(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-21
(45)【発行日】2023-08-29
(54)【発明の名称】栄養調合物の補給のためのデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61J 1/20 20060101AFI20230822BHJP
A61M 5/14 20060101ALI20230822BHJP
【FI】
A61J1/20 314Z
A61M5/14 510
(21)【出願番号】P 2020508404
(86)(22)【出願日】2018-08-16
(86)【国際出願番号】 US2018000209
(87)【国際公開番号】W WO2019035936
(87)【国際公開日】2019-02-21
【審査請求日】2021-07-21
(32)【優先日】2017-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514206363
【氏名又は名称】アルクレスタ セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ファースト, エリック
(72)【発明者】
【氏名】ウィドム, デイビッド
【審査官】佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-513532(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0105903(US,A1)
【文献】国際公開第2016/120318(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 1/20
A61M 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加水分解された脂質を栄養調合物に添加するためのデバイスであって、
フィルタ、シール、弁、または破裂可能手段のうちの少なくとも1つと、開口部とを含む容器であって、前記容器は、脂質源を含有するように構成され
、前記容器は、前記開口部を除きシールされ、フィルタ、シール、弁、または破裂可能手段のうちの前記少なくとも1つは、使用に先立って前記脂質源を前記容器内に維持するように構成される、容器と、
前記フィルタ、前記シール、前記弁、または前記破裂可能手段を通して前記容器の
前記開口部に流動的かつ直接的に接続されるチャンバと、
不動化されたリパーゼであって、前記不動化されたリパーゼは、前記チャンバ内に含有され、前記チャンバ内の流路内に位置付けられ、前記容器から前記チャンバの中に解放されると、前記流路に沿って脂質が流動し
て前記脂質を加水分解するようにし、前記開口部は、前記デバイスの少なくとも一部への圧力の印加に応答して前記容器内の前記脂質の保持または解放の間を遷移する、不動化されたリパーゼと、
出口であって、前記チャンバを通して通過後、前記出口を通して前記
加水分解された脂質が流動する、出口と
を備える、デバイス。
【請求項2】
前記容器は、前記チャンバに除去可能に結合される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記容器は、圧縮性である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記出口に流動的に結合されるコネクタをさらに備え、前記コネクタは、
流体の流動を受容するための第1の開口部と、
前記流体の流動を出力するための第2の開口部と、
前記コネクタを通して前記第1の開口部から前記第2の開口部まで延在するコネクタ流路と
を含
み、
前記流体は、栄養調合物を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記コネクタと前記出口との間に位置するインターフェースをさらに備え、前記インターフェースを通して、前記
加水分解された脂質が、前記出口から前記コネクタの中に流動する、請求項
4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記インターフェースは、前記コネクタに除去可能に接続される、請求項
5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記容器内に含有される脂質源をさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記脂質は、2つ以上の異なるタイプの脂質を含む、請求項
7に記載のデバイス。
【請求項9】
加水分解された脂質を栄養調合物に添加するためのデバイスであって、
フィルタ、シール、弁、または破裂可能手段のうちの少なくとも1つと、開口部
とを有する容器と、
前記容器内に含有される脂質源と
を備え、
前記フィルタ、前記シール、前記弁、または前記破裂可能手段のうちの前記少なくとも1つは、使用に先立って前記脂質源を前記容器内に維持し、
前記開口部は、前記脂質源が前記容器内に保持される第1の構成、および、前記デバイスの少なくとも一部への圧力の印加に応答して前記脂質源が前記開口部から外に流動することが許可される第2の構成から遷移するように構成され、
前記デバイスはさらに、
前記容器内の前記開口部に結合されるチャンバと、
前記チャンバに結合される出力アセンブリと、
前記容器内の前記開口部から、前記チャンバを通して、および前記出力アセンブリを通して延在する流路であって、前記容器から解放されると、前記流路に沿って脂質が前記デバイスを通して流動する、流路と、
前記チャンバ内に含有され、前記流路内に位置する不動化されたリパーゼであって、前記リパーゼは、前記脂質が前記チャンバを通して流動するにつれて、前記脂質を加水分解するように構成される、リパーゼと
を備える、デバイス。
【請求項10】
前記容器は、1つのみの開口部を含む、請求項
9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記容器は、圧縮性である、請求項
9に記載のデバイス。
【請求項12】
前記出力アセンブリは、第1の端部と、第2の端部とを有し、前記第1の端部は、前記チャンバに結合され、前記第1の端部は、前記第2の端部の幅を上回る幅を有する、請求項
9に記載のデバイス。
【請求項13】
前記出力アセンブリは、第1の端部と、第2の端部とを有し、前記第1の端部は、前記チャンバに結合され、前記第2の端部は、前記脂質が前記容器内に含有されるときにシールによって被覆され、前記脂質が前記流路に沿って流動するときに前記シールによって被覆されない開口部を有する、請求項
9に記載のデバイス。
【請求項14】
前記脂質は、2つ以上の異なるタイプの脂質を含む、請求項
9に記載のデバイス。
【請求項15】
栄養調合物に加水分解された脂質を補給するためのシステムであって、前記システムは、
デバイスを備え、
前記デバイスは、前記デバイス内に貯蔵される脂質源と、チャンバとを備え、前記チャンバは、脂質の前記チャンバ内のリパーゼへの暴露によって前記脂質を加水分解するための不動化されたリパーゼを含有し、
前記デバイスは、使用に先立って前記脂質源を前記チャンバとは別個の前記デバイスの区分内に維持するためのフィルタ、シール、弁、または破裂可能手段のうちの少なくとも1つを含み、使用中に前記デバイスは、前記脂質が、加水分解された脂質になるために前記チャンバを通して通過するように構成され、前記加水分解された脂質は、前記チャンバから出力され、
前記システムは、前記加水分解された脂質が前記栄養調合物に添加されるように構成され、
前記脂質源は、前記デバイスの少なくとも一部への圧力の印加に応答して前記チャンバを通して通過させられる、システム。
【請求項16】
前記栄養調合物は、前記加水分解された脂質が前記栄養調合物に添加されるにつれて、前記デバイスを越えて流動される、請求項
15に記載のシステム。
【請求項17】
前記脂質源は、前記脂質が前記チャンバを通して通過することに先立って調製される、請求項
15に記載のシステム。
【請求項18】
前記脂質源は、少なくとも2つの異なるタイプの脂質をともに混合することによって調製される、請求項
17に記載のシステム。
【請求項19】
前記デバイスは、容器をさらに備え、前記脂質源は、前記チャンバを通して通過することに先立って、前記容器内に貯蔵され、前記容器は、前記脂質が前記チャンバを通して通過することに先立って、前記デバイスに取り付けられるように構成される、請求項
15に記載のシステム。
【請求項20】
給送システムをさらに備え、前記デバイスは、前記脂質が前記チャンバを通して通過することに先立って、前記給送システムに取り付けられるように構成される、請求項
15に記載のシステム。
【請求項21】
前記栄養調合物は、前記加水分解された脂質が前記栄養調合物に添加された後、対象に給送される、請求項
20に記載のシステム。
【請求項22】
前記栄養調合物を含有するコンテナをさらに備え、前記加水分解された脂質は、前記加水分解された脂質を前記デバイスから前記コンテナの中に出力する
ことによって前記栄養調合物に添加される、請求項
15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、そのそれぞれの全体が、参照することによって本明細書に組み込まれる、2017年8月17日に出願された米国仮出願第62/546,817号の優先権の利益を主張する、2018年8月15日に出願された米国非仮出願第(係属中)号の優先権の利益を主張する。
【0002】
(開示の分野)
本開示の実施形態は、栄養調合物を調製および/または補給するためのデバイスおよび方法を対象とし、より具体的には、栄養調合物に脂質源からの加水分解された脂質を補給するためのデバイスおよび方法を対象とする。
【背景技術】
【0003】
(背景)
早産児は、多くの場合、未熟胃腸(GI)系を持って生まれる。その結果、早産児は、適切な栄養を受容するように、1つ以上の栄養調合物内に提供され得る、そのGI系が消化するための具体的形態の栄養素を要求し得る。早産児は、多くの場合、生後数時間以内に、非経口栄養(PN)を与えられる。PNを介した少量の栄養が、乳児のGI系に呼び水が差され始める間に投与され得る。乳児が、より大きい体積に耐え始めるにつれて、PNから離脱され、概して、例えば、母親自身の母乳(MoM)、ドナー母親の母乳(DM)、乳児用調合物(IF)、および/または付加的栄養強化剤を含む、1つ以上の栄養調合物から成る、経口または経腸給送に遷移され得る。排他的にMoMを使用することが好ましくあり得るが、しかしながら、母親は、最適成長および発達のために要求される1日のカロリーを提供するために、十分な母乳を供給不可能である場合がある。本欠陥を補うために、MoMは、例えば、収集、濾過、および/または熱低温殺菌され得る、DMを補給され得る。いくつかの事例では、乳児用調合物を使用することは、あまり好ましくない場合があるが、MoMおよびDMは、本質的に低カロリーであり得る。加えて、ヒト母乳バンクの数は、世界的に急増しつつあるが、あまり調整されておらず、それらが提供する母乳のカロリーおよび栄養素含有量は、著しく変動し得る。
【0004】
長鎖脂肪酸は、ヒトの健康および発達にとって重要である。多くの長鎖脂肪酸は、その中で3個の長鎖脂肪酸が、エステル結合を介して、グリセロール分子に結合される、トリグリセリドとして消費される。身体による長鎖トリグリセリド(LCT)の吸収は、最初に、リパーゼ(例えば、膵リパーゼ)および胆汁酸塩の酵素作用を要求し、これは、トリグリセリドを加水分解を通して消化し、モノグリセリドと、2個の遊離脂肪酸とに分解する。トリ、ジ、およびモノグリセリド、および遊離脂肪酸の混合物から成る、消化産物は、食物の他の脂溶性内容物(例えば、脂溶性ビタミンおよびコレステロール)および胆汁酸塩とともに、混合ミセルを水状十二指腸内容物中に形成する。いったん分解されると、モノグリセリドおよび遊離脂肪酸は、腸細胞、すなわち、小腸を覆う上皮細胞によって、例えば、空腸の領域内に吸収され得る。これらのミセルの内容物(胆汁酸塩以外)は、腸細胞に進入し、そこで、それらは、トリグリセリドに再合成され、カイロミクロンの中に包填され、これは、乳糜管(腸のリンパ系の毛細管)の中に解放される。中鎖トリグリセリド(MCT)は、直接、血流の中に吸収される。
【0005】
