IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ あいおいニッセイ同和損害調査株式会社の特許一覧

特許7334373動画分割プログラム、動画分割方法及び動画分割装置
<>
  • 特許-動画分割プログラム、動画分割方法及び動画分割装置 図1
  • 特許-動画分割プログラム、動画分割方法及び動画分割装置 図2
  • 特許-動画分割プログラム、動画分割方法及び動画分割装置 図3
  • 特許-動画分割プログラム、動画分割方法及び動画分割装置 図4
  • 特許-動画分割プログラム、動画分割方法及び動画分割装置 図5
  • 特許-動画分割プログラム、動画分割方法及び動画分割装置 図6
  • 特許-動画分割プログラム、動画分割方法及び動画分割装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-18
(45)【発行日】2023-08-28
(54)【発明の名称】動画分割プログラム、動画分割方法及び動画分割装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/91 20060101AFI20230821BHJP
【FI】
H04N5/91
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023030490
(22)【出願日】2023-02-28
【審査請求日】2023-03-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501333401
【氏名又は名称】あいおいニッセイ同和損害調査株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂井 克彦
(72)【発明者】
【氏名】加藤 正一郎
(72)【発明者】
【氏名】長井 努
(72)【発明者】
【氏名】長屋 桂輔
【審査官】松元 伸次
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-065174(JP,A)
【文献】特開2020-171525(JP,A)
【文献】特開2000-295560(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C1/00-15/00
H04N5/222-5/257
5/76-5/775
5/80-5/956
7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像された動画及び前記動画のフレームレートをユーザから提供された動画ファイルから取得し、
取得された前記動画を前記フレームレートの1フレーム毎の静止画に分割し、
少なくとも前記フレームレートを含む前記動画に係る情報が表示され、かつ分割され前記静止画とは異なる先頭画像、及び、フレーム番号順に前記フレーム番号が表示された前記静止画を前記先頭画像に続いて配列した画像群を生成
生成された前記画像群をファイルとして前記ユーザに対して出力する
処理をコンピュータに実行させる動画分割プログラム。
【請求項2】
取得された前記動画において、分割開始時及び分割終了時の少なくとも一方を指定して前記動画を分割する
請求項1に記載の動画分割プログラム。
【請求項3】
同時に撮像された撮像領域の異なる複数の動画を取得し、
取得された前記複数の動画をそれぞれ前記フレーム毎の静止画に分割し、
前記フレームレート及び前記撮像領域に係る情報を表示した前記先頭画像、及び、前記動画毎に同時刻の前記静止画に対して同じフレーム番号を表示した前記画像群を、前記動画ごとに生成する
請求項1に記載の動画分割プログラム。
【請求項4】
前記フレーム番号順に前記静止画を配列した画像群を格納したファイルの生成において、前記ファイルを所定サイズ以下の複数のファイルに分けて、分けられた前記複数のファイルを生成する
請求項1に記載の動画分割プログラム。
【請求項5】
前記フレーム番号順に前記静止画を配列した画像群に対して、前記静止画の解像度に係る要素を設定し、
設定された前記要素に沿って画像群を生成する
請求項1に記載の動画分割プログラム。
【請求項6】
撮像された動画及び前記動画のフレームレートをユーザから提供された動画ファイルから取得し、
取得された前記動画を前記フレームレートの1フレーム毎の静止画に分割し、
少なくとも前記フレームレートを含む前記動画に係る情報が表示され、かつ分割され前記静止画とは異なる先頭画像、及び、フレーム番号順に前記フレーム番号が表示された前記静止画を前記先頭画像に続いて配列した画像群を生成
生成された前記画像群をファイルとして前記ユーザに対して出力する
処理をコンピュータが実行する動画分割方法。
【請求項7】
撮像された動画及び前記動画のフレームレートをユーザから提供された動画ファイルから取得する取得部と、
取得された前記動画を前記フレームレートの1フレーム毎の静止画に分割する分割部と、
