Received Power)、受信信号強度インジケータ(RSSI:Received Signal Strength Indicator)、基準信号受信品質(RSRQ:Reference Signal Received Quality)、チャネル品質インジケータ(CQI)などを決定してもよい。
【0031】
アップリンク上では、UE120において、送信プロセッサ264は、データソース262からのデータ、およびコントローラ/プロセッサ280からの(たとえば、RSRP、RSSI、RSRQ、CQIなどを備える報告用の)制御情報を受信し、処理してもよい。送信プロセッサ264はまた、1つまたは複数の基準信号用の基準シンボルを生成してもよい。送信プロセッサ264からのシンボルは、適用可能な場合、TX MIMOプロセッサ266によってプリコーディングされてよく、変調器254a~254rによって(たとえば、DFT-s-OFDM用、CP-OFDM用などに)さらに処理され、BS110へ送信されてもよい。BS110において、UE120および他のUEからのアップリンク信号は、アンテナ234によって受信され、復調器232によって処理され、適用可能な場合、MIMO検出器236によって検出され、受信プロセッサ238によってさらに処理されて、UE120によって送られた復号されたデータおよび制御情報を取得してもよい。受信プロセッサ238は、復号されたデータをデータシンク239に、かつ復号された制御情報をコントローラ/プロセッサ240に提供してもよい。BS110は、通信ユニット244を含んでよく、通信ユニット244を介してネットワークコントローラ130と通信してもよい。ネットワークコントローラ130は、通信ユニット294、コントローラ/プロセッサ290、およびメモリ292を含んでもよい。
【0032】
いくつかの態様では、UE120の1つまたは複数の構成要素がハウジングに含められてもよい。BS110のコントローラ/プロセッサ240、UE120のコントローラ/プロセッサ280、および/または
図2の任意の他の構成要素は、本明細書の他の箇所でより詳細に説明するようにロケーション情報に少なくとも部分的に基づいて測定を実行するBRSを特定することに関連する1つまたは複数の技法を実行してもよい。たとえば、BS110のコントローラ/プロセッサ240、UE120のコントローラ/プロセッサ280、および/または
図2の任意の他の構成要素は、たとえば、
図7のプロセス700、および/または本明細書で説明する他のプロセスの動作を実行または指示してもよい。メモリ242および282は、それぞれ、BS110およびUE120のためのデータおよびプログラムコードを記憶してもよい。スケジューラ246は、ダウンリンク上および/またはアップリンク上のデータ送信に対してUEをスケジュールしてもよい。
【0033】
いくつかの態様では、UE120は、UEに関するロケーション情報を判定するための手段、ロケーション情報に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの基地局の少なくとも1つの送信ビームに関連付けられた、少なくとも1つのシンボルにおけるUEの受信ビームをアクティブ化するための手段、少なくとも1つのシンボル以外の1つまたは複数のシンボルにおいてUEの受信ビームを非アクティブ化するための手段、ロケーション情報に少なくとも部分的に基づいてUEの複数の受信ビームをアクティブ化するための手段、マッピング情報を判定または更新するための手段、基地局に関連付けられたセルについてのセル再選択を実行するための手段、UEの移動方向を特定するための手段、UEの移動方向に少なくとも部分的に基づいて少なくとも1つの送信ビームを特定するための手段、ロケーション情報に少なくとも部分的に基づいて複数の候補送信ビームを特定するための手段、複数の候補送信ビームのうちの1つまたは複数についての測定機会をスケジュールするための手段などを含んでもよい。いくつかの態様では、そのような手段は、
図2に関して説明するUE120の1つまたは複数の構成要素を含んでもよい。
【0034】
上記のように、
図2は単に例として示されている。他の例が可能であり、
図2に関して説明したことと異なってもよい。
【0035】
図3Aは、電気通信システム(たとえば、NR)における周波数分割多重化(FDD)のための例示的なフレーム構造300を示す。ダウンリンクおよびアップリンクの各々に対する送信タイムラインは、無線フレームの単位に区分されてもよい。各無線フレームは、所定の持続時間を有してもよく、(たとえば、0~Z-1のインデックスを有する)Z(Z≧1)個のサブフレームのセットへのパーティションであってもよい。各サブフレームは、スロットのセットを含んでもよい(たとえば、
図3Aではサブフレーム当たり2つのスロットが示されている)。各スロットは、L個のシンボル期間のセットを含んでもよい。たとえば、各スロットは、(たとえば、
図3Aに示されているような)7つのシンボル期間、15個のシンボル期間などを含んでもよい。サブフレームが2つのスロットを含む場合、サブフレームは、2L個のシンボル期間を含んでもよく、各サブフレーム内の2L個のシンボル期間には0~2L-1のインデックスが割り当てられてもよい。いくつかの態様では、FDD用のスケジューリング単位はフレームベース、サブフレームベース、スロットベース、シンボルベースなどであってもよい。