膵外分泌機能は、早産児では、出生時、完全に発達していない場合があり、したがって、早産児は、トリグリセリドを分解するために必要である、十分な量の酵素リパーゼを欠いている場合がある。出生時、母親は、母乳を通して乳児に提供される、カルボキシエステルリパーゼまたは胆汁酸塩依存リパーゼとしても知られる、胆汁酸塩刺激リパーゼ(BSSL)と呼ばれる、「体内リパーゼ」を提供する。これは、部分的に、不良な内因性産生を補償し得るが、BSSL産生は、適切な脂肪吸収を支援するために不十分であり得る。加えて、母親の母乳中の脂肪の大部分は、MCTである、パルミチン酸(n-16)の形態であって、したがって、母親の母乳は、十分なLCT、例えば、膜構造、機能、およびニューロン、網膜、および他の組織発達において重要である、ドコサヘキサエン酸(DHA、22:6n-3)およびアラキドン酸(ARA20:4n-6)を含有するものを欠いている場合がある。ドナーミルクでは、低温殺菌プロセスの間、存在していたリパーゼは、高熱への暴露によって不活性化され得、したがって、LCT脂肪は、容易に分解されない。その結果、乳児は、これらのより大きいLCTを吸収することができず、腸粘膜を炎症させ、局在化炎症を引き起こすことに起因して、摂食不耐性に悩まされ得る。
【0006】
ヒト母乳は、超低体重乳児の高い1日あたりの栄養素要件を満たし得ない。例えば、栄養素摂取量を最適化するように設計される、ヒト母乳の標準的栄養強化は、多くの場合、タンパク質および脂肪に関して栄養素要件が不足している。本問題は、多くの場合、産後1ヶ月を超える正期産児の母親によって寄付され、早産の母親の母乳より低いタンパク質および脂肪内容物を有する可能性がある、ドナーミルクの使用では、さらに悪化し得る。
【0007】
ヒト母乳の脂肪およびタンパク質内容物は、極度に可変であって、タンパク質は、授乳期間に伴って減少する。近年、栄養強化されたヒト母乳(母親の母乳またはドナーミルク)で授乳された早期産児は、想定よりも少ないタンパク質を受容し、標準的ヒト母乳栄養強化を用いても、短期間のうちによりゆっくりと成長を続けることが明らかになっている。最適成長について、いくつかの不確実性が存在するが、出生後成長障害は、標準的方式におけるヒト母乳栄養強化を用いて解決されていない。したがって、他の改善の中でもとりわけ、改善された認知神経科学的転帰と関連付けられる、短期乳児成長をより良好に達成するために、ヒト母乳の改善された栄養強化の必要性が存在する。LCTをより効率的に処理および吸収する能力は、より良好な全体的栄養素吸収、したがって、成長につながり得る。
【0008】
少なくとも上記の理由から、現在の乳児用栄養調合物(母親の母乳、ドナーミルク、乳児用調合物、および/または栄養強化剤を含む)は、早産児のための十分な栄養素密度を欠いている場合がある。故に、早産児のための栄養調合物中の栄養素密度を増加させるための方法およびデバイスが、必要とされる。さらに、種々の吸収不良障害を患っている患者は、加水分解を通して、LCTおよび他の形態の脂肪を適正に消化することが不可能であって、健康を維持するために要求される、脂肪酸の吸収を阻止し得る。例示的障害として、限定ではないが、以下、すなわち、膵液分泌低下、急性および慢性膵炎、膵臓癌、膵不全、嚢胞性線維症、脳性麻痺、クローン病、過敏性腸症候群、慢性的に異常な上皮細胞、アミロイド症、セリアック病、クローン病、虚血、放射線性腸炎、熱帯性下痢、ホイップル病、不適当な胃内容物混合、高速胃排出、または両方、Billroth II胃切除術、胃結腸瘻、胃腸吻合、不十分な消化剤、胆管閉塞および胆汁鬱滞、肝硬変、慢性膵炎、コレスチラミン誘発胆汁酸損失、嚢胞性線維症、ラクターゼ欠損症、膵臓癌、膵臓切除術、スクラーゼ・イソマルターゼ欠損症、異常環境、糖尿病後の異常運動性、皮膚硬化症、甲状腺機能低下症、または甲状腺機能亢進症、盲係蹄症候群(胆汁酸塩の脱共役)に起因した細菌過剰繁殖、小腸内の憩室、ゾリンジャー・エリソン症候群(低十二指腸pH)、急性異常上皮細胞、急性腸感染症、アルコール、ネオマイシン、輸送能の障害、無βリポタンパク血症、アジソン病、リンパ腫または結核に起因した乳糜管塞栓、内因子欠乏症(悪性貧血におけるように)、リンパ管拡張症、肥満のための空腸回腸バイパス術、短腸症候群、または他の病態が挙げられる。他の患者も、付加的食事による補給を必要または所望し得る。さらなる改善が、これらおよび他の公知の問題に対処するために要求される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
(要約)
本開示の例示的実施形態は、脂質源と、容器の出口に流動的に接続される、チャンバとを含有するように構成される、容器を有する、デバイスを対象とし得る。チャンバは、容器からチャンバの中に解放されると、それに沿って脂質が流動する、チャンバ内の流路内に位置付けられる、不動化されたリパーゼを含有してもよい。デバイスはまた、チャンバを通して通過後、それを通して脂質が流動する、出口を含んでもよい。
【0010】
デバイスの種々の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上のものを含んでもよい。容器は、出口を除きシールされてもよい、容器は、チャンバに除去可能に結合されてもよい、または容器は、圧縮性であってもよい。本デバイスはまた、出口に流動的に結合される、コネクタを含んでもよく、コネクタは、流体の流動を受容するための第1の開口部と、流体の流動を出力するための第2の開口部と、コネクタを通して第1の開口部から第2の開口部まで延在する、コネクタ流路とを含んでもよく、コネクタ流路は、出力アセンブリに流動的に接続される。デバイスはまた、それを通して脂質が出口からコネクタの中に流動する、コネクタと出口との間に位置する、インターフェースを有してもよく、インターフェースは、コネクタに除去可能に接続されてもよい。いくつかの側面では、本デバイスは、容器内に含有される、脂質源を含んでもよく、脂質は、2つ以上の異なるタイプの脂質を含んでもよい。
【0011】
他の例示的実施形態では、デバイスは、容器と、容器内に含有される、脂質源と、容器内の開口部に結合される、チャンバと、チャンバに結合される、出力アセンブリとを含んでもよい。流路は、容器内の開口部から、チャンバを通して、および出力アセンブリを通して延在してもよく、容器から解放されると、それに沿って、脂質がデバイスを通して流動する。本デバイスはまた、チャンバ内に含有され、流路内に位置する、不動化されたリパーゼを含んでもよく、リパーゼは、脂質がチャンバを通して流動するにつれて、脂質を加水分解するように構成される。
【0012】
デバイスの種々の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上のものを含んでもよい。容器は、1つのみの開口部を含んでもよく、容器は、圧縮性であってもよく、出力アセンブリは、第1の端部と、第2の端部とを有してもよく、第1の端部は、チャンバに結合され、第1の端部は、第2の端部の幅を上回る、幅を有する。いくつかの側面では、出力アセンブリは、第1の端部と、第2の端部とを有してもよく、第1の端部は、チャンバに結合され、第2の端部は、脂質が容器内に含有されるときにシールによって被覆され、脂質が流路に沿って流動するときにシールによって被覆されない開口部を有する。いくつかの実施形態では、脂質は、2つ以上の異なるタイプの脂質を含んでもよい。
【0013】
他の例示的実施形態では、栄養調合物に加水分解された脂質を補給する方法は、脂質をチャンバ内のリパーゼに暴露させることによって脂質を加水分解するために、デバイス内に貯蔵される脂質源を、不動化されたリパーゼを含有する、デバイスのチャンバを通して通過させるステップを含んでもよい。本方法はまた、加水分解された脂質をデバイスのチャンバから出力するステップと、加水分解された脂質を栄養調合物に添加するステップとを含んでもよい。
【0014】
本方法の種々の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上のものを含んでもよい。栄養調合物は、加水分解された脂質が栄養調合物に添加されるにつれて、デバイスを越えて流動されてもよく、本方法はさらに、脂質をチャンバを通して通過させるステップに先立って、脂質源を調製するステップを含んでもよく、脂質源を調製するステップは、少なくとも2つの異なるタイプの脂質をともに混合するステップを含んでもよい。いくつかの側面では、脂質源は、チャンバを通して通過されるステップに先立って、デバイスの容器内に貯蔵されてもよく、本方法はさらに、脂質源をチャンバを通して通過させるステップに先立って、容器をデバイスに取り付けるステップを含んでもよい。本方法はまた、脂質源をチャンバを通して通過させるステップに先立って、デバイスを給送システムに取り付けるステップを含んでもよく、本方法はまた、加水分解された脂質が栄養調合物に添加された後、栄養調合物を患者に給送するステップを含んでもよい。いくつかの側面では、加水分解された脂質を栄養調合物に添加するステップは、加水分解された脂質をデバイスから栄養調合物を含有する容器の中に出力するステップを含んでもよい。
【0015】
前述の一般的説明および以下の詳細な説明は両方とも、例示的かつ説明的にすぎず、請求されるような特徴の制限ではない。本明細書で使用されるように、用語「comprises(~を備える)」、「comprising(~を備える)」、「includes(~を含む)」、または他のその変形例は、要素のリストを備える、プロセス、方法、物品、または装置が、それらの要素のみを含むだけではなく、明示的に列挙されない、またはそのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有の他の要素を含み得るように、非排他的含有を網羅するように意図される。加えて、用語「例示的」は、本明細書では、「理想的」ではなく、「実施例」の意味において使用される。本明細書で開示または請求される全ての数値(全ての開示される値、限界、および範囲を含む)は、開示される数値から+/-10%の変動を有し得る(異なる変動が規定されない限り)ことに留意されたい。さらに、請求項では、値、限界、および/または範囲は、+/-10%の値、限界、および/または範囲を意味する。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
デバイスであって、
脂質源を含有するように構成される容器と、
前記容器の出口に流動的に接続されるチャンバと、
不動化されたリパーゼであって、前記不動化されたリパーゼは、前記チャンバ内に含有され、前記チャンバ内の流路内に位置付けられ、前記容器から前記チャンバの中に解放されると、前記流路に沿って脂質が流動する、不動化されたリパーゼと、
出口であって、前記チャンバを通して通過後、前記出口を通して前記脂質が流動する、出口と
を備える、デバイス。
(項目2)
前記容器は、前記出口を除きシールされる、項目1に記載のデバイス。
(項目3)
前記容器は、前記チャンバに除去可能に結合される、項目1に記載のデバイス。
(項目4)
前記容器は、圧縮性である、項目1に記載のデバイス。
(項目5)
前記出口に流動的に結合されるコネクタをさらに備え、前記コネクタは、
流体の流動を受容するための第1の開口部と、
前記流体の流動を出力するための第2の開口部と、
前記コネクタを通して前記第1の開口部から前記第2の開口部まで延在するコネクタ流路であって、前記コネクタ流路は、出力アセンブリに流動的に接続される、コネクタ流路と
を含む、項目1に記載のデバイス。
(項目6)
前記コネクタと前記出口との間に位置するインターフェースをさらに備え、前記インターフェースを通して、前記脂質が、前記出口から前記コネクタの中に流動する、項目5に記載のデバイス。
(項目7)
前記インターフェースは、前記コネクタに除去可能に接続される、項目6に記載のデバイス。
(項目8)
前記容器内に含有される脂質源をさらに備える、項目1に記載のデバイス。
(項目9)
前記脂質は、2つ以上の異なるタイプの脂質を含む、項目8に記載のデバイス。
(項目10)
デバイスであって、
容器と、
前記容器内に含有される脂質源と、
前記容器内の開口部に結合されるチャンバと、
前記チャンバに結合される出力アセンブリと、
前記容器内の開口部から、前記チャンバを通して、および前記出力アセンブリを通して延在する流路であって、前記容器から解放されると、前記流路に沿って脂質が前記デバイスを通して流動する、流路と、
前記チャンバ内に含有され、前記流路内に位置する不動化されたリパーゼであって、前記リパーゼは、前記脂質が前記チャンバを通して流動するにつれて、前記脂質を加水分解するように構成される、リパーゼと
を備える、デバイス。
(項目11)
前記容器は、1つのみの開口部を含む、項目10に記載のデバイス。
(項目12)
前記容器は、圧縮性である、項目10に記載のデバイス。
(項目13)
