(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-21
(45)【発行日】2023-08-29
(54)【発明の名称】ゲーム機
(51)【国際特許分類】
A63F 9/30 20060101AFI20230822BHJP
【FI】
A63F9/30 501D
(21)【出願番号】P 2020118829
(22)【出願日】2020-07-09
(62)【分割の表示】P 2019133621の分割
【原出願日】2019-07-19
【審査請求日】2022-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(72)【発明者】
【氏名】西野 雄人
(72)【発明者】
【氏名】中山 翔太
【審査官】姫島 あや乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-048829(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00
A63F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容部に収容される遊技体の変化に関与する動作を実行する動作手段と、
前記動作手段により前記遊技体が所定位置まで移動した場合に景品をユーザに付与する手段と、
演出を出力する演出手段と、
前記遊技体に付される記録媒体に記録される設定候補情報を提供するための提供用情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得した提供用情報が提供する設定候補情報に基づき、前記動作手段、または、前記演出手段の少なくとも一方を制御する制御手段と、
を備えるゲーム機
であって、
前記設定候補情報は、異なる種類のゲーム機のそれぞれに対応する異なる種類の設定候補情報を含み、
前記制御手段は、前記異なる種類の設定候補情報を識別し、自己のゲーム機に対応する設定候補情報を特定する特定手段を含み、
前記制御手段は、前記特定手段によって特定された自己のゲーム機に対応する設定候補情報に基づき、前記動作手段、または、前記演出手段の少なくとも一方を制御する
ゲーム機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイ行為を入力するための入力装置、及び演出を付加するための出力装置を利用するゲームとして、被収容物を収容する収容部においてプレイ行為に応じて被収容物の位置の変化に関与する動作を実行する動作手段のその動作によって被収容物が所定位置まで移動した場合に景品をユーザに付与する景品獲得ゲームを提供するとともに、動作、及び演出の少なくともいずれか一方が設定に応じて変更されるゲーム機において被収容物として使用される遊技体に関する。
【背景技術】
【0002】
プレイ行為を入力するための入力装置、及び演出を付加するための出力装置を利用するゲームとして、被収容物を収容する収容部においてプレイ行為に応じて被収容物の位置の変化に関与する動作を実行する動作手段のその動作によって被収容物が所定位置まで移動した場合に景品をユーザに付与する景品獲得ゲームを提供するとともに、動作、及び演出の少なくともいずれか一方が設定に応じて変更されるゲーム機において被収容物として使用される遊技体が存在する。例えば、このような入力装置、出力装置、動作手段、及び設定として、押しボタン、モニタ(あるいは音声出力部、若しくは立柱)、クレーン、及び演出データによる設定をそれぞれ利用するゲーム装置において景品として使用される遊技体が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のゲーム装置では、演出データに応じてモニタに表示される画像、音声出力部による出力される音声、或いは立柱の点灯等が設定され、変更される。また、このような演出データは、景品IDを介して景品に対応付けられている。一方、このような演出データは、オペレータの操作に基づいてゲーム装置とインターネット(ネットワーク)を介して接続されるサーバから取得される。具体的には、オペレータは景品を入れ替えるときに景品IDを店舗端末からサーバに送信し、その景品IDに対応する演出データがゲーム装置に送信される。しかし、このようにオペレータの要求(送信)に基づいて演出データが取得される場合、例えば景品IDの入力間違い等により間違った演出データが取得されてしまう可能性がある。あるいは、例えば複数のゲーム装置が設置された施設においてこのような要求が実行される場合、演出データが配信されるべきゲーム装置の情報が間違ってサーバに送信されてしまう可能性もある。特に、店舗端末はそのような施設ではゲーム装置とは別のバックヤード等に配置されている場合が多く、配信対象のゲーム装置と離れている(オペレータから見えないことも少なくない)ため、そのような配信対象の間違いを招きやすい。結果として、景品に合わせた適切な画像、或いは音声等を実現できない可能性がある。また、ネットワーク環境の影響を受けたり、演出データの取得までにタイムラグ(待機時間)が生じてしまったりする可能性もある。
【0005】
そこで、本発明は、ゲーム機における動作手段の動作、或いは出力装置の演出をより適切に設定することができる遊技体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遊技体は、プレイ行為を入力するための入力装置、及び演出を付加するための出力装置を利用するゲームとして、被収容物を収容する収容部において前記プレイ行為に応じて前記被収容物の位置の変化に関与する動作を実行する動作手段の前記動作によって前記被収容物が所定位置まで移動した場合に景品をユーザに付与する景品獲得ゲームを提供するとともに、前記動作、及び前記演出の少なくともいずれか一方が設定に応じて変更されるゲーム機において前記被収容物として使用される遊技体であって、前記設定の候補として機能する候補情報を前記ゲーム機に提供するための提供用情報を記録する記録媒体が付属しているものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一形態に係るゲーム機の外観を示す斜視図。
【
図2】ゲーム機の制御系の要部を示す機能ブロック図。
【
図3】プライズゲームの遊び方を説明するための説明図。
【
図8】設定候補データがゲーム機に提供されるまでの流れの一例を説明するための 説明図。
【
図9】景品に付属する記録媒体の付属形態の一例を説明するための説明図。
【
図10】データ取得処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図11】データ反映処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図12】設定候補データが複数のゲーム機によって共用される場合の一例を説明す るための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一形態に係るゲーム機の一例を説明する。まず、
図1を参照して、本発明の一形態に係るゲーム機の全体構成を説明する。
図1は、ゲーム機1の外観を示す斜視図である。ゲーム機1は、ゲーム装置の一例であって、所定の対価(プレイ料金)の徴収(支払い)と引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる商業用(業務用)のゲーム機として構成されている。この種のゲーム機1は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。ゲーム機1は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として所定の施設に設置されるコンピュータ装置である。
【0009】
ゲーム機1は、景品の獲得を目的にプレイされるプライズゲーム(景品獲得ゲーム)を提供するゲーム機として構成される。プライズゲームは、ユーザのプレイ行為に応じて動作する各種の動作手段を介して遊技体(景品自体の場合も多いが、景品とは別の媒介物が使用される場合もある)が所定位置まで移動した場合に景品をそのユーザに付与するタイプのゲームである。ゲーム機1は、このような動作手段としてそれぞれ機能する複数のベルトコンベアBCを利用している。具体的には、ゲーム機1は、筐体2を備えている。筐体2には、ベルトコンベアユニット3と、押しボタン4と、排出口5と、収容部6と、が設けられる。押しボタン4は、ユーザのプレイ行為として押す操作が入力される周知の入力装置である。押しボタン4への押す操作によってベルトコンベアユニット3の動作が制御される。押しボタン4への押す操作とベルトコンベアユニット3の動作との関係は後述する。
【0010】
収容部6は、遊技体(被収容物)を収容するための部分であり、筐体2の内部に形成される空間である。収容部6は、アクリル或いはガラス等の内部を視認可能な透明な素材によって外部と内部とが仕切られ、外部から内部が視認可能なように構成される。収容部6の底面には、排出口5とつながる開口7が設けられる。つまり、収容部6は、開口7を介して排出口5とつながっている。排出口5は、開口7を介して収容部6に収容された遊技体を筐体2の外部に排出する(払い出す)ための開口である。排出口5から遊技体が排出された場合には、ユーザに景品が付与される。つまり、排出口5は、景品を付与するための所定位置として機能する。
【0011】
ベルトコンベアユニット3は、搬送装置(搬送手段)として複数のベルトコンベアBCを有し、各ベルトコンベアBCを通じて被搬送物を所定方向に搬送する(移動させる)周知の装置である。ベルトコンベアユニット3は、複数のベルトコンベアBCが収容部6の底面を形成するように筐体2の内部に設けられる。ベルトコンベアユニット3は、一台の装置として構成され、筐体2からの取り外し及び取り付けが可能に構成される。また、ベルトコンベアユニット3は、所定方向の先に開口7が位置するように配置される。
【0012】
図1の例では、収容部6は略立方体に形成され、その下方には収容部6の底面を形成するように二台のベルトコンベアユニット3が設けられている。また、これらのベルトコンベアユニット3は、いずれも短辺方向の先に開口7が位置するように同じ長辺に横並びに配置されている。そして、各ベルトコンベアBCの所定方向への動作を通じて収容部6の遊技体が開口7に向かって搬送される。より具体的には、各ベルトコンベアユニット3は、押しボタン4に対する押す操作に応じて、収容部6の底面を形成する各ベルトコンベアの上に位置する遊技体を開口7に向かって搬送するように動作する。各ベルトコンベアユニット3には10個のベルトコンベアBCが設けられ、各ベルトコンベアBCは、他のベルトコンベアBCの影響を受けず、独立して動作可能に構成されている。この例において、10個のベルトコンベアBC、及び二台のベルトコンベアユニット3が本発明の二以上の動作手段、及び複数のユニットとしてそれぞれ機能する。
【0013】
また、各ベルトコンベアユニット3には、二つのLEDユニット8が設けられている。各LEDユニット8には互いに各ベルトコンベアBC間の間隔と同じ間隔をあけるように10個のLED表示部9が設けられている。そして、二つのLEDユニット8は、各LEDユニット8の各LED表示部9によって各ベルトコンベアBCを挟むように、10個のベルトコンベアBCの前後に配置されている。つまり、前後の二つのLED表示部9によって一つのベルトコンベアBCを前後で挟むように、二つのLEDユニット8は配置されている。
【0014】
なお、
図1の例では、筐体2の内部には二つのベルトコンベアユニット3が設けられ、それらのベルトコンベアユニット3にそれぞれ対応するように二つの開口7、二つの排出口5、及び二つの押しボタン4が設けられている。しかし、ベルトコンベアユニット3等の数はそれらの形態(サイズや形状等)及び収容部6の形態等に応じて適宜に設定されてよい。また、開口7、排出口5、及び押しボタン4の数は、ベルトコンベアユニット3の数と一致していてもよいし、一致していなくてもよい。つまり、一つの開口7及び一つの押しボタン4が複数のベルトコンベアユニット3に対応するように設けられてもよい。開口7、排出口5、及び押しボタン4の関係も同様である。また、開口7、排出口5、及び押しボタン4は、同様に筐体2の前方(ユーザがプレイする側、換言すればベルトコンベアユニット3が遊技体を搬送する所定方向)に設けられている。しかし、開口7、排出口5、及び押しボタン4の配置位置は適宜でよい。また、開口7、排出口5、及び押しボタン4の配置位置は、互いに一致していても、一致していなくてもよい。さらに、ベルトコンベアユニット3の搬送方向(所定方向)は水平方向(
