(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-21
(45)【発行日】2023-08-29
(54)【発明の名称】割当制御装置、割当方法、割当制御プログラム、および記録媒体
(51)【国際特許分類】
B66B 1/18 20060101AFI20230822BHJP
【FI】
B66B1/18 N
(21)【出願番号】P 2022158475
(22)【出願日】2022-09-30
【審査請求日】2022-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】須藤 豪
(72)【発明者】
【氏名】小村 章
【審査官】羽月 竜治
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-019590(JP,A)
【文献】特開2021-031264(JP,A)
【文献】特開2021-062954(JP,A)
【文献】特開2022-032449(JP,A)
【文献】特開2020-111464(JP,A)
【文献】特開2020-128279(JP,A)
【文献】特開2020-109039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律走行可能であり、エレベータを利用して階床間を移動可能な情報処理装置から受け付けた、出発階および行先階を示す行先階呼びに応じて、前記情報処理装置に利用させる号機を割り当てる号機割当部を備え、
前記号機割当部は、
前記情報処理装置から新規行先階呼びを受け付けた場合、かつ、前記新規行先階呼びとは異なる受け付け済みの行先階呼びである既存呼びがある場合、
前記既存呼びに割り当てられた割当号機を前記新規行先階呼びに割り当てると、前記新規行先階呼びを登録した情報処理装置と前記既存呼びを登録した情報処理装置との間で前記エレベータの乗降に伴う進行を妨げる状況の発生が予測される場合、
前記新規行先階呼びを登録した情報処理装置には前記割当号機とは異なる号機を割り当てる、
割当制御装置。
【請求項2】
前記状況は、
前記割当号機において、前記新規行先階呼びを登録した情報処理装置および前記既存呼びを登録した情報処理装置の一方が乗車するときに、前記新規行先階呼びを登録した情報処理装置および前記既存呼びを登録した情報処理装置の他方が降車する状況である、請求項1に記載の割当制御装置。
【請求項3】
自律走行可能であり、エレベータを利用して階床間を移動可能な情報処理装置から受け付けた、出発階および行先階を示す行先階呼びに応じて、前記情報処理装置に利用させる号機を割り当てる号機割当ステップを含み、
前記号機割当ステップにおいて、
前記情報処理装置から新規行先階呼びを受け付けた場合、かつ、前記新規行先階呼びとは異なる受け付け済みの行先階呼びである既存呼びがある場合、
前記既存呼びに割り当てられた割当号機を前記新規行先階呼びに割り当てると、前記新規行先階呼びを登録した情報処理装置と前記既存呼びを登録した情報処理装置との間で前記エレベータの乗降に伴う進行を妨げる状況の発生が予測される場合、
前記新規行先階呼びを登録した情報処理装置には前記割当号機とは異なる号機を割り当てる、
割当方法。
【請求項4】
請求項1に記載の割当制御装置としてコンピュータを機能させるための割当制御プログラムであって、前記号機割当部としてコンピュータを機能させるための割当制御プログラム。
【請求項5】
請求項4に記載の割当制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用対象に対してエレベータの号機を割り当てる割当制御装置、割当制御装置が行う割当方法、割当制御プログラム、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自律走行するロボットにエレベータを利用させる技術が知られている。特許文献1には、利用者または自律移動体のエレベータのかごに対する乗降を示す情報を当該自律移動体に設けられた機器に報知する自律移動体制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のロボットがエレベータを利用する場合、あるロボットが別のロボットの進行を妨げ、移動に支障が生じる場合がある。例えば、エレベータへの乗車時およびエレベータからの降車時において、ロボット同士が互いに衝突を回避しようとして動けなくなる、所謂デッドロック状態が発生する可能性がある。
【0005】
このような状況が発生した場合、ロボットが邪魔になり他の利用者の乗降に支障をきたす、ロボットが予定していた作業を行うことができない、エレベータが停止してしまうなどの問題が生じてしまう。
【0006】
デッドロック状態から抜け出せるか否かは、両ロボットの知的レベルに依存するが、その知的レベルは常に高いとは言えない。また、両ロボットの何れかが故障などによって動けなくなりデッドロックに陥る可能性もある。従って、エレベータを利用する複数のロボットの一方が他方の進行を妨げる状況をなるべく作らないようにすることが重要である。
【0007】
本発明の一態様は、エレベータを利用する情報処理装置(ロボット)の一方が他方の進行を妨げる状況の発生を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る割当制御装置は、自律走行可能であり、エレベータを利用して階床間を移動可能な情報処理装置から受け付けた、出発階および行先階を示す行先階呼びに応じて、前記情報処理装置に利用させる号機を割り当てる号機割当部を備え、前記号機割当部は、前記情報処理装置から新規行先階呼びを受け付けた場合、かつ、前記新規行先階呼びとは異なる受け付け済みの行先階呼びである既存呼びがある場合、前記既存呼びに割り当てられた割当号機を前記新規行先階呼びに割り当てると、前記新規行先階呼びを登録した情報処理装置と前記既存呼びを登録した情報処理装置との間で前記エレベータの乗降に伴う進行を妨げる状況の発生が予測される場合、前記新規行先階呼びを登録した情報処理装置には前記割当号機とは異なる号機を割り当てる。
【0009】
また上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る割当方法は、自律走行可能であり、エレベータを利用して階床間を移動可能な情報処理装置から受け付けた、出発階および行先階を示す行先階呼びに応じて、前記情報処理装置に利用させる号機を割り当てる号機割当ステップを含み、前記号機割当ステップにおいて、前記情報処理装置から新規行先階呼びを受け付けた場合、かつ、前記新規行先階呼びとは異なる受け付け済みの行先階呼びである既存呼びがある場合、前記既存呼びに割り当てられた割当号機を前記新規行先階呼びに割り当てると、前記新規行先階呼びを登録した情報処理装置と前記既存呼びを登録した情報処理装置との間で前記エレベータの乗降に伴う進行を妨げる状況の発生が予測される場合、前記新規行先階呼びを登録した情報処理装置には前記割当号機とは異なる号機を割り当てる。
【0010】
