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特許7334208移動式医療機器駆動プラットフォームのためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-18
(45)【発行日】2023-08-28
(54)【発明の名称】移動式医療機器駆動プラットフォームのためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20230821BHJP
【FI】
A61B6/00 310
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021070528
(22)【出願日】2021-04-19
(65)【公開番号】P2021176505
(43)【公開日】2021-11-11
【審査請求日】2022-02-02
(31)【優先権主張番号】16/868,448
(32)【優先日】2020-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】319011672
【氏名又は名称】ジーイー・プレシジョン・ヘルスケア・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】ジー・エス・サンパス・クマール
【審査官】永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-110702(JP,A)
【文献】特開2019-146959(JP,A)
【文献】特開2017-023185(JP,A)
【文献】特開2016-120591(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0179878(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数の医療機器を収容するように構成されたシャーシ(306、404、502、802、1702、1704、1706、1708、1710、1730、1732、1734、1736、1738)と、
前記シャーシ(306、404、502、802、1702、1704、1706、1708、1710、1730、1732、1734、1736、1738)に結合された全方向ホイールを含む全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)と、
前記シャーシ(306、404、502、802、1702、1704、1706、1708、1710、1730、1732、1734、1736、1738)に収容されたバッテリ(506、610)であって、前記バッテリ(506、610)が、前記全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)を駆動するための電力を供給し、および/または前記1つまたは複数の医療機器を動作させるための電力を供給するように構成された、バッテリ(506、610)と、
前記シャーシ(306、404、502、802、1702、1704、1706、1708、1710、1730、1732、1734、1736、1738)に収容されたバッテリ管理システム(508)であって、前記バッテリ管理システム(508)が、前記バッテリ(506、610)の有線および/または無線充電を実行するように構成されている、バッテリ管理システム(508)と
ユーザからの入力を受信し、それに応答して前記全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)の動作を制御するように構成されたコントローラ(50、714、1402)と
を含
前記コントローラ(50、714、1402)は、移動式プラットフォーム(300、1506)の現在の構成の安定性パラメータを決定し、かつ前記決定された安定性パラメータに応答して前記全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)の出力を制限するのに実行可能なメモリに格納された命令を含み、
前記安定性パラメータは、静止している前記移動式プラットフォームのベースライン安定性パラメータに基づいて決定される、移動式プラットフォーム(300、1506)。
【請求項2】
前記全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)は、少なくとも2つの全方向ホイールシステムの第1の全方向ホイールシステムであり、前記シャーシ(306、404、502、802、1702、1704、1706、1708、1710、1730、1732、1734、1736、1738)は、前記少なくとも2つの全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)を自動的に制御するように構成された駆動コントローラ(50、714、1402)を含む、請求項1に記載の移動式プラットフォーム(300、1506)。
【請求項3】
前記駆動コントローラ(50、714、1402)は、前記移動式プラットフォーム(300、1506)を充電ステーション(504、612)に移動させるために、前記少なくとも2つの全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)を自動的に制御するように構成されている、請求項2に記載の移動式プラットフォーム(300、1506)。
【請求項4】
前記安定性パラメータは、前記移動式プラットフォームを不安定にする可能性があるかどうかを示すものであり、
前記ベースライン安定性パラメータは、前記移動式プラットフォームの重心と、前記移動式プラットフォームに設置された医療機器の重心との比較に基づいて計算される、請求項1に記載の移動式プラットフォーム(300、1506)。
【請求項5】
前記安定性パラメータは、前記移動式プラットフォームを不安定にする可能性があるかどうかを示すものであり、
前記ベースライン安定性パラメータは、前記医療機器の重量、前記移動式プラットフォーム上の医療機器の位置、前記医療機器の高さ、重心と地面との間の距離、幅または長さの中心の測定、平衡錘、対称性のうちの少なくとも1つに基づいて計算される、請求項4に記載の移動式プラットフォーム(300、1506)。
【請求項6】
旋回コラム(16)をさらに備える、請求項1に記載の移動式プラットフォーム(300、1506)。
【請求項7】
前記移動式プラットフォーム(300、1506)が前輪セットおよび後輪セットを含み、前記全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)が前記前輪セットまたは前記後輪セットの一部であり、前記バッテリ(506、610)が前記前輪セットと前記後輪セットとの間、かつ前記旋回コラム(16)の後方に配置される、請求項6に記載の移動式プラットフォーム(300、1506)。
【請求項8】
ブレース(904)と中央に配置された単一のコイルスプリング(906)とを含む後部サスペンションシステム(902)をさらに備える、請求項7に記載の移動式プラットフォーム(300、1506)。
【請求項9】
前記全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)が、前記レース(904)の下に収容されたモータドライブ(110,112、114、116、1408)と、分割駆動軸(912)を介して前記全方向ホイール(1406、1416,1418、1420)を駆動するホイールモータ(910)とを含む、請求項8に記載の移動式プラットフォーム(300、1506)。
【請求項10】
ユーザの各手と係合するようにハンドル(38、308、1504)に沿って配置された第1および第2の力感知領域を有するハンドル(38、308、1504)と、
前記ハンドル(38、308、1504)上の1つまたは複数の力感知領域を介してユーザの手から入力を受信し、それに応答して前記全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)の動作を制御するように構成されたコントローラ(50、714、1402)と、
をさらに備える、請求項1に記載の移動式プラットフォーム(300、1506)。
【請求項11】
前記全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)における全方向ホイールの回転および前記全方向ホイールの駆動トルクの角度は両方とも、前記ハンドル(38、308、1504)の前記第1および第2の力感知領域から感知された力に応答する、請求項10に記載の移動式プラットフォーム(300、1506)。
【請求項12】
移動式プラットフォーム(300、1506)と物理的にインターフェースするユーザ入力に応答して、電気モータおよびバッテリ(506、610)で1つまたは複数の全方向ホイールを駆動することによって前記移動式プラットフォーム(300、1506)を移動させることと、
前記バッテリ(506、610)を無線充電することと、
前記移動式プラットフォーム(300、1506)に結合された医療機器の構成に基づいて、前記移動式プラットフォーム(300、1506)の前記移動を制御することと
を含
前記動きの制御は、前記移動式プラットフォーム(300、1506)の決定された安定性パラメータに基づいて動きを制限することを含み、
前記移動式プラットフォーム(300、1506)の前記移動はハンドル(38、308、1504)から感知された力に応答し、前記移動は、縦方向と横方向の両方に同時に動かすように全方向ホイールを駆動することを含む、1つまたは複数の医療機器を収容するように構成されたシャーシ(306、404、502、802、1702、1704、1706、1708、1710、1730、1732、1734、1736、1738)を有する全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)によって駆動される移動式プラットフォーム(300、1506)の動作方法。
【請求項13】
前記安定性パラメータは、静止している前記移動式プラットフォームのベースライン安定性パラメータに基づいて決定され、
前記安定性パラメータは、前記移動式プラットフォームを不安定にする可能性があるかどうかを示すものであり、
前記ベースライン安定性パラメータは、前記移動式プラットフォームの重心と、前記移動式プラットフォームに設置された医療機器の重心との比較に基づいて計算される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記医療機器がアーム(32)を含み、動きを制御することは、アーム位置に基づいて特定の方向に前記移動式ラットフォーム(300、1506)の速度を制限することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
1つまたは複数の医療機器を収容するように構成されたシャーシ(306、404、502、802、1702、1704、1706、1708、1710、1730、1732、1734、1736、1738)と、
前記シャーシ(306、404、502、802、1702、1704、1706、1708、1710、1730、1732、1734、1736、1738)に結合された前輪セットと、
前記シャーシ(306、404、502、802、1702、1704、1706、1708、1710、1730、1732、1734、1736、1738)に結合され、それぞれが全方向ホイールを含む2つの全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)を含む後輪セットと、
前記シャーシ(306、404、502、802、1702、1704、1706、1708、1710、1730、1732、1734、1736、1738)に収容されたバッテリ(506、610)であって、前記バッテリ(506、610)が、各全方向ホイールを駆動するための電力を供給し、前記1つまたは複数の医療機器を動作させるための電力を供給するように構成された、バッテリ(506、610)と、
旋回コラム(16)と、
前記シャーシ(306、404、502、802、1702、1704、1706、1708、1710、1730、1732、1734、1736、1738)に収容されたバッテリ管理システム(508)であって、前記バッテリ管理システム(508)が前記バッテリ(506、610)の有線および/または無線充電を実行するように構成されている、バッテリ管理システム(508)と、
多方向感知を備えたハイブリッドUIFハンドル(38、308、1504)と、
前記2つの全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)を自動的に制御するように構成された駆動コントローラ(50、714、1402)であって、前記バッテリ(506、610)が前記前輪セットと前記後輪セットとの間、かつ前記旋回コラム(16)の後方に配置され、前記駆動コントローラ(50、714、1402)は、前記ハイブリッドUIFハンドル(38、308、1504)からの入力を受信し、それに応答して前記2つの全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)の動作を制御するようにさらに構成されている、駆動コントローラ(50、714、1402)と、
ブレース(904)と中央に配置された単一のコイルスプリング(906)とを含む後部サスペンションシステム(902)であって、前記2つの全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)のそれぞれが、前記レース(904)の下に収容されたモータドライブ(110,112、114、116、1408)と、分割駆動軸(912)を介して対応する全方向ホイールを駆動するホイールモータ(910)とを有する、後部サスペンションシステム(902)と
を含む、移動式プラットフォーム(300、1506)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される主題の実施形態は、移動式医療機器システムに関する。
【背景技術】
【0002】
移動式X線装置のような移動式医療機器システムは、患者の場所まで駆動される電動カートに装着されることがたびたびある。カートは、典型的には、システムを移動させるために駆動される2つの主輪を後部に有する。通常、カートの前部には2つの旋回輪が設けられる。加えて、医療機器アセンブリ(X線源または管など)は、ユニットの前部に近接した旋回コラムに装着され得る。
【0003】
これらの移動式医療機器システムでは、可動プラットフォームまたはカートは、ある程度のステアリングを可能にする独立して駆動されるホイールを有する。駆動ハンドルをカートの後部に設け、オペレータがハンドルの一方の側または他方の側をより強く押すことにより、カートを一方向または他の方向に回転させることを可能にすることができる。さらに、一部の病室は非常に小さく、および/または他の患者監視装置および機械などによってプラットフォームを移動させるのに利用可能な領域が制限されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第20190343701号
【発明の概要】
【0005】
一実施形態では、本開示は、1つまたは複数の医療機器を収容するように構成されたシャーシと、シャーシに結合された全方向ホイールを含む全方向ホイールシステムと、シャーシに収容されたバッテリであって、全方向ホイールシステムを駆動するための電力を供給し、および/または1つまたは複数の医療機器を動作させるための電力を供給するように構成されたバッテリと、シャーシ内に収容されたバッテリ管理システムであって、バッテリ管理システムがバッテリの有線および/または無線充電を容易にするように構成されている、バッテリ管理システムとを含む移動式プラットフォームを提供する。
【0006】
上記の簡単な説明は、詳細な説明でさらに説明される概念の選択を簡略化した形で紹介するために提供されていることを理解されたい。特許請求される主題の重要なまたは本質的な特徴を特定することは意図されておらず、その主題の範囲は詳細な説明に続く特許請求の範囲によって一義的に定義される。さらに、特許請求される主題は、上述の欠点または本開示の任意の部分に記載される欠点を解決する実施態様に限定されない。
【0007】
本発明は、添付の図面を参照しながら、以下の非限定的な実施形態の説明を読むことからよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】例示的な移動式撮像システムの立面図である。
図2図1のシステムの回転式駆動のための構成要素のブロック図である。
図3A】例示的な移動式医療機器プラットフォームを示す図である。
図3B】例示的な移動式医療機器プラットフォームを示す図である。
図3C】例示的な移動式医療機器プラットフォームを示す図である。
図4A】移動式医療機器プラットフォームに取り付けられた近接センサの例を示す図である。
図4B】移動式医療機器プラットフォームに取り付けられた近接センサの例を示す図である。
図5A】移動式医療機器プラットフォーム用の有線充電システムの例を示す図である。
図5B】移動式医療機器プラットフォーム用の有線充電システムの例を示す図である。
図6A】移動式医療機器プラットフォーム用の無線充電システムの例を示す図である。
図6B】移動式医療機器プラットフォーム用の無線充電システムの例を示す図である。
図7】側面から見た移動式医療機器プラットフォームの例を示す図である。
図8】正面から見た移動式医療機器プラットフォームの例を示す図である。
図9】後部全方向ホイールシステムにおけるサスペンションシステムの例を示す図である。
図10】上から見た例示的な移動式医療機器プラットフォームを示す図である。
図11】移動式医療機器プラットフォームを充電ステーションから所望の場所に展開するための例示的な方法を示すフローチャートである。
