(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-21
(45)【発行日】2023-08-29
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/55 20190101AFI20230822BHJP
【FI】
G06F16/55
(21)【出願番号】P 2023031687
(22)【出願日】2023-03-02
【審査請求日】2023-03-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1 ウェブサイトの掲載日 2022年3月3日 2 ウェブサイトのアドレス https://fastlabel.ai/news/20220303-auto-annotation
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1 ウェブサイトの掲載日 2022年3月3日 2 ウェブサイトのアドレス https://docs.fastlabel.ai/docs/auto-annotation https://docs.fastlabel.ai/docs/start-auto-annotation
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1 ウェブサイトの掲載日 2022年3月3日 2 ウェブサイトのアドレス https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000065427.html
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1 ウェブサイトの掲載日 2022年3月3日 2 ウェブサイトのアドレス https://japan.zdnet.com/release/30654827/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1 ウェブサイトの掲載日 2022年3月3日 2 ウェブサイトのアドレス https://wmr.tokyo/startup/2022/123152/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1 ウェブサイトの掲載日 2022年3月3日 2 ウェブサイトのアドレス https://ledge.ai/2022-03-03-1313238237622084de96d18/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1 ウェブサイトの掲載日 2022年3月4日 2 ウェブサイトのアドレス https://airobot-news.net/2022/03/04/fastlabel-7/
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520129218
【氏名又は名称】FastLabel株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(72)【発明者】
【氏名】上田 英介
【審査官】齊藤 貴孝
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2022/004337(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/181520(WO,A1)
【文献】特開2020-035095(JP,A)
【文献】特開2019-144872(JP,A)
【文献】特開2017-224184(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2245896(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-2343043(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって登録されたアノテーション用のクラスであるアノテーションクラスと、モデルが分類するクラスであるモデルクラスとを、ユーザが関連づけられるようにする操作画面を表示するための情報を出力する第1出力部と、
前記出力された情報を用いて端末によって生成された操作画面において、アノテーションクラスとモデルクラスとを関連付けるユーザ操作に応じて、当該アノテーションクラスと当該モデルクラスとを記憶装置に関連付けて記録する記録部と、
ユーザの操作に応じて、対象入力データに対してモデルを実行する実行部と、
