(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-21
(45)【発行日】2023-08-29
(54)【発明の名称】飲料用ストロー及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A47G 19/22 20060101AFI20230822BHJP
A47G 21/18 20060101ALI20230822BHJP
【FI】
A47G19/22 N
A47G21/18
(21)【出願番号】P 2020549019
(86)(22)【出願日】2019-03-02
(86)【国際出願番号】 FI2019050170
(87)【国際公開番号】W WO2019175470
(87)【国際公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-10-21
(32)【優先日】2018-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(32)【優先日】2018-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】520349182
【氏名又は名称】ドレア オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サロメキ、ミカ
(72)【発明者】
【氏名】エロネン、エイヤ
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-233348(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102119826(CN,A)
【文献】特開2010-100304(JP,A)
【文献】特開2004-081804(JP,A)
【文献】実開昭49-078281(JP,U)
【文献】特開2004-351046(JP,A)
【文献】特表2000-508560(JP,A)
【文献】米国特許第00642656(US,A)
【文献】欧州特許出願公開第01415578(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 19/22
A47G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体流路(3)と1つの縁部(4)とを備え、前記液体流路(3)が、前記縁部(4)に対して実質上平行である、生分解可能な材料で作られる飲料用ストローにおいて、
前記飲料用ストロー(1)の材料が、持続可能でリサイクル可能且つヒートシーリング可能なコーティング済厚紙であり、
前記飲料用ストロー(1)が、前記コーティング済厚紙の1つの実質上長方形のシート状片(2)から形成され、前記飲料用ストロー(1)は、ヒートシーリングされた締着を備え、製造段階において、その材料の縁が平坦に押し付けられることを特徴とする、飲料用ストロー。
【請求項2】
前記縁部(4)が、互いに締着される、2つの重なり合う材料層を備えることを特徴とする、請求項1に記載の飲料用ストロー。
【請求項3】
前記飲料用ストロー(1)の前記縁部(4)の2つの重なり合う材料層が、前記コーティング済厚紙の薄いシーリング可能なコーティング同士をシーリングすることによって、互いに締着されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の飲料用ストロー。
【請求項4】
前記飲料用ストロー(1)の断面形状が、円形状、楕円形状又は液滴形状であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の飲料用ストロー。
【請求項5】
前記飲料用ストロー(1)が、印刷(5)用の印刷可能面を備えることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の飲料用ストロー。
【請求項6】
前記飲料用ストロー(1)の外面を形成するシート状片(2)の全面が、飲料用ストロー(1)形成プロセスの前に事前印刷可能であることを特徴とする、請求項1~
5のいずれか一項に記載の飲料用ストロー。
【請求項7】
液体流路(3)と1つの縁部(4)とを備え、前記液体流路(3)が前記縁部(4)に対して並んで、実質上平行である、生分解可能な材料から作られる飲料用ストローを製造する方法において、
前記飲料用ストロー(1)を、コーティング済厚紙(2)の、1つの実質上長方形の、持続可能でリサイクル可能且つヒートシーリング可能なシート状片から、製造機器によって製造し、前記飲料用ストロー(1)は、ヒートシーリングにより形成され、製造段階において、その材料の縁が平坦に押し付けられることを特徴とする、方法。