前記出力アセンブリは、第1の端部と、第2の端部とを有し、前記第1の端部は、前記チャンバに結合され、前記第1の端部は、前記第2の端部の幅を上回る幅を有する、項目10に記載のデバイス。
(項目14)
前記出力アセンブリは、第1の端部と、第2の端部とを有し、前記第1の端部は、前記チャンバに結合され、前記第2の端部は、前記脂質が前記容器内に含有されるときにシールによって被覆され、前記脂質が前記流路に沿って流動するときに前記シールによって被覆されない開口部を有する、項目10に記載のデバイス。
(項目15)
前記脂質は、2つ以上の異なるタイプの脂質を含む、項目10に記載のデバイス。
(項目16)
栄養調合物に加水分解された脂質を補給する方法であって、前記方法は、
前記脂質をチャンバ内のリパーゼに暴露させることによって前記脂質を加水分解するために、デバイス内に貯蔵される脂質源を、不動化されたリパーゼを含有する前記デバイスのチャンバを通して通過させることと、
前記加水分解された脂質を前記デバイスのチャンバから出力することと、
前記加水分解された脂質を前記栄養調合物に添加することと
を含む、方法。
(項目17)
前記栄養調合物は、前記加水分解された脂質が前記栄養調合物に添加されるにつれて、前記デバイスを越えて流動される、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記脂質を前記チャンバを通して通過させることに先立って、前記脂質源を調製することをさらに含む、項目16に記載の方法。
(項目19)
前記脂質源を調製することは、少なくとも2つの異なるタイプの脂質をともに混合することを含む、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記脂質源は、前記チャンバを通して通過されることに先立って、前記デバイスの容器内に貯蔵され、前記方法はさらに、前記脂質源を前記チャンバを通して通過させることに先立って、前記容器を前記デバイスに取り付けることを含む、項目16に記載の方法。
(項目21)
前記脂質源を前記チャンバを通して通過させることに先立って、前記デバイスを給送システムに取り付けることをさらに含む、項目16に記載の方法。
(項目22)
前記加水分解された脂質が前記栄養調合物に添加された後、前記栄養調合物を対象に給送することをさらに含む、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記加水分解された脂質を前記栄養調合物に添加することは、前記加水分解された脂質を前記デバイスから前記栄養調合物を含有する容器の中に出力することを含む、項目16に記載の方法。
【0016】
本明細書内に組み込まれ、その一部を構成する、付随の図面は、開示される実施形態を例証し、説明とともに、開示される実施形態の原理を説明する役割を果たす。多くの側面および実施形態が、本明細書に説明される。当業者は、特定の側面または実施形態の特徴が、本開示に説明される他の側面または実施形態のいずれかまたは全ての特徴と併用されてもよいことを容易に認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1A】
図1Aは、本開示の実施形態による、例示的給送システムを図示する。
【0018】
【
図1B】
図1Bは、本開示の実施形態による、例示的給送デバイスを図示する。
【0019】
【
図2】
図2は、本開示の実施形態による、栄養調合物に補給するための例示的デバイスを図示する。
【0020】
【
図3】
図3は、本開示の実施形態による、
図2のデバイスの一部であり得る、給送システムを図示する。
【0021】
【
図4】
図4は、本開示の実施形態による、栄養調合物に補給するための例示的デバイスを含む、給送システムを図示する。
【0022】
【
図5】
図5は、本開示の実施形態による、栄養調合物に補給するための例示的デバイスを含む、給送システムを図示する。
【0023】
【
図6】
図6は、本開示の実施形態による、栄養調合物に補給するための例示的デバイスを含む、給送システムを図示する。
【0024】
【
図7】
図7は、本開示の実施形態による、栄養調合物に補給するための例示的デバイスを含む、給送システムを図示する。
【0025】
【
図8】
図8は、本開示の実施形態による、栄養調合物に補給するための例示的デバイスを含む、給送システムを図示する。
【0026】
【
図9】
図9Aおよび9Bは、本開示の実施形態による、例示的給送システムと併用されている、例示的デバイスを図示する。
【0027】
【
図10A】
図10Aは、本開示の実施形態による、栄養調合物に補給するための例示的デバイスと併用するための給送システムを図示する。
【0028】
【
図10B】
図10Bは、本開示の実施形態による、栄養調合物に補給するための例示的デバイスと併用するための給送システムを図示する。
【0029】
【
図11A】
図11Aは、本開示の実施形態による、栄養調合物に補給するための例示的デバイスを図示する。
【0030】
【0031】
【
図12A】
図12Aは、本開示の実施形態による、栄養調合物に補給するための例示的デバイスを図示する。
【0032】
【0033】
【
図13】
図13は、本開示の実施形態による、デバイスを使用する例示的方法を描写する、フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
(詳細な説明)
ここで、下記に説明され、付随の図面に図示される、本開示の例示的実施形態が、詳細に参照されるであろう。可能である場合は常に、同一参照番号が、同一または同様の部分を指すために図面全体を通して使用されるであろう。
【0035】
実施形態の付加的目的および利点は、続く説明において部分的に記載され得る、説明から部分的に明白となり得る、または実施形態の実践によって習得され得る。前述の一般的説明および以下の詳細な説明は両方とも、例示的かつ説明的にすぎず、請求項の制限ではないことを理解されたい。
【0036】
本開示の側面は、栄養調合物に補給するためのデバイス、特に、脂質を加水分解するためのデバイスを参照して説明される。本開示の実施形態は、概して、ヒト母乳(例えば、低温殺菌済または未低温殺菌のいずれかの母親の母乳またはドナーミルク)を参照して説明されるが、本開示の実施形態は、任意の栄養調合物または飲料に補給(例えば、加水分解された脂質)するために使用されてもよいことを理解されたい。
【0037】
本明細書で使用されるように、用語「栄養調合物」は、例えば、タンパク質、炭水化物、脂肪、水分、ミネラル、および/またはビタミンを含有する、複合混合物を含んでもよい。これは、特別に調合および処理される、液体食品、経口摂取または管による給送を用いたある人物への部分的または排他的給送のために使用される、液体、療法上または医療上の必要があるため、通常の食品またはある栄養素を摂取、消化、吸収、または代謝するための限定された、または損なわれた容量を有する、人物の食事管理のために使用される、液体、医療上決定された栄養素要件を満たす、液体、および通常の食事のみの食事管理および修正を介して対象に提供されることができない栄養素を対象に送達するように設計される、液体を含み得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、栄養調合物110は、医療監視下で対象に送達されてもよい、能動的かつ継続的医療監視を受けている人物のみに意図されてもよい、または監視時または非監視時のいずれかにおける自宅使用のために対象に送達されてもよい。栄養調合物110は、乾燥粉末としてパッケージ化され、次いで、溶媒と混合され、溶液を形成してもよい、または液体栄養調合物、飲料、または飲物としてパッケージ化されてもよい。いくつかの実施形態では、栄養調合物110は、市販されてもよい、または給送の前に医療従事者によって調製されてもよい。いくつかの実施形態では、栄養調合物110は、薬品および/または栄養調合物110を必要とする対象のために処方された少なくとも1つの薬品を含んでもよい、または栄養調合物110自体が、処方された薬品であってもよい。栄養調合物110は、低温殺菌済または非低温殺菌であるかどうかにかかわらず、ヒト母乳の完全または部分的代用品としての乳児および/または幼児用調合物であってもよい、ドナーミルクであってもよい、または母親の母乳(乳児自身の母親または他の母親の母乳)であってもよい。
【0039】
栄養調合物110は、MCTおよびLCT等のトリグリセリド形態における少なくとも1つの脂肪を含む場合とそうではない場合がある。いくつかの実施形態では、栄養調合物110はさらに、水分、マルトデキストリン、タンパク質、加水分解されたタンパク質、アミノ酸、ペプチド、MCT、ジグリセリド、モノグリセリド、コーンスターチ、魚油、大豆油、菜種油、綿実油、向日葵油、オリーブ油(油は、精製される場合とそうではない場合がある)、可溶性繊維、レシチン、塩化マグネシウム、アスコルビン酸ナトリウム、グアーガム、リン酸カルシウム、塩、塩化コリン、リン酸、クエン酸カルシウム、リン酸ナトリウム、タウリン、酸化マグネシウム、硫酸亜鉛、塩化カリウム、ナイアシンアミド、硫酸第一鉄、パントテン酸カルシウム、硫酸マンガン、塩酸ピリドキシン、硫酸銅、硝酸チアミン、β-カロテン、リボフラビン、ビタミン、パルミチン酸、葉酸、ビオチン、セレン酸ナトリウム、塩化クロム、ヨウ化カリウム、モリブデン酸ナトリウム、可溶性繊維、フラクトオリゴ糖、プロバイオティクス、クエン酸、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB7、ビタミンB9、およびビタミンB12から選択された少なくとも1つの栄養素を含んでもよい。例示的栄養調合物およびシステムは、現在の米国特許第9,668,942号(参照することによって全体として本明細書に組み込まれる)である、2014年8月14日に出願された米国特許出願第14/378,856号に説明される。
【0040】
上記に説明されるように、いくつかの側面では、例示的栄養調合物は、患者、例えば、早産児の必要性のために、十分な量の栄養素、例えば、脂質を含有しない場合がある、または患者は、さらなる補給を所望し得る。本開示の実施形態は、給送されるにつれて、乳児または他の患者の腸を通して吸収され得る、加水分解された脂質、例えば、モノグリセリドおよび遊離脂肪酸の増加された濃度を送達する、栄養調合物を提供するために使用され得る。その結果、調合物が給送された対象は、例えば、そうでなければ、アクセスし得ない、または消化することが可能ではあり得ない、ドコサヘキサエン酸(「DHA」)、エイコサペンタエン酸(「EPA」)、アラキドン酸(「ARA」または「AA」)、または他の脂質のうちの1つ以上のものを提供され得る。いくつかの実施形態は、補給用油および/または乳児用栄養強化剤等の脂質源を使用して、母親の母乳、ドナー母乳、および/または乳児用調合物に補給するために使用されてもよい。本開示のいくつかの実施形態は、母親の母乳、ドナー母乳、または乳児用調合物等の栄養調合物への添加のために、1つ以上のトリグリセリド分子を脂質源から加水分解し、遊離脂肪酸およびモノグリセリドを生産する方法を提供し得る。
【0041】
本開示の実施形態は、患者に給送される栄養調合物の全体的体積を有意に増加させずに(例えば、調合物の栄養素密度を増加させることによって)、栄養調合物中の総カロリーおよび/またはエネルギーの量を増加させるためのデバイスおよび方法を対象とする。患者に給送されるべき調合物の量を実質的に増加させないことによって、または栄養素の増加される濃度に起因して、患者に給送されるべき栄養調合物の体積を減少させることによって、本開示の実施形態は、患者(例えば、早産児)のGI管に見出される、炎症性応答を低減させ得、および/または限定ではないが、タンパク質およびビタミンを含む、栄養素の改善された全体的吸収のために患者のGI管を調整し得る。
【0042】
例示的デバイスは、脂質源を含有する、容器と、それを通して脂質源が脂質を加水分解するために通過され得る、不動化リパーゼを含有する、チャンバとを含んでもよい。例示的デバイスは、栄養調合物に加水分解された脂質を補給するために、栄養調合物を送達するための栄養調合物源および/または給送システムに流動的に接続されてもよい。例示的デバイスおよびその中にそれらが含まれ得る例示的システムが、下記にさらに説明される。
【0043】
図1Aは、例えば、給送管を介して、栄養調合物110を対象に提供するための例示的給送システム100を図示する。いくつかの実施形態では、システム100は、経腸給送システムであってもよい。後の図に示されるように、本開示のデバイスは、多数の異なる方法において、システム100の中に組み込まれ、栄養調合物110に加水分解された脂質を補給してもよい。