図1の例の前方)に限定されない。例えば、一つの開口を挟むように収容部6の左右両端側に二つのベルトコンベアユニット3が配置されてもよい。この場合、二つのベルトコンベアユニット3は、中央の開口7に向かって水平方向に遊技体を搬送するように水平に配置されてもよいし、斜め上方に徐々に傾斜を登るように斜めに配置されてもよい。また、各ベルトコンベアBCの搬送方向は相違していてもよい。具体的には、例えば二つの開口7が互いに反対の位置に配置されている場合には、二つのベルトコンベアBCはそれらの開口7に向かってそれぞれ搬送するように互いに反対方向に配置されてもよい。つまり、ベルトコンベアユニット3等の配置は適宜でよい。
【0015】
次に、
図2を参照してゲーム機1の制御系の要部を説明する。ゲーム機1には、コンピュータとしての制御ユニット21と、記憶手段としての記憶部22と、上述のベルトコンベアユニット3と、押しボタン4と、タッチパネルTPと、モニタMOと、センサSMと、読取機構RMと、が設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の処理を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPGとの組合せによって実現される論理的装置として、表示制御部23、駆動制御部24、画面制御部25、及びデータ管理部26が設けられる。表示制御部23はLED表示部9の動作を、駆動制御部24はモータ11の動作を、それぞれ制御するための各種の処理を実行する。一方、画面制御部25は、モニタMOの画面の表示を制御するための各種の処理を実行する。また、データ管理部26は、記憶部22に記録されるデータを管理するための各種の処理を実行する。例えば、このような処理には、データ取得処理、及びデータ反映処理が含まれる。データ取得処理、及びデータ反映処理の手順の詳細は後述する。
【0016】
記憶部22、ベルトコンベアユニット3、押しボタン4、タッチパネルTP、モニタMO、センサSM、及び読取機構RMはいずれも制御ユニット21に接続される。そして、入力装置として機能するベルトコンベアユニット3、押しボタン4、タッチパネルTP、センサSM、及び読取機構RMへの入力結果(検出結果、或いは読取結果)は制御ユニット21に提供され、その入力結果等に基づいて出力装置として機能するベルトコンベアユニット3、及びモニタMOの動作が制御ユニット21によって制御される。例えば、ベルトコンベアユニット3の各LED表示部9、及び各モータ11は、出力装置として機能する。このため、これらの各LED表示部9の表示、及び各モータ11の動作は制御ユニット21によって制御される。より具体的には、各LED表示部9は表示制御部23によって動作が制御され、各モータ11は駆動制御部24によって動作が制御される。このため、各LED表示部9の点灯及び消灯(後述の配色の変化、及びその停止を含む)は表示制御部23からの出力信号によって制御される。同様に、各モータ11は駆動制御部24からの出力信号に従って動作する。各モータ11は、各ベルトコンベアBCを駆動するための駆動源である。各モータ11は、各ベルトコンベアBCを駆動可能なように適宜に配置されてよいが、例えば各ベルトコンベアBCの下に配置される。具体的には、各モータ11には各ベルトコンベアBCを構成するタイミングプーリ(不図示)がロータ部分(不図示)に同軸的に取り付けられ、このタイミングプーリがロータ部分の回転に伴い回転駆動するように配置される。このため、各モータ11の動作に伴い、ベルトコンベアユニット3の各ベルトコンベアBCが動作する。つまり、モータ11を介して各ベルトコンベアBCの動作が駆動制御部24によって制御される。
【0017】
一方、各モータ11の計測装置13、及び押しボタン4は、計測結果、或いは操作結果に対応する信号を制御ユニット21に入力する入力装置の一種として機能する。このため、計測装置13の計測結果、及び押しボタン4に対する押す操作の結果も制御ユニット21に出力される。計測装置13は、タイミングプーリの回転数(回転量)を計測するための周知の装置である。例えば、計測装置13は、タイミングプーリと一体的に回転するように、タイミングプーリと同様にモータ11のロータ部分に同軸的に取り付けられる。タイミングプーリの回転数は、各ベルトコンベアBCを構成するベルト(搬送面)の移動幅(遊技体の運搬幅、或いは動作量)に対応する。このため、計測装置13は、ベルトの移動幅の計測に使用される。このため、計測装置13の計測結果は、駆動制御部24に出力され、各モータ11の駆動の制御、換言すれば各ベルトコンベアBCの動作の制御に使用される。同様に、押しボタン4に対する押す操作の結果は、表示制御部23及び駆動制御部24の両方に出力される。そして、表示制御部は、その出力結果を各LED表示部9の点灯制御に使用する。また、駆動制御部24は、その出力結果を各モータ11の駆動の制御、換言すれば各ベルトコンベアBCの動作の制御に使用する。
【0018】
同様に、センサSMは、検出結果に応じた信号を出力する周知の入力装置である。センサSMは、例えば、排出口5に配置され、遊技体が排出口5から排出されたか否かを検出する検出装置として構成される。例えば、このような検出装置として、遊技体が排出口5を通過したか否か検出する赤外線センサが利用されてよい。センサSMの検出結果は、画面制御部25に出力される。タッチパネルTPはユーザのタッチ操作(指で触れる操作)に対応した信号を出力する周知の入力装置である。タッチパネルTPに対するタッチ操作の結果は、画面制御部25に出力される。タッチパネルTPは、モニタMOの表示面を覆うように配置される。モニタMOは各種の画像を表示する周知の表示装置(出力装置)である。モニタMOには、画面制御部25から出力される信号に基づいて各種の画像を含む各種の画面が表示される。例えば、このような画面には、動作設定画面が含まれる。動作設定画面は、タッチパネルTPへのタッチ操作に応じてモニタMOに表示される画面の一種である。動作設定画面では、タッチパネルTPへのタッチ操作を通じて各ベルトコンベアBCの動作に関する各種の設定が実行される。動作設定画面の表示には、センサSMの検出結果も利用される。動作設定画面の詳細は後述する。
【0019】
読取機構RMは、設定候補データCDを記録する記録媒体FMから設定候補データCDを取得するための周知の機構である。記録媒体FMには、設定候補データCD(あるいはゲーム機1がネットワークを介して設定候補データCDを記録するサーバ装置に接続される場合には、アドレス等のそのようなサーバ装置における設定候補データCDの保存先の情報でもよい)がコード、ICタグ、或いはフラッシュメモリ等の各種の方法によって記録され得るため、読取機構RMはこれらの方法に応じて適宜に構成されてよい。具体的には、例えばコードを読み取るためのカメラ、ICタグを読み取るための受信機(リーダ)、或いはUSB(Universal Serial Bus)形式の端子が形成されたフラッシュメモリが接続される接続端子を備えるバス構造等が、読取機構RMとして機能する。読取機構RMの読取結果は、データ管理部26に出力される。そして、データ管理部26は、その読取結果、つまり設定候補データCDを記憶部22に記憶する。
【0020】
記憶部22は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部22には、上述したプログラムPGとともに、各種のデータが記録されるが、
図2の例ではゲームデータGDが示されている。ゲームデータGDは、プログラムPGに従ってユーザにプライズゲームをプレイさせるためデータである。ゲームデータGDには、例えばBGMを再生するためのBGMデータ等の各種のデータが含まれるが、
図2の例では動作設定データOD、演出設定データED、及び設定候補データCDが示されている。動作設定データOD、及び演出設定データEDは、いずれもゲーム機1の動作に関する各種の設定を管理するためのデータである。具体的には、動作設定データODでは、各ベルトコンベアBCの動作に関連する各種の設定が管理される。また、演出設定データEDでは、プライズゲームの演出に関連する各種の設定が管理される。これらの設定は、動作設定画面等の各種の設定画面を通じて実行される。一方、設定候補データCDは、このような設定画面を通じて設定されるべき設定候補の情報を管理するためのデータである。つまり、設定候補データCDでは、動作設定データOD、及び演出設定データEDで管理されるべき設定の候補の情報が管理される。動作設定データOD、演出設定データED、及び設定候補データCDの詳細は、後述する。
【0021】
なお、ゲーム機1には、例えば、その他にも業務用のゲーム装置が備える各種の入力装置及び出力装置が設けられ得る。このような出力装置には、BGM、或いは効果音等の各種の音声を再生するスピーカが含まれる。同様に、このような入力装置には、例えば、プライズゲームのプレイに必要な対価を徴収するための周知の対価徴収機構が含まれる。対価徴収機構は、所定の対価として、例えば所定量のコイン(紙幣、及びメダル等の代用貨幣を含む)を徴収するように構成されてよいし、電子通貨(各種ポイントを含む)等のその他の各種の価値を徴収するように構成されてもよい。しかし、これらの図示は省略した。
【0022】
次に、プライズゲームの遊び方とともに、押しボタン4への押す操作とベルトコンベアユニット3の動作との関係について説明する。
図3は、プライズゲームの遊び方を説明するための説明図である。
図3の例は、遊技体として景品TO自体が利用される場合を示している。このような場合、排出口5から景品TO自体が排出され、そのような排出を通じてユーザに直接景品TOが付与される。また、この場合、
図3に示すように、景品TOは、複数のベルトコンベアBCに跨って位置するようにベルトコンベアユニット3の上に置かれる。つまり、各部位がベルトコンベアBCの搬送面DAと接触するように景品TOが直接的に搬送面DAに配置される。具体的には、ベルトコンベアユニット3は互いに独立的に駆動可能な10個のベルトコンベアBCを含んでいるため、各ベルトコンベアBCの個別の搬送面DA(ベルトコンベアBCのベルトの上側の面)の集合によりベルトコンベアユニット3の搬送面が形成され、このような搬送面が景品TOの配置面(収容部6の底面)として機能する。結果として、ベルトコンベアユニット3の搬送面(以下、配置面DAGと呼ぶ場合がある)には10個のベルトコンベアBCにそれぞれ対応する10個の搬送面DAが形成され、各搬送面DAに区分される。景品TOは、このような10個の搬送面DAの複数の搬送面DAに跨るように配置される。
【0023】
一方、各LED表示部9は、点灯及び消灯を通じて、10個のベルトコンベアBCのうちの駆動対象のベルトコンベアBCを特定するために使用される。具体的には、前後の二つのLEDユニット8の各LED表示部9(
図3の例ではそれらのうち前側のLEDユニット8のみ表示)は、その間に位置するベルトコンベアBCに対応付けられる。そして、点灯中のLED表示部9によって挟まれるベルトコンベアBCが駆動対象として特定され、実際に駆動する。各LED表示部9は、3つのインジケータ部10を有している。各インジケータ部10は、5つのボックス10aによって構成される。各ボックス10aは、下方に向く矢印型に形成される。各ボックス10aの内部にはLEDが設けられ、ボックス10a毎に点灯及び消灯が可能に構成される。つまり、各LED表示部9は、各インジケータ部10の各ボックス10aを介して点灯及び消灯するように構成される。
【0024】