図12】ハンドルを介して移動式医療機器プラットフォームを移動させるための例示的な方法を示すフローチャートである。
図13】移動式医療機器プラットフォームが加速および/または回転し得る限界を決定するための例示的な方法を示すフローチャートである。
図14】全方向ホイールへの動力供給に関与する構成要素を示すブロック図である。
図15】駆動ハンドル入力とメカナムまたはダブルコーン全方向ホイールの対応するホイールの動きとのペアリングの例を示す図である。
図16】移動式医療機器プラットフォームの自動ナビゲーションのための例示的な方法を示すフローチャートである。
図17】異なるスケートボードシャーシ構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図3A図3B図3C図5B、および図7図10および図17は一定の縮尺で描かれているが、必要に応じて他の相対寸法を使用してもよい。
【0010】
本開示は、撮像システム(例えば、X線撮像システム)、超音波、ベビーウォーマー、移動式手術システム、または麻酔送達システムなどの1つまたは複数の医療機器を収容するように構成されたシャーシを含む、移動式医療機器プラットフォームなどの移動式プラットフォームに関する。狭いスペースでのナビゲーションを向上させるために、シャーシには、シャーシに結合された、全方向ホイールおよび対応するホイールモータ、モータドライブ、エンコーダ、ホイールセンサおよび/またはモータセンサ、またはその他の関連コンポーネントを備える全方向ホイールシステムが含まれる場合がある。シャーシは、シャーシ内に収容されたバッテリをさらに含み得、バッテリは、全方向ホイールシステムを駆動するための電力を供給し、および/または1つもしくは複数の医療機器を動作させるための電力を供給するように構成される。シャーシは、シャーシ内に収容されたバッテリ管理システムを含み得、バッテリ管理システムは、バッテリの有線および/または無線充電を容易にするように構成される。移動式プラットフォームは、全方向ホイールシステムを自動的に制御するように構成された駆動コントローラを含み得、例えば、バッテリを充電するために充電ステーションに、および/または要求された場所もしくは目標位置(例えば、病室)に、移動式プラットフォームを自動的に移動させる。
【0011】
駆動コントローラは、プログラミング命令が格納される有形で非一時的なコンピュータ可読媒体(メモリ)を含み得る。本明細書で使用される場合、有形のコンピュータ可読媒体という用語は、さまざまなタイプのコンピュータ可読ストレージを含み、単に伝播する信号を除外するように明示的に定義される。追加的または代替的に、例示的な方法およびシステムは、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、キャッシュ、または情報が任意の期間(例えば、長期間、恒久的、短時間、一時的にバッファリングする間、および/または情報をキャッシュする間)保存される任意の他のストレージメディアなどの非一時的なコンピュータ可読媒体に格納されたコード化された命令(例えば、コンピュータ可読命令)を使用して実装され得る。
【0012】
本明細書で言及されるメモリおよびプロセッサは、スタンドアロンであり得るか、またはさまざまなプログラマブルデバイス(例えば、コンピュータ)の一部として一体的に構築され得る。本明細書で参照されるコンピュータ可読記憶媒体のコンピュータメモリは、コンピュータ可読プログラム命令、またはコンピュータ可読プログラム命令、データなどのモジュールなどの電子フォーマット情報のストレージ用の揮発性および非揮発性または取り外し可能および非取り外し可能の媒体を含み得、スタンドアロンまたはコンピューティングデバイスの一部であり得る。コンピュータメモリの例には、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、または情報の所望の電子フォーマットを格納するために使用でき、1つまたは複数のプロセッサもしくはコンピューティングデバイスの少なくとも一部によってアクセスできる任意の他の媒体が含まれるが、これらに限定されない。
【0013】
図1は、医療分野または他の分野で使用され得る移動式撮像システム10の形態の例示的な移動式医療機器システムを示す。システム10は、移動式医療機器プラットフォーム12(ホイール付き電動駆動アセンブリ)と、移動式医療機器プラットフォーム12によって支持され得るオペレータコンソール14とを有する。オペレータコンソール14は、移動式プラットフォームを動作させるため、および/または移動式医療機器プラットフォーム12に結合された医療機器を動作させるか、それと通信して動作させるためのユーザインターフェースを提供し得る。移動式医療機器プラットフォーム12は、フレーム13(本明細書では移動式シャーシとも呼ばれる)と、移動式プラットフォーム12の後端部26でフレームに結合された2つの後部駆動輪18(1つのホイールが示されている)と、移動式プラットフォーム12の前端部28でフレームに結合された2つの前部駆動輪20(1つのホイールが示されている)とを備える。
【0014】
コラム16または他の支持部材は、移動式医療機器プラットフォーム12のフレームに取り付けられ、フレームから上方に延在し、移動式医療機器プラットフォーム12に対して回転または旋回する。いくつかの例では、コラム16は折り畳み式であり、したがってユーザ操作に応じてフレームから外方に伸縮し得る複数の入れ子状セクションで構成され得る。センサ46は、移動式医療機器プラットフォーム12に対するコラム16の回転または移動量を検出してもよい。コラム16には、アーム32が所定の回転位置で固定される。アーム32は、フレームに対して垂直方向に調整可能であり得る。例えば、コラムは(上述のように)折り畳み式であり得、アーム32はコラムが伸張または折り畳まれるにつれて垂直方向に移動され得る。追加的または代替的に、アームは、例えばユーザ操作に応じて、コラム16に沿って垂直方向に並進するように構成されてもよい。アーム32はまた、コラム16に対して伸縮することができ、アーム32の外側端に装着された構成要素をコラム16に近づけたり遠ざけたりすることが可能である。一実施形態では、アーム32は、コラム16に対してさらなる自由度を有することができる。本明細書では、X線源アセンブリ15を含む放射線源34の形態の撮像アセンブリがアーム32の外側端に取り付けられ、X線源(図示せず)を収容するX線管ハウジング22を有する。コリメータ24が管ハウジング22に取り付けられ、管ハウジング22に対して回転可能である。移動式医療機器プラットフォーム12および/またはコラム16に対するコリメータ24の回転または移動量を検出するために、センサ48を設けることができる。X線検出器36はX線データを検出し、無線でまたはケーブル37を介して撮像コントローラ27と通信することができる。
【0015】
1つまたは複数のセンサが、例えばコラム16に対する、アーム32の相対移動を検出するように配置される。示すように、プッシュセンサ62は、コラム16に向かって内方へのアーム32の移動を検出することができ、プルセンサ64は、コラム16から離れて外方へのアーム32の移動を検出することができる。プッシュセンサ62は、コラム16に近接して(例えば、撮像アセンブリよりもコラムの近くに)配置されてもよく、プルセンサ64は、撮像アセンブリに近接して(例えば、コラム16よりも放射線源34の近くに)配置されてもよい。しかしながら、センサの載置は例示であり、プッシュセンサが撮像アセンブリに近接して配置されてプルセンサがコラムに近接して配置されるなど、他の位置も可能である。
【0016】
プッシュセンサ62およびプルセンサ64は各々、アームの進行の終了を示す機械的スイッチであり得る。他の例では、プッシュセンサ62およびプルセンサ64は、光学センサ、磁気センサ、圧力/力センサ、慣性測定ユニット(IMU)、またはこれらのセンサの任意の変形であり得る。センサがポテンショメータまたはエンコーダである場合、アームの伸張度は、伸張範囲内の所定の値によって画定された進行終了位置で連続的に測定されてもよい。さまざまな実施形態のセンサは、適切な種類のセンサであり得ることに留意されたい。例えば、センサの1つまたは複数は、光学的、磁気的、電気的、または他の機構を使用して距離の変化を感知することに基づいて動作し得る。
【0017】
第1の手動操作式インターフェースは、移動式医療機器プラットフォーム12のフレームに結合されるなど、移動式プラットフォーム12の後端部26に提供される駆動ハンドル38の形態で、移動式プラットフォーム12上に設けられる。駆動コントローラ50は、駆動ハンドル38の操作(例えば、ユーザ操作)に基づいて信号を感知または受信し、したがって、移動式プラットフォーム12は、力センサによる多方向感知に基づいて被検体29を撮像するために異なる場所に駆動され得る。移動式医療機器プラットフォーム12は、少なくとも1つのモータ(図2に示す)を有することができ、後部駆動輪18および前部駆動輪20を別々に駆動することが可能である。
【0018】
被検体29は、典型的には、ベッドまたはテーブル30の上に横たわっている。移動式プラットフォーム12がテーブル30の近くに配置されると、コラム16が(例えば、ユーザ操作によって)旋回または回転されて被検体29上にX線源アセンブリ15を位置決めする。X線検出器36は、被検体29の反対側に配置される。
【0019】
移動式プラットフォーム12の後端部26に近接して、ユーザインターフェース44を設けることができる。任意選択で、ユーザインターフェース44は、駆動ハンドル38もしくはオペレータコンソール14と一体化されてもよく、または移動式プラットフォーム12から離れてオペレータの手に保持され得るリモコンとして構成されてもよい。ユーザインターフェース44は、無線でまたは有線接続を介して駆動コントローラ50と通信することができる。ユーザインターフェース44は、キーボード上のキーまたはタッチスクリーン上の選択として提供される、ボタン、ジョイスティック、トグルスイッチ、パワーアシストハンドルなどの1つまたはそれらの組み合わせであり得る。
【0020】
いくつかの例では、ユーザインターフェース44は、駆動ハンドル38の形態であり得る。そのような例では、駆動ハンドル38を操作すると、移動式プラットフォーム12の移動を制御するために信号が駆動コントローラ50に送信されることになる。いくつかの例では、駆動ハンドル38によって送信された信号は、ユーザインターフェース44によって送信された信号とは異なり得る。例えば、ユーザインターフェース44は、駆動モードを切り替えるための信号を送信し、移動式プラットフォーム12の電源をオンまたはオフにしてもよく、一方、駆動ハンドル38は、方向信号および力信号を送信して、ホイールに電力を供給する方法を駆動コントローラ50に指示してもよい。駆動ハンドル38および/またはユーザインターフェース44を使用してビークルを駆動する方法の例は図12および図15に示され、より詳細に説明されている。
【0021】
駆動コントローラ50は、コラム16、アーム32、コリメータ24、および/またはX線源アセンブリ15の位置を示す角度情報をセンサ46およびセンサ48から受信する。さらに、駆動コントローラ50は、アームの伸張/移動(およびアームに結合された撮像アセンブリの関連する移動)を示すアーム移動情報をセンサ62および64から受信する。オペレータが撮像アセンブリおよび/またはアームを進行終了位置(例えば、アームの伸縮運動が停止し、アームのさらなる移動がコラムに伝達される位置)に移動すると、移動式プラットフォーム12を、例えば、移動式医療機器プラットフォーム12に対するコラム16の回転角度およびアームの移動方向に基づいて移動させることができる。別の実施形態では、コリメータ24は、X線管ハウジング22に対して回転または調整することができる。したがって、コリメータ24と移動式医療機器プラットフォーム12との間の角度関係もまた、変化する。次に、駆動コントローラ50は、移動式医療機器プラットフォーム12に対するコリメータ24の回転角度に基づいて、移動式プラットフォーム12を移動させてもよい(例えば、移動式医療機器プラットフォーム12内のモータを係合させて、後部駆動輪18および/または前部駆動輪20を移動させる、および/またはコラム16を回転させる)。移動式医療機器プラットフォーム12に関して異なる回転角度が使用され得ることを理解されたい。さらに、駆動コントローラ50は、システムが有線および/または無線の充電ステーションおよび/または他の目標位置に自動的に移動するセルフナビゲートモードで移動式プラットフォーム12を動作させるために、ホイールを自動的に駆動するように構成され得る。
【0022】
したがって、ユーザインターフェース44を介して、オペレータは、折り畳み式コラムを上下させ、および/または医療機器が設置された固定式または折り畳み式コラムに取り付けられたアームの部分を伸長および/または回転させることができる。さらに、ユーザインターフェース44を介して、オペレータは、プラットフォーム、コラム、またはアームの動きをデバイス設定と調整するために、プラットフォームに設置された通信可能に結合された医療機器に指示を送ることができる。例えば、プラットフォームに取り付けられたX線装置の基準フレーム内に患者を配置するために、オペレータは、すべてユーザインターフェース44を介して、移動式プラットフォームのホイールを前方に動かし、コラム16を回転させ、アーム32を伸ばし、コリメータ24の設定を調整することができる。プラットフォームおよびその構成要素がどのように移動、回転、および配置され得るかは、図11図15にさらに詳細に説明されている。
【0023】
図2は、図1の移動式医療機器プラットフォーム12を駆動するための構成要素のブロック図である。前に論じたように、別の部屋に移動するとき、および初期位置決め中に、駆動コントローラ50は、力センサを介した多方向感知から、駆動ハンドル38(および/またはユーザインターフェース44)からの駆動入力を受信する。駆動入力に基づいて、駆動コントローラ50は、速度情報をモータドライブ110、112、114、および116に出力して、第1の駆動輪100、第2の駆動輪102(一実施形態では、図1に示される後部駆動輪18)、第3の駆動輪104、および第4の駆動輪106(一実施形態では、図1に示される前部駆動輪20)の1つまたは複数を、それぞれ第1のモータ101、第2のモータ103、第3のモータ105、および第4のモータ107を介して駆動する。いくつかの例では、第1の駆動輪100、第2の駆動輪102、第3の駆動輪104、および第4の駆動輪106のそれぞれは、ホイールの円周の周りに配置されたローラーを含むオムニホイールであり得る。さらに、いくつかの例では、追加的または代替的に、第1の駆動輪100、第2の駆動輪102、第3の駆動輪104、および第4の駆動輪106のそれぞれは、メカナムホイールまたはオムニホイールまたは多方向性ホイールであり得る。動作中いつでも、駆動コントローラ50は、ボタン、センサ、バンパーなどのうちの1つまたは複数を含み得る1つまたは複数の緊急停止機構52からの入力を受信し、それに基づいて作用するように構成され得る。
【0024】
一実施形態では、コラム16の底部は、移動式医療機器プラットフォーム12から伸張するシャフト54に接続される。センサ46は、コラム16の回転を検出するためにシャフト54に接続される。センサ46は、回転情報を駆動コントローラ50に提供する。センサ46は、光学センサ、磁気センサ、ホール効果センサ、またはコラム16の回転の程度を検出するように適合された他の適切なセンサであり得る。コラム16の回転を感知するために他のエンコーダまたはセンサ構成を使用することができることを理解されたい。コリメータ24にまたはそれに近接して装着されたセンサ48は、コリメータ24の回転を感知し、回転情報を駆動コントローラ50に提供する。プッシュセンサ62およびプルセンサ64は、アーム32上またはアーム32内に位置し、アーム(および関連する撮像アセンブリ)の移動を感知し、アーム伸張/移動情報を駆動コントローラ50に提供する。一例では、プッシュセンサ62は、アームが第1の進行終了位置に達したかどうかを決定するために駆動コントローラ50が使用することができる出力を駆動コントローラ50に提供することができる。プルセンサ64は、アームが第2の進行終了位置に達したかどうかを決定するために駆動コントローラ50が使用することができる出力を駆動コントローラ50に提供することができる。センサ46、センサ48、プッシュセンサ62、およびプルセンサ64は、無線でまたは有線接続を介して駆動コントローラ50と通信することができる。
【0025】
駆動コントローラ50がプッシュセンサ62および/またはプルセンサ64から入力を受信すると、駆動コントローラ50の回転式駆動モジュール56は、センサ46および48の一方または両方によって提供される回転情報、ならびにアーム/放射線源の移動方向(例えば、オペレータに向かうまたはオペレータから離れる)を示すセンサ62および64からの特定の入力に基づいて、各駆動輪の速度を決定することができる。
【0026】
上記の移動式プラットフォーム12などの移動式医療機器プラットフォームは、さまざまな医療設定で使用され得る。これらの医療設定には、患者のベッドサイド環境が含まれる場合があり、移動式医療機器プラットフォームのオペレータは、移動式プラットフォームを自宅/駐車場または他の位置から患者のベッドサイドに移動することを望む場合がある。さらに、いくつかの例では、移動式医療機器プラットフォームは、ある患者/診察室から別の病室など、医療施設全体を移動する場合がある。環境内の物体との衝突を回避しながら、患者のベッドサイドなどの狭いスペースに移動式医療機器プラットフォームを適切に配置および/またはナビゲートすることは困難であり得る。さらに、そのような移動式医療機器プラットフォームは、定期的に再充電され得るバッテリを含み得る。充電ケーブルを含む従来の有線充電機構は、劣化する傾向があり得る(例えば、ケーブルの劣化および/またはケーブルのスプーリングの問題)。移動式医療機器プラットフォームを撮像が行われるさまざまな場所に注意深くナビゲートし、移動式医療機器プラットフォームをバッテリ充電のためのホームポジションにナビゲートし、充電ケーブルに過度の負荷をかけずにバッテリ充電が行われるようにするのにかかるオペレータの注意と時間は、オペレータ/臨床医のリソースを圧迫し、介護者の認知的負荷を増大させ、および/または移動式医療機器プラットフォームの早期劣化を引き起こす可能性がある。