【0036】
フレーム、サブフレーム、スロットなどに関していくつかの技法が本明細書で説明されるが、これらの技法は、5G NRにおいて「フレーム」、「サブフレーム」、「スロット」など以外の用語を使用して呼ばれることがある、他のタイプのワイヤレス通信構造に等しく適用されてもよい。いくつかの態様では、ワイヤレス通信構造は、ワイヤレス通信規格および/またはプロトコルによって規定される、周期的に時間限定された通信単位を指すことがある。追加または代替として、
図3Aに示すワイヤレス通信構造の構成とは異なる構成が使用されてもよい。
【0037】
特定の電気通信(たとえば、NR)では、基地局は同期信号を送信してもよい。たとえば、基地局は、基地局によってサポートされるセルごとのダウンリンク上で1次同期信号(PSS)、2次同期信号(SSS)などを送信してもよい。PSSおよびSSSは、セル探索およびセル捕捉のためにUEによって使用されてもよい。たとえば、PSSは、シンボルタイミングを判定するためにUEによって使用されてもよく、SSSは、基地局に関連する物理セル識別子およびフレームタイミングを判定するためにUEによって使用されてもよい。基地局はまた、物理ブロードキャストチャネル(BPCH)を送信してもよい。PBCHは、UEによる初期アクセスをサポートするシステム情報などのある種のシステム情報を搬送してもよい。
【0038】
いくつかの態様では、基地局は、以下で
図3Bに関して説明するように複数の同期通信(たとえば、SSブロック)を含む同期通信階層(たとえば、同期信号(SS)階層)に応じてPSS、SSS、および/またはPBCHを送信してもよい。
【0039】
図3Bは、同期通信階層の一例である例示的なSS階層を概念的に示すブロック図である。
図3Bに示すように、SS階層は、SSバーストセットを含んでもよく、SSバーストセットは複数のSSバースト(SSバースト0~SSバーストB-1として識別されている。Bは基地局によって送信される場合があるSSバーストの最大反復回数である)を含んでもよい。さらに図示されているように、各SSバーストは1つまたは複数のSSブロック(SSブロック0~SSブロック(b
max_SS-1)として識別されている。b
max_SS-1は、SSバーストによって搬送することのできるSSブロックの最大数である)を含んでもよい。いくつかの態様では、それぞれに異なるSSブロックがそれぞれに異なるようにビームフォーミングされてもよい。SSバーストセットは、ワイヤレスノードによって、
図3Bに示すように、Xミリ秒おきのように周期的に送信されてもよい。いくつかの態様では、SSバーストセットは、
図3BではYミリ秒として示されている固定長さまたは動的長さを有してもよい。
【0040】
図3Bに示すSSバーストセットは、同期通信セットの例であり、本明細書で説明する技法に関連して他の同期通信セットが使用されてもよい。さらに、
図3Bに示すSSバーストセットは、同期通信の例であり、本明細書で説明する技法に関連して他の同期通信が使用されてもよい。
【0041】
いくつかの態様では、SSブロックは、PSS、SSS、PBCH、および/または他の同期信号(たとえば、3次同期信号(TSS))および/または同期チャネルを搬送するリソースを含む。いくつかの態様では、SSバーストに複数のSSブロックが含まれ、PSS、SSS、および/またはPBSHは、SSバーストの各SSブロックにわたって同じであってもよい。いくつかの態様では、SSバーストに単一のSSブロックが含まれてもよい。いくつかの態様では、SSブロックは長さが少なくとも4シンボル期間であってもよく、この場合、各シンボルは、(たとえば、1つのシンボルを占有する)PSS、(たとえば、1つのシンボルを占有する)SSS、および/または(たとえば、2つのシンボルを占有する)PBCHのうちの1つまたは複数を搬送する。
【0042】
いくつかの態様では、SSブロックのシンボルは、
図3Bに示すように連続的である。いくつかの態様では、SSブロックのシンボルは、非連続的である。同様に、いくつかの態様では、SSバーストの1つまたは複数のSSブロックは、1つまたは複数のサブフレームの間に連続的な無線リソース(たとえば、連続的なシンボル期間)において送信されてもよい。追加または代替として、SSバーストの1つまたは複数のSSブロックが非連続的な無線リソースにおいて送信されてもよい。
【0043】
いくつかの態様では、SSバーストはバースト期間を有してもよく、SSバーストのSSブロックは、基地局によってバースト期間に従って送信される。言い換えれば、SSブロックは、各SSバーストの間に反復されてもよい。いくつかの態様では、SSバーストセットはバーストセット周期性を有してもよく、SSバーストセットのSSバーストは、基地局によって固定バーストセット周期性に従って送信される。言い換えれば、SSバーストは、各SSバーストセットの間に反復されてもよい。
【0044】
基地局は、いくつかのサブフレームにおいて物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)上で、システム情報ブロック(SIB)などのシステム情報を送信してもよい。基地局は、サブフレームのC個のシンボル期間において物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)上で制御情報/データを送信してもよく、ここで、Bはサブフレームごとに構成可能であってもよい。基地局は、各サブフレームの残りのシンボル期間においてPDSCH上でトラフィックデータおよび/または他のデータを送信してもよい。
