(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-21
(45)【発行日】2023-08-29
(54)【発明の名称】会話制御プログラム、会話制御方法および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
H04L 51/02 20220101AFI20230822BHJP
【FI】
H04L51/02
(21)【出願番号】P 2021570550
(86)(22)【出願日】2020-01-15
(86)【国際出願番号】 JP2020001129
(87)【国際公開番号】W WO2021144896
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2022-03-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104190
【氏名又は名称】酒井 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】柳沼 樹
(72)【発明者】
【氏名】畠山 海人
【審査官】小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/143440(WO,A1)
【文献】韓国登録特許第10-2004713(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0364965(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110275754(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 51/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理端末からチャットの開始指示を受信する
とともに、前記情報処理端末がどの種類の端末であるかを区別する端末種別を受信し、
前記チャットの開始指示を受信すると、前記情報処理端末における第1のチャットボットでの第1の会話を開始し、
前記第1の会話に対応する表示領域の一部の領域に広告情報を出力し、
出力した前記広告情報が選択されたことに応じて、
前記広告情報について、複数の端末種別それぞれに対応するスクリプト情報を記憶するデータベースを参照して、受信した前記端末種別に対応する第2のスクリプト情報を特定し、
特定した前記第2のスクリプト情報を用いて、前記情報処理端末における、前記広告情報に対応する第2のチャットボットでの第2の会話を開始する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする会話制御プログラム。
【請求項2】
前記第2の会話は、前記広告情報に関連する手続きに関する会話であり、前記手続きで要求される情報の入力を受け付け可能な会話である、ことを特徴とする請求項1に記載の会話制御プログラム。
【請求項3】
出力した前記広告情報が選択されたことに応じて、広告とチャットボットとの対応関係を示す情報を記憶する記憶部を参照して、前記広告情報に対応する第2のチャットボットが存在するか否かを判定し、
前記第2のチャットボットが存在する場合に、
前記データベースを参照して、受信した前記端末種別に対応する第2のスクリプト情報を特定し、特定した前記第2のスクリプト情報を用いて、前記情報処理端末における前記第2のチャットボットでの第2の会話を開始し、
前記第2のチャットボットが存在しない場合には、前記情報処理端末に前記広告情報に対応するランディングページへのアクセスを指示する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項1に記載の会話制御プログラム。
【請求項4】
受信した前記
端末種別に基づいて、前記情報処理端末における第1のチャットボットでの第1の会話を開始する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項1に記載の会話制御プログラム。
【請求項5】
前記広告情報を出力する処理は、
前記第1の会話の会話履歴に基づいて、前記広告情報の掲載条件を満たすか否かを判定し、
前記掲載条件を満たすと判定した場合に、前記第1の会話に対応する表示領域の一部の領域に前記広告情報を出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の会話制御プログラム。
【請求項6】
前記複数の端末種別は、公共性の高い場所に設置されたデジタルボードであることを示す端末種別と、個人用のモバイル端末であることを示す端末種別とを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の会話制御プログラム。
【請求項7】
情報処理端末からチャットの開始指示を受信するとともに、前記情報処理端末がどの種類の端末であるかを区別する端末種別を受信し、
前記チャットの開始指示を受信すると、前記情報処理端末における第1のチャットボットでの第1の会話を開始し、
前記第1の会話に対応する表示領域の一部の領域に広告情報を出力し、
出力した前記広告情報が選択されたことに応じて、前記広告情報について、複数の端末種別それぞれに対応するスクリプト情報を記憶するデータベースを参照して、受信した前記端末種別に対応する第2のスクリプト情報を特定し、
特定した前記第2のスクリプト情報を用いて、前記情報処理端末における、前記広告情報に対応する第2のチャットボットでの第2の会話を開始する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする会話制御方法。
【請求項8】
情報処理端末からチャットの開始指示を受信するとともに、前記情報処理端末がどの種類の端末であるかを区別する端末種別を受信する通信部と、
前記通信部によって前記情報処理端末から前記チャットの開始指示を受信すると、前記情報処理端末における第1のチャットボットでの第1の会話を開始し、前記第1の会話に対応する表示領域の一部の領域に広告情報を出力し、出力した前記広告情報が選択されたことに応じて、前記広告情報について、複数の端末種別それぞれに対応するスクリプト情報を記憶するデータベースを参照して、受信した前記端末種別に対応する第2のスクリプト情報を特定し、特定した前記第2のスクリプト情報を用いて、前記情報処理端末における、前記広告情報に対応する第2のチャットボットでの第2の会話を開始する会話制御部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会話制御プログラム、会話制御方法および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、チャットボットと呼ばれる技術を利用した自動応答システムを導入する企業が増えている。また、既存の広告配信形態として、ウェブサイトが配信した広告にアクセスがあった場合に、ランディングページへ遷移して、その広告に関する手続きを促すものがある。
【0003】
先行技術としては、チャットサーバが、時間とともに移り変わる性質を有するチャットのメッセージを送信するとともに、このメッセージの内容に関連付けた広告などの告知情報を取得するためのハイパーリンク形式のリンク情報を生成して、このリンク情報をメッセージの送信に合わせて送信するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、チャットボットを利用して広告配信を行う場合のユーザの利便性が低下するという問題がある。
【0006】
一つの側面では、本発明は、チャットボットを利用して広告配信する場合のユーザの利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一つの実施態様では、情報処理端末からチャットの開始指示を受信すると、前記情報処理端末における第1のチャットボットでの第1の会話を開始し、前記第1の会話に対応する表示領域の一部の領域に広告情報を出力し、出力した前記広告情報が選択されたことに応じて、前記情報処理端末における、前記広告情報に対応する第2のチャットボットでの第2の会話を開始する、会話制御プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一側面によれば、チャットボットを利用して広告配信する場合のユーザの利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態にかかる会話制御方法の一実施例を示す説明図である。
【
図2】
図2は、会話制御システム200のシステム構成例を示す説明図である。
【
図3】
図3は、情報処理装置101のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、情報処理端末201のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、スクリプトテーブル240の記憶内容の一例を示す説明図である。
【
図6】
図6は、スクリプト情報の具体例を示す説明図である。
【
図7】
図7は、広告管理DB250の記憶内容の一例を示す説明図である。
【
図8】
図8は、情報処理装置101の機能的構成例を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、会話制御システム200の動作例を示す説明図である。
【
図10】
図10は、チャット画面の画面例を示す説明図(その1)である。
【
図11】
図11は、チャット画面の画面例を示す説明図(その2)である。
【
図12】
図12は、広告情報のその他の表示例を示す説明図(その1)である。
【
図13】
図13は、広告情報のその他の表示例を示す説明図(その2)である。