少なくとも前記フレームレートを含む前記動画に係る情報が表示され、かつ分割され前記静止画とは異なる先頭画像、及び、フレーム番号順に前記フレーム番号が表示された前記静止画を前記先頭画像に続いて配列した画像群を生成する生成部と、を含み、
前記生成部において生成された前記画像群をファイルとして前記ユーザに対して出力する
動画分割装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画分割プログラム、動画分割方法及び動画分割装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び特許文献2には、動画を所定時間ずつ分割する技術が開示されている。
【0003】
特許文献3には、総フレーム数を所定の分割数で割った数まで、動画を静止画に分割する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-80129号公報
【文献】WO2017/183270号公報
【文献】特開2005-86344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、交通事故の画像解析において、ドライブレコーダにより撮像された動画を分割した静止画は重要なデータとなりうる。また同様に、事故の画像解析において、防犯カメラにより撮像された動画を分割した静止画は重要なデータとなりうる。
特許文献1及び2に記載されているように、所定時間ずつ動画を分割するだけでは交通事故等の画像解析に不十分な場合がある。
また、特許文献3に記載されているように、総フレーム数を所定の分割数で割った数まで動画を静止画に分割したとしても、少しでも多くの静止画により解析を行うには改善の余地がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、事故等の動画から解析用の静止画像を少しでも多く抽出可能とする動画分割プログラム、動画分割方法、動画分割装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様は動画分割プログラムであって、撮像された動画及び前記動画のフレームレートを取得し、取得された前記動画を前記フレームレートの1フレーム毎の静止画に分割し、少なくとも前記フレームを含む前記動画に係る情報が付された画像に加えて、フレーム番号が付されかつ前記フレーム番号順に前記静止画を配列した画像群を生成する、処理をコンピュータに実行させる。
【0008】
第2の態様の動画分割プログラムは、第1の態様の動画分割プログラムであって、取得された前記動画において、分割開始時及び分割終了時の少なくとも一方を指定して前記動画を分割する、処理をコンピュータに実行させる。
【0009】
第3の態様の動画分割プログラムは、第1の態様の動画分割プログラムであって、同時に撮像された複数の動画を取得し、取得された前記複数の動画をそれぞれ前記フレーム毎の静止画に分割し、前記動画毎に同時刻の前記静止画に対して同じフレーム番号を付した前記画像群を生成する、処理をコンピュータに実行させる。
【0010】
第4の態様の動画分割プログラムは、第1の態様の動画分割プログラムであって、前記フレーム番号順に前記静止画を配列した画像群を格納したファイルの生成において、前記ファイルを所定サイズ以下の複数のファイルに分けて、分けられた前記複数のファイルを生成する、処理をコンピュータに実行させる。
【0011】
第5の態様の動画分割プログラムは、第1の態様の動画分割プログラムであって、前記フレーム番号順に前記静止画を配列した画像群に対して、前記静止画の解像度に係る要素を設定し、設定された前記要素に沿って画像群を生成する、処理をコンピュータに実行させる。
【0012】
第6の態様は動画分割方法であって、撮像された動画及び前記動画のフレームレートを取得し、取得された前記動画を前記フレームレートの1フレーム毎の静止画に分割し、少なくとも前記フレームを含む前記動画に係る情報が付された画像に加えて、フレーム番号が付されかつ前記フレーム番号順に前記静止画を配列した画像群を生成する、処理をコンピュータが実行する。
【0013】
第7の態様は動画分割装置であって、撮像された動画及び前記動画のフレームレートを取得する取得部と、取得された前記動画を前記フレームレートの1フレーム毎の静止画に分割する分割部と、少なくとも前記フレームを含む前記動画に係る情報が付された画像に加えて、フレーム番号が付されかつ前記フレーム番号順に前記静止画を配列した画像群を生成する生成部と、を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、事故等の動画から解析用の静止画像を少しでも多く抽出できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態に係る全体構成の概略図である。
図2】本実施形態に係るサーバのハードウェア構成図である。
図3】本実施形態に係るサーバの機能構成の一例を示す説明図である。
図4】本実施形態に係るサーバのアプリケーションの実行結果としてノートパソコンに表示される画面を示すイメージ図である。