【0045】
上記のように、
図3Aおよび
図3Bは、例として示されている。他の例が可能であり、
図3Aおよび
図3Bに関して説明したことと異なってもよい。
【0046】
図4は、ノーマルサイクリックプレフィックスを有する例示的なサブフレームフォーマット410を示す。利用可能な時間周波数リソースは、リソースブロックに区分されてもよい。各リソースブロックは、1つのスロットにおいてサブキャリアのセット(12個のサブキャリア)をカバーしてもよく、いくつかのリソース要素を含んでもよい。各リソース要素は、1つのシンボル期間に(たとえば、時間)おいて1つのサブキャリアをカバーしてもよく、実数値または複素数値である場合がある1つの変調シンボルを送るために使用されてもよい。いくつかの態様では、本明細書で説明するように、PSS、SSS、PBCHなどを搬送するSSブロックの送信にサブフレームフォーマット410が使用されてもよい。
【0047】
いくつかの電気通信システム(たとえば、NR)におけるFDDのためのダウンリンクおよびアップリンクの各々について、インターレース構造が使用されてもよい。たとえば、0~Q-1というインデックスを有するQ個のインターレースが規定されてもよく、ただし、Qは、4、6、8、10、またはいくつかの他の値に等しくてもよい。各インターレースは、Qフレームだけ離間されたサブフレームを含んでもよい。具体的には、インターレースqは、サブフレームq、q+Q、q+2Qなどを含んでもよく、ただし、q∈{0,...,Q-1}である。
【0048】
UEは、複数のBSのカバレージ内に配置されてもよい。これらのBSのうちの1つが、UEをサービスするために選択されてもよい。サービングBSは、受信信号強度、受信信号品質、経路損失などの様々な基準に少なくとも部分的に基づいて選択されてもよい。受信信号品質は、信号対雑音干渉比(SINR:signal-to-noise-and-interference ratio)もしくは基準信号受信品質(RSRQ:reference signal received quality)、またはいくつかの他のメトリックによって定量化されてもよい。UEは、UEが1つまたは複数の干渉BSからの高い干渉を観測する場合がある支配的干渉シナリオにおいて動作してもよい。
【0049】
本明細書で説明する例の態様は、NRまたは5G技術に関連付けられる場合があるが、本開示の態様は、他のワイヤレス通信システムに適用可能であってもよい。ニューラジオ(NR)とは、(たとえば、直交周波数分割多元接続(OFDMA)ベースのエアインターフェース以外の)新たなエアインターフェースまたは(たとえば、インターネットプロトコル(IP)以外の)確定したトランスポートレイヤに従って動作するように構成された無線を指すことがある。態様では、NRは、CP付きOFDM(本明細書では、サイクリックプレフィックスOFDMまたはCP-OFDMと呼ばれる)および/またはSC-FDMをアップリンク上で利用してもよく、ダウンリンク上でCP-OFDMを利用してよく、時分割複信(TDD)を使用する半二重動作に対するサポートを含んでもよい。態様では、NRは、たとえば、CP付きOFDM(本明細書では、CP-OFDMと呼ばれる)および/または離散フーリエ変換拡散直交周波数分割多重化(DFT-s-OFDM)をアップリンク上で利用してもよく、ダウンリンク上でCP-OFDMを利用してよく、TDDを使用する半二重動作に対するサポートを含んでもよい。NRは、拡張モバイルブロードバンド(eMBB)サービスターゲットの広い帯域幅(たとえば、80MHzを超える)、ミリ波(mmW)ターゲットの高いキャリア周波数(たとえば、60GHz)、マッシブMTC(mMTC)ターゲットの後方互換性のないMTC技法、および/またはミッションクリティカルターゲットの超高信頼低レイテンシ通信(URLLC:ultra reliable low latency communications)サービスを含んでもよい。
【0050】
いくつかの態様では、100MHzのシングルコンポーネントキャリア帯域幅がサポートされてもよい。NRリソースブロックは、0.1ミリ秒(ms)の持続時間にわたって、サブキャリア帯域幅が60または120キロヘルツ(kHz)の12個のサブキャリアに跨ってもよい。各無線フレームは、長さが10msの40個のサブフレームを含んでもよい。したがって、各サブフレームは長さが0.25msであってもよい。各サブフレームは、データ送信用のリンク方向(たとえば、DLまたはUL)を指示してよく、サブフレームごとのリンク方向は、動的に切り替えられてもよい。各サブフレームは、DL/ULデータならびにDL/UL制御データを含んでもよい。
【0051】
ビームフォーミングがサポートされてもよく、ビーム方向が動的に構成されてもよい。プリコーディングを用いたMIMO送信もサポートされてもよい。DLにおけるMIMO構成は、最高で8つのストリームおよびUEごとに最高で2つのストリームを用いたマルチレイヤDL送信によって、最高で8つの送信アンテナをサポートしてもよい。UEごとに最高で2つのストリームを用いたマルチレイヤ送信がサポートされ得る。最大で8つのサービングセルを用いて、複数のセルのアグリゲーションがサポートされてもよい。代替として、NRは、OFDMベースのインターフェース以外の異なるエアインターフェースをサポートしてもよい。NRネットワークは、中央ユニットまたは分散ユニットなどのエンティティを含んでもよい。