【0027】
したがって、本明細書に開示される実施形態によれば、移動式医療機器プラットフォーム(例えば、図1および図2のシステム10の移動式医療機器プラットフォーム12)は、医療機器構成要素(例えば、放射線源、X線検出器など)が設置されてもよい移動式シャーシを含み得る。移動式シャーシは、高度に操作可能なホイール(例えば、図1および図2に関して上記で説明した全方向ホイール)、およびオペレータが移動式医療機器プラットフォームを動かすことができるハイブリッドユーザインターフェースを含み得、それにより、移動式医療機器プラットフォームに、任意の方向に(例えば、360°の可能な回転角度から任意の角度で)回転する機能を提供し、柔軟な位置変更をサポートし、目的地までの最短経路に沿ったナビゲートを支援する。さらに、位置センサ(光学センサなど)を、移動式シャーシの表面(例えば、前向きの表面)に沿って配置してもよい。位置センサは、移動式医療機器プラットフォームの経路内の物体を検出することができ、物体が検出されると、衝突を回避するために、移動式医療機器プラットフォームを減速または停止することができる。
【0028】
移動式シャーシは、ホイールを駆動するモータに電力を供給し、かつ移動式医療機器プラットフォームのコンポーネントを動作させるための電力を供給するように構成された1つまたは複数のバッテリをさらに含むことができる。バッテリの充電/放電は、移動式シャーシにも含まれているバッテリ管理システムによって制御することができる。バッテリ管理システムは、バッテリの充電/放電アルゴリズムを実行し、充電器のACをDCに変換して、バッテリを充電するために供給することができ、および/またはバッテリの性能(例えば、電圧、電流、温度)を監視することができる。
【0029】
バッテリは、有線および/または無線充電を介して再充電できる。いくつかの例では、移動式シャーシは、バッテリを充電するために充電ステーションに配置され得る、ケーブル接続されていない有線充電ドッキング機構を含み得る。いくつかの例では、移動式シャーシは、検索センサ(例えば、LiDAR、光学、赤外線)を使用して充電ステーションにセルフナビゲートするように構成され得る。充電ステーションは、移動式シャーシ/移動式撮像システムが充電ステーションに配置されたことを検出するために使用され得るトリガセンサを備えて構成されてもよく、その結果、充電が開始されてもよい。充電ステーションへのセルフナビゲートを開始するために、ユーザは、移動式医療機器プラットフォームのユーザインターフェースへの入力など、移動式医療機器プラットフォームへの入力を入力することができる。このように、移動式医療機器プラットフォームへの単純なユーザ入力を介して、移動式医療機器プラットフォームは、追加のユーザ操作なしに、充電ステーションにセルフナビゲートし、充電ステーションとドッキングし、充電することができる。図5A図5B図6A、および図6Bは、移動式医療機器プラットフォームがどのように充電ステーションとドッキングし得るかをより詳細に示している。
【0030】
移動式シャーシは、上記のX線システムなどの撮像システムを移動して電力を供給するためのプラットフォームとして構成され得る。ただし、移動式シャーシは、超音波システムなどの他の撮像システムを移動して電力を供給するために使用することも、麻酔システムなどの非撮像システムを移動/電力供給するために使用することもできる。
【0031】
図3Aは、移動式シャーシ306に取り付けられた医療機器プラットフォーム302を含む、図1図2のシステムで使用され得る例示的な移動式プラットフォーム300を示す。移動式プラットフォーム300は、駆動ハンドル308(例えば、図1の移動式医療機器プラットフォーム12の駆動ハンドル38)、2つの前輪(前輪310を含む)、および2つの後輪(後輪312を含む)をさらに含む。移動式シャーシ306は、バッテリ316およびバッテリ管理システム314を含む。図3Aは、1つのバッテリおよび対応するバッテリ管理システムを示しているが、移動式シャーシ306は、移動式シャーシの反対側にある別のバッテリおよび対応するバッテリ管理システムなどの追加のバッテリおよび/またはバッテリ管理システムを含み得ることを理解されたい。
【0032】
移動式プラットフォーム300は、移動式プラットフォームを操作する(例えば、運転する)ためのハイブリッドユーザインターフェース(UIF)駆動ハンドル308(例えば、図1に示す駆動ハンドル38)を含む。ハイブリッドユーザインターフェース駆動ハンドルは、地面における360度の自由度で方向を感知し、予想される(操作された)運動方向をベクトルとして感知し、運動制御システムに入力を提供することができる。前述のように、ハンドル308は、圧力の差またはハンドルの右側および左側の動きの形態でユーザ入力を解釈するために、ハンドルの両側に配置され得る2つ以上の力感知ハンドル領域(例えば、圧力センサ)を含み得る。例えば、移動式プラットフォーム300は、ユーザ入力をハンドルの両側への前方圧力(例えば、押す)の形態で、前方への動きを生成するためにホイールに動力を供給するように移動式プラットフォームに指示するものとして解釈し得る。あるいは、移動式プラットフォーム300は、ハンドルの一方の側の前方圧力およびハンドルの反対側の後方圧力を、移動式プラットフォームが所定の位置で回転するように指示するものとして解釈し得るか、またはハンドルへの横方向の圧力を、移動式プラットフォームが横方向に移動するように指示するものとして解釈し得る。センサは、磁気センサ、光学センサ、力変換器の配置、慣性測定ユニット(IMU)、または360度回転するX、Y空間での直線的な動きをサポートするこれらのセンサのバリエーションであり得る。駆動ハンドルへの圧力がどのようにホイールの動きに変換されるかを示す例を以下の図15に示す。一例では、ハンドルは、2つのハンドル領域(例えば、共通のハンドルバーの左側および右側)を含み得、それぞれが、それ自体の多方向力センサを有する。構成例では、各多方向力センサは、前方/後方の力、およびその方向の力ベクトルの大きさを感知できる。したがって、ユーザの左力ベクトルが下向きに45度の角度で前方にあり、ユーザからの右力ベクトルが45度の角度で前方にある場合、各センサはその力ベクトルの前方成分をそれぞれ感知する。次に、ホイールモータを調整して、感知した力ベクトルに比例する速度を提供することができる。一例では、前後方向の左右の感知された力ベクトルが一緒に加算されて方向ベクトルの大きさおよび角度方向を形成し、ホイールコマンドを制御し、感知され合算された力に比例し、合算された方向に所望の速度を提供する。図15に関してさらに示されるように、左/右力ベクトルの感知された大きさを組み合わせて、例えば、左/右力ベクトルの差に比例する回転方向を形成することができる。一例では、比例決定は、パラメータを掛けたゲインに基づくことができ、これは、線形ゲインであり得るか、または、例えば、移動式プラットフォームの重量などのパラメータの関数であるゲインであり得る。
【0033】
移動式プラットフォーム300はまた、図1の移動式撮像システム10のオペレータコンソール14などのオペレータコンソールの一部として、ユーザインターフェース320(例えば、図1の移動式撮像システム10のユーザインターフェース44)を有し得、これは、駆動ハンドルの近くの移動式プラットフォームの裏側にあるタッチディスプレイ、ジョイスティック、または同様の制御装置など、移動式プラットフォームを操作または駆動するための代替のインターフェースを含み得る。一実施形態では、ユーザインターフェース320は、1つまたは複数の選択可能な要素(例えば、ボタン)を備えたタッチスクリーン332を含み得、これは、選択されると、移動式プラットフォームに所与の方向に移動するかまたは所定の位置で回転するように指示する。例えば、タッチスクリーン332は、移動式プラットフォームに反時計回りまたは時計回りに所定の位置で回転するようにそれぞれ指示するための回転ボタン322および324を含み得る。回転ボタン322および324は、矢印で示される方向移動ボタン326によって囲まれていてもよく、矢印は、選択されると移動式プラットフォームに前方、後方、横方向、または対角方向に移動するように指示し、オペレータは、関連するボタンを順番に選択することによって移動式プラットフォームをある場所に向けることができる。いくつかの実施形態では、移動式プラットフォームは、移動式プラットフォームがどのように動かされ得るかをより正確に定義するために、同時に複数の方向ボタンの選択をサポートし得る。例えば、オペレータは、ベクトルの合計を表す方向に移動するように移動式プラットフォームに指示するために、2つの隣接する方向矢印を同時に選択することができる。
【0034】
あるいは、ユーザインターフェース320は、同様に、オペレータが移動式プラットフォームに任意の方向(例えば、360度)で直線的に移動するように指示することを可能にするジョイスティックを備え得る。いくつかの実施形態では、ジョイスティックは、ジョイスティックに加えられる圧力が移動式プラットフォームの所望の速度または加速を示すように、触覚または力フィードバックセンサに基づいて動作することができる。他の実施形態では、ジョイスティックは、磁気センサ(例えば、ホール効果センサ)、または360度回転するX、Y空間内の直線的な動きをサポートする任意の他のタイプのセンサに基づいて動作することができる。タッチスクリーンまたはジョイスティックなどの代替の駆動機構は、例示的かつ非限定的な目的のために言及されており、別の同様の機能的なユーザインターフェースに置き換えることができる。さらに、他のタイプの情報ディスプレイまたはナビゲーション制御を、移動式プラットフォーム300のグラフィカルユーザインターフェース320に組み込むことができる。例えば、フロアプランまたは同様の2次元レイアウトが表示され得、その中に移動式プラットフォーム300の位置が示され得る。他の実施形態では、グラフィカルユーザインターフェース320にビデオディスプレイが組み込まれ得る。例えば、運搬される医療機器が非常に大きく、運転者がその上または周囲を見ることができない移動式プラットフォームを操作する場合、移動式プラットフォームの前面に配置された1つまたは複数のビデオカメラ304は、移動式機器の経路およびその途中にある任意の障害物を示すグラフィカルユーザインターフェース320を介して、運転者にリアルタイムビデオを表示することができる。
【0035】
代替的または追加的に、移動式プラットフォーム300は、移動式プラットフォーム300の前面に取り付けられた1つまたは複数の衝突検出センサ330を含み得、これは、プラットフォームがその経路内の物体と衝突した場合にプラットフォームを自動的に停止し得る。一実施形態では、衝突検出センサは、移動式医療機器プラットフォームの前を横切って水平および/または垂直に延びるバンパー上に配置された圧力センサであり得、プラットフォームがその経路内の物体に接触または衝突したときに作動する。衝突検出センサはまた、図4Aおよび図4Bに関してさらに詳細に説明するように、超音波または同様の近接センサ、または所与の閾値(例えば、移動式プラットフォームの前面から6インチの閾値距離)内の衝突または近接時にトリガされ得る任意の他のタイプのセンサを含み得る。移動式プラットフォーム300はまた、ユーザインターフェース320または同様の制御に緊急停止ボタン334を含み得、移動式プラットフォームを所定の位置に即座に停止させて、障害物または同様の差し迫ったリスクを回避する。
【0036】
移動式プラットフォーム300は、図1の駆動輪100および102などの全方向後部駆動輪312を含み得る。全方向駆動輪は、図3Cに関して以下に説明するように、メカナム(例えば、ダブルコーン)ホイールまたは別の種類のオムニホイールであり得る。移動式プラットフォーム300は、パワー、応答性、または移動の容易さを向上させるために、移動式プラットフォームの前部に追加の全方向駆動輪310を含み得る。他の実施形態は、移動式プラットフォーム(例えば、キャスター)の前部に動力を与えられていないホイールを含み得る。
【0037】
移動式プラットフォーム300は、移動式医療機器プラットフォームの前部に調節可能なコラムベース328を含み得、その上に、図1Aの移動式機器移動式プラットフォーム12のコラム16などのコラムが、移動式プラットフォームによって運搬される医療機器の取り付け要素のために設置され得る。例えば、移動式プラットフォーム300によって運搬されるX線装置は、移動式プラットフォーム300がX線装置を患者まで直接動かすことができるように、コラムベース328に設置されたコラムによって支持される前部にCアームを含み得る。
【0038】
図3Bは、医療機器フレームが取り外された、図3Aの移動式シャーシ306の一例の3Dレンダリング350を示す。移動式シャーシ306は、バッテリおよびバッテリ管理システムを容易に取り外すことができるように(例えば、劣化したときに交換するために)、また使用における柔軟性のために、移動式医療機器プラットフォームの片側または両側にバッテリおよびバッテリ管理システムを収容するためのモジュラーコンパートメント318および320を含み得る。例えば、一部の環境では、コンパートメント318または320のいずれかがブロックされ、バッテリまたはバッテリ管理システムの視覚的検証または交換が不可能であり得る位置で、移動式医療機器プラットフォームが駐車および/または充電される場合がある。あるいは、重心を考慮すると、片側または反対側の重みが優先される場合がある。例えば、プラットフォームに設置された機器が移動式プラットフォームの片側に横方向に延びる場合、1つまたは複数のバッテリおよびバッテリ管理システムを移動式プラットフォームの反対側に配置して、重量を相殺することができる。
【0039】
図3Bに示すように、コンパートメント318および320は、移動式医療機器プラットフォームの中心、前輪と後輪の間、および移動式シャーシ306の底部に配置することができる。床に取り付けられた充電ステーションでの無線充電を容易にし、操縦中の安定性を提供し、および/または移動式医療機器プラットフォームに設置された医療機器へのより効率的なアクセスのためにプラットフォームの全高を下げるために、低い中央の位置決めが有利であり得る。さらに、集中したコンパクトなバッテリの積層配置により、移動式医療機器プラットフォームのフットプリントが削減され、より効率的な保管と操作性が可能になり得る。
【0040】
他の実施形態では、移動式医療機器プラットフォーム構成要素のより効率的な配置は、後で説明するように、カスタマイズされた必要性に従って構成要素を柔軟に設置できる平らなプラットフォームを含むスケートボードシャーシを使用することによって得ることができる。
【0041】
移動式プラットフォーム300は、柔軟で簡単な運転操作性のために全方向ホイールを含み得、これは、全方向ホイールが最小ホイール半径なしで任意の方向(すなわち、360度の移動性)で移動式プラットフォームに電力を供給できるためである。図3Cは、メカナム(例えば、ダブルコーン)ホイール382およびさまざまなホイール構成の例示的なオムニホイール384、386、および388を含む、全方向ホイールの例示的な選択肢380を示す。図3Cは、例示のみを目的とするものであり、タイプ、ホイール構成、ローラーの数または形状、もしくは他の関連する特性に関して限定するものとして解釈されるべきではないことを理解されたい。
【0042】
衝突回避を支援するために、本明細書に記載の移動式シャーシは、移動式プラットフォーム300の衝突検出センサ330に関して上記で説明したように、移動式シャーシの前面に配置された複数の近接センサを含み得る。図4Aおよび図4Bは、移動式シャーシに取り付けられ得る例示的な近接センサを示す。図4Aは、図1のフレーム13などの移動式シャーシ404に結合された医療機器ハウジング402(医療機器コンポーネントを収容する)を含む例示的な移動式医療機器プラットフォーム400を示す。移動式プラットフォーム300に関して上記で説明したように、手動または自動のナビゲーションを支援するために、移動式プラットフォーム300のビデオカメラ304などの1つまたは複数のビデオカメラを移動式シャーシ404に取り付けることができる。丸で囲まれた領域406で一般的に示すように、2つの近接センサが移動式シャーシ404に取り付けられている。
【0043】
図4Bは、移動式医療機器プラットフォーム/移動式シャーシの前面に配置された複数の近接センサ408を備えた、上から見た図による移動式医療機器プラットフォーム400を概略的に示す。前面は、移動式医療機器プラットフォームがユーザによって動かされているときに前方を向く可能性が最も高い表面であり得、したがって、駆動ハンドルからは移動式医療機器プラットフォームの反対側にあり得る。410に概略的に示されているように、4つの近接センサを移動式シャーシの前面に沿って配置することで、検出領域が重なり、死角がほとんどまたはまったくないようにすることができる。近接センサは、移動式シャーシの前面カバーに取り付けることができる。近接センサは、他のセンサよりも長い距離の検知を提供する光学センサ(例えば、カメラ、LiDAR、レーザセンサ)であり得る。ただし、いくつかの例では、近接センサは、バンパーセンサ、超音波センサ、または他の適切な近接センサであり得る。
【0044】