図5】本実施形態に係るサーバの動画分割処理により生成された画像群を示すイメージ図である。
図6】本実施形態に係るサーバの動画分割処理(前半)を示すフローチャートである。
図7】本実施形態に係るサーバの動画分割処理(後半)を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。
図1に、動画分割装置であるサーバ10、及び、サーバ10にアクセスする外部端末の一例であるノートパソコン20の全体構成を概略的に示す。サーバ10及び各ノートパソコン20は、それぞれネットワークNを介して相互に接続されている。ここで、サーバ10はクラウド環境に配備されている。
【0017】
図2に、サーバ10のハードウェア構成を示す。図2に示すように、サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、通信I/F(Interface)104、及びストレージ105を含んで構成されている。
CPU101、ROM102、RAM103、通信I/F104、及びストレージ105は、内部バス106を介して相互に通信可能に接続されている。
【0018】
CPU101は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各構成を制御したりする。すなわち、CPU101は、ROM102又はストレージ105からプログラムを読み出し、RAM103を作業領域としてプログラムを実行する。CPU101は、ROM102に記憶されているプログラムに従って、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。なお、CPU101は複数でもよい。
【0019】
ROM102は、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納している。ROM102には、後述する動画分割処理を実行するための動画分割プログラムが格納されている。
RAM103は、作業領域として一時的にプログラム及びデータを記憶する。
【0020】
通信I/F104は、ノートパソコン20等の他の機器と通信すべく、ネットワークNに接続するためのインタフェースである。当該通信には、たとえば、イーサネット(登録商標)若しくはFDDI等の有線通信の規格、又は、4G、5G、若しくはWi-Fi(登録商標)等の無線通信の規格が用いられる。
【0021】
ストレージ105は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、各種データを格納している。なお、オペレーティングシステムを含む各種プログラムも格納してもよい。
【0022】
図3を参照して、本実施形態に係るサーバ10の機能的な構成を説明する。図3に示すように、本実施形態のサーバ10は、CPU101がROM102に記憶されている動画分割プログラムを実行することで、取得部11、格納部13、設定部15、分割部17、及び生成部19として機能する。
【0023】
取得部11は、撮像された動画及び動画のフレームレート等の動画情報(これらを合わせて以下、「動画データ」という)を取得する。動画情報とは、例えば、動画のフレームレート、フレームレートモード(フレームレートが可変であるか固定であるかのモード)、ピクセル数、動画撮影日時、及び動画の長さ、などである。なお、動画を撮像するカメラは、車両に搭載したドライブレコーダ、街で設置している防犯カメラ、特定の建物内に配備された監視カメラ、通行人が撮影に使用したスマートフォンなどであり、撮像に使用するカメラの種類は限定されない。カメラによって撮像された動画は、例えば、SDカード等のメディアを介して、本実施形態のノートパソコン20に取り込まれる。
【0024】
そして、ノートパソコン20に取り込まれた動画データは、例えば、ノートパソコン20で実行されるブラウザのアプリケーションの画面(図4参照)でユーザに選択されることで、サーバ10の取得部11が動画データを取得する。つまり、サーバ10がノートパソコン20から動画データをダウンロードする。また、取得部11が取得する動画データの数は1に限られず、取得部11は、同時に撮像された複数の動画を取得可能である。例えば、取得部11は、車両の前方及び後方の各々に備えられたドライブレコーダで同時に撮像された複数の動画を取得する。なお、アプリケーションの画面の項目を選択する方法は、ユーザによる操作に限定されず、例えばRPA(Robotic Process Automation)によりあらかじめ設定したサイクルなどで自動化してもよい。
【0025】
格納部13は、取得部11が取得した動画データをデータベース等に格納する。このデータベースは、例えばサーバ10のストレージ105に設けられている。また格納部13は、格納しているデータに対して設定されている保存期間に応じて動画を削除してもよい。
【0026】
さらに格納部13は、後述する処理により生成されたZIP形式のファイルを当該データベース等に格納する。なお、格納部13は、当該ファイルの保存期間を設定可能であるため、例えば保存後1日後に削除されるようにライフサイクルを設定できる。
