IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ノイトリーク・アクティエンゲゼルシャフトの特許一覧

<>
  • 特許-電気的組み込みプラグコネクタ 図1
  • 特許-電気的組み込みプラグコネクタ 図2
  • 特許-電気的組み込みプラグコネクタ 図3
  • 特許-電気的組み込みプラグコネクタ 図4
  • 特許-電気的組み込みプラグコネクタ 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-18
(45)【発行日】2023-08-28
(54)【発明の名称】電気的組み込みプラグコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/55 20110101AFI20230821BHJP
【FI】
H01R12/55
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022508796
(86)(22)【出願日】2020-08-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-20
(86)【国際出願番号】 EP2020025371
(87)【国際公開番号】W WO2021028077
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】201921311838.7
(32)【優先日】2019-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】501016102
【氏名又は名称】ノイトリーク・アクティエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】オリバー ドプラー
【審査官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0053427(US,A1)
【文献】特開2006-019256(JP,A)
【文献】実開平05-034685(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/55
H01R 12/71-12/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(1)を有し、
ハウジングの長手軸に対して横方向に突出する少なくとも1つの取付構造(2)を有し、
ハウジング(1)の長手軸(A)に対して平行にその中に挿入された、電気的に絶縁する材料からなる接触部材支持体(6)を有し、
接触部材支持体(6)内に固定された5つより多い電気的接触部材(4、5)を有し、
接触部材(4、5)は、ハウジング(1)の一方の端部において、ハウジング(1)の長手軸(A)に対して平行に、接触部材支持体(6)及びハウジング(1)から外側に向かって案内され、
接触部材(4、5)の、ハウジング(1)の外部に位置する部分の終端部(41、51)は、ハウジング(1)の内部に位置する部分に対して折り曲げられ、
回路基板との接続のために設けられたその接続領域(42、52)は、共通の平面(E)内で終了し、
前記平面(E)は、ハウジング(1)の長手軸(A)に対して平行であり、
接続領域(42、52)は、グループ内に配置されており、
個々のグループは、共通の平面(E)の一部である、少なくとも3本の平行な直線(G)上に位置し、
接触部材(4、5)の、ハウジング(1)から平行に案内される部分の端部の個々のグループは、ハウジング(1)の長手軸(A)の方向において少なくとも3本の平行な直線(G)の間隔と同じ間隔を有する、電気的組み込みプラグコネクタであって、
接触部材支持体(6)は、接触部材(4、5)がその外側で案内される、ハウジング(1)のその側において、保持部材(7)によって固定されており、
保持部材(7)は、ハウジング壁から少なくともいくつかの箇所において内側に向かって突出し、ハウジング壁と少なくとも1つの箇所において結合されるリングである、ことを特徴とする、電気的組み込みプラグコネクタ。
【請求項2】
ハウジング(1)を有し、
ハウジングの長手軸に対して横方向に突出する少なくとも1つの取付構造(2)を有し、