【0052】
上記のように、
図4は例として示されている。他の例が可能であり、
図4に関して説明したことと異なってもよい。
【0053】
5G/NRでは、ビームフォーミングを使用して無線周波数(RF)性能を向上させてもよい。たとえば、ダウンリンク通信では、UE120に関連付けられたUEアンテナアレイがビーム(本明細書では受信ビームまたはRXビームと呼ばれる)を生成してもよい。受信ビームは、BS110のBSアンテナアレイによって生成されるビームとペアリングされてもよく、このビームは、送信ビーム、TXビーム、またはネットワークビームと呼ばれることがある。同様のビームペアリングがアップリンク通信またはサイドリンク通信に使用されてもよい。受信ビームと送信ビームは、ビーム基準信号(BRS)に従って整列されてもよい。たとえば、UE120および/またはBS110は、BRSを様々なリソース上で(たとえば、掃引構成のように連続的に)送信してもよい。十分な信号品質または信号強度を有するBRSが検出された後、検出エンティティは、BRSに少なくとも部分的に基づいて対応するビーム(送信ビームまたは受信ビーム)を構成してもよい。したがって、ビームペアリングが行われる。
【0054】
しかし、BS110およびUE120用の潜在的なビーム(受信ビームおよび/または送信ビーム)の数が多くなることがある。したがって、UE120は、以下の
図5に関してより詳細に説明するように、多数のリソースを監視してBS110の許容されるBRSを特定することが必要になる場合がある。この場合、UE120のバッテリー電力およびRXリソースがかなり使用されることがある。
【0055】
本明細書で説明するいくつかの技法および装置は、UE120が、UE120に関連するロケーション情報に少なくとも部分的に基づいて監視すべきBRSを特定する。たとえば、BRSは、特定のロケーションまたは領域に関連付けられる傾向があるので、UE120は、BRSおよび対応するロケーションを特定するマッピング情報に少なくとも部分的に基づいてUE120の現在のロケーションまたは予想されるロケーションに関連付けられたBRSを特定してもよい。いくつかの態様では、UE120は、他のBRSに関連付けられたリソースを監視しなくてもよく、UE120のバッテリー電力およびRXリソースが節約される。いくつかの態様では、UE120は、UE120によって実行される測定に少なくとも部分的に基づいてマッピング情報を少なくとも部分的に判定しても(たとえば、動的な判定、反復的な判定などを行っても)よい。このようにして、UE120のバッテリーリソースおよびRXリソースが節約される。さらに、マッピング情報に少なくとも部分的に基づいて適切なBRSが特定されるときにビーム選択、ハンドオーバなどがより高速になることがある。その理由は、UE120が適切なBRSを特定するために実行することが必要なBRS測定が少なくなる場合があるからである。
【0056】
図5は、本開示の様々な態様によるワイヤレス通信ネットワークにおけるBRS用のフレーム構造の例500を示す。
図5において、BS110は、UE120に対するBRSを送信してもよい。たとえば、参照番号505によって示すように、BS110は、BRS繰返し周期でBRSを送信してもよい。いくつかの態様では、BRS繰返し周期は、UE120のシステムフレームと同じ長さを有してもよい。いくつかの態様では、BRS繰返し周期は長さがたとえば20msであってもよい。ただし、任意の長さのBRS繰返し周期が可能であり、考えられる。図示のように、各システムフレームは複数のサブフレームを含んでもよい。ここで、各フレームは、各々14個のシンボルの50個のサブフレームを含む。しかし、他のサブフレーム構成および/またはシンボル構成が可能であり考えられる。
【0057】
参照番号510によって示すように、BS110は、特定のリソースにおいて特定のセル(たとえば、特定のビーム)用のBRSを送信してもよい。ここで、BS110は、BRS繰返し周期のサブフレーム25の第3のシンボルにおいてBRSを送信する。BRS繰返し周期の他のシンボルおよび/またはサブフレームは他のBRSに使用されてもよい。たとえば、他のBRSが、BS110の異なるビームおよび/もしくはセルを使用して送信されてもよく、または他のBS110のビームもしくはセルに関連付けられてもよい。参照番号515によって示されるように、BRSが繰り返されてもよい。たとえば、BRSは、フレーム当たり一度などの一定の間隔で繰り返されてもよい。図示のように、BRSは同じサブフレームおよびシンボルにおいて繰り返されてもよく、UE120は、このサブフレームおよびシンボルを使用して、BRSに関連付けられたセルを特定してもよい。
【0058】
UE120は、BRSに関してリソースを監視し、BS110とのビームペアリングに十分なBRSを判定する。たとえば、UE120は、RXアンテナアレイまたはRX受信チェーンをアクティブ化してリソースを監視する。しかし、各サブフレームの14個のシンボルすべてを監視すると、UE120の顕著な電力およびRXリソースが使用される場合がある。たとえば、RXアンテナアレイまたはRX受信チェーンを(たとえば、他のリソースの代わりに)BRSリソースに同調させることが必要になる場合がある。したがって、すべてのBRSリソース(またはBRSリソースの大きいサブセット)の監視を実行すると、UE120のバッテリー性能およびRX性能が悪影響を受けることがある。
