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特許7334349ブレードホルダ、ブレード移動システム及びミクロトーム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-18
(45)【発行日】2023-08-28
(54)【発明の名称】ブレードホルダ、ブレード移動システム及びミクロトーム
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/06 20060101AFI20230821BHJP
【FI】
G01N1/06 G
G01N1/06 A
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022525648
(86)(22)【出願日】2019-10-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-05
(86)【国際出願番号】 CN2019114296
(87)【国際公開番号】W WO2021081793
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】500113648
【氏名又は名称】ライカ ビオズュステムス ヌスロッホ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ジュエ
(72)【発明者】
【氏名】ジン、ソン
【審査官】前田 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-532109(JP,A)
【文献】特開2014-032198(JP,A)
【文献】特開2008-051636(JP,A)
【文献】特開2000-283900(JP,A)
【文献】特開2010-066264(JP,A)
【文献】特表2015-503731(JP,A)
【文献】特開2014-025934(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレード溝(112)及びスライド溝(114)を画成するベース(110)と、ここで、ブレード溝(112)はブレード(900)を収容するように構成される、
スライド溝(114)内にスライド可能に収容されるスライドレール(120)と、
スライドレール(120)に対して装着され、スライド溝(114)内でのスライドレール(120)のスライド移動に伴ってブレード(900)がブレード溝(112)に沿ってスライド移動可能なようにブレード(900)を係合する係合アッセンブリ(130)と、
を含み、
係合アッセンブリ(130)が、ロッド(132)及びバイアス印加部を含み、
ロッド(132)が、スライドレール(120)に対して旋回可能に装着される第1端部と、ブレード(900)の中に画成される凹状部(910)の中に係合するように構成される突出部(134)を備える第2端部とを有し、
バイアス印加部が、ブレード(900)に向かってロッド(132)の第2端部に対してバイアスを印加するように構成される、
ブレードホルダ(100)。
【請求項2】
係合アッセンブリ(130)が、ロッド(132)の第2端部における突出部(134)がロッド(132)の第2端部における突出部(134)と対向するブレード溝(112)の壁面を越えて移動することを阻止するように構成される制限部(136)を、更に含む、
請求項1に記載のブレードホルダ(100)。
【請求項3】
ベース(110)に対して可動に装着され、かつ、ベース(110)上のブレード(900)を作動可能に押さえつけるように構成されるプレッシャプレート(140)、
を更に含む、請求項1に記載のブレードホルダ(100)。
【請求項4】
ベース(110)に対して確保されるとともに、スライドレール(120)をスライド溝(114)内でスライド駆動するように、スライドレール(120)に対して連結される第1モータ(150)と、
ベース(110)に対して確保されるとともに、プレッシャプレート(140)がベース(110)上にブレード(900)をプレス駆動するように、プレッシャプレート(140)に対して連結される第2モータ(160)と、
を更に含む、請求項1に記載のブレードホルダ(100)。
【請求項5】
第1モータ(150)がその出力端部にピニオン(152)を備え、
スライドレール(120)がラック(122)を備え、
ピニオン(152)がラック(122)と係合して、第1モータ(150)からスライドレール(120)への動力伝達を成し遂げる、
請求項4に記載のブレードホルダ(100)。
【請求項6】
スライドレール(120)が、スライドレール(120)の側面にリブ(124)を備え、
スライド溝(114)の側壁が、スライドレール(120)のリブ(124)とマッチするスロットを画成する、
請求項5に記載のブレードホルダ(100)。
【請求項7】
ラック(122)が、スライドレール(120)の下半分箇所に、スライド溝(114)の底壁から間隔を空けて備えられる、
請求項6に記載のブレードホルダ(100)。
【請求項8】
第1モータ(150)及び第2モータ(160)に対して電気的に接続されるコントローラ(170)を更に含み、
コントローラ(170)が、第1モータ(150)をコントロールしてスライドレール(120)を駆動して、スライド溝(114)内でスライド移動させるとともに、第2モータ(160)をコントロールしてプレッシャプレート(140)を駆動して、ベース(110)上にブレード(900)を押さえつける、
請求項1に記載のブレードホルダ(100)。
【請求項9】
第1モータ(150)に対して装着され、コントローラ(170)に対して電気的に接続され、かつベース(110)に対するスライドレール(120)の相対的な位置を検出するエンコーダ(180)、を更に含む、
請求項8に記載のブレードホルダ(100)。
【請求項10】
コントローラ(170)に対して電気的に接続され、かつ、ユーザの操作に応答して操作シグナルを生成するように構成されるコントロールキー(192)と、
コントローラ(170)に対して電気的に接続され、かつ、ユーザに対してブレードホルダ(100)の状態を表示するように構成される表示器(194)と、を更に含む、
請求項8に記載のブレードホルダ(100)。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載のブレードホルダ(100)と、
ブレードホルダ(100)の第1側面に対して分離可能なようにスライド溝(114)の延在方向に沿って装着され、かつブレード(900)を収容するように構成される収容溝(210)を画成する第1容器(200)と、を含み、
第1容器(200)の収容溝(210)がベース(110)のスライド溝(114)と整列している、