【請求項8】
前記飲料用ストロー(1)を、1つの成形可能なシート状片(2)から製造し、前記シート状片(2)の2つの対向する縁(4x,4y)が重なるように前記シート状片(2)を鋭い折り目なしに曲げて、重なり合う部分を互いに締着させて1つの前記飲料用ストロー(1)の前記縁部(4)を形成し、前記液体流路(3)を、前記縁部(4)に対して並んで、実質上平行に形成することを特徴とする、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記飲料用ストロー(1)用の材料を
、1つ以上の材料ロール(7)から巻き外すことを特徴とする、請求項
7又は
8に記載の方法。
【請求項10】
製造プロセスにおいて、前記飲料用ストロー(1)用の材料を、材料ロール(7)からロール紙(8)として巻き外して、前記ロール紙(8)を、前記飲料用ストロー(1)の形状に形成して締着し、形成された前記ロール紙(8)を、前記飲料用ストロー(1)の所望の長さに切断することを特徴とする、請求項
7~
9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記製造機器が、前記飲料用ストロー(1)を平行に製造するように、複数の平行な材料ロール(7)から巻き外される複数の平行なロール紙(8)を備えることを特徴とする、請求項
7~1
0のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記飲料用ストロー(1)の前記縁部(4)を、前記成形可能なシート状片(2)の重なり合う材料層を接着剤又はシーリングによって締着することで形成することを特徴とする、請求項8~1
1のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記飲料用ストロー(1)の裁ち端を、疎水性のコーティングで処理することを特徴とする、請求項
7~1
2のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに定義されるような使い捨て飲料用ストロー及び請求項9のプリアンブルに定義されるような当該飲料用ストローの製造方法を目的とする。
【背景技術】
【0002】
本発明に係る飲料用ストロー及びその作製方法(以後、本発明に係る解決策と呼ぶ)は、環境に優しい持続可能な飲料用ストローのための解決策であり、飲料用ストローは、再生可能、且つ、完全に堆肥化、リサイクル及び再パルプ化が可能な食品産業用の材料から容易に製造される。
【0003】
昨今、飲料に用いる使い捨て飲料用ストローについて、ジュース飲料、牛乳、アイスコーヒーやアイスティ、ミルクシェイクやスムージー、又はアルコール入り飲料といった冷たい飲料を供給する際に、プラスティックストローが用いられる場合が非常に多い。使い捨てコップが屋外で使用されることから、使用後に、この使い捨てストローは、ごみ箱に捨てられるのではなく、極めて小さく軽い物として手軽に自然環境に投げ捨てられることがある。最近では、欧州委員会が、欧州のビーチや海でほとんどの場合にごみとなる使い捨てプラスティック製品に対する規則を提案しているが、そのプラスティック製品の1つがプラスティックストローである。これらの新たな規則に従い、プラスティックストローはEU全域で禁止される予定である。同時に、幾つかのグローバル企業が、自身の市場提供物においてプラスティックストローを取り扱い中止にすることを誓約している。ストローは、いわゆるバイオプラスティックからも作られる。バイオプラスティックは、非化石で再生可能な植物性材料から作られる。これはポリマーを含み、容易にリサイクルできず、自然へと分解されることもないため、依然としてプラスティックである。これらPLA製品は、自然や海洋環境に何年も留まり続ける。
【0004】
プラスティックは、廃棄されると、その材料の経済的価値における損失だけでなく、同時に、ビーチ、公園又は自然界のその他の場所の清掃費用を発生させ、観光や漁業、運送に悪影響を及ぼす。自然界におけるプラスティックの分解は極めて遅い。これらは河川や海、ビーチに蓄積し、プラスティック残留物は、海洋の植物相及び動物相、植物、そして鳥類、ウミガメ、アシカ、魚類、クジラ及びその他の海洋動物に影響し、最終的には私達の食物連鎖にも影響する。
【0005】