前記記憶装置を参照して当該モデルの実行によって検出されたモデルクラスを対応するアノテーションクラスに置き換えて割り当てる割当部と、
前記割り当てられたアノテーションクラスに関する情報を出力する第2出力部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記モデルは、画像中のオブジェクトを検出するオブジェクト検出モデルであり、
前記実行部は、ユーザの操作に応じて、対象画像データに対してオブジェクト検出モデルを実行し、
前記割当部は、前記記憶装置を参照して当該オブジェクト検出モデルの実行によって検出されたオブジェクトそれぞれに対して、当該オブジェクト検出モデルの実行によって検出されたモデルクラスを対応するアノテーションクラスに置き換えて割り当て、
前記第2出力部は、対象画像中で検出されたオブジェクトそれぞれについて割り当てられたアノテーションクラスを当該ユーザが視覚によって識別可能に表示するための情報を出力する
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
対象画像に含まれるオブジェクトに対して既に割り当てられたアノテーションクラスを上書きしないように選択可能な設定画面を表示するための情報を出力する第3出力部を更に備え、
前記設定画面において対象画像について既に割り当てられたアノテーションクラスを上書きしないことがユーザによって選択された場合、
前記実行部は、ユーザの操作に応じて、第1のオブジェクト検出モデルを実行し、
前記割当部は、前記記憶装置を参照して前記第1のオブジェクト検出モデルの実行によって検出されたオブジェクトそれぞれに対して第1モデルクラスを対応する第1アノテーションクラスに置き換えて割り当て、
前記実行部は、ユーザの操作に応じて、第2のオブジェクト検出モデルを実行し、
前記割当部は、前記第1アノテーションクラスの割り当てに加えて、前記記憶装置を参照して前記第1のオブジェクト検出モデルの実行によって検出されたオブジェクトそれぞれに対して第1モデルクラスを対応する第1アノテーションクラスに置き換えて割り当てる
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
対象入力データのステータス及び/またはタグを入力可能な入力画面を表示するための情報を出力する第3出力部を更に備え、
前記実行部は、ユーザによって入力されたステータス及び/またはタグが付与された対象入力データに対して、前記モデルを実行する
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記記録部は、前記操作画面においてアノテーションクラスとモデルクラスとを関連付けるユーザ操作に加えて複数のモデルから対象となるモデルを選択するユーザ操作に応じて、前記対象となるモデルについて、当該アノテーションクラスと当該モデルクラスとを記憶装置に関連付けて記録し、
前記実行部は、ユーザの操作に応じて、前記対象入力データに対して当該ユーザが選択したモデルを実行し、
前記割当部は、前記記憶装置を参照して前記ユーザによって選択されたモデルの実行によって検出されたモデルクラスを対応するアノテーションクラスに置き換えて割り当てる
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
第1出力部が、ユーザによって登録されたアノテーション用のクラスであるアノテーションクラスと、モデルが分類するクラスであるモデルクラスとを、ユーザが関連づけられるようにする操作画面を表示するための情報を出力する第1出力手順と、
記録部が、前記出力された情報を用いて端末によって生成された操作画面において、アノテーションクラスとモデルクラスとを関連付けるユーザ操作に応じて、当該アノテーションクラスと当該モデルクラスとを記憶装置に関連付けて記録する記録手順と、
実行部が、ユーザの操作に応じて、対象入力データに対してモデルを実行する実行手順と、
割当部が、前記記憶装置を参照して当該モデルの実行によって検出されたモデルクラスを対応するアノテーションクラスに置き換えて割り当てる割当手順と、
第2出力部が、前記割り当てられたアノテーションクラスに関する情報を出力する第2出力手順と、
を有する情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
ユーザによって登録されたアノテーション用のクラスであるアノテーションクラスと、モデルが分類するクラスであるモデルクラスとを、ユーザが関連づけられるようにする操作画面を表示するための情報を出力する第1出力手順、
