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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-21
(45)【発行日】2023-08-29
(54)【発明の名称】スティック型の清掃具
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/02 20060101AFI20230822BHJP
   A47L 13/24 20060101ALI20230822BHJP
【FI】
A47L9/02 C
A47L13/24 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021514705
(86)(22)【出願日】2019-04-16
(86)【国際出願番号】 JP2019016390
(87)【国際公開番号】W WO2020213077
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2022-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】508157370
【氏名又は名称】バルミューダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141173
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 啓一
(72)【発明者】
【氏名】寺尾 玄
(72)【発明者】
【氏名】直原 佑哉
(72)【発明者】
【氏名】毛利 重実
(72)【発明者】
【氏名】池内 昭仁
(72)【発明者】
【氏名】中山 達也
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-137165(JP,A)
【文献】特開平10-328097(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/02
A47L 13/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スティック型の清掃具において、
清掃ヘッドと、
スティック部と、
湾曲レール部と、
持ち手部と、
を有してなり、
前記スティック部の一端は、前記掃除ヘッドに可動自在に取り付けられ
前記スティック部の他端には、前記湾曲レール部が設けられ
前記持ち手部は、前記湾曲レール部に沿って摺動自在に取り付けられて、
前記持ち手部を中立位置に付勢する付勢機構を有してなる、
ことを特徴とするスティック型の清掃具。
【請求項2】
前記清掃ヘッドと前記スティック部とを可動自在に連結する継手部と、
前記清掃ヘッドに対して前記スティック部を自立方向に付勢する自立機構と、
を有してなり、
前記継手部は、可動部位、
を備え、
前記自立機構は、互いに引き寄せあう一対の磁石、
を備え、
前記一対の磁石は、前記可動部位に対向して配置されていること、
を特徴とする請求項1に記載されたスティック型の清掃具。
【請求項3】
前記一対の磁石のうちの一方の磁石は、前記スティック部が延在する方向における所定の可動範囲内をスライド自在に取り付けられていること
を特徴とする請求項に記載されたスティック型の清掃具。
【請求項4】
前記一対の磁石は、前記継手部の内部に配置されていること
を特徴とする請求項に記載された清掃具。
【請求項5】
前記一対の磁石は、前記継手部の外側に配置されていること
を特徴とする請求項に記載された清掃具。
【請求項6】
前記継手部は、前記可動部位として、
第1の回転軸を中心に可動自在な第1の可動部位と、
前記第1の回転軸とは直交する第2の回転軸を中心に可動自在な第2の可動部位と、
を備え、
前記自立機構は、前記一対の磁石として、
互いに引き寄せあう一対の第1の磁石と、
互いに引き寄せあう一対の第2の磁石と、
を備え、
前記一対の第1の磁石は、前記第1の可動部位に対向して配置され、
前記一対の第2の磁石は、前記第2の可動部位に対向して配置されること、