【0027】
設定部15は、図4に示したブラウザに表示される項目を設定する。詳しくは、設定部15は、処理開始のボタン(図4では「START」ボタン)が押下されると画面で選択されている項目の設定を処理に反映する。
【0028】
設定部15は、図4の抽出区間表示201Aにおいて、動画データの分割に使用する区間を設定する。抽出区間表示201Aでは、ラジオボタンにより、開始時及び終了時による抽出区間の設定と、開始時及び区間の長さによる抽出区間の設定と、を選択することができる。
【0029】
また設定部15は、図4の出力ファイル分割表示201Bにおいて、後述する生成部19によって生成される画像群を所定サイズ以下の複数のファイルに分けるか否かを設定することができる。なお、複数のファイルに分けた場合にファイル数が多くなり過ぎてしまうことを避けるべく、設定部15は、最大ファイル数を設定してもよい。
【0030】
また設定部15は、図4のマルチトラック出力表示201Cにおいて、取得部11で取得された複数の動画データに対して、全ての動画データを処理に使用するか又は先頭の動画データのみを処理に使用するかを選択することができる。
【0031】
また設定部15は、図4の圧縮率表示201Dにおいて、分割後の静止画の解像度に係る要素である画質及びファイルサイズの圧縮率を設定することができる。
【0032】
分割部17は、取得部11が取得した動画を、動画のフレームレートの1フレーム毎の静止画に分割する。また分割部17は、設定部15で複数の動画データを処理に使用するように設定されていた場合、複数の動画をそれぞれの動画のフレームレートの1フレーム毎の静止画に分割する。
【0033】
生成部19は、分割部17により分割された静止画を、フレーム番号順に配列した画像群を生成する。フレーム番号とは、動画をフレーム単位で分割した結果得られた静止画の先頭から昇順で採番した番号である。また画像群とは、分割された静止画及びフレーム番号が付された画像の集合体である。図5に示すように、画像群の先頭の画像には動画に係る情報が表示されている(画像202A参照)。また、画像群の先頭画像以降は、分割された静止画がフレーム番号順に1枚ずつ配列される(画像202B参照)。
【0034】
本実施形態の生成部19において生成される画像群のファイル様式はPowerPoint(登録商標)である。生成部19は、画像群のファイルをZIP形式のファイルとして圧縮する。
【0035】
ここで、設定部15において画像群を所定サイズ以下の複数のファイルに分ける設定が行われていた場合、生成部19は、生成したファイルを複数個に分ける。なお、生成部19が画像群を複数のファイルに分けた場合、各ファイルにおける先頭画像は、いずれも動画に係る情報の画像が表示される。
【0036】
また設定部15において全ての動画データを処理に使用する設定が行われていた場合、生成部19は、各動画において分割された静止画のそれぞれに対して、同時刻の静止画に同じフレーム番号を付して、フレーム番号順に画像を配列する。この場合、生成部19は、生成する各画像群の先頭画像を動画に係る情報とする。なお、動画に係る情報は、図5の画像202Aに限定されず、例えばドライブレコーダを車の前方後方の2カ所に搭載した場合であって、どちらの画像であるかが分かるような情報、カメラの機種名などを含む。
【0037】
なお、ZIP形式のファイルがデータベースであるストレージ105に格納された後、サーバ10は、動画データのダウンロードを行ったノートパソコン20に向けて通知を行う。本実施形態では、通知として、予め登録されているユーザに向けてメールを送信する。このメールには、画像群に係るファイルのダウンロード用のURL、ダウンロード有効期限、動画分割時の設定情報、及び動画分割の結果情報、などが記載されている。そして、ノートパソコン20上で受信したメールに記載されているURLをクリックすると、画像群を有するZIP形式のファイルをダウンロードすることができる。なお、通知方法はメールに限られず、ブラウザの画面(図4参照)にファイルダウンロード用のURLなどが表示されてもよい。
【0038】
次に、本実施形態に係るサーバ10の作用について説明する。サーバ10では、図6及び図7に示す動画分割処理が実行される。動画分割処理は、CPU101が取得部11、格納部13、設定部15、分割部17、及び生成部19として機能することにより実行される。なお、動画分割処理は、本発明の動画分割方法の一例である。
図6及び図7を参照して、動画分割処理について説明する。
【0039】
ステップS120で、CPU101が、カメラで撮像された動画をネットワークN経由で取得する。
【0040】
ステップS122で、CPU101が、複数の動画を取得した際に処理を繰り返すカウンタとして例えば変数mに1を代入する。また、処理する動画が単数であるか複数であるかを示すフラグとして、例えば変数である複数フラグにfalseを代入する。
【0041】
