(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-21
(45)【発行日】2023-08-29
(54)【発明の名称】情報管理装置、端末装置、情報処理システム、情報管理プログラム及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 76/20 20180101AFI20230822BHJP
H04W 4/38 20180101ALI20230822BHJP
H04W 4/00 20180101ALI20230822BHJP
【FI】
H04W76/20
H04W4/38
H04W4/00 110
(21)【出願番号】P 2019105125
(22)【出願日】2019-06-05
【審査請求日】2022-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115129
【氏名又は名称】清水 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100102716
【氏名又は名称】在原 元司
(74)【代理人】
【識別番号】100122275
【氏名又は名称】竹居 信利
(72)【発明者】
【氏名】山本 真一郎
【審査官】齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-195198(JP,A)
【文献】特表2014-532386(JP,A)
【文献】特開2012-165249(JP,A)
【文献】国際公開第2014/181439(WO,A1)
【文献】特開2016-132368(JP,A)
【文献】特開2014-138374(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0007983(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置の識別情報と、該端末装置から取得したデータとを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記端末装置と携帯電話通信網の基地局を介してデータの送受信を行う第1の通信方式で通信する第1通信手段と、
前記第1通信手段より通信可能なデータ量が多い第2の通信方式で通信する第2通信手段と、
前記端末装置から、該端末装置で取得された第1データと該端末装置の識別情報とを含むデータを、前記第1通信手段を用いて取得する第1データ取得手段と、
前記第1データ取得手段で取得した前記第1データに変化が生じた場合に、前記第2の通信方式を用いてデータを送信する指示を前記端末装置に送信する指示送信手段と
を有
し、
前記第1通信手段は、前記端末装置と携帯電話通信網の基地局との間の携帯電話通信における通信手順で用いられる固定長のデータ領域である第1領域と通信手順で通信確立した後にデータ通信で用いられ送信されるデータに応じた可変長の領域である第2領域のうち、該第1領域内に該端末装置で取得されたデータが含まれており、該第1領域のみの送受信をする第1の通信方式を用いて該基地局を介してデータの送受信を行う、
情報管理装置。
【請求項2】
前記第1通信手段が行う第1の通信方式は、LPWA(Low Power, Wide Areaの略)である、
請求項1に記載の情報管理装置。
【請求項3】
前記通信手段は、ファイアウォールで保護された通信回線に接続された中継装置とインターネットを介して通信する、
請求項1又は2に記載の情報管理装置。
【請求項4】
前記第2データは、前記第1データよりも多いデータ量であり、
前記指示送信手段は、前記第1データより詳細なデータの取得が必要である場合に、前記指示情報を送信する、
請求項1に記載の情報管理装置。
【請求項5】
前記指示情報には、前記端末装置が取得すべき情報の種別を示す情報を含む、
請求項4に記載の情報管理装置。
【請求項6】
前記指示情報には、前記第1データに含まれる情報の種別に加えて、該種別とは異なる種別を示す情報を含む、
請求項5に記載の情報管理装置。
【請求項7】
前記指示情報には、データ取得の間隔を示す情報を含む、
請求項4に記載の情報管理装置。
【請求項8】
前記指示情報には、データ送信の間隔を示す情報を含む、
請求項4に記載の情報管理装置。
【請求項9】
前記指示送信手段は、前記第1データ取得手段が取得した第1データが予め定められた条件で変動した場合、前記指示情報を送信する、
請求項4に記載の情報管理装置。
【請求項10】
ファイアウォールで保護された通信回線に接続された前記端末装置から、該端末装置で取得された第2データと該端末装置の識別情報とを含むデータを、前記第2通信手段を用いて取得する第2データ取得手段
をさらに有し、
前記指示送信手段は、前記第2データ取得手段によって取得された第2データが、予め定められた前記条件に適合しなくなった場合、中継装置を介した通信から基地局を介した通信を行うように変更する変更情報を送信する、
請求項9に記載の情報管理装置。
【請求項11】
前記条件として、前記第1データ取得手段による第1データの取得の間隔が過去の取得の間隔よりも長くなった場合とする、
請求項9に記載の情報管理装置。
【請求項12】
ファイアウォールで保護された通信回線に接続された前記端末装置から、該端末装置で取得された第2データと該端末装置の識別情報とを含むデータを、前記第2通信手段を用いて取得する第2データ取得手段
をさらに有し、
前記記憶手段は、前記識別情報と前記端末装置の利用者の情報とを対応付けて記憶し、
前記第2データ取得手段による第2データの取得が不可能である場合、該端末装置の識別情報に対応する利用者へ通知を行う通知手段
をさらに有する請求項1に記載の情報管理装置。
【請求項13】
前記通知手段は、前記端末装置から、中継装置を介した通信が不可能である旨の情報を受信した場合、該端末装置の識別情報に対応する利用者へ通知を行う、
請求項12に記載の情報管理装置。
【請求項14】
端末装置と携帯電話通信網の基地局との間の携帯電話通信で扱うデータには少なくとも2つ以上の領域があり、該領域のうち第1領域は他の領域である第2領域よりも少ないデータ量であり、該第1領域内に該端末装置で取得されたデータが含まれており、該第1領域のみの送受信をする通信方式を用いて該基地局を介して、ファイアウォール外の情報管理装置との間でデータの送受信を行う第3通信手段と、
ファイアウォール内の中継装置と近距離無線通信する第4通信手段と、
データを取得する第3データ取得手段と、
前記第3データ取得手段が取得するデータより多くのデータを取得する第4データ取得手段と、
前記第3データ取得手段が取得したデータを、前記第3通信手段を用いて前記情報管理装置に送信し、該第3通信手段が基地局を介した通信から中継装置を介した通信を行うように指示する指示情報を受信した場合は、前記第4データ取得手段が取得したデータを、前記第4通信手段を用いて前記情報管理装置に送信するように制御する制御手段と
を有する端末装置。
【請求項15】
端末装置の識別情報と、該端末装置から取得したデータとを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記端末装置と携帯電話通信網の基地局との間の携帯電話通信における通信手順で用いられる固定長のデータ領域である第1領域と通信手順で通信確立した後にデータ通信で用いられ送信されるデータに応じた可変長の領域である第2領域のうち、該第1領域内に該端末装置で取得されたデータが含まれており、該第1領域のみの送受信をする通信方式を用いて該基地局を介してデータの送受信を行う第1通信手段と、
ファイアウォールで保護された通信回線に接続された中継装置とインターネットを介して通信する第2通信手段と、
前記端末装置から、該端末装置で取得された第1データと該端末装置の識別情報とを含むデータを、前記第1通信手段を用いて取得する第1データ取得手段と、
前記ファイアウォールで保護された通信回線に接続された前記端末装置から、該端末装置で取得された第2データと該端末装置の識別情報とを含むデータを、前記第2通信手段を用いて取得する第2データ取得手段と、
前記第1データ取得手段又は前記第2データ取得手段によって取得されたデータを、前記記憶手段に記憶させるように制御する記憶制御手段と、
基地局を介した通信から中継装置を介した通信を行うように指示する指示情報を、前記第1通信手段を用いて前記端末装置に送信する指示送信手段と
を有する情報管理装置と、
前記通信方式を用いて前記基地局を介して、ファイアウォール外の前記情報管理装置との間でデータの送受信を行う第3通信手段と、
ファイアウォール内の前記中継装置と近距離無線通信する第4通信手段と、
データを取得する第3データ取得手段と、
前記第3データ取得手段が取得するデータより多くのデータを取得する第4データ取得手段と、
前記第3データ取得手段が取得したデータを、前記第3通信手段を用いて前記情報管理装置に送信し、該第3通信手段が基地局を介した通信から中継装置を介した通信を行うように指示する指示情報を受信した場合は、前記第4データ取得手段が取得したデータを、前記第4通信手段を用いて前記情報管理装置に送信するように制御する制御手段と
を有する端末装置
を有する情報処理システム。
【請求項16】
端末装置の識別情報と、該端末装置から取得したデータとを対応付けて記憶する記憶手段を有しているコンピュータを、
前記端末装置と携帯電話通信網の基地局を介してデータの送受信を行う第1の通信方式で通信する第1通信手段と、
前記第1通信手段より通信可能なデータ量が多い第2の通信方式で通信する第2通信手段と、
前記端末装置から、該端末装置で取得された第1データと該端末装置の識別情報とを含むデータを、前記第1通信手段を用いて取得する第1データ取得手段と、
前記第1データ取得手段で取得した前記第1データに変化が生じた場合に、前記第2の通信方式を用いてデータを送信する指示を前記端末装置に送信する指示送信手段
として機能させ
、
前記第1通信手段は、前記端末装置と携帯電話通信網の基地局との間の携帯電話通信における通信手順で用いられる固定長のデータ領域である第1領域と通信手順で通信確立した後にデータ通信で用いられ送信されるデータに応じた可変長の領域である第2領域のうち、該第1領域内に該端末装置で取得されたデータが含まれており、該第1領域のみの送受信をする第1の通信方式を用いて該基地局を介してデータの送受信を行う、
情報管理プログラム。
【請求項17】
コンピュータを、
端末装置と携帯電話通信網の基地局との間の携帯電話通信で扱うデータには少なくとも2つ以上の領域があり、該領域のうち第1領域は他の領域である第2領域よりも少ないデータ量であり、該第1領域内に該端末装置で取得されたデータが含まれており、該第1領域のみの送受信をする通信方式を用いて該基地局を介して、ファイアウォール外の情報管理装置との間でデータの送受信を行う第3通信手段と、
ファイアウォール内の中継装置と近距離無線通信する第4通信手段と、
データを取得する第3データ取得手段と、
前記第3データ取得手段が取得するデータより多くのデータを取得する第4データ取得手段と、
前記第3データ取得手段が取得したデータを、前記第3通信手段を用いて前記情報管理装置に送信し、該第3通信手段が基地局を介した通信から中継装置を介した通信を行うように指示する指示情報を受信した場合は、前記第4データ取得手段が取得したデータを、前記第4通信手段を用いて前記情報管理装置に送信するように制御する制御手段
として機能させるための情報処理プログラム。
【請求項18】
端末装置の識別情報と、該端末装置から取得したデータとを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記端末装置と携帯電話通信網の基地局との間の携帯電話通信における通信手順で用いられる固定長のデータ領域である第1領域と通信手順で通信確立した後にデータ通信で用いられ送信されるデータに応じた可変長の領域である第2領域のうち、該第1領域内に該端末装置で取得されたデータが含まれており、該第1領域のみの送受信をする通信方式を用いて該基地局を介してデータの送受信を行う第1通信手段と、
ファイアウォールで保護された通信回線に接続された中継装置とインターネットを介して通信する第2通信手段と、