本発明の各態様に係る割当制御装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記割当制御装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記割当制御装置をコンピュータにて実現させる割当制御装置の割当制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、エレベータを利用する情報処理装置の一方が他方の進行を妨げる状況の発生を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係るエレベータ管理システムの構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図2】割当制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】乗場行先階登録装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】エレベータ制御装置およびエレベータの構成の一例を示すブロック図である。
【
図13】割当制御装置が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<エレベータ管理システム100の概要>
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るエレベータ管理システム100の構成の一例を示す機能ブロック図である。エレベータ管理システム100は、複数階床を有する建物に設けられたエレベータ5を管理するシステムである。エレベータ管理システム100は、乗場行先階登録機能を備えるエレベータ5の利用対象(例えば、利用者または情報処理装置2)による行先階呼びに応じて、当該利用対象に最適な号機を割り当てる。また、エレベータ管理システム100は、利用対象に割り当てた号機を、行先階呼びによって指定された出発階および行先階に移動させる。
【0014】
ここで、「乗場行先階登録機能」とは、利用対象の出発階および行先階に応じて最適な号機を割り当てると共に、割当号機を利用対象が乗車する号機として利用対象に案内することにより、利用対象がエレベータの到着を待つ時間を効果的に短縮することが可能な機能である。また、行先階登録機能によって、利用対象が行先階に到着するまでの時間も短縮され得る。「行先階呼びに対して割り当てる号機」は、行先階呼びを行った利用対象が利用すべき割当号機として、割当制御装置1が決定したエレベータ5の号機を意図している。以下、エレベータ5が複数号機を備える場合を例に挙げて説明する。
図1には、複数の号機を備えるエレベータ5を例示しており、例えば、エレベータ5A~5Cはそれぞれ、1号機~3号機である。
【0015】
また、「行先階呼び」とは、利用対象が予め出発階および行先階を含む割当依頼データを割当制御装置1に登録する処理である。利用対象が利用者である場合、行先階呼びは、例えば、利用者が出発階において出発階に設置されている乗場行先階登録装置3に所望の行先階等を入力する操作を行うことで、乗場行先階登録装置3が当該処理を行ってもよい。乗場行先階登録装置3は、当該操作が行われると、入力された行先階を示す情報と、当該乗場行先階登録装置3が設置されている階床の情報とを含む情報と、乗場行先階登録装置3を示す識別情報と、を割当制御装置1に送信してもよい。利用者は、乗場行先階登録装置3として、スマートフォン等の携帯端末を用いて、割当制御装置1へ出発階および行先階を示す情報および乗場行先階登録装置3の識別情報を含む割当依頼データを送信してもよい。利用対象が情報処理装置2である場合、行先階呼びは、例えば、情報処理装置2が割当制御装置1へ出発階および行先階を示す情報と、情報処理装置2の識別情報と、を含む割当依頼データを送信することによって行われてもよい。
【0016】
本明細書において、情報処理装置2または乗場行先階登録装置3が割当制御装置1に割当依頼データを送信することを「行先階呼びを行う」または「行先階呼びを登録する」と称する。また、割当制御装置1が各割当依頼データに基づき割当号機を決定し、エレベータ5の移動予定を示すデータベースに、当該割当データに基づく情報を入力することを「行先階呼びの登録を完了する」と称する。
【0017】
エレベータ管理システム100における情報処理装置2は、自律走行可能な装置であり、エレベータ5を利用して階床間を移動可能である。情報処理装置2は予め建物に配備されている自動搬送装置、自走型掃除装置、およびその他の多機能ロボット等であってもよい。あるいは、情報処理装置2は、エレベータ管理システム100の導入に合わせて建物に配備された専用の装置であってもよい。
図1に示すように、エレベータ管理システム100は複数の情報処理装置2を備えていてもよい。以下、エレベータ管理システム100が2台の情報処理装置2を備える場合を例に挙げて説明する。ただし、情報処理装置2は2台に限られず、3台以上であってもよい。
【0018】
また、本明細書において、割当制御装置1が新たに情報処理装置2から受け付け、登録が完了していない行先階呼びを「新規行先階呼び」と称し、新規行先階呼びを行った情報処理装置2を情報処理装置2Aと称する。また、新規行先階呼びが割当制御装置1に受け付けられるまでに既に登録済みの行先階呼びを「既存呼び」と称し、既存呼びを行った情報処理装置2を情報処理装置2Bと称する。なお、情報処理装置2が3台以上存在する場合、複数の情報処理装置2が情報処理装置2Bに該当してもよい。
【0019】
図2は、割当制御装置1の構成の一例を示すブロック図である。本実施形態におけるエレベータ管理システム100の割当制御装置1は、行先階呼びに基づき号機を割り当てる号機割当部114を備えている。割当制御装置1の号機割当部114は、情報処理装置2Aが新規行先階呼びを行ったとき、情報処理装置2Aと既存呼びを登録した情報処理装置2Bとの間でエレベータ5の乗降に伴う進行を妨げる状況が発生しないように新規行先階呼びに対して割り当てられる号機を決定する。
【0020】
「エレベータ5の乗降に伴う進行を妨げる状況」とは、ある情報処理装置2がエレベータ5を利用するときに、別の情報処理装置2によって進行を妨げられ、衝突回避を行わなければならない状況を示す。以下の説明では、「エレベータ5の乗降に伴う進行を妨げる状況」を、単に「干渉」とも称する。
【0021】
例えば、ある情報処理装置2がエレベータ5に乗車するときに別の情報処理装置2が当該エレベータ5から降車するとき、一方の情報処理装置2が他方の情報処理装置2の進路上に位置し、乗降動作の妨げになる可能性がある。複数の情報処理装置2がこのような状況に陥っている場合、これらの情報処理装置2間において、エレベータ5の乗降に伴う進行を妨げる状況、すなわち干渉が発生していると表現できる。「エレベータ5の乗降に伴う進行を妨げる状況」の詳細については後述する。号機割当部114は、このような状況をできるだけ発生させないように号機の割り当てを行う。
【0022】
一例として、割当制御装置1は、新規行先階呼びを受け付け、かつ登録済みの既存呼びが存在する場合、既存呼びに割り当てられた割当号機を新規行先階呼びに割り当てると、新規行先階呼びを登録した情報処理装置2Aと既存呼びを登録した情報処理装置2Bとの間でエレベータ5の乗降に伴う進行を妨げる状況の発生が予測されるかを判定する。ここで、上述のような状況の発生が予測される場合、割当制御装置1の号機割当部114は、新規行先階呼びを登録した情報処理装置2Aには、既存呼びに対して割り当てた割当号機とは異なる号機を割り当てる。