各インジケータ部10は、各LED表示部9に対応するベルトコンベアBCの動作量を示すインジケータとして機能する。各LED表示部9の各インジケータ部10は、各LED表示部9に対応するベルトコンベアBCの動作量(搬送量)を示すように点灯する。そして、点灯状態のボックス10aの数を通じて、各インジケータ部10はベルトコンベアBCの動作量をユーザに報知する。具体的には、各インジケータ部10は、動作量に対応する数のボックス10aを点灯させ、点灯数の相違により動作量を報知する。さらに、各インジケータ部10は、動作対象のベルトコンベアBC及びその動作量の特定に使用される。具体的には、各インジケータ部10は、順に別の配色(視覚的に相違して見える意図であり、単なる輝度の上昇を含む)の点灯に変化し、その配色の変化は押しボタン4への押す操作(以下、停止操作と呼ぶ場合がある)によって停止する。そして、別の配色の点灯で停止したインジケータ部10を含むLED表示部9に対応するベルトコンベアBCが動作対象として、そのインジケータ部10が示す動作量がそのベルトコンベアBCの動作量として、それぞれ特定される。一例として、各LED表示部9と駆動対象のベルトコンベアBCとの関係、及び各インジケータ部10の点灯状態とベルトコンベアBCの動作量との関係は、このように設定される。
【0025】
図3の例では、点灯中のインジケータ部10が左斜線で示されている。具体的には、各LED表示部9の3つのインジケータ部10のうち、中央のインジケータ部10において5つのボックス10a(全部)が、その左右両隣のインジケータ部10において3つのボックス10aが、それぞれ点灯している。この場合、中央のインジケータ部10が最大の動作量を、その左右両隣のインジケータ部10が互いに同じ最大量の半分強の動作量を、それぞれ示している。つまり、3つのインジケータ部10によって2種類の動作量が示されている。また、右から4番目のLED表示部9の中央に位置するインジケータ部10は、別の配色を示すように右斜線で示されている。つまり、押しボタン4への押す操作によって、この右から4番目のLED表示部9の中央に位置するインジケータ部10(以下、位置にかかわらず、このような別の配色のインジケータ部10を別色インジケータ部10Sと呼ぶ場合がある)において配色の変化が停止している。この場合、この4番目のLED表示部9に対応する右から4番目のベルトコンベアBCが動作対象として特定され、この別色インジケータ部10Sが示す最大量の動作量で動作する。
【0026】
また、
図3の例では、景品TOは、平坦ではなく、凹凸を含む形態を有している。このため、景品TOは、配置面DAGの一部にしか接触していない。具体的には、景品TOは、左から4番目、5番目、及び7番目の3つのベルトコンベアBCの搬送面DA(説明の便宜のためドット柄に配色)にしか接触しておらず、これらの3つの搬送面DAにおいてその荷重を下方から支えている。つまり、景品TOは、これらの3つの搬送面DAにより実質的に支持されている。このため、景品TOの搬送(移動、或いは変位)には、これらの3つの搬送面DAを有するベルトコンベアBCだけが関与することになる。結果として、この例の場合、景品TOの搬送(獲得)のためには、押しボタン4の操作を通じて、これらの3つのベルトコンベアBCをより大きく動作させることがユーザに要求される。つまり、これらの搬送面DAに接触する景品TOの一部ずつをこれらの3つのベルトコンベアBCの動作を通じて搬送するプレイがユーザには要求される。そして、景品TOは、このようなベルトコンベアBCの動作を通じて開口7まで搬送された場合に開口7から落下し、排出口5に至る。つまり、これらのベルトコンベアBCは、開口7を介して景品TOを排出口5まで落下させるように動作する。
【0027】
一方で、景品TOの形態等により、これらの3つのベルトコンベアBCの間でも荷重の分布が均一になるとは限らない。このため、3つのベルトコンベアBCの全部を動作させなければ、景品TOの全体が移動しない(開口7に向かわない)ということはなく、荷重分布の高いベルトコンベアBCの動作により景品TOの全体が大きく移動する場合もある。結果として、これらのベルトコンベアBC間の荷重の分布(例えば荷重分布の高いもの、換言すればより景品TOの搬送に関与し得るもの)に関する推測もユーザに要求される。さらに、このように各ベルトコンベアBCによって景品TOの一部ずつが支持されることから、景品TOの各部分の搬送度合いにも当然相違が生じ得るし、各部分を支えるベルトコンベアBCも搬送度合いに応じて変化するかもしれない。このため、このような変化を考慮したプレイもユーザには要求される。
【0028】
なお、配置面DAGには、複数の搬送面DAに跨る限り、適宜の形態(大きさや形状等)の景品TO(遊技体)が配置されてよい。あるいは、反対に適宜の形態の景品TOが配置されるように適宜の形態のベルトコンベアユニット3が使用されてよい。また、ユーザの視覚的に複数の搬送面DAに跨るように見える(あるいはそのような可能性がある)限り、実際に景品TOと接触(或いは景品TOの荷重負担を行う)ベルトコンベアBCは一つだけであってもよい。景品TOの搬送に関与するベルトコンベアBCについても同様である。つまり、ユーザの視覚的に複数の搬送面DAが景品TOの搬送に関与しているように見える(あるいはそのような可能性がある)限り、実際に景品TOの搬送に関与している(荷重を負担している)ベルトコンベアBCは一つだけであってもよい。複数の搬送面DAに跨る、或いは複数の搬送面DAが搬送に関与するといった説明の意図は、このように解釈されてよい。
【0029】
また、インジケータ部10の配色の変化は、一つずつ生じる形態に限定されない。例えば、このような変化は、複数のベルトコンベアBCに同時に生じ、押しボタン4への一度の押す操作により複数のインジケータ部10が別色インジケータ部10Sとして機能するように停止してもよい。つまり、インジケータ部10の配色の変化は、一つ以上のベルトコンベアBCを示すように適宜に生じてよい。さらに、複数のインジケータ部10が別色インジケータ部10Sとして機能する場合、複数の別色インジケータ部10Sにそれぞれ対応する複数のベルトコンベアBCは、全部が一度に動作してもよいし、個別に順に動作してもよい。所定の対価に伴い複数のプレイ回数が提供される場合の複数のプレイ回数に対応する複数の動作対象のベルトコンベアBCについても同様である。つまり、複数のプレイ回数に対応する複数の動作対象のベルトコンベアBCは、プレイ回毎に順に個別に動作してもよいし、全プレイ回数分の動作対象のベルトコンベアBCを決定した後にそれらの全動作対象のベルトコンベアBCを同時に動作させてもよい。つまり、そのような複数の動作対象のベルトコンベアBCは、適宜の時期に動作してよい。
【0030】
図3の例では、各ベルトコンベアBCを挟むように上下に位置する二つのLEDユニット8(
図1参照)のうち下側のLEDユニット8のみ示されているが、上側のLEDユニット8も下側のLEDユニット8と同様に動作する。つまり、二つのLEDユニット8は互いにシンクロするようにいずれも同じ動作を実行する。景品TOは随時移動しているため、いずれか一方が景品TOによって隠される(ユーザに見えない)場合が生じる可能性もあるが、このような場合が仮に生じたとしても他方の表示によって配色の変化等が報知される。つまり、前後のLEDユニット8は、いずれか一方の不備を他方がサポートするように互いに同じ表示を提示する。
【0031】
なお、各LED表示部9の配色の変化は、適宜に生じてよい。例えば、各LED表示部9の配色の変化は、対価の徴収(例えばコインの対価徴収機構への投入)に伴い、各インジケータ部10が左端から順に一つずつ変色するように生じてよい。換言すれば、配色の変化が左端から右端に向かって順に移動するように、各インジケータ部10は点灯してよい。また、この配色の変化は、右端まで到達した場合、再度左端に生じ、同様に右端に向かって移動してよい。つまり、配色の変化は、左端から右端に向かって一方向に循環するように繰り返し生じてよい。さらに、このような配色の変化は、複数のベルトコンベアユニット3がゲーム機1に設けられている場合には、ベルトコンベアユニット3毎に所定の順番で生じてよい。具体的には、例えば、二つのベルトコンベアユニット3が左右に並ぶように配置されている場合、左端のベルトコンベアユニット3の各インジケータ部10から右端のベルトコンベアユニットの各インジケータ部10の順番に生じてよい。つまり、二つのベルトコンベアユニット3を跨ぐように、一番左端のインジケータ部10から一番右端のインジケータ部10に向かって順に生じてよい。
【0032】
あるいは、各LED表示部9の配色の変化は、上述のような循環ではなく折り返すように生じてもよい。具体的には、ベルトコンベアユニット3に含まれる全インジケータ部10の配色の変化は、左端から右に向かって順に生じ、右端に到達した後にはそこから折り返すように改めてその右端のインジケータ部10から左端のインジケータ部10に向かって生じてもよい。複数のベルトコンベアユニット3が存在する場合にも、全ベルトコンベアユニット3の全インジケータ部10において左端から右端に向かって生じ、右端のベルトコンベアユニット3の右端のインジケータ部10に到達した後にそこで折り返すようにそこから左端のベルトコンベアユニット3の左端のインジケータ部10に向かって生じてよい。あるいは、このような配色の変化は全インジケータ部10においてランダムに順に変化してもよい。また、このような循環、折返し、或いはランダム等といった順番の配色の変化は、ベルトコンベアユニット3の配置態様に応じて設定されてもよい。具体的には、例えば二台のベルトコンベアユニット3が同じ長辺側に連続的に並ぶように配置される場合、二台のベルトコンベアユニット3の間で循環型の配色の変化が生じてもよい。一方で、例えば
図7の例のように各ベルトコンベアユニット3が短辺側に配置された場合には、各ベルトコンベアユニット3では折返し型に配色の変化が生じてもよい。配色の変化は、このようにベルトコンベアユニット3の配置等に応じて適宜に設定されてよい。
【0033】
また、各LED表示部9の配色の変化は、適宜の数のインジケータ部10に生じてよい。例えば、このような配色の変化は、二つのインジケータ部10毎に生じてもよい。また、このような二つのインジケータ部10は、連続していてもよいし、連続していなくてもよい。これらのインジケータ部10の配色の変化は、一度の停止操作により停止されてもよいし、インジケータ部10毎に二度の停止操作により停止されてもよい。そして、各インジケータ部10の動作量によりそのインジケータ部10に対応するベルトコンベアBCが動作してよい。具体的には、配色の変化した二つのインジケータ部10が二つのベルトコンベアBCに対応する場合それらの二つのベルトコンベアBCがそれぞれのインジケータ部10に対応する動作量で動作してよい。あるいは、配色の変化した二つのインジケータ部10が一つのベルトコンベアBCに対応する場合、二つのインジケータ部10がそれぞれ示す動作量の合算量でその一つのベルトコンベアBCが動作してもよい。もしくは、このように一つのベルトコンベアBCにおいて配色の変化が停止した場合には、別途動作量等に特典が付与されてもよい。つまり、合算量以上の動作量でその一つのベルトコンベアBCは動作してもよい。
【0034】
さらに、各LED表示部9はベルトコンベアBC毎に一つずつ対応する構成に限定されない。例えば、複数のベルトコンベアBCに対応するLED表示部9が設けられてもよい。具体的には、ベルトコンベアユニット3には、二つのベルトコンベアBCの間に二つのベルトコンベアBCに対応するLED表示部9が設けられていてもよい。そして、このようなLED表示部9の各インジケータ部10において配色の変化が停止した場合には、そのLED表示部9に対応する二つのベルトコンベアBC(例えば両側のベルトコンベアBC)が配色の停止したインジケータ部10の動作量で動作してもよい。つまり、通常一つのインジケータ部10の動作量で一つのベルトコンベアBCが動作するところ、2倍の動作量に相当する二つのベルトコンベアBCが動作してもよい。このように各ベルトコンベアBCの動作量には適宜の特典が設けられてもよい。一方、このような特典(複数のベルトコンベアBCが動作する場合には単独で動作する場合に比べて景品TOの搬送効率が上がる可能性が高いため、複数のインジケータ部10に配色の変化を生じさせる場合を含んでよい)は、追加的に対価(例えば、通常のプレイの2倍の対価、或いは1.5倍の対価等)が徴収された場合に限定されてもよい。また、ベルト自体が、このようなLED表示部9として機能してもよい。具体的には、このようなLED表示部9、若しくはそれと同等の表示部(動作対象のベルトコンベアBC及びその動作量を示すもの)がベルト自体に設けられてもよい。例えば、このような同等の表示部として、動作対象のベルトコンベアBC及びその動作量を示す情報(例えば単なる光の有無や配色の変化等を含む)をベルトに投影するプロジェクタ等が利用されてよい。つまり、このようなプロジェクタ等を介して、ベルト自体が動作対象のベルトコンベアBC及びその動作量を示す表示部として機能してもよい。