近接センサは、駆動コントローラまたは移動式プラットフォームの他の要素と連携して動作して、狭い場所での操作や駐車に関する操作性と使いやすさを促進し得る。近接センサからのフィードバックを使用して、移動式医療機器プラットフォームの速度を制御することができる。例えば、近接センサから出力された信号が、距離の閾値範囲内で移動式医療機器プラットフォームの経路内に物体が存在することを示している場合(例えば、物体が移動式撮像プラットフォームから1~2m離れている場合)、移動式医療機器プラットフォームの速度は自動的に(例えば、現在の運転速度の半分に)低下し得る。近接センサから出力された信号が、第2の距離の閾値範囲内(例えば、1m未満)で移動式医療機器プラットフォームの経路内に物体が存在することを示す場合、移動式医療機器プラットフォームは自動的に停止され得る。さらに、近接センサは、移動式医療機器プラットフォームに取り付けられた他のタイプのセンサと連動して機能し、移動式医療機器プラットフォームのフットプリント上の移動式機器のサイズ、重量、または伸長に基づいて移動式医療機器プラットフォームの速度を動的に調整することができる。例えば、移動式医療機器プラットフォームに、プラットフォームの端を越えて延在し、したがってその重心に影響を与えるCアームが取り付けられている場合、システムは、ナビゲートする際にモーション制御パラメータを調整することができる。例えば、駆動コントローラは、この情報を近接センサ情報と組み合わせて、所望の場所にナビゲートするための速度、加速、および/または回転半径に課される制限を決定することができる。加速および回転制限を計算し、ユーザ入力を緩和するために使用する方法については、図12および図13に関してより詳細に説明する。
【0045】
したがって、使いやすさ、移動時間、またはその他の要因のために動きを最適化するために、駆動ハンドル、駆動コントローラ、近接センサ、バッテリ管理センサ、機器構成センサ、例えば図1および図2の移動式医療機器プラットフォーム12のセンサ46、プッシュセンサ62およびプルセンサ64、ならびに他のセンサは、統合システムとして一緒に機能し得る。
【0046】
本明細書で説明される移動式シャーシは、充電ステーションへのセルフナビゲーション機能を備えたバッテリの有線および/または無線充電用に構成することができる。図5Aは、図1の移動式プラットフォーム12のフレーム13などの移動式シャーシ用の例示的な有線充電システム500を概略的に示す。図5Aに示すように、移動式シャーシ502(例えば、X線撮像システムを支持するように構成されている)は、バッテリ506、バッテリ管理システム508、1つまたは複数のドッキング機構514および516、ならびに充電ポート/コンポーネント510を含む。いくつかの実施形態では、充電ポート/コンポーネント510は、ドッキング機構514および516内に、またはドッキング機構514および516の一部として配置され得る。他の実施形態では、充電/コンポーネント510は、図5Aに示すように、ドッキング機構514および516の外側に収容され得る。ドッキング機構を介して、移動式シャーシの充電ポートは、移動式シャーシのバッテリの有線充電のために、充電ステーション504と接触/配置され得る。充電ステーション504は、移動式シャーシが所定の位置にあり、充電ステーション504に電子的に接続されていることを示す、充電ステーション504の前面に配置されたセンサ512を介して、バッテリ506の有線充電を開始することができる。センサ512は、光学センサ(例えば、カメラ、LiDAR、レーザセンサ)、赤外線センサ、バンパーセンサ、超音波センサ、または他の適切なセンサであり得る。図5Aでは、バッテリ506およびバッテリ管理システム508が、移動式医療機器プラットフォームの中央に示されているが、先に論じたように、他の実施形態では、重量、重心、アクセス、または他の考慮事項のために、プラットフォームの一方の側または他方の側にこれらの構成要素を収容できることを理解されたい。
【0047】
移動式医療機器プラットフォームは、特に駆動コントローラが充電ステーションまたは自動ドッキング手順に自動ナビゲートするのを支援するために、移動式医療機器プラットフォームの前面に配置された1つまたは複数の追加のドッキングセンサ518を含み得る。自動ドッキングセンサ518はまた、充電ステーションへのスムーズなアプローチ、確実なドッキング、および充電の開始を達成するために、ドッキング機構、近接センサ、駆動ハンドル、コラム、アーム、またはセンサ46および48などの機器センサ、または他のセンサと連携して動作し、機能を最適化し得る。ドッキングセンサ518は、視覚センサ、LiDAR、赤外線センサ、または任意の他の適切なタイプの視覚センサであり得る。
【0048】
バッテリ506は、リチウムイオン電池(例えば、約12AH~15AH)、鉛蓄電池(約20AH)、鉛結晶電池(約20AH)、または将来設計される任意の機能的に類似した種類の電池であり得る。バッテリ管理システムは、電力供給の交流(例えば、グリッドから医療施設を経由する)を、バッテリを充電するために供給される直流に調整するための整流器または他のコンポーネントを含み得る。バッテリ管理システムは、バッテリの電圧、電流、および温度を監視して、バッテリの状態、充電状態などを評価するためのセンサ/アルゴリズムをさらに含み得る。充電ステーションは、230Vまたは120VACを供給するように構成され得る。バッテリ管理センサを駆動コントローラに接続して、電圧、電流、温度、またはその他のデータを、移動式プラットフォームを動かすためにホイールに電力を供給するためのアルゴリズムへの入力として使用できるようにすることができる。例えば、移動式医療機器プラットフォームの最大速度は、バッテリの充電状態が30%以下など低い場合、バッテリの充電を節約するために低下され得る。バッテリ管理システム508はまた、バッテリを充電するための充電/放電アルゴリズムを含み得る。例えば、移動式プラットフォームに設置されているバッテリのタイプ、サイズ、または構成に応じて、有線充電ステーションで充電オプションを選択できる場合がある。バッテリ管理システムは、事前に確立されたルールを適用することにより、特定の移動式プラットフォームのセットアップに最も適切な充電オプションを決定および選択してもよく、および/またはバッテリに入る電流とセル電圧を監視して、バッテリが十分に充電されたことを決定してもよい。
【0049】
上記のように、バッテリおよびバッテリ管理コンポーネントは、カスタマイズを容易にするために、将来、取り外し、交換、または新しいモデルまたは異なるモデルに取り替えできるモジュラーユニットであり得る。したがって、移動式医療機器プラットフォームは、進化するニーズおよび運搬される携帯型医療機器の増大する多様なセットに基づいて、さまざまなバッテリ構成および配置に対応できるユニバーサルシャーシ設計を提供する。
【0050】
図5Bにおいて、例示的な一連の画像520は、ドッキング機構514および516を介して移動式シャーシをドッキングするためのプロセスを示す。第1の画像522に示すように、移動式シャーシのドッキング機構516は、充電ポート(第1の画像522では見えない)、上部フック530、および/または下部フック(第1の画像522では見えない)を囲むハウジングを含み得る。移動式シャーシを移動して(セルフナビゲーションモードで自動的であるか、オペレータの制御下にあるかにかかわらず)、ドッキング機構ハウジング528を充電ステーション上の相補的ドッキングハウジング538と位置合わせすることができる。
【0051】
充電ステーション上の相補的ドッキングハウジング538は、移動式シャーシドッキングハウジングと充電ステーションドッキングハウジングとの適切な位置合わせを確実にするために、移動式シャーシ上の同様のサイズの開口部(第1の画像522では見えない)にスライドする突出したドッキングガイド532を含み得る。相補的ドッキングハウジング538は、移動式シャーシを充電ステーションに固定するための上部ドッキングバー534および下部ドッキングバー536を含み得る。第2の画像524に示すように、上部フック530は、充電ステーションの相補的ドッキングハウジング538の上部ドッキングバー534上に固定され得、その結果、上部フックは、第3の画像526に示すように、移動式シャーシを充電ステーションにしっかりと取り付けて維持するように作用する。追加的または代替的に、下部フックは、下部ドッキングバー536の下に固定され得、その結果、下部フックは、移動式シャーシを充電ステーション(画像520のセットには示されていない)にしっかりと取り付けて維持するように作用する。充電が終了し、移動式シャーシが充電位置から移動すると、上部フック530を上向きに作動させて上部フック530を上部ドッキングバー534から解放するか、または下部ドッキングフックを下向きに作動させて下部ドッキングフックを下部ドッキングバー536から解放することができ、移動式シャーシは、充電ステーションから離れて移動することができる。
【0052】
上部(または下部)フックは説明のみを目的として示され、限定とは見なされない場合があることを理解されたい。ドッキング機構514および516の他の実施形態は、移動式プラットフォームを充電ステーションに固定するための代替機構を含み得る。ドッキング機構は、移動式医療機器プラットフォームが充電ステーションへ自動ナビゲートする場合に、自動ドッキングを容易にするために、統合システムとしての駆動ハンドル、駆動コントローラ、近接センサ、バッテリ管理センサ、およびその他のセンサと連携して動作し得る。他の実施形態では、移動式医療機器プラットフォームが充電ステーションに自動ナビゲートするのではなく手動で操作されている状況では、駆動コントローラは、ドッキング機構、近接センサ、駆動ハンドル、機器構成を決定するためのセンサ、およびその他の同様のコンポーネントと協調して動作し、ユーザがプラットフォームを充電ステーションにドッキングするのを支援し得る。例えば、ユーザが移動式プラットフォームを充電ステーションに手動でナビゲートする場合、近接センサが移動式プラットフォームが充電ステーションのドッキングハウジングに近接していることを示すと、駆動コントローラが駆動ハンドルの手動制御に取って代わり、センサを介して充電ステーションにセルフナビゲートしてもよい。
【0053】
ドッキング機構を介した有線充電の代替として、図6Aおよび図6Bは、図1の移動式プラットフォーム12のフレーム13などの移動式シャーシのための例示的な無線充電およびナビゲーションシステムを概略的に示す。図6Aに示すように、無線充電およびナビゲーションシステムの第1の例600は、折り畳み式コラム604(例えば、その上に撮像コンポーネントを取り付けることができる)、コラムに配置された検索センサ606(検索センサ606は視覚センサ、LiDAR、赤外線センサなどであり得る)、バッテリ610、および充電コンポーネント608(バッテリの無線充電をサポートするハードウェア/ソフトウェアを含み得、一部の例ではバッテリ管理システムの一部として含まれている場合がある)を含む移動式医療機器プラットフォーム602(例えば、X線撮像システムを支持するように構成された移動式シャーシを含む)を含む。移動式撮像システムを無線充電器616の近くに適切に配置するために、検索センサ606の出力を使用して、移動式医療機器プラットフォームをナビゲートし、充電ステーション612に配置することができる。充電ステーション612は、無線充電器616に結合され、および/または無線充電器616に対して固定位置にあり得る。充電ステーション612は充電トリガセンサ614(図5Aの充電センサ512と同様)を含み得、これは超音波センサ、カメラ、赤外線センサ、静電容量センサ、レーザセンサ、または他の適切な近接センサであり得る。充電トリガセンサ614からの出力は、移動式医療機器プラットフォームが適切な位置にあり(例えば、充電ステーション612と接触している)、充電ステーションが無線充電器を介して充電を開始できることを充電ステーション612に示すことができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、充電コンポーネント608は、無線充電器616から独立していてもよく、無線充電器と充電コンポーネントを互いにより接近させるために、駆動コントローラによって下げられてもよい。追加的または代替的に、図6Bに示すように、無線充電器と充電コンポーネントを互いにより接近させるために、無線充電器616を持ち上げてもよい。例えば、検索センサ606などのセンサが移動式プラットフォームの正しい位置を検出すると、駆動コントローラは、充電コンポーネント608を無線充電器616の高さまで自動的に下げることができるか、または充電トリガセンサ614などのセンサが、移動式プラットフォームが所定の位置にあることを検出すると、充電ステーション612は、無線充電器616を充電コンポーネント608の高さまで自動的に上げることができる。
【0055】
図5Aに記載されたドッキングプロセスと同様に、バッテリ管理システム、駆動コントローラ、近接センサ、駆動ハンドル、機器センサ、検索センサ、充電トリガセンサ、および図1の移動式撮像システム10のセンサ46および48などの他の関連センサは、無線ドッキングステーションへのスムーズなアプローチおよび充電の開始を達成するために、統合システムとして連携して動作し得る。さらに、図3Bで説明したように、バッテリ収納コンポーネントのモジュール性、その低い位置、ならびにバッテリおよびバッテリ管理システムの異なる構成に関する柔軟性は、特定の無線充電ステーション用、または自動ナビゲーションまたはアシストナビゲーションおよび/または無線充電の効率を高めるために、移動式医療機器プラットフォームのカスタマイズを容易にし得ることを理解されたい。
【0056】
ユーザインターフェース(例えば、クリック可能な制御ボタン)は、例えば、移動式プラットフォーム300のグラフィカルユーザインターフェース320の一部として、または図2の移動式医療機器プラットフォーム12のオペレータコンソール14の一部として、移動式医療機器プラットフォームの上部カバー上に配置され得る。ユーザインターフェースへのユーザ入力(クリック可能なコントロールボタンを押すなど)により、移動式医療機器プラットフォームは自動的に充電ステーションを検索し、充電のために充電ステーションまでナビゲートし得る。いくつかの実施形態では、近接センサ408、検索センサ606、機器センサ、バッテリセンサなどのセンサによって収集された位置データおよび他の情報に応答して、移動式医療機器プラットフォーム12の駆動コントローラ50などの駆動コントローラにより、ユーザインターフェースを介して通知が表示され得る。充電ステーションへの自動ナビゲーションの方法の例を図16に示す。
【0057】
図6Bは、第1の例と同じ構成要素をすべて含む無線充電およびナビゲーションシステムの第2の例601を示す。しかしながら、折り畳み式コラムではなく、図6Bに示す移動式医療機器プラットフォーム602は、固定式コラム605を含む。図6Aおよび図6Bによって、センサ606は、変化せず、かつ移動式医療機器プラットフォームの他の構成要素によってブロックされない位置で、折り畳み式または固定式コラム上に配置され得ることが理解されるであろう。
【0058】
したがって、コラムの特定のタイプまたは構成、もしくは移動式医療機器プラットフォームに取り付けられた医療機器のタイプまたはサイズに関係なく、ユーザインターフェース、駆動コントローラ、力フィードバックハンドル、全方向ホイール、近接センサ、検索センサ、およびその他のセンサを含むがこれらに限定されない移動式プラットフォームのさまざまな要素、ならびにスペースの区画化、柔軟なバッテリレイアウト、有線および/または無線充電、低く、かつ設定可能な重心、およびコンパクトなフットプリントを含むがこれらに限定されない機能が協働して、パフォーマンスのためのユニバーサルで柔軟かつカスタマイズ可能なソリューションを提供し、さまざまな使用シナリオで1つまたは複数の医療機器を効率的に運搬する。これらのコンポーネントと機能の統合された機能性により、ユーザエクスペリエンスの標準化が可能になり、移動式医療機器プラットフォームの操作性と駆動ハンドルの応答性は、さまざまなサイズおよび重量のさまざまな機器の設置にわたって一貫性を保つ。例えば、移動式プラットフォームのフットプリントを超えて伸びる重いCアームを備えた医療機器の展開を、プラットフォームの中央に配置された小さな医療機器の展開と比較すると、ユーザの視点からの運転の違いを最小限に抑える構成が得られ得る。
【0059】
図7に移ると、移動式プラットフォーム300の側面図700は、移動式プラットフォームの側面図から上述した要素の空間構成を示している。医療機器プラットフォーム702は、1つまたは複数の医療機器を取り付けるための場所を提供し、ここで、接続された装置は、移動式シャーシの前部の704で固定式または折り畳み式コラムに取り付けられ得る。例えば、移動式撮像システム10のX線源アセンブリ15などの医療機器アセンブリは、図1に示すように、旋回コラムに取り付けられ得る。
【0060】
移動式プラットフォームは、前述の1つまたは複数の全方向後輪312、および動力および/または操作性を向上させるためのキャスターまたは第2の対の全方向ホイールを含み得る前輪310によって動力を供給される。バッテリ/バッテリ管理システムの収納区画708は、移動式プラットフォームの中央に示され、図3Bで先に示したように、どちらの側からでもアクセスできる。コラムベース704に取り付けられた固定式または折り畳み式コラムに取り付けられた医療機器の任意の構成要素の重量は、収納区画708内の移動式プラットフォームの最も重い構成要素であるバッテリおよび/またはバッテリ管理システムの配置によって部分的に相殺され得る。図1の移動式医療機器プラットフォーム12の駆動コントローラ50などの駆動コントローラ714は、医療機器プラットフォーム702の下に配置することができ、ホイールに動力を供給するために後部駆動軸に電子的に結合することができる。いくつかの実施形態では、サスペンションスプリングマウント718は、サスペンションインターフェース716を介してシャーシに接続することができる。
【0061】