ブレード移動システム(1000)。
【請求項12】
第1側面とは反対のブレードホルダ(100)の第2側面に対して分離可能なようにスライド溝(114)の延在方向に沿って装着される第2容器(300)を更に含み、
第2容器(300)が、上側開口部(310)を画成するとともに上側開口部(310)を通ってブレード(900)を受け取るように構成される、
請求項11に記載のブレード移動システム(1000)。
【請求項13】
請求項11又は12に記載のブレード移動システム(1000)と、
ブレードホルダ(100)の近くに配置され、かつ、標本ホルダ(800)によって保持された標本ブロック(810)がブレードホルダ(100)によってクランプされたブレード(900)を通過可能なようにブレードホルダ(100)に対して相対的に垂直に移動可能な標本ホルダ(800)と、を含む、
ミクロトーム(2000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ミクロトームの分野に関連し、そしてより具体的にはブレードホルダ、ブレード移動システム及びミクロトームに関連する。
【背景技術】
【0002】
関連技術分野において、ブレードホルダはミクロトームにおいて使用される。ブレードホルダは、ブレードを保持するように使用されるメカニカルな構成要素である。一般的にはブレードの長さは標本ブロックの幅の3倍であるため、ブレードをフルに使用するためには、ユーザは使用の際に3か所の間でブレードホルダをスライド移動させる必要がある。ブレードホルダを左右に移動させることは時間の浪費である。
【0003】
更に、ブレードを置き換える時にユーザは新たなブレードを手動で解除、除去、載置及びクランプする必要があり、低効率であるとともに危険を伴う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2006/272467号明細書
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施形態は、関連技術分野に存在する少なくとも1つの問題点を少なくともある程度解決する。
【0006】
本開示の第1の視点によれば、ブレードホルダが提供される。
【0007】
本開示の第2の視点によれば、ブレード移動システムが提供される。
【0008】
本開示の第3の視点によれば、ミクロトームが提供される。
【0009】
本開示の第1の視点の実施形態のブレードホルダは、ブレード溝及びスライド溝を画成するベースと(ここでブレード溝はブレードを収容するように構成される)、スライド溝内にスライド可能に収容されるスライドレールと、スライドレールに対して装着され、スライド溝内でのスライドレールのスライド移動に伴ってブレードがブレード溝に沿ってスライド移動可能なようにブレードを係合する係合アッセンブリと、を含む。
【0010】
本開示の少なくとも1つの実施形態によれば、係合アッセンブリがロッド及びバイアス印加部を含み、ロッドがスライドレールに対して旋回可能に装着される第1端部と、ブレードの中に画成される凹状部の中に係合するように構成される突出部を備える第2端部とを有し、バイアス印加部がブレードに向かってロッドの第2端部に対してバイアスを印加するように構成される。
【0011】
本開示の少なくとも1つの実施形態によれば、係合アッセンブリが、ロッドの第2端部における突出部がロッドの第2端部における突出部と対向するブレード溝の壁面を越えて移動することを阻止するように構成される制限部を更に含む。
【0012】
本開示の少なくとも1つの実施形態によれば、ブレードホルダが、ベースに対して移動可能に装着され、かつ、ベース上にブレードを作動可能に(operatively)押さえつけるように構成されるプレッシャプレートを更に含む。
【0013】
本開示の少なくとも1つの実施形態によれば、ブレードホルダが、ベースに対して確保されるとともにスライドレールがスライド溝内でスライド駆動するように、スライドレールに対して連結される第1モータと、ベースに対して確保されるとともにプレッシャプレートがベース上にブレードをプレス駆動するようにプレッシャプレートに対して連結される第2モータと、を更に含む。
【0014】
本開示の少なくとも1つの実施形態によれば、第1モータがその出力端部にピニオンを備え、スライドレールがラックを備え、ピニオンがラックと係合して、第1モータからスライドレールへの動力伝達を成し遂げる。
【0015】
本開示の少なくとも1つの実施形態によれば、スライドレールがライドレールの側面にリブを備え、スライド溝の側壁がスライドレールのリブとマッチするスロットを画成する。
【0016】
本開示の少なくとも1つの実施形態によれば、ラックがスライドレールの下半分箇所(lower portion)に、スライド溝の底壁から間隔を空けて備えられる。
【0017】
本開示の少なくとも1つの実施形態によれば、ブレードホルダが第1モータ及び第2モータに対して電気的に接続されるコントローラを更に含み、コントローラが、第1モータをコントロールしてスライドレールを駆動し、スライド溝内でスライドさせるとともに、第2モータをコントロールしてプレッシャプレートを駆動し、ベース上にブレードを押さえつける。
【0018】
本開示の少なくとも1つの実施形態によれば、ブレードホルダが第1モータに対して装着され、コントローラに対して電気的に接続され、かつベースに対するスライドレールの相対的な位置を検出するエンコーダを更に含む。
【0019】
本開示の少なくとも1つの実施形態によれば、ブレードホルダが、コントローラに対して電気的に接続され、かつ、ユーザの操作に応答して操作シグナルを生成するように構成されるコントロールキーと、コントローラに対して電気的に接続され、かつ、ユーザに対してブレードホルダの状態を表示するように構成される表示器と、を更に含む。
【0020】
本開示の第2の視点の実施形態のブレード移動システムは、上記実施形態のいずれか1つに記載のブレードホルダと、ブレードホルダの第1側面に対して分離可能なようにスライド溝の延在方向に沿って装着され、かつブレードを収容するように構成される収容溝を画成する第1容器と、を含み、第1容器の収容溝がベースのスライド溝と整列している。
【0021】
本開示の少なくとも1つの実施形態によれば、ブレード移動システムが第1側面とは反対のブレードホルダの第2側面に対して分離可能なようにスライド溝の延在方向に沿って装着される第2容器を更に含み、第2容器が上側開口部を画成するとともに上側開口部を通ってブレードを受け取るように構成される。
【0022】
本開示の第3の視点の実施形態のミクロトームは、上記実施形態のいずれか1つに記載のブレード移動システムと、ブレードホルダの近くに配置され、かつ、標本ホルダによって保持された標本がブレードホルダによってクランプされたブレードを通過してブレードホルダによってカットされ得るようにブレードホルダに対して相対的に垂直に移動可能な標本ホルダと、を含む。