【0044】
例示的システム100は、ポンプ120と、栄養調合物110の源を、栄養調合物110を摂取のために患者に出力するように構成される出口に流動的に接続する、管122とを含んでもよい。栄養調合物110は、例えば、給送バッグ、バイアル、注射器、瓶、または任意の他の好適な容器内に含有されてもよい。栄養調合物110は、源から、管122を通して、患者に流動されてもよい。管122は、栄養調合物110を、例えば、患者の鼻、口、胃、または腹部を通して、対象のGI管に給送するための経腸給送管、例えば、胃、経鼻胃、経鼻十二指腸、経鼻空腸、胃造瘻、胃空腸造瘻、空腸造瘻、経皮的内視鏡下胃瘻造設術(PEG)管、または経空腸給送管であってもよい。システム100は、標準的経腸給送実践に則して使用されてもよい。
【0045】
図1Bは、例えば、給送管を介して、栄養調合物110を対象に提供するための給送システム100の別の例示的実施形態を図示する。
図1Bのシステム100はさらに、ポンプ120と、栄養調合物110の源をデバイス200に流動的に接続する、第1の管122とに加え、脂肪加水分解デバイス200を含んでもよい。
図1Aのシステムと同様に、栄養調合物110は、例えば、給送バッグ、バイアル、注射器、瓶、または任意の他の好適な容器内に含有されてもよい。栄養調合物110は、源から、第1の管122を通して、デバイス200に流動されてもよく、そこで、栄養調合物110は、加水分解される。システム100はまた、デバイス200の出口に接続するように構成される、第1の端部と、患者に接続し、処理された栄養調合物110をデバイス200から摂取のために患者に送達するように構成される、第1の端部と反対の第2の端部とを有する、第2の管124を含む。管124は、栄養調合物110を、例えば、患者の鼻、口、胃、または腹部を通して、対象のGI管に給送するための経腸給送管、例えば、胃、経鼻胃、経鼻十二指腸、経鼻空腸、胃造瘻、胃空腸造瘻、空腸造瘻、経皮的内視鏡下胃瘻造設術(PEG)管、または経空腸給送管であってもよい。システム100は、標準的経腸給送実践に則して使用されてもよい。給送システム100および脂肪加水分解デバイス200の例示的実施形態は、2016年10月12日に出願された米国特許出願第15/291,530号および2014年8月14日に出願された米国特許出願第14/378,856号(現在の米国特許第9,668,942号)(両方とも、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明される。
【0046】
図1Bのシステム100は、栄養調合物110を診療現場で送達および処理し、デバイス200が、摂取直前に、栄養調合物110内に含有される脂肪を加水分解することを可能にするように構成される。本明細書で使用されるように、デバイス200による「処理」は、栄養調合物110をデバイス200内に含有されるリパーゼに暴露させることによって、栄養調合物110内にすでに含有される脂肪を加水分解することを指し得る。後の図に示されるように、本開示のデバイスは、多数の異なる方法において、システム100の中に組み込まれ、栄養調合物110に付加的脂質を補給してもよい。
【0047】
本開示は、脂肪加水分解デバイス200を含む場合とそうではない場合がある、または実際は、任意の他の給送システムと併用され得る、システムと併せた、栄養産物に補給するためのデバイスおよび方法を対象とする。
図1Aおよび1Bのシステム100は、給送システムの実施例としてのみ提供される。
【0048】
開示されるデバイスの少なくとも1つの利点は、それらが、栄養調合物の性質に別様に影響を及ぼさずに、栄養調合物への加水分解された脂質の制御された添加を可能にし得ることである。
図1Bのデバイス200は、栄養調合物110をリパーゼに暴露し得、栄養調合物110をデバイス200を通して通過させ得るが、本開示の実施形態は、栄養調合物110をそれらを通して通過させず、脂質源のみが加水分解のためにそれらを通ることを可能にし、次いで、栄養調合物110の中に出力され、栄養調合物110に補給するように構造化される。したがって、いくつかの実施形態では、本開示のデバイス内に貯蔵される、または別様にその中に給送される、脂質のみが、リパーゼに暴露され得、結果として生じる加水分解された脂質が、調合物に添加され得る。
【0049】
図1Aおよび1Bのシステム100を通した栄養調合物110の流動は、システム100のポンプ120によって制御されてもよい。いくつかの実施形態では、ポンプ120は、蠕動ポンプであってもよいが、任意の好適なタイプの注入ポンプ、例えば、エラストマポンプ、マルチチャネルポンプ、注射器ポンプ、および/またはスマートポンプが、使用されてもよい。管および/またはデバイス200を通した栄養調合物110の流率は、ポンプ120によって設定および/または調節されてもよい。いくつかの実施形態では、ポンプ120は、プロセッサ、ディスプレイ、および/またはアクチュエータ(例えば、ボタン、ノブ、タッチスクリーン等)を含み、システム100およびデバイス200内の栄養調合物110の流率を調節および制御してもよい。ポンプ120は、医療従事者および/または栄養調合物110を受容する対象によって調節および設定されてもよい。ポンプ120は、連続給送、拍動給送、断続給送、ボーラス給送、および/または噴流を実施してもよく、流体の送達は、自動的に、半自動的に、または手動で設定または調節されてもよい。
【0050】
他の実施形態では、
図1Aおよび1Bのシステム100は、ポンプ120を含まなくてもよく、代わりに、重力に依存し、栄養調合物110を源から患者に流動させてもよい。栄養調合物110の源の相対的位置付けは、重力のみの影響下、栄養調合物110が、管と、含まれる場合、デバイス200とを通して流動することを可能にし得る。例えば、栄養調合物110の容器は、
図1Aおよび1Bに示されるように、取り付けられる管類の上方に、デバイス200(含まれる場合)の上方に、および/または患者の上方に設置されてもよい。
【0051】
他の実施形態では、システム100のポンプ120は、注射器と置換されてもよい。注射器は、栄養調合物110で充填されてもよく、管およびデバイス200(含まれる場合)内の栄養調合物110の流率は、手動で、半自動的に、または自動的に、注射器を使用することによって、設定および/または調節されてもよい。例えば、栄養調合物110は、自動注入器状デバイスの内側に搭載される事前に充填された注射器内に事前にパッケージ化されてもよい。事前にパッケージ化された調合物はまた、ポンプ「エンジン」(例えば、ばね荷重ピストン)を含有してもよく、調合物をシステム100を通して患者に送達するために使用されてもよい。
【0052】
他の実施形態では、システム100は、任意の好適な手段、例えば、バルーンまたは他の好適な圧力発生デバイスを使用して、栄養調合物110を管および/またはデバイス200を通して駆動する、圧力降下または流動駆動力を発生させてもよい。
【0053】
本明細書に開示されるデバイスおよび方法は、脂質源をリパーゼに暴露し、脂質を加水分解するために使用されてもよく、これは、続いて、消費に先立って、例えば、ドナー母乳、母親の母乳、および/または乳児用調合物を含み得る、栄養調合物110に添加され得る。本デバイスおよび方法は、栄養調合物110に、加水分解された脂質、例えば、遊離脂肪酸およびモノグリセリドを補給するための便宜的方法を提供し得る。いくつかの実施形態では、本デバイスおよび方法は、モノグリセリドおよび/または遊離脂肪酸を含有する、またはモノグリセリドおよび/または遊離脂肪酸の濃度を増加されるが、有意な量のリパーゼを含有しない、またはリパーゼを含有しない、調合物を提供する。
【0054】
図2は、本開示による、例示的デバイス201を図示する。デバイス201は、入口212と、チャンバ222と、出口230とを有する、本体210を含んでもよい。チャンバ222は、例えば、共有またはイオン結合を介して、または、例えば、吸収によって、その上にリパーゼが不動化され得る、複数の粒子300または他の構造を含有してもよい。デバイス201はまた、それを通して加水分解された脂質275が、チャンバ222から外に、出口230を通して、次いで、栄養調合物110の源の中に通過し得る、インターフェース223を含んでもよい。いくつかの実施形態では、インターフェース223は、給送管またはその中に栄養調合物110が貯蔵され得る任意の他の好適な容器内の開口部に流動的に接続するように構成されてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、チャンバ222の出口230は、直接、加水分解された脂質275を栄養調合物110に接続する、または別様にその中に出力するように構成されてもよく、デバイス201は、インターフェース223を含まなくてもよい。
【0055】
図2の実施形態では、インターフェース223は、コネクタ235に流動的に接続される。コネクタ235は、デバイス210の一部であってもよい、またはデバイス210と別個であって、デバイス210に除去可能に接続する(例えば、インターフェース223を介して)ように構成されてもよい。コネクタ235は、第1のコネクタ端部240と、第2のコネクタ端部270とを有してもよい。コネクタ端部240は、栄養調合物110の源に流動的に結合し、栄養調合物110の入力を受容するように構成されてもよい。コネクタ端部270は、構造、例えば、補給された栄養調合物111を患者に送達するように構成される、給送管に流動的に結合するように構成されてもよく、その中にインターフェース223がチャンバ222からの加水分解された脂質を送達し得る、補給された栄養調合物111の出力を放出させるように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第1のコネクタ端部240および第2のコネクタ端部270は、システム100(
図1Aおよび1B)の第1の管122および経腸管124の一方または両方に流動的に接続するように構成されてもよい。栄養調合物110が、システム100(または任意の他のシステム)を通して流動するにつれて、源からの栄養調合物110は、コネクタ端部240内に受容され得、コネクタ235の中に流動し得る。コネクタ235内にある間、デバイス201は、加水分解された脂質を栄養調合物110の中に送達し、栄養調合物110に補給し得、次いで、補給された栄養調合物111は、患者への投与のために、コネクタ端部270から外に流動し得る。
【0056】
コネクタ端部240およびコネクタ端部270は、栄養調合物を源からおよび/または患者に搬送するための1つ以上の管またはデバイスに接続するために、例えば、ルアー係止接続、ねじ山、突起、溝、変形可能または拡張可能構造、および/または任意の他の好適な機構を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ端部240およびコネクタ端部270は、哺乳瓶、哺乳瓶乳首、または任意の他の構造に係合し、別の容器への流体の輸送を促進し、および/または給送を補助するように構成されてもよい。さらに、コネクタ端部240およびコネクタ端部270の一方または両方は、弁または他の流体流動制御機構を含んでもよい。
【0057】
