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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-18
(45)【発行日】2023-08-28
(54)【発明の名称】半導体センサの表面処理
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/414 20060101AFI20230821BHJP
   G01N 27/28 20060101ALI20230821BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20230821BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20230821BHJP
【FI】
G01N27/414 301G
G01N27/414 301P
G01N27/414 301R
G01N27/28 321F
H01L29/78 301U
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022031694
(22)【出願日】2022-03-02
(62)【分割の表示】P 2020068343の分割
【原出願日】2015-07-01
(65)【公開番号】P2022069494
(43)【公開日】2022-05-11
【審査請求日】2022-03-02
(31)【優先権主張番号】62/020,299
(32)【優先日】2014-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502221282
【氏名又は名称】ライフ テクノロジーズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド エル. キケロ
(72)【発明者】
【氏名】マーク グレイザー
(72)【発明者】
【氏名】ユファン ワン
(72)【発明者】
【氏名】クリスティーナ イー. インマン
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミー グレイ
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ コスキンスキー
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ ボール
(72)【発明者】
【氏名】フィル ワゴナー
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー マストロヤンニ
【審査官】大瀧 真理
(56)【参考文献】
【文献】特表平06-503641(JP,A)
【文献】特表2010-513869(JP,A)
【文献】特表2012-522824(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0197507(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0053524(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0186914(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/26 - 27/49
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサデバイスであって、
センサのアレイに動作可能に連結されたウェルのアレイであって、各センサがマイクロウェル底部を画定する感受性材料層を提供し、各マイクロウェルが、前記感受性材料層を覆って形成される側壁構造を有し、センサ表面が、前記側壁構造および前記マイクロウェル底部を備える、ウェルのアレイと;
前記センサ表面に結合した表面活性剤であって、
前記センサ表面と反応する表面活性官能基であって、ホスホン酸、ホスフェート、ホスフィン酸およびビスホスホン酸を含む、表面活性官能基;および
第四級アンモニウムまたは複素環式アミンから形成される正の電荷を有する官能基を含む遠位官能基
を含む、表面活性剤と
を備える、センサデバイス。
【請求項2】
前記表面活性剤が、第四級アンモニウムまたは複素環式アミンを含む遠位官能基を含むアルキルホスホン酸である、請求項1に記載のセンサデバイス。
【請求項3】
前記表面活性剤が、それらのフッ素化もしくは塩素化誘導体を含めた、メチルアンモニウムホスホン酸、エチルアンモニウムホスホン酸、または、オクタデシルホスホン酸の塩素または臭素塩を含む、請求項2に記載のセンサデバイス。
【請求項4】
前記表面活性剤が、1-メチル-3-(ドデシルホスホン酸)イミダゾリウム、1-メチル-3-(ヘキシルホスホン酸)イミダゾリウム、(6-ヘキシルホスホン酸)イミダゾリウム、の塩素塩もしくは臭素塩、(12-ドデシルホスホン酸)メチルトリアゾリウム臭化物、または、そのフッ素化もしくは塩素化誘導体を含めたピリジンアルキルホスホン酸を含む、請求項2に記載のセンサデバイス。
【請求項5】
前記表面活性剤が、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)を含む、請求項1に記載のセンサデバイス。
【請求項6】
前記感受性材料層が、金属、金属酸化物、もしくは金属窒化物、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のセンサデバイス。
【請求項7】
前記マイクロウェルアレイが、半金属酸化物、半金属窒化物、またはそれらの組み合わせの1つ以上の層で形成される、請求項1に記載のセンサデバイス。
【請求項8】
前記表面活性剤が単一層で結合する、請求項1に記載のセンサデバイス。
【請求項9】
前記センサのアレイが、化学電界効果トランジスタ(ChemFET)センサのアレイを含む、請求項1に記載のセンサデバイス。
【請求項10】
前記chemFETセンサのアレイが、イオン感応性電界効果トランジスタ(ISFET)センサのアレイを含む、請求項9に記載のセンサデバイス。
【請求項11】
センサデバイスを調製する方法であって、
前記センサデバイスにわたって水溶液を流すステップであって、前記センサデバイスが、センサのアレイに動作可能に連結されたウェルのアレイを備え、各センサがマイクロウェル底部を画定する上面を有し、各マイクロウェルが、前記上面を覆って形成される側壁構造を有し、センサ表面が、前記側壁構造および前記上面を備える、ステップと;
前記センサ表面に表面活性剤を適用するステップであって、前記表面活性剤が、
前記センサ表面と反応する表面活性官能基であって、ホスホン酸、ホスフェート、ホスフィン酸およびビスホスホン酸を含む、表面活性官能基;および
第四級アンモニウムまたは複素環式アミンから形成される正の電荷を有する官能基を含む遠位官能基
を含む、ステップと
を含む、方法。
【請求項12】
前記表面活性剤が、第四級アンモニウムまたは複素環式アミンを含む遠位官能基を含むアルキルホスホン酸である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記表面活性剤が、それらのフッ素化もしくは塩素化誘導体を含めた、メチルアンモニウムホスホン酸、エチルアンモニウムホスホン酸、または、オクタデシルホスホン酸の塩素または臭素塩を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記表面活性剤が、1-メチル-3-(ドデシルホスホン酸)イミダゾリウム、1-メチル-3-(ヘキシルホスホン酸)イミダゾリウム、(6-ヘキシルホスホン酸)イミダゾリウム、の塩素塩もしくは臭素塩、(12-ドデシルホスホン酸)メチルトリアゾリウム臭化物、または、そのフッ素化もしくは塩素化誘導体を含めたピリジンアルキルホスホン酸を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記表面活性剤が、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)を含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、半導体センサの表面を処理するためのシステム及び方法、ならびに処理された半導体センサに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板に形成されるセンサのアレイは、分析化学及び分子生物学等の分野でますます使用されている。例えば、分析物がセンサアレイのセンサパッド上またはセンサパッドの近くで捕捉された場合、その分析物またはその分析物に関連する反応の副生成物が、検出及び使用されて、その分析物に関する情報を解明することができる。具体的には、そのようなセンサアレイは、遺伝子配列決定または定量増幅等の遺伝子分析における用途が見出されている。
【0003】
製造の際、様々な半導体加工技術により、センサアレイの表面及びセンサアレイの周囲のウェル構造の表面の性質が変化する場合がある。そのような加工は、表面に残留物を残すか、または表面酸化を変化させる可能性がある。そのような表面化学的性質の変化は、センサに近接した分析物の捕捉を阻止または制限し得る。したがって、そのようなセンサアレイの有効性が低下し、そのようなセンサアレイから得られる信号は、誤ったデータを含み得るか、またはデータを含まない場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施例において、表面活性剤が、センサ表面の付近またはセンサ表面上に蒸着される。そのような表面活性剤は、センサがセンサコンポーネントの形態にあるとき、または代替として、ウエハがセンサコンポーネントへとパッケージングされ得るダイへ切り離される前にセンサがウエハに並べられているときに、センサ表面に蒸着される。
【0005】
特定の実施例では、センサコンポーネントには、電界効果トランジスタ(FET)に基づくセンサのアレイと、対応する反応部位のアレイ、例えば、ウェルが含まれる。1つ以上の表面活性剤が、FETに基づくセンサのアレイまたはウェルの表面に配置され得る。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
センサコンポーネントであって、
センサ表面を含むセンサと、
前記センサと連動し、かつ前記センサ表面を露出させる、反応部位であって、前記反応部位は、反応部位表面を含む、反応部位と、
前記反応部位表面または前記センサ表面に結合する表面活性剤であって、前記表面活性剤は、前記センサ表面と反応する表面活性官能基を含み、かつ遠位官能性を含み、前記表面活性官能基は、ホスフェート、ホスホン酸、ホスフィン酸、ビスホスホン酸、多座配位性ホスフェートもしくはホスホネート、ポリホスフェート/ホスホネート、それらのアルコキシ誘導体、またはそれらの任意の組み合わせを含み、前記遠位官能性はアミンを含む、表面活性剤と、を備える、センサコンポーネント。
(項目2)