他の問題点としては、プラスティック及びバイオプラスティックのリサイクル可能性、特に、どのようにして適切な材料の流れに回収するかが困難であることが挙げられる。消費者は、使用済みのコップとストローとを、同じ材料でないにも関わらず、同じゴミ入れに廃棄することが多い。紙コップと一緒に使用された場合、プラスティック又はバイオプラスティックのストローは、プラスティックストローと同じ方法でリサイクルすることができない。プラスティック又はバイオプラスティックのストローは、それ単体でプラスティックの流れにおいてリサイクルされるべきだが、これはリサイクルにおける効率性が低く、ごみ全体の中でストローが占める量は極めて少ない。海岸で清掃されたプラスティックごみに関する調査によれば、プラスティックストロー及びプラスティックコップは、全プラスティックごみの中で、最も多く発見されたプラスティックごみの上位10種に含まれていた。
【0006】
他の種類の使い捨て飲料用ストローとして、紙ストローがある。紙ストローは、より環境に優しい選択肢であることから、プラスティックストローに代わる有力な代替品となっている。幾つかの製造業者によって、分解可能な紙ストローが提供されている。しかしながら、紙ストローには、紙を飲料用ストローの形状に丸める際の製造プロセスにより多くの時間と費用がかかるという問題がある。また、紙ストローは、紙層の間に接着剤(グルー)層も備える。この接着剤層はポリマーも含むため、紙ストローはプラスティック・フリーの製品ではない。
【0007】
他の新たな種類の飲料用ストローとして、複合材ストローがある。ストローを形成する樹脂に小さな木材が混ぜられており、プラスティックストローの製造と同様に、押出法によって製造される。複合材ストローの樹脂は、基本的に、ポリマーを含むプラスティック(PLA)でできている。
【0008】
今日の飲料用ストロー全般における更なる欠点として、ストローの側面における印刷領域が、極めて限定され且つ最適な形状ではないということが挙げられる。飲料用ストローは、商業広告、製品情報、ロゴ、子供向けの面白い絵柄等に最適な場所となりうる。プラスティック、バイオプラスティック及び複合材のストローは、押出技術によって作られ、自由に印刷することは不可能である。紙ストローには、一部の限定的な印刷を施すことはできるが、巻き技術に起因して、ストライプに色付けした印刷が主になるか、又は繰り返す絵柄全体を印刷可能な面が存在しない。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、前述の欠点を解消し、再生可能でリサイクル可能な繊維材料、又は他の効率的にリサイクル可能な材料若しくは生分解可能な材料から、使い捨て飲料用ストローに対する、安価で単純且つ環境に優しい解決策を提供することを目的とする。
【0010】
本発明は、先行技術の欠点を解消し、新たな種類の使い捨て飲料用ストロー及びその製造方法を導入することを目的とする。飲料用ストローの基材は、好適には、光沢ボード又はコーティング済ボードである。また、厚紙の反対側を、薄いコーティングでコーティングしてもよく、これにより、厚紙をシーリングで互いに締着することが可能となる。本発明に係る飲料用ストローの材料は生分解可能であってもよいし、且つ/又は、材料は容易にリサイクル可能且つ再パルプ化可能であってもよい。
【0011】
本発明の目的の1つは、液体流路と1つの縁部とを備え、液体流路が縁部に対して実質上平行である飲料用ストローを導入することである。飲料用ストロー材料は、持続可能でリサイクル可能且つ生分解可能なコーティング済厚紙であり、飲料用ストローは、コーティング済厚紙の1つの質上長方形のシート状片から形成される。
【0012】
本発明に係る飲料用ストローは、請求項1の特徴部分における開示を特徴とし、飲料用ストローの製造方法は、請求項9の特徴部分における開示を特徴とする。本発明の他の実施例は、他の請求項における開示を特徴とする。
【0013】
本発明の利点は、よりリサイクルに向いた設計の飲料用ストロー製品であることから、リサイクル・スキームにおける統合材料ストリームに、紙コップと共に回収できるという点である。飲料用ストロー材料は、生分解可能材料や再パルプ化可能な繊維性材料であってもよい。本発明に係る飲料用ストローは、環境に優しい持続可能な飲料用ストローである。飲料用ストローがヒートシーリングによって形成される場合、接着剤又はグルーといった追加成分を備えないことから、純粋なコーティング済厚紙によって作られる。また、ストローに追加成分が含まれないことから、安全に使用できる。
【0014】
本発明の他の利点は、例えば紙ストローの製造方法と比較して、飲料用ストローの製造方法が単純且つ高速である点である。本発明に係る飲料用ストローの製造費用は極めて少なく、従来の紙ストローよりも安価である。
【0015】