前記端末装置から、該端末装置で取得された第1データと該端末装置の識別情報とを含むデータを、前記第1通信手段を用いて取得する第1データ取得手段と、
前記ファイアウォールで保護された通信回線に接続された前記端末装置から、該端末装置で取得された第2データと該端末装置の識別情報とを含むデータを、前記第2通信手段を用いて取得する第2データ取得手段と、
前記第1データ取得手段又は前記第2データ取得手段によって取得されたデータを、前記記憶手段に記憶させるように制御する記憶制御手段と、
基地局を介した通信から中継装置を介した通信を行うように指示する指示情報を、前記第1通信手段を用いて前記端末装置に送信する指示送信手段と
を有し
、
前記第1通信手段は、前記端末装置と携帯電話通信網の基地局との間の携帯電話通信における通信手順で用いられる固定長のデータ領域である第1領域と通信手順で通信確立した後にデータ通信で用いられ送信されるデータに応じた可変長の領域である第2領域のうち、該第1領域内に該端末装置で取得されたデータが含まれており、該第1領域のみの送受信をする第1の通信方式を用いて該基地局を介してデータの送受信を行う、
情報管理装置と、
前記通信方式を用いて前記基地局を介して、ファイアウォール外の前記情報管理装置との間でデータの送受信を行う第3通信手段と、
ファイアウォール内の前記中継装置と近距離無線通信する第4通信手段と、
データを取得する第3データ取得手段と、
前記第3データ取得手段が取得するデータより多くのデータを取得する第4データ取得手段と、
前記第3データ取得手段が取得したデータを、前記第3通信手段を用いて前記情報管理装置に送信し、該第3通信手段が基地局を介した通信から中継装置を介した通信を行うように指示する指示情報を受信した場合は、前記第4データ取得手段が取得したデータを、前記第4通信手段を用いて前記情報管理装置に送信するように制御する制御手段と
を有する端末装置
を有する情報処理システム。
【請求項19】
前記第1通信手段が行う第1の通信方式は、NIDD(Non-IP Data Deliveryの略)である、
請求項1、3から13のいずれか1項に記載の情報管理装置。
【請求項20】
前記第3通信手段が行う通信方式は、LPWA(Low Power, Wide Areaの略)である、
請求項14に記載の情報管理装置。
【請求項21】
前記第3通信手段が行う通信方式は、NIDD(Non-IP Data Deliveryの略)である、
請求項14に記載の情報管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報管理装置、端末装置、情報処理システム、情報管理プログラム及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、端末装置が情報管理装置にデータを送信する際に、データの種類や容量に基づき、携帯電話通信網とインターネットの通信を択一的に選択して送信することが開示されている。具体的には、無線電話機能を有すると共に低コストで高速転送の無線通信を実現する携帯型情報機器及び回線切替え方法を提供することを課題とし、携帯電話機は、無線電話回線及び前記無線電話回線のうちの一方が選択的に使用されるように切替えを行うようになっており、無線電話回線を通じて送られてくるデータの受信の禁止を設定したり、データ送信の際には無線LAN回線が優先的に使用されるよう設定したりすることが可能であり、社内専用線上の情報機器と通信を行う際に無線LAN回線を使用すれば、企業側のシステムによって通信費を低減でき、また、データ転送の際に介在する媒体の種類が少なく、高い転送速度を実現できることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、端末装置側の判断で決定されたデータの通信経路を通じて、情報管理装置が端末装置からデータを受信する場合と比較して、情報管理装置が端末装置から取得したデータを取り扱うのに、より都合のよい通信経路を通じて、情報管理装置が端末装置からデータを取得できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。なお、以下の「請求項」とあるのは、出願当初の請求項である。
請求項1の発明は、端末装置の識別情報と、該端末装置から取得したデータとを対応付けて記憶する記憶手段と、前記端末装置と携帯電話通信網の基地局を介してデータの送受信を行う第1の通信方式で通信する第1通信手段と、前記第1通信手段より通信可能なデータ量が多い第2の通信方式で通信する第2通信手段と、前記端末装置から、該端末装置で取得された第1データと該端末装置の識別情報とを含むデータを、前記第1通信手段を用いて取得する第1データ取得手段と、前記第1データ取得手段で取得した前記第1データに変化が生じた場合に、前記第2の通信方式を用いてデータを送信する指示を前記端末装置に送信する指示送信手段とを有する情報管理装置である。
【0006】
請求項2の発明は、前記第1通信手段は、前記端末装置と携帯電話通信網の基地局との間の携帯電話通信における通信手順で用いられる固定長のデータ領域である第1領域と通信手順で通信確立した後にデータ通信で用いられ送信されるデータに応じた可変長の領域である第2領域のうち、該第1領域内に該端末装置で取得されたデータが含まれており、該第1領域のみの送受信をする第1の通信方式を用いて該基地局を介してデータの送受信を行う、請求項1に記載の情報管理装置である。
【0007】
請求項3発明は、前記第2の通信手段は、ファイアウォールで保護された通信回線に接続された中継装置とインターネットを介して通信する、請求項1又は2に記載の情報管理装置である。
【0008】
請求項4の発明は、前記第2データは、前記第1データよりも多いデータ量であり、前記指示送信手段は、前記第1データより詳細なデータの取得が必要である場合に、前記指示情報を送信する、請求項1に記載の情報管理装置である。
【0009】
請求項5の発明は、前記指示情報には、前記端末装置が取得すべき情報の種別を示す情報を含む、請求項4に記載の情報管理装置である。
【0010】
請求項6の発明は、前記指示情報には、前記第1データに含まれる情報の種別に加えて、該種別とは異なる種別を示す情報を含む、請求項5に記載の情報管理装置である。
【0011】
請求項7の発明は、前記指示情報には、データ取得の間隔を示す情報を含む、請求項4に記載の情報管理装置である。
【0012】
請求項8の発明は、前記指示情報には、データ送信の間隔を示す情報を含む、請求項4に記載の情報管理装置である。
【0013】
請求項9の発明は、前記指示送信手段は、前記第1データ取得手段が取得した第1データが予め定められた条件で変動した場合、前記指示情報を送信する、請求項4に記載の情報管理装置である。
【0014】
請求項10の発明は、ファイアウォールで保護された通信回線に接続された前記端末装置から、該端末装置で取得された第2データと該端末装置の識別情報とを含むデータを、前記第2通信手段を用いて取得する第2データ取得手段をさらに有し、前記指示送信手段は、前記第2データ取得手段によって取得された第2データが、予め定められた前記条件に適合しなくなった場合、中継装置を介した通信から基地局を介した通信を行うように変更する変更情報を送信する、請求項9に記載の情報管理装置である。
【0015】
請求項11の発明は、前記条件として、前記第1データ取得手段による第1データの取得の間隔が過去の取得の間隔よりも長くなった場合とする、請求項9に記載の情報管理装置である。
【0016】
請求項12の発明は、ファイアウォールで保護された通信回線に接続された前記端末装置から、該端末装置で取得された第2データと該端末装置の識別情報とを含むデータを、前記第2通信手段を用いて取得する第2データ取得手段をさらに有し、前記記憶手段は、前記識別情報と前記端末装置の利用者の情報とを対応付けて記憶し、前記第2データ取得手段による第2データの取得が不可能である場合、該端末装置の識別情報に対応する利用者へ通知を行う通知手段をさらに有する請求項1に記載の情報管理装置である。
【0017】
請求項13の発明は、前記通知手段は、前記端末装置から、中継装置を介した通信が不可能である旨の情報を受信した場合、該端末装置の識別情報に対応する利用者へ通知を行う、請求項12に記載の情報管理装置である。
【0018】
請求項14の発明は、端末装置と携帯電話通信網の基地局との間の携帯電話通信で扱うデータには少なくとも2つ以上の領域があり、該領域のうち第1領域は他の領域である第2領域よりも少ないデータ量であり、該第1領域内に該端末装置で取得されたデータが含まれており、該第1領域のみの送受信をする通信方式を用いて該基地局を介して、ファイアウォール外の情報管理装置との間でデータの送受信を行う第3通信手段と、ファイアウォール内の中継装置と近距離無線通信する第4通信手段と、データを取得する第3データ取得手段と、前記第3データ取得手段が取得するデータより多くのデータを取得する第4データ取得手段と、前記第3データ取得手段が取得したデータを、前記第3通信手段を用いて前記情報管理装置に送信し、該第3通信手段が基地局を介した通信から中継装置を介した通信を行うように指示する指示情報を受信した場合は、前記第4データ取得手段が取得したデータを、前記第4通信手段を用いて前記情報管理装置に送信するように制御する制御手段とを有する端末装置である。
【0019】
請求項15の発明は、端末装置の識別情報と、該端末装置から取得したデータとを対応付けて記憶する記憶手段と、前記端末装置と携帯電話通信網の基地局との間の携帯電話通信における通信手順で用いられる固定長のデータ領域である第1領域と通信手順で通信確立した後にデータ通信で用いられ送信されるデータに応じた可変長の領域である第2領域のうち、該第1領域内に該端末装置で取得されたデータが含まれており、該第1領域のみの送受信をする通信方式を用いて該基地局を介してデータの送受信を行う第1通信手段と、ファイアウォールで保護された通信回線に接続された中継装置とインターネットを介して通信する第2通信手段と、前記端末装置から、該端末装置で取得された第1データと該端末装置の識別情報とを含むデータを、前記第1通信手段を用いて取得する第1データ取得手段と、前記ファイアウォールで保護された通信回線に接続された前記端末装置から、該端末装置で取得された第2データと該端末装置の識別情報とを含むデータを、前記第2通信手段を用いて取得する第2データ取得手段と、前記第1データ取得手段又は前記第2データ取得手段によって取得されたデータを、前記記憶手段に記憶させるように制御する記憶制御手段と、基地局を介した通信から中継装置を介した通信を行うように指示する指示情報を、前記第1通信手段を用いて前記端末装置に送信する指示送信手段とを有する情報管理装置と、前記通信方式を用いて前記基地局を介して、ファイアウォール外の前記情報管理装置との間でデータの送受信を行う第3通信手段と、ファイアウォール内の前記中継装置と近距離無線通信する第4通信手段と、データを取得する第3データ取得手段と、前記第3データ取得手段が取得するデータより多くのデータを取得する第4データ取得手段と、前記第3データ取得手段が取得したデータを、前記第3通信手段を用いて前記情報管理装置に送信し、該第3通信手段が基地局を介した通信から中継装置を介した通信を行うように指示する指示情報を受信した場合は、前記第4データ取得手段が取得したデータを、前記第4通信手段を用いて前記情報管理装置に送信するように制御する制御手段とを有する端末装置を有する情報処理システムである。
【0020】
請求項16の発明は、端末装置の識別情報と、該端末装置から取得したデータとを対応付けて記憶する記憶手段を有しているコンピュータを、前記端末装置と携帯電話通信網の基地局を介してデータの送受信を行う第1の通信方式で通信する第1通信手段と、前記第1通信手段より通信可能なデータ量が多い第2の通信方式で通信する第2通信手段と、前記端末装置から、該端末装置で取得された第1データと該端末装置の識別情報とを含むデータを、前記第1通信手段を用いて取得する第1データ取得手段と、前記第1データ取得手段で取得した前記第1データに変化が生じた場合に、前記第2通信方式を用いてデータを送信する指示を前記端末装置に送信する指示送信手段として機能させるための情報管理プログラムである。