【0023】
本開示の上記概要は、本開示の各開示実施形態又は各実施を記載することを意図するものではない。以下に続く図面及び詳細な記載は、実例的な実施形態をより具体的に例示する。
【0024】
本開示の実施形態の追加の視点及び利点は、下記の記載の中に部分的に提供され、下記の記載から部分的に明白になり、本開示の実施形態の実施から学習されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本開示の実施形態のこれらの及び他の視点及び利点は、図面を参照して下記の記載から明白になるだろうし、より容易に分かるだろう。
図1図1は、本開示の一実施形態の一ブレード移動システムの斜視図である。
図2図2は、本開示の一実施形態の一ブレードホルダの断面図である。
図3図3は、本開示の一実施形態の一スライドレール及び係合アッセンブリの側面図である。
図4図4は、本開示の一実施形態の一係合アッセンブリの突出部の模式図である。
図5図5は、本開示の他の実施形態の一スライドレール及び係合アッセンブリの側面図である。
図6図6は、本開示の一実施形態の一ブレードの模式図である。
図7図7は、本開示の一実施形態のクランプ駆動機構の模式図である。
図8図8は、本開示の一実施形態の一コントロールシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示の実施形態に対してリファレンスがなされるだろう。図面を参照する本願に記載の実施形態は、説明のためのものであり、例示的であり、かつ本開示を一般的に理解するために使用される。実施形態は、本開示を限定すると解釈されるべきではない。同一の又は類似の構成要素及び同一の又は類似の機能を有する構成要素には、明細書に渡って同様の引用符号が付される。
【0027】
明細書において、他に特定又は限定されない限り、「中央」、「縦」、「横」、「前」、「後」、「右」、「左」、「内(inner)」、「外(outer)」、「下側(lower)」、「上側(upper)」、「水平(horizontal)」、「垂直(vertical)」、「上(above)」、「下(below)」、「上(up)」、「頂(top)」、「底(bottom)」などの相対的な用語並びにその派生用語(例えば、「水平に」、「下方に」、「上向きに」、など)は、議論の下で記載される又は図面に示される方向を意味すると解釈されるべきである。これらの相対的な用語は記載の簡便さのためであり、本開示が特定の方向に構築又は操作される必要はない。
【0028】
本開示の記載において、他に特定又は限定されない限り、用語「装着される(mounted)」、「結合ないし接続される(connected)」、「カップル化される」及びそれらのバリエーションは広義に使用され、メカニカルな又は電気的な装着、接続、カップリングなどを包含するとともに、2つの構成要素の内部装着、接続、カップリングでもあり得るし、更に直接的及び間接的な装着、接続及びカップリングであり、本開示の詳細な実施形態に従って当業者に理解され得ると解釈されるべきである。
【0029】
更に、「第1」及び「第2」などの用語は、記載の目的で本願において使用され、相対的な重要さ又は顕著さを意味又は暗示すること、また記される技術的特徴の数を暗示することを意図していない。つまり、「第1」及び「第2」で定義された特徴はこの特徴の1つ以上を含み得る。本発明の記載において、用語「複数の」は、他に特定されない限り2以上を意味する。
【0030】
本開示の実施形態のブレードホルダ100は、図1~8を参照して以下に詳細に記載される。直交するXYZ軸は、記載を容易にし、方向を決定づけるために図示される。X軸のポジティブ方向は前方向であり、X軸のネガティブ方向は後方向である。Y軸のポジティブ方向は右方向であり、Y軸のネガティブ方向は左方向である。Z軸のポジティブ方向は上方向であり、Z軸のネガティブ方向は下方向である。
【0031】
図1及び図2に示すように、本開示の実施形態のブレードホルダ100は、ベース110、スライドレール120及び係合アッセンブリ130を含む。ベース110は、ブレード溝112及びスライド溝114を画成する。ブレード溝112はブレード900を収容するように構成され、スライドレール120はスライド溝114の中にスライド移動可能に収容される。係合アッセンブリ130は、スライドレール120に対して装着され、スライド溝114内でのスライドレール120のスライド移動に伴ってブレード900がブレード溝112に沿ってスライド移動可能なようにブレード900を係合するように構成される。
【0032】
本開示の実施形態(複数)のブレードホルダ100に関しては、スライド溝114の中でスライドレール120をスライド移動させることによってブレード900をブレード溝112に沿って左又は右へ移動させることができるように、スライドレール120はブレードホルダ100のスライド溝114の中でスライド移動可能でありスライドレール120が係合アッセンブリ130を介してブレード900と係合する。それによって、ブレード900のフル(全体)の使用が促進される。更に、操作が単純であり、時間節約であり、危険がより少ない。
【0033】
いくつかの実施形態において、図2図3及び図5に示すように、係合アッセンブリ130はロッド132及びバイアス印加部を含む。ロッド132の第2端部の突出部134がブレード900の中に画成された凹状部(recess)910の中に堅固に係合することができ、そして、ブレード900をロッド132とブレード溝112との間にクランプすることができ、かつブレード溝112に沿って安定にスライド移動させることができるように、ロッド132はスライドレール120に対して旋回可能に装着される第1端部と、ブレード900の中に画成される凹状部910の中に係合するように構成される突出部134を備える第2端部とを有し、バイアス印加部がブレード900に向かってロッド132の第2端部に対してバイアスを印加するように構成される。
【0034】
一例において、バイアス印加部は、引っ張りバネ、ねじりバネなどの、バネであり得る。バイアス印加部の構造がブレード900に向かってロッド132の第2端部に対してバイアスを印加することが可能な限り、バイアス印加部の具体的構造は本開示によって限定されないことに注意すべきである。
【0035】
更に、ブレード900はロッド132とブレード溝112との間に堅固にクランプされ得るし、ブレード900をブレード溝112の外側へ完全にスライド移動させた時には、ブレード900はロッド132との係合が外れて自重の作用の下で落下すると理解され得る。つまり、ブレード900は、スライド溝114内でスライドレール120をスライド移動させることによって取り外すことができる。操作は単純であり、時間節約かつ危険がより少ない。