前記出力された情報を用いて端末によって生成された操作画面において、アノテーションクラスとモデルクラスとを関連付けるユーザ操作に応じて、当該アノテーションクラスと当該モデルクラスとを記憶装置に関連付けて記録する記録手順、
ユーザの操作に応じて、対象入力データに対してモデルを実行する実行手順、
前記記憶装置を参照して当該モデルの実行によって検出されたモデルクラスを対応するアノテーションクラスに置き換えて割り当てる割当手順、
前記割り当てられたアノテーションクラスに関する情報を出力する第2出力手順、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くの企業で機械学習の社会実装が進んでいる。そのような状況で、教師データの作成のうち特にアノテーションに時間と労力がかかるという問題がある。ここでアノテーションとは、テキスト、音声、画像、または動画などあらゆる形態のデータの1つ1つに、ラベル、タグまたはメタデータと呼ばれる情報を付けていく工程である。
【0003】
この問題に対してアノテーションを支援する技術が開発されている。例えば特許文献1には、予め用意された既存モデルを用いて、複数の要素それぞれに対する事前ラベルを推定して複数の要素それぞれに付与する事前ラベル推定部と、複数の要素それぞれと、ユーザによる複数の要素に付与されたラベルの更新操作のためのラベル付与作業画面であって、複数の要素それぞれと、複数の要素それぞれに付与されたラベルとを対応付けて示すラベル付与作業画面を生成し、外部入出力インタフェースに出力するラベル付与作業画面出力部と、ラベル付与作業画面を介した更新操作により要素に付与されたラベルが更新されると、当該要素に対して更新後のラベルを付与するラベル更新部と、を備えるラベル付与支援装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、モデルが入力データに対して出力する分類であるモデルクラスと、ユーザが付与したい分類であるアノテーションクラスの粒度または名称が異なっている場合がある。粒度が異なっている具体例としては、モデルが入力データに対して出力するモデルクラスが、「バス」、「トラック」であり、ユーザが付与したいアノテーションクラスが「車」である場合がある場合がある。このように、モデルクラスとアノテーションクラスとの間で粒度または名称が異なっており、アノテーションに労力がかかるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、アノテーションにかかる労力を軽減することを可能とする情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に係る情報処理システムは、ユーザによって登録されたアノテーション用のクラスであるアノテーションクラスと、モデルが分類するクラスであるモデルクラスとを、ユーザが関連づけられるようにする操作画面を表示するための情報を出力する第1出力部と、前記出力された情報を用いて端末によって生成された操作画面において、アノテーションクラスとモデルクラスとを関連付けるユーザ操作に応じて、当該アノテーションクラスと当該モデルクラスとを記憶装置に関連付けて記録する記録部と、ユーザの操作に応じて、対象入力データに対してモデルを実行する実行部と、前記記憶装置を参照して当該モデルの実行によって検出されたモデルクラスを対応するアノテーションクラスに置き換えて割り当てる割当部と、前記割り当てられたアノテーションクラスに関する情報を出力する第2出力部と、を備える。
【0008】
この構成によれば、対象入力データに対してモデルを実行すると、モデル本来のモデルクラスではなく、ユーザが所望するアノテーションクラスが出力されるので、アノテーションにかかる労力を軽減することができる。
【0009】
本発明の第2の態様に係る情報処理システムは、第1の態様に係る情報処理システムであって、前記モデルは、画像中のオブジェクトを検出するオブジェクト検出モデルであり、前記実行部は、ユーザの操作に応じて、対象画像データに対してオブジェクト検出モデルを実行し、前記割当部は、前記記憶装置を参照して当該オブジェクト検出モデルの実行によって検出されたオブジェクトそれぞれに対して、当該オブジェクト検出モデルの実行によって検出されたモデルクラスを対応するアノテーションクラスに置き換えて割り当て、前記第2出力部は、対象画像中で検出されたオブジェクトそれぞれについて割り当てられたアノテーションクラスを当該ユーザが視覚によって識別可能に表示するための情報を出力する。
【0010】
この構成によれば、対象画像中でオブジェクト検出モデル検出されたオブジェクトそれぞれについて割り当てられたアノテーションクラスが表示されるので、アノテーションクラスを割り当てる労力を軽減することができる。