図8において、図800は、正面から見た移動式プラットフォーム300を示している。移動式プラットフォーム機器の前面の中央に、コラムベース704が示され、ここに、医療機器を取り付けることができる固定式または折り畳み式コラムを取り付けることができる。エンコーダ804は、以下の図12の方法1200でより詳細に説明するように、最適なパフォーマンスと効率のための構成可能なアルゴリズムに従ってホイールに動力を供給するための命令を生成するために、複数のセンサおよび制御装置(例えば、ユーザインターフェース、駆動ハンドル)からのデータと集約するために、固定式または折り畳み式コラムの位置および回転データをコラムベース810の底部から駆動コントローラ714に伝達することができる。シャーシ802のベースは、効率的な無線充電を容易にするために、高さの制約によって許容される限り低く配置されてもよく、図示の実施形態では、サスペンションインターフェース716は、シャーシ802の中心から視覚的に突出している。図4Bに記載されているように、近接センサ408などの近接センサもまた、バンパーの前面に配置され得る。
【0062】
図9および図10は、移動式プラットフォーム300および図1のホイール付き電動移動式医療機器プラットフォーム12などの移動式医療機器プラットフォームのための例示的なサスペンションシステムの位置および配置を示す。図9は、例示的な後部全方向ホイールシステム900を示し、一実施形態では、後部サスペンションシステム902が含まれ、後部サスペンションシステム902は、サスペンションブレース904と、真上の機器プラットフォームに設置された医療機器の重量を緩衝する中央に配置された単一のコイルスプリング906とを含む。1つまたは複数の動力付きホイール(例えば、全方向ホイール312)のそれぞれは全方向ホイールシステムの一部であり、全方向ホイールシステムは、他の構成要素の中でも、サスペンションブレース904の下に収容されたモータドライブと、分割駆動軸912を介して全方向ホイールを駆動するホイールモータ910とを含み得る。モータドライブは、図1の移動式プラットフォーム12の駆動コントローラ50などの駆動コントローラ(図9には示されていない)からホイールに電力を供給するための命令を受信することができる。分割駆動軸と全方向ホイールシステムのコンポーネントは、以下の図14に詳細に示されている。
【0063】
一実施形態では、ホイールモータ910は、移動式プラットフォーム300のバッテリ316などの電源によって供給される150VDC電流によって電力を供給される電子整流(EC)同期DCモータ(例えば、ブラシレスDCモータ)であり得る。いくつかの実施形態では、ホイールモータ910は、デッドマンスイッチを介して制御することができ、それにより、継続的なユーザ入力がない限り、動きが防止される。例えば、移動式医療機器プラットフォームを駆動するために、ユーザは、ボタン、トリガ、または同様の制御から手を放すとホイールへの電力が遮断されるように、制御(例えば、ボタン、トリガハンドルなど)をアクティブにする必要があり得る。電源は、移動式プラットフォーム300のバッテリ管理システム314などのバッテリ管理システムによって調整することができる。DC電流は、ホイールモータの速度およびトルクを制御するために電力のパルスを送るAC電流に変換され得る。AC電流は、バッテリ管理システムまたはモータドライブの構成要素であり得るインバータによってDC電源から変換され得る。ブラシレスDCモータおよび関連する構成要素は、例示として言及されており、限定的であると見なされるべきではないことを理解されたい。他の実施形態では、ホイールモータ910は、バッテリなどの携帯型電源から作動することができる任意の他の種類の電気モータであり得る。
【0064】
ブレーキ(図9には示されていない)もまた、分割駆動軸912に取り付けることができ、モータドライブに通信可能に結合することができる。例えば、ユーザは、プラットフォーム300の緊急停止ボタン334などの緊急停止ボタンを介して移動式プラットフォームを停止するためにブレーキをかけるか、またはプラットフォーム300の駆動ハンドル308またはユーザインターフェース320などのユーザインターフェースを介してブレーキをかけることができる。駆動ハンドル308またはユーザインターフェース320内のセンサは、駆動コントローラによってブレーキをかけるための命令に変換され得、その後、モータドライブを介してホイールモータ910に伝達され得る。いくつかの実施形態では、ブレーキは、移動式医療機器プラットフォームに電力が供給されていないとき、および駆動ハンドル入力が感知されていないときに適用され得る。
【0065】
さらに、分割駆動軸912に取り付けられたエンコーダを使用して、分割駆動軸912からモータドライブにパルス幅変調(PWM)信号を送信することができ、これは、オペレータコンソールに通知を表示するために駆動コントローラに送り返すことができる。プラットフォーム300の緊急停止ボタン334などの緊急停止ボタンが作動してブレーキをかける場合、オペレータコンソールの緊急ブレーキ解除スイッチがオペレータによって押されて、移動を再開するように駆動コントローラに指示を送るまで、ブレーキはロック位置に留まることができる。機能的なオペレータ入力としての分割駆動軸およびホイールシステムの動作は、以下の図11図13および図16でより詳細に説明されている。
【0066】
図10では、移動式医療機器プラットフォームの上面図1000は、プラットフォーム702を示しており、ここで、1つまたは複数の医療機器は、後部サスペンションシステム902の真上に設置、配置することができる。コラムベース704は、プラットフォーム全体の重量がバランスされ、最も重いコンポーネント(例えば、バッテリ)が収納区画708のプラットフォームの中央および下部に配置され、任意選択で、バッテリ管理システムとともに片側または反対側に分散されるように、患者の方を向いた医療機器コンポーネントの設置を可能にする。例えば、図1に示すように、X線装置を移動式医療機器プラットフォームに取り付けることができ、画像プロセッサおよび機器コンソールおよび/またはグラフィカルユーザインターフェースが後輪取り付けブラケット1002を介してプラットフォーム702に固定される。プラットフォーム702はまた、平衡錘1004を含み、これは、コラムベース704に取り付けられた固定式または折り畳み式コラムに取り付けられている図1の移動式撮像システム10のアーム32などのアーム上にX線源を備えたX線管ハウジングなどの、移動式プラットフォームの前面に取り付けられた要素の重量を相殺するのに役立つ。X線装置の電源はバッテリであり得、バッテリは、移動式プラットフォーム300のバッテリ316およびバッテリ管理システム314などのバッテリ管理システムとともに収納区画708に格納され得る。
【0067】
ここで図11図13に目を向けると、移動式医療機器プラットフォームを有線および/または無線充電ステーションから展開場所に移動する(例えば、手動で運転するか自動ナビゲートする)プロセスが、一連のネストされたフローチャートによって示されている。図11には、移動式プラットフォームがセンサ入力を受信して応答する移動式医療機器プラットフォームの展開のための例示的な方法1100が示されている。1102に示すように、移動式医療機器プラットフォームは、最初に充電ステーションに駐車またはドッキングされ得る。1104で、移動式医療機器プラットフォームは、展開の準備ができているかどうかを判断するためにユーザによって確認される。展開するために、ユーザは、適切な機器がプラットフォームにセットアップされていること、およびバッテリが機器に電力を供給するために十分に充電されていることを確認する。1106で、正しい機器がプラットフォームに設置されているかどうかが判断される。正しい医療機器が設置されていない場合、1108で医療機器がセットアップされ、プラットフォームに適切に固定される。正しい機器がプラットフォームに適切にセットアップされている場合、1110で、ユーザはバッテリが充電されているかどうかを判断する。十分に充電されていない場合、1112でバッテリが再充電され、方法は将来の展開のために1104に戻る。バッテリが十分に充電されている場合、1114で、ユーザは、移動式プラットフォーム300の駆動ハンドル308などのハイブリッドUIF駆動ハンドルを操作することによって、移動式プラットフォームを所望の場所に展開する。ハンドルは2つ以上のセンサを含み、センサフィードバックの差を使用して、方向と力の観点からプラットフォームの提案された動きを示すベクトルを指定できる。このベクトルは、図3の移動式プラットフォーム300で説明され、図12の方法1200で以下により詳細に示すように、全方向ホイールに動力を供給し、プラットフォームを移動するための命令に変換される。
【0068】
ユーザインターフェース(例えば、グラフィカルユーザインターフェース320、駆動ハンドル308、ジョイスティック、タッチスクリーン332など)を介して移動が開始されると、移動式医療機器プラットフォームは、障害物がその経路にない場合、ハンドルへの圧力の関数としての継続的なユーザ入力に基づいて、ホイールをナビゲートし、動力を供給し続ける。1116で、移動式プラットフォームは、移動式プラットフォームの前面に配置されたセンサ(例えば、図4Bの近接センサ408)を介して、移動式プラットフォームの経路に障害物が存在するかどうかを決定する。1116で障害物が存在する場合、1118で、駆動コントローラは、ブレーキをかけて移動式プラットフォームを停止し、衝突を防止し、方法1100は1114に戻って、駆動ハンドルからさらなる入力を受信する。1116で障害物が存在しない場合、1120で、移動式プラットフォームは、移動式プラットフォームを停止するためのユーザ入力がユーザインターフェースを介して受信されたかどうかを決定する。
【0069】
例えば、オペレータは、プラットフォーム300の緊急停止ボタン334などの緊急停止ボタンをアクティブにするか、駆動ハンドル308に力を与えるのをやめるか、またはオペレータコンソール14などのオペレータコンソールを介して他の方法で移動式機器を停止する意図を伝えることができる。1120でオペレータが移動式ビークルを停止するための注意を合図した場合、移動式プラットフォームは1118でブレーキをかけ始め、方法1100は1114に戻り、駆動ハンドルからさらなる入力を受信する。1120で、移動式プラットフォームが、ブレーキをかけるおよび/または移動式プラットフォームを停止する信号を受信しない場合、移動式プラットフォームは目的地に到達したかどうかを決定する。例えば、駆動コントローラのソフトウェアで実行されている自動ナビゲーションルーティングが、移動式プラットフォームが充電ステーションに正常に到達したと決定してもよいし、またはオペレータがそれ以上の機器入力の提供を停止してもよい。目的地に到達していない場合、方法1100は1114に戻り、移動およびナビゲーションのさらなる要求を受信する。1122で目的地に到達したことを移動式プラットフォームが決定した場合、1124で、オペレータは移動式プラットフォームを配置および/または駐車してもよい。いくつかの実施形態では、上記のように、オペレータは、図5Aの有線充電ステーション504または図6Aおよび図6Bの無線充電ステーション612などの充電ステーションに近接するまで駆動ハンドル38などのユーザインターフェースを介して移動式プラットフォームを手動で駆動してもよく、その地点で移動式プラットフォームまたはオペレータが、自動または支援ドッキング手順をトリガしてもよい。
【0070】
ブレーキは、オペレータがユーザインターフェースを介して手動でかけることがある。いくつかの実施形態では、ブレーキは、移動式プラットフォームが衝突または転倒の危険にさらされていることを示す近接センサ408などのセンサの結果として、または移動式プラットフォームが自動的に充電ステーションにナビゲートしている場合に、自動的にかけられ得る。いくつかの実施形態では、物理的なブレーキが使用されない場合があり、移動式プラットフォームの減速または停止は、図1の移動式プラットフォーム12の駆動コントローラ50などの駆動コントローラにホイールを停止する命令を送信することによって達成され得る。
【0071】
通常のブレーキの使用に加えて、移動式医療機器プラットフォームはまた、ブレーキまたはホイールシステムの動きに関連する1つまたは複数の追加機能を含み得る。いくつかの実施形態では、移動式プラットフォームは、ホイール速度を測定し、駆動コントローラにフィードバックを提供するセンサを有し得、その結果、意図しない動きが防止される。例えば、駆動コントローラは、内部ループ障害、過度のホイール速度、暴走加速などの場合にハードストップをトリガする場合がある。駆動コントローラは、床面で牽引力が確立されない場合にホイールが回転するのを防ぐホイールスピン制御機構を含み得る。ホイールスピン制御機構は、駆動コントローラで実行されて、ホイールの加速または速度の閾値を超えたときにホイール速度を低下させるソフトウェアルーチンであってもよく、またはホイールスピン制御機構は、ブレーキなどの機械装置の適用をトリガしてもよい。移動式医療機器プラットフォームは、ユーザがホイールをロックすることによってシステムの偶発的な動きを防ぐことができる物理的なロック機能を含み得る。駆動コントローラはまた、表面タイプ、交通量、医療機器の重量および/またはサイズなどの環境要因に応じて、デフォルトで事前にプログラムされるか、またはユーザが再プログラムできる最小および/または最大速度閾値を有し得る。さらに、異なる方向、または動作中に変化する可能性のある異なる条件に対して、異なる最小および最大速度閾値を設定することができる。例えば、センサが、床が濡れている、または交通量が異常に多いなどと判定した場合、駆動コントローラは最大速度閾値を調整することがある。移動式プラットフォームはまた、ケーブルがホイールの隙間に落ちるのを防ぐホイール保護ガード、またはメンテナンス(例えば、クリーニング)のためにホイールへのアクセスを容易にする要素などの物理的機能を含み得る。
【0072】
図12は、図1の駆動コントローラ50などの駆動コントローラの観点から、移動式プラットフォーム300の駆動ハンドル308などの駆動ハンドルを介して移動式医療機器プラットフォームを移動させるための例示的な方法1200を示すフローチャートである。方法1200は、図1の駆動コントローラ50および/または図7の駆動コントローラ714などのコントローラの非一時的メモリに格納された命令に従って実行され得る。
【0073】
1202で、駆動コントローラは、移動式医療機器プラットフォームを患者の場所(例えば、病室)に展開(例えば、移動)する要求を、オペレータから、2つ以上のセンサを含むハイブリッドUIF駆動ハンドルを介して受信し、2つ以上のセンサの少なくとも1つは左側に取り付けられ、少なくとも1つのセンサは右側に取り付けられている。1204で、駆動コントローラは、衝突検出センサ(例えば、移動式プラットフォーム300の衝突検出センサ330)が、移動式医療機器プラットフォームの経路内の物体を検出したかどうかを決定する。1204で衝突検出センサが移動式プラットフォームの経路内の物体を検出した場合、駆動コントローラは移動式プラットフォームを減速して停止させ、次に1202に戻って、駆動ハンドルを介してさらなる移動要求を受信する。1204で衝突検出センサが物体を検出する限り、駆動ハンドルを介した移動要求は受信されるが1203で無視され、これにより、衝突検出センサが物体を検出しなくなるか、プラットフォームの自動停止が完了するまで、移動要求は1206に進むことができない。いくつかの実施形態では、移動式プラットフォームがたどる経路の障害物が取り除かれたときに、移動式プラットフォームの自動停止をユーザが手動で非アクティブ化することができる。他の実施形態では、センサが移動式プラットフォームの経路に障害物がないことを示した場合/ときに、移動式プラットフォームの自動停止を非アクティブ化することができる。上記の例は説明を目的としたものであり、他のタイプの衝突検出機構は、本開示の範囲内に非限定的な方法で含まれ得る。
【0074】
衝突検出センサが非アクティブ化されると、1206で、駆動コントローラはハンドルセンサを介して発行された要求から方向ベクトルを決定する。駆動コントローラは、左側と右側のハンドルセンサからのデータを、2次元の方向ベクトルに変換する(例えば、地面の方向と加速としての印加される力の大きさ)。例えば、オペレータは、移動式プラットフォームの前方への動きを示すために、前方方向に、駆動ハンドルの両側に等しい力を加えることができる。あるいは、オペレータは、駆動ハンドルの一方の側に前方方向に力を加え、駆動ハンドルのもう一方の側に後方方向に等しい力を加えて、所定の位置での回転を示すことができる。駆動ハンドル上の異なる圧力の組み合わせの解釈例を図15に詳細に示す。
【0075】
駆動ハンドルに対するユーザの圧力が駆動コントローラによって方向ベクトルとして解釈されると、1208で、駆動コントローラは、移動の命令を実行すると移動式プラットフォームを不安定にする可能性があるかどうかを示す安定性パラメータを方向ベクトルに割り当てる。例えば、駆動コントローラが駆動ハンドルの片側に強い圧力をかけることは、急激な加速と片側への回転を示し、移動式プラットフォームを転倒させる可能性がある。本明細書における「加速」という用語は、正または負のいずれかの加速(例えば、減速または制動)を指す場合があることを理解されたい。一実施形態では、安定性パラメータは、-1~1の値であり得、ここで、負の値は、意図された動きが移動式プラットフォームを不安定にする可能性があることを示し、正の値は、意図された動きが移動式プラットフォームを不安定にしないことを示し、パラメータの大きさは信頼度を示してもよく、0は、意図された動きが安定性と不安定性との境界にあることを示してもよい。
【0076】