ステップS124で、CPU101が、取得した動画の数が複数であるか否かを判定する。CPU101が、取得した動画の数が複数であると判定した場合(ステップS124:YES)、ステップS126へ移行する。対して、CPU101が、取得した動画の数が複数ではないと判定した場合(ステップS124:NO)、ステップS128へ移行する。
【0042】
ステップS126で、CPU101が、変数mに取得した動画の数を代入する。また、変数である複数フラグにtrueを代入する。そして、ステップS128へ移行する。
【0043】
ステップS128で、CPU101が、1つの動画のフレームレートを取得する。
【0044】
ステップS130で、CPU101が、1つの動画を1フレーム毎の静止画に分割する。
【0045】
ステップS132で、CPU101が、変数mの値が1であるか否かを判定する。CPU101が、変数mの値は1ではないと判定した場合(ステップS132:NO)、ステップS134へ移行する。対して、CPU101が、変数mの値は1であると判定した場合(ステップS132:YES)、図7のステップS136へ移行する。
【0046】
ステップS134で、CPU101が、変数mの値から1を減算する。そして、ステップS128へ戻る。
【0047】
ステップS136で、CPU101が、変数である複数フラグの値がtrueであるか否かを判定する。CPU101が、複数フラグの値はtrueであると判定した場合(ステップS136:YES)、ステップS138へ移行する。対して、CPU101が、複数フラグの値はtrueではないと判定した場合(ステップS136:NO)、ステップS142へ移行する。
【0048】
ステップS138で、CPU101が、複数の動画の動画毎に生成する画像群の先頭画像に、動画に係る情報を記載する。動画に係る情報とは、前述の通り、動画のフレームレート、フレームレートモード、ピクセル数、動画撮影日時、及び動画の長さ、などである。また、複数の動画であるため、どのカメラで撮影したかが分かる情報も記載してよい。例えばカメラが車両のドライブレコーダの場合に、フロントカメラ、バックカメラという取り付けた方向の分かる情報などである。
【0049】
ステップS140で、CPU101が、複数の動画の動画毎に分割済みである静止画に対して、同時刻の静止画に同じフレーム番号を付しながら各静止画にフレーム番号を付す。また、複数の動画であるため、どのカメラで撮影した静止画かが分かる情報を、各静止画に付してよい。そして、ステップS146へ移行する。
【0050】
ステップS142で、CPU101が、生成する画像群の先頭画像に、動画に係る情報を記載する。
【0051】
ステップS144で、CPU101が、分割済みである静止画にフレーム番号を付す。
【0052】
ステップS146で、CPU101が、フレーム番号順に静止画を配列する。その際に、先頭には動画に係る情報の画像(上述の「先頭画像」に該当)を配置し、先頭画像以降はフレーム番号順に静止画を配列する。
【0053】
ステップS148で、CPU101が、配列された画像群を生成する。なお、生成された画像群はファイルで管理され格納部13によって、例えばストレージ105のデータベース等に格納される(詳細は前述を参照)。
【0054】
ステップS150で、CPU101が、格納したファイルのダウンロード用のURL等が記載されたメールをユーザ宛に送信する。そして、処理を終了する。
【0055】
(まとめ)
以上説明したように、本実施形態の動画分割装置であるサーバ10は撮像された動画及び動画のフレームレートを取得し、取得された動画を1フレーム毎の静止画に分割する。そして、サーバ10は、フレームレートを含む動画に係る情報が付された画像に加えて、フレーム番号が付されかつ当該フレーム番号順に配列された静止画を含む画像群を生成する。したがって本実施形態によれば、事故等の動画から解析用の静止画像を少しでも多く抽出できる。
【0056】
また、本実施形態は取得された動画において、分割開始時及び分割終了時の少なくとも一方を指定して動画を分割する。したがって本実施形態によれば、分割区間を指定することで解析等に不要な区間を除去できる。
【0057】
また、本実施形態は撮像された複数の動画を取得し、取得された複数の動画をそれぞれフレーム毎の静止画に分割し、動画毎に同時刻の静止画に対して同じフレーム番号を付した画像群を生成する。したがって本実施形態によれば、事故等の動画から解析用の静止画像を少しでも多く抽出できるだけでなく、複数の動画の同じ時刻の静止画も同様に抽出することで、アングルが異なるような複数の場所から撮影した動画の静止画を解析に使用できる。
【0058】
また、本実施形態はフレーム番号順に静止画を配列した画像群を格納したファイルの生成において、ファイルを所定サイズ以下の複数のファイルに分けて生成する。したがって本実施形態によれば、画像群を格納したファイルのサイズが大きくなってしまった場合にも対応できる。ファイルのサイズが小さくなることでダウンロード時間を短縮できる。
【0059】
また、本実施形態はフレーム番号順に静止画を配列した画像群に対して、静止画の解像度に係る要素を設定し、設定された要素に沿って生成された画像群を生成する。したがって本実施形態によれば、解析に使用する静止画の画質を用途に合わせて調整できる。画像群を低画質に設定することでデータサイズを小さくできる。