【
図14】
図14は、情報処理装置101の会話制御処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。
【
図15】
図15は、情報処理装置101の会話制御処理手順の一例を示すフローチャート(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照して、本発明にかかる会話制御プログラム、会話制御方法および情報処理装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態)
図1は、実施の形態にかかる会話制御方法の一実施例を示す説明図である。
図1において、情報処理装置101は、チャットボットの会話を制御するコンピュータである。チャットボットは、人工知能を利用して、人間との対話やメッセージのやりとりを行うコンピュータシステムである。
【0012】
情報処理端末102は、ユーザがチャットボットでの会話を行う際に利用するコンピュータである。例えば、情報処理端末102は、個人が所有する、あるいは、店舗などで貸し出される可搬型の情報処理端末である。また、情報処理端末102は、駅、空港などの公共性の高い場所や、店舗、商業施設などの商品やサービスを提供する場所に設置される情報処理端末であってもよい。
【0013】
情報処理端末102において、ユーザは、例えば、メッセージを入力したり、選択肢を選択したりすることで、チャットボットと対話しながら、所望の回答を探したり、サービスを利用したりすることができる。回答は、例えば、FAQ(Frequently Asked Question)である。
【0014】
FAQは、「頻繁に尋ねられる質問」の意味であり、あらかじめ予想される質問に対して、質問と回答とをまとめたものである。質問は、何らかの問題の解決方法を問うものであってもよく、また、話し言葉による問いかけであってもよい。回答は、質問された問題の解決方法を示す回答や、話し言葉による問いかけに対する回答などである。
【0015】
ここで、チャットボットを利用して広告配信を行う場合がある。広告は、例えば、商品やサービスなどの情報を宣伝するためのものである。例えば、チャットボットでの会話形式で広告情報を表示することで、ユーザにとって自然でわかりやすいかたちで広告配信を行うことができる。
【0016】
しかし、既存のウェブサイトのように、広告にアクセスがあったときにランディングページへ遷移させて、その広告に関する手続きを行わせるようにすると、ユーザの利便性が悪いという問題がある。ランディングページ(LP)とは、サーチエンジンの検索結果やインターネット広告などを通じて、最初にユーザがアクセス(閲覧)するページである。
【0017】
例えば、チャットボットとランディングページは、UI(User Interface)が異なる。このため、チャットボットでの会話からランディングページへ遷移した際に、ユーザの操作感が変化して使い勝手が悪くなる場合がある。また、ランディングページには多くの情報が表示される傾向があり、ユーザが所望の情報を探すのに時間や手間がかかる場合がある。
【0018】
そこで、本実施の形態では、チャットボットでの会話中に表示した広告へのアクセス後に、ユーザの操作感が変化してユーザビリティが低下するのを防いで、チャットボットを利用して広告配信する場合のユーザの利便性を向上させる会話制御方法について説明する。以下、情報処理装置101の処理例について説明する。
【0019】
(1)情報処理装置101は、情報処理端末102からチャットの開始指示を受信すると、情報処理端末102における第1のチャットボットでの第1の会話を開始する。ここで、チャットの開始指示は、ユーザとチャットボットとの会話を開始するためのものである。
【0020】
具体的には、例えば、情報処理装置101は、情報処理端末102からチャットの開始指示を受信するとともに、情報処理端末102に対応する識別情報を受信する。そして、情報処理装置101は、受信した識別情報に基づいて、情報処理端末102における第1のチャットボットでの第1の会話を開始する。
【0021】
情報処理端末102に対応する識別情報は、情報処理端末102を一意に識別する情報であってもよい。また、情報処理端末102に対応する識別情報は、情報処理端末102の端末種別を示す情報であってもよい。端末種別としては、例えば、デジタルボード、スマートフォンなどがある。デジタルボードは、駅、空港などの公共性の高い場所や、店舗、商業施設などに設置される据え置き型の情報処理端末である。
【0022】
より詳細に説明すると、例えば、情報処理装置101は、情報処理端末102に対応する識別情報に基づいて、情報処理端末102におけるチャットボットの会話に適用するスクリプト情報を決定する。スクリプト情報は、チャットボットでの会話に関する処理を定義した情報(シナリオ)である。
【0023】
そして、情報処理装置101は、決定したスクリプト情報を用いて、情報処理端末102における第1のチャットボットでの第1の会話を開始する。ただし、情報処理装置101は、あらかじめ決められたスクリプト情報を用いて、情報処理端末102における第1のチャットボットでの第1の会話を開始することにしてもよい。
【0024】
図1の例では、情報処理端末102からのチャットの開始指示に応じて、情報処理端末102におけるチャットボットAでの第1の会話が開始された場合を想定する。
【0025】
(2)情報処理装置101は、第1のチャットボットでの第1の会話に対応する表示領域の一部の領域に広告情報を表示する。ここで、第1の会話に対応する表示領域の一部の領域は、例えば、第1の会話に対応するチャット画面内の一部の領域である。第1の会話に対応するチャット画面とは、第1の会話に関するメッセージや選択肢などを表示する操作画面である。
【0026】
具体的には、例えば、情報処理装置101は、第1の会話の会話履歴に基づいて、広告情報の掲載条件を満たすと判定した場合に、第1の会話に対応する表示領域の一部の領域に広告情報を出力することにしてもよい。すなわち、情報処理装置101は、情報処理端末102に、第1の会話に対応する表示領域の一部の領域に広告情報を表示させる。また、情報処理装置101は、決定したスクリプト情報に従って、第1のチャットボットの会話として、あらかじめ決められたタイミングで広告情報を出力することにしてもよい。
【0027】
図1の例では、チャットボットAでの会話に対応するチャット画面110において、チャットボットAのアバター111の会話として、広告情報112が表示された場合を想定する。広告情報112は、商品XXへの関心を引きつけるためのメッセージや画像などを表示したものである。
【0028】
(3)情報処理装置101は、出力した広告情報が選択されたことに応じて、情報処理端末102における、広告情報に対応する第2のチャットボットでの第2の会話を開始する。具体的には、例えば、情報処理装置101は、広告とチャットボットとの対応関係を示す情報を参照して、選択された広告情報に対応する第2のチャットボットでの第2の会話を開始する。
【0029】
図1の例では、情報処理端末102において、チャット画面110内に表示された広告情報112が選択された結果、広告情報112に対応するチャットボットBでの会話が開始された場合を想定する。この場合、チャットボットBでの会話に対応するチャット画面120において、チャットボットBのアバター121との会話形式で、例えば、広告情報112に関連する商品説明や購入手続きなどが行われる。
【0030】
このように、情報処理装置101によれば、第1のチャットボットでの会話中に出力した広告情報が選択された際に、ランディングページに遷移させるのではなく、その広告情報に対応する第2のチャットボットでの会話を開始することができる。これにより、チャットボットを利用して広告配信する場合のユーザの利便性を向上させることができる。例えば、ユーザは、広告にアクセスした後も、同一のUIで、広告に関連する手続きに関する会話をしたり、その手続きで要求される情報を入力したりすることができる。
【0031】
(会話制御システム200のシステム構成例)
つぎに、
図1に示した情報処理装置101を含む会話制御システム200のシステム構成例について説明する。会話制御システム200は、例えば、チャットボットと連携した双方向コミュニケーションを利用したサービスを提供するコンピュータシステムに適用される。
【0032】
図2は、会話制御システム200のシステム構成例を示す説明図である。
図2において、会話制御システム200は、情報処理装置101と、複数の情報処理端末201(
図2の例では、3台)と、オペレータ端末202と、を含む。会話制御システム200において、情報処理装置101、複数の情報処理端末201およびオペレータ端末202は、有線または無線のネットワーク210を介して接続される。ネットワーク210は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどである。
【0033】
ここで、情報処理装置101は、FAQマスタ220、チャットログDB(Database)230、スクリプトテーブル240および広告管理DB250を有し、チャットボットの会話を制御する。例えば、情報処理装置101は、サーバである。
【0034】
FAQマスタ220は、FAQを記憶する。チャットログDB230は、チャットログを記憶する。チャットログは、ユーザとチャットボットとの会話に関する会話履歴である。チャットログは、例えば、ルームIDと対応付けて、チャットログDB230に記憶される。ルームIDによれば、チャットボットとの一連の会話を特定することができる。
【0035】
なお、スクリプトテーブル240および広告管理DB250の記憶内容については、
図5および
図7を用いて後述する。
【0036】