【0059】
上記のように、
図5は例として示されている。他の例が可能であり、
図5に関して説明したことと異なってもよい。
【0060】
図6Aおよび
図6Bは、本開示の様々な態様による、ロケーション情報に基づいて測定を実行するBRSを特定する例600を示す図である。
図6AはBS110-1~BS110-4を示す。各BS110は、8つのビームに対応する8つのBRSを送信する。8つのBRS/ビームがそれぞれのインデックス番号1~8によって識別されている。UE120をカバーするかまたはUE120をカバーすることが予想されるビームが陰影で示されている。たとえば、BS110-1のビーム7および8、BS110-2のビーム2および3、BS110-3のビーム4、ならびにBS110-4のビーム6は、UE120をカバーするかまたはUE120をカバーすることが予想される。ここで、BS110-1のビーム7およびBS110-2のビーム3は、UE120の上方に矢印によって示されるUE120の移動方向に少なくとも部分的に基づいて、UE120をカバーすることが予想される。
【0061】
UE120は、マッピング情報に少なくとも部分的に基づいてUE120をカバーするかまたはUE120をカバーすることが予想されるビームおよび/またはBRSを判定または特定してもよい。たとえば、マッピング情報は、ロケーションと、すでにそのロケーションで検出されたBRS(たとえば、BRSインデックス、サブフレーム、シンボル、セル識別子、BS識別子など)を特定してもよい。いくつかの態様では、UE120は、マッピング情報を判定してもよい。たとえば、UE120は、BRSを検出すると、BRSと、BRSが検出されたロケーションとを識別する情報を記憶してもよい。いくつかの態様では、UE120は、(たとえば、別のUE120、BS110などに)マッピング情報を提供してもよく、それによって、場合によってはマッピング情報を判定するために使用されるマッピング情報の受信側のリソースが節約されることがある。
【0062】
いくつかの態様では、UE120は、マッピング情報を更新してもよい。たとえば、UE120は、新しいBRSおよび対応するロケーションをマッピング情報に付加してもよい。いくつかの態様では、UE120は、BRSおよび/またはロケーションをマッピング情報から削除してもよい。たとえば、UE120は、特定のBRSがマッピング情報によって特定されたロケーションには検出されないと判定してもよく、したがって、その特定のBRSをマッピング情報から削除してもよい。別の例として、UE120は、マッピング情報が特定の古さであることに少なくとも部分的に基づいて(たとえば、マッピング情報が1日間より古い、1週間より古いなどであることに少なくとも部分的に基づいて)特定のBRSまたはBRSのセットを削除してもよい。さらに別の例として、UE120は、特定のBS110に関連する変化を検出することに少なくとも部分的に基づいてマッピング情報を更新してもよい。たとえば、UE120は、特定のBS110の1つのBRSが対応するロケーションで受信されないと判定した場合、マッピング情報から特定のBS110の他のBRSを更新して(たとえば、削除して)もよい。
【0063】
いくつかの態様では、UE120は、BS110に関連する情報に少なくとも部分的に基づいてマッピング情報を判定してもよい。たとえば、基地局(たとえば、gNB)は、特定のベンダーによって作成または実装されてもよい。別の例として、基地局は特定のタイプの基地局であってもよい。UE120は、ベンダーまたはタイプに少なくとも部分的に基づいてマッピング情報を判定してもよい。たとえば、UE120は、BS110の第1のBRSに関連付けられたロケーションを判定してもよい。UE120は、BS110のベンダーまたはタイプを示す情報を受信または判定してもよい。UE120は、ベンダーまたはタイプに少なくとも部分的に基づいてBS110の1つまたは複数の第2のBRSの1つまたは複数のロケーションを判定してもよい。たとえば、BS110が第1のBRSのビームからの特定のオフセット(たとえば、時間オフセット、周波数オフセット、角度オフセットなど)における1つまたは複数のビームに関連付けられている場合、UE120は、この特定のオフセットに少なくとも部分的に基づいて1つまたは複数のビームのロケーションを特定するマッピング情報を判定してもよい。このようにして、UE120は、BS110のベンダーまたはタイプに少なくとも部分的に基づいてマッピング情報を判定してもよく、それによって、マッピング情報を判定するのに必要な時間およびRXリソースが削減される。
【0064】
いくつかの態様では、UE120は、UE120のロケーション情報に少なくとも部分的に基づいてマッピング情報を判定してもよい。たとえば、UE120は、あるロケーションにおいてBRSを検出したときに、そのBRSおよびロケーションを特定するマッピング情報を記憶してもよい。いくつかの態様では、ロケーション情報は、UE120の測定履歴、UE120のジャイロスコープ情報、UE120の全地球測位システム(GPS)情報、別のネットワークに関する情報(たとえば、UE120によって検出されたWiFiネットワークのロケーション)、またはUE120のロケーションもしくは方位を特定するかもしくは示す任意の他の情報に少なくとも部分的に応じてまたは基づいて判定されてもよい。