【0036】
いくつかの実施形態において、図1に示すように、複数のロッド132が提供され、スライドレール120の延在方向(図1に示すy方向を意味する)に沿って互いに間隔を空けて備えられる。つまり、ブレード900をロッド132とブレード溝112との間により堅固にクランプすることができるとともに、ブレード溝112に沿ってより安定にスライド移動させることができる。例えば、2つのロッド132が提供され、スライドレール120の延在方向に沿って互いに間隔を空けて備えられる。
【0037】
複数のロッド132に対応する複数のバイアス印加部が提供され得るし、ブレード900内に複数の凹状部910が画成され得ると理解され得る。例えば、2つのロッド132に対応する2つのバイアス印加部が提供されるとともに、2つの凹状部910がブレード900内に画成される。つまり、ブレード溝112に沿ったブレード900の移動はより安定であり得る。
【0038】
いくつかの例において、図1及び図6に示すように、2つの凹状部910がスライドレール120の延在方向のブレード900の両端部に画成される。つまり、ロッド132の第2端部の突出部134が、ブレード900の凹状部910の中に容易に係合することができる。図6に示すように、各凹状部910は半円の孔であり得るし、半円の孔はブレード900の長さ方向におけるブレード900の対応する端面に向かって開口する。つまり、ロッド132の第2端部の突出部134は、ブレード900の凹状部910の中により容易に係合することができる。
【0039】
いくつかの実施形態において、図3及び図5に示すように、ロッド132の第2端部における突出部134が、ロッド132の第2端部における突出部134と対向するブレード溝の壁面を越えて移動することを阻止するように、係合アッセンブリ130は、バイアス印加部のバイアス印加方向に沿って突出部134の位置を制限するように構成される制限部136を更に含む。
【0040】
ブレード900がブレード溝112の外へスライド移動されて取り外された後には、ロッド132もブレード溝112の外へスライド移動されると理解され得る。制限部136を設けることによって、ロッド132をスライド移動させてブレード溝112の中へ戻した時にロッド132の第2端部における突出部134は突出部134と対向するブレード溝112の壁面と干渉しない。つまりロッド132の手動の操作(ブレード溝へのはめもどし操作)を回避することができる。
【0041】
例えば、図3及び図5に示すように、ロッド132をスライド移動させてブレード溝112へ戻した時に、ロッド132の第2端部における突出部134が突出部134と対向するブレード溝112の壁面と干渉しないように、制限部136は、スライドレール120の長さ方向に延在するポスト(柱状体)であり得る。ポスト(の上端面)は、スライドレール120の上面に対して隣接してロッド132の位置を制限することができる。つまりロッド132の手動の操作を回避することができる。制限部136は他の構造であっても良く、本開示によって具体的に限定されないことに注意すべきである。
【0042】
いくつかの実施形態において、図2に示すように、本開示の実施形態のブレードホルダ100は、ベース110に対して移動可能に装着され、かつベース110の上のブレード900を作動可能に(operatively)押さえつける(プレスする)ように構成されるプレッシャプレート140を更に含む。
【0043】
つまり、ブレード900をブレード溝112の中で適切な位置へスライド移動させた時に、プレッシャプレート140はベース110に上のブレード900を押さえつけるように操作され、標本をカット及びトリムするようにブレード900をプレッシャプレート140とベース110との間に堅固にクランプすることができる。そして、ブレード900をブレード溝112に沿って他の位置へスライド移動させること又は取り外すことが必要な時には、プレッシャプレート140はブレード900を開放するように作動されて、スライドレール120をスライド移動させることによってブレード900をスライド移動させることができる。
【0044】
いくつかの実施形態において、図1図7及び図8に示すように、本開示の実施形態のブレードホルダ100は、ベース110に対して確保されるとともに、スライドレール120をスライド溝114内でスライド駆動するように、スライドレール120に対して連結される第1モータ150と、ベース110に対して確保されるとともに、プレッシャプレート140がベース110上のブレード900をプレス駆動するように、プレッシャプレート140に対して連結される第2モータ160とを含む。つまり、ブレード900のスライド移動及びクランプがモータ作動化され得る。それによって、操作ストレスが大幅に減少し、操作(作動)効率が上昇し、ユーザにとっての切り傷を負うリスクが減少する。
【0045】
いくつかの実施形態において、図1に示すように、第1モータ150はその出力端部にピニオンを備え、スライドレール120がラック122を備え、ピニオン152がラック122と係合して、第1モータ150からスライドレール120への動力伝達を成し遂げる。つまり、第1モータ150はスライドレール120を駆動してスライド溝114に沿ってスライドさせる。さらに、ラック・アンド・ピニオン機構がシンプルでありコスト効率的である。
【0046】
いくつかの実施形態において、図2図3及び図5に示すように、スライドレール120がスライドレール120の側面にリブ(突条部)(124)を備え、スライド溝114の側壁が、スライドレール120のリブ124とマッチするスロットを画成する。つまり、スライドレール120をスライド溝114の中で堅固に支持することができ、それによってスライド溝114に沿ったスライドレール120のスライド移動が容易になる。いくつかの例において、2つのリブ124がスライドレール120の両側面のそれぞれに備えられ、スライド溝114の両側面がスライドレール120の2つのリブ124とそれぞれマッチする2つのスロットを画成する。つまり、スライドレール120を、スライド溝114の中により堅固に支持することができ、それによってスライド溝114に沿ったスライドレール120のスライド移動が更に容易になる。
【0047】
いくつかの実施形態において、図1及び図2に示すように、ラック122は、スライドレール120の下半分箇所(lower portion)に、スライド溝114の底壁から間隔を空けて備えられる。つまり、ラック122のギアがスライド溝114の底壁と干渉することが防止され、それによってスライド溝114に沿ったスライドレール120のスライド移動が容易になり、スライドレール120の寿命が延長する。
【0048】