【0060】
ここで、動画は静止画の集まりであることから、例えばフレームレートが30fps(frames per second)であれば、1秒の動画は30枚の静止画、すなわち30枚のフレームから構成される。本実施形態のように、動画をフレーム単位で分割することは、つまり動画における静止画の最大数で分割していることであり、換言すると動画を最も細かく分割したこと(以下、「最小単位で分割」という)と同義である。
【0061】
以下に、本実施形態の動画分割装置であるサーバ10によって、最小単位で分割された静止画の利用ケースを説明する。利用ケースは、主に2種類あり、「画像鮮明化」及び「映像解析」である。サーバ10における「画像鮮明化」及び「映像解析」の処理は、上述した動画分割処理を合わせて実行してもよい。なお、いずれも事故の動画の解析に関わる利用ケースを例に説明するが利用方法はそれに限定されない。
【0062】
まず、「画像鮮明化」においては、本実施形態により動画を最小単位で分割できることで、解析の対象となる静止画の枚数が多くなるため、解析に最適な静止画を選ぶことができる。例えば、撮影した動画がぶれている場合、カメラのピントが合っていなかった場合、カメラの撮影角度が不良であった場合などに有効である。
【0063】
これらの事例としては、走行中の車両に当て逃げされた場合等のナンバープレートの特定、信号色の特定、合図有無の特定、一時停止有無の特定、社名や看板の特定、前方不注視の特定がある。
【0064】
また、「映像解析」においては、元の映像の静止画をコマ送りにして調査をする作業があるが、本実施形態によれば動画の最小単位の静止画が入手可能となるため調査の精度を向上できる場合がある。
【0065】
具体例として、交差点での左折車両と優先道路側の直進車両の衝突事故の立証で使用する例を説明する。
本実施形態の動画分割装置であるサーバ10を用いて事故現場の動画をフレーム単位で静止画に分割した際に、例えばフレーム番号3884(この時点を0秒とする)の静止画に、優先道路側の直進信号の青色点灯が映り込んでいたとする。またフレーム番号4251(12.3秒後)の静止画に、優先道路側の直進信号の赤色点灯が映り込んでいたとする。またフレーム番号4523(21.3秒後)の静止画は衝突直前の様子であったとする。なお、フレーム番号4251とフレーム番号4523の経過時間はフレームレートから算出可能である。また、交差点の事故現場を調査し信号サイクル(本事例では、青色53秒→黄色2秒→赤色24秒)を確認し、先ほどのフレーム番号時点の信号の色と照らし合わせることで、誤認でないことを確認可能である。
本事例では、サーバ10により分割された静止画の上述の情報によって、フレーム番号4251とフレーム番号4523まで9.0秒ほど時間があることを立証でき、故に優先道路側の直進車両は安全に停止するための猶予時間があったと判断され、どちらにミスがあるかの争点に決着を付けられる場合がある。
【0066】
このように、本実施形態のサーバ10により、事故状況の特定、衝突順序の特定、車両の速度の特定、車線変更や合図タイミングの特定、及び運転者の特定にも応用できる。
【0067】
なお、本実施形態のサーバ10は映像復元も可能である。例えば、データの削除や端末の破損や初期化等で再生できなくなった動画を復元することも可能である。
【0068】
(備考)
上記実施形態でCPU101がソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した動画分割処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、送信処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0069】
また、上記実施形態では、動画分割プログラムが記憶装置に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【符号の説明】
【0070】
N ネットワーク
10 動画分割装置
11 取得部
13 格納部
15 設定部
17 分割部
19 生成部
20 ノートパソコン
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 通信I/F
105 ストレージ
106 内部バス
202A 画像(動画に係る情報が付された画像)
202B 画像(フレーム毎の静止画)
【要約】
【課題】事故の画像解析の前処理の精度を向上させ効率良く解析できる。
【解決手段】動画分割プログラムは、撮像された動画及び前記動画のフレームレートを取得し、取得された前記動画を前記フレームレートの1フレーム毎の静止画に分割し、少なくとも前記フレームを含む前記動画に係る情報が付された画像に加えて、フレーム番号が付されかつ前記フレーム番号順に前記静止画を配列した画像群を生成する、処理をコンピュータに実行させる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7