【0065】
いくつかの態様では、UE120は、UE120の移動方向、速さ、速度、および/または進行方向に少なくとも部分的に基づいてBRSを特定してもよい。たとえば、ロケーション情報は、移動方向、速さ、速度、および/または進行方向を含んでもよい。UE120は、移動方向、速さ、速度、および/または進行方向に少なくとも部分的に基づいてUE120が移動することが予想されるロケーションに関連付けられた1つまたは複数のBRSを判定してもよい。いくつかの態様では、UE120は、UE120がロケーションに到達した後に1つまたは複数のBRSについての測定を実行してもよい。このようにして、UE120は、UE120の将来のロケーションをカバーすることがあるビームを事前に特定することによってハンドオーバまたはセル再選択に関連する時間を短縮してもよい。
【0066】
図6Bに示すように、UE120は、マッピング情報およびロケーション情報を使用して特定されるビームおよび/またはBRSについての測定を実行してもよい。たとえば、参照番号605によって示すように、UE120は、(たとえば、BS110-2のビーム2がUE120の現在のロケーションをカバーすると判定されるので)BS110-2のビーム2のBRSについての測定を実行してもよい。同様に、UE120は、BS110-2(参照番号610)のビーム3、BS110-3(参照番号615)のビーム4、BS110-4(参照番号620)のビーム6、BS110-1(参照番号625)のビーム7、およびBS110-1(参照番号630)のビーム8のBRSについての測定を実行してもよい。
【0067】
いくつかの態様では、UE120は、他のビームまたはBRS(たとえば、参照番号605~630によって識別されるビームまたはBRS以外)についての測定を実行しなくてもよい。たとえば、UE120は、他のビームもしくはBRSについて、RXアンテナアレイおよび/もしくはRX受信チェーンを非アクティブ化してもよく、またはアイドルモードに入ってもよい。したがって、UE120は、電力および受信リソースを節約することがある。たとえば、UE120は、各サブフレームの14個のシンボルのうちの3つについての測定を実行するので、UE120の省電力化は顕著である場合がある(たとえば、すべての14個のサブフレームについての測定を実行する場合と比較して約72%の省電力化)。
【0068】
BS110-2のビーム3およびBS110-1のビーム7は、UE120の移動方向に少なくとも部分的に基づくUE120の予想されるロケーションをカバーする。UE120は、これらのビームのBRSに少なくとも部分的に基づいてターゲットセル選択を実行してもよい。これによって、これらのビームについての測定の安定性が向上することがある。したがって、UE120が候補ビームを確定する速さが向上する場合があり、それによって、再選択遅延またはハンドオーバ遅延が短縮される。
【0069】
本明細書で説明するように、BRSを測定することは、BRSを受信するようにBRSに関連付けられた受信ビームをアクティブ化することを含んでもよい。たとえば、マッピング情報は、各BRSに関連付けられたそれぞれの受信ビームを示してもよい。UE120は、マッピング情報およびロケーション情報に少なくとも部分的に基づいて特定された各BRSを受信するためにそれぞれの受信ビームをアクティブ化してもよい。たとえば、UE120は、参照番号605~630によって識別されるBRSを受信するために参照番号605~630によって識別されるBRSに関連付けられた複数の受信ビームをアクティブ化してもよい。これによって、
図6Bに示すサブフレームのすべてのシンボルに関連付けられた受信ビームをアクティブ化することと比較して、UE120のRXリソースおよび電力が節約されることがある。
【0070】
本明細書で説明するいくつかの態様では、UE120は、受信ビームをアクティブ化してBRSを受信するように記載されている。これは、受信ビームをアクティブ化して送信ビーム(たとえば、BRSを搬送する送信ビーム)を受信することまたは送信ビームとペアリングすることと同義であってもよい。たとえば、マッピング情報は、受信ビーム、BRS、および/または送信ビームのうちの任意の1つまたは複数が特定のロケーションに関連付けられることを示してもよい。言い換えれば、本明細書で説明する技法および装置は、マッピング情報に少なくとも部分的に基づいて受信ビームを特定することと、マッピング情報に少なくとも部分的に基づいて受信ビームをアクティブ化することと、マッピング情報に少なくとも部分的に基づいて送信ビームを特定することと、マッピング情報に少なくとも部分的に基づいてBRSを特定することとを含む。さらに、本明細書で説明する技法および装置は、送信ビームおよび送信ビームに対応するセルに同様に適用可能である。
【0071】
上記のように、
図6Aおよび
図6Bは、例として示されている。他の例が可能であり、
図6Aおよび
図6Bに関して説明したことと異なってもよい。
【0072】