本発明の更なる利点及び使用は、印刷によって飲料用ストローの外観に独自性をもたせることができる点である。コーティング済厚紙材料は、自由に印刷可能であり、特に、両面を有する液滴形状ストローにおいて、飲料用ストローの表面面積は大きく、様々な多色印刷を含むことができる。印刷は、例えば、広告、ロゴ、文章、製品情報、季節のテーマ等であってもよい。また、飲料用ストローの広い面によって、飲料用ストローにおいて、色変化温度計、絵柄の出現、多様なセンサ(例えば毒性センサ、アルコールセンサ等)、液体用の目盛り等といった、幾つかの拡張機能の利用が可能となる。印刷インクには、食品認証インクが選択される。
【0016】
以下、本発明は、幾つかの実施例の使用と、簡略化された添付の図面の参照とによって、より詳細に説明されよう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、斜め上及び側面から見た、飲料用ストローを形成する、成形可能な長方形のシート状片を示す。
【
図2】
図2は、斜め上及び側面から見た、丸い飲料用ストローの形状に曲げられた、
図1の成形可能な長方形のシート状片を示す。
【
図4】
図4は、斜め上及び側面から見た、平坦な又は液滴形状の飲料用ストローを形成するように曲げられた、
図1の長方形の成形可能なシート状片を示す。
【
図5】
図5は、斜め上及び側面から見た、1つの縁部を含み、1つのシート状片から形成される飲料用ストローの実施例を示す。
【
図6】
図6は、斜め上及び側面から見た、表面に印刷を含む
図5の飲料用ストローを示す。
【
図6A】
図6Aは、斜め上及び側面から見た、表面に印刷を含む
図2の飲料用ストローを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1では、斜め上及び側面から見た、飲料用ストロー1を形成する、実質上長方形の成形可能なシート状片2を示す。このシート状片2は、後述する製作段階において、好適には、コーティング済厚紙のロール紙から切断される。シート状片2は対向する縁4x及び4yを備える。
【0019】
この飲料用ストロー実施例で使用されるコーティング済厚紙は、例えば紙コップにも利用される、持続可能で環境に優しい厚紙である。このコーティング済厚紙のコーティングは、分散技術を用いた厚紙製造プロセスによって、流れ作業で作られる。コーティング層は極めて薄く、例えば従来のPE/PLAコーティング済厚紙よりも少量のプラスティックを備える。この材料は、他の紙製品と共にリサイクルし易く、再パルプ化可能な材料である。また、このコーティング済厚紙は、生分解可能でもあり、海洋環境において容易に分解される。このコーティング済厚紙は、ヒートシーリング可能でもあり、接着剤又はグルーといった追加成分を用いない飲料用ストローの製造を提供する。
【0020】
図2では、斜め上及び側面から見た、丸い飲料用ストロー1の形状に曲げられた、
図1の成形可能なシート状片2を示す。シート状片2は、対向する縁4xと4yとが互いに重なり合い、共に接合するように曲げられる。
図3では、
図2の丸い飲料用ストローの断面の上面図を示す。
【0021】
丸い飲料用ストロー1は、1つの実質上長方形のシート状片2から形成され、1つの縁部4と液体流路3とを備える。縁部4は、液体流路3に対して並んでいるか又は隣接しており、実質上平行である。縁部4は、実質上直線状でもある。シート状片2は、対向する縁4xと4yとが重なるように曲げられる。重なり合う厚紙部分では、シート状片2の反対の面同士が互いに対面している。重なり合う厚紙部分は、共に固く締着されて、縁部4を形成する。縁部4が形成されると、液体流路3も、縁部4に対して並んで、実質上平行に形成される。先行技術の飲料用ストロー技術と比較すると、押出によるストロー(プラスティック、バイオプラスティック及び複合材)は縁部を一切有しておらず、紙ストローの縁部は、縁部がストロー内をらせん状に横断していることから、液体流路に対して平行又は直線状ではない。
【0022】
図4では、斜め上及び側面から見た、平坦な又は液滴形状の飲料用ストローを形成するように曲げられた、
図1の実質上長方形の成形可能なシート状片を示す。
【0023】
図5では、斜め上及び側面から見た、1つの縁部4を含み、1つの長方形のシート状片2から形成される飲料用ストロー1の実施例を示す。
図5Aでは、
図5の飲料用ストロー1の断面の上面図を示す。
【0024】
飲料用ストロー1は、1つの実質上長方形のシート状片2から形成され、1つの縁部4と液体流路3とを備える。飲料用ストロー1の断面は液滴形状である。縁部4は、液体流路3に対して並んでいるか又は隣接しており、実質上平行である。縁部4は、実質上直線状でもある。シート状片2は、対向する縁4xと4yとが互いに重なり合うように曲げられる。重なり合う厚紙部分は、互いに固く締着されて、縁部4を形成する。重なり合う厚紙部分では、シート状片2の同じ面同士が互いに対面している。他方の縁を反転させて、反対の面同士が互いに対面するようにすることも可能である。縁部4が形成されると、液体流路3も、縁部4に対して並んで、実質上平行に形成される。