【0035】
同様に、3つのインジケータ部10の動作量の割当は適宜でよい。例えば、左側のインジケータ部10では2つのボックス10aが、右側のインジケータ部10では3つのボックス10aが、中央のインジケータ部10では4つのボックス10aが、それぞれ点灯していてもよい。また、3つのインジケータ部10のうち、最大の動作量を示すインジケータ部10は中央に限定されない。このようなインジケータ部10は、左右を含む適宜の位置に配置されてよい。また、点灯中のボックス10aに対応する動作量も適宜でよい。つまり、一つのボックス10aに所定の動作量が割り当てられ、各インジケータ部10が示す動作量は点灯中のボックス10aの数に線形で対応する構成に限定されない。各インジケータ部10が示す動作量は点灯中のボックス10aの数に応じて適宜に割当られてよい。
【0036】
さらに、各LED表示部9に含まれるインジケータ部10の数も3つに限定されず、適宜でよい。あるいは、LED表示部9毎のインジケータ部10の代わりに、全LED表示部に対応する一つのインジケータが設けられていてもよい。この場合、そのようなインジケータでは経過時間に従い動作量を示す目盛り(ボックス10aと同様のボックス型のものを含む)の量が変化してよい。そして、停止操作によりそのような目盛りの変化が停止されてもよい。あるいは、全LED表示部9に共通の一つの数値表示部が設けられ、経過時間に従って変化する数値表示部の数値の変化が停止操作によって停止されてもよい。そして、その停止時の数値が動作量として機能してもよい。結果として、動作量を示すインジケータとそれに対応するように動作するベルトコンベアBCの数とは、1対1に限定されず、適宜の比率で対応していてよい。LED表示部9に関しても同様である。つまり、複数のLED表示部9の代わりに、例えば各ベルトコンベアBC示す数値等の情報を提示する一つの表示部が設けられ、その情報が停止操作によって一部のベルトコンベアBCを示す情報に停止するように変化してもよい。
【0037】
また、ベルトコンベアユニット3には各種の形態の景品TOが配置される可能性がある。例えば、同じ形状であってもサイズの大きい景品TOが配置される場合もあれば、サイズの小さい景品TOが配置される場合もある。サイズの小さい景品TOの場合、サイズの大きい景品TOに比べて相対的に開口7までの距離が遠くなる傾向にある。また、搬送面DAが所定方向に移動する移動幅、換言すれば景品TOを所定方向に搬送する量はベルトコンベアBCの動作量に依存する。このため、サイズの小さい景品TOのときの動作量をサイズの大きい景品TOのときの動作量よりも大きくしなければ、ユーザに不公平感(あるいは1回のプレイに関する相対的な価値の低下)を招いてしまう可能性がある。このため、点灯中のボックス10aの数に応じた動作量は、ゲーム機1の管理者(例えばそのゲーム機1の所有者、あるいは所定の施設の運営者等)によって適宜に変更可能に構成されてよい。また、例えばゲーム機1に景品TOの大きさを検知可能なセンサが設けられる場合には、そのようなセンサの検出結果に応じてゲーム機1(制御ユニット21)がこのような動作量の設定を自動で行ってもよい。景品TOの大きさ以外の要素で動作量が変更される場合も同様である。さらに、動作量の設定は、景品TOの大きさが変化する場合に限定されず、適宜の場合に実行されてよい。
【0038】
次に、
図4を参照して、設定画面の詳細について説明する。設定画面は、モニタMOに表示される。モニタMOは、例えば、二つの押しボタン4の間に位置するように、各押しボタン4と同様のテーブルに設けられる。この場合、モニタMOには、設定画面の他にも各種のユーザ用の画面が表示されてよい。例えば、このような画面には、ゲームのルールを説明するルール説明画面(不図示)、ゲームを広告する広告画面(不図示)、或いは演出用の各種の画像(動画を含む)を表示する演出画面等が含まれてよい。また、このような広告画面等は、ゲーム機1が配置される施設の運営者等により適宜に用意された動画等の画像を含んでいてよい。つまり、広告画面等は、運営者等によって用意される適宜のコンテンツを利用するように構成されてよい。このようなコンテンツは適宜にゲーム機1に提供されてよいが、例えば読取機構RMがフラッシュメモリ等を接続するための接続端子を備えいている場合、そのような接続端子を介して設定候補データCDと同様に各種の記録媒体から記憶部22に提供(複製、あるいは記憶)されてよい。なお、モニタMOは、このようなユーザに見える位置に限定されず、筐体2の内部を含め適宜の場所に設けられてよい。
【0039】
設定画面は、ゲーム機1に関する各種の設定を実行するためにモニタMOに表示される画面である。設定画面は、動作設定画面及び演出設定画面(不図示)を含んでいる。演出設定画面は、ゲームの演出を設定するための設定画面である。このような演出は、ゲーム機1の各種の出力装置の動作によって実現(付加)される。このため、演出設定画面では、このような演出に寄与する各種の出力装置の動作が設定される。このような演出を付加するための出力装置には適宜の装置が含まれてよいが、例えばLED表示部9、スピーカ、及びモニタMOが含まれる。例えば、LED表示部9は、プレイ中(ただし、動作対象のベルトコンベアBC等の決定中は除かれてもよい)、或いはプレイ間の待機時間において各ボックス10aの点灯数、或いは配色の変化を通じて演出(電飾)を実行する。同様に、スピーカは、例えばプレイ中、或いはプレイ間の待機時間においてBGM、若しくは効果音(例えば押しボタン4を押した場合の効果音、動作対象のベルトコンベアBC等を決定するために各インジケータ部10の配色が変化している最中の効果音、そのような動作対象等の決定時の効果音、或いはベルトコンベアBCの動作時の効果音等)を通じて聴覚面の演出を実行する。また、モニタMOは、例えば、上述のルール説明画面、広告画面、或いは演出画面を通じてルールの解説をしたり、広告用の各種のコンテンツを表示したり、各種の演出画像(動画を含む)を表示したりすることにより演出を実行する。
【0040】
一方、動作設定画面は、上述のように各ベルトコンベアBCの動作に関する各種の設定を実行するための設定画面である。これらの設定画面は適宜に構成されてよいが、以下、
図1の例のゲーム機1において左右の二つのベルトコンベアユニット3がそれぞれに対応する左右の二つの押しボタン4とともに独立して二人のユーザにプライズゲームを提供する場合を例に、設定画面の一例として動作設定画面について説明する。動作設定画面は、ゲーム設定画面を含んでいる。ゲーム設定画面は、ベルトコンベアユニット3の動作のうち、各ベルトコンベアBCの動作を設定(規定)するための設定画面である。より具体的には、ベルトコンベアユニット3には各ベルトコンベアBCの動作を制御(調整)するために設定内容を変更可能な各種のパラメータが用意されるが、ゲーム設定画面はそれらのうちユーザの押しボタン4を押す操作に関連するパラメータの設定を変更するために使用される。また、このようなパラメータとして、例えば、各ベルトコンベアBCの移動量(搬送量)、及び動作対象のベルトコンベアBCが変化するスピード(速さ)が利用される。つまり、ゲーム設定画面は、各種設定のうち、ユーザの押しボタン4を押す操作に関連するパラメータとして、各ベルトコンベアBCの移動量、及び動作対象のベルトコンベアBCが変化するスピードを設定するための設定画面である。
【0041】
図4は、ゲーム設定画面の一例を模式的に示す図である。
図4に示すように、ゲーム設定画面30は、スピード設定領域31、移動量設定領域32、ターゲット設定領域33を含んでいる。スピード設定領域31は、動作対象のベルトコンベアBCが変化するスピードを設定するための領域である。動作対象のベルトコンベアBCは、例えば、上述のとおり各インジケータ部10の配色の変化に対する停止操作(停止行為の一例)によって決定される。例えば、このような配色の変化は、各LEDユニット8において左端のインジケータ部10から右端のインジケータ部10に向かって時間経過に伴い所定の速さで順に循環するように生じる。また、左右のベルトコンベアユニット3がそれぞれ別々のユーザのプレイに使用される場合、このような循環はLEDユニット8毎に生じる。つまり、一例として、LEDユニット8毎に循環するように左端から右端に向かって各インジケータ部10に所定の速さで生じる配色の変化に対して停止操作が実行された場合に、その配色が停止した位置のインジケータ部10に対応するベルトコンベアBCが動作対象のベルトコンベアBCとして決定される。このような場合、動作対象のベルトコンベアBCが変化するスピードとして、所定の速さ(各インジケータ部10に生じる配色の変化の速度)が機能する。このため、スピード設定領域31では、このような所定の速さが設定される。
【0042】
具体的には、スピード設定領域31は、スピードゲージ31A、及び値変更アイコンCIを含んでいる。スピードゲージ31Aは、所定の速さとして設定される設定速度を示すゲージである。スピードゲージ31Aは、タッチ操作を通じて設定速度の変更に使用されてもよい。一方、値変更アイコンCIは、設定値を変更するためのタッチ位置として機能するアイコンである。値変更アイコンCIは、値増加アイコンCI1、及び値減少アイコンCI2を含んでいる。値増加アイコンCI1は設定値を増加させるためのタッチ位置として、値減少アイコンCI2は設定値を減少させるためのタッチ位置として、それぞれ機能する値変更アイコンCIである。つまり、これらの値増加アイコンCI1及び値減少アイコンCI2へのタッチ操作を通じて、現在の設定速度が増減される。なお、後述のとおりベルトコンベアBCの移動量(動作量)はインジケータ部10毎に設定されるため、所定の速さ(左右方向等に各インジケータ部10に順に生じる配色の変化の速度)はベルトコンベアBCの移動量にも関連する。具体的には、同じベルトコンベアBCに対応する場合でも、配色の変化の停止位置(配色の変化が停止したインジケータ部10)が移動量の多いインジケータ部10に該当するか、移動量の少ないインジケータ部10に該当するかによって実際のベルトコンベアBCの移動量が変化する。このため、所定の速さはベルトコンベアBCの移動量に関連するとも考えられる。
【0043】
図4の例では、スピードゲージ31Aが設定速度の変更に使用され、かつ設定速度として最大速度及び最小速度が設定される場合が示されている。この場合、スピードゲージ31Aの右端に位置する値変更アイコンCIが最大速度の変更に、左端に位置する値変更アイコンCIが最小速度の変更に、それぞれ使用される。同様に、スピードゲージ31Aにおいて設定速度として示される範囲(格子状の斜線)の右端が設定速度の最大値として、左端が最小値として、それぞれ機能する。このため、例えば、設定速度の範囲の右端を右側に広げるタッチ操作により最大値(設定速度における最大速度)が上昇し、左側に狭めるタッチ操作により最大値が減少する。設定速度の範囲の左端(設定速度における最小速度)に関しても同様である。そして、このような場合、各インジケータ部10に左端から右端に向かって循環的に順に生じる配色の変化は、設定速度における最大速度と最小速度との間の速度において生じる。具体的には、各インジケータ部10の配色の変化として実際に生じる速さは、ユーザによって配色の変化の開始時(例えば配色の変化は所定の対価の徴収に伴い自動的に開始されてもよいし、その後の押しボタン4を押す操作等の開始を意図する操作に伴い開始されてもよい)に、これらの最大値及び最小値の範囲においてランダムに決定される。また、そのようにランダムに決定された速さ(例えば左右方向にインジケータ部10毎に順に実際に生じる配色の変化の移動速度)は所定期間維持される。このような所定期間は適宜の期間でよいが、例えば1回のプレイ期間(所定の対価と引き換えに生じる範囲)が採用される。結果として、少なくとも1回のプレイ期間中は配色の変化の移動速度は一定の速度に維持される。