図7は、本開示の様々な態様による、たとえば、UEによって実行される例示的なプロセス700を示す図である。例示的なプロセス700は、UE(たとえば、UE120)が、ロケーション情報に少なくとも部分的に基づいて測定すべきBRSの特定を実行する例である。
【0073】
図7に示すように、いくつかの態様では、プロセス700は、受信ビームがロケーション情報に関連付けられることを示すマッピング情報を判定することを含んでもよい(ブロック710)。たとえば、UEは(たとえば、コントローラ/プロセッサ280などを使用して)マッピング情報を判定してもよい。マッピング情報は、受信ビーム、(たとえば、基地局の)送信ビーム、および/または送信ビームに関連付けられたBRSまたは送信ビームによって搬送されるBRSを特定してもよい。マッピング情報はさらに、受信ビーム、送信ビーム、および/またはBRSに関連付けられたロケーションを示すロケーション情報を特定してもよい。
【0074】
図7に示すように、いくつかの態様では、プロセス700は、UEに関するロケーション情報を判定することを含んでもよい(ブロック720)。たとえば、UEは(たとえば、コントローラ/プロセッサ280などを使用して)UEに関するロケーション情報を判定してもよい。いくつかの態様では、UEは、UEのロケーションを判定してもよい。たとえば、ロケーションは、UEの現在のロケーションであってもよい。追加または代替として、ロケーションは、(たとえば、UEの移動方向に少なくとも部分的に基づく)UEの予想されるロケーションであってもよい。
【0075】
図7に示すように、いくつかの態様では、プロセス700は、ロケーション情報に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの基地局の少なくとも1つの送信ビームに関連付けられた、少なくとも1つのシンボルにおけるUEの受信ビームをアクティブ化することを含んでもよく、UEは、マッピング情報に少なくとも部分的に基づいて受信ビームをアクティブ化するように構成される(ブロック730)。たとえば、UEは、(たとえば、アンテナ252、DEMOD254、MIMO検出器256、受信プロセッサ258、コントローラ/プロセッサ280などを使用して)ロケーション情報およびマッピング情報に少なくとも部分的に基づいて少なくとも1つのシンボルにおける受信ビームをアクティブ化してもよい。いくつかの態様では、UEは、受信ビームをアクティブ化して少なくとも1つのシンボルにおける少なくとも1つのBRSを受信してもよい。たとえば、少なくとも1つのシンボルは、少なくとも1つのBRSを搬送するための少なくとも1つの送信ビームに対応してもよい。
【0076】
プロセス700は、以下で説明する任意の単一の態様または態様の任意の組合せなどの追加の態様を含んでもよい。
【0077】
いくつかの態様では、ロケーション情報は、UEの全地球測位システム(GPS)情報、ジャイロスコープ情報、速さもしくは速度を特定する情報、またはUEの地理的位置を特定する情報のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの態様では、UEは、少なくとも1つのシンボル以外の1つまたは複数のシンボルにおけるUEの受信ビームを非アクティブ化してもよい。いくつかの態様では、UEは、ロケーション情報に少なくとも部分的に基づいてUEの複数の受信ビームをアクティブ化してもよく、複数の受信ビームは、複数の基地局の複数の送信ビームに関連付けられ、複数の送信ビームは、少なくとも1つの送信ビームを含み、複数の基地局は、少なくとも1つの基地局を含む。いくつかの態様では、UEは、マッピング情報を判定または更新してもよい。
【0078】
いくつかの態様では、マッピング情報は、複数の基地局の複数の異なる送信ビームに関し、複数の異なる送信ビームは、少なくとも1つの送信ビームを含み、複数の基地局は、少なくとも1つの基地局を含む。いくつかの態様では、複数の異なる送信ビームは、複数の基地局のベンダーまたはタイプに少なくとも部分的に基づいて判定される。いくつかの態様では、受信ビームは、UEの現在のロケーションまたは予想されるロケーションに少なくとも部分的に基づいてアクティブ化される。
【0079】
いくつかの態様では、受信ビームは、UEをカバーするかまたはUEの予想されるロケーションをカバーする少なくとも1つの送信ビームに少なくとも部分的に基づいてアクティブ化される。いくつかの態様では、UEは、基地局に関連付けられたセルについてのセル再選択を実行してもよい。いくつかの態様では、UEは、UEの移動方向を特定し、UEの移動方向に少なくとも部分的に基づいて少なくとも1つの送信ビームを特定してもよい。いくつかの態様では、UEは、ロケーション情報に少なくとも部分的に基づいて複数の候補送信ビームを特定してもよく、少なくとも1つの送信ビームは、複数の候補送信ビームのうちの1つである。いくつかの態様では、UEは、ロケーション情報に少なくとも部分的に基づいて複数の候補送信ビームを特定し、複数の候補送信ビームのうちの1つまたは複数についての測定機会をスケジュールしてもよい。
【0080】
図7は、プロセス700の例示的なブロックを示すが、いくつかの態様では、プロセス700は、
図7に示すブロックと比べて、追加のブロック、より少ないブロック、異なるブロック、または異なるように配置されたブロックを含んでもよい。追加または代替として、プロセス700のブロックのうちの2つ以上が並列に実行されてもよい。