【0021】
請求項17の発明は、コンピュータを、端末装置と携帯電話通信網の基地局との間の携帯電話通信で扱うデータには少なくとも2つ以上の領域があり、該領域のうち第1領域は他の領域である第2領域よりも少ないデータ量であり、該第1領域内に該端末装置で取得されたデータが含まれており、該第1領域のみの送受信をする通信方式を用いて該基地局を介して、ファイアウォール外の情報管理装置との間でデータの送受信を行う第3通信手段と、ファイアウォール内の中継装置と近距離無線通信する第4通信手段と、データを取得する第3データ取得手段と、前記第3データ取得手段が取得するデータより多くのデータを取得する第4データ取得手段と、前記第3データ取得手段が取得したデータを、前記第3通信手段を用いて前記情報管理装置に送信し、該第3通信手段が基地局を介した通信から中継装置を介した通信を行うように指示する指示情報を受信した場合は、前記第4データ取得手段が取得したデータを、前記第4通信手段を用いて前記情報管理装置に送信するように制御する制御手段として機能させるための情報処理プログラムである。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の情報管理装置によれば、情報管理装置が、端末装置から取得したいデータを効率的に取得することができる。
【0023】
請求項2の情報管理装置によれば、端末装置と携帯電話通信網の基地局との間の携帯電話通信における通信手順でデータの送受信を行うことができる。
【0024】
請求項3の情報管理装置によれば、ファイアウォールで保護された通信回線に接続された中継装置とインターネットを介して通信することができる。
【0025】
請求項4の情報管理装置によれば、第1データより詳細なデータの取得が必要である場合に、中継装置とインターネットを介した通信に変更することができる。
【0026】
請求項5の情報管理装置によれば、端末装置が取得すべき情報の種別を指定することができる。
【0027】
請求項6の情報管理装置によれば、第1データとは異なる種別のデータを取得することができる。
【0028】
請求項7の情報管理装置によれば、データ取得の間隔を指定することができる。
【0029】
請求項8の情報管理装置によれば、データ送信の間隔を指定することができる。
【0030】
請求項9の情報管理装置によれば、第1データが予め定められた条件で変動した場合、中継装置とインターネットを介した通信を行わせることができる。
【0031】
請求項10の情報管理装置によれば、第2データが、予め定められた条件に適合しなくなった場合、基地局を介した通信に変更することができる。
【0032】
請求項11の情報管理装置によれば、第1データの取得の間隔が過去の取得の間隔よりも長くなった場合、中継装置とインターネットを介した通信を行わせることができる。
【0033】
請求項12の情報管理装置によれば、第2データの取得が不可能であることを、利用者に知らせることができる。
【0034】
請求項13の情報管理装置によれば、中継装置を介した通信が不可能であることを、利用者に知らせることができる。
【0035】
請求項14の端末装置によれば、データ送信先である情報管理装置が、端末装置から取得したデータを効率的に取り扱うことができる。
【0036】
請求項15の情報処理システムによれば、情報管理装置が、端末装置から取得したデータを効率的に取り扱うことができる。
【0037】
請求項16の情報管理プログラムによれば、コンピュータが、端末装置から取得したいデータを効率的に取得することができる。
【0038】
請求項17の情報処理プログラムによれば、データ送信先である情報管理装置が、端末装置から取得したデータを効率的に取り扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本実施の形態(情報管理装置)の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
【
図2】本実施の形態(端末装置)の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
【
図3】本実施の形態を利用したシステム構成例を示す説明図である。
【
図4】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【
図5】送信データのデータ構造例を示す説明図である。
【
図6】ユーザー・端末装置対応テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【
図7】ユーザー管理テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【
図8】端末装置・位置対応テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【
図9】ユーザー・計測データ対応テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【
図10】指示情報テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【
図11】装置データのデータ構造例を示す説明図である。
【
図12】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【
図13】中継装置・位置対応テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【
図14】中継装置・端末装置ペア管理テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【
図15】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【
図16】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【
図17】本実施の形態の変形例1を用いた処理例を示す説明図である。
【
図18】本実施の形態の変形例2を用いた処理例を示す説明図である。
【
図19】本実施の形態(中継装置)を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図20】本実施の形態(情報管理装置)を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な一実施の形態の例を説明する。
図1は、本実施の形態である情報管理装置100の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(「ソフトウェア」の解釈として、コンピュータ・プログラムを含む)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(例えば、コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するという意味である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(例えば、データの授受、指示、データ間の参照関係、ログイン等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態にしたがって、又はそれまでの状況・状態にしたがって定まることの意を含めて用いる。「予め定められた値」が複数ある場合は、それぞれ異なった値であってもよいし、2以上の値(「2以上の値」には、もちろんのことながら、全ての値も含む)が同じであってもよい。また、「Aである場合、Bをする」という記載は、「Aであるか否かを判断し、Aであると判断した場合はBをする」の意味で用いる。ただし、Aであるか否かの判断が不要である場合を除く。また、「A、B、C」等のように事物を列挙した場合は、断りがない限り例示列挙であり、その1つのみを選んでいる場合(例えば、Aのみ)を含む。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(「ネットワーク」には、一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(つまり、社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスクドライブ、RAM(Random Access Memoryの略)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unitの略)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
近年、IoT機器から情報管理装置がデータを取得するための広域での通信手段として、現状の携帯電話通信よりも低消費電力、低ビットレートでの通信を可能とした様々なLPWA(Low Power, Wide Areaの略)の通信規格が提案されている。
LPWAとして、SIGFOX(登録商標)、LoRa(登録商標)、Wi-Fi HaLow、Wi-SUN、NB-IoTなどが知られており、いずれもBluetooth(登録商標)などの近距離無線(~数十m程度)では満たせない範囲をカバーする無線アクセス通信方式である。これらはいずれも、狭い通信帯域で済み、低消費電力、低ビットレート、広域カバレッジを特徴としている。
【0041】
本実施の形態である情報管理装置100は、端末装置200から送信されてきたデータを取得して、そのデータを管理する機能を有しており、
図1の例に示すように、通信Aモジュール105、通信Bモジュール110、データ取得Aモジュール115、データ取得Bモジュール120、記憶制御モジュール125、記憶モジュール130、指示送信モジュール135を有している。
情報管理装置100と端末装置200との間では、(1)携帯電話通信網の基地局を介する通信方式Aと、(2)中継装置とインターネットを介する通信ができる通信方式B、のいずれかを行うことができる。このような通信環境にあって、情報管理装置100が、端末装置200に対していずれかの通信を行わせるかについて指示したい場合がある。つまり、情報管理装置100にとって、端末装置200が取得したデータを取り扱うのに都合のよい通信経路を通じて、端末装置200からデータを取得する。
本実施の形態である情報管理装置100は、端末装置200に対して、通信方式Aから通信方式Bに変更させるように指示する。また、逆に、情報管理装置100は、端末装置200に対して、通信方式Bから通信方式Aに変更させるように指示する。
なお、通信方式AはLPWAであり、通信方式Bは、インターネットを用いた通信であって、エッジサーバーが中継する情報管理装置100への送信である。通信方式Aの一例として、NB-IoT、特にNIDDを以下に説明する。
【0042】
通信Aモジュール105は、データ取得Aモジュール115、指示送信モジュール135と接続されている。通信Aモジュール105は、端末装置200と携帯電話通信網の基地局との間の携帯電話通信における通信手順で基地局を介して相手先と通信する機能を備えている。この通信手順では、固定長のデータ領域である第1領域と通信手順で通信確立した後にデータ通信で用いられ送信されるデータに応じた可変長の領域である第2領域を備え、一般的には、第1領域は、基地局と端末装置200との間で通信をやりとりすることにより、基地局が端末装置200の位置を管理したり、端末装置200からの発呼を基地局が検出したり、端末装置200に対する接続要求を基地局が行ったりする、といった通信手順の制御に用いられるデータ領域である。本実施の形態においては、端末装置200と携帯電話通信網の基地局との間の携帯電話通信における通信手順で用いられる固定長のデータ領域である第1領域と通信手順で通信確立した後にデータ通信で用いられ送信されるデータに応じた可変長の領域である第2領域のうち、その第1領域内にその端末装置200で取得されたデータが含まれており、その第1領域のみの送受信をする通信方式を用いてその基地局を介してデータの送受信を行うモードを利用して通信を行う。