【0044】
なお、各インジケータ部10の配色の変化として実際に生じる速さは、ランダムに決定される構成に限定されない。例えば、このような実際の速さは、所定の規則に従って決定されてもよい。例えば、このような規則として、最小値から所定の間隔で最大値に向かって順に速度を上昇させる(最大値後は循環でよい)規則が採用されてもよい。一方、設定速度には、最大値及び最小値の範囲(幅)ではなく、一定の速度が設定されてもよい。
【0045】
一方、移動量設定領域32、及びターゲット設定領域33は、いずれも各ベルトコンベアBCの移動量を設定するための領域である。具体的には、移動量設定領域32は各ベルトコンベアBCの移動量の設定に、ターゲット設定領域33はその移動量を設定すべきベルトコンベアBCの設定に、それぞれ使用される。このため、移動量設定領域32は、量表示領域32A、及び値変更アイコンCIを含んでいる。量表示領域32Aは、各ベルトコンベアBCのベルトの移動量、換言すれば動作対象のベルトコンベアBCの動作量として設定される設定量を表示する領域である。量表示領域32Aには、各インジケータ部10の一つのボックス10aあたりの移動量が設定量として表示される。値変更アイコンCIは、設定値を変更するためのアイコンであり、値増加アイコンCI1、及び値減少アイコンCI2を含んでいる。そして、値増加アイコンCI1は設定量を増加させるために、値減少アイコンCI2は設定量を減少させるために、それぞれ使用される。
【0046】
ターゲット設定領域33は、上述のとおり移動量設定領域32にて設定された設定量が設定されるべき対象のベルトコンベアBCを設定するための領域である。ターゲット設定領域33は、インジケータ領域33A、及び二つのラジオボタン33Bを含んでいる。二つのラジオボタン33Bは、移動量設定領域32にて設定された設定量を全ベルトコンベアBCに一律に設定するか、或いは移動量設定領域32を通じて各ベルトコンベアBCに個別に設定量を設定するか、を選択するために使用される。このため、一方のラジオボタン33Bが“全て”(全ベルトコンベアBCに一律の設定量を設定)に、他方のラジオボタン33Bが“個別”(一つ一つのベルトコンベアBCに個別の設定量を設定)に、それぞれ対応する。
【0047】
一方、インジケータ領域33Aは、各LED表示部9に対応するLED対応部33Cを含んでいる。LED対応部33Cは、各LED表示部9を介してベルトコンベアBCに対応する。また、各LED対応部33Cは、各ボックス10aに対応するボックス対応部BXを含んでいる。各ボックス対応部BXは、各LED対応部33Cにおいて各インジケータ部10に対応する列を形成するように配置される。そして、各LED対応部33Cの各ボックス対応部BXへのタッチ操作により移動量設定領域32の設定量が各ベルトコンベアBCのインジケータ部10の単位で設定される。つまり、各ボックス対応部BXへのタッチ操作により、設定量の設定対象として各ベルトコンベアBCのインジケータ部10が特定される。具体的には、各LED対応部33Cでは、各ボックス対応部BXへのタッチ操作によりボックス対応部BXの単位で対象が指定される。そして、その指定されたボックス対応部BXが属する列に対応するインジケータ部10が設定対象のインジケータ部10として特定される。また、その設定対象のインジケータ部10に対応する列において指定されているボックス対応部BXの数、及び移動量設定領域32の設定量の積算量が各インジケータ部10の単位で移動量として設定される。
【0048】
図4の例では、二つのラジオボタン33Bのうち、“個別”に対応するラジオボタン33Bが選択されている。つまり、各ベルトコンベアBCへの個別の設定量の設定が選択されている。また、インジケータ領域33Aでは、右から三つ目のLED対応部33Cにおいて各ボックス対応部BXが選択されている。より具体的には、右から三つ目のLED対応部33Cの真ん中の列において縦方向(列の伸びる方向、或いはインジケータ部10を形成する方向)に五つのボックス対応部BX(右斜線で示されるボックス対応部BX)が選択されている。この選択状態の五つのボックス対応部BXは、例えば上下方向にタッチ操作を変更することにより適宜の数に変更されてよい。
【0049】
同様に、
図4の例では、移動量設定領域32の量表示領域32Aには、設定量として“10”の移動量が設定されている。移動量の単位は、適宜でよいが、一例としてmm(ミリメータ)が採用される。このため、各ボックス10aの一つあたりの移動量として移動量設定領域32を介して10mmが設定されている。この場合、ベルトコンベアユニット3の右から三つ目のLED表示部9に対応するベルトコンベアBCにおいて真ん中に位置するインジケータ部10に、設定量の10mmに5(五つのボックス対応部BXに対応)が積算された50mmが移動量として設定される。つまり、このインジケータ部10において配色の変化が停止された場合、このインジケータ部10に対応するベルトコンベアBC(右から三つ目に位置するベルトコンベアBC)は、ベルトを介して50mmに亘って景品TOを搬送するように動作する。
【0050】
なお、
図4の例において、“全て”に対応するラジオボタン33Bが選択されている場合、五つのボックス対応部BXの選択状態は、インジケータ領域33Aの各ボックス対応部BXが形成する全列に適用される。つまり、全ボックス対応部BXが選択状態となり、全ベルトコンベアBCの全インジケータ部10に50mmの移動量が設定される。あるいは、“全て”に対応するラジオボタン33Bの選択は、各ボックス対応部BXの列(換言すれば各インジケータ部10)毎の設定として利用されてもよい。具体的には、“全て”に対応するラジオボタン33Bが選択されている場合、例えば
図4の例のようにLED対応部33Cの真ん中のボックス対応部BXの列への設定は全LED対応部33Cの真ん中のボックス対応部BXの列に適用されてよい。同様に、いずれか一つのLED対応部33Cの右側のボックス対応部BXの列に対する設定は全LED対応部33Cの右側のボックス対応部BXの列に、左側のボックス対応部BXの列に対する設定は全LED対応部33Cの左側のボックス対応部BXの列に、それぞれ適用されてよい。また、上述のとおり量表示領域32Aの移動量の単位は適宜でよいが、例えば、各ベルトコンベアBCのタイミングプーリが歯車として構成される場合、このような移動量の単位としてそのタイミングプーリのピッチ(各歯間の幅)が採用されてもよい。あるいは、移動量の単位は、時間(例えばタイミングプーリの回転時間)であってもよい。さらに、同じ値に再現性がある限り、移動量には特定の単位が設定されていなくてもよい。
【0051】
また、ゲーム設定画面30には、その他にも各種の補助用の領域等が設けられる。例えば、そのような領域等には、対象表示領域34、対象変更アイコン35、テストアイコン36、キャンセルアイコン37、複製アイコン38、及びアシスト設定遷移アイコン39が含まれる。対象表示領域34は、現在設定中のベルトコンベアユニット3(例えば左側が1P用のベルトコンベアユニット3として、右側が2P用のベルトコンベアユニット3として互いに区別される)を表示するための領域である。一方、対象変更アイコン35は、設定対象のベルトコンベアユニット3を変更するためのタッチ位置として機能するアイコンである。
図4の例では、対象表示領域34に“1P”、つまり現在設定中のベルトコンベアユニット3として1P用のベルトコンベアユニット3を示す情報が表示されている。この場合、対象変更アイコン35は、もう一方の2P用のベルトコンベアユニット3に設定対象のベルトコンベアユニット3を変更する(切り替える)ためのアイコンとして機能する。
【0052】
また、テストアイコン36は、各ベルトコンベアBCにテスト的に動作を実行させるためのタッチ位置として機能するアイコンである。テストアイコン36にタッチ操作が実行された場合、現在設定中の内容(ゲーム設定画面30が維持された状態)で実際に各ベルトコンベアBCが動作する。具体的には、
図4の例においてテストアイコン36がタッチされた場合、1P用のベルトコンベアユニット3において右から三つ目に位置するベルトコンベアBCが50mmの移動量で実際に動作する。
【0053】
同様に、キャンセルアイコン37は現在の設定内容をキャンセルする(取り消す)ためのタッチ位置として、複製アイコン38は現在の設定内容を他のベルトコンベアユニット3(例えば2P用のベルトコンベアユニット3に複製(コピー)するためのタッチ位置として、それぞれ機能するアイコンである。一方、アシスト設定遷移アイコン39は、アシスト設定画面(不図示)に遷移するためのタッチ位置として機能するアイコンである。つまり、アシスト設定遷移アイコン39へのタッチ操作に伴い、アシスト設定画面が呼び出され、ゲーム設定画面30からアシスト設定画面に遷移(移行)する。
【0054】
アシスト設定画面は、各種設定のうち、ゲーム設定画面30における各ベルトコンベアBCの移動量、及び動作対象のベルトコンベアBCが変化するスピードの設定を補助する設定を行うための設定画面である。より具体的には、アシスト設定画面は、各ベルトコンベアBCの移動量、及び動作対象のベルトコンベアBCが変化するスピードの自動設定を実現するための設定画面である。つまり、ゲーム機1は、このようなアシスト設定画面を介して、ユーザの押しボタン4を押す操作に関連するパラメータの設定を自動で実行する自動設定機能を有している。このような自動設定は適宜に実行されてよいが、例えばペイアウト率(以下、PO率と呼ぶ場合がある)の目標値に基づいて実行される。PO率は、一例として、払出金額(ユーザに付与した景品の費用を所定期間において累計した金額)をインカム金額(所定の対価、つまりプレイ料金として徴収された収益を所定期間において累計した金額)で割ることにより得られる。そして、このようなPO率の目標に到るように、実際のPO率(例えば景品TOの排出数と景品単価との積により算出される)からゲーム設定画面30における各ベルトコンベアの動作量、或いは各インジケータ部10に生じる配色の変化の速度が適宜調整される。このようにゲーム機1は、これらの各種の設定画面を通じて、各ベルトコンベアBC等の各種の動作、或いはLED表示部9等の各種の演出が設定(調整、或いは適宜変更)されるように構成される。
【0055】
次に、動作設定データOD、演出設定データED、及び設定候補データCDの詳細について説明する。
図5は、動作設定データODの構成の一例を示す図である。動作設定データODは、動作設定画面における設定結果を管理するためのデータである。より具体的には、
図5の例は、動作設定画面における設定結果としてゲーム設定画面30、或いはアシスト設定画面における設定結果(現在の設定内容)が管理される場合の動作設定データODを示している。この場合、
図5に示すように、動作設定データODは、現在の設定内容を管理する動作レコードODRを含んでいる。また、動作レコードODRは、“PO率”、“景品単価”、“移動量”、“速さ”、及び“アシスト”の情報を含んでいる。
【0056】
“PO率”は、目標PO率を示す情報である。このような目標PO率は、例えば自動設定のためにアシスト設定画面において設定されてよい。目標PO率が設定されていない場合には、そのような設定なしを示す情報が“PO率”に記述される。“景品単価”は、景品TOの一つあたりの単価を示す情報である。このような景品単価は、例えば実際のPO率の算出等のためにアシスト設定画面において設定されてよい。“移動量”は、ゲーム設定画面30(あるいは自動設定)において設定された移動量を示す情報である。“移動量”の情報は、移動量がインジケータ部10毎に設定される場合(ゲーム設定画面30において“個別”のラジオボタン33Bが選択されている場合)、各インジケータ部10を識別するための情報を含んでいてよい。つまり、“移動量”には、インジケータ部10毎の移動量の情報が記述されてよい。“速さ”は、動作対象のベルトコンベアBCが変化する速さ、つまりゲーム設定画面30において設定された速さ(スピード)を示す情報である。“アシスト”は、自動設定のON/OFF(ベルトコンベアBCの移動量等の自動設定を実行するか否か)を示す情報である。このようなON/OFFは、例えばアシスト設定画面で設定されてよい。動作レコードODRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。