デバイス201はまた、チャンバ222に流動的に接続される、容器280を含んでもよい。容器280は、脂質源290を含有してもよい。流路が、容器280から、チャンバ222を通して、出口230を通して、およびインターフェース223(含まれる場合)を通して延在してもよい。脂質源290は、1つ以上の脂質、例えば、構造化された脂質または自然発生脂質を含んでもよい。脂質源290は、例えば、中鎖または長鎖脂肪酸のうちの1つ以上のもの、例えば、長鎖多価不飽和脂肪酸(「LC-PUFA」)トリグリセリドを含んでもよい。脂質源290内の例示的脂肪(例えば、脂質)は、天然または構造化された脂質、またはオメガ-3またはオメガ-6脂肪酸、例えば、ドコサヘキサエン酸(「DHA」)、エイコサペンタエン酸(「EPA」)、α-リノレン酸(「ALA」)、アラキドン酸(「ARA」または「AA」)、および/またはリノール酸(「LA」)を含んでもよい。脂質の任意の好適な組み合わせが、脂質源290内に含まれてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、脂質源290は、魚油の形態であってもよい。他の実施形態では、脂質源290は、単独で、または魚油と組み合わせた、植物源由来であってもよい。他の実施例では、脂質源290は、母親の母乳、ドナー母乳、および/または乳児用調合物に補給するために使用され得る、補給油および/または乳児用栄養強化剤の形態であってもよい。乳児用栄養強化剤の実施例は、Similac(R)およびProlacta(R)栄養強化剤を含む。脂質源の他の実施例は、乳児用栄養強化剤とDHAおよび/またはARAおよび/または任意の他のタイプの天然または構造化された脂質の混合物を含んでもよい。容器280内に含有される脂質は、栄養調合物110内にすでにあるものの複製であってもよい、または栄養調合物110内に全く存在しなくてもよい、または容器280内に含有される脂質は、それらの組み合わせであってもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、容器280は、再充填可能であってもよい、または単回使用容器を備えてもよく、事前に充填されてもよい、または使用に先立って、および/またはその間、充填される必要があり得る。再充填可能である容器280は、使用に先立って、その間、および/またはその後、再充填可能であってもよい。容器280が、再充填可能である場合、入口(図示せず)、例えば、再シール可能入口を有してもよく、および/またはチャンバ222に除去可能に接続するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザ(例えば、医療従事者、患者、患者保護者、薬剤師、または他のユーザ)は、使用に先立って、容器280をチャンバ222に取り付けてもよい。例えば、ユーザは、所望の脂質源290を含有する、事前に充填された容器280を選択してもよく、使用のために、容器280をチャンバ222に取り付けてもよい。いくつかの実施形態では、容器280は、事前に充填されてもよく、ユーザは、異なるタイプの脂質または脂質の組み合わせ間で選択してもよく、および/または、例えば、患者の必要性に応じて、異なる体積の脂質間で選択してもよい。そのような実施形態では、容器280は、シールされた開口部を有してもよく、これは、チャンバ222への取付に先立ってシールを剥離されるか、または、容器280をチャンバ222に取り付ける作用が、シールを破壊してもよい(例えば、シールを穿孔する、穿刺する、変位させる、または別様に開放する)かのいずれかである。いくつかの実施形態では、弁または他の機械的構造が、使用に先立って、脂質源290を容器280内に維持し、および/または容器280から外およびチャンバ222の中への脂質源290の流動を制御するために使用されてもよい。さらに他の実施形態では、ユーザは、使用に先立って、および/またはその間、容器280を、所望のタイプの脂質、脂質の組み合わせ、および/または所望の体積の脂質で充填してもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、容器280および/または脂質源290は、使用前に、混合、加熱、冷却、攪拌、または別様に調製されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上の脂質および1つ以上の栄養強化剤が、ともに混合され、脂質源290を形成してもよい、複数のタイプの脂質が、ともに混合され、脂質源290を形成してもよい、または複数のタイプの栄養強化剤が、ともに混合され、脂質源290を形成してもよく、これは、次いで、加水分解のために、チャンバ222に取り付けられてもよい。他の実施形態では、脂質源290は、1つのタイプの脂質、複数のタイプの脂質、1つのタイプ栄養強化剤、または複数のタイプの栄養強化剤を含んでもよく、これは、加水分解のために、チャンバ222に取り付けられてもよい。いったん調製されると(調製が必要な場合)、容器280は、使用のために、チャンバ222に取り付けられてもよい。
【0061】
他の実施形態では、容器280は、チャンバ222から取外可能ではなくてもよく、容器280は、チャンバ222に取り付けられている間、充填/再充填されてもよい、または事前に充填された状態であってもよく、再充填可能ではなくてもよい。いくつかのそのような実施形態では、ユーザは、使用に先立って、異なる脂質、脂質の組み合わせ、および/または体積の脂質で事前に充填されたデバイス210間で選択してもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、デバイス201は、入口フィルタ250および/または出口フィルタ260の一方または両方を含んでもよい。入口および出口フィルタは両方とも、便宜上、
図2に描写されるが、1つのみのフィルタが、デバイス201内に含まれてもよい、またはいくつかの実施形態では、フィルタは、含まれなくてもよいことが検討される。入口フィルタ250は、チャンバ222の入口212に位置してもよく、出口フィルタ260は、チャンバ222の出口230に位置してもよい。いくつかの実施形態では、入口フィルタ250および出口フィルタ260は、チャンバ222を協働して画定してもよい一方、いくつかの実施形態では、入口フィルタ250および出口フィルタ260の一方または両方が、チャンバ222内または外に位置してもよい。例えば、チャンバ222を協働して画定する、床および天井が存在してもよい。床および天井は、1つ以上の開口部をチャンバ222の上部および底部に画定してもよく、および/またはそれらは、多孔性であって、脂質がチャンバ222の中および外に通過することを可能にしてもよい。入口フィルタ250は、入口212に隣接するチャンバ222の天井内の開口部の上方に位置してもよく、および/または出口フィルタ260は、出口230に隣接するチャンバ222の床内の開口部の下方に位置してもよい。いくつかの実施形態では、入口フィルタ250は、チャンバ222内の天井の下方に位置してもよく、および/または出口フィルタ260は、チャンバ222内の床の上方に位置してもよい、またはその任意の組み合わせの位置であってもよい。入口フィルタ250および出口フィルタ260は、粒子300(またはリパーゼが不動化され得る、他の構造)がデバイス201のチャンバ222から退出することを防止してもよい。加えて、または代替として、フィルタは、異物がチャンバ222、容器280、および/または経腸管124に進入することを防止してもよい。これは、例えば、容器280が、再充填可能であって、および/または事前に充填された状態ではなく、および/またはチャンバ222から取外可能である場合、便宜的であり得る。粒子300(またはその上にリパーゼが不動化され得る、他の構造)は、入口フィルタ250と出口フィルタ260との間に位置してもよい(その中に2つのフィルタが使用される実施形態において)。入口フィルタ250および出口フィルタ260は、脂質源290がデバイス201を通して流動するにつれて、粒子300をチャンバ222内に留保してもよい。いくつかの実施形態では、入口フィルタ250および/または出口フィルタ260内の細孔開口部は、脂質源290がそれを通して流動するにつれて、脂質源290からの脂肪の乳化および分解を補助し得る。
【0063】
一例示的実施形態では、デバイス201の本体210は、本体210のチャンバ222の内側の複数の粒子300がユーザに可視であるように、クリアプラスチックまたはガラスから作製される。いくつかの事例では、これは、ユーザが、例えば、外観検査によって、デバイス201を通した適切な流動を確実にすることを可能にし得る。他の実施形態では、チャンバ222は、不透明であってもよい、または任意の好適な材料から作製されてもよい。デバイス201内に含有される粒子300は、その表面上に不動化されたリパーゼを有してもよく、脂質源290がチャンバ222および粒子300を通して流動するにつれて、不動化されたリパーゼは、LC-PUFA(含まれる場合)を脂質源290内に有する、トリグリセリドを含む、脂肪およびトリグリセリドを加水分解し、それらをモノグリセリドおよび遊離脂肪酸に分解する。脂質源290が、チャンバ222および粒子300を通して流動し、脂肪およびトリグリセリドを加水分解した後、加水分解された脂質源は、母親の母乳、ドナー母乳、乳児用調合物、または任意の好適なタイプの栄養調合物110等の栄養調合物110の中に流動し、栄養調合物に補給する。
【0064】
脂質源290は、任意の好適な様式において、デバイス201を通して流動してもよい。いくつかの実施形態では、デバイス201は、脂質源290をチャンバ222を通して重力給送してもよく、そこで、脂質源290が、加水分解され、次いで、加水分解された脂質275は、重力下、栄養調合物110の中に流動してもよい。いくつかの実施形態では、デバイス201を給送システム(例えば、
図1Aおよび1Bのシステム100)に流動的に接続することは、容器280から外に、チャンバ222を通して、およびインターフェース223(含まれる場合)から外への脂質源290の流動を助長し得る。例えば、容器280から外への脂質源290の流動は、圧力差によって駆動されてもよい。脂質源290と流体連通し得る、栄養調合物110の流動は、容器280内の脂質源290に対する圧力の減少を生じさせ得、これは、ひいては、ベルヌーイの原理に従って、脂質源290をチャンバ222を通して栄養調合物110の流動の中に引き込ませ得る。そのような実施形態では、空気通気口が、容器280内に含まれてもよく、および/または容器280は、脂質源290が容器280から外に引き出されるにつれて、それ自体の上に圧潰し得るように、圧縮性であってもよい。他の実施形態では、容器280は、チャンバ222に流動的に接続される開口部を除き、シールされてもよい。いくつかの実施形態では、脂質源290は、容器280内の圧力下、貯蔵されてもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、容器280または容器280の一部は、変形可能であってもよい。ユーザは、容器280を圧搾し、脂質源290を容器280から外およびチャンバ222の中に押進させてもよい。容器または容器280の一部は、流動が脂質源290を排出する、例えば、圧力差を介して駆動されるにつれて、変形してもよい。いくつかの実施形態では、モータ式圧縮ローラまたは他の機械的デバイスが、含まれてもよく、制御された様式において、所与の率で、または所与の時間の量にわたって、容器280を圧縮してもよい。いくつかの実施形態では、ポンプ、例えば、連続または蠕動ポンプ(手動で動作される、または電子式であってもよい)が、デバイス201内に含まれる、または容器280に取り付けられ、脂質源290を容器280から外に押勢してもよい。他の実施形態では、負圧源が、チャンバ222に接続され、その中に脂質源290の流動が引き出され得る、真空を生成してもよい。いくつかの実施形態では、栄養調合物110の流動は、脂質源290を容器280から外に引き出し、それによって、それを栄養調合物110の中に混合させ得る。
【0066】
容器280の空化を促進するために、容器280は、弁または他の流動制御デバイスを含んでもよく、および/または脂質源290が容器280から空にされるにつれて、空気解放を含み、圧力を等化させてもよい。いくつかの実施形態では、容器280は、ユーザが、脂質源290が栄養調合物110の中に放出された量および/または容器280内に残っている脂質源290の量を観察し得るように、測定ラインを含んでもよい。いくつかの実施形態では、注射器または他の送達デバイスは、デバイス201の使用に先立って、および/またはその間のいずれかにおいて、脂質源290を容器280の中に給送してもよく、脂質源290は、次いで、チャンバ222の中に流動してもよい。いくつかの実施形態では、振動モータが、デバイス201内に含まれ、または取り付けられ、デバイス201を振動させ、脂質源290および/またはチャンバ222を攪拌し、脂質源290とリパーゼの混合を助長し、チャンバ222を通した脂質源290の流動および/または栄養調合物110の中への加水分解された脂質275の流動を補助し、および/または栄養調合物110の中への加水分解された脂質275の混合を補助してもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、脂質源290の一部または全部が、チャンバ222の中に通過してもよく、ある時間周期(すなわち、滞留時間)にわたってチャンバ222内に留まり、リパーゼへの脂質源290の暴露を延長させ、加水分解が生じることを可能にしてもよい。例えば、ユーザは、部分的に、脂質源290を容器280からチャンバ222の中に圧搾または別様に送達してもよく、次いで、所望の滞留時間と等しいある時間周期にわたって待機してもよく、次いで、圧搾を継続する、または別様に、容器280からの脂質源290の展開を終了してもよい。いくつかの側面では、容器280は、空気またはある他の非脂質流体を含有してもよく、脂質源290は、最初に、第1の圧縮(または他の送達方法)に応じて、容器280からチャンバ222の中に送達されてもよく、次いで、滞留周期後、第2の圧縮(または他の送達方法)が、空気または他の流体を容器280からチャンバ222の中に送達し、加水分解された脂質源290をチャンバ222から栄養調合物110の中に排出してもよい。故に、チャンバ222を通した栄養調合物110の中への脂質源290の送達は、マルチステッププロセスであってもよい。さらに他の実施形態では、デバイス201は、脂質源290が、チャンバ222を通してゆっくりと通過し、脂質源290が、少なくとも所望の滞留時間の持続時間にわたって、チャンバ222内に留まるように構成されてもよい。例えば、チャンバ222は、チャンバ222を通した脂質源290の通過を減速させるように、あるサイズおよび/または密度の粒子300で充填されてもよい、または弁が、滞留時間の持続時間にわたって、脂質源290をチャンバ222内に維持するために使用されてもよい。そのような実施形態では、振動モータが、デバイス201内に含まれ、または取り付けられ、脂質源290が、チャンバ222内に含有されるとき(例えば、滞留時間の間)、チャンバ222を振動させ、脂質源290とリパーゼの混合を助長してもよい。滞留時間は、例えば、5秒、10秒、20秒、30秒、45秒、1分、2分、3分、4分、5分、10分、20分、30分、または30分を上回ってもよい。