を特徴とする請求項に記載されたスティック型の清掃具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃ヘッドにスティック部が可動自在に取り付けられたスティック型の清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、清掃具において、自立状態を維持するロック機構を備えたものが知られている。例えば、特許文献1には、清掃作業や収納作業をスムーズに行うことができるローラークリーナーが開示されている。このローラークリーナーは、回転ローラが回転自在に取り付けられた連結部材と、柄とを有し、連結部材および柄の一端は、回転機構を介して連結されている。この回転機構は、回転ローラに対して柄が直角に配置された清掃時形態と、互いの軸心が平行に配置された収納時形態とを切り替えることができる。また、回転機構にはロック手段が設けられており、このロック手段によって、連結部材に対して柄が固定され、両者間の回転が規制される。
【0003】
また、特許文献2には、継手管を床面等の清掃面から起立させた姿勢で自立可能な電気掃除機が開示されている。この電気掃除機は、掃除機本体と、吸引具と、掃除機本体および吸引具を連結する継手管とを有する。継手管は、元管と、先管と、これらの管を折り曲げ可能に連結する固定手段付きのヒンジ手段とを有する。固定手段は、元管および先管を折り曲げて、清掃面から元管が起立する姿勢で固定し、これによって、継手管が自立する。
【0004】
さらに、特許文献3には、柄部を直立状態に保持する清掃具が開示されている。この清掃具は、連結部がヘッド部に対して柄部が垂直にした状態でのみ、上下に摺動可能な構造を有している。ヘッド部に対して垂直にした柄部を真下に移動させると、ロック条部が縦溝部内に嵌合し、連結部と取付部5との回動がロックされる。同時に、固定環から突出したロック板部は、係合筒部の下端中央の切込部に押し込まれて、連結部と係合筒部6との回動がロックされる。このようにそれぞれを回動不能にロックすることで、柄部がヘッド部に対する垂直状態を維持したまま固定される。ロックを解除する場合は、柄部を真上に引き抜けばよい。
【0005】
一方、従来、清掃具において、ユーザが手で握るための持ち手部を備えたものも知られている。例えば、特許文献4には、常に上側から掴めるようにして持ち易く、かつ、家具などに引っ掛かりにくい形状の把手用ハンドルを有する電気掃除機が開示されている。この把持用ハンドルは、掃除機本体とホースとの連結部に回転自在に設けられおり、付勢力手段によって中立位置に常時付勢されている。電気掃除機のスタンド収納時は、把手用ハンドルは無荷重であるため、連結部と平行に位置し、延長管の収納の妨げとはならない。一方、清掃時において、把手用ハンドルを掴んで掃除機本体を持ち上げる際には、把手用ハンドルを付勢力手段に抗して回転させることで、把手用ハンドルを上から持つことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2012-245292号公報
【文献】特開2013-70839号公報
【文献】特開2019-37368号公報
【文献】特開2005-87658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、簡単に自立させることができる新規なスティック型の清掃具を提供することである。
【0008】
また、本発明の別の目的は、清掃具を傾けて使用する際にも良好な操作性を実現できる新規なスティック型の清掃具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決すべく、第1の発明は、清掃ヘッドと、スティック部と、継手部と、自立機構とを有するスティック型の清掃具を提供する。清掃ヘッドは、清掃面を清掃する。スティック部は、スティック状に延在している。継手部は、清掃ヘッドと、スティック部の一端とを、可動自在に連結する。自立機構は、継手部の可動部位に対向して配置された一対の磁石を備え、一対の磁石の吸引力によって、清掃ヘッドに対してスティック部を自立方向に付勢する。
【0010】
ここで、第1の発明において、上記一対の磁石のうちの一方は、上下方向における所定の可動範囲内をスライド自在に取り付けられていることが好ましい。また、上記一対の磁石は、継手部の内部に配置されていてもよく、継手部の外側に配置されていてもよい。また、上記継手部は、第1の回転軸を中心に可動自在な第1の継手部と、第1の回転軸とは直交する第2の回転軸を中心に可動自在な第2の継手部とを有していてもよい。この場合、上記自立機構は、上記一対の磁石として、一対の第1の磁石と、一対の第2の磁石とを有することが好ましい。一対の第1の磁石は、第1の継手部の可動部位に対向して配置され、互いに引き寄せ合う。一対の第2の磁石は、第2の継手部の可動部位に対向して配置され、互いに引き寄せ合う。
【0011】