いくつかの実施形態において、図2に示すように、プレッシャプレート140は、ベース110に対して枢動可能(pivotably)に連結される。プレッシャプレート140は、ブレード900を押さえつけるように構成される第1端部142と、第1端部142とは反対の第2端部144とを有する。プレッシャプレート140は、第1端部142と第2端部144との間に設けられる枢動ポイントを有し、いくつかの例において、枢動ポイント(枢支点)は、プレッシャプレート140の第2端部144よりもプレッシャプレート140の第1端部142の近くに配置される。
【0049】
プレッシャプレート140はシーソーのように動作できると理解され得る。プレッシャプレート140の第2端部144の下側(underside)に対して力を適用した時には、プレッシャプレート140の第1端部142はブレード溝112の中に収容されたブレード900を押さえつけることができる。プレッシャプレート140の第2端部144の下側から力を除去(第2端部144の下側へ適用した力を解除する)時には、プレッシャプレート140がブレード溝112の中に収容されたブレード900を開放するように、プレッシャプレート140の第2端部144が重力の作用で持ち下がって、プレッシャプレート140の第1端部142が持ち上がる。
【0050】
いくつかの実施形態において、図7に示すように、ブレードホルダ100は、クランプ駆動機構700を更に含み、第2モータ160がクランプ駆動機構700を介してプレッシャプレート140に対して接続される。クランプ駆動機構700は、第1楔部材710、及び第1楔部材710と係合する第2楔部材720を含む。第1楔部材710は、第2モータ160の出力シャフト162と連結され、かつ第2モータ160の出力シャフト162の軸方向に沿って第2モータ160によって移動可能なように構成される。第2楔部材720は、第2モータ160の出力シャフト162の軸方向への第1楔部材710の移動に伴って、プレッシャプレート140の第2端部144の下側へ向かって又は離れる方向へ移動するように構成される。
【0051】
プレッシャプレート140の第1端部142がブレード溝112内に収容されたブレード900をプレスできるように、第2モータ160は、回転して、プレッシャプレート140の第2端部144の下側へ向かい、第2端部144の下側と当接するように、第1楔部材710を介して第2楔部材720を駆動すると理解され得る。そして、第2モータ160は、逆方向へ回転して、プレッシャプレート140の第2端部144の下側から離れるように第1楔部材710を介して第2楔部材720を移動させることができる。
【0052】
いくつかの実施形態において、図7に示すように、ベース110は、第2モータ160の出力シャフト162の軸方向に延在する第1チャンネル116と、第1チャンネル116と連通されかつプレッシャプレート140の第2端部144へ向かって開口する第2のチャンネル118と、を画成する。第1楔部材710は第1チャンネル116内に収容され、かつ第1チャンネル116の中で移動可能であり、第2楔部材720は第2のチャンネル118内に収容され、かつ第2のチャンネル118の中で移動可能である。
【0053】
いくつかの実施形態において、図7に示すように、第1楔部材710は第2楔部材720と対向する第1傾斜面を有し、第2楔部材720は第1楔部材710と対向する第2の傾斜面を有し、そして第1楔部材710は互いに向かい合う第1傾斜面及び第2の傾斜面を介して第2楔部材720と係合する。つまり、第1チャンネル116に沿った第1楔部材710の移動を、第2のチャンネル118に沿った第2楔部材720の移動へ転換することができる。
【0054】
いくつかの実施形態において、図7に示すように、第2モータ160の出力シャフト162は親ネジとして構成され、第1楔部材710は親ねじと協働するナット(雌ネジ部材)として構成される。つまり、第2モータ160の出力シャフト162の回転を第1チャンネル116に沿った第1楔部材710の移動へ変換することができる。
【0055】
いくつかの実施形態において、図8に示すように、本開示のブレードホルダ100は、第1モータ150及び第2モータ160に対して電気的に接続されるコントローラ170を更に含み、コントローラ170が、第1モータ150をコントロールしてスライドレール120を駆動して、スライド溝114内でスライド移動させるとともに、第2モータ160をコントロールしてプレッシャプレート140を駆動して、ベース110上にブレード900を作動可能なように押さえつける。つまり、ブレード900のスライド移動及びクランプをモータ作動化及び自動化することができる。
【0056】
いくつかの実施形態において、図8に示すように、本開示のブレードホルダ100は、第1モータ150に対して装着され、コントローラ170に対して電気的に接続され、かつベース110に対するスライドレール120の相対的な位置に対応するシグナルを生成するエンコーダ180を含む。
【0057】
エンコーダ180は第1モータ150の回転角度に応じてシグナルを生成することができるとともに、第1モータ150の回転角度はベース110に対するスライドレール120の相対的な位置を決定することができ、つまりベース110に対するスライドレール120の相対的な位置とシグナルとを対応させることができると理解され得る。
【0058】
さらに、エンコーダ180はコントローラ170と電気的に接続され、エンコーダ180によって生成されたシグナルはコントローラ170に対して送信され得る。コントローラ170は、受信したシグナルに従ってベース110に対するスライドレール120の相対的な位置を決定することができる。ブレード900が予め設定された位置まで移動した時に、コントローラ170は、第1モータ150を不活化して、ブレード900のスライド移動を停止することができるとともに、第2モータ160を活性化してプレッシャプレート140を駆動して、ブレード900をベース110上に堅固に押さえつけることができる。
【0059】
いくつかの実施形態において、図8に示すように、第2モータ160は、電流フィードバック機能を有する。つまり、第2モータ160は、コントローラ170に対して電流フィードバックシグナルを送信することができる。電流は第2モータ160のトルクと比例するため、コントローラ170は第2モータ160によって発信された電流フィードバックシグナルに従って第2モータ160のトルクをコントロールすることができる。
【0060】
いくつかの実施形態において、図8に示すように、本開示のブレードホルダ100は、コントローラ170に対して電気的に接続され、かつ、ユーザの操作に応答して操作シグナルを生成するように構成されるコントロールキー192と、コントローラ170に対して電気的に接続され、かつ、ユーザに対してブレードホルダ100の状態を表示するように構成される表示器194と、を含む。つまり、コントロールキー192及び表示器194は、ユーザとブレードホルダ100との間のユーザインターフェイス190を構成することができる。