【0025】
図6では、斜め上及び側面から見た、表面に印刷5を含む
図5の飲料用ストロー1を示し、
図6Aでは、斜め上及び側面から見た、表面に印刷を含む
図2の飲料用ストローを示す。
【0026】
本技術革新に係る飲料用ストロー1は、印刷5に適した面を提供するコーティング済厚紙面を有する。比較的大きな印刷面において、多様な印刷テーマをデザインすることが可能となる。液滴形状の飲料用ストロー1は、2つの印刷可能面を有する。印刷5によって、飲料用ストロー1に独自性をもたせることができる。印刷5は、多様な多色印刷を含んでもよい。印刷5は、例えば広告、ロゴ、文章、製品情報、季節のテーマ等であってもよい。
【0027】
図7では、製造機器を用いた、
図2及び
図5の飲料用ストロー1の製造プロセスの側面図を示す。
図8Aでは、製造機器を用いた、
図5の液滴形状の飲料用ストローの製造プロセスの上面図を示す。
図8Aでは、製造機器を用いた、
図1の丸い飲料用ストローの製造プロセスの上面図を示す。
【0028】
例えば事前印刷が施された、飲料用ストロー1のコーティング済厚紙材料は、材料ロール7から巻き外される。巻き外された材料は、連続するロール紙8を形成する。段階p1では、曲げ手段9によって、ロール紙8が飲料用ストローの形状に曲げられる。段階p2では、成型手段10によって、液体流路が形成される。段階p3では、締着手段11によって、ロール紙8の重なり合う縁4xと4yとが互いに締着されて、飲料用ストロー1の縁部4を形成する。縁部4が形成されると、液体流路3も、縁部4に対して並んで又は隣接して、実質上平行に形成される。段階p4では、ロール紙が、飲料用ストロー1の所望の長さに切断される。段階p5では、飲料用ストロー1が製造される。
【0029】
上述した図示の原材料ロール7が、単一のロール紙8よりも幅広であることは明白である。材料ロール7は、幾つかの平行なロール紙8に切断されて、飲料用ストロー1を平行に製造する。例えば事前印刷プロセスによって、事前に、材料ロール7をロール紙8の所望の幅に切断することも可能である。
【0030】
有利には、上述した、飲料用ストローに用いられる飲料用ストロー1の材料は、持続可能で、生分解可能、容易にリサイクル可能且つ再パルプ化可能な材料である、コーティング済厚紙である。
【0031】
シート状片2の少なくとも他方側がコーティングされ、シート状片2が曲げられて又は折られて、薄いプラスティックコーティング層が互いに対面している場合、飲料用ストロー1の縁部4の締着を、ヒート又はコールドシーリングによって行うことができる。材料上にシーリング可能なコーティングがない場合は、飲料用ストロー1の縁部4の締着を、食品接触承認接着剤によって行うことができる。ヒートシーリング締着法によって、接着剤又はグルーといった追加成分なしで飲料用ストロー1が提供される。
【0032】
飲料用ストロー1材料が水浸しになるのを回避するため、材料の裁ち端(切断縁)を、疎水性のコーティング又は同様のものによって押し付けてもよい。浸水は、製造段階において、材料の縁を斜めの角度に切断して、材料を平坦に押し付けることでも軽減できる。
【0033】
上述した実施例では、使用者にとって口当たりが良い、丸い又は平坦/液滴形状の飲料用ストロー1を形成することが有利である。飲料用ストロー1の寸法は、飲料の粘度及び、乳児、幼児、大人といった使用者の対象グループに依存する。ジュースや子供用飲料では、有利には、ストロー1の寸法はより小さい。例えば、ストローの厚さは5.0mm未満であり、ストローの幅は12mmと22mmとの間である。大人用飲料や粘度の高い飲料では、有利には、飲料用ストロー1の厚さは9.0mm未満であり、幅は15mmと25mmとの間である。
【0034】
本発明の様々な実施例が、上記の例に限定されず、以下に提示される請求項の範囲内で変更が可能であることは、当業者には自明である。重要なのは、本発明に係る使い捨て飲料用ストローが、環境に優しい、容易にリサイクル可能又は生分解可能な飲料用ストローであることである。このように、例えば、飲料用ストローの形状及び寸法は、実施例に記載のものと異なってもよい。飲料用ストローの断面形状は、例えば円形状、楕円形状又は液滴形状であってもよい。
【0035】
本発明に係る飲料用ストローが、実施例に示されたものとは異なる持続可能な材料から作られてもよいことも、当業者には自明である。