情報処理端末201は、ユーザがチャットボットとの会話を行う際に利用するコンピュータである。例えば、情報処理端末201は、ユーザが所有する、あるいは、店舗などで貸し出されるスマートフォン、タブレットPCなどである。また、情報処理端末201は、駅、空港、店舗、商業施設などに設置されるデジタルボードであってもよい。
図1に示した情報処理端末102は、例えば、情報処理端末201に対応する。
【0037】
オペレータ端末202は、オペレータが使用するコンピュータである。オペレータは、チャットボット対応から有人対応の会話に切り替えた場合に、ユーザへの対応を行う者である。例えば、オペレータは、オペレータ端末202の電話機能や、テキストコミュニケーションなどを利用して、ユーザとやり取りすることができる。例えば、オペレータ端末202は、PCやタブレットPCである。
【0038】
なお、図示は省略するが、会話制御システム200には、例えば、各種ウェブサイト(ランディングページを含む)を提供するウェブサーバが含まれる。また、
図2の例では、オペレータ端末202を1台のみ表示したが、会話制御システム200には複数のオペレータ端末202が含まれていてもよい。
【0039】
(情報処理装置101のハードウェア構成例)
図3は、情報処理装置101のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図3において、情報処理装置101は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、ディスクドライブ303と、ディスク304と、通信I/F(Interface)305と、可搬型記録媒体I/F306と、可搬型記録媒体307と、を有する。また、各構成部は、バス300によってそれぞれ接続される。
【0040】
ここで、CPU301は、情報処理装置101の全体の制御を司る。CPU301は、複数のコアを有していてもよい。メモリ302は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMがOS(Operating System)のプログラムを記憶し、ROMがアプリケーションプログラムを記憶し、RAMがCPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることで、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。
【0041】
ディスクドライブ303は、CPU301の制御に従ってディスク304に対するデータのリード/ライトを制御する。ディスク304は、ディスクドライブ303の制御で書き込まれたデータを記憶する。ディスク304としては、例えば、磁気ディスク、光ディスクなどが挙げられる。
【0042】
通信I/F305は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して外部のコンピュータ(例えば、
図2に示した情報処理端末201、オペレータ端末202など)に接続される。そして、通信I/F305は、ネットワーク210と装置内部とのインターフェースを司り、外部のコンピュータからのデータの入出力を制御する。通信I/F305には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
【0043】
可搬型記録媒体I/F306は、CPU301の制御に従って可搬型記録媒体307に対するデータのリード/ライトを制御する。可搬型記録媒体307は、可搬型記録媒体I/F306の制御で書き込まれたデータを記憶する。可搬型記録媒体307としては、例えば、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリなどが挙げられる。
【0044】
なお、情報処理装置101は、上述した構成部のほかに、例えば、SSD(Solid State Drive)、入力装置、ディスプレイ等を有することにしてもよい。また、情報処理装置101は、上述した構成部のうち、例えば、ディスクドライブ303、ディスク304、可搬型記録媒体I/F306、可搬型記録媒体307を有していなくてもよい。
【0045】
(情報処理端末201のハードウェア構成例)
図4は、情報処理端末201のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図4において、情報処理端末201は、CPU401と、メモリ402と、ディスプレイ403と、入力装置404と、通信I/F405と、カメラ406と、スピーカ407と、マイクロフォン408とを有する。また、各構成部はバス400によってそれぞれ接続される。
【0046】
ここで、CPU401は、情報処理端末201の全体の制御を司る。CPU401は、複数のコアを有していてもよい。メモリ402は、例えば、ROM、RAMおよびフラッシュROMなどを有する記憶部である。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU401のワークエリアとして使用される。メモリ402に記憶されるプログラムは、CPU401にロードされることで、コーディングされている処理をCPU401に実行させる。
【0047】
ディスプレイ403は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する表示装置である。ディスプレイ403としては、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどを採用することができる。
【0048】
入力装置404は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを有し、データの入力を行う。入力装置404は、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよく、また、キーボードやマウスなどであってもよい。
【0049】
通信I/F405は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して外部のコンピュータ(例えば、情報処理装置101、オペレータ端末202)に接続される。そして、通信I/F405は、ネットワーク210と自装置内部とのインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。
【0050】
カメラ406は、画像(静止画または動画)を撮影して画像データを出力する撮影装置である。スピーカ407は、電気信号を音声に変換して、音声を出力する。マイクロフォン408は、音声を受音して電気信号に変換する。
【0051】
なお、情報処理端末201は、上述した構成部のほかに、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD、近距離無線通信I/F、可搬型記録媒体I/F、可搬型記録媒体、GPS(Global Positioning System)ユニットなどを有することにしてもよい。また、
図2に示したオペレータ端末202についても、情報処理端末201と同様のハードウェア構成により実現することができる。
【0052】
(スクリプトテーブル240の記憶内容)
つぎに、
図5を用いて、情報処理装置101が有するスクリプトテーブル240の記憶内容について説明する。なお、
図2に示したFAQマスタ220、チャットログDB230、スクリプトテーブル240および広告管理DB250は、例えば、
図3に示したメモリ302、ディスク304などの記憶装置により実現される。
【0053】
図5は、スクリプトテーブル240の記憶内容の一例を示す説明図である。
図5において、スクリプトテーブル240は、端末属性およびスクリプトのフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、スクリプト管理情報(例えば、スクリプト管理情報500-1,500-2)をレコードとして記憶する。
【0054】
ここで、端末属性は、情報処理端末201の特徴を表す。端末属性は、例えば、情報処理端末201の端末種別によって特定される。情報処理端末201の端末種別は、情報処理端末201がどの種類の端末(例えば、スマートフォン、デジタルボードなど)であるかを区別するものである。
【0055】
また、端末属性は、情報処理端末201のユーザ種別によって特定されてもよい。情報処理端末201のユーザ種別は、情報処理端末201を使用するユーザの特徴を区別するものである。ユーザ種別としては、例えば、年代、性別、言語、位置情報、気象情報などが挙げられる。
【0056】
スクリプトは、チャットボットの会話の流れを定義したスクリプト情報であり、端末属性に対応付けて用意される。ただし、ここでは、スクリプト情報を識別するスクリプトID(例えば、SP1,SP2,…)を表記している。なお、端末属性として、例えば、「ALL」のように、全ての端末を対象とするものを設けることにしてもよい。
【0057】
例えば、スクリプト管理情報500-1は、端末属性C1に対応するスクリプト情報SP1を示す。
【0058】
(スクリプト情報の具体例)
ここで、
図6を用いて、スクリプト情報の具体例について説明する。ここでは、端末属性C1に対応するスクリプト情報SP1を例に挙げて説明する。
【0059】
図6は、スクリプト情報の具体例を示す説明図である。
図6において、スクリプト情報SP1は、チャットボットの会話の流れを定義した情報(シナリオ)である。ただし、
図6では、スクリプト情報SP1の一部を抜粋して表示している。具体的には、例えば、スクリプト情報SP1は、チャットのトーク処理を定義した情報である。
【0060】
トーク処理は、チャットボットの動作(挙動)を実現するための処理である。例えば、トーク処理は、発話する処理、選択肢を表示する処理、ユーザ操作に応じて選択肢を選択する処理、選択された選択肢や入力された情報に応じた手続きを行う処理、トーク処理を終了する処理などを含む。