【0061】
ユーザは、コントロールキー192を押さえつけることによって、例えばブレード900を左へ移動させる、ブレード900を右へ移動させる、ブレード900を取り外すなど、種々の操作を達成することができ、表示器194は、クランプ状態、移動状態などのブレードホルダ100の状態を示すことに使用される、と理解され得る。つまり、複数のコントロールキー192及び複数の表示器を、ユーザと相互作用するために提供することができる。
【0062】
いくつかの実施形態において、図1に示すように、ブレードホルダ100は、ブレードベース110に対して固定して装着されるボックス196を更に含む。第1モータ150、第2モータ160、コントローラ170及びエンコーダ180は、ボックス196内に収容することができ、コントロールキー192及び表示器はボックス196の表面に配置することができる。
【0063】
本開示の実施形態のブレード移動システム1000は、図1~8を参照して以下に詳細に記載される。
【0064】
図1に示すように、本開示の実施形態のブレード移動システム1000は、上記実施形態のいずれか1つのブレードホルダ100と第1容器200とを含む。第1容器200は、ブレードホルダ100の第1側面に対して分離可能なようにスライド溝114の延在方向に沿って装着され、かつブレード900を収容するように構成される収容溝210を画成する。第1容器200の収容溝210は、ベース110のスライド溝114と整列している。つまり、ブレード900を、ブレード溝112から収容溝210へ、又は収容溝210からブレード溝112へ、スムーズにスライド移動させることができる。
【0065】
第1容器200の収容溝210の中に収容されたブレード900は、ベース110のブレード溝112の中に収容されるブレード900と置き換わるように構成される交換ブレード900’としての役割を果たすことができると理解され得る。つまり、モータ作動化されたブレードの交換を達成することができ、それによって操作ストレスが大幅に減少し、操作効率が上昇し、ユーザにとっての切り傷を負うリスクが減少する。
【0066】
いくつかの実施形態において、図1に示すように、複数の交換ブレード900’を備え、第1容器200の収容溝210の中に積み重ねておくことができる。つまり、ブレードの複数回の交換を自動的に達成することができ、それによって更に操作ストレスが大幅に減少し、操作効率が上昇し、ユーザにとっての切り傷を負うリスクが減少する。
【0067】
第1容器200の交換ブレード900’が使用され尽くした時に第1容器200を他の第1容器200と交換することができるように、第1容器200は、ブレードホルダ100の第1側面に対して分離可能なように装着されると理解され得る。それによって、操作ストレスが大幅に減少し、操作効率が上昇し、ユーザにとっての切り傷を負うリスクが減少する.
【0068】
いくつかの実施形態において、図3に示すように、各ロッド132の突出部134は、円柱形の形状を有する。つまり、突出部134を交換ブレード900’の凹状部910’の中に容易に係合させることができる。
【0069】
いくつかの実施形態において、図4に示すように、各ロッド132の突出部134は、第1容器200へ向かってスライドレール120長さ方向へ、突出部134の側面において面取りした面を有する。つまり、係合アッセンブリ130がブレードベース110のブレード溝112から第1容器200の収容溝210へ移動する時に、交換ブレード900’の反対の端部における凹状部910’の中で係合するために、ロッド132の第2端部における突出部134を、交換ブレード900’の表面上へと容易にスライド移動させることができる。そして、手動操作が回避されるため、それによって操作ストレスが大幅に減少し、操作効率が上昇し、ユーザにとっての切り傷を負うリスクが減少する。
【0070】
いくつかの代わりの実施形態において、図5に示すように、各ロッド132の突出部134は球状の表面を有する。いくつかの例において、各ロッド132の突出部134は、半球状の形状を有する。つまり、係合アッセンブリ130がブレードベース110のブレード溝112から第1容器200の収容溝210へ移動する時に、交換ブレード900’の反対の端部における凹状部910’の中で係合するために、ロッド132の第2端部における突出部134を交換ブレード900’の表面上へと容易にスライド移動させることができる。そして、手動操作が回避されるため、それによって操作ストレスが大幅に減少し、操作効率が上昇し、ユーザにとっての切り傷を負うリスクが減少する。
【0071】
突出部134は、本開示によって具体的に限定されず、他の構造を有することもできることに注意されるべきである。
【0072】
いくつかの実施形態において、、スライドレール120の長さ方向におけるブレードホルダ100のベース110から離れる方向への交換ブレード900’の移動を阻止するように、第1容器200はスライドレール120の長さ方向の交換ブレード900’の位置を制限するように構成される停止部材を備える。
【0073】
係合アッセンブリ130がブレードベース110のブレード溝112から第1容器200の収容溝210へ移動する時に、停止部材は制限効果を有し、交換ブレード900’の反対の端部における凹状部910’の中に係合するために、突出部134が交換ブレード900’表面上へスライド移動することを助け、そして、突出部134が交換ブレード900’の反対の端部における凹状部910’の中に係合した後に、係合アッセンブリ130が第1容器200の収容溝210からブレードベース110のブレード溝112へ移動する時に、停止部材は制限効果を有せず、交換ブレード900’が突出部134によって容易に押し出され得る、と理解され得る。手動操作が回避され、それによって操作ストレスが大幅に減少し、操作効率が上昇し、ユーザにとっての切り傷を負うリスクが減少する。
【0074】
いくつかの実施形態において、図1に示すように、ブレード移動システム1000は、第2容器300を更に含む。第2容器300は、ブレードホルダ100の第1側面とは反対のブレードホルダ100の第2側面に対して分離可能なようにスライド溝114の延在方向に沿って装着される。第2容器300は、上側開口部310を画成するとともに上側開口部310を通ってブレード900を受け取るように構成される。
【0075】
つまり、ブレード900がスライド溝114の外側へ完全にスライド移動し、重力の作用によって落下する時に、ブレード900を第2容器300の中に簡単に収集することができる。それによってブレード900の手動収集が回避されるとともに、ユーザにとっての切り傷を負うリスクが減少する。