ハウジング(1)の長手軸(A)に対して平行にその中に挿入された、電気的に絶縁する材料からなる接触部材支持体(6)を有し、
接触部材支持体(6)内に固定された5つより多い電気的な接触部材(4、5)を有し、
接触部材(4、5)は、ハウジング(1)の一方の端部において、ハウジング(1)の長手軸(A)に対して平行に、接触部材支持体(6)及びハウジング(1)から外側に向かって案内され、
接触部材(4、5)の、ハウジング(1)の外部に位置する部分の終端部(41、51)は、ハウジング(1)の内部に位置する部分に対して折り曲げられ、
回路基板との接続のために設けられたその接続領域(42、52)は、共通の平面(E)内で終了し、
前記平面(E)は、ハウジング(1)の長手軸(A)に対して平行であり、
接続領域(42、52)は、グループ内に配置されており、
個々のグループは、共通の平面(E)の一部である、少なくとも3本の平行な直線(G)上に位置し、
接触部材(4、5)の、ハウジング(1)から平行に案内される部分の終端部の個々のグループは、ハウジング(1)の長手軸(A)の方向において少なくとも3本の平行な直線(G)の間隔と同じ間隔を有する、電気的組み込みプラグコネクタであって、
接触部材支持体(6)は、接触部材(4、5)がその外側で案内される、ハウジング(1)のその側において、保持部材(7)によって固定されており、
保持部材(7)とハウジング壁は、少なくとも1つの箇所において互いに締めつけ合う、ことを特徴とする、電気的組み込みプラグコネクタ。
【請求項3】
データ伝送用の8つの接触部材(5)とエネルギー伝送用の2つの接触部材(4)とが設けられている、請求項1又は2に記載の組み込みプラグコネクタ。
【請求項4】
エネルギー伝送用の接触部材(4)は、データ伝送用の接触部材(5)よりも大きい直径を有する、請求項に記載の組み込みプラグコネクタ。
【請求項5】
電気的接触部材(4、5)は、接触ピンとして設計されている、請求項1又は2に記載の組み込みプラグコネクタ。
【請求項6】
電気的接触部材(4、5)は、少なくともリング形状の接触開口部として設計されている、請求項1又は2に記載の組み込みプラグコネクタ。
【請求項7】
取付構造(2)は、取付孔(3)を有する少なくとも1つの側方に突出する耳状部である、請求項1又は2に記載の組み込みプラグコネクタ。
【請求項8】
取付構造(2)は、ハウジング(1)から全周にわたって突出するフランジであり、
前記フランジ内に少なくとも1つの取付孔(3)が形成されている、請求項1又は2に記載の組み込みプラグコネクタ。
【請求項9】
アングル部(41、51)は、直線的であり、その長さの大部分にわたって互いに対して平行に延びている、請求項1又は2に記載の組み込みプラグコネクタ。
【請求項10】
アングル部(41、51)は、別体の部材であり、ハウジング(1)の外側で案内される接触部材(4、5)の部分と直接結合されている、請求項1又は2に記載の組み込みプラグコネクタ。
【請求項11】
アングル部(41、51)は、その接続領域(42、52)の直前で共通の保持プレート(9)内に固定されている、請求項1又は2に記載の組み込みプラグコネクタ。
【請求項12】
共通の保持プレート(9)は、ハウジング(1)に沿って隣接して延びる延長部を有する、請求項11に記載の組み込みプラグコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に電子回路基板と接続するための、電気的組み込みプラグコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
組み込みソケット又はシャーシソケットとも称される、この種の組み込みプラグコネクタは、特に切り替えパネル、切り替えキャビネット、又は器具ハウジングの壁内に組み込むために、かつ娯楽産業で使用される標準回路基板と接続するために、XLR仕様でも設計されている。それらは、種々の実施形態で、すなわち様々な数と仕様の接触部材及び種々のアース及び接続の変形例をもって、かつオス型とメス型のプラグとして、提供可能である。
【0003】