【0061】
スクリプト情報SP1において、例えば、STR-1は、トーク処理の開始を示す。TXT-1は、メッセージを発話する処理を示す。SLC-2は、OPT-3~OPT-8の選択肢を表示する処理を示す。FAQ-1は、選択肢に応じたFAQを検索して表示する処理である。なお、ERR-10は、エラー処理を示す。FAQの検索は、例えば、
図2に示したFAQマスタ220を用いて行われる。
【0062】
(広告管理DB250の記憶内容)
つぎに、
図7を用いて、情報処理装置101が有する広告管理DB250の記憶内容について説明する。
【0063】
図7は、広告管理DB250の記憶内容の一例を示す説明図である。
図7において、広告管理DB250は、広告ID、広告情報、スクリプト、掲載ルールおよびURLのフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、広告管理情報(例えば、広告管理情報700-1,700-2)をレコードとして記憶する。
【0064】
ここで、広告IDは、広告を一意に識別する識別子である。広告情報は、商品やサービスへの関心を引きつけるためのメッセージや画像などを表示するための情報である。例えば、広告情報には、広告のデザインや表示パターンを特定する情報が含まれる。また、広告情報には、クーポン情報が含まれていてもよい。
【0065】
スクリプトは、チャットボットの会話の流れを定義したスクリプト情報であり、広告情報に対応付けて用意される。ただし、広告情報に対応するスクリプトが用意されていない場合や、広告情報に対応するスクリプトがメンテナンス中の場合がある。広告情報に対応するスクリプトが存在しない場合は、スクリプトフィールドには「-(Null)」が設定される。
【0066】
掲載ルールは、チャットボットでの会話中に広告情報を表示する条件(掲載条件)を表す。掲載条件は、例えば、チャットボットでの会話中に出現するキーワードによって指定される。URLは、広告情報に対応するランディングページのURL(Uniform Resource Locator)である。
【0067】
例えば、広告管理情報700-1は、広告A1の広告情報ad1、スクリプト情報SP-A1、掲載ルールR1およびURL「https://www.111.com/jp/…/」を示す。
【0068】
なお、広告管理DB250には、例えば、広告情報に対応するチャットボット専用のFAQマスタが含まれていてもよい。この場合、広告情報に対応するチャットボットでの会話におけるFAQの検索は、そのチャットボット専用のFAQマスタを用いて行われる。また、広告管理DB250には、各広告の表示回数や成約率などを特定する情報が含まれていてもよい。また、各広告の内容は、例えば、チャットボットの提供元(例えば、企業、部署、店舗など)に応じて決定される。また、広告管理DB250内のスクリプトは、例えば、
図5に示したスクリプトテーブル240内のいずれかのスクリプトに対応していてもよい。
【0069】
(情報処理装置101の機能的構成例)
図8は、情報処理装置101の機能的構成例を示すブロック図である。
図8において、情報処理装置101は、通信部801と、決定部802と、会話制御部803と、記憶部810と、を含む。具体的には、例えば、通信部801~会話制御部803は、
図3に示したメモリ302、ディスク304、可搬型記録媒体307などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、通信I/F305により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、メモリ302、ディスク304などの記憶装置に記憶される。記憶部810は、例えば、メモリ302、ディスク304などの記憶装置により実現される。具体的には、例えば、記憶部810は、
図5に示したスクリプトテーブル240や、
図7に示した広告管理DB250などを記憶する。
【0070】
通信部801は、情報処理端末201からチャットの開始指示を受信する。また、通信部801は、情報処理端末201からチャットの開始指示を受信するとともに、情報処理端末201に対応する識別情報を受信してもよい。情報処理端末201に対応する識別情報は、例えば、情報処理端末201の端末種別や、情報処理端末201のユーザ種別を含む。
【0071】
情報処理端末201の端末種別は、情報処理端末201がどの種類の端末であるかを区別する情報である。情報処理端末201の端末種別は、例えば、
図4に示したメモリ402にあらかじめ記憶されている。情報処理端末201のユーザ種別は、情報処理端末201を使用するユーザの特徴を区別する情報である。
【0072】
ユーザ種別としては、例えば、年代、性別、言語、感情、同伴者の有無、位置情報、気象情報などが挙げられる。なお、感情は、快、不快、怒りなどである。位置情報は、ユーザの現在位置を示す情報(例えば、緯度、経度)である。気象情報は、ユーザの現在位置の気象を示す情報(例えば、天気、天候)である。
【0073】
情報処理端末201のユーザ種別は、例えば、情報処理端末201において取得される。具体的には、例えば、情報処理端末201は、
図4に示した入力装置404を用いたユーザの操作入力により、ユーザ種別を入力させることにしてもよい。この場合、情報処理端末201は、チャットの開始指示とともに、入力されたユーザ種別を含む識別情報を、情報処理装置101に送信する。
【0074】
また、情報処理端末201は、
図4に示したカメラ406により撮影された画像情報(例えば、動画)を解析して、ユーザの年代、性別、感情、同伴者の有無などのユーザ種別を取得してもよい。この場合、情報処理端末201は、チャットの開始指示とともに、取得したユーザ種別を含む識別情報を、情報処理装置101に送信する。
【0075】
また、情報処理端末201は、
図4に示したマイクロフォン408により受音された音声情報を解析して、ユーザの性別、言語、感情などのユーザ種別を取得してもよい。また、情報処理端末201は、不図示の環境センサにより、または、外部サーバに問い合わせることにより、温度、湿度、天気などの気象情報を取得してもよい。
【0076】
また、情報処理端末201は、不図示のGPSユニットにより、現在位置を示す位置情報を取得してもよい。ただし、情報処理端末201がデジタルボード等の据え置き型のコンピュータの場合、情報処理端末201の設置位置を示す位置情報があらかじめメモリ402に記憶されていてもよい。
【0077】
また、通信部801は、カメラ406により撮影された画像情報や、マイクロフォン408により受音された音声情報を受信することにしてもよい。この場合、情報処理装置101は、受信した画像情報や音声情報から、ユーザ種別を取得してもよい。すなわち、画像情報や音声情報を解析する処理は、情報処理端末201側で行わず、情報処理装置101側で行うことにしてもよい。
【0078】
なお、画像情報や音声情報からユーザの特徴を表す情報を取得する技術としては、既存のいかなる技術を用いることにしてもよい。例えば、深層学習などの機械学習に基づく手法により、画像や音声の特徴量から、年代、性別、服装、言語、同伴者の有無などの情報を抽出することにしてもよい。
【0079】
決定部802は、情報処理端末201におけるチャットボットの会話に適用する第1のスクリプト情報を決定する。具体的には、例えば、決定部802は、受信された情報処理端末201に対応する識別情報に基づいて、第1のスクリプト情報を決定することにしてもよい。
【0080】
例えば、情報処理端末201に対応する識別情報に、駅、空港などに設置されるデジタルボードであることを示す端末種別が含まれるとする。この場合、決定部802は、例えば、公共性の高い場所に設置された端末用にあらかじめ記憶されたスクリプト情報を、第1のスクリプト情報に決定する。
【0081】
また、情報処理端末201に対応する識別情報に、スマートフォンやタブレットPCなどであることを示す端末種別が含まれるとする。この場合、決定部802は、例えば、個人端末用にあらかじめ記憶されたスクリプト情報を、第1のスクリプト情報に決定する。
【0082】
また、情報処理端末201に対応する識別情報に、年代「20代」、性別「女性」を示すユーザ種別が含まれるとする。この場合、決定部802は、例えば、20代女性用にあらかじめ記憶されたスクリプト情報を、第1のスクリプト情報に決定する。
【0083】
より詳細に説明すると、例えば、決定部802は、受信された情報処理端末201に対応する識別情報に含まれる端末種別および/またはユーザ種別から、情報処理端末201の端末属性を特定する。そして、決定部802は、
図5に示したスクリプトテーブル240を参照して、特定した端末属性に対応するスクリプト情報を、第1のスクリプト情報に決定する。
【0084】
なお、特定された端末属性に対応するスクリプト情報が、スクリプトテーブル240にない場合がある。この場合、決定部802は、スクリプトテーブル240を参照して、端末属性「ALL」に対応するスクリプト情報を、第1のスクリプト情報に決定してもよい。
【0085】
会話制御部803は、情報処理端末201における第1のチャットボットでの第1の会話を開始する。具体的には、例えば、会話制御部803は、決定された第1のスクリプト情報を用いて、情報処理端末201における第1のチャットボットでの第1の会話を開始する。より詳細に説明すると、例えば、会話制御部803は、第1のスクリプト情報に従って、第1のチャットボットにより、発話したり、選択肢を表示したり、選択された選択肢に応じた手続きを実行したりする。
【0086】
なお、情報処理端末201におけるチャットボットとユーザとの会話履歴(いわゆる、チャットログ)は、例えば、