前記表面活性官能基は、ホスフェート、ホスホン酸、ホスフィン酸、それらのアルコキシ誘導体、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目1に記載のセンサ。
(項目3)
前記アミンは、第二級アミン、第三級アミン、または複素環式アミンから誘導される、項目1または項目2に記載のセンサ。
(項目4)
前記複素環式アミンは、ピロリジン、ピロール、イミダゾール、ピペリジン、ピリジン、ピリミジン、プリン、またはそれらの組み合わせを含む、項目3に記載のセンサ。
(項目5)
前記表面活性剤は、アルキルホスホン酸、第四級アミノホスホン酸の塩、それらのフッ素化もしくは塩素化誘導体、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせである、項目1~4のいずれか1項に記載のセンサ。
(項目6)
前記表面活性剤は、第四級アミノホスホン酸の塩素もしくは臭素塩、メチルアンモニウムホスホン酸、エチルアンモニウムホスホン酸、(12-ドデシルホスホン酸)メチルトリアゾリウム臭化物、(6-ヘキシルホスホン酸)イミダゾリウム、ピリジンアルキルホスホン酸、(1-アミノ-1-フェニルメチル)ホスホン酸、それらのフッ素化もしくは塩素化誘導体、それらの誘導体、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目1~5のいずれか1項に記載のセンサ。
(項目7)
前記表面活性剤は、イミダゾールホスホン酸を含む、項目1~6のいずれか1項に記載のセンサ。
(項目8)
前記表面活性剤は、(12-ドデシルホスホン酸)メチルトリアゾリウム臭化物を含む、項目1~7のいずれか1項に記載のセンサ。
(項目9)
前記表面活性剤は、官能化アミノビス(アルキルホスホン酸)を含む、項目1~8のいずれか1項に記載のセンサ。
(項目10)
前記表面活性剤は、ビスホスホン酸または多座配位性ホスホン酸を含む、項目1~9のいずれか1項に記載のセンサ。
(項目11)
前記表面活性剤は、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、テトラメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目10のいずれか1項に記載のセンサ。
(項目12)
前記表面活性剤は、単一層で結合する、項目1~11のいずれか1項に記載のセンサ。
(項目13)
前記センサは、電界効果トランジスタを含む、項目1~12のいずれか1項に記載のセンサ。
(項目14)
前記電界効果トランジスタは、イオン感応性電界効果トランジスタを含む、項目13に記載のセンサ。
(項目15)
前記センサは、センサアレイの一部であり、前記反応部位は、前記センサアレイに動作可能に連結されたウェルアレイのウェルである、項目1~14のいずれか1項に記載のセンサ。
(項目16)
前記表面活性剤は、前記センサ表面に結合する、項目1~15のいずれか1項に記載のセンサ。
(項目17)
前記表面活性剤は、前記反応部位表面に結合する、項目1~16のいずれか1項に記載のセンサ。
(項目18)
センサコンポーネントを処理する方法であって、
センサコンポーネントを洗浄することであって、前記センサコンポーネントは、反応部位と連動するセンサを含み、前記センサはセンサ表面を含み、前記反応部位は反応部位表面を含む、洗浄することと、
表面活性剤をウエハに塗布することであって、前記表面活性剤は、前記センサ表面と反応する表面活性官能基を含み、かつ遠位官能性を含み、前記表面活性官能基は、ホスフェート、ホスホン酸、ホスフィン酸、ビスホスホン酸、多座配位性ホスフェートもしくはホスホネート、ポリホスフェート/ホスホネート、それらのアルコキシ誘導体、またはそれらの任意の組み合わせを含み、前記遠位官能性はアミンを含む、適用することと、を含む、方法。
(項目19)
前記表面活性剤を塗布した後に、前記センサコンポーネントをアルコールで洗浄することをさらに含む、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記アミンは、第二級アミン、第三級アミン、または複素環式アミンから誘導される、項目18または項目19に記載の方法。
(項目21)
前記複素環式アミンは、ピロリジン、ピロール、イミダゾール、ピペリジン、ピリジン、ピリミジン、プリン、またはそれらの組み合わせを含む、項目20に記載の方法。
(項目22)
前記表面活性剤は、アルキルホスホン酸、第四級アミノホスホン酸の塩、それらのフッ素化もしくは塩素化誘導体、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせである、項目18~21のいずれか1項に記載の方法。
(項目23)
前記表面活性剤は、第四級アミノホスホン酸の塩素もしくは臭素塩、メチルアンモニウムホスホン酸、エチルアンモニウムホスホン酸、(12-ドデシルホスホン酸)メチルトリアゾリウム臭化物、(6-ヘキシルホスホン酸)イミダゾリウム、ピリジンアルキルホスホン酸、(1-アミノ-1-フェニルメチル)ホスホン酸、それらのフッ素化もしくは塩素化誘導体、それらの誘導体、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目18~22のいずれか1項に記載の方法。
(項目24)
前記表面活性剤は、イミダゾールホスホン酸を含む、項目18~23のいずれか1項に記載の方法。
(項目25)
前記表面活性剤は、(12-ドデシルホスホン酸)メチルトリアゾリウム臭化物を含む、項目18~24のいずれか1項に記載の方法。
(項目26)
前記表面活性剤は、官能化アミノビス(アルキルホスホン酸)を含む、項目18~25のいずれか1項に記載の方法。
(項目27)
前記表面活性剤は、ビスホスホン酸または多座配位性ホスホン酸を含む、項目18~26のいずれか1項に記載の方法。
(項目28)
前記表面活性剤は、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、テトラメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目27に記載の方法。
(項目29)
前記遠位官能性は、正の電荷を有する、項目18~28のいずれか1項に記載の方法。
(項目30)
前記表面活性剤は、単一層で結合する、項目18~29のいずれか1項に記載の方法。
(項目31)
前記センサは、電界効果トランジスタを含む、項目18~30のいずれか1項に記載の方法。
(項目32)
前記電界効果トランジスタは、イオン感応性電界効果トランジスタを含む、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記表面活性剤は、前記センサ表面に結合する、項目18~32のいずれか1項に記載の方法。
(項目34)
前記表面活性剤は、前記反応部位表面に結合する、項目18~33のいずれか1項に記載の方法。
(項目35)
センサコンポーネントを形成する方法であって、
ウエハを酸素プラズマで処理することであって、前記ウエハは、複数のダイを含み、前記複数のダイのそれぞれのダイは、センサアレイ及び前記センサアレイと連動する反応部位アレイを含む、処理することと、
表面活性剤を前記ウエハに塗布することであって、前記表面活性剤は、前記センサ表面と反応する表面活性官能基を含み、かつ遠位官能性を含み、前記表面活性官能基は、ホスフェート、ホスホン酸、ホスフィン酸、ビスホスホン酸、多座配位性ホスフェートもしくはホスホネート、ポリホスフェート/ホスホネート、それらのアルコキシ誘導体、またはそれらの任意の組み合わせを含み、前記遠位官能性はアミンを含む、塗布することと、を含む、方法。
(項目36)
前記表面活性剤を塗布した後に、前記ウエハをアニーリングすることをさらに含む、項目35に記載の方法。
(項目37)
前記表面活性剤を塗布した後に、前記ウエハを複数のダイに切り離すことをさらに含む、項目35または項目36に記載の方法。
(項目38)
前記複数のダイの1つのダイをパッケージングすることをさらに含む、項目37に記載の方法。
(項目39)
前記アミンは、第二級アミン、第三級アミン、または複素環式アミンから誘導される、項目35~38のいずれか1項に記載の方法。
(項目40)
前記複素環式アミンは、ピロリジン、ピロール、イミダゾール、ピペリジン、ピリジン、ピリミジン、プリン、またはそれらの組み合わせを含む、項目39に記載の方法。
(項目41)
前表面活性剤は、アルキルホスホン酸、第四級アミノホスホン酸の塩、それらのフッ素化もしくは塩素化誘導体、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせである、項目35~40のいずれか1項に記載の方法。
(項目42)
前記表面活性剤は、第四級アミノホスホン酸の塩素もしくは臭素塩、メチルアンモニウムホスホン酸、エチルアンモニウムホスホン酸、(12-ドデシルホスホン酸)メチルトリアゾリウム臭化物、(6-ヘキシルホスホン酸)イミダゾリウム、ピリジンアルキルホスホン酸、(1-アミノ-1-フェニルメチル)ホスホン酸、それらのフッ素化もしくは塩素化誘導体、それらの誘導体、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目35~41のいずれか1項に記載の方法。
(項目43)
前記表面活性剤は、イミダゾールホスホン酸を含む、項目35~42のいずれか1項に記載の方法。
(項目44)
前記表面活性剤は、(12-ドデシルホスホン酸)メチルトリアゾリウム臭化物を含む、項目35~43のいずれか1項に記載の方法。
(項目45)
前記表面活性剤は、官能化アミノビス(アルキルホスホン酸)を含む、項目35~44のいずれか1項に記載の方法。
(項目46)
前記表面活性剤は、ビスホスホン酸または多座配位性ホスホン酸を含む、項目35~45のいずれか1項に記載の方法。
(項目47)
前記表面活性剤は、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、テトラメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目46に記載の方法。
(項目48)
前記遠位官能性は、正の電荷を有する、項目35~47のいずれか1項に記載の方法。
(項目49)
前記表面活性剤は、単一層で結合する、項目35~48のいずれか1項に記載の方法。
(項目50)
前記センサアレイのセンサは、電界効果トランジスタを含む、項目35~49のいずれか1項に記載の方法。
(項目51)
前記電界効果トランジスタは、イオン感応性電界効果トランジスタを含む、項目50に記載の方法。
(項目52)
前記表面活性剤は、前記センサ表面に結合する、項目35~51のいずれか1項に記載の方法。
(項目53)
前記表面活性剤は、前記反応部位表面に結合する、項目35~52のいずれか1項に記載の方法。
(項目54)
センサコンポーネントであって、
センサ表面を含むセンサと、
前記センサと連動し、かつ前記センサ表面を露出させる、反応部位であって、前記反応部位は、反応部位表面を含む、反応部位と、