ここでの「第1領域」は、携帯電話通信の通信手順において用いられ、制御情報が含まれている固定長の領域である。例えば、携帯電話通信ではコントロールプレーン(C-plane)が該当する。「第2領域」は、前記した通信手順で用いられる制御情報の固定長の領域以外のデータ領域であって、通信手順により通信が確立した後に、送信したいデータを格納する可変長のデータ領域であり、ユーザーが利用するデータが含まれている領域である。このデータ領域は、送信するデータのために用意された領域であり、上限はあるものの、第1領域よりもデータ量が多く用意された領域である。例えば、携帯電話通信では音声データやパケットデータが入っているユーザープレーン(U-plane)が該当する。
【0043】
また、「通信Aモジュール105が行う通信方式」は、第1領域のみのデータの送受信を行うモードで動作し、基本的には第2領域を送受信に用いない。
この通信方式は、通信手順にのみ使われるデータ量の少ない固定長のデータの通信であり、通信帯域が小さく、データ送受信の手順も少ないため、低消費電力で通信が可能であり、可変で大きな通信帯域を用意する必要がある第2領域を用いた携帯電話通信の通信方式よりも安価で提供されることが可能である。
この通信方式の具体例として、NIDD(Non-IP Data Deliveryの略)通信が該当する。
【0044】
なお、通信Aモジュール105は、端末装置200と携帯電話通信網の基地局との間の携帯電話通信で扱うデータには少なくとも2つ以上の領域があり、その領域のうち第1領域は他の領域である第2領域よりも少ないデータ量であり、その第1領域内に端末装置200で取得されたデータが含まれており、その第1領域のみの送受信をする通信方式を用いてその基地局を介してデータの送受信を行うモードと、端末装置200で取得されたデータを第2領域に含めて第1領域と第2領域を用いた通信方式で通信するモードとを選択して通信するようにしてもよい。この通信Aモジュール105は、端末装置200との間で双方向でデータ送受信が可能である。
【0045】
通信Bモジュール110は、データ取得Bモジュール120と接続されている。通信Bモジュール110は、ファイアウォールで保護された通信回線に接続された中継装置とインターネットを介して、端末装置200と通信する。中継装置と通信Bモジュール110との間の通信は、中継装置がファイアウォールで保護された通信回線に接続されていることにより、中継装置から通信Bモジュール110へのデータの送信とデータ取得Bモジュールによるこのデータの取得は可能である。一方、中継装置に対して通信Bモジュール110から自発的にデータを送信した場合、ファイアウォールがこのデータ送信を受け付けないため、通信Bモジュール110から中継装置へのいわゆるプッシュ通信はできない。中継装置からファイアウォールを介して情報管理装置100に対しアクセス要求を行った通信に対する応答の通信に関しては、ファイアウォールは通信Bモジュールからのデータを通過させることができる。
【0046】
データ取得Aモジュール115は、通信Aモジュール105、記憶制御モジュール125と接続されている。データ取得Aモジュール115は、端末装置200から、その端末装置200で取得された第1データとその端末装置200の識別情報とを含むデータを、通信Aモジュール105を用いて取得する。
【0047】
データ取得Bモジュール120は、通信Bモジュール110、記憶制御モジュール125と接続されている。データ取得Bモジュール120は、ファイアウォールで保護された通信回線に接続された端末装置200から、その端末装置200で取得された第2データとその端末装置200の識別情報とを含むデータを、通信Bモジュール110を用いて取得する。
【0048】
記憶制御モジュール125は、データ取得Aモジュール115、データ取得Bモジュール120、記憶モジュール130と接続されている。記憶制御モジュール125は、データ取得Aモジュール115又はデータ取得Bモジュール120によって取得されたデータを、記憶モジュール130に記憶させるように制御する。なお、「データ取得Aモジュール115又はデータ取得Bモジュール120によって取得されたデータ」とは、詳細に説明すると、データ取得Aモジュール115によって取得された第1データと端末装置200の識別情報とを含むデータ、又は、データ取得Bモジュール120によって取得された第2データと端末装置200の識別情報とを含むデータ、である。
【0049】
記憶モジュール130は、記憶制御モジュール125と接続されている。記憶モジュール130は、端末装置200の識別情報と、その端末装置200から取得したデータとを対応付けて記憶する。
【0050】
指示送信モジュール135は、通信Aモジュール105と接続されている。指示送信モジュール135は、基地局を介した通信から中継装置を介した通信を行うように指示する指示情報を、通信Aモジュール105を用いて端末装置200に送信する。つまり、指示送信モジュール135は、端末装置200に対して、通信方式Aから通信方式Bに変更させる指示を行う。その際の通信は、通信方式Aを用いる。
【0051】
通信Bモジュール110を用いて取得する第2データは、第1データよりも多いデータ量であってもよい。そして、指示送信モジュール135は、第1データより詳細なデータの取得が必要である場合に、通信方式Aから通信方式Bに変更させるための指示情報を送信するようにしてもよい。第2データは、第1データに対し、データの種類が多かったり、より詳細なデータであったり、データ量が多くなったりすることが想定されるため、狭い通信帯域、低消費電力、低ビットレートであること等が特徴の通信方式Aよりも広い通信帯域や高い通信レートを可能とする通信方式Bに変更することが望ましい。
そして、指示情報には、端末装置200が取得すべき第2データとしての情報の種別を示す情報を含めるようにしてもよい。
さらに、指示情報には、第1データに含まれる情報の種別に加えて、その種別とは異なる種別を示す情報を含めるようにしてもよい。つまり、異なる種別のデータをも送信させるようにしたものである。例えば、端末装置200が心拍数センサーを備え、第1データとして心拍数を取得しており、さらに加えて心電図情報、体温情報をそれぞれのセンサーから情報を追加して取得させる場合が該当する。
また、指示情報には、端末装置200がデータを取得する間隔を示す情報を含めるようにしてもよい。その取得の間隔を短くするものである。例えば、毎時間に1回の心拍数の測定を毎分毎の測定にするような場合が該当する。
また、指示情報には、端末装置200によるデータ送信の間隔を示す情報を含めるようにしてもよい。通信方式Aから通信方式Bに変更させるとともに、その通信の間隔を短くするものである。例えば、1日1回の送信を毎時間の送信にするような場合が該当する。
【0052】
また、指示情報には、端末装置200が通信すべき中継装置に関する情報を含めるようにしてもよい。ここで「中継装置に関する情報」は、端末装置200が中継装置と接続するための情報であって、例えば、中継装置のアドレス等がある。
端末装置200の近傍に複数の中継装置があり、端末装置200が中継装置と接続するにあたって、複数の中継装置から接続要求を受信しても、適切な中継装置を選ぶことができるようになる。
この場合、指示送信モジュール135は、端末装置200の近傍にある中継装置が複数ある場合には、既に通信を行っている端末装置200の数が少ない中継装置に関する情報を指示情報に含めるようにしてもよい。
【0053】
また、指示情報には、インターネットを介した通信を行う場合における本情報管理装置100のアドレスを含めるようにしてもよい。
端末装置200は、携帯電話通信網における情報管理装置のアドレスは知っているが、通信Bモジュール110の通信方式Bによるインターネットにおける情報管理装置100のアドレス(例えば、URL:Uniform Resource Locatorの略)は知らないことが想定されるので、知らせる必要がある。
ただし、中継装置が情報管理装置100のアドレスを予め知っている場合は、中継装置が端末装置200に送信するようにしてもよい。その場合、指示情報に本情報管理装置100のアドレスを含めなくてもよい。
【0054】
指示送信モジュール135は、データ取得Aモジュール115が取得した第1データが予め定められた条件で変動した場合、指示情報を送信するようにしてもよい。
その「予め定められた条件」として、端末装置200によるデータ送信量が前回の通信より増えた場合とするようにしてもよい。
ここで「データ送信量」は、予め定められた期間内におけるデータ送信量である。データ送信量は、情報管理装置100によるデータ受信量としてもよいし、端末装置200が情報管理装置100にデータ送信量を送信してもよい。例えば、端末装置200が送信すべきデータが増えつつあることを情報管理装置100が検知してもよい。なお、通信量が増加する原因として、携帯電話通信網の通信状態が悪く、一回に送信するデータが多くなってきた場合等がある。
【0055】
また、その「予め定められた条件」として、データ取得Aモジュール115が取得した第1データが予め定められた閾値を超えた場合とするようにしてもよい。
例えば、心拍数が急激に上昇したことにより、予め定められた閾値を超えた場合等が該当する。また、心拍数が通常時の値、例えば情報管理装置100で管理するユーザーの過去の所定期間の心拍数の平均値を通常時の値とし、この通常時の値と今回取得した値との差が予め定められた閾値を超えた場合等が該当する。
【0056】
また、その「予め定められた条件」として、データ取得Aモジュール115が取得した第1データが予め定められたパターンで変動した場合とするようにしてもよい。
例えば、心拍数が短期間に上下に変動等したことにより、データの内容の異常を検知する。
【0057】
また、指示送信モジュール135は、データ取得Bモジュール120によって取得された第2データが、予め定められた前述の条件に適合しなくなった場合、例えば通常より詳細であったりデータ量が多いデータ通信を行うための中継装置を介した通信から通常のデータ量での通信を行うための基地局を介した通信を行うように変更する変更情報を送信するようにしてもよい。つまり、通信方式Bから通信方式Aに変更させるものである。
なお、「予め定められた前述の条件に適合しなくなった場合」に、さらに、その条件に適合しなくなってから予め定められた期間が経過していることを付加してもよい。
【0058】
また、その「予め定められた条件」として、データ取得Aモジュール115による第1データの取得の間隔が過去の取得の間隔よりも長くなった場合を条件とするようにしてもよい。
携帯電話通信網の通信状態が悪くなることが想定されるので、通信状態が悪くなった場合は、携帯電話通信網の通信経路は使わずに、中継装置とインターネットを使うように指示するものである。具体的には、通信方式Aでの通信間隔をログとして記憶しておき、過去(過去には直前を含む)の通信間隔よりも長時間となった場合は、通信方式Aから通信Bに変更させるものである。ただし、この場合、データ取得Bモジュール120が取得するデータは、第1データ(いわゆる通常データ)のままとなる。
【0059】
また、記憶モジュール130は、端末装置200の識別情報と端末装置200の利用者の情報とを対応付けて記憶していてもよい。
そして、指示送信モジュール135は、データ取得Bモジュール120による第2データの取得が不可能である場合、端末装置200の識別情報に対応する利用者へ通知を行うようにしてもよい。
具体的には、指示送信モジュール135は、端末装置200から、中継装置を介した通信が不可能である旨の情報を受信した場合、端末装置200の識別情報に対応する利用者へ通知を行うようにしてもよい。
また、指示送信モジュール135は、通信Bモジュール110による通信が不可能である場合、端末装置200の識別情報に対応する利用者へ通知を行うようにしてもよい。
【0060】
図2は、本実施の形態である端末装置200の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
端末装置200は、通信aモジュール205、通信bモジュール210、データ取得aモジュール215、データ取得bモジュール220、センサー225a、センサー225b、センサー225c、センサー225d、制御モジュール230を有している。
