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<図1>
  • 特許-基板ユニット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-21
(45)【発行日】2023-08-29
(54)【発明の名称】基板ユニット
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/14 20060101AFI20230822BHJP
【FI】
H05K1/14 H
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019078465
(22)【出願日】2019-04-17
(65)【公開番号】P2020178001
(43)【公開日】2020-10-29
【審査請求日】2022-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】502002407
【氏名又は名称】川本電産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】坂藤 優介
(72)【発明者】
【氏名】深川 豊明
(72)【発明者】
【氏名】板倉 毅
【審査官】原田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-168546(JP,A)
【文献】特開平09-046018(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状に形成されるメイン基板と
前記メイン基板の一方の主面に設けられ、外面に被係合部を有する第1コネクタと、
平板状に形成されるサブ基板と、
前記サブ基板の一方の主面に設けられ、前記第1コネクタに第1方向で着脱される第2コネクタと、
前記サブ基板の他方の主面に当接する第1当接部、前記被係合部に前記第1方向であって前記第1当接部に向かう方向で係合する係合部、並びに、前記第1方向に直交するとともに互いに直交する第2方向及び第3方向で前記第1コネクタまたは前記第2コネクタの少なくともいずれか一方の少なくとも一部に当接する第2当接部を有する固定具と、
を備える基板ユニット。
【請求項2】
前記第1コネクタは、一端側が開口する矩形筒状に形成され、
前記第2コネクタは、前記開口に挿入される挿入部、及び、前記挿入部が前記開口に挿入される量を規制する規制部を有し、
前記固定具は、前記第1コネクタ、前記サブ基板及び前記第2コネクタそれぞれの少なくとも一部を内側に配置する箱状に形成され、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタの少なくとも一方の連続する3つの側面に当接する3つの壁部、並びに、対向する2つの前記壁部に設けられ、前記第1コネクタの前記3つの側面とは異なる1つの側面に当接する一対の係止突起を有し、前記3つの壁部及び前記一対の係止突起により前記第2当接部を構成する請求項1に記載の基板ユニット。
【請求項3】
前記固定具は、
対向する2つの前記壁部の一端に連続して設けられ、前記サブ基板の前記一方の主面を受ける一対の受部と、
前記一対の受部それぞれに連続して設けられ、前記サブ基板の主面に直交する方向に延びる一対の柱部と、
前記一対の柱部に連続して設けられ、前記サブ基板を前記サブ基板の前記他方の主面から離間して覆う屋根部と、
前記屋根部の前記サブ基板に対向する面に設けられ、前記サブ基板の前記他方の主面に当接する突出部と、を有し、
前記突出部は、前記第1当接部を構成する請求項2に記載の基板ユニット。
【請求項4】
前記第2コネクタは、前記サブ基板の前記他方の主面に突出するコネクタピンを有し、 前記屋根部は、少なくとも前記コネクタピンを覆う請求項3に記載の基板ユニット。
【請求項5】
前記第1コネクタは、1つの前記側面に形成される溝部を有し、
前記溝部は、前記第1コネクタの前記開口側の端面により前記被係合部を構成し、
前記固定具は、前記溝部が形成される前記側面に対応する前記壁部に設けられ、前記溝部の前記端面に当接する係止爪を有し、前記係止爪により前記係合部を構成する請求項2に記載の基板ユニット。
【請求項6】
前記溝部の前記端面は、前記第1コネクタの他端から所定の間隔を置いた位置に形成される請求項5に記載の基板ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の基板をコネクタにより接続する基板ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
基板ユニットとして、一対の基板に設けられた電気回路を、一対のコネクタにより互いに接続するものが知られている。このような基板ユニットは、例えば、一方の基板に設けられた第1コネクタに対して、他方の基板に設けられた第2コネクタが挿入される構造とすることで、第1コネクタ及び第2コネクタを接続し、一対の基板にそれぞれ設けられた回路を電気的に接続する。
【0003】