【0076】
第2容器300が使用後のブレード900で満載になった時に第2容器300を他の第2容器300と交換できるように、第2容器300は、ブレードホルダ100の第2側面に対して分離可能なように装着されると理解され得る。それによって操作ストレスが大幅に減少し、操作効率が上昇し、ユーザにとっての切り傷を負うリスクが減少する。
【0077】
本開示の具体的な実施形態のブレード移動システム1000は、図1~8を参照して以下に記載される。
【0078】
図1に示すように、本開示の実施形態のブレード移動システム1000は、ブレードホルダ100、第1容器200及び第2容器300を含む。ブレードホルダ100は、ベース110、スライドレール120、係合アッセンブリ130及びプレッシャプレート140を含む。
【0079】
図2に示すように、ベース110はブレード溝112及びスライド溝114を画成する。ブレード溝112はブレード900を収容するように構成され、スライドレール120はスライド溝114の中にスライド移動可能である。係合アッセンブリ130はスライドレール120に対して装着され、ブレード900がスライド溝114内でのスライドレール120のスライド移動に伴ってブレード溝112に沿ってスライド移動可能なように、ブレード900と係合するように構成される。プレッシャプレート140は、ベース110に対して可動に装着され、ベース110上にブレード900を作動可能なように押さえつけるように構成される。
【0080】
具体的には、図1に示すように、2つの係合アッセンブリ130が提供され、スライドレール120の延在方向に沿って互いに間隔を空けて備えられる。各係合アッセンブリ130は、ロッド132及びバイアス印加部を含む。ロッド132の第2端部の突出部134がブレード900の中に画成された凹状部910の中に係合し、そして、ブレード900をロッド132とブレード溝112との間にクランプすることができ、かつブレード溝112に沿って安定にスライド移動させることができるように、ロッド132はスライドレール120に対して旋回可能に装着される第1端部と、ブレード900の中に画成される凹状部910の中に係合するように構成される突出部134を備える第2端部とを有し、バイアス印加部がブレード900に向かってロッド132の第2端部に対してバイアスを印加するように構成される。
【0081】
図1及び8に示すように、ブレードホルダ100は第1モータ150、第2モータ160、コントローラ170、エンコーダ180及びユーザインターフェイス190を更に含む。
【0082】
第1モータ150は、ベース110に対して固定され、スライドレール120を駆動してスライド溝114内でスライド移動させるようにスライドレール120と連結される。第2モータ160は、ベース110に対して確保され、プレッシャプレート140を駆動してベース110ブレード900上にブレード900を押さえつけるようにプレッシャプレート140に対して連結される。
【0083】
コントローラ170は、第1モータ150及び第2モータ160に対して電気的に接続され、コントローラ170は第1モータ150をコントロールして、スライドレール120を駆動してスライド溝114内へスライド移動させるとともに、第2モータ160をコントロールして、プレッシャプレート140を駆動してベース110上にブレード900を押さえつける。
【0084】
エンコーダ180は、第1モータ150に対して装着され、コントローラ170に対して電気的に接続され、ベース110に対するスライドレール120の相対的な位置に対応するシグナルを生成する。コントローラ170は、エンコーダ180によって発信されたシグナルに従って、ベース110に対するスライドレール120の相対的な位置を決定することができる。
【0085】
ユーザインターフェイス190は、コントローラ170に対して電気的に接続され、かつユーザの操作に応答して操作シグナルを生成するように構成されるコントロールキー192と、コントローラ170に対して電気的に接続され、かつユーザに対してブレードホルダ100の状態を表示するように構成される表示器194と、を含む。
【0086】
ブレード900が、ブレード900が標本のカット及びトリムに使用されるノーマルな位置に位置すると理解される。標本の数度にわたるカット及びトリムの後には、ブレード900はもはや鋭くなく、ブレード900を交換ブレード900’と交換する必要がある。
【0087】
更に、上記のブレード移動システム1000を用いてブレードを交換する方法は、下記のステップを含み得る。
【0088】
コントローラ170が第2モータ160をコントロールしてベース110からブレード900を開放するように回転させ、そしてスライドレール120を駆動してスライド溝114に沿って第1容器200から離れるようにスライド移動させるように、第1モータ150を活性化して第1の方向に回転させる。
【0089】
コントローラ170は、ブレード900がスライド溝114の外側へ完全にスライド移動して、重力の作用によって上側開口部310を介して第2容器300の中へ落下する第1制限位置に対応するシグナルをエンコーダ180から受信した時に、第1モータ150を不活化する。
【0090】
コントローラ170は、スライドレール120を駆動してスライド溝114に沿って第1容器200へ向かってスライド移動するように、第1モータ150を活性化して第1の方向とは反対の第2の方向へ回転させる。
【0091】
コントローラ170は、係合アッセンブリ130のロッド132が第1容器200の収容溝210内の交換ブレード900’内に係合することができる第2制限位置に対応するシグナルをエンコーダ180から受信した時に、第1モータ150を不活化する。
【0092】
コントローラ170は、スライドレール120を駆動してスライド溝114に沿って第1容器200から離れるようにスライド移動するように、第1モータ150を活性化して第1の方向へ回転させる。
【0093】
コントローラ170は、ノーマル位置に対応するシグナルをエンコーダ180から受信した時に、交換ブレード900’がブレードホルダ100のスライド溝114内に位置するように、第1モータ150を不活化する。
【0094】
コントローラ170は、交換ブレード900’を使用して標本をカット及びトリムできるように、第2モータ160をコントロールして逆方向へ回転させて、プレッシャプレート140を駆動してベース110上に交換ブレード900’を堅固に押さえつける。
【0095】
つまり、ブレード900と交換ブレード900’との交換を、ほとんど手動操作無しに自動的に実現することができ、それによって操作ストレスが大幅に減少し、操作効率が上昇し、ユーザにとっての切り傷を負うリスクが減少する.