なお、端末装置200は、少なくとも2つの通信手段(基地局を介した通信方式A、中継装置を介した通信方式B)を有しており、各種センサー225からデータを取得し、そのデータをいずれかの通信手段で情報管理装置100に送信するものである。例えば、IoT端末といわれるものを含む。具体的には、人体に関する情報(生体情報ともいわれており、より具体的には、体温、心拍数情報、心電図情報、体温情報等)を検知することができる携帯情報通信機器(携帯情報通信機器として、携帯電話、スマートフォン、モバイル機器、ウェアラブルコンピュータ等を含む)、建物の状況(気温、湿度、橋等の建築物のひずみ等)を検知するセンサー付き通信機器(温湿度計、ひずみゲージ等)、気象情報(気温、湿度、気圧、明るさ、紫外線、騒音等)を検知するセンサー付き通信機器(温湿度計、気象センサー等)等がある。
【0061】
通信aモジュール205は、データ取得aモジュール215と接続されている。通信aモジュール205は、端末装置200と携帯電話通信網の基地局との間の携帯電話通信で扱うデータには少なくとも2つ以上の領域があり、その領域のうち第1領域は他の領域である第2領域よりも少ないデータ量であり、その第1領域内にその端末装置200で取得されたデータが含まれており、その第1領域のみの送受信をする通信方式を用いてその基地局を介して、ファイアウォール外の情報管理装置100との間でデータの送受信を行う。
【0062】
通信bモジュール210は、データ取得bモジュール220と接続されている。通信bモジュール210は、ファイアウォール内の中継装置と近距離無線通信をする。そして、その中継装置を介して、情報管理装置100との間で通信を行う。近距離無線通信として、例えば、Bluetooth、Wi-Fi等がある。具体的には、BLE(Bluetooth Low Energyの略)、Wi-Fi-Direct等がある。
なお、通信bモジュール210で通信を開始する際に、本端末装置200の識別情報を含んだ情報を発信し、その情報を受信した中継装置との通信を確立するようにしてもよい。
【0063】
データ取得aモジュール215は、通信aモジュール205、センサー225a、センサー225bと接続されている。データ取得aモジュール215は、センサー225からデータを取得する。そして、その取得したデータを通信aモジュール205を介して情報管理装置100に送信する。
【0064】
データ取得bモジュール220は、通信bモジュール210、センサー225a、センサー225b、センサー225c、センサー225dと接続されている。データ取得bモジュール220は、データ取得aモジュール215が取得するデータより多くのデータを取得する。そして、その取得したデータを、通信bモジュール210を介して情報管理装置100に送信する。前述したように、情報管理装置100から送信されてきた指示情報内の指示にしたがって、例えば、データ取得aモジュール215がデータを取得するセンサー225よりも多くのセンサー225からデータを取得してもよいし、データ取得aモジュール215がデータを取得する間隔よりも短い間隔でセンサー225からデータを取得してもよい。そして、データ取得aモジュール215が通信aモジュール205を介して情報管理装置100にデータを送信する間隔よりも短い間隔で、通信bモジュール210を介して情報管理装置100にデータを送信するようにしてもよい。
【0065】
センサー225は、データ取得aモジュール215、データ取得bモジュール220と接続されている。センサー225は、対象の状態を検知(検知には、測定の概念を含めてもよい)し、その検知結果をデータ取得aモジュール215又はデータ取得bモジュール220に渡す。前述したように、人体に関する情報を検知してもよいし、建物の状況を検知してもよいし、気象情報を検知してもよい。なお、センサー225は、1個以上あればよい。人体に関する情報を検知するセンサー225として、心拍センサー、体温センサー、脳波センサー、パルスオキシメーター等がある。
【0066】
制御モジュール230は、データ取得aモジュール215がセンサー225から取得したデータを、通信aモジュール205を用いて情報管理装置100に送信し、その通信aモジュール205が基地局を介した通信から中継装置を介した通信を行うように指示する指示情報を受信した場合は、データ取得bモジュール220が取得したデータを、通信bモジュール210を用いて情報管理装置100に送信するように制御する。
【0067】
図3は、本実施の形態を利用したシステム構成例を示す説明図である。
この
図3は、
図2の例で示した端末装置200を、各ユーザー300が身につけており、そのユーザー300の人体に関する情報を検知するウェアラブルコンピュータとした例を示すものである。いわゆる健康管理を行うサービスを想定した例を示すものである。端末装置200は、IoTデバイスともいわれる。
拠点350は、例えば、会社等における部屋が該当する。例えば、社員であるユーザー300がいる。ユーザー300は、一般的には複数人であるが、一人であってもよい。
拠点350内に、中継装置330が設置されている。中継装置330は、いわゆるエッジサーバーの機能を有する。例えば、プリンタ、複合機(スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)等が中継機器を内蔵していてもよい。そして、中継装置330は、ファイアウォール370、インターネット360を介して、端末装置200と情報管理装置100間の通信を中継する。端末装置200と中継装置330間の通信は近距離無線通信340が用いられ、中継装置330と情報管理装置100間の通信はインターネット通信365が用いられる。そして、中継装置330はファイアウォール370内にある。つまり、中継装置330から情報管理装置100への通信は可能であるが、情報管理装置100から中継装置330への通信は制限されることになる。
また、中継装置330が近距離無線通信340できる範囲内にユーザー300がいるとする。つまり、中継装置330と端末装置200とは通信可能であるとする。なお、近距離無線通信340は、前述の通信bモジュール210が行う通信の一例であり、インターネット通信365は、前述の通信Bモジュール110が行う通信の一例である。
【0068】
情報管理装置100は、人体に関する情報の管理サーバーとしての機能を有している。もちろんのことながら、情報管理装置100による機能は、クラウドサービスとして実現してもよい。例えば、ユーザー300の心拍数情報から、そのユーザー300の体調不良、疲労等を検知し、そのユーザー300又は他の人(例えば、上司等)に注意を促すようなメッセージを、電子メール等を用いて通知するようにしてもよい。
【0069】
基地局310は、携帯基地局ともいわれ、通信キャリア系の電気通信事業者の基地局310であってもよいし、電気通信事業者以外のいわゆる独自系の基地局310であってもよい。端末装置200は基地局310とLPWA通信320による通信を行う。LPWA通信320は、公衆回線であって、定期通報、少量データの送信に用いる。LPWA通信320は、前述の通信Aモジュール105、通信aモジュール205が行う通信の一例である。なお、基地局310と情報管理装置100は、インターネット通信365による通信を行ってもよいし、電話回線を用いた通信を行ってもよい。LPWA通信320の一例として、具体的には、NIDD通信がある。携帯電話のプロトコルの通信制御を行う「コントロールプレーン」のみを利用するものである。つまり、音声データやパケットデータの「ユーザープレーン」は使用しないものである。そして、NIDD通信では、IPは不要であり、IMSI情報で端末装置200のSIMを識別し、通信データ量が小さく、低消費電力であり、コントロールプレーンのみを使うので、極めて安価(無料を含めてもよい)でサービスすることが可能である。
【0070】
通常時は、端末装置200は、基地局310とLPWA通信320による通信を行って、ユーザー300の人体に関する情報を情報管理装置100に送信する。なお、通常時とは、情報管理装置100によって、ユーザー300の健康上の異変を検知していない状態をいう。つまり、端末装置200から詳細なデータを取得する必要がないと判断した状態である。以下、通常モードともいう。
情報管理装置100は、基地局310経由で送信されてきた端末装置200からのデータを解析し、ユーザー300の健康上の異変を検知した場合は、端末装置200に対して詳細なデータを送信するように指示する。以下、詳細データ取得モードともいう。なお、この指示は、基地局310を介して、LPWA通信320の通信によって行う。「健康上の異変」として、例えば、体調が急変した、高残業が続いている、健康診断の結果に異常値がある等が該当する。なお、「体調が急変した」は、情報管理装置100が、通常モードで取得したデータによって判断してもよい。「高残業が続いている」は、情報管理装置100が、ユーザー300の勤怠管理している勤怠管理装置から取得した残業データから判断してもよい。「健康診断の結果に異常値がある」は、情報管理装置100が、ユーザー300の健康診断の結果を管理しているヘルス管理装置から取得したデータから判断してもよい。なお、詳細データは通常モードでのデータよりもデータ量が多く、LPWA通信320には適していない。そこで、中継装置330、インターネット360を介した通信を行うように、情報管理装置100が端末装置200に指示をする。
この指示にしたがって、端末装置200は、詳細なデータを検知し、中継装置330との近距離無線通信340による通信を確立し、中継装置330を経由して情報管理装置100に詳細なデータを送信するようにする。つまり、インターネット通信365は、状況変化時であって、大量なデータ又はデータの連続的送信に用いる。
【0071】
そして、情報管理装置100は、中継装置330、インターネット360経由で送信されてきた端末装置200からの詳細なデータを解析し、ユーザー300の健康上の異変を検知した場合は、前述したように、ユーザー300又は他の人にメッセージを、電子メール等を用いて通知する。
逆に、情報管理装置100が、ユーザー300の計測データが正常であると判断した場合は、詳細データ取得モードから通常モードに変更させる指示を端末装置200に対して行う。なお、この指示は、基地局310を介して、LPWA通信320の通信によって行う。また、LPWA通信320では、端末装置200と情報管理装置100は双方向の通信が可能であり、インターネット通信365では、ファイアウォール370を介していることから、基本的には端末装置200から情報管理装置100への片方向の通信である。
【0072】
図4は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。主に、端末装置200、中継装置330、基地局310、情報管理装置100による処理例を示すものである。なお、ファイアウォール370は、
図3の例でも示したように、中継装置330と情報管理装置100の間に介在している。なお、LPWA通信320としてNIDD通信を例示して説明する。
【0073】
ステップS402では、端末装置200は、計測データを取得する。具体的には、端末装置200は、心拍数や体温といった生体データを計測し、計測した計測データを蓄積する。
ステップS404aでは、端末装置200は、基地局310に対して送信する。具体的には、端末装置200は、NIDD通信(携帯の公衆回線網)を使い、蓄積した計測データを送信する。
ステップS404bでは、端末装置200は、基地局310に対して、定期送信を行う。ここでの定期送信の間隔としては、例えば、1日に1回~数回である。心拍数や体温は、予め決められた間隔(例えば、10分毎、1時間毎等)で計測する。送信するデータとして、例えば、端末ID、計測データが含まれる送信データ500を用いる。
ステップS406では、基地局310は、情報管理装置100へ端末装置200から受信したデータを転送する。具体的には、基地局310は、端末装置200から送信された計測データを端末IDとともに受信する。そして、基地局310は、受信した端末IDと計測データとを情報管理装置100へ転送する。
【0074】
ステップS408では、情報管理装置100は、データを取得して分析を行う。具体的には、情報管理装置100は、基地局310から転送された端末IDと計測データとを受信する。そして、受信したデータを分析する。分析例としては、通常状態から変動が無いか、特異なパターンを示していないか等の分析を行う。