図2に示したチャットログDB230に記憶される。第1のチャットボットでの第1の会話に対応するチャット画面の画面例については、
図10を用いて後述する。
【0087】
また、会話制御部803は、第1の会話に対応する表示領域の一部の領域に広告情報を表示する。ここで、広告情報は、商品やサービスへの関心を引きつけるためのメッセージや画像などを表示するための情報である。第1の会話に対応する表示領域の一部の領域は、例えば、第1の会話に対応するチャット画面内の一部の領域であってもよく、また、第1の会話に対応するチャット画面上にポップアップ表示される別画面内の領域であってもよい。
【0088】
具体的には、例えば、会話制御部803は、第1の会話の会話履歴に基づいて、広告情報の掲載条件を満たすか否かを判定する。第1の会話の会話履歴は、例えば、チャットログDB230から特定される。そして、会話制御部803は、掲載条件を満たすと判定した場合に、第1の会話に対応する表示領域の一部の領域に広告情報を出力する。すなわち、会話制御部803は、情報処理端末102に、第1の会話に対応する表示領域の一部の領域に広告情報を表示させる。一方、掲載条件を満たさないと判定した場合、会話制御部803は、広告情報を出力しない。
【0089】
以下の説明では、任意の広告を「広告A」と表記する場合がある。また、広告Aの広告情報を「広告情報ad」と表記し、広告Aの掲載ルールを「掲載ルールR」と表記する場合がある。
【0090】
より詳細に説明すると、例えば、会話制御部803は、
図7に示した広告管理DB250を参照して、広告Aの掲載ルールRを特定する。つぎに、会話制御部803は、特定した掲載ルールRを参照して、第1の会話の会話履歴に基づいて、広告情報adの掲載条件を満たすか否かを判定する。
【0091】
なお、掲載条件を満たすか否かの判定は、例えば、広告管理DB250内の全広告について行われてもよい。また、例えば、第1のチャットボットと対応付けて、第1のチャットボットでの第1の会話中に掲載条件を満たすか否かの判定を行う広告情報があらかじめ設定されていてもよい。
【0092】
一例を挙げると、会話制御部803は、第1の会話中に入力されたメッセージや選択された選択肢の中に、特定のキーワードが含まれる場合に、広告情報adの掲載条件を満たすと判定してもよい。特定のキーワードは、例えば、商品名、サービス名などである。ただし、会話制御部803は、特定のキーワードと完全一致しなくても、特定のキーワードの類義語が含まれる場合に、広告情報adの掲載条件を満たすと判定してもよい。特定のキーワードの類義語は、例えば、不図示の類義語辞書から特定される。
【0093】
これにより、第1の会話において、商品やサービスの名称が入力された場合などに、その商品やサービスに関連する広告情報adを表示することが可能となる。
【0094】
また、会話制御部803は、第1の会話中に入力されたメッセージの入力速度が、あらかじめ設定された閾値以上の場合に、広告情報adの掲載条件を満たすと判定してもよい。入力速度は、例えば、単位時間当たりの入力文字数によって表される。
【0095】
これにより、メッセージの入力速度が早く、チャット操作に慣れているヘビーユーザであると判断した場合に、広告情報adを表示することが可能となる。
【0096】
また、会話制御部803は、掲載ルールRを参照して、情報処理端末201のユーザ種別に基づいて、広告情報adの掲載条件を満たすか否かを判定してもよい。情報処理端末201のユーザ種別は、例えば、チャットの開始指示とともに受信される、情報処理端末201に対応する識別情報に含まれる。
【0097】
一例を挙げると、会話制御部803は、ユーザ種別から特定される位置情報が特定の場所を示す場合に、広告情報adの掲載条件を満たすと判定してもよい。これにより、ユーザが特定の場所にいる場合に、その場所に関連する広告情報adを表示することが可能となる。
【0098】
また、会話制御部803は、ユーザ種別から特定される感情が「怒り」や「不快」の場合には、広告情報adの掲載条件を満たさないと判定してもよい。これにより、不快感や怒りを抱いているユーザに対する広告配信を防ぐことができる。
【0099】
また、会話制御部803は、ユーザ種別から特定される言語が特定の言語の場合に、広告情報adの掲載条件を満たすと判定してもよい。これにより、ユーザが特定の言語を用いる場合に、その言語が用いられる地域(例えば、出身地)に関連する広告情報adを表示することが可能となる。
【0100】
ここで、広告情報adの掲載条件を満たすと判定した場合、会話制御部803は、第1の会話に対応するチャット画面において、第1のチャットボットの会話として広告情報adを出力することにしてもよい。なお、チャット画面において、第1のチャットボットの会話として広告情報adを出力する場合の表示例については、
図10を用いて後述する。
【0101】
また、会話制御部803は、第1の会話に対応するチャット画面内の所定の位置に広告情報adを出力することにしてもよい。所定の位置は、任意に設定可能であり、例えば、チャット画面の上端部または下端部に設定される。なお、チャット画面内の所定の位置に広告情報adを出力する場合の表示例については、
図12を用いて後述する。
【0102】
また、会話制御部803は、第1の会話に対応するチャット画面上に表示されるポップアップ画面に広告情報adを出力することにしてもよい。なお、ポップアップ画面に広告情報adを出力する場合の表示例については、
図13を用いて後述する。
【0103】
また、会話制御部803は、出力した広告情報が選択されたことに応じて、情報処理端末201における、広告情報に対応する第2のチャットボットでの第2の会話を開始する。ここで、第2の会話は、例えば、広告情報に関連する手続きに関する会話であり、その手続きで要求される情報の入力を受け付け可能な会話である。広告情報の選択は、例えば、広告情報へのタップ操作やクリック操作により行われる。
【0104】
具体的には、例えば、会話制御部803は、出力した広告情報が選択されたことに応じて、広告とチャットボットとの対応関係を示す情報を記憶する記憶部810を参照して、広告情報に対応する第2のチャットボットが存在するか否かを判定する。広告とチャットボットとの対応関係を示す情報は、例えば、広告管理DB250内の広告管理情報である。
【0105】
ここで、第2のチャットボットが存在する場合、会話制御部803は、情報処理端末201における第2のチャットボットでの第2の会話を開始する。一方、第2のチャットボットが存在しない場合には、会話制御部803は、情報処理端末201に広告情報に対応するランディングページへのアクセスを指示することにしてもよい。
【0106】
より詳細に説明すると、例えば、会話制御部803は、出力した広告情報adが選択されたことに応じて、広告管理DB250を参照して、広告情報adに対応するスクリプト(第2のスクリプト情報)を特定する。なお、スクリプトフィールドが「-」の場合は、広告情報adに対応する第2のスクリプト情報は特定されない。
【0107】
ここで、広告情報adに対応する第2のスクリプト情報が特定された場合、会話制御部803は、広告情報adに対応する第2のチャットボットが存在すると判定する。そして、会話制御部803は、特定した第2のスクリプト情報を用いて、情報処理端末201における第2のチャットボットでの第2の会話を開始する。
【0108】
一方、広告情報adに対応する第2のスクリプト情報が特定されなかった場合、会話制御部803は、広告情報adに対応する第2のチャットボットが存在しないと判定する。この場合、会話制御部803は、広告管理DB250を参照して、広告情報adに対応するURLを特定する。
【0109】
そして、会話制御部803は、特定したURLを情報処理端末201に送信して、そのURLに情報処理端末201にアクセスさせることにより、広告情報adに対応するランディングページに遷移させる。すなわち、広告情報adに対応するスクリプトが未作成やメンテナンス中の場合は、広告情報adに対応するランディングページに遷移させる。
【0110】
また、会話制御部803は、情報処理端末201における第2のチャットボットでの第2の会話を開始するにあたり、第1の会話を終了せずにバックグラウンドで維持することにしてもよい。具体的には、例えば、会話制御部803は、出力した広告情報が選択されたことに応じて、情報処理端末201における、第1の会話を中断して、第2のチャットボットでの第2の会話を開始する。
【0111】
この場合、会話制御部803は、情報処理端末201における第2の会話を開始後に、第1の会話へ戻る操作入力を受け付けた場合、第1の会話を中断した箇所から再開することにしてもよい。また、会話制御部803は、情報処理端末201における第2の会話が終了した場合に、第1の会話を中断した箇所から再開することにしてもよい。ただし、会話制御部803は、情報処理端末201における第2のチャットボットでの第2の会話を開始する際に、第1の会話を終了することにしてもよい。
【0112】
また、広告情報adに対応するスクリプト情報は、複数用意されていてもよい。例えば、広告管理DB250には、広告IDと対応付けて、複数の端末属性それぞれに対応するスクリプト情報が記憶されていてもよい。端末属性は、例えば、情報処理端末201の端末種別およびユーザ種別の少なくともいずれかによって特定される。
【0113】
この場合、会話制御部803は、例えば、広告管理DB250を参照して、広告情報adに対応する複数のスクリプト情報から、情報処理端末201の端末属性に対応するスクリプト情報を、第2のスクリプト情報として特定する。そして、会話制御部803は、特定した第2のスクリプト情報を用いて、情報処理端末201における第2のチャットボットでの第2の会話を開始する。これにより、情報処理端末201の端末種別やユーザ種別に応じて、広告Aに関連する会話の内容や流れを動的に変化させることができる。
【0114】