3から5極の組み込みソケットは、水平の回路基板と接続するための実施形態においても知られている。これらの実施形態の電気的接触部材は、ハウジングの端部においてハウジングの長手軸に対して平行に外側に向かって案内され、その後折れ曲がって延び、回路基板への接続領域は、共通の平面内で終了し、その平面は、ハウジングの長手軸に対して平行である。接続領域は、プレート形状の部材の外側にも位置することができる。より多くのデータチャネル又はエネルギーチャネルを必要とする場合には、この組み込みソケットは、もはや使用できない。
【0004】
他方で、8+2タイプのXLRプラグコネクタが知られており、それらは、8つのデータチャネルの他に、さらに2つのエネルギーチャネルを提供する。後方の端面において外側に突出している接触部材の数が多数であることに基づいて、回路基板との接続は、これまでは垂直の配置においてのみ実現されており、そこでは、回路基板は、後方の端面に対して平行かつそれに伴ってハウジングの長手軸に対して横に方向づけされている。したがって、水平に位置する回路基板との接続は不可能であり、それは、このプラグコネクタの使用領域を制限する。
全く異なる技術的分野において、日本国特許出願公開第2015-115546号(A)明細書は、”surface-mounted device”構成部品を開示しており、その基板には、その表面上に取り付けられたコネクタハウジングが固定的に設けられている。接触ピンは、このハウジングの内部に、したがって相補的なプラグコネクタ用の収容領域内に、自由に突出し、背側において軸と平行に外側へ案内されている。ハウジングの後ろ側では、基板の方向への90°の方向変換が行われ、そこで接触ピンの自由に延びる端部と基板上の接続接点との間に半田接続が形成されている。接触ピンの端部は、3本の平行な直線の配置内に存在する。
米国特許出願公開第2011/053427号(A1)明細書は、電気的プラグコネクタを対象とし、それも同様に回路配置上に取り付けるように構成されている。接触ピンは、相前後する2つの絶縁する接触部材支持体内に保持され、まだこの接触部材支持体配置の内部で90°方向変換されている。接触ピンの端部は、方向変換されて接触部材支持体配置から突出し、その後多数の平行な直線の配置内に存在する。接触部材支持体配置自体は、金属のハウジング内に後ろ側から挿入され、このハウジングを越えて後方に突出している。
欧州特許出願公開第0561202号(A1)明細書は、内蔵されたテールエンドシールドを有するアース接続端に関して開示している。その接続配置は、回路配置上に取り付けるように設計され、絶縁するハウジングと、このハウジング内に直接保持されている接触部材の配置とを有する。これらは、ハウジング内に多数の行と列で配置されている。これらの接触部材は、互いに平行に、挿入方向に対して方位づけされ、この配置において後ろ側で、すなわち挿入側とは反対側で、ハウジングから突出もしている。ハウジングの外部において、各接触部材は、屈曲又は湾曲した部分を有し、その部分は、その後さらに直線的に回路配置まで延び、そこで多数の行と列の配置で接触が行われる。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]日本国特許出願公開第2015-115546号(A)明細書
[特許文献2]米国特許出願公開第2011/053427号(A1)明細書
[特許文献3]欧州特許出願公開第0561202号(A1)明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の基礎となる課題設定は、多数のデータチャネル又はエネルギーチャネルを有するプラグコネクタであって、それはさらに水平に位置する回路基板と接続するのに適する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この技術的問題を解決するために、ハウジングと、ハウジングの長手軸に対して平行にハウジング内に挿入されている、電気的に絶縁する材料からなる接触部材支持体と、ハウジング内に固定された5つより多い電気的接触部材とを有する電気的組み込みプラグコネクタが提案され、接触部材は、ハウジングの一方の端部においてハウジングの長手軸に対して平行に外側に案内されている。接触部材が、ハウジングの長手軸に対して平行にハウジングの中に挿入されている接触部材支持体内に固定されている場合、1つのハウジングタイプは、多数の接触変形例とそれに伴う様々な組み込みプラグソケットを実現することができる。