一実施形態では、安定性パラメータは、方向ベクトルを第1の安定性閾値と比較することによって決定することができ、これを超えると、移動式プラットフォームは不安定になる可能性がある。例えば、駆動コントローラは、移動式プラットフォームに設置された医療機器の重量と位置係数を評価し、さまざまな構成と速度の許容可能な加速と回転のパラメータ(製造元によって、またはテストなどを介して決定される)を調べることにより、方向ベクトルの関数として安定性閾値を計算してもよい。異なる移動式プラットフォーム構成の許容可能な第1の安定性閾値は、非一時的なコンピュータメモリに格納され、所与の方向ベクトルの関数として駆動コントローラによって計算されてもよい。重量および位置要因には、プラットフォーム、ホイール、またはシャーシ上の任意の他の場所に配置された重量センサによって測定された、プラットフォームに設置された医療機器のさまざまなコンポーネントの重量、および/または近接センサ、バッテリ管理センサ、図1および図2の移動式医療機器プラットフォーム12のセンサ46、プッシュセンサ62、プルセンサ64などの機器構成センサ、および/または移動式プラットフォームの他の任意のセンサからのセンサデータの任意の組み合わせが含まれ得る。許容可能な第1の安定性閾値およびその後の安定性パラメータを決定することができる例示的な方法が、図13にさらに詳細に示されている。
【0077】
1210で、駆動コントローラは、1208で決定された安定性パラメータが第2の安定性閾値を超えるかどうかを決定し、1214で方向ベクトルに基づいて全方向ホイールを動かすための命令を適用するか、または1212で全方向ホイールを動かすための命令を変更するかを決定する。一実施形態では、第2の安定性閾値は、以下の例で説明するように、病院の方針に基づいて駆動コントローラに事前にプログラムされ得る。
【0078】
1210で第2の安定性閾値が超過しない場合、1212で、駆動コントローラは、移動式プラットフォームの安定性を確保するために、意図された加速および/または回転を減少させ、次に1208に戻って新しい安定性パラメータを計算することができる。各反復で加速を変更できる程度、および最初の安定性閾値関数で使用される変換(正弦波など)を含む安定性パラメータの計算の精度は、製造元、ユーザ、病院管理者、またはその他の関連当局によって構成され得る。
【0079】
一例として、1208において、駆動コントローラは、前の段落で説明され、図13に関して以下で説明される手順に従って、0.8の安定性パラメータ値を決定することができる。安定性パラメータ0.8は、意図された加速と回転の組み合わせが第1の安定性閾値内にあることを示し得、すなわち、意図された動きによって移動式プラットフォームが不安定になる可能性は低く、信頼度は0.8(80%)である。次に、駆動コントローラは、1208で計算された安定性パラメータ値0.8を、事前にプログラムされた第2の安定性閾値0.9と比較してもよく、これは、病院のポリシーに従って、意図された移動が0.9(90%)を超える信頼度で安定していると判定される場合にのみ移動式プラットフォームの移動を実行すべきであることを示す。安定性パラメータ(0.8)は第2の安定性閾値(0.9)を超えないため、意図された動きは、意図された加速を減らすことによって調整され得る。
【0080】
上記の手順に従って、第2の安定性閾値を超える安定性パラメータをもたらす方向ベクトルが決定されると、駆動コントローラは、1214で、方向ベクトルを全方向ホイールに動力を供給するための命令に変換し、1216で、駆動コントローラは、それに応じて移動式プラットフォームの移動を実行するために、関連する全方向ホイールのモータドライブに命令を送信する。
【0081】
1218で、駆動コントローラは、移動式プラットフォームの移動要求が、駆動ハンドルへの圧力を介してまだ受信されているかどうかを決定する。移動式プラットフォームの速度または方向を変更する要求がある場合(例えば、ハンドルへの圧力が続いている場合)、方法は1206に戻り、ハンドルセンサを介してユーザ入力を処理する。あるいは、移動式プラットフォームの移動を示すユーザ入力が停止した場合(例えば、圧力が続いていない場合)、1220で、駆動コントローラはモータドライブに命令を送信して、ホイールモータを介して移動式プラットフォームを減速する(例えば、停止に向けて)および/または必要に応じてブレーキをかけて移動式プラットフォームを停止させる。
【0082】
前述のように、いくつかの実施形態では、駆動コントローラは、グラフィカルユーザインターフェース、タッチスクリーン、ジョイスティックなど、駆動ハンドル以外の代替の制御装置から、または自動ナビゲーションのために駆動コントローラ内で実行されるコンピュータプログラムから、または移動式プラットフォームを移動するための他の代替機構を介して、入力を受け取ることができることを理解されたい。
【0083】
図13は、図1の移動式プラットフォーム12の駆動コントローラ50などの駆動コントローラの観点から、移動式プラットフォーム300の駆動ハンドル308などの駆動ハンドルから受信した所与の方向ベクトルの安定性パラメータを決定するための例示的な方法1300を示す。上記のように、安定性パラメータは、上記の方法1200の一部として適用される加速および/または回転時に、意図された動きが移動式医療機器プラットフォームをどれだけ不安定にする可能性があるかを数値で示す。方法1300は、駆動コントローラ上で実行されているソフトウェア内のサブルーチンとして実行され得るか、または別個のプロセッサ上の別個のソフトウェアコンポーネントとして実行され得る。
【0084】
1302で、駆動コントローラは静止している移動式プラットフォームのベースライン安定性パラメータを決定する。一実施形態では、ベースライン安定性パラメータは、移動式医療機器プラットフォームの重心と、プラットフォームに設置された医療機器の重心との比較に基づいて計算することができる。例えば、X線源が、図1の移動式撮像システム10のコラム16上のアーム32などのアームに取り付けられている場合、重心計算は、アームの回転および位置、ならびにコラム16が折り畳み式であるか、固定式であるかに応じて変化する。アームがプラットフォームの周囲を超えて伸びている場合、X線源の重心と移動式プラットフォームの重心との間の距離は、移動式プラットフォームが特定の速度または特定の方向では効果的に移動できないか、まったく移動できないことを示し得る。ベースライン安定性パラメータは、医療機器の重量、プラットフォーム上の医療機器の位置、医療機器の高さ、重心と地面との間の距離、幅または長さの中心の測定、平衡錘、対称性など、他の要因に基づいて計算することもできる。
【0085】
一実施形態では、移動式プラットフォームの構成のベースライン安定性パラメータを決定するために、1304で、駆動コントローラは、プラットフォーム、コラム、およびアーム上の機器要素の分布に基づいて医療機器の重心を計算する。いくつかの実施形態では、さまざまな異なるアームおよびコラム構成の下での医療機器の重心は、駆動コントローラに事前にプログラムされ得る。重心は、一次元、二次元、または三次元(例えば、x、y、およびz)であり得る。追加的または代替的に、1306で、駆動コントローラは、異なる場所、例えば、各ホイールの移動式プラットフォームの基部で、プラットフォームおよび機器の重量を一緒に測定することができ、これは、コントローラが医療機器の重心を決定するのを支援することができる。例えば、移動式プラットフォームの一方の側と移動式プラットフォームのもう一方の側との間の重量測定値の差は、XY平面における医療機器の重心と移動式プラットフォームの重心との間のオフセットを示し得、一方、垂直オフセット(Z平面)は、医療機器の固定高さの関数であり得る。医療機器の高さの測定値は、オペレータが事前に手動で入力することも、計算時に駆動コントローラのプロセッサがアクセスできるコンピュータメモリに保存することもできる。
【0086】
1308で、医療機器の重心が移動式プラットフォームの重心と比較される。例えば、2つの重心間の距離は、移動式医療機器プラットフォームの重心の基準点から計算され、3次元(例えば、X、Y、Z)で表され得る。したがって、重心比較を使用して、例えば重心間のユークリッド距離を測定することによって、または同様の計算によって、ベースライン安定性パラメータを生成することができる。
【0087】
1310で、駆動コントローラは、駆動ハンドルセンサに基づいて、駆動ハンドルから新しい移動の方向ベクトルを受信する。ユーザから受信した方向ベクトルは、所望の回転と加速の2つの要素に分けられる。1312で、駆動コントローラは、移動式プラットフォームの現在の速度および1302で決定された所与のベースライン安定性パラメータに基づいて、他のコンポーネントの関数としてコンポーネントの1つの第1の安定性閾値を決定する。例えば、所与の構成が所与の速度で移動する移動式プラットフォームの場合、駆動コントローラは、所与の所望の回転(独立変数)に基づいて加速(従属変数)の安定性閾値を決定し得るか、または駆動コントローラは、所望の加速(独立変数)が与えられた場合の回転(従属変数)の安定性閾値を決定し得る。一実施形態では、駆動コントローラは、駆動コントローラの非一時的メモリに格納されたルックアップテーブルを参照することによって、第1の安定性閾値を決定することができる。ルックアップテーブルは、さまざまな医療機器、構成、動作条件などでのテストに基づいて、移動式プラットフォームの製造元、病院の管理者、標準化団体、または同様の機関によって事前に作成される場合がある。また、独立変数として使用する変数と従属変数として使用する変数は、状況によって異なる場合があり、テストの結果として決定される場合もある。
【0088】
例えば、駆動コントローラは、1302で移動式プラットフォームの所与の構成について0.6のベースライン安定性パラメータを決定することができ、これは、移動式プラットフォームが静止状態で安定していることを示す。駆動コントローラは、移動式プラットフォーム上のモータ、ホイール、または他の場所に配置されたセンサを介して、毎秒0.5メートルの移動式プラットフォームの現在の速度を決定することができる。駆動コントローラは、1310で駆動ハンドルから方向ベクトルを受け取ることができ、これは、45の意図された回転成分(例えば、右への45度の回転を示す)および0.3の意図された加速成分(例えば、速度の30%増加を示す)を含む。その結果、駆動コントローラは、第1の安定性閾値ルックアップテーブルを参照することにより、他の3つの変数(例えば、ベースライン安定性パラメータ、移動式プラットフォームの速度、および意図された回転)の関数として0.5の加速度閾値を決定し得る。決定された加速度閾値0.5(例えば、最大50%の許容加速度)は、意図された加速度0.3を超えているため、駆動コントローラは、移動式プラットフォームを転倒させることなく、意図された方向ベクトルを実行できると決定することができる。
【0089】
1314で、駆動コントローラは、図12の方法1200で使用される特定の移動式プラットフォームの構成および速度に固有の安定性パラメータを計算する。安定性パラメータは、意図された加速と1314で生成された閾値加速度との間の差に基づくことができ、意図された加速が移動式プラットフォームを転倒させるかどうかの信頼度を示し得る。上記の例では、駆動コントローラは、ルックアップテーブルを参照し、-1から1までの数値を返すように変換を適用することによって決定した0.5の加速度閾値から、0.3の意図された加速を差し引くことによって、0.95の安定性パラメータを決定することができる(例えば、移動式プラットフォームが転倒しないという高い信頼度を示す)。
【0090】
図14に移ると、概略図1400は、図1の移動式医療機器プラットフォーム12などの移動式医療機器プラットフォームのための例示的なモータドライブアーキテクチャを示す。前述のように、駆動コントローラ1402は、移動式プラットフォーム300の駆動ハンドル308などの駆動ハンドルからユーザ入力を受信する。駆動コントローラは、入力を1つまたは複数の全方向ホイールシステム1406、1416、1418、および1420に送信される命令に変換する。各ホイールシステムの構成要素は、全方向ホイールシステム1406に示されている。各全方向ホイールシステムには、対応する全方向ホイール312のモータ1414を制御するモータドライブ1408が存在する。いくつかの実施形態では、ブレーキ1412は、移動式プラットフォームを停止するために使用され得るモータ1414に設置され得る。他の実施形態では、移動式プラットフォームの停止は、モータ1414に送信される命令を介して達成することができる。図9で上述したように、エンコーダ1410はまた、モータをより細かく制御するために、パルス幅変調(PWM)信号をモータドライブに送り返すことができる。
【0091】
図15は、入力とホイールの動きのペアリング1500の例示的なセットを示し、移動式プラットフォーム300の駆動ハンドル308などの駆動ハンドルへの圧力を介したユーザ入力の異なる組み合わせが、2つ以上のダブルコーンメカナムホイールに電力を供給する命令にどのように変換され得るかを詳細に示す。入力とホイールの動きのペアリング1500の例示的なセットは、8つの異なるペアリングを含む。例は網羅的ではなく、さらにシステムは、示されている8つ未満のペアリングを使用する場合がある。さらに、例は約45度の角度を示しているが、実際の角度は実際のコマンド力またはジョイスティック入力に対応している場合がある。
【0092】
ペアリング1502は、移動式プラットフォームを前方に動かすための駆動ハンドル入力の例を示し、ペアリング1508は、移動式プラットフォームを後方に動かすための駆動ハンドル入力の例を示し、ペアリング1510は、移動式プラットフォームを反時計回り方向に回転させるための駆動ハンドル入力の例を示し、ペアリング1512は、移動式プラットフォームを時計回り方向に回転させるための駆動ハンドル入力の例を示し、ペアリング1514は、移動式プラットフォームを斜め前方および左方向に動かすための駆動ハンドル入力の例を示し、ペアリング1516は、移動式プラットフォームを斜め前方および右方向に動かすための駆動ハンドル入力の例を示し、ペアリング1518は、移動式プラットフォームを斜め後方および左方向に動かすための駆動ハンドル入力の例を示し、ペアリング1520は、移動式プラットフォームを斜め後方および右方向に動かすための駆動ハンドル入力の例を示す。
【0093】
例えば、入力とホイールの動きのペアリング1502に示すように、駆動ハンドル1504の両側に加えられる前方圧力は、移動式プラットフォーム1506を前方方向に駆動するために、4つの全方向ダブルコーンメカナムホイールの前方回転に変換され得る。メカナムホイールは通常のホイールと同様に前後に回転するが、ホイールの回転面には、ホイールの方向に対して斜めに向けられた複数の動力付きローラーもあり、移動式プラットフォームが直線的に前方および後方に移動し、斜めのローラーが集合的に作用して移動式プラットフォームを横方向に移動させることもできるようになっていることを理解されたい。これは、ホイールに応じて斜めのローラーをさまざまな方向に配置することで実現され、これにより、さまざまなローラーの動きのX成分とY成分をすべてのホイールで合計して、XY平面の任意の方向の動きを生成することができる(例えば、360度の自由度)。
【0094】
図16に移ると、目標位置(例えば、充電ステーション)への自動展開およびナビゲーションのために移動式医療機器プラットフォーム上で実行される例示的な方法1600が示されている。上で論じたように、場合によっては、移動式医療機器プラットフォームは、所与のレイアウト、例えば病院の廊下に沿ってセルフナビゲートして、充電ステーションまたは保管場所に自動的に戻ることができる。自動ナビゲーションにより、医療関係者の時間を節約し、他の医療や患者向けのタスクに参加できるようにする。さらに、一部の機器は、サイズや重量の制約により、オペレータが手動で運転するのが難しい場合がある。
【0095】
1602で、移動式医療機器プラットフォームは自動ナビゲーションを開始する要求を受信する。例えば、オペレータは、オプションを選択するか、またはユーザインターフェース(例えば、図1の医療機器システム12のユーザインターフェース44またはオペレータコンソール14)上のボタンをアクティブにして、移動式医療機器プラットフォームに1つまたは複数の充電ステーション、保管場所、またはその他の目標位置を検索するように指示することができる。目標位置は、事前に指定され、図2の移動式医療機器プラットフォーム12の駆動コントローラ50などの駆動コントローラにプログラムされ得るか、または他の場合には、移動式医療機器プラットフォームは、目標位置にあるトランシーバー、または他の同様の手段によって発信される信号を介して任意の目標位置を識別するようにプログラムされ得る。1604で、移動式医療機器プラットフォームは、ナビゲートする充電ステーションの場所(または目標位置)を決定する。いくつかの実施形態では、移動式医療機器プラットフォームは、駆動コントローラにプログラムされたアルゴリズムに従って、候補の目標位置の選択肢から最適な目標位置を選択することができる。例えば、移動式プラットフォームは、プラットフォームに最も近く、まだ使用されていない充電ステーションを選択するように構成され得る。他の実施形態では、移動式医療機器プラットフォームは、グラフィカルユーザインターフェース上のオプションとして、さまざまな候補の目標位置を表示してもよく、オペレータは、そこから最も適切なオプションを選択してもよい。
【0096】
1604で目標位置が選択されると、1606で、移動式医療機器プラットフォームは、目標位置にナビゲートするための最適経路を決定する。いくつかの実施形態では、最適経路は、事前に駆動コントローラにプログラムされたアルゴリズムによって定義されたエキスパートシステムによって決定され得る(例えば、最も直接的な経路)。他の実施形態では、移動式医療機器プラットフォームは、経路に沿ってナビゲートしている間、センサ入力に基づいて最適経路を動的に選択することができる。例えば、移動式医療機器プラットフォームは、視覚センサ、LiDAR、赤外線センサ、または任意の他の適切なタイプなど、移動式医療機器プラットフォーム上のセンサが受信する人の往来やその他の時間依存データに応じて、さまざまなナビゲーション経路(病院の廊下など)を選択できる。他の実施形態では、移動式医療機器プラットフォームは、ある距離から送信される無線または他の信号を受信してもよく、これらは自動的に、または遠隔オペレータによって生成されてもよく、移動式医療機器プラットフォームが適切なナビゲーション経路を選択するのを支援する。
【0097】