前記反応部位表面または前記センサ表面に結合する表面活性剤であって、前記表面活性剤は、前記反応部位表面または前記センサ表面でブレンステッド塩基またはルイス酸官能性と反応する表面活性官能基を含み、かつ供与電子対を有さない遠位官能性を含む、表面活性剤と、を備える、センサコンポーネント。
(項目55)
前記表面活性官能基は、シラン、ホスフェート、ホスホン酸、ホスフィン酸、ビスホスホン酸、イソシアネート、カテコール、ヒドロキサメート、それらのアルコキシ誘導体、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目54に記載のセンサ。
(項目56)
前記表面活性官能基は、シランまたはそのアルコキシ誘導体を含む、項目55に記載のセンサ。
(項目57)
前記表面活性官能基は、ホスフェート、ホスホン酸、ホスフィン酸、ビスホスホン酸、それらのアルコキシ誘導体、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目55に記載のセンサ。
(項目58)
前記表面活性官能基は、イソシアネート、カテコール、ヒドロキサメート、それらのアルコキシ誘導体、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目55に記載のセンサ。
(項目59)
前記遠位官能性は、アルキル基または第四級アンモニウムを含む、項目55に記載のセンサ。
(項目60)
前記第四級アンモニウムは、第二級アミン、第三級アミン、または複素環式アミンから誘導される、項目59に記載のセンサ。
(項目61)
前記複素環式アミンは、ピロリジン、ピロール、イミダゾール、ピペリジン、ピリジン、ピリミジン、プリン、またはそれらの組み合わせを含む、項目60に記載のセンサ。
(項目62)
前記表面活性剤は、アルキルトリアルコキシシラン、第四級アンモニウムアルキルアルコキシシランの塩、それらのフッ素化もしくは塩素化誘導体、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせである、項目54~61のいずれか1項に記載のセンサ。
(項目63)
前記表面活性剤は、アルキルホスホン酸、第四級アミノホスホン酸の塩、それらのフッ素化もしくは塩素化誘導体、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせである、項目54~62のいずれか1項に記載のセンサ。
(項目64)
前記遠位官能性は、正の電荷を有する、項目54~63のいずれか1項に記載のセンサ。
(項目65)
前記表面活性剤は、単一層で結合する、項目54~64のいずれか1項に記載のセンサ。
(項目66)
前記センサは、電界効果トランジスタを含む、項目54~65のいずれか1項に記載のセンサ。
(項目67)
前記電界効果トランジスタは、イオン感応性電界効果トランジスタを含む、項目66に記載のセンサ。
(項目68)
前記センサは、センサアレイの一部であり、前記反応部位は、前記センサアレイに動作可能に連結されたウェルアレイのウェルである、項目54~67のいずれか1項に記載のセンサ。
(項目69)
前記表面活性剤は、前記センサ表面に結合する、項目54~68のいずれか1項に記載のセンサ。
(項目70)
前記表面活性剤は、前記反応部位表面に結合する、項目54~69のいずれか1項に記載のセンサ。
(項目71)
センサコンポーネントを形成する方法であって、
ウエハを酸素プラズマで処理することであって、前記ウエハは、複数のダイを含み、前記複数のダイのそれぞれのダイは、センサアレイ及び前記センサアレイと連動する反応部位アレイを含む、処理することと、
表面活性剤を前記ウエハに塗布することであって、前記表面活性剤は、前記反応部位の表面または前記センサアレイのセンサの表面に結合し、前記表面活性剤は、前記反応部位表面または前記センサ表面でブレンステッド塩基またはルイス酸官能性と反応する表面活性官能基を含み、かつ供与電子対を有さない遠位官能性を含む、塗布することと、を含む、方法。
(項目72)
前記表面活性剤を塗布した後に、前記ウエハをアニーリングすることをさらに含む、項目71に記載の方法。
(項目73)
前記表面活性剤を塗布した後に、前記ウエハを複数のダイに切り離すことをさらに含む、項目71または項目72に記載の方法。
(項目74)
前記複数のダイの1つのダイをパッケージングすることをさらに含む、項目73に記載の方法。
(項目75)
前記表面活性官能基は、シラン、ホスホン酸、ホスフィン酸、ビスホスホン酸、イソシアネート、カテコール、ヒドロキサメート、それらのアルコキシ誘導体、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目71~74のいずれか1項に記載の方法。
(項目76)
前記表面活性官能基は、シランを含む、項目75に記載の方法。
(項目77)
前記表面活性官能基は、ホスホン酸を含む、項目75に記載の方法。
(項目78)
前記表面活性官能基は、イソシアネート、カテコール、ヒドロキサメート、それらのアルコキシ誘導体、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目75に記載の方法。
(項目79)
前記遠位官能性は、アルキル基または第四級アンモニウムを含む、項目75に記載の方法。
(項目80)
前記第四級アンモニウムは、第二級アミン、第三級アミン、または複素環式アミンから誘導される、項目79に記載の方法。
(項目81)
前記複素環式アミンは、ピロリジン、ピロール、イミダゾール、ピペリジン、ピリジン、ピリミジン、プリン、またはそれらの組み合わせを含む、項目80に記載の方法。
(項目82)
前記表面活性剤は、アルキルトリアルコキシシラン、第四級アンモニウムアルキルアルコキシシランの塩、それらのフッ素化もしくは塩素化誘導体、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせである、項目71~81のいずれか1項に記載の方法。
(項目83)
前表面活性剤は、アルキルホスホン酸、第四級アミノホスホン酸の塩、それらのフッ素化もしくは塩素化誘導体、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせである、項目71~82のいずれか1項に記載の方法。
(項目84)
前記遠位官能性は、正の電荷を有する、項目71~83のいずれか1項に記載の方法。
(項目85)
前記表面活性剤は、単一層で結合する、項目71~84のいずれか1項に記載の方法。
(項目86)
前記センサアレイのセンサは、電界効果トランジスタを含む、項目71~85のいずれか1項に記載の方法。
(項目87)
前記電界効果トランジスタは、イオン感応性電界効果トランジスタを含む、項目86に記載の方法。
(項目88)
前記表面活性剤は、前記センサ表面に結合する、項目71~87のいずれか1項に記載の方法。
(項目89)
前記表面活性剤は、前記反応部位表面に結合する、項目71~88のいずれか1項に記載の方法。
(項目90)
センサコンポーネントを処理する方法であって、
センサコンポーネントを洗浄することであって、前記センサコンポーネントは、反応部位と連動するセンサを含み、前記センサはセンサ表面を含み、前記反応部位は反応部位表面を含む、洗浄することと、
表面活性剤を前記ウエハに塗布することであって、前記表面活性剤は、前記反応部位表面または前記センサの表面に結合し、前記表面活性剤は、前記反応部位表面または前記センサ表面でブレンステッド塩基またはルイス酸官能性と反応する表面活性官能基を含み、かつ供与電子対を有さない遠位官能性を含む、塗布することと、を含む、方法。
(項目91)
前記表面活性剤を塗布した後に、前記センサコンポーネントをアルコールで洗浄することをさらに含む、項目90に記載の方法。
(項目92)
前記表面活性官能基は、シラン、ホスホン酸、またはそれらの組み合わせを含む、項目90または項目91に記載の方法。
(項目93)
前記表面活性官能基は、シランを含む、項目92に記載の方法。
(項目94)
前記表面活性官能基は、ホスホン酸を含む、項目92に記載の方法。
(項目95)
前記遠位官能性は、アルキル基または第四級アンモニウムを含む、項目92に記載の方法。
(項目96)
前記第四級アンモニウムは、第二級アミン、第三級アミン、または複素環式アミンから誘導される、項目95に記載の方法。
(項目97)
前記複素環式アミンは、ピロリジン、ピロール、イミダゾール、ピペリジン、ピリジン、ピリミジン、プリン、またはそれらの組み合わせを含む、項目96に記載の方法。
(項目98)
前記表面活性剤は、アルキルトリアルコキシシラン、第四級アンモニウムアルキルアルコキシシランの塩、それらのフッ素化もしくは塩素化誘導体、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせである、項目90~97のいずれか1項に記載の方法。
(項目99)
前表面活性剤は、アルキルホスホン酸、第四級アミノホスホン酸の塩、それらのフッ素化もしくは塩素化誘導体、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせである、項目90~98のいずれか1項に記載の方法。
(項目100)
前記遠位官能性は、正の電荷を有する、項目90~99のいずれか1項に記載の方法。
(項目101)
前記表面活性剤は、単一層で結合する、項目90~100のいずれか1項に記載の方法。
(項目102)
前記センサは、電界効果トランジスタを含む、項目90~102のいずれか1項に記載の方法。
(項目103)
前記電界効果トランジスタは、イオン感応性電界効果トランジスタを含む、項目102に記載の方法。
(項目104)
前記表面活性剤は、前記センサ表面に結合する、項目90~103のいずれか1項に記載の方法。
(項目105)
前記表面活性剤は、前記反応部位表面に結合する、項目90~104のいずれか1項に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0006】
添付の図面を参照することによって、本開示をよりよく理解することができ、その多くの特徴及び利点が当業者に明らかになる。
【0007】
図1】例示的な測定システムの図を含む。
図2】例示的な測定コンポーネントの図を含む。
図3】例示的な測定コンポーネントのアレイの図を含む。
図4】例示的なウェルの構造の図を含む。
図5】例示的なウェル及びセンサの構造の図を含む。
図6】半導体センサの処理のための例示的な方法を示すフロー図を含む。
図7】半導体センサの処理のための例示的な方法を示すフロー図を含む。
図8】例示的な表面活性剤の図を含む。
図9】例示的な表面活性剤の図を含む。
図10】例示的な表面活性剤の図を含む。
【0008】
異なる図面における同じ参照記号の使用は、同様または同一の項目を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