接触部材の、ハウジングの外側に位置する部分の終端部は、ハウジングの内部に位置する部分に対して折り曲げられ、回路基板と接続するために設けられたその接続領域は、共通の平面内で終了し、その平面は、ハウジングの長手軸に対して平行である。
【0007】
好ましくは、この平面は、それに対して平行な、ハウジングにおける接平面よりも、さらに径方向の外側に位置する。
【0008】
折れ曲がり、好ましくはハウジングの長手軸に対して垂直に延びる、接触部材の部分の接続領域は、グループ内に配置され、個々のグループは、少なくとも3本の平行な直線上に位置し、それらの直線は、接続部が終了する共通の平面の一部である。
【0009】
接触部材をハウジングの長手軸に対して平行な方向からそれに対して折り曲げられた方向へ方向変換させる困難さは、接触部材の、ハウジングから平行に案内される部分の端部が、ハウジングの長手軸の方向に平行な直線と等しい距離を有することにより、回避することができる。したがって、平行な方向から折り曲げられた方向へ方向変換する箇所の位置が、ハウジングの長手軸の方向に沿ってずれ、それが、接触のない配置のための十分な場所と、互いに十分に離隔した接触部材のアングル部のコースとを確保する。
ハウジング内に接触部材支持体を固定するための特に好ましい変形例において、接触部材支持体は、ハウジングの、接触部材がその外側で案内されるその側において、保持部材によってハウジング内に固定されている。
【0010】
好ましくは、標準構造を考慮するために、データ伝送用の8つの接触部材とエネルギー伝送用の2つの接触部材が設けられている。
【0011】
エネルギー伝送用の接触部材は、データ伝送用の接触部材よりも大きい直径を有することが望ましい。これにより、充分なエネルギー供給のためにより強い電流を伝送することができ、低い電圧と電流の強さで作動するデータ転送のためには、より小さい導体横断面でも充分であり、したがって、1ソケットにつきより多数の導体を設けることができる。
【0014】
好ましく、より簡単に操作可能な実施形態において、保持部材は、ハウジング壁から少なくともいくつかの箇所において内側に向かって突出し、ハウジング壁と少なくとも1つの箇所において結合されるリングである。
【0015】
保持部材とハウジング壁が少なくとも1つの箇所において互いに締めつけ合うと、保持部材とハウジングの間のより確実な結合は、簡単かつ迅速に形成することができる。
【0016】
オス型プラグとしての組み込みプラグコネクタの好ましい実施形態において、電気的接触部材は、接触ピンとして設計されている。
【0017】
それに対して、組み込みプラグコネクタをメス型プラグとして設計するために、少なくともリング形状の接触開口部としての電気的接触部材の形態が設けられている。
【0018】
本発明に係る組み込みプラグコネクタは、切り替えパネルに、又は器具ハウジング内に固定されるものであるので、第1の実施形態によれば、取付構造が設けられており、その取付構造は、取付孔を有する少なくとも1つの側方に突出する耳状部である。典型的には、ハウジングの中心軸に関して互いに対向する2つの耳状部が設けられている。
【0019】
他の好ましい、きわめて安定した変形例においては、取付構造は、ハウジングから全周にわたって突出するフランジであり、その中に少なくとも1つの取付孔が形成されている。ここでも、ハウジングの中心軸に関して互いに対向する少なくとも2つの取付孔は、フランジ内に配置されている。このフランジは、矩形の形状を有することができ、又は円形又は楕円形の形状を有することもできる。
【0020】
組み込みプラグコネクタの好ましい実施形態によれば、接触部材のアングル部は、直線的であり、その長さの大部分にわたって互いに対して平行に延びている。それは、簡単な設計において、電気的に導通する部材の相互に必要な間隔をもたらす。
【0021】
組み込みプラグコネクタ、特にその接触部材の取付を容易にするために、アングル部は、別体の部材であり-すなわちハウジング内に収容され、接触部材支持体を通して外側に案内される接触部材と一体的に形成されておらず-、ハウジングの外側に案内される接触部材の部分と直接接続されている。それは、螺合、リベット止め又は溶接によっても、場合によっては導通する接着剤による接着によっても、行うことができる。