【0023】
<エレベータ管理システム100の構成>
図1に示すように、エレベータ管理システム100は、割当制御装置1、情報処理装置2、乗場行先階登録装置3、エレベータ制御装置4、およびエレベータ5を備える。以下、エレベータ管理システム100が備える各装置の構成について説明する。
【0024】
[乗場行先階登録装置3]
まず、乗場行先階登録装置3について、
図3を用いて説明する。
図3は、乗場行先階登録装置3の構成の一例を示すブロック図である。乗場行先階登録装置3は、利用者がエレベータ5を利用するときに利用する装置であり、利用者による操作に基づき行先階呼びを登録し、当該行先階呼びに基づき決定された割当号機を利用者に通知する。
【0025】
一例として、乗場行先階登録装置3は、各階床に設けられていてもよい。
図3に示すように、乗場行先階登録装置3は、操作部31および表示部32を備える。
【0026】
操作部31は、利用者による入力操作を受け付ける。操作部31に対して、エレベータ5の行先階を入力する操作が行われると、乗場行先階登録装置3は、設けられた階床を出発階とし入力された階床を行先階とする割当依頼データを生成し、割当制御装置1に送信する。また、割当依頼データには、乗場行先階登録装置3を特定可能な識別情報も含まれる。
【0027】
なお、乗場行先階登録装置3は、利用者が携帯するスマートフォン等の端末装置であってもよい。この場合、操作部31は出発階と行先階との両方の入力を受け付ける。
【0028】
表示部32は、画像またはテキスト等を表示可能なディスプレイ等の表示装置である。乗場行先階登録装置3は、割当制御装置1から割当結果を受信すると、表示部32に、割当号機を示す情報を表示する。これにより、利用者は、自身が乗車すべきかご52を把握することができる。なお、利用者に割当号機を通知する方法はこれに限られない。例えば、乗場行先階登録装置3は、音声によって割当号機を利用者に通知してもよい。
【0029】
[エレベータ制御装置4およびエレベータ5]
次に、エレベータ制御装置4およびエレベータ5について、
図4を用いて説明する。
図4は、エレベータ制御装置4およびエレベータ5の構成の一例を示すブロック図である。エレベータ制御装置4はエレベータ5の各号機にそれぞれ対応して設けられる。エレベータ制御装置4は、割当制御装置1からの指示に従ってエレベータ5を動作させる。また、エレベータ制御装置4は、エレベータ5の状況(現在階、移動方向、扉53の開閉状態)を適宜連絡する。例えば、エレベータ制御装置4は、かご52が割当制御装置1から指示された階床に到着した場合、かご52の到着を示す情報を割当制御装置1に送信する。
【0030】
図4に示すように、エレベータ5の各号機はそれぞれ動作制御部51およびかご52を備える。また、各号機に対応する各階床の乗場に扉53が設けられ、乗場の扉53はかご52の扉に連動して開閉する。動作制御部51はエレベータ制御装置4の制御に従って動作し、かご52の階床間の移動および扉53の開閉を制御する。
【0031】
なお、
図4ではエレベータ制御装置4およびエレベータ5がそれぞれ3つずつ設けられる構成が図示されているが、エレベータ制御装置4およびエレベータ5の数はこれに限られない。
【0032】
[情報処理装置2]
続いて、情報処理装置2について説明する。情報処理装置2は、割当制御装置1と通信可能に接続されている自走機能を備える多機能装置であり、エレベータ5を利用して階床間を移動可能である。また、情報処理装置2は、自律走行あるいは自立歩行が可能なロボットであってもよい。
【0033】
図1に示すように、エレベータ管理システム100には、複数の情報処理装置2が含まれる。各情報処理装置2は同様の構成を備えていてもよいし、図示した部分以外の構成は情報処理装置2ごとに異なっていてもよい。
【0034】
図5は、情報処理装置2の構成の一例を示すブロック図である。以下、情報処理装置2の概略構成について
図5を用いて説明する。なお、
図1および
図5では、2つの情報処理装置2が図示されているが、情報処理装置2は複数であればよく、例えば3以上存在していてもよい。
【0035】
図5に示すように、情報処理装置2は、制御部21、通信部22、駆動部23、および記憶部24を備える。制御部21は、情報処理装置2の各部の動作を制御する。制御部21は、生成部211および移動制御部212を備える。
【0036】
生成部211は、情報処理装置2から割当制御装置1へ行先階呼びを登録する。情報処理装置2にエレベータ5を利用する必要が生じた場合、生成部211は、情報処理装置2の識別情報、出発階および行先階を示す情報を含む割当依頼データを生成し、通信部22を介して割当制御装置1に送信する。
【0037】
移動制御部212は、駆動部23の動作を制御する。移動制御部212は、駆動部23の動作を制御することで、情報処理装置2を所望の行先階に移動させる。
【0038】
例えば、移動制御部212は、割当制御装置1から、行先階呼びの登録が完了したことを示す情報および当該行先階呼びに応じて割り当てられた割当号機を示す情報を含む割当結果を受信する。移動制御部212は、割当結果を示す情報に基づき、駆動部23を動作させ、情報処理装置2を割当号機の乗場へ移動させる。
【0039】
割当号機のかご52が情報処理装置2の出発階に到着し、扉53が開くと、移動制御部212は、割当制御装置1から、かご52に乗車することを指示する乗車指示を受信する。移動制御部212は、乗車指示を受信すると、駆動部23を動作させ、情報処理装置2をエレベータ5の割当号機のかご52に乗車させる。
【0040】
情報処理装置2がかご52に乗車した後、行先階に到着すると、移動制御部212は、割当制御装置1から、かご52から降車することを指示する降車指示を受信する。移動制御部212は、降車指示を受信すると、駆動部23を動作させ、情報処理装置2をエレベータ5の割当号機のかご52から降車させる。
【0041】
通信部22は、情報処理装置2が割当制御装置1と無線通信を行うための通信モジュールである。駆動部23は、情報処理装置2が移動するための駆動機構であり、移動制御部212の制御に従って動作する。駆動部23は、車輪、キャタピラ、および歩行用の脚等任意の駆動機構であってもよい。記憶部24は、制御部21によって読み出される各種コンピュータプログラム、および、制御部21が実行する各種処理において利用されるデータ等が格納されている記憶装置である。
【0042】
[割当制御装置1]
次に、割当制御装置1について説明する。割当制御装置1は、利用対象からの行先階呼びを受け付け、当該行先階呼びに応じて最適な号機を割り当てる装置である。また、割当制御装置1は、受け付けた行先階呼びおよび当該行先階呼びに対する号機の割当結果に基づきエレベータ5を動作させる。また、利用対象が情報処理装置2である場合、割当制御装置1は、情報処理装置2にエレベータ5のかご52への乗降を指示する。
【0043】
さらに、割当制御装置1は、情報処理装置2Aから新規行先階呼びを受け付けたとき、情報処理装置2Aと既存呼びを登録した情報処理装置2Bとの間で干渉が発生しないように割当号機を決定する。
【0044】
以下、割当制御装置1の概略構成について
図2を用いて説明する。