例示的な実施形態において、センサコンポーネントは、センサと、センサと連動して配置される反応部位とを有する。反応部位は、ウェル、チャネル、溝、穴、くぼみ、または他の類似の構造体であり得る。例えば、反応部位はウェルであってもよい。表面活性剤は、反応部位の側壁またはセンサの表面に結合し得る。表面活性剤は、表面上でブレンステッド塩基構造またはルイス酸構造と反応する官能基を含み得、かつ供与電子対を有さないか、またはブレンステッド塩基もしくは酸官能性基を欠く、遠位官能性を含み得る。表面活性剤は、ウエハ加工の際、またはウエハの切り離し及びセンサコンポーネントの形成の後に、表面に適用され得る。
【0010】
例示的な実施形態では、センサコンポーネントは、センサアレイと関連付けられたウェルアレイを含む。センサアレイのセンサには、イオン感応性電界効果トランジスタ(ISFET)等の電界効果トランジスタ(FET)センサが含まれ得る。一実施例において、ウェルは、100nm~10マイクロメートルの深さまたは厚さを有する。別の実施例では、ウェルは、0.1マイクロメートル~2マイクロメートルの範囲の特徴的な直径を有し得る。センサコンポーネントは、配列決定システムの一部を成し得る。
【0011】
特定の実施例では、配列決定システムには、感知アレイが設置されているフローセルが含まれ、感知アレイと電子通信する通信回路が含まれ、フローセルと流体連通する容器及び流体制御装置が含まれる。例として、図1は、フローセル100の拡大断面図を示し、フローチャンバ106の一部分を示す。試薬108がウェルアレイ102の表面全体に流れ、ここで、試薬108は、ウェルアレイ102のウェルの開放された端部の上を流れる。ウェルアレイ102及びセンサアレイ105がともに集積ユニットを形成して、フローセル100の下壁部(または床)を形成し得る。基準電極104は、フローチャンバ106と流体的に連結され得る。さらに、フローセルカバー130が、試薬108を密閉領域内に収容するように、フローチャンバ106を封入する。
【0012】
図2は、図1の110で示されているウェル201及びセンサ214の拡大図を示す。ウェルの容積、形状、アスペクト比(底幅対ウェル深さ比等)、及び他の寸法特徴は、起こる反応の性質、ならびに試薬、副生成物、または(もしあれば)利用される標識技法に基づいて選択され得る。センサ214は化学電界効果トランジスタ(ChemFET)、より具体的にはイオン感応性FET(ISFET)であり得、フローティングゲート218が、センサ表面が画定される材料層216によってウェル内部から任意に分離されたセンサプレート220を有している。加えて、導電層(図示せず)が、センサプレート220上に配置されてもよい。一実施例において、材料層216は、イオン感応性材料層を含む。材料層216は、とりわけ、ジルコニウム、ハフニウム、タンタル、アルミニウム、または、チタンの酸化物、またはチタンの窒化物といった、セラミック層であり得る。あるいは、材料層216は、チタン、タングステン、金、銀、白金、アルミニウム、銅、またはそれらの組み合わせといった、金属から形成されてもよい。一実施例では、材料層216は、5nm~100nmの範囲、例えば、10nm~70nmの範囲、15nm~65nmの範囲、またはさらには20nm~50nmの範囲の厚さを有し得る。
【0013】
材料層216は、図示のFETコンポーネントの境界部を超えて延在するものとして示されるが、材料層216は、ウェル201の底部に沿って、及び場合によってはウェル201の壁に沿って、延在してもよい。センサ214は、センサプレート220とは逆の材料層216上に存在する電荷224の量に対応することができる(その量に応じて出力信号を生成することができる)。電荷224の変化によって、chemFETのソース221とドレイン222との間の電流が変化し得る。次に、chemFETを直接使用して、電流ベースの出力信号を提供すること、または追加の回路とともに間接的に使用して、電圧ベースの出力信号を提供することができる。反応物質、洗浄溶液、及び他の試薬は、拡散機構240によって、ウェルの内外へと移動することができる。
【0014】
ある実施形態では、ウェル201内で行われる反応は、目的の分析物の特徴または特性を特定または決定するための分析反応であり得る。そのような反応は、副生成物を直接または間接的に生成させ得、この副生成物はセンサプレート220に隣接する電荷の量に影響を与える。そのような副生成物が、少量生成される、または急速に劣化する、もしくは他の構成物質と反応する場合、生成される出力信号を増大させるために、同じ分析物の複数の複製物を、ウェル201で同時に分析してもよい。ある実施形態では、分析物の複数の複製物は、ウェル201内に付着する前後いずれかに、固相支持体212に結合され得る。固相支持体212は、ポリマーマトリクス、例えば、親水性ポリマーマトリクス等、例えば、ヒドロゲルマトリクス等であり得る。単純かつ容易な説明のため、固相支持体212はまた、本明細書においてポリマーマトリクスとも称され得る。
【0015】
ウェル201は、壁部構造体によって画定され得、この壁部構造体は、1つ以上の材料層から形成されてもよい。一実施例において、壁部構造体は、ウェルの下面から上面まで延在する厚さが0.01マイクロメートル~10マイクロメートルの範囲、例えば、0.05マイクロメートル~10マイクロメートルの範囲、0.1マイクロメートル~10マイクロメートルの範囲、0.3マイクロメートル~10マイクロメートルの範囲、または0.5マイクロメートル~6マイクロメートルの範囲であり得る。具体的には、厚さは、0.01マイクロメートル~1マイクロメートルの範囲、例えば、0.05マイクロメートル~0.5マイクロメートルの範囲、または0.05マイクロメートル~0.3マイクロメートルの範囲であり得る。ウェル201は、断面積(A)をPiで除算した数の4倍の平方根(例えば、sqrt(4*A/π))として定義される、特徴的な直径を有し得、これは、5マイクロメートル以下、例えば、3.5マイクロメートル以下、2.0マイクロメートル以下、1.6マイクロメートル以下、1.0マイクロメートル以下、0.8マイクロメートル以下、またはさらには0.6マイクロメートル以下である。一実施例では、ウェル201は、少なくとも0.01マイクロメートルの特徴的な直径を有し得る。さらなる実施例では、ウェル201には、0.05fL~10pLの範囲の容積、例えば、0.05fL~1pLの範囲、0.05fL~100fLの範囲、0.05fL~10fLの範囲、またはさらには0.1fL~5fLの範囲の容積が画定され得る。
【0016】
図2は、単層壁部構造体及び単層材料層216を示しているが、このシステムは、1つ以上の壁部構造層、1つ以上の導電層、または1つ以上の材料層を含んでもよい。例えば、壁部構造体は、ケイ素の酸化物またはTEOSを含むか、またはケイ素の窒化物を含む、1つ以上の層から形成され得る。
【0017】
図3に示される特定の実施例では、システム300はウェル壁部構造体302を含み、これには、センサアレイのセンサパッドに配置されるか、またはそこに動作可能に連結される、ウェル304のアレイが画定される。ウェル壁部構造体302には、上面306が画定される。ウェルに関連する下面308は、センサアレイのセンサパッド上に配置される。ウェル壁部構造体302は、上面306と下面308との間に側壁部310が画定される。上述のように、センサアレイのセンサパッドに接する材料層は、ウェル304のアレイのウェルの下面308に沿って、またはウェル壁部構造体302によって画定された壁部310の少なくとも一部分に沿って、延在し得る。上面306には、材料層が存在しなくてもよい。
【0018】
図2の壁部表面は、実質的に垂直かつ外向きに延在するとして示されているが、壁部表面は、様々な方向に延在し、様々な形状を有してもよい。実質的に垂直にとは、センサパッドによって画定される表面に対してコンポーネントが垂直となる方向に延在することを意味する。例えば、図4に示されるように、ウェル壁部402は垂直に延在して、センサパッドによって画定される面の法線成分412に平行になり得る。別の実施例では、壁面404は、センサパッドから離れて外向きに実質的に垂直に延在して、ウェルの下面の面積よりも大きな開口部がウェルに提供され得る。図4に示されるように、壁面404は、表面414の法線成分412に平行な垂直成分を有する方向に延在する。代替的な実施例では、壁面406は、内向きに実質的に垂直に延在して、ウェルの下面の面積よりも小さな開口領域が提供される。壁面406は、表面414の法線成分412に平行な成分を有する方向に延在する。
【0019】
表面402、404、または406は直線で示されているが、一部の半導体またはCMOSの製造プロセスでは、非線形形状を有する構造がもたらされ得る。具体的には、壁面408等の壁面、及び上面410等の上面は、アーチ型の形状であってもよく、または様々な非線形形態をなしてもよい。本明細書に示される構造体及びデバイスは、線形の層、表面、または形状を有するとして示されているが、半導体加工に起因する実際の層、表面、または形状は、ある程度異なってもよく、場合によっては示される実施形態の非線形及びアーチ型の変形を含む。
【0020】
図5は、イオン感応性材料層を有する例示的なウェルの図を含む。例えば、ウェル構造体502には、例示的なウェル504、506、または508等、ウェルのアレイが画定され得る。ウェル(504、506、または508)は、内在するセンサ(図示せず)に、動作可能に連結することができる、またはそのような内在するセンサに接続することができる。例示的なウェル504には、ウェル504の底部を画定し、構造体502内に延在する、イオン感応性材料層510が含まれる。図5には示されていないが、ゲート、例えば、イオン感応性電界効果トランジスタのフローティングゲート等の導電層が、イオン感受性材料層510の下に存在してもよい。
【0021】
別の実施例では、ウェル506によって示されるように、イオン感応性材料層512は、構造体502内に延在することなくウェル506の底部及びセンサ表面を画定し得る。さらなる実施例では、ウェル508は、構造体502によって画定されるウェル508の側壁516の少なくとも一部に沿って延在するイオン感応性層514を含み得る。上述のように、イオン感応性材料層512または514は、導電層または内在する電子デバイスのゲートの上に存在し得、かつそれらにはセンサ表面が画定され得る。
【0022】
特定の実施例では、ウェル(504、506、または508)の側壁520は、金属、半金属、それらの酸化物、もしくはそれらの窒化物、またはそれらの組み合わせから形成され得る。例示的な金属としては、金、銀、白金、銅、アルミニウム、タングステン、チタン、またはそれらの組み合わせが挙げられる。例示的な半金属には、ケイ素が挙げられる。一実施例では、側壁は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、TEOS、またはそれらの組み合わせから形成され得る。具体的には、側壁520は、上述の材料のうちの1つ以上のものの1つ以上の層から形成され得る。
【0023】
センサの表面(例えば、材料層510、512、または514)は、金属、半金属、それらの酸化物、もしくはそれらの窒化物、またはそれらの組み合わせから形成され得る。例示的な金属としては、タングステン、チタン、タンタル、ハフニウム、アルミニウム、ジルコニウム、金、銀、白金、銅、またはそれらの組み合わせが挙げられる。例示的な酸化物または窒化物としては、二酸化チタン、窒化チタン、酸化タンタル、酸化ハフニウム、ジルコニア、アルミナ、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0024】