【0011】
本発明の第3の態様に係る情報処理システムは、第2の態様に係る情報処理システムであって、対象画像に含まれるオブジェクトに対して既に割り当てられたアノテーションクラスを上書きしないように選択可能な設定画面を表示するための情報を出力する第3出力部を更に備え、前記設定画面において対象画像について既に割り当てられたアノテーションクラスを上書きしないことがユーザによって選択された場合、前記実行部は、ユーザの操作に応じて、第1のオブジェクト検出モデルを実行し、前記割当部は、前記記憶装置を参照して前記第1のオブジェクト検出モデルの実行によって検出されたオブジェクトそれぞれに対して第1モデルクラスを対応する第1アノテーションクラスに置き換えて割り当て、前記実行部は、ユーザの操作に応じて、第2のオブジェクト検出モデルを実行し、前記割当部は、前記第1アノテーションクラスの割り当てに加えて、前記記憶装置を参照して前記第1のオブジェクト検出モデルの実行によって検出されたオブジェクトそれぞれに対して第1モデルクラスを対応する第1アノテーションクラスに置き換えて割り当てる。
【0012】
この構成によれば、第1のオブジェクト検出モデルを用いたアノテーション結果と、第2のオブジェクト検出モデルを用いたアノテーション結果の両方が出力されるので、複数のオブジェクト検出モデルを用いたアノテーション結果を同時に表示することができる。このため、ユーザは、複数のオブジェクト検出モデルを用いたアノテーション結果を同時に把握することができる。
【0013】
本発明の第4の態様に係る情報処理システムは、第1から3のいずれかの態様に係る情報処理システムであって、対象入力データのステータス及び/またはタグを入力可能な入力画面を表示するための情報を出力する第3出力部を更に備え、前記実行部は、ユーザによって入力されたステータス及び/またはタグが付与された対象入力データに対して、前記モデルを実行する。
【0014】
この構成によれば、ユーザは、アノテーション対象のデータをステータス及び/またはで絞りこむことができる。
【0015】
本発明の第5の態様に係る情報処理システムは、第1から4のいずれかの態様に係る情報処理システムであって、前記記録部は、前記操作画面においてアノテーションクラスとモデルクラスとを関連付けるユーザ操作に加えて複数のモデルから対象となるモデルを選択するユーザ操作に応じて、前記対象となるモデルについて、当該アノテーションクラスと当該モデルクラスとを記憶装置に関連付けて記録し、前記実行部は、ユーザの操作に応じて、対象入力データに対して当該ユーザが選択したモデルを実行し、前記割当部は、前記記憶装置を参照して前記ユーザによって選択されたモデルの実行によって検出されたモデルクラスを対応するアノテーションクラスに置き換えて割り当てる。
【0016】
この構成によれば、複数のモデルが選択可能な場合において、対象となるモデルについて当該アノテーションクラスと当該モデルクラスとを記憶装置に関連付けて記録するので、対象となるモデルを実行によって検出されるモデルクラスをアノテーションクラスに置き換えて割り当てることができる。
【0017】
本発明の第6の態様に係る情報処理方法は、ユーザによって登録されたアノテーション用のクラスであるアノテーションクラスと、モデルが分類するクラスであるモデルクラスとを、ユーザが関連づけられるようにする操作画面を表示するための情報を出力する第1出力手順と、前記出力された情報を用いて端末によって生成された操作画面において、アノテーションクラスとモデルクラスとを関連付けるユーザ操作に応じて、当該アノテーションクラスと当該モデルクラスとを記憶装置に関連付けて記録する記録手順と、ユーザの操作に応じて、対象入力データに対してモデルを実行する実行手順と、前記記憶装置を参照して当該モデルの実行によって検出されたモデルクラスを対応するアノテーションクラスに置き換えて割り当てる割当手順と、前記割り当てられたアノテーションクラスに関する情報を出力する第2出力手順と、を有する。
【0018】
この構成によれば、対象入力データに対してモデルを実行すると、モデル本来のモデルクラスではなく、ユーザが所望するアノテーションクラスが出力されるので、アノテーションにかかる労力を軽減することができる。
【0019】