図2に示すように、割当制御装置1は、制御部11、入出力インターフェース12、および記憶部13を備える。制御部11は、割当制御装置1における各処理を実行するように制御する。制御部11については後述する。
【0045】
入出力インターフェース12は割当制御装置1がエレベータ管理システム100の各装置と情報の授受を行うためのインターフェースである。割当制御装置1は、各情報処理装置2と無線接続による通信を行い、入出力インターフェース12を介して各情報の送受信を行う。また、割当制御装置1は、各乗場行先階登録装置3およびエレベータ制御装置4と通信を行い、入出力インターフェース12を介して各情報の送受信を行う。割当制御装置1と乗場行先階登録装置3またはエレベータ制御装置4との間における接続方法は無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。
【0046】
記憶部13は、制御部11によって読み出される各種コンピュータプログラム、および、制御部11が実行する各種処理において利用されるデータ等が格納されている記憶装置である。さらに、記憶部13には、乗場行先階DB131およびエレベータDB132が記憶されている。
【0047】
図6は、乗場行先階DB131の一例を示す図である。乗場行先階DB(データベース)131は、登録済みの行先階呼びに関する情報を格納するデータベースである。
図6に示すように、乗場行先階DB131には、利用対象の属性を示す情報と、ロボットIDまたはユーザIDと、出発階を示す情報と、行先階を示す情報と、割当号機を示す情報と、が登録済みの行先階呼びごとに対応付けられて記憶されている。
【0048】
登録済みの行先階呼びが乗場行先階登録装置3から送信されたものである場合は、利用対象の属性として「利用者」を示す情報が乗場行先階DB131に記憶される。一方、登録済みの行先階呼びが情報処理装置2から送信されたものである場合は、利用対象の属性として「情報処理装置」を示す情報が乗場行先階DB131に記憶される。
【0049】
ロボットIDは、各情報処理装置2を特定可能な識別情報である。乗場行先階DB131におけるロボットIDの欄が「-」であるデータは、ロボットIDが対応付けられていないことを示す。例えば利用者が乗場行先階登録装置3を操作して行先階呼びを行った場合、乗場行先階DB131のロボットIDの欄には「-」が記憶される。
【0050】
ユーザIDは、各乗場行先階登録装置3を特定可能な識別情報である。乗場行先階DB131におけるユーザIDの欄が「-」であるデータは、ユーザIDが対応付けられていないことを示す。例えば情報処理装置2が行先階呼びを行った場合、乗場行先階DB131のユーザIDの欄には「-」が記憶される。
【0051】
また、出発階および行先階を示す情報として、割当制御装置1が受け付けた各行先階呼びに対応する割当依頼データに含まれていた情報が乗場行先階DB131に記憶される。また、割当号機を示す情報として、各行先階呼びに対して割り当てられた号機を示す情報が乗場行先階DB131に記憶される。
【0052】
図7は、エレベータDB132の一例を示す図である。エレベータDB(データベース)132は、エレベータ5の各号機に関する情報が対応付けられて記憶されているデータベースである。
図7に示すように、エレベータDB132には、エレベータ5の識別情報(エレベータID)と、かご52が位置している階床である現在階(かご52が移動中の場合は走行方向に応じて変化し、かご52が停止中の場合は停止階である)と、かご52の現在方向(現在の移動方向)と、かご52が移動予定の階床である行先階と、が号機ごとに対応付けられている。
【0053】
制御部11は、割当制御装置1が備える各機能の処理を実行するように制御する。また、制御部11は、各号機の運転を統括的に管理する。
図2に示すように、制御部11は、受付部111、判定部112、特定部113、号機割当部114、および主制御部115を備える。
【0054】
(受付部111)
受付部111は、入出力インターフェース12を介して情報処理装置2または乗場行先階登録装置3と通信を行い、利用対象による行先階呼びを受け付ける。具体的には、受付部111は、乗場行先階登録装置3または情報処理装置2から割当依頼データを受信する。受付部111が受信する割当依頼データには、乗場行先階登録装置3または情報処理装置2の識別情報、出発階を示す情報、および行先階を示す情報が含まれている。
【0055】
また、受付部111は、受け付けた行先階呼びを登録した利用対象の属性に応じて、当該行先階呼びに関する各情報を制御部11の各部に出力する。利用者によって操作された乗場行先階登録装置3からの行先階呼びを受け付けた場合、受付部111は、当該乗場行先階登録装置3の識別情報、出発階、行先階を示す情報を特定部113に出力する。また、情報処理装置2からの行先階呼びを受け付けた場合、受付部111は、当該情報処理装置2の識別情報、出発階、および行先階を示す情報を判定部112に出力する。
【0056】
(判定部112)
判定部112は、受付部111から新規行先階呼びを行った情報処理装置2Aに関する情報を取得し、当該情報処理装置2Aと既存呼びを登録済みの情報処理装置2Bとが干渉することが予測されるか否かを判定する。判定部112は、情報処理装置2Aの識別情報および判定結果を特定部113に出力する。
【0057】
ある号機において、当該号機を情報処理装置2Aに割り当てると、以下の(A)または(B)のいずれかに該当する場合、判定部112は、当該号機を情報処理装置2Aに割り当てると、情報処理装置2Aと情報処理装置2Bとの間で干渉の発生が予測されると判定する。干渉の発生が予測される状況とは、情報処理装置2Bに割り当てられた号機において、情報処理装置2Aおよび情報処理装置2Bの一方が乗車するときに、情報処理装置2Aおよび情報処理装置2Bの他方が降車する状況と言い換えることもできる。
【0058】
(A)ある号機において、出発階で情報処理装置2Aが乗車する時に別の情報処理装置2Bの降車予定がある。
【0059】
(B)ある号機において、行先階で情報処理装置2A降車時に別の情報処理装置2Bの乗車予定がある。
【0060】
判定部112は、乗場行先階DB131を参照し、エレベータ5のいずれかの号機、例えば1号機が割り当てられている既存呼びに関するデータを特定する。判定部112は、特定したデータと、新規行先階呼びに含まれる出発階および行先階を示す情報に基づき、当該号機を情報処理装置2Aに割り当てると、上記の(A)または(B)のいずれかに該当するか否か、換言すると情報処理装置2Aと情報処理装置2Bとの間において干渉が発生し得るか否かを判定する。判定部112は、全ての号機について上述の判定を行い、各号機についての判定結果を特定部113に出力する。
【0061】
例えば、情報処理装置2Bによる、1階を行先階とする既存呼びが登録済みであり、当該既存呼びに対して1号機が割り当てられている場合において、情報処理装置2Aから、1階を出発階とし、5階を行先階とする新規行先階呼びを受け付けた場合、1号機を情報処理装置2Aに割り当てると、上記(A)の状況に該当する。この場合、判定部112は、1号機を情報処理装置2Aに割り当てると干渉が発生し得ると判定する。また、情報処理装置2Bによる、5階を行先階とする既存呼びが登録済みであり、当該既存呼びに対して1号機が割り当てられている場合において、情報処理装置2Aから、1階を出発階とし、5階を行先階とする新規行先階呼びを受け付けた場合、1号機を情報処理装置2Aに割り当てると、上記(B)の状況に該当する。この場合、判定部112は、1号機を情報処理装置2Aに割り当てると干渉が発生し得ると判定する。