【0081】
上記の開示は例示および説明を提供するものであり、網羅的なものでも、または態様を開示された厳密な形態に限定するものでもない。上の開示を考慮して修正および変形が可能であり、各態様を実施することによってこのような修正および変形が実現されることがある。
【0082】
本明細書では、構成要素という用語は、ハードウェア、ファームウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組合せとして、広く解釈されるものとする。本明細書で使用する「プロセッサ」は、ハードウェア、ファームウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組合せとして実装される。
【0083】
本明細書では、いくつかの態様についてしきい値に関して説明する。本明細書で使用する「しきい値を満たすこと」は、値が、しきい値よりも大きいこと、しきい値以上であること、しきい値未満であること、しきい値以下であること、しきい値に等しいこと、しきい値に等しくないことなどを指す場合がある。
【0084】
本明細書で説明するシステムおよび/または方法は、様々な形態のハードウェア、ファームウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組合せで実装されてもよいことが明らかである。これらのシステムおよび/または方法を実装するために使用される実際の専用の制御ハードウェアまたはソフトウェアコードは、態様を限定するものではない。したがって、本明細書では、システムおよび/または方法の動作と挙動について、具体的なソフトウェアコードを参照することなく説明した。ソフトウェアおよびハードウェアが、本明細書の説明に少なくとも部分的に基づいてシステムおよび/または方法を実装するように設計できることを理解されたい。
【0085】
特徴の特定の組合せが特許請求の範囲に記載され、かつ/または本明細書で開示されても、これらの組合せは、可能な態様の開示を限定するものではない。実際には、これらの特徴の多くは、特許請求の範囲に特に記載されず、ならびに/または本明細書で特に開示されないように組み合わされてもよい。以下に列挙される各従属請求項は、1つだけの請求項に直接依存することがあるが、可能な態様の開示は、各従属請求項と請求項のセットの中の他のあらゆる請求項との組合せを含む。項目のリスト「のうちの少なくとも1つ」を指す句は、単一のメンバーを含むそれらの項目の任意の組合せを指す。一例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、a、b、c、a-b、a-c、b-c、およびa-b-c、ならびに複数の同じ要素による任意の組合せ(たとえば、a-a、a-a-a、a-a-b、a-a-c、a-b-b、a-c-c、b-b、b-b-b、b-b-c、c-c、およびc-c-c、または、a、b、およびcの任意の他の順序)をカバーすることが意図される。
【0086】
本明細書で使用される要素、行為、または命令はいずれも、そのように明示的に説明されない限り、重要または不可欠であるものと見なされるべきではない。また、本明細書では、冠詞「a」および「an」は、1つまたは複数の項目を含むものとし、「1つまたは複数の」と交換可能に使用されることがある。さらに、本明細書で使用する「セット」および「グループ」という用語は、1つまたは複数の項目(たとえば、関連する項目、関連しない項目、関連する項目と関連しない項目の組合せなど)を含むものとし、「1つまたは複数の」と交換可能に使用されてもよい。1つだけの項目が意図される場合、「1つの」という用語または同様の言葉が使用される。また、本明細書では、「有する(has)」、「有する(have)」、「有する(having)」などの用語は、非制限的な用語であるものとする。さらに、「に基づく」という語句は、別段明示的に述べられていない限り、「に少なくとも部分的に基づく」を意味するものとする。
【符号の説明】
【0087】
100 ワイヤレスネットワーク、アクセスネットワーク
102a、102b、102c マクロセル
110 BS
110a、110b、110c BS
110-1、110-2、110-3、110-4 BS
110d 中継局
120 UE
120a、120b、120c、120d、120e UE
130 ネットワークコントローラ
212 データソース
220 送信プロセッサ
230 TX MIMOプロセッサ
232 復調器
232a~232t 変調器
234a~234t アンテナ
236 MIMO検出器
238 受信プロセッサ
239 データシンク
240 コントローラ/プロセッサ
242 メモリ
244 通信ユニット
246 スケジューラ
252 アンテナ
252a~252r アンテナ
254 DEMOD
254a~254r 復調器
256 MIMO検出器
258 受信プロセッサ
260 データシンク
262 データソース
264 送信プロセッサ
266 TX MIMOプロセッサ
280 コントローラ/プロセッサ
282 メモリ
290 コントローラ/プロセッサ
292 メモリ
294 通信ユニット
300 フレーム構造
410 サブフレームフォーマット
500 例
600 例
605、610、615、620、625、630 BRS
700 プロセス