1608で、移動式医療機器プラットフォームは、移動式医療機器システム12のオペレータコンソール14などのオペレータコンソール上のオペレータへの通知を表示して、選択された経路の確認または検証を要求することができる。追加的または代替的に、移動式医療機器プラットフォームは、オペレータが手動で最適な経路を選択することを可能にし得る。例えば、移動式医療機器プラットフォームは、両方とも利用可能な異なる場所にある2つの有線および/または無線充電ステーションを検出し、移動式医療機器プラットフォームがナビゲートするためにどの場所を選択するかを決定するようにオペレータに促すことができる。1610で、移動式医療機器プラットフォームは、オペレータコンソールを介してオペレータから目標位置にナビゲートする要求を受信する。要求を受信すると、1612で、駆動コントローラは、関連する命令を、図14の概略図1400のモータドライブ1408などのモータドライブに送信する。1614で、モータドライブは、図15に示すように、動きを開始するために全方向ホイールに動力を供給する。
【0098】
1616で、移動式医療機器プラットフォームは、任意のセンサ(例えば、図4の近接センサ408)が経路内の障害物を示しているかどうかを決定する。1616で障害物が存在する場合、1618で、移動式医療機器プラットフォームはブレーキをかけ、方法1600は、そのナビゲーションを継続するためにさらなる指示を受信するために1612に戻る。いくつかの実施形態では、移動式医療機器プラットフォームの駆動コントローラにプログラムされたエキスパートシステムは、障害物が存在する場合に従うべき一連のルールを決定することができる。例えば、移動式医療機器プラットフォームは、障害物がその経路を離れるかどうかを確認するために移動を遅らせたり、目標位置にナビゲートするためにたどる別の経路を決定したりする場合がある。移動式プラットフォームがその経路に沿って続行でき、1616で障害物がない場合、1620で、移動式医療機器プラットフォームは、移動式プラットフォームが目的地に到達したかどうかを決定する。移動式プラットフォームが意図された目的地に到達した場合、方法1600に戻る。移動式プラットフォームが意図された目的地に到達していない場合、方法1600は1612に戻り、さらにナビゲーション命令を処理する。
【0099】
一例として、移動式プラットフォームは、そのバッテリを再充電するために、図5の充電ステーション504などの充電ステーションにセルフナビゲートすることができる。充電ステーションに到達すると、例えば、図5Aのドッキング機構514および516などのドッキング機構を介してステーションとドッキングするために、移動式プラットフォームは、所定の位置にセルフナビゲートすることができる。ドッキング機構へのセルフナビゲーションはまた、ドッキングセンサ518などのドッキングセンサによって促進され得る。移動式プラットフォームがドッキングすると、充電を開始できる。あるいは、移動式プラットフォームは、駐車場所にセルフナビゲートすることができ、その地点で駐車状態になり得る(例えば、電源が切れる、ブレーキが作動するなど)。
【0100】
移動式医療機器プラットフォームの構成は、それを使用する医療ユニットまたはサービスのニーズに応じて、高度にカスタマイズ可能である。そのため、さまざまなスケートボードシャーシ構成に基づく移動式プラットフォームの代替構成を図17に示す。図7図10に示したシャーシとは対照的に、スケートボードシャーシは、平らなプラットフォームを備え、その上にバッテリおよびバッテリ管理システム、コラムベース、平衡錘などの構成要素が柔軟かつカスタマイズ可能な方法で配置され得る。
【0101】
図17は、5つの異なるスケートボードシャーシ構成1702、1704、1706、1708、および1710の画像ペアを示し、これらのそれぞれは、移動式医療機器プラットフォームを駆動するためのスケートボードシャーシプラットフォーム1716および図3のハイブリッドUIFユーザインターフェース駆動ハンドル308を含み、ここで、駆動ハンドル308は、三角ブラケット1714を介してスケートボードシャーシに取り付けられている。高架式フラットシャーシ1702は、プラットフォーム1716が最大のクリアランスのために高架にされ、全方向ホイールシステムがプラットフォームの下に完全に配置されているスケートボードシャーシを示している。下げられたフラットシャーシ1704は、例えば、プラットフォームの前部に取り付けられる固定式または折り畳み式コラムなどの要素の高さを下げるために、前部スケートボードシャーシ部分1718が後部スケートボードシャーシ部分1720に対して下がっているスケートボードシャーシを示す。高架式フラットシャーシ1702と同様に、すべての全方向ホイールシステムはスケートボードシャーシの下に配置されている。
【0102】
対照的に、スケートボードシャーシ1706、1708、および1710は、全方向ホイールの一部またはすべてがスケートボードシャーシプラットフォームの側面に配置されているスケートボードシャーシ構成である。深く下げられたフラットシャーシ1706は、下げられたフラットシャーシ1704の高さよりも下に下げられた前方部分を備えたスケートボードシャーシを有し、ホイールインセット1722で示すように、前輪と後輪の両方がはめ込まれ、プラットフォームの高さよりも上に垂直に延在する。対照的に、ホイールアウトフラットシャーシ1708は、平らなプラットフォームを有し、後輪は、深く下げられたフラットシャーシ1706のようにはめ込まれ、プラットフォームの高さよりも上に垂直に延在し、前輪は、下げられたフラットシャーシ1704のようにプラットフォームの下に配置されている。ホイールアウトの下げられたフラットシャーシ1710は、低い位置にある平らなスケートボードシャーシを示し、4つのホイールすべてがはめ込まれ、プラットフォームの高さよりも上に垂直に延在する。ホイールアウトの下げられたフラットシャーシ1710はまた、保護ホイールガード1724などの保護ホイールガードを特徴とし、これは、ケーブルまたは他の物体がホイールと移動式プラットフォームとの間の隙間に落ちるのを防ぐことができる。
【0103】
装荷されたシャーシ1730、1732、1734、1736、および1738は、それぞれ、スケートボードシャーシ1702、1704、1706、1708、および1710を示し、図3のバッテリ管理システム314、バッテリ316、およびコラムベース328がスケートボードシャーシに取り付けられている。このように、スケートボードシャーシ設計により、他の移動式医療機器プラットフォームの構成要素(バッテリ、BMS、駆動コントローラ、平衡錘など)を柔軟に配置できる。さらに、スケートボードシャーシの下または側面のいずれかにホイールを構成することにより、異なる部分が異なる高さであるプラットフォームを含む、異なるプラットフォーム高さを得ることができる。
【0104】
したがって、移動式医療機器駆動プラットフォームが本明細書で提供され、これは、柔軟に構成され得るシャーシ内のバッテリ、全方向ホイールシステム、360度の範囲の移動を可能にするハイブリッドユーザインターフェース、ならびに有線または無線充電オプションを含む。いくつかの実施形態では、移動式医療機器駆動プラットフォームは、移動式プラットフォームが有線充電ステーションに到達したことを識別するための有線充電およびセンサのためのドッキングオプションを備えたバッテリ管理システムを有するバッテリを含み得る。他の実施形態では、移動式医療機器駆動プラットフォームは、システムが無線充電ステーションに到達したことを識別するための無線充電およびセンサを備えたバッテリ管理システムを有するバッテリを含み得る。さらに他の実施形態では、移動式医療機器駆動プラットフォームは、LiDAR技術を用いて有線または無線充電ステーションに到達し、要求されたまたは目標の目的地に戻るための自動検索オプションを含み得る(例えば、人工知能を使用)。
【0105】
移動式医療機器駆動プラットフォームは、自動アシストモードを含み得、このモードでは、移動式医療機器駆動プラットフォームは、運転中または駐車中に障害物が接近しているときに速度を制御するのに役立つ操縦支援および衝突検出システムを有する(ユーザが許容できる速度に減速し、物体と衝突しようとしたときに停止する)。移動式医療機器駆動プラットフォームは、AI技術を備えたコード化されたガイド経路を介する病院の廊下での遠隔操作または無人搬送車(AGV)を含み、移動式医療機器駆動プラットフォームは、WiFiを介してオペレータによって目的の部屋に送られる。
【0106】
本明細書に記載の移動式医療機器駆動プラットフォームは、トリガされたときの自動の有線または無線充電ステーションの検索およびナビゲーション、充電ケーブルの問題または配線の損傷がないこと、ベッドサイドでの簡単な位置決めおよび駐車、右折、左折、後進および横移動中の簡単な操作、ならびにナビゲーション中の衝突回避技術を含む、いくつかの利点を提供し得る。さらに、プラットフォームは、外科システム、超音波、X線、麻酔システム、または他のものなど、1つまたは複数の医療機器に使用することができる。さまざまな撮像モダリティ/医療機器に共通のプラットフォーム設計により、移動式医療システムに関する標準化が可能になり、コストが削減される可能性がある。自動充電機能により、ユーザのワークフローが軽減される可能性がある。
【0107】
図1図10図14図15および図17は、さまざまな構成要素の相対的な配置の例示的な構成を示す。互いに直接接触して、または直接結合して示される場合、そのような要素は、少なくとも一例では、各々直接接触しているまたは直接結合していると呼ぶことができる。同様に、互いに連続または隣接して示される要素は、少なくとも一例では、各々互いに連続または隣接していてもよい。一例として、互いに面を共有して接触している構成要素は、面共有接触していると呼ぶことができる。別の例として、互いに離れて配置され、それらの間にスペースのみを有し、他の構成要素が存在しない要素は、少なくとも一例では、そのように呼ぶことができる。さらに別の例として、互いに上/下に、互いに反対側に、または互いに左/右に示す要素は、互いに対してそのように呼ぶことができる。さらに、図に示すように、少なくとも一例では、要素の最上部の要素または点は、構成要素の「上部」と称されることがあり、要素の最下部の要素または点は、構成要素の「下部」と呼ぶことができる。本明細書で使用する場合、上部/下部、上側/下側、上/下は、図の垂直軸に相対的であり、図の要素の互いに対する配置を説明するために使用することができる。このように、他の要素の上に示す要素は、一例では、他の要素の上に垂直方向に配置される。さらに別の例として、図内に示す要素の形状は、それらの形状(例えば、円形、直線状、平面状、湾曲状、球形、面取り、角度付きなど)を有すると呼ぶことができる。さらに、互いに交差して示される要素は、少なくとも一例では、交差している要素または互いに交差していると呼ぶことができる。またさらに、別の要素内に示す要素または別の要素の外側に示す要素は、一例では、そのように呼ぶことができる。
【0108】
一例では、1つまたは複数の医療機器を収容するように構成されたシャーシと、シャーシに結合された全方向ホイールシステムと、シャーシに収容されたバッテリであって、全方向ホイールシステムを駆動するための電力を供給し、および/または1つまたは複数の医療機器を動作させるための電力を供給するように構成されたバッテリと、シャーシ内に収容されたバッテリ管理システムであって、バッテリ管理システムがバッテリの有線および/または無線充電を容易にするように構成されている、バッテリ管理システムとを含む、移動式プラットフォームが提供される。全方向ホイールシステムが少なくとも2つの全方向ホイールシステムの第1の全方向ホイールシステムである移動式プラットフォームの第1の例では、シャーシは、少なくとも2つの全方向ホイールシステムを自動的に制御するように構成された駆動コントローラを含む。第1の例を任意選択で含む移動式プラットフォームの第2の例では、駆動コントローラは、移動式プラットフォームを充電ステーションに移動するために少なくとも2つの全方向ホイールシステムを自動的に制御するように構成される。第1および第2の例の一方または両方を任意選択で含む移動式プラットフォームの第3の例では、移動式プラットフォームは、ユーザからの入力を受信し、それに応答して全方向ホイールシステムの動作を制御するように構成されたコントローラを備える。第1から第3の例のそれぞれの1つまたは複数を任意選択で含む移動式プラットフォームの第4の例では、コントローラは、移動式プラットフォームの現在の構成の安定性パラメータを決定し、決定された安定性パラメータに応答して全方向ホイールシステムの出力を調整するために、メモリに格納された命令を含む。第1から第4の例のそれぞれの1つまたは複数を任意選択で含む移動式プラットフォームの第5の例では、移動式プラットフォームは、旋回コラムを含む。第1から第5の例のそれぞれの1つまたは複数を任意選択で含む移動式プラットフォームの第6の例では、移動式プラットフォームは前輪セットおよび後輪セットを含み、全方向ホイールシステムは前輪セットまたは後輪セットの一部であり、バッテリは前輪セットと後輪セットとの間、かつ旋回コラムの後方に配置される。第1から第6の例のそれぞれの1つまたは複数を任意選択で含む移動式プラットフォームの第7の例では、移動式プラットフォームは、ブレースと中央に配置された単一のコイルスプリングとを含む後部サスペンションシステムを含む。第1から第7の例のそれぞれの1つまたは複数を任意選択で含む移動式プラットフォームの第8の例では、全方向ホイールシステムは、サスペンションブレースの下に収容されたモータドライブと、分割駆動軸を介して全方向ホイールを駆動するホイールモータとを含む。第1から第8の例のそれぞれの1つまたは複数を任意選択で含む移動式プラットフォームの第9の例では、移動式プラットフォームは、ユーザの各手と係合するようにハンドルに沿って配置された第1および第2の力感知領域を備えたハンドルを含む。第1から第9の例のそれぞれの1つまたは複数を任意選択で含む移動式プラットフォームの第10の例では、移動式プラットフォームは、ハンドル上の1つまたは複数の力感知領域を介してユーザの手から入力を受信し、それに応答して全方向ホイールシステムの動作を制御するコントローラを含む。第1から第10の例のそれぞれの1つまたは複数を任意選択で含む移動式プラットフォームの第11の例では、全方向ホイールシステムにおける全方向ホイールの回転および全方向ホイールの駆動トルクの角度は両方とも、ハンドルの第1および第2の力感知領域とのユーザインタラクションから感知された力に応答する。
【0109】
一例では、移動式プラットフォームと物理的にインターフェースするユーザ入力に応答して、電気モータおよびバッテリで1つまたは複数の全方向ホイールを駆動することによって移動式プラットフォームを移動させることと、バッテリを無線充電することと、プラットフォームに結合された医療機器の構成に基づいて移動式プラットフォームの移動を制御することとを含む、1つまたは複数の医療機器を収容するように構成されたシャーシを有する全方向ホイールシステムによって駆動される移動式プラットフォームの動作方法が提供される。この方法の第1の例では、動きの制御は、移動式プラットフォームの決定された安定性パラメータに基づく動きの制限を含む。第1の例を任意選択で含む移動式プラットフォームの第2の例では、安定性パラメータは、プラットフォームと医療機器との組み合わせの重心を含む。第1および第2の例の一方または両方を任意選択で含む移動式プラットフォームの第3の例では、移動式プラットフォームの移動は、ハンドルからの感知された力に応答し、移動は、縦方向と横方向の両方に動かすように全方向ホイールを駆動することを含む。第1から第3の例のそれぞれの1つまたは複数を任意選択で含む移動式プラットフォームの第4の例では、医療機器はアームを含み、動きの制御は、移動式機器プラットフォームの速度を、アームの位置に基づいて特定の方向に制限することを含む。
【0110】
一例では、1つまたは複数の医療機器を収容するように構成されたシャーシと、シャーシに結合された前輪セットと、シャーシに結合され、それぞれが全方向ホイールを含む2つの全方向ホイールシステムを含む後輪セットと、シャーシに収容されたバッテリであって、各全方向ホイールを駆動するための電力を供給し、1つまたは複数の医療機器を動作させるための電力を供給するように構成された、バッテリと、旋回コラムと、シャーシに収容されたバッテリ管理システムであって、バッテリ管理システムがバッテリの有線および/または無線充電を容易にするように構成されている、バッテリ管理システムと、多方向感知を備えたハイブリッドUIFハンドルと、2つの全方向ホイールシステムを自動的に制御するように構成された駆動コントローラであって、バッテリが前輪セットと後輪セットとの間、かつ旋回コラムの後方に配置され、駆動コントローラは、ハイブリッドUIFハンドルからの入力を受信し、それに応答して2つの全方向ホイールシステムの動作を制御するようにさらに構成されている、駆動コントローラと、ブレースと中央に配置された単一のコイルスプリングとを含む後部サスペンションシステムであって、2つの全方向ホイールシステムのそれぞれが、サスペンションブレースの下に収容されたモータドライブと、分割駆動軸を介して対応する全方向ホイールを駆動するホイールモータとを有する、後部サスペンションシステムとを含む、移動式プラットフォームが提供される。移動式プラットフォームの第1の例では、移動式プラットフォームは、ユーザの各手に係合するように配置された第1および第2の力感知ハンドル領域を含み、コントローラは、第1の力感知ハンドル領域および第2の力感知ハンドル領域から入力を受信し、それに応答して2つの全方向ホイールシステムの動作を制御するための命令を含む。
【0111】