【0062】
なお、判定の対象となっている号機に複数の既存呼びが割り当てられている場合、換言すると、乗場行先階DB131において、複数の「既存呼びに関する情報」に対応付けられる割当号機に当該号機が該当する場合、判定部112は、これら全ての既存呼びについて判定を行う。例えば、判定部112は、エレベータ5の2号機について判定を行う場合、乗場行先階DB131において「利用対象属性」が「ロボット」であり、「割当号機」が「2」である全ての既存呼びについて判定を行う。ある号機について少なくとも1つの既存呼びを行った情報処理装置2Bと情報処理装置2Aとの間で干渉が発生し得る場合、判定部112は、当該号機を情報処理装置2Aに割り当てると干渉が発生することが予測されると判定する。
【0063】
(特定部113)
特定部113は、利用対象に割り当てられるエレベータ5の号機の候補である候補号機を特定する。
【0064】
利用対象が利用者である場合、特定部113は、受付部111から乗場行先階登録装置3によって登録された行先階呼びに関する情報を取得する。特定部113は、当該情報を取得すると、エレベータ5の全号機を候補号機とし、候補号機を示す情報を号機割当部114に出力する。
【0065】
利用対象が情報処理装置2である場合、特定部113は、判定部112から各号機についての判定結果を取得する。特定部113は、当該判定結果に基づき、情報処理装置2Aと情報処理装置2Bの間で干渉が起こらないと判定された号機を候補号機に加える。判定部112が全号機について判定を完了すると、特定部113は、候補号機に加えられた号機を示す情報を号機割当部114に出力する。
【0066】
なお、判定対象となっている号機に割り当てられた既存呼びが複数存在する場合、判定部112は、情報処理装置2Aと複数の既存呼びに対応する複数の情報処理装置2Bのそれぞれとの間で干渉が発生するか否かを判定する。特定部113はそれらの判定結果を取得する。少なくとも1つの情報処理装置2Bと情報処理装置2Aとの間で干渉が発生し得る場合、特定部113は、判定対象となった号機を候補号機から除外する。
【0067】
(号機割当部114)
号機割当部114は、特定部113から候補号機を示す情報を取得する。号機割当部114は、候補号機の中から割当号機を決定し、呼びを行った利用対象に対して割り当てる割当号機として決定する。号機割当部114が候補号機の中から割当号機を決定する方法は、乗場行先階登録機能を備えるシステムにおいて従来用いられている方法を利用すればよい。
【0068】
ここで、号機割当部114が情報処理装置2Aに対して割り当てる割当号機の候補となる候補号機からは、情報処理装置2Aと情報処理装置2Bとの間で干渉が発生することが予測される号機が排除されている。これにより、号機割当部114は、エレベータ5を利用する情報処理装置2Aおよび情報処理装置2Bの一方が他方の進行を妨げる状況の発生を低減するように号機の割当を行うことが可能となる。
【0069】
号機割当部114は、割当号機を決定すると、乗場行先階DB131に新規行先階に関するデータを記憶させる。また、号機割当部114は、エレベータDB132において、割当号機である号機の行先階に新規行先階呼びに基づく行先階を追加する。号機割当部114は、割当依頼データに含まれる識別情報に基づき新規行先階呼びを登録した利用対象を特定し、割当結果を新規行先階呼びの送信元に送信する。割当結果には、行先階呼びの登録が完了したことを示す情報および割当号機を示す情報が含まれる。以上のようにして、新規行先階呼びの登録が完了する。
【0070】
(主制御部115)
主制御部115は、エレベータ管理システム100におけるその他の処理を行う。例えば、主制御部115は、エレベータDB132に基づきエレベータ5の動作を決定し、当該エレベータ5を制御するエレベータ制御装置4に対して指示を行う。また、主制御部115は、乗場行先階DB131およびエレベータDB132に基づき、行先階呼びを登録済みの情報処理装置2に対して割当号機のかご52への乗降を指示する。
【0071】
主制御部115は、エレベータDB132に基づきエレベータ5の各号機が備えるかご52の行先階を決定し、各号機に対応するエレベータ制御装置4に対して指示を送信する。また、エレベータ5のかご52がいずれかの階床に到着すると、主制御部115は、エレベータ制御装置4から当該階床に到着したことを示す情報を受信し、当該情報に基づき各種制御を行う。例えば、主制御部115は、かご52が指示した階床に到着したことを示す情報を受信すると、扉53を開き、所定時間後または扉53を閉じることを指示する操作等を受け付けると扉53を閉じることを指示する信号をエレベータ制御装置4に送信する。その後、当該かご52を次の行先階へ移動させることをエレベータ制御装置4に指示する。
【0072】
また、ある号機が指示した階床に到着したことを示す情報をエレベータ制御装置4から受信すると、主制御部115は、エレベータDB132における、当該号機の行先階のうち、かご52が到着した行先階を示す情報を削除する。
【0073】
また、エレベータ5のかご52がいずれかの階床に到着すると、主制御部115は、乗場行先階DB131を参照し、当該階床が情報処理装置2の出発階または行先階に該当する場合、情報処理装置2に対してかご52への乗降を指示する。
【0074】
具体的には、エレベータ5のかご52が到着した階床が情報処理装置2の出発階に該当する場合、主制御部115は、当該情報処理装置2にかご52への乗車を指示する乗車指示信号を送信する。情報処理装置2からかご52への乗車が完了したことを示す乗車完了情報を受信すると、主制御部115は、情報処理装置2が乗車したかご52の扉53を閉じること、およびかご52を次の階床に移動させることを指示する信号を、かご52に対応するエレベータ制御装置4に送信する。
【0075】
エレベータ5のかご52が到着した階床が情報処理装置2の行先階に該当する場合、主制御部115は、当該情報処理装置2にかご52からの降車を指示する降車指示を送信する。情報処理装置2が降車すると乗場行先階DB131における、当該情報処理装置2が登録した行先階呼びに関する情報を削除する。これにより、乗場行先階DB131には常に対応が完了していない行先階呼びに関する情報のみが記憶される。
【0076】
(干渉の具体例)
上述したように、ある号機において、当該号機を情報処理装置2Aに割り当てると、以下の(A)または(B)のいずれかの状況が発生する場合、判定部112は、当該号機を情報処理装置2Aに割り当てると情報処理装置2Aと情報処理装置2Bとの間で干渉が発生すると予測されると判定する。号機割当部114は、このような状況が予測されると判定された場合、情報処理装置2Bに対して割り当てられた号機とは異なる号機を情報処理装置2Aに対して割り当てる。
【0077】
(A)ある号機において、出発階で情報処理装置2Aが乗車するときに別の情報処理装置2Bの降車予定がある。
【0078】
(B)ある号機において、行先階で情報処理装置2Aが降車するときに別の情報処理装置2Bの乗車予定がある。
【0079】