【0075】
ステップS410では、情報管理装置100は、データから異常を検知した場合、詳細データを取得すべきと判断する。つまり、対象となっている端末装置200を通常モードから詳細データ取得モードに変更させると判断する。
具体的には、情報管理装置100は、計測データから異変を検知したとき、通常モードで取得しているデータより詳細なデータ(具体的には、データ量が多い、通常モードで取得しているデータ以外のデータ、取得頻度が高いデータ)の取得が必要と判断する。
このとき、NIDD通信では取得できないデータ量であるため、NIDD通信以外の通信手段を用いて通信する必要があると判断する。
詳細なデータの例として、30秒毎の心拍数データを継続的に取得してもよいし、通常モードで取得するデータ以外のデータを取得してもよい、例えば、心電図データ、体温、呼吸数、血圧等を取得するように指示してもよい。
【0076】
ステップS412では、情報管理装置100は、基地局310に対して、端末装置200への詳細データ取得モードへの変更を指示する指示情報を送信する。具体的には、情報管理装置100は、端末装置200に対して「詳細データ取得モードへの変更と、近距離無線通信340を用いてデータ送信する指示情報」を送信する。
ステップS414では、基地局310は、端末装置200へ詳細データ取得モードへの変更を指示する指示情報を送信する。具体的には、基地局310は、公衆回線網を使い、端末装置200へ発呼し、通信を確立すると、前記指示情報を端末装置200に送信する。
ステップS416では、端末装置200は、通常モードから詳細データ取得モードへ変更する。具体的には、端末装置200は、通常モードから詳細データ計測モードへ切り替え、計測したデータを近距離無線通信340で送信する制御を行う。詳細データは、データを計測する精度を上げる、計測頻度を上げる、より多くの情報を取得する等のものである。
【0077】
ステップS418では、端末装置200は、中継装置330を発見するために、BLEビーコンをブロードキャストする。
ステップS420では、端末装置200は、中継装置330に対して、BLEビーコン(端末ID、端末アドレス)を送信する。
具体的には、端末装置200は、通信回線をNIDDから近距離無線通信340へ切り替える。そのために、BLEのビーコンをブロードキャスト発信する。なお、ビーコンの広告パケットには、本端末装置200の識別情報、接続するための情報(アドレスやパスコード)が含まれている。
【0078】
ステップS422では、中継装置330は、端末装置200からのビーコンを検知し、端末装置200の端末アドレス情報を基に近距離通信で接続する。具体的には、中継装置330が、BLEのビーコンを検知する。端末装置200の識別情報に基づき、端末装置200に接続要求を行う。Bluetoothで接続してもよいし、BLEのパケットに含まれるアドレスに基づき、WiFi-Direct接続してもよい。端末装置200と1対1の近距離無線通信340を行う処理を行う。
ステップS424では、端末装置200と中継装置330間で、近距離通信接続(WiFiやBluetooth)を行う。具体的には、中継装置330と端末装置200の間で、近距離通信が確立する。中継装置330は、端末装置200の計測データ収集アプリケーションを起動する。
【0079】
ステップS426では、端末装置200は、詳細な計測データを取得する。
ステップS428では、端末装置200は、中継装置330に対して、詳細な計測データを送信する。具体的には、端末装置200は、取得した詳細な計測データを、近距離無線通信340を用いて、中継装置330に送信する。
この近距離無線通信340は通信状態を保持し、端末装置200で取得した詳細データを逐次送信するようにしてもよいし、所定期間蓄積した詳細データを都度送信するようにしてもよい。
【0080】
ステップS430では、中継装置330は、情報管理装置100に対して、インターネットを用いて詳細な計測データを送信する。具体的には、中継装置330は、端末装置200から受信した詳細計測データを、インターネット360を介して、情報管理装置100へアップロードする。または、社内に情報管理装置100がある場合は、社内LAN(イントラネットを含む)を介して情報管理装置100へ送信する。なお、社内LANは、通信基盤としてのインターネットに含まれるとする。
【0081】
ステップS432では、情報管理装置100は、中継装置330によってアップロードされた詳細な計測データを取得して分析を行う。
ステップS434では、情報管理装置100は、分析の結果、正常であると判断した場合は、詳細なデータの取得不要と判断する。具体的には、必要なデータが取得できた場合や、平静時の状態に戻り、詳細データのモニタリングが不要になった場合が該当する。
なお、情報管理装置100は、分析の結果、ユーザー300の健康上の異常を検知した場合は、ユーザー300に注意を促すメッセージを、電子メール等を用いて通知する。
【0082】
ステップS436では、情報管理装置100は、基地局310に対して、端末装置200へ、詳細データ取得モードから通常モードへの変更を指示する指示情報を送信する。具体的には、情報管理装置100は、端末装置200へ、「通常モードへの変更」の指示を送信する。つまり、基地局310から、端末装置200へNIDD通信経路を介して、「通常モードへの変更」の指示を送信する。
ステップS438では、基地局310は、端末装置200へ通常モードへの変更を指示する指示情報を送信する。
【0083】
ステップS440では、端末装置200は、通常モードへ変更する。
ステップS442では、端末装置200は、中継装置330との近距離通信接続を解除する。以後は、ステップS402、ステップS404の処理を行う。
具体的には、端末装置200は、指示情報を受信すると、通常モードへ変更するとともに、中継装置330との間の近距離通信を解除する。
【0084】
なお、端末装置200と中継装置330が接続をする際に、接続できたことを情報管理装置100が把握するようにしてもよい。そのために、以下の処理を行うようにしてもよい。
ステップS418~S422で、端末装置200がビーコンを発信し、中継装置330が検知し、端末装置200の識別情報を取得する。
そして、ステップS422において、中継装置330は、情報管理装置100に取得した端末装置200の識別情報を通知する。このとき、中継装置330の識別情報やアドレスを含ませてもよい。
情報管理装置100は、中継装置330からの通知を受けると、端末装置200から中継装置330を介して通信ができると判断し、NIDD通信を用いて、端末装置200に詳細データ取得モードへの変更の指示情報を送信する。このとき、中継装置330の識別情報やアドレスを含ませてもよい。
端末装置200は、情報管理装置100から指示情報を受信したことをトリガにして、中継装置330との接続を開始する。このとき、中継装置330の識別情報やアドレスを使って接続を確実に行うようにしてもよい。
【0085】
また、情報管理装置100が、中継装置330から送信されるはずのデータを受信できない場合は、端末装置200の近くに中継装置330が存在しない、又は、中継装置330との接続に失敗と判断し、以下のような処理を行うようにしてもよい。
・NIDD通信を用いて、詳細データ取得モードへの移行の中止、又は、通常モードの指示を送信する。
・端末装置200を身につけているユーザー300にメール通知する。メールの内容は、「中継装置330のあるところに移動しろ」、「体調をメールか電話で○○へ報告しろ」といった内容である。
【0086】
端末装置200は、情報管理装置100に対してLPWA通信320を用いて、例えば、送信データ500を送信する。
図5は、送信データ500のデータ構造例を示す説明図である。送信データ500は、端末装置ID欄505、取得日時欄510、計測データA欄515を有している。端末装置ID欄505は、本実施の形態において、端末装置200を一意に識別するための情報(具体的には端末装置ID:IDentificationの略)を記憶している。取得日時欄510は、データを計測した日時(年、月、日、時、分、秒、秒以下、又はこれらの組み合わせであってもよい)を記憶している。計測データA欄515は、計測データAを記憶している。
【0087】
情報管理装置100の記憶モジュール130に、端末装置200から受信した送信データ500、ユーザー・端末装置対応テーブル600又はユーザー・端末装置対応テーブル650、ユーザー管理テーブル700、端末装置・位置対応テーブル800、ユーザー・計測データ対応テーブル900等を記憶して、ステップS408、S410、S432、S434等の処理を行う。
【0088】
ユーザー・端末装置対応テーブル600又はユーザー・端末装置対応テーブル650は、ユーザー300と端末装置200の対応を管理するためのテーブルである。これによって、端末装置200から取得したデータは、誰(ユーザー300)の体調を示すデータであるかがわかり、ユーザー300の体調を管理することができる。
図6(a)は、ユーザー・端末装置対応テーブル600のデータ構造例を示す説明図である。ユーザー・端末装置対応テーブル600は、ユーザーID欄605、端末装置ID欄610を有している。ユーザーID欄605は、本実施の形態において、ユーザー300を一意に識別するための情報(具体的にはユーザーID)を記憶している。端末装置ID欄610は、そのユーザー300が身につけている端末装置200の端末装置IDを記憶している。
【0089】
ユーザー300が、複数の端末装置200を身につけている場合は、ユーザー・端末装置対応テーブル650を用いるようにしてもよい。
図6(b)は、ユーザー・端末装置対応テーブル650のデータ構造例を示す説明図である。ユーザー・端末装置対応テーブル650は、ユーザーID欄605、端末装置数欄655、端末装置ID欄660等を有している。ユーザーID欄605は、ユーザーIDを記憶している。端末装置数欄655は、そのユーザー300が身についている端末装置200の数を記憶している。この数だけ、端末装置数欄655の後に端末装置ID欄660が続く。端末装置ID欄660は、そのユーザー300が身についている端末装置IDを記憶している。
【0090】
ユーザー管理テーブル700は、端末装置200と通知先を管理するテーブルである。ユーザー300の健康上の異常を検知した場合の連絡先を管理するものである。
図7は、ユーザー管理テーブル700のデータ構造例を示す説明図である。ユーザー管理テーブル700は、ユーザーID欄705、メールアドレス欄710を有している。ユーザーID欄705は、ユーザーIDを記憶している。メールアドレス欄710は、そのユーザー300のメールアドレスを記憶している。なお、メールアドレスに限らず、そのユーザーに通知できるアドレスであればよい。例えば、チャット、電子掲示板、SNS(Social Networking Serviceの略)にコミュニケーション機能、プッシュ通知、自動音声応答による電話発信等があり、電話発信として、例えば、Lync(登録商標)等を用いてもよい。また、そのユーザー300のアドレスだけでなく、異常時の連絡先として、例えば、上司、家族等のアドレスを登録してもよい。
【0091】
端末装置・位置対応テーブル800は、端末装置200の位置を管理するテーブルである。つまり、ユーザー300の位置を管理するテーブルでもある。そして、ユーザー300に距離的に近い中継装置330を探索するために用いるようにしてもよい。なお、端末装置200と中継装置330は、ステップS420、S422、S424によって、近距離無線通信340のペアを形成するので、端末装置・位置対応テーブル800は必ずしも必要ではない。
図8は、端末装置・位置対応テーブル800のデータ構造例を示す説明図である。端末装置・位置対応テーブル800は、端末装置ID欄805、位置情報欄810を有しており、位置情報欄810は、緯度欄812、経度欄814、高度欄816を有している。端末装置ID欄805は、端末装置IDを記憶している。位置情報欄810は、その端末装置200の位置情報を記憶している。緯度欄812は、緯度を記憶している。経度欄814は、経度を記憶している。高度欄816は、高度を記憶している。位置情報は、例えば、端末装置200(又は、ユーザー300が有しているスマートフォン等の携帯情報端末)からGPS情報を取得してもよい。