【0057】
図6は、演出設定データEDの構成の一例を示す図である。演出設定データEDは、演出設定画面における設定結果(現在の設定内容)を管理するためのデータである。
図6に示すように、演出設定データEDは、現在の設定内容を管理する演出レコードEDRを含んでいる。演出レコードEDRは、“電飾”、“BGM”、“効果音”、“解説画像”、“演出画像”、及び“広告画像”の情報を含んでいる。
【0058】
“電飾”は、LED表示部9の演出に関する設定の情報である。LED表示部9は、例えば上述のように各ボックス10aの点灯数、或いは配色の変化を通じて演出(電飾)を実行するが、この場合において“電飾”には点灯対象のボックス10a(点灯数の情報としても機能する)、及びその配色の情報が記述される。また、各ボックス10aの点灯数及び配色は、これらの組合せにより予め複数にパターン化されていてもよい。この場合、“電飾”には、これらのパターンを識別するための識別情報が記述されてもよい。
【0059】
“BGM”、及び“効果音”は、いずれもスピーカの演出に関する設定の情報である。スピーカは、例えば上述のようにBGM、若しくは効果音を通じて聴覚面の演出を実行するが、これらのBGM、及び効果音の設定が“BGM”及び“効果音”にそれぞれ記述される。具体的には、ゲーム機1にはBGMデータ等を通じてBGM或いは効果音の候補として複数のBGM或いは効果音がそれぞれ用意される。そして、“BGM”には各BGMの候補を識別するための識別情報のうちいずれか一つを示す識別情報がゲーム或いは待機時間に使用されるBGM、つまり設定結果として記述される。同様に、“効果音”にも各効果音の候補を識別するための識別情報のうちいずれか一つを示す識別情報がゲーム等において使用される効果音(設定結果)として記述されるが、効果音には押しボタン4を押した場合の効果音等の適宜の時期(あるいは契機となる行為)が存在するため、“効果音”はそのような時期の情報も含んでいる。つまり、“効果音”には、そのような時期毎に各効果音を識別する識別情報が記述される。
【0060】
“解説画像”、“演出画像”、及び“広告画像”は、いずれもモニタMOの演出に関する設定の情報である。モニタMOは、例えば上述のようにルール説明画面、広告画面、或いは演出画面を通じてルールの解説をしたり、広告用の各種のコンテンツを表示したり、各種の演出画像を表示したりすることにより演出を実行するが、このようなルールを説明する画像(以下、解説画像と呼ぶ場合がある)、演出画像、或いは広告用の画像(コンテンツ)の設定が“解説画像”、“演出画像”、及び“広告画像”にそれぞれ記述される。具体的には、ゲーム機1には各種のデータを通じて解説画像、演出画像、或いは広告用の画像(以下、広告画像と呼ぶ場合がある)の候補として複数の解説画像、演出画像、或いは広告画像(いずれの画像も動画を含む)が用意される。そして、“解説画像”には各解説画像の候補を識別するための識別情報のうちいずれか一つが、“演出画像”には各演出画像の候補を識別するための識別情報のうちいずれか一つが、“広告画像”には各広告画像の候補を識別するための識別情報のうちいずれか一つが、ルール説明画面、広告画面、或いは演出画面に表示されるべき画像として記述される。演出レコードEDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。
【0061】
図7は、設定候補データCDの構成の一例を示す図である。設定候補データCDは、上述のとおり各種の設定画面を通じて設定されるべき設定内容の候補の情報を管理するためのデータである。例えば、設定候補データCDには、動作設定画面、或いは演出設定画面の設定結果として動作設定データOD或いは演出設定データEDで管理されるべき情報(設定)の候補が設定内容の候補として記述される。
図7の例は、このような動作設定データOD或いは演出設定データEDで管理されるべき情報の候補が設定内容の候補として記述される場合の設定候補データCDを示している。この場合、
図7に示すように、設定候補データCDは、動作候補部CD1、及び演出候補部CD2を含んでいる。
【0062】
動作候補部CD1は、動作設定データODにおいて設定結果として管理されるべき設定の候補の情報が記述される部分である。具体的には、動作候補部CD1は、動作レコードODRにて管理されるべき情報が記述された動作候補レコードCR1を含んでいる。このため、動作候補レコードCR1は、動作レコードODRと同様に、“PO率”、“景品単価”、“移動量”、“速さ”、及び“アシスト”の情報を含んでいる。これらは、それぞれ動作レコードODRの“PO率”、“景品単価”、“移動量”、“速さ”、及び“アシスト”の候補として管理される情報である。動作候補レコードCR1には、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。この例において、設定候補データCDの“移動量”等の情報が本発明の候補情報として機能する。また、例えば各ベルトコンベアBCの移動量がベルトコンベアBC(“個別”)の単位、或いはベルトコンベアユニット3(“全て”)の単位で設定される場合、動作レコードODRの“移動量”には各ベルトコンベアBC、或いは各ベルトコンベアユニット3に対応するインジケータ部10の情報が含まれる。このため、このような情報を“移動量”が含む場合において、動作レコードODRの“移動量”に対応する動作候補レコードCR1の“移動量”の情報が本発明の対象情報として機能する。同様に、この“移動量”によって特定される各ベルトコンベアBC、或いはベルトコンベアユニット3が本発明の一部の動作手段として機能する。
【0063】
一方、演出候補部CD2は、演出設定データEDにおいて設定結果として管理されるべき設定の候補の情報が記述される部分である。具体的には、演出候補部CD2は、演出レコードEDRにて管理されるべき情報が記述された演出候補レコードCR2を含んでいる。このため、演出候補レコードCR2は、演出レコードEDRと同様に、“電飾”、“BGM”、“効果音”、“解説画像”、“演出画像”、及び“広告画像”の情報を含んでいる。これらは、それぞれ演出レコードEDRの“電飾”、“BGM”、“効果音”、“解説画像”、“演出画像”、及び“広告画像”の候補として管理される情報である。演出候補レコードCR2には、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。
【0064】
なお、動作設定データOD、演出設定データED、及び設定候補データCDでは、ゲーム設定画面30等の設定画面を通じて設定される各種の設定結果(或いは設定候補)が適宜に管理されてよい。このため、動作設定データOD等は、このような各種の設定結果の情報を含んでいてよい。また、設定候補データCDでは、過去の設定結果(設定実績)、動作設定データOD、或いは演出設定データEDの記述内容が管理されてもよい。そして、このような設定実績(設定候補データCD)がゲーム設定画面30等の設定用のいわゆるテンプレートとして使用されてもよい。また、このような動作設定データOD等は、制御ユニット21が人口知能(いわゆるAI)として機能するように設けられる場合、そのような人口知能によって使用されてもよい。具体的には、目標PO率を含む各種の設定値に基づき、所定のアルゴリズム(重みづけ)によって各種の設定実績(設定候補データCD)からより適切な設定内容が算出され、動作設定データOD或いは演出設定データEDとして設定されてもよい。
【0065】
設定候補データCDは、例えばネットワークを介して接続されるサーバ装置からダウンロード(配信)等を通じて適宜にゲーム機1に提供されてよいが、以下では読取機構RMを介して記録媒体FMから提供される場合について説明する。
図8は、このような場合において設定候補データCDがゲーム機1に提供されるまでの流れの一例を説明するための説明図である。
図8に示すように、設定候補データCDを記録する記録媒体FMは、ゲーム機1が設置される施設40に景品TOに付属するように景品TOとともに納品される。そして、その景品TOに付属する記録媒体FMから読取機構RMを介して設定候補データCDがゲーム機1に提供され、各種の設定に使用される。
【0066】
具体的には、ゲーム機1は、店舗等の商業用のゲーム機が設置される施設40に配置される。そして、景品TOは、工場で生産され、必要に応じて配送拠点等の中間管理拠点を適宜に介して、そのような施設40に納品される。一方、設定候補データCDは、景品TOの種類に応じて作成される。また、そのような設定候補データCDは、それを記録するサーバ装置からネットワークを介してダウンロードされたり、それを別途記録する各種の記録媒体を介して複製されたりすることにより記録媒体FMに記録される。このような複製は適宜の場所で適宜の者によって実行されてよいが、例えば景品用の工場、或いは中間拠点においてそれらの運営者によって実行される。同様に、そのような工場或いは中間拠点において、設定候補データCDを記録する記録媒体FMはその設定候補データCDに対応する景品TOに取り付けられ、景品TOに付属するように施設40に納品される。
【0067】
このような記録媒体FM付きの景品TOが納品されると、施設40において景品TOが収容部6に収容されるとともに、その景品TOに付属する記録媒体FMの読取がゲーム機1で実行される。具体的には、ゲーム機1は、読取機構RMを介して記録媒体FMの読取を実行し、そこから設定候補データCDを取得する。つまり、景品TOの収納に合わせて、その景品TOに対応するように用意された設定候補データCDがゲーム機1に提供される。そして、そのような設定候補データCDに基づいて実際に各種の設定が実行される。なお、設定候補データCDがゲーム毎に専用のデータとして用意される場合、ゲーム機1とは別のゲームを提供するゲーム機で記録媒体FMが使用された(あるいは設定候補データCDがゲーム機に提供された)ときに不適合等の使用対象の間違いを示す情報(警告)が通知されてもよい。
【0068】
設定候補データCDに基づく設定は、動作設定画面或いは演出設定画面において設定候補データCDが呼び出され(例えば呼び出し用のアイコンが用意されてもよい)、その候補の内容が動作設定画面等に反映されるように実行されてもよいし、複数の設定候補が存在する場合等、それらの候補を選択するための選択画面(不図示)が適宜に介在してもよい。このように設定候補データCDに基づく設定は適宜に実行されてよいが、例えば設定候補データCDの取得に伴い確認画面(不図示)が提示され、そのような確認画面を通じて実行される。具体的には、設定候補データCDが取得されると、例えば“〇〇景品用の設定を適用します”(〇〇部分は各景品TOの種類を示す情報)の表示を含む確認画面がモニタMOに提示され、そこで適用(この適用は動作候補部CD1のみ、或いは演出候補部CD2の“効果音”の情報のみ等、適宜の項目毎に設定候補データCDの一部であってもよい)が選択された場合にその内容が動作設定データOD或いは演出設定データEDに反映される。つまり、設定候補データCDが読み取られると、確認画面が介在するものの、基本的にデータ管理部26によってほぼ自動的にそこに記述された候補内容が実際の設定内容として設定される。一例として、このような流れで設定候補データCDがゲーム機1に提供され、その内容がゲーム機1で利用される。
【0069】
なお、設定候補データCDは、外部からゲーム機1に提供されるだけでなく、ゲーム機1から外部に提供されてもよい。具体的には、設定候補データCDは、例えば外部から設定候補データCDが提供される場合と同様に、ゲーム機1がネットワークを介してサーバ装置に接続される場合、そのようなネットワークを介して他者と共有されるようにサーバ装置にアップロードされてもよい。あるいは、動作設定データODは、フラッシュメモリ(フラッシュドライブ)等の外付け型の記憶装置を接続するための端子を読取機構RMが有している場合、そのような記憶装置を介して外部に提供されてもよい。
【0070】
次に、
図9を参照して、記録媒体FM付きの景品TOについて説明する。