ここで、第1コネクタ及び第2コネクタの接続を保持するため、一対の基板を包含するカバーケースに設けられた保持具によって、第2コネクタを第1コネクタに対する挿入方向へ押圧する保持装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような保持装置は、第1コネクタ及び第2コネクタの接続位置から隙間をおいて、一対の基板を接続するスペーサを設けることで、一方の基板に対する他方の基板の浮きを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-339206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した保持装置が用いられた基板ユニットは、一対の基板それぞれの一部が、スペーサの設置の為に使用される。このため、上述した保持装置が用いられた基板ユニットは、基板の総面積に対し、電気回路の構成に使用できる面積が減少する虞があった。また、カバーケースが大型となることから、基板ユニットに保持装置を用いる場合には、設置面積も大きいものとなる。このように、基板ユニットにおいて一対のコネクタの接続を保持すると、省スペース性の問題が生じていた。
【0006】
そこで、本発明は、好適に一対のコネクタの接続を保持できる基板ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る基板ユニットは、平板状に形成されるメイン基板と、前記メイン基板の一方の主面に設けられ、外面に被係合部を有する第1コネクタと、平板状に形成されるサブ基板と、前記サブ基板の一方の主面に設けられ、前記第1コネクタに第1方向で着脱される第2コネクタと、前記サブ基板の他方の主面に当接する第1当接部、前記被係合部に前記第1方向であって前記第1当接部に向かう方向で係合する係合部、並びに、前記第1方向に直交するとともに互いに直交する第2方向及び第3方向で前記第1コネクタまたは前記第2コネクタの少なくともいずれか一方の少なくとも一部に当接する第2当接部を有する固定具と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、好適に一対のコネクタの接続を保持できる基板ユニットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る基板ユニットの構成を示す斜視図。
図2】同基板ユニットの各構成の接続関係を示す斜視図。
図3】同基板ユニットの構成を示す正面図。
図4】同基板ユニットの構成を一部断面で示す側面図。
図5】同基板ユニットのメイン基板及び第1コネクタの構成を示す背面図。
図6】同基板ユニットのサブ基板及び第2コネクタの構成を示す側面図。
図7】同サブ基板及び同第2コネクタの構成を示す下面図。
図8】同基板ユニットの固定具の構成を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る基板ユニット1について、図1乃至図8を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る基板ユニット1の構成を示す斜視図であり、図2は、基板ユニット1の各構成の接続関係を示す斜視図であり、図3は、基板ユニット1の構成を示す正面図であり、図4は、基板ユニット1の構成を一部断面で示す側面図である。また、図5は、基板ユニット1に用いられるメイン基板11及び第1コネクタ12の構成を示す背面図であり、図6は、基板ユニット1に用いられるサブ基板13及び第2コネクタ14の構成を示す側面図であり、図7は、基板ユニット1に用いられるサブ基板13及び第2コネクタ14の構成を示す下面図であり、図8は、基板ユニット1に用いられる固定具15の構成を示す斜視図である。
【0011】
図1乃至図4に示すように、基板ユニット1は、メイン基板11と、メイン基板11に設けられる第1コネクタ12と、サブ基板13と、サブ基板13に設けられる第2コネクタ14と、固定具15と、を備える。ここで、第1コネクタ12及び第2コネクタ14は、所謂基板対基板コネクタである。基板ユニット1は、第1コネクタ12と第2コネクタ14とが機械的に接続されることで、メイン基板11の回路とサブ基板13の回路とを電気的に接続する。また、基板ユニット1は、固定具15により、第1コネクタ12と第2コネクタ14との接続が保持される。
【0012】
図1乃至図5に示すように、メイン基板11は、平板状に形成される。メイン基板11は、例えば、主面が一方向に長い矩形状に形成される。メイン基板11は、集積回路、抵抗器、コンデンサやトランジスタ等の電子部品が実装されることで、回路を構成する。
【0013】
図5に示すように、第1コネクタ12は、第1基部21と、複数の第1端子22と、を有する。第1コネクタ12は、例えば、メイン基板11の一方の主面に設けられ、図2に示すような第1方向Zで第2コネクタ14に着脱可能、且つ、電気的に接続可能に構成される。なお、説明の便宜上、図2に示すように、メイン基板11の主面に対する鉛直方向をZ軸に見立て、第1方向Zを定める。また、図2に示すように、メイン基板11の主面に対して水平であって互いに直交する2方向をX軸及びY軸に見立て、第2方向X及び第3方向Yを定める。即ち、図2中に示す第1方向Z、第2方向X及び第3方向Yの3軸方向を定義して、以下説明する。
【0014】
第1基部21は、内側に複数の第1端子22を収容するとともに、先端側が開口する矩形筒状に形成される。第1基部21は、メイン基板11の一方の主面に設けられる。また、第1基部21は、メイン基板11側で第1端子22と一体に形成され、第1端子22を固定する。第1基部は、樹脂材料により形成される。
【0015】
また、第1基部21は、外面に被係合部21aを有する。図5に示すように、被係合部21aは、例えば、第1基部21の外面に形成された溝部21bの第1基部21の開口側の端面である。