また、スクリプト情報には、チャットボットでの会話履歴に基づいて、特定の条件を満たす場合に、チャットボット対応から有人対応の会話に切り替える処理が記述されていてもよい。例えば、会話制御部803は、第1のスクリプト情報に従って、第1のチャットボットでの第1の会話を開始した後に、第1の会話の会話履歴に基づいて、特定の条件を満たすか否かを判断する。
【0115】
一例を挙げると、会話制御部803は、第1の会話の会話履歴に基づいて、所定のキーワードが入力された場合に、特定の条件を満たすと判断してもよい。所定のキーワードは、任意に設定可能である。例えば、所定のキーワードは、「責任者を出せ」、「上司を出せ」などのクレームキーワードであってもよく、「高級フレンチ」、「リゾート」などのビジネスキーワードであってもよい。
【0116】
また、会話制御部803は、例えば、第1の会話の会話履歴に基づいて、特定の選択肢が複数回選択された場合に、特定の条件を満たすと判断してもよい。特定の選択肢は、例えば、「この中にない」、「いいえ」などの所望の情報が得られない場合に選択されるものである。
【0117】
会話制御部803は、特定の条件を満たすと判断した場合に、チャットボット対応から有人対応の会話に切り替え可能な操作ボタンを、情報処理端末201に表示することにしてもよい。そして、会話制御部803は、当該操作ボタンが選択されたことに応じて、情報処理端末201とオペレータ端末202とを接続して、チャットボット対応から有人対応の会話に切り替えることにしてもよい。
【0118】
なお、上述した情報処理装置101の各機能部は、会話制御システム200内の複数のコンピュータ(例えば、情報処理装置101と情報処理端末201)により実現されることにしてもよい。また、上述した情報処理装置101の各機能部は、各情報処理端末201により実現されることにしてもよい。
【0119】
(会話制御システム200の動作例)
つぎに、会話制御システム200の動作例について説明する。
【0120】
図9は、会話制御システム200の動作例を示す説明図である。
図9において、情報処理装置101は、情報処理端末201からチャットの開始指示を受信すると、スクリプトテーブル240を参照して、情報処理端末201におけるA社のチャットボットでの会話を開始する。
【0121】
チャット画面910は、A社のチャットボットでの会話に対応するチャット画面である。チャット画面910において、A社のチャットボットでの会話中に特定のキーワードが入力された結果、広告情報911が表示されている。広告情報911は、D社のサービスに関する広告情報である。
【0122】
ここで、チャット画面910において、ユーザが広告情報911を選択した場合を想定する。情報処理装置101は、出力(表示)した広告情報911が選択されたことに応じて、広告管理DB250を参照して、情報処理端末201におけるD社のチャットボットでの会話を開始する。
【0123】
チャット画面920は、D社のチャットボットでの会話に対応するチャット画面である。チャット画面920では、ユーザは、D社のチャットボットと対話しながら、D社のサービスの内容を確認することができる。
【0124】
このように、A社のチャットボットでの会話中に表示したD社の広告情報(広告情報911)が選択された際に、ランディングページに遷移させるのではなく、その広告情報に対応するD社のチャットボットの会話を開始することができる。このため、ユーザは、広告にアクセスした後も、同一のUIで、D社のサービスの内容を確認する操作を行うことが可能となる。
【0125】
(チャット画面の画面例)
つぎに、
図10および
図11を用いて、情報処理端末201のディスプレイ403に表示されるチャット画面の画面例について説明する。各チャット画面では、
図4に示した入力装置404を用いたユーザの操作入力により、メッセージの入力や選択肢の選択を行うことができる。
【0126】
図10および
図11は、チャット画面の画面例を示す説明図である。
図10において、チャット画面1000は、XX社のチャットボットでの会話に対応する操作画面であり、第1のチャットボットでの第1の会話に対応するチャット画面の一例である。
図10中、アバター1001は、XX社の人事担当者(あやの)を表すキャラクターである。
【0127】
チャット画面1000によれば、ユーザは、メッセージを入力したり、選択肢を選択したりすることで、XX社のチャットボット(アバター1001)と対話しながら、XX社で提供されているXX人事チャットサポートを利用することができる。
【0128】
ここでは、アバター1001の「本日はどのようなご用件でしょうか。」という問いかけに対して、選択肢1002~1004の中から選択肢1002が選択された場合を想定する。この場合、ユーザとXX社のチャットボット(アバター1001)との間で、年休(年次有給休暇)に関する会話が開始される。
【0129】
つぎに、アバター1001の「年休に関する問い合わせですね。詳しくお聞かせください。」という問いかけに対して、入力ボックス1010にメッセージ1011が入力された場合を想定する。この場合、ユーザの発言としてメッセージ1011が表示されるとともに、メッセージ1011に対応するFAQが検索され、検索されたFAQに対応する選択肢1021,1022が表示される。
【0130】
また、メッセージ1011に含まれるキーワード「旅行」が、1Day保険に関する広告情報1023の掲載条件を満たす特定のキーワードである場合を想定する。この場合、選択肢1021,1022とともに、広告情報1023が表示される。
【0131】
ここでは、ユーザが、北海道に家族旅行に行くにあたり、1Day保険に興味を持ち、広告情報1023を選択した場合を想定する。この場合、情報処理端末201のディスプレイ403に、
図11に示すようなチャット画面1100が表示される。
【0132】
図11において、チャット画面1100は、YY社のチャットボットでの会話に対応する操作画面であり、第2のチャットボットでの第2の会話に対応するチャット画面の一例である。
図11中、アバター1101は、YY社の保険担当者(はる)を表すキャラクターである。
【0133】
チャット画面1100によれば、ユーザは、メッセージを入力したり、選択肢を選択したりすることで、YY社のチャットボット(アバター1101)と対話しながら、YY社で提供されているYY保険チャットサポートを利用することができる。
【0134】
ここでは、アバター1101の「1Day保険のお申し込みについてご案内いたします。」という問いかけに対して、選択肢1102~1104の中から選択肢1104が選択された場合を想定する。この場合、ユーザとYY社のチャットボット(アバター1101)との間で、1Day保険の申し込み手続きに関する会話が開始される。
【0135】
ここでは、まず、アバター1101の「氏名を入力してください。」という問いかけに対して、入力ボックス1110にメッセージ1111が入力された場合を想定する。この場合、ユーザの発言としてメッセージ1111が表示されるとともに、アバター1101からのつぎの問いかけ「住所を入力してください。」が表示される。
【0136】
このように、チャット画面1100によれば、ユーザは、メッセージを入力したり、選択肢を選択したりすることで、1Day保険の申し込み手続きに関する会話を開始したり、その手続きで要求される情報(例えば、氏名、住所など)を入力したりすることができる。
【0137】
(広告情報の表示例)
つぎに、
図12および
図13を用いて、第1のチャットボットでの第1の会話に対応する表示領域の一部の領域に出力する広告情報の表示例について説明する。上述した
図10の例では、チャット画面1000において、XX社のチャットボットの会話として広告情報1023を出力(表示)する場合について説明した。
【0138】
ここでは、まず、
図12を用いて、チャット画面内の所定の位置に広告情報を出力(表示)する場合について説明する。
【0139】
図12は、広告情報のその他の表示例を示す説明図(その1)である。
図12において、チャット画面1200は、XX社のチャットボットでの会話に対応する操作画面であり、広告情報の表示方法以外は、
図10に示したチャット画面1000と同様である。
【0140】
ここでは、入力ボックス1010に入力されたメッセージ1011に対応するFAQが検索された結果、検索されたFAQに対応する選択肢1021,1022が表示され、チャット画面1200内のメッセージ表示領域1201の下端部に、広告情報1210が表示されている。
【0141】
チャット画面1200によれば、アンカー広告やスクロール追尾広告のように、画面下端部に広告情報1210を固定して表示することができ、よりユーザの目に留まる広告表示を行うことが可能となる。なお、広告情報1210が選択されると、例えば、
図11に示したチャット画面1100が表示される。
【0142】
つぎに、
図13を用いて、チャット画面上に表示されるポップアップ画面に広告情報を出力(表示)する場合について説明する。
【0143】
図13は、広告情報のその他の表示例を示す説明図(その2)である。
図13において、チャット画面1310は、XX社のチャットボットでの会話に対応する操作画面であり、広告情報の表示方法以外は、
図10に示したチャット画面1000と同様である。
【0144】
ここでは、入力ボックス1010にメッセージ1011が入力された結果、チャット画面1310上にポップアップ画面1320が表示されている。ポップアップ画面1320には、1Day保険に関する広告情報1321が表示されている。
【0145】
ポップアップ画面1320によれば、情報処理端末201における画面占有率が高く、視認性の高い広告表示を行うことが可能となる。なお、広告情報1321が選択されると、例えば、
図11に示したチャット画面1100が表示される。
【0146】