図9は、景品TOに付属する記録媒体FMの付属形態の一例を説明するための説明図である。記録媒体FMは直接(例えば景品TOの内部に内蔵される等により取り外し不可の状態)或いは間接(仲介物を介して取り付けられ、適宜取り外し可能な状態)を問わず各種の手法で適宜に景品TOに付属していてよいが、
図9の例は景品TOに記録媒体FMが間接的に取り付けられる場合を示している。また、
図9の例は、景品TOに間接的に取り付けられる記録媒体FMとして、(a)コードFM1が利用される場合、(b)ICタグFM2が利用される場合、(c)フラッシュメモリFM3が利用される場合の三つの景品TOを示している。
図9に示すように、記録媒体FMは、タグ41、或いは包装物43といった仲介物を介して景品TOに間接的に取り付けられる。
【0071】
具体的には、(a)の景品TOが示すように、例えば、コードFM1が設けられたタグ41は各景品TOに個別に直接取り付けられる。このようなコードFM1は設定候補データCDの情報を含むように所定の規則に従って生成される。これにより、このコードFM1(あるいはコードFM1付きのタグ41)が記録媒体FMとして機能する。このようなコードFM1として適宜のコードが使用されてよいが、
図9の例ではコードFM1は二次元コードとして構成されている。このような二次元コードは、設定候補データCDの情報として、ネットワークを介して設定候補データCDを保存するサーバ装置の保存場所(例えばURL等)の情報(設定候補データCDの間接的な情報)を含むように構成される。また、この場合、ゲーム機1には読取機構RMとしてカメラが設けられる。そして、このような読取機構RMを介して取得された保存場所の情報に基づいて、例えばデータ管理部26がその保存場所にアクセスし、設定候補データCDを取得する。
【0072】
同様に、(b)の景品TOが示すように、例えば各景品TOが袋等の包装物43で個別に包装される場合には、このような包装物43にタグ41が取り付けられる。このようなタグ41には、上述のコードFM1等を介して適宜に記録媒体FMが設けられていてよいが、
図9の例では記録媒体FMとしてICタグFM2がタグ41に設けられている。ICタグFM2に記録される設定候補データCDの情報は、コードFM1と同様に間接的な情報であってもよいが、一例としてICタグFM2には設定候補データCD自体(直接的な情報)が記録される。この場合、ゲーム機1には読取機構RMとしてICタグFM2を読み取るための周知の受信機(リーダ)が設けられる。そして、このような読取機構RMを介して、例えばデータ管理部26は設定候補データCDをICタグFM2から直接取得する。
【0073】
一方、(c)の景品TOが示すように、複数の景品TOが一つの包装物43に収容される場合には、この包装物43に記録媒体FMはそれらの景品TOと同様に梱包(同梱)される。つまり、包装物43の単位に一つの記録媒体FMが付属する。そして、このような包装物43の納品により、複数の景品TOとともに記録媒体FMも納品される。このような包装物43として、複数の景品TOを梱包(収容)可能な適宜の物が利用されてよいが、
図9の例では箱が利用されている。同様に、このような包装物43には、上述のコードFM1等が設けられたタグ41等の適宜の記録媒体FMが設定候補データCDの適宜の情報を記録するように設けられてよいが、このような記録媒体FMとして
図9の例では設定候補データCDの情報を直接的に記録するフラッシュメモリFM3(例えばUSB端子付きの物)が設けられている。この場合、ゲーム機1には接続端子(例えばUSB端子)を有するバス構造が読取機構RMとして設けられる。そして、このような読取機構RMを介して、例えばデータ管理部26は設定候補データCDをフラッシュメモリFM3から直接取得する。一例として、記録媒体FMは、このような各種の手法により景品TOに付属される。また、これらの例においてコードFM1に記録される保存場所の情報、又はICタグFM2若しくはフラッシュメモリFM3に記録される設定候補データCDが本発明の提供用情報として機能する。
【0074】
次に、
図10~
図11を参照して、データ取得処理、及びデータ反映処理の手順の詳細について説明する。データ取得処理は、記録媒体FMから設定候補データCDを取得するための処理である。データ管理部26は、例えば読取機構RMを介して記録媒体FMの読取が実行されると(例えばカメラを介してコードFM1の読取を実行するための操作が実行された場合、或いは接続端子に記録媒体FMが接続され、その記録媒体FMの読取を指示する操作が実行された場合)と
図10のデータ取得処理を開始し、まず読取機構RMの出力信号に基づいて記録媒体FMから設定候補データCDを取得する(ステップS101)。例えばコードFM1を通じて設定候補データCDの情報として保存場所の情報が取得される場合には、データ管理部26はその保存場所の情報を取得した後に、ステップS101において更にその保存場所にアクセスすることにより設定候補データCDを取得する。
【0075】
続いてデータ管理部26は、ステップS101で取得した設定候補データCDを記憶部22に保存する(ステップS102)。そして、この保存の後に、データ管理部26は今回のデータ取得処理を終了する。これにより、記録媒体FMから設定候補データCDが取得され、記憶部22に保存される。そして、設定候補データCDがゲーム機1においてその他の各処理に使用される。
【0076】
一方、データ反映処理は、記録媒体FMから取得された設定候補データCDの内容を動作設定データOD、或いは演出設定データED等の他のデータに反映するための処理である。データ管理部26は、例えば確認画面において設定候補データCDの適用が選択された場合に
図11のデータ反映処理を開始し、まず設定候補データCDを取得する(ステップS201)。この取得は記録媒体FMから直接実行されてもよい(この場合、
図11のデータ反映処理は
図10のデータ取得処理と並列的に実行されてもよい)が、一例として記憶部22に保存された設定候補データCDの取得により実現される。
【0077】
続いてデータ管理部26は、ステップS201で取得した設定候補データCDを他のデータに反映する(ステップS202)。例えば、データ管理部26は設定候補データCDの内容を、他のデータとして動作設定データOD、或いは演出設定データEDに反映する。例えば、データ管理部26は、設定候補データCDの動作候補部CD1に含まれる動作候補レコードCR1の内容を動作設定データODの動作レコードODRに反映する。より具体的には、データ管理部26は、動作候補レコードCR1の“PO率”等の情報をそれらにそれぞれ対応する動作レコードODRの“PO率”等の情報に記述することにより、この反映を実現する。演出設定データEDに関しても同様である。つまり、データ管理部26は、設定候補データCDの演出候補部CD2に含まれる演出候補レコードCR2の“電飾”等の情報をそれらにそれぞれ対応する演出レコードEDRの“電飾”等の情報に記述することにより、この反映を実現する。そして、このような反映の後に、データ管理部26は、今回のデータ反映処理を終了する。
【0078】
図11の手順により、設定候補データCDの内容が動作設定データOD等の他のデータに反映される。また、動作設定データODは動作設定画面の設定結果を、演出設定データEDは演出設定画面の設定結果を、それぞれ管理するデータであり、これらのデータの内容は動作設定画面等の設定結果として実際のベルトコンベアBC等の動作に反映される。つまり、このような手順により、実際のベルトコンベアBCの動作、或いは実際のLED表示部9等の演出に設定候補データCDの内容が自動的に反映される。なお、記憶部22には、内容の相違する複数の設定候補データCDが記憶されていてよい。具体的には、例えば、記憶部22には、イベント用の設定候補データCD、通常用の設定候補データCDといった状況(あるいは得られる効果)毎の候補を管理する設定候補データCD、又は過去の設定実績等の時期毎の候補を管理する設定候補データCDが記録されていてよい。このような場合、確認画面には、これらの複数の設定候補データCDが選択肢として提示され、そこで選択された設定候補データCDが使用対象として
図11の手順において取得され、他のデータに反映されてよい。
【0079】
以上に説明したように、この形態によれば、景品TOに設定候補データCDの情報を記録する記録媒体FMが付属している。そして、そのような記録媒体FMの設定候補データCDの情報がゲーム機1に提供され、その設定候補データCDの情報が各ベルトコンベアBCの動作及びLED表示部9等の演出を変更する設定の候補として機能する。より具体的には、その設定候補データCDの情報(保存場所の場合はそこから取得された情報)が動作設定データOD、或いは演出設定データEDで管理される候補として機能し、それが適用された場合には実際に動作設定データOD等に反映される。そして、これらの動作設定データOD、或いは演出設定データEDで管理される設定に基づいてベルトコンベアBCの動作或いはLED表示部9等の演出は実現される。つまり、ベルトコンベアBCの動作等を変更する設定の候補の情報が記録媒体FMを介して景品TOに付属しており、その候補の情報が実際のベルトコンベアBの動作等に反映される。ベルトコンベアBCの動作、或いはLED表示部9等の演出は、より適切なPO率を得られるように、或いはより景品TOを魅力的に見せられるように、景品TOの形状或いは種類等に応じて設定されるべきであるが、このような景品TOに付属する記録媒体FMを利用して、景品TOに対応する設定候補データCDをより確実にゲーム機1に提供することができる。
【0080】
また、景品TOはゲーム機1で使用される場合、必ず収容部6に収容される。つまり、景品TOにはゲーム機1に収容(補充)するための作業が必ず行われる。このため、景品TOに記録媒体FMが付属している場合、そのような作業の際にその収容対象の景品TOに付属の記録媒体FMを介して設定候補データCDをゲーム機1に提供し、その設定候補データCDの内容を設定するという運用を促進することができる。結果として、景品TO、それに対応する記録媒体FM(設定候補データCD)、及びゲーム機1をそのような運用を介して物理的に関連付けることができる。このため、ゲーム機1と離れて設置される端末等、このような設定候補データCDの提供がゲーム機1とは別の端末を通じて要求、或いは提供される場合に比べて、間違った設定候補データCDがゲーム機1に提供されることを抑制することができる。これらにより、ゲーム機1におけるベルトコンベアBCの動作、或いはLED表示部9等の演出をより適切に設定することができる。
【0081】
また、ゲーム機1ではベルトコンベアBCの単位、或いはベルトコンベアユニット3の単位で動作等の設定が可能である。このため、設定候補データCDには、このようなベルトコンベアBCの単位、或いはベルトコンベアユニット3の単位で設定の候補の情報が含まれる場合がある。このような場合、景品TOに付属する記録媒体FMの設定候補データCDを利用して、ベルトコンベアBCの単位、或いはベルトコンベアユニット3の単位で動作等をより適切に設定することができる。
【0082】
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上述の形態では、遊技体として景品TO自体が使用されている。しかし、遊技体は、このような形態に限定されない。例えば、遊技体は、景品TOとは別の物であってよい。つまり、景品とゲームの難易度或いは興趣性に関与する遊技体の形態とは相違していてもよい。そして、このように遊技体と景品とが別の物の場合、排出口5から排出された遊技体を施設の運営者等が景品と交換することによりユーザに景品が付与されてよい。
【0083】