【0016】
溝部21bは、例えば、第1基部21の開口に対して直交する方向に長い矩形状に、複数形成される。溝部21bは、第1基部21の開口側の端面が、メイン基板11の主面側に位置する第1基部21の他端から所定の間隔を置いた位置に形成される。ここで、所定の間隔は、電子部品やポッティングによる保護膜の表面等のメイン基板11に設けられる構成が溝部21bの第1基部21の開口側の端面に干渉しない十分な間隔である。
【0017】
第1端子22は、メイン基板11に接触して設けられ、メイン基板11に構成された回路に電気的に接続される。第1端子22は、例えば、他の端子と接触することでメイン基板11の回路を他の回路に電気的に接続する。
【0018】
図1乃至図4図6及び図7に示すように、サブ基板13は、例えば、メイン基板11よりも小さい平板状に形成される。サブ基板13は、例えば、主面がメイン基板11よりも小さい面積の一方向に長い矩形状に形成される。サブ基板13は、集積回路、抵抗器、コンデンサやトランジスタ等の電子部品が実装されることで、回路を構成する。
【0019】
図6及び図7に示すように、第2コネクタ14は、第2基部31と、複数の第2端子32と、コネクタピン33と、を有する。第2コネクタ14は、例えば、サブ基板13の一方の主面に設けられ、図2に示すような第1方向Zで第1コネクタ12に着脱可能、且つ、電気的に接続可能に構成される。
【0020】
第2基部31は、図2に示すような第1方向Zで第1基部21に接続可能に形成される。第2基部31は、例えば、内側に複数の第2端子32を収容するとともに、第1基部21の開口に挿入可能な矩形箱状に構成される。第2基部31は、サブ基板13の一方の主面に設けられる。第2基部31は、例えば、第1基部21の開口に挿入される挿入部31aと、挿入部31aの外周面に設けられ、第1基部21の開口に対する挿入部31aの挿入方向への移動を所定の位置で規制する複数の規制部31bと、を有する。第2基部31は、樹脂材料により形成される。
【0021】
挿入部31aは、複数の第2端子32を収容するとともに、第1基部21の開口に挿入可能な形状に形成される。挿入部31aは、例えば、外周面が第1基部21の開口の内周面と略同形状に形成された、中空の矩形箱状に形成される。挿入部31aは、第1基部21内に配置された複数の第1端子22それぞれに対向する位置に、複数の第2端子32を収容する。
【0022】
挿入部31aは、先端面に複数の端子孔31cを有する。端子孔31cは、挿入部31aの内側に収容された第2端子32の先端に対向する位置にそれぞれ設けられる。換言すると、端子孔31cは、挿入部31aが第1基部21に挿入されたときに、第1端子22が挿通される位置に設けられる。端子孔31cは、開口面積が、第1端子22が通過可能、且つ、第1端子22の位置を第2端子32に接触する位置に制限可能に、第1端子22の断面積より若干大きい面積に設定される。即ち、端子孔31cは、挿入部31aが第1基部21に挿入されたときに、第1端子22が通過可能、且つ、通過した第1端子22が挿入部31a内の第2端子32に接触可能に構成される。
【0023】
規制部31bは、挿入部31aが第1基部21の開口に挿入される量を規制可能に構成される。規制部31bは、例えば、挿入部31aの外面に設けられ、挿入部31aが第1基部21に挿入された状態で第1基部21の開口端に当接可能な形状に形成される。規制部31bは、例えば、主面が挿入部31aの外面に固定されるとともに、一端面が第1基部21の開口端に当接する薄板状に形成される。規制部31bは、挿入部31aの外周面の内、相対する二面にそれぞれ設けられる。換言すると、規制部31bは、挿入部31aを間に介する配置で挿入部31aの外面に一対に設けられる。規制部31bは、例えば、厚さが第1基部21の開口端の幅と同寸に形成される。また、規制部31bは、例えば、挿入部31aの挿入方向に直交する方向の幅、換言すると、図2に示す第2方向Xの幅が、第1基部21の側面の幅と同寸に形成される。
【0024】
第2端子32は、サブ基板13の一方の主面に設けられ、サブ基板13に構成された回路に電気的に接続される。第2端子32は、第1端子22と接触することで、サブ基板13の回路をメイン基板11の回路に電気的に接続する。
【0025】
コネクタピン33は、第2端子32と一体に構成され、サブ基板13の他方の主面に突出する。コネクタピン33は、サブ基板13に実装された他の電子部品と電気的に接続可能に構成される。
【0026】
上述した第1コネクタ12及び第2コネクタ14は、第2基部31の挿入部31aが第1基部21の開口に、一対の規制部31bが第1基部21の開口端に当接するまで挿入されることで接続される。このとき、複数の第1端子22がそれぞれ挿入部31aの端子孔31cに挿通され、複数の第2端子32それぞれに接触することで、メイン基板11の回路とサブ基板13の回路とが電気的に接続される。
【0027】
固定具15は、第1コネクタ12及び第2コネクタ14の接続を保持可能に構成される。換言すると、固定具15は、第1コネクタ12及び第2コネクタ14を接続した状態において、第1コネクタ12及び第2コネクタ14が離間する方向の相対的な移動を規制可能に構成される。また、固定具15は、第1コネクタ12及び第2コネクタ14の第1方向Zの接続を保持した状態で、第1コネクタ12または第2コネクタ14から離間することを規制可能に構成される。以下、固定具15の構成について、第1コネクタ12及び第2コネクタ14が接続された状態を前提として述べる。