本発明の第7の態様に係るプログラムは、コンピュータに、ユーザによって登録されたアノテーション用のクラスであるアノテーションクラスと、モデルが分類するクラスであるモデルクラスとを、ユーザが関連づけられるようにする操作画面を表示するための情報を出力する第1出力手順、前記出力された情報を用いて端末によって生成された操作画面において、アノテーションクラスとモデルクラスとを関連付けるユーザ操作に応じて、当該アノテーションクラスと当該モデルクラスとを記憶装置に関連付けて記録する記録手順、ユーザの操作に応じて、対象入力データに対してモデルを実行する実行手順、前記記憶装置を参照して当該モデルの実行によって検出されたモデルクラスを対応するアノテーションクラスに置き換えて割り当てる割当手順、前記割り当てられたアノテーションクラスに関する情報を出力する第2出力手順、を実行させるためのプログラムである。
【0020】
この構成によれば、対象入力データに対してモデルを実行すると、モデル本来のモデルクラスではなく、ユーザが所望するアノテーションクラスが出力されるので、アノテーションにかかる労力を軽減することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一態様によれば、対象入力データに対してモデルを実行すると、モデル本来のモデルクラスではなく、ユーザが所望するアノテーションクラスが出力されるので、アノテーションにかかる労力を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの概略構成図である。
【
図2】本実施形態に係るコンピュータシステムの概略構成図である。
【
図3】アノテーションクラスの作成画面の一例である。
【
図5】アノテーションクラスとモデルクラスとの紐付け用の操作画面の一例である。
【
図7】自動アノテーションの実行前設定画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、各実施形態について、図面を参照しながら説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0024】
本願の発明者は、上記の課題を解決するために、ユーザによって登録されたアノテーション用のクラスであるアノテーションクラスとモデルが分類するクラスであるモデルクラスとを、ユーザが使用する操作画面上でユーザが関連付けられるようにし、モデル実行時には、モデルが出力したモデルクラスを当該モデルクラスに関連付けられたアノテーションクラスに置き換えて出力することを着想した。
【0025】
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの概略構成図である。
図1に示すように、情報処理システムSは、ユーザが使用する端末1-1、…、1-N(Nは自然数)と、この端末1-1、…、1-Nと通信回路網CNを介して接続されたコンピュータシステム2と、を備える。
【0026】
端末1-1、…、1-Nは、モデルを使用するユーザが使用する端末であり、例えば、多機能携帯電話(いわゆるスマートフォン)などの携帯電話、タブレット、ノートパソコン、またはデスクトップパソコンなどである。端末1-1、…、1-Nを総称して端末1という。
【0027】
コンピュータシステム2は、例えばモデルのアノテーションを支援する団体(企業を含む)の管理者によって使用または管理される。コンピュータシステム2は端末1から要求に応じて処理を実行し、処理後に得られた情報を端末1に対して提供する。コンピュータシステム2は、一台のコンピュータであってもよいし、複数のコンピュータから構成されていてもよい。ここでは一例としてコンピュータシステム2は、一台のコンピュータであるものとして説明する。
【0028】
図2は、本実施形態に係るコンピュータシステムの概略構成図である。
図2に示すように、コンピュータシステム2は、入力インタフェース21と、通信モジュール22と、記憶装置23と、メモリ24と、出力インタフェース25と、プロセッサ26とを備える。
入力インタフェース21は、コンピュータシステム2の管理者からの入力を受け付け、受け付けた入力に応じた入力信号をプロセッサ26へ出力する。
通信モジュール22は、通信回路網CNに接続されており、端末1と通信する。この通信は有線であっても無線であってもよいが、有線であるものとして説明する。
【0029】
記憶装置23は例えばストレージであり、プロセッサ26が読み出して実行するためのプログラム及び各種のデータが格納されている。
メモリ24は、データ及びプログラムを一時的に保持する。メモリ24は、揮発性メモリであり、例えばRAM(Random Access Memory)である。
出力インタフェース25は、外部の装置と接続可能であり、当該外部の装置へ信号を出力可能である。
【0030】
プロセッサ26は、記憶装置23からプログラムをメモリ24にロードし、当該プログラムに含まれる一連の命令を実行することによって、第1出力部261、記録部262、実行部263、割当部264、第2出力部265、第3出力部266として機能する。