特定の実施例では、側壁520の表面またはセンサの表面(510、512、もしくは514)は、ブレンステッド塩基官能性基、例えば、表面ヒドロキシル基もしくはμ-オキソ基等、または遷移金属中心におけるルイス酸官能性を呈し得る。一部の窒化物においてさえも、特に、水溶液の存在下において、表面の少なくとも一部分の酸化により、表面ヒドロキシル基または他のブレンステッド塩基構造の形成がもたらされる。そのようなヒドロキシル基は、緩衝作用を呈し、反応によるイオン性副生成物、例えば、酸性プロトンもしくはヒドロニウムイオンに対する、またはpHの変化に対するセンサの応答性を低下させることが示されている。金属セラミック表面については、表面の金属中心が、ルイス酸部位のように機能し得る。
【0025】
一実施例において、表面活性剤が、側壁520及びセンサ表面(510、512、または514)に結合し得る。具体的には、表面活性剤は、表面の1つ以上に単一層として結合し得る。具体的には、表面活性剤には、表面に形成されるブレンステッド塩基またはルイス酸官能性と反応する官能基が含まれる。表面活性剤の例示的な表面反応性官能基としては、シラン、ホスフェート、ホスホン酸、ホスフィン酸、ビスホスホン酸、多座配位性ホスフェートもしくはホスホネート、ポリホスフェート/ホスホネート、イソシアネート、カテコール、ヒドロキサメート、それらのアルコキシ誘導体、またはそれらの任意の組み合わせを挙げることができる。例示的なアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、またはそれらの組み合わせが挙げられる。別の実施例では、クロドロン酸と官能化第一級アミンとの組み合わせを、表面反応性官能基の代わりに用いてもよい。一実施例では、シランは、多くのセラミック及び金属表面を官能化させ得る。特定の実施例では、シラン、イソシアネート、ヒドロキサメート、及びクロドロン酸が、シリカ表面を官能化させ得る。別の実施例では、ホスフェート、カテコール、及びヒドロキサメートが、チタニア表面の官能化に用いられ得る。さらなる実施例では、特定の表面反応性官能基は、1つ以上の金属またはセラミック表面上に、他の金属またはセラミック表面と比べて選択的に付着し得る。
【0026】
この官能基から遠位に、表面活性剤は、供与電子対を含まない官能基またはブレンステッド塩基もしくは酸活性を欠く官能基を含み得る。遠位官能基は、正の電荷を有する官能基であってもよく、または中性官能基であってもよい。例示的な中性官能基としては、アルキル基、分岐アルキル基、または環状芳香族基が挙げられる。供与電子対を欠く例示的な正の電荷を有する基としては、窒素を組み込む第二級アミン、第三級アミン、または複素環式基から誘導される第四級アンモニウムイオンの塩が挙げられる。別の実施例では、遠位官能基は、ニトロソ官能基であり得る。窒素を組み込む例示的な複素環式基としては、ピロリジン、ピロール、イミダゾール、ピペリジン、ピリジン、ピリミジン、プリン、トリアゾリウム、またはそれらの組み合わせから誘導される第四級アミンが挙げられる。具体的には、塩には、第四級アンモニウムイオンのハロゲン化物塩、例えば臭化物塩が含まれ得る。第二級、第三級、または第四級アミンを、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、またはtert-ブチルアルキル基を含む、アルキル基に共役させてもよい。別の実施例では、遠位官能基には、立体障害性第一級、第二級、または第三級アミン、例えば、近位ホスフェート基、ホスホネート基、ホスフィネート基、もしくはシラン基、またはそれらの組み合わせによる立体障害を有するアミンが含まれ得る。特定の実施例では、遠位官能基には、ビオチンまたはその誘導体が含まれ得る。
【0027】
一実施例において、遠位官能基は、アミド、アルキル、アルコキシ、アリール、またはポリエーテルもしくはチオエーテル部分、あるいはそれらの組み合わせによって、表面反応性官能基に結合され得る。例えば、遠位官能基は、1~16個の炭素原子、例えば1~12個の炭素原子を有するアルキル部分によって、表面反応性官能基から離れていてもよい。一実施例では、アルキル部分は、8~12個の炭素原子、例えば10~12個の炭素原子を有し得る。別の実施例では、アルキル部分は、1~6個の炭素原子、例えば1~4個の炭素原子、または1~3個の炭素原子を有し得る。具体的には、立体障害性アミン遠位官能性を含む表面活性剤は、1~6個の炭素原子、例えば1~4個の炭素原子、または1~3個の炭素原子を有するアルキル部分を有し得る。別の実施例では、アルコキシ部分は、アルキル部分のものに類似の範囲の数の炭素原子を有し得る。追加の実施例では、ポリエーテル部分は、1~10個のエーテル単位を有し得、このエーテル単位は、それぞれが、1~4個の炭素原子、例えば1~3個の炭素原子を有する。例えば、ポリエーテル部分は、1~6個のエーテル部分、例えば1~4個のエーテル部分を有し得る。
【0028】
特定の実施例では、表面活性剤は、シラン表面反応性官能基を含む。例示的な表面活性剤としては、アルキルトリアルコキシシラン、例えば、オクチルデシルトリエトキシシラン、オクチルデシルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン(図8のF)、もしくはそれらの組み合わせ;第四級アンモニウムアルキルアルコキシシランの塩、例えば、ブチルアンモニウムトリメトキシシラン(図8のA)、メチルアンモニウムベンゾトリメトキシシラン(図8)、ウロニウム-シランもしくはチオウロニウム-シラン(図8のE)、メトキシ-Nシラン(図8のC)、短鎖ブチルアンモニウムトリメトキシシラン(図8のD)、もしくはそれらの組み合わせ;それらのフッ素化もしくは塩素化誘導体;それらの誘導体;またはそれらの組み合わせが挙げられる。例示的な第四級塩としては、そのような第四級アンモニウムアルキルトリアルコキシシランの塩素塩または臭素塩が挙げられる。そのようなシラン表面活性剤は、半金属または金属酸化物に結合し得る。一部のシラン系表面活性剤は、側壁表面またはセンサ表面に無差別に結合し得る。
【0029】
別の実施例では、表面活性剤は、ホスホン酸系表面活性剤であり得る。例示的な表面活性剤としては、アルキルホスホン酸、例えば、オクタデシルホスホン酸;第四級アミノホスホン酸、例えばイミダゾールホスホン酸の塩素塩もしくは臭素塩(例えば、1-メチル-3-(ドデシルホスホン酸)イミダゾリウム(図9のDを参照)もしくは1-メチル-3-(ヘキシルホスホン酸)イミダゾリウム(図9のEを参照))、(12-ドデシルホスホン酸)トリメチルアンモニウム臭化物、メチルアンモニウムホスホン酸(図9のB)、エチルアンモニウムホスホン酸(図9のC)、(12-ドデシルホスホン酸)トリプロピルアンモニウム臭化物、(12-ドデシルホスホン酸)トリブチルアンモニウム臭化物;(12-ドデシルホスホン酸)メチルトリアゾリウム臭化物(図9のF);(6-ヘキシルホスホン酸)イミダゾリウム;ピリジンアルキルホスホン酸(例えば、図9のA);ベンゾアルキルホスホン酸;(1-アミノ-1-フェニルメチル)ホスホン酸;それらのフッ素化もしくは塩素化誘導体;それらの誘導体;またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。別の実施例では、表面活性剤は、ビオチンアルキルホスホン酸(例えば、図10の構造、ここで、Rは、酸素、窒素、硫黄、ポリエーテル、またはそれらの組み合わせを表す)であり得る。一実施例では、ホスフェート及びホスホネートは、センサ表面に選択的に結合し得る。
【0030】
さらなる実施例において、ホスホン酸系表面活性剤は、1つを上回るホスホン酸表面活性官能基を含み得る。例えば、表面活性剤は、2つのホスホン酸表面活性官能基を含む、ビスホスホン酸、例えば、アレンドロン酸またはその誘導体であってもよい。具体的には、表面活性剤は、例えば、遠位基として働く中心部分に連結された1つを上回るホスホン酸官能基、例えば、第三級アミンまたはアルキルジアミンを含む、多座配位性ホスホン酸系表面活性剤であり得る。例えば、表面活性剤は、官能化アミノビス(アルキルホスホン酸)、例えば、ビオチン官能化アミノビス(メチレンホスホン酸)、ニトリロトリス(アルキルホスホン酸)、例えば、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、それらのエーテル誘導体、またはそれらの組み合わせであり得る。別の実施例では、表面活性剤は、アルキルジアミンテトラキス(アルキルホスホン酸)、例えば、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)(図9のGを参照されたい)であり得る。さらなる実施例では、表面活性剤は、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、テトラメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、またはそれらの組み合わせであり得る。追加の実施例では、表面活性剤は、フェニルジホスホン酸、その官能化誘導体、またはそれらの組み合わせである。
【0031】
さらなる実施例では、表面活性剤は、カテコール、例えば、カテコールアミン、ニトロカテコール、ニトロカテコールアミン、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせであり得る。例えば、カテコールには、ドーパミン、ニトロドーパミン、ノルエピネフリン、エピネフリン、それらのエステル、またはそれらの組み合わせが含まれ得る。特定の実施例では、カテコールは、ドーパミンまたはニトロドーパミンである。
【0032】
さらなる実施例では、表面活性剤は、イソシアネートまたはヒドロキサメート表面活性官能性基を含み得る。
【0033】
具体的には、表面活性剤は、センサデバイスの上に適用され得る。センサデバイスには、複数のセンサパッド、ならびに場合によってはセンサパッドの上に画定されるウェルが含まれ得る。表面活性剤は、ウェルの側壁に付着するように適用されてもよく、センサパッド表面に適用されてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。一実施例では、センサデバイスは、ウェル及びセンサパッドの上に配置される蓋を含み、センサパッド及びウェルの上にフローボリューム及びフローセルが画定される。表面活性剤または表面活性剤の組み合わせを、フローセルまたはフローボリュームを通る溶液に適用して、ウェルまたはセンサパッドと接触させることができる。
【0034】