また、第1の発明において、スティック部の他端において湾曲して設けられた湾曲レール部と、湾曲レール部に沿って摺動自在に取り付けられた持ち手部とを設けてもよい。この場合、持ち手部を中立位置に付勢する付勢機構をさらに設けることが好ましい。
【0012】
第2の発明は、清掃ヘッドと、スティック部と、湾曲レール部と、持ち手部とを有するスティック型の清掃具を提供する。清掃ヘッドは、清掃面を清掃する。スティック部は、スティック状に延在し、その一端が、清掃ヘッドに可動自在に取り付けられている。湾曲レール部は、スティック部の他端において湾曲して設けられている。持ち手部は、湾曲レール部に沿って摺動自在に取り付けられている。
【0013】
ここで、第2の発明において、持ち手部を中立位置に付勢する付勢機構を設けてもよい。
【発明の効果】
【0014】
第1の発明によれば、清掃ヘッドとスティック部の一端とを可動自在に連結する継手部に、磁気的な吸引力を用いた自立機構を設けることで、清掃具を保管する際などにおいて、煩雑な操作を必要とすることなく、清掃具を簡単に自立させることができる。
【0015】
第2の発明によれば、スティック部の他端に持ち手部を設け、清掃ヘッドに対するスティック部の傾きに応じて持ち手部を摺動させることで、スティック部の傾きに関わりなく良好な操作性を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】清掃具の外観斜視図
図2】継手部の要部展開図
図3】自立機構の要部断面図
図4】傾けた状態における自立機構の要部断面図
図5】磁気的な吸引力を用いた自立機構の代替手段であるロック機構の説明図
図6】持ち手部の説明図
図7】変形例に係る自立機構の要部斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本実施形態に係る清掃具の外観斜視図である。この清掃具1は、スティック型の形態を有し、例えば、掃除機、清掃モップ、清掃ローラなどの各種製品として実現される。清掃具1は、清掃ヘッド2と、スティック部3と、持ち手部4とを主体に構成されている。清掃ヘッド2は、清掃面(地面)を清掃する機能を担う部分であり、掃除機の場合は吸引ヘッド、清掃モップの場合はモップの取付ヘッド、清掃ローラの場合にはローラの取付ヘッドがそれぞれ該当する。ここで、清掃ヘッド2の「ヘッド」とは、頭部や先端部といった場所を指す意味で用いており、その形状は、後述するスティック部との大小関係を含めて特段限定されるものではない。
【0018】
スティック部3は、清掃ヘッド2より上方に向かって直線状に延在している。スティック部3の一端は、継手部5を介して、清掃ヘッド2に可動自在に連結されている。また、スティック部3の他端には、ユーザが手で握って清掃具1を移動操作するための持ち手部4が可動自在に取り付けられている。本実施形態にかかる清掃具1の特徴としては、第1に、可動自在な継手部5を固定することで、清掃具1が自立可能であること、第2に、スティック部3の傾きに追従して持ち手部4の角度が変化することで、ユーザ(操作者)の手の負担を減らせることが挙げられる。
【0019】
図2は、継手部5の要部展開図である。この継手部5は、上下のヒンジ部5a,5bと、カルダンジョイント式の自在継手部5cとを有する。下ヒンジ部5aは、清掃ヘッド2に取り付けられており、清掃ヘッド2の上部から上方に向かって突出している。上ヒンジ部5bは、スティック部3に取り付けられており、スティック部3の下端から下方に向かって突出している。自在継手部5cは、前後および左右に4つの突起部を有する。これらの突起部のうち、左右の突起部は、下ヒンジ部5aが備える左右の貫通孔に挿通されており、前後の突起部は、上ヒンジ部5bが備える前後の貫通孔に挿通されている。これにより、継手部5は、回転軸A1を中心に前後方向に可動自在な可動部位5a,5cと、回転軸A1とは直交する回転軸A2を中心に左右方向に可動自在な可動部位5b,5cとを備え、全体として2自由度(前後方向および左右方向)で回転自在になっている。
【0020】
また、清掃具1には、磁石の吸引力によって、清掃ヘッド2に対してスティック部3を自立方向に付勢する自立機構が設けられている。図3は、自立機構の要部断面図である。この自立機構6は、中空状の継手部5の内部に設けられており、4つの磁石6a~6dを有する。
【0021】