【0092】
情報管理装置100は、ユーザー・計測データ対応テーブル900を用いて、ユーザー300の健康状態を解析する。
図9は、ユーザー・計測データ対応テーブル900のデータ構造例を示す説明図である。ユーザー・計測データ対応テーブル900は、端末装置200から取得した送信データ500、ユーザー・端末装置対応テーブル600又はユーザー・端末装置対応テーブル650によって生成される。ユーザー・計測データ対応テーブル900は、ユーザーID欄905、取得日時欄910、計測データ欄915を有している。ユーザーID欄905は、ユーザーIDを記憶している。取得日時欄910は、そのユーザー300の計測データを取得した日時を記憶している。計測データ欄915は、そのユーザー300における計測データを記憶している。
【0093】
情報管理装置100は、通常モードから詳細データ取得モードに変更する場合(又は、詳細データ取得モードから通常モードに変更する場合)に、端末装置200に対して指示情報テーブル1000を送信する。指示情報テーブル1000は、指示情報の一例である。
図10は、指示情報テーブル1000のデータ構造例を示す説明図である。指示情報テーブル1000は、端末装置ID欄1005、指示欄1010、情報種別欄1015、情報取得間隔欄1020、情報送信間隔欄1025、中継装置ID欄1030、情報管理装置のアドレス欄1035、通信方法欄1040を有している。端末装置ID欄1005は、指示先の端末装置200の端末装置IDを設定している。指示欄1010は、指示を設定している。指示欄1010には、例えば、(1)通常モードから詳細データ取得モードへの変更指示、(2)詳細データ取得モードから通常モードへの変更指示、のいずれかが設定される。情報種別欄1015は、端末装置200が取得すべき情報種別を設定している。モードを変更した後、端末装置200が取得すべきデータの種別を指定するものである。例えば、心拍数、心電図情報、体温情報等がある。より具体的には、センサー225を指定する情報であってもよい。取得間隔欄1020は、モードを変更した後において、データの取得間隔を設定している。つまり、センサー225が検知する間隔である。情報種別毎に異なるデータの取得間隔を設定してもよい。送信間隔欄1025は、モードを変更した後において、データを情報管理装置100に送信する間隔を設定している。中継装置ID欄1030は、本実施の形態において、中継装置を一意に識別するための情報(具体的には、中継装置ID)を設定している。つまり、通常モードから詳細データ取得モードへの変更指示である場合に、端末装置200が近距離無線通信340すべき中継装置330を指定するものである。情報管理装置のアドレス欄1035は、情報管理装置100のアドレスを設定している。具体的には、通常モードから詳細データ取得モードへの変更指示である場合(より正確には、インターネット360を用いた通信を行う場合)に、情報管理装置100のURLを設定する。通信方法欄1040は、どの通信経路を利用し、どのような通信プロトコルを利用するかを指定する情報を設定している。具体的な通信方法を記述してもよいし、端末装置200に設定された通信モードを指定する情報のみを記述するようにしてもよい。
【0094】
通常モードから詳細データ取得モードへの変更指示を受けた端末装置200は、中継装置330、インターネット360を介して、情報管理装置100に装置データ1100を送信する。つまり、通常モードで送信していた送信データ500よりも多くのデータである装置データ1100を送信する。
図11は、装置データ1100のデータ構造例を示す説明図である。装置データ1100は、端末装置ID欄1105、データ取得日時欄1110、計測データA欄1115A、計測データB欄1115B等を有している。端末装置ID欄1105は、端末装置IDを記憶している。データ取得日時欄1110は、データを計測した日時を記憶している。計測データA欄1115Aは、計測データAを記憶している。計測データB欄1115Bは、計測データBを記憶している。つまり、指示情報テーブル1000の情報種別欄1015で指定された種別のデータを送信する。なお、データ取得日時欄1110は、個々の計測データ毎にあってもよい。
【0095】
ステップS412で送信する指示情報テーブル1000の中継装置ID欄1030の設定処理例を説明する。
図12は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS1202では、対象となっている端末装置200の近傍にある中継装置330を抽出する。端末装置・位置対応テーブル800と中継装置・位置対応テーブル1300を用いて、中継装置330を抽出すればよい。
ステップS1204では、抽出した中継装置330は複数あるか否かを判断し、複数ある場合はステップS1206へ進み、それ以外の場合はステップS1210へ進む。
【0096】
ステップS1206では、通信している端末装置200の数が最小である中継装置330を抽出する。中継処理の負荷が少ない中継装置330を指定するためである。具体的には、中継装置・端末装置ペア管理テーブル1400を用いて抽出すればよい。
ステップS1208では、指示情報にステップS1206で抽出した中継装置330の中継装置IDを含める。
ステップS1210では、指示情報にステップS1202で抽出した中継装置330の中継装置IDを含める。
ステップS1208、ステップS1210では、具体的には、指示情報テーブル1000の中継装置ID欄1030に中継装置IDを設定すればよい。
【0097】
図13は、中継装置・位置対応テーブル1300のデータ構造例を示す説明図である。中継装置330についても、端末装置・位置対応テーブル800と同様のテーブルを用いて管理している。具体的には、端末装置・位置対応テーブル800の端末装置ID欄805を中継装置IDとしたものである。
中継装置・位置対応テーブル1300は、中継装置ID欄1305、位置情報欄1310を有しており、位置情報欄1310は、緯度欄1312、経度欄1314、高度欄1316を有している。中継装置ID欄1305は、中継装置IDを記憶している。位置情報欄1310は、その中継装置330の位置情報を記憶している。緯度欄1312は、緯度を記憶している。経度欄1314は、経度を記憶している。高度欄1316は、高度を記憶している。なお、中継装置330は固定されている場合が多いので、中継装置330の設置時に中継装置・位置対応テーブル1300を生成してもよい。
【0098】
ステップS1206で、通信している端末装置200の数を抽出するのに、中継装置・端末装置ペア管理テーブル1400を用いる。
図14は、中継装置・端末装置ペア管理テーブル1400のデータ構造例を示す説明図である。中継装置・端末装置ペア管理テーブル1400は、中継装置ID欄1405、端末装置数欄1410、端末装置ID欄1415等を有している。中継装置ID欄1405は、中継装置330の中継装置IDを記憶している。端末装置数欄1410は、その中継装置330に近距離無線通信340によって接続されている端末装置200の数を記憶している。端末装置ID欄1415は、その中継装置330に接続されている端末装置200の端末装置IDを記憶している。
【0099】
ステップS410の処理例を説明する。
図15は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS1502では、端末装置200から取得した計測データを解析する。
ステップS1504では、詳細な計測データが必要であるか否かを判断し、必要な場合はステップS1506へ進み、それ以外の場合は処理を終了する(ステップS1599)。
【0100】
ステップS1506では、詳細データ取得モードへの変更を指示する指示情報テーブル1000を生成する。具体的には、指示情報テーブル1000の指示欄1010に、通常モードから詳細データ取得モードへの変更指示を設定する。その他、情報種別欄1015等を設定する。
ステップS1508では、通信Aモジュール105を用いて、端末装置200に指示情報テーブル1000を送信する。
【0101】
ステップS1502、ステップS1504の処理として、例えば、次のような処理を行う。
(1)端末装置200から取得した計測データが予め定められた閾値と比較して、異常値である場合に、これまで取得した計測データより詳細な計測データが必要と判断する。
(2)端末装置200から取得した時系列の計測データ群が予め定められたパターンと比較して、異常なパターンである場合に、これまで取得した計測データより詳細な計測データが必要と判断する。
(3)端末装置200の送信量を取得し、予め定められた閾値より大又は以上である場合に、詳細な計測データが必要と判断する。これは、通信方式を変更することを主目的とするものである。
【0102】
ステップS432の処理例を説明する。
図16は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS1602では、端末装置200から取得した詳細な計測データを解析する。
ステップS1604では、通常モードに戻してもよいか否かを判断し、戻してもよい場合はステップS1606へ進み、それ以外の場合は処理を終了する(ステップS1699)。
【0103】
ステップS1606では、通常モードへの変更を指示する指示情報テーブル1000を生成する。具体的には、指示情報テーブル1000の指示欄1010に、詳細データ取得モードから通常モードへの変更指示を設定する。その他、情報種別欄1015や通信方法欄1040等を設定してもよいし、通常モードへの変更指示の場合は、初期状態に戻す(いわゆるイニシャライズする)ようにしてもよい。
ステップS1608では、通信Aモジュール105を用いて、端末装置200に指示情報テーブル1000を送信する。
【0104】
<変形例1>
第2の通信方式として、基地局310を介した、LPWA通信320よりデータ量が多く通信帯域が広い通信方式を採用してもよい。
図17に示す例を用いて説明する。
図17は、本実施の形態の変形例1を用いた処理例を示す説明図である。
通常モードから詳細データ取得モードへ変更する場合に、情報管理装置100では、以下の処理を行う。
(1)第2の通信方式として、携帯電話通信1720の公衆回線を使った通信を許可する。
(2)対象となる端末装置200に対して、第1の通信方式を介して、携帯電話通信1720を用いて詳細データ取得モードで取得したデータの送信を指示する。
情報管理装置100が、通信コストがかかっても、携帯電話通信1720ですぐに詳細データを取得すべきと判断したときに行う処理である。
なお、携帯電話通信1720は、LPWA通信320を除外した通信であって、LPWA通信320よりも容量が多く、音声データやパケットデータの「ユーザープレーン」を使用する通信である。
【0105】
より詳細に説明する。
情報管理装置100は、ユーザー300とこのユーザー300が契約している回線に関する利用契約情報とを管理している。情報管理装置100が、端末装置200から取得したデータが、予め定めた条件に基づき、端末装置200の動作を通常モードから詳細データ取得モードへ変更すべきと判断したとき、情報管理装置100は、詳細データ取得モードへの変更とともに、通信方式Bとして、携帯電話の公衆回線を使った携帯電話通信1720へ変更させるように指示する。
この判断は、情報管理装置100は、ユーザー300が契約している回線に関する利用契約情報に基づき、より通信コストがかかるが大容量で高速の携帯電話を利用することが可能である場合に限って判断するようにしてもよい。
【0106】
通信方式AがLPWA通信320である場合、低消費電力であったり通信できるデータ容量も少なかったりして、通信帯域も狭いが低コストである。しかし、端末装置200から取得したデータが予め定めた閾値を超えたり所定のパターンで変動したりした場合などであって、より詳細なデータを取得すべきと判断したとき、通信方式Bとして通信方式Aより大容量で高速の通信手段(
図17の例では、携帯電話通信1720)を使うよう、通信方式Aを用いて端末装置200に指示する。