例えば、図6に示されるように、方法600には、任意選択として、602に示されるようにセンサコンポーネントを温めることが含まれる。センサコンポーネントには、センサパッドの上に配置される1セットのウェルと、ウェル及びセンサパッド上のフローボリュームまたはフローセルを画定する蓋とが含まれ得る。センサコンポーネントは、35℃~100℃の範囲の温度、例えば、40℃~75℃の範囲またはさらには45℃~65℃の範囲の温度に温めることができる。場合によっては、センサコンポーネントの温度は、プロセス全体にわたってこの範囲の温度で維持されてもよく、または流体が、プロセス全体にわたってこの範囲内の温度で適用されてもよい。
【0035】
604に示されるように、センサコンポーネントは、洗浄され得る。場合によっては、センサコンポーネントは、酸もしくは塩基洗浄液またはそれらの組み合わせにより洗浄され得る。例えば、センサコンポーネントは、塩基溶液、例えば、50mM~2Mの範囲の濃度、例えば50mM~1Mの範囲、または50mM~200mMの範囲の濃度を有する、水酸化ナトリウム溶液で洗浄され得る。塩基溶液を適用した後、センサコンポーネントは、15秒間~5分間の範囲、例えば30秒間~2分間の範囲、または45秒間~90秒間の範囲の期間、塩基溶液の存在下でインキュベートされ得る。
【0036】
代替または追加として、センサコンポーネントは、酸溶液の存在下でインキュベートしてもよい。酸溶液は、水溶液であってもよく、または非水溶液であってもよい。具体的には、センサコンポーネントは、30秒間~10分間の範囲、例えば、45秒間~5分間の範囲、または90秒間~150秒間の範囲の期間、酸溶液の存在下でインキュベートされ得る。
【0037】
酸溶液中の例示的な酸としは、スルホン酸、ホスホン酸、またはそれらの組み合わせを挙げることができる。酸溶液は、さらに、有機溶媒を含んでもよい。例示的なスルホン酸には、アルキルスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、またはそれらの組み合わせが挙げられる。例示的なアルキルスルホン酸には、1~18個の炭素、例えば、1~14個の炭素、1~10個の炭素、または1~5個の炭素を有するアルキル基が含まれる。別の実施例では、アルキルスルホン酸のアルキル基は、10~14個の炭素を有する。例えば、アルキルスルホン酸には、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、またはそれらの組み合わせが含まれ得る。別の実施例では、アルキル基は、例えば、スルホン酸官能基の反対側の末端官能基により、官能化することができる。例示的な官能化アルキルスルホン酸としては、末端アミノ基、例えばタウリンにより官能化されたアルキルスルホン酸が挙げられる。さらなる実施例では、スルホン酸のアルキル基は、ハロゲン化、例えばフッ素化してもよい。
【0038】
さらなる実施例では、スルホン酸には、アルキルアリールスルホン酸が含まれる。アルキルアリールスルホン酸、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸は、1~20個の炭素を有するアルキル基を有し得る。例えば、アルキル基は、9~18個の炭素、例えば10~14個の炭素を有し得る。特定の実施例では、アルキルアリールスルホン酸には、ドデシルベンゼンスルホン酸が含まれる。ドデシルベンゼンスルホン酸は、炭素が12個のアルキル基を有するアルキルアリールスルホン酸を少なくとも90%、例えば、少なくとも95%有するドデシルベンゼンスルホン酸の精製形態であり得る。あるいは、ドデシルベンゼンスルホン酸は、平均12個の炭素を有するアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸のブレンドを含んでもよい。アルキルアリールスルホン酸は、アルキル鎖に沿った様々な位置でアルキル化され得る。別の実施例では、アルキル基は、1~6個の炭素を有し得る。例えば、アルキルアリールスルホン酸は、トルエンスルホン酸を含み得る。
【0039】
酸溶液は、10mM~500mMの濃度の酸、例えばスルホン酸を有し得る。例えば、酸溶液は、50mM~250mMの濃度の酸を有し得る。別の実施例では、酸溶液は、0.5重量%~25重量%の酸、例えばスルホン酸を含む。例えば、酸溶液は、1重量%~10重量%の酸、例えば、2.5重量%~5重量%の酸、例えばスルホン酸を含み得る。
【0040】
酸溶液内の有機溶媒は、少なくとも上述の濃度まで、酸(例えば、スルホン酸)に対する溶解度を提供する非水性溶媒である。一実施例では、有機溶媒は、非プロトン性であり得る。有機溶媒は、非極性有機溶媒であり得る。別の実施例では、有機溶媒は、極性非プロトン性溶媒であり得る。一実施例では、有機溶媒は、36℃~345℃の範囲の標準沸点を有し得る。例えば、標準沸点は、65℃~275℃の範囲内であり得る。別の実施例では、標準沸点は、65℃~150℃の範囲内であり得る。あるいは、標準沸点は、150℃~220℃の範囲内である。
【0041】
特定の実施例では、非極性有機溶媒は、アルカン溶媒、芳香族溶媒、またはそれらの組み合わせを含む。アルカン溶媒は、6~20個の炭素を有し得る。例えば、アルカンは、6~14個の炭素、例えば6~9個の炭素を有し得る。あるいは、アルカンは、10~14個の炭素を有し得る。特定の実施例では、アルカンは、直鎖アルカンである。例えば、アルカン溶媒は、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、またはそれらの組み合わせを含み得る。別の実施例では、アルカンは、ハロゲン化される。例示的な分岐アルカンは、C11またはC12アルファオレフィンのハロゲン化二量体を含み得る。
【0042】
さらなる実施例では、有機溶媒は、極性非プロトン性溶媒を含み得る。例えば、極性非プロトン性溶媒は、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン(NMP)、またはそれらの組み合わせを含み得る。別の実施例では、有機溶媒は、エーテル溶媒を含まなくてもよく、例えば、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0043】
洗浄には、アルコール、例えばエタノールもしくはイソプロピルアルコール、またはアルコール/水の混合液を用いた洗浄が含まれ得る。アルコール洗浄液は、非水溶性の溶媒中の酸溶液を用いる場合に特に有用である。
【0044】
さらなる実施例では、センサコンポーネントの洗浄には、酸溶液洗浄液、アルコール洗浄液、または塩基溶液洗浄液を1回以上、例えば、1回、2回、または3回繰り返し通すことが含まれ得る。あるいは、システムは、酸洗浄液を1回用いた後にアルコール洗浄液を用いるか、塩基洗浄液を1回用いた後に水性洗浄液またはアルコール/水の洗浄液を用いてもよい。
【0045】
洗浄後、センサコンポーネントは、606で示されるように、場合によっては、アルコールで洗浄し、乾燥させてもよい。例えば、センサコンポーネントは、さらに、アルコールでフラッシュし、例えば、真空吸引空気をフローセルに通すか、またはフローセルを通じて乾燥窒素を適用することによって、アルコールを蒸発させてもよい、
【0046】
表面活性剤が、608に示されるように、チップに適用され得る。例えば、表面活性剤は、溶液に組み込まれ、センサコンポーネントに適用され、センサコンポーネント上で1分~2時間の期間インキュベートされ得る。例えば、センサコンポーネントは、1分間~100分間の範囲、例えば5分間~75分間の範囲、5分間~60分間の範囲、5分間~30分間の範囲、または5分間~15分間の範囲の期間、表面活性剤溶液の存在下においてインキュベートされ得る。インキュベーション温度は、35℃~100℃の範囲、例えば、40℃~80℃の範囲、または45℃~70℃の範囲であり得る。
【0047】
一実施例において、表面活性剤溶液には、アルコール(例えば、エタノールまたはイソプロピルアルコール)、N-メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、またはそれらの組み合わせといった、溶媒が含まれ得る。場合によっては、この溶液は水を含んでもよい。表面活性剤は、0.1重量%~10重量%、例えば0.1重量%~7重量%の範囲の量で含まれ得る。具体的には、例示的なシラン系表面活性剤は、2重量%~7重量%の範囲、例えば4重量%~6重量%の範囲の量で溶液に含まれ得る。例示的なホスホン酸表面活性剤は、0.1重量%~2重量%の範囲、例えば、0.1重量%~1重量%、または0.3重量%~0.8重量%の範囲で含まれ得る。
【0048】
表面活性剤の適用後に、センサコンポーネントは、610に示されるように洗浄及び乾燥が行われ得る。例えば、センサコンポーネントは、アルコール、例えばエタノールまたはイソプロピルアルコールで洗浄され、乾燥させてもよい。
【0049】
別の実施例では、表面活性剤は、半導体チップのセンサコンポーネントを切り離してそれを形成する前に、ウエハのレベルで適用され得る。ウエハには、複数のダイが含まれ得る。各ダイには、センサのアレイ、及びセンサと連動して画定される反応部位のセットが含まれ得る。例えば、センサのセンサパッドを露出するように、ウェルが表面層に形成され得る。一実施例では、ウエハを切り離し、続いて個々のダイをパッケージングしてフローセルの蓋及び基板を含むセンサコンポーネントにする前に、図6に関連して記載されるセンサコンポーネントに類似する様式で、ウエハを処理してもよい。
【0050】
別の実施例では、ウエハは、酸素プラズマを用いて処理した後に、表面活性剤が適用されてもよい。例えば、図7は、例示的な方法700を示し、これには、702に示されるように、ウエハ、及び特にウエハのウェル及びセンサ表面を、酸素プラズマで処理することが含まれる。一実施例では、ウエハを50mtorr~300mtorrの酸素、例えば100mtorr~200mtorr、または125mtorr~175mtorrの酸素で、100W~500W、例えば150W~450W、または200W~350Wで、1分間~10分間、例えば2分間~7分間の範囲の期間、酸素プラズマに曝露する。
【0051】
704に示されるように、表面活性剤溶液がウエハに適用され得る。ウエハを、表面活性剤と溶媒溶液とを含む槽に入れてもよい。一実施例では、溶媒溶液には、N-メチルピロリドン(NMP)及び水が含まれ得る。あるいは、溶媒溶液には、アルコールまたはアルコール/水の混合物が含まれ得る。表面活性剤は、1mg/ml~10mg/mlの範囲内の濃度で、表面活性剤溶液に含まれ得る。例えば、濃度は、1mg/ml~7mg/mlの範囲、または2mg/ml~6mg/mlの範囲内であり得る。槽は、35℃~100℃の範囲、例えば、40℃~90℃の範囲、50℃~85℃の範囲、60℃~80℃の範囲内の温度で保持され得る。ウエハは、10分間~120分間の期間、例えば、30分間~90分間の範囲の期間、または45分間~75分間の範囲の期間、表面活性剤溶液中でインキュベートされ得る。
【0052】
706に示されるように、ウエハは、洗浄され、乾燥され得る。例えば、ウエハは、NMP/水の溶液中で洗浄した後、水中で洗浄してもよい。ウエハは、その後で乾燥され得る。
【0053】