【0022】
回路基板に対する接続領域の正確に定められた幾何学的構成を保証するために、アングル部は、その接続領域の直前で共通の保持プレート内に固定されている。好ましくは、この保持プレートは、ハウジングにおける平行な接平面の径方向の外側に位置する。
【0023】
共通の保持プレートは、一方でぴったりとした載置と回路基板との良好な接続を保証し、他方では保持プレートをより良好かつ機械的に固定してハウジングと結合するために、ハウジングに沿って隣接して延びる延長部を有することもできる。そのために、ハウジング及び保持プレートの延長部に、互いに係合するガイド配置又は安定化配置を設けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図は、それぞれ著しく簡略化された、模式的な表示である。
【0025】
図1】本発明に係る組み込みプラグソケットの第1の実施形態を示す斜視図である。
図2図1のソケットを挿入方向から見た正面図である。
図3図2と逆の方向から見た背面図である。
図4図1のソケットを後方から示す斜視図である。
図5図1のソケットの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
最初に、異なるように記載される実施形態において、同一の部分には、同一の参照符号又は同一の構成部分の名称が設けられており、説明全体に含まれる開示は、同一の参照符号又は同一の構成部分の名称を有する同一の部分に意味に従って移し替えることができることに留意すべきである。また、説明の中で選択される、例えば上、下、側方などのような位置の記載は、直接説明され示される図に関するものであって、この位置の記載は、位置が変化した場合には、意味に従って新しい位置に移し替えられる。
【0027】
具体的な説明の中の値の範囲についてのすべての表示は、その任意の部分の範囲とすべての部分の範囲を共に含むものであって、例えば、1から10の表示は、下限の1と上限の10から始まるすべての部分の範囲、すなわち下限の1又はそれ以上で始まり、上限の10又はそれ以下で終了するような、例えば1から1.7、3.2から8.1、又は5.5から10の、すべての部分の範囲を含むものとする。
【0028】
そして、構造をよりよく理解するために、部材は、一部縮尺どおりではなく、拡大及び/又は縮小して示されていることに留意してほしい。
【0029】
電子的な回路基板への接続可能性を有する8+2組み込みプラグソケットとしてのバージョンで、添付の図面の図に例として示される電気的組み込みプラグコネクタは、ハウジング1を有する。このハウジングは、プラスチックから、そしてまた金属の材料からも形成することができる。
【0030】
矩形又は方形の取付フランジ2は、前方の端面に、相補的なケーブルプラグコネクタの挿入側に、ハウジング1の長手軸Aに対して横に突出する取付構造として設けられている。取付孔3は、この取付フランジ2の、長手軸Aに関して対向する2つの角部に形成され、それによって、この取付孔3を通り抜ける取付ボルト、リベット又は同様の固定手段によって、組み込みプラグソケットを切り替えパネル、器具ハウジングなどに固定することができる。取付フランジ2は、円形、楕円形、任意の多角形状の周端縁を有するもの、又は同様なものとして形成することができる。代替的に、円筒状に成形されたハウジング1から側方に突出する、孔を備えた取付耳状部も可能であって、ハウジング1の長手軸Aに関して互いに対向する2つの耳状部は、好ましい。
【0031】
ハウジング1は、図示される実施例において、オス型プラグとして全部で10本の接触ピン4、5を包囲する。これらは、接触部材支持体6(図3図4を参照)内に保持されており、その接触部材支持体は、好ましくはハウジング1とは別に形成されて、ハウジング1の長手軸Aに対して平行にハウジング内に挿入されている。接触部材支持体6は、電気的に絶縁する材料から、特にプラスチックから形成され、相補的なプラグコネクタに向いた終端部内で露出される。メス型の実施形態のために、接触部材支持体4は、完全にハウジング1の前方の端面まで延び、リング形状又は中空円筒形状の接触部材を有する。