また、上述の形態では、ゲーム機1に押しボタン4が設けられ、ゲーム機1の前において景品獲得ゲームがプレイされている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、ゲーム機1のベルトコンベアユニット3は、ゲーム機1にネットワークを介してサーバ装置が接続される場合(複数台の場合を含む)に、そのようなサーバ装置に接続される各種のユーザ端末装置(例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、及びその他のゲーム装置等)を介して遠隔的に操作されてもよい。そして、ゲーム機1は、そのようなサーバ装置に接続される各種のユーザ端末装置を介してプライズゲームを提供してもよい。つまり、ユーザ端末装置を介してプレイ行為が入力され、そのようなプレイ行為に従ってベルトコンベアBCが実際に動作してもよい。つまり、プレイ行為を入力するための入力装置、及びプライズゲームに使用される出力装置は、ユーザ端末装置に設けられていてもよい。この場合、ゲーム機1には、押しボタン4等の入力装置、及びLED表示部9等の出力装置は設けられていなくてもよい。このため、ゲーム機1(押しボタン4等の入力装置、及びLED表示部9等の出力装置が設けられていない場合を含む)は、にネットワークを介して接続されるユーザ端末装置を介してプライズゲームを提供するように構成されてもよい。このような場合、景品は、例えば郵送あるいは電子的手段によってユーザに付与されてよい。つまり、景品は電子的な物であってもよい。また、このような場合、ユーザ端末装置の出力装置が本発明の出力装置として機能してもよい。
【0084】
上述の形態では、ゲーム機1は、ベルトコンベアBCの動作及びLED表示部9等の演出の両方が設定結果に応じて変化するように構成さている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。ゲーム機1は、ベルトコンベアBCの動作及びLED表示部9等の演出のいずれか一方だけが設定に応じて変更されるように構成されていてもよい。この場合、設定候補データCDも、動作設定データOD、或いは演出設定データEDのいずれか一方に対応する候補の情報だけを含んでいてもよい。また、ゲーム機1の動作手段はベルトコンベアBC(ベルトコンベアユニット3)に限定されない。ゲーム機1の動作手段として、遊技体の位置を変化させることができる各種の動作手段が採用されてよい。
【0085】
また、上述の形態では、設定候補データCDは、ゲーム機1の専用のデータとして構成されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば互いに異なる動作を実行する複数の動作手段を介してそれぞれ別々のゲーム(同じ景品獲得ゲームに分類されてよい)を提供する複数のゲーム機が存在している場合において、設定候補データCDは、これらの複数のゲーム機間において共用されるように構成されてもよい。
図12は、景品TOに付属される記録媒体FMの設定候補データCDが複数のゲーム機によって共用される場合の一例を説明するための説明図である。
図12に示すように、施設40には、ゲーム機1(以下、Aゲーム機1と呼ぶ場合がある)、及びゲーム機1のベルトコンベアBCとは別の動作手段(例えばクレーン51)を備えるゲーム機50(以下、Bゲーム機50と呼ぶ場合がある)の2種類のゲーム機が設置され、それらのゲーム機1、50によって景品TOが共用される。このため、この景品TOに付属の記録媒体に記録される設定候補データCDには、これらのゲーム機1、50用の情報が含まれる。
【0086】
具体的には、設定候補データCDは、Aゲーム機1用のA用情報部CDA、及びBゲーム機50用のB用情報部CDAを含んでいる。これらの情報部CDA、CDBは、いずれも動作候補部CD1、及び演出候補部CD2を
図7の例と同様に含んでいるが、それらはAゲーム機1、或いはBゲーム機50に固有(動作候補レコードCR1等に含まれる情報が相違する)に構成される。具体的には、A用情報部CDAはA用動作候補部CR1A及びA用演出候補部CR2Aを、B用情報部CDAはB用動作候補部CR1B及びB用演出候補部CR2Bを、それぞれ含んでいる。また、これらのA用動作候補部CR1A等は、いずれも二台のゲーム機1、50がそれぞれ提供する別々のゲームの各ゲームを識別するためにゲーム毎にユニークなゲームIDの情報を含んでいる。設定候補データCDは、このように構成され、二台のゲーム機1、50によって共用される。この場合、ゲームIDを介して各ゲーム機1、50が自己に対応する情報部を特定することができる。これらにより、記録媒体FMの利便性を向上させることができる。この例において、A用情報部CDA、及びB用情報部CDAが本発明の複数の情報部として機能する。また、ゲームIDが本発明のゲーム識別情報として機能する。
【0087】
なお、
図12の例において、A用情報部CDA、及びB用情報部CDAは、それぞれ別の設定候補データCDとして扱われてもよい。つまり、記録媒体FMには、ゲーム機1、50毎の複数の設定候補データCDが含まれていてもよい。あるいは、A用情報部CDA、及びB用情報部CDAは、各情報をゲーム機1、50毎に固有の固有部分(領域)とゲーム機1、50間で共通の共通部分(領域)とに分けるデータ構造を持っていてもよい。例えば、効果音がAゲーム機1及びBゲーム機50の両方で共通する場合、“効果音”の情報は共通領域に記述され、Aゲーム機1及びBゲーム機50で共用されてもよい。
【0088】
さらに、ゲーム機1は、上述のとおりアーケードゲーム機に限定されない。プライズゲームを提供可能な適宜のゲーム装置(家庭用のゲーム機等の個人用のゲーム装置を含む)がゲーム機1として利用されてよい。
【0089】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0090】
本発明の遊技体は、プレイ行為を入力するための入力装置(4)、及び演出を付加するための出力装置(9)を利用するゲームとして、被収容物(TO)を収容する収容部(6)において前記プレイ行為に応じて前記被収容物の位置の変化に関与する動作を実行する動作手段(BC)の前記動作によって前記被収容物が所定位置(5)まで移動した場合に景品(TO)をユーザに付与する景品獲得ゲームを提供するとともに、前記動作、及び前記演出の少なくともいずれか一方が設定に応じて変更されるゲーム機(1)において前記被収容物として使用される遊技体(TO)であって、前記設定の候補として機能する候補情報を前記ゲーム機に提供するための提供用情報を記録する記録媒体(FM)が付属しているものである。
【0091】
本発明によれば、遊技体に提供用情報を記録する記録媒体が付属している。そして、そのような記録媒体の提供用情報に基づいて候補情報がゲーム機に提供され、その候補情報が動作手段の動作及び出力装置の演出の少なくともいずれか一方を変更する設定の候補として機能する。つまり、動作手段の動作等を変更する設定の候補の情報が記録媒体を介して遊技体に付属している。このため、遊技体に対応する候補情報をより確実にゲーム機に提供することができる。また、遊技体はゲーム機で使用される場合、必ず収容部に収容される。つまり、遊技体にはゲーム機に収容(補充)するための作業が必ず行われる。このため、遊技体に記録媒体が付属している場合、そのような作業の際にその収容対象の遊技体に付属の記録媒体を介して候補情報をゲーム機に提供するという運用を促進することができる。結果として、遊技体、それに対応する記録媒体(候補情報)、及びゲーム機をそのような運用を介して物理的に関連付けることができる。このため、ゲーム機と離れて設置される端末等、このような候補情報の提供がゲーム機とは別の端末を通じて要求、或いは提供される場合に比べて、間違った候補情報がゲーム機に提供されることを抑制することができる。これらにより、このような候補情報を利用して、ゲーム機における動作手段の動作、或いは出力装置の演出をより適切に設定することができる。
【0092】
ゲーム機には、適宜の数の動作手段が設けられていてよい。例えば、そのような動作手段は一つであってもよいし、複数であってもよい。また、ゲーム機に複数の動作手段が設けられる場合、設定に応じて変更される動作は、それらのうちの一部であってもよいし、全部であってもよい。具体的には、例えば、本発明の遊技体の一態様において、前記記録媒体は、前記動作手段として複数の動作手段が設けられ、当該複数の動作手段の一部において前記動作が前記設定に応じて変更される場合に、前記一部の動作手段を特定するための対象情報を含む前記候補情報を提供するように前記提供用情報を記録していてもよい。この場合、複数の動作手段の一部の動作をより適切に設定することができる。
【0093】
対象情報によって特定される一部の動作手段の数は適宜でよい。例えば、そのような動作手段として一つの動作手段が特定されてもよいし、複数の動作手段が特定されてもよい。具体的には、例えば、候補情報が対象情報を含む態様において、前記対象情報は、二以上の動作手段が各ユニット(3)を形成する複数のユニットを前記複数の動作手段が含む場合に、各ユニットの単位で前記一部の動作手段を特定するように構成されていてもよい。この場合、ユニット単位で各動作手段の動作をより適切に設定することができる。
【0094】
記録媒体は遊技体に適宜に付属していてよい。例えば、記録媒体は遊技体に内蔵され、一体的に設けられいてもよいし、取り外し可能に別部品として取り付けられいてもよい。つまり、記録媒体は各種の手法により遊技体に直接的に設けられていてよい。あるいは、記録媒体は各種の手法により遊技体に間接的に設けられていてもよい。さらに、記録媒体は、各遊技体に個別に付属されてもよいし、所定数の遊技体の単位に一つ付属されてもよい。具体的には、例えば、本発明の遊技体の一態様において、前記記録媒体は、前記遊技体に直接取り付けられるように付属していてもよい。あるいは、本発明の遊技体の一態様において、前記記録媒体は、前記遊技体が包装物(43)に包装される場合に、当該包装物に取り付けられるように付属していてもよい。また、この態様において、前記包装物には、前記遊技体としてそれぞれ機能する複数の遊技体が包装されていてもよい。
【0095】
提供用情報として、各種の情報が採用されてよい。例えば、提供用情報は候補情報自体(直接的な情報)であってもよいし、候補情報を特定するための情報(間接的な情報)であってもよい。例えば、ゲーム機がネットワークを通じて候補情報を記憶する記憶ユニット(サーバ装置を含む)に接続される場合、そのような記憶ユニットにおける候補情報の保存場所(間接的な情報)が提供用情報として機能してもよい。あるいは、本発明の遊技体の一態様において、前記記録媒体は、前記提供用情報として前記候補情報を直接記録していてもよい。
【0096】
互いに異なる動作を実行する別種の動作手段がそれぞれに設けられる複数のゲーム機が存在する場合において、候補情報はゲーム機毎に用意されてもよいし、これらの複数のゲーム機に共通で使用されるように用意されてもよい。例えば、本発明の遊技体の一態様において、前記記録媒体は、互いに異なる動作を実行する別種の動作手段(BC、51)が前記動作手段としてそれぞれに設けられる複数のゲーム機(1、50)が前記ゲーム機として用意される場合に、当該複数のゲーム機において前記設定の候補としてそれぞれ機能する複数の情報部(CDA、CDB)を含む前記候補情報を提供するように前記提供用情報を記録していてもよい。
【0097】
また、候補情報が複数のゲーム機において共用される場合、候補情報は各ゲーム機に対応する情報部を特定するための情報を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。例えば、このような情報を候補情報が含んでいない場合、各ゲーム機に対応する情報部は、例えばオペレータ等によって適宜に特定されてよい。また、このような情報を候補情報が含む場合、その情報として適宜の情報が利用されてよい。例えば、候補情報が複数のゲーム機で共用される態様において、前記複数の情報部は、各ゲーム機に対応する情報部が特定されるように、前記複数のゲーム機がそれぞれ提供する複数のゲームの各ゲームをそれぞれ識別するためのゲーム識別情報を含んでいてもよい。この場合、ゲーム識別情報を介してゲーム機が自己に対応する情報部を特定することができる。これにより、記録媒体の利便性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0098】
1 ゲーム機
3 ベルトコンベアユニット(動作手段)
4 押しボタン(入力装置)
5 排出口(所定位置)
6 収容部
9 LED表示部(出力装置)
21 制御ユニット(コンピュータ)
TO 景品(遊技体、被収容物)
BC ベルトコンベア(動作手段)
FM 記録媒体
CD 設定候補データ(候補情報、提供用情報)