場合によっては、ウエハは、708に示されるように、アニーリングしてもよい。例えば、ウエハは、長期間高温で保たれ得る。例えば、ウエハは、50℃~150℃の範囲、例えば、70℃~135℃の範囲、または90℃~110℃の範囲の温度でアニーリングされ得る。ウエハは、空気雰囲気下でアニーリングされ得る。あるいは、ウエハは、不活性雰囲気下、例えば窒素雰囲気下またはヘリウム雰囲気下でアニーリングしてもよい。ウエハは、30分間~5時間の範囲、例えば1時間~4時間の範囲の期間、アニーリングされ得る。
【0054】
710に示されるように、ウエハは、個々のダイに切り離すことができる。ダイのそれぞれが、712に示されるように、センサコンポーネントにパッケージングされ得る。例えば、ダイは、回路基板及び基板に取り付けたワイヤに適用することができる。蓋をダイの上に適用して、フローセルを形成してもよい。さらに、ダイをより基板に固定し、ワイヤの接合または相互接続を保護するように、基板/ダイアセンブリを封止してもよい。
【0055】
上述のセンサコンポーネント及び方法の実施形態は、センサコンポーネントからの重要な信号の増加と関連する技術的利点を提供する。具体的には、このセンサコンポーネントは、より強力な重要な信号、より速い応答、及びより少ないバッファリングを呈し得る。
【実施例
【0056】
以下のプロトコルに従い、センサコンポーネントを、ブチルアンモニウムトリメトキシシラン(BATS)を用いて調製する。BATSは、GELESTから、パーツ番号SIT8422.0として入手可能である。
チップに、ドデシルベンゼンスルホン酸(DBSA)処理を行う。
ポートエクステンダを取り付ける
2分間50℃で、ウンデカン中5%のDBSA(100μL)(溶液は毎日新しく作製し、50℃で保管する)
200μLのイソプロピルアルコール(IPA)で2回洗浄する
200μLのナノ濾過(NF)水で1回洗浄する
1分間100mMのNaOH(200μL)
200μLのNF水で1回洗浄する
200μLのIPAで1回洗浄する
ポートエクステンダを取り外し、真空下でIPAを除去する
合計3回のDBSA/NaOHサイクルのため、さらに2回繰り返す。
5%BATS溶液を作製する。1mLの溶液を作製するために:200μLのBATS(DMF中25%)と750μLの無水エタノール、及び50μLのNF水。
95%のEtOHが充填された1.5mLのチューブを備える4ozの瓶に、DBSAで清浄したチップを入れる。
入口及び出口ウェルがいずれも確実に完全に満たされるようにして、200μLのBATS溶液をチップに加える。
瓶をキャップで注意深く封止する。
70℃の炉に1時間入れる。
瓶を炉から取り出し、チップを瓶から取り出す。
チップの上部とポートを1mLのエタノールで洗浄する(チップを口の広い容器の上で保持する)。
フィルタなしの20μLのチップを備える1mLのピペットチップを用いて、チップに1mLのエタノールを3回かける。
真空によりチップからエタノールを除去する。
【0057】
実施例2
センサコンポーネント(ION Torrent(商標)Proton II、Life Technologies Corporationから入手可能)を、以下のプロトコルを用いてイミダゾールリン酸(ImPA)で処理する。ImPA溶液には、50%イソプロパノール/50%脱イオンH2O中5mg/mLのImPAが含まれる。
清浄
1.チップを50℃のホットプレートに置き、短時間(約30秒間)温める。
2.100μLの5%DBSA溶液を添加する。
3.5分間インキュベートする。
4.200μLの量のウンデカンでチップを2回洗浄する。
5.チップをIPAで洗浄し、真空吸引により(または真空が利用できない場合は窒素流により)乾燥させる。
ImPA蒸着
1.清浄し、乾燥させたチップを50℃のホットプレートに置き、短時間温める。
2.十分なImPA溶液を充填して、フローセル及び両方のポートを満たす(約150μL)
3.10分間インキュベートする。
4.真空吸引により(または真空が利用できない場合にはピペットで)ポートを空にする。
5.200μLの50%イソプロパノール溶液でチップを3回洗浄する。
6.チップをIPAで洗浄し、真空吸引により(または真空が利用できない場合は窒素流により)乾燥させる。
【0058】
実施例3
センサコンポーネント(ION Torrent(商標)Proton II、Life Technologies Corporationから入手可能)を、以下のプロトコルを用いて12-ドデシルホスホン酸トリメトキシアンモニウム臭化物(MAPA)で処理する。MAPA溶液には、脱イオンH2O中5mg/mLのImPAが含まれる。
清浄-
1.チップを50℃のホットプレートに置き、短時間(約30秒間)温める。
2.100μLの5%DBSA溶液を添加する。
3.5分間インキュベートする。
4.200μLの量のウンデカンでチップを2回洗浄する。
5.チップをホットプレートから取り出し、200uLのウンデカンですすぐ。
6.チップを200μLのIPAで2回すすいだ後、200uLの超純水ですすぐ。
7.チップをIPAで洗浄し、真空吸引により(または真空が利用できない場合は窒素流により)乾燥させる。
MAPA蒸着-
1.5mg/mLの水溶液を作製する(MAPA:12-ドデシルホスホン酸トリメトキシアンモニウム臭化物、SIK7722-10)。この溶液を超音波処理して、MAPA固体を完全に溶解させる。
2.清浄し、乾燥させたチップを、水が入った1.5mLのチューブを備える密封可能な容器に入れる。
3.各チップに十分なMAPA溶液を充填して、フローセル及び両方のポートを満たす(約150μL)
4.ガラス容器に蓋をし、しっかりと閉める。
5.チップを含む容器を90℃の炉に移し、1時間インキュベートする。
6.容器を炉から取り出し、チップを容器から取り出す。
7.真空吸引により(または真空が利用できない場合にはピペットで)ポートを空にする。
8.200μLの50%イソプロパノール溶液でチップを3回洗浄する。
9.チップをIPAで洗浄し、真空吸引により(または真空が利用できない場合は窒素流により)乾燥させる。
【0059】
実施例4
以下のプロセスを用いて、センサチップ(ION Torrent(商標)Proton IIセンサ、Life Technologies Corporationより入手可能)へと変換されるセンサダイを含むウエハを、ダイシング及びパッケージングの前にImPAで処理する。
1.500ワットで5分間、200mtorrでMWセンサ構造のダイを含む8インチのウエハを酸素プラズマ清浄する。
2.ウエハを取り出し、即座に1mg/mLのImPAの50/50NMP水溶液(70℃)に1時間浸漬する。
3.ウエハを取り出し、即座に50/50NMP/水溶液中に浸漬してすすぐ。少しかき混ぜる。
4.ウエハを取り出し、nanopure水槽に浸漬する。
5.さらなるnanopure水ですすぐ。
6.窒素流で乾燥させる。
7.100℃で2時間アニーリングする。
【0060】
実施例5
以下のプロセスを用いて、センサチップ(ION Torrent(商標)Proton IIセンサ、Life Technologies Corporationより入手可能)へと変換されるセンサダイを含むウエハを、ダイシング及びパッケージングの前にImPAで処理する。
【0061】
ウエハを導入する前に1回プラズマ清浄器にかける(5分間、300ワット、150mtorrの酸素)。ウエハをプラズマ清浄器の中央のラックに置く。5分間、150mtorrの酸素で300ワットのプラズマ清浄でプラズマ清浄器にかける。
【0062】
次の溶液を作製する(5mg/mLのImPAの25%NMP/75%水溶液):1グラムのImPA、50mLのNMP、及び150mLのnanopure水。軽く超音波処理して、ImPAを完全に溶液に溶かす。
【0063】
ウエハのプラズマ清浄が終わったら、即座にウエハをパイ皿に入れ、ImPA溶液で覆う。2つ目のパイ皿を裏返してカバーとして用いる。70℃の炉に1時間入れる。カバーしたパイ皿を炉から取り出す。新たな25%NMP/75%水を入れた新しいパイ皿に浸漬してウエハをすすぐ。かき混ぜてすすぎを助ける。ImPAを含むパイ皿を25/75NMP水混合液ですすぎ、新たな25/75NMPを入れて、2つ目のすすぎ槽として用いる。ウエハを2つ目の槽に移し、かき混ぜてすすぎを助ける。3つ目の25/75NMP水槽でもう一度繰り返す。
【0064】
NMP/水での3回のすすぎが完了した後、1回目の水でのすすぎのため、nanopure水を含むパイ皿にウエハを移す。かき混ぜてすすぎを助ける。ウエハにさらに2回の水槽への水浸を行い、合計3回のNMP/水でのすすぎと、3回の水だけでのすすぎを行う(最初の処置で用いた2つのパイ皿にウエハを交互に入れる)。
【0065】
ウエハを取り出し、窒素ガス流で乾燥させる。組み立てるために輸送用のウエハ保持器で保管する。
【0066】
第1の態様において、センサコンポーネントは、センサ表面を含むセンサと;センサと連動し、センサ表面を露出させる反応部位であって、反応部位表面を含む、反応部位と;反応部位表面またはセンサ表面に結合する表面活性剤であって、反応部位表面またはセンサ表面でブレンステッド塩基またはルイス酸官能性と反応する表面活性官能基を含み、かつ供与電子対を有さない遠位官能性を含む、表面活性剤とを含む。
【0067】
第2の態様では、センサコンポーネントを形成する方法は、ウエハを酸素プラズマで処理することであって、このウエハは複数のダイを含み、複数のダイのそれぞれのダイは、センサアレイ及びセンサアレイと連動する反応部位アレイを含む、処理することと;表面活性剤をウエハに適用することであって、表面活性剤は、反応部位の表面またはセンサアレイのセンサの表面に結合し、表面活性剤は、反応部位表面またはセンサ表面でブレンステッド塩基またはルイス酸官能性と反応する表面活性官能基を含み、かつ供与電子対を有さない遠位官能性を含む、適用することと、を含む。
【0068】
第3の態様では、センサコンポーネントを処理する方法は、センサコンポーネントを洗浄することであって、センサコンポーネントは反応部位と連動するセンサを含み、センサはセンサ表面を含み、反応部位は反応部位表面を含む、洗浄することと、表面活性剤をウエハに適用することであって、表面活性剤は、反応部位表面またはセンサ表面に結合し、表面活性剤は、反応部位表面またはセンサ表面でブレンステッド塩基またはルイス酸官能性と反応する表面活性官能基を含み、かつ供与電子対を有さない遠位官能性を含む、適用することと、を含む。
【0069】
第2及び第3の態様の実施例では、本方法はさらに、表面活性剤を適用した後に、センサコンポーネントをアルコールで洗浄することを含む。
【0070】
第2の態様の別の実施例及び上述の実施例では、本方法はさらに、表面活性剤を適用した後に、ウエハをアニーリングすることを含む。
【0071】
第2の態様のさらなる実施例及び上述の実施例では、本方法はさらに、表面活性剤を適用した後に、ウエハを複数のダイに切り離すことを含む。例えば、本方法はさらに、複数のダイのうちの1つのダイをパッケージングすることを含んでもよい。
【0072】