(A)の状況は、例えば以下の(1)~(3)のような場合において、(B)の状況は、例えば以下の(4)~(5)のような場合において、情報処理装置2Aと情報処理装置2Bとが同じ号機に割り当てられた場合に発生する。なお、「反転階」とは、その階床にかご52が到着した後、当該かご52の移動方向が変わる階床である。例えば1階から上方向に移動しているかご52が3階に到着し、その後当該かご52が3階から下方向に移動する場合、3階が反転階と称される。
【0080】
(1)かご52に乗車中の情報処理装置2Bによるかご呼びによって指定された行先階がかご52の現在階よりも上の階床であり、当該行先階および移動方向と、情報処理装置2Aによる新規行先階呼びによって指定された出発階および移動方向とが一致する。
【0081】
(2)情報処理装置2Bによる既存呼びによって指定された行先階および移動方向と、情報処理装置2Aによる新規行先階呼びによって指定された出発階および移動方向とが一致する。
【0082】
(3)情報処理装置2Bによる既存呼びによって指定された行先階と、情報処理装置2Aによる新規行先階呼びによって指定された出発階とが一致する場合であって、これらの呼びに基づく移動方向が反対方向であり、さらに一致する階床がかご52の反転階である。
【0083】
(4)情報処理装置2Bによる既存呼びによって指定された出発階および移動方向と、情報処理装置2Aによる新規行先階呼びによって指定された行先階および移動方向とが一致する。
【0084】
(5)情報処理装置2Bによる既存呼びによって指定された出発階と、情報処理装置2Aによる新規行先階呼びによって指定された行先階とが一致する場合であって、これらの呼びに基づく移動方向が反対方向であり、さらに一致する階床がかご52の反転階である。
【0085】
図8~
図12は、干渉の具体例を示す概略図である。以下、(1)~(5)の具体例について、
図8~
図12を用いて説明する。なお、
図8~
図12は例示であり、判定部112が(A)または(B)に該当すると判定する状況はこれらに限られない。
【0086】
図8~
図12において、情報処理装置2から出ている矢印の元が出発階、先端が行先階を示す。また、各矢印のうち、実線の矢印は新規行先階呼びに基づく出発階および行先階を示し、破線の矢印は既存呼びに基づく出発階および行先階を示す。例えば、
図8において、情報処理装置2Aから出ている矢印は、情報処理装置2Aが登録した新規行先階呼びに基づく出発階が5階であり、行先階が6階であることを示す。また、
図8~
図12において、かご52の上または下に付いている三角形はそのかご52の移動方向を示す。例えば、
図8において1号機のエレベータ5Aのかご52Aは上方向に移動し、3号機のエレベータ5Cのかご52Cは下方向に移動する。また、
図8において2号機のエレベータ5Bのかご52Bには三角形を付していない。これは、かご52Bが停止して上下どちらにも移動していないことを示す。
【0087】
図8は、上記(1)の具体例を示す。
図8に示すように、以下のような状態である場合、上記(1)に該当し、情報処理装置2Aに対して情報処理装置2Bと同じ号機を割り当てた場合、上記(A)の状況が発生し得る。
・情報処理装置2Bが1号機(エレベータ5A)のかご52Aに乗車している。
・情報処理装置2Bによるかご呼びが登録済みであり、当該かご呼びによって指定された行先階は5階である。
・情報処理装置2Aによって5階を出発階とし、6階を行先階とする新規行先階呼びが行われる。
【0088】
図9は、上記(2)の具体例を示す。
図9に示すように、以下のような状態である場合、上記(2)に該当し、情報処理装置2Aに対して情報処理装置2Bと同じ号機を割り当てた場合、上記(A)の状況が発生し得る。
・情報処理装置2Bからの既存呼びが登録済みであり、当該既存呼びに対して1号機(エレベータ5A)が割り当てられている。
・当該既存呼びによって指定された出発階は2階であり行先階は5階である。
・情報処理装置2Aによって5階を出発階とし、6階を行先階とする新規行先階呼びが行われる。
【0089】
図10は、上記(3)の具体例を示す。
図10に示すように、以下のような状態である場合、上記(3)に該当し、情報処理装置2Aに対して情報処理装置2Bと同じ号機を割り当てた場合、上記(A)の状況が発生し得る。
・情報処理装置2Bからの既存呼びが登録済みであり、当該既存呼びに対して1号機(エレベータ5A)が割り当てられている。
・当該既存呼びによって指定された出発階は2階であり行先階は5階である。
・情報処理装置2Aによって5階を出発階とし、2階を行先階とする新規行先階呼びが行われる。
・当該新規行先階呼びに対して1号機(エレベータ5A)が割り当てられた場合、かご52A反転階が5階となる。
【0090】
図11は、上記(4)の具体例を示す。
図11に示すように、以下のような状態である場合、上記(4)に該当し、情報処理装置2Aに対して情報処理装置2Bと同じ号機を割り当てた場合、上記(B)の状況が発生し得る。
・情報処理装置2Bからの既存呼びが登録済みであり、当該既存呼びに対して1号機(エレベータ5A)が割り当てられている。
・当該既存呼びによって指定された出発階は5階であり行先階は6階である。
・情報処理装置2Aによって3階を出発階とし、5階を行先階とする新規行先階呼びが行われる。
【0091】
図12は、上記(5)の具体例を示す。
図12に示すように、以下のような状態である場合、上記(5)に該当し、情報処理装置2Aに対して情報処理装置2Bと同じ号機を割り当てた場合、上記(B)の状況が発生し得る。
・情報処理装置2Bからの既存呼びが登録済みであり、当該既存呼びに対して1号機(エレベータ5A)が割り当てられている。
・当該既存呼びによって指定された出発階は5階であり行先階は4階である。
・情報処理装置2Aによって3階を出発階とし、5階を行先階とする新規行先階呼びが行われる。
・当該新規行先階呼びに対して1号機(エレベータ5A)が割り当てられた場合、かご52Aの反転階が5階となる。
【0092】
なお、(1)~(5)の移動方向が反対の場合、すなわち以下の(6)~(10)のような場合も同様に(A)または(B)の状況に該当する。
【0093】
(6)かご52に乗車中の情報処理装置2Bによるかご呼びによって指定された行先階がかご52の現在階よりも下の階床であり、当該行先階および移動方向と、新規行先階呼びによって指定された出発階および移動方向とが一致する。
【0094】
(7)下方向へのかご呼びまたは既存呼びの行先階と下方向への新規行先階呼びの出発階とが一致する。
【0095】
(8)下方向へのかご呼びまたは既存呼びの行先階と上方向への新規行先階呼びの出発階とが一致し、その階床が反転階である。
【0096】
(9)下方向への既存呼びの出発階と下方向への新規行先階呼びの行先階とが一致する。
【0097】
(10)下方向への既存呼びの出発階と上方向への新規行先階呼びの行先階とが一致し、その階床が反転階である。
【0098】
判定部112は、乗場行先階DB131およびエレベータDB132を参照し、エレベータ5の各号機において、情報処理装置2Aの出発階、行先階、およびかご52の移動方向と、情報処理装置2Bの出発階、行先階、およびかご52の移動方向との関係が上記(1)~(10)のいずれかに該当するか否かを判定する。
【0099】
<割当制御装置1の効果>