【0031】
以下、端末1に表示される画面の例について
図3~
図8を用いて説明する。
図3は、アノテーションクラスの作成画面の一例である。
図3に示すようにアノテーションクラスの作成画面G1において、アノテーションされるオブジェクトを画像中でマーキングするときの形を示すタイプを選択するセレクトボックスB11、アノテーションクラスの名称を入力するためのテキストボックスB12、当該アノテーションクラスの値を入力するためのテキストボックスB13、当該アノテーションを識別する識別色を入力するためのテキストボックスB14、作成ボタンB15が設けられている。また、作成ボタンB15が押されると、例えば「自転車」という名称で値が「bicycle」のアノテーションクラスが作成される。
【0032】
図4は、アノテーションクラスの一覧画面である。
図4のアノテーションクラスの一覧画面G2には、ユーザによって登録されたたアノテーションクラスの一覧が表示される。このアノテーションクラスの一覧として、作成時に設定された識別色、名称、値、タイプ、属性、最終更新日時の組からなる表が示されている。また、「アノテーションクラスを作成」ボタンB21が設けられており、このボタンB21が押されると、画面が
図3の作成画面に遷移する。
【0033】
図5は、アノテーションクラスとモデルクラスとの紐付け用の操作画面の一例である。
図5の操作画面G3には、モデルを選択するためのセレクトボックスB31、アノテーションクラスを選択するためのラジオボタンB32、モデルクラスを選択するためのチェックボックスB33、保存ボタンB34が表示される。
【0034】
この操作画面G3を表示するために、第1出力部261は、ユーザによって登録されたアノテーション用のクラスであるアノテーションクラスと、モデルが分類するクラスであるモデルクラスとを、ユーザが関連づけられるようにする操作画面(例えば
図5参照)を表示するための情報を出力する。
【0035】
図5において、ユーザは、モデルを選択し、アノテーションクラスを1つ選択し、選択したアノテーションモデルに紐付けるモデルクラスを1つ以上選択して保存ボタンB34を押下する。
【0036】
保存ボタンB34が押された場合、記録部262は、前記出力された情報を用いて端末1によって生成された操作画面G3において、アノテーションクラスとモデルクラスとを関連付けるユーザ操作に応じて、当該アノテーションクラスと当該モデルクラスとを記憶装置23に関連付けて記録する。これにより、アノテーションクラスとモデルクラスは1:1または1:複数で紐づけられる。
【0037】
より詳細には記録部262は例えば、操作画面G3においてアノテーションクラスとモデルクラスとを関連付けるユーザ操作に加えて複数のモデルから対象となるモデルを選択するユーザ操作に応じて、前記対象となるモデルについて、当該アノテーションクラスと当該モデルクラスとを記憶装置に関連付けて記録する。これにより、選択したモデルにおいて、アノテーションクラスとモデルクラスは1:1または1:複数で紐づけられる。この場合において、実行部は、ユーザの操作に応じて、前記対象入力データに対して当該ユーザが選択したモデルを実行する。そして割当部は、前記記憶装置を参照して前記ユーザによって選択されたモデルの実行によって検出されたモデルクラスを対応するアノテーションクラスに置き換えて割り当てる。
【0038】
この構成によれば、複数のモデルが選択可能な場合において、対象となるモデルについて当該アノテーションクラスと当該モデルクラスとを記憶装置に関連付けて記録するので、対象となるモデルを実行によって検出されるモデルクラスをアノテーションクラスに置き換えて割り当てることができる。
【0039】
図6は、設定画面の一例である。
図6の設定画面G4には、
図5の操作画面G3におけるユーザ操作によって紐づけられたアノテーションクラスとモデルクラスの紐付け一覧が表示される。
図6の設定画面G4には、「自動アノテーションを実行」ボタンB41が設けられている。この「自動アノテーションを実行」ボタンB41が押された場合、次に示す
図7の実行前設定画面G5が例えばポップアップで表示される。
【0040】
図7は、自動アノテーションの実行前設定画面の一例である。
図7の実行前設定画面G5において、例えばモデルを選択するためのセレクトボックスB51、信頼度スコアを選択するためのセレクトボックスB52が設けられている。ここで設定された信頼度スコア(例えばモデルが出力する分類の確からしさを表す0~1の値)を超えた結果のみアノテーションデータとして使用される。
【0041】