【0032】
ここで説明する、組み込みプラグコネクタの8+2変形例において、2つの接触部材4は、エネルギー伝送用に設けられ、8つの接触部材5は、データ伝送用に考えられている。好ましくは、エネルギー伝送用の接触部材4は、データ伝送用の細い接触部材5よりも大きい直径で形成される。
【0033】
接触部材、ここでは接触ピン4、5は、ハウジング1の長手軸Aに対して平行に延び、ハウジング1の端部において接触部材支持体4の後部で、又は2つの構成部分1、4も通って、同様にハウジング1の長手軸Aに対して平行に外側に案内され、ケーブルコネクタ用の挿入側とは逆の端面でハウジング1から突出する。
【0034】
接触部材4、5の、ハウジング1の外部に位置する部分の終端部41、51は、ハウジング1の内部に位置する部分に対して折り曲げられている。これらの終端部41、51は、典型的にはハウジング1の長手軸Aに対して横方向に延び、少なくとも接触部材4、5に対して所定の間隔から、互いに平行に延びている。これらは、その一番外側の端部において、電子的な回路基板と接続するために設けられた接続領域42、52に移行する。これらは、ハウジング1の長手軸Aに対して平行に位置する共通の平面E内で、好ましくはそれを包み込む外表面の外部で終了する。接続領域42、52は、グループ内に配置され、個々のグループは、-図4図5において良好に認識されるように-少なくとも3本の平行な直線G上に位置し(図4を参照)、それらは、共通の平面Eの一部である。図5において、これらの直線Gは、図面の平面に垂直に接続領域42、52を通っている。
【0035】
終端部41、51は、接触部材4、5の直接的な続きとして設計することができ、折る又は曲げることによって、長手軸Aに対して平行な方向から、それに直交する方向で互いに平行にすることができる。しかし、図面の図に示すような実施形態が好ましく、それにおいて、折れ曲がって延びる部分41、51は、別体の部材として形成され、それらは、その後、図面で見られるように、例えばリベット止めによって、ハウジングの外側に案内された接触部材4、5の部分と直接接続される。好ましくは、終端部41、51は、フラットな金属細片として形成されており、接続部42、52は、終端部41、51の長さの大部分よりも小さい幅を有する。
【0036】
接触部材4、5のアングル部41、51は、その接続領域42、52の直前で共通の保持プレート9内に固定され、その保持プレートから、回路基板に向いた側において接続領域42、52が突出し、それによってこの回路基板と接続することができる。共通の保持プレート9は、好ましくはハウジング1に沿って延びる延長部91を有し、その延長部は、保持プレート9と共に、回路基板とのぴったりとした載置及び良好な接触可能性をもたらし、ハウジング1と接続領域42、52の正確に定められた位置との間の機械的に安定した接続を保証する。
【0037】
好ましくは、互いにかつ長手軸Aに対して平行にハウジング1から案内される接触部材4、5の部分の端部は、平行な直線Gとハウジング1の長手軸Aの方向に同じ距離を有し、逆も同じである。
【0038】
好ましくはハウジング1内に挿入される接触部材支持体6は、ハウジング1の、接触部材5、6がハウジングの外側で案内されるその側において、ここでは好ましくはリング7として設計されている保持部材を用いて、ハウジング1内に固定される。リング7は、少なくとも部分的に、ハウジング1の壁の後方の前側から内側に向かって突出するように設計され、リングは、接触部材支持体6の後方の前側と重なり合い、それによって、この接触部材支持体がハウジング1から後方に押し出され得ることを阻止する。そのために、リング7は、少なくとも1つの箇所において、ハウジング1と堅固に結合されている。この結合は、ハウジング1の2つのピン8の間で案内され、リング7の径方向の外側に突出する舌片71が、これらのピン8と締め合わされることによって、形成することができる。
【0039】
ハウジング1内の前方の挿入開口部は、好ましくは少なくとも1つの周位置において切り抜き21を有し、その切り抜きは、ハウジング1の長手軸Aに対して平行に後方に向かってハウジング1の内部に続いている。接触部材支持体6も、対応する位置に切り欠き61を有することができる。この切り抜き21と切り欠き61は、図2に模式的に示されている、既知の構造のロック機構10のための収容部として用いられる。