【0028】
図1乃至図4図8に示すように、固定具15は、例えば、第1コネクタ12の一部、サブ基板13の一部及び第2コネクタ14を収容するとともに、第1コネクタ12に第2コネクタ14を挿入する挿入方向に直交する1つの面及びこの面に連続する1つの面の、2つの面が開放した箱状に形成される。即ち、固定具15は、第1コネクタ12に第2コネクタ14を挿入する挿入方向に直交する1つの面が開口した第1開口部15aと、第1開口部15aに連続する1つの面が開口した第2開口部15bと、を有する。固定具15は、樹脂材料により形成される。
【0029】
第1開口部15aは、第1コネクタ12が第1コネクタ12に対する第2コネクタ14の挿入方向に通過可能に形成される。
【0030】
第2開口部15bは、サブ基板13及び第2コネクタ14が第1コネクタ12に対する第2コネクタ14の挿入方向に直交する方向に通過可能に形成される。
【0031】
また、固定具15は、サブ基板13の第2コネクタ14が設けられる一方の主面に対向する他方の主面の一部に当接する第1当接部15cと、第1コネクタ12の第1基部21の外面に設けられた被係合部21aに係合する係合部15dと、第1コネクタ12または第2コネクタ14の少なくともいずれか一方の4つの側面それぞれに当接する第2当接部15eと、を有する。
【0032】
第1当接部15cは、サブ基板13の第2コネクタ14が設けられる一方の主面に対向する他方の主面の一部に当接する部位である。
【0033】
係合部15dは、第1コネクタ12の第1基部21の外面に設けられた被係合部21aに、第1方向Zであって第1当接部に向かう方向に係合する部位である。例えば、係合部15dは、溝部21bの第1基部21開口側の端面に当接する部位である。
【0034】
第2当接部15eは、図2に示すような、第1方向Zに直交するとともに互いに直交する第2方向X及び第3方向Yで第1基部21または第2基部31の少なくともいずれか一方の少なくとも一部に当接する部位である。
【0035】
図1乃至図4図8に示すように、固定具15は、例えば、第1壁部41と、第2壁部42と、第3壁部43と、係止爪44と、一対の第1係止突起45と、一対の第2係止突起46と、一対の受部47と、一対の柱部48と、屋根部49と、突出部50と、を備える。なお、以下の説明においては、図1及び図2に示すように、メイン基板11が設置面に配置され、第1コネクタ12の第1基部21の開口が上方を向いた状態を想定して方向を定義する。
【0036】
図8に示すように、第1壁部41は、例えば、2つの主面に貫通する孔部41aを有する。第1壁部41は、第1基部21の溝部21bが設けられた主面及び第2基部31の規制部31bの側面に当接する。第1壁部41は、下端面が第1基部21の溝部21bの上端よりも下方に位置し、且つ、メイン基板11の主面から所定の高さ上方に位置する。また、第1壁部41は、上端面がサブ基板13の主面に当接する高さに形成される。第1壁部41は、第1基部21及び第2基部31に当接する面の幅が、第1基部21の長手方向の幅、換言すると、第1基部21の第2方向Xの幅と略同じ幅に形成される。
【0037】
孔部41aは、第1壁部41の高さ方向、換言すると、図2中に示す第1方向Zで、溝部21bの上端よりも上方から、溝部21bの上端よりも下方に至る幅に形成される。また、孔部41aは、第1壁部41の幅方向で、溝部21bの幅よりも大きい幅に形成される。孔部41aは、例えば、2つ設けられる。
【0038】
図2図3及び図8に示すように、第2壁部42は、第1壁部41の幅方向、換言すると、第1壁部41の図2中に示す第2方向Xの一端に一体に形成されるとともに、主面が第1壁部41の主面に対して垂直に形成される。第2壁部42は、第1基部21の一方の側面及び第2基部31の一方の規制部31bの主面に当接する。第2壁部42は、例えば、第1壁部41と同じ高さに形成される。また、第2壁部42は、第1基部21及び第2基部31に当接する面の幅が、第1基部21及び第2基部31の側面の幅よりも若干大きい幅に形成される。即ち、第2壁部42は、内側に配置した第1基部21及び第2基部31に対して、幅方向、換言すると、図2中に示す第3方向Yに若干突出する。
【0039】
図2図3及び図8に示すように、第3壁部43は、第1壁部41の幅方向の他端に一体に形成されるとともに、主面が第1壁部41の主面に対して垂直に形成される。第3壁部43は、第1基部21の他方の側面及び第2基部31の他方の規制部31bの主面に当接する。第3壁部43は、例えば、第1壁部41と同じ高さに形成される。また、第3壁部43は、第1基部21及び第2基部31に当接する面の幅が、第1基部21及び第2基部31よりも若干大きい幅に形成される。即ち、第3壁部43は、第2壁部42に対向して形成されるとともに、第2壁部42と同じ形状に形成される。
【0040】
係止爪44は、つなぎ部61と、爪部62と、を有する。係止爪44は、2つ孔部41aの内側にそれぞれ形成される。即ち、係止爪44は、2つ形成される。係止爪44は、孔部41aの上端面から第1壁部41に一体に形成され、孔部41aの内側に配置される。
【0041】