本明細書において使用されるとき、単数形で記載され、「1つの(a)」または「1つの(an)」という単語に続けられる要素またはステップは、特に明示的に述べられない限り、そのような要素またはステップが複数存在することを排除しないと理解されるべきである。さらに、本発明の「一実施形態」への言及は、この実施形態において言及される特徴をやはり備えるさらなる実施形態の存在を排除するものとして解釈されることを意図していない。さらに、明示的に反対の記載がない限り、特定の性質を有する要素または複数の要素を「備える(comprising)」、「含む(including)」、または「有する(having)」実施形態は、その性質を有さない追加のそのような要素を含むことができる。「含む(including)」および「そこにある(in which)」という用語は、それぞれの用語「備える(comprising)」および「そこで(wherein)」の平易な言葉での同等物として使用される。さらに、「第1の」、「第2の」、および「第3の」などの用語は、単にラベルとして使用され、それらの対象物に数値的要件または特定の位置的順序を課すことを意図しない。
【0112】
本明細書は、本発明を最良の態様を含めて開示するとともに、あらゆる装置またはシステムの製作および使用ならびにあらゆる組み込まれた方法の実行を含む本発明の実施を当業者にとって可能にするために、実施例を使用している。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義されるとともに、当業者に想起される他の実施例を含んでもよい。そのような他の実施例は、それらが特許請求の範囲の文言から相違しない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言から実質的には相違しない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲の技術的範囲に包含される。
[実施態様1]
1つまたは複数の医療機器を収容するように構成されたシャーシ(306、404、502、802、1702、1704、1706、1708、1710、1730、1732、1734、1736、1738)と、
前記シャーシ(306、404、502、802、1702、1704、1706、1708、1710、1730、1732、1734、1736、1738)に結合された全方向ホイールを含む全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)と、
前記シャーシ(306、404、502、802、1702、1704、1706、1708、1710、1730、1732、1734、1736、1738)に収容されたバッテリ(506、610)であって、前記バッテリ(506、610)が、前記全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)を駆動するための電力を供給し、および/または前記1つまたは複数の医療機器を動作させるための電力を供給するように構成された、バッテリ(506、610)と、
前記シャーシ(306、404、502、802、1702、1704、1706、1708、1710、1730、1732、1734、1736、1738)に収容されたバッテリ管理システム(508)であって、前記バッテリ管理システム(508)が、前記バッテリ(506、610)の有線および/または無線充電を容易にするように構成されている、バッテリ管理システム(508)と
を含む、移動式プラットフォーム(300、1506)。
[実施態様2]
前記全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)は、少なくとも2つの全方向ホイールシステムの第1の全方向ホイールシステムであり、前記シャーシ(306、404、502、802、1702、1704、1706、1708、1710、1730、1732、1734、1736、1738)は、前記少なくとも2つの全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)を自動的に制御するように構成された駆動コントローラ(50、714、1402)を含む、実施態様1に記載の移動式プラットフォーム(300、1506)。
[実施態様3]
前記駆動コントローラ(50、714、1402)は、前記移動式プラットフォーム(300、1506)を充電ステーション(504、612)に移動させるために、前記少なくとも2つの全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)を自動的に制御するように構成されている、実施態様2に記載の移動式プラットフォーム(300、1506)。
[実施態様4]
ユーザからの入力を受信し、それに応答して前記全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)の動作を制御するように構成されたコントローラ(50、714、1402)をさらに備える、実施態様1に記載の移動式プラットフォーム(300、1506)。
[実施態様5]
前記コントローラ(50、714、1402)は、前記移動式プラットフォーム(300、1506)の現在の構成の安定性パラメータを決定し、かつ前記決定された安定性パラメータに応答して前記全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)の出力を制限するのに実行可能なメモリに格納された命令を含む、実施態様4に記載の移動式プラットフォーム(300、1506)。
[実施態様6]
旋回コラム(16)をさらに備える、実施態様1に記載の移動式プラットフォーム(300、1506)。
[実施態様7]
前記移動式プラットフォーム(300、1506)が前輪セットおよび後輪セットを含み、前記全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)が前記前輪セットまたは前記後輪セットの一部であり、前記バッテリ(506、610)が前記前輪セットと前記後輪セットとの間、かつ前記旋回コラム(16)の後方に配置される、実施態様6に記載の移動式プラットフォーム(300、1506)。
[実施態様8]
ブレース(904)と中央に配置された単一のコイルスプリング(906)とを含む後部サスペンションシステム(902)をさらに備える、実施態様7に記載の移動式プラットフォーム(300、1506)。
[実施態様9]
前記全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)が、前記サスペンションブレース(904)の下に収容されたモータドライブ(110,112、114、116、1408)と、分割駆動軸(912)を介して前記全方向ホイール(1406、1416,1418、1420)を駆動するホイールモータ(910)とを含む、実施態様8に記載の移動式プラットフォーム(300、1506)。
[実施態様10]
ユーザの各手と係合するようにハンドル(38、308、1504)に沿って配置された第1および第2の力感知領域を有するハンドル(38、308、1504)をさらに備える、実施態様1に記載の移動式プラットフォーム(300、1506)。
[実施態様11]
前記ハンドル(38、308、1504)上の1つまたは複数の力感知領域を介してユーザの手から入力を受信し、それに応答して前記全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)の動作を制御するように構成されたコントローラ(50、714、1402)をさらに備える、実施態様10に記載の移動式プラットフォーム(300、1506)。
[実施態様12]
前記全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)における全方向ホイールの回転および前記全方向ホイールの駆動トルクの角度は両方とも、前記ハンドル(38、308、1504)の前記第1および第2の力感知領域から感知された力に応答する、実施態様11に記載の移動式プラットフォーム(300、1506)。
[実施態様13]
移動式プラットフォーム(300、1506)と物理的にインターフェースするユーザ入力に応答して、電気モータおよびバッテリ(506、610)で1つまたは複数の全方向ホイールを駆動することによって前記移動式プラットフォーム(300、1506)を移動させることと、
前記バッテリ(506、610)を無線充電することと、
前記移動式プラットフォーム(300、1506)に結合された医療機器の構成に基づいて、前記移動式プラットフォーム(300、1506)の前記移動を制御することと
を含む、1つまたは複数の医療機器を収容するように構成されたシャーシ(306、404、502、802、1702、1704、1706、1708、1710、1730、1732、1734、1736、1738)を有する全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)によって駆動される移動式プラットフォーム(300、1506)の動作方法。
[実施態様14]
前記動きの制御は、前記移動式プラットフォーム(300、1506)の決定された安定性パラメータに基づいて動きを制限することを含む、実施態様13に記載の方法。
[実施態様15]
前記安定性パラメータは、前記移動式プラットフォーム(300、1506)と前記医療機器との組み合わせの重心を含む、実施態様14に記載の方法。
[実施態様16]
前記移動式プラットフォーム(300、1506)の前記移動は前記ハンドル(38、308、1504)から感知された力に応答し、前記移動は、縦方向と横方向の両方に同時に動かすように全方向ホイールを駆動することを含む、実施態様15に記載の方法。
[実施態様17]
前記医療機器がアーム(32)を含み、動きを制御することは、アーム位置に基づいて特定の方向に前記移動式機器プラットフォーム(300、1506)の速度を制限することを含む、実施態様16に記載の方法。
[実施態様18]
1つまたは複数の医療機器を収容するように構成されたシャーシ(306、404、502、802、1702、1704、1706、1708、1710、1730、1732、1734、1736、1738)と、
前記シャーシ(306、404、502、802、1702、1704、1706、1708、1710、1730、1732、1734、1736、1738)に結合された前輪セットと、
前記シャーシ(306、404、502、802、1702、1704、1706、1708、1710、1730、1732、1734、1736、1738)に結合され、それぞれが全方向ホイールを含む2つの全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)を含む後輪セットと、
前記シャーシ(306、404、502、802、1702、1704、1706、1708、1710、1730、1732、1734、1736、1738)に収容されたバッテリ(506、610)であって、前記バッテリ(506、610)が、各全方向ホイールを駆動するための電力を供給し、前記1つまたは複数の医療機器を動作させるための電力を供給するように構成された、バッテリ(506、610)と、
旋回コラム(16)と、
前記シャーシ(306、404、502、802、1702、1704、1706、1708、1710、1730、1732、1734、1736、1738)に収容されたバッテリ管理システム(508)であって、前記バッテリ管理システム(508)が前記バッテリ(506、610)の有線および/または無線充電を容易にするように構成されている、バッテリ管理システム(508)と、
多方向感知を備えたハイブリッドUIFハンドル(38、308、1504)と、
前記2つの全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)を自動的に制御するように構成された駆動コントローラ(50、714、1402)であって、前記バッテリ(506、610)が前記前輪セットと前記後輪セットとの間、かつ前記旋回コラム(16)の後方に配置され、前記駆動コントローラ(50、714、1402)は、前記ハイブリッドUIFハンドル(38、308、1504)からの入力を受信し、それに応答して前記2つの全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)の動作を制御するようにさらに構成されている、駆動コントローラ(50、714、1402)と、
ブレース(904)と中央に配置された単一のコイルスプリング(906)とを含む後部サスペンションシステム(902)であって、前記2つの全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)のそれぞれが、前記サスペンションブレース(904)の下に収容されたモータドライブ(110,112、114、116、1408)と、分割駆動軸(912)を介して対応する全方向ホイールを駆動するホイールモータ(910)とを有する、後部サスペンションシステム(902)と
を含む、移動式プラットフォーム(300、1506)。
[実施態様19]
前記ハンドル(38、308、1504)は、第1の力感知ハンドル領域と、ユーザの各手と係合するように配置された第2の力感知ハンドル領域とを含み、前記コントローラ(50、714、1402)は、前記第1の力感知ハンドル領域および前記第2の力感知ハンドル領域から入力を受信し、それに応答して前記全方向ホイールシステム(1406、1416,1418、1420)の動作を制御するための命令を含む、実施態様18に記載の移動式プラットフォーム(300、1506)。
【符号の説明】
【0113】
10 移動式撮像システム
12 移動式医療機器プラットフォーム/移動式医療機器システム
13 フレーム
14 オペレータコンソール
15 X線源アセンブリ
16 コラム
18 後部駆動輪
20 前部駆動輪
22 X線管ハウジング
24 コリメータ
26 後端部
27 撮像コントローラ
28 前端部
29 被検体
30 テーブル
32 アーム
34 放射線源
36 X線検出器
37 ケーブル
38 駆動ハンドル
44 ユーザインターフェース
46 センサ
48 センサ
50 駆動コントローラ
52 緊急停止機構
54 シャフト
56 回転式駆動モジュール
62 プッシュセンサ
64 プルセンサ
100 第1の駆動輪
101 第1のモータ
102 第2の駆動輪
103 第2のモータ
104 第3の駆動輪
105 第3のモータ
106 第4の駆動輪
107 第4のモータ
110 モータドライブ
112 モータドライブ
114 モータドライブ
116 モータドライブ
300 移動式プラットフォーム
302 医療機器プラットフォーム
304 ビデオカメラ
306 移動式シャーシ
308 駆動ハンドル
310 前輪
312 後輪
314 バッテリ管理システム
316 バッテリ
318 モジュラーコンパートメント
320 グラフィカルユーザインターフェース
322 回転ボタン
324 回転ボタン
326 方向移動ボタン
328 コラムベース
330 衝突検出センサ
332 タッチスクリーン
334 緊急停止ボタン
350 3Dレンダリング
380 選択肢
382 メカナムホイール
384 オムニホイール
386 オムニホイール
388 オムニホイール
400 移動式医療機器プラットフォーム
402 医療機器ハウジング
404 移動式シャーシ
406 領域
408 近接センサ
500 有線充電システム
502 移動式シャーシ
504 有線充電ステーション
506 バッテリ
508 バッテリ管理システム
510 充電ポート/コンポーネント
512 充電センサ
514 ドッキング機構
516 ドッキング機構
518 自動ドッキングセンサ
520 画像
522 第1の画像
524 第2の画像
526 第3の画像
528 ドッキング機構ハウジング
530 上部フック
532 ドッキングガイド
534 上部ドッキングバー
536 下部ドッキングバー
538 相補的ドッキングハウジング
600 第1の例
601 第2の例
602 移動式医療機器プラットフォーム
604 折り畳み式コラム
605 固定式コラム
606 検索センサ
608 充電コンポーネント
610 バッテリ
612 無線充電ステーション
614 充電トリガセンサ
616 無線充電器
700 側面図
702 医療機器プラットフォーム
704 コラムベース
708 収納区画
714 駆動コントローラ
716 サスペンションインターフェース
718 サスペンションスプリングマウント
800 図
802 シャーシ
804 エンコーダ
810 コラムベース
900 後部全方向性ホイールシステム
902 後部サスペンションシステム
904 サスペンションブレース
906 コイルスプリング
910 ホイールモータ
912 分割駆動軸
1000 上面図
1002 後輪取り付けブラケット
1004 平衡錘
1100 方法
1200 方法
1300 方法
1400 概略図
1402 駆動コントローラ
1406 全方向性ホイールシステム
1408 モータドライブ
1410 エンコーダ
1412 ブレーキ
1414 モータ
1416 全方向性ホイールシステム
1418 全方向性ホイールシステム
1420 全方向性ホイールシステム
1500 ペアリング
1502 入力とホイールの動きのペアリング
1504 駆動ハンドル
1506 移動式プラットフォーム
1508 ペアリング
1510 ペアリング
1512 ペアリング
1514 ペアリング
1516 ペアリング
1518 ペアリング
1520 ペアリング
1600 方法
1702 スケートボードシャーシ構成
1704 スケートボードシャーシ構成
1706 スケートボードシャーシ構成
1708 スケートボードシャーシ構成
1710 スケートボードシャーシ
1714 三角ブラケット
1716 スケートボードシャーシプラットフォーム
1718 前部スケートボードシャーシ部分
1720 後部スケートボードシャーシ部分
1722 ホイールインセット
1724 保護ホイールガード
1730 シャーシ
1732 シャーシ
1734 シャーシ
1736 シャーシ
1738 シャーシ
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17