回転軸A1を中心に前後方向に可動自在な可動部位5a,5cには、互いに引き寄せ合う一対の磁石6a,6bが対向して配置されている。一方の磁石6aは、清掃ヘッド2側(下ヒンジ部5aの近傍)に取り付けられている。具体的には、清掃ヘッド2の上部には、一方の磁石6aを収容するための空間として収容部2aが設けられている。この収容部2aに収容された一方の磁石6aは、収容部2aによって規定された所定の可動範囲内(収容部2aの深さに相当する。)で上下方向にスライド自在に取り付けられている。また、一方の磁石6aと対向した他方の磁石6bは、自在継手部5cの下部に固定的に取り付けられている。
【0022】
回転軸A2を中心に左右方向に可動自在な可動部位5b,5cには、互いに引き寄せ合う一対の磁石6c,6dが対向して配置されている。一方の磁石6cは、スティック部3側(上ヒンジ部5bの近傍)に取り付けられている。具体的には、スティック部3の下端には、一方の磁石6cを収容するための空間として収容部3aが設けられている。この収容部3aに収容された一方の磁石6cは、収容部3aによって規定された所定の可動範囲内(収容部3aの深さに相当する。)を上下方向にスライド自在である。また、一方の磁石6cと対向した他方の磁石6dは、自在継手部5cの上部に固定的に取り付けられている。
【0023】
清掃ヘッド2に取り付けられたスティック部3が自立した状態(直立時)では、一対の磁石6a,6bが直線状に並んだ状態で接触し、両者の間に生じる磁気的な吸引力によって、前後方向に可動自在なスティック部3が自立方向に付勢される。それと同時に、一対の磁石6c,6dも直線状に並んだ状態で接触し、両者の間に生じる磁気的な吸引力によって、左右方向に可動自在なスティック部3が自立方向に付勢される。その結果、スティック部3の自立状態が維持・固定されることになる。
【0024】
一方、図4に示すように、ユーザがスティック部3を前後方向に傾けた場合、一対の磁石6c、6dの接触状態は維持されたまま、一対の磁石6a,6bの接触状態のみが崩れて、他方の磁石6bは一方の磁石6aの前後方向に変位しようとする。その際、他方の磁石6bの変位に応じて一方の磁石6aが下方に押し下げられるため、他方の磁石6bは、一方の磁石6aによって変位を阻害されることなく、スムーズに前後方向に変位する。このように、一方の磁石6aに可動性を持たせることで、ユーザによるスティック部3の前後方向への傾け易さ(一対の磁石6a,6bの外れ易さ)を実現できる。
【0025】
また、ユーザがスティック部3を左右方向に傾けた場合、一対の磁石6a,6bの接触状態は維持されたまま、一対の磁石6c,6dの接触状態のみが崩れて、他方の磁石6dは一方の磁石6cの左右方向に変位しようとする。その際、他方の磁石6dの変位に応じて一方の磁石6cが上方に押し上げられるため、他方の磁石6dは、一方の磁石6cによって変位を阻害されることなく、スムーズに左右方向に変位する。このように、一方の磁石6cに可動性を持たせることで、ユーザによるスティック部3の左右方向への傾け易さ(一対の磁石6c,6dの外れ易さ)を実現できる。
【0026】
図5は、磁気的な吸引力を用いた自立機構6の代替手段であるロック機構の説明図である。このロック機構7は、ロック部材7aの抜き差しによって、継手部5を固定/解放する。ロック部材7aとしては、一例として、上下方向にスライド自在な金属製の丸棒を用いることができる。また、継手部5の構成部材のうち、上下のヒンジ部5a,5bには、挿通孔7b,7cが位置的に一致するように設けられている。それぞれの挿通孔7b,7cは、ロック部材7aとしての丸棒を挿通可能な円状の開口形状を有している。ユーザは、スティック部3が自立した状態で、挿通孔7b,7cにロック部材7aを挿通する。これによって、自立状態のスティック部3がロックされる。また、ロックを解除する場合、ユーザは、挿通孔7b,7cに挿通されたロック部材7aを抜けばよい。このロック機構7では、自立状態のロック/ロック解除のために、ロック部材7aの抜き差しが必要であるのに対して、上述した自立機構6では、このようなユーザ操作を必要としない点で利便性に優れている。
【0027】
なお、ロック部材7aとしては、図示した丸棒に限らず、角棒や板状部材を用いてもよい(この場合、挿通孔7b,7cの開口形状は、ロック部材7aの断面形状に応じた形状になる。)。また、ロック部材7aとしては、継手部5の周囲を少なくとも部分的に覆い、上下方向にスライド自在なカバー部材であってもよい。この場合、カバー部材を下方に押し下げ、カバー部材の下端を清掃ヘッド2の上部に接触させることで、スティック部3の自立状態がロックされる。そして、ロックを解除する場合には、カバー部材を上方に押し上げればよい。
【0028】