つなぎ部61は、外力によって爪部62を第1壁部41に対して変位可能につなぐ部位である。つなぎ部61は、孔部41aの上端から第1壁部41に一体に形成される。つなぎ部61は、第1壁部41に一体に形成された上端が、第1壁部41の厚さ方向、換言すると、図2中に示す第3方向Yに第1壁部41と同じ幅に形成され、第1壁部41の幅方向に第1基部21の溝部21bと略同じ幅に形成される。つなぎ部61は、第1壁部41に一体に形成された上端側から中途部にかけて、第1壁部41の厚さ方向の幅が漸次縮小する形状に形成される。
【0042】
爪部62は、つなぎ部61の下端側に一体に形成される。爪部62は、第1壁部41の厚さ方向に第1壁部41の主面よりも内方へ突出して形成され、第1基部21の溝部21bの上端面に当接可能に形成される。爪部62は、第1壁部の厚さ方向に第1壁部41の主面から突出する幅が、溝部21bの深さと略同寸に形成される。爪部62は、第1壁部41の幅方向に第1基部21の溝部21bと略同じ幅に形成される。また、爪部62は、第1壁部41の主面から突出する上端面が、溝部21bの上端面に対して平行に形成される。また、爪部62は、下端面が第1壁部41側から突出する突出側に向かうにつれて上端側に傾斜して形成される。
【0043】
図1乃至図4図8に示すように、一対の第1係止突起45は、例えば、第2壁部42の主面及び第3壁部43の主面それぞれに1つずつ一体に設けられる。ここで、第2壁部42に設けられる第1係止突起45と、第3壁部43に設けられる第1係止突起45とは、それぞれが高さ方向で同位置に一対に設けられる。第1係止突起45は、第2壁部42の主面及び第3壁部43の主面において、第1基部21及び第2基部31に対して幅方向に突出した部位であって、第2基部31よりも下方に形成される。第1係止突起45は、例えば、四角柱状に形成される。第1係止突起45は、第1壁部41に対向する面と第1壁部41の内方の主面との距離が、第1基部21の側面の幅と同寸に形成される。即ち、第1係止突起45は、第1壁部41に対向する面が、第1壁部41、第2壁部42及び第3壁部43の内側に配置された第1基部21の外面に当接する。また、一対の第1係止突起45は、第1基部21の外面の両端部にそれぞれ当接する。
【0044】
図2乃至図4図8に示すように、一対の第2係止突起46は、第2壁部42の主面及び第3壁部43の主面の上端部それぞれに1つずつ一体に設けられる。第2係止突起46は、第2壁部42の主面及び第3壁部43の主面において、第1基部21及び第2基部31に対して幅方向に突出した部位であって、第1係止突起45よりも上方に形成される。一対の第2係止突起46は、例えば、第2壁部42及び第3壁部43の上方の端部から第1壁部41側に向かって、漸次互いに対向する方向、換言すると、図2中の第2方向Xに突出する三角柱状に形成される。即ち、第2係止突起46は、第2壁部42または第3壁部43の端部から第1壁部41側にかけて、対向する第3壁部43または第2壁部42に向かって傾斜する傾斜面を有する。第2係止突起46は、上面が第2壁部42及び第3壁部43の上端面と面一に形成される。第2係止突起46は、第1壁部41に対向する面と第1壁部41との距離が、規制部31bの主面の幅と同寸に形成される。即ち、一対の第2係止突起46は、上面がサブ基板13の主面にそれぞれ当接するとともに、第1壁部41に対向する面が第2基部31の規制部31bの側面にそれぞれ当接する。
【0045】
図1乃至図4図8に示すように、一対の受部47は、第2壁部42の上端及び第3壁部43の上端それぞれに連続して形成される。受部47は、例えば、第2壁部42または第3壁部43の上端面と面一に、サブ基板13の主面の幅方向、換言すると、図2中に示す第2方向Xに所定の長さに延びる矩形板状に形成される。ここで、受部47の所定の長さは、サブ基板13の主面の幅に応じて適宜設定される。また、受部47は、例えば、第2壁部42及び第3壁部43の幅と同じ幅に形成される。受部47は、第2壁部42及び第3壁部43の上端面と、第2係止突起46の上面とともに、サブ基板13の第2コネクタ14が設けられる一方の主面に当接する。
【0046】
図1乃至図3図8に示すように、一対の柱部48は、例えば、それぞれ、一対の受部47それぞれの上面からサブ基板13の主面に直交する方向に所定の高さに延びる、矩形板状に形成される。ここで、柱部48の所定の高さは、少なくとも、サブ基板13の厚さよりも大きく形成される。さらに言えば、柱部48の所定の高さは、サブ基板13の厚さに、サブ基板13の他方の主面より突出したコネクタピン33の長さを加算した寸法よりも大きく設定される。また、柱部48は、例えば、サブ基板13の主面の長さ方向、換言すると、図2中2に示す第3方向Yに受部47と同じ幅に形成される。
【0047】
図1乃至図4図8に示すように、屋根部49は、一対の柱部48に連続して設けられ、サブ基板13を、サブ基板13の他方の主面から離間して覆う。屋根部49は、例えば、一対の柱部48それぞれの上端に連続する矩形板状に形成される。また、屋根部49は、少なくともサブ基板13の他方の主面から突出したコネクタピン33を覆う。即ち、屋根部49は、サブ基板13の他方の主面の上方であって、サブ基板13に一方の主面に設けられた第2コネクタ14の上方に形成される。屋根部49は、サブ基板13の長さ方向に、少なくとも、突出部50が一体に形成可能、且つ、コネクタピン33の幅よりも大きい幅に形成される。屋根部49は、例えば、サブ基板13の主面の長さ方向に柱部48と同じ幅に形成される。
【0048】