実行前設定画面G5において、「自動アノテーションを実行」というリンクB56が設けられている。実行部263は、ユーザの操作(例えば
図7の「自動アノテーションを実行」というリンクB56の選択)に応じて、対象入力データ(例えば対象画像データ)に対してモデルを実行する。
【0042】
割当部264は、記憶装置23を参照して当該モデルの実行によって検出されたモデルクラスを対応するアノテーションクラスに置き換えて割り当てる。
第2出力部265は、割り当てられたアノテーションクラスに関する情報を出力する。
【0043】
本実施形態では、上記のモデルは例えば、画像中のオブジェクトを検出するオブジェクト検出モデルであり、その場合、各部は例えば以下の処理を実行する。実行部263は、ユーザの操作に応じて、対象画像に対してオブジェクト検出モデルを実行する。割当部264は、記憶装置23を参照して当該オブジェクト検出モデルの実行によって検出されたオブジェクトそれぞれに対して、当該オブジェクト検出モデルの実行によって検出されたモデルクラスを対応するアノテーションクラスに置き換えて割り当てる。第2出力部265は、対象画像中で検出されたオブジェクトそれぞれについて割り当てられたアノテーションクラスを当該ユーザが視覚によって識別可能に表示するための情報を出力する。
【0044】
これにより、対象画像中でオブジェクト検出モデル検出されたオブジェクトそれぞれについて割り当てられたアノテーションクラスが表示されるので、アノテーションクラスを割り当てる労力を軽減することができる。
【0045】
これによって例えば
図8に示す検出画面が出力される。
図8は、検出結果画面の一例である。
図8の検出結果画面G6に示すように、対象画像において、抽出された歩行者の領域R61、R62と自転車の領域R63が別々の色で矩形で示され、それぞれの領域に歩行者、自転車の凡例(またはラベル)が付与される。
図8の保存ボタンB64が押下されると、このアノテーションに関する情報が記憶装置23に保存される。
【0046】
ここで、ユーザは、別の操作画面(図示せず)において、アノテーション対象のデータに対して、ステータス及び/またはタグを付すことができる。
図7に戻って
図7の実行前設定画面G5において、ステータスを選択するためのセレクトボックスB53が設けられている。これにより、ユーザは、アノテーション対象のデータをステータスで絞りこむことができる。また
図7の実行前設定画面G5において、タグを選択するためのセレクトボックスB54が設けられている。これにより、ユーザは、アノテーション対象のデータをタグで絞りこむことができる。
【0047】
この機能を実現するために、第3出力部266は、対象入力データのステータス及び/またはタグを入力可能な入力画面を表示するための情報を出力する。そして実行部263は、ユーザによって入力されたステータス及び/またはタグが付与された対象入力データに対して、前記モデルを実行する。
【0048】
また
図7の実行前設定画面G5において、「既存のアノテーションを上書きする」か否かを選択するためのトグルボタンB55が設けられている。
「既存のアノテーションを上書きする」が選択されている場合、先に第1のオブジェクト検出モデルによって検出されたオブジェクトに割り当てられたアノテーションクラスは削除され、第2のオブジェクト検出モデルによって検出されたオブジェクトに割り当てられたアノテーションクラスだけが出力される。
一方、「既存のアノテーションを上書きする」が選択されている場合、先に第1のオブジェクト検出モデルによって検出されたオブジェクトに割り当てられたアノテーションクラスは削除されずに残り、第2のオブジェクト検出モデルによって検出されたオブジェクトに割り当てられたアノテーションクラスとともに出力される。
【0049】
この機能を実現するために、第3出力部266は、対象画像に含まれるオブジェクトに対して既に割り当てられたアノテーションクラスを上書きしないように選択可能な設定画面(例えば
図7の実行前設定画面G5)を表示するための情報を出力する。
この設定画面(例えば
図7の実行前設定画面G5)において対象画像について既に割り当てられたアノテーションクラスを上書きしないことがユーザによって選択された場合、実行部263は、ユーザの操作に応じて、第1のオブジェクト検出モデルを実行し、割当部264は、前記記憶装置を参照して前記第1のオブジェクト検出モデルの実行によって検出されたオブジェクトそれぞれに対して第1モデルクラスを対応する第1アノテーションクラスに置き換えて割り当る。さらに実行部263は、ユーザの操作に応じて、第2のオブジェクト検出モデルを実行し、割当部264は、前記第1アノテーションクラスの割り当てに加えて、記憶装置23を参照して前記第1のオブジェクト検出モデルの実行によって検出されたオブジェクトそれぞれに対して第1モデルクラスを対応する第1アノテーションクラスに置き換えて割り当てる。