図6は、持ち手部4の説明図である。スティック部3の他端には、U字状に湾曲した湾曲レール部3bが設けられており、この湾曲レール部3bに沿って、リング状の持ち手部4が回転方向に摺動自在に取り付けられている。また、スティック部3の内部には、付勢機構3cが設けられており、この付勢機構3cは、ワイヤーやリンク機構などの連結部材3dを介して、持ち手部4に連結されている。付勢機構3cは、持ち手部3を中立位置(すなわち、スティック部3の直立状態で持ち手部3が真上を向いた状態)に常時付勢するための引張り力(アシスト動力)を発生する。この引張り力は、中立位置を基準とした持ち手部4の回転量が大きくなるに従って大きくなる。付勢機構3cとしては、例えば、バネ、モータ、磁石などを用いることができる。
【0029】
ユーザは、清掃ヘッド2に対してスティック部3が傾けると、付勢機構3cのアシスト力に抗して持ち手部4が回転する。これにより、ユーザは、持ち手部4を握ったままで、スティック部3を自由に傾けることができる。また、スティック部3を自立状態に戻す場合には、付勢機構3cのアシスト力によって持ち手部4が中立位置に自動的に復帰するため、ユーザの力を必要としない。なお、付勢機構3cは、スティック部3の内部ではなく、湾曲レール部3cに設けてもよい。また、付勢機構3cは、連結部材3dと一体化されていてもよい。
【0030】
このように、本実施形態によれば、清掃ヘッド2とスティック部3の一端とを可動自在に連結する継手部5に、磁気的な吸引力を用いた自立機構6を設ける。これにより、清掃具1を保管する際などにおいて、煩雑な操作を必要とすることなく、清掃具1を簡単に自立させることができる。
【0031】
また、本実施形態によれば、スティック部3の他端に持ち手部4を設け、清掃ヘッド2に対するスティック部3の傾きに応じて、持ち手部4を摺動させる。これにより、スティック部3の傾きに関わりなく良好な操作性を実現できる。
【0032】
なお、上述した実施形態では、図3に示したように、磁石6a~6dを中空状の継手部5の内部に配置した例について説明したが、図7に示すように、継手部5の外側(外周面など)に配置してもよい。継手部5の外側に磁石6a~6dを配置した場合、例えば、電気掃除機のように、継手部5内の中空空間がゴミの吸引流路として用いられていても、流路径に影響を与えることなく、スティック部3の自立機能を実現できる。
【0033】
具体的には、下ヒンジ部5aの外側および自在継手部5cの外側のそれぞれには、収容部5d,5eが側方に突出して設けられている。これらの収容部5d,5eは、継手部5の直線状態(屈曲していない状態)で位置的に並ぶように配置されている。また、下ヒンジ部5a側の収容部5dの内部空間には、一方の磁石6aが収容されており、自在継手部5c側の収容部5eの内部空間には、他方の磁石6bが収容されている。そして、互いに対向した磁石6a,6bの間に生じる磁気的な吸引力によって、回転軸A1周りを前後方向に可動自在なスティック部3が自立方向に付勢される。一方、上ヒンジ部5bの外側および自在継手部5cの外側のそれぞれには、収容部5f,5gが側方に突出して設けられている。これらの収容部5f,5gは、継手部5の直線状態で位置的に並ぶように配置されている。また、上ヒンジ部5b側の収容部5fの内部空間には、一方の磁石6cが収容されており、自在継手部5c側の収容部5fの内部空間には、他方の磁石6dが収容されている。そして、互いに対向した磁石6c,6dの間に生じる磁気的な吸引力によって、回転軸A2周りを左右方向に可動自在なスティック部3が自立方向に付勢される。それ以外の点については、上述した実施形態と同様なので、同一の符号を付して、ここでの説明を省略する。
【0034】
さらに、上述した実施形態および図7に示した構成では、前後方向および左右方向といった2自由度を有する継手部5に自立機構6を適用した例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前後方向および左右方向のいずれかの1自由度を有する継手部5に対して、自立機構6を適用してもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 清掃具
2 清掃ヘッド
2a 収容部
3 スティック部
3a 収容部
3b 湾曲レール部
3c 付勢機構
3d 連結部材
4 持ち手部
5 継手部
5a 下ヒンジ部
5b 上ヒンジ部
5c 自在継手部
5d~5g 収容部
6 自立機構
6a~6d 磁石
7 ロック機構
7a ロック部材
7b,7c 挿通孔

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7