図1乃至図4図8に示すように、突出部50は、屋根部49の下面に一体に形成される。突出部50は、例えば、サブ基板13の主面の長さ方向に長い四角柱状に形成され、一対に設けられる。また、突出部50は、下面がサブ基板13の主面に当接可能に形成される。即ち、突出部50は、サブ基板13の主面に当接する面と、受部47の上面と、の距離が、サブ基板13の厚さと略同寸となる長さで、屋根部49から下方に向かって突出する。
【0049】
以下、固定具15を用いて第1コネクタ12及び第2コネクタ14を接続する、具体的な工程について説明する。図2中矢印に示すように、固定具15を用いた第1コネクタ12及び第2コネクタ14の接続は、固定具15にサブ基板13及び第2コネクタ14を装着し、続いて、固定具15に装着された第2コネクタ14を固定具15とともに第1コネクタに装着する工程により行われる。
【0050】
まず、固定具15にサブ基板13及び第2コネクタ14を装着する工程について説明する。まず、固定具15の開放された側面から第1壁部41側に向かって、固定具15の受部47及び突出部50の間にサブ基板13を挿入する。ここで、受部47と突出部50との距離がサブ基板13の厚さと略同寸となっていることから、サブ基板13は、受部47及び突出部50により挟持される。また、サブ基板13は、基板面積によっては、第2基部31が設けられる部位よりも挿入方向で先端側が、柱部48により形成された第1壁部41と屋根部49との間の隙間を通過することができる。
【0051】
固定具15の受部47及び突出部50の間にサブ基板13を挿入すると、第2基部31の規制部31bの側面が第2係止突起46に当接する。この状態で、第2基部31をさらに第1壁部41側に向かって挿入すると、固定具15が弾性変形し、一対の第2係止突起46が互いに対向してなす2点間の距離が、第2基部31が通過可能な距離まで押し広げられる。これにより第2コネクタ14は、一対の第2係止突起46の間を通過し、第1壁部41、第2壁部42及び第3壁部43の内側に移動する。
【0052】
第1壁部41、第2壁部42及び第3壁部43の内側に移動した第2基部31は、一対の規制部31bの側面が、それぞれ第1壁部41及び元の位置に復元した一対の第2係止突起46それぞれに当接する。また、一対の規制部31bの主面は、それぞれ第2壁部42及び第3壁部43に当接する。即ち、第2基部31は、全ての側面が固定具15に当接して収容された状態となる。
【0053】
このように、固定具15に装着されたサブ基板13及び第2コネクタ14は、固定具15に対する相対的な移動が規制され、固定具15に一体に保持される。
【0054】
続いて、固定具15に装着されたサブ基板13及び第2コネクタ14を、第1コネクタ12に装着する工程を説明する。まず、固定具15の第1壁部41を、第1基部21の溝部21bが設けられた外面に沿わせるとともに、第1係止突起45の当接面を第1基部21の外面に沿わせて、第1基部21を固定具15の内側に挿入する。
【0055】
第1基部21を固定具15の内側に挿入すると、第1基部21の開口端が係止爪44の爪部62に当接する。ここで、第1基部21をさらに挿入すると、第1基部21の開口端に当接する爪部62の下端面の傾斜によって、つなぎ部61が第1基部21から離間する方向に案内され、第1壁部41から外方に向かって弾性変形し、第1係止突起45の当接面と爪部62の先端とがなす2点間の距離が、第1基部21が通過可能な距離まで押し広げられる。これにより、第1基部21は、第1係止突起45の当接面と爪部62との間を通過し、固定具15の内側にさらに移動する。
【0056】
続いて、第1基部21は、開口に第2基部31の挿入部31aが挿入され、開口端に第2基部31の規制部31bが当接する。即ち、第1コネクタ12に対して第2コネクタ14が接続される。
【0057】
このとき、固定具15は、係止爪44のつなぎ部61の位置が復元することで、爪部62の上端面が第1基部21の溝部21bの上端面に当接する。また、固定具15は、第1基部21のすべての側面に対して、第1壁部41、第2壁部42、第3壁部43及び第1係止突起45の当接面が当接した状態となる。これにより、固定具15は、第1基部21に対して、第1基部21が第2基部31から離間する方向の移動、及び、これに直交する方向の移動が規制される。
【0058】
このように、第1基部21に装着した固定具15は、第1基部21に対する移動が規制される。
【0059】
上述した工程により、固定具15を用いた第1コネクタ12及び第2コネクタ14の接続がなされる。固定具15を用いた第1コネクタ12及び第2コネクタ14の接続により、固定具15に対するサブ基板13及び第2コネクタ14の相対的な移動が規制されるとともに、第1基部21に対する固定具15の移動が規制される。即ち、第1コネクタ12及び第2コネクタ14の接続が固定具15により保持される。
【0060】
このように構成された基板ユニット1によれば、第1コネクタ12及び第2コネクタ14の接続を保持することができる。具体的には、基板ユニット1は、固定具15の第1当接部15cが、サブ基板13の第2コネクタ14が設けられた主面と対向する主面に当接し、固定具15の係合部15dが第1コネクタ12の被係合部21aに係合する。また、基板ユニット1は、第1コネクタ12の一部及び第2コネクタを内側に配置するとともに、固定具15の第2当接部15eが第1コネクタ12及び第2コネクタ14の全ての側面に当接する。以上により、基板ユニット1は、固定具15が第1コネクタ12及び第2コネクタ14が互いに離間する方向の移動を規制するとともに、固定具15が第1コネクタ12から離間する3軸方向の移動を規制することから、第1コネクタ12及び第2コネクタ14の接続を保持することができる。