(情報処理装置101の会話制御処理手順)
つぎに、
図14および
図15を用いて、情報処理装置101の会話制御処理手順について説明する。
【0147】
図14および
図15は、情報処理装置101の会話制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
図14のフローチャートにおいて、まず、情報処理装置101は、情報処理端末201からチャットの開始指示とともに、情報処理端末201に対応する識別情報を受信したか否かを判断する(ステップS1401)。
【0148】
ここで、情報処理装置101は、チャットの開始指示とともに識別情報を受信するのを待つ(ステップS1401:No)。そして、情報処理装置101は、チャットの開始指示とともに識別情報を受信した場合(ステップS1401:Yes)、スクリプトテーブル240を参照して、受信した情報処理端末201に対応する識別情報に基づいて、第1のスクリプト情報を決定する(ステップS1402)。
【0149】
つぎに、情報処理装置101は、決定した第1のスクリプト情報を用いて、情報処理端末201における第1のチャットボットでの第1の会話を開始する(ステップS1403)。そして、情報処理装置101は、広告管理DB250内の広告Aの掲載ルールRを参照して、第1の会話の会話履歴に基づいて、広告情報adの掲載条件を満たすか否かを判定する(ステップS1404)。
【0150】
ここで、広告情報adの掲載条件を満たさない場合(ステップS1404:No)、情報処理装置101は、情報処理端末201における第1のチャットボットでの第1の会話を終了するか否かを判断する(ステップS1405)。なお、チャットボットでの会話は、例えば、スクリプト情報に従って、または、ユーザの強制終了操作に応じて終了する。
【0151】
ここで、第1の会話を終了しない場合(ステップS1405:No)、情報処理装置101は、ステップS1404に戻る。一方、第1の会話を終了する場合には(ステップS1405:Yes)、情報処理装置101は、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0152】
また、ステップS1404において、広告情報adの掲載条件を満たす場合(ステップS1404:Yes)、情報処理装置101は、第1の会話に対応する表示領域の一部の領域に広告情報adを出力する(ステップS1406)。そして、情報処理装置101は、出力した広告情報adが選択されたか否かを判断する(ステップS1407)。
【0153】
ここで、広告情報adが選択されていない場合(ステップS1407:No)、情報処理装置101は、情報処理端末201における第1のチャットボットでの第1の会話を終了するか否かを判断する(ステップS1408)。
【0154】
ここで、第1の会話を終了しない場合(ステップS1408:No)、情報処理装置101は、ステップS1407に戻る。一方、第1の会話を終了する場合には(ステップS1408:Yes)、情報処理装置101は、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0155】
また、ステップS1407において、広告情報adが選択された場合(ステップS1407:Yes)、情報処理装置101は、
図15に示すステップS1501に移行する。
【0156】
図15のフローチャートにおいて、まず、情報処理装置101は、広告管理DB250を参照して、選択された広告情報adに対応する第2のスクリプト情報が存在するか否かを判断する(ステップS1501)。ここで、第2のスクリプト情報が存在する場合(ステップS1501:Yes)、第2のスクリプト情報を用いて、情報処理端末201における第2のチャットボットでの第2の会話を開始する(ステップS1502)。
【0157】
なお、ステップS1502において、第2のチャットボットでの第2の会話を開始するにあたり、情報処理装置101は、第1の会話を終了してもよいし、第1の会話を終了せずにバックグラウンドで維持することにしてもよい。
【0158】
そして、情報処理装置101は、情報処理端末201における第2のチャットボットでの第2の会話を終了するか否かを判断する(ステップS1503)。ここで、情報処理装置101は、第2の会話が終了するのを待つ(ステップS1503:No)。そして、第2の会話を終了する場合(ステップS1503:Yes)、情報処理装置101は、第1の会話がバックグラウンドで維持されているか否かを判断する(ステップS1504)。
【0159】
ここで、第1の会話がバックグラウンドで維持されている場合(ステップS1504:Yes)、情報処理装置101は、
図14に示したステップS1408に戻る。一方、第1の会話がバックグラウンドで維持されていない場合(ステップS1504:No)、情報処理装置101は、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0160】
また、ステップS1501において、第2のスクリプト情報が存在しない場合(ステップS1501:No)、情報処理装置101は、広告管理DB250を参照して、選択された広告情報adに対応するURLを特定する(ステップS1505)。
【0161】
そして、情報処理装置101は、特定したURLを情報処理端末201に送信して、そのURLにアクセスさせることにより、広告情報adに対応するランディングページを情報処理端末201に表示させる(ステップS1506)。
【0162】
なお、ステップS1506において、ランディングページを表示させるにあたり、情報処理装置101は、第1の会話を終了してもよいし、第1の会話を終了せずにバックグラウンドで維持することにしてもよい。
【0163】
つぎに、情報処理装置101は、情報処理端末201とランディングページを提供するウェブサーバとの接続が終了したか否かを判断する(ステップS1507)。具体的には、例えば、情報処理装置101は、情報処理端末201からの通知により、情報処理端末201とウェブサーバとの接続が終了したことを判断する。
【0164】
ここで、情報処理装置101は、情報処理端末201とウェブサーバとの接続が終了するのを待つ(ステップS1507:No)。そして、情報処理端末201とウェブサーバとの接続が終了した場合(ステップS1507:Yes)、情報処理装置101は、ステップS1504に移行する。
【0165】
すなわち、S1506において、第1の会話をバックグラウンドで維持している状態でランディングページに遷移させた後、情報処理端末201とランディングページを提供するウェブサーバとの接続が終了した場合、情報処理装置101は、情報処理端末201における第1の会話を再開する。
【0166】
これにより、第1のチャットボットでの会話中に出力した広告情報adが選択された際に、広告情報adに対応する第2のチャットボットでの会話を開始して、広告Aに関連する手続き等を会話形式で行わせることができる。また、広告情報adに対応するチャットボットが存在しない場合は、広告情報adに対応するランディングページに遷移させることができる。
【0167】
なお、情報処理装置101は、ステップS1406において出力した広告情報adが選択される前に、他の広告情報adの掲載条件を満たすと判定した場合には、表示中の広告情報adに代えて、他の広告情報adを出力することにしてもよい。ただし、情報処理装置101は、複数の広告情報adを出力することにしてもよい。
【0168】
以上説明したように、実施の形態にかかる情報処理装置101によれば、情報処理端末201からチャットの開始指示を受信すると、情報処理端末201における第1のチャットボットでの第1の会話を開始し、第1の会話に対応する表示領域の一部の領域に広告情報adを出力することができる。そして、情報処理装置101によれば、出力した広告情報adが選択されたことに応じて、情報処理端末201における、選択された広告情報adに対応する第2のチャットボットでの第2の会話を開始することができる。第2の会話は、例えば、広告情報adに関連する手続きに関する会話であり、その手続きで要求される情報の入力を受け付け可能な会話である。
【0169】
これにより、第1のチャットボットでの会話中に出力した広告情報adが選択された際に、ランディングページに遷移させるのではなく、その広告情報adに対応する第2のチャットボットでの会話を開始することができる。このため、ユーザは、広告Aにアクセスした後も、同一のUIで、広告Aに関連する手続きに関する会話をしたり、その手続きで要求される情報を入力したりする操作を行うことができる。
【0170】
また、情報処理装置101によれば、出力した広告情報adが選択されたことに応じて、広告とチャットボットとの対応関係を示す情報を記憶する記憶部810(例えば、広告管理DB250)を参照して、広告情報adに対応する第2のチャットボットが存在するか否かを判定することができる。そして、情報処理装置101によれば、第2のチャットボットが存在する場合に、情報処理端末201における第2のチャットボットでの第2の会話を開始し、第2のチャットボットが存在しない場合には、情報処理端末201に広告情報adに対応するランディングページへのアクセスを指示することができる。
【0171】
これにより、スクリプトが用意されていない、または、メンテナンス中であるといった理由で、広告情報adに対応するチャットボットが存在しない場合には、広告Aに対応するランディングページへ遷移させて、広告Aに関する手続きを行わせることができる。
【0172】
また、情報処理装置101によれば、情報処理端末201からチャットの開始指示を受信するとともに、情報処理端末201に対応する識別情報を受信し、受信した識別情報に基づいて、情報処理端末201における第1のチャットボットでの第1の会話を開始することができる。
【0173】