通信方式Bは、通信方式Aと同じ基地局310を介した通信でもよいが、より大容量で高速の携帯電話の公衆回線での通信である。通信方式AがNIDDであったときは、端末装置200は取得したデータを、ユーザープレーンを用いて基地局310を介して情報管理装置100へデータを送信する。
【0107】
<変形例2>
第2の通信方式として、基地局310を介した、LPWA通信320よりデータ量が多く通信帯域が広い通信方式を採用してもよい。
図18に示す例を用いて説明する。
図18は、本実施の形態の変形例2を用いた処理例を示す説明図である。
通常モードから詳細データ取得モードへ変更する場合に、情報管理装置100では、以下の処理を行う。なお、この詳細データ取得モードへの変更は、第2の通信方式として、中継装置330を経由して送信を行うことを指示したにもかかわらず、受信できなかった場合に行う。
(1)第2の通信方式として、携帯電話通信1720の公衆回線を使った通信を許可する。
(2)対象となる端末装置200に対して、第1の通信方式を介して、携帯電話通信1720を用いて詳細データ取得モードで取得したデータの送信を指示する。
【0108】
より詳細に説明する。
情報管理装置100は、詳細データ取得モードと通信方式Bへの変更指示を端末装置200へ送信した後、端末装置200の近くに中継装置330が存在しない、又は、中継装置330との接続に失敗したなどの理由により、所定時間経過しても通信方式Bによるデータの受信が無かった場合や、端末装置200から通信方式Bによる通信ができない旨の通知を受けた場合、情報管理装置100は、第2の通信方式Bとして、携帯電話の公衆回線を使った通信へ変更させるように指示する。なお、「端末装置200から通信方式Bによる通信ができない旨の通知」は、LPWA通信320を用いた通信で行われる。
この判断は、情報管理装置100は、ユーザー300が契約している回線に関する利用契約情報に基づき、よりコストがかかるが大容量で高速の携帯電話を利用することが可能である場合に限って判断するようにしてもよい。
【0109】
通信方式AがLPWA通信320である場合、低消費電力であったり通信できるデータ容量も少なかったりして、通信帯域も狭いが低コストである。しかし、端末装置200から取得したデータが予め定めた閾値を超えたり所定のパターンで変動したりした場合などであって、より詳細なデータを取得すべきと判断したとき、通信方式Bとして通信方式Aより大容量で高速の通信手段を使うよう、通信方式Aを用いて端末装置200に指示する。なお、ここでの指示における高速の通信手段は、中継装置330を介したインターネット通信365による通信である。そして、その指示を行ったにもかかわらず、その端末装置200から「中継装置330を介したインターネット通信365による通信」によってデータを受信できなかった場合には、さらに、通信方式Bとして携帯電話通信1720を用いた通信を行うように指示する。もちろんのことながら、この指示はLPWA通信320を用いた通信で行われる。
通信方式Bは、通信方式Aと同じ基地局310を介した通信でもよいが、より大容量で高速の携帯電話の公衆回線での通信である。通信方式AがNIDDであったときは、端末装置200は取得したデータを、ユーザープレーンを用いて基地局310を介して情報管理装置100へデータを送信する。
【0110】
図19を参照して、本実施の形態の中継装置330のハードウェア構成例について説明する。
図19に示す構成は、例えばパーソナルコンピュータ等によって構成されるものであり、スキャナ等のデータ読み取り部1917と、プリンタ等のデータ出力部1918を備えたハードウェア構成例を示している。
【0111】
CPU(Central Processing Unitの略)1901は、前述の実施の形態において説明した各種のモジュール、すなわち、中継装置330としての機能を果たすための実行シーケンスを記述したコンピュータ・プログラムにしたがった処理を実行する制御部である。
【0112】
ROM(Read Only Memoryの略)1902は、CPU1901が使用するプログラムや演算パラメータ等を格納する。RAM(Random Access Memoryの略)1903は、CPU1901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を格納する。これらはCPUバス等から構成されるホストバス1904により相互に接続されている。
【0113】
ホストバス1904は、ブリッジ1905を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interfaceの略)バス等の外部バス1906に接続されている。
【0114】
キーボード1908、マウス等のポインティングデバイス1909は、操作者により操作されるデバイスである。ディスプレイ1910は、液晶表示装置又はCRT(Cathode Ray Tubeの略)等があり、各種情報をテキストやイメージ情報として表示する。また、ポインティングデバイス1909とディスプレイ1910の両方の機能を備えているタッチスクリーン等であってもよい。その場合、キーボードの機能の実現について、キーボード1908のように物理的に接続しなくても、画面(例えば、タッチスクリーン)上にソフトウェアでキーボード(いわゆるソフトウェアキーボード、スクリーンキーボード等ともいわれる)を描画して、キーボードの機能を実現するようにしてもよい。
【0115】
HDD(Hard Disk Driveの略)1911は、ハードディスク(ハードディスク以外に、フラッシュ・メモリ等であってもよい)を内蔵し、ハードディスクを駆動し、CPU1901によって実行するプログラムや情報を記録又は再生させる。中継装置330としての通信用の各種データ、各種コンピュータ・プログラム等が格納される。
【0116】
ドライブ1912は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体1913に記録されているデータ又はプログラムを読み出して、そのデータ又はプログラムを、インタフェース1907、外部バス1906、ブリッジ1905、及びホストバス1904を介して接続されているRAM1903に供給する。なお、リムーバブル記録媒体1913も、データ記録領域として利用可能である。
【0117】
接続ポート1914は、外部接続機器1915を接続するポートであり、USB、IEEE1394等の接続部を持つ。接続ポート1914は、インタフェース1907、及び外部バス1906、ブリッジ1905、ホストバス1904等を介してCPU1901等に接続されている。通信部1916は、通信回線に接続され、外部とのデータ通信処理を実行する。具体的には、端末装置200との近距離無線通信340によるペアの確立、通信、そして、情報管理装置100とのインターネット360による通信を行う。データ読み取り部1917は、例えばスキャナであり、ドキュメントの読み取り処理を実行する。データ出力部1918は、例えばプリンタであり、ドキュメントデータの出力処理を実行する。
【0118】
また、本実施の形態である情報管理装置100としてのプログラムが実行されるコンピュータのハードウェア構成は、
図20に例示するように、一般的なコンピュータであり、具体的にはパーソナルコンピュータ、サーバーとなり得るコンピュータ等である。つまり、具体例として、処理部(演算部)としてCPU2001を用い、記憶装置としてRAM2002、ROM2003、HDD2004を用いている。HDD2004として、例えば、HDD(Hard Disk Driveの略)、フラッシュ・メモリであるSSD(Solid State Driveの略)等を用いてもよい。通信Aモジュール105、通信Bモジュール110、データ取得Aモジュール115、データ取得Bモジュール120、記憶制御モジュール125、指示送信モジュール135等のプログラムを実行するCPU2001と、そのプログラムやデータを記憶するRAM2002と、本コンピュータを起動するためのプログラム等が格納されているROM2003と、記憶モジュール130等としての機能を有する補助記憶装置であるHDD2004と、キーボード、マウス、タッチスクリーン、マイク、カメラ(視線検知カメラ等を含む)等に対する利用者の操作(動作、音声、視線等を含む)に基づいてデータを受け付ける受付装置2006と、CRT、液晶ディスプレイ、スピーカー等の出力装置2005と、ネットワークインタフェースカード等の通信ネットワークと接続するための通信回線インタフェース2007、そして、それらをつないでデータのやりとりをするためのバス2008により構成されている。これらのコンピュータが複数台互いにネットワークによって接続されていてもよい。
【0119】
前述の実施の形態のうち、コンピュータ・プログラムによるものについては、本ハードウェア構成のシステムにソフトウェアであるコンピュータ・プログラムを読み込ませ、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働して、前述の実施の形態が実現される。
なお、
図19、
図20に示すハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、
図19、
図20に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えば特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)や再構成可能な集積回路(field-programmable gate array:FPGA)等)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続している形態でもよく、さらに
図19、
図20に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、特に、パーソナルコンピュータの他、携帯情報通信機器(携帯電話、スマートフォン、モバイル機器、ウェアラブルコンピュータ等を含む)、情報家電、ロボット、複写機、ファックス、スキャナ、プリンタ、複合機などに組み込まれていてもよい。
【0120】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通等のために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD-R、DVD-RW、DVD-RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD-ROM)、CDレコーダブル(CD-R)、CDリライタブル(CD-RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu-ray(登録商標) Disc)、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、SD(Secure Digitalの略)メモリーカード等が含まれる。
そして、前記のプログラムの全体又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、又は無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分若しくは全部であってもよく、又は別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化等、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0121】
100…情報管理装置
105…通信Aモジュール
110…通信Bモジュール
115…データ取得Aモジュール
120…データ取得Bモジュール
125…記憶制御モジュール
130…記憶モジュール
135…指示送信モジュール
200…端末装置
205…通信aモジュール
210…通信bモジュール
215…データ取得aモジュール
220…データ取得bモジュール
225…センサー
230…制御モジュール
300…ユーザー
310…基地局
320…LPWA通信
330…中継装置
340…近距離無線通信
350…拠点
365…インターネット通信
360…インターネット
370…ファイアウォール