【0061】
さらに具体的には、基板ユニット1は、固定具15により、一対の突出部50がサブ基板13の上面に当接するとともに、係止爪44が第1コネクタ12の溝部21bに係止されることで、第1コネクタ12及び第2コネクタ14が相対的に離間する移動が規制される。また、基板ユニット1は、固定具15が、第1壁部41、第2壁部42、第3壁部43により第1コネクタ12及び第2コネクタ14の連続する3つの側面に当接すること、第1係止突起45及び第2係止突起46により第1コネクタ12及び第2コネクタ14の他の1つの側面に当接すること、また、係止爪44が第1コネクタ12の溝部21bに係止されることから、固定具15が第1コネクタ12及び第2コネクタ14から離間する3軸方向の移動が規制される。このように、基板ユニット1は、固定具15により、第1コネクタ12及び第2コネクタ14が互いに離間する方向の移動を規制でき、且つ、固定具15が第1コネクタ12及び第2コネクタ14から離間することを規制できることから、第1コネクタ12及び第2コネクタ14の接続を保持することができる。
【0062】
また、基板ユニット1によれば、第1コネクタ12及び第2コネクタ14の接続を保持するために要するスペースを低減することができる。特に、基板ユニット1は、第1コネクタ12及び第2コネクタ14の接続の保持にメイン基板11を使用しないことから、メイン基板11の有効面積を電子部品の配置等に最大限に活用することができる。
【0063】
また、基板ユニット1は、固定具15により、サイズの異なる種々のサブ基板13の保持に対応できる。具体的に説明すると、固定具15は、一対の受部47がサブ基板13の一方の主面に当接し、且つ、一対の突出部50がサブ基板13の他方の主面に当接することで、サブ基板13を挟持する。即ち、固定具15は、サブ基板13の両主面を2点で挟持する構成であることから、主面が2点で挟持される面積を有する種々のサブ基板13の保持に対応することができる。
【0064】
さらに、固定具15において、柱部48が所定の高さに延びることで、受部47と屋根部49との間にサブ基板13の厚さよりも大きい隙間が形成される。これにより、サブ基板13において、第2コネクタ14が設けられた位置よりもサブ基板13の挿入方向側の長さが、固定具15の内側に収まらない長さであっても、サブ基板13が当該隙間を通過できる。したがって、固定具15は、長さが異なる種々のサブ基板13の保持に対応することができる。上述したように、基板ユニット1は、固定具15により、サイズの異なる種々のサブ基板13の保持に対応できる。
【0065】
また、基板ユニット1は、固定具15の屋根部49により、サブ基板13の表面の一部を覆い、サブ基板13の表面の一部を保護することができる。特に、固定具15において、屋根部49は、第2コネクタ14を収容する第1壁部41、第2壁部42及び第3壁部43から、受部47及び柱部48を介して連続し、第2コネクタ14を保持する部位の上方に位置することから、第2コネクタ14の第2端子32に対向してサブ基板13の主面から突出したコネクタピン33の上方を覆うことができる。これにより、基板ユニット1は、固定具15を用いた第1コネクタ12及び第2コネクタ14の接続の保持に伴い、サブ基板13の表面から突出したコネクタピン33を保護することができる。
【0066】
また、基板ユニット1は、第1コネクタ12及び第2コネクタ14の接続が、固定具15へのサブ基板13及び第2コネクタ14の装着と、サブ基板13及び第2コネクタ14が取り付けられた固定具15の第1コネクタ12への装着と、の二段階の作業で行われる。これらの作業は、サブ基板13及び第2コネクタ14、または、第1コネクタ12を、固定具15の開放した面に通過させ、弾性変形する第2係止突起46または係止爪44に係止されるよう固定具15の内側に挿入するものである。即ち、基板ユニット1は、サブ基板13及び第2コネクタ14並びに第1コネクタ12への固定具15の装着作業が容易であることから、第1コネクタ12及び第2コネクタ14の接続を保持するための作業が容易である。
【0067】
また、第1基部21の溝部21bの上端面が、第1基部21の下端から所定の間隔を置いて設けられることで、固定具15により第1コネクタ12及び第2コネクタ14の接続を保持したときに、メイン基板11の主面と固定具15の下端との間に所定の隙間を確保することができる。これにより、基板ユニット1は、例えば、電子部品の配置やポッティングによる保護膜等により、第1コネクタ12の下端側の周囲がメイン基板11の構成に使用されていても、固定具15がこれらに干渉することなく、固定具15を用いた第1コネクタ12及び第2コネクタ14の接続の保持が可能である。
【0068】
上述したように、本発明の一実施形態に係る基板ユニット1によれば、好適に第1コネクタ12及び第2コネクタ14の接続を保持することができる。
【0069】
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態では、基板ユニット1は、第1コネクタ12の第1基部21の開口に、第2コネクタ14の第2基部31が挿入される例を説明したが、これに限定されず、第2基部31の一端が開口し、第2基部31の開口に第1基部21が挿入される構成であってもよい。この場合には、基板ユニット1は、固定具15に設けられる係止爪44、一対の第1係止突起45及び一対の第2係止突起46の位置、並びに、第1基部21に設けられる溝部21bの位置を適宜設定することで、上記実施形態に述べた方法と同様に、固定具15を用いた第1コネクタ12及び第2コネクタ14の接続の保持が可能である。