本実施形態に係る割当制御装置1において、受付部111は、情報処理装置2からの行先階呼びを受け付け、号機割当部114は当該行先階呼びに応じて情報処理装置2に割り当てる割当号機を決定する。
【0100】
ここで、割当制御装置1の判定部112は、情報処理装置2Aからの新規行先階呼びを受け付けると、情報処理装置2Aに対して情報処理装置2Bと同じ号機を割り当て他場合、情報処理装置2Aと情報処理装置2Bとの間でエレベータ5の乗降に伴う進行を妨げる状況が予測されるかを判定する。
【0101】
また、号機割当部114は、既存呼びに割り当てられた割当号機を新規行先階呼びに割り当てると、情報処理装置2Aと情報処理装置2Bとの間でエレベータ5の乗降に伴う進行を妨げる状況の発生が予測される場合、情報処理装置2Aには情報処理装置2Bに対して割り当てられた割当号機とは異なる号機を割り当てる。
【0102】
従来の乗場行先階登録機能を備える装置では、かごの停止回数および移動距離を低減し、輸送効率を向上させるように割り当てを行うことが一般的である。しかしながら、例えば
図8に示すような例において、既存呼びを登録した情報処理装置2Bに割り当てられた1号機を、新規行先階呼びを登録した情報処理装置2Aに対しても割り当てた場合、5階において情報処理装置2Aがかご52に乗車するときに情報処理装置2Bが当該かご52から降車する。このような場合、情報処理装置2Aと情報処理装置2Bとが衝突回避を行う必要が生じる可能性がある。このような場合、情報処理装置2Aと情報処理装置2Bとの一方が他方の進路上に位置して邪魔になるなどして互いの乗降動作を妨げ、情報処理装置2Aおよび情報処理装置2Bの少なくとも一方が回避動作を行う必要が生じる可能性がある。これらの情報処理装置2の少なくとも一方が回避動作を行う場合、各情報処理装置2の乗降に時間がかかる、または他の利用者の邪魔になるなどの問題が生じ得る。さらに、上述のような場合、各情報処理装置2が回避動作を行おうとして両情報処理装置2が動けなくなる、所謂デッドロック状態が発生し、当該デッドロック状態から抜け出せなくなる可能性がある。
【0103】
これに対して、本発明に係る割当制御装置1では、上述のように、号機割当部114によって、干渉が発生する可能性が抑えられるように割当号機が決定される。ここで、号機割当部114は、かご52の停止回数および移動距離等よりも、干渉が発生する可能性の有無を優先し、多少停止回数が増加したとしても干渉の発生が予測されない号機を割当号機として決定する。これにより、割当制御装置1は、エレベータ5を利用する情報処理装置2の一方が他方の進行を妨げる状況の発生を低減し、各情報処理装置2が動けなくなるデッドロック状態の発生を低減することが可能となる。
【0104】
また、「情報処理装置2Aと情報処理装置2Bとの間でエレベータ5の乗降に伴う進行を妨げる状況」とは、例えば、情報処理装置2Bに割り当てられた号機において、情報処理装置2Aおよび情報処理装置2Bの一方が乗車するときに、情報処理装置2Aおよび情報処理装置2Bの他方が降車する状況である。
【0105】
また、号機割当部114は、情報処理装置2Aに対して情報処理装置2Bとは異なる号機を割り当てると上述のような状況が発生し得ることが予測される場合、情報処理装置2Aに対して情報処理装置2Bとは異なる号機を割り当てる。
【0106】
ある号機において情報処理装置2の降車階で別の情報処理装置2が乗車するとき、これらの情報処理装置2の間において、一方が他方の進行を妨げる状況が発生する可能性が高い。従って、このような状況では、両情報処理装置2が動けなくなる状況が発生し得る。
【0107】
ここで、上記構成によると、新規行先階呼びを登録した情報処理装置2Aに対して、上述のような状況が発生し得る号機は割り当てられない。従って、エレベータ5を利用する情報処理装置2の一方が他方の進行を妨げる状況が発生する可能性を低減することができる。
【0108】
<割当制御装置1が行う処理の流れの一例>
図13は、割当制御装置1が行う処理(割当方法)の流れの一例を示すフローチャートである。以下、
図13を用いて、割当制御装置1が行う処理(割当制御方法)の流れの一例について説明する。
【0109】
受付部111は、情報処理装置2または乗場行先階登録装置3から割当依頼データを受信するまで(S1でYESになるまで)、処理を待機している。受付部111は、情報処理装置2または乗場行先階登録装置3から割当依頼データを受信すると、換言すると新規行先階呼びを受け付けると(S1でYES)、利用対象の属性(ユーザタイプ)を特定する。割当依頼データには、利用対象の識別情報、出発階、および行先階を示す情報が含まれている。
【0110】
割当依頼データに乗場行先階登録装置3の識別情報が含まれている場合、利用対象の属性は利用者である。利用対象の属性が利用者である場合、換言すると、利用対象の属性が情報処理装置2でない場合(S2でNO)、受付部111は、乗場行先階登録装置3の識別情報、出発階、行先階を特定部113に出力する。特定部113は、これらの情報を取得すると、特定部113は、すべてのエレベータ5の号機を候補号機として特定し(S3)、特定した候補号機を示す情報、乗場行先階登録装置3の識別情報、出発階、行先階を号機割当部114に出力する。
【0111】
一方、割当依頼データに情報処理装置2の識別情報が含まれている場合、利用対象の属性は情報処理装置2である。利用対象の属性が情報処理装置2である場合(S2でYES)、換言すると、情報処理装置2Aからの新規行先階呼びを受け付けた場合、受付部111は、判定部112に割当依頼データを出力する。
【0112】
判定部112は、受付部111から割当依頼データを取得すると、エレベータ5のある号機を割り当てた場合、干渉の発生が予測されるか否かの判定を開始する。以下、判定部112が判定の対象とするエレベータの号機の番号を「C」と称する。例えば、C=1である場合、判定部112は1号機について判定を行い、C=2である場合、判定部112は2号機について判定を行う。まず、判定部112は、C=1とし(S4)、C号機を情報処理装置2Aに割り当てた場合に干渉が発生する可能性が予測されるか否かを判定する。
【0113】
判定部112は、乗場行先階DB131を参照し、C号機において登録済みの既存呼びを特定する。判定部112は、特定した既存呼びに含まれる出発階および行先階と、受付部111から新たに取得した割当依頼データ、すなわち情報処理装置2Aからの新規行先階呼びに含まれる出発階および行先階と、と比較することで判定を行う。なお、C号機が割り当てられた既存呼びが複数存在する場合、判定部112はこれら全ての既存呼びについてそれぞれ判定を行う。
【0114】
具体的には、判定部112は、(A)C号機は情報処理装置2Aの出発階であり、情報処理装置2Aが乗車するときに、別の情報処理装置2Bの降車予定があるか、を判定する(S5)。(A)の具体例については既に説明したため説明を省略する。S5でYESの場合、判定部112はC号機を情報処理装置2Aに割り当てると情報処理装置2Aと情報処理装置2Bとの間で干渉が発生し得ると判定し、当該判定の結果を特定部113に出力する。
【0115】