【0040】
実施例は、可能な実施変形例を示しており、本発明は、具体的に示された実施変形例に限定されるものではなく、むしろ個々の実施変形例を互いに様々に組み合わせることも可能であり、これらの変形可能性は、この発明による技術的に取り扱うための教示に基づいて、この技術分野で活動する当業者の裁量の範囲内にあることに、留意すべきである。本発明の態様の一部を以下記載する。
[態様1]
ハウジングを有し、
ハウジングの長手軸に対して横方向に突出する少なくとも1つの取付構造を有し、
ハウジング内に固定された5つより多い電気的接触部材を有し、
接触部材は、ハウジングの一方の端部においてハウジングの長手軸に対して平行に外側に向かって案内され、
接触部材の、ハウジングの外部に位置する部分の終端部は、ハウジングの内部に位置する部分に対して折り曲げられ、
回路基板との接続のために設けられたその接続領域は、共通の平面内で終了し、
前記平面は、ハウジングの長手軸に対して平行であり、
接続領域は、グループ内に配置されており、
個々のグループは、共通の平面の一部である、少なくとも3本の平行な直線上に位置し、
接触部材の、ハウジングから平行に案内される部分の端部は、ハウジングの長手軸の方向に、平行な直線と同じ距離を有する、電気的組み込みプラグコネクタ。
[態様2]
データ伝送用の8つの接触部材とエネルギー伝送用の2つの接触部材とが設けられている、態様1に記載の組み込みプラグコネクタ。
[態様3]
エネルギー伝送用の接触部材は、データ伝送用の接触部材よりも大きい直径を有する、態様2に記載の組み込みプラグコネクタ。
[態様4]
接触部材は、接触部材支持体内に固定され、
前記接触部材支持体は、ハウジングの長手軸に対して平行にハウジング内に挿入されている、態様1に記載の組み込みプラグコネクタ。
[態様5]
接触部材支持体は、接触部材がその外側で案内される、ハウジングのその側において、保持部材によってハウジング内に固定されている、態様4に記載の組み込みプラグコネクタ。
[態様6]
保持部材は、ハウジング壁から少なくともいくつかの箇所において内側に向かって突出し、ハウジング壁と少なくとも1つの箇所において結合されるリングである、態様5に記載の組み込みプラグコネクタ。
[態様7]
保持部材とハウジング壁は、少なくとも1つの箇所において互いに締めつけ合う、態様5に記載の組み込みプラグコネクタ。
[態様8]
電気的接触部材は、接触ピンとして設計されている、態様1に記載の組み込みプラグコネクタ。
[態様9]
電気的接触部材は、少なくともリング形状の接触開口部として設計されている、態様1に記載の組み込みプラグコネクタ。
[態様10]
取付構造は、取付孔を有する少なくとも1つの側方に突出する耳状部である、態様1に記載の組み込みプラグコネクタ。
[態様11]
取付構造は、ハウジングから全周にわたって突出するフランジであり、
前記フランジ内に少なくとも1つの取付孔が形成されている、態様1に記載の組み込みプラグコネクタ。
[態様12]
アングル部は、直線的であり、その長さの大部分にわたって互いに対して平行に延びている、態様1に記載の組み込みプラグコネクタ。
[態様13]
アングル部は、別体の部材であり、ハウジングの外側で案内される接触部材の部分と直接結合されている、態様1に記載の組み込みプラグコネクタ。
[態様14]
アングル部は、その接続領域の直前で共通の保持プレート内に固定されている、態様1に記載の組み込みプラグコネクタ。
[態様15]
共通の保持プレートは、ハウジングに沿って隣接して延びる延長部を有する、態様14に記載の組み込みプラグコネクタ。
【符号の説明】
【0041】
1 ハウジング
2 取付フランジ
3 取付孔
4 接触ピン エネルギー
5 接触ピン データ
6 接触部材支持体
7 リング
8 ピン
9 保持プレート
10 ロック機構
21 切り抜き
41 接触4の終端部
42 接続部
51 接触5の終端部
52 接続部
61 切り欠き
91 保持プレートの延長部
A 長手(中心)軸
E 平坦な接続部
G 直線的な接続部
図1
図2
図3
図4
図5