第1、第2、及び第3の態様の実施例ならびに上述の実施例では、表面活性官能基には、シラン、ホスホン酸、またはそれらの組み合わせが含まれる。例えば、表面活性官能基には、シランが含まれる。別の実施例では、表面活性官能基には、ホスホン酸が含まれる。さらなる実施例において、遠位官能性には、アルキル基または第四級アンモニウムが含まれる。例えば、第四級アンモニウムは、第二級アミン、第三級アミン、または複素環式アミンから誘導される。一実施例において、複素環式アミンには、ピロリジン、ピロール、イミダゾール、ピペリジン、ピリジン、ピリミジン、プリン、またはそれらの組み合わせが含まれる。
【0073】
第1、第2、及び第3の態様の別の実施例ならびに上述の実施例では、表面活性剤は、アルキルトリアルコキシシラン、第四級アンモニウムアルキルアルコキシシランの塩、それらのフッ素化もしくは塩素化誘導体、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせである。
【0074】
第1、第2、及び第3の態様のさらなる実施例ならびに上述の実施例では、表面活性剤は、アルキルホスホン酸、第四級アミノホスホン酸の塩、それらのフッ素化もしくは塩素化誘導体、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせである。
【0075】
第1、第2、及び第3の態様の追加の実施例ならびに上述の実施例では、遠位官能性は、正の電荷を有する。
【0076】
第1、第2、及び第3の態様の別の実施例ならびに上述の実施例では、表面活性剤は、単一層で結合する。
【0077】
第1、第2、及び第3の態様のさらなる実施例ならびに上述の実施例では、センサには、電界効果トランジスタが含まれる。例えば、電界効果トランジスタには、イオン感応性電界効果トランジスタが含まれる。
【0078】
第1、第2、及び第3の態様のさらなる実施例ならびに上述の実施例では、センサは、センサアレイの一部であり、反応部位は、センサアレイに動作可能に連結されたウェルアレイのウェルである。
【0079】
第1、第2、及び第3の態様の別の実施例ならびに上述の実施例では、表面活性剤は、センサ表面に結合する。
【0080】
第1、第2、及び第3の態様のさらなる実施例ならびに上述の実施例では、表面活性剤は、反応部位表面に結合する。
【0081】
第4の態様において、センサコンポーネントは、センサ表面を含むセンサと、センサと連動し、センサ表面を暴露させる、反応部位であって、反応部位表面を含む、反応部位と、反応部位表面またはセンサ表面に結合する表面活性剤と、を含む。表面活性剤は、センサ表面と反応する表面活性官能基を含み、かつ遠位官能性を含む。表面活性官能基には、ホスフェート、ホスホン酸、ホスフィン酸、ビスホスホン酸、多座配位性ホスフェートもしくはホスホネート、ポリホスフェート/ホスホネート、それらのアルコキシ誘導体、またはそれらの任意の組み合わせが含まれる。遠位官能性には、アンモニウムが含まれる。
【0082】
第5の態様において、センサコンポーネントを処理する方法には、センサコンポーネントを洗浄することが含まれる。センサコンポーネントには、反応部位と連動するセンサが含まれる。センサは、センサ表面を含み、反応部位は、反応部位表面を含む。本方法はさらに、表面活性剤をウエハに適用することを含む。表面活性剤は、センサ表面と反応する表面活性官能基を含み、かつ遠位官能性を含む。表面活性官能基には、ホスフェート、ホスホン酸、ホスフィン酸、ビスホスホン酸、多座配位性ホスフェートもしくはホスホネート、ポリホスフェート/ホスホネート、それらのアルコキシ誘導体、またはそれらの任意の組み合わせが含まれる。遠位官能性には、アミンが含まれる。
【0083】
第6の態様において、センサコンポーネントを形成する方法は、ウエハを酸素プラズマで処理することを含む。ウエハは、複数のダイを含む。複数のダイのそれぞれのダイには、センサアレイと、センサアレイと連動する反応部位アレイとが含まれる。本方法はさらに、表面活性剤をウエハに適用することを含む。表面活性剤は、センサ表面と反応する表面活性官能基を含み、かつ遠位官能性を含む。表面活性官能基には、ホスフェート、ホスホン酸、ホスフィン酸、ビスホスホン酸、多座配位性ホスフェートもしくはホスホネート、ポリホスフェート/ホスホネート、それらのアルコキシ誘導体、またはそれらの任意の組み合わせが含まれる。遠位官能性には、アミンが含まれる。
【0084】
上述の態様及び実施例の一実施例において、表面活性官能基には、ホスフェート、ホスホン酸、ホスフィン酸、それらのアルコキシ誘導体、またはそれらの任意の組み合わせが含まれる。
【0085】
上述の態様及び実施例の別の実施例では、アミンは、第二級アミン、第三級アミン、または複素環式アミンから誘導される。例えば、複素環式アミンには、ピロリジン、ピロール、イミダゾール、ピペリジン、ピリジン、ピリミジン、プリン、またはそれらの組み合わせが含まれる。
【0086】
上述の態様及び実施例のさらなる実施例では、表面活性剤は、アルキルホスホン酸、第四級アミノホスホン酸の塩、それらのフッ素化もしくは塩素化誘導体、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせである。
【0087】
上述の態様及び実施例のさらなる実施例では、表面活性剤には、第四級アミノホスホン酸の塩素もしくは臭素塩、メチルアンモニウムホスホン酸、エチルアンモニウムホスホン酸、(12-ドデシルホスホン酸)メチルトリアゾリウム臭化物、(6-ヘキシルホスホン酸)イミダゾリウム、ピリジンアルキルホスホン酸、(1-アミノ-1-フェニルメチル)ホスホン酸、それらのフッ素化もしくは塩素化誘導体、それらの誘導体、またはそれらの任意の組み合わせが含まれる。
【0088】
上述の態様及び実施例の別の実施例では、表面活性剤には、イミダゾールホスホン酸が含まれる。
【0089】
上述の態様及び実施例の別の実施例では、表面活性剤には、(12-ドデシルホスホン酸)メチルトリアゾリウム臭化物が含まれる。
【0090】
上述の態様及び実施例の別の実施例では、表面活性剤には、官能化アミノビス(アルキルホスホン酸)が含まれる。
【0091】
上述の態様及び実施例の別の実施例では、表面活性剤には、ビスホスホン酸または多座配位性ホスホン酸が含まれる。例えば、表面活性剤には、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、テトラメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、またはそれらの組み合わせが含まれる。
【0092】
上述の態様及び実施例のさらなる実施例では、表面活性剤は、単一層で結合する。
【0093】
上述の態様及び実施例の追加の実施例では、センサには、電界効果トランジスタが含まれる。例えば、電界効果トランジスタには、イオン感応性電界効果トランジスタが含まれる。
【0094】
上述の態様及び実施例の別の実施例では、センサは、センサアレイの一部であり、反応部位は、センサアレイに動作可能に連結されたウェルアレイのウェルである。
【0095】
上述の態様及び実施例のさらなる実施例では、表面活性剤は、センサ表面に結合する。
【0096】
上述の態様及び実施例の追加の実施例では、表面活性剤は、反応部位表面に結合する。
【0097】
第5の態様の一実施例及び上述の実施例では、本方法はさらに、表面活性剤を適用した後に、センサコンポーネントをアルコールで洗浄することを含む。
【0098】
上述の態様及び実施例の別の実施例では、遠位官能性は、正の電荷を有する。
【0099】
第6の態様の一実施例及び上述の実施例では、本方法はさらに、表面活性剤を適用した後に、ウエハをアニーリングすることを含む。
【0100】
第6の態様の別の実施例及び上述の実施例では、本方法はさらに、表面活性剤を適用した後に、ウエハを複数のダイに切り離すことを含む。例えば、本方法はさらに、複数のダイのうちの1つのダイをパッケージングすることを含む。
【0101】
概要または実施例に記載される上述の動作が全て必要というわけではなく、特定の動作の一部を必要としない可能性があり、上述の動作に加えて1つ以上の動作をさらに行う可能性があるということを留意されたい。さらには、動作が記載される順序は、必ずしも動作が行われる順序ではない。
【0102】
上述の明細書には、特定の実施形態を参照して概念を記載している。しかしながら、以下の特許請求の範囲に記載される本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更がなされてもよいことが、当業者には理解される。したがって、本明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味とみなされるべきであり、そのような全ての修正は本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0103】
本明細書に使用されるとき、「含む(comprise)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、「有する(have)」、「有している(having)」という用語、またはそれらの他の変形は、非排他的包含を網羅することを意図する。例えば、プロセス、方法、物品、または装置は、特徴部のリストを含むが、必ずしもそれらの特徴部のみに限定されず、明確に記載されていない特徴部、またはそのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有の他の特徴部を含んでもよい。さらに、それとは反対に、明確に記載されない場合、「または」は、排他的な「または」ではなく、包括的な「または」を指す。例えば、条件AまたはBは、以下のうちの任意の1つによって満たされる:Aが正しく(または存在する)かつBが誤りである(または存在しない)、Aが誤りであり(または存在しない)かつBが正しい(または存在する)、及びAとBのいずれもが正しい(または存在する)。
【0104】
また、「1つ(a)」または「1つ(an)」の使用を採用して、本明細書に記載される要素または構成要素を記載する。これは、単に便宜上行われるものであり、本発明の範囲の一般的な意味合いをもたらすものである。他に意味することが明らかでない限り、それらの記載は、1つまたは少なくとも1つを含んでいると解釈されるべきであり、また、単数形は複数も含んでいる。
【0105】
実施形態を参照して、利益、他の利点、及び問題の解決策を上述している。しかしながら、任意の利益、利点、または解決策をもたらし得るか、またはそれらをより明白にし得る利益、利点、問題解決策、及び任意の特徴部(複数可)は、任意のまたは全ての特許請求の範囲の重要な、必須の、または必要不可欠な特徴と解釈されるべきではない。
【0106】
当業者であれば、本明細書を読んだ後に、ある特定の特徴部が、個別の実施形態との関連で明確にするために本明細書に記載されており、単一の実施形態に組み合わせでも提供され得ることを理解するであろう。反対に、単一の実施形態との関連で簡潔にするために記載される様々な特徴部が、個別に、または任意の部分組み合わせでも提供され得る。さらに、範囲で記載される値への言及は、その範囲内のありとあらゆる値を含む。
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