【0050】
これにより、第1のオブジェクト検出モデルを用いたアノテーション結果と、第2のオブジェクト検出モデルを用いたアノテーション結果の両方が出力されるので、複数のオブジェクト検出モデルを用いたアノテーション結果を同時に表示することができる。このため、ユーザは、複数のオブジェクト検出モデルを用いたアノテーション結果を同時に把握することができる。
【0051】
以上、本実施形態に係る情報処理システムSは、ユーザによって登録されたアノテーション用のクラスであるアノテーションクラスと、モデルが分類するクラスであるモデルクラスとを、ユーザが関連づけられるようにする操作画面を表示するための情報を出力する第1出力部を備える。
情報処理システムSは、前記出力された情報を用いて端末によって生成された操作画面において、アノテーションクラスとモデルクラスとを関連付けるユーザ操作に応じて、当該アノテーションクラスと当該モデルクラスとを記憶装置に関連付けて記録する記録部を備える。
情報処理システムSは、ユーザの操作に応じて、対象入力データに対してモデルを実行する実行部263を備える。
情報処理システムSは、記憶装置23を参照して当該モデルの実行によって検出されたモデルクラスを対応するアノテーションクラスに置き換えて割り当てる割当部264を備える。
情報処理システムSは、対象入力データに対して割り当てられたアノテーションクラスに関する情報を出力する第2出力部265を備える。
【0052】
この構成によれば、対象入力データに対してモデルを実行すると、モデル本来のモデルクラスではなく、ユーザが所望するアノテーションクラスが出力されるので、アノテーションにかかる労力を軽減することができる。
【0053】
なお、上述した実施形態で説明したコンピュータシステム2の少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、コンピュータシステム2の少なくとも一部の機能を実現するプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0054】
また、コンピュータシステム2の少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0055】
さらに、一つまたは複数の情報機器によってコンピュータシステム2を機能させてもよい。複数の情報機器を用いる場合、そのうちの1つをコンピュータとし、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することによりコンピュータシステム2の少なくとも1つの手段として機能が実現されてもよい。コンピュータシステム2の一部または全部の機能が端末1で実現されてもよい。
【0056】
また、方法の発明においては、全ての工程(ステップ)をコンピュータによって自動制御で実現するようにしてもよい。また、各工程をコンピュータに実施させながら、工程間の進行制御を人の手によって実施するようにしてもよい。また、さらには、全工程のうちの少なくとも一部を人の手によって実施するようにしてもよい。
【0057】
以上、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 端末
2 コンピュータシステム
21 入力インタフェース
22 通信モジュール
23 記憶装置
24 メモリ
25 出力インタフェース
26 プロセッサ
261 第1出力部
262 記録部
263 実行部
264 割当部
265 第2出力部
266 第3出力部
S 情報処理システム
【要約】 (修正有)
【課題】アノテーションにかかる労力を軽減する。
【解決手段】コンピュータシステムのプロセッサは、ユーザによって登録されたアノテーション用のクラスであるアノテーションクラスと、モデルが分類するクラスであるモデルクラスとを、ユーザが関連づけられるようにする操作画面を表示するための情報を出力する第1出力部と、出力された情報を用いて端末によって生成された操作画面において、アノテーションクラスとモデルクラスとを関連付けるユーザ操作に応じて、当該アノテーションクラスと当該モデルクラスとを記憶装置に関連付けて記録する記録部と、ユーザの操作に応じて、対象入力データに対してモデルを実行する実行部と、記憶装置を参照して当該モデルの実行によって検出されたモデルクラスを対応するアノテーションクラスに置き換えて割り当てる割当部と、当該割り当てられたアノテーションクラスに関する情報を出力する第2出力部と、を備える。
【選択図】
図2