【0068】
図2に示されるように、いくつかの実施形態では、粒子300は、略球状ビーズとして形成されてもよい。他の実施形態では、粒子300は、ランダムに成形される、または不規則的粒子であってもよい、または楕円形、長円、ドーナッツ形状、角柱、多角形、伸長、または任意の他の好適な形状または複数の形状であってもよい。粒子300は、平滑またはテクスチャ加工された表面を有してもよい。粒子300は、その表面積を増加または減少させるように成形されてもよい。粒子300は、個々の粒子から形成されてもよく、これはそれぞれ、実質的に同一の形状および/または表面を有してもよい、または2つ以上の異なる形状および/または表面の組み合わせを有してもよい。粒子300は、任意の好適な材料から形成されてもよく、リパーゼは、任意の好適な様式において、例えば、吸着、イオン結合、共有結合、架橋結合、カプセル化、および/または閉じ込めを介して、粒子300上に不動化されてもよい。リパーゼは、脂質源290がチャンバ222を通して流動するにつれて、リパーゼが脂質源290と流体接触するように、チャンバ222内に見出される粒子300上または内に不動化されてもよい。
【0069】
粒子300が、例示的図に描写されるが、リパーゼは、任意の好適な様式において、チャンバ222内に不動化されてもよいことを理解されたい。例えば、リパーゼは、ビーズ、ロッド、チャンバ222の一部から延在する突起、または他の好適な構造等のチャンバ222の内側に位置する構造内に不動化または含有されてもよい。いくつかの実施形態では、リパーゼは、チャンバ222の壁上に不動化される、またはその中に含有されてもよく、および/またはデバイス201内に含まれる1つ以上のフィルタ上に不動化されてもよい。
【0070】
また、いくつかの実施形態では、リパーゼは、不動化されなくてもよく、単に、チャンバ222内またはチャンバ222の一部内に含有されてもよいことが検討される。いくつかのそのような実施形態では、1つ以上のフィルタは、遊離(すなわち、不動化されない)リパーゼをチャンバ222および/またはデバイス201内に保ってもよい。
【0071】
脂質源290が、チャンバ222の中に流動するにつれて、脂質源290は、チャンバ222内に含有されるリパーゼと接触し、脂質は、例えば、モノグリセリドおよび遊離脂肪酸に加水分解される。リパーゼ(不動化または遊離)は、容器280から外にチャンバ222を通して流動するにつれて、脂質源290の流路に沿って位置してもよい。脂質源290が、リパーゼと接触後、加水分解された脂質275は、例えば、母親の母乳、ドナー母乳、または乳児用調合物等の栄養調合物110の中に給送される。栄養調合物110の中への加水分解された脂質の導入後、補給された栄養調合物111は、患者に給送されてもよい。
【0072】
本明細書のデバイス内に含まれるリパーゼは、トリグリセリド中の3個の結合のうちの2個、すなわち、sn-1およびsn-3位置において開裂させ、sn-2モノグリセリドを残し得る。例示的リパーゼは、動物、植物、多くの天然または遺伝子操作された微生物から取得されてもよい。いくつかの実施形態では、リパーゼは、例えば、Chromobacterium viscosum、Pseudomonas fluorescens、Burcholderia cepacia、またはRhizopus oryzaeリパーゼ、または任意の他の好適な野生型または組み換えリパーゼ、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上のものを含んでもよい。
【0073】
図3-
図12Aおよび12Bは、本開示の実施形態による、種々のデバイスおよびこれらのデバイスを給送システムの中に組み込むための例示的方法を図示する。
【0074】
デバイス201は、リパーゼ欠乏および/または吸収不良を患う患者を治療するように構成されてもよい。デバイス201は、
図1Bに示されるデバイス200の使用等の代わりに、または他の治療に加えて使用され、増加された濃度の加水分解された脂質を栄養調合物110に提供してもよい。デバイス201は、母親の母乳の注射器(
図9Aおよび9Bに示される)または他の栄養素源に追加される等、診療現場デバイスとして使用されてもよい。デバイス201は、前述のデバイス200を用いてすでに処理されている栄養調合物110等の加水分解された栄養調合物110と併用されてもよい、またはそれ自体で、例えば、デバイス200を使用せずに、加水分解された脂質を栄養調合物に添加するために使用されてもよい。
【0075】
図3は、栄養調合物110を乳児患者301に供給する経腸管124と一列に配列される、デバイス201を示す。経腸管124の近位部分(図示せず)を通した栄養調合物110の流動および補給された栄養調合物111の流動は、システム100に関連して前述の機構のいずれかによって、例えば、重力によって、またはポンプまたは注射器を介して、制御されてもよい。上記に議論されるように、デバイス201は、脂質が、脂質源290から、チャンバ222を通して、経腸管124を通して患者301に給送されている栄養調合物110の中に通過されるにつれて、栄養調合物110に加水分解された脂質を補給するために使用されてもよい。加水分解された脂質は、
図3に描写されるもの等の短貯蔵寿命の診療現場構成を有するため、患者への給送に先立って、加水分解された脂質の劣化を回避することが有利であり得る。
【0076】
図4は、デバイス201の例示的用途を示す。給送システム500は、
図1Bの給送システム100と実質的に同一であり得るが、デバイス201が追加されている。給送システム500は、デバイス201を使用して加水分解された脂質でさらに補給される栄養調合物110を給送するために、デバイス200と組み合わせて使用されてもよい。例えば、デバイス201からの加水分解された脂質は、栄養調合物110の中に導入されてもよく、栄養調合物110内にすでに存在する任意の脂質は全て、給送管524を介した対象への補給および加水分解された栄養調合物の投与に先立って、デバイス200を使用して、加水分解されてもよい。システム500は、脂肪加水分解デバイス200と、ポンプ120と、栄養調合物110の源をデバイス201に流動的に接続する、管522とを含んでもよい。栄養調合物110は、補給のために、源から、管522を通して、デバイス201に流動されてもよい。栄養調合物110が、デバイス201を越えて流動するにつれて、デバイス201は、加水分解された脂質を栄養調合物110に送達し、栄養調合物110内の脂質の濃度を増加させてもよい。デバイス201から、栄養調合物110は、次いで、デバイス200に流動してもよく、そこで、補給された栄養調合物は、栄養調合物110内の任意の脂質を加水分解するために、リパーゼに暴露されてもよい。デバイス200はまた、チャンバ222内のリパーゼによって加水分解されずに、デバイス201から退出し得る(例えば、デバイス201が、100%未満の効率性を有する場合)、デバイス201からの任意の脂質を加水分解してもよい。システム500はまた、デバイス201に接続するように構成される、端部と、補給された栄養調合物をデバイス201からデバイス200に流動させるために、デバイス200に接続するように構成される、反対端部とを有する、管525を含んでもよい。システム500はさらに、デバイス200に接続するように構成される、端部と、摂取のために、患者に接続し、処理および補給された栄養調合物110をデバイス200から患者に送達するように構成される、反対端部とを有する、管524を含んでもよい。管522、524、および525は、別個の管として説明されるが、付加的管が、システム500内で使用されてもよい、または要素番号が、同一管の異なる区分を参照し得ることが可能性として考えられる。
【0077】
デバイス201は、ポンプ120の下流の給送システム500に接続されるように描写されるが、いくつかの例示的実施形態では、デバイス201は、ポンプ120の上流の管522に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、圧送力は、ポンプ120の上流において比較的に強く、栄養調合物110の源をポンプ120に接続する管類部分を通して、栄養調合物のより高速の流動を生じさせてもよい。デバイス201をポンプ120の上流に位置させることは、デバイス201が、より強い圧送力およびより高速の流動を利用し、デバイス201内の脂質を脂質源から、リパーゼを通して、デバイス201から外に引き出すことを可能にし得る。
【0078】
図5は、デバイス201の別の例示的用途を示す。給送システム600は、デバイス201の位置付けを除き、給送システム500と実質的に同一であり得る。給送システム600は、栄養調合物110の源をデバイス200に流動的に接続する、管622と、デバイス200をデバイス201に流動的に接続する、管624とを含む。故に、栄養調合物110内にすでに存在する脂質は、デバイス200を通して通過され、デバイス200によって加水分解され得、次いで、加水分解された栄養調合物は、栄養調合物の中への付加的な加水分解された脂質の送達のために、デバイス200からデバイス201に流動されてもよい。システム600はさらに、デバイス201に接続するように構成される、端部と、摂取のために、患者に接続し、処理および補給された栄養調合物をデバイス201から患者に送達するように構成される、反対端部とを有する、管625を含んでもよい。管622、624、および625は、別個の管として説明されるが、付加的管が、システム600内で使用されてもよい、または要素番号が、同一管の異なる区分を参照し得ることが可能性として考えられる。
【0079】
図6は、デバイス201の別の例示的用途を示す。給送システム700は、デバイス201の位置付けを除き、給送システム500および600と実質的に同一であり得る。給送システム700は、加水分解された脂質が、デバイス201から、直接、栄養調合物の源の中に導入されるように、デバイス201と栄養調合物110の源を流動的に接続する、管728を含む。代替として、加水分解された脂質が、最初に、栄養調合物110の源を保持するように構成される、容器に添加されてもよく、次いで、栄養調合物110が、容器に添加されてもよい。また、デバイス201は、本明細書に説明されるデバイスの任意の他の好適な実施形態と置換されてもよいことを認識されたい。
【0080】
デバイス201が本場所内に配列されることで、補給された栄養調合物は、デバイス201によって加水分解された脂質をすでに補給されている、栄養調合物110の源に接続する、管722を通して、デバイス200に流動され、そこで、補給された栄養調合物内の脂質はさらに、加水分解される。加水分解および補給された栄養調合物は、次いで、デバイス200に接続するように構成される、端部と、摂取のために、患者に接続し、加水分解および補給された栄養調合物110をデバイス200から患者に送達するように構成される、反対端部とを有する、管724を通して流動される。管722および724は、別個の管として説明されるが、付加的管が、システム700内で使用されてもよい、または要素番号が、同一管の異なる区分を参照し得ることが可能性として考えられる。いくつかの側面では、デバイス201は、栄養調合物110に補給するために使用されてもよく、次いで、補給された栄養調合物110は、次いで、管722、724と流体連通し、補給された栄養調合物を対象に提供するように設置されてもよい。言い換えると、医療従事者または対象は、デバイス201を使用して、加水分解された脂質を栄養調合物110の中に導入してもよく、次いで、栄養調合物110をシステム700に取り付け、および/またはシステム700を組み立ててもよい。