【0096】
さらに、上記のブレード移動システム1000を用いてブレードを交換する別の方法は、以下のステップを含み得る。
【0097】
コントローラ170は、スライドレール120を駆動してスライド溝114に沿って第1容器200へ向かってスライド移動するように、第1モータ150を活性化して第2の方向へ回転させる。
【0098】
コントローラ170は、係合アッセンブリ130のロッド132が第1容器200の収容溝210の中に収容された交換ブレード900’の中に係合できる第2の制限位置に対応するシグナルをエンコーダ180から受信した時に、第1モータ150を不活化し、そして、ベース110からブレード900を開放するように第2モータ160をコントロールして回転させる。
【0099】
コントローラ170は、スライドレール120を駆動してスライド溝114に沿って第1容器200から離れるようにスライド移動するように、第1モータ150を活性化して第2の方向とは反対の第1の方向へ回転させる。
【0100】
コントローラ170は、ノーマル位置に対応するシグナルをエンコーダ180から受信した時に、交換ブレード900’がブレードホルダ100のスライド溝114内に位置するように、第1モータ150を不活化する。ブレード900が交換ブレード900’によってスライド溝114の外側へ押し出されて、重力の作用によって上側開口部310を介して第2容器300の中へ落下すると理解され得る。
【0101】
コントローラ170は、交換ブレード900’を標本をカット及びトリムすることに使用できるように、第2モータ160をコントロールして逆方向へ回転させて、プレッシャプレート140を駆動してベース110上に交換ブレード900’を堅固に押さえつける。
【0102】
つまり、ブレード900と交換ブレード900’との交換を、ほとんど手動操作無しに自動的に実現することができ、それによって操作ストレスが大幅に減少し、操作効率が上昇し、ユーザにとっての切り傷を負うリスクが減少する。
【0103】
上記のステップは1つのコントロールキーによって制御することができるし、又はいくつかのコントロールキーによって制御することができることに注意すべきである。
【0104】
本開示の実施形態(複数)のミクロトーム2000は、図1~8を参照して以下に詳細に記載される。
【0105】
本開示の実施形態(複数)のミクロトーム2000は、ブレード900、上記実施形態のいずれか1つのブレード移動システム1000、及びブレードホルダ100の近くに配置され、かつ、標本ホルダ800によって保持された標本ブロック810がブレードホルダ100によってクランプされたブレード900を通過可能なようにブレードホルダ100に対して相対的に垂直に移動可能な標本ホルダ800、を含む。
【0106】
本開示の実施形態(複数)のミクロトーム2000に関しては、上記のブレード移動システム1000を採用することによって、スライド溝114の中に収容されたブレード900を、第1容器200の収容溝210の中に収容された他のブレード900と交換することができ、そして第2容器300の中に自動的に収集できるため、ブレード900を交換することが必要な時に、ユーザはコントロールキー192を単に押すことだけで良い。それによって操作ストレスが大幅に減少し、操作効率が上昇し、ユーザにとっての切り傷を負うリスクが減少する。
【0107】
いくつかの実施形態において、標本ブロック810の幅はW1と表記されととともに、ガイドレール120の延在方向におけるブレード900の幅はW2と表記され、W1≦W2≦2*W1である。ガイドレール120の延在方向におけるブレード900の幅W2は、標本ブロック810の幅W1以上であり、かつ標本ブロック810の幅W1の2倍以下である。つまり、ユーザにとっての操作スペースが改善され得る。一例において、標本ブロック810の幅W1は通常28mmであり、そのためガイドレール120の延在方向のブレード900の幅W2は28mm以上かつ56mm以下である。
【0108】
本明細書の全体に渡って「実施形態」、「いくつかの実施形態」、「1つの実施形態」、「他の例」、「一例」、「具体例」又は「いくつかの例」などの記載は、実施形態又は例と関連する特定の特徴、構造、材料、又は特徴的な記載が本開示の少なくとも1つの実施形態又は例に含まれることを意味する。つまり、当明細書の全体に渡る様々な箇所における「いくつかの実施形態において」、「1つの実施形態において」、「実施形態において」、「他の例において」、「一例において」、「具体的な例において」又は「いくつかの例において」などの語句の出現は、本開示の同一の実施形態又は例を必ずしも意味しない。更に、特定の特徴、構造、材料又は特徴は、1以上の実施形態又は例においていずれかの適切な様式で組み合わせられ得る。
【0109】
説明のための実施形態が図示及び記載されているが、上記の実施形態は本開示を限定するように解釈され得ないし、変更、交換、及び変形が本開示のスピリッツ、原則及び範囲から逸脱すること無く実施形態の中になされ得ることが当業者には分かるだろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8