これにより、情報処理端末201の端末種別やユーザ種別に応じて、情報処理端末201におけるチャットボットでの会話の内容や流れを動的に変化させることができる。例えば、情報処理端末201が、モバイル端末であれば、一度に表示する選択肢を抑えたり、大型ディスプレイを備えたデジタルボードであれば、一度に表示する選択肢を増やしたりすることができる。また、年代や性別の違いによって、よく選ばれるFAQやサービスが変化することを考慮して、一度に表示する選択肢を絞り込んだり、スクリプトの階層を減らしたりすることが可能となる。また、場所や気象の違い、車椅子の有無、同伴者の有無などによって、よく選ばれるFAQやサービスが変化することを考慮して、一度に表示する選択肢を絞り込んだり、スクリプトの階層を減らしたりすることが可能となる。
【0174】
また、情報処理装置101によれば、第1の会話の会話履歴に基づいて、広告情報adの掲載条件を満たすか否かを判定し、掲載条件を満たすと判定した場合に、第1の会話に対応する表示領域の一部の領域に広告情報adを出力することができる。また、情報処理装置101によれば、広告情報adの掲載条件を満たさないと判定した場合は、広告情報adを出力しないようにすることができる。
【0175】
これにより、チャットボットでの会話内容から、ターゲットユーザを絞り込んだり、広告Aを出すタイミングを絞り込んだりすることが可能となり、効果的な広告配信を行うことができる。
【0176】
また、情報処理装置101によれば、出力した広告情報adが選択されたことに応じて、情報処理端末201における、第1の会話を中断して、第2のチャットボットでの第2の会話を開始することができる。そして、情報処理装置101によれば、第2の会話を開始後に、第1の会話へ戻る操作入力を受け付けた場合、第1の会話を中断した箇所から再開することができる。
【0177】
これにより、ユーザが誤って広告情報adにアクセスしたときや、広告情報adにアクセスしたものの商品やサービスに興味を示さなかった場合などに、元の会話に戻ることが可能となり、ユーザの利便性が損なわれるのを防ぐことができる。
【0178】
また、情報処理装置101によれば、第1の会話に対応するチャット画面において、第1のチャットボットの会話として広告情報adを出力することができる。
【0179】
これにより、チャットボットとの会話形式で広告情報adを表示することができ、ユーザにとって自然でわかりやすい形で広告配信を行うことができる。
【0180】
また、情報処理装置101によれば、第1の会話に対応するチャット画面内の所定の位置に広告情報adを出力することができる。
【0181】
これにより、アンカー広告やスクロール追尾広告のように、チャット画面内の所定の位置に広告情報adを固定して表示することができ、よりユーザの目に留まる広告表示を行うことが可能となる。
【0182】
また、情報処理装置101によれば、第1の会話に対応するチャット画面上に表示されるポップアップ画面に広告情報adを出力することができる。
【0183】
これにより、モバイル端末のようなディスプレイサイズが小さい情報処理端末201であっても、画面占有率が高く視認性の高い広告表示を行うことが可能となる。
【0184】
これらのことから、実施の形態にかかる会話制御システム200によれば、チャット中に表示した広告にアクセスがあった後も、同一のUIで、商品やサービスについての内容確認や申し込み手続きを行えるようにして、チャットボットを利用して広告配信を行う場合のユーザの利便性を向上させることができる。また、チャットボットでの会話内容からターゲットユーザや広告タイミングを絞り込むことで、広告効果を高めて、広告コストの削減につなげることができる。さらに、ユーザにとっても、チャット中に画一的に配信される広告を見なくてすむため、広告表示にともなう不快感を抑えることができる。
【0185】
なお、本実施の形態で説明した会話制御方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本会話制御プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD、USBメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、本会話制御プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
【0186】
また、本実施の形態で説明した情報処理装置101は、スタンダードセルやストラクチャードASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定用途向けICやFPGAなどのPLD(Programmable Logic Device)によっても実現することができる。
【0187】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0188】
(付記1)情報処理端末からチャットの開始指示を受信すると、前記情報処理端末における第1のチャットボットでの第1の会話を開始し、
前記第1の会話に対応する表示領域の一部の領域に広告情報を出力し、
出力した前記広告情報が選択されたことに応じて、前記情報処理端末における、前記広告情報に対応する第2のチャットボットでの第2の会話を開始する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする会話制御プログラム。
【0189】
(付記2)前記第2の会話は、前記広告情報に関連する手続きに関する会話であり、前記手続きで要求される情報の入力を受け付け可能な会話である、ことを特徴とする付記1に記載の会話制御プログラム。
【0190】
(付記3)出力した前記広告情報が選択されたことに応じて、広告とチャットボットとの対応関係を示す情報を記憶する記憶部を参照して、前記広告情報に対応する第2のチャットボットが存在するか否かを判定し、
前記第2のチャットボットが存在する場合に、前記情報処理端末における前記第2のチャットボットでの第2の会話を開始し、
前記第2のチャットボットが存在しない場合には、前記情報処理端末に前記広告情報に対応するランディングページへのアクセスを指示する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記1に記載の会話制御プログラム。
【0191】
(付記4)前記情報処理端末からチャットの開始指示を受信するとともに、前記情報処理端末に対応する識別情報を受信し、
受信した前記識別情報に基づいて、前記情報処理端末における第1のチャットボットでの第1の会話を開始する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記1に記載の会話制御プログラム。
【0192】
(付記5)前記広告情報を出力する処理は、
前記第1の会話の会話履歴に基づいて、前記広告情報の掲載条件を満たすか否かを判定し、
前記掲載条件を満たすと判定した場合に、前記第1の会話に対応する表示領域の一部の領域に前記広告情報を出力する、
ことを特徴とする付記1に記載の会話制御プログラム。
【0193】
(付記6)出力した前記広告情報が選択されたことに応じて、前記情報処理端末における、前記第1の会話を中断して、前記第2のチャットボットでの第2の会話を開始し、
前記第2の会話を開始後に、前記第1の会話へ戻る操作入力を受け付けた場合、前記第1の会話を中断した箇所から再開する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記1に記載の会話制御プログラム。
【0194】
(付記7)前記広告情報は、前記第1の会話に対応するチャット画面において、前記第1のチャットボットの会話として出力される、ことを特徴とする付記1に記載の会話制御プログラム。
【0195】
(付記8)前記広告情報は、前記第1の会話に対応するチャット画面内の所定の位置に出力される、ことを特徴とする付記1に記載の会話制御プログラム。
【0196】
(付記9)前記広告情報は、前記第1の会話に対応するチャット画面上に表示されるポップアップ画面に出力される、ことを特徴とする付記1に記載の会話制御プログラム。
【0197】
(付記10)情報処理端末からチャットの開始指示を受信すると、前記情報処理端末における第1のチャットボットでの第1の会話を開始し、
前記第1の会話に対応する表示領域の一部の領域に広告情報を出力し、
出力した前記広告情報が選択されたことに応じて、前記情報処理端末における、前記広告情報に対応する第2のチャットボットでの第2の会話を開始する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする会話制御方法。
【0198】
(付記11)情報処理端末からチャットの開始指示を受信すると、前記情報処理端末における第1のチャットボットでの第1の会話を開始し、
前記第1の会話に対応する表示領域の一部の領域に広告情報を出力し、
出力した前記広告情報が選択されたことに応じて、前記情報処理端末における、前記広告情報に対応する第2のチャットボットでの第2の会話を開始する、
会話制御部を有することを特徴とする情報処理装置。
【符号の説明】
【0199】
101 情報処理装置
102,201 情報処理端末
200 会話制御システム
202 オペレータ端末
210 ネットワーク
220 FAQマスタ
230 チャットログDB
240 スクリプトテーブル
250 広告管理DB
300,400 バス
301,401 CPU
302,402 メモリ
303 ディスクドライブ
304 ディスク
305,405 通信I/F
306 可搬型記録媒体I/F
307 可搬型記録媒体
403 ディスプレイ
404 入力装置
406 カメラ
407 スピーカ
408 マイクロフォン
801 通信部
802 決定部
803 会話制御部
810 記憶部