S5でNOの場合、判定部112は次に、(B)C号機は情報処理装置2Aの行先階で情報処理装置2Aが降車するときに、別の情報処理装置2Bの乗車予定があるか、を判定する(S6)。(B)の具体例については既に説明したため説明を省略する。S6でYESの場合、判定部112はC号機を情報処理装置2Aに割り当てると情報処理装置2Aと情報処理装置2Bとの間で干渉が発生し得ると判定し、当該判定の結果を特定部113に出力する。
【0116】
S6でNOの場合、判定部112は、C号機を情報処理装置2Aに割り当てても干渉が発生しないと判定し、当該判定の結果を特定部113に出力する。
【0117】
特定部113は、判定部112による判定結果に基づき候補号機を特定する。C号機を情報処理装置2Aに割り当てたとしても干渉が発生しない場合(S5およびS6の両方でNOの場合)、特定部113は、C号機を候補号機に加える(S7)。一方、C号機を情報処理装置2Aに割り当てると干渉が発生し得る場合(S5またはS6でYESの場合)、特定部113は、C号機を候補号機から除外する。
【0118】
判定部112が全てのエレベータ5の号機について干渉に関する判定を完了していない場合(S8でNO)、Cに1を加える(S9)。その後S8でYESとなるまで、再度S5~S8の処理が繰り返される。
【0119】
判定部112が全てのエレベータ5の号機について干渉に関する判定を完了すると(S8でYES)、特定部113は、それまでに候補号機に加えた号機を示す情報を号機割当部114に出力する。
【0120】
号機割当部114は、特定部113から候補号機を示す情報を取得すると、割当号機を決定する(S10:号機割当ステップ)、換言すると、号機割当部114は、利用対象に割り当てる最適な割当号機を決定する。割当号機を決定する方法は、従来エレベータの号機の割当に用いられる方法を利用すればよい。利用対象が利用者である場合、エレベータ5の全号機が候補号機となる。また、利用対象が情報処理装置2Aである場合、エレベータ5の号機のうち、既存呼びを登録済みの情報処理装置2Bとの間で干渉が発生しない号機が候補号機となる。
【0121】
続いて、号機割当部114は、割当号機を決定すると、乗場行先階DB131およびエレベータDB132に、受け付けた行先階呼びに基づく各情報と決定した割当号機とを対応付けて記憶させる。また、号機割当部114は、割当依頼データの受信元、すなわち行先階呼びを送信した利用対象に、割り当てた号機を示す情報を送信する(S11)。これにより、行先階呼びの登録が完了する。
【0122】
〔ソフトウェアによる実現例〕
割当制御装置1(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御部11に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるための割当制御プログラムにより実現することができる。
【0123】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0124】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0125】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0126】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0127】
〔まとめ〕
以上のように、本発明の態様1にかかる割当制御装置は、自律走行可能であり、エレベータを利用して階床間を移動可能な情報処理装置から受け付けた、出発階および行先階を示す行先階呼びに応じて、前記情報処理装置に利用させる号機を割り当てる号機割当部を備え、前記号機割当部は、前記情報処理装置から新規行先階呼びを受け付けた場合、かつ、前記新規行先階呼びとは異なる受け付け済みの行先階呼びである既存呼びがある場合、前記既存呼びに割り当てられた割当号機を前記新規行先階呼びに割り当てると、前記新規行先階呼びを登録した情報処理装置と前記既存呼びを登録した情報処理装置との間で前記エレベータの乗降に伴う進行を妨げる状況の発生が予測される場合、前記新規行先階呼びを登録した情報処理装置には前記割当号機とは異なる号機を割り当てる。
【0128】
上記の構成によれば、割当制御装置は、ある号機を、新規行先階呼びを送信した情報処理装置に割り当てた場合、当該情報処理装置と当該情報処理装置より前に登録済みの既存呼びを行った1台以上の情報処理装置との間でエレベータの乗降に伴う進行を妨げる状況の発生が予測される場合、新規行先階呼びを送信した情報処理装置には上述のある号機とは異なる号機を割り当てる。これにより、割当制御装置は、エレベータを利用する情報処理装置の一方が他方の進行を妨げる状況の発生を低減することが可能となる。
【0129】
本発明の態様2に係る割当制御装置では、上記態様1において、前記状況は、前記割当号機において、前記新規行先階呼びを登録した情報処理装置および前記既存呼びを登録した情報処理装置の一方が乗車するときに、前記新規行先階呼びを登録した情報処理装置および前記既存呼びを登録した情報処理装置の他方が降車する状況であってもよい。
【0130】
上記の構成によれば、新規行先階呼びを登録した情報処理装置に対して、上述のような状況が発生し得る号機は割り当てられない。従って、エレベータを利用する情報処理装置の一方が他方の進行を妨げる状況が発生する可能性を低減することができる。
【0131】
本発明の態様3に係る割当方法は、自律走行可能であり、エレベータを利用して階床間を移動可能な情報処理装置から受け付けた、出発階および行先階を示す行先階呼びに応じて、前記情報処理装置に利用させる号機を割り当てる号機割当ステップを含み、前記号機割当ステップにおいて、前記情報処理装置から新規行先階呼びを受け付けた場合、かつ、前記新規行先階呼びとは異なる受け付け済みの行先階呼びである既存呼びがある場合、前記既存呼びに割り当てられた割当号機を前記新規行先階呼びに割り当てると、前記新規行先階呼びを登録した情報処理装置と前記既存呼びを登録した情報処理装置との間で前記エレベータの乗降に伴う進行を妨げる状況の発生が予測される場合、前記新規行先階呼びを登録した情報処理装置には前記割当号機とは異なる号機を割り当てる。
【0132】
上記構成によると、上記態様1と同様の効果を奏する。
【0133】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0134】
1 割当制御装置
2 情報処理装置
2A 新規行先階呼びを登録した情報処理装置
2B 既存呼びを登録した情報処理装置
3 乗場行先階登録装置
4 エレベータ制御装置
5 エレベータ
5A エレベータの1号機
5B エレベータの2号機
5C エレベータの3号機
114 号機割当部
【要約】
【課題】エレベータを利用する情報処理装置の一方が他方の進行を妨げる状況の発生を低減する。
【解決手段】割当制御装置(1)は、情報処理装置(2)から受け付けた行先階呼びに応じて、情報処理装置に利用させる号機を割り当てる号機割当部(114)を備え、号機割当部は、既存呼びに割り当てられた割当号機を新規行先階呼びに割り当てると、新規行先階呼びを登録した情報処理装置(2A)と既存呼びを登録した情報処理装置(2B)との間でエレベータの乗降に伴う進行を妨げる状況の発生が予測される場合、新規行先階呼びを登録した情報処理装置には割当号機とは異なる号機を割り当てる。
【選択図】
図2