【0081】
図7は、デバイス200を使用しないことを除き、
図4および5のシステムに実質的に類似する、デバイス201の例示的用途を示す。具体的には、
図7は、栄養調合物110の源と、管822と、ポンプ120と、デバイス201と、管824とを含む、給送システム800を示す。管822は、栄養調合物110をデバイス201に流動させるために、栄養調合物110の源とデバイス201を流動的に接続し、デバイス201は、栄養調合物110に加水分解された脂質を補給する。システム800はまた、デバイス201に接続するように構成される、端部と、摂取のために、患者に接続し、補給された栄養調合物110をデバイス201から患者に送達するように構成される、反対端部とを有する、管824を含んでもよい。管822および824は、別個の管として説明されるが、付加的管が、システム700内で使用されてもよい、または要素番号が、同一管の異なる区分を参照し得ることが可能性として考えられる。
【0082】
デバイス201は、ポンプ120の下流の給送システム800に接続されるように描写されるが、いくつかの例示的実施形態では、デバイス201は、ポンプ120の上流の管822に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、圧送力は、ポンプ120の上流で比較に強く、栄養調合物110の源をポンプ120に接続する管類の部分を通して、栄養調合物のより高速の流動を生じさせ得る。デバイス201をポンプ120の上流に位置させることは、デバイス201が、より強い圧送力およびより高速の流動を利用して、デバイス201内の脂質を脂質源から、リパーゼを通して、デバイス201から外に引き出すことを可能にし得る。
【0083】
図8は、栄養調合物110の源に位置付けられるデバイス201を除き、
図7のシステムに実質的に類似する、デバイス201の付加的な例示的用途を示す。具体的には、
図8は、栄養調合物110の源と、管922と、管924と、ポンプ120と、デバイス201とを含む、給送システム900を示す。管922は、加水分解された脂質が、デバイス201から、直接、栄養調合物の源の中に導入されるように、デバイス201と栄養調合物110の源を流動的に接続する。代替として、加水分解された脂質が、最初に、栄養調合物110の源を保持するように構成される、容器に添加されてもよく、次いで、栄養調合物110が、容器に添加されてもよい。また、デバイス201は、本明細書に説明されるデバイスの任意の他の好適な実施形態と置換されてもよいことに留意されたい。管924は、栄養調合物110の源に接続するように構成される、端部と、摂取のために、患者に接続し、補給された栄養調合物110を源から患者に送達するように構成される、反対端部とを含む。管922および924は、別個の管として説明されるが、付加的管が、システム900内で使用されてもよい、または要素番号が、同一管の異なる区分を参照し得ることが可能性として考えられる。いくつかの側面では、デバイス201は、栄養調合物110に補給するために使用されてもよく、次いで、補給された栄養調合物110は、次いで、管924と流体連通し、補給された栄養調合物を対象に提供するように設置されてもよい。言い換えると、医療従事者または対象は、デバイス201を使用して、加水分解された脂質を栄養調合物110の中に導入してもよく、次いで、栄養調合物110をシステム900に取り付け、および/またはシステム900を組み立ててもよい。
【0084】
図9Aは、本開示の別の例示的実施形態を示す。デバイス401は、類似様式において動作し得る、デバイス201の前述の要素のいずれかを含んでもよい。デバイス401は、脂質源290を含有する、容器480と、粒子410を含有する、チャンバ422と、出力アセンブリ430とを含んでもよい。デバイス401は、加水分解された脂質475を、栄養調合物110を含有する注射器450の中等、栄養調合物110の源の中に導入するために使用されてもよい。例えば、ユーザは、キャップを外す、シールを剥離する、破裂可能シールを破壊する、または別様に出力アセンブリ430内の出口を開放し、加水分解された脂質475が、デバイス401から退出することを可能にしてもよい。いったんデバイス401が、被覆解除され、使用のための準備ができると、ユーザは、容器480を圧搾し(変形可能である場合)、脂質源290を、容器480から外に、脂質が加水分解される、チャンバ422を通して、出力アセンブリ430から外に排出してもよい。流路が、容器480内の開口部から、チャンバ422を通して、および出力アセンブリ430を通して延在してもよく、それに沿って、脂質源290は、容器480から解放されると、デバイス401を通して流動し得る。不動化されたリパーゼは、リパーゼが、チャンバ422を通して流動するにつれて、脂質源290を加水分解するように、流路内のチャンバ422内に位置してもよい。いくつかの実施形態では、容器480内の通気口開口部もまた、容器480から外への脂質源290の解放を助長するために、被覆解除されてもよい。他の実施形態では、容器480は、1つのみの開口部を含んでもよく、開口部は、チャンバ422と流体連通する。
【0085】
いったん加水分解された脂質475が、注射器450の中に導入されると、プランジャ414が、注射器450に結合されてもよく、注射器450は、
図9Bに示されるように、補給された栄養調合物111を患者に送達する準備ができ得る。
図9Bは、デバイス401からの加水分解された脂質475を補給されている、補給された栄養調合物111で充填される注射器を示す。
【0086】
いくつかの実施形態では、注射器450は、デバイス401を注射器450の遠位端に取り付けることによって充填されてもよい。例えば、プランジャ414は、注射器450から除去されなくてもよく、代わりに、出力アセンブリ430が、注射器450の遠位端(反対プランジャ414)に流動的に接続されてもよい。出力アセンブリ430は、スナップ嵌合、捻転嵌合、摩擦嵌合、ねじ山、ルアー係止、または任意の他の好適な接続を介して、注射器450に接続されてもよい。いったんデバイス401が、注射器450の遠位端に接続されると、プランジャ414は、引き戻され、負圧を注射器450内に生成してもよい。本負圧は、脂質源290を容器480から外に、チャンバ422を通して引き出し得、加水分解された脂質475を注射器450の中に引き出し得る。このように、加水分解された脂質は、無菌状態を損なわせずに、注射器450の中に導入され得る。栄養調合物110は、加水分解された脂質475がデバイス401から注射器450の中に引き出されるとき、注射器450内にすでに存在してもよい、または栄養調合物110は、加水分解された脂質475が注射器450の中に引き出された後、注射器450に添加されてもよい。
【0087】
注射器450は、加水分解された脂質475を補給されている、補給された栄養調合物111を、患者に投与するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、補給された栄養調合物111で充填された注射器450は、本明細書に説明される給送システム100から900のいずれかに流動的に接続され、補給された栄養調合物111を患者に送達してもよい。デバイス401は、貯蔵のために、または患者への即時投与ために、加水分解された脂質475を補給されている、補給された栄養調合物111を調製するために使用されてもよい。デバイス401は、患者に給送する際に使用するための任意の容器形態において、加水分解された脂質475を脂質源290から栄養調合物の中に導入するために使用されてもよい。
【0088】
例えば、デバイス401は、加水分解された脂質475を缶490(
図10A)または瓶495(
図10B)の中に導入するために使用されてもよい。瓶495は、哺乳瓶または水筒であってもよい。具体的に描写されないが、デバイス401は、加水分解された脂質475を、例えば、カップ、マグ、ミキサ、またはジューサを含む、任意の他の好適な容器の中に添加するために使用されてもよい。上記に説明されるように、ユーザは、キャップを外し、シールを剥離し、破裂可能シールを破壊し、または別様に出力アセンブリ430内の出力を開放し、加水分解された脂質475が退出することを可能にしてもよい。いったんデバイス401が、被覆解除され、使用のための準備ができると、ユーザは、容器480を圧搾し(変形可能である場合)、脂質源290を、容器480から外に、脂質が加水分解される、チャンバ422を通して、出力アセンブリ430から外に排出する。いくつかの実施形態では、容器480内の通気口開口部もまた、容器480から外への脂質源290の解放を助長するために被覆解除されてもよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、容器480は、再充填可能であってもよい、または単回使用容器を備えてもよく、事前に充填されてもよい、または使用に先立って、および/またはその間、充填される必要があり得る。再充填可能である容器480は、使用に先立って、その間、および/またはその後、再充填可能であってもよい。容器480が、再充填可能である場合、入口(図示せず)、例えば、再シール可能入口を有してもよく、および/またはチャンバ422に除去可能に接続するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザ(例えば、医療従事者、患者、患者保護者、薬剤師、または他のユーザ)は、使用に先立って、容器480をチャンバ422に取り付けてもよい。例えば、ユーザは、所望の脂質源290を含有する、事前に充填された容器480を選択してもよく、使用のために、容器480をチャンバ422に取り付けてもよい。いくつかの実施形態では、容器480は、事前に充填されてもよく、ユーザは、異なるタイプの脂質または脂質の組み合わせ間で選択してもよく、および/または、例えば、患者の必要性に応じて、異なる体積の脂質間で選択してもよい。そのような実施形態では、容器480は、シールされた開口部を有してもよく、これは、チャンバ422への取付に先立ってシールが剥離されてもよいか、または、容器480をチャンバ422に取り付ける作用が、シールを破壊してもよい(例えば、シールを穿孔する、穿刺する、変位させる、または別様に開放する)かのいずれかである。いくつかの実施形態では、弁または他の機械的構造が、使用に先立って、脂質源290を容器480内に維持し、および/または容器480から外およびチャンバ422の中への脂質源290の流動を制御するために使用されてもよい。さらに他の実施形態では、ユーザは、使用に先立って、および/またはその間、容器480を所望のタイプの脂質、脂質の組み合わせ、および/または所望の体積の脂質で充填してもよい。
【0090】
いくつかの実施形態では、容器480および/または脂質源290は、使用前に、混合、加熱、冷却、攪拌、または別様に調製されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上の脂質および1つ以上の栄養強化剤は、ともに混合され、脂質源290を形成してもよい、複数のタイプの脂質は、ともに混合され、脂質源290を形成してもよい、または複数のタイプの栄養強化剤は、ともに混合され、脂質源290を形成してもよく、これは、次いで、加水分解のために、チャンバ422に取り付けられてもよい。他の実施形態では、脂質源290は、1つのタイプの脂質、複数のタイプの脂質、1つのタイプ栄養強化剤、または複数のタイプの栄養強化剤を含んでもよく、これは、加水分解のために、チャンバ422に取り付けられてもよい。いったん調製されると(調製が必要な場合)、容器480は、使用のために、チャンバ422に取り付けられてもよい。
【0091】
他の実施形態では、容器480は、チャンバ422から取外可能ではなくてもよく、容器480は、チャンバ422に取り付けられている間、充填/再充填されてもよい、または事前に充填された状態であってもよく、再充填可能ではなくてもよい。いくつかのそのような実施形態では、ユーザは、使用に先立って、異なる脂質、脂質の組み合わせ、および/または体積の脂質で事前に充填される、デバイス401間で選択してもよい。