【0070】
また、基板ユニット1の固定具15が、第1壁部41と、第2壁部42と、第3壁部43と、係止爪44と、一対の第1係止突起45と、一対の第2係止突起46と、一対の受部47と、一対の柱部48と、屋根部49と、突出部50と、を備える例を説明したが、これに限定されない。固定具15は、第1コネクタ12に対して離間する方向の第2コネクタ14の移動を規制可能、且つ、自身の第1コネクタ12または第2コネクタ14に対する相対的な移動を規制可能であればよい。例えば、固定具15は、サブ基板13の他方の主面に当接するとともに第1基部21の被係合部21aに係合する第1フレームと、第1基部21または第2基部31の4つの側面に当接する第2フレームと、を組み合わせた構成であってもよい。
【0071】
ただし、上記実施形態に述べた固定具15のように、第1コネクタ12及び第2コネクタ14の外面に当接する構成が第1壁部41、第2壁部42及び第3壁部43による一体の壁面であることで、基板ユニット1は、固定具15を用いた第1コネクタ12及び第2コネクタ14の接続を、振動等により生じる、挿入方向に直交する方向の外力に対して強い構造とすることができる。また、上記実施形態に述べた固定具15は、サブ基板及び第2コネクタ14を保持した状態で、第2コネクタ14を第1コネクタ12に挿入する作業と同等の作業により取り付けられることから、装着作業も容易である。
【0072】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明と同等の記載を付記する。
[1] 平板状に形成されるメイン基板と
前記メイン基板の一方の主面に設けられ、外面に被係合部を有する第1コネクタと、 平板状に形成されるサブ基板と、
前記サブ基板の一方の主面に設けられ、前記第1コネクタに第1方向で着脱される第2コネクタと、
前記サブ基板の他方の主面または前記第2コネクタの前記サブ基板に対向する面の少なくともいずれか一方に当接する第1当接部、前記被係合部に前記第1方向であって前記第1当接部に向かう方向で係合する係合部、並びに、前記第1方向に直交するとともに互いに直交する第2方向及び第3方向で前記第1コネクタまたは前記第2コネクタの少なくともいずれか一方の少なくとも一部に当接する第2当接部を有する固定具と、
を備える基板ユニット。
[2] 前記第1コネクタは、一端側が開口する矩形筒状に形成され、
前記第2コネクタは、前記開口に挿入される挿入部、及び、前記挿入部が前記開口に挿入される量を規制する規制部を有し、
前記固定具は、前記第1コネクタ、前記サブ基板及び前記第2コネクタそれぞれの少なくとも一部を内側に配置する箱状に形成され、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタの少なくとも一方の連続する3つの側面に当接する3つの壁部、並びに、対向する2つの前記壁部に設けられ、前記第1コネクタの前記3つの側面とは異なる1つの側面に当接する一対の係止突起を有し、前記3つの壁部及び前記一対の係止突起により前記第2当接部を構成する[1]に記載の基板ユニット。
[3] 前記固定具は、
対向する2つの前記壁部の一端に連続して設けられ、前記サブ基板の前記一方の主面を受ける一対の受部と、
前記一対の受部それぞれに連続して設けられ、前記サブ基板の主面に直交する方向に延びる一対の柱部と、
前記一対の柱部に連続して設けられ、前記サブ基板を前記サブ基板の前記他方の主面から離間して覆う屋根部と、
前記屋根部の前記サブ基板に対向する面に設けられ、前記サブ基板の前記他方の主面に当接する突出部と、を有し、
前記突出部は、前記第1当接部を構成する[2]に記載の基板ユニット。
[4] 前記第2コネクタは、前記サブ基板の前記他方の主面に突出するコネクタピンを有し、 前記屋根部は、少なくとも前記コネクタピンを覆う[3]に記載の基板ユニット。
[5] 前記第1コネクタは、1つの前記側面に形成される溝部を有し、
前記溝部は、前記第1コネクタの前記開口側の端面により前記被係合部を構成し、
前記固定具は、前記溝部が形成される前記側面に対応する前記壁部に設けられ、前記溝部の前記端面に当接する係止爪を有し、前記係止爪により前記係合部を構成する[2]に記載の基板ユニット。
[6] 前記溝部の前記端面は、前記第1コネクタの他端から所定の間隔を置いた位置に形成される[5]に記載の基板ユニット。
【符号の説明】
【0073】
1…基板ユニット、11…メイン基板、12…第1コネクタ、13…サブ基板、14…第2コネクタ、15…固定具、15a…第1開口部、15b…第2開口部、15c…第1当接部、15d…係合部、15e…第2当接部、21…第1基部、21a…被係合部、21b…溝部、22…第1端子、31…第2基部、31a…挿入部、31b…規制部、31c…端子孔、32…第2端子、33…コネクタピン、41…第1壁部、41a…孔部、42…第2壁部、43…第3壁部、44…係止爪、45…第1係止突起、46…第2係止突起、47…受部、48…柱部、49…屋根部、50…突出部、61…つなぎ部、62…爪部、X…第2方向、Y…第3方向、Z…第1方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8