【0092】
いくつかの実施形態では、デバイス401は、栄養調合物以外の飲料、例えば、ソフトドリンク、水、コーヒー、紅茶、ジュース、または任意の他の好適な飲料に補給するために使用されてもよい。そのような実施形態では、飲料は、デバイス401からの加水分解された脂質475の添加のために、容器の中に傾注されてもよい、または缶、瓶、紙パック、または飲料をすでに含有する他の好適な容器が、開放されてもよく、デバイス401は、加水分解された脂質475を、直接、元々の容器の中に導入するために使用されてもよい。
【0093】
図9A-10Bの出力アセンブリ430は、栄養調合物110を保持する容器に取り付けられ、加水分解された脂質475を栄養調合物110に送達するように構成されてもよい、または出力アセンブリ430は、栄養調合物110および栄養調合物を保持する容器から離間される間、加水分解された脂質475を送達するように構成されてもよい。例えば、いくつかのデバイス401は、単に、加水分解された脂質475が、出力アセンブリ430から開放容器の中および栄養調合物110の中に送達されるように、容器内の開口部の上方に保持されてもよい。出力アセンブリ430は、漏斗形状であって、それを通して加水分解された脂質475がデバイス401から出力される、端部より広い、チャンバ422に接続される端部を有するように図に描写されるが、出力アセンブリ430は、任意の好適な形状またはサイズを有してもよいことが検討される。
【0094】
上記の
図9A、9B、10A、および10Bの説明は、加水分解された脂質475が栄養調合物110を含有する注射器または他の容器に添加される状態を参照するが、また、加水分解された脂質475が、最初に、注射器または容器に添加され得、次いで、栄養調合物110が、注射器または容器に添加され得ることも検討される。
【0095】
図11Aおよび11Bの実施形態は、
図1Aのものに類似する給送システムと併用するための上記に説明されるデバイスの若干異なる変形例を描写する。例えば、脂質源を含有する容器501は、それを通して流動する栄養調合物110を加水分解するように構成され得る、デバイス200の上流に含まれてもよい。このように、栄養調合物110が、最初に、容器501からの加水分解されていない脂質を補給されてもよく、次いで、付加的脂質を補給された栄養調合物110が、デバイス200を通してともに流動されてもよい。故に、デバイス200は、容器501によって栄養調合物110の流動の中に導入される脂質と、栄養調合物110内にすでに存在し得る任意の脂質とを加水分解してもよい。加水分解され補給された栄養調合物111は、次いで、デバイス200から外に流動してもよい。例えば、
図11Bに示されるように、加水分解され補給された栄養調合物111は、給送管516の中に流動され、事前に加水分解された脂質を含有する栄養調合物を患者515に提供してもよい。
【0096】
容器501は、デバイス200のすぐ上流にあるように描写されるが、容器501は、デバイス200の上流の任意の好適な場所に含まれてもよいことが検討される。さらに、容器501内に含有される脂質源は、デバイス201および/または401を参照して上記に説明される方法のいずれかにおいて、デバイス501から外に駆動されてもよい。
【0097】
図12Aおよび12Bは、その中に容器601からの脂質が、直接、デバイス200の中に添加される、別の例示的実施形態を描写する。不動化されたリパーゼを含有し得、脂質を加水分解するように構成され得る、デバイス200は、第1の経路を介して、栄養調合物110の流動を受容してもよく、第2の経路を介して、容器601からの脂質の流動を受容してもよい。
図11Aおよび11Bは、その中に栄養調合物が、デバイス200を通した通過に先立って、最初に、加水分解されていない脂質を補給される、実施形態を描写するが、
図12Aおよび12Bは、その中に栄養調合物110および容器601からの脂質が、離散経路を介して、デバイス200の中に別個に給送される、実施形態を描写する。脂質および栄養調合物110は、脂質が加水分解されるにつれて、かつ栄養調合物110内にすでに存在する任意の脂質もまた加水分解されるにつれて、デバイス200内で組み合わせられてもよい。容器601からの加水分解された脂質を補給された、加水分解された栄養調合物は、次いで、デバイス200から、組み合わせられた流路に沿って退出してもよい。例えば、
図12Bに示されるように、加水分解され補給された栄養調合物111は、給送管616の中に流動され、事前に加水分解された脂質を含有する栄養調合物を患者615に提供してもよい。
【0098】
容器601からの脂質は、デバイス201および/または401を参照して上記に説明される任意の好適な様式において、デバイス200の中および栄養調合物110の流動の中に引き込まれてもよい。
【0099】
図12Aは、脂質源を含有する容器601を描写するが、容器内に貯蔵されるのではなく、脂質は、デバイス200の中に、管を通して、または任意の他の好適な源を介して、指向されてもよいことも検討される。
【0100】
デバイス201および401および容器501および601の多数の異なる側面が、説明された。特定の側面は、脂質源と、脂質を加水分解し、栄養調合物に補給するように構成される、不動化されたリパーゼ酵素とを含有する、容器を含む。栄養調合物の補給は、患者、例えば、患者の腸(例えば、小腸)への加水分解された脂肪(例えば、遊離脂肪酸および/またはモノグリセリド)の送達を助長し、身体による加水分解された脂肪の吸収を助長し得る。
【0101】
開示されるデバイスの使用は、1つ以上の利点を提供し得る。例えば、驚くべきことに、脂質がMCTおよび/またはl-カルニチンの存在下で加水分解されると、患者による脂質および他の栄養素の吸収における改良が認められることが見出された。本驚くべき所見の結果、早産児および他の患者は、本開示の実施形態を使用して、LCTおよび他の脂肪をより効率的に吸収することが可能であり得る。
【0102】
さらに、本デバイスの使用は、消費される栄養調合物の栄養素の増加された密度に起因して、患者によって摂取される栄養調合物の体積を比較的に低く保ちながら、患者によって取得される総カロリーおよび/またはエネルギー数を増加させ得る。例えば、より大きい体積の補給されていない栄養調合物が、加水分解された脂質を補給されたより小さい体積の栄養調合物と同一栄養素量を取得するためには摂取される必要があり得る。加えて、デバイス200は、栄養調合物内にすでに存在する脂質を加水分解することが可能であり得るが、栄養調合物の栄養素含有量を増加させることができない。すなわち、すでに存在するものを、身体による吸収のために身体により利用可能にのみし得る。本開示のデバイス(例えば、デバイス201または401)は、脂質をより生物学的に利用可能な補給された栄養に提供するだけではなく、また、補給された栄養調合物内の脂質の全体的濃度を増加させる能力を有する。これは、上記に説明されるように、栄養調合物(例えば、母親の母乳、ドナー母乳、または乳児用調合物または栄養強化剤)が、そうでなければ、十分に高濃度の脂質または他の栄養素を含有し得ないため、有用である。
【0103】
加えて、デバイス201、401および容器501、601は、そうでなければ、栄養調合物内に見出されない、またはより低い濃度でのみ見出される、脂質を栄養調合物の中に導入するために使用されてもよい。例えば、ある脂質、例えば、DHAまたはEPAをすでに含有する、栄養調合物は、他の栄養調合物より高価であり得る。本明細書に開示される例示的デバイスの使用は、消費者が、ある脂質を含有しない、安価な栄養調合物を使用し、次いで、開示されるデバイスの使用を介して、より消化性の形態において、欠乏脂質を調合物に添加することを可能にし得る。例えば、高価な脂質をすでにその中に伴う栄養調合物を購入するのではなく、高価な脂質を含有する脂質源を伴う、デバイス201、401および容器501、601が、加水分解されたバージョンの高価な脂質を栄養調合物の中に導入するために使用されてもよい。
【0104】
本開示のデバイスの使用は、早産児(または他の患者)のGI管に見出される、炎症性応答を減少させ得、および/または、限定ではないが、タンパク質およびビタミン等の他の栄養素の改良された全体的吸収のために、GI管を調整し得る。驚くべき所見は、油(限定ではないが、DHAおよびARAを含む、構造化および/または自然発生油)を事前に加水分解する、および/または栄養強化剤(限定ではないが、液体ヒトベースまたは非ヒト由来栄養強化剤を含む)を事前に加水分解する、およびGI管に及ぼすその抗炎症性効果、したがって、より良好な全体的GI健康を可能にすることに起因する、相乗効果であり得る。
【0105】
例示的デバイス201、401および容器501、601は、
図13に示される様式において使用されてもよい。当業者は、
図13に描写される方法の1つ以上のステップが、省略される、または
図13に描写される順序外で実施されてもよい、または他のステップもまた、実施されてもよいことを認識するであろう。
【0106】
図13の方法の最初の3つのステップは、随意であって、デバイス201またはデバイス401(集合的に、
図13を参照する際、「デバイス」と称される)の実施形態に応じて、それらのステップの任意の組み合わせが、実施されてもよい、またはステップのいずれも、実施されなくてもよい。第1の随意のステップ950は、脂質源を調製するステップを含む。上記に説明されるように、脂質源を調製するステップは、デバイスにおいて使用するための脂質源を混合、加熱、冷却、攪拌、または別様に調製するステップを伴ってもよい。調製は、脂質源が、デバイスの容器内にすでに含有されている状態で生じてもよい、調製は、デバイスの中への脂質源の導入に先立って生じてもよい、または両方であってもよい。いくつかの実施形態では、調製は、1つ以上の脂質および/または1つ以上の栄養強化剤をともに混合するステップを含んでもよい。加えて、ステップ950は、952に先行する、ステップ951に先行するように示されることが認識されるが、これらのステップは、任意の順序で実施されてもよいことを理解されたい。
【0107】
ステップ951は、容器をリパーゼチャンバに取り付けるステップ(容器がデバイスから取外可能である実施形態において)および/または容器を脂質源で充填するステップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、取り付けるステップおよび充填するステップは両方とも、生じてもよい一方、他の実施形態では、これらのうちの一方が、生じてもよい(またはいずれも生じなくてもよい)。両作用が、行われる場合、容器が、充填され、次いで、チャンバに取り付けられてもよい一方、他の実施形態では、容器が、チャンバに取り付けられ、次いで、充填されてもよい。
【0108】
ステップ952では、デバイスは、栄養調合物が患者に給送されるにつれて、加水分解された脂質を栄養調合物に添加するための給送システムに取り付けられてもよい。例えば、デバイスは、
図1Aまたは1Bの給送システムに取り付けられてもよい、または
図3-9のいずれかに示され、上記に説明されるような給送システムに取り付けられてもよい。実際、デバイスは、任意の好適な給送システムに取り付けられる、または別様にその中に組み込まれてもよい。
【0109】
ステップ953では、デバイスの脂質源が、容器から解放され、デバイスのチャンバ内に含有される不動化されたリパーゼを通して通過されてもよい。脂質源が、チャンバ内のリパーゼを通して通過するにつれて、リパーゼと反応し、モノグリセリドおよび遊離脂肪酸に加水分解される。ステップ954では、加水分解された脂質源は、チャンバから退出してもよく、栄養調合物に添加され、栄養調合物に加水分解された脂質を補給してもよい。随意のステップ955では、補給された栄養調合物は、直ちに、またはある時間の経過後のいずれかにおいて、患者に給送されてもよい。補給された栄養調合物は、任意の好適な様式において、例えば、給送管を介して、飲物を介して(例えば、加水分解された脂質は、飲料に添加されてもよい)、または任意の他の様式において、患者に給送されてもよい。
【0110】
本開示の原理は、特定の用途に関する例証的側面を参照して本明細書に説明されるが、本開示は、それに限定されない。当業者および本明細書を提供される教示へのアクセスを有する者は、本明細書に説明される側面の範囲内にある、全ての付加的修正、用途、側面、および均等物の代用を認識するであろう。故に、本開示は、前述の説